結論
ベンタスは、シニア住宅と医療オフィス・研究棟、契約賃料型の長期介護などを持つ医療施設の REIT で、米国・カナダ・英国に約 1,450 物件(シニア住宅は 900 超)を持つ。2026 年 4〜6 月期の総 NOI(施設の利益)6.85 億ドルのうち、運営型のシニア住宅(SHOP)が約 59%、医療オフィス・研究棟(OM&R)が約 22%、契約賃料型(NNN)が約 18%。SHOP の同一施設 NOI は +16%(占有 +300bp、1 入居あたり収入 +5%、利益率 +210bp)で、2026 年の正常化 FFO の案内は 19.5〜19.7 億ドルと 2 回引き上げられた。
需給は強い。2026 年に 80 歳になる人は米国で約 200 万人、新築は建設費の高さで採算に合わず(賃料が 4 割上がらないと建てられないと経営陣)、占有は約 90% から 95% 前後まで戻る余地がある。運営型の利益率は約 30% と競合のウェルタワー(約 34%)より低く、上げ幅の余地がある。借金は純負債/EBITDA で 5.6 倍から 4.7 倍へ下がった。
ただしバリュー投資の観点では、会計の純利益は減価償却で小さく(今の PER は 169 倍)、見るべきは GAAP に償却を足し戻し維持の設備投資を引いたオーナー利益(AFFO)。2026 年は約 15.2 億ドルで、今の時価総額(約 440 億ドル)は FFO の約 23 倍・AFFO の約 29 倍。資本コストは基本 8% + quality +0.5% = 8.5%。倍率は利益ベースの正当化 PER(RONIC の式)の内側に置き、10 年後の中立は ROE 32% の上限 17.9 倍の 7.5 割にあたる AFFO の 13.4 倍。中立の筋書きは、10 年後の還元を入れた年率が約 2.0% で資本コスト 8.5% を下回る。ただし占有の戻りと利益率の改善は 2028 年ごろに一巡し、その後は物価並みの成長に落ちる点、増資で伸ばしてきた成長が NAV 次第である点は割り引いて確率に入れた。総合では今の時価総額の約 37% 下の「割高」とみる。
バリュー投資の観点から
バリュー投資家なら、まず 10 年後もあるかを問う。答えは、ある。高齢化は確実で、2026 年に 80 歳になる人は約 200 万人。堀は広がる方向にあり、運営会社との関係・買収の仕入れ・資本の調達力は小さな運営会社や私募ファンドを引き離している。ただしウェルタワーが規模とデータで先行しており、堀の広さは最強ではなく強い、とみる。
次にオーナー利益。2026 年の正常化 FFO 約 19.6 億ドルは株式報酬(約 0.4 億ドル)を足し戻した値で、費用として引くと 19.2 億ドル。維持の設備投資・改装の約 4 億ドルを引いた AFFO は約 15.2 億ドル(FFO の約 8 割)。配当は約 10.5 億ドルで AFFO の約 7 割、残りの約 5 億ドルが買収と返済に回る。会計の純利益は 3 億ドル前後と小さい。
資本配分は、買収で運営型を厚くし、先渡しの株式売りで資金を足してきた(株数は 2 年で約 3 割増えた)。買収の質は高く、借金は減らしている。成長が発行の値段を上回る間だけ価値を足すので、発行価格が NAV を下回る日が来れば評価は変わる。
安全域:今の時価総額(約 440 億ドル)は FFO の約 23 倍、AFFO の約 29 倍で、AFFO の利回りは約 3.5%。中立の筋書きでは AFFO が 2 年で約 28% 増え(占有と利益率の改善)、ただし倍率が正当化 PER の内側(10 年の中立 20.7 倍)に落ちるぶんで、今の値段には届かない。悲観(谷の PBR 1.17 倍)では約 6 割下がるので、占有の急落に耐える値段ではない。事業への確信は高いが、値段は式の上で割高で、安全域はない。
何で稼ぐ会社か
収益は 3 本。第 1 は運営型のシニア住宅(SHOP)で、介護付き・自立型・認知症ケアの住まいを運営会社に委ね、入居料から運営費を引いた施設の利益を直接取る。2026 年 4〜6 月期は収入 13.6 億ドル・NOI 4.04 億ドルで、年に直すと収入 約 54.5 億ドル・NOI 約 16.1 億ドル(利益率 約 30%)。入居戸数は推定で平均 約 7.5 万戸、1 戸あたりの年収は約 7.3 万ドル(月 約 6,100 ドル、推定)。占有が上がるほど固定費が薄まり利益率が上がる。2026 年に買ったカナダ(占有 97%)や英国の物件もここに入る。
第 2 は医療オフィス・研究棟(OM&R)。大学や医療システムに近い立地で賃料を取り、4〜6 月期の賃貸収入は 2.29 億ドル、NOI は 1.52 億ドル(利益率 66%)。年に直すと NOI 約 6.1 億ドル、投資残高は推定で約 93 億ドル。賃料の自動上昇は年 +3% 前後で、研究棟は景気とバイオの資金調達に左右される。
第 3 は契約賃料型(NNN)で、借り手が運営費を負担して決まった賃料を払うシニア住宅や長期介護。賃貸収入 1.25 億ドル・NOI 1.22 億ドル、年に直すと NOI 約 4.9 億ドル、投資残高は推定で約 70 億ドル。伸びは年 +2.5% 前後で遅いが安定している。
