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AGC 5201

建築・自動車ガラスの世界首位級の地位とEUVマスクブランクスの成長は本物だが、ライフサイエンスの再建とROEの資本コスト割れの解消が本質価値を左右する

適正
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)5,959 円1.27 兆円10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)5,480 円1.16 兆円差 +8.7%
10 年後から見ると 適正 価値 5,959 円1.27 兆円 · 差 +8.7% · 期待の年率 +8.0%
期待の年率リターン(10 年)+8.0%資本コスト比 −0.2 pt
推定の資本コスト8.3%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3%・10 年国債 3%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 8.3% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

AGCは板ガラス由来の最大手で、建築用ガラスでは世界シェア約3%とサンゴバン・日本板硝子(NSG)・福耀(Fuyao)と並ぶ上位の一角を占め、自動車用ガラスでは世界トップクラスのシェアを持つ。加えて半導体製造装置やEUV露光用マスクブランクスを擁する電子事業、東南アジアで苛性ソーダ・塩化ビニルの生産能力首位を握る化学品事業、バイオ医薬の受託製造(CDMO)を担うライフサイエンス事業という、素材から先端部材まで広がる多角化企業である。ここでは建築ガラス・自動車ガラス・電子・化学品・ライフサイエンスの5つの事業を、それぞれの市場規模や生産量×単価で積み上げた。

建築ガラスと自動車ガラスは国内の住宅着工減少という向かい風を抱えつつも、海外展開と車載ガラスの高機能化(ADAS対応・遮熱・パノラミックルーフ)で緩やかな成長を見込む。電子事業はディスプレイ用ガラスの構造的な縮小をEUVマスクブランクス・半導体材料の伸びがどこまで打ち消すかが鍵で、化学品は東南アジアでの生産能力拡大がもたらす規模の効果に支えられる。ライフサイエンスは2024年の1,183億円の大型減損から立ち直れるかが最大の不確実性で、2026年度の単体黒字化計画の成否が10年後の姿を左右する。

資本コスト8.25%(基本の7.5%に循環・値決め・借金の調整+1.0%)に対し、今のROEは4.7%とまだ遠く、中立の筋書きでも10年後に資本コストへ近づくが届かない計算になった。10年後の中立のPERは10.8倍で、ROEが資本コストをわずかに下回るので、1÷k(約12倍)のすぐ下に置いた。確率加重した10年の本質価値は、物価上昇と緩やかな収益改善を映して今の時価総額を約4%下回り、「適正」の範囲と見る。ただ、今の実際のPER17.0倍が映す回復期待には慎重な見方をとる。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、AGCは「広い堀を持つ優良企業」と「転換期の多角化コングロマリット」の間にある会社だと見る。建築・自動車ガラスの世界的な地位、EUVマスクブランクスという稀少な技術的優位は、10年後も残る可能性が高い強みである。一方で、ディスプレイ用ガラスの構造的な競争力低下、ライフサイエンスの大型減損というオーナー利益を損なう意思決定が続いた事実は軽視できない。

経営が中期経営計画で掲げるROE8%以上・D/E比率0.5以下という目標自体は妥当な方向だが、2025年にすでに一度下方修正されており、目標と実績の距離をどう縮めるかが問われる局面にある。安全域は、今のPBR0.79倍という水準が、含み資産の少ない製造業としては割安に見える一方、ROEが資本コストを下回る状態が続くなら、その安さは「正当な安さ」でもある。優良さの証明(ライフサイエンスの黒字化、EUVマスクブランクスの事業拡大)が実際に進むかを、業績の推移で確かめる必要がある。

何で稼ぐ会社か

事業は5つに分かれる。建築ガラス事業は、世界首位級のシェアを持つ板ガラス(フロートガラス)を基に、ビルや住宅向けの高機能ガラス(Low-E・遮熱・防火)を手がける。競合はサンゴバン(フランス)・日本板硝子(NSG)・福耀(中国)で、国内の新築住宅着工の長期減少を、海外(欧州・アジア)の建築需要と高付加価値品へのシフトで補う構図が続く。

自動車ガラス事業(オートモーティブ)は、新車向け(OEM)・補修向け(アフターマーケット)・車載ディスプレイ用カバーガラスで世界ナンバーワンシェアを持つ。顧客は世界の自動車メーカーで、世界生産台数の動向に業績が連動する一方、ADAS(先進運転支援システム)対応フロントガラスやパノラミックルーフガラスなど、1台当たりの搭載単価を上げる高機能化が成長の軸になる。中国の福耀が自国の自動車生産拡大を背景に急速にシェアを伸ばしており、最大の競争上の脅威である。

電子事業は、液晶・有機ELディスプレイ用ガラス基板と、半導体製造装置向けセラミック部材・EUV露光用マスクブランクスを合わせた事業で、前者は中国メーカーの台頭で構造的に縮小が続くのに対し、後者はAI投資による半導体の微細化・高性能化を背景に成長している。EUVマスクブランクスは世界でAGCとHOYAの2社しか量産できない素材で、AGCはガラス材料からコーティングまで一貫製造できる唯一の企業という強みを持つ。

化学品事業は、タイ・インドネシア・ベトナムを中心とした東南アジアで苛性ソーダ・塩化ビニル樹脂・エピクロロヒドリンの生産能力首位を握り、電解・石化のバリューチェーンで地域シェア5割超を目指す増産投資を進めている。

ライフサイエンス事業は、低分子・バイオ医薬品の受託製造(CDMO)を担う。バイオベンチャーの資金調達が細った2024年に大型減損を計上し、2025年に米コロラド拠点から撤退するなど事業の絞り込みを進めている。

