結論
アライアントは、機械を正確に動かすモーター、制御装置、電力品質機器を設計・製造する米国の中堅メーカーである。筆者の結論は割高だ。データセンター、産業ロボット、医療、防衛という成長市場に製品を供給しているものの、現在の時価総額には、利益率の改善と高い成長が長く続く期待が強く織り込まれている。
足元の改善は確かである。2025年の売上は約5.5億ドルで、添付資料の営業利益率は8.7%だった。2026年4〜6月期には売上が前年同期比10%増加し、営業利益率は10.2%へ上昇した。受注は49%増の2.01億ドル、受注残も2.98億ドルとなった。工場改革による費用削減と、データセンター向け電力品質機器の増加が利益を押し上げている。
しかし、受注残の大半は3〜9か月で売上になる。10年先の収益を保証するものではない。2025年のROEは7.3%で、過去10年の中央値も9.6%にとどまる。過去20年以上にわたる買収で売上は大きく増えたが、買収に投じた資本が継続的に高い利益率を生んできたとは言い切れない。強固な顧客基盤はあるが、アメテックのような高収益の産業技術企業と同じ堀を認めるには、まだ実績が足りない。
中立では2035年の売上を約11.5億ドル、営業利益を1.31億ドル、GAAP純利益を0.93億ドルと見る。設備の高付加価値化と医療・防衛の成長で今より良い会社になるが、利益率は競合の最上位企業には届かない。10年後の中立時価総額は約11.35億ドルである。強い成長が続く楽観では約26.83億ドルまで伸びるものの、競争や需要の反動で数億ドルの価値しか残らない筋書きもある。
5つの筋書きの時価総額と正味還元を資本コスト8.5%で割り戻した現在価値は、約4.75億ドルとなる。添付資料による現在の時価総額約14.67億ドルとの差は約マイナス68%で、判定は割高だ。これは会社が衰退するという予想ではない。10年後に利益が大幅に増えても、今の株価から株主が十分な利回りを得るには、さらに高い成長と資本効率が必要だという判断である。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、アライアントを永久に持ちたい会社と呼べるかが出発点になる。10年後にも機械は正確に動く必要があり、医療機器や防衛装備には厳しい品質基準が残る。事業の寿命は長い。しかし、それだけでは株主が長く高い利回りを得られることにはならない。産業機器市場には資本力の大きな競合が多く、アライアントの堀は狭い用途に限られる。
筆者が最も重視するのは、買収を続けて売上を増やすことと、買収を含む投下資本に高い利益を生むことを分ける点だ。過去10年で売上は約2倍以上になったが、自己資本も大きく増え、ROEは以前より低くなった。市場の拡大と企業規模の拡大は、株主の持分価値の拡大と同じではない。買収先の利益を増やし、借金を減らして初めて、経営が資本を有効に使ったと認められる。
2025年のFCF約0.5億ドルは魅力的に映る。ただし2026年上半期の営業CFは前年同期より減り、在庫投資も増えている。顧客の注文増に対応するには運転資金と設備投資が必要である。したがってFCFの一時的な増加を、全額自由に使えるオーナー利益と見なさない。株式報酬も株主が負担する費用として扱い、買収関連の無形資産償却を利益に足し戻さない。
中立の2035年には純利益が約0.93億ドルまで増え、ROEも11%程度に改善すると考える。それでも投下資本の稼ぐ力は突出していない。強い堀を持つ大企業と同じ価値を払う根拠はない。今の価格には安全域がなく、楽観の成功だけを頼りに長期保有するには不確実性が大きい。優れた技術を持つ会社であっても、株主が払う値段は別の問題なのである。
何で稼ぐ会社か
アライアントの仕事は、電力を動きに変え、その動きを正確に制御することである。製品はブラシレスモーター、サーボ駆動装置、位置検出器、精密位置決め機構、制御基板、産業通信機器、電力用フィルター、変圧器などに広がる。機械メーカーがこれらを装置に組み込み、ロボット、医療機器、防衛装備、特殊車両として顧客に販売する。アライアントは主として完成品メーカーから設計・製造の対価を受け取る。
会社は技術をモーション、コントロール、パワーの3本柱で整理している。ただし会計上の報告セグメントは1つであり、柱ごとの売上と営業利益は開示されていない。そこで経済的な需要の違いを見るには、会社が実際に売上を開示する産業、車両、医療、航空宇宙・防衛、流通・その他の5市場が適切である。2025年の売上構成は、産業が約48%、車両が17%、医療と航空宇宙・防衛がそれぞれ約15%だった。
産業向けでは、工場の自動化設備、半導体製造装置、搬送装置に精密駆動部品を供給する。近年はデータセンターの電源を安定させる高調波フィルターとリアクトルが伸びている。2026年4〜6月期には、データセンターと関連インフラ向け売上が0.163億ドルとなり、前年同期比60%増加した。直近12か月では約0.571億ドルで、全社売上の約1割に育った。
医療向けでは、手術ロボット、人工義肢、輸液ポンプ、透析機器、電動車椅子などに組み込まれる小型モーターと制御装置を扱う。防衛向けでは、ミサイルの姿勢制御、無人機、装甲車の駆動装置、軽量複合材を供給する。どちらも信頼性と設計認証が重視され、一度採用されれば製品の寿命に沿って継続受注を得やすい。
車両向けは建設機械、農業機械、商用車、特殊車両、レジャー車両の電動操舵と駆動が中心である。景気と顧客の生産計画に左右されやすく、近年はレジャー車両の需要低迷が重荷となっている。流通向けは代理店を通じた標準部品の販売で、顧客を広げる役目はあるものの、価格競争を避けにくい。
この会社の特徴は、単品のモーターではなく、モーター、制御回路、減速機、センサーを組み合わせた顧客専用のシステムを設計できることだ。ただし開発の対価を人月で売る会社ではない。製品売上が中心であり、AIエージェントによる人月・席課金事業の直接代替には該当しない。
優良さと弱いところ
堀、つまり競合が簡単には奪えない強みは、顧客ごとの設計と品質認証にある。手術ロボットや防衛機器で採用された駆動装置は、わずかな仕様変更でも動作確認や安全性試験が必要になる。顧客は安い部品を見つけても、設計変更、再評価、量産立ち上げの費用を負う。この切り替えの手間が、一定の継続受注を守っている。
モーション、制御、電力機器を一体で供給できることも強みだ。シエラモーションの精密設計、スペクトラム・コントロールズの制御機器、SNCの変圧器などを組み合わせれば、顧客は複数の部品会社を調整する負担を減らせる。2026年の粗利益率が過去最高水準へ改善したことは、高付加価値製品への転換が進んでいる証拠の一つである。ただし、同一製品で継続的に物価を超える値上げを実現した実績は十分に開示されていない。
