結論
イートン(Eaton)は、データセンター・公益・商業ビル向けの配電設備(配電盤・無停電電源・母線・保護機器)を軸に、航空機部品と車両部品を持つ電気機器メーカーで、アイルランド籍・本拠は米国。2025 年は売上 274 億ドル、セグメント利益率 24.5%(過去最高)、純利益 41 億ドル。2026 年 4〜6 月期は売上 85 億ドル(前年比 +21%、うちオーガニック +14%)、北米の電気の受注は直近 12 か月で +41%、受注残は電気全体で +43% と、データセンターと電力網の増強が数量と価格を同時に押し上げている。
2026 年は転換の年でもある。液冷・熱管理の Boyd Thermal を 95.5 億ドルで買い、負債は 2025 年末の約 100 億ドルから約 200 億ドルへ倍増した。一方で車両・電動化事業(Mobility)は、ダナ(Dana)との統合(スプリットオフ)で 2027 年第 1 四半期に切り離す。電気と航空宇宙に絞った会社になり、利益率は上がるが、買収の債務と償却が当面の利益を削る。
バリュー投資の観点では、北米の配電設備は寡占で、納期が長く、稼働した設備の更新と保守が続く、質の高い事業である。10 年の楽観かやや楽観の筋書きが実現すれば今の水準を上回るが、確率は合わせて 3 割弱にとどまる。資本コスト 8.25%(基本 8.0% + quality +0.25%)で割り引き確率で加重すると、10 年後の本質価値は 793 億ドルで、今の時価総額 1531 億ドルを約 48% 下回る。
倍率は利益ベースの正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g)(k 8.25%・g 4.0%・事業の ROE 20%・moat=普通)の上限 16.9 倍の 8 割(13.5 倍)に置いた(北米の配電設備は寡占に近く受注も強いが、データセンターの投資循環の山にいて、ボイドの買収の債務も抱える。上限の 8 割にとどめた)。総合は今の時価総額に対し -48% で「割高」。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず「10 年後もこの事業は存在し、今より強いか」を問う。電気を受けて配り、保護する装置は、AI の需要が弱まっても、電化・老朽設備の更新・人口増という長い需要の土台があり、事業が存在することは確実である。堀も、北米の寡占、設置済みの機器に付く保守、納期の長さという 3 層があり、2 年前よりむしろ強まった。
次に、株主のものになるオーナー利益を考える。2025 年の純利益 41 億ドルは、本社費・償却を引いた後の姿で、FCF は 36 億ドル、増産投資は比較的軽い。ただし Boyd の買収で 2026 年以降は債務の利払い(約 10 億ドル)と償却が増え、ならした純利益は 2035 年で 89 億ドル程度と見るのが落ち着いた置き方である。
それに対して時価総額は 1,531 億ドルで、2025 年の純利益の 37 倍に当たる。資本コスト 8.25% で割り引くと、楽観かやや楽観の筋書きが実現して初めて今の水準を上回り、中立では届かない。安全域はなく、値段はやや割高の側にある。経営は資本配分で、事業の選別(Mobility の切り離し)と買収を使い分けており評価できるが、高い倍率での大型買収(Boyd)は、買収価格に見合う成長が出ないと価値を損なう。予測できない要素(AI 投資の持続、競合の増産)が大きいので確信度は中程度に下げる。よい会社と、よい投資対象は別だ、というのが結論である。
何で稼ぐ会社か
売上は 4 つの部門から成る(2025 年)。Electrical Americas(約 133 億ドル、利益率 29.9%)は北米向けで、配電盤・開閉装置・無停電電源(UPS)・母線・変圧器・モジュール電気室(2025 年に買収した Fibrebond)などを、データセンター・商業ビル・工場・公益に納める。顧客はデータセンター事業者(約 2 割)、商業・公共施設(約 2 割)、公益(約 1 割)、産業など。直近 12 か月の受注は前年比 +41%、受注残は +33%。
Electrical Global(約 68 億ドル、利益率 19.4%)は欧州・アジア・中東向けの同種の電気設備で、2026 年 3 月に液冷・熱管理の Boyd Thermal(取得額 95.5 億ドル)を加え、売上は前年比 +44%、受注残は 2 倍になった。データセンターの電力から冷却までを一体で提案できる点が狙いである。
Aerospace(約 43 億ドル、利益率 23.8%)は、航空機の油圧・燃料・配電・センサーなどの部品と整備需要で、2026 年に Ultra PCS(約 15.5 億ドル)を買って防衛通信に広げた。
Mobility(旧 Vehicle 約 25 億ドルと eMobility 約 6 億ドル)は商用車のトランスミッション・クラッチ・過給機と電動化部品で、利益率は 13% 前後(eMobility は赤字)。2027 年第 1 四半期にダナと統合して切り離す。収益の構造は、設備の受注から納入まで 1〜2 年かかり、その間は受注残が売上を支え、納入後は保守・更新が続く。
優良さと弱いところ