本社費は四半期 0.47 億ドル(年約 1.9 億ドル、株式報酬を含む)、利払いは年約 6.4 億ドル。2026 年の投資は 45 億ドルへ引き上げられ、年初来の実行は 34 億ドル。売却は約 7 億ドル(利回り 約 7%)。
優良さと弱いところ
堀は 3 つ。第 1 は運営会社との関係と買収の仕入れ力で、経営陣は「入札で公平以上に勝っている」と言い、取引の相当部分を市場に出る前に見つける。買った後に運営会社の入れ替えや設備の改善で NOI を上げる。第 2 は資本の調達力で、2026 年は先渡しの株式売り 42 億ドル(うち 26 億ドルは決済済み)を使い、買収の資金を「利益が増え、負債も減る」形で調達している。純負債/EBITDA は 2025 年初の 6.0 倍から 4.7 倍へ。第 3 は立地と規模で、新築の少ない地域の住まいは再現が難しく、約 1 割は満室、半分は占有 90% 超。
資本効率は買収利回りと資金コストの差で決まる。経営陣は二桁〜10 代半ばのアンレバード IRR と再調達費用を下回る価格を条件にしており、5.75% 前後の借金コストに対して十分な差がある間は成長が価値を足す。会計の ROE は 2% 台で意味が無く、FFO と AFFO で見る。
弱点は 5 つ。第 1 に、運営型は人件費(賃金 年 +4〜5%)と占有に利益が直結し、2020 年のコロナでは株価が −52% になった。第 2 に、運営型の利益率は約 30% と競合のウェルタワー(約 34%)より低く、規模・データ・資本の調達力で追いつかれていない。第 3 に、2025 年の株式調達 32 億ドルに続く 2026 年の大型の調達で、株数が 4.75 億株から 5.13 億株へ増えた。成長が発行価格(NAV 比)に依存する。第 4 に、約 2 割強が医療オフィス・研究棟で、研究棟は景気とバイオの資金調達に左右される。第 5 に、純負債/EBITDA 4.7 倍はウェルタワー(約 3 倍)より重い。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国のシニア住宅の占有は 2026 年 1〜3 月期に 89.5%(NIC MAP)で、新築の在庫の伸びは年 0.3〜0.4% と過去最低、80 歳以上の人口は 5 年で約 3 割増える。業界ノートの中立は、2026〜28 年に運営型の NOI が年 +10〜14%(占有 87% → 92%、入居料 年 +4.5%)、その後は需要(年 +3.5%)と供給(年 +2〜3%)の均衡で年 +5〜6%、10 年で約 2 倍。ベンタスの運営型の同一施設 NOI は 2025 年に +15.4%、2026 年 4〜6 月期に +16%(米国は +18%)で、業界を上回る。
競合と照らす。ウェルタワー(Welltower)は 2026 年 4〜6 月期の運営型の同一施設 NOI が +20.5%、利益率は約 34% で、運営型の質と規模で先行する。ベンタスは利益率の改善(+210bp)の途中で、中立では 2035 年に 35% でウェルタワーに並ぶと置く。ブルックデール(Brookdale)は主に運営会社で、入居・賃料の水準の指標になる。医療オフィスではヘルスピーク(Healthpeak)と競合する。
循環のどこにいるか:2020 年の谷から占有が 5 年かけて戻り、今は上り坂の途中。占有 95% に近づくのは 2028 年ごろで、その後は需要と供給の均衡で NOI は物価並みに落ち着く。構造の変化は、新築が採算に合わず供給が戻りにくいこと、人件費が物価を上回って上がること、在宅介護の普及とメディケイドの償還の削減が長期介護の借り手に響くこと、研究棟の需要がバイオの資金調達次第であること。
資本政策と M&A
還元は配当が中心で、2026 年は四半期の配当を 8% 引き上げ、年の総額は約 10.5 億ドル(AFFO の約 7 割、FFO の約 5 割強)。自社株買いはせず、株式を発行して買収の資金を作る方針で、2026 年 6 月末の発行済株式は 5.13 億株(2025 年末 4.75 億株)、2026 年の希薄化後平均は 5.06 億株。先渡しの株式売りは年初来 31.4M 株・26 億ドルを決済、未決済が 16 億ドル残る。
買収は大きい。2025 年に 25 億ドル、2026 年は年初来 34 億ドルで、年の目標は 30 億ドルから 45 億ドルへ引き上げられた(レベル・コミュニティーズの 11 物件 5.4 億ドルなど)。経営陣は利ざや投資ではなく、再調達費用を下回る価格で買い、運営の改善で利益を足す方針。売却は約 7 億ドル(利回り 約 7%)。
