株譜
AI 銘柄分析 · 生活必需品 · 試作

KOF KOF

中南米の独占的な瓶詰め・配送網は長寿だが、設備投資と原液供給者への依存が重い。還元込みでも今の評価には安全域が薄く、やや割高

やや割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)89.56 ドル188 億ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-30)115.7 ドル243 億ドル差 −22.6%
10 年後から見ると やや割高 価値 89.56 ドル188 億ドル · 差 −22.6% · 期待の年率 +4.8%
期待の年率リターン(10 年)+4.8%資本コスト比 −3.2 pt
推定の資本コスト8.0%期待の年率と比べる目安

期待の年率は、5つの筋書きから求めた期待CFのIRRです。期間の還元・追加負担を中間時点、終価を期間末に置く仮定で、価値の割引時期とそろえています。実際の配当日を予測した値や、筋書きごとのIRRの平均ではありません。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの終価と還元を確率で加重し、資本コスト 8.0% で今の値に割り戻したものです。

利益と必要資本から、将来の留保余力を見込む場合があります。この推定は、維持更新投資や運転資金、借換後の現金計画を確認した値ではありません。

留保余力の推定による上乗せは、算定価値の約1.3%です。同じモデル内の上乗せ分の割合で、実現する現金額や割高・割安を示すものではありません。

総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

終価・還元は現在株主全体の取り分です。1株表示は現株数への換算で、還元には配当・自社株買いを含みます。持分・支払時点は簡略化しており、買戻しに売却参加せず同じ株数を持ち続ける場合の将来株価・受取配当とは別です。

結論

コカ・コーラ・フェムサは、メキシコ、ブラジルなどでコカ・コーラ製品を瓶詰めし、地域の商店へ届ける世界最大のコカ・コーラ系ボトラーである。筆者の結論は「事業は強いが、今の価格はやや割高」だ。ブランドは借り物でも、独占的な供給区域と配送網には10年後も価値が残る。ただし原液を売るコカ・コーラ本体と違い、工場、冷蔵庫、配送車へ継続的に投資しなければならない。

2025年は約41.5億ケースを売ったが、メキシコの数量減で全社のケース数は前年割れとなった。2026年7〜9月には数量が5.3%戻り、南米の営業利益も回復している。ただしメキシコでは販売回復にもかかわらず販促費や配送費が重い。成長率だけでなく、値上げの後に何ケース残り、いくら現金が残るかが問われる。

中立では2035年の売上が約239億ドル、純利益が20.1億ドルに育つ。正味の10年間の還元98億ドルを加えても、資本コスト8.0%で割り引いた適正価値の確率加重平均は約186億ドルで、比較対象の時価総額248億ドルを約25%下回る。大幅な値下がりを予想するのではなく、現在の株主が負担する価格に対して、長期の必要利回りを確保しにくいという判断である。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、10年後も人々が飲み物を買い、小さな商店へ届けてもらうかが最初の問いになる。答えは明らかに肯定だ。コカ・コーラの商標と瓶詰め区域を持つ事業者の配送網が消える理由も乏しい。問題は、その需要を取り込むために必要な再投資と、最後に利益を受け取る権利の強さである。

2025年は会計上の純利益12.4億ドルに対し、自由に使える現金は3.4億ドルだった。生産設備と運転資金を更新する支出が大きいため、原液メーカーのように利益のほとんどを還元できるとは考えない。中立の増分純利益は7.7億ドルで、残す自己資本の増加約64.5億ドルに対し利回りは約12%となり、資本コストを超える。それでも親会社の原液価格交渉や糖分規制によって超過収益は薄れうる。

帳簿の自己資本だけでは事業価値は測れない。独占的な区域とブランドが持続すれば高い価値があるが、悲観では工場の換価価値と低い利益の両方を吟味すべきだ。2025年末の純負債は30億ドルで直ちに危うい水準ではないものの、配当のために借金が積み上がるなら保有の魅力は薄れる。現在の評価は10年後の利益改善を相当織り込んでおり、長く所有するだけで十分な安全域を得られる価格ではない。

何で稼ぐ会社か

稼ぎ方は原液メーカーよりも現場に近い。コカ・コーラ本体から原液やブランドの使用権を得て、砂糖、水、容器を調達し、製造した飲料を商店、スーパー、飲食店に届ける。約210万の販売拠点を結ぶ配送密度と、飲料冷蔵庫の設置が商売の土台だ。2025年の販売数量は41.50億ケースで、コカ・コーラと無糖品が約6割を占める。モンスターのエナジー飲料や一部のビールも扱うが、主体は非アルコール飲料である。

収益を左右する地域は二つの報告部門に分かれる。メキシコ・中米は数量23.92億ケースで全社売上の約58%を占める。メキシコ単独で20.14億ケースを売り、伝統的小売店への細かな配送が価格と棚を守る。中米は量が小さいが、グアテマラなどで人口増と冷蔵網の拡大が効く。南米は17.59億ケースで、うちブラジルが11.78億ケース。ブラジルは回収可能な容器と新製品、コロンビアなどは地域ブランドとの競争が鍵になる。

2025年の地域別売上はメキシコ・中米1696億メキシコペソ、南米1221億ペソである。国別売上は開示されないため、ケース数と地域平均の単価を基礎に四つの事業へ分けている。ビールの売上は南米の単価に含め、ビールを飲料ケース数へ架空に足してはいない。2026年7〜9月は全社数量が5.3%増え、売上が10.9%増えた。メキシコの持ち直しとブラジルの採算改善が同時に進むかを見極めたい。なお2026年9か月の営業利益には保険金収入も含まれ、四半期の増益をそのまま恒久化しない。

優良さと弱いところ

最大の堀、つまり新規参入者が簡単には越えられない壁は、コカ・コーラのブランドと排他的な地域営業権、そして細い道まで商品を届ける配送網の組み合わせである。メキシコやブラジルの担当区域で新参者が同じ冷蔵庫と配送密度を築くには、長い年月と巨額の費用がいる。中小商店にとっては、売れ筋を欠かさず届けてくれる取引先を簡単に替える理由がない。コカ・コーラ本体の中南米での炭酸飲料シェアは小売金額ベースで過半に達する。

ただし、ブランドそのものの所有者ではない。原液価格と販促方針は本体との協議で決まり、瓶詰め契約は10年ごとに自動更新される仕組みだ。フェムサは議決権の過半を持ち、コカ・コーラ本体にも重要事項への拒否権がある。一般株主が優れた販路に投資できても、その超過利益を自由に配分する権限までは買えない。

資本効率も原液メーカーとは異なる。2025年の営業利益率は14.0%、ROEは15.3%だったが、設備投資と運転資金の負担が大きく、フリーキャッシュフローは3.4億ドルに縮んだ。2016年以降の営業利益率はおおむね13〜15%台に収まり、景気や原料費に耐えてきた。増分の稼ぎが資本コストを上回る余地はあるが、堀の利益を原液供給者と分けるため、値上げ分がすべて株主に残るわけではない。AIエージェントは人員配置や受発注の効率化には寄与しても、物理的な製造・配送を代替する型には当たらない。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

中南米の清涼飲料は新興国の人口と所得に支えられる一方、炭酸の一人当たり消費量が高いメキシコは成熟市場に近い。コカ・コーラ本体の推計では、中南米の対象飲料カテゴリーの小売市場は2025年に約1350億ドルで、同社系ブランドは炭酸の小売金額シェアで50%超を持つ。ただしこれは中南米全体のブランドのシェアであり、コカ・コーラ・フェムサ単独の占有率ではない。同社の41.5億ケースはコカ・コーラ本体の中南米全体の約98億ケースに対し4割強の規模だが、取扱品目が異なるため厳密なシェアには使えない。