優良さと弱いところ

堀の強さは事業ごとに差がある。建築・自動車ガラスは、大型の溶解炉・成型設備という巨額の初期投資と品質基準の高さが新規参入を阻み、少数の大手(AGC・サンゴバン・NSG・福耀)による寡占が続く。自動車ガラスでは自動車メーカーとの長期の共同開発関係が切り替えコストを生み、価格決定力をある程度支えている。一方、電子事業のディスプレイ用ガラスは中国メーカーの価格競争にさらされ価格決定力を失っており、EUVマスクブランクスという稀少な技術的優位でこれを補う構図になっている。化学品は東南アジアでの生産規模の優位はあるが、基本的にはコモディティで、世界的な供給過剰・中国勢の輸出には価格決定力が弱い。ライフサイエンスはLonza・Catalentなど大手CDMOに比べ規模が小さく、まだ堀は確立していない。

資本効率は、2022年度・2024年度に純損失を計上するなど、安定した高ROEを続けてきた会社ではない。2025年度のROEは4.7%で、資本コスト8.25%を下回る状態が続いている。経営は中期経営計画「AGC plus-2026」でROE8%以上・D/E比率0.5以下を掲げ、ライフサイエンスの不振事業からの撤退、ディスプレイ用ガラスの構造改革、政策保有株式の縮小など資産効率の改善を進めているが、目標は2025年2月に下方修正されており、計画の実行力には実績で示す必要がある段階にある。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

業種ノート(ガラス・土石製品/板ガラス・住宅建材)が示すとおり、板ガラス事業は国内の新築住宅着工戸数の長期縮小という構造的な向かい風を抱えつつ、リフォーム需要・海外展開・高付加価値品へのシフトで緩やかな縮小〜横ばいにとどまる業種である。AGCは国内3社(AGC・日本板硝子・セントラル硝子)の一角だが、グローバル展開では欧州のサンゴバン、中国で急成長する福耀との競合が重要になる。

自動車ガラスは世界の自動車生産動向に連動するが、EV化は内燃機関のようにガラス需要を直接減らすものではなく、むしろパノラミックルーフや大型ディスプレイ一体型ガラスなど、1台当たりの搭載面積・機能が増える方向に効く。中国の福耀は自国の巨大な自動車市場を足場に生産能力を増強し続けており、AGC・サンゴバンの牙城だった高価格帯にも攻勢をかけている。

電子事業が属する半導体・ディスプレイ業界は、AI投資による半導体の需要拡大という業種の中でも例外的な成長領域と、液晶パネルの中国シフトという構造不況が併存する。半導体製造装置(WFE)市場への投資は2〜3年ごとに循環の山と谷があり、EUVマスクブランクスのような先端品はこの循環と、チップレット・2.5D/3Dパッケージングという技術転換の両方に影響を受ける。

化学品が属する基礎化学品業界は、東南アジアの人口増・都市化を背景とした需要拡大の余地があるが、中国の設備過剰による輸出価格競争という共通の構造リスクを抱える。

ライフサイエンスのCDMO業界は、バイオベンチャーへの資金流入という外部環境に業績が強く左右される。米国の金利が高止まりした2023〜2024年に資金調達が細り、業界全体で受注が落ち込んだが、金利低下とともに需要は回復に向かうとの見方が多い。競合としてLonza・Catalent・WuXi Biologicsなどの大手が存在し、AGCはその一角を占めるにすぎない。

資本政策と M&A

株主還元は、連結配当率40%を目途とした安定配当に加え、機動的な自社株買いを組み合わせ、連結総還元率50%以上・DOE(株主資本配当率)目途約3%を掲げる。政策保有株式は58銘柄・524億円(みなし保有を含む)と規模は小さく、原則として持たない方針のもとで売却を進めており、本質価値への影響は限定的である。

M&Aは、ライフサイエンス事業で欧米のバイオ医薬CDMO拠点を買収して立ち上げてきたが、2024年の大型減損・2025年の米コロラド拠点撤退は、その投資判断の難しさを映す。今後は反対に、不振事業の縮小・事業譲渡と、EUVマスクブランクス・半導体材料など戦略事業への資源の再配分が資本配分の軸になる。大手による買収・TOBの対象になる可能性は、建築・自動車ガラスでの世界的な地位の高さから低いとみる。

(点検済み:中立の営業利益率が過去10年の平均5.6%を大きく超える9.1%だったので、今期と元の置き方の中間(8.2%、ライフサイエンスは黒字化しても4%)に下げた。政策保有株・株数の二重は無し。)

見直し(費用点検):中立の純利益÷営業利益 0.62 は過去 5 期の中央値 0.53 や会社の予想(2026/12 で 0.57)より高く根拠が無かったので、楽観・やや楽観・中立を 0.55 に下げ、自己資本・還元・倍率・時価総額へ流した。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

楽観的な見方の核心は、電子事業と化学品の構造的な成長が、国内縮小に向かう建築・自動車ガラスを十分に補って余るという点にある。EUVマスクブランクスはAGCとHOYAの2社しか量産できない希少な技術で、AI投資による半導体の微細化・高性能化が進むほど需要が増える。AGCは2025年にマスクブランクス生産能力を30%増強し、売上高400億円以上を目指しており、この成長が本格化すれば電子事業全体の収益性を大きく引き上げる。

化学品事業も、タイ・インドネシア・ベトナムでの増産投資がすでに完了に近づき、東南アジアでの苛性ソーダ・塩化ビニルのシェア5割超という計画が実現すれば、人口増と都市化が続く地域で安定した収益源になる。

自動車ガラスも、EVシフトはガラス需要そのものを減らすものではなく、パノラミックルーフや大型ディスプレイ一体型ガラスといった高付加価値品への単価シフトが、台数の伸び悩みを補って余る。

ライフサイエンスも、米コロラド拠点撤退という身を切る改革を終え、残った拠点(デンマーク・イタリアなど)に集中することで、2026年度の単体黒字化という当初計画どおりの回復が見込める。バイオベンチャーへの資金流入は米利下げが進めば回復に向かい、CDMO業界全体の追い風がAGCにも及ぶ。経営陣が掲げるVision2030のROE10%以上は、この成長が順調に進めば十分に射程に入る。

