株譜
AI 銘柄分析 · 生活必需品 · 試作

コルゲート・パルモリブ CL

歯磨きで世界首位とペット用療法食を持つ超安定企業。北米の数量減は重く、k 7.5% の利益ベースの正当化 PER(来年の利益に約 20 倍)で見ると今の PER 25 倍はやや高く、利益の質は高いがやや割高

やや割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)74.71 ドル606 億ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)97.4 ドル790 億ドル差 −23.3%
10 年後から見ると やや割高 価値 74.71 ドル606 億ドル · 差 −23.3% · 期待の年率 +3.4%
期待の年率リターン(10 年)+3.4%資本コスト比 −4.1 pt
推定の資本コスト7.5%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 7.5% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

コルゲート・パルモリブは、歯磨き・歯ブラシで世界首位、ハンドソープ・デオドラント・食器用洗剤を新興国中心に売り、さらにペット用の療法食「ヒルズ」を持つ。2025 年の売上は 204 億ドル(オーラル 44%・パーソナル 17%・ホーム 16%・ヒルズ 23%)、営業利益 43 億ドル(21%)、ベースの純利益は約 30 億ドルである。GAAP の純利益 21 億ドルは、スキンヘルス(フィローガ)の減損 7.9 億ドルが引いた値で、ここでは減損を除いた利益を出発点にした。

2026 年は有機的売上 +1〜4% の見通しのまま、第 2 四半期は +2.4%(数量 +0.8%・価格 +1.6%)、粗利益率 61.5%。新興国とヒルズが伸びる一方、北米は数量が落ち、ヘイリオンやプライベートブランド(PB)に押されている。経営陣は米国の成績に不満を示している。

バリュー投資の観点では、資本コスト 7.5%(基本 8.0% + quality −0.5%)、長期の名目成長 3%、のれんと純負債を除いた事業の ROE 約 44%(自己資本は自社株買いでほぼ 0)の式で、強い堀で再投資の超過利益の 2/3 が残るとした利益ベースの正当化 PER は来年の利益に約 20 倍、その 9 割を使って 10 年目の利益に約 18.7 倍。今の PER 約 25.5 倍はその上にある。セグメントごとに数量 × 価格を積むと、中立の 10 年後は純利益 46 億ドル(今のベース約 30 億ドルの約 1.5 倍)、時価総額約 853 億ドルで、今の約 1.1 倍になる。配当と正味の自社株買いを足した年率は 4〜5% で資本コスト(7.5%)に届かない。数量の弱さと PB の侵食は倍率を割り引かず、価格を物価より低く置き、g を 3% にして式に入れた。ペット事業の厚みが全体を支えるが、今の値段は式の値より高く安全域が無い。確率で重みづけした価値は今の時価総額を約 21% 下回り、やや割高である。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、「10 年後もこの事業が存在し、今と同じかそれ以上に強いか」はほぼ確実である。毎日使う歯磨き、動物病院が薦める療法食は、新技術で置き換わりにくい。堀は広がってはいないが、狭まってもいない:北米では PB とヘイリオンが縁を削り、新興国と高機能品が補っている。

オーナー利益は、ベースの純利益約 30 億ドルから、成長に必要な再投資(設備投資は減価償却とほぼ同額)をほぼ引かない約 30 億ドル。株式報酬は小さく、配当と正味の自社株買いが利益のほぼ全部を還元している。経営は保守的で、増資や大型買収で価値を壊したことはなく、フィローガの失敗も金額は小さい。

値段は、事業の質から見て妥当より少し高い。今の時価総額 763 億ドルはオーナー利益の約 25 倍。資本コスト 7.5%・成長 3%・事業の ROE 約 44% の式の値は来年の利益に約 20 倍で、今はその上にある。数量の弱さは長期の g に入れ、倍率の割り引きはしない。10 年後の年率は中立で 4〜5%、楽観で約 8%、悲観で約 −1.5%。悲観では元本が約 1 割欠ける。確信度は高いが、k が 1 ポイント上がれば式の値は約 16 倍へ下がり、安全域は小さくなる。

