結論
太平洋セメントは国内首位のセメント会社で、米国のカルポートランドと、資源・環境の事業を抱える。筆者の結論は「ほぼ適正」だ。国内の需要は毎年縮み、その穴を米国と廃棄物処理の伸びで埋める構図だが、資本が重く、資本コストを大きく超える利益はまだ見えない。
国内の需要は 3,053 万トンまで落ち、63 年ぶりの低水準に近い。それでも値上げで 2025 年度の国内営業利益は 280 億円まで戻った。2026 年度は中東情勢のコスト高で 170 億円へ逆戻りする計画だ。値上げが定着するかが、国内の最大の分かれ目になる。
稼ぎの柱は米国だ。営業利益の約 3 分の 1 を占め、住宅の回復が遅れても利益率は 1 割近くを保つ。一方でフィリピンは 244 億円の減損を出した。海外の買収は当たり外れが大きい。
株主還元は厚くなる方向にある。英国の投資ファンドが株を買い、米事業の切り離しと遊休資産の現金化を求めたことが背景にある。ただ一度きりの売却益は、本質価値を変えない。
中立の 10 年後は営業利益 1,180 億円、PBR 0.7 倍。年率の期待リターンは 7.6% で、資本コスト 7.25% をやや下回る。強気が当たれば 2.5 倍、悲観が当たれば 3 分の 2 に下がる。確率で重みをつけた本質価値は今より 5% ほど高く、5 段階では適正に収まる。
バリュー投資の観点から
この会社を持ち続けたいか。筆者の答えは「条件つきで保留」だ。
事業は必需品で、10 年後も存在する。ただ、国内は縮む。株主が自由に使える利益、つまり設備の更新に要る金を引いたあとの利益は小さい。減価償却が営業利益と同じ規模で、買収と投資が営業の稼ぎを上回る年が続く。
堀は国内にあるが、それは守りの堀だ。値上げが通る間は利益が戻るが、需要の縮小で固定費が重くなる悪循環と隣り合わせにある。米国は成長の場だが、買収の価格が高く、投下した資本に見合う利益が出るまで時間がかかる。
経営の資本の使い方は、まだ試されている最中だ。株主の働きかけで資産売却と還元は動き出したが、中計の目標(ROE 10%)には届いていない。安全域は薄い。今の時価総額は自己資本の約 7 割で、含み資産を考えれば割安に見える。ただ、その資産を事業で稼ぎに変えられる力は、実績で示されていない。
悲観でも会社が傷つかない床は、石灰石の鉱山・不動産・有価証券がつくる。それが PBR 0.4 倍前後だ。強気が当たれば報われるが、払う値段が本質価値を大きく下回るとは言えない。
何で稼ぐ会社か
稼ぎ方は 3 本ある。国内でセメントを売る事業、米国でセメント・生コン・骨材を売る事業、資源と環境の事業だ。
国内セメントは売上 3,367 億円、営業利益 280 億円(2025 年度)。年 1,117 万トンを売り、国内需要の 4 割弱を握る。セメントは重く、遠くへ運ぶと採算が合わない。工場と港の近くが商圏になり、近隣の少数の会社で市場を分け合う。
米国は売上 2,825 億円、営業利益 267 億円。西海岸を中心にカルポートランドが、セメント 589 万トンと生コン 472 万立方メートル、骨材 1,225 万トンを売る。2026 年度は米国の骨材大手バルカン・マテリアルズから生コン工場を買い、セメントから生コンまで自社でつなぐ形を整える。
資源は骨材や石灰石の販売、環境は廃棄物や副産物の受け入れ処理だ。セメントのキルン(焼成炉)は 1,450 度の高温で廃棄物を燃料や原料として燃やせる。この処理料が収入になり、石炭の代わりにもなる。両方で売上 1,727 億円、営業利益 193 億円と利益率が高く、営業利益の 4 分の 1 を占める。
残りはアジア(ベトナムとフィリピン)と、建材・不動産などだ。アジアは 2025 年度に営業赤字 37 億円。今のところ足を引っ張る側にいる。
国内と海外の事業をつなぐのは、石灰石の鉱山と、燃料を石炭から廃プラスチックなどへ置き換える技術だ。会社は代替燃料の比率を今の約 5 割から最終的に 8 割へ上げる目標を掲げ、燃料費の変動を和らげようとしている。
優良さと弱いところ
堀は国内の地理と許認可にある。セメントは運ぶほど割に合わず、石灰石の鉱山と港を持つ会社だけが戦える。国内では太平洋・UBE 三菱・住友大阪の 3 社で 8 割弱を握る。2025 年度は、1 トン約 1 割の値上げで年 185 億円の利益改善をやり切った。寡占でなければ通らない値上げだ。
廃棄物の処理能力も堀になる。他社が同じ許認可と設備をそろえるには時間がかかり、処理料は景気に左右されにくい。
弱い点は 3 つある。第 1 は資本の重さだ。減価償却だけで年 700 億円を超え、稼いでも設備と買収に消えていく。直近 5 年の ROE は赤字の年を含み、高い年でも 9% ほどだ。資本コストを超えた年は少ない。第 2 は利益のぶれだ。2023 年 3 月期には営業利益が 45 億円まで落ちた。石炭や電力の値段に左右される。第 3 は海外の買収だ。フィリピンは減損、米国の生コン買収も金利高の中での拡大になっている。
