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Iron Mountain IRM

紙の保管という岩盤の上にデータセンターを積む、借金で伸びる複利機械。事業は強いが、今の値段は成長の大半を先取りしている

やや割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)81.24 ドル242 億ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-21)114.7 ドル342 億ドル差 −29.2%
10 年後から見ると やや割高 価値 81.24 ドル242 億ドル · 差 −29.2% · 期待の年率 +3.9%
期待の年率リターン(10 年)+3.9%資本コスト比 −5.1 pt
推定の資本コスト9.0%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 9.0% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

アイアン・マウンテン(Iron Mountain)は、企業・官公庁の紙文書・テープ・メディアを預かる記録管理(保管量は約 7.5 億立方フィート)で世界最大級の会社で、利益の大半はここで稼ぐ。そこに、ハイパースケーラー向けのデータセンター(賃貸可能 528 MW・稼働率 97%)と、不要になった IT 機器を回収して再販・解体する資産ライフサイクル管理(ALM。2026 年は売上 10 億ドル近い見通し)を積み増し、2026 年 4〜6 月期の売上は前年比 18.5% 増、AFFO(配当の原資になる現金利益)は 17% 増と、近年で最も速く伸びている。

強さの源は、記録管理の値上げ力(1 立方フィート当たりの収入は前年比 +12% 超)と、事前契約が 7 割を超えるデータセンターの建設計画。一方で、成長の燃料は借金である。年 20 億ドル超の成長投資(2026 年は約 22 億ドル)は、配当を払った後に残る現金(約 7 億ドル)の 3 倍近く。純負債は 173 億ドルで時価総額の約 5 割にあたり、EBITDA は利息の 3.3 倍しかない。自己資本はマイナスで、会計上の純利益は小さい。

バリュー投資の観点では、記録管理は 10 年後も存在し物価並みに値上げできる堅い事業だが、紙の量は伸びず、成長はデータセンターと ALM に依存する。資本コストは基本 8% に、借金の重さ(純負債は EBITDA の約 5 倍で自己資本はマイナス)と紙の記録量の構造的な減少を足し、保管料の値上げ力で一部を相殺した 9.0%。利益ベースの正当化 PER の内側の倍率は、中立の 10 年で 12.2 倍にとどまり、今の純 AFFO(2026 年見込み 16.0 億ドル)の約 21 倍は、楽観に近い筋書きをすでに織り込んでいる。確率で加重した本質価値は今の時価総額に対し -28% で、「やや割高」と見る。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、まず「10 年後にも存在し、今より強いか」を問う。記録管理は紙が縮んでも預け先を変える費用が高く、物価並みに値上げでき、存在し続ける。強くなるかは、データセンターで電力を確保し、ハイパースケーラーに 10〜15 年貸し続けられるかによる。ここは需給が締まっている今は強いが、AI の計算効率の向上と顧客の自社建設で、10 年後には賃料が実質で下がる恐れがある。

オーナー利益を考える。2026 年の AFFO は 17.7 億ドル、株式報酬を引くと約 16.5 億ドル。そのうち配当に約 10 億ドルを回すと残りは約 7 億ドルで、年 20 億ドル超の成長投資に届かず、毎年 13 億ドル前後を借りる。つまり利益の伸びは「借金で買った成長」であり、利益の半分以上が利息に消える会社が、金利 5% の世界で 10 年複利を続けられるかが肝になる。成長投資の利回り(約 9.5%、推定)は借入金利 5.75% を上回るので価値は増えるが、その差は 4 ポイント弱で、純現金を持つ会社のような余裕はない。

経営は、事業の転換(紙からデータセンター・ALM へ)に成功しており、配当を AFFO の 6 割に抑え、レバレッジを 4.8 倍まで下げたのは評価できる。ただ安全域は薄い。今の純 AFFO の約 20 倍は、式どおりの中立の 15 倍強に対し 3 割ほど高い。わかりやすい事業ではあるが、借金とデータセンターの両方を確信を持って読めるわけではなく、確信度は中程度とする。

何で稼ぐ会社か

稼ぎの土台は記録管理(Global RIM)で、2026 年 4〜6 月期の売上は 14.3 億ドル(全社の 7 割)、部門の EBITDA 利益率は 43%。顧客は金融・医療・官公庁・法律事務所など多数の組織に及び、紙の箱とテープを預かる「保管収入」と、集荷・配送・文書の破棄・電子化を行う「サービス収入」に分かれる。保管収入の売上総利益率は 70% 近く、いったん預けた箱は索引づけされ、取り出し・移し替えの費用が高いため、毎年の値上げが通る。保管量は約 7.5 億立方フィートで前年比 +1.6%、1 立方フィート当たり収入は前年の 10.83 ドルから 12.19 ドルへ上がった。

データセンター部門は 2026 年 4〜6 月期の売上 2.6 億ドル(前年比 +39%)、EBITDA 利益率 52%。賃貸可能容量は 528.5 MW(1 年前は 450 MW)、賃貸済み 97%、契約の残り期間は加重平均で約 10 年、更新時の賃料は現金ベースで +12%。建設中は 160 MW(71% が事前契約済み)、開発用地は 684 MW、潜在の総容量は約 1,370 MW と、今の 2.6 倍。顧客の中心はハイパースケーラーで、10〜15 年の長期契約で電力と区画を丸ごと借りる。7 月だけで 75 MW を契約し、年初来では 110 MW になった(会社公表)。

ALM・美術品保管・デジタルを含む「その他」は 3.3 億ドル(前年比 +67%)。ALM は企業の使用済みサーバーやデータセンター解体で出る機器を買い取り、再販・部品取り・破棄をする事業で、4〜6 月期の売上は +88%(企業向け +60% 超、データセンター解体 +100% 超)。利益率はまだ低く、本社費と合わせた「その他」の EBITDA は赤字(−0.3 億ドル)。

優良さと弱いところ

堀は 3 つある。第 1 に、記録管理の規模と切り替えの費用。多数の組織の紙とテープを索引つきで預かる物流網は再現しにくく、2016 年にリコール(Recall)を買収した際も、米司法省は両社が上位 3 社に入る 15 の市場で資産の売却を条件にしただけで、全体の寡占は保たれた。顧客にとって保管料は文書の価値に比べ小さく、物価並みの値上げに強い。第 2 に、データセンターの電力と契約。賃貸可能 528 MW の 97% が埋まり、契約残は約 10 年。第 3 に、記録管理で得た信用と顧客基盤を、データセンターと ALM に横展開できる点。