競争優位は全社で一様ではない。医療や防衛の専用部品では比較的強いが、一般の産業用モーターと制御機器では、パーカー・ハネフィン、アメテック、リーガル・レックスノード、安川電機などの大手と競う。会社自身も市場を細分化された競争市場と説明している。2025年には売上の10%を超える単一顧客がなく、顧客集中は低い反面、全市場を支配するような価格決定力もない。
資本効率はまだ一流とは言えない。2025年の添付資料に基づけば、税引き後営業利益を自己資本と純負債の合計で割ったROICはおおむね8%台である。これは資本コスト8.5%とほぼ同じだ。2026年の利益率改善は前向きだが、買収に伴うのれんと開発資産を除いて利益率を良く見せてはならない。将来の成長にも買収が必要なら、のれんを含む資本が再投資の元手である。
2025年の自己資本比率52%は以前より改善したが、純有利子負債は約1.6億ドル残る。財務は存続を疑う状態ではないものの、大規模な買収と景気後退が同時に起きれば自由度は落ちる。強い堀と判定するには、利益率の改善だけでなく、追加の資本に対して資本コストを十分超える利益が継続して生まれる必要がある。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
産業オートメーションは、工場の省人化、電動化、精密加工、半導体設備の高度化に支えられる。添付業界ノートでは世界の産業オートメーション市場を約2500億ドルと推定し、長期の実質数量成長を年2.5%程度としている。ただし、アライアントが直接販売するのはその一部のモーター、制御器、精密駆動装置であり、市場全体をそのまま同社の獲得可能市場と考えることはできない。
市場の主導権は大手にある。シーメンス、ABB、シュナイダー、ロックウェル、安川電機、三菱電機が広い製品群と世界規模の販売網を持つ。2025年のデジタルサーボモーター・駆動装置市場は約98億ドルと推定され、安川電機のシェアは14%超、上位5社で約48%とされる。製品定義が異なるため、これらのシェアをアライアント全社と直接比較することはできない。アライアントは大手に数量で勝つより、顧客専用の設計で小さな市場を獲得する会社だ。
成長率が最も高いのはデータセンター向けの電力品質機器である。AI計算設備の電力密度が増すと、電源の波形を整え、高調波を減らす装置が必要になる。アライアントの製品は大型変圧器や発電機の主役ではなく、その周辺で電力を安定させる設備である。したがってイートンやバーティブと需要の追い風を共有するが、売上規模と利益率は大きく異なる。2030年代には供給能力の増加によって価格競争が再び強まる可能性がある。
医療では手術ロボットと自動投薬機器の普及が需要を支える。防衛では誘導兵器、無人機、対ドローン装備、地上車両の電動化が追い風となる。モーグ、パーカー・ハネフィン、マクソン、ニデックなどと競うが、医療・防衛の細かな用途別シェアは公表されていない。認証と採用までの期間が長いことは既存メーカーの強みである一方、新規参入にも時間がかかる。
車両は構造が異なる。電動操舵と省エネ技術は伸びても、レジャー車両や建設機械は景気に強く左右される。低価格のアジア系部品メーカーや顧客の内製化が進めば、物価分の値上げさえ通らなくなる。2035年の中立では産業、医療、防衛の実質市場が拡大し、車両はほぼ横ばいと見る。会社が競争に勝つ範囲は広がるが、市場の上位企業のような高い営業利益率まで到達するとは想定しない。
資本政策と M&A
資本配分の中心は、事業を広げる買収と、製造拠点・製品群の統合である。会社は20年以上で18件の補完的な買収を行ってきた。近年では2022年にシンギャップ、FPH、エアレックス、2023年にシエラモーション、2024年にSNCマニュファクチャリングを取得した。SNCの取得対価は約0.2億ドルで、変圧器と電力品質機器を広げた。買収先の技術を組み合わせる考え方には合理性があるが、全社ROICが高いとはまだ言えない。
現在は買収を増やすより、利益率改善と負債削減が優先されている。STANと呼ぶ工場・組織改革では、2024年に年率約0.10億ドル、2025年に追加で0.06億ドル超の費用削減を実現した。2026年の設備投資見通しは0.12〜0.15億ドル、組織改革費用は0.02〜0.03億ドルである。長期の売上、営業利益率、ROICに関する拘束力のある数値目標は示されていない。
配当は小さく、2025年の年間支払額は約0.020億ドルだった。2026年の年率換算配当は約0.027億ドルへ増えているが、2026年6月末時点で公表済みの自社株買い枠はない。2025年の株式報酬費用約0.034億ドルは現金配当を上回った。したがって自社株買いがない限り、株式報酬による希薄化を控除した正味の還元はマイナスになりやすい。
2026年6月末の現金は0.421億ドル、負債は1.733億ドルだった。純負債は1.312億ドルで、調整後EBITDAの1.63倍まで改善している。借り換え金利が5.75%前後で続く前提では、返済の優先順位は高い。経営者側は一定の株式を保有し、2026年の投資家資料では役員・内部者の持分が約12%とされる。特別議決権株や発行済み優先株による大きな持分の分断は確認されないが、創業家系の経営陣の影響力と後継者問題は継続して点検すべきである。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
会社は2026年に、過去の買収と工場改革の効果がようやく利益へ現れ始めた。第2四半期の粗利益率は34.9%と記録的な水準になり、営業利益率も10%を超えた。受注は前年同期比49%増え、受注残は2.98億ドルまで積み上がっている。販売が伸びるほど工場の固定費が薄まり、利益が売上より速く増える段階に入った可能性がある。
データセンター向けの電力品質機器は、この会社を以前とは違う市場へ導いている。2026年4〜6月期の関連売上は前年同期比60%増えた。高調波フィルターと変圧器は、AIの計算設備だけでなく、産業設備の電動化でも必要になる。すでに会社が持つ制御技術と組み合わせれば、新しい市場で顧客ごとの設計案件を増やせる。工場向け精密位置決めも、半導体、光通信、医療分析の自動化に伴って伸びる。
防衛ではミサイルと無人機の需要が強い。会社が整備する防衛専用組織は、従来の少量・高精度の部品から、より量の多い案件への参加を可能にするかもしれない。医療でも手術ロボットや輸液ポンプが普及すれば、採用済みの製品が長期間売れ続ける。モーター、制御、電源の一体設計が増えるほど、顧客が他社に切り替える手間は大きくなる。