借金は 126.9 億ドル、純負債 129.1 億ドル(EBITDA の 4.7 倍)、流動性は 49 億ドル。借り換えは 5.75% 前後へ置き換わるが、現在の利払い(年約 6.4 億ドル)は平均で 5% 前後とすでに高く、brief.py の推定で FFO への影響は 10 年で約 2 億ドルにとどまる。TOB の対象にするには大きすぎる(時価総額 約 440 億ドル)。株数の増加は、発行価格が NAV を上回る間は価値を足すが、下回れば壊す。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
需給は本物である。2026 年に 80 歳になる人は約 200 万人、新築は賃料が 4 割上がらないと採算に合わず、占有は約 90% から 95% 前後まで戻る余地がある。2026 年 4〜6 月期は SHOP の同一施設 NOI が +16%(米国は +18%)、占有 +300bp、利益率 +210bp。運営型の利益率は約 30% で、買収した施設の改善と占有で 36〜40% まで上がれば、NOI は物価を大きく上回って伸びる。2026 年に案内を 2 回引き上げた。
ベンタス固有の強みは、買収の仕入れ力と資金調達力。経営陣は入札で公平以上に勝っており、先渡しの株式売りで買収を「利益が増え、負債も減る」形で調達する。純負債/EBITDA は 6.0 倍から 4.7 倍へ下がり、まだ下がる。今の時価総額は FFO の約 23 倍で、ウェルタワー(約 33〜35 倍)より低い。同じ需給の追い風を受ける運営型の REIT として、割安に放置されている。
中立でも 10 年後に AFFO が約 2 倍になり、倍率を正当化 PER の内側の 20.7 倍に置いても時価総額は今の約 1.45 倍(還元を入れて年率 5.6%)。楽観・やや楽観ならさらに上がる。
慎重な見方
占有の戻りと利益率の改善は 2028 年ごろに一巡し、その後は需要と供給が釣り合って NOI は物価並みに落ち着く。今の値段は、その後の長い成熟期を含めて AFFO の約 29 倍を払っており、AFFO の利回りは約 3.5%。資本コスト 8.5% なら、物価に近い成長が永久に続く必要がある。運営型は人件費(年 +4〜5%)と占有に利益が直結し、コロナでは株価が −52%(2008〜09 年は −56%)。利益率はウェルタワーより約 4pt 低く、追いつけるかは規模とデータ次第で、追いつけなければ上げ幅は小さい。
新築が少ないのは入居料が建設費に届かないからで、入居料が上がれば供給が戻る。競合(ウェルタワー・私募ファンド)が同じ物件に入札し、買収の利回りは薄くなる。成長は株式の発行(2025 年 32 億ドル、2026 年 42 億ドル)で作られており、株価が NAV を下回れば止まる。純負債/EBITDA は 4.7 倍とウェルタワー(3 倍弱)より重く、谷では 6 倍台へ上がる。研究棟は景気とバイオの資金調達に左右され、契約賃料型はメディケイドの償還の削減に弱い。会計の ROE は 2% 台。
どちらに重みを置いたか
事業の質と需給の強さは強気の見方が強く、運営型の利益率の上げ幅が競合より大きいぶん、中立の NOI の伸びも確かだが、一巡した後の成長の鈍りと借金の重さは慎重な見方が強い。確率は 10 年の楽観・やや楽観の合計 32%、やや悲観・悲観の合計 33% とほぼ釣り合わせ、中立を 35% に置いた。悲観は構造的な負け(占有 85% 台)を 13% に置いた(借金の重さを反映して悲観の厚みはウェルタワーと同じ程度)。値段は FFO の約 23 倍と、式で出す先の価値より高く、結論は「優良だが、割高」(総合で今の時価総額の約 37% 下)。谷ではさらに深く下がる。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 87.75 ドル450 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 23.37 ドル120 億ドル)。 今の値に割り戻すと 54.35 ドル279 億ドル、今との差 −36.3%、 期待の年率 +2.7%(資本コスト 8.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 142.78 ドル732 億ドル | 29.05 ドル149 億ドル | +101.2% | +7.2% | 17.18 ドル88 億ドル |
| やや楽観 | 22% | 112.34 ドル576 億ドル | 26.71 ドル137 億ドル | +62.9% | +5.0% | 30.59 ドル157 億ドル |
| 中立 | 35% | 80.74 ドル414 億ドル | 23.59 ドル121 億ドル | +22.2% | +2.0% | 36.51 ドル187 億ドル |
| やや悲観 | 20% | 79.18 ドル406 億ドル | 21.25 ドル109 億ドル | +17.6% | +1.6% | 20.09 ドル103 億ドル |
| 悲観 | 13% | 35.89 ドル184 億ドル | 15.99 ドル82 億ドル | −39.2% | −4.9% | 6.74 ドル35 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 87.75 ドル450 億ドル | 23.37 ドル120 億ドル | +30.1% | +2.7% | 111.12 ドル570 億ドル |
