結論
旭コンクリート工業は、下水道や河川の工事に使うヒューム管とボックスカルバートを作る、従業員 188 人の小さなメーカーだ。売上は 76 億円、営業利益は 6.1 億円で、利益率 8.0% は過去 12 年で最高になった。実質の無借金で、純現金は 19 億円ある。筆者の結論は、事業は堅いが成長がなく、今の時価総額は割高、というものだ。
堅いのは、需要が下水道の更新という公共事業に支えられているからだ。管は重く、遠くへ運べないので、地元の工場が近いことが入札で効く。2026 年 3 月期は営業利益が 10% 伸びた。
足りないのは成長だ。国内の管の需要はピークの 1972 年度から 4 割も残らない。ROE は 3.6%で、資本コストに届かない。自己資本 127 億円は厚いが、利益を生む力に対して大きすぎる。
大株主は日本ヒュームの 29.6% と太平洋セメントの 9.2%。中立では、10 年後の営業利益は 6 億円台と今と同じで、純利益は 4.6 億円。確率で重みづけした総合は、今の時価総額を大きく下回る。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、旭コンクリート工業は「堅いが小さく、成長しない」会社だ。無借金で、需要は下水道の更新に支えられる。10 年先も存在する事業だと、筆者は見る。
問題は値段だ。時価総額は 108 億円で、純利益 4.6 億円の約 24 倍。PBR は 0.85 倍だが、ROE が資本コストに届かないので、PBR が 1 倍を割っても安くはない。自己資本の 127 億円のうち、使われずにいる現金と土地は、株主に戻る保証がない。
オーナー利益は、純利益から設備更新の持ち出し分を引いたものだ。償却 2.5 億円に対し、設備投資は 4.9 億円。差の 2.4 億円が毎年現金から出る。配当に回せる額は、純利益より少ない。
筆者は、純利益の 10 倍前後、つまり 40 億円台が妥当な値と見る。今の値段には安全域がない。買うなら半値以下だ。
何で稼ぐ会社か
売上の 59% がコンクリート二次製品だ。下水道に使う円筒のヒューム管と、道路や河川の水路になる箱型のボックスカルバートが中心で、売上は 45 億円。買い手は国や自治体で、公共事業に大きく頼る。
納めた製品を現場に据える敷設工事が 3.9 億円。その他部門は 27 億円で、他社の資材の仕入れ販売が中心とみられ、利益率は低い。保有するマンションの賃貸は 0.4 億円と小さい。
2026 年 3 月期の売上は前期比 5.7% 増の 76 億円、営業利益は 6.1 億円。設備投資は 4.9 億円で、大半は製品を型どる型枠にかかる。減価償却は 2.5 億円。
日本ヒュームは製品の売買をする関係にあり、太平洋セメントはセメントを仕入れる取引先でもある。従業員は 188 人で、平均勤続は 18 年と人の入れ替わりは少ない。製品が重く運搬費がかさむため、工場に近い工事へ売る仕組みだ。公共工事は年度末に完工が集まるので、売上と現金は 3 月に偏る。2027 年 3 月期の会社予想は、売上 78 億円、営業利益 7 億円。第 1 四半期の営業利益は 2.9 億円と、出足は強い。
優良さと弱いところ
堀は普通と見る。ヒューム管やボックスカルバートは重く、運送費がかさむので、工場に近い市場を守る。入札で価格が決まるが、地元の工場という立地が競争相手を減らす。
利益率は 2022 年 3 月期の 5.6% から 2026 年 3 月期の 8.0% まで上がった。材料高の転嫁が官公庁の単価改定で通ったこと、基幹システムの導入が重なった成果だ。値上げの実績があるので、利益率の上昇は一過性だけとは言えない。
弱点は 3 つある。公共事業への依存、小さな規模、成長のなさだ。社員 188 人で、一つの工場の事故や不況が全体に響く。売上は 2015 年 3 月期の 131 億円から 76 億円に縮んだ。
資本の使い方は保守的だ。自己資本比率は 76% で、配当は純利益の約 5 割。自社株買いはない。現金が厚いのは安心だが、ROE は 3.6% と低く、株主が期待する稼ぎではない。
経営は日本ヒュームの持分 29.6% の下にあり、独自に動きにくい面がある。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
ヒューム管の国内需要は、ピークの 1972 年度から 4 割も残っていない。下水道の普及がほぼ終わり、今の仕事は老朽管の更新と、豪雨対策の雨水貯留・排水路が中心だ。国土強靱化の予算が、この数年の下支えになった。