2025年までの利益率は、需要不足と工場改革費用に圧迫されていた。これが構造的に改善すれば、2035年の全社営業利益率は15%前後に近づく余地がある。利益成長の途中で負債を返済し、安値で自社株を買う資本政策に移れれば、株主の取り分も改善する。買収を拡大せずとも、既存技術の横展開で成長できるようになれば、過去より質の高い会社に変わる。
慎重な見方
2026年の急回復には、データセンター向け設備投資と工場改革という二つの追い風が重なっている。これらを恒久的な利益率改善と見なすのは早い。データセンター市場では設備が足りない間は注文が集中するが、主要顧客の投資計画が変わると、短期間で過剰在庫が生じる。アライアントの受注残は大半が3〜9か月で消化される。電力会社の長期保守契約のような安定収益とは違う。
競合との力関係も厳しい。シーメンス、ABB、シュナイダー、パーカー・ハネフィン、アメテック、安川電機などは、研究開発費、販売網、製造規模で上回る。中国やアジアの部品メーカーが価格を下げれば、汎用モーターや制御器では対抗しにくい。顧客専用設計は守りになるが、顧客自身が制御機能を内製化したり、モジュールを標準化したりすれば切り替えの障壁は下がる。
過去の資本配分にも疑問が残る。多数の買収で売上は増えたが、2025年のROEは7.3%にすぎない。買収ののれんと無形資産は大きく、競争に負ければ減損の危険がある。データセンターと防衛で一時的に高い利益率が出ても、追加の設備投資と買収に資本を使い続ければ、残る株主への現金還元は増えない。株式報酬を上回る自社株買い枠も現時点ではない。
車両事業は景気に左右され、医療・防衛の認証の強さも万能ではない。大型の防衛計画が中止されれば、特定用途に開発した資産をほかへ転用しにくい。全社の利益率が低いままなら、借入金利と法人税が残り、利益の増加が株主の取り分へ十分に流れない。2026年の良い四半期を10年に引き延ばすほど、価値を見誤る危険がある。
どちらに重みを置いたか
事業そのものについては、強い見方にも根拠がある。特に医療・防衛の設計採用と、データセンター向け電力品質機器の伸びは実際の受注に表れている。ただし、それが資本コストを大きく上回るROICへ変わった証拠はまだ弱い。
確率は楽観8%、やや楽観20%、中立37%、やや悲観23%、悲観12%とし、慎重側をやや厚くした。設備投資の循環、買収の資本効率、競合との規模の差を考慮したためだ。同業の優良企業より低い利益率を前提にすると、中立時価総額は約11.35億ドルとなる。現在価値で見た総合差は約マイナス68%で、判定は割高となる。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 67.57 ドル11 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 −0.36 ドル0 億ドル)。 今の値に割り戻すと 29.65 ドル5 億ドル、今との差 −65.4%、 期待の年率 −2.4%(資本コスト 8.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 160.32 ドル27 億ドル | 2.99 ドル1 億ドル | +90.8% | +6.7% | 13.06 ドル2 億ドル |
| やや楽観 | 20% | 109.02 ドル18 億ドル | 0.60 ドル0 億ドル | +28.1% | +2.5% | 21.92 ドル4 億ドル |
| 中立 | 37% | 72.92 ドル12 億ドル | −0.90 ドル0 億ドル | −15.8% | −1.7% | 26.65 ドル4 億ドル |
| やや悲観 | 23% | 22.80 ドル4 億ドル | −1.20 ドル0 億ドル | −74.8% | −12.6% | 4.97 ドル1 億ドル |
| 悲観 | 12% | 5.95 ドル1 億ドル | −0.90 ドル0 億ドル | −94.1% | −23.7% | 0.61 ドル0 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 67.57 ドル11 億ドル | −0.36 ドル0 億ドル | −21.5% | −2.4% | 67.21 ドル11 億ドル |
今の株価時価総額 85.59 ドル14 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 8% 楽観:電力品質と精密駆動の専用設計が広がり、高収益メーカーへ変わる 利益 2 億ドル · PER 14.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 160.32 ドル27 億ドル
2035年、データセンター向け電力品質機器は従来の産業用モーターと並ぶ主要な収益源になる。産業の対象市場は2025年の175億ドルから実質315億ドルへ成長し、アライアントのシェアも約1.53%から2.13%へ上がる。モーションと電力品質機器の一体設計が増え、産業事業の営業利益率は17%となる。
医療では手術ロボットと輸液装置の採用が進み、認証済みの製品が新機種へ横展開される。防衛では無人機と対ドローン装備の大量生産案件を獲得する。モーグやパーカー・ハネフィンが強い領域の一部で、高精度と量産能力の両立に成功する。車両でも汎用品から特殊操舵装置へ移行し、利益率が改善する。
売上は約17.78億ドル、営業利益は2.67億ドル、GAAP純利益は1.85億ドルとなる。過去の買収技術の組み合わせが実を結び、新たな買収に過度に依存しなくなる。純利益は2026年の回復から2030年頃に約0.75億ドル、2035年に1.85億ドルへ拡大し、10年間累計で9.2億ドルを生む。配当と将来の買戻しから株式報酬・新株の価値を引いた正味還元は0.5億ドルで、自己資本は11.7億ドルへ増える。
- 産業・データセンター・オートメーション:数量 438(対象市場の年間実質需要(2025年価格の億ドル換算、会社シェアの変化を数量側に反映))× 価格 1.52(同等製品・同等仕様の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 10 億ドル・営業利益 2 億ドル。推定対象市場175→315億ドル、シェア1.53→2.13%。データセンター電力品質と精密駆動で勝つ。
- 特殊車両・電動操舵:数量 58.5(対象車両向け駆動・操舵部品の実質需要(2025年価格の億ドル換算、シェア変化を反映))× 価格 1.44(同等仕様の車両用駆動・操舵装置の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象市場45→58.5億ドル、シェア約2.16%を維持。特殊車両の付加価値が上がる。