弱さも明確である。まず資本構造:純負債は 173 億ドルで時価総額の約 5 割、自己資本は長年の配当の累積でマイナス(2025 年末で −10 億ドル)。EBITDA は利息の 3.3 倍しかなく、成長投資は借金で賄う。次に、AFFO の質:AFFO は減価償却や株式報酬などを足し戻すため、会計上の純利益(2026 年 1〜6 月は 2.55 億ドル)よりはるかに大きく、2026 年の AFFO は 17.7 億ドル前後。この分析では株式報酬(年 1 億ドル強、推定)を費用として引いた「正味の AFFO」で見る。最後に、データセンター事業の規模:デジタル・リアルティ(Digital Realty)の 2,800 MW、エクイニクス(Equinix)の相互接続の堀に比べると小粒で、新規契約の賃料はハイパースケーラー向けの低い水準になる。

資本効率は、記録管理は優れるが、データセンターの開発利回り(EBITDA ベースで取得原価の約 10〜11%、推定)は借入金利 5.75% を 4〜5 ポイント上回るだけで、借金で伸ばす前提でようやく資本コストに見合う水準である。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

記録管理は、紙の量が長期では縮む成熟産業だが、規制(金融・医療・官公庁の保存義務)と「捨てるより預けるほうが安い」という経済性で、保管量は横ばい〜微増を保ち、収入は値上げで年 3〜4% 伸びる。競合は、文書破棄に強いシュレッド・イット(現在はシンタス(Cintas)の傘下)、国内の中小業者(米国だけで数千社)、電子化・クラウドの代替など。アイアン・マウンテンは最大手だが、物理の保管量そのものが増えにくい点は競合も同じ。

データセンターは、業界ノートのとおり、北米の主要市場の空室率が 2026 年上期に 1.4% と過去最低で、需要の約 65% はハイパースケーラー。建設中は 35 GW で 92% が賃貸または自社用で埋まっている。見通しは、中立で賃貸容量が年 +10〜12%(10 年で 2.8 倍)、賃料は年 +2%(物価を下回る)。アイアン・マウンテンの稼働 97%・契約残 10 年は、需給が締まった今の市場の反映で、今後の新規は電力の確保が競争条件になる。デジタル・リアルティ、エクイニクス、QTS、ヴァンテージ(Vantage)、アライド(Aligned)などが同じ顧客を取り合い、大手は自社建設も進める。

ALM は、AI 向けサーバーの更新が速く、使用済み機器・データセンターの解体の量が急に増えている、という追い風の中にある。ただし再販価格は市況(半導体・メモリの価格)で振れ、利益率は薄い。この領域は参入が容易で、収益の持続性は記録管理やデータセンターほど堅くない。

資本政策と M&A

配当は AFFO の約 60%(目標は 60% 台前半)で、AFFO 1 株の伸びに合わせて増やす方針。年換算で約 10 億ドル。自社株買いはなく、株式報酬で株数は年 0.7% ほど増える。借金は純負債 173 億ドル(会社の定義のレバレッジは 4.8 倍。目標は 4.5〜5.5 倍)、固定金利が 83%、平均金利は 5.6%。2026 年の設備投資は約 22 億ドル(成長 20.5 億ドル)で、営業キャッシュフロー(15〜20 億ドル)から配当を払った残りでは足りず、差額は借入で賄う(EBITDA が伸びる分だけ借りる「レバレッジ中立」)。

M&A は過去に競合の買収(リコール)と ALM の取得(2022 年の ITRenew の過半取得)で事業を広げてきたが、データセンター開発に資金が向かう今は、大型買収より用地の積み増しと建設が中心。TOB の対象になるには、時価総額(335 億ドル)に純負債 173 億ドルを足した規模が大きすぎる。筋書きでは、成長投資を借金と配当後の現金で賄い、増資は楽観の筋書き(成長が速く借入の枠が足りない)と悲観の筋書き(谷での資本の補強)に限る。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

記録管理は値上げが利く岩盤で、保管量は 7.5 億立方フィートと過去最高、1 立方フィート当たり収入は +12%。ここから厚い現金が出て、データセンターへの投資を支える。データセンターは稼働 97%、契約残 10 年、建設中の 71% が事前契約済みで、7 月だけで 75 MW を契約した。潜在容量は 1,370 MW で今の 2.6 倍あり、電力と用地という最大の堀をすでに押さえている。ALM は年 +88% で 2026 年に 10 億ドル近くへ、利益率が上がれば EBITDA の上振れ要因になる。

2026 年の AFFO は 15% 増の 17.7 億ドル、2027 年以降も 2 桁の増益が続けば、10 年で純 AFFO は 16.5 億ドルから 40 億ドル台に乗る。データセンターが 3,000 MW 超に育ち、レバレッジが下がれば、純 AFFO は 44 億ドル、倍率 18 倍で時価総額は 780 億ドル前後(今の 2.3 倍)。EBITDA の伸びが利息の増加を上回り、借入の比率が下がるので、財務の不安は解ける。

慎重な見方

今の値段は、ほぼ完璧な実行を前提にしている。純 AFFO の約 20 倍は、式(k 9%・成長 4%)の中立 12.2 倍を 6 割強上回り、10 年後の中立でも本質価値は今を下回る。成長の燃料は借金で、2026 年の成長投資 20.5 億ドルは配当後の現金(約 7 億ドル)の 3 倍。EBITDA は利息の 3.3 倍しかなく、借り換えのたび(平均金利 5.6% から 5.75% 超へ)に利益が目減りし、AFFO の伸びの一部は金利に食われる。

紙の保管は、保管量の伸びが 1.6% で、値上げが成長の全てに近い。電子化が進めば、出庫でなく廃棄が増え、保管量が縮み始める。データセンターは、ハイパースケーラーの自社建設とプライベート資本(ブラックストーンなど)の参入で供給が増えれば、新規契約の賃料が下がり、開発利回り 10〜11% と借入金利 5.75% の差が縮む。ALM は市況に左右される低利益率の事業で、2026 年の +88% は持続しない。AFFO は株式報酬を足し戻した数字で、株式報酬を引いた正味は小さい。

どちらに重みを置いたか

事業の強さは強気の見方が上回り、記録管理の値上げ力とデータセンターの契約の堅さは認める。ただし値段と資本構造は慎重な見方が強く、倍率は利益ベースの正当化 PER の内側に置き、10 年中立で 12.2 倍、確率は楽観・やや楽観を合わせて 35%、やや悲観・悲観を合わせて 31% と、やや楽観側に厚くしつつ、悲観の深さ(借金が重く、谷で倍率が 10 倍前後まで下がる)を悲観に入れた。結論は、事業は優良だが、安全域の薄い値段。 総合は今の時価総額に対し -28% で、判定はやや割高。 株式報酬は実際の年 1.7 億ドルのペースで引いてある。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した株価時価総額 122.03 ドル363 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 45.69 ドル136 億ドル)。 今の値に割り戻すと 81.24 ドル242 億ドル、今との差 −29.2%、 期待の年率 +3.9%(資本コスト 9.0%)→ やや割高

