結論
倉敷紡績(愛称クラボウ)は、糸を紡ぐ会社から、樹脂・フィルム・計測機器の会社へ姿を変えつつある。売上の4割強は化成品、2割弱は環境メカトロニクスで、祖業の繊維は3割まで下がった。繊維はもう稼ぎ頭ではない。
筆者の結論は、今の値段は割高、というものだ。稼ぎの質に比べて、市場の期待が先に走っている。26年3月期の純利益は過去最高だが、保有株の売却益が膨らませている。本業の営業利益は92億円にとどまり、中期計画の目標に乗るかどうかはこれからだ。
良い材料は三つある。半導体製造装置向けの樹脂と薬液濃度計が、AI向け投資の恩恵を受け始めた。保有株を減らして自社株買いと配当に回す方針も明確になった。英国の投資ファンドの株主提案は否決されたが、資本効率への圧力が経営に届いたことは確かだ。
悪い材料は、繊維の赤字と化成品の波だ。26年3月期の繊維は営業損失、化成品の営業利益は2割近く減った。成長事業は育っているが、会社全体を引っ張る大きさにはまだ届かない。
10年後を考えると、本業は物価の分だけ膨らみ、化成品と計測機器の厚みが増す。ただし中立の倍率は普通の優良企業並みに落ち着き、保有株を含めても今の時価総額を大きく超える伸びは見込みにくい。強気の筋書きが実現して初めて、今の値段に見合う。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、この会社を二つに分けて見るのがよい。一つは稼ぐ事業、もう一つは眠っている資産だ。
稼ぐ事業は、化成品の高機能品と環境メカトロニクスだ。営業利益は合わせて80億円を超え、資本は小さくて済む。ただし半導体の波に乗る事業で、10年先の利益を言い当てるのは難しい。バリュー投資家はここに高い倍率を払わない。営業利益率が7%に届かない会社に、優良の札は貼れないからだ。
眠っている資産は、約700億円の投資有価証券と賃貸不動産だ。足せる額は、含み益の税引き後で約270億円。時価総額の1割強にとどまる。簿価分は配当としてすでに利益に入っている。ここが戻ってくる確からしさが、安全域の源になる。会社は3年で200億円の自社株買いを決め、初年度に実行した。口だけでなく動いている点を、筆者は評価する。
一方で、資本の使い道には不安が残る。M&Aに100億円を使う計画は、買収で失敗した会社の多さを思えば、気が抜けない。保有株を売った資金が、稼ぎの低い事業に流れ込めば、価値は目減りする。
安全域を見ると、本業の質に対して今の値段はやや高い。保有株の分を差し引いた事業だけで見れば、市場は成長の持続をかなり織り込んでいる。もっと安い値段なら、持ちたい会社に変わる。
何で稼ぐ会社か
稼ぎ頭は化成品だ。26年3月期の売上は626億円で、全社の4割強を占める。半導体製造装置向けの高機能樹脂、半導体の後工程や太陽電池に使う機能フィルム、自動車の内装材に使う軟質ウレタン、断熱材、自動車フィルター用の不織布が柱になる。顧客は装置メーカーと自動車部品メーカーが中心で、景気と半導体投資の波をまともに受ける。
次に利益率が高いのが環境メカトロニクスだ。売上227億円で営業利益は39億円、利益率は17%ある。半導体の洗浄工程で薬液の濃度を測る装置、基板の検査装置、遺伝子の抽出装置、排ガス処理設備、鉄道の設備を調べるシステムなどを手がける。一つひとつは小さな市場だが、得意な分野では顧客の製造ラインに入り込んでいる。
繊維は売上432億円。ユニフォーム、国内のカジュアル衣料向け生地、デニム向けの糸、高機能素材のNaTechがある。国内工場を閉じて生産を海外へ移す途中で、26年3月期は営業損失になった。数量が構造的に細っている領域だ。
食品・サービスは即席麺の具材とホテルで、売上111億円、利益率は8%。不動産は賃貸が中心で、売上39億円に対して営業利益は23億円と利益率が高い。売上は繊維が重く、利益は化成品、環境メカ、不動産の三つが支える形になっている。
もう一つ見逃せないのが、持ち株の厚みだ。投資有価証券は約700億円で、時価総額の3割強に当たる。含み益も大きい。会社はこれを3年かけて減らし、成長投資と株主還元に回すと決めている。
優良さと弱いところ
堀、つまり他社がまねしにくい強みは、事業ごとにまるで違う。環境メカトロニクスと化成品の高機能品には堀がある。薬液濃度計や金属イオンを取るフィルターは、顧客の製造ラインに入ると入れ替えにくい。装置メーカーと組んだ共同開発の積み重ねも効く。ただし市場が小さく、大手が本気で入れば崩れる弱さもある。
軟質ウレタンや不織布は、取引先の自動車メーカーが値段を決める側にいる。ここに堀はない。繊維はさらに厳しい。海外の安い生産に勝つ道は、高機能素材とユニフォームの囲い込みしかない。