- 医療・ライフサイエンス:数量 84.0(医療機器向け精密駆動部品の実質需要(2025年価格の億ドル換算、シェア変化を反映))× 価格 1.48(医療機器用の認証済み駆動部品・制御装置の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象市場40→72億ドル、シェア2.04→2.38%。医療ロボットとポンプが拡大。
- 航空宇宙・防衛:数量 88.0(防衛・航空向け駆動制御部品の実質需要(2025年価格の億ドル換算、シェア変化を反映))× 価格 1.48(認証済み防衛・航空用駆動装置の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象市場40→72億ドル、シェア2.03→2.49%。無人機と誘導兵器の採用拡大。
- 流通・その他:数量 23.3(代理店経由の対象部品需要(2025年価格の億ドル換算、シェア変化を反映))× 価格 1.43(同等仕様の流通部品の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象市場15→21億ドル、シェア1.74→1.92%。専用部品の販路が広がる。
倍率:k8.5%、2035年の事業ROEは1.85÷11.7=15.81%。買収で得たのれんも将来の成長に必要な元手であり、除外しない。moatは普通で残る割合0.5、RONICは8.5%+0.5×(15.81%-8.5%)=12.16%。2035年以降のgは実質市場成長約1.5%とシェアの緩やかな増加、製品単価上昇を含めて4.0%に抑える。正当化PERは(1-0.04÷0.1216)÷(0.085-0.04)×1.04=約15.5倍。利益率の高さが持続する楽観でも、技術競争と需要変動を考慮して上限の約94%である14.5倍とした。株式報酬はGAAP利益から控除済みで、無形資産償却の加算は行わない。
確率:工場改革が定着し、データセンター・医療・防衛の複数市場でシェアを広げ、利益率まで大幅に改善する必要がある。2026年の強い受注は前向きだが、過去にこの利益水準を継続した実績はないため8%。
やや楽観 20% やや楽観:医療・防衛が伸び、工場改革の成果が定着する 利益 1 億ドル · PER 13.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 109.02 ドル18 億ドル
2035年、産業市場では工場自動化とデータセンター設備の増設が続くが、2020年代の急成長は一巡している。アライアントは精密駆動と電源装置を組み合わせて顧客の開発負担を減らし、対象市場でのシェアを約2.01%へ広げる。産業の営業利益率は15%となり、過去より高いが大手専業企業との差は残る。
医療では手術機器と患者移動機器の需要が増え、防衛では誘導兵器と電動化された地上車両向けの採用が広がる。防衛の新規計画が複数量産へ移る一方、車両事業はレジャー用途を縮小し、商用車と産業車両に注力する。モーグや安川電機などの競合には一部の用途で負けるものの、既存顧客を維持できる。
売上は約14.57億ドル、営業利益は1.91億ドル、純利益は1.34億ドルとなる。純利益は2026年の回復から2030年に約0.6億ドル、2035年に1.34億ドルへ拡大し、10年累計は7.0億ドルとする。成長への投資と負債削減を優先しながら、小規模な配当増額と買戻しを行う。株式報酬を差し引いた正味還元は0.1億ドルで、自己資本は9.9億ドルへ増える。
- 産業・データセンター・オートメーション:数量 368(対象市場の年間実質需要(2025年価格の億ドル換算、会社シェアの変化を数量側に反映))× 価格 1.45(同等製品・同等仕様の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 8 億ドル・営業利益 1 億ドル。対象市場175→280億ドル、シェア1.53→2.01%。電力品質機器と精密駆動の複合提案が伸びる。
- 特殊車両・電動操舵:数量 54.0(対象車両向け駆動・操舵部品の実質需要(2025年価格の億ドル換算、シェア変化を反映))× 価格 1.41(同等仕様の車両用駆動・操舵装置の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象市場45→54億ドル、シェア約2.16%を維持。商用車・産業車両が支える。
- 医療・ライフサイエンス:数量 70.0(医療機器向け精密駆動部品の実質需要(2025年価格の億ドル換算、シェア変化を反映))× 価格 1.45(医療機器用の認証済み駆動部品・制御装置の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象市場40→64億ドル、シェア2.04→2.23%。医療機器の専用設計案件が増える。
- 航空宇宙・防衛:数量 74.0(防衛・航空向け駆動制御部品の実質需要(2025年価格の億ドル換算、シェア変化を反映))× 価格 1.44(認証済み防衛・航空用駆動装置の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象市場40→65億ドル、シェア2.03→2.31%。防衛案件の増加を取り込む。
- 流通・その他:数量 21.0(代理店経由の対象部品需要(2025年価格の億ドル換算、シェア変化を反映))× 価格 1.41(同等仕様の流通部品の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象市場15→19.5億ドル、シェア1.74→1.87%。代理店の扱い品目を広げる。
倍率:k8.5%、2035年のROEは1.34÷9.9=13.54%。moatは普通、残る割合0.5でRONICは11.02%。長期gは市場の実質成長約1%と物価3.5%、シェアの成熟後の横ばい・一部用途の価格競争を合わせて3.8%とした。正当化PERは(1-0.038÷0.1102)÷(0.085-0.038)×1.038=約14.47倍。医療と防衛の設計採用は比較的安定するが、産業向けの循環性が残るため上限の約93%である13.5倍とした。純利益はGAAP基準で、買収無形資産の償却を戻していない。
確率:2026年に確認できる粗利益率改善と受注増を長期にも部分的に引き継ぐ展開。医療と防衛の需要は有望だが、競合の増産で最高水準の利益率までは届かないため20%。