今の株価時価総額 85.38 ドル438 億ドル(2026-10-21)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.5% を下回るほど割高。
楽観 10% 楽観:占有 96% で定着し、利益率が 40% に届く 利益 46 億ドル · PER 15.9 倍 · 株価時価総額 142.78 ドル732 億ドル
占有 96% で定着し、入居料は物価 3.5% に実質 +2.5% を乗せて年 +6%、運営型の利益率は買収した施設の改善と技術(記録・見守りの自動化)で 40% に届く。運営型の NOI は約 3.2 倍の 51.4 億ドル。施設数は年 +3%(内部留保と買収の合計)。医療オフィス・研究棟は賃料 年 +3.8%、契約賃料型は年 +3%。借り換えは全て 5.75% で、借金は EBITDA の 3 倍前後まで下がる余地があるが、買収の借入は一部使う。AFFO は 46.2 億ドル(FFO 55.9 億ドル)で年約 13.1%。人件費は年 +4% に落ち着き、供給は建設費の高さ(賃料が 4 割上がらないと採算に合わない)で戻らない。 10 年の純利益の累計は約 153 億ドル(AFFO の累計 305 億ドルから、減価償却・維持の設備投資などの差の累計 152 億ドルを引く)。 g 4.0%・ROE 35.8%・k 8.50% の式(正当化 PER 18.2 倍)の 8.7 割にあたる 15.85 倍を利益に掛けて、時価総額は約 732 億ドル。
- 運営型シニア住宅(SHOP):数量 104(平均入居戸数(千戸、推定))× 価格 124(1 入居戸あたりの年間収入(千ドル))→ 売上 128 億ドル・営業利益 51 億ドル。占有 96.0%・入居料 年 +6.0%
- 医療オフィス・研究棟(OM&R):数量 97.0(投資残高(億ドル、推定))× 価格 0.14(投資残高あたりの賃貸収入(利回り))→ 売上 13 億ドル・営業利益 9 億ドル。賃料 年 +3.8%
- 契約賃料型(シニア住宅・長期介護):数量 66.0(投資残高(億ドル、推定))× 価格 0.09(投資残高あたりの賃料収入(利回り))→ 売上 6 億ドル・営業利益 6 億ドル。賃料 年 +3.0%
倍率:オーナー利益(AFFO)は GAAP 純利益に不動産の減価償却を足し戻し、売却益と維持の設備投資を引いた値(2026 年は GAAP 約 3.9 + 償却 約 15.2 − 売却益 0 − 維持 約 4.0 = 約 15.2 億ドル。会社の正常化 FFO 19.6 億ドルは株式報酬の足し戻しと維持の設備投資を含むので、そこから株式報酬 0.4 と維持 4.0 を引いた値と一致)。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.50% = 8.50%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 事業の ROE は筋書きの利益 46.2 ÷ 自己資本 129.0 = 35.8%(帳簿の値で 40% 以下なので ROIC には直さない)。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 22.2%、正当化 PER は 18.2 倍。 上限は利益 46.2 × 18.2 倍 = 841 億ドル。置いた 15.85 倍は上限の 8.7 割。
確率:占有 96% の定着・入居料 年 +6%・利益率 40% が同時に来る必要があるので 10% に置く。
やや楽観 22% やや楽観:占有 94〜95%・利益率 38% 利益 39 億ドル · PER 14.9 倍 · 株価時価総額 112.34 ドル576 億ドル
占有 94.5%、入居料は年 +5.2%(物価に実質 +1.7%)、運営型の利益率は 38%。運営型の NOI は約 2.7 倍の 42.9 億ドル。施設数は年 +2.5%。医療オフィス・研究棟は賃料 年 +3.4%、契約賃料型は年 +2.8%。借り換えは全て 5.75%。AFFO は 38.8 億ドル(FFO 47.2 億ドル)で年約 11.0%。2026 年の買収の改善が想定どおり進み、次の買収も続く。新築は 2028 年以降に戻るが建設費が高く、占有は 94% 台を保つ。人件費は年 +4.5% で入居料の伸びが上回る。 10 年の純利益の累計は約 121 億ドル(AFFO の累計 269 億ドルから、減価償却・維持の設備投資などの差の累計 148 億ドルを引く)。 g 4.0%・ROE 34.3%・k 8.50% の式(正当化 PER 18.1 倍)の 8.2 割にあたる 14.85 倍を利益に掛けて、時価総額は約 576 億ドル。