人口が減る地方の自治体は、下水道の更新を後回しにしがちで、予算は都市部に寄る。ボックスカルバートは、道路や河川の工事に左右される。
競合は、日本ヒューム、ベルテクス、地元の中小メーカーだ。入札で値段が決まり、大手でもシェアは 2 割程度。地元の工場が近いことが決め手になる。
費用の面では、セメントと電力、鋼材が効く。セメントは寡占で値上げが通りやすく、電力は上がり続ける。官公庁の積算単価が毎年改定されるので、転嫁は遅れて通る。
労働力不足は、敷設工事に響く。型枠を回す工場の人手も足りず、設備更新で補う。
気候変動で豪雨が増え、雨水をためる貯留管や調整池の需要は、更新とは別に積み上がる。ボックスカルバートの新しい出番になるが、予算の裏づけは自治体ごとにまちまちで、数量の増え方は読みにくい。
業界は再編の途上にある。日本ヒュームが 2014 年に旭コンクリートの株を買い進めたのも、その一環だ。
資本政策と M&A
配当は「安定配当を基本に業績に対応」という方針で、2026 年 3 月期は総額 2.2 億円、純利益の約 5 割だった。2027 年 3 月期も同水準で、普通配当に特別配当を加える。自社株買いは行っていない。
現金は 26 億円、長期預金が 5 億円。有利子負債は 6 億円で、純現金は 19 億円。ただし、官公庁向けの売上は年度末に集まるので、期末の現金は季節で厚く見える。ここでは 10 億円だけを余った現金とみた。
日本ヒュームが 29.6%、太平洋セメントが 9.2%を持つ。日本ヒュームは持分法の対象でなく、親会社でもない。2 社とも事業上の取引先で、旭コンクリートの余った現金が全部株主に戻ると決まっているわけではない。
TOB の可能性は、日本ヒュームが残りを買う形が考えられるが、会社からは何も示されていない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
利益率が上がり続けている。営業利益率は 2022 年 3 月期の 5.6% から 8.0% へ上がり、2027 年 3 月期の会社予想は 9% だ。第 1 四半期の営業利益は 2.9 億円と強く、通期の 7 億円は達成できそうだ。
需要は公共事業で、景気に左右されない。国土強靱化と下水道・雨水対策の予算は続き、老朽管の更新は避けられない。重くて運べない製品は、地元の工場が強い。
無借金で純現金が 19 億円ある。自己資本比率は 76%。特別配当を出した実績もあり、現金が株主に戻る期待はある。日本ヒュームが 29.6% を持つので、再編で価値が表に出る可能性もある。
PBR は 0.85 倍で、帳簿の価値を下回る。土地の簿価は 17 億円で、含み益もありうる。値上げが通る体質が、利益を伸ばし続ける。小さな会社ほど、1 つの案件で利益が跳ねる。純現金は時価総額の 2 割近くあり、増配や自社株買いに回れば、株主の取り分は目に見えて増える。
慎重な見方
利益率 8.0% は過去 12 年の最高で、これ以上の伸びは見込みにくい。2019 年 3 月期は 4.3% だった。材料高の転嫁は官公庁の単価改定を待つので、遅れて通る。通らない年もある。
成長の材料がない。売上は 2015 年 3 月期の 131 億円から 76 億円に縮み、下水道の需要は長期で細る。人口が減る地方の自治体は、更新を先送りする。ROE は 3.6% と資本コストを大きく下回る。
現金を株主に戻す仕組みがない。配当は純利益の 5 割で、自社株買いはない。日本ヒュームと太平洋セメントの 2 社で 4 割弱を持ち、少数株主が現金の使い道を決められない。
純利益は 4.5 億円なのに時価総額は 108 億円で、約 24 倍。この値段を正当化するには、利益が倍になる必要がある。設備投資が償却の 2 倍あり、現金は毎年細る。社員 188 人の小さな会社で、災害や事故の損失も大きい。
どちらに重みを置いたか
事業の堅さは認めるが、成長がなく、値段が利益の 24 倍と高い。慎重な見方を強いと判断し、中立に 4 割強を置き、やや悲観と悲観に 4 割弱を置いた。利益率の高さと現金の厚さは認めるが、成長のない会社に利益の 24 倍の値段は付けられない。
利益率が 9% を超え、官公庁の単価改定が毎年通ると確認できれば、楽観を上げる。逆に、公共事業の予算が減る年が出れば、悲観を上げる。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 433 円57 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 177 円23 億円)。 今の値に割り戻すと 334 円44 億円、今との差 −57.9%、 期待の年率 −2.6%(資本コスト 7.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 5% | 670 円88 億円 | 258 円34 億円 | +17.0% | +1.6% | 46 円6 億円 |