中立 37% 中立:需要と事業は育つが、資本効率は徐々にしか改善しない 利益 1 億ドル · PER 12.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 72.92 ドル12 億ドル
2035年、産業向けの市場は工場の省人化、電子機器の精密化、データセンターの更新需要で成長している。アライアントの対象市場は2025年の175億ドルから実質245億ドルへ増え、シェアは約1.75%となる。ただし2026年の受注急増は2030年前後までに落ち着き、産業の営業利益率は13%で定着する。これは現在より改善した姿だが、大手の高収益部門より低い。
医療と防衛の実質需要は拡大し、専用製品の採用が続く。医療は高齢化と機器の自動化、防衛は無人化と電動化が支える。車両は電動操舵の需要がある一方、特殊車両の景気変動で数量が大きくは増えない。価格は10年間でおおむね1.4倍となり、物価を超える大幅な値上げは想定しない。
全社売上は11.48億ドル、営業利益は1.31億ドル、GAAP純利益は0.93億ドルとなる。純利益は2026年の約0.35億ドルから2030年に約0.5億ドル、2035年に0.93億ドルへ増え、期間累計は約5.3億ドルとなる。買収は小規模にとどめ、利益の多くを負債削減、運転資金、設備投資に使う。配当は増えるが、株式報酬と株式発行の価値が上回り、正味還元はマイナス0.15億ドルとなる。自己資本は8.45億ドルへ増え、ROEは約11%となる。
- 産業・データセンター・オートメーション:数量 280(対象市場の年間実質需要(2025年価格の億ドル換算、会社シェアの変化を数量側に反映))× 価格 1.41(同等製品・同等仕様の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 6 億ドル・営業利益 1 億ドル。対象市場175→245億ドル、シェア1.53→1.75%。業界の実質成長と複合製品への移行を反映。
- 特殊車両・電動操舵:数量 49.1(対象車両向け駆動・操舵部品の実質需要(2025年価格の億ドル換算、シェア変化を反映))× 価格 1.40(同等仕様の車両用駆動・操舵装置の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象市場45→49.5億ドル、シェア2.16→2.14%。数量はほぼ横ばいで、物価が売上を押し上げる。
- 医療・ライフサイエンス:数量 60.0(医療機器向け精密駆動部品の実質需要(2025年価格の億ドル換算、シェア変化を反映))× 価格 1.41(医療機器用の認証済み駆動部品・制御装置の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象市場40→56億ドル、シェア2.04→2.19%。手術機器とポンプ用途が堅調。
- 航空宇宙・防衛:数量 62.0(防衛・航空向け駆動制御部品の実質需要(2025年価格の億ドル換算、シェア変化を反映))× 価格 1.41(認証済み防衛・航空用駆動装置の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象市場40→58億ドル、シェア2.03→2.17%。防衛の実質需要増に沿う。
- 流通・その他:数量 18.0(代理店経由の対象部品需要(2025年価格の億ドル換算、シェア変化を反映))× 価格 1.41(同等仕様の流通部品の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象市場15→18億ドル、シェア約1.74%を維持。標準部品は値決め力が弱い。
倍率:k8.5%、2035年のROEは0.93÷8.45=11.01%。この自己資本には成長に必要な過去の買収のれんを含める。moatは普通、残る割合0.5、RONICは9.75%。長期gは製造業の実質市場成長約1%と物価上昇3.5%の組み合わせから、成熟後の競争によるシェア・実質価格の微減を差し引き3.5%とした。正当化PERは(1-0.035÷0.0975)÷(0.085-0.035)×1.035=約13.27倍。顧客専用設計の継続性を評価しつつ、競争と景気変動を反映して上限の約92%である12.2倍とした。ROEがkを上回るため、1÷k=11.76倍の下限も満たす。市場の現在または過去の倍率は根拠に用いない。
確率:産業自動化、医療、防衛の長期需要は続き、2026年の工場改革は一定の利益改善を残す。ただしデータセンターの現在の成長率と最高水準の粗利益率を10年間延長しない。この組み合わせを最も自然な展開として37%。
やや悲観 23% やや悲観:データセンターの反動と価格競争で成長が鈍る 利益 0 億ドル · PER 9.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 22.80 ドル4 億ドル
2035年、データセンターの設備投資は2020年代後半にピークを打ち、電力品質機器の新設需要が伸び悩んでいる。シーメンス、ABB、シュナイダー、アジア系の部品メーカーが増産し、制御機器と電力部品の単価は物価に追いつかない。産業の対象市場は実質210億ドルへ成長するが、アライアントのシェアは1.56%にとどまり、営業利益率は9.5%へ低下する。
車両市場ではレジャー車両と建設機械の低迷が続き、数量が減る。医療と防衛は成長するものの、顧客の価格交渉力が増して営業利益率は10%程度にとどまる。認証された製品は残るが、競合に新規案件を奪われて堀が狭くなる。新規買収を行う余裕も小さくなり、経営は既存設備の効率化と負債返済に集中する。
全社売上は約8.23億ドル、営業利益は0.62億ドル、GAAP純利益は0.34億ドルとなる。2026年と2027〜28年の受注増で一時的に利益が増えた後、2029〜32年に利益率が落ち、2035年に0.34億ドルへ落ち着く。期間累計純利益は3.4億ドルとなる。配当縮小と株式報酬によって正味還元はマイナス0.2億ドルで、自己資本は6.6億ドルとなる。帳簿資本の増加に比べ利益が小さく、株主資本の効率は悪化する。
- 産業・データセンター・オートメーション:数量 214(対象市場の年間実質需要(2025年価格の億ドル換算、会社シェアの変化を数量側に反映))× 価格 1.28(同等製品・同等仕様の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 4 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象市場175→210億ドル、シェア1.53→1.56%。供給過剰で単価は物価を下回る。