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 13% 205.56 ドル612 億ドル 50.03 ドル149 億ドル +122.8% +8.3% 33.23 ドル99 億ドル
やや楽観 22% 158.62 ドル472 億ドル 51.71 ドル154 億ドル +83.3% +6.2% 46.27 ドル138 億ドル
中立 34% 123.40 ドル368 億ドル 50.70 ドル151 億ドル +51.8% +4.3% 59.19 ドル176 億ドル
やや悲観 20% 75.89 ドル226 億ドル 42.31 ドル126 億ドル +3.0% +0.3% 23.64 ドル70 億ドル
悲観 11% 29.82 ドル89 億ドル 19.14 ドル57 億ドル −57.3% −8.2% 5.39 ドル16 億ドル
加重平均100% 122.03 ドル363 億ドル45.69 ドル136 億ドル +46.2% +3.9% 167.72 ドル499 億ドル

今の株価時価総額 114.72 ドル342 億ドル(2026-10-21)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.0% を下回るほど割高。

楽観 13% 楽観:電力つきの用地が武器になり、データセンターは 3,200 MW・値上げも物価に近づく 利益 43 億ドル · PER 14.3 倍 · 株価時価総額 205.56 ドル612 億ドル

10 年後の 2035 年、データセンターの賃貸済みは年平均 3,200 MW(2025 年の 7 倍)に育つ。市場の伸び(容量 年 +10〜12%)に合わせて上昇し、シェアも上がる(電力つきの用地が武器)。1 MW 当たり賃料は年 +2.8%(物価の 3.5% を下回る)。記録管理は保管量 +0.7%・1 立方フィート当たり収入 年 +3.9% で売上 83 億ドル。ALM は対象市場 480 億ドル(年 +6%)で 43 億ドル。EBITDA は 80.3 億ドル、純 AFFO は 42.9 億ドル。成長投資を賄うため、増資を 10 年で約 30 億ドル出し、レバレッジを 5.2 倍に抑える。エクイニクス・デジタル・リアルティと並ぶ上位に入る。データセンターの EBITDA(40 億ドル)が全社の半分に近づき、記録管理の安定した現金が借入の担保の役目を果たす。この筋書きの鍵は、値上げの利く記録管理が成長投資の元手を供給し続けることと、電力の割当てが予定どおり進むこと。利払いは 24.6 億ドルに増えるが、EBITDA の伸びで吸収できる。 オーナー利益(AFFO)の累計は約 275 億ドル、GAAP 純利益の累計は約 121 億ドル(10 年の減価償却ほか約 154 億ドルを引いた後)。自己資本は今 -9.8 + 累計 − 還元 149 で約 -38 億ドル。 g 4.0%・ROE 54.3%・k 9.00% の式(正当化 PER 17.5 倍)の 8.2 割にあたる 14.27 倍を利益に掛けて、時価総額は約 612 億ドル。

  • 記録管理(紙・テープの保管とサービス):数量 790(保管量(百万立方フィート))× 価格 11(1 立方フィート当たりの年間収入(ドル。保管とサービスの合計))→ 売上 83 億ドル・営業利益 37 億ドル。保管量 790・1 立方フィート当たり収入 年 +3.9%
  • データセンター(ハイパースケーラー向けの賃貸):数量 3,200(賃貸済みの容量(MW・年平均))× 価格 215(1 MW 当たりの年間賃料(万ドル。電力の転嫁を含む))→ 売上 69 億ドル・営業利益 40 億ドル。賃貸済み 3200 MW・1 MW 当たり賃料 年 +2.8%(物価の 3.5% を下回る理由:新規はハイパースケーラー向けの長期契約で固定の上げ幅が小さく、更新の +12% は全体の一部。業界ノートの賃料 年 +2% に合わせた)
  • 資産ライフサイクル管理(ALM)・美術品・デジタル:数量 480(対象市場の実質規模(億ドル・2025 年価格、推定))× 価格 9.00(売上 ÷ 市場の実質規模(%。シェアに物価の倍率を掛けたもの))→ 売上 43 億ドル・営業利益 7 億ドル。対象市場 480 億ドル・シェア×物価の倍率 9.0%

倍率:利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +1.00% = 9.00%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 帳簿の自己資本 -38.0 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE (負・計算不能) は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 42.9 + 借入金利 5.75% × 純負債 189)÷(今の自己資本 -10 + 純負債 189)= 30.0%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 54.3%。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 31.6%、正当化 PER は 17.5 倍。 上限は利益 42.9 × 17.5 倍 = 749 億ドル。置いた 14.27 倍は上限の 8.2 割。

確率:電力の割当てと開発用地(684 MW)を持ち、10〜15 年契約を積める。需給が締まった状態が続き、DC が稼働の 6 割を占めるまで育つ確率を 13% に置く。ただし、AI の計算効率と顧客の自社建設で賃料が実質で下がりやすいので、楽観の確率は抑える。

やや楽観 22% やや楽観:データセンターが 2,600 MW、記録管理は物価並み 利益 36 億ドル · PER 13.2 倍 · 株価時価総額 158.62 ドル472 億ドル

2035 年のデータセンターの賃貸済みは 2,600 MW(10 年で 5.7 倍)、賃料は年 +2.4%。記録管理は保管量が +0.5%、1 立方フィート当たり収入が年 +3.6%。ALM は対象市場 440 億ドル・シェア上昇で 38 億ドル。EBITDA は 68.6 億ドル、純 AFFO は 35.9 億ドル。増資は 10 年で約 12 億ドル。純負債は 370 億ドル(EBITDA の 5.4 倍)で、利払いは 21.8 億ドル(平均金利 5.9%)。配当は AFFO の 6 割台を保ち、10 年で約 150 億ドル。データセンターが全社の EBITDA の 4 割強を占め、記録管理のストック収益と ALM が残りを支える。AI の需要が続き電力が足りない状態が続くが、賃料は物価に届かない、という穏やかな上振れ。 オーナー利益(AFFO)の累計は約 248 億ドル、GAAP 純利益の累計は約 94 億ドル(10 年の減価償却ほか約 154 億ドルを引いた後)。自己資本は今 -9.8 + 累計 − 還元 154 で約 -70 億ドル。 g 4.0%・ROE 46.4%・k 9.00% の式(正当化 PER 17.1 倍)の 7.7 割にあたる 13.16 倍を利益に掛けて、時価総額は約 472 億ドル。