- 運営型シニア住宅(SHOP):数量 97.8(平均入居戸数(千戸、推定))× 価格 116(1 入居戸あたりの年間収入(千ドル))→ 売上 113 億ドル・営業利益 43 億ドル。占有 94.5%・入居料 年 +5.2%
- 医療オフィス・研究棟(OM&R):数量 96.0(投資残高(億ドル、推定))× 価格 0.13(投資残高あたりの賃貸収入(利回り))→ 売上 13 億ドル・営業利益 9 億ドル。賃料 年 +3.4%
- 契約賃料型(シニア住宅・長期介護):数量 66.0(投資残高(億ドル、推定))× 価格 0.09(投資残高あたりの賃料収入(利回り))→ 売上 6 億ドル・営業利益 6 億ドル。賃料 年 +2.8%
倍率:オーナー利益(AFFO)は GAAP 純利益に不動産の減価償却を足し戻し、売却益と維持の設備投資を引いた値(2026 年は GAAP 約 3.9 + 償却 約 15.2 − 売却益 0 − 維持 約 4.0 = 約 15.2 億ドル。会社の正常化 FFO 19.6 億ドルは株式報酬の足し戻しと維持の設備投資を含むので、そこから株式報酬 0.4 と維持 4.0 を引いた値と一致)。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.50% = 8.50%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 事業の ROE は筋書きの利益 38.8 ÷ 自己資本 113.0 = 34.3%(帳簿の値で 40% 以下なので ROIC には直さない)。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 21.4%、正当化 PER は 18.1 倍。 上限は利益 38.8 × 18.1 倍 = 701 億ドル。置いた 14.85 倍は上限の 8.2 割。
確率:占有 94〜95% と入居料 年 +5.2% が続く確率。需要(80 歳以上人口 年 +3.5%)が供給(建設費が高く着工が戻りにくい)を上回り続けると見て 22% に置く。
中立 35% 中立:占有 92〜93% で落ち着く成熟した REIT 利益 31 億ドル · PER 13.4 倍 · 株価時価総額 80.74 ドル414 億ドル
占有は 92.5% で落ち着き、入居料は年 +4.2%(物価 3.5% に実質 +0.7%)、運営型の利益率は 35%(ウェルタワーの約 34% に並ぶ)。運営型の NOI は約 2.1 倍の 34.0 億ドル(業界ノートの運営型 NOI 約 2 倍に沿う)。施設数は内部留保で年 +2%。医療オフィス・研究棟は賃料 年 +3%、契約賃料型は年 +2.5%。借り換えは全て 5.75%。AFFO は 30.9 億ドル(FFO 37.9 億ドル)で年約 8.2%。2028 年以降は需要(80 歳以上 年 +3.5%)と供給(年 +2〜3%)が釣り合い、占有は頭打ち。株式で買う分は価値を足さないと見て入れない。借金は EBITDA の 2〜3 倍台まで下がるが、その余力での買収は価値を足さない扱い。 10 年の純利益の累計は約 85 億ドル(AFFO の累計 233 億ドルから、減価償却・維持の設備投資などの差の累計 148 億ドルを引く)。 g 4.0%・ROE 32.2%・k 8.50% の式(正当化 PER 17.9 倍)の 7.5 割にあたる 13.40 倍を利益に掛けて、時価総額は約 414 億ドル。
- 運営型シニア住宅(SHOP):数量 91.6(平均入居戸数(千戸、推定))× 価格 106(1 入居戸あたりの年間収入(千ドル))→ 売上 97 億ドル・営業利益 34 億ドル。占有 92.5%・入居料 年 +4.2%
- 医療オフィス・研究棟(OM&R):数量 95.0(投資残高(億ドル、推定))× 価格 0.13(投資残高あたりの賃貸収入(利回り))→ 売上 12 億ドル・営業利益 8 億ドル。賃料 年 +3.0%
- 契約賃料型(シニア住宅・長期介護):数量 66.0(投資残高(億ドル、推定))× 価格 0.09(投資残高あたりの賃料収入(利回り))→ 売上 6 億ドル・営業利益 6 億ドル。賃料 年 +2.5%
倍率:オーナー利益(AFFO)は GAAP 純利益に不動産の減価償却を足し戻し、売却益と維持の設備投資を引いた値(2026 年は GAAP 約 3.9 + 償却 約 15.2 − 売却益 0 − 維持 約 4.0 = 約 15.2 億ドル。会社の正常化 FFO 19.6 億ドルは株式報酬の足し戻しと維持の設備投資を含むので、そこから株式報酬 0.4 と維持 4.0 を引いた値と一致)。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.50% = 8.50%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 事業の ROE は筋書きの利益 30.9 ÷ 自己資本 96.0 = 32.2%(帳簿の値で 40% 以下なので ROIC には直さない)。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 20.3%、正当化 PER は 17.9 倍。 上限は利益 30.9 × 17.9 倍 = 552 億ドル。置いた 13.40 倍は上限の 7.5 割。