- 特殊車両・電動操舵:数量 37.4(対象車両向け駆動・操舵部品の実質需要(2025年価格の億ドル換算、シェア変化を反映))× 価格 1.30(同等仕様の車両用駆動・操舵装置の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象市場45→44億ドル、シェア2.16→1.83%。低価格の競合に負ける。
- 医療・ライフサイエンス:数量 48.0(医療機器向け精密駆動部品の実質需要(2025年価格の億ドル換算、シェア変化を反映))× 価格 1.32(医療機器用の認証済み駆動部品・制御装置の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象市場40→46億ドル、シェア2.04→2.13%。需要は伸びるが値上げは弱い。
- 航空宇宙・防衛:数量 50.0(防衛・航空向け駆動制御部品の実質需要(2025年価格の億ドル換算、シェア変化を反映))× 価格 1.32(認証済み防衛・航空用駆動装置の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象市場40→50億ドル、シェア約2.03%を維持。案件の利益率は低下。
- 流通・その他:数量 15.8(代理店経由の対象部品需要(2025年価格の億ドル換算、シェア変化を反映))× 価格 1.31(同等仕様の流通部品の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象市場15→16.5億ドル、シェア1.74→1.66%。代理店市場で価格競争が強まる。
倍率:k8.5%、2035年ROEは0.34÷6.6=5.15%で資本コスト以下。moatは実質的に弱まり、長期gを実質需要の横ばいと物価の一部しか通らない価格から2.5%とする。普通の堀の式でもRONICは6.83%、正当化PERは約10.83倍だが、低ROE会社の利益価値を慎重に9.5倍とした。mcapは0.34×9.5=3.23億ドル。悲観側の稼ぐ力の上限0.34÷0.085=4.0億ドルと、売れる資産の床1.1億ドルの大きい方を下回る。過去のPBRやPERの底は根拠にしていない。
確率:産業設備の過剰投資と競争による値下げが重なる展開。2026年の利益改善が一部残るため全面的な破綻ではないが、ROEは資本コストを下回る。過去の大きな株価下落と産業の循環性を踏まえ23%。
悲観 12% 悲観:精密駆動の競争力が落ち、買収資産の価値も傷む 利益 0 億ドル · PER 8.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 5.95 ドル1 億ドル
2035年、データセンター投資の波は去り、産業用モーターと制御器の多くが標準化されている。大手顧客が制御電子機器を自社開発し、シーメンス、安川電機、中国系部品メーカーの量産品との価格競争が厳しくなる。産業の対象市場は実質189億ドルで、アライアントのシェアは約1.14%へ落ちる。価格は物価上昇を大きく下回り、営業利益率は6%まで低下する。
車両はレジャー向けを中心にシェアを失い、損益がほぼ均衡する。医療では認証済み製品の一部を維持するが、新しい手術ロボット向け案件は競合に取られる。防衛でも無人機向けの大型計画で採用されず、既存の小規模案件が中心となる。買収した技術の陳腐化でのれんや無形資産の減損が起こり、優良なメーカーとは呼べなくなる。
売上は約5.25億ドル、営業利益は0.26億ドル、GAAP純利益は0.12億ドルにとどまる。2026〜27年の回復で利益を得た後、2028〜30年には一部の事業で赤字と減損が生じ、2031年以降は残存する医療・防衛部品で小さな利益を稼ぐ。減損込みの期間累計利益は1.4億ドルとする。株式報酬の負担が続くため、正味還元はマイナス0.15億ドル、自己資本は4.55億ドルとなる。資産を処分しても帳簿価額は取り戻せず、株式の価値は残る稼ぐ力だけに近づく。
- 産業・データセンター・オートメーション:数量 140(対象市場の年間実質需要(2025年価格の億ドル換算、会社シェアの変化を数量側に反映))× 価格 1.18(同等製品・同等仕様の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象市場175→189億ドル、シェア1.53→1.14%。標準化と顧客の内製化で敗れる。
- 特殊車両・電動操舵:数量 27.9(対象車両向け駆動・操舵部品の実質需要(2025年価格の億ドル換算、シェア変化を反映))× 価格 1.18(同等仕様の車両用駆動・操舵装置の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象市場45→40.5億ドル、シェア2.16→1.49%。価格競争で利益が消える。
- 医療・ライフサイエンス:数量 37.6(医療機器向け精密駆動部品の実質需要(2025年価格の億ドル換算、シェア変化を反映))× 価格 1.21(医療機器用の認証済み駆動部品・制御装置の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象市場40→44億ドル、シェア2.04→1.74%。既存製品は残るが新規採用が弱い。
- 航空宇宙・防衛:数量 34.0(防衛・航空向け駆動制御部品の実質需要(2025年価格の億ドル換算、シェア変化を反映))× 価格 1.19(認証済み防衛・航空用駆動装置の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象市場40→46億ドル、シェア2.03→1.50%。大型の防衛案件を失う。
- 流通・その他:数量 12.3(代理店経由の対象部品需要(2025年価格の億ドル換算、シェア変化を反映))× 価格 1.18(同等仕様の流通部品の平均販売単価指数(2025年=1))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象市場15→14.1億ドル、シェア1.74→1.51%。汎用品の価格競争が続く。
倍率:k8.5%、2035年ROEは0.12÷4.55=2.64%。資本コストを大きく下回るため、新しい投資は株主価値をほとんど生まない。長期gは需要の実質減少と物価未満の値上げから1.0%とした。moatを普通とした計算上のRONICは5.57%、正当化PERは約11.05倍だが、構造的に競争に負けた企業として8.3倍にとどめる。mcapは0.12×8.3=0.996億ドル。稼ぐ力の上限0.12÷0.085=約1.41億ドルと、税後の処分可能資産0.85億ドルの大きい方以下である。同時に資産の床0.85億ドルは下回らない。過去の谷の市場倍率は使わない。