  • 記録管理(紙・テープの保管とサービス):数量 780(保管量(百万立方フィート))× 価格 10(1 立方フィート当たりの年間収入(ドル。保管とサービスの合計))→ 売上 80 億ドル・営業利益 36 億ドル。保管量 780・1 立方フィート当たり収入 年 +3.6%
  • データセンター(ハイパースケーラー向けの賃貸):数量 2,600(賃貸済みの容量(MW・年平均))× 価格 207(1 MW 当たりの年間賃料(万ドル。電力の転嫁を含む))→ 売上 54 億ドル・営業利益 31 億ドル。賃貸済み 2600 MW・1 MW 当たり賃料 年 +2.4%(物価の 3.5% を下回る理由:新規はハイパースケーラー向けの長期契約で固定の上げ幅が小さく、更新の +12% は全体の一部。業界ノートの賃料 年 +2% に合わせた)
  • 資産ライフサイクル管理(ALM)・美術品・デジタル:数量 440(対象市場の実質規模(億ドル・2025 年価格、推定))× 価格 8.60(売上 ÷ 市場の実質規模(%。シェアに物価の倍率を掛けたもの))→ 売上 38 億ドル・営業利益 5 億ドル。対象市場 440 億ドル・シェア×物価の倍率 8.6%

倍率:利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +1.00% = 9.00%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 帳簿の自己資本 -70.0 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE (負・計算不能) は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 35.9 + 借入金利 5.75% × 純負債 189)÷(今の自己資本 -10 + 純負債 189)= 26.1%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 46.4%。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 27.7%、正当化 PER は 17.1 倍。 上限は利益 35.9 × 17.1 倍 = 614 億ドル。置いた 13.16 倍は上限の 7.7 割。

確率:需給の締まりが数年続き、電力つきの用地を順に稼働させていく最も素直な上振れの筋書き。2 割強に置く。

中立 34% 中立:データセンターは 2,100 MW、価格は物価を下回り、記録管理は物価並み 利益 30 億ドル · PER 12.2 倍 · 株価時価総額 123.40 ドル368 億ドル

2035 年のデータセンターの賃貸済みは年平均 2,100 MW(2028 年の 1,000 MW から年 +11%)、賃料は年 +2.0%(既存の更新は +12% でも、新規のハイパースケーラー向けは低く、物価の 3.5% を下回る)。記録管理は保管量が年 +0.4%(紙の減少を法人の保存義務で相殺)、1 立方フィート当たり収入が年 +3.4%(物価並みで、値上げが全成長の根)で売上 77 億ドル。ALM は 33 億ドル。EBITDA は 58.7 億ドル、純 AFFO は 30.1 億ドル(2026 年の 16.0 億ドルから年 +7.3%)。純負債は 329 億ドル、利払い 19.4 億ドル。配当は AFFO の 6 割で、10 年で約 150 億ドル。データセンターの EBITDA は 23 億ドルで全社の 4 割に届かず、記録管理が引き続き利益の過半を稼ぐ。2026 年の 22 億ドルの設備投資は、この筋書きでは年 20〜25 億ドル前後で続き、配当後の現金で足りない分は毎年借りる。成長が借金で支えられる構造は変わらず、純負債は EBITDA の 5.6 倍。 オーナー利益(AFFO)の累計は約 224 億ドル、GAAP 純利益の累計は約 70 億ドル(10 年の減価償却ほか約 154 億ドルを引いた後)。自己資本は今 -9.8 + 累計 − 還元 151 で約 -91 億ドル。 g 4.0%・ROE 40.0%・k 9.00% の式(正当化 PER 16.7 倍)の 7.3 割にあたる 12.21 倍を利益に掛けて、時価総額は約 368 億ドル。

  • 記録管理(紙・テープの保管とサービス):数量 770(保管量(百万立方フィート))× 価格 10(1 立方フィート当たりの年間収入(ドル。保管とサービスの合計))→ 売上 77 億ドル・営業利益 34 億ドル。保管量 770・1 立方フィート当たり収入 年 +3.4%
  • データセンター(ハイパースケーラー向けの賃貸):数量 2,100(賃貸済みの容量(MW・年平均))× 価格 199(1 MW 当たりの年間賃料(万ドル。電力の転嫁を含む))→ 売上 42 億ドル・営業利益 23 億ドル。賃貸済み 2100 MW・1 MW 当たり賃料 年 +2.0%(物価の 3.5% を下回る理由:新規はハイパースケーラー向けの長期契約で固定の上げ幅が小さく、更新の +12% は全体の一部。業界ノートの賃料 年 +2% に合わせた)
  • 資産ライフサイクル管理(ALM)・美術品・デジタル:数量 400(対象市場の実質規模(億ドル・2025 年価格、推定))× 価格 8.20(売上 ÷ 市場の実質規模(%。シェアに物価の倍率を掛けたもの))→ 売上 33 億ドル・営業利益 4 億ドル。対象市場 400 億ドル・シェア×物価の倍率 8.2%

倍率:【オーナー利益】2026 年は GAAP 純利益 5.1(上期 2.55 の 2 倍。通期の見通しは出ていない)+ 減価償却・償却 11.0(上期 5.49 の 2 倍)− 売却益 0(上期の不動産売却益は 0.01)− 維持の設備投資 1.5(上期 0.73 の 2 倍)= 14.5 億ドル。会社の AFFO 17.7 から株式報酬 1.7(上期 0.85 の 2 倍)を引くと 16.0 億ドルで、差 1.5 は会社が足し戻す その他費用 0.55・資産の売却・減損損 0.36・利息の非現金償却 0.32 などの分(足し戻しの妥当性は上期の表で確認、通期は推定)。net_oku の起点は 16.0 億ドル。前は株式報酬を 1.2〜1.3 億ドルと推定して 16.5 億ドルだったが、実際は年 1.7 億ドルのペースなので直した。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +1.00% = 9.00%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 帳簿の自己資本 -91.0 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE (負・計算不能) は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 30.1 + 借入金利 5.75% × 純負債 189)÷(今の自己資本 -10 + 純負債 189)= 22.9%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 40.0%。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 24.5%、正当化 PER は 16.7 倍。 上限は利益 30.1 × 16.7 倍 = 504 億ドル。置いた 12.21 倍は上限の 7.3 割。

確率:業界ノートの中立(容量 年 +10〜12%・賃料 年 +2%)を、小さな土台から始めるアイアン・マウンテンに当てはめた。最も素直な筋書きとして 34% に置く。