資本の稼ぎも物足りない。26年3月期の営業利益率は6%台で、過去10年の最良でも7%に届かない。会社が示す投下資本の稼ぎ(ROIC)は、中計の初年度の実績で4%台にとどまった。ROEが10%近くまで上がったのは、保有株の売却益のためで、本業の力ではない。
強みは財務の安全さだ。自己資本比率は65%を超え、現金が借金を上回る。景気が悪い年も配当を維持でき、悪い局面で投資を絞らなくて済む。
筆者が見るところ、この会社の一番の弱点は、事業が広がりすぎて資本の置き場がはっきりしないことだ。中計は半導体関連とライフサイエンスに絞ると宣言した。その言葉どおりに資本を動かせるかが、今後の優良さを決める。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
この会社は一つの業界では語れない。繊維、化成品、計測・装置、食品、不動産の五つの市場に立っている。
繊維は構造的に縮む。国内の衣料需要は人口とともに細り、海外の安い生産に押される。会社は糸とテキスタイルの縮小を決め、高機能素材とユニフォームに寄せている。ここは縮みを小さく抑えて赤字を止めることが目標で、成長は見込まない。
化成品は景気と半導体の二つの波に乗る。自動車向けの軟質ウレタンや不織布は、自動車の生産台数と部品の高機能化に連動し、数量は横ばいから微増が普通だ。半導体向けは、AI向けの先端品が伸びる一方、AI以外の用途は26年3月期の第3四半期まで低迷した。高機能樹脂は第4四半期に受注が戻ったが、波があることは変わらない。
環境メカトロニクスは、半導体の製造工程で薬液を測る装置や金属イオンを取るフィルターが主役になる。この分野には大手の計測機器メーカーがいる。会社の強みは、特定の薬液や工程に特化した小型の機器だ。遺伝子の抽出装置は、研究や臨床の現場で競合が多く、まだ顧客を広げる段階にある。
食品は即席麺の具材が主力で、人口減とともに国内数量は緩やかに減る。ホテルは国内旅行と訪日客の需要で、宿泊も飲食も伸びている。不動産は賃料が物価に遅れて上がる。
10年の流れを大きく見ると、人口減に縛られる繊維と食品が足を引っ張り、世界の半導体と研究の需要につながる化成品と計測が全体を押し上げる、という構図になる。会社の価値は、後者の伸びでほぼ決まる。
資本政策と M&A
資本の使い方は大きく変わろうとしている。中期経営計画(26年3月期から3年)は、配当を株主資本の4%(DOE)で安定させ、3年で200億円の自社株買いを行うと決めた。初年度は約71億円を実行した。配当は3年で約130億円の見込みだ。
原資は保有株の売却だ。政策保有株、つまり取引先との関係のために持つ株を、2028年3月期までに連結純資産の2割未満に減らす。3年で約230億円の売却を計画し、初年度は約73億円を実行した。株価の上昇で、売却収入は計画より100億円ほど上振れそうだ。
成長への投資は、3年で設備に210億円、M&Aに100億円。M&Aは半導体製造関連とライフサイエンスの会社が対象で、ここに失敗のリスクがある。
ガバナンスでは、2026年6月の株主総会で、英国の投資ファンド(AVI)の提案が否決された。提案は買収防衛策の廃止などを求めるもので、会社はすべて反対した。防衛策が残る一方、株式の分割を発表して個人投資家を呼び込むなど、市場との対話は活発になっている。
10年以内に買収される確率は、参考にしている推計で16%台と出る。ただし防衛策がある間は、友好的でない買収は難しい。
還元は方針(DOE4%、3年で200億円の自社株買い)に沿い、中立は純利益の合計の約89%。余った資産266億円(持ち合い株の含み益の税後)は還元に入れず時価総額に足す。
点検済み:中立の営業利益率8.3%は、会社の中期計画(28年3月期の営業利益130億円)と予想(27・28年3月期7.5〜7.9%)に近く、超えは繊維の赤字が止まる分と不動産の構成の変化。数字は据え置く。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
本業は静かに変わった。26年3月期の営業利益は92億円だが、中期計画は28年3月期に130億円を掲げる。化成品の高機能樹脂は第4四半期に受注が戻り、機能フィルムはAI向け半導体の後工程で伸びている。環境メカトロニクスは、半導体向けの薬液濃度計と基板検査装置が伸び、営業利益が前期より16%近く増えた。熊本の拠点を軸にした半導体向けの投資が、これから数年かけて効いてくる。
資本の使い方も変わった。保有株を3年で230億円売り、200億円を自社株買いに、130億円を配当に回す。DOE4%は景気に左右されない配当を意味する。含み益の大きい保有株を減らせば、ROEは自然に上がる。さらにM&Aの100億円が半導体関連とライフサイエンスで実を結べば、事業の厚みが一段増す。