堀は 3 つある。第 1 に、北米の配電設備は、イートン・シュナイダーエレクトリック(Schneider Electric)・シーメンス・ABB・ハベル(Hubbell)などの寡占で、設計の標準化と電気工事業者・設計事務所との長い関係、設置後の保守と部品が、顧客の乗り換えを難しくする。第 2 に、配電盤・変圧器は納期が長く、顧客は価格より納期と信頼性を優先するので、需給が締まる局面では値上げが通る。第 3 に、電気と熱管理、ソフトを組み合わせた一体提案(Boyd・Fibrebond・Resilient Power の固体変圧器)で、データセンターの設計段階から入れる。
資本効率は高い。2025 年のセグメント利益率 24.5% は 5 年で約 8 ポイント上がり、ROE は 21%、FCF は 36 億ドル。利益率が上がった理由は、価格の規律と、北米の電気の比率の上昇である。
弱い所は 3 つ。第 1 に Boyd の買収で債務が倍増し、2026 年 4〜6 月期のセグメント利益率は 23.1% と前年より 0.8 ポイント下がった(買収した事業の利益率が低い)。第 2 に、データセンターの比率が高まって景気の山に近づいた点。第 3 に Mobility は利益率が低く、分離までの間は全体の質を薄める。経営は 2020 年代に入ってから資本を事業の選別(Mobility の切り離し、電気と航空宇宙への集中)に振り向けており、方針は一貫している。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
北米の電気設備は、10 年ほど年 +3% 前後の安定した市場だったが、2024 年以降の AI データセンター、製造業の国内回帰、電化、老朽設備の更新が重なって急な上昇局面に入った。業界ノートでは、米国のデータセンター向け電気設備の支出は 2025 年の約 200 億ドルから 2030 年に約 650 億ドルへ予測され、大型変圧器の納期は約 128 週、開閉装置は 2028 年まで埋まっている。国際エネルギー機関(IEA)は世界の送配電投資が約 4,000 億ドルから 2030 年に約 6,000 億ドルへ必要と見る。
競合は、シュナイダーエレクトリック、ABB、シーメンス、日立エナジー、ハベル(公益向けの部材)、GEベルノバ(電化部門)、データセンターの電源・冷却でバーティブ、韓国の LS エレクトリック・現代、中国の電気機器メーカーである。各社が増産に動いており、2028〜30 年に供給が追いついて価格の上乗せが薄れる可能性が高い。ただし 2001〜2004 年にガスタービンと電気設備の受注が大きく落ちた前例(通信バブル崩壊と過剰な新設の反動)があり、今回も景気の山にいる点は変わらない。
熱管理は、AI チップの発熱で空冷から液冷へ移る途上にあり、バーティブ・シュナイダー・ナビダ・Boyd が競う。航空宇宙は民間機の整備需要と防衛予算の拡大が追い風、車両は商用車の景気に左右される。業界ノートの置き方は、中立が 10 年平均で数量 年 +6.5%・価格は納期正常化で物価並み、成熟後の PER 14〜20 倍、谷の PER 10〜12 倍である。
資本政策と M&A
還元は配当が年 16 億ドル前後、自社株買いが 2024 年 25 億ドル、2025 年 19 億ドルだった。2026 年は Boyd の取得で債務が増えたため、自社株買いは抑えられて返済が優先される見込みで、2025 年の純負債 99 億ドル(時価総額比 6.5%)は 2026 年 6 月末に約 200 億ドル(自己資本 202 億ドルとほぼ同じ)へ上がった。債務の借り換えは約 5.75% で進むので、利払いは 2025 年の約 4 億ドルから 10 億ドル前後へ増える。
M&A は、Fibrebond・Resilient Power(2025 年)、Ultra PCS(15.5 億ドル)、Boyd Thermal(95.5 億ドル)、COL Group(8.1 億ユーロで取得合意)と続けて電気・熱管理・航空に集中投資してきた。電気設備の買収は高い倍率で行われており、買収価格に見合う成長が出なければ、減損と ROE の低下が起きうる。
Mobility の分離は、ダナとの Reverse Morris Trust で、イートン株主が統合後の会社の 50.1% 以上を持ち、イートンは分離前に約 11 億ドルの現金を受け取って債務の返済に充てる。完了は 2027 年第 1 四半期の見込みで、不成立ならスピンオフに切り替える。株主に渡る Mobility の価値は推定 30 億ドルで、payout に含めた。株式報酬による株の増加は年 0.5% 前後で、正味の還元はこの分だけ小さい。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
北米の電気の受注は直近 12 か月で +41%、電気全体の受注残は +43%、Electrical Global の受注残は Boyd を含めて 2 倍になった。2026 年のオーガニック成長の見通しは 7〜9% から 11〜13% へ引き上げられ、第 3 四半期のセグメント利益率は 24.6〜25.0% と、買収後の落ち込みから戻る見込みである。経営は 2030 年までオーガニック +6〜9%、調整後 EPS 年 +12% 超を掲げ、北米の電気は利益率 32% を目標にしている。
