結論
ルイジアナ・パシフィックは、北米を中心に住宅の外壁材と構造用木質パネルを製造する会社である。主力のLP SmartSideは付加価値の高い外壁材として成長してきたが、筆者は現在の時価総額には長期の利益回復を先取りした部分が大きく、割高と判断する。製品の優良さと株主が払うべき値段は別の問題である。
2025年の売上27.1億ドルのうち、外壁材が約62%、構造用パネルのOSBが約31%を占める。外壁材は2025年に数量と単価がともに4%上がった一方、OSBの売上は市況悪化で30%減った。2026年4〜6月期には外壁材の販売数量も前年同期比11%減少し、7%の値上げでは補い切れなかった。会社はOSBの2026年通期調整後EBITDAを1.2億ドルの赤字と見込んでおり、住宅不況の影響はまだ続いている。
長く持つ価値の中心は外壁材にある。加工木材の耐久性、施工の容易さ、製品保証、販売店と施工業者との関係は、新規参入者が短期間で再現しにくい。ただし外壁そのものには窯業系や樹脂系など多くの代替品があり、ジェームズ・ハーディーとの競争も激しい。OSBの価格はさらに市況任せである。全社を独占的な高収益企業として評価することはできない。
10年後の中立では、外壁材の数量が2025年比で約20%増え、名目単価は物価並みに上昇する。OSBは2026年の厳しい市況から回復するものの、好況期の利益率は再現しない。2035年の純利益は4.65億ドル、時価総額は約62.0億ドルとなる。そこまでに受け取る正味の還元も含め、資本コスト8.5%で割り引いた確率加重価値は約34.8億ドルである。現在の約51.6億ドルに対して約33%低く、安全域は認めにくい。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、この会社は二つに分けて考えたい。一つは、ブランド、施工性、流通との関係を持ち、時間とともに付加価値を高められる外壁材事業である。もう一つは、景気と設備稼働率で利益が大きく動くOSB事業だ。外壁材には資本コストを超える利益を再投資できる可能性があるが、OSBの好況期の利益を永久に受け取れるものとして評価してはいけない。
オーナー利益を見ると、2025年のGAAP純利益は約1.5億ドルだったが、営業キャッシュフロー3.8億ドルから設備投資2.9億ドルを引いたFCFは約0.9億ドルにとどまった。設備投資は減価償却費を大きく上回っており、利益を維持・拡大するために多額の現金を使っている。これをすべて自由な株主利益とみなすことはできない。一方、投資を止めれば既存の外壁材工場には相応の稼ぐ力が残る。設備投資のうちどれだけが成長目的で、どれだけが維持目的かを追う必要がある。
過去10年の資本配分には評価できる部分がある。高収益期に株主へ現金を戻し、OSBへの依存を減らしてSidingの比重を高めてきた。ただし利益の山で大規模な自社株買いを続けたことが、必ずしも優れた買付価格だったとは限らない。2026年は外壁材の販売数量が落ち、OSBが赤字に沈んでも設備投資が続く。資金余力はあるが、還元を安定して増やせる会社ではない。
筆者が払いたいのは、住宅需要が平常に戻り、外壁材が少しずつシェアを高める未来に見合う値段である。新築住宅の大幅な回復とOSBの価格上昇を同時に買うことは避けたい。今の時価総額にはその二つの好転を期待する余地が大きく、長期保有に必要な安全域が不足している。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの柱は外壁材のSiding事業である。LP SmartSideは木片を樹脂などとともに高圧で成形し、防腐・防虫処理を施した外壁材で、住宅の新築、改修、物置などに使われる。塗装前の製品に加え、工場で仕上げたExpertFinishも展開する。2025年の販売数量は標準厚さ換算で17億8600万平方フィート、売上16.89億ドル、調整後EBITDA4.44億ドルだった。ExpertFinishは数量の10%ながら売上の16%を占め、仕上げ工程を取り込むことが単価と利益率を押し上げている。
第二の柱はOSBである。薄い木片を方向をそろえて固めた板で、屋根、壁、床の下地に使われる。一般的な汎用品と、防火、防水、断熱などの機能を加えたStructural Solutionsに分かれる。2025年の汎用品の販売数量は15億4000万平方フィート、売上3.47億ドルだった。付加価値製品は15億3500万平方フィート、売上4.72億ドルである。機能性製品の単価は高いが、どちらも住宅着工と木質パネルの市況に影響される。2025年のOSB全体の調整後EBITDAはわずか0.07億ドルで、2024年の2.98億ドルから大きく減った。
その他の事業はチリとブラジルのOSB・外壁材製造、木材関連事業などである。南米には合計年間7億9000万平方フィートの公称生産能力がある。2025年のその他売上は1.87億ドルで、全社の約7%にとどまる。2025年末には南米事業が独立した報告セグメントから外れ、その他に含められた。全社の利益を評価する際には南米の採算と本社費を区別する必要がある。
顧客は建材卸売業者、住宅建設会社、ホームセンター、改修業者などである。外壁材は材質や性能だけでなく、施工業者が使い慣れているか、流通店が在庫を持つか、住宅所有者が外観を好むかで選ばれる。会社によれば外壁材需要の過半は新築住宅以外から生じるため、新築住宅着工だけに依存するわけではない。一方、工場には大きな固定費があり、出荷が落ちれば減価償却と人件費の負担が急に重くなる。2026年のOSB赤字はその仕組みを示している。
優良さと弱いところ
最大の強みは、木質外壁材の製造技術とSmartSideのブランドである。会社は北米最大の加工木質外壁材メーカーを自認しており、防腐・防虫処理、寸法安定性、耐衝撃性、施工の容易さを組み合わせて競争している。主要販売店への供給、製品保証、施工業者への教育も積み重ねてきた。これらは一定の参入障壁となるが、住宅所有者が他の材質を選べないほど強固な独占ではない。
値決めの証拠はある。2025年のSidingは数量4%増と価格4%増を両立させ、2026年4〜6月期にも販売単価を7%引き上げた。実際の値上げと高価格品への構成改善が寄与している。ただし同じ四半期の数量は11%減った。2026年上期には数量14%減に対し価格8%増だったため、値上げが需要減を完全に吸収する力はない。価格決定力は素材メーカーとして良好だが、無条件に強いわけではない。