繊維の赤字は、国内工場の閉鎖で出口が見えてきた。糸とテキスタイルを縮め、高機能素材とユニフォームへ寄せることで、悪い数字は消える方向だ。ここが黒字に戻るだけで、営業利益は10億円近く増える。
株主からの圧力もある。英国のファンドが防衛策の廃止を求めた事実は、資本効率の改善を急がせる。経営が株主の目を意識せざるを得ない状況は、バリュー投資にとって追い風だ。10年後に化成品が1,000億円規模、環境メカが400億円規模になれば、今の時価総額は割安に見える。
慎重な見方
営業利益92億円のうち、成長が見える事業は一部にすぎない。26年3月期は化成品の営業利益が2割近く減り、繊維は赤字だった。純利益が過去最高なのは保有株の売却益のためで、本業の増益ではない。中期計画の営業利益130億円は、過去10年で最高でも103億円だった会社にとって、重い目標だ。営業利益率も7%に届いたことがない。
半導体関連は魅力的な言葉だが、規模が小さい。化成品の中でも高機能樹脂と機能フィルムは一部で、残りは自動車向けのウレタンと不織布だ。自動車の生産は電動化と関税で揺れ、価格交渉の力は弱い。環境メカトロニクスの市場にも大手の計測機器メーカーがいて、ニッチの優位がいつまで続くか分からない。
M&Aには慎重になるべきだ。100億円という規模で半導体とライフサイエンスの会社を買えば、小さな買収になる。顧客に入り込めなければ、買った会社はただの小さな装置メーカーで、のれんだけが重く残る。ライフサイエンスは遺伝子抽出の分野で競合が多く、まだ顧客を広げる段階だ。
投下資本の稼ぎ(ROIC)は、中計の初年度の実績で4%台にとどまった。資本コストを下回っている。保有株を売っても、その資金が稼ぎの低い事業に回るなら、価値は上がらない。防衛策が残る以上、市場が期待する再編もすぐには起きない。今の値段は、こうした疑問を差し引いてなお高い。
どちらに重みを置いたか
成長事業の芽は本物だが、全体を引っ張るにはまだ小さい、というのが結論だ。強気の見方は、半導体関連の受注回復と資本政策の転換を的確に捉えている。慎重な見方は、本業の稼ぎの質と、M&Aの失敗リスクを正しく突いている。
どちらが強いかというと、利益の水準が過去の最良を大きく上回る前提を置く強気の見方のほうが、実現のハードルは高い。確率は中立を最も厚く置き、やや悲観を楽観側よりわずかに厚くした。悲観は、半導体の波に乗り損ね、買収も外すという重なりに備えて1割を超える水準に置く。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 2,830 円2,223 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 1,082 円850 億円)。 今の値に割り戻すと 2,087 円1,639 億円、今との差 −8.3%、 期待の年率 +5.6%(資本コスト 7.8%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 4,568 円3,589 億円 | 1,337 円1,050 億円 | +159.4% | +10.0% | 590 円464 億円 |
| やや楽観 | 20% | 3,683 円2,893 億円 | 1,222 円960 億円 | +115.5% | +8.0% | 981 円771 億円 |
| 中立 | 36% | 3,045 円2,392 億円 | 1,171 円920 億円 | +85.2% | +6.4% | 1,518 円1,192 億円 |
| やや悲観 | 21% | 2,096 円1,647 億円 | 967 円760 億円 | +34.6% | +3.0% | 643 円505 億円 |
| 悲観 | 13% | 774 円608 億円 | 611 円480 億円 | −39.1% | −4.8% | 180 円141 億円 |
| 加重平均 | 100% | 2,830 円2,223 億円 | 1,082 円850 億円 | +71.9% | +5.6% | 3,913 円3,074 億円 |
今の株価時価総額 2,276 円1,788 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.8% を下回るほど割高。
楽観 10% 半導体と生命科学が本業を引っ張り、資本の使い方も変わる 利益 192 億円 · PER 15.6 倍 · 株価時価総額 4,568 円3,589 億円
化成品は半導体向けの高機能品が伸び、軟質ウレタンなど自動車向けの土台も崩れない。出荷量は1.35倍に増え、高機能品の割合が上がって平均単価は物価を超えて伸びる。環境メカトロニクスは、半導体の薬液濃度計と遺伝子の抽出装置が顧客を広げ、販売台数が1.8倍に増える。