堀は確かにあるが、守っているのは利益ではなく、縮む市場の中での地位だ。筆者は、堀が広がる会社とは見ていない。
経営は守りの運営を続けてきたが、最近は米国への投資を加速し、資産の売却と還元で株主の目に応える動きも出てきた。この転換が資本効率の改善につながるかが焦点だ。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内のセメント需要は 1990 年の 8,600 万トンから、2025 年度の 3,053 万トンまで下がった。人口減で新築が細り、公共投資も減った。セメント協会は 2026 年度を 3,000 万トン弱と見る。会社自身は標準を 4,000 万トンとみるが、公共投資が 1995 年の水準に戻ることが前提で、筆者は織り込まない。
需要が減っても利益が残ったのは、供給側が設備を減らし、値上げを通したからだ。ただ、人件費と石炭・電力が上がるたびに値上げを重ねる必要があり、需要が 6% 減る年は固定費の重さが利益を削る。2026 年度の国内営業利益は 280 億円から 170 億円に下がる計画で、これがその証拠だ。
新しい需要は防災と補修から来る。国土強靱化の予算や、老朽化した橋・トンネルの補修だ。ただ量は新築の穴を埋める規模ではない。
脱炭素も効く。セメントは製造時に石灰石から CO2 が出るため、炭素税や排出量取引、2028 年度に始まる建築物のライフサイクル評価で、割を食いやすい。技術は回収・再利用(CCUS)が焦点だが、会社も社会実装に時間がかかるとみている。
米国はセメントの需要が底堅く、住宅の回復待ちの段階にある。競合は欧州系のホルシム、セメックス、ハイデルベルク・マテリアルズなど。アジアはベトナム品の流入と値崩れが続く。
国内の再編余地は小さい。設備の統廃合はすでに進み、残る課題は需要の縮小に合わせた稼働の調整と、値上げを通す規律だ。
資本政策と M&A
資本の使い方は大きく変わりつつある。2025 年度は年間配当を 2 割以上増やし、2026 年度はさらに増配する予定だ。総還元性向は 33% 以上を確保し、2026 年度は 100 億円の自社株買いも行う。足元の純利益の見込みが一度きりの売却益で膨らむため、この還元の水準は実力の割に見栄えがよい。
背景に株主の圧力がある。英国のパリサーが 2025 年に株の 3% 超を持ち、米事業の切り離しの検討、保有不動産(約 1,260 億円)と投資有価証券(約 1,350 億円)の現金化を求めた。会社は政策保有株を中計期間で 2 割、次期を含め 5 割売る計画を示し、東京・中央区の遊休地を売って約 187 億円の益を出す。
買収の履歴は評価が割れる。米国の生コン工場と採石場の取得は垂直統合を進めたが、金利高で収益化が遅れた。トクヤマからのセメント営業権の譲受は、国内の稼働率を 1 割ほど上げる狙いだ。一方、フィリピンは減損に終わった。
成長投資は 3 年で 4,600 億円と計画より 1,000 億円多く、営業の稼ぎだけでは足りず、借入と資産売却で補う。TOB の可能性は低くない。ただ筆者は、事業の再編より先に、米国の切り離しの議論が進む可能性を見ている。
2026年5月の自己株式取得(約100億円)は実行済みで、株数に反映した。この分は10年の還元に入れていない(FCSRの後日の調整取引で最終の株数は少し動く)。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
国内は底に近い。需要は 63 年ぶりの水準まで落ちたが、供給側は工場を絞り、1 トン約 1 割の値上げで 185 億円の利益改善を実現した。トクヤマの営業権が加わり、稼働率は 1 割上がる。固定費を薄められる分だけ、利益は数量の減少より早く戻る。防災庁の発足と国土強靱化で、公共投資の下支えも続く。
米国は住宅の回復待ちで、金利が下がれば数量が戻る。生コン工場の買収で、西海岸ではセメントから生コンまで一貫でつながる。この垂直統合が効き始めれば、米国の営業利益は 400 億円台に届く。2024 年度にすでに 410 億円を稼いだ実績がある。
資源・環境は景気に左右されにくく、利益は 3〜4 年前の 60 億円から 200 億円近くまで来た。廃太陽光パネルや電池の処理など、新しい処理需要が 2035 年ごろにかけて立ち上がる。この部門だけで 300 億円を狙える。
最後に、株主の圧力がある。米事業の切り離し、不動産と政策保有株の現金化が進めば、PBR が 1 倍に向けて動く余地がある。パリサーは 0.7 倍から 1.3 倍超への見直しを主張している。
フィリピンも、減価償却の減少と売価の改善で 2026 年度は黒字に戻る計画だ。損失の大半は一度きりの減損で、実力の悪化とは別だと見る。