利益を再投資した時の収益率も見極めが必要である。2025年のSidingは調整後EBITDA利益率26%を達成したが、全社のGAAP純利益は1.5億ドルだった。Sidingの設備投資は1.84億ドル、全社では2.91億ドルに達した。既存OSB工場の転換で外壁材の能力を増やせる点は有利だが、新しい生産能力が稼働するまで資金を拘束する。増分の投下資本利益率が資本コスト8.5%を継続的に超えるかが、成長投資の成否を決める。
弱点はOSBの価格競争である。ウエスト・フレーザー、ジョージア・パシフィック、ウェアハウザーなどが大規模な生産能力を持つ。OSBにはブランドだけでは守れない市況価格があり、2021年のような異常な好況と2026年の赤字が同じ会社に起きる。財務は自己資本17.3億ドル、純有利子負債約0.9億ドルと健全だが、利益の予測しやすさまで高いわけではない。会社全体の堀は普通と判断する。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
北米の外壁材市場には長い寿命がある。住宅は新築時だけでなく、老朽化や災害の後にも外壁を交換するからだ。フリードニアの市場調査では、2025年の米国外壁材市場は約210億ドルとされる。LPの外壁材売上16.89億ドルを単純に比べると約8%だが、会社売上にはカナダ向けや関連製品も含まれるため、これは厳密な米国シェアではなく上限寄りの目安である。会社は世界の外壁材支出を年間約1200億ドルと見積もるが、その全体がLPの販売可能市場になるわけではない。
外壁材の競争相手は明確だ。ジェームズ・ハーディーの繊維セメント系製品、コーナーストーンやサンゴバン系の樹脂外壁材、レンガ、しっくい、天然木材がある。全米住宅建設業者協会によると、2025年着工の戸建て住宅で主な外壁材に使われた割合は、樹脂系27.7%、しっくい24.1%、繊維セメント系22.6%だった。加工木質材は一つの選択肢にすぎず、優良な代替品を奪って成長する必要がある。ジェームズ・ハーディーの北米繊維セメント事業は2025年3月期に約29.5億平方フィートを販売し、売上約28.6億ドル、営業利益率29.4%を記録している。LPの外壁材の競争力を考えるうえで、製品単位と会計上の利益率の違いに注意しながら比較すべき相手である。
OSBはより典型的な素材市況である。フォリスクの2025年調査では北米の主要メーカーの生産規模は合計約265億平方フィートで、LPは約41億、首位ウエスト・フレーザーは約78億、ジョージア・パシフィックは約33億だった。LPは能力・生産規模で約15%を占める大手だが、首位ではない。会社が報告する販売数量約31億平方フィートとは集計範囲が違うため、両者を同じシェアとみなさない。住宅建設が減って余剰能力が増えると、業界全体の価格が下がる。
今後10年の中立では、北米の外壁材需要数量が緩やかに増え、加工木質材が他の材質から一部シェアを奪う。LPの外壁材数量は2025年比約20%増とし、価格は年3.5%程度上がる。一方、OSBの数量は業界全体で緩やかな増加にとどまり、価格の伸びは物価並み以下と考える。住宅ローン金利が高いままでも住宅の修繕需要は残るが、大幅な新築住宅ブームは中立の前提にしない。骨材のような地域寡占の値上げ力がないため、同じ建設資材でも利益の持続性は低い。
資本政策と M&A
経営陣は外壁材の成長投資を優先し、配当と自社株買いを市況に応じて調整している。2025年の設備投資は2.91億ドル、配当は0.78億ドル、自社株買いは0.61億ドルだった。株式報酬0.30億ドルを差し引くと、正味の還元は約1.09億ドルとなる。過去にはOSB市況が極めて強かった2021年に約13億ドル、2022年に約9億ドルの自社株買いを行い、発行済み株数を大きく減らした。しかし業績が落ち込んだ2023年以降は買い戻しが縮み、市況が株主還元能力を左右している。
2024年には2.50億ドルの自社株買い枠を設定し、2026年6月末時点で1.77億ドルが残っている。ただし2026年上期は買い戻しを行っていない。四半期配当は2026年に引き上げられ、会社は配当を続けながら生産能力増強を優先する方針である。2026年通期の設備投資見通しは約3.2億ドルで、住宅需要が弱くても成長投資と設備の維持に資金が必要な状況を表している。
設備投資の中心はSidingの増強と工場効率の改善である。既存OSB工場の転換、仕上げ工程の拡大、新製品への投資は、単なる企業買収よりも事業とのつながりが分かりやすい。過去にはEntekra関連事業の整理や減損も経験しており、投資が常に成功したわけではない。2026年2月にはジェイソン・リングブロムがCEOに就任した。新体制の資本配分はまだ長期実績で評価できない。2035年までの配当・自社株買いについて会社から総額の数字の約束はなく、景気と投資需要に応じて変わると考える。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
LPの外壁材事業はすでに業界の中で独自の地位を築いている。2025年には住宅市場が弱いにもかかわらず売上を8%伸ばし、調整後EBITDA利益率26%を達成した。施工しやすく耐久性の高い外壁材は、建設労働者が不足する時代ほど価値が増す。完成塗装のExpertFinishが成長すれば、施工現場で行う作業の一部を工場に取り込み、単価を高められる。価格の高い仕上げ済み製品が売上に占める比率を増やせば、数量が緩やかに増えるだけでも利益は大きく伸びる。
住宅は数十年にわたり使われるため、修繕と外壁交換の需要はなくならない。会社によればSiding需要の過半は新築住宅以外から来る。人口増加が鈍くても、既存住宅の改修、戸建て住宅の老朽化、庭の建物や物置などの需要が続く。窯業系のジェームズ・ハーディーが強いことは市場の大きさを示す面もあり、LPがその一部を奪う余地はある。既存工場の転換で生産能力を増やせれば、大型買収を必要とせずに成長できる。
2026年の低迷は一時的なものだという見方も成り立つ。OSB価格が極端に弱い時期に全社の利益が圧迫されているが、住宅着工が回復すればOSB工場の稼働率が上がり、固定費を吸収できるようになる。2021年ほどの価格高騰を再現しなくても、OSBが赤字から通常の利益率に戻るだけで増益に寄与する。純有利子負債が小さく、資金繰りに追われて外壁材への投資を止める必要もない。