M&Aの100億円は半導体関連の計測会社と、研究向けの装置会社に向かい、買った会社が既存の顧客網に乗って伸びる。繊維は縮小の後に黒字へ戻り、高機能素材とユニフォームで利益率を4%まで引き上げる。
保有株は予定どおり減り、売却益と本業の利益が自社株買いと配当に回る。営業利益は270億円近くに達し、利益率は10%を超える。買収の話題にもなるが、防衛策のある間は友好的な再編に限られる。
- 化成品:数量 3.4(出荷量(万トン・樹脂・フィルム・ウレタン・不織布の合計換算、推定))× 価格 363(平均単価(万円/トン・名目、高機能品へのミックスを含む))→ 売上 1,225 億円・営業利益 123 億円。数量 1.35 倍・価格 1.45 倍、営業利益率 10.0%
- 繊維:数量 0.8(出荷量(万トン・糸換算、推定))× 価格 672(平均単価(万円/トン・名目、糸・生地・製品の平均))→ 売上 544 億円・営業利益 22 億円。数量 0.90 倍・価格 1.40 倍、営業利益率 4.0%
- 環境メカトロニクス:数量 10,800(販売台数(台・装置、フィルター、検査機の合計、推定))× 価格 5.30(1 台あたり売上(百万円・名目))→ 売上 572 億円・営業利益 97 億円。数量 1.80 倍・価格 1.40 倍、営業利益率 17.0%
- 食品・サービス:数量 799(販売・利用件数(万件・食品の出荷単位とホテルの利用の合計、推定))× 価格 0.20(1 件あたり売上(万円・名目))→ 売上 161 億円・営業利益 15 億円。数量 1.08 倍・価格 1.34 倍、営業利益率 9.0%
- 不動産:数量 21.1(賃貸面積(万平方メートル、推定))× 価格 2.60(年間賃料(万円/平方メートル・名目))→ 売上 55 億円・営業利益 32 億円。数量 1.08 倍・価格 1.30 倍、営業利益率 58.0%
倍率:事業の純利益 188 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 13.4% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 10.6%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 16.6 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 16.6 倍 + 余った現金(戻り方込み)266 億円。全体の PER 16.58 倍、時価総額 3,388 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。(2026-10-22 の式の直しで機械で置き直し、今は PER 15.57 倍・時価総額 2,989 億円。上の倍率は置き直す前の値)
確率:化成品と環境メカの両方が伸び、半導体とライフサイエンスのM&Aまで成功するには、複数の条件が重なる必要がある。実現すれば強いが、連続した成功は確率が低いので1割とした。
やや楽観 20% 化成品と計測機器が育ち、還元も続く 利益 156 億円 · PER 14.4 倍 · 株価時価総額 3,683 円2,893 億円
化成品は出荷量が1.25倍、環境メカは販売台数が1.6倍に増える。半導体向けの樹脂とフィルム、薬液濃度計が主力として定着し、営業利益率は化成品で9%、環境メカで16%になる。
繊維は縮小を続けるが、安城工場の閉鎖と海外への移管が効き、赤字を脱して小さな黒字を出す。ホテルは国内旅行と訪日客の需要で稼働が上がり、不動産の賃料は物価に少し遅れて上がる。
会社は保有株を減らして自社株買いと配当に回し、M&Aは小さな買収を数件こなす。営業利益は210億円台で、中計が28年3月期に掲げる130億円を大きく超える。倍率は優良企業並みで、特別な高評価は付かない。
- 化成品:数量 3.1(出荷量(万トン・樹脂・フィルム・ウレタン・不織布の合計換算、推定))× 価格 350(平均単価(万円/トン・名目、高機能品へのミックスを含む))→ 売上 1,096 億円・営業利益 99 億円。数量 1.25 倍・価格 1.40 倍、営業利益率 9.0%
- 繊維:数量 0.8(出荷量(万トン・糸換算、推定))× 価格 653(平均単価(万円/トン・名目、糸・生地・製品の平均))→ 売上 499 億円・営業利益 15 億円。数量 0.85 倍・価格 1.36 倍、営業利益率 3.0%