慎重な見方

慎重な見方は、AGCがここ数年、資本配分の判断を繰り返し誤ってきたという実績に根ざす。ライフサイエンスでは買収で拠点を広げた直後にバイオベンチャーの資金調達難に直面し、1,183億円の減損と米拠点撤退という後退を強いられた。電子事業のディスプレイ用ガラスも、中国需要の70%シフトという構造変化を読み切れず、国内生産能力の半減という後追いの対応に終わった。中期経営計画も2025年にすでに下方修正されており、新たな戦略事業(EUVマスクブランクス・化学品の東南アジア拡大)についても、同じように計画が後ろ倒しになるリスクは小さくない。

建築・自動車ガラスという中核事業自体も、国内の住宅着工減少は人口減が続く限り止まらず、自動車ガラスでは中国の福耀が自国市場を足場に生産能力・技術力を急速に高めており、AGCの世界的な地位がこのまま10年後も保たれるとは限らない。半導体製造装置市場は2〜3年ごとに循環の谷があり、EUVマスクブランクスの成長も、次の下降局面では一時的に大きく鈍る。

ROEが資本コスト8.25%を下回る状態が続く限り、いくら売上を伸ばしても株主価値は増えない。経営が成長投資を優先し続け、ROEの改善が計画どおりに進まないなら、今のPBR0.79倍という「安さ」はむしろ正当な評価であり、割安とは言えない。

どちらに重みを置いたか

強気の見方が指摘するEUVマスクブランクス・化学品の構造的な成長は実在するが、電子事業の売上の過半はまだディスプレイ用ガラスという縮小事業が占め、ライフサイエンスの黒字化も2024年の失敗の直後だけに実績で確かめる段階にある。資本配分の判断ミスが続いた実績を重く見て、確率は慎重な見方にやや多く寄せ、中立の筋書きでもROEが資本コストにようやく近づく程度にとどまる想定とした。10年後は電子・化学品の伸びが効いてくる分、強気の見方の確率をやや厚くしている。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した株価時価総額 9,203 円1.95 兆円(+ 配当配当と自社株買いの合計 2,666 円5,663 億円)。 今の値に割り戻すと 5,959 円1.27 兆円、今との差 +8.7%、 期待の年率 +8.0%(資本コスト 8.3%)→ 適正

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 15% 17,651 円3.75 兆円 4,185 円8,890 億円 +298.5% +14.8% 3,275 円6,958 億円
やや楽観 25% 12,379 円2.63 兆円 3,223 円6,846 億円 +184.7% +11.0% 3,900 円8,285 億円
中立 32% 8,199 円1.74 兆円 2,575 円5,470 億円 +96.6% +7.0% 3,448 円7,324 億円
やや悲観 20% 3,679 円7,814 億円 1,759 円3,737 億円 −0.8% −0.1% 1,088 円2,310 億円
悲観 8% 1,258 円2,673 億円 706 円1,500 億円 −64.1% −9.7% 157 円334 億円
加重平均100% 9,203 円1.95 兆円2,666 円5,663 億円 +116.6% +8.0% 11,868 円2.52 兆円

今の株価時価総額 5,480 円1.16 兆円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.3% を下回るほど割高。

楽観 15% EUVマスクブランクス・化学品が主力に育ち、ライフサイエンスも再建してROE10%の射程に入る 利益 2,659 億円 · PER 14.1 倍 · 株価時価総額 17,651 円3.75 兆円

半導体の微細化・AI投資の長期的な拡大を背景に、EUVマスクブランクス・半導体材料が電子事業の主力に育ち、ディスプレイ用ガラスの縮小を大きく上回って成長する。東南アジアの化学品事業は地域シェア5割超を実現し、都市化・人口増を取り込んで安定した収益源になる。自動車ガラスはADAS対応・大型ディスプレイ一体型ガラスなど高付加価値品へのシフトが進み、世界生産台数がほぼ横ばいでも売上・利益は伸びる。建築ガラスも新興国の建築需要と高機能品シフトで緩やかに成長する。ライフサイエンスは米コロラド撤退後の体制が定着し、CDMO業界の回復とともに相応の収益を生む事業に育つ。経営が掲げるVision2030のROE10%以上が実現圏内に入り、D/E比率0.5以下という財務目標とあわせて、市場の評価も改善する。

  • 建築ガラス:数量 1,696(世界の建築用ガラス市場規模(億ドル))× 価格 2.6%(AGCの売上換算シェア)→ 売上 6,600 億円・営業利益 429 億円
  • 自動車ガラス(オートモーティブ):数量 9,870(世界の自動車生産台数(万台))× 価格 1.09(1台相当あたりのAGC売上換算単価(万円))→ 売上 10,758 億円・営業利益 914 億円
  • 電子:数量 2,426(世界のWFE(半導体製造装置)市場とディスプレイ用ガラス基板市場の合計(億ドル))× 価格 2.8%(AGCの売上換算シェア)→ 売上 10,188 億円・営業利益 1,783 億円
  • 化学品:数量 520(基礎化学品の出荷量(万トン、概算))× 価格 20(1トンあたりの平均単価(万円))→ 売上 10,400 億円・営業利益 1,144 億円
  • ライフサイエンス:数量 519(世界のバイオ医薬CDMO市場規模(億ドル))× 価格 5.5%(AGCの売上換算シェア)→ 売上 4,282 億円・営業利益 600 億円

倍率:事業の純利益 2,659 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 11.7% が k 8.25% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 10.0%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.1 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.1 倍。全体の PER 14.1 倍、時価総額 37,495 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:EUVマスクブランクス・化学品の構造的な成長がVision2030の目標通りに進む組み合わせで、方向性は正しいが実現には多くの条件が必要なため15%にとどめる。

やや楽観 25% 電子・化学品の伸びが着実に積み上がり、ROEは資本コストを上回る水準まで改善する 利益 2,042 億円 · PER 12.9 倍 · 株価時価総額 12,379 円2.63 兆円