10年後には外壁材の出荷数量が現在を大幅に上回り、価格も製品構成の改善で物価以上に上がりうる。高収益なSidingが全社利益のほとんどを稼ぐ構造になれば、景気の影響を受けやすいOSBメーカーから、強い外壁材メーカーへと企業の性格が変わる。長期の設備投資が報われるなら、株主還元を増やしながら自己資本を厚くすることも可能である。
慎重な見方
外壁材のブランドに価値があることと、そのブランドが今後も高い利益率を維持できることは同じではない。2026年4〜6月期のSidingは単価を7%引き上げたにもかかわらず、数量が11%減った。上期では数量減が14%に達している。住宅建設会社や改修業者にとって、外壁材は費用削減の対象になりうる。施工業者が使い慣れた材質を維持するという強みも、価格差が広がれば失われる。
最大の競争相手であるジェームズ・ハーディーは、北米でLPを上回る繊維セメント系外壁材の販売規模を持つ。樹脂系の大手も流通網を押さえている。窯業系や樹脂系が施工時間や防水性能を改善すれば、LPが得意としている加工木質材の優位性は薄れる。2025年に好調だったExpertFinishも、製品構成が高価格品に偏るほど住宅価格と消費者の購買力に影響される。
OSBにはもっと深い問題がある。生産量が増えるほど市況が下がる業界では、大手だから利益を守れるとは限らない。2021年の全社営業利益率44%は、需要と供給の異常な組み合わせが生んだ利益だった。2025年には9.6%まで下がり、2026年にはOSBの年間調整後EBITDAが赤字になる見通しである。北米で最大の生産能力を持つウエスト・フレーザーなどが増産すれば、需要が戻っても価格は上がりにくい。
設備投資の負担も軽くない。2026年の見通しは約3.2億ドルで、2025年のFCFを大きく上回る。外壁材工場の能力を増やした後で住宅需要が伸びなければ、固定費と減価償却が利益を圧迫する。過去にも工場や新規事業の整理、減損を経験しており、増分のROICが資本コストを下回る危険は現実にある。10年先に外壁材のシェアを失い、OSBも低収益のままなら、会社の値段は現在の時価総額から大きく下がりうる。
どちらに重みを置いたか
外壁材のブランドと値上げの実績は強気の根拠になる。しかし2026年には販売数量の減少がはっきり現れ、OSBの赤字も拡大している。今後10年の住宅需要と競合の反応を正確に読むことは難しく、好況時の利益率を取り戻すと決めつけるべきではない。
確率は楽観とやや楽観の合計を27%、やや悲観と悲観の合計を38%とし、慎重な側へ寄せた。これは外壁材の長期的な衰退を予想するからではなく、設備投資の固定費とOSBの価格変動が同時に株主価値を傷つける危険があるためである。中立の確率は35%とする。
2035年の中立では全社純利益が4.65億ドルまで回復するが、その道筋でも現在の時価総額を十分に正当化できない。確率加重価値と今の時価総額の差は約マイナス33%となり、結論は割高である。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 80.13 ドル56 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 22.64 ドル16 億ドル)。 今の値に割り戻すと 50.50 ドル35 億ドル、今との差 −31.1%、 期待の年率 +3.9%(資本コスト 8.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 189.41 ドル133 億ドル | 45.71 ドル32 億ドル | +220.7% | +14.3% | 21.16 ドル15 億ドル |
| やや楽観 | 18% | 134.32 ドル94 億ドル | 37.14 ドル26 億ドル | +133.9% | +10.3% | 30.86 ドル22 億ドル |
| 中立 | 35% | 91.30 ドル64 億ドル | 24.29 ドル17 億ドル | +57.7% | +5.3% | 40.45 ドル28 億ドル |
| やや悲観 | 24% | 23.88 ドル17 億ドル | 11.43 ドル8 億ドル | −51.8% | −8.1% | 8.47 ドル6 億ドル |
| 悲観 | 14% | 8.72 ドル6 億ドル | 4.29 ドル3 億ドル | −82.3% | −17.8% | 1.82 ドル1 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 80.13 ドル56 億ドル | 22.64 ドル16 億ドル | +40.2% | +3.9% | 102.77 ドル72 億ドル |
今の株価時価総額 73.31 ドル51 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 9% 楽観:外壁材がシェアを大きく伸ばし、OSBも正常な利益率を取り戻す 利益 8 億ドル · PER 16.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 189.41 ドル133 億ドル
2035年、住宅改修と新築の需要が増え、加工木質外壁材が他の材質からシェアを奪う。Sidingの出荷は26億平方フィートに達し、現在の公称能力を超える部分は既存OSB工場の転換と仕上げ設備の増強で賄う。市場そのものの実質成長に加え、SmartSideの採用率が高まり、数量は2025年より約46%増える。ExpertFinishの構成比が上がるため単価も大きく伸びる。
ジェームズ・ハーディーの繊維セメント系製品との競争は続くが、LPは軽量で施工しやすい製品を武器に、改修業者と住宅建設会社への採用を広げる。Sidingの営業利益率は24%となり、北米の建設資材の中でも高収益な事業として定着する。
OSBはウエスト・フレーザーなどとの供給競争が落ち着き、付加価値製品と汎用品の両方で稼働率が上がる。営業利益率はそれぞれ13%と9%に回復する。ただし2021年の異常な高値は再現しない。大型買収に依存せず工場転換が成功し、営業利益は約11.0億ドル、純利益は約8.06億ドルに増える。利益の一部を設備投資に回しながら、配当と自社株買いも増やしていく。