- 環境メカトロニクス:数量 9,600(販売台数(台・装置、フィルター、検査機の合計、推定))× 価格 5.07(1 台あたり売上(百万円・名目))→ 売上 487 億円・営業利益 78 億円。数量 1.60 倍・価格 1.34 倍、営業利益率 16.0%
- 食品・サービス:数量 784(販売・利用件数(万件・食品の出荷単位とホテルの利用の合計、推定))× 価格 0.20(1 件あたり売上(万円・名目))→ 売上 158 億円・営業利益 13 億円。数量 1.06 倍・価格 1.34 倍、営業利益率 8.0%
- 不動産:数量 20.5(賃貸面積(万平方メートル、推定))× 価格 2.60(年間賃料(万円/平方メートル・名目))→ 売上 53 億円・営業利益 30 億円。数量 1.05 倍・価格 1.30 倍、営業利益率 57.0%
倍率:事業の純利益 152 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 11.2% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 9.5%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 15.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 15.4 倍 + 余った現金(戻り方込み)266 億円。全体の PER 15.43 倍、時価総額 2,616 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。(2026-10-22 の式の直しで機械で置き直し、今は PER 14.38 倍・時価総額 2,243 億円。上の倍率は置き直す前の値)
確率:半導体関連の受注回復と資本政策の転換が中期計画どおりに進む筋書き。会社が掲げた目標の延長にあるので、実現しやすい側の上として2割を置いた。
中立 36% 本業は育つが、倍率は普通の優良企業並みに落ち着く 利益 126 億円 · PER 13.5 倍 · 株価時価総額 3,045 円2,392 億円
化成品の出荷量は1.15倍、環境メカの販売台数は1.4倍に増える。半導体向けの高機能樹脂と計測機器が伸びるが、自動車向けのウレタンと不織布は横ばいで、全体の伸びを抑える。化成品の営業利益率は8%弱、環境メカは14〜15%に収まる。
繊維は出荷量が2割減り、構造改革で赤字は止まるが利益率は2%にとどまる。食品とホテルは物価に沿って伸び、不動産は賃料が遅れて上がる。会社全体の営業利益は170億円台で、利益率は8%台に乗る。
保有株は計画どおり減り、売却資金は自社株買いと配当、設備投資に回る。M&Aは100億円の範囲で終わり、大きな成果も大きな失敗もない。倍率は普通の優良企業並みに落ち着く。
- 化成品:数量 2.9(出荷量(万トン・樹脂・フィルム・ウレタン・不織布の合計換算、推定))× 価格 345(平均単価(万円/トン・名目、高機能品へのミックスを含む))→ 売上 994 億円・営業利益 78 億円。数量 1.15 倍・価格 1.38 倍、営業利益率 7.8%
- 繊維:数量 0.7(出荷量(万トン・糸換算、推定))× 価格 643(平均単価(万円/トン・名目、糸・生地・製品の平均))→ 売上 463 億円・営業利益 9 億円。数量 0.80 倍・価格 1.34 倍、営業利益率 2.0%
- 環境メカトロニクス:数量 8,400(販売台数(台・装置、フィルター、検査機の合計、推定))× 価格 5.07(1 台あたり売上(百万円・名目))→ 売上 426 億円・営業利益 62 億円。数量 1.40 倍・価格 1.34 倍、営業利益率 14.5%
- 食品・サービス:数量 777(販売・利用件数(万件・食品の出荷単位とホテルの利用の合計、推定))× 価格 0.20(1 件あたり売上(万円・名目))→ 売上 156 億円・営業利益 12 億円。数量 1.05 倍・価格 1.34 倍、営業利益率 7.5%
- 不動産:数量 20.5(賃貸面積(万平方メートル、推定))× 価格 2.60(年間賃料(万円/平方メートル・名目))→ 売上 53 億円・営業利益 30 億円。数量 1.05 倍・価格 1.30 倍、営業利益率 57.0%
倍率:事業の純利益 122 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 10.1% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.9%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.7 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.7 倍 + 余った現金(戻り方込み)266 億円。全体の PER 14.69 倍、時価総額 2,062 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。(2026-10-22 の式の直しで機械で置き直し、今は PER 13.54 倍・時価総額 1,706 億円。上の倍率は置き直す前の値)