EUVマスクブランクス・半導体材料の成長がディスプレイ用ガラスの縮小を上回り続け、電子事業は会社の収益の柱に育つ。化学品は東南アジアでの生産能力拡大の効果が着実に表れ、利益率が緩やかに改善する。自動車ガラスは世界生産がやや伸び悩む中でも、高機能品へのシフトで売上は増え続ける。建築ガラスは国内縮小を海外需要がほぼ相殺し横ばいを保つ。ライフサイエンスは黒字化が定着し、CDMO業界の回復とともに中規模の収益源に育つ。全社のROEは資本コスト8.25%をやや上回る水準まで改善し、Vision2030の目標には届かないものの、着実な前進を示す。

  • 建築ガラス:数量 1,672(世界の建築用ガラス市場規模(億ドル))× 価格 2.5%(AGCの売上換算シェア)→ 売上 6,368 億円・営業利益 363 億円
  • 自動車ガラス(オートモーティブ):数量 9,588(世界の自動車生産台数(万台))× 価格 0.99(1台相当あたりのAGC売上換算単価(万円))→ 売上 9,519 億円・営業利益 733 億円
  • 電子:数量 2,212(世界のWFE(半導体製造装置)市場とディスプレイ用ガラス基板市場の合計(億ドル))× 価格 2.5%(AGCの売上換算シェア)→ 売上 8,129 億円・営業利益 1,301 億円
  • 化学品:数量 496(基礎化学品の出荷量(万トン、概算))× 価格 19(1トンあたりの平均単価(万円))→ 売上 9,538 億円・営業利益 992 億円
  • ライフサイエンス:数量 455(世界のバイオ医薬CDMO市場規模(億ドル))× 価格 4.5%(AGCの売上換算シェア)→ 売上 3,071 億円・営業利益 353 億円

倍率:事業の純利益 2,042 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 9.4% が k 8.25% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.8%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 12.9 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.9 倍。全体の PER 12.88 倍、時価総額 26,296 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:電子・化学品の伸びが着実に積み上がる一方、建築・自動車は横ばいという、現在の戦略の延長線上にある前向きなシナリオ。

中立 32% 自動車・建築ガラスは構造的に縮小するが、電子・化学品の伸びが相殺し、ROEは資本コストにわずかに届かない 利益 1,437 億円 · PER 12.1 倍 · 株価時価総額 8,199 円1.74 兆円

国内の人口減・新築住宅着工の長期縮小が続き、建築ガラスは海外需要で下支えされながらもほぼ横ばいにとどまる。自動車ガラスは世界生産がほぼ横ばいの中、高機能品へのシフトで緩やかに売上が増える一方、中国の福耀など新興勢力との競争で価格決定力は徐々に薄れる。電子事業はディスプレイ用ガラスの縮小が続くが、EUVマスクブランクス・半導体材料の成長がこれを上回り増収増益を続ける。化学品は東南アジアの生産能力拡大の効果が表れ緩やかに伸びる。ライフサイエンスは黒字化が定着するものの、Lonza・Catalentなど大手に比べ規模は小さいまま収益性は中位にとどまる。全社のROEは10年かけて8%強まで改善するが、資本コスト8.25%にはわずかに届かず、Vision2030が掲げるROE10%以上には届かない。

  • 建築ガラス:数量 1,648(世界の建築用ガラス市場規模(億ドル))× 価格 2.4%(AGCの売上換算シェア)→ 売上 5,913 億円・営業利益 266 億円
  • 自動車ガラス(オートモーティブ):数量 9,500(世界の自動車生産台数(万台))× 価格 0.86(1台相当あたりのAGC売上換算単価(万円))→ 売上 8,170 億円・営業利益 515 億円
  • 電子:数量 1,839(世界のWFE(半導体製造装置)市場とディスプレイ用ガラス基板市場の合計(億ドル))× 価格 2.3%(AGCの売上換算シェア)→ 売上 6,345 億円・営業利益 901 億円
  • 化学品:数量 488(基礎化学品の出荷量(万トン、概算))× 価格 19(1トンあたりの平均単価(万円))→ 売上 9,116 億円・営業利益 857 億円
  • ライフサイエンス:数量 393(世界のバイオ医薬CDMO市場規模(億ドル))× 価格 4.2%(AGCの売上換算シェア)→ 売上 2,476 億円・営業利益 99 億円

倍率:事業の純利益 1,437 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 7.4% が k 8.25% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 12.1 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.1 倍。全体の PER 12.12 倍、時価総額 17,416 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:自動車・建築ガラスの構造的な縮小と電子・化学品の伸びがおおむね相殺するという、業種ノートの前提に沿った最も中心的な10年の筋書き。

やや悲観 20% 中国勢との競争激化と半導体投資の失速が重なり、ROE改善が止まる 利益 969 億円 · PER 7.1 倍 · 株価時価総額 3,679 円7,814 億円

自動車ガラスでは福耀など中国勢がさらにシェアを広げ、価格決定力の低下が続く。建築ガラスは国内縮小が海外需要の伸びを上回り、売上規模が縮む。電子事業はEUVマスクブランクスの成長が想定より鈍く、ディスプレイ用ガラスの縮小を相殺できないまま収益性が伸び悩む。化学品は東南アジアでも中国勢の供給過剰による価格競争が強まり、増産投資の効果が目減りする。ライフサイエンスは黒字化はするものの小幅にとどまり、CDMO業界での存在感は限られたままになる。全社のROEは4〜5%台で足踏みし、資本コストとの差が10年後も残る。

  • 建築ガラス:数量 1,600(世界の建築用ガラス市場規模(億ドル))× 価格 2.1%(AGCの売上換算シェア)→ 売上 5,078 億円・営業利益 203 億円
  • 自動車ガラス(オートモーティブ):数量 8,648(世界の自動車生産台数(万台))× 価格 0.68(1台相当あたりのAGC売上換算単価(万円))→ 売上 5,841 億円・営業利益 321 億円
  • 電子:数量 1,519(世界のWFE(半導体製造装置)市場とディスプレイ用ガラス基板市場の合計(億ドル))× 価格 2.1%(AGCの売上換算シェア)→ 売上 4,784 億円・営業利益 550 億円
  • 化学品:数量 432(基礎化学品の出荷量(万トン、概算))× 価格 17(1トンあたりの平均単価(万円))→ 売上 7,322 億円・営業利益 644 億円
  • ライフサイエンス:数量 296(世界のバイオ医薬CDMO市場規模(億ドル))× 価格 3.6%(AGCの売上換算シェア)→ 売上 1,598 億円・営業利益 64 億円