メキシコの競争相手はペプシ系のグルポGEPP、ジュースのフメックス、水のダノン系ボナフォンである。コロンビアではポストボンとビッグ・コーラ、ブラジルではアムベブと地場の低価格飲料が棚を争う。同じカテゴリー・地域・販売金額で比較した競合各社の占有率は公表がそろわないため、数字を作らない。重要な事実は、2025年にメキシコの販売数量が5.2%減った一方、ブラジルは1.6%増え、2026年7〜9月には双方が回復したことだ。シェアが安定しても、地域の需要は一様には動かない。

10年の中立では、メキシコの実質数量はほぼ横ばい、中米は年2%前後、ブラジルは年2%弱、南米その他は年1%強の増加を想定する。単価は共通の物価3.5%を基準とし、低価格パックとの競争で一部を差し引く。砂糖税、健康志向、肥満治療薬の普及は甘い炭酸を減らし、無糖、飲料水、機能性飲料への入れ替えを迫る。PET、アルミ、水使用許可と地域の通貨不安も費用を押し上げる。量より値上げだけに頼れば、いずれ商店の棚と販売個数を失う。

資本政策と M&A

経営の軸は配当と現場への再投資である。2025年の配当は8.2億ドルで自社株買いは確認できず、株数もほぼ一定だった。対してフリーキャッシュフローは3.4億ドルにとどまり、純有利子負債は約30億ドルへ増えた。継続的に配当が支払われていても、稼いだ現金を超える年があることは軽視できない。2026年は設備投資を売上の7.0〜7.5%とする予算で、生産能力、配送設備、冷蔵庫、デジタル化へ投じる。2026年の承認済み普通配当は年4回、合計約162.6億メキシコペソで、10月13日にも第3回の支払いが行われた。

過去の資本配分は拡大と撤退が混在する。メキシコの瓶詰め会社やブラジルの営業区域を買い集め、密度を上げたことは堀を強くした。一方、2013年に参入したフィリピンは2018年に売却し、拡大なら何でも成功するわけではない。2022年にはメキシコの飲料水事業も取得した。今後も隣接区域の買収余地はあるが、未成立案件の利益は見込まない。

取締役の支配はフェムサとコカ・コーラ本体に集中する。フェムサの議決権は56.0%、原液側は32.9%で、ADSの基礎に含まれるL種株の議決権は限定的だ。配当増額には本体側の同意が必要になる場合もある。長期の配当性向や買い戻し額に拘束力ある数値目標は見当たらない。借り換え金利が約5.75%へ寄ることも考え、還元の予測は利益の全額ではなく、工場を保つ投資を引いた残りとする。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

最大の強みは、売れるブランドと店頭配送の仕組みが一体になっていることだ。約2億6800万人の消費者と210万の販売拠点に到達する網は、低価格飲料が一部の棚を奪っても代替しにくい。コカ・コーラ本体にとっても最大のボトラーは重要な相手であり、契約関係は数十年にわたり更新されてきた。2026年7〜9月に全事業地域で数量が伸びたことは、2025年のメキシコの失速が不可逆的な需要崩壊ではなかった可能性を示す。

さらに、中米の人口増とブラジルの無糖飲料・水・エナジーの浸透には余地がある。ブラジルでは2026年7〜9月の南米事業の営業利益が前年から約5割増え、配送効率と製品構成を改善できれば販売量以上の利益が残る。メキシコでも容量別の価格を調整し、伝統的小売店の棚を保てば、物価並みの値上げが利益に結びつく。販売区域が隣接する買収は工場や配送拠点を統合しやすく、むやみに新業態へ進出する買収より有利である。

10年後の楽観では、メキシコの数量回復に中米とブラジルの伸びが重なり、売上は約287億ドルになる。地域全体の営業利益率が17%近くへ上がれば、純利益は27.4億ドルとなる。金利低下にも市場の高い値付けにも頼らず、工場と配送網がより多くのケースを同じ網で運ぶことによる本源的な改善だけで、株主に十分な利益が残りうる。

慎重な見方

強いブランドを持つことと、強い交渉権を持つことは別だ。商標を所有するのはコカ・コーラ本体であり、原液の価格や販促負担は双方の協議で決まる。利益の配分が本体側へ傾けば、瓶詰め会社だけが設備の更新を負担する。フェムサと本体は株式と議決権を通じて経営を握り、一般のADS保有者は相手の条件を変えることが難しい。これは成長性よりも、得た利益を何年も受け取れるかという問題である。

2025年にメキシコの販売数量が5.2%減り、2026年7〜9月に数量が戻ってもメキシコ・中米の営業利益は減った。量を取り戻すための広告、配送、冷蔵設備の費用は価格改定だけでは補えない。糖分規制、肥満治療薬、低所得者の節約で炭酸の数量が減り続けるなら、値上げの後に残る販売数量は思った以上に少ない。ブラジルはアムベブや低価格ブランド、コロンビアはポストボンとの競争が激しく、地域分散は弱さを薄めても消せない。

加えて、2025年の自由現金3.4億ドルを配当8.2億ドルが上回った。設備投資と配当を借金で同時に賄い続ければ、借り換え金利の上昇が将来の利益を削る。悲観では工場の価値が消えるわけではないが、既存株主が望む利回りを生まない資産へ変わる。ブランドの強さだけを理由に原液会社並みの価値を認めるべきではない。

どちらに重みを置いたか

事業が消えないという議論では強気の見方が優勢だ。だが株主の取り分を決めるのは、原液供給者との利益配分、設備投資、配当の持続性である。2026年の数量回復は評価する一方、メキシコの採算悪化と2025年の現金不足を重く見て、楽観側29%、中立35%、悲観側36%とした。強い堀を認めても、現在の時価総額から必要利回りを満たすには営業利益率の改善が相当に必要だ。確率を掛けた結論はやや割高である。2025年の配当が自由現金を超えた事実に照らすと、短期の増益をそのまま永久的な高収益へ引き延ばすのは危険である。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 131.84 ドル277 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 41.86 ドル88 億ドル)。 今の値に割り戻すと 89.56 ドル188 億ドル、今との差 −22.6%、 期待の年率 +4.8%(資本コスト 8.0%)→ やや割高

筋書き確率10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価還元の換算額還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・還元込み年率確率 × (終価+還元)
楽観 9% 237.74 ドル499 億ドル 59.50 ドル125 億ドル +156.9% +11.4% 26.75 ドル56 億ドル
やや楽観 20% 182.24 ドル383 億ドル 52.36 ドル110 億ドル +102.8% +8.5% 46.92 ドル99 億ドル
中立 35% 136.88 ドル288 億ドル 46.65 ドル98 億ドル +58.6% +5.5% 64.23 ドル135 億ドル
やや悲観 24% 91.76 ドル193 億ドル 33.32 ドル70 億ドル +8.1% +0.9% 30.02 ドル63 億ドル
悲観 12% 33.92 ドル71 億ドル 14.28 ドル30 億ドル −58.3% −9.5% 5.78 ドル12 億ドル
加重平均100% 131.84 ドル277 億ドル41.86 ドル88 億ドル +50.2% +4.8% 173.71 ドル365 億ドル

今の株価時価総額 115.68 ドル243 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。

楽観 9% 楽観:中米とブラジルで棚を拡張し、配送密度が利益に変わる 利益 27 億ドル · PER 18.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 237.74 ドル499 億ドル

メキシコの2025年の販売不振は解消し、コカ・コーラ無糖品と小容量商品の構成が改善する。市場全体の数量の伸びが緩やかでも、グルポGEPPなどから棚を奪い返すことでメキシコの販売量は約1.12倍となる。中米は人口、所得、冷蔵設備の普及で販売量が1.45倍へ伸びる。ブラジルではアムベブと地場安売りブランドを抑え、無糖品と飲料水、モンスターの配送網を広げて1.40倍を運ぶ。