確率:業界ノートの中立(占有 92〜93%、運営型 NOI 約 2 倍)に沿う。ベンタスの出発点(占有 約 90%・利益率 約 30%)からの 9 年の置き方として最も素直なものを 35% に置く。
やや悲観 20% やや悲観:供給の復活と人件費で利益率が 31〜32% にとどまる 利益 24 億ドル · PER 16.9 倍 · 株価時価総額 79.18 ドル406 億ドル
新築が 2028 年以降に戻り、占有は 90.5% で頭打ち。入居料は年 +3.6%、人件費は年 +4.5% で、運営型の利益率は 31.5% にとどまる。運営型の NOI は約 1.7 倍の 27.2 億ドル。医療オフィス・研究棟は研究棟の空室と入れ替えの費用で賃料 年 +2.5%、契約賃料型は年 +2%(メディケイドの償還の削減で借り手が苦しむ)。借り換えは全て 5.75%。AFFO は 24.0 億ドル(FFO 29.9 億ドル)で年約 5.2%、物価に届かない。買収の利回りが資金コストに近づき、増資で買う成長は縮む。 10 年の純利益の累計は約 40 億ドル(AFFO の累計 196 億ドルから、減価償却・維持の設備投資などの差の累計 156 億ドルを引く)。自己資本は、今の 125.3 億ドルに累計を足し、還元 109 億ドルを引いて 56 億ドル。 g 4.0%・ROE 42.9%・k 8.50% の式(正当化 PER 18.8 倍)の 9.0 割にあたる 16.92 倍を利益に掛けて、時価総額は約 406 億ドル。
- 運営型シニア住宅(SHOP):数量 85.8(平均入居戸数(千戸、推定))× 価格 101(1 入居戸あたりの年間収入(千ドル))→ 売上 86 億ドル・営業利益 27 億ドル。占有 90.5%・入居料 年 +3.6%
- 医療オフィス・研究棟(OM&R):数量 93.0(投資残高(億ドル、推定))× 価格 0.12(投資残高あたりの賃貸収入(利回り))→ 売上 11 億ドル・営業利益 7 億ドル。賃料 年 +2.5%
- 契約賃料型(シニア住宅・長期介護):数量 64.0(投資残高(億ドル、推定))× 価格 0.09(投資残高あたりの賃料収入(利回り))→ 売上 6 億ドル・営業利益 5 億ドル。賃料 年 +2.0%
倍率:オーナー利益(AFFO)は GAAP 純利益に不動産の減価償却を足し戻し、売却益と維持の設備投資を引いた値(2026 年は GAAP 約 3.9 + 償却 約 15.2 − 売却益 0 − 維持 約 4.0 = 約 15.2 億ドル。会社の正常化 FFO 19.6 億ドルは株式報酬の足し戻しと維持の設備投資を含むので、そこから株式報酬 0.4 と維持 4.0 を引いた値と一致)。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.50% = 8.50%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 事業の ROE は筋書きの利益 24.0 ÷ 自己資本 56.0 = 42.9%(帳簿の値で 40% 以下なので ROIC には直さない)。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 25.7%、正当化 PER は 18.8 倍。 上限は利益 24.0 × 18.8 倍 = 450 億ドル。置いた 16.92 倍は上限の 9.0 割。
確率:新築が 2028 年以降に戻り、人件費が入居料を上回る確率。競合(ウェルタワー・ブルックデール・私募ファンド)の拡張で買収の利回りが薄くなる点も含め 20% に置く。
悲観 13% 悲観:構造的に負け、もう優良とは言えない 利益 12 億ドル · PER 14.9 倍 · 株価時価総額 35.89 ドル184 億ドル
新築の供給が戻り、在宅介護と技術の普及も加わって占有は 85.5% まで下がる。入居料は年 +2.5%(物価に負ける)、人件費の上昇で運営型の利益率は 25%。運営型の NOI は 16.9 億ドルと今とほぼ同じ。医療オフィス・研究棟は空室の定着で賃料 年 +1.5%、契約賃料型は借り手の破綻で年 +0.5%、残高も減る。借り換えは全て 5.75%、借金は増える。AFFO は 12.4 億ドル(FFO 16.5 億ドル)と今を下回り、配当は減る。買収の成長は止まり、ウェルタワーに規模・データ・資本の調達力で差をつけられて、もう優良とは言えない。 10 年の純利益の累計は約 -36 億ドル(AFFO の累計 119 億ドルから、減価償却・維持の設備投資などの差の累計 155 億ドルを引く)。自己資本は、今の 125.3 億ドルに累計を足し、還元 82 億ドルを引いて 7 億ドル。 g 4.0%・ROE 177.1%・k 8.50% の式(正当化 PER 21.3 倍)の 7.0 割にあたる 14.85 倍を利益に掛けて、時価総額は約 184 億ドル。