倍率:事業の ROE 5.0% が k 8.25% 以下なので PER は 1÷k=11.8 倍まで。中国勢との値下げ競争と市況の谷で ROE が 5% に落ちる年。k を大きく下回り、上限の 6 割に置く。(上限の約 60% の 7.1 倍)

確率:福耀など中国勢の台頭と半導体投資の失速が重なるシナリオで、過去の実例(ディスプレイ用ガラスの中国シフト)を踏まえると十分に起こりうる。

悲観 8% ディスプレイ・化学品で中国勢に押され、自動車ガラスも福耀に主要顧客を奪われる構造的な負け筋 利益 82 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 1,258 円2,673 億円

ディスプレイ用ガラスは中国勢の内製化・増産で市場そのものが縮小し、EUVマスクブランクスの成長もHOYAや新興の代替技術に押されて想定より鈍い。電子事業全体が縮小する。自動車ガラスでは福耀が技術力・コスト競争力を高め、AGCの主要顧客の一部を奪う。建築ガラスは国内の人口減が想定より速く進み、海外展開だけでは補えず縮小する。化学品は東南アジアでも中国の過剰生産能力による輸出攻勢が続き、増産投資が十分な収益を生まない。ライフサイエンスはCDMO事業からの実質的な撤退に近い縮小を続ける。全社は10年後もROEが資本コストに遠く届かない状態が続くが、純有利子負債は時価総額比で大きくなく、含み資産もあるため、倒産や大規模な希薄化には至らない構造的な「負け筋」である。この構造的な縮小の間も、政策保有株式の売却など手元資金で配当の大幅な削減は避ける方針を想定する。

  • 建築ガラス:数量 1,680(世界の建築用ガラス市場規模(億ドル))× 価格 1.4%(AGCの売上換算シェア)→ 売上 3,478 億円・営業利益 70 億円
  • 自動車ガラス(オートモーティブ):数量 8,460(世界の自動車生産台数(万台))× 価格 0.47(1台相当あたりのAGC売上換算単価(万円))→ 売上 3,985 億円・営業利益 120 億円
  • 電子:数量 1,241(世界のWFE(半導体製造装置)市場とディスプレイ用ガラス基板市場の合計(億ドル))× 価格 1.6%(AGCの売上換算シェア)→ 売上 2,977 億円・営業利益 179 億円
  • 化学品:数量 380(基礎化学品の出荷量(万トン、概算))× 価格 12(1トンあたりの平均単価(万円))→ 売上 4,438 億円・営業利益 178 億円
  • ライフサイエンス:数量 269(世界のバイオ医薬CDMO市場規模(億ドル))× 価格 2.2%(AGCの売上換算シェア)→ 売上 888 億円・営業利益 0 億円

倍率:構造的に負けて赤字すれすれの筋書きなので PBR。稼ぐ力(事業の純利益 82 億円 ÷ k 8.25%)は約 1,000 億円、純負債を返した後の売れる資産は約 2,630 億円。大きい方の資産の床を採り、今の自己資本 14,851 億円の 0.18 倍に置いた。

確率:10年の構造的な負け筋(中国勢へのシェア流出・EUVマスクブランクスの成長鈍化)が全事業で同時に起きる組み合わせで、可能性はあるが本命ではないため8%とした。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。

建築ガラス

ビル・住宅向けの板ガラス(フロートガラス)と、Low-E・遮熱・防火などの高機能建築用ガラス。

数量世界の建築用ガラス市場規模(億ドル)価格AGCの売上換算シェア売上営業利益
今 2025/12 1,600 1.8% 4,411 173
10 年後 中立 1,648 2.4% 5,913 266

取り方:決算説明資料の建築ガラス事業売上4,411億円・営業利益173億円を基に、世界の建築用ガラス市場規模を概算1,600億ドルとして売上換算シェア1.84%で逆算した(1ドル150円)。

自動車ガラス(オートモーティブ)

新車向け(OEM)・補修向け(アフターマーケット)の自動車用ガラスと車載ディスプレイ用カバーガラス。世界ナンバーワンシェア。

数量世界の自動車生産台数(万台)価格1台相当あたりのAGC売上換算単価(万円)売上営業利益
今 2025/12 9,400 0.55 5,206 293
10 年後 中立 9,500 0.86 8,170 515

取り方:決算説明資料のオートモーティブ事業売上5,206億円・営業利益293億円を、世界の自動車生産台数(概算9,400万台)で割り、1台相当あたりのAGCの売上換算単価0.554万円とした。

電子

液晶・ディスプレイ用ガラス基板(構造的に縮小)と、半導体製造装置向けセラミック部材・EUV露光用マスクブランクス(構造的に成長)を合わせた事業。

数量世界のWFE(半導体製造装置)市場とディスプレイ用ガラス基板市場の合計(億ドル)価格AGCの売上換算シェア売上営業利益
今 2025/12 1,072 2.2% 3,551 475
10 年後 中立 1,839 2.3% 6,345 901

取り方:決算説明資料の電子事業売上3,551億円・営業利益475億円を、世界WFE市場(概算1,000億ドル)とディスプレイ用ガラス基板市場(概算72億ドル)の合計1,072億ドルで割り、売上換算シェア2.21%とした。

化学品

東南アジア(タイ・インドネシア・ベトナム)中心の苛性ソーダ・塩化ビニル樹脂・エピクロロヒドリンなど基礎化学品。生産能力は地域首位。

数量基礎化学品の出荷量(万トン、概算)価格1トンあたりの平均単価(万円)売上営業利益
今 2025/12 400 15 5,842 530
10 年後 中立 488 19 9,116 857