慎重な見方
国内の需要は年 6% のペースで縮み、会社の中計の想定(3,500 万トン)を 17% 下回った。値上げは石炭・電力・人件費の上昇で消え、2026 年度の国内営業利益は 280 億円から 170 億円に落ちる計画だ。需要がさらに減れば、固定費が利益を削る悪循環に入る。
中計の目標に実績が届いていない。ROE 10% の目標に対し実績は 3.7%。営業利益 1,000 億円の目標に対し 746 億円。成長投資は計画より 1,000 億円多く、営業の稼ぎは 400 億円足りない。借入と資産売却で穴埋めする形で、財務の余裕は見かけほどない。
海外の買収は当たり外れが大きい。フィリピンで 244 億円を減損したあと、さらに米国で生コンを買い増している。金利が高い間は、投下資本の収益が資本コストを下回る期間が長引く。
脱炭素も重荷になる。2028 年度の建築物のライフサイクル評価、炭素税、排出量取引の導入で、CO2 を多く出すセメントは費用が増える。回収設備への投資は、売上の増加を伴わない。
今期の純利益の急増は、遊休地の売却益 187 億円によるもので、一度きりだ。本業の営業利益は 760 億円で横ばいにすぎない。
どちらに重みを置いたか
国内の縮小と中計の未達という実績が重く、慎重な見方が強い。ただ、米国の利益水準と資源・環境の伸び、株主の圧力による資産の現金化は、強気の主張にも現実味がある。確率は中立を 4 割、やや悲観をやや厚めに置いた。悲観は景気後退と構造的な負けの両方を含めて 1 割とした。強気側は、米国の回復と値上げの定着が同時に起きる必要があり、確率を厚くできない。国内は守りの堀、米国は成長の場、環境は新しい稼ぎ口と性格がばらばらなため、全体の評価は部分の合計に近く、特別な割安にも割高にもならない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 9,162 円9,985 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 2,344 円2,554 億円)。 今の値に割り戻すと 6,202 円6,759 億円、今との差 +52.9%、 期待の年率 +11.0%(資本コスト 7.2%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 18,547 円2.02 兆円 | 3,438 円3,747 億円 | +442.2% | +18.4% | 1,539 円1,677 億円 |
| やや楽観 | 18% | 15,528 円1.69 兆円 | 2,984 円3,252 億円 | +356.5% | +16.4% | 3,332 円3,632 億円 |
| 中立 | 38% | 10,106 円1.10 兆円 | 2,228 円2,428 億円 | +204.2% | +11.8% | 4,687 円5,108 億円 |
| やや悲観 | 26% | 4,046 円4,410 億円 | 1,828 円1,992 億円 | +44.9% | +3.8% | 1,527 円1,664 億円 |
| 悲観 | 11% | 1,605 円1,749 億円 | 2,221 円2,420 億円 | −5.7% | −0.6% | 421 円459 億円 |
| 加重平均 | 100% | 9,162 円9,985 億円 | 2,344 円2,554 億円 | +183.8% | +11.0% | 11,506 円1.25 兆円 |
今の株価時価総額 4,055 円4,419 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.2% を下回るほど割高。
楽観 7% 米国と環境が伸び、PBR が 1 倍に近づく 利益 1,200 億円 · PER 16.5 倍 · 株価時価総額 18,547 円2.02 兆円
米国の住宅・インフラ需要が 10 年かけて回復し、生コンまで一貫でつながった体制が効く。米国の営業利益は 680 億円まで伸びる。国内は下げ止まり、防災と補修の需要でセメントの数量は今と同じ水準を保つ。値上げは物価を 6% 上回って通り、国内の利益率は 10% に戻る。資源・環境は廃太陽光パネルや電池の処理が立ち上がり、営業利益は 470 億円に伸びる。株主の働きかけで資産の現金化が進み、資本が軽くなる。全体で営業利益は 1,820 億円、ROE は 10% を超える。ただ、これは過去 20 年の最良の年(営業利益率 8.7%)を大きく超えた姿だ。
- 国内セメント:数量 1,600(セメントの販売量(万トン/年、国内+輸出))× 価格 3.30(1 万トンあたりの売上(億円)。1 トン約 2.3 万円相当(生コンなどを含む))→ 売上 5,280 億円・営業利益 528 億円。1,600(今の1.10倍)× 価格 3.300(今の1.42倍)、営業利益率 10.0%