確率:データセンター需要の反動、アジア系部品メーカーの低価格化、顧客の制御技術内製化、買収資産の減損が重なる構造的な負け筋である。事業の存続は続くが、資本コストを超える再投資機会を失う展開として12%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
産業・データセンター・オートメーション
工場自動化、産業ロボット、半導体設備の精密駆動部品、電源用高調波フィルター、リアクトル、変圧器。データセンター向けの電力品質機器を含む。
| 数量対象市場の年間実質需要(2025年価格の億ドル換算、会社シェアの変化を数量側に反映) | 価格同等製品・同等仕様の平均販売単価指数(2025年=1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 175 | 1.00 | 3 | 0 |
| 10 年後 中立 | 280 | 1.41 | 6 | 1 |
取り方:2025年10-Kで産業市場の売上2.68394億ドルを確認。製造設備向けモーション制御、精密駆動、電力品質機器の販売可能市場を175億ドルと仮定し、実効シェアを1.53%と逆算した。数量は175億ドルの市場を基準とし、将来の市場の実質拡大とシェア増減をvolumeに反映する。単価は独立した価格指数とする。市場175億ドルおよびシェアは会社開示値ではなく、製品用途に基づく推計である。参考として世界モーション制御市場は2025年約164.7億ドル、産業オートメーション全体は業界ノートで約2500億ドルとされ、前者には医療・車両用途も含まれるため同一市場ではない。2026年6月までの12か月におけるデータセンター・関連インフラ売上0.571億ドルは、この産業市場の内数である。営業利益は分野別に未開示のため、全社利益率と相対的な製品構成から推定した。参考:https://www.fortunebusinessinsights.com/motion-control-market-115368
特殊車両・電動操舵
建設・農業機械、商用車、船舶、特殊自動車、レジャー車両の電動操舵装置、電動駆動システム、アクチュエーター。
| 数量対象車両向け駆動・操舵部品の実質需要(2025年価格の億ドル換算、シェア変化を反映) | 価格同等仕様の車両用駆動・操舵装置の平均販売単価指数(2025年=1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 45.0 | 1.00 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 49.1 | 1.40 | 1 | 0 |
取り方:2025年10-KのVehicle売上0.97015億ドルを使用。一般乗用車を含む自動車部品市場全体ではなく、特殊車両と電動操舵・駆動部品の対象需要を45億ドルと推定した。実効シェアは約2.16%。出荷台数と1台当たり販売単価は非開示であり、2025年価格換算の市場需要とシェアから数量指数を作る。車両種類ごとの市場構成は、商用・産業車両とレジャー向けを含む会社の説明に基づく。営業利益率は産業や医療より低いと仮定し、約5%を割り当てた。市場規模・シェア・分野別利益率は推計である。
医療・ライフサイエンス
手術ロボット、医療用ポンプ、義肢、人工心臓、透析機器、電動車椅子などに組み込まれる高精度モーターと制御機器。
| 数量医療機器向け精密駆動部品の実質需要(2025年価格の億ドル換算、シェア変化を反映) | 価格医療機器用の認証済み駆動部品・制御装置の平均販売単価指数(2025年=1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 40.0 | 1.00 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 60.0 | 1.41 | 2 | 0 |
取り方:2025年10-KのMedical売上0.81687億ドルを使用。手術ロボット市場全体や病院設備全体ではなく、モーター、精密位置決め、ポンプ制御、患者移動機器などの部品調達市場を40億ドルと推定した。実効シェアは約2.04%。医療機器の種類が多く、出荷台数と平均単価の開示がないため市場×シェアによる2025年価格の実質需要を数量とした。営業利益率は認証とカスタム設計の強みから約12%と推定。個別の製品シェア・部品市場規模・営業利益率は会社が公表していない。
航空宇宙・防衛
ミサイル、無人機、防衛車両、航空宇宙装置向けの精密駆動、制御、電動化、軽量複合材。
| 数量防衛・航空向け駆動制御部品の実質需要(2025年価格の億ドル換算、シェア変化を反映) | 価格認証済み防衛・航空用駆動装置の平均販売単価指数(2025年=1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 40.0 | 1.00 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 62.0 | 1.41 | 2 | 0 |
取り方:2025年10-KのAerospace & Defense売上0.81337億ドルを使用。世界防衛予算ではなく、精密駆動、アクチュエーター、制御電子機器、軽量化部品に適した対象市場を40億ドルと推定した。実効シェアは約2.03%。製品が採用される防衛計画ごとの数量と単価は非開示であり、市場規模とシェアから実質需要を組み立てる。防衛の新規量産案件はまだ成果が不確実なため、2025年の既存売上には足さない。営業利益率は約10%と推定。
流通・その他
販売代理店を通じた標準モーター、制御器、交換用部品などの販売と、主力市場に分類されない小規模用途。
| 数量代理店経由の対象部品需要(2025年価格の億ドル換算、シェア変化を反映) | 価格同等仕様の流通部品の平均販売単価指数(2025年=1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 15.0 | 1.00 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 18.0 | 1.41 | 0 | 0 |