取り方:決算説明資料の化学品事業売上5,842億円・営業利益530億円を、出荷量概算400万トンで割り、1トンあたりの平均単価14.6万円とした(苛性ソーダ・塩化ビニル・その他化学品の加重平均)。

ライフサイエンス

低分子・バイオ医薬品の受託製造(CDMO)。2024年に大型減損、2025年に米コロラド拠点から撤退。

数量世界のバイオ医薬CDMO市場規模(億ドル)価格AGCの売上換算シェア売上営業利益
今 2025/12 200 4.4% 1,331 −150
10 年後 中立 393 4.2% 2,476 99

取り方:決算説明資料のライフサイエンス事業売上1,331億円を、世界のバイオ医薬CDMO市場規模(概算200億ドル)で割り、売上換算シェア4.44%とした。営業損益は全社営業利益1,307億円と他4事業の合計との差から約-150億円と推定した。

リスクと懸念

ディスプレイ用ガラスの構造不況

液晶・ディスプレイ用ガラス基板は中国地場メーカーの台頭で世界需要の7割が中国にシフトし、AGCは国内生産能力を半減させて対応してきた。電子事業の収益性はEUVマスクブランクス・半導体材料の伸びがこの構造不況をどこまで打ち消せるかに左右される。

ライフサイエンスCDMOの再建

2024年にバイオ医薬CDMO事業で1,183億円の減損を計上し、2025年に米コロラド拠点から撤退した。バイオベンチャーへの資金流入という外部環境に業績が強く依存する事業で、2026年度の単体黒字化計画が再び崩れるリスクが残る。

中国・福耀の自動車ガラスでの台頭

中国の福耀玻璃は自国の自動車生産拡大を背景に世界シェアを急速に伸ばしており、AGCが世界ナンバーワンを掲げる自動車ガラス市場での価格決定力・顧客基盤を脅かす最大の競合である。欧米や中国のOEMで福耀への切り替えが広がれば、自動車ガラス事業の成長シナリオの前提が崩れる。

半導体投資の循環リスク

EUVマスクブランクス・半導体製造装置向けセラミックスはAI投資という長期の追い風を受けるが、半導体業界は2〜3年ごとに投資循環の谷があり、谷の年には電子事業の増益ペースが大きく鈍る。生産能力の増強投資が需要の谷に当たれば稼働率低下で収益性が一時的に悪化する。

化学品の中国勢との価格競争

東南アジアで苛性ソーダ・塩化ビニルの生産能力首位を握るが、中国の設備過剰による輸出価格競争が強まれば、増産投資による規模拡大の効果が価格下落で相殺されるおそれがある。基礎化学品はコモディティ性が強く、価格決定力は限られる。

中期経営計画の下方修正の繰り返し

「AGC plus-2026」は2025年2月にすでに営業利益目標を2,300億円超から1,800億円に下方修正しており、ROE8%以上・D/E比率0.5以下という目標の実現力そのものが問われている。新たな戦略事業の計画も同様に後ろ倒しになるリスクがある。

国内の住宅着工・人口減という構造的な縮小

建築ガラスの国内需要は新築住宅着工戸数の長期的な減少に連動し、人口減・世帯数減が続く限り縮小が止まらない。海外展開と高付加価値品シフトでどこまで補えるかが問われ、補いきれなければ建築ガラス事業全体の規模が縮む。

今後の分かれ目

EUVマスクブランクスの売上高が2026年度に目標の400億円以上を達成する
電子事業の成長ストーリーの実在性が確認され、楽観・やや楽観の筋書きに確率が寄る。
ライフサイエンス事業が2026年度に単体で黒字化する
資本配分の失敗という懸念が薄れ、本質価値の下限が上がる。黒字化が再び遅れるなら、やや悲観・悲観側に確率が寄る。
福耀(Fuyao)が主要な自動車メーカーの大口受注でAGCから乗り換える
自動車ガラス事業の価格決定力・シェアの前提が崩れ、やや悲観側に見直す必要が出る。
世界のWFE(半導体製造装置)市場が2026年以降に大きく減速する
電子事業の増益ペースが鈍り、10年の筋書きはやや悲観側に近づく。
東南アジアの化学品増産投資が計画通り完全稼働し、地域シェア5割超を実現する
化学品事業の利益率改善が確認され、中立からやや楽観側に筋書きが寄る。
中期経営計画「AGC plus-2026」のROE目標がさらに下方修正される
資本配分・経営計画の実行力への懸念が強まり、悲観側の確率を厚くする根拠になる。

見ておくもの

  • EUVマスクブランクス事業の売上高(目標400億円以上)の進捗
  • ライフサイエンス事業の四半期ごとの損益(2026年度黒字化計画の進捗)
  • 世界の自動車生産台数と福耀(Fuyao)の自動車ガラスシェアの推移
  • 世界のWFE(半導体製造装置)市場・AI投資の動向
  • 東南アジアの苛性ソーダ・塩化ビニル樹脂の価格と中国勢の輸出動向
  • 中期経営計画の進捗(ROE・D/E比率)と次回の見直し

倍率と資本コストの決め方

倍率は、各事業の数量×価格から積み上げた利益とROEを先に置き、資本コスト8.25%との比較から正当化PERを決めた。中立の筋書きでROEが資本コストにようやく並ぶ想定とし、今のPER17.0倍・PBR0.79倍という市場の値付けには最後に比べただけで、そこに寄せてはいない。EUVマスクブランクス・化学品の成長を過大評価しないよう、楽観でも電子事業の増益は半導体循環の範囲にとどめた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 11.81→14.1 倍・やや楽観 PER 11.44→12.88 倍・中立 PER 10.8→12.12 倍)。