確率:本業は育つが、繊維の足かせと化成品の波が残る落としどころ。強気と慎重の言い分のどちらも一部ずつ当たるとみて、最も厚く3割台半ばを置いた。
やや悲観 21% 成長事業が伸び悩み、繊維の赤字が居残る 利益 81 億円 · PER 10.0 倍 · 株価時価総額 2,096 円1,647 億円
化成品は半導体向けが伸び悩み、自動車向けのウレタンと不織布も数量が横ばいで、出荷量は1.05倍にとどまる。単価は物価に届かず、営業利益率は5%台に下がる。環境メカは販売台数が1.2倍に増えるが、大手の計測機器メーカーに押されて利益率が12%に下がる。
繊維は出荷量が3割以上減り、価格競争で単価が物価に追いつかず、利益はほぼゼロになる。食品とホテル、不動産は物価に沿うが、全体の押し上げ力は小さい。
営業利益は110億円前後と、今の92億円から物価分も伸びない。M&Aは成果が出ず、保有株の売却資金も稼ぎの低い事業に吸われる。それでも財務は堅く、配当は減らさず自社株買いだけを抑える。
- 化成品:数量 2.6(出荷量(万トン・樹脂・フィルム・ウレタン・不織布の合計換算、推定))× 価格 325(平均単価(万円/トン・名目、高機能品へのミックスを含む))→ 売上 854 億円・営業利益 47 億円。数量 1.05 倍・価格 1.30 倍、営業利益率 5.5%
- 繊維:数量 0.6(出荷量(万トン・糸換算、推定))× 価格 600(平均単価(万円/トン・名目、糸・生地・製品の平均))→ 売上 351 億円・営業利益 2 億円。数量 0.65 倍・価格 1.25 倍、営業利益率 0.5%
- 環境メカトロニクス:数量 7,200(販売台数(台・装置、フィルター、検査機の合計、推定))× 価格 4.92(1 台あたり売上(百万円・名目))→ 売上 354 億円・営業利益 43 億円。数量 1.20 倍・価格 1.30 倍、営業利益率 12.0%
- 食品・サービス:数量 740(販売・利用件数(万件・食品の出荷単位とホテルの利用の合計、推定))× 価格 0.19(1 件あたり売上(万円・名目))→ 売上 142 億円・営業利益 9 億円。数量 1.00 倍・価格 1.28 倍、営業利益率 6.0%
- 不動産:数量 19.5(賃貸面積(万平方メートル、推定))× 価格 2.46(年間賃料(万円/平方メートル・名目))→ 売上 48 億円・営業利益 26 億円。数量 1.00 倍・価格 1.23 倍、営業利益率 55.0%
倍率:事業の ROE が 7.7% で k 7.75% 以下なので、正当化 PER は 1÷k=12.5 倍が上限(ためた利益は額面未満)。成長と堀の持ちを低く見て、その 8 割の 10.0 倍に置いた。余った資産は今の額の 0.75 倍(谷で食う)に戻り方 1.0 を掛けて足した。
確率:繊維の赤字が居残り、化成品の波が深くなる筋書き。成長事業の規模が小さく、売上の1割ほどの変動で全体の利益率が崩れやすいので、楽観側よりわずかに厚い2割ほどを置いた。
悲観 13% 成長の芽を取り逃がし、買収も外す 利益 18 億円 · PBR 0.5 倍 · 株価時価総額 774 円608 億円
化成品は半導体向けの顧客を大手に奪われ、自動車向けも北米の生産減で数量が落ちる。出荷量は2割減り、価格競争で単価は物価の半分しか上がらず、営業利益率は2%になる。環境メカも大手に押され、販売台数は1割減る。
繊維は出荷量が6割減り、工場の統廃合と海外拠点の損失が続いて赤字が居残る。M&Aは顧客に入り込めず、のれんの減損が出る。保有株は売却して還元を保つが、稼ぐ力が落ちた分、自社株買いと配当の余力は縮む。
営業利益は20億円台まで下がり、会社は賃貸不動産と保有株、純現金の価値が時価の中心になる。事業価値は小さく、市場は事業そのものでなく資産の価値で値付けする。
- 化成品:数量 2.0(出荷量(万トン・樹脂・フィルム・ウレタン・不織布の合計換算、推定))× 価格 288(平均単価(万円/トン・名目、高機能品へのミックスを含む))→ 売上 576 億円・営業利益 12 億円。数量 0.80 倍・価格 1.15 倍、営業利益率 2.0%