単価は10年間の物価上昇1.41倍を上回り、容量・商品構成の改善と価格改定が利益を支える。売上は約287億ドル、営業利益は約48.6億ドルへ増える。2026年に見えた南米の利益改善が定着し、設備の稼働率と配送密度が高まることで、営業利益率は約17%となる。純利益27.4億ドルには借入金の借り換え費用も含める。隣接区域の小規模買収は既存の配送網で吸収するが、未成立の大買収による利益は足さない。

過去の配当慣行を保ちながら10年で正味125億ドルを還元する。純利益累計約199億ドルから還元を引いた自己資本は約155億ドルとなり、残した資金が数量成長を賄う。2035年以降は市場数量の実質約1%、シェア横ばい、価格約3%の成長に成熟する。強い瓶詰め網が続く限り、営業権と配送能力の価値が株主に残る。

  • メキシコ:数量 22.5(年間販売量(億ユニットケース))× 価格 5.60(売上高換算の平均単価(米ドル/ケース。ビール付随収益を含む場合は代理値))→ 売上 126 億ドル・営業利益 21 億ドル。数量はメキシコの回復と棚の微増で2025年比1.12倍。
  • グアテマラ・中米南部:数量 5.5(年間販売量(億ユニットケース))× 価格 5.70(売上高換算の平均単価(米ドル/ケース。ビール付随収益を含む場合は代理値))→ 売上 31 億ドル・営業利益 6 億ドル。人口・所得に伴う市場の伸びと冷蔵網で数量1.45倍。
  • ブラジル:数量 16.5(年間販売量(億ユニットケース))× 価格 5.35(売上高換算の平均単価(米ドル/ケース。ビール付随収益を含む場合は代理値))→ 売上 88 億ドル・営業利益 16 億ドル。ブラジルの担当区域で無糖と機能性飲料を拡販し数量1.40倍。
  • コロンビア・アルゼンチン・ウルグアイ:数量 7.7(年間販売量(億ユニットケース))× 価格 5.40(売上高換算の平均単価(米ドル/ケース。ビール付随収益を含む場合は代理値))→ 売上 41 億ドル・営業利益 6 億ドル。コロンビアの販路強化とアルゼンチン回復で数量1.32倍。

倍率:株主帰属GAAP純利益27.4億ドル、10年末自己資本155.3億ドルよりROE17.64%を用いる。k=8.0%、moat=strong(超過収益の残存2/3)、RONIC=14.43%。2035年以降の数量は中南米市場の実質年約1.0%、シェア横ばい、価格約3.0%で名目g4.0%。式(1-g/RONIC)/(k-g)×(1+g)=18.79倍。高い配送密度が維持されるため上限18.79倍の97%で18.228倍とした。市場の過去・今のPERは参照しない。純現金はなく、有利子負債コストはGAAP純利益に反映済み。時価総額=27.4×18.228=499.45億ドル。

確率:メキシコの2025年の減速が一過性で、中米・ブラジルで市場成長と棚の拡大を両方取り込む必要がある。契約更新、糖分の少ない製品、設備効率が同時に好転する確率は1割弱とする。

やや楽観 20% やや楽観:南米の採算改善が定着し無糖飲料も伸びる 利益 24 億ドル · PER 15.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 182.24 ドル383 億ドル

メキシコではグルポGEPPとの競争を維持しながら、2025年の減速から回復して数量が約9%増える。中米は人口と商店への冷蔵庫設置によって数量が3割強伸びる。ブラジルはアムベブの低価格商品を警戒しつつ、無糖炭酸や水の品ぞろえで販売量を約1.30倍にする。アルゼンチンでは物価高の混乱が落ち着くが、コロンビアの地場企業との争いは続く。

価格は各地域とも物価を少し上回る程度の上昇にとどまり、売上は約263億ドルとなる。南米の2026年7〜9月の大幅増益は一部平常化するが、ブラジルの工場と配送拠点の稼働率改善が残る。営業利益率は全社で約16.2%となり、純利益は24.1億ドルへ増える。原液価格の改定はコカ・コーラ本体と利益を分ける範囲で収まる。

10年間の純利益累計約182.5億ドルのうち110億ドルを正味還元し、残りは工場と配送網へ投じる。買収は既存の区域を厚くする小規模案件に限定し、拡大による好影響は数量と利益率の中で慎重に扱う。その先は市場数量の実質増と価格の正常な上昇を合わせて名目3.6%成長が続く。

  • メキシコ:数量 22.0(年間販売量(億ユニットケース))× 価格 5.40(売上高換算の平均単価(米ドル/ケース。ビール付随収益を含む場合は代理値))→ 売上 119 億ドル・営業利益 19 億ドル。メキシコは2025年の反動増と無糖品で数量1.09倍。
  • グアテマラ・中米南部:数量 5.2(年間販売量(億ユニットケース))× 価格 5.50(売上高換算の平均単価(米ドル/ケース。ビール付随収益を含む場合は代理値))→ 売上 28 億ドル・営業利益 5 億ドル。中米は人口と新規小売で数量1.36倍。
  • ブラジル:数量 15.3(年間販売量(億ユニットケース))× 価格 5.16(売上高換算の平均単価(米ドル/ケース。ビール付随収益を含む場合は代理値))→ 売上 79 億ドル・営業利益 13 億ドル。ブラジルでは競争下でも数量1.30倍。
  • コロンビア・アルゼンチン・ウルグアイ:数量 7.1(年間販売量(億ユニットケース))× 価格 5.20(売上高換算の平均単価(米ドル/ケース。ビール付随収益を含む場合は代理値))→ 売上 37 億ドル・営業利益 5 億ドル。南米その他はコロンビア横ばいとアルゼンチン回復で1.22倍。

倍率:株主帰属GAAP純利益24.1億ドル、10年末自己資本153.8億ドルよりROE15.67%を用いる。k=8.0%、moat=strong(超過収益の残存2/3)、RONIC=13.11%。2035年以降は市場数量年0.5%、シェア年0.1%、値段年3.0%で名目g3.6%。式(1-g/RONIC)/(k-g)×(1+g)=17.08倍。高い配送密度が維持されるため上限17.08倍の93%で15.886倍とした。市場の過去・今のPERは参照しない。純現金はなく、有利子負債コストはGAAP純利益に反映済み。時価総額=24.1×15.886=382.85億ドル。

確率:2026年7〜9月の南米の利益改善がある程度定着し、メキシコの数量も戻る筋書き。全市場で勝つほどではないが、ブラジルと中米で売上と利益の伸びが続く可能性を2割とする。

中立 35% 中立:メキシコは成熟し、中米・ブラジルの数量増を値上げが支える 利益 20 億ドル · PER 14.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 136.88 ドル288 億ドル

メキシコの清涼飲料は成熟し、砂糖入りのコーラが減る分をゼロシュガーや飲料水で補う。グルポGEPPとの競争で劇的なシェア上昇は望めず、2035年の数量は2025年より約4%多い程度とする。中米は人口と新しい販売拠点で約22%増、ブラジルは水と無糖飲料で約21%増、コロンビア・アルゼンチン・ウルグアイは合計12%増となる。値上げは10年の物価上昇約1.41倍におおむね沿う。

2026年7〜9月の全社増収と南米の改善は出発点として評価する。ただしメキシコの販促費と配送費が今後もかかること、コカ・コーラ本体への原液支払いが続くことを差し引く。全社売上は約239億ドル、営業利益36.3億ドル、純利益20.1億ドルとみる。借入金の借り換えによる税引き後の年0.6億ドル程度の負担増も利益に織り込む。

10年間の純利益累計約162.5億ドルから正味の配当等98億ドルを還元し、自己資本は約145.8億ドルへ増える。利益の増加は販売数量と単価、配送効率によるもので、ROEから売上成長を逆算していない。その先は市場の数量横ばい、シェア横ばい、単価の上昇約3.2%を中心に落ち着く。強い販路は残るが、原液の持ち主ほどには高い利益率を得られない。