データセンターは電力から冷却までの一体提案で、設計段階から取り込める。Boyd の液冷はチップの発熱が増えるほど需要が増え、Fibrebond のモジュール電気室は工期を短くする。固体変圧器(Resilient Power)は次の世代の標準になりうる。データセンターが減速しても、老朽設備の更新、電力網の増強、製造業の国内回帰が下支えする。
航空宇宙は受注残が 28% 増え、Ultra PCS で防衛に広がる。Mobility を切り離すことで利益率と成長率が上がり、債務は FCF(年 35 億ドル超)で 2〜3 年で大きく減る。これが強気の見方で、楽観の筋書きの下敷きである。
慎重な見方
2025 年の PER 37 倍は、成熟した優良産業財の 18〜20 倍に戻るだけで半分に下がる計算になる。2026 年 4〜6 月期のセグメント利益率は 23.1% と前年より 0.8 ポイント下がり、買収した事業の利益率の低さと債務の利払い・償却が利益を削っている。債務は約 200 億ドルで自己資本とほぼ同額になり、借り換えは約 5.75% で、2026 年から利払いが約 2.5 倍に増える。
配電設備は 2001〜2004 年に受注が大きく落ちた前例があり、今回もデータセンター投資という景気の山にいる。シュナイダー・ABB・シーメンス・日立エナジー・LS エレクトリック・中国メーカーが増産しており、2028〜30 年に供給が追いつくと納期プレミアムは消える。電力の使い方が効率化する(チップあたりの性能向上)、直流給電や固体変圧器で交流の配電盤の価値が下がる、データセンターの許認可が止まる、といったことも起こりうる。
Boyd は 95.5 億ドルと高い倍率で買っており、液冷は競争が激しい。Mobility の分離は 2027 年まで実現せず、分離までは利益率を薄める。これが慎重な見方である。
どちらに重みを置いたか
強気の見方は受注残の確かさと北米の寡占で説得力がある。ただし競合の増産と過去の景気の山谷が効く 10 年は、悲観側を厚めにした。分散が効くので悲観は GEベルノバより薄くした。確率は 楽観 8%・やや楽観 20%・中立 36%・やや悲観 24%・悲観 12%。倍率は利益ベースの正当化 PER の内側(中立は上限の 8 割)に置き、総合は今の時価総額に対し -48% で「割高」。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 299.28 ドル1,171 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 100.00 ドル391 億ドル)。 今の値に割り戻すと 202.73 ドル793 億ドル、今との差 −45.1%、 期待の年率 +0.8%(資本コスト 8.3%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 615.54 ドル2,408 億ドル | 153.37 ドル600 億ドル | +108.4% | +7.6% | 61.51 ドル241 億ドル |
| やや楽観 | 20% | 438.68 ドル1,716 億ドル | 122.70 ドル480 億ドル | +52.1% | +4.3% | 112.28 ドル439 億ドル |
| 中立 | 36% | 307.82 ドル1,204 億ドル | 102.25 ドル400 億ドル | +11.1% | +1.1% | 147.63 ドル578 億ドル |
| やや悲観 | 24% | 173.90 ドル680 億ドル | 84.36 ドル330 億ドル | −30.0% | −3.5% | 61.98 ドル242 億ドル |
| 悲観 | 12% | 81.24 ドル318 億ドル | 51.12 ドル200 億ドル | −64.1% | −9.7% | 15.88 ドル62 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 299.28 ドル1,171 億ドル | 100.00 ドル391 億ドル | +8.2% | +0.8% | 399.28 ドル1,562 億ドル |
今の株価時価総額 368.99 ドル1,443 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.3% を下回るほど割高。
楽観 8% 楽観:電力需要が 2030 年代も伸び続け、北米の首位とデータセンター向けの熱管理が広がる 利益 140 億ドル · PER 17.2 倍 · 株価時価総額 615.54 ドル2,408 億ドル
2035 年、北米の電気設備市場は 2025 年比で年 +7.5% の約 1,440 億ドル(2025 年価格)まで伸び、Electrical Americas のシェアは 21%、利益率は経営の長期目標 32% に近い 30%。Electrical Global は市場が年 +6%、液冷と電気の一体提案でシェア 5.8%、利益率 22.5%。航空宇宙は市場年 +5%・シェア 7.2%・利益率 25%。物価は 10 年で 1.41 倍。売上は約 775 億ドル、営業利益 177 億ドル、純利益 140 億ドル(2025 年の約 3.4 倍)。還元は純利益の約 6 割に上る。