- 繊維:数量 0.4(出荷量(万トン・糸換算、推定))× 価格 528(平均単価(万円/トン・名目、糸・生地・製品の平均))→ 売上 190 億円・営業利益 −11 億円。数量 0.40 倍・価格 1.10 倍、営業利益率 -6.0%
- 環境メカトロニクス:数量 5,400(販売台数(台・装置、フィルター、検査機の合計、推定))× 価格 4.54(1 台あたり売上(百万円・名目))→ 売上 245 億円・営業利益 12 億円。数量 0.90 倍・価格 1.20 倍、営業利益率 5.0%
- 食品・サービス:数量 666(販売・利用件数(万件・食品の出荷単位とホテルの利用の合計、推定))× 価格 0.18(1 件あたり売上(万円・名目))→ 売上 120 億円・営業利益 4 億円。数量 0.90 倍・価格 1.20 倍、営業利益率 3.0%
- 不動産:数量 17.6(賃貸面積(万平方メートル、推定))× 価格 2.26(年間賃料(万円/平方メートル・名目))→ 売上 40 億円・営業利益 20 億円。数量 0.90 倍・価格 1.13 倍、営業利益率 50.0%
倍率:事業の稼ぐ力(純利益÷k)は小さいので、売れる資産の税後を床にして、今の自己資本 1,322 億円に 0.46 倍を掛けた。事業が優良さを失い、ROE が k を大きく下回るので、ためた利益に倍率は付けない。
確率:成長事業が育たず、買収も外し、繊維の赤字も止まらない複合の筋書き。会社の財務は堅く、事業が丸ごと消えるわけではないので、1割強とした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
化成品
半導体製造装置向けの高機能樹脂、機能フィルム、自動車内装材向け軟質ウレタン、断熱材、自動車フィルター向け不織布。
| 数量出荷量(万トン・樹脂・フィルム・ウレタン・不織布の合計換算、推定) | 価格平均単価(万円/トン・名目、高機能品へのミックスを含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 2.5 | 250 | 626 | 42 |
| 10 年後 中立 | 2.9 | 345 | 994 | 78 |
取り方:開示は金額だけなので、出荷量を推定した。ウレタンや不織布は 1 トン数十万円、フッ素樹脂の加工品や機能フィルムは数百万〜千万円と開きが大きく、全体の平均を 250 万円/トンと置くと約 2.5 万トンになる。数量は実質、物価 3% と高機能品への入れ替わりは単価に入れる。
繊維
糸・テキスタイル(ユニフォーム、カジュアル、デニム向け糸)と高機能素材 NaTech。国内工場を閉じ、海外拠点へ移している。
| 数量出荷量(万トン・糸換算、推定) | 価格平均単価(万円/トン・名目、糸・生地・製品の平均) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 0.9 | 480 | 432 | −9 |
| 10 年後 中立 | 0.7 | 643 | 463 | 9 |
取り方:糸と生地、縫製品の売上を糸換算の出荷量に直した推定。平均単価を 480 万円/トンと置くと約 0.9 万トンになる。数量は国内の衣料需要と同じく細る方向、単価は物価と高機能品の割合で動く。
環境メカトロニクス
半導体の薬液濃度計・基板検査装置、遺伝子の抽出装置、排ガス処理設備、ウェハー洗浄装置、鉄道インフラ検査など。
| 数量販売台数(台・装置、フィルター、検査機の合計、推定) | 価格1 台あたり売上(百万円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 6,000 | 3.78 | 227 | 39 |
| 10 年後 中立 | 8,400 | 5.07 | 426 | 62 |
取り方:装置の大型案件(排ガス処理設備など)から消耗品に近い小型機器まで混ざるので、販売台数は推定。売上 227 億円を約 6,000 台で割ると 1 台 380 万円ほどになる。台数は実質、物価と大型案件への偏りは 1 台あたり売上に入れる。
食品・サービス
即席麺の具材などの食品と、ホテル(宿泊・レストラン・宴会)。
| 数量販売・利用件数(万件・食品の出荷単位とホテルの利用の合計、推定) | 価格1 件あたり売上(万円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 740 | 0.15 | 111 | 9 |
| 10 年後 中立 | 777 | 0.20 | 156 | 12 |
取り方:食品の出荷単位とホテルの宿泊・飲食の利用を 1 件として数えた推定。1 件 0.15 万円ほどなら約 740 万件になる。件数は実質、物価は 1 件あたり売上に入れる。
不動産