やや悲観 20% やや悲観:賃料が実質で下がり、データセンターは 1,500 MW、記録管理の値上げも鈍る 利益 21 億ドル · PER 10.7 倍 · 株価時価総額 75.89 ドル226 億ドル

2035 年のデータセンターの賃貸済みは 1,500 MW にとどまり、賃料は年 +1.3%(物価の 3.5% を大きく下回る)。記録管理は保管量が年 +0.1%、1 立方フィート当たり収入が年 +2.9%(景気の弱さと電子化で値上げが鈍る)。ALM は対象市場 330 億ドルにシェアも伸びず 24 億ドル。EBITDA は 45.0 億ドル、純 AFFO は 21.1 億ドル。レバレッジは 6.2 倍、借入金利は 6.0% に上がり、利払いは 16.7 億ドル。配当は AFFO の 6 割台を維持するが増配は止まる。データセンターの利回りが借入金利にほぼ並び、投資を続けても価値がほとんど増えない状態に入る。記録管理だけが利益を支える会社に戻り、データセンターは「期待より小さい成長投資」に終わる。 オーナー利益(AFFO)の累計は約 184 億ドル、GAAP 純利益の累計は約 30 億ドル(10 年の減価償却ほか約 154 億ドルを引いた後)。自己資本は今 -9.8 + 累計 − 還元 126 で約 -105 億ドル。 g 4.0%・ROE 29.9%・k 9.00% の式(正当化 PER 15.9 倍)の 6.7 割にあたる 10.71 倍を利益に掛けて、時価総額は約 226 億ドル。

  • 記録管理(紙・テープの保管とサービス):数量 750(保管量(百万立方フィート))× 価格 9.60(1 立方フィート当たりの年間収入(ドル。保管とサービスの合計))→ 売上 72 億ドル・営業利益 31 億ドル。保管量 750・1 立方フィート当たり収入 年 +2.9%
  • データセンター(ハイパースケーラー向けの賃貸):数量 1,500(賃貸済みの容量(MW・年平均))× 価格 185(1 MW 当たりの年間賃料(万ドル。電力の転嫁を含む))→ 売上 28 億ドル・営業利益 15 億ドル。賃貸済み 1500 MW・1 MW 当たり賃料 年 +1.3%(物価の 3.5% を下回る理由:新規はハイパースケーラー向けの長期契約で固定の上げ幅が小さく、更新の +12% は全体の一部。業界ノートの賃料 年 +2% に合わせた)
  • 資産ライフサイクル管理(ALM)・美術品・デジタル:数量 330(対象市場の実質規模(億ドル・2025 年価格、推定))× 価格 7.20(売上 ÷ 市場の実質規模(%。シェアに物価の倍率を掛けたもの))→ 売上 24 億ドル・営業利益 2 億ドル。対象市場 330 億ドル・シェア×物価の倍率 7.2%

倍率:利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +1.00% = 9.00%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。事業の g は 3.5%(市場の容量 +1.5% × シェア 横ばい × 価格 +2.0%)で、式の値はその分だけ上限より低い。 帳簿の自己資本 -105.0 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE (負・計算不能) は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 21.1 + 借入金利 5.75% × 純負債 189)÷(今の自己資本 -10 + 純負債 189)= 17.8%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 29.9%。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 19.5%、正当化 PER は 15.9 倍。 上限は利益 21.1 × 15.9 倍 = 335 億ドル。置いた 10.71 倍は上限の 6.7 割。

確率:AI の計算効率の向上と顧客の自社建設で、賃料の上げが物価を大きく下回る筋書き。借金が重い会社の 10 年のやや悪い側として、2 割に置く。

悲観 11% 悲観:電子化と供給過剰で構造的に負け、レバレッジが重荷になる 利益 11 億ドル · PER 8.5 倍 · 株価時価総額 29.82 ドル89 億ドル

2035 年、電子化と文書の廃棄の増加で保管量は年 −1.3% に縮み(650 百万立方フィート)、値上げも年 +1.6% にとどまる。データセンターは供給過剰(建設中 35 GW が埋まり切らない)で賃貸済みは 950 MW、賃料は年 −0.8%。ALM は市場が成熟し利益が出ない。EBITDA は 26.9 億ドル、純負債は 188 億ドルまで圧縮し(EBITDA の 7.0 倍)、借入金利は 6.5% で利払い 12.2 億ドルが純 AFFO を 10.5 億ドルまで削る。資本の補強に増資 15 億ドル、配当は AFFO の 45% に減らす。資本の補強は株価が低い局面で行うため、持ち分の希薄化が大きい。値上げで守っていた記録管理の収益性も、顧客の流出で崩れる。事業は残るが、もう優良とは言えない。 オーナー利益(AFFO)の累計は約 131 億ドル、GAAP 純利益の累計は約 -23 億ドル(10 年の減価償却ほか約 154 億ドルを引いた後)。自己資本は今 -9.8 + 累計 − 還元 57 で約 -90 億ドル。 g 4.0%・ROE 18.1%・k 9.00% の式(正当化 PER 14.1 倍)の 6.0 割にあたる 8.46 倍を利益に掛けて、時価総額は約 89 億ドル。

  • 記録管理(紙・テープの保管とサービス):数量 650(保管量(百万立方フィート))× 価格 8.40(1 立方フィート当たりの年間収入(ドル。保管とサービスの合計))→ 売上 55 億ドル・営業利益 22 億ドル。保管量 650・1 立方フィート当たり収入 年 +1.6%
  • データセンター(ハイパースケーラー向けの賃貸):数量 950(賃貸済みの容量(MW・年平均))× 価格 150(1 MW 当たりの年間賃料(万ドル。電力の転嫁を含む))→ 売上 14 億ドル・営業利益 7 億ドル。賃貸済み 950 MW・1 MW 当たり賃料 年 -0.8%(物価の 3.5% を下回る理由:新規はハイパースケーラー向けの長期契約で固定の上げ幅が小さく、更新の +12% は全体の一部。業界ノートの賃料 年 +2% に合わせた)
  • 資産ライフサイクル管理(ALM)・美術品・デジタル:数量 250(対象市場の実質規模(億ドル・2025 年価格、推定))× 価格 5.50(売上 ÷ 市場の実質規模(%。シェアに物価の倍率を掛けたもの))→ 売上 14 億ドル・営業利益 1 億ドル。対象市場 250 億ドル・シェア×物価の倍率 5.5%