- 外壁材・SmartSide/ExpertFinish:数量 2,600(年間出荷数量、百万平方フィート(MMSF、厚さ3/8インチ換算))× 価格 1.53(出荷1平方フィート当たり平均実現価格、米ドル)→ 売上 40 億ドル・営業利益 10 億ドル。北米外壁材市場の実質数量約15%増と加工木質材のシェア大幅拡大で出荷46%増。単価は2025年の1.62倍で、物価に製品構成改善を上乗せ。
- OSB付加価値製品・Structural Solutions:数量 2,100(年間出荷数量、百万平方フィート(MMSF、厚さ3/8インチ換算))× 価格 0.46(出荷1平方フィート当たり平均実現価格、米ドル)→ 売上 10 億ドル・営業利益 1 億ドル。北米の構造用パネル需要増加と機能性製品の採用拡大で数量37%増。防火・防水などの性能差が価格を支える。
- OSB汎用品:数量 1,800(年間出荷数量、百万平方フィート(MMSF、厚さ3/8インチ換算))× 価格 0.34(出荷1平方フィート当たり平均実現価格、米ドル)→ 売上 6 億ドル・営業利益 1 億ドル。北米の住宅着工が回復し、需給が均衡する。数量は17%増、単価は2025年の1.51倍。
- 南米事業・その他:数量 650(南米のOSB・外壁材の推定年間出荷数量、百万平方フィート(MMSF、3/8インチ換算))× 価格 0.60(出荷1平方フィート当たりの推定売上単価、米ドル)→ 売上 4 億ドル・営業利益 0 億ドル。南米の工場稼働率改善と現地市場の拡大。数量は推定基準より30%増、価格は物価と製品構成改善に沿う。
倍率:2035年の事業ROEは8.06÷32.9=24.5%。kは8.5%、moatはnormalで超過ROEの残る割合は0.5。RONIC=8.5%+0.5×(24.5%−8.5%)=16.5%。gは4.0%で、外壁材の長期市場数量成長約1%、シェア拡大約0.5%、価格上昇約3.5%から、利益率の正常化後の名目成長を保守的に制限した値でありROEから導いていない。正当化PERは約16.8倍、10年目利益に対する上限は約17.5倍。利益の質が改善するため上限の94%に当たる16.45倍を採用。純利益は株式報酬・償却を費用としたGAAP相当で、純現金の別加算はない。8.06×16.45=132.59億ドル。
確率:米国の住宅着工と改修需要がともに改善し、SmartSideが繊維セメント系・樹脂系から大きくシェアを奪う。さらにOSBの供給増加が需要と釣り合い、工場転換の投資利回りも高くなる必要がある。外壁材の単価が10年間にわたり物価以上に上がる一方で、競合との価格競争が激しくならない条件は厳しいため9%とする。
やや楽観 18% やや楽観:外壁材の値上げとシェア拡大が続き、住宅需要も正常化する 利益 6 億ドル · PER 15.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 134.32 ドル94 億ドル
2035年、米国の新築住宅需要は過去の平均的な水準へ近づき、改修需要も緩やかに拡大する。LP SmartSideは流通網と施工の容易さで競争力を保ち、Sidingの出荷数量は約23億7500万平方フィートになる。市場の実質成長に加えて加工木質材の採用率が上がり、2025年より約33%多く売れる。
価格は物価上昇に加え、ExpertFinishの構成比上昇が効く。ジェームズ・ハーディーの繊維セメント系製品とは競合するものの、双方が異なる施工特性と顧客層を持ち、全面的な値下げ競争には至らない。Sidingの営業利益率は22%となり、2025年の高い利益率を大きく損なわずに規模を伸ばせる。
OSBは供給過剰が和らぎ、構造用パネル需要が緩やかに増える。付加価値品の営業利益率は11%、汎用品は6%へ回復する。既存設備の効率化を中心に投資し、大型買収は限定的である。全社純利益は約6.07億ドルとなる。配当と株式報酬控除後の自社株買いを合わせ、10年間に約26億ドルを株主に戻しながら、自己資本も厚くしていく。
- 外壁材・SmartSide/ExpertFinish:数量 2,375(年間出荷数量、百万平方フィート(MMSF、厚さ3/8インチ換算))× 価格 1.43(出荷1平方フィート当たり平均実現価格、米ドル)→ 売上 34 億ドル・営業利益 7 億ドル。市場の実質需要約12%増とシェア拡大で出荷33%増。単価は2025年の約1.51倍。
- OSB付加価値製品・Structural Solutions:数量 2,000(年間出荷数量、百万平方フィート(MMSF、厚さ3/8インチ換算))× 価格 0.43(出荷1平方フィート当たり平均実現価格、米ドル)→ 売上 9 億ドル・営業利益 1 億ドル。高機能製品の構成比上昇と住宅市場回復で数量30%増。価格は物価をやや上回る。
- OSB汎用品:数量 1,680(年間出荷数量、百万平方フィート(MMSF、厚さ3/8インチ換算))× 価格 0.31(出荷1平方フィート当たり平均実現価格、米ドル)→ 売上 5 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量9%増、単価は2025年の約1.35倍。競合の供給があるため利益率は低めにとどまる。
- 南米事業・その他:数量 580(南米のOSB・外壁材の推定年間出荷数量、百万平方フィート(MMSF、3/8インチ換算))× 価格 0.55(出荷1平方フィート当たりの推定売上単価、米ドル)→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。南米の推定出荷数量は16%増。単価は現地市場の名目価格上昇に沿う。
倍率:2035年ROE=6.07÷29.0=20.9%。k8.5%、normal moatの残る割合0.5からRONICは約14.7%。長期gは外壁材市場の数量成長約1%、シェア上昇約0.5%、名目価格上昇約3.5%と、OSBの伸びの鈍さを加味して4.0%に抑える。正当化PERは約16.2倍、10年目利益に対する上限は約16.8倍。Sidingの良好な収益性が続くがOSBは市況依存なので、その約92%に当たる15.49倍を採用。6.07×15.49=94.02億ドル。
確率:Sidingの2025年の数量・価格上昇とブランド力が続く一方、OSBは異常な好況には戻らない。外壁材の市場数量が緩やかに増え、LPが競合から一定のシェアを奪うことは十分考えられる。ただし2026年の販売数量減から回復した後も成長が続く必要があるため18%とする。