  • メキシコ:数量 21.0(年間販売量(億ユニットケース))× 価格 5.20(売上高換算の平均単価(米ドル/ケース。ビール付随収益を含む場合は代理値))→ 売上 109 億ドル・営業利益 17 億ドル。メキシコ市場は成熟。無糖転換で2025年比数量1.04倍。
  • グアテマラ・中米南部:数量 4.6(年間販売量(億ユニットケース))× 価格 5.36(売上高換算の平均単価(米ドル/ケース。ビール付随収益を含む場合は代理値))→ 売上 25 億ドル・営業利益 4 億ドル。中米の市場成長が中心。シェア横ばいで数量1.22倍。
  • ブラジル:数量 14.2(年間販売量(億ユニットケース))× 価格 5.06(売上高換算の平均単価(米ドル/ケース。ビール付随収益を含む場合は代理値))→ 売上 72 億ドル・営業利益 11 億ドル。ブラジルの市場拡大と無糖・水で数量1.21倍。
  • コロンビア・アルゼンチン・ウルグアイ:数量 6.5(年間販売量(億ユニットケース))× 価格 5.15(売上高換算の平均単価(米ドル/ケース。ビール付随収益を含む場合は代理値))→ 売上 33 億ドル・営業利益 4 億ドル。南米その他はアルゼンチン回復とコロンビア鈍化を相殺して1.12倍。

倍率:株主帰属GAAP純利益20.1億ドル、10年末自己資本145.8億ドルよりROE13.79%を用いる。k=8.0%、moat=strong(超過収益の残存2/3)、RONIC=11.86%。2035年以降の市場数量0%、シェア0%、値段年3.2%で名目g3.2%。式(1-g/RONIC)/(k-g)×(1+g)=15.70倍。継続的な設備更新と原液側との利益分配を考慮し上限15.70倍の90%で14.128倍とした。市場の過去・今のPERは参照しない。純現金はなく、有利子負債コストはGAAP純利益に反映済み。時価総額=20.1×14.128=283.97億ドル。

確率:2025年メキシコの数量減と2026年の回復を均して見て、成熟市場は横ばい、人口が伸びる地域は増えると判断した。高い配送網の優位が続くが、原液価格・設備投資が利益を分けるため中立を35%とする。

やや悲観 24% やや悲観:値上げで売上は守るが配送費と原液負担が増す 利益 14 億ドル · PER 12.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 91.76 ドル193 億ドル

メキシコでは糖税と肥満治療薬の普及で砂糖入り炭酸が減る。コカ・コーラ系が棚を失うわけではないが、低所得者の節約が強く、2025年からの10年では数量が約3%減る。中米は市場の成長を地場の低価格Bブランドに奪われ、ブラジルもアムベブの販売促進に追われる。コロンビアではポストボンが強く、アルゼンチンの価格改定は販売数量を守るだけになる。

各地の単価は10年で約1.32〜1.35倍に上がるが、基準物価の1.41倍に届かない。原液費、容器、物流費を転嫁しきれず、全社売上は約203億ドル、営業利益は約26.8億ドルにとどまる。純利益14.2億ドルは現行水準を小幅に上回るだけで、2026年の南米の高い伸びは持続しない。大規模な買収には踏み込まず、減速した設備の更新を優先する。

配当は全面停止に至らないものの増額は難しく、10年間の正味還元は70億ドルに減る。純利益累計約133億ドルのうち残る資金は維持投資と借入金対策に回り、自己資本は約144億ドルとなる。その先の数量は微減、値上げも物価を下回り、長期の名目成長は約2.5%に鈍る。

  • メキシコ:数量 19.5(年間販売量(億ユニットケース))× 価格 4.85(売上高換算の平均単価(米ドル/ケース。ビール付随収益を含む場合は代理値))→ 売上 95 億ドル・営業利益 13 億ドル。メキシコは砂糖入りの需要減で数量0.97倍。
  • グアテマラ・中米南部:数量 4.1(年間販売量(億ユニットケース))× 価格 5.10(売上高換算の平均単価(米ドル/ケース。ビール付随収益を含む場合は代理値))→ 売上 21 億ドル・営業利益 3 億ドル。中米は市場が増えても低価格品に押され数量1.07倍。
  • ブラジル:数量 12.4(年間販売量(億ユニットケース))× 価格 4.85(売上高換算の平均単価(米ドル/ケース。ビール付随収益を含む場合は代理値))→ 売上 60 億ドル・営業利益 8 億ドル。ブラジルはアムベブとの競争で数量1.05倍。
  • コロンビア・アルゼンチン・ウルグアイ:数量 5.8(年間販売量(億ユニットケース))× 価格 4.85(売上高換算の平均単価(米ドル/ケース。ビール付随収益を含む場合は代理値))→ 売上 28 億ドル・営業利益 3 億ドル。コロンビアのシェア圧迫で数量はほぼ横ばい。

倍率:株主帰属GAAP純利益14.2億ドル、10年末自己資本144.3億ドルよりROE9.84%を用いる。k=8.0%、moat=strong(超過収益の残存2/3)、RONIC=9.23%。2035年以降は市場数量年-0.5%、シェア年-0.2%、価格年3.2%で名目g2.5%。式(1-g/RONIC)/(k-g)×(1+g)=13.59倍。糖税・競争で失われる価格決定力を反映し上限13.59倍の91%で12.364倍とした。市場の過去・今のPERは参照しない。純現金はなく、有利子負債コストはGAAP純利益に反映済み。時価総額=14.2×12.364=175.57億ドル。

確率:糖分への警戒とメキシコの家計悪化が長引き、南米の競争が激しくなる可能性を重く見た。2025年の現金不足が配当に制約を与える展開として24%を配分した。

悲観 12% 悲観:ブランドを配送しても利益をほとんど回収できない 利益 8 億ドル · PER 9.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 33.92 ドル71 億ドル

砂糖入り炭酸への課税、消費習慣の変化、節約志向が重なり、メキシコの数量は2025年を約18%下回る。グルポGEPPや安い飲料に棚を奪われ、無糖品の拡大でも減少を埋めきれない。ブラジルではアムベブと地場の安値攻勢で数量が約14%減り、コロンビアではポストボンが強さを増す。契約そのものは続いても、コカ・コーラ本体への原液代や工場の維持費を負担する側に利益が残りにくくなる。

10年で物価は約1.41倍になるのに、実際に受け取る単価は約1.2倍にとどまる。売上は約156億ドルとほぼ横ばいになり、営業利益率は約10%へ落ちる。純利益7.6億ドルでは成長投資の採算が資本コストを下回り、配当の大幅削減が必要となる。過去の高採算を頼りにした買収も行わず、各地域で不採算の冷蔵・配送設備を整理する。

10年間の純利益累計は約100億ドルだが、投資余力が乏しく正味還元は30億ドルにとどまる。自己資本は約151億ドルへ増えても稼ぐ力が弱いため、帳簿額が株主の売却価値になるとは限らない。現金、売れる工場・土地、回収できる運転資本を税後で評価した純資産の床は約35億ドル。事業が継続して稼ぐ価値の方が高いが、なお現在の時価総額から大幅に下がる。

  • メキシコ:数量 16.5(年間販売量(億ユニットケース))× 価格 4.35(売上高換算の平均単価(米ドル/ケース。ビール付随収益を含む場合は代理値))→ 売上 72 億ドル・営業利益 8 億ドル。メキシコの数量は2025年比0.82倍、無糖品が補い切れない。
  • グアテマラ・中米南部:数量 3.6(年間販売量(億ユニットケース))× 価格 4.62(売上高換算の平均単価(米ドル/ケース。ビール付随収益を含む場合は代理値))→ 売上 16 億ドル・営業利益 2 億ドル。中米でもシェアを失い数量0.94倍。
  • ブラジル:数量 10.1(年間販売量(億ユニットケース))× 価格 4.50(売上高換算の平均単価(米ドル/ケース。ビール付随収益を含む場合は代理値))→ 売上 45 億ドル・営業利益 4 億ドル。ブラジルで地場低価格とアムベブに押され数量0.86倍。
  • コロンビア・アルゼンチン・ウルグアイ:数量 5.1(年間販売量(億ユニットケース))× 価格 4.40(売上高換算の平均単価(米ドル/ケース。ビール付随収益を含む場合は代理値))→ 売上 22 億ドル・営業利益 2 億ドル。コロンビア等で低価格品に負け数量0.88倍。