- Electrical Americas(北米の電気設備):数量 1,440(北米の電気設備市場(億ドル、2025 年価格。納期プレミアムによる実質の値上がりを含む))× 価格 29.6%(シェア × 物価指数)→ 売上 426 億ドル・営業利益 128 億ドル。市場・シェア・価格
- Electrical Global(北米外の電気設備と熱管理):数量 2,950(北米外の電気設備と世界のデータセンター熱管理の対象市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 8.2%(シェア × 物価指数)→ 売上 241 億ドル・営業利益 54 億ドル。市場・シェア・価格
- Aerospace(航空宇宙):数量 1,060(世界の航空機システム部品・整備の対象市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 10.2%(シェア × 物価指数)→ 売上 108 億ドル・営業利益 27 億ドル。市場・シェア・価格
- Mobility(車両・電動化):数量 0.0(商用車・乗用車向けパワートレイン・電動化部品の対象市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 0.0%(シェア × 物価指数)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。市場・シェア・価格
倍率:利益ベースの正当化 PER:k 8.25%(基本 8.0% + quality +0.25%)・g 4.0%(上限の内側。電気設備の市場の実質 3〜4%(電化・データセンター)+ 価格 3.5% だが、10 年先まで続くとは見ず 4% を超えない)・事業の ROE 29%(帳簿の自己資本 ROE:純利益 140.0 ÷ 自己資本 485.0 億ドル)・moat=普通(残る割合 0.50)。RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 18.6%、正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g) = 18.5 倍(上限 = 純利益 140.0 億ドル × これ = 2584 億ドル)。これの 0.9 割(17.2 倍)に置いた。楽観:利益の質が最も良く出る筋書きなので上限に最も近く置いた。
確率:データセンター・電化・老朽設備の更新が 10 年続き、シェアも価格も保たれる必要がある。構造変化が全部味方する筋書きで 1 割弱。
やや楽観 20% やや楽観:データセンターの高成長は 2030 年代前半に一巡するが、電力網と更新の需要が残る 利益 111 億ドル · PER 15.5 倍 · 株価時価総額 438.68 ドル1,716 億ドル
2035 年、北米の電気設備市場は年 +6.5% の約 1,310 億ドルで、Electrical Americas のシェア 19.8%、利益率 28.5%。データセンターの新設は 2030 年前後にピークを打ち、その後は一般の商業ビル・工場・電力会社向けと更新が中心になる。Electrical Global は市場が年 +5.2%、シェア 5.5%、利益率 21%。航空宇宙は利益率 24%。売上は約 677 億ドル、営業利益 142 億ドル、純利益 111 億ドル。韓国(LS エレクトリック・現代)や中国の電気機器メーカーが価格を下げ、電気の上がり方を少し抑える。
- Electrical Americas(北米の電気設備):数量 1,310(北米の電気設備市場(億ドル、2025 年価格。納期プレミアムによる実質の値上がりを含む))× 価格 27.9%(シェア × 物価指数)→ 売上 366 億ドル・営業利益 104 億ドル。市場・シェア・価格
- Electrical Global(北米外の電気設備と熱管理):数量 2,740(北米外の電気設備と世界のデータセンター熱管理の対象市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 7.8%(シェア × 物価指数)→ 売上 212 億ドル・営業利益 45 億ドル。市場・シェア・価格
- Aerospace(航空宇宙):数量 1,010(世界の航空機システム部品・整備の対象市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 9.7%(シェア × 物価指数)→ 売上 98 億ドル・営業利益 24 億ドル。市場・シェア・価格
- Mobility(車両・電動化):数量 0.0(商用車・乗用車向けパワートレイン・電動化部品の対象市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 0.0%(シェア × 物価指数)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。市場・シェア・価格