| やや楽観 | 15% | 588 円78 億円 | 228 円30 億円 | +2.9% | +0.3% | 122 円16 億円 |
| 中立 | 42% | 508 円67 億円 | 190 円25 億円 | −12.0% | −1.3% | 293 円39 億円 |
| やや悲観 | 26% | 271 円36 億円 | 152 円20 億円 | −46.7% | −6.1% | 110 円14 億円 |
| 悲観 | 12% | 231 円31 億円 | 91 円12 億円 | −59.4% | −8.6% | 39 円5 億円 |
| 加重平均 | 100% | 433 円57 億円 | 177 円23 億円 | −23.0% | −2.6% | 610 円80 億円 |
今の株価時価総額 793 円105 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.5% を下回るほど割高。
楽観 5% 楽観:国土強靱化と下水道の更新が続き、積算単価の改定で利益率が高止まりする 利益 6 億円 · PER 13.3 倍 · 株価時価総額 670 円88 億円
国土強靱化と下水道・雨水対策の更新が続き、出荷量は今と同じ水準を保つ。官公庁の積算単価が毎年見直され、値段は物価を少し上回る 1.40 倍。型枠は物価で高くなるが、償却は少しずつしか増えない。
ヒューム管は重く、遠くへ運べない。地元の工場が近いことが、入札で効く。利益率は 11.5% まで上がる。
営業利益は約 8.4 億円、利益率は 7.9%。過去 12 年の最高 8.0% を超えない。
配当は増やすが、社員 188 人の小さな会社で、設備更新に現金が要るので、全部は出さない。売上は 107 億円まで伸び、型枠の更新投資も増えるため、現金の積み上がりは限られる。
- コンクリート二次製品(ヒューム管・ボックスカルバート):数量 100(年間の出荷量(千トン))× 価格 6.34(1 トンあたり販売価格(万円))→ 売上 63 億円・営業利益 7 億円。出荷量は横ばい、単価 1.40 倍
- 敷設工事:数量 100(年間の施工件数(件))× 価格 550(1 件あたり金額(万円))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。工事も横ばい
- 資材の仕入販売など:数量 89.0(年間の取扱量(千トン換算))× 価格 4.20(1 トンあたり金額(万円))→ 売上 37 億円・営業利益 1 億円。仕入販売も横ばい
- 不動産賃貸:数量 1.0(件)× 価格 0.56(1 件あたり売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。賃貸
倍率:事業の純利益 6 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 4.4% が k 7.50% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 13.3 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.3 倍 + 余った現金(戻り方込み)8 億円。全体の PER 13.33 倍、時価総額 88 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:公共事業の予算が減らず、材料高の転嫁も毎年通る筋書き。利益率が過去 12 年の最高に迫る必要があり、条件は多い。
やや楽観 15% やや楽観:更新需要が底堅く、利益率 7% 台が続く 利益 5 億円 · PER 13.3 倍 · 株価時価総額 588 円78 億円
下水道の老朽管の更新と雨水対策で、出荷量は今の 0.96 倍。値段は 1.36 倍まで上がる。
材料のセメントや鋼材の値上がりは、官公庁の単価改定で遅れて通る。工事部門の利益率はやや改善する。
営業利益は約 7.4 億円、利益率は 7.3%。会社の 2027 年 3 月期予想の 9% には届かない。