倍率:利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +1.00% = 9.00%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。事業の g は 2.0%(市場 −0.5% × 価格 +2.5%)で、式の値はその分だけ上限より低い。 帳簿の自己資本 -90.0 億ドルは減価償却・還元で小さく、帳簿の ROE (負・計算不能) は使えない。決まりどおり ROIC の式で出す:ROIC =(利益 10.5 + 借入金利 5.75% × 純負債 189)÷(今の自己資本 -10 + 純負債 189)= 11.9%、ROE = ROIC +(ROIC − 借入金利)× 負債比率 1(上限)= 18.1%。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 13.5%、正当化 PER は 14.1 倍。 上限は利益 10.5 × 14.1 倍 = 148 億ドル。置いた 8.46 倍は上限の 6.0 割。

確率:紙の量が縮み始め、データセンターは自社建設と供給過剰で賃料が実質で下がり、借り換えの金利が上がる。優良ではなくなる筋書きで、1 割強に置く。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

記録管理(紙・テープの保管とサービス)

企業・官公庁の文書・テープを預かる保管収入と、集荷・破棄・電子化などのサービス収入。毎年の値上げが通る土台の事業。

数量保管量(百万立方フィート)価格1 立方フィート当たりの年間収入(ドル。保管とサービスの合計)売上営業利益
今 2025/12 740 7.19 53 23
10 年後 中立 770 10 77 34

取り方:2025 年の記録管理の売上を、4〜6 月期の 14.34 億ドル(前年比 +8.3%)から逆算して 53.2 億ドルと置き、平均の保管量 約 7.4 億立方フィート(4〜6 月期は 7.48 億で前年比 +1.6%)で割って 1 立方フィート当たり約 7.19 ドル。EBITDA 利益率は約 44%(4〜6 月期は 43.3%)。

データセンター(ハイパースケーラー向けの賃貸)

電力と区画を 10〜15 年の長期契約で貸す。賃貸可能 528 MW・稼働 97%。建設中 160 MW・開発用地 684 MW。

数量賃貸済みの容量(MW・年平均)価格1 MW 当たりの年間賃料(万ドル。電力の転嫁を含む)売上営業利益
今 2025/12 460 163 8 4
10 年後 中立 2,100 199 42 23

取り方:2025 年のデータセンター売上 約 7.5 億ドル(4〜6 月期 2.63 億ドルは前年比 +38.8%)を、年平均の賃貸済み容量 約 460 MW(賃貸可能 450〜507 MW × 稼働 97%)で割って 1 MW 当たり約 163 万ドル。EBITDA 利益率は部門で 52%。

資産ライフサイクル管理(ALM)・美術品・デジタル

使用済み IT 機器・データセンター解体の機器の回収・再販・破棄、美術品の保管、文書の電子化。本社費は調整に入れる。

数量対象市場の実質規模(億ドル・2025 年価格、推定)価格売上 ÷ 市場の実質規模(%。シェアに物価の倍率を掛けたもの)売上営業利益
今 2025/12 260 3.08 8 1
10 年後 中立 400 8.20 33 4

取り方:「その他」の売上は 4〜6 月期 3.33 億ドル(前年比 +67%)から逆算して 2025 年は約 8.0 億ドル。ALM の対象市場(企業の IT 機器の処分・再販、データセンター解体、デジタル化、美術品保管)を 2025 年価格で約 260 億ドルと推定(出典のない推定)し、シェア 3.08%。EBITDA 利益率は約 10%(推定)。ALM は 2026 年に売上 10 億ドル近い見通し。

リスクと懸念

借金の重さと借り換え

純負債は 173 億ドルで時価総額の約 5 割、EBITDA は利息の 3.3 倍。成長投資は借入で賄うので、金利が高止まりすれば借り換えのたびに利益が削られる。固定金利が 83% で平均 5.6% だが、新しい借入は 5.75% 前後。谷の年に借り換えが重なると、配当と投資の両方が圧迫される。

成長投資が配当後の現金を大きく上回る

2026 年の成長投資は約 20.5 億ドルで、配当後に残る現金の約 7 億ドルの 3 倍。毎年 13 億ドル前後を借り続ける前提で、データセンターの利回り(約 10〜11%)が借入金利 5.75% を安定して上回らないと価値が増えない。建設費の上昇や電力の遅れで利回りが 9% に下がれば、差が詰まる。

データセンターの顧客の集中と自社建設

需要の約 65% を占めるハイパースケーラーが自社建設に戻ると、アイアン・マウンテンの新規契約の賃料と数量の両方が下がる。AI の計算効率が上がり電力あたりの需要が頭打ちになる場合も同じ。建設中の 35 GW が埋まり切らなければ、賃料は実質で下がり、2000〜01 年のバブル崩壊後のような 3〜5 割の下げ(推定)も起こりうる。

紙の保管量の長期的な縮小

保管量の伸びは +1.6% にとどまり、収入の伸びの大半は値上げによる。電子化が進めば、箱の追加より廃棄が増え、保管量が縮み始める。値上げが顧客の抵抗で止まると、記録管理の売上は物価並みの伸びも維持できず、成長の土台が崩れる。シュレッド・イット(シンタス傘下)や電子化サービスとの競争も値上げの余地を狭める。

ALM の市況と利益の質

ALM は 2026 年に売上 10 億ドル近くまで急拡大したが、再販する機器の価格は半導体・メモリの市況で動き、利益率は薄い(「その他」の EBITDA は赤字)。伸びが鈍ると、会社全体の成長率を押し上げてきた部分がなくなる。2025〜26 年の +60〜88% は持続しない。

AFFO の足し戻しと純利益の乖離

AFFO(2026 年は約 17.7 億ドル)は減価償却と株式報酬などを足し戻した値で、会計上の純利益(上期 2.55 億ドル)とは大きく異なる。株式報酬を費用として引いた正味の AFFO は約 16.5 億ドル。自己資本はマイナスで、配当も借入を通じて賄っている面があり、純利益ベースの倍率(今の PER 約 240 倍)は意味をなさない。

電力・用地・許認可の遅れ

データセンターは電力会社の接続の遅れや、用地・水・電力料金をめぐる地元の反対で、稼働が 1 年以上遅れることがある。遅れる間も建設費と利息は先に出るので、利益が後ろにずれ、借入の返済も遅れる。バージニア州のように電力が逼迫する地域では特に起きやすい。