中立 35% 中立:外壁材は着実に成長するが、OSBは通常の市況利益にとどまる 利益 5 億ドル · PER 13.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 91.30 ドル64 億ドル
2035年、北米の住宅需要は現在の低迷から回復するものの、大きな建築ブームにはならない。外壁材の市場数量は実質で約10%増え、SmartSideが繊維セメント系や樹脂系から小幅にシェアを奪う。Sidingの出荷数量は約21億5000万平方フィートとなり、2025年より約20%増える。単価は物価3.5%に沿って上昇し、2025年の約1.41倍となる。
ジェームズ・ハーディーとの競争は続くが、LPは施工性と製品保証を武器に一定の価格を維持する。Sidingの営業利益率は20.5%で、2025年の推定水準をやや下回る。2026年の販売数量減少から回復した後も、工場の能力を無理に増やさず、設備稼働率を高めることに重点を置く。
OSBは2026年の赤字から回復するが、ウエスト・フレーザーやジョージア・パシフィックとの競争が続く。付加価値品の営業利益率は10%、汎用品は5%にとどまる。大型買収は行わず、既存工場の更新と必要な外壁材設備の増強を優先する。全社営業利益は約6.46億ドル、純利益は約4.65億ドルになる。2026年の低収益を経ながら利益が積み上がり、10年間の正味還元は17億ドルとなる。これは今の自社株買い枠を毎年使い切ることを前提にしない、慎重な還元の道筋である。
- 外壁材・SmartSide/ExpertFinish:数量 2,150(年間出荷数量、百万平方フィート(MMSF、厚さ3/8インチ換算))× 価格 1.34(出荷1平方フィート当たり平均実現価格、米ドル)→ 売上 29 億ドル・営業利益 6 億ドル。外壁材市場の実質数量10%増とLPの相対シェア約9%拡大で出荷20%増。単価は物価並みの1.41倍。
- OSB付加価値製品・Structural Solutions:数量 1,800(年間出荷数量、百万平方フィート(MMSF、厚さ3/8インチ換算))× 価格 0.42(出荷1平方フィート当たり平均実現価格、米ドル)→ 売上 7 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量17%増。機能性製品の比率上昇があるが、価格上昇は約1.35倍にとどめる。
- OSB汎用品:数量 1,550(年間出荷数量、百万平方フィート(MMSF、厚さ3/8インチ換算))× 価格 0.30(出荷1平方フィート当たり平均実現価格、米ドル)→ 売上 5 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量はほぼ横ばい。価格は2025年の1.33倍で物価をやや下回り、増産競争が利益率を抑える。
- 南米事業・その他:数量 540(南米のOSB・外壁材の推定年間出荷数量、百万平方フィート(MMSF、3/8インチ換算))× 価格 0.54(出荷1平方フィート当たりの推定売上単価、米ドル)→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。南米の推定数量8%増、単価は名目で1.36倍。現地の市況競争から利益率は低い。
倍率:2035年ROE=4.65÷30.85=15.1%。k8.5%、moat normalで超過ROEの残る割合0.5を使うとRONICは約11.8%。長期g3.7%は外壁材の市場数量成長約0.7〜1%、小幅なシェア上昇、価格上昇約3.5%から、伸びの小さいOSBを差し引いた全社の名目成長でありROEから計算していない。正当化PERは約14.3倍、10年目利益に対する上限は約14.82倍となる。Sidingのブランド力を評価する一方、OSBの循環と設備投資負担を考慮して上限の90%に当たる13.34倍を採用。4.65×13.34=62.03億ドル。2025年の純利益÷営業利益の10年中央値0.74に対し、この筋書きは約0.72で整合する。
確率:2026年の需要低迷から徐々に回復し、外壁材市場の長期的な緩やかな成長とSmartSideのシェア拡大が両立する筋書き。OSBは赤字から正常化するが、増産能力が価格の上値を抑える。住宅市場の循環とブランドの実力を両方織り込む中心的な見通しとして35%とする。
やや悲観 24% やや悲観:住宅低迷が長引き、外壁材の競争とOSBの低収益が続く 利益 2 億ドル · PER 8.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 23.88 ドル17 億ドル
2035年、米国の住宅建設は低成長が続き、改修市場も大きく伸びない。外壁材の需要は残るが、LPは繊維セメント系や樹脂系との競争で販売数量を増やせない。Sidingの出荷は約17億4000万平方フィートとなり、2025年を下回る。販売単価は物価ほど上げられず、顧客への値引きや低価格品への構成変化が生じる。
Sidingの営業利益率は14%に下がる。工場の固定費を十分に吸収できず、完成塗装の高価格品も数量を伸ばしにくい。既存工場の転換投資は当初の収益率を下回り、経営陣は増産を見送って設備の維持を優先する。ブランドは残るが、値上げを主導する力は弱くなる。
OSBではウエスト・フレーザーなどの供給能力が需要を上回り、汎用品は営業赤字が続く。付加価値製品も価格競争の影響を受け、営業利益率は3%にとどまる。会社の営業利益は約2.47億ドル、純利益は約1.61億ドルになる。自社株買いは大幅に減り、配当を中心とした10年間の正味還元は8億ドルにとどまる。自己資本は留保利益で増えるが、その資本が十分な利益を生めず、ROEは資本コストを下回る。
- 外壁材・SmartSide/ExpertFinish:数量 1,740(年間出荷数量、百万平方フィート(MMSF、厚さ3/8インチ換算))× 価格 1.26(出荷1平方フィート当たり平均実現価格、米ドル)→ 売上 22 億ドル・営業利益 3 億ドル。市場数量がほぼ横ばいで競合に小幅にシェアを奪われる。価格は1.33倍で物価上昇を下回る。
- OSB付加価値製品・Structural Solutions:数量 1,300(年間出荷数量、百万平方フィート(MMSF、厚さ3/8インチ換算))× 価格 0.36(出荷1平方フィート当たり平均実現価格、米ドル)→ 売上 5 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量15%減、価格上昇は1.17倍。機能性製品の差別化が弱まる。