何で稼ぐ会社か

コルゲートは 2 つの報告セグメントで稼ぐ。「オーラル・パーソナル・ホームケア」(売上の約 77%)と「ヒルズ・ペット・ニュートリション」(約 23%、2025 年の売上 46.1 億ドル)である。前者のうちオーラルケア(売上の 44%、約 90 億ドル)が中核で、コルゲートの歯磨き、歯ブラシ、マウスウォッシュ、高価格の歯磨き(エルメックス、メリディアン、トムズ・オブ・メインなど)を、世界 200 か国以上で売る。歯磨きと手用歯ブラシで世界首位の座を会社は掲げ、売上のおよそ 3 分の 2 が米国外、新興国が約半分を占める。

パーソナルケア(17%)はハンドソープ・ボディウォッシュ(ソフトソープ、アイリッシュスプリング)、デオドラント(スピードスティック)、スキンケア(エルタMD、フィローガ)。ホームケア(16%)は食器用洗剤・多目的洗剤・柔軟剤(パルモリーブ、アジャックス、スアビテル)で、ラテンアメリカと欧州が厚い。ヒルズはサイエンス・ダイエットとプリスクリプション・ダイエット(療法食)を獣医師経由とペット専門店・ネットで売り、営業利益率は 22〜23% と高い。

収益の仕組みは、数量(歯磨き・洗剤・フードの販売単位)× 価格(単価+高価格品への移行)。物価を転嫁できる強さは、ブランドと小売の棚の権利、獣医師の推薦に支えられる。ウォルマートが売上の約 11% を占め、販売の集約が進む。2025 年 7 月に承認した戦略的成長・生産性プログラム(2028 年まで、費用 3.5〜5.5 億ドル、年 2〜3 億ドルの節約)は、拠点の統合と間接費の削減で利益率を支える。開示は事業全体の営業利益だけなので、ヒルズ以外の事業ごとの利益率は売上構成と四半期の開示から置いた推定である。

優良さと弱いところ

堀は 3 つある。第 1 は歯磨きの流通と習慣:コルゲートは世界の歯磨きと手用歯ブラシで首位をうたい、新興国では「歯磨き=コルゲート」という呼称が通じる国も多い。毎日使う安い商品で、乗り換えの動機が小さい。第 2 は獣医師の推薦:ヒルズの療法食は動物病院での処方・推薦が購入を決め、小売の PB が入りにくい。第 3 は広告と流通:年間数十億ドルの広告費と、ウォルマート・アマゾン・新興国の個人商店まで届く配荷網。

資本効率は高い。営業利益率は 2014 年の 24% から 2022 年の 20% へ下がったあと 21〜22% へ戻り、設備投資は売上の数%、純利益とほぼ同額のキャッシュが残る。自己資本は自社株買いの累積でほぼゼロで、ROE の数字は意味を持たない。事業に使う資本(のれんと純負債を除く)に対する利益は 4〜5 割に達すると見る。配当は 60 年以上増え続けている。ノエル・ウォレスが CEO(2019 年〜)で、戦略は連続している。

弱みは 3 つ。(1) 数量が伸びない:2025 年の有機的売上は +1% 台で、価格で稼ぐ形が続く。(2) 北米の苦戦:2026 年第 1 四半期の北米の数量は −3.2%、ヘイリオンが棚と値段で攻め、安い商品や PB へ移る。(3) 買収の失敗:スキンヘルス(フィローガ)は中国の弱さで 2025 年に 7.9 億ドルの減損。お金の使い方に慎重だが、選んだ買収が成長に結びついていない。プロクター・アンド・ギャンブル(営業利益率 24.6%)に比べて利益率は 3〜4 ポイント低い。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