今後の分かれ目

AI 設備投資が 2027 年に減速し、ハイパースケーラーの新規契約が前年の半分に落ちる
10 年の悲観・やや悲観の確率を上げ、データセンターの賃貸容量の伸びを半分にして見直す。建設中の事前契約率(71%)が下がるかも見る。
記録管理の保管量が前年比マイナスに転じ、1 立方フィート当たり収入の伸びが 3% を割る
記録管理の成長を 10 年で年 +2% に下げ、やや悲観・悲観の確率を上げる。堀が狭まった合図。
10 年国債の金利が 6% を超え、アイアン・マウンテンの借り換えが 6.5% 超になる
利払いが純 AFFO の 4 割を超え、倍率は 1〜2 倍縮む。レバレッジを下げるために配当の増加が止まる。
データセンターの更新時の賃料の上げ(現金 +12%)が +5% 以下に鈍り、新規の賃料も下がる
データセンターの価格の伸びを年 +2% から 0% に下げ、10 年の純 AFFO を 1 割以上減らして見直す。
会社がレバレッジを 5.5 倍の上限に近づけ、増資を始める
株主への持ち分が薄まるので、payout を減らして見直す。成長が借金だけで続かない合図。
ALM の売上の伸びが +30% を割り、利益率が上がらない
ALM を 10 年で年 +5% の成長に下げる。会社全体の 2 桁増益の見通しを下方修正する。

見ておくもの

  • データセンターの新規契約(MW)・事前契約率・稼働中の賃貸容量と、更新時の賃料の上げ幅
  • 記録管理の保管量と 1 立方フィート当たり収入の伸び(値上げと量の分解)
  • 純負債÷EBITDA(会社の定義 4.8 倍)、EBITDA ÷ 利息(3.3 倍)、借り換えの金利
  • 成長投資の額(2026 年 約 22 億ドル)と、データセンターの開発利回り
  • AFFO 1 株の伸び(2026 年 +14%)と配当の AFFO に対する割合(約 60%)
  • ハイパースケーラーの設備投資計画と自社建設の動き、北米の空室率(1.4%)
  • ALM の売上(2026 年 10 億ドル近く)と利益率

倍率と資本コストの決め方

今の株価・PER は見ずに、記録管理は保管量 × 1 立方フィート当たり収入、データセンターは賃貸済み MW × 1 MW 当たり賃料、ALM は市場 × シェア × 物価で売上と EBITDA を積み上げ、EBITDA から利払い・維持の投資・税・株式報酬を引いた正味の AFFO に直した(2026 年は GAAP 5.1 + 償却 11.0 − 売却益 0 − 維持 1.5 = 14.5。会社値 16.0 との差は足し戻し)。倍率はそのあとに、利益ベースの正当化 PER で出した。自己資本がマイナスなので、決まりどおり ROIC の式で ROE を出した(10 年の中立で 74.3%、上限 100%)。10 年の中立は g 4.0%・k 9.0%(基本 8% + quality 1%)・moat 普通で正当化 PER 16.7 倍。置いた 12.2 倍は上限の 7.3 割。今の約 21 倍には寄せていない。DLR(k 8.5%)より低いのは、k の差(借金の重さと紙の記録量の減少)が主因。利払いの変化(brief の推定 10 年 −3 億ドル)は、借入金利を 5.2% から 5.9%(10 年)に上げて含めた。

資本コスト 9.0% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。基本 8.0% + quality +1.00% = 9.00%(内訳と理由は quality_why)。個別のリスクは k に足さず、筋書きと確率で表した。