- OSB汎用品:数量 1,320(年間出荷数量、百万平方フィート(MMSF、厚さ3/8インチ換算))× 価格 0.26(出荷1平方フィート当たり平均実現価格、米ドル)→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量14%減、価格は1.15倍にとどまる。低稼働率と過剰能力で営業赤字が残る。
- 南米事業・その他:数量 450(南米のOSB・外壁材の推定年間出荷数量、百万平方フィート(MMSF、3/8インチ換算))× 価格 0.49(出荷1平方フィート当たりの推定売上単価、米ドル)→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。南米の推定数量10%減。国内競争と低稼働率で小幅な営業損失になる。
倍率:2035年ROE=1.61÷24.65=6.5%で、k8.5%を下回る。増分投資の価値は資本コストに届かないため、PERの上限は1÷k=11.76倍となる。市場が低成長でシェアも縮むため長期gは2.5%程度にとどまる。外壁材のブランドは残るがOSBの赤字と投資効率悪化が続くので、利益を正常化した稼ぐ力の約75%に相当する8.80倍を採用する。1.61×8.8=14.17億ドル。資産の換金可能価値11.0億ドルを上回り、稼ぐ力1.61÷0.085=18.94億ドルの上限内にある。過去の市場PBR・PERは使っていない。
確率:住宅ローン金利の高さが着工と改修を抑え、SmartSideの値上げが数量減を補えない状態が長引く。2026年上期の外壁材数量14%減とOSBの価格下落は、すでに観測された弱さである。設備投資後の稼働率不足も起こりうるため、単なる短期不況ではなく長期の収益低下に至る確率を24%とする。
悲観 14% 悲観:加工木質外壁材で構造的に負け、OSB工場も価値を失う 利益 0 億ドル · PBR 0.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 8.72 ドル6 億ドル
2035年、SmartSideは外壁材市場で採用率を落とし、LPが築いたブランドの価値も弱まる。ジェームズ・ハーディーの繊維セメント系製品や樹脂系外壁材が、施工性と耐久性を改善して価格競争力を高めたためである。住宅建設の長期低迷も重なり、Sidingの出荷は12億平方フィートまで減る。価格は10年間で約18%しか上がらず、物価上昇に大きく負ける。工場の固定費を吸収できず、Sidingの営業利益率は9%に下がる。
OSBでも大手メーカーの供給能力が需要を上回り、汎用品は13%の営業赤字に沈む。防火・防水などの付加価値品も競争が強まり、利益を生めなくなる。会社は複数工場を休止・売却し、過去の設備投資に対して減損を計上する。大規模な買収で逆転を狙う余力はなく、配当を減らし、自社株買いをほぼ停止する。
2035年の全社営業利益は約0.30億ドル、純利益は約0.18億ドルにとどまる。10年間には早期の赤字と減損を含み、前半の累積損失約3.8億ドルを後半の累積利益約5.5億ドルが補うため、期間の純利益累計は約1.7億ドルとなる。還元は計3億ドルに縮み、自己資本は約16億ドルとなるが、その帳簿額で株主価値を保証することはできない。最終的には稼ぐ力より、現金と売却可能な工場・在庫から負債を返した残額が価値の中心になる。
- 外壁材・SmartSide/ExpertFinish:数量 1,200(年間出荷数量、百万平方フィート(MMSF、厚さ3/8インチ換算))× 価格 1.12(出荷1平方フィート当たり平均実現価格、米ドル)→ 売上 13 億ドル・営業利益 1 億ドル。外壁材市場の実質需要15%減に加え、LPの相対シェアが約21%縮小。数量33%減、価格は1.18倍にとどまる。
- OSB付加価値製品・Structural Solutions:数量 900(年間出荷数量、百万平方フィート(MMSF、厚さ3/8インチ換算))× 価格 0.31(出荷1平方フィート当たり平均実現価格、米ドル)→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量41%減。機能性製品の差別化が薄れ、価格はほぼ据え置き。
- OSB汎用品:数量 1,050(年間出荷数量、百万平方フィート(MMSF、厚さ3/8インチ換算))× 価格 0.24(出荷1平方フィート当たり平均実現価格、米ドル)→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量32%減、単価は2025年とほぼ同水準。低稼働率と固定費で恒常的な赤字。
- 南米事業・その他:数量 350(南米のOSB・外壁材の推定年間出荷数量、百万平方フィート(MMSF、3/8インチ換算))× 価格 0.43(出荷1平方フィート当たりの推定売上単価、米ドル)→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。南米の推定数量30%減。販売網縮小と工場稼働率低下により赤字が続く。
倍率:構造的に競争力を失った場合の2035年純利益は0.18億ドルで、ROEは約1.1%にすぎず、k8.5%を大きく下回る。稼ぐ力の価値0.18÷0.085=約2.12億ドルは、売却可能な資産の税後価値約6.1億ドルより小さい。このため事業を永続企業として高いPERで評価せず、資産の換金価値を中心とする。PBR0.353倍は今の自己資本17.3億ドルに掛ける床の表示であり、2035年に積み上がった自己資本16.0億ドルには掛けない。0.353×17.3=約6.11億ドル。過去のPBRの谷から選んだ値ではない。
確率:ジェームズ・ハーディーなどの代替素材が施工性と価格を改善し、SmartSideの採用率が長期的に下がる。OSBでは競合の余剰能力が解消せず、LPは複数工場の低稼働や閉鎖に直面する。過去に工場の整理と減損を経験したこと、2008年型の不況では大幅な赤字になったことを踏まえ、構造的に負ける確率を14%とする。ただし現時点の財務は健全で、倒産を中心的な見通しにはしない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