現金は増え続けるが、日本ヒューム(29.6%)と太平洋セメント(9.2%)が大株主で、株主還元は配当が中心になる。売上は 100 億円に近づくが、型枠の更新投資も同じ速さで増えるので、純利益の伸びは 5 億円台にとどまる。
- コンクリート二次製品(ヒューム管・ボックスカルバート):数量 96.0(年間の出荷量(千トン))× 価格 6.16(1 トンあたり販売価格(万円))→ 売上 59 億円・営業利益 6 億円。出荷量 0.96 倍
- 敷設工事:数量 95.0(年間の施工件数(件))× 価格 535(1 件あたり金額(万円))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円
- 資材の仕入販売など:数量 85.4(年間の取扱量(千トン換算))× 価格 4.08(1 トンあたり金額(万円))→ 売上 35 億円・営業利益 1 億円
- 不動産賃貸:数量 1.0(件)× 価格 0.54(1 件あたり売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。賃貸
倍率:事業の純利益 5 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 3.8% が k 7.50% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 13.3 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.3 倍 + 余った現金(戻り方込み)8 億円。全体の PER 13.33 倍、時価総額 78 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:直近の流れが続く筋書き。営業利益率は 2 年連続で過去最高を更新しており、これが保たれる姿を 1 割台半ばに置いた。
中立 42% 中立:出荷量は 1 割弱減り、値段は物価並み。営業利益は 6 億円台で横ばい 利益 5 億円 · PER 13.3 倍 · 株価時価総額 508 円67 億円
国内の管の需要はピークの 1972 年度から 4 割も残らない。下水道の更新と雨水対策が下支えし、出荷量は今の 0.92 倍。値段は物価並みの 1.32 倍。
営業利益率は 6.7%。今の 8.0% は過去 12 年の最高で、中立では戻りを置く。セメント・電力・人件費は物価で 1.34 倍に上がるが、型枠の償却は取得時の値段のままで、増え方が遅い。
営業利益は約 6.3 億円、純利益は 4.6 億円。売上は今の 1.2 倍に増えるが、利益は伸びない。
設備更新は型枠や基幹システムで年 5 億円前後。償却の 2.5 億円を上回る分は、現金から出る。配当は純利益の 5 割強を続ける。
- コンクリート二次製品(ヒューム管・ボックスカルバート):数量 92.0(年間の出荷量(千トン))× 価格 5.98(1 トンあたり販売価格(万円))→ 売上 55 億円・営業利益 6 億円。出荷量 0.92 倍
- 敷設工事:数量 90.0(年間の施工件数(件))× 価格 527(1 件あたり金額(万円))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円
- 資材の仕入販売など:数量 81.9(年間の取扱量(千トン換算))× 価格 4.02(1 トンあたり金額(万円))→ 売上 33 億円・営業利益 1 億円
- 不動産賃貸:数量 1.0(件)× 価格 0.54(1 件あたり売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。賃貸
倍率:事業の純利益 4 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 3.2% が k 7.50% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 13.3 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.3 倍 + 余った現金(戻り方込み)8 億円。全体の PER 13.33 倍、時価総額 67 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:人口の減少で国内の管の需要は細るが、下水道の更新が支える。値上げは通るが、利益率は今の 8% より下で落ち着くと置き、一番厚くした。