歯磨き・口腔ケアの世界市場は調査会社により 200〜290 億ドル、年 2〜6% で伸びる(モルドー・インテリジェンスは 293 億ドル・年 2.05%、IMARC は 223 億ドル・年 3.3%)。新興国の所得向上と高機能品(美白・知覚過敏・歯周)への移行で数量と単価が少しずつ上がる。競争相手は、プロクター・アンド・ギャンブル(クレスト、オーラルB)、ユニリーバ(Unilever:ペプソデント)、ヘイリオン(Haleon:センソダイン、パロドンタックス)、ライオン、そして PB である。米国ではヘイリオンが「価格を上げず棚と数量を優先する」方針で、ウォルマートとターゲットで棚を広げた(ロイター)。

家庭用品・パーソナルケアは大手の寡占で、コルゲートの米国の家庭用品・パーソナルの占有率は 5% 弱で横ばい(バーンスタイン)。ホームケアは PB と洗剤の濃縮化で単価が上がりにくい。パーソナルケアでは、高級スキンケア(フィローガ)が中国の弱い需要とカテゴリーの鈍化で傷んだ。

ペットフードは世界で約 1,320〜1,345 億ドル、上位 5 社で約 54%、最大はマース(Mars、ロイヤルカナンを含む)の 16% 超、次いでネスレ(Nestlé:ピュリナ)、ヒルズ(売上 46 億ドルは市場の約 3.5%)。療法食は年 8.7% で伸びるカテゴリーで、動物病院経由の売り方が参入を阻む。一方、Eコマースと PB の拡大で数量は落ちやすく、コルゲートはヒルズの PB ペットフードから撤退中(有機的売上を約 2 ポイント押し下げる)。

循環のどこにいるか:2026 年は関税と原料(パーム・パルプ・樹脂)のコストが下期にピークで、会社の粗利益率の見通しは「低下」から「横ばい」へ上方修正された。需要は不況でも落ちにくく、2008〜09 年の株価の下げは −24% にとどまった。

資本政策と M&A

還元は大きく安定している。2025 年は配当約 17 億ドル(ベース純利益の約 57%)と自社株買い約 12 億ドルで、合計は FCF 約 36 億ドルの 8 割。株数は年 1% ほど減る。配当は 60 年以上、毎年増やしてきた。純負債は 72 億ドルで、借り換えで金利が上がり、利払いは 2.2 億から 3.2 億ドルへ増える見込み(brief.py の推定)。payout_oku は配当と、株式報酬の増加分を引いた正味の自社株買いの合計で、純利益の約 9 割で置いた。

買収は小粒で、ペットの周辺と高価格の歯磨きが中心。最大の失敗はフィローガ(スキンケア)で、2025 年に商標・顧客関係・のれん合計 9 億ドル超を減損した。大型の買収で価値を壊すリスクは低いが、同時に、成長を買う手段が乏しい。TOB の対象になる規模ではない。将来の大型 M&A は確率を小さく見て筋書きに入れず、今の会社のままで書いた。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

コルゲートの強みは、世界の歯磨きと手用歯ブラシの首位と、ヒルズの療法食という 2 本の柱が、景気に左右されず物価を転嫁できる点にある。2008〜09 年のリーマンでも株価の下げは −24% にとどまり、売上はほとんど減らなかった。営業利益率は 2022 年の底(20.0%)から 21〜22% へ戻り、2026 年は粗利益率の見通しも「低下」から「横ばい」へ上がった。戦略的成長・生産性プログラム(年 2〜3 億ドルの節約)は、数量が戻れば営業利益率を 23% 台へ押し上げる。

ヒルズは療法食が年 8.7% 成長する市場にあり、営業利益率が 23% 前後と高く、売上の 23%、営業利益の約 25% を担う。新興国(売上の約半分)は、歯磨きの普及率と所得の上昇で数量が年 +2% 前後伸びる。北米の苦戦は一部のカテゴリーに限られ、高価格の歯磨き・マウスウォッシュで取り返せる。数量が年 +0.7% 戻るだけで 10 年後の純利益は今の 1.5 倍、楽観の倍率 20.8 倍なら時価総額は今の約 1.6 倍になる。