- 米国セメント・生コン:数量 730(セメントの販売量(万トン/年、生コン・骨材の売上を含めた換算))× 価格 7.72(セメント 1 万トンあたりの売上(億円)。生コン・骨材の売上を含む)→ 売上 5,632 億円・営業利益 676 億円。730(今の1.24倍)× 価格 7.715(今の1.61倍)、営業利益率 12.0%
- アジア(ベトナム・フィリピン):数量 1,000(セメントの販売量(万トン/年))× 価格 1.06(1 万トンあたりの売上(億円))→ 売上 1,060 億円・営業利益 74 億円。1,000(今の1.37倍)× 価格 1.060(今の1.41倍)、営業利益率 7.0%
- 資源・環境:数量 5,600(取扱量(万トン/年、推定。資源は骨材・石灰石の出荷、環境は廃棄物の受け入れ))× 価格 0.62(1 万トンあたりの売上(億円)。1 トン約 4 千円と仮定)→ 売上 3,452 億円・営業利益 466 億円。5,600(今の1.30倍)× 価格 0.616(今の1.54倍)、営業利益率 13.5%
- 建材・その他:数量 2,500(取引の件数(件、推定))× 価格 0.67(1 件あたりの売上(億円))→ 売上 1,675 億円・営業利益 100 億円。2,500(今の1.01倍)× 価格 0.670(今の1.34倍)、営業利益率 6.0%
倍率:事業の純利益 1,197 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 10.6% が k 7.25% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.9%、10 年より先の名目の伸び g 3.7% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 16.6 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 16.6 倍 + 余った現金(戻り方込み)189 億円。全体の PER 16.55 倍、時価総額 20,005 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:国内の下げ止まり、米国の成長、環境の拡大、資産の現金化がすべて当たる形。長い期間で複数の条件が重なる必要がある。
やや楽観 18% 国内の下支えと米国の成長が両立する 利益 1,049 億円 · PER 15.6 倍 · 株価時価総額 15,528 円1.69 兆円
国内の需要は年 1% の減少にとどまり、トクヤマの営業権の数量も定着する。値上げは物価を 3% 上回って通る。米国は買収した生コンと骨材の統合効果で、営業利益が 600 億円に近づく。資源・環境は 400 億円台に乗り、全体の営業利益は 1,600 億円。会社が描く「売上 1.2 兆円・営業利益 1,200 億円」を、物価を含む名目で上回る。ROE は 9% 台で資本コストに近づくが、届かない。資本が重い構造は残る。還元は純利益の 4 割強を保ち、自己資本は緩やかに積み上がる。ただ、成長投資に回る金も大きく、株主に残る利益は見かけより小さい。
- 国内セメント:数量 1,550(セメントの販売量(万トン/年、国内+輸出))× 価格 3.21(1 万トンあたりの売上(億円)。1 トン約 2.3 万円相当(生コンなどを含む))→ 売上 4,970 億円・営業利益 472 億円。1,550(今の1.07倍)× 価格 3.207(今の1.38倍)、営業利益率 9.5%
- 米国セメント・生コン:数量 690(セメントの販売量(万トン/年、生コン・骨材の売上を含めた換算))× 価格 7.52(セメント 1 万トンあたりの売上(億円)。生コン・骨材の売上を含む)→ 売上 5,190 億円・営業利益 597 億円。690(今の1.17倍)× 価格 7.522(今の1.57倍)、営業利益率 11.5%
- アジア(ベトナム・フィリピン):数量 950(セメントの販売量(万トン/年))× 価格 1.03(1 万トンあたりの売上(億円))→ 売上 978 億円・営業利益 64 億円。950(今の1.30倍)× 価格 1.029(今の1.37倍)、営業利益率 6.5%
- 資源・環境:数量 5,300(取扱量(万トン/年、推定。資源は骨材・石灰石の出荷、環境は廃棄物の受け入れ))× 価格 0.59(1 万トンあたりの売上(億円)。1 トン約 4 千円と仮定)→ 売上 3,125 億円・営業利益 406 億円。5,300(今の1.23倍)× 価格 0.590(今の1.47倍)、営業利益率 13.0%