倍率:利益ベースの正当化 PER:k 8.25%(基本 8.0% + quality +0.25%)・g 4.0%(上限の内側。電気設備の市場の実質 3〜4%(電化・データセンター)+ 価格 3.5% だが、10 年先まで続くとは見ず 4% を超えない)・事業の ROE 24%(帳簿の自己資本 ROE:純利益 111.0 ÷ 自己資本 457.0 億ドル)・moat=普通(残る割合 0.50)。RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 16.3%、正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g) = 17.7 倍(上限 = 純利益 111.0 億ドル × これ = 1970 億ドル)。これの 0.9 割(15.5 倍)に置いた。やや楽観:楽観より伸びと利益率が控えめなので一段下。
確率:新設の高成長が一巡しても、老朽設備の更新と電化が残る展開。強気の見方に近いが、競合の増産で価格が少し弱い。
中立 36% 中立:高成長は 2030 年前後に終わり、成熟した優良な電気設備メーカーになる 利益 89 億ドル · PER 13.5 倍 · 株価時価総額 307.82 ドル1,204 億ドル
2035 年、北米の電気設備市場は年 +5.5% の約 1,200 億ドル、Electrical Americas のシェアは 19% で一定、価格は物価並みの 1.41 倍。納期プレミアムは 2030 年前に消え、利益率は 27% に落ち着く(シュナイダー・ABB・シーメンス・日立エナジーとの競争とモジュール電気室の比率上昇)。Electrical Global は市場年 +4.5%、シェア 5.2%、利益率 20%(液冷の Boyd は成長するが競争も激しい)。航空宇宙は売上 約 89 億ドル、利益率 23%。売上は約 598 億ドル(2025 年の分離後ベースの約 2.5 倍)、営業利益 117 億ドル、純利益 89 億ドル。
- Electrical Americas(北米の電気設備):数量 1,200(北米の電気設備市場(億ドル、2025 年価格。納期プレミアムによる実質の値上がりを含む))× 価格 26.8%(シェア × 物価指数)→ 売上 322 億ドル・営業利益 87 億ドル。市場・シェア・価格
- Electrical Global(北米外の電気設備と熱管理):数量 2,550(北米外の電気設備と世界のデータセンター熱管理の対象市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 7.3%(シェア × 物価指数)→ 売上 187 億ドル・営業利益 37 億ドル。市場・シェア・価格
- Aerospace(航空宇宙):数量 960(世界の航空機システム部品・整備の対象市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 9.3%(シェア × 物価指数)→ 売上 89 億ドル・営業利益 21 億ドル。市場・シェア・価格
- Mobility(車両・電動化):数量 0.0(商用車・乗用車向けパワートレイン・電動化部品の対象市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 0.0%(シェア × 物価指数)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。市場・シェア・価格
倍率:利益ベースの正当化 PER:k 8.25%(基本 8.0% + quality +0.25%)・g 4.0%(上限の内側。電気設備の市場の実質 3〜4%(電化・データセンター)+ 価格 3.5% だが、10 年先まで続くとは見ず 4% を超えない)・事業の ROE 20%(帳簿の自己資本 ROE:純利益 89.0 ÷ 自己資本 439.0 億ドル)・moat=普通(残る割合 0.50)。RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 14.3%、正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g) = 16.9 倍(上限 = 純利益 89.0 億ドル × これ = 1507 億ドル)。これの 0.8 割(13.5 倍)に置いた。中立:北米の配電設備は寡占に近く受注も強いが、データセンターの投資循環の山にいて、ボイドの買収の債務も抱える。上限の 8 割にとどめた
確率:業界ノートの中立(データセンター向けの数量 年 +6.5%・価格は納期の正常化で物価並み)を落としどころにした。
やや悲観 24% やや悲観:新設のピークアウトと競合の増産で、電気の利益率が 24% に戻る 利益 59 億ドル · PER 11.5 倍 · 株価時価総額 173.90 ドル680 億ドル
2035 年、データセンターの増設が止まり、北米の電気設備市場は年 +4% の約 1,040 億ドルにとどまる。シェアは 18% へ落ち、価格は物価を下回る。Electrical Americas の利益率は 24%、Electrical Global は中国・韓国メーカーの低価格で 17%、航空宇宙は 21.5%。売上は約 503 億ドル、営業利益 81 億ドル、純利益 59 億ドル。サービスや更新は残るが、新品の値引きと能力過剰で利益の伸びが売上を下回り、自社株買いも抑えられる。2030 年代の初めに過剰になった工場の稼働率が落ち、償却と固定費が重くなる。