賃貸物件の運用。遊休地は収益化を進め、一部は売却して原資に回す。
| 数量賃貸面積(万平方メートル、推定) | 価格年間賃料(万円/平方メートル・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 19.5 | 2.00 | 39 | 23 |
| 10 年後 中立 | 20.5 | 2.60 | 53 | 30 |
取り方:売上 39 億円を平均の年間賃料 2 万円/平方メートルで割った推定面積。面積は実質、賃料の改定は単価に入れる。
リスクと懸念
繊維の赤字が居残る
26年3月期の繊維は営業損失。国内工場を閉じて海外へ移しても、国内の衣料需要が人口とともに細るため、数量の縮みは止まらない。縮みが想定より速ければ、赤字の幅が広がり、全体の利益率の足を引っ張る。
半導体向けの需要の波
高機能樹脂と機能フィルムは、AI向けの先端品が伸びる一方、AI以外の半導体向けは26年3月期の第3四半期まで低迷した。投資の波が逆に振れれば、化成品と環境メカの利益が同時に落ちる。
自動車向けの数量と値段
軟質ウレタン、断熱材、不織布は自動車メーカーが値段を決める側にいる。北米の自動車向けフィルムは26年3月期に減った。関税や電動化で自動車の生産が揺れると、化成品の土台が崩れる。
M&Aの失敗とのれん
3年で100億円を半導体とライフサイエンスの会社に投じる計画がある。顧客に入り込めない会社を買えば、のれんの減損が利益を削る。小さな買収が続けば、資本の稼ぎが上がらない理由にもなる。
保有株の値下がりと税
約700億円の投資有価証券は時価総額の3割強に当たり、含み益に税がかかる。株式市場が大きく下がれば、売却で見込んだ原資が縮み、自社株買いの余力も減る。売却の速度は市場次第だ。
株主との関係
英国のファンドの提案は否決されたが、買収防衛策の廃止を求める声が消えたわけではない。経営と株主の距離が縮まらなければ、資本政策の転換が止まったと受け取られ、市場の評価が下がる恐れがある。
米国の関税
撹拌脱泡装置は米国の関税の影響で、26年3月期に低調だった。環境メカのうち米国向けは一部だが、関税が広がれば、半導体向けを含む輸出の採算に響く。
今後の分かれ目
- 化成品の営業利益が2期続けて増え、営業利益率が8%を超えたら
- 中立の利益率を上げ、楽観側の確率を厚くしてよい。事業の質が一段上がったと判断できる。
- 環境メカトロニクスの売上が270億円(中計目標)に早く届いたら
- 数量の伸びを上方修正し、やや楽観より上の筋書きを重く見る。
- M&Aが小さな案件を重ねるだけで、ROICが4%台のままなら
- 資本の使い方に疑いを持ち、やや悲観の確率を上げる。
- 保有株の売却が計画を上回って進み、自社株買いの追加が決まったら
- 還元の合計を上方修正する。ただし事業の稼ぎが変わらなければ、倍率は動かさない。
- AI向け以外の半導体投資が再び落ち込み、高機能樹脂の受注が前年を割ったら
- 化成品の利益率を下げ、やや悲観の筋書きに重みを移す。
- 繊維の営業損失が27年3月期になっても解消しなかったら
- 構造改革の効果を疑い、繊維を縮小から撤退の候補に置き直す。悲観の確率を少し上げる。
見ておくもの
- 化成品・環境メカトロニクスの営業利益率(四半期)
- 高機能樹脂とフィルムの受注の動き
- 繊維の営業損益の黒字転換の時期
- 政策保有株の売却額と自社株買いの追加
- M&Aの実行の有無と買収後ののれん
- 買収防衛策の見直しと株主提案
倍率と資本コストの決め方
倍率は今の株価や過去の市場評価から置かず、資本コスト 7.75%・事業の ROE・長期成長率 4% から、正当化 PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g) を出して決めた。中立は事業の ROE が 10% 前後、RONIC 約 9% で式の上限は約 14 倍。利益の質(繊維の赤字、売却益で膨らんだ過去の純利益、ROIC 4%台)を見て上限の 8.5 割に置いた。余った資産は、持ち合い株の含み益の税後(有報の評価差額金 266 億円)だけを足し、戻り方は 1.0 とした。簿価分は受取配当として純利益に入っているので足していない。今の PER は倍率の根拠に使っていない。リースの影響は小さい(店舗運営でない)。10 年後の数字は今と同じ形(家賃を営業費用に入れた形)でそろえた。 2026-10-22 の見直し(R1〜R4)で倍率・時価総額を機械で置き直した(前後は notes/audit/fix_stage2_20261022.csv)。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。