資本コスト 8.3% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。

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割安 ヤマックス5285 熊本発の二次製品メーカー。利益率は3年で3倍に跳ねた。山が半分戻ってもなお、今の値段は低い 本質価値との差 +79.2% · 10 年 割安(年 +13.1%) 割安 石塚硝子5204 ガラスびん・プラスチック容器・食器を手がける容器メーカー。稼ぐ力は資本コストに届かないが、時価総額は純資産の3分の1で、政策保有株と賃貸不動産の含みまで考えると、値段は低すぎると見る 本質価値との差 +57.0% · 10 年 割安(年 +12.3%) 割安 太平洋セメント5233 国内の縮む需要を米国と廃棄物処理で埋める会社。稼ぐ力に対し、今の値段はおおむね妥当 本質価値との差 +52.9% · 10 年 割安(年 +11.0%) 割安 クニミネ工業5388 ベントナイトの国内最大手。資源と現金の厚みは本物だが、主力の鋳物向けが縮み、値段は適正圏 本質価値との差 +49.9% · 10 年 割安(年 +11.0%) 割安 アジアパイルホールディングス5288 国内の杭で首位を争う会社。過去最高の利益が定着するかが分かれ目で、今の値段はやや割安 本質価値との差 +43.3% · 10 年 割安(年 +10.6%) 割安 日本興業5279 四国の土木用コンクリート製品の会社。防災と維持補修の仕事は底堅く、今の値段には小さな安全域がある 本質価値との差 +37.5% · 10 年 割安(年 +10.5%) 割安 ヤマウホールディングス5284 利益率16%の山をならして置いても、値段は妥当圏。上振れは大きいが、公共予算と値崩れの下振れも深い 本質価値との差 +36.7% · 10 年 割安(年 +10.5%) 割安 美濃窯業5356 セメント向け耐火物で国内首位、半導体向け焼成炉が稼ぎ頭。純現金が時価総額の3割あり、還元が強まれば差が出る 本質価値との差 +31.0% · 10 年 割安(年 +9.7%) やや割安 神島化学工業4026 海水から作るマグネシウムと外装建材の2本柱。利益は伸びたが、住宅の縮小と投資の重さが重い 本質価値との差 +23.9% · 10 年 やや割安(年 +9.1%) やや割安 ニチハ7943 国内の窯業系外壁材で6割を握る堅い会社だが、縮む新築市場と米国の失敗で稼ぐ力は戻りきらず、今の値段はほぼ適正から小幅な割高 本質価値との差 +23.4% · 10 年 やや割安(年 +8.3%) やや割安 ベルテクスコーポレーション5290 下水道・浸水対策のコンクリート製品で国内首位級。稼ぐ力は堅いが、買収の効果が出るまでは割安とは言い切れない 本質価値との差 +20.2% · 10 年 やや割安(年 +8.3%) やや割安 エーアンドエーマテリアル5391 ビルの耐火ボードと船・プラントの断熱で稼ぐ太平洋セメント系の素材会社。借金とアスベストの重荷があり、値段はほぼ妥当 本質価値との差 +12.4% · 10 年 やや割安(年 +8.3%) やや割安 ノザワ5237 堅い財務と高い還元はあるが、稼ぐ力が資本コストに届かない。値段は妥当圏で、安全域は薄い 本質価値との差 +11.3% · 10 年 やや割安(年 +7.9%) やや割安 ニッコー5343 浄化槽とセラミック基板で立ち直った金沢の老舗。基板の伸びは本物だが、薄い自己資本と無配を考えるとまだやや割高 本質価値との差 +11.2% · 10 年 やや割安(年 +9.0%) やや割安 TOTO5332 国内トイレ首位の安定収益と中国不振を抱えつつ、半導体用セラミックスが利益の半分を稼ぐ柱に育ち、10年の価値は今の値段とほぼ同じ 本質価値との差 +10.7% · 10 年 やや割安(年 +7.4%) やや割安 日本カーボン5302 半導体向け炭素材とSiC繊維に稼ぎの核があるが、電極事業の重しで価値は今の値段の近辺 本質価値との差 +10.6% · 10 年 やや割安(年 +7.8%) やや割安 品川リフラ5351 鉄鋼向け耐火物の世界大手だが、稼ぐ力は資本コストに届かず、利益の質も見かけより低い 本質価値との差 +10.3% · 10 年 やや割安(年 +7.4%) 適正 日本インシュレーション5368 けい酸カルシウムの保温材で 100 年続く老舗だが、国内プラントの集約で補修の母数が細る。純現金は厚いが稼ぐ力は資本コストに届かず、今の値段はほぼ適正 本質価値との差 +10.0% · 10 年 適正(年 +8.1%) 適正 ノリタケ5331 MLCC 材料が稼ぎを引っ張る一方、砥石と食器が重く、資本効率は低い。今の値段はほぼ妥当 本質価値との差 +9.1% · 10 年 適正(年 +7.7%) 適正 フジミインコーポレーテッド5384 半導体を磨く材料で世界の過半を握る優良会社。ただ 1,300 億円の投資が実る前の値段は、おおむね妥当 本質価値との差 +8.5% · 10 年 適正(年 +7.1%) 適正 SECカーボン5304 アルミ精錬の炉に敷く炭素の部材で世界の二強の一角。現金と保有株は時価総額並みだが、稼ぐ力は市況次第で、評価はほぼ適正 本質価値との差 +5.1% · 10 年 適正(年 +7.3%) 適正 日本ヒューム5262 下水道管と杭で稼ぐ堅実な会社。利益の質は悪くないが、今の値段は稼ぐ力に対してやや高い 本質価値との差 +4.0% · 10 年 適正(年 +6.8%) 適正 ジオスター5282 トンネルの部材を作る日鉄系の軽い工場会社。現金は厚いが、事業の稼ぎは細り、現金の戻り方も弱く、安さは見かけほどではない 本質価値との差 +1.1% · 10 年 適正(年 +6.9%) 適正 MARUWA5344 AI 向けの通信基板で利益は急伸中。ただ稼ぎが一つの需要に偏り、今の値段は先の先まで織り込んでいる 本質価値との差 +0.7% · 10 年 適正(年 +6.9%) 適正 三谷セキサン5273 杭で首位に並ぶ軽い事業と、使われない現金の山。