- Electrical Americas(北米の電気設備):数量 1,040(北米の電気設備市場(億ドル、2025 年価格。納期プレミアムによる実質の値上がりを含む))× 価格 25.4%(シェア × 物価指数)→ 売上 264 億ドル・営業利益 63 億ドル。市場・シェア・価格
- Electrical Global(北米外の電気設備と熱管理):数量 2,330(北米外の電気設備と世界のデータセンター熱管理の対象市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 6.8%(シェア × 物価指数)→ 売上 158 億ドル・営業利益 27 億ドル。市場・シェア・価格
- Aerospace(航空宇宙):数量 920(世界の航空機システム部品・整備の対象市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 8.9%(シェア × 物価指数)→ 売上 82 億ドル・営業利益 18 億ドル。市場・シェア・価格
- Mobility(車両・電動化):数量 0.0(商用車・乗用車向けパワートレイン・電動化部品の対象市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 0.0%(シェア × 物価指数)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。市場・シェア・価格
倍率:利益ベースの正当化 PER:k 8.25%(基本 8.0% + quality +0.25%)・g 4.0%(上限の内側。電気設備の市場の実質 3〜4%(電化・データセンター)+ 価格 3.5% だが、10 年先まで続くとは見ず 4% を超えない)・事業の ROE 18%(帳簿の自己資本 ROE:純利益 59.0 ÷ 自己資本 331.0 億ドル)・moat=普通(残る割合 0.50)。RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 13.0%、正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g) = 16.3 倍(上限 = 純利益 59.0 億ドル × これ = 962 億ドル)。これの 0.7 割(11.5 倍)に置いた。やや悲観:伸びが落ち堀が削れた会社として中立より下。
確率:AI 電力の需要が 2030 年に頭打ちになり、競合の増産が重なる展開。電気設備は過剰能力と値下がりが過去に繰り返されてきた産業で、起きても不思議でない。
悲観 12% 悲観:構造的に負ける(過剰能力・新しい電力方式への置き換え・中韓の低価格)うえに不況が重なる 利益 32 億ドル · PER 9.9 倍 · 株価時価総額 81.24 ドル318 億ドル
2035 年、電力需要の見通しが過大だったことが明らかになり、データセンター向けの新設は 2020 年代の半分以下に落ちる。北米の電気設備市場は年 +2% の約 850 億ドルにとどまり、シェアも 15.5% へ落ち、納期プレミアムが消えて価格の上乗せはなくなる。Electrical Global は中国・韓国勢と液冷の過当競争で利益率 13%。航空宇宙は 20%。売上は約 341 億ドル、営業利益 45 億ドル、純利益 32 億ドル(2025 年の約 8 割で、名目でも減益)。バリュー投資家の目で見れば、ここは優良企業としての評価をもう受けられない姿である。 10 年(2026〜2035 年)の純利益の累計は約 229 億ドル。2026 年 43 億ドル・2027 年 27 億ドルのあと、不況の底の 2028 年に 11 億ドルまで落ち、そこから 2035 年の 32 億ドルへ戻る道筋で足した(減損・売却益は見込まない)。
- Electrical Americas(北米の電気設備):数量 850(北米の電気設備市場(億ドル、2025 年価格。納期プレミアムによる実質の値上がりを含む))× 価格 21.9%(シェア × 物価指数)→ 売上 186 億ドル・営業利益 35 億ドル。市場・シェア・価格
- Electrical Global(北米外の電気設備と熱管理):数量 2,010(北米外の電気設備と世界のデータセンター熱管理の対象市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 5.9%(シェア × 物価指数)→ 売上 119 億ドル・営業利益 16 億ドル。市場・シェア・価格
- Aerospace(航空宇宙):数量 830(世界の航空機システム部品・整備の対象市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 8.5%(シェア × 物価指数)→ 売上 70 億ドル・営業利益 14 億ドル。市場・シェア・価格
- Mobility(車両・電動化):数量 0.0(商用車・乗用車向けパワートレイン・電動化部品の対象市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 0.0%(シェア × 物価指数)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。市場・シェア・価格