外壁材・SmartSide/ExpertFinish
加工木質外壁材、見切り材、軒天・破風材、工場塗装済み製品を北米の新築・改修・屋外建物市場へ供給する。ブランド、施工性、流通網、保証が差別化の中心である。
| 数量年間出荷数量、百万平方フィート(MMSF、厚さ3/8インチ換算) | 価格出荷1平方フィート当たり平均実現価格、米ドル | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,786 | 0.95 | 17 | 4 |
| 10 年後 中立 | 2,150 | 1.34 | 29 | 6 |
取り方:2025年10-KのSiding出荷1786MMSFとセグメント売上16.89億ドルから、平均実現価格を約0.946ドル/平方フィートと算出。Siding調整後EBITDA4.44億ドルからセグメント減価償却0.81億ドル、株式報酬等約0.07億ドルを引いて営業利益約3.56億ドルを推計した。会社が開示するExpertFinishの数量構成10%・売上構成16%は、製品構成による値上げの根拠となる。米国外を含む売上を米国市場だけで割った約8%は正確なシェアでなく上限寄りの推定である。2026年上期の実績は数量14%減、単価8%増であり、2025年数量を今後の確約された稼働水準とはみなさない。
OSB付加価値製品・Structural Solutions
防火、防水、断熱、強度などの機能を持つ構造用木質パネル。FlameBlock、WeatherLogic、TechShield、Legacyなどの製品を含む。
| 数量年間出荷数量、百万平方フィート(MMSF、厚さ3/8インチ換算) | 価格出荷1平方フィート当たり平均実現価格、米ドル | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,535 | 0.31 | 5 | 0 |
| 10 年後 中立 | 1,800 | 0.42 | 7 | 1 |
取り方:2025年10-KのStructural Solutions販売数量1535MMSF、製品売上4.72億ドルから平均単価約0.3075ドル/平方フィートを算出。2024年比の数量減は10%、平均価格下落は19%だった。2026年上期には数量21%減、価格16%減とさらに悪化している。製品別の営業利益は開示されないため、OSB全体の調整後EBITDA0.07億ドル、減価償却0.54億ドル、株式報酬等約0.05億ドルを踏まえ、付加価値品はほぼ損益均衡、汎用品は赤字と推計した。利益配分は推定であって会社の製品別実績ではない。
OSB汎用品
住宅の壁・屋根・床下地に使う一般的な配向性ストランドボード。価格は北米の供給能力と住宅需要に強く左右される。
| 数量年間出荷数量、百万平方フィート(MMSF、厚さ3/8インチ換算) | 価格出荷1平方フィート当たり平均実現価格、米ドル | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,540 | 0.23 | 3 | −1 |
| 10 年後 中立 | 1,550 | 0.30 | 5 | 0 |
取り方:2025年10-Kの汎用OSB出荷1540MMSF、製品売上3.47億ドルから単価約0.2253ドル/平方フィートを算出。2024年比の価格下落は26%、数量減は8%である。2026年上期は価格がさらに26%下落し、数量も7%減少した。OSB全体の2025年営業損益を約マイナス0.52億ドルと推計し、付加価値製品をほぼ損益均衡とした残余を汎用品へ配分した。フォリスクの2025年調査による北米OSB生産規模約265億平方フィートとLPの生産規模約41億平方フィートから、設備・生産規模シェアは約15%と推定されるが、会社の出荷数量とは定義が異なる。
南米事業・その他
チリとブラジルの木質パネル・外壁材、木材関連事業、少額の他製品。現在の報告区分では本社関連の損益もOtherに含まれる。
| 数量南米のOSB・外壁材の推定年間出荷数量、百万平方フィート(MMSF、3/8インチ換算) | 価格出荷1平方フィート当たりの推定売上単価、米ドル | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 500 | 0.40 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 540 | 0.54 | 3 | 0 |
取り方:2025年10-Kで南米3工場の公称能力は合計790MMSF。南米の販売数量と平均販売単価は独立して開示されていないため、設備稼働・出荷率約63%に相当する500MMSFを仮の数量基準とする。報告上のOther売上1.87億ドルとOSB内のその他製品売上約0.13億ドルを合計し、約1.99億ドルに対する単価を0.398ドルと逆算した。会社開示の実販売数量ではなく、物量の変化を追跡するための推定値である。現在の営業損益マイナス0.44億ドルは南米事業、本社費、少額製品の合算推計であり、将来の筋書きでは南米等の事業損益と本社費を分けて表示する。
リスクと懸念
住宅着工と改修需要の長期低迷
外壁材の需要の過半は新築以外にあるとはいえ、住宅購入者の負担能力、住宅ローン金利、建設業者の資金繰りは販売数量を左右する。2026年上期のSiding数量は前年同期比14%減った。住宅需要が数年にわたり低迷すれば、工場の稼働率が下がる一方、減価償却と人件費は残る。値上げだけでは固定費を吸収できず、営業利益率が大きく下がる可能性がある。
繊維セメント系・樹脂系との競争
ジェームズ・ハーディー、コーナーストーン、サンゴバン系の製品は、LP SmartSideと同じ住宅外壁の予算を取り合う。相手が施工性や防水性能を改善し、価格を引き下げれば、加工木質材の強みが薄れる。完成塗装品の構成比上昇で平均単価が高くなっているため、住宅建設会社が費用削減を優先した場合には低価格製品への切り替えも起きやすい。
OSBの過剰供給と価格下落
OSBの価格は市場全体の稼働率に左右される。フォリスクの2025年調査で北米首位のウエスト・フレーザーはLPを大きく上回る生産規模を持ち、他にも大手競合がある。2026年上期のLPの汎用OSB平均単価は26%下落した。住宅需要が戻っても競合が増産すれば、価格の上昇は限られる。汎用品の赤字が長引く場合、全社の利益とFCFの回復が遅れる。