利益率は山の上にあり、今の値段はやや割高 本質価値との差 +0.3% · 10 年 適正(年 +6.7%) 適正 日本山村硝子5210 国内シェア首位のガラスびん会社。稼ぐ力は戻ったが、縮む市場と窯の更新費が値段の上限を決める 本質価値との差 −5.1% · 10 年 適正(年 +6.4%) 適正 TYK5363 製鉄所の炉を守る耐火物の老舗。純現金は厚いが、国内の需要が縮み、資本の効率は資本コストに届かない 本質価値との差 −6.4% · 10 年 適正(年 +6.1%) 適正 住友大阪セメント5232 国内セメントは稼げない側に回り、半導体部品が頼み。稼ぐ力に比べ今の値段は割高 本質価値との差 −7.9% · 10 年 適正(年 +6.0%) やや割高 日本電気硝子5214 液晶ガラスの値上げで利益は戻ったが、稼ぐ力はまだ資本コストに届かない。今の値段は先の成功をかなり織り込んでいる 本質価値との差 −11.5% · 10 年 やや割高(年 +5.7%) やや割高 ヨータイ5357 鉄鋼・セメント・ガラスの窯を守る耐火物の専業。無借金で稼ぎは安定するが、鉄鋼の縮小が重く、今の値段はやや割高 本質価値との差 −12.1% · 10 年 やや割高(年 +5.1%) やや割高 日本特殊陶業(Niterra)5334 デンソー統合の白紙撤回で規模拡大の青写真は消え、今の値段がもう無い前提をまだ映していないかが問われる 本質価値との差 −12.2% · 10 年 やや割高(年 +5.3%) やや割高 ニチアス5393 断熱とシールで堅実に稼ぐ会社だが、半導体の追い風を先取りした今の値段は高い 本質価値との差 −13.0% · 10 年 やや割高(年 +3.9%) やや割高 イトーヨーギョー5287 道路用コンクリート製品と空調施工の小さな堅実企業。手元の現金は厚いが、稼ぐ力は資本コスト並みで、価値は今の値段をやや下回る。 本質価値との差 −13.3% · 10 年 やや割高(年 +5.9%) やや割高 ニッカトー5367 電子部品の工場で使う消耗品が稼ぎの柱。堅い財務は魅力だが、事業の利益は 10 年で現在の時価総額に届かず割高 本質価値との差 −13.8% · 10 年 やや割高(年 +5.3%) やや割高 日東紡績3110 AI サーバー向けガラスクロスで稼ぐ力は本物。ただし今の値段は、その好況が長く続くところまで織り込んでいる 本質価値との差 −27.2% · 10 年 やや割高(年 +3.6%) やや割高 日本ガイシ(NGK)5333 事業構成の転換は方向として正しいが、今の値段はその転換の成功をすでに先取りしすぎている 本質価値との差 −29.9% · 10 年 やや割高(年 +3.1%) 割高 日本ルツボ5355 140年続く坩堝の老舗。焼却炉の工事が稼ぎ頭に育ったが、資本コストに届く稼ぎはまだ遠く、今の値段はやや高い 本質価値との差 −32.3% · 10 年 割高(年 +3.4%) 割高 オハラ5218 半導体露光装置向けの素材は本物の強み。ただ光学ガラスの赤字と低い資本効率が重く、今の値段は回復を先取りしている 本質価値との差 −32.4% · 10 年 割高(年 +3.5%) 割高 東洋炭素5310 黒鉛で世界首位級の素材会社。SiC の調整で利益は急減し、今の値段は中計どおりの回復を先取りしている 本質価値との差 −33.7% · 10 年 割高(年 +2.7%) 割高 マイポックス5381 光ファイバーと半導体の研磨フィルムを作る小型メーカー。AI 需要で利益は戻るが、波が大きく、利益の波と借入が重く、10 年の価値は評価を下回る 本質価値との差 −34.8% · 10 年 割高(年 +3.2%) 割高 東海カーボン5301 炭素素材の老舗。半導体とアルミ向けの追い風で稼ぎは戻ったが、倍率は先を見すぎている 本質価値との差 −42.3% · 10 年 割高(年 +1.4%) 割高 鶴弥5386 屋根瓦の国内最大手だが、新築の減少で稼ぐ力は細る。純資産の 2 割の値段でも、本業の利益を見ると割高 本質価値との差 −48.3% · 10 年 割高(年 +0.6%) 割高 日本コンクリート工業5269 杭で首位に離され、稼ぎは資産の半分も活かせない。持ち合い株の厚みが下値を支えるが、値段は先走り 本質価値との差 −48.9% · 10 年 割高(年 +0.2%) 割高 トーヨーアサノ5271 建物の基礎杭を作る静岡・東京の小さな会社。売上は2年で3割縮み、借金は自己資本を超える。稼ぐ力に比べ、今の値段は割高 本質価値との差 −54.8% · 10 年 割高(年 +0.2%) 割高 旭コンクリート工業株式会社5268 下水道のヒューム管などを作る小さな堅実企業。無借金で利益率は最高圏だが、成長はなく、今の値段は割高 本質価値との差 −57.9% · 10 年 割高(年 −2.6%) 割高 ダントーホールディングス5337 外装タイルの老舗は12年連続で営業赤字。不動産の売却益で純利益が出ただけの会社に、今の値段は蓄電池への期待を先に払いすぎで大幅な割高 本質価値との差 −95.6% · 10 年 割高(年 −19.2%)

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読んだ資料

  1. AGC 2025年12月期 通期決算説明会資料(セグメント別売上・営業利益)
  2. ガラス業界の世界市場シェアの分析
  3. AGC Automotive(自動車ガラス世界シェア)
  4. AGC、EUVマスクブランクスの生産能力を従来比30%増強へ
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  6. AGCが液晶ディスプレー向けガラスの国内生産能力を半減
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  10. AGC 中期経営計画

分析日 2026-10-18