- 建材・その他:数量 2,450(取引の件数(件、推定))× 価格 0.67(1 件あたりの売上(億円))→ 売上 1,642 億円・営業利益 90 億円。2,450(今の0.99倍)× 価格 0.670(今の1.34倍)、営業利益率 5.5%
倍率:事業の純利益 1,046 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 9.5% が k 7.25% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.4%、10 年より先の名目の伸び g 3.7% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 15.7 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 15.7 倍 + 余った現金(戻り方込み)189 億円。全体の PER 15.75 倍、時価総額 16,669 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:米国と環境が会社の目標に近づく形。国内の縮みが年 1% 程度で収まる前提。
中立 38% 縮む国内を米国と環境が埋める 利益 754 億円 · PER 13.8 倍 · 株価時価総額 10,106 円1.10 兆円
国内の需要は年 1% 強ずつ減り、10 年後は 2,700 万トン前後になる。トクヤマの営業権で販売量は 4% 増えるが、値上げは物価並みにとどまり、国内の営業利益率は 7%。米国は住宅と非住宅が正常化し、セメントの数量が 1 割増え、営業利益は 460 億円。資源・環境は 320 億円、アジアは小さな黒字。全体で営業利益 1,180 億円と、今の 746 億円から 6 割増えるが、大半は物価の分だ。ROE は 7% で、資本コストの 8.5% には届かない。会社の優良さは保たれるが、特別な超過成長は見えない 10 年になる。還元は純利益の 4 割を保ち、自社株買いと配当が半々になる。
- 国内セメント:数量 1,490(セメントの販売量(万トン/年、国内+輸出))× 価格 3.11(1 万トンあたりの売上(億円)。1 トン約 2.3 万円相当(生コンなどを含む))→ 売上 4,638 億円・営業利益 325 億円。1,490(今の1.03倍)× 価格 3.113(今の1.34倍)、営業利益率 7.0%
- 米国セメント・生コン:数量 648(セメントの販売量(万トン/年、生コン・骨材の売上を含めた換算))× 価格 7.39(セメント 1 万トンあたりの売上(億円)。生コン・骨材の売上を含む)→ 売上 4,791 億円・営業利益 455 億円。648(今の1.10倍)× 価格 7.394(今の1.54倍)、営業利益率 9.5%
- アジア(ベトナム・フィリピン):数量 900(セメントの販売量(万トン/年))× 価格 1.01(1 万トンあたりの売上(億円))→ 売上 908 億円・営業利益 36 億円。900(今の1.23倍)× 価格 1.009(今の1.34倍)、営業利益率 4.0%
- 資源・環境:数量 4,965(取扱量(万トン/年、推定。資源は骨材・石灰石の出荷、環境は廃棄物の受け入れ))× 価格 0.56(1 万トンあたりの売上(億円)。1 トン約 4 千円と仮定)→ 売上 2,794 億円・営業利益 321 億円。4,965(今の1.15倍)× 価格 0.563(今の1.41倍)、営業利益率 11.5%
- 建材・その他:数量 2,350(取引の件数(件、推定))× 価格 0.67(1 件あたりの売上(億円))→ 売上 1,574 億円・営業利益 71 億円。2,350(今の0.95倍)× 価格 0.670(今の1.34倍)、営業利益率 4.5%
倍率:事業の純利益 751 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 7.2% が k 7.25% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 13.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.8 倍 + 余った現金(戻り方込み)189 億円。全体の PER 13.79 倍、時価総額 10,550 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:国内の縮小、値上げ、米国の成長を業界の見通しの中心値で置いた形。
やや悲観 26% 国内の縮小がさらに進み、利益が 4 割減る 利益 486 億円 · PER 7.1 倍 · 株価時価総額 4,046 円4,410 億円