倍率:利益ベースの正当化 PER:k 8.25%(基本 8.0% + quality +0.25%)・g 4.0%(上限の内側。電気設備の市場の実質 3〜4%(電化・データセンター)+ 価格 3.5% だが、10 年先まで続くとは見ず 4% を超えない)・事業の ROE 16%(帳簿の自己資本 ROE:純利益 32.0 ÷ 自己資本 197.0 億ドル)・moat=普通(残る割合 0.50)。RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 12.2%、正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g) = 15.8 倍(上限 = 純利益 32.0 億ドル × これ = 507 億ドル)。これの 0.6 割(9.9 倍)に置いた。悲観:構造的に負けて優良でなくなった会社として最も下。
確率:過剰な能力と需要の頭打ち、データセンターの電力方式の変化(直流給電・固体変圧器で交流の配電盤の価値が下がる)、不況が重なり、もう優良な電気設備メーカーとは評価されない。利益の山谷が大きい産業のため 1 割強。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
Electrical Americas(北米の電気設備)
北米向けの配電盤・開閉装置・無停電電源・母線・変圧器・モジュール電気室と、その保守・部品。データセンターが最大の成長源。
| 数量北米の電気設備市場(億ドル、2025 年価格。納期プレミアムによる実質の値上がりを含む) | 価格シェア × 物価指数 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 700 | 19.0% | 133 | 40 |
| 10 年後 中立 | 1,200 | 26.8% | 322 | 87 |
取り方:北米の電気設備(データセンター・商業ビル・産業・公益向けの配電・保護・電源)の市場を約 700 億ドル(推定)、シェア約 19% と置いた。2025 年売上は 132.8 億ドル、セグメント利益率 29.9%(セグメント利益 39.7 億ドル)。
Electrical Global(北米外の電気設備と熱管理)
欧州・アジア・中東の電気設備と、2026 年 3 月に買収した Boyd Thermal の液冷・熱管理。
| 数量北米外の電気設備と世界のデータセンター熱管理の対象市場(億ドル、2025 年価格) | 価格シェア × 物価指数 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,650 | 4.1% | 68 | 13 |
| 10 年後 中立 | 2,550 | 7.3% | 187 | 37 |
取り方:北米外の電気設備を約 1,500 億ドルと、データセンターの熱管理(液冷)の Boyd 対象分 約 150 億ドルを足した 1,650 億ドル(推定)を市場と置いた。2025 年は Boyd 未連結のためシェアは 4.13% と低く見える(連結後は約 5.2%)。2025 年売上は 68.2 億ドル、利益率 19.4%。
Aerospace(航空宇宙)
航空機の油圧・燃料・配電・センサーなどの部品、整備、Ultra PCS による防衛通信。
| 数量世界の航空機システム部品・整備の対象市場(億ドル、2025 年価格) | 価格シェア × 物価指数 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 650 | 6.5% | 43 | 10 |
| 10 年後 中立 | 960 | 9.3% | 89 | 21 |
取り方:航空機の油圧・燃料・配電・センサー・整備の対象市場を約 650 億ドル(推定)、シェア約 6.5% と置いた。2025 年売上は 42.5 億ドル、利益率 23.8%。2026 年に Ultra PCS(売上 約 2.5 億ドル)を連結。
Mobility(車両・電動化)
商用車のトランスミッション・クラッチ・過給機と電動化部品。2027 年第 1 四半期にダナとの統合で切り離す。
| 数量商用車・乗用車向けパワートレイン・電動化部品の対象市場(億ドル、2025 年価格) | 価格シェア × 物価指数 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,200 | 2.6% | 31 | 4 |
| 10 年後 中立 | 0.0 | 0.0% | 0 | 0 |
取り方:車両のパワートレイン・電動化部品の対象市場を約 1,200 億ドル(推定)、シェア約 2.6% と置いた。2025 年売上は Vehicle 25.1 億ドル+eMobility 6.0 億ドル、セグメント利益は 4.05 億ドル(Vehicle 4.19 億ドル、eMobility -0.14 億ドル)。以降の筋書きでは分離後で売上 0。
リスクと懸念
AI・データセンター投資の反動
北米の電気の受注(直近 12 か月 +41%)と受注残は、AI のための電力投資に大きく依存している。投資が止まる、電力効率の高いチップで必要量が下振れる、許認可が止まる場合、新規受注が急減し、納期プレミアムが消える。2001〜2004 年に電気設備・タービンの受注が大きく落ちた前例がある。