慎重な見方

数量が伸びない。2025 年の有機的売上は +1% 台、2026 年第 1 四半期の北米の数量は −3.2%、第 2 四半期のヒルズの数量も −1.2%(PB 撤退の分を含む)で、成長は価格だけに頼る。ところが 2026 年の価格は +1.6% にとどまり、物価 3.5% に届かない。つまり実質では価格を決める力が落ちている。ヘイリオンは「価格を上げず棚と数量を優先する」と明言し、ウォルマート・ターゲットで棚を広げ、コルゲートの米国の占有率は横ばい。

関税と原料(パーム・樹脂・パルプ)は下期にピーク、粗利益率は低下から横ばいへ直しただけで、まだ回復していない。スキンヘルス事業の減損は成長を買う手段の失敗を意味する。今の PER 25.5 倍は k 7.5% の式の値(来年の利益に約 20 倍)を上回り、割安ではない。式の 20 倍は、ROE が 34% に下がっても 19.6 倍と差は小さいが、k が 1 ポイント上がれば約 16 倍へ落ちる。利益は 10 年でほぼ増えない筋書きもありえる。

どちらに重みを置いたか

強気の主張の核は事業の質(首位・療法食・景気への強さ)と、資本コスト 7.5% での利益ベースの正当化 PER 約 20 倍で、慎重な見方の核は北米の数量減と価格の弱さである。後者は価格を物価より低く(1.38 倍)、数量を年 +0.7% に抑え、g を 3% に置いて式に入れた。確率は中立を最も厚く(10 年 38%)、楽観 7%・やや楽観 20% に対し、やや悲観 24%・悲観 11% と下側を厚く置いた(北米の苦戦と PB の構造が見えるため)。結果として、年率は資本コストを 2 ポイントほど上回る。倍率は式の 9 割に置き、悲観側は稼ぐ力(1 ÷ k)に置いた。総合の差は約 −21% で「やや割高」と出る。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した株価時価総額 94.31 ドル765 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 41.56 ドル337 億ドル)。 今の値に割り戻すと 74.71 ドル606 億ドル、今との差 −23.3%、 期待の年率 +3.4%(資本コスト 7.5%)→ やや割高

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 7% 147.92 ドル1,200 億ドル 48.45 ドル393 億ドル +101.6% +7.3% 13.75 ドル111 億ドル
やや楽観 20% 118.27 ドル959 億ドル 45.12 ドル366 億ドル +67.8% +5.3% 32.68 ドル265 億ドル
中立 38% 105.14 ドル853 億ドル 42.16 ドル342 億ドル +51.3% +4.2% 55.98 ドル454 億ドル
やや悲観 24% 63.51 ドル515 億ドル 38.96 ドル316 億ドル +5.2% +0.5% 24.59 ドル199 億ドル
悲観 11% 46.44 ドル377 億ドル 34.27 ドル278 億ドル −17.1% −1.9% 8.88 ドル72 億ドル
加重平均100% 94.31 ドル765 億ドル41.56 ドル337 億ドル +39.5% +3.4% 135.87 ドル1,102 億ドル

今の株価時価総額 97.39 ドル790 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.5% を下回るほど割高。

楽観 7% 楽観:北米の巻き返しとヒルズの高成長で利益率が 24% へ 利益 58 億ドル · PER 20.8 倍 · 株価時価総額 147.92 ドル1,200 億ドル