国内の需要は年 1.5% で縮み続け、10 年後は 2,600 万トンを割る。値上げは物価に追いつかず、石炭・電力・人件費と脱炭素の費用を転嫁しきれない。国内の営業利益率は 4.5% に下がり、利益は 180 億円。米国は成長するが、買収資産の収益が資本コストに届かず、営業利益は 350 億円にとどまる。アジアでは値崩れが続く。全体で営業利益 800 億円と、物価を引くと今の 6 割の実力に落ちる。ROE は 5%。普通の素材会社として評価される。還元は配当を中心に維持するが、自社株買いは細る。資産の売却で投資の穴を埋める年が続き、財務の余裕は少しずつ減っていく。
- 国内セメント:数量 1,330(セメントの販売量(万トン/年、国内+輸出))× 価格 3.02(1 万トンあたりの売上(億円)。1 トン約 2.3 万円相当(生コンなどを含む))→ 売上 4,016 億円・営業利益 181 億円。1,330(今の0.92倍)× 価格 3.020(今の1.30倍)、営業利益率 4.5%
- 米国セメント・生コン:数量 600(セメントの販売量(万トン/年、生コン・骨材の売上を含めた換算))× 価格 7.20(セメント 1 万トンあたりの売上(億円)。生コン・骨材の売上を含む)→ 売上 4,320 億円・営業利益 346 億円。600(今の1.02倍)× 価格 7.201(今の1.50倍)、営業利益率 8.0%
- アジア(ベトナム・フィリピン):数量 800(セメントの販売量(万トン/年))× 価格 0.98(1 万トンあたりの売上(億円))→ 売上 783 億円・営業利益 16 億円。800(今の1.10倍)× 価格 0.979(今の1.30倍)、営業利益率 2.0%
- 資源・環境:数量 4,500(取扱量(万トン/年、推定。資源は骨材・石灰石の出荷、環境は廃棄物の受け入れ))× 価格 0.54(1 万トンあたりの売上(億円)。1 トン約 4 千円と仮定)→ 売上 2,412 億円・営業利益 241 億円。4,500(今の1.04倍)× 価格 0.536(今の1.34倍)、営業利益率 10.0%
- 建材・その他:数量 2,250(取引の件数(件、推定))× 価格 0.67(1 件あたりの売上(億円))→ 売上 1,508 億円・営業利益 45 億円。2,250(今の0.91倍)× 価格 0.670(今の1.34倍)、営業利益率 3.0%
倍率:事業の ROE 5.0% が k 7.25% 以下なので PER は 1÷k=11.8 倍まで。石炭高と国内需要の落ち込みで ROE が 5% に落ちる年。ROE が k を大きく下回り、上限の 6 割に置く。(上限の約 60% の 7.1 倍)
確率:国内の縮みが年 1.5% に加速し、脱炭素の費用と海外の失敗が利益を削る形。中計の目標を外してきた実績を踏まえて厚く置く。
悲観 11% 構造的に負け、普通の素材会社に格下げされる 利益 120 億円 · PBR 0.3 倍 · 株価時価総額 1,605 円1,749 億円
国内の需要が 2,400 万トンに落ち、設備が過剰になって稼働率が下がる。値崩れと脱炭素の費用で、国内は営業利益が出なくなる。米国は競合の新規能力に押され、営業利益は 180 億円にとどまる。アジアは赤字が続き、資源・環境も新しい処理の競争で利益が薄い。全体で営業利益は 290 億円と、今の 4 割だ。大きな減損と設備の整理が続き、ROE は 2% を割る。含み資産が株価の床をつくるが、もはや優良な素材会社ではなくなっている。還元は配当の下限を守る形で、純利益の合計を大きく上回る。足りない分は不動産や有価証券の売却で払う。米国の事業を切り離す選択も現実になり、会社の姿が大きく変わる。
- 国内セメント:数量 1,100(セメントの販売量(万トン/年、国内+輸出))× 価格 2.80(1 万トンあたりの売上(億円)。1 トン約 2.3 万円相当(生コンなどを含む))→ 売上 3,082 億円・営業利益 0 億円。1,100(今の0.76倍)× 価格 2.802(今の1.21倍)、営業利益率 0.0%
- 米国セメント・生コン:数量 520(セメントの販売量(万トン/年、生コン・骨材の売上を含めた換算))× 価格 6.94(セメント 1 万トンあたりの売上(億円)。生コン・骨材の売上を含む)→ 売上 3,611 億円・営業利益 181 億円。520(今の0.88倍)× 価格 6.944(今の1.45倍)、営業利益率 5.0%
- アジア(ベトナム・フィリピン):数量 700(セメントの販売量(万トン/年))× 価格 0.91(1 万トンあたりの売上(億円))→ 売上 636 億円・営業利益 −19 億円。700(今の0.96倍)× 価格 0.908(今の1.21倍)、営業利益率 -3.0%