Boyd 買収と債務
95.5 億ドルの買収で有利子負債は約 200 億ドルへ倍増し、借り換えは約 5.75% で利払いが増える。買収価格に見合う成長が出ない、液冷の競争が激しくなる場合、減損と ROE の低下が起きる。2026 年 4〜6 月期のセグメント利益率は買収の影響で前年より 0.8 ポイント下がった。
競合の増産と納期プレミアムの消失
シュナイダー・ABB・シーメンス・日立エナジー・LS エレクトリック・現代・中国メーカーが増産しており、2028〜30 年に供給が追いつくと、値上げが通らなくなる。受注残に入っている高い価格がこの先も続く保証はなく、後ろの納入の利益率は下がりうる。
電力方式の変化
データセンターの給電が交流から直流へ移る、固体変圧器が普及して従来の配電盤・変圧器の価値が下がる、電力の使い方が効率化して需要の想定が過大になる、といった技術の置き換えが起きると、北米の電気の数量と価格が下振れる。イートン自身も Resilient Power で備えているが、勝者になる保証はない。
Mobility 分離の実行
ダナとの Reverse Morris Trust は 2027 年第 1 四半期の完了予定で、ダナ株主の承認・規制の承認が要る。不成立ならスピンオフに切り替わるが、約 11 億ドルの現金の受け取りは変わりうる。分離までは利益率を薄める。
高い倍率
PER 37 倍の株価は、成熟した優良産業財の 18〜20 倍に戻る場合に利益が計画どおり伸びても大きく下がる。自社株買いを高い株価で行えば、残る株主の価値を薄める。株式報酬による株の増加分を差し引いた正味の還元は見かけより小さい。
関税・政策
米国の鉄鋼・アルミ関税、銅などの原材料の値上がり、中国との貿易摩擦、再エネや電力規制の変更は、電気設備の費用と受注の時期に効く。政権が変わると電力政策の方向が大きく変わる可能性もあり、関税による調達費用の上昇を価格に転嫁できるかが利益率を左右する。
今後の分かれ目
- 北米の電気の受注が 2027 年に前年を下回り、受注残の伸びが止まる
- 景気の山が近いという信号で、10 年のやや悲観・悲観の確率を上げる。倍率は PER 16〜18 倍前後へ寄る。
- 北米の電気のセグメント利益率が 2027 年に 31% 以上へ戻る(経営の 2030 年 32% 目標へ前倒し)
- 価格の強さが一時でなく構造だと確認され、楽観・やや楽観の確率を上げる。ただし倍率の上限(k=8.25%・g=4% の式)は変わらない。
- シュナイダーやシーメンスの増産が早く進み、新規の受注価格が下がり始める
- 納期プレミアムの消失が前倒しされ、北米の電気の利益率を 2〜3 ポイント下げる。10 年のやや悲観・悲観の確率を上げる。
- Boyd の液冷が受注を伸ばし、Electrical Global の利益率が 22% を超える
- 買収の価値が裏づけられ、やや楽観の確率を少し上げる。減損の心配が薄れ、ROE が戻る。
- Mobility の分離が 2027 年第 1 四半期に完了し、約 11 億ドルが債務の返済に回る
- 全社の利益率と成長率が上がり、債務の返済が進む。会社全体の質が高まる。
- データセンターの電力需要の予測が引き下げられる(チップの効率向上・許認可の停止・大手の投資削減)
- 電気・熱管理の受注の取り消しが連鎖し、悲観の確率を上げる。
見ておくもの
- 北米の電気の受注・受注残と利益率(直近 12 か月 +41%・27.5% が続くか)
- Electrical Global の受注残(Boyd 込み)と液冷の利益率
- 大手データセンター事業者の設備投資の見直し
- シュナイダー・ABB・シーメンス・日立エナジーの増産と受注価格
- 債務の返済の進み方(純負債と利払い)
- Mobility 分離の進み(ダナ株主の承認・規制の承認)
- 自社株買いの再開と株式報酬を引いた正味の還元
- 変圧器・開閉装置の納期(128 週が縮むか)
倍率と資本コストの決め方
倍率は今の株価を見る前に、数量 × 価格で積んだ利益から利益ベースの正当化 PER((1−g/RONIC)/(k−g)、RONIC=k+残る割合×(事業の ROE−k))で出した。10 年の中立は正当化 PER 16.9 倍(k 8.25%・g 4.0%・ROE 20%・moat=普通)の 8 割 = 13.5 倍。北米の配電設備は寡占に近く受注も強いが、データセンターの投資循環の山にいて、ボイドの買収の債務も抱える。上限の 8 割にとどめた。今の株価や過去の倍率に寄せて選んだ値ではなく、全筋書きが検査の上限(正当化 PER × 事業の純利益の 1.1 倍)の内側に収まっている。
資本コスト 8.3% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k = 基本 8.0% + quality +0.25% = 8.25%(β は使わない。決まり v2。内訳は quality_parts と quality_why)。電気設備は景気で振れるが、公益・航空・建築の分散があり、データセンターの山と買収の債務を quality で少し見た。個別のリスク(ボイドの債務・データセンターへの依存・景気の山)は k に足さず、筋書きと確率で表した。長期の g は 4.0% まで、k − g ≥ 3.5% を守る。