設備投資と増分ROICの低下
2025年の設備投資は2.91億ドル、2026年の見通しは約3.2億ドルである。新しい外壁材能力を作る投資は将来の販売数量が伸びることを必要とする。需要が伸びなければ新工場の減価償却や人件費が増え、投下資本利益率は8.5%の資本コストを下回りうる。既存工場を転換できる利点はあるが、工場の閉鎖や減損による損失も考える必要がある。
原木・樹脂・物流費と関税
OSBの主要コストには木材繊維、樹脂・ワックス、人件費があり、木材と石油由来材料の価格変化が利益率を左右する。2026年には原材料費や輸送費の上昇がSidingの利益を圧迫した。カナダと米国に工場を持つため、通商政策や国境を越える物流にも影響される。製品価格に費用上昇を転嫁できなければ、Sidingのブランドが保たれていても利益は減る。
製品品質・保証・環境規制
外壁材は住宅に長期間取り付けられるため、腐食、塗膜剥離、水分侵入、施工不良などが広範囲で起これば、保証費用だけでなく製品の採用率も傷つく。木材の調達、森林管理、工場の排出や薬剤処理に関する規制にも対応が必要である。品質問題は一時的な費用では済まず、施工業者や販売店の信頼を失うことで10年先の数量と値決め力まで弱める可能性がある。
自社株買いの停止と資本配分の失敗
2025年の純利益は約1.5億ドルだったが、FCFは約0.9億ドルであり、成長投資と株主還元を同時に厚くする余力は小さかった。2026年上期には自社株買いを実施していない。住宅不況が長引く場合、配当の維持と工場投資が優先され、買い戻しは停止する可能性がある。利益の山で買い戻しを増やし、谷で止める資本配分では、長期株主が受け取る価値が不安定になる。
今後の分かれ目
- Sidingの販売数量が前年同期比プラスに戻り、その後4四半期にわたり増加を維持したら
- 2026年の需要低迷が一時的だった可能性が高まり、中立からやや楽観への移行を考える。特に単価上昇と数量増が両立すれば、ブランドの値決め力が維持されている証拠になる。
- ExpertFinishの売上構成比が上昇し、Sidingの調整後EBITDA利益率が26%以上を維持したら
- 完成塗装品の構成改善が利益に定着したと判断する。追加設備への投資利回りが資本コストを上回るなら、楽観側の長期数量と利益率を引き上げる。
- OSBの調整後EBITDAが通期で黒字に戻り、翌年も改善が続いたら
- 汎用品の赤字縮小と工場稼働率の正常化を確認する。中立の全社営業利益は上振れしうるが、価格が急騰した年だけを長期利益に採用しない。
- 北米OSBの新規生産能力が増え、汎用品の平均単価が2年続けて物価を下回ったら
- 供給過剰が構造的になったと考え、OSBの営業利益率を引き下げる。外壁材が好調でも全社の利益は抑えられるため、やや悲観・悲観の確率を高める。
- Sidingの出荷が年20億平方フィートを超え、設備投資後もFCFが純利益に近づいたら
- 設備投資が数量の拡大につながり、オーナー利益が増えていると判断する。中立の増分ROICと正味還元を引き上げる根拠になる。
- Sidingの営業利益率が15%を下回り、同時にOSBが2年連続で営業赤字になったら
- 単なる住宅不況ではなく、値決め力と生産能力の両方に問題が生じている可能性を考える。投資の減損と配当の減額を織り込み、悲観側の評価に近づける。
- 大型買収や工場増設の後、事業ROICが資本コスト8.5%を継続的に下回ったら
- 利益の再投資が株主価値を増やしていないと判断する。利益の成長率とは切り離して、長期の還元余力と正当化PERを引き下げる。
見ておくもの
- Sidingの四半期出荷数量と平均実現単価。2026年上期は数量14%減、価格8%増。
- Sidingの調整後EBITDA利益率とExpertFinishの数量・売上構成比。
- OSBの汎用品とStructural Solutionsの販売数量・単価。北米の稼働率と新規生産能力。
- 2026年11月3日発表予定の第3四半期決算。Siding売上4.60〜4.70億ドルという会社見通しの達成状況。
- 2026年通期のSiding売上16.5〜16.7億ドル、OSB調整後EBITDAマイナス1.2億ドル、全社調整後EBITDA2.55〜2.70億ドルという会社見通し。
- 設備投資額、FCF、増分ROIC。2026年の設備投資見通し約3.2億ドルとその後の回収状況。
- 配当、自社株買い、株式報酬を差し引いた正味の還元。2026年6月末の買い戻し枠残高1.77億ドル。
- ジェームズ・ハーディーの北米外壁材数量と利益率、ウエスト・フレーザーのOSB生産能力と価格動向。
- 米国戸建て住宅着工、改修市場の需要、住宅ローン金利、建材販売店の在庫水準。
- 2026年に就任した経営陣の工場増設・買収・還元方針と、設備投資案件の実際の収益率。
倍率と資本コストの決め方
現在の時価総額や過去の市場PERから将来の価値を逆算していない。2025年のセグメント別の実際の販売数量と平均販売単価を起点に、2035年の市場数量、競合とのシェア変化、名目価格、営業利益率を積み上げた。Sidingはブランドがあるが独占ではなく、OSBには市況による大きな変動があるためmoatをnormalとした。
資本コストは米国株の基本8.0%に景気循環性と値決め力の差し引き0.5%を加えた8.5%。中立の正当化PERはROE15.1%、RONIC約11.8%、g3.7%から求め、10年目利益に対する上限の90%となる13.34倍を使った。高成長の数量と物価分を利益と倍率に二重に加えていない。
悲観では将来の自己資本を安値のPBRに掛けず、2025年末の資産を換金した場合の税後価値と、その筋書きの低い稼ぐ力から評価した。現在の株価を見て悲観の深さを調整していない。純有利子負債は約0.9億ドルで、余剰純現金の別加算はない。米国基準ではリースはすでに貸借対照表に計上されており、工場と本社の固定的な支払いは悲観にも残る。市場価値がモデル上の価値と大きく違っても、その差を結果として受け入れる。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。米国株の基本8.0%に事業の質による+0.5%を加えた8.5%。ベータや現在の株式市場の倍率は使わない。2026年の業績悪化とOSBの低収益は、存続危機の割増金利ではなく、各筋書きの利益率と悲観側の確率で扱う。