- 資源・環境:数量 3,800(取扱量(万トン/年、推定。資源は骨材・石灰石の出荷、環境は廃棄物の受け入れ))× 価格 0.51(1 万トンあたりの売上(億円)。1 トン約 4 千円と仮定)→ 売上 1,935 億円・営業利益 135 億円。3,800(今の0.88倍)× 価格 0.509(今の1.27倍)、営業利益率 7.0%
- 建材・その他:数量 2,000(取引の件数(件、推定))× 価格 0.64(1 件あたりの売上(億円))→ 売上 1,273 億円・営業利益 13 億円。2,000(今の0.81倍)× 価格 0.636(今の1.27倍)、営業利益率 1.0%
倍率:国内需要の急減と海外の減損が重なる構造的な負け筋で、ROE 1.6% は k 7.25% を大きく下回り、稼ぐ力(純利益 120 億円÷k)は約 1,400 億円にとどまる。含み資産が株価の床をつくる筋書きなので、事業用資産の 5 割法の床(1,724 億円、floor_assets_oku)の 87% にあたる、今の自己資本 6,806 億円の 0.257 倍(約 1,749 億円)に置いた。
確率:国内の構造的な縮小と脱炭素の費用、海外の失敗が重なり、普通の素材会社に落ちる形。長い期間なので 1 割強とする。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
国内セメント
国内でのセメントの製造・販売と輸出。生コンやその他の国内販売も含む。
| 数量セメントの販売量(万トン/年、国内+輸出) | 価格1 万トンあたりの売上(億円)。1 トン約 2.3 万円相当(生コンなどを含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,449 | 2.32 | 3,367 | 280 |
| 10 年後 中立 | 1,490 | 3.11 | 4,638 | 325 |
取り方:2025 年度の国内販売 1,117 万トンと輸出 332 万トンの合計 1,449 万トンで、国内セメントの売上 3,367 億円を割った。物価 3% は価格に入れ、数量は実質の販売量で置く。国内の需要は 3,053 万トンで年 1〜2% ずつ縮むが、トクヤマの営業権で数量が加わる。
米国セメント・生コン
米国西海岸を中心にカルポートランドが営むセメント・生コン・骨材。
| 数量セメントの販売量(万トン/年、生コン・骨材の売上を含めた換算) | 価格セメント 1 万トンあたりの売上(億円)。生コン・骨材の売上を含む | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 589 | 4.80 | 2,825 | 267 |
| 10 年後 中立 | 648 | 7.39 | 4,791 | 455 |
取り方:米国のセメント販売 589 万トンで売上 2,825 億円(生コン・骨材を含む)を割った。生コンの買収で売上が増える分は、セメントあたりの売上(価格)の側のミックスの改善として入れる。1 ドル 150 円で固定。
アジア(ベトナム・フィリピン)
ベトナムとフィリピンのセメント。フィリピンは 244 億円を減損した。
| 数量セメントの販売量(万トン/年) | 価格1 万トンあたりの売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 729 | 0.75 | 549 | −37 |
| 10 年後 中立 | 900 | 1.01 | 908 | 36 |
取り方:ベトナムとフィリピンのセメント販売 729 万トンで売上 549 億円を割った。フィリピンは安い輸入品に押され赤字(−37 億円)。
資源・環境
骨材・石灰石などの資源販売と、廃棄物・副産物の受け入れ処理(環境)。
| 数量取扱量(万トン/年、推定。資源は骨材・石灰石の出荷、環境は廃棄物の受け入れ) | 価格1 万トンあたりの売上(億円)。1 トン約 4 千円と仮定 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 4,318 | 0.40 | 1,727 | 193 |
| 10 年後 中立 | 4,965 | 0.56 | 2,794 | 321 |
取り方:開示は売上と営業利益のみ。取扱量は資源と環境の売上 1,727 億円を、1 トンあたり約 4 千円(骨材の相場と廃棄物の処理料の平均と仮定)で割った推定値 4,318 万トン。
建材・その他
建材・建築土木(ALC など)、不動産、エンジニアリングなどの小さな事業の集まり。
| 数量取引の件数(件、推定) | 価格1 件あたりの売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 2,478 | 0.50 | 1,239 | 61 |
| 10 年後 中立 | 2,350 | 0.67 | 1,574 | 71 |