- 運営型シニア住宅(SHOP):数量 74.1(平均入居戸数(千戸、推定))× 価格 91(1 入居戸あたりの年間収入(千ドル))→ 売上 68 億ドル・営業利益 17 億ドル。占有 85.5%・入居料 年 +2.5%
- 医療オフィス・研究棟(OM&R):数量 90.0(投資残高(億ドル、推定))× 価格 0.11(投資残高あたりの賃貸収入(利回り))→ 売上 10 億ドル・営業利益 6 億ドル。賃料 年 +1.5%
- 契約賃料型(シニア住宅・長期介護):数量 60.0(投資残高(億ドル、推定))× 価格 0.07(投資残高あたりの賃料収入(利回り))→ 売上 5 億ドル・営業利益 4 億ドル。賃料 年 +0.5%
倍率:オーナー利益(AFFO)は GAAP 純利益に不動産の減価償却を足し戻し、売却益と維持の設備投資を引いた値(2026 年は GAAP 約 3.9 + 償却 約 15.2 − 売却益 0 − 維持 約 4.0 = 約 15.2 億ドル。会社の正常化 FFO 19.6 億ドルは株式報酬の足し戻しと維持の設備投資を含むので、そこから株式報酬 0.4 と維持 4.0 を引いた値と一致)。 利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)。k は 基本 8.0% + quality +0.50% = 8.50%。 検査の g は 4.0%(長期の上限)。 事業の ROE は筋書きの利益 12.4 ÷ 自己資本 7.0 = 177.1%(帳簿の値で 40% 以下なので ROIC には直さない)。 moat は 普通(残る割合 0.50)、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 92.8%、正当化 PER は 21.3 倍。 上限は利益 12.4 × 21.3 倍 = 264 億ドル。置いた 14.85 倍は上限の 7.0 割。
確率:在宅介護の普及・過剰供給・メディケイドの削減・研究棟の需要減が重なり、運営型の占有が 85% 台・利益率が 25% に落ちる構造的な負けを 13% に置く。ウェルタワーに規模とデータで差をつけられる場合も含む。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
運営型シニア住宅(SHOP)
運営会社に運営を委ね、入居料から運営費を引いた施設の利益(NOI)を直接取る住まい。占有と入居料で決まる。
| 数量平均入居戸数(千戸、推定) | 価格1 入居戸あたりの年間収入(千ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 74.5 | 73 | 55 | 16 |
| 10 年後 中立 | 91.6 | 106 | 97 | 34 |
取り方:2026 年 4〜6 月期の SHOP の収入 13.64 億ドルの年率 約 54.5 億ドルを、平均入居戸数 7.45 万戸と 1 戸あたり年 7.32 万ドル(月 約 6,100 ドル、1 入居あたり収入の推定)に分けた。入居戸数は占有 約 89.9%・総戸数 約 8.29 万戸(推定)。NOI は 4〜6 月期の 4.035 億ドルの年率 約 16.1 億ドル(利益率 29.6%)。fy は basis の表記に合わせ 2025/12 とするが、値は 2026 年の水準。年内の買収の上乗せは入れていない。
医療オフィス・研究棟(OM&R)
大学・医療システムの近くの医療オフィスと研究棟を貸す賃貸物件。賃料の自動上昇で伸びる。
| 数量投資残高(億ドル、推定) | 価格投資残高あたりの賃貸収入(利回り) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 93.0 | 0.10 | 9 | 6 |
| 10 年後 中立 | 95.0 | 0.13 | 12 | 8 |
取り方:2026 年 4〜6 月期の賃貸収入 2.286 億ドルの年率 約 9.1 億ドルを、投資残高 約 93 億ドル(NOI 利回り 6.5% 前後からの推定)で割った 9.8%(賃貸収入ベース)。NOI は 4〜6 月期の 1.515 億ドルの年率 約 6.06 億ドル(利益率 66%)。
契約賃料型(シニア住宅・長期介護)
借り手が運営費を負担し、決まった賃料の自動上昇で伸びる賃貸物件。
| 数量投資残高(億ドル、推定) | 価格投資残高あたりの賃料収入(利回り) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 70.0 | 0.07 | 5 | 5 |
| 10 年後 中立 | 66.0 | 0.09 | 6 | 6 |