やや悲観 26% やや悲観:公共事業の予算が細り、値引き競争が戻る 利益 3 億円 · PER 8.5 倍 · 株価時価総額 271 円36 億円
地方の自治体が人口減で予算を絞り、出荷量は今の 0.86 倍。入札で値引きが戻り、値段は物価に届かない 1.28 倍。
セメント・電力・人件費の上昇を、全部は転嫁できない。営業利益率は 5% 台に下がる。
営業利益は約 4.4 億円、純利益は 3.3 億円。工場の稼働率が落ちて、固定費の重さが出る。
配当は純利益に連動して減る。現金は残るが、使い道は少数株主には決められない。工事部門は件数が減り、仕入販売の利益も薄い。会社は設備更新を絞って現金を守るが、型枠が古くなり、製品の品質と納期に不安が出る。
- コンクリート二次製品(ヒューム管・ボックスカルバート):数量 86.0(年間の出荷量(千トン))× 価格 5.80(1 トンあたり販売価格(万円))→ 売上 50 億円・営業利益 4 億円。出荷量 0.86 倍
- 敷設工事:数量 80.0(年間の施工件数(件))× 価格 491(1 件あたり金額(万円))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円
- 資材の仕入販売など:数量 75.6(年間の取扱量(千トン換算))× 価格 3.84(1 トンあたり金額(万円))→ 売上 29 億円・営業利益 1 億円
- 不動産賃貸:数量 1.0(件)× 価格 0.50(1 件あたり売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。賃貸
倍率:PER 8.5 倍。ROE は 2% 台で k を大きく下回り、上限 12.9 倍の 66%。
確率:国内需要の細りが速く、入札の競争が再燃する筋書き。2015〜2019 年は利益率が 4〜6% で、そこへ戻る姿。
悲観 12% 悲観:下水道の予算が構造的に縮み、設備だけが残る 利益 1 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 231 円31 億円
自治体の下水道・河川の工事が減り、出荷量は今の 0.72 倍。値段は物価に届かず 1.15 倍。
工場の稼働率が下がり、固定費が重くなる。営業利益率は 1.5% まで落ち、営業利益は約 1 億円。
日本ヒュームは大株主だが、再編の相手として動く保証はない。地方の中小メーカーの廃業が進み、受注は大手に集まるが、値引きで利益は残らない。型枠など設備の更新を止め、現金は守りに回る。
設備の稼働が落ち、減損の損失が出る年もある。株主に残る価値は、現金と土地、売掛金の回収が中心になる。配当は純利益が薄く、10 年で 12 億円にとどまる。
- コンクリート二次製品(ヒューム管・ボックスカルバート):数量 72.0(年間の出荷量(千トン))× 価格 5.21(1 トンあたり販売価格(万円))→ 売上 38 億円・営業利益 1 億円。出荷量 0.72 倍
- 敷設工事:数量 60.0(年間の施工件数(件))× 価格 432(1 件あたり金額(万円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円
- 資材の仕入販売など:数量 66.8(年間の取扱量(千トン換算))× 価格 3.30(1 トンあたり金額(万円))→ 売上 22 億円・営業利益 0 億円
- 不動産賃貸:数量 1.0(件)× 価格 0.44(1 件あたり売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。賃貸
倍率:PBR 0.24 倍を今の自己資本 127 億円に掛けた。稼ぐ力は薄く、価値は純現金と土地などの処分価格が中心。
確率:人口減で自治体の下水道予算が長く縮み、大手の値引きに押される筋書き。ピークの 4 割の需要がさらに細ることは、実績の延長にある。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
コンクリート二次製品(ヒューム管・ボックスカルバート)
下水道や道路・河川の工事に使う、コンクリートの管(ヒューム管)や箱型の水路(ボックスカルバート)を作って売る。主力。
| 数量年間の出荷量(千トン) | 価格1 トンあたり販売価格(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 100 | 4.53 | 45 | 5 |
| 10 年後 中立 | 92.0 | 5.98 | 55 | 6 |