倍率:株主帰属GAAP純利益7.6億ドル、10年末自己資本151.3億ドルよりROE5.02%を用いる。k=8.0%、moat=strong(超過収益の残存2/3)、RONIC=6.02%。2035年以降は市場数量年-1.5%、シェア年-0.7%、価格年3.2%で名目g1.0%。式(1-g/RONIC)/(k-g)×(1+g)=12.03倍。ただしROEがkを下回り理論上限は1/kの12.5倍。糖税・競争で失われる価格決定力を反映し上限12.50倍の75%で9.375倍とした。市場の過去・今のPERは参照しない。純現金はなく、有利子負債コストはGAAP純利益に反映済み。時価総額=7.6×9.375=71.25億ドル。

確率:10年を通してメキシコの炭酸が構造的に縮み、ブラジルとコロンビアで安売り競争が深まる展開。契約解消ほど極端ではないが、資本コストを稼げなくなる確率を12%とする。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

メキシコ

メキシコの瓶詰め・飲料配送。伝統的小売店が大きく、コーラ、無糖、飲料水、ジュースを扱う。

数量年間販売量(億ユニットケース)価格売上高換算の平均単価(米ドル/ケース。ビール付随収益を含む場合は代理値)売上営業利益
今 2025/12 20.1 3.67 74 11
10 年後 中立 21.0 5.20 109 17

取り方:2025年の国別ケース数20.136億は20-F開示の2013.6百万ケース。報告部門メキシコ・中米売上88.3億ドル(facts151.9億×20-F構成比58.1%)を、メキシコと中米のケース数と想定平均単価で分割した推計。73.9億÷20.136億ケース=3.670ドル。市場はメキシコの飲料ケース需要、シェアは担当区域内のコカ・コーラ系の販売比率。コカ・コーラ系全域の小売占有率とKOF単独のシェアは異なり、単独の厳密な市場占有率は非開示。営業利益は報告部門の粗利から販売管理費を引いた収益性に沿い推計。

グアテマラ・中米南部

グアテマラ、ニカラグア、コスタリカ、パナマの瓶詰め販売。人口・店舗網の増加が数量を動かす。

数量年間販売量(億ユニットケース)価格売上高換算の平均単価(米ドル/ケース。ビール付随収益を含む場合は代理値)売上営業利益
今 2025/12 3.8 3.81 14 3
10 年後 中立 4.6 5.36 25 4

取り方:20-Fの2025年ケース数はグアテマラ1.978億、中米南部1.803億、合計3.781億。メキシコ・中米の報告部門売上88.3億ドルからメキシコ推計73.9億を差し引いた14.4億ドルを使用。逆算単価は3.8085ドル/ケース。競合は現地ペプシ系と低価格Bブランド。店舗・人口による地域ケース市場の伸びを数量に、値上げを単価に分けた。

ブラジル

ブラジル南部・南東部を中心とした瓶詰め網。無糖炭酸、飲料水、エナジーに加え一部ビールも配送する。

数量年間販売量(億ユニットケース)価格売上高換算の平均単価(米ドル/ケース。ビール付随収益を含む場合は代理値)売上営業利益
今 2025/12 11.8 3.59 42 6
10 年後 中立 14.2 5.06 72 11

取り方:20-Fのブラジル年間数量1178.0百万ケース=11.780億ケースを使用。南米報告部門売上約63.6億ドルのうち42.3億ドルを、地域のケース構成、ビール配送と容量構成を考慮し推計。単価3.5908ドル/ケースは飲料1ケース当たり売上代理値で、ビールの収益を含むため厳密な飲料単価でない。競合はアムベブのペプシ系と地場低価格飲料。

コロンビア・アルゼンチン・ウルグアイ

コロンビアの全国的な販売、ブエノスアイレス周辺、ウルグアイの瓶詰め事業。通貨と所得の振れが大きい。

数量年間販売量(億ユニットケース)価格売上高換算の平均単価(米ドル/ケース。ビール付随収益を含む場合は代理値)売上営業利益
今 2025/12 5.8 3.67 21 2
10 年後 中立 6.5 5.15 33 4

取り方:20-Fの2025年ケース数はコロンビア3.494億、アルゼンチン1.788億、ウルグアイ0.523億、計5.805億(端数・地域集計で5.807億に丸めたモデル値)。南米部門売上63.6億からブラジル推計42.3億を差し引き21.3億ドル、1ケース平均約3.67ドル。コロンビアでポストボンとビッグ・コーラ、アルゼンチンで地場・ペプシ系と競う。アルゼンチンの高インフレ会計による単価の異常を織り込んだ平均値であり国別市場シェアは公表不十分。

リスクと懸念

親会社支配・原液価格の交渉力

コカ・コーラ本体は重要な株主であると同時に、売り物の原液と商標の供給者でもある。瓶詰め契約は通常10年ごとに自動更新されるが、原液価格・販促費・投資条件は協議で決まり、株主に残る超過利益が縮む可能性がある。フェムサと本体が議決権を支配し、一般のADS保有者が契約や配当方針を変更する力は小さい。

メキシコの糖税・健康志向と販売数量

2025年のメキシコ数量は5.2%減り、2026年7〜9月の回復でも同地域の営業利益は減った。砂糖税や肥満治療薬の普及が甘い炭酸を減らすと、値上げをしてもケース数が減る。無糖品や水へ需要が移っても、容量や粗利益率が異なり利益まで置き換えられるとは限らない。

設備投資・自由現金と配当の逆転

2025年の自由現金は3.4億ドルで配当8.2億ドルを下回り、純有利子負債は約30億ドルへ増えた。2026年も売上の7.0〜7.5%を設備へ投じる予算である。新工場・冷蔵庫・配送車の更新を優先すれば、会計利益が伸びても配当を増やせない。増配を借金で補えば将来の負担がさらに重くなる。

ブラジルとコロンビアの競合による価格圧迫

ブラジルではアムベブ、地域の低価格炭酸、エナジーではレッドブルなどが競う。コロンビアではポストボンとビッグ・コーラが競争相手となる。中南米のコカ・コーラ系全体の炭酸シェアが過半であっても、販売区域・価格帯ごとの棚は安泰ではない。値引きと配送費が同時に増えると営業利益率が急に下がる。

現地通貨・インフレ会計と借り換え

売上と費用の大部分はメキシコペソ、ブラジルレアルなど現地通貨で発生する。アルゼンチンの超インフレ会計、輸入原料のドル建て価格、現地通貨安はドル換算の株主利益を揺らす。今回の10年計算は為替を固定する共通条件だが、実際の通貨変動は単価、金融損益、資本効率の下振れとなる。借入金は約5.75%での借り換えも想定する。

水の使用・PET容器・温暖化

瓶詰め事業には水資源と包装材が不可欠で、渇水や取水許可の制限、PET回収義務、容器課税は工場の稼働率と費用に効く。ブラジルやメキシコの洪水被害も過去に発生している。工場の設備投資を繰り返す資産型の事業だから、環境規制を守るための支出は原液メーカーより株主の現金を直接削りやすい。