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やや割安 VICIプロパティーズVICI ゲーミング施設を長期で貸す最大手。堀は厚いが借り手の集中が重い。今の値段は賃料減額の懸念を織り込み過ぎで、株主の手に残る利益で測っても価値は今を 2 割台半ば上回る 本質価値との差 +19.6% · 10 年 やや割安(年 +8.6%) 適正 コスター・グループCSGP Homes.com の赤字が今の利益を抑えるが、商業データと賃貸掲載の核は強い。利益ベースの正当化 PER の内側に置くと、中立の 10 年後は今の時価総額を上回る。総合は今の時価総額に対し +16% でやや割安 本質価値との差 +6.1% · 10 年 適正(年 +7.3%) 適正 アメリカン・タワーAMT 米国タワー最大手。長期契約と固定の上げ幅が堀だが、DISH 解約・借換え・海外の通貨が重い。利益ベースの正当化 PER の内側に置くと、本質価値は今の時価総額に対し -2% で適正 本質価値との差 +0.4% · 10 年 適正(年 +6.8%) 適正 Realty IncomeO 米国最大のネットリース REIT。A 格の資金力と分散は優良だが、成長は買収頼みで増資が価値を薄め、株主の手に残る利益で測ると価値は今の値段をわずかに下回る程度 本質価値との差 −4.5% · 10 年 適正(年 +7.1%) 適正 ヘルスピーク・プロパティーズDOC ライフサイエンス研究所の空室という重い荷物を抱えるが、外来医療と上場した高齢者住宅が稼ぎを支える医療施設の REIT。式で出す価値は今の値段を約 8% 下回り、ラボの空室を厚く置くと適正 本質価値との差 −9.9% · 10 年 適正(年 +6.3%) やや割高 Public StoragePSA セルフストレージ最大手。NSA 取り込みで規模を広げ、A 格の財務で底からの回復を待つ。株主の手に残る利益(AFFO)で測ると、価値は今の時価総額を 7% ほど下回る程度で、適正 本質価値との差 −10.2% · 10 年 やや割高(年 +5.3%) やや割高 インビテーション・ホームズINVH 戸建て賃貸の最大手。維持の設備投資や株式報酬を引いたオーナー利益で測ると、総合は今の時価総額に対し約 12% 下でやや割高 本質価値との差 −13.1% · 10 年 やや割高(年 +4.7%) やや割高 エクイニクスEQIX 世界最大の中立型データセンター兼相互接続の要。堀は厚いが、増設が自己資金を超え、正味 AFFO の約 27 倍は利益ベースの正当化 PER の内側の倍率(中立の 10 年は 20.0 倍)より高く、やや割高 本質価値との差 −14.7% · 10 年 やや割高(年 +5.2%) やや割高 Digital RealtyDLR データセンター最大手の賃貸型。電力つき土地と開発力が堀で成長は速いが、巨額の開発資金と物価に届かない大口賃料が重い。利益ベースの正当化 PER の内側に置くと、本質価値は今の時価総額に対し -18% でやや割高 本質価値との差 −15.2% · 10 年 やや割高(年 +5.7%) やや割高 SBA コミュニケーションズSBAC 米国と海外のタワーを持つ 3 位。契約は堅いが、借入比率は 6.4 倍と重い。利益ベースの正当化 PER の内側に置くと、本質価値は今の時価総額に対し -22% でやや割高 本質価値との差 −18.5% · 10 年 やや割高(年 +4.9%) やや割高 クラウン・キャッスルCCI 米国タワー専業へ移行した 2 位。契約は堅いが、価格は固定の上げ幅で物価に届かず、借入比率 6 倍超。株主の手に残る利益(正味 AFFO)の約 19 倍の今の値段は、正当化 PER の内側ではやや割高 本質価値との差 −18.9% · 10 年 やや割高(年 +4.5%) やや割高 ミッド・アメリカ・アパートメント・コミュニティーズMAA サンベルト最大の集合住宅 REIT。足元は新築供給の山で NOI が減るが、財務は堅い。株主の手に残る利益(AFFO 約 9.1 億ドル)の約 15 倍という今の値段は、式の価値を 1 割ほど上回る 本質価値との差 −21.1% · 10 年 やや割高(年 +4.0%) やや割高 Extra Space StorageEXR 全米最大のセルフストレージ。保険・受託・融資で稼ぎ口を広げるが、純負債が時価総額の約 5 割と重く、株主の手に残る利益(AFFO)の約 18 倍という今の値段は、利益ベースの価値より 2 割ほど高い 本質価値との差 −21.2% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 リージェンシー・センターズREG 全米で屋外型の食品スーパー核を最も堅く持つ会社。占有も賃料の上がりも同業の先を行くが、倍率はそれを織り込み、価値は今の値段を 1 割ほど下回る 本質価値との差 −26.1% · 10 年 やや割高(年 +3.7%) やや割高 キムコ・リアルティKIM 全米の食品スーパー核の屋外型ショッピングセンター最大手。占有は過去最高で需給は強いが、成長は賃料の上がりに頼り、正味の価値は今の値段を 3 割弱下回る 本質価値との差 −27.1% · 10 年 やや割高(年 +3.3%) やや割高 Alexandria Real Estate EquitiesARE ラボの空室と借金の重さで、株主に残る利益は 2027 年にいったん細る。会計の純利益は減価償却で赤字だが、足し戻して維持の支出を引いた利益(中立の 10 年は 10.0 倍)で測ると、総合は今の時価総額に対し 約 -26% でやや割高 本質価値との差 −29.2% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) 割高 ビブマーク・レジデンシャル(旧エクイティ・レジデンシャル)EQR 合併で米国最大の賃貸住宅 REIT になった。評価替えの償却を除き、維持の費用を引いた株主の手に残る利益(AFFO 約 27 億ドル)で測ると、今の値段は 1 割ほど高い 本質価値との差 −30.5% · 10 年 割高(年 +2.9%) 割高 サイモン・プロパティ・グループSPG 米国最大の上位モール・アウトレットの王者。堀と再投資の利回りは優良だが、借換えの重しと高い倍率で、価値は今の値段を 4 分の 1 ほど下回る 本質価値との差 −30.6% · 10 年 割高(年 +2.8%) 割高 プロロジスPLD 世界最大の物流 REIT で堀は広がる。株主の手に残る利益(AFFO 約 42 億ドル)の約 29 倍という今の値段は、利益ベースの価値を 4 割以上上回る 本質価値との差 −32.6% · 10 年 割高(年 +2.2%) 割高 CBREグループCBRE 世界最大の商業不動産サービス。管理型の安定収益が下支えだが、ならした利益の約 26 倍の今の値段は、利益ベースの正当化 PER の内側の倍率(中立の 10 年は 12.2 倍)で測ると高い。総合は今の時価総額に対し -34% で割高 本質価値との差 −32.6% · 10 年 割高(年 +3.4%) 割高 ホスト・ホテルズ・アンド・リゾーツHST 高級ホテルを所有する最大の上場 REIT。足元は好調だが、維持投資を引くと利回りは薄く、今の値段は本質価値をかなり先取りしている 本質価値との差 −33.2% · 10 年 割高(年 +2.8%) 割高 エセックス・プロパティ・トラストESS 供給の細る北カリフォルニアに強みがあるが、規制と借換えで伸びは物価並み。株主の手に残る利益(AFFO 約 9.4 億ドル)の約 18 倍という今の値段は、利益ベースの価値を 2 割弱上回る 本質価値との差 −34.0% · 10 年 割高(年 +2.4%) 割高 カムデン・プロパティ・トラストCPT カリフォルニアを売ってサンベルトに純化した。維持の設備投資を引いたオーナー利益で測ると、総合は今の時価総額に対し約 32% 下で割高 本質価値との差 −34.8% · 10 年 割高(年 +2.0%) 割高 UDR, Inc.UDR 西海岸と北東部が牽引し、サンベルトは供給待ち。借換えで AFFO が目減りし、式で測る価値は今の値段をやや下回る 本質価値との差 −35.0% · 10 年 割高(年 +2.6%) 割高 ウェアーハウザーWY 米国最大の民有林を持つ木材 REIT。森林の時価は帳簿を大きく上回るが、収益は住宅の循環に握られる。利益ベースの正当化 PER の内側に置くと、総合は今の時価総額に対し -36% で割高 本質価値との差 −36.2% · 10 年 割高(年 +2.8%) 割高 BXP(ボストン・プロパティーズ)BXP 都心の一流オフィスで占有が戻り始めたが、借金の重さと改装費で株主に残る利益は薄い。利益ベースの正当化 PER の内側に置くと、本質価値は今の時価総額に対し -37% で割高 本質価値との差 −36.3% · 10 年 割高(年 +2.8%) 割高 ベンタスVTR 運営型シニア住宅の利益が占有と利益率の改善で伸びる優良な REIT。今の値段は式で出す先の価値より高く、割高 本質価値との差 −36.3% · 10 年 割高(年 +2.7%) 割高 Federal Realty Investment TrustFRT 所得の高い立地に集中した、食品スーパー核の近隣型と複合開発の米国最上位の屋外型 REIT。質は高いが借金が重く、式で測る価値は今の値段を大きく下回る 本質価値との差 −41.7% · 10 年 割高(年 +1.3%) 割高 ウェルタワーWELL シニア住宅の需給は強く堀も広がるが、株主の手に残る利益(AFFO)の約 41 倍という今の値段は、10 年後の中立の 13.4 倍より大きく高く、割高 本質価値との差 −56.6% · 10 年 割高(年 −1.8%)

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読んだ資料

  1. アイアン・マウンテン 2026 年 4〜6 月期 決算の補足資料(SEC 8-K)
  2. アイアン・マウンテン 2026 年 4〜6 月期 決算説明(SEC 8-K)
  3. アイアン・マウンテン 2026 年 4〜6 月期 決算の要点(ITWire)
  4. アイアン・マウンテン 2026 年 4〜6 月期 決算の要約(Quartr)
  5. リコール買収に伴う記録管理資産の売却(カナダ競争局)
  6. アイアン・マウンテンの株価と時価総額(Google Finance)
  7. CBRE:世界のデータセンターの動向 2026(業界ノートの出典)

分析日 2026-10-16