取り方:売上 1,239 億円を、1 件あたり平均 0.5 億円の取引と仮定して件数に直した推定値。小さな事業の集まりで、開示された数量はない。
リスクと懸念
国内需要の構造的な縮小
国内のセメント需要は 1990 年の 8,600 万トンから 3,053 万トンまで下がり、2026 年度はさらに減る見通しだ。人口減と新築住宅の減少が続く限り、数量は年 1〜2% で縮み、工場の固定費を吸収しにくくなる。値上げで利益を守る期間にも限りがある。
値上げの息切れとコスト高
2025 年度は 1 トン約 1 割の値上げで 185 億円の利益改善を得た。ただ 2026 年度は中東情勢による石炭・電力の上昇と固定費の増加で、国内の営業利益が 280 億円から 170 億円に落ちる計画だ。コストの転嫁が追いつかない年が続けば、国内の利益は薄くなる。
脱炭素の費用
セメントは石灰石の焼成で CO2 が出る。炭素税、排出量取引、2028 年度に始まる建築物のライフサイクル評価で、費用が増える。CO2 の回収・再利用への投資は売上を増やさず、回収の見通しも立っていない。対応が遅れれば、国内の利益率が低下するだけでなく、設備の更新時期も重なる。
海外投資の収益性
フィリピンは安い輸入品に押され、2025 年度に 244 億円の減損を出した。米国でも生コン工場と採石場の買収を重ねており、金利が高いと、投下資本の収益が資本コストを下回る期間が長くなる。海外での失敗は、国内で積み上げた利益を食い潰す形になりやすい。
米国の住宅と金利
米国の営業利益は 2024 年度の 410 億円から 2025 年度の 267 億円へ落ちた。会社は本格的な需要の回復を 2027 年度以降とみるが、金利が下がらなければ数量も価格も戻らない。全体の利益の約 3 分の 1 が米国に依存している。
利益のぶれと財務
営業利益は 2023 年 3 月期に 45 億円まで落ちた。純有利子負債は自己資本の約 0.5 倍で、今は耐えるが、成長投資が営業の稼ぎを上回る状態が続き、借入と資産売却に頼る形だ。景気後退が重なれば財務の余裕は急に減る。
今後の分かれ目
- 国内の値上げが 2026 年度に追加で通り、国内の営業利益が 170 億円の計画を上回って着地したら
- 値上げの定着を確認したことになり、やや楽観の確率を上げる。国内の営業利益率が 8% を超えて定着するかを見る。
- 米国の金利が下がり、住宅着工が戻って生コン工場の買収効果が出始めたら
- 米国の営業利益が 400 億円台に近づき、楽観側へ確率を移す。米国は全体の利益の 3 分の 1 を占めるため効きが大きい。
- 米国事業の切り離し・上場や、まとまった資産売却の具体策が発表されたら
- 含み資産が現金に変わり、資本が軽くなる。ROE の改善と還元の上積みが見込める。切り離しの価格次第で本質価値を見直す。
- 国内のセメント需要が 2,800 万トンを割り込んだら
- 縮小が速まった形で、やや悲観・悲観の確率を上げる。工場の統廃合や減損の可能性も考える。
- フィリピンや米国でさらに減損を出したら
- 海外の資本配分が資本コストを下回るという見方を強め、確率を悲観側へ寄せる。
- 炭素税や排出量取引の費用が会社の想定より早く、重く導入されたら
- 国内の利益率の前提を下げ、やや悲観の確率を上げる。
見ておくもの
- セメント協会の月次の国内需要と、会社の販売量
- 国内の値上げの発表と実際の販売価格の差
- 米国の住宅着工と、会社の生コン・骨材の販売量
- 政策保有株・不動産の売却額と、自社株買いの規模
- 次期中計(29 中計)の営業利益・ROE の目標
倍率と資本コストの決め方
今の株価や PER から逆算せず、まずセグメントごとに数量と価格を積み、ROE から正当化 PER を出した。ROE が資本コスト 7.25% に届かないので上限は 1÷k の約 11.8 倍とし、中立は 8 割台半ばにとどめた。中立の PBR は約 0.7 倍で、過去の PBR の中央値 0.95 倍には寄せていない。悲観は谷の利益に低い倍率を重ねず、稼ぐ力(純利益÷k)を床で見た。純有利子負債は時価総額の 7 割を超えるが、純現金ではないので余った現金は立てていない。リースは小さく、数字の形が 2028 年 3 月期から変わる影響は大きくない。含み益は自己資本に入る有価証券分を除き、不動産の含み益は数字にしていない。 持ち合い株の含み益(評価差額金の税後)は余った現金に 0.5 で足した。 2026-10-22 の見直し(R1〜R4)で倍率・時価総額を機械で置き直した(前後は notes/audit/fix_stage2_20261022.csv)。
資本コスト 7.2% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。