買収と少数株主持ち分の不一致

過去にはメキシコの瓶詰め区域の統合が配送密度を高めたが、フィリピンへの出資は後に売却している。今後も隣接区域の買収を狙う方針だが、親会社との利害、取得価格、統合コストが株主に不利ならROEは低下する。会計上の自己資本が増えても、少数株主の意思で資産売却や還元を決められるわけではない。

今後の分かれ目

メキシコの販売ケース数が2年連続で年+2%以上回復し、営業利益率も15%超に戻るなら
2025年の数量減は循環的だったとの確信が強まり、メキシコの中立数量を上方修正し、やや楽観の確率を増やす。
南米の営業利益率が3年続けて15%を超え、ブラジルのケース数も年2%以上伸びるなら
配送網への投資が増分利益に結びついている。ブラジルの2035年利益率を見直し、投下資本収益率の改善を反映する。
営業キャッシュフローから設備投資を引いた額が配当を2期連続で下回るなら
配当の原資が借入に依存している可能性が高い。10年の正味還元を縮め、借り換え負担を強めた悲観側の比率を増やす。
コカ・コーラ本体との原液価格の改定後に売上総利益率が2ポイント以上落ちるなら
ブランドの堀から得られる利益が原液側へ流れている兆候であり、価格決定力の残存率を見直す。
糖税の拡大後にメキシコの無糖・水の増加を含めても数量が年-3%を超えて減るなら
カテゴリー転換が数量を守れないため、メキシコの中立数量を引き下げ、やや悲観・悲観を厚くする。
大規模な瓶詰め区域買収が公表され、純負債がEBITDAの3倍を超えるなら
成立までは買収先を業績に足さない。買収条件、株主の払い込みと資金回収を確認し、財務の耐久性を再評価する。
瓶詰め契約の更新条件が不利になり、主要区域で排他的な販売権が弱まるなら
配送密度だけで強い堀を維持できるかを再点検し、利益率とRONICを下げ、構造的な悲観の確率を増やす。

見ておくもの

  • メキシコの四半期ケース数、コーラ無糖・水の比率、価格ミックスと販促費
  • ブラジルと中米のケース数および報告セグメント別営業利益率
  • 全社の現金創出力(営業CF-設備投資)と配当・純負債の推移
  • コカ・コーラ本体との原液価格条件、瓶詰め契約の更新状況
  • PET・砂糖・アルミニウム原料費と糖税・回収規制
  • 親会社2社の議決権、配当承認、関連当事者取引
  • 2026年以降の設備投資率(売上比7.0〜7.5%予算との比較)
  • メキシコペソ・ブラジルレアルの通貨影響と資本コストを超える増分収益性

倍率と資本コストの決め方

株価や過去・同業のPERを見ずに、2025年実績の地域別ケース数を出発点として、メキシコ、中米、ブラジル、南米その他の四つの事業を分けた。各地域の予測売上はケース数×平均単価で算出し、物価年3.5%を単価に、市場とシェアの変化を数量に入れた。ROEは成長率を作るものではなく、成長に要る自己資本の効率である。

倍率はk8.0%、強い堀の残存率2/3からRONICを出し、(1-g/RONIC)/(k-g)×(1+g)で算出した。中立は理論上限の9割で、余剰現金の二重加算はない。自己資本は2025年末81.3億ドル+10年間の累計利益−正味還元に合う。発行済普通株168.0666億株を1ADS当たり80株で割った全社のADS換算2.10083億株を用い、浮動株だけを数えない。評価日の株価は2026年10月23日の添付値とし、後発の10月26日決算は事業判断にのみ反映した。

資本コスト 8.0% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。米国株共通の基本8.0%にquality_parts合計0.0%を加算した。現金を生む事業で存続危機はないためextraは0。中南米の為替、親子間の交渉、糖税は資本コストではなく各筋書きの数量・利益率・確率に反映する。