取り方:2025年10-KのDistribution and Other売上0.26045億ドルを使用。販路と対象製品の重複を避けて、代理店販売の比較可能な部品需要を15億ドルと仮定した。実効シェアは約1.74%。実際の代理店別販売数量と価格は開示されていないため、数量は2025年価格の市場需要とシェアの積で表す。標準部品の価格競争を踏まえ営業利益率約7%を仮定した。
リスクと懸念
データセンター設備投資の反動
2026年4〜6月期のデータセンターと関連インフラ向け売上は前年同期比60%増加し、直近12か月では0.571億ドルとなった。成長源として大きい一方、AI設備投資が止まれば電力品質機器の新規注文も急減しうる。受注残の大半は3〜9か月の短期案件であり、10年先の需要を保証しない。
大手競合の規模と価格決定力
アメテック、パーカー・ハネフィン、リーガル・レックスノード、シーメンス、安川電機などは研究開発費と製造規模で優位にある。アライアントの顧客専用設計は守りになるが、一般的なモーターと制御器では規模の差が残る。製品仕様の標準化が進むと差別化できる範囲が狭まり、営業利益率の改善が止まる。
買収の資本効率とのれん減損
過去20年以上で18件の買収を行い、技術と市場を広げてきた。2025年末にはのれんが約1.34億ドル、識別可能な無形資産が約0.88億ドルあり、合計では自己資本に対して無視できない大きさだ。買収先の成長が鈍った場合には減損が起こり、帳簿の自己資本が株主に戻る価値を示さなくなる。
株式報酬と少ない正味還元
2025年の株式報酬費用は約0.034億ドルで、現金配当約0.020億ドルを上回った。2026年6月末にも公表済みの自社株買い枠はない。利益が増えても株式報酬による新株が継続的に発行されれば、既存株主の取り分は薄まる。将来の自社株買いを確約済みの還元として評価しないことが必要である。
借り換え金利と在庫・設備投資
2026年6月末の純負債は約1.31億ドルで、財務は改善している。それでも借り換え金利が5.75%前後で続けば、利払いは利益を削る。2026年上半期には注文増に対応する在庫投資で営業CFが前年同期から減少した。生産能力を増やした後に需要が鈍ると、在庫処分損と固定費負担が同時に起こりうる。
防衛案件の中止と顧客の内製化
防衛事業は認証が堀になる一方、特定計画への依存が残る。2026年の会社説明ではM10ブッカー計画の中止が受注構成に影響した。将来も大型計画の変更や延期は避けられない。また顧客が制御装置を自社開発し、標準化された部品で置き換えると、設計採用による切り替え障壁も弱まる。
貿易摩擦と技術の陳腐化
アライアントは米国、メキシコ、中国、欧州などで生産・調達している。関税、輸出管理、特殊磁石や電子部品の供給制限は費用と納期に影響する。またAIを使った設計最適化や制御装置のオープン化は、汎用モジュールの競争を促す可能性がある。AIエージェントが物理機器を直接代替するわけではないが、製品の差別化を削る危険はある。
今後の分かれ目
- データセンター関連売上の直近12か月成長率が2四半期連続でマイナスに転じる
- 産業の数量増加を引き下げ、やや悲観の確率を高める。特に電源品質機器の受注残と在庫の変化を確認する。
- 全社のGAAP営業利益率が11%以上を4四半期続け、同時に営業CFも増える
- 工場改革の成果が一時ではないと判断できる。中立の営業利益率とROICを引き上げ、やや楽観の確率を増やす。
- 2026年の受注増が売上に変わらず、受注残の取り消しや在庫の積み増しが続く
- 需要の先取りだった可能性が高まり、短期の利益見通しを下げる。10年の悲観側で数量と利益率の下振れを大きくする。
- 医療と防衛の売上構成比が合計35%を超え、利益率も全社平均を上回る
- 認証と顧客専用設計に支えられた収益が厚くなる。堀の耐久性を見直し、中立の利益率と長期の成長余地を引き上げる。
- 純負債÷調整後EBITDAが再び3倍を超え、大きな買収を続ける
- 買収による資本配分のリスクが大きくなる。悲観の確率を引き上げ、ROICと株主への正味還元を下方修正する。
- 過去の買収を含むROICが12%を3年間超え、追加の買収なしでも売上が成長する
- 技術の統合が株主価値を生むことを確認できる。堀の判定と長期利益の質を再評価する。ただし利益率の改善を数量成長と二重に数えない。
- 株式報酬で増える株式価値を超える自社株買いと増配が、負債削減後も継続する
- 正味の株主還元が改善する。買戻しの取得価格と発行株式の増減を確認したうえで、payout_okuを増やす。
見ておくもの
- 四半期受注額と売上の比率。2026年4〜6月期の1.31倍がどの程度続くか
- 受注残約2.98億ドルの増減と、3〜9か月での売上転換
- データセンター・関連インフラ向け直近12か月売上0.571億ドルの成長率
- GAAP粗利益率34.9%と営業利益率10.2%の持続性
- STANによる年率費用削減額と、その追加削減に伴う一時費用
- 医療・航空宇宙防衛の売上構成と新規設計採用
- 純負債÷調整後EBITDA、設備投資額、在庫回転日数
- 株式報酬による発行株と、配当・自社株買いを差し引いた正味還元
- 新規買収の投下資本に対する税引き後営業利益
- シーメンス、安川電機、パーカー・ハネフィン、アメテックの競争状況
倍率と資本コストの決め方
2025年の売上・利益・自己資本・純負債は添付factsを基準とし、販売市場別売上は2025年10-Kの開示内訳で補った。市場規模、実効シェア、分野別営業利益率は会社が開示していないため推計と明記した。倍率は現在の株価や過去の市場倍率ではなく、k8.5%、市場の実質成長と価格から決めたg、自己資本を含むROE、普通の堀に対応するRONICから求めた。中立では正当化PER約13.27倍に対し12.2倍を採用した。これはアメテックより低い資本効率、ロックウェルより小さい規模を反映する。悲観側は稼ぐ力と税後処分可能資産の床を別々に確認し、上限を超えていない。株式報酬と将来の株式発行による希薄化は正味還元に反映し、会社全体の時価総額をさらに縮める二重計算はしていない。米国基準ではリース資産・負債がすでに計上されており、10年後も同じ会計の考え方で比較した。確率加重後の10年価値をk8.5%で割り戻すと約4.75億ドル、現在の約14.67億ドルに対する差は約マイナス67.6%となり、判定は割高である。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。米国株の基本8.0%にquality +0.5%を加え、資本コストkを8.5%とする。βや時価総額による規模プレミアムは使わない。企業買収の失敗、データセンター投資の反動、競合の内製化はkへの追加上乗せではなく、悲観の売上・利益率・確率で評価する。存続自体に重大な疑義がある状態ではないためextraは0%。