取り方:2026 年 4〜6 月期の賃貸収入 1.249 億ドルの年率 約 5.0 億ドルを、投資残高 約 70 億ドル(NOI 利回り 7% 前後からの推定)で割った 7.1%。NOI は 4〜6 月期の 1.217 億ドルの年率 約 4.87 億ドル(利益率 97%)。
リスクと懸念
人件費の上昇
運営型は入居料から人件費を引いた利益を取る。賃金が年 +4〜5% で続き、入居料の伸び(+4% 台)に届かなければ、占有が戻っても NOI の利益率が伸びない。ベンタスは出発点の利益率が約 30% と低く、改善が止まると中立の筋書き(2035 年に 35%)が大きく崩れる。
新築の供給の復活
新築が少ないのは入居料が建設費に届かないから(賃料が 4 割上がらないと採算に合わないと経営陣)。入居料が上がれば 2028 年以降に供給が戻り、占有の頭打ちと競争が来る。取引価格が高く、買収の利回りは薄くなる。
景気後退・感染症による占有の急落
2020 年のコロナでは株価が −52%(2008〜09 年は −56%)。運営型は占有に利益が直結し、谷の NOI は −15〜−25%。純負債/EBITDA は 4.7 倍と軽くないので、谷では 6 倍台へ上がり、配当の一部減は避けにくい。
株式の発行による成長
株数は 2025 年末 4.75 億株から 2026 年 6 月末 5.13 億株へ増え、先渡し売りの未決済が 16 億ドル残る。株価が NAV を下回れば、発行で買う成長が価値を壊し、増資も止まる。
買収・統合の失敗
2026 年は年初来 34 億ドル、年の目標 45 億ドルと大型の買収が続く。運営会社の入れ替えと改善が想定どおりに進まなければ、買収価格は重荷になり、英国・カナダの規制・人手の違いも効き、買収の失敗は確率に入れた。
研究棟・メディケイド・在宅介護
医療オフィス・研究棟のうち研究棟は景気とバイオの資金調達に左右され、空室が定着しうる。契約賃料型の長期介護の借り手は公的な償還に頼り、削減や破綻は賃料を止める。在宅介護・技術の普及は、自立型・介護付き住宅の需要を長期に細らせうる。
借り換えと金利
借金 127 億ドルは借り換えで 5.75% 前後へ置き換わり、FFO を 10 年で約 2 億ドル削る。物件の評価利回りが上がれば、買収の利ざやと NAV が縮み、成長の資金コストが上がる点も効く。
今後の分かれ目
- 2027 年に運営型の同一施設 NOI が年 +12% 以上を保ち、占有が 93% を超えたら
- 楽観・やや楽観の確率を上げる。10 年の中立の AFFO(約 31 億ドル)を 1 割上げて見る。
- 運営型の利益率の改善が 2 年連続で +100bp を下回ったら
- 利益率の見込み(中立 2035 年 35%)を 2〜3pt 下げ、やや悲観の確率を上げる。
- 株価が NAV を下回り、先渡しの株式売りや増資が止まったら
- 買収の成長が止まる。中立の施設数の伸び(内部留保の年 +2%)に近づき、成長は物価並みに落ちる。倍率を 1〜2 倍下げて見る。
- 新築の着工が年 +10% を超えて戻り始めたら
- 占有の頭打ちが早まる。10 年のやや悲観の確率を上げる。
- コロナ型の入居の急減(占有が 5pt 以上下がる)が再び起きたら
- 悲観が起きたと見る。谷の PBR は 1.2 倍前後(過去の谷 1.4 倍は利益ベースの上限で 1.17 倍に置いた)を見て、配当は一部減る前提で考える。
- 研究棟の空室が増え、医療オフィス・研究棟の同一施設 NOI が前年割れしたら
- OM&R の賃料の伸び(中立 年 +3%)を年 +1〜2% に下げて見る。
見ておくもの
- NIC MAP の占有と新築の着工(在庫の伸び)
- 運営型の同一施設 NOI・占有・1 入居あたり収入・利益率
- 人件費(賃金)の伸びと運営型の利益率の改善幅
- 買収の利回りと自社の資金コスト、先渡し売りの価格(NAV 比)
- 純負債/EBITDA(4.7 倍)と借り換えの金利
- 研究棟の空室とメディケイドの方針
倍率と資本コストの決め方
今の P/FFO 約 23 倍・P/AFFO 約 29 倍を見る前に、入居戸数 × 1 戸あたり収入 × NOI 利益率、投資残高 × 賃料利回りを積み上げた。利益は AFFO(GAAP 純利益 + 減価償却 − 売却益 − 維持の設備投資。株式報酬は費用として引く)。倍率は利益ベースの正当化 PER = (1 − g/RONIC)÷(k − g)(RONIC = k + 1/2 ×(ROE − k)、g 4.0%、k 8.5%)の 7〜10 割。中立の 10 年は ROE 約 32% で正当化 PER 27.6 倍の 7.5 割の 20.7 倍。運営型は景気と人件費で利益が振れ、借金も軽くないので 7〜8 割台。正常化 FFO は株式報酬を足し戻す定義に変わったので、株式報酬を引いて置いた。今の倍率や過去の PER に寄せていない。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。基本 8.0% + quality +0.50% = 8.50%(内訳と理由は quality_why)。個別のリスクは k に足さず、筋書きと確率で表した。