同じ業種(生活必需品)の AI 分析

割安 スプラウツ・ファーマーズ・マーケットSFM 健康志向の専門スーパーで独自商品と小型店の出店余地がある。既存店の失速と賃料負担を織り込んでも、十年の利益と正味還元から見た価値には大きな安全域がある。 本質価値との差 +154.8% · 10 年 割安(年 +21.1%) 割安 アルバートソンズACI 地域密着の食品スーパー大手。再建による利益回復の余地はあるが、顧客流出と重い負債が難点。10年価値はやや割安でも安全域は薄い。 本質価値との差 +46.4% · 10 年 割安(年 +14.0%) 割安 イングレディオンINGR 高付加価値のでんぷんと食品原料に強い加工メーカー。汎用品の数量減と大型買収リスクはあるが、長期の稼ぐ力と還元を合わせた価値には安全域があり、割安と判断する。 本質価値との差 +41.7% · 10 年 割安(年 +12.7%) やや割安 スミスフィールド・フーズSFD 加工肉の強さが上流の市況変動を支える。支配株主と大型投資を割り引いても、10年価値は現値を約1割上回り、やや割安 本質価値との差 +21.1% · 10 年 やや割安(年 +11.1%) やや割安 クロロックスCLX 漂白剤・猫砂・ごみ袋・ピュレルの必需品ブランド。ERP 移行の傷・CEO 交代・借入増が重なり利益が谷にあるが、k 8.75% の利益ベースの正当化 PER で測ると今の値段はやや割安 本質価値との差 +15.1% · 10 年 やや割安(年 +10.6%) やや割安 ピルグリムズ・プライドPPC 鶏肉需要は長寿命で規模も強いが、利益は市況と親会社に振れる。独立前提の価値はやや割安、少数株主の出口が最大の論点 本質価値との差 +11.0% · 10 年 やや割安(年 +10.4%) 適正 マコーミックMKC 調味料で世界首位の安定事業。米国の数量は弱いが、k 8.25% の利益ベースの正当化 PER(その 8.5 割)で測った値は今の時価総額を上回り、ユニリーバ統合を除いた単体ではやや割安 本質価値との差 +10.0% · 10 年 適正(年 +9.6%) 適正 アンベブABEV ブラジルの圧倒的なビール流通網と純現金は魅力だが、税制改革と数量停滞を織り込むと、10月23日基準の本質価値は市場価格を約16%下回り、やや割高。 本質価値との差 +3.8% · 10 年 適正(年 +8.5%) 適正 コナグラ・ブランズCAG 冷凍食品と肉スナックには残る顧客がいるが、値決め力の弱さと重い買収負債が利益を削る。配当半減後も安全域は薄く、10年の確率加重価値はほぼ適正圏 本質価値との差 −0.6% · 10 年 適正(年 +8.9%) 適正 シーボードSEB 簿価割れは目を引くが、低い資本効率も本物。硬い資産の床と利益の弱さが釣り合い、10年価値は適正圏 本質価値との差 −0.8% · 10 年 適正(年 +9.4%) 適正 ペプシコPEP 飲料とスナックの二本柱だが、値下げと原料高で北米の利益が痩せている。利益ベースの正当化 PER(その 8.5 割)で測ると、本質価値は今の値段とほぼ同じで適正 本質価値との差 −2.0% · 10 年 適正(年 +7.7%) 適正 ポストホールディングスPOST 食品の寄せ集めを買収と自社株買いで磨く会社だが、数量減と重い負債が相殺する。10年価値は今の時価総額とほぼ同じで、適正と見る 本質価値との差 −2.6% · 10 年 適正(年 +9.1%) 適正 ターゲットTGT 縮んだ総合量販が立て直しに投資する局面。成功すれば倍率以上に利益が戻り、競合に負ければ構造的に縮む。利益ベースの正当化 PER で測ると、今の値段は適正 本質価値との差 −3.2% · 10 年 適正(年 +7.6%) 適正 クローガーKR 米国最大の伝統的な食品スーパー。占有率を毎年失う薄利の成熟事業だが、食料品は落ちにくく、利益ベースの正当化 PER(その 8 割)で見ると今の値段は適正 本質価値との差 −4.1% · 10 年 適正(年 +7.9%) 適正 ゼネラル・ミルズGIS 数量が縮み利益が 2 期続けて落ちた大手ブランド。価格投資は一巡したが、借金の重さを k に入れて確率を慎重側に厚くすると、本質価値は今の時価総額とほぼ同じで適正 本質価値との差 −7.3% · 10 年 適正(年 +7.7%) 適正 BJsホールセール・クラブ・ホールディングスBJ 会員の継続と新規出店で利益は伸びるが、投資負担と競争も重い。今の値段はおおむね適正で、長期保有の安全域は薄い。 本質価値との差 −8.1% · 10 年 適正(年 +6.5%) 適正 キンバリークラークKMB ハギーズ・クリネックスの北米首位と、IFP 売却後の身軽な形。北米の価格投資と中国の失速はあるが、k 8.5% の利益ベースの正当化 PER(来年の利益に約 15 倍)は今の PER 17 倍と近く、値段は適正 本質価値との差 −8.3% · 10 年 適正(年 +7.3%) やや割高 タイソン・フーズTSN 牛肉の赤字を鶏肉と加工食品が支える食肉大手。k 9.75% の正当化 PER(弱い堀で下限の 1 ÷ k に近い)で測ると、中立の価値は今を上回るが、期待の年率は k を下回り、適正 本質価値との差 −10.1% · 10 年 やや割高(年 +8.3%) やや割高 モルソン・クアーズ・ビバレッジTAP 米国ビールの縮小とシェア低下で利益が減る最中。それでも伸びのない会社の式(PER = 1 ÷ k = 10.5 倍)で測ると中立の 10 年後は今とほぼ同じで、確率を重ねるとやや割高 本質価値との差 −11.3% · 10 年 やや割高(年 +7.6%) やや割高 ユニリーバUL 世界的な日用品ブランドと新興国での数量成長は魅力だが、食品事業の再編と値上げ力の限界を考えると安全域は薄い。10年の本質価値ではやや割高 本質価値との差 −11.8% · 10 年 やや割高(年 +5.9%) やや割高 HLNHLN 治療用歯磨き剤のブランドと現金創出力は強いが、サプリメントの競争と借入負担を含めると安全域が約26%不足し、やや割高である。 本質価値との差 −12.0% · 10 年 やや割高(年 +5.9%) やや割高 ダーリン・イングレディエンツDAR 回収網とコラーゲンに堀があるが、燃料政策と負債で利益は大きく揺れる。10年の本質価値にはまだ安全域が足りず、やや割高と見る。 本質価値との差 −13.2% · 10 年 やや割高(年 +7.7%) やや割高 ホーメル・フーズHRL 豚肉の原価高と撤退で利益が落ちた、配当 127 年の加工肉・外食の会社。借金は軽いが、利益ベースの正当化 PER(その 8 割)で測ると今の時価総額をやや下回り、適正 本質価値との差 −13.4% · 10 年 やや割高(年 +6.2%) やや割高 ブンゲ・グローバルBG 世界最大級の油糧種子の圧搾・穀物商社。2026 年は圧搾利幅が山で、ならした利益に弱い堀の正当化 PER(下限の 1 ÷ k = 10.0 倍)を当てると、今の値段はやや割高 本質価値との差 −13.4% · 10 年 やや割高(年 +8.1%) やや割高 BTIBTI 紙巻きの強い値上げ力とVeloの成長を持つ世界大手。ただし数量減少と規制、買収の後遺症を考えると、10年価値に対して今はやや割高 本質価値との差 −15.1% · 10 年 やや割高(年 +5.7%) やや割高 ダラー・ゼネラルDG 農村の小型店の密度で食品の来店頻度を握る会社が、盛り損の削減と改装で利益率を戻す局面。今の値段はやや割高で、利益率の戻りが続くかが価値を分ける 本質価値との差 −15.4% · 10 年 やや割高(年 +5.8%) やや割高 レイノルズ・コンシューマー・プロダクツREYN 箔とごみ袋の首位ブランドは長く残るが、顧客集中と支配株主が安全域を削る。10年価値は今の時価総額を約17%下回り、やや割高 本質価値との差 −15.7% · 10 年 やや割高(年 +5.8%) やや割高 コンステレーション・ブランズSTZ モデロ・コロナの輸入ビール一本足。数量が縮む産業で純負債も重いが、伸びのない会社の正当化 PER(1 ÷ k)で測ると、中立の 10 年後は今の 0.94 倍で、還元を足しても資本コストに届かず、やや割高 本質価値との差 −16.5% · 10 年 やや割高(年 +6.3%) やや割高 クラフト・ハインツKHC ブランドは強いが数量が毎年縮む会社。k 9.0% の稼ぐ力(純利益 ÷ k)で測ると中立の価値は今の時価総額とほぼ同じで、確率を悲観側に置いた総合ではやや割高 本質価値との差 −16.7% · 10 年 やや割高(年 +6.3%) やや割高 ダラー・ツリーDLTR 裁量品が約半分の均一価格店が、多価格化と客層の広がりで利益率 9% 前後に乗せた局面。利益ベースの正当化 PER で測るとやや割高で、関税還付の一過性と客数の弱さから確率も慎重側に厚く置いた 本質価値との差 −17.3% · 10 年 やや割高(年 +5.5%) やや割高 ハーシーHSY チョコレート首位のブランドが、カカオ高の谷を価格改定で抜けた直後。k 7.5% の利益ベースの正当化 PER で測ると、値段はやや割高 本質価値との差 −18.2% · 10 年 やや割高(年 +4.9%) やや割高 ザ・キャンベルズ・カンパニーCPB スープとラオズには長く残る堀があるが、スナックの数量減と重い借金が株主利益を削る。配当減額後も安全域は不足し、10年価値ではやや割高 本質価値との差 −20.3% · 10 年 やや割高(年 +6.0%) やや割高 アルトリア・グループMO 数量が毎年 5% 減る紙巻きを値上げで支える高配当の縮む事業。