取り方:売上 45.3 億円は有価証券報告書(コンクリート二次製品部門)。出荷量と単価は開示がなく、売上から「平均 1 トン 4.5 万円」と置いた推定。セグメント別の利益も開示がなく、全社の営業利益 6.1 億円に合うよう推定した(軽く書く会社のため推定)。
敷設工事
納めた管や水路を、現場で据え付ける工事。
| 数量年間の施工件数(件) | 価格1 件あたり金額(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 100 | 393 | 4 | 0 |
| 10 年後 中立 | 90.0 | 527 | 5 | 0 |
取り方:売上 3.9 億円は開示(工事部門、前期比 5.8% 減)。件数と金額は推定。
資材の仕入販売など
他社の製品や資材を仕入れて売る部門。利益率は低い。
| 数量年間の取扱量(千トン換算) | 価格1 トンあたり金額(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 89.0 | 3.00 | 27 | 1 |
| 10 年後 中立 | 81.9 | 4.02 | 33 | 1 |
取り方:売上 26.7 億円は開示(その他部門、前期比 18.3% 増)。内訳は開示がなく、仕入販売が中心と推定。取扱量は推定。
不動産賃貸
保有するマンションなどの賃貸。
| 数量件 | 価格1 件あたり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1.0 | 0.40 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 1.0 | 0.54 | 1 | 0 |
取り方:売上 0.43 億円は開示。利益は推定。
リスクと懸念
公共事業への依存
売上のほとんどが官公庁向けで、自治体の下水道・河川の予算が減れば出荷が減る。人口が減る地方ほど、更新の先送りが起きやすい。
材料高の転嫁の遅れ
セメント・鋼材・電力が上がっても、官公庁の積算単価の改定を待つ。改定が遅れる年は、利益率が一時的に落ちる。
規模の小ささ
社員 188 人、売上 76 億円。一つの工場の事故や災害、一つの大きな案件の失注が、全体の利益に響く。
資本効率の低さ
自己資本 127 億円に対し ROE は 3.6%。現金と土地が厚くても、少数株主が使い道を決められず、価値は帳簿の厚さに届かない。
労働力不足
敷設工事と工場の人手が足りず、工期の遅れや賃金の上昇につながる。設備更新で補うが、年 5 億円前後の持ち出しになる。
大株主の意向
日本ヒュームが 29.6% を持つ。再編や提携が株主に有利に進むとは限らず、方向性は会社から示されていない。
今後の分かれ目
- 営業利益率が 2 期続けて 9% を超える
- 中立の利益率を 6.7% から 7.5% に上げて見直す。
- 官公庁向けの単価が改定されず、材料高が通らない年が出る
- 利益率を 1〜2 ポイント下げ、やや悲観の確率を上げる。
- 日本ヒュームが TOB を発表する
- 買付価格が本質価値と比べて高いかを見直す。TOB の対象になれば分析の対象から外す。
- 自社株買いや大きな特別配当が出る
- 余った現金の戻り方を 0.75 から 1.0 に上げる。
- 国土強靱化の予算が減額される
- 出荷量を 0.85 倍から 0.78 倍に下げ、悲観の確率を上げる。
見ておくもの
- 営業利益率(今 8.0%、会社予想 9%)
- 官公庁向けの出荷量と受注
- セメント・鋼材・電力の費用と単価改定
- 日本ヒュームの動き
- 設備投資と現金の推移
倍率と資本コストの決め方
倍率は、事業の ROE が資本コスト 7.5% に届かない前提で、式の上限 1÷k=12.9 倍の 66〜89% に置いた。今の株価は純利益の約 24 倍だが、倍率の根拠に使っていない。余った現金は戻り方 0.75 を掛けて足した。新リース会計基準の影響は小さい(工場と土地は自社保有)。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 11.5→13.33 倍・やや楽観 PER 11→13.33 倍・中立 PER 10→13.33 倍)。
資本コスト 7.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本 7.5% に quality +0.25% を加えて 7.75%。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 7.75% → 7.50%。