名目の利益は横ばいで、伸びのない会社の正当化 PER(1 ÷ k)で測ると今の値段はやや割高 本質価値との差 −20.9% · 10 年 やや割高(年 +4.2%) やや割高 モンデリーズ・インターナショナルMDLZ 世界首位のビスケットと世界 2 位のチョコを持ち、カカオ高で利益が削られた谷にある。k 8.0% の利益ベースの正当化 PER で測ると、今の値段は中立の価値とほぼ同じで、確率を悲観側に置いた総合ではやや割高 本質価値との差 −21.3% · 10 年 やや割高(年 +4.8%) やや割高 コルゲート・パルモリブCL 歯磨きで世界首位とペット用療法食を持つ超安定企業。北米の数量減は重く、k 7.5% の利益ベースの正当化 PER(来年の利益に約 20 倍)で見ると今の PER 25 倍はやや高く、利益の質は高いがやや割高 本質価値との差 −21.6% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 オリーズ・バーゲン・アウトレット・ホールディングスOLLI 店舗倍増の余地と仕入れの腕は魅力だが、既存店の弱さと固定家賃を考えると今の値段には安全域が乏しく、やや割高 本質価値との差 −23.2% · 10 年 やや割高(年 +5.3%) やや割高 シスコSYY 米国最大の外食向け食品卸。薄利の物流業で価格を決める力は弱いが、規模の経済と AI 効率化で利益は着実に伸びる。利益ベースの正当化 PER で見ると、今の値段はやや割高 本質価値との差 −23.5% · 10 年 やや割高(年 +5.6%) やや割高 プロクター・アンド・ギャンブルPG 世界最強の日用品ブランド群だが、PER 24 倍は k 7.5% の利益ベースの正当化 PER(来年の利益に約 19 倍)を上回る。数量の弱さを長期の成長に入れると、値段はやや割高 本質価値との差 −23.7% · 10 年 やや割高(年 +4.0%) やや割高 フレッシュペットFRPT 冷蔵棚と自社工場の堀で生鮮ペットフードを主流化する先駆者だが、大手参入後も高成長が続く前提が残り、利益ベースでは約2割のやや割高 本質価値との差 −24.5% · 10 年 やや割高(年 +4.7%) やや割高 コカ・コーラKO 世界最強のブランド原液事業。強い堀の利益ベースの正当化 PER で測っても、k 7.5% では中立の 10 年後が今の約 1.1 倍にとどまり、今の値段はやや割高 本質価値との差 −24.6% · 10 年 やや割高(年 +3.9%) やや割高 セルシウス・ホールディングスCELH 3ブランドとペプシコの販路は強みだが、主力の減速と優先株の取り分が重い。10年の期待価値ではやや割高とみる 本質価値との差 −25.3% · 10 年 やや割高(年 +5.6%) やや割高 プリモ・ブランズ・コーポレーションPRMB 全米最大級の水ブランドと宅配網は有力だが、大型統合の借金と値上げ力の弱さを考えると、10年価値は現状を下回りやや割高。 本質価値との差 −26.7% · 10 年 やや割高(年 +5.1%) やや割高 FMXFMX OXXOの店舗網とコカ・コーラの製造・配送網は強いが、少数株主持分と小売の資本負担が重い。10年価値は現在より約28%低く、やや割高 本質価値との差 −27.0% · 10 年 やや割高(年 +4.1%) やや割高 BUDBUD 世界首位のビール企業は中南米・アフリカの寡占で成長できるが、米国の飲酒減と借金が重い。10年の加重価値では割高。 本質価値との差 −27.2% · 10 年 やや割高(年 +3.6%) やや割高 キューリグ・ドクターペッパーKDP JDE ピーツの買収で純負債が時価総額の 6 割になった飲料・コーヒー複合。強い飲料と縮むポッドの綱引きで、借金の重さを k に入れると 10 年の中立は今の約 0.93 倍にとどまり、今の値段はやや割高 本質価値との差 −27.5% · 10 年 やや割高(年 +4.6%) やや割高 DEODEO ジョニーウォーカーとギネスの堀は強いが、米国のシェア喪失と高負債が重い。10年の還元込み本質価値は現状を下回り、割高。 本質価値との差 −28.2% · 10 年 やや割高(年 +4.0%) やや割高 JM スマッカーSJM コーヒーの値付けと借金返済で利益の底が見えたが、ブランドの堀は広がらず、k 8.75% の利益ベースの正当化 PER で測ると中立の価値は今とほぼ同じで、確率を悲観側に置いた総合ではやや割高 本質価値との差 −28.7% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) 割高 ケンビューKVUE タイレノール・リステリン・ニュートロジーナを持つが、数量は縮み、訴訟が再燃。買収条件に連動する株価に安全域は見えず、単体の本質価値はやや下 本質価値との差 −30.0% · 10 年 割高(年 +3.9%) 割高 ラム・ウェストン・ホールディングスLW 北米の冷凍ポテトでは圧倒的な規模を持つが、海外の過剰設備と値下げ競争が収益を削る。10年後の利益回復を織り込んでも、今の株価には十分な安全域がなく割高 本質価値との差 −31.4% · 10 年 割高(年 +4.2%) 割高 ブラウン・フォーマンBF-B ジャックダニエルを軸にした酒類の老舗。米国の飲酒減・関税・カナダの棚外しが重いが、財務は軽く、利益ベースの正当化 PER(下限の 1 ÷ k)で測ると今の値段は割高 本質価値との差 −32.5% · 10 年 割高(年 +3.0%) 割高 アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドADM 価格を決める力のない農産物加工の循環株。バイオ燃料の追い風で 2026 年は利益の山。ならした利益に k 9.5% の稼ぐ力(弱い堀の下限 1 ÷ k = 10.5 倍)を当てると、値段は割高 本質価値との差 −33.6% · 10 年 割高(年 +3.8%) 割高 フィリップ モリス インターナショナルPM 紙巻きの減りを煙の出ない製品で埋める成長株。強い堀の利益ベースの正当化 PER でも、資本コスト 7.5% に対して今の値段は割高 本質価値との差 −36.0% · 10 年 割高(年 +2.0%) 割高 ウォルマートWMT 食品の規模・通販・広告で堀は広がる。だが今の PER 43 倍は、強い堀の利益ベースの正当化 PER(約 22 倍)の 2 倍近くで、割高 本質価値との差 −38.2% · 10 年 割高(年 +1.8%) 割高 USフーズ・ホールディングUSFD 外食店の仕入れを支える配送網は残り、独立系レストラン向けのシェアも伸びる。ただし薄利と借金を考えると、現在の時価総額には安全域が乏しく割高である。 本質価値との差 −41.2% · 10 年 割高(年 +2.2%) 割高 e.l.f.ビューティーELF 化粧品の市場シェア獲得力は卓越するが、買収と流行への依存を慎重に見る。10年後の利益成長を織り込んでも本質価値は現在より約44%低く、割高と判断する。 本質価値との差 −42.7% · 10 年 割高(年 +2.4%) 割高 チャーチ・アンド・ドワイトCHD 猫砂・洗濯・オーラルケアの強いブランドを買い足して伸びる必需品の中堅。ウォルマート依存と買収の失敗が影で、k 7.75% の利益ベースの正当化 PER で測ると今の値段は割高 本質価値との差 −43.1% · 10 年 割高(年 +0.8%) 割高 モンスタービバレッジMNST エナジー専業の高採算ブランド。利益ベースの正当化 PER で測っても、中立の 10 年後は今の時価総額の約 0.87 倍にとどまり、今の値段は割高 本質価値との差 −46.2% · 10 年 割高(年 +0.9%) 割高 コカ・コーラ・コンソリデーティッドCOKE 14州に広がるコカ・コーラの独占販売網は強いが、原液とブランドは他社のもの。借入を伴う巨額自社株買い後の価格には安全域が乏しく、10年価値では割高。 本質価値との差 −48.1% · 10 年 割高(年 +0.3%) 割高 コストコ・ホールセールCOST 会費が利益の半分を生む堀は本物だが、PER 47.6 倍は成熟後の約 2 倍。10 年の年率は資本コスト 7.5% に届かず割高 本質価値との差 −49.9% · 10 年 割高(年 −0.4%) 割高 パフォーマンス・フード・グループPFGC 外食とコンビニを支える大型食品卸。配送網は10年後も必要だが、薄利と買収負債が株主利益を削る。独立店での成長を認めても、現値には安全域が乏しく割高と見る 本質価値との差 −51.4% · 10 年 割高(年 +0.6%) 割高 エスティ ローダーEL 高級美容の名門が再建の途中。利益率は戻るが、利益ベースの正当化 PER(k 9.25%・ROE 25% 台で来年の利益に約 14 倍)では今の約 380 億ドルは回復を先取りしており、割高 本質価値との差 −52.0% · 10 年 割高(年 +0.3%) 割高 ケーシーズ・ゼネラル・ストアーズCASY 米国 3 位のコンビニ。小さな町の寡占と調理品で伸びる良質な事業だが、燃料粗利が高止まりの今、GAAP の約 36 倍は利益ベースの正当化 PER(約 15 倍)の倍以上で割高 本質価値との差 −58.8% · 10 年 割高(年 −2.5%)

ほかの業種も見る(AI 銘柄分析の一覧)→

読んだ資料

  1. コカ・コーラ・フェムサ 2025年Form 20-F(2026年4月提出。事業区域、数量、利益、契約、株式構成)
  2. コカ・コーラ・フェムサ 2026年第3四半期決算(2026年10月26日、SEC 6-K)
  3. コカ・コーラ・フェムサ 2025年統合報告書(Juntos+の普及、配送能力、ROIC等)

分析日 2026-10-23