2035 年 12 月期、売上は 343 億ドル(年 +5.3%)、営業利益 83 億ドル(営業利益率 24.2%)、純利益 58 億ドル(今のベース約 30 億ドルの 1.93 倍)。北米で高価格の歯磨き・マウスウォッシュが数量を取り戻し、ヘイリオンの価格攻勢を跳ね返す。オーラルは数量が年 +1.6%、ヒルズは療法食の成長(年 8%)に乗って数量が年 +2.8%、価格は物価並みの 1.45 倍。生産性プログラムと広告の効率化でオーラルの利益率は 29.5% へ。ヒルズは動物病院の推薦で占有率を上げ 25.5%。PB への移行は洗剤の一部に限る。フィローガの減損は一巡し、スキンケアも底を打つ。

  • オーラルケア:数量 35.2(歯磨き・歯ブラシ等の販売単位数(億個、推定))× 価格 4.29(1 個あたり平均単価(ドル))→ 売上 151 億ドル・営業利益 45 億ドル。数量 +1.6%/年・価格 1.43 倍・利益率 29.5%
  • パーソナルケア:数量 11.1(パーソナルケア品の販売単位数(億個、推定))× 価格 5.01(1 個あたり平均単価(ドル))→ 売上 55 億ドル・営業利益 12 億ドル。数量 +1.0%/年・価格 1.43 倍・利益率 21.5%
  • ホームケア:数量 15.9(ホームケア品の販売単位数(億個、推定))× 価格 3.10(1 個あたり平均単価(ドル))→ 売上 49 億ドル・営業利益 9 億ドル。数量 +0.6%/年・価格 1.41 倍・利益率 18.0%
  • ヒルズ・ペット・ニュートリション:数量 22.4(ペットフードの販売量(億ポンド換算、推定))× 価格 3.92(1 ポンドあたり平均単価(ドル))→ 売上 88 億ドル・営業利益 22 億ドル。数量 +2.8%/年・価格 1.45 倍・利益率 25.5%

倍率:自己資本は自社株買いでほぼ 0 のため、のれんと純負債を除いた事業の ROE を使う。ROE 46.0%、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 強い堀 2/3、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 33.2%、g 3.5%(前と同じく市場の数量 × シェア × 価格から出した値)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 22.4 倍(来年の利益に対して)。歯磨きの世界首位のブランドが 10 年先も続くので、上限の 9 割(強い堀)に置いた。上限の 9.0 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 20.8 倍。時価総額 = 純利益 58 億ドル × 20.8 倍 = 1200 億ドル。

確率:北米が立て直しヒルズの高成長が続く筋書き。2025 年の有機的売上 +1% 台が続く現状では起きにくく 7%。

やや楽観 20% やや楽観:プレミアム化と生産性で利益率が 23% 弱へ 利益 51 億ドル · PER 18.7 倍 · 株価時価総額 118.27 ドル959 億ドル

2035 年 12 月期、売上は 322 億ドル(年 +4.7%)、営業利益 73 億ドル(営業利益率 22.7%)、純利益 51 億ドル(今のベース約 30 億ドルの 1.72 倍)。オーラルは数量が年 +1.1%、価格は 1.41 倍。新興国の所得向上と高機能品への移行が効く。ヒルズは数量が年 +2.1%(療法食の成長が、マースやネスレとの競争で一部相殺される)。生産性プログラムの節約 2〜3 億ドルで利益率が約 1.8 ポイント上がる。北米は PB に一部譲るが、全体では数量が増え、価格は物価並みに上がる。

  • オーラルケア:数量 33.5(歯磨き・歯ブラシ等の販売単位数(億個、推定))× 価格 4.23(1 個あたり平均単価(ドル))→ 売上 142 億ドル・営業利益 40 億ドル。数量 +1.1%/年・価格 1.41 倍・利益率 28.5%
  • パーソナルケア:数量 10.5(パーソナルケア品の販売単位数(億個、推定))× 価格 4.90(1 個あたり平均単価(ドル))→ 売上 51 億ドル・営業利益 10 億ドル。数量 +0.5%/年・価格 1.40 倍・利益率 20.5%
  • ホームケア:数量 15.5(ホームケア品の販売単位数(億個、推定))× 価格 3.08(1 個あたり平均単価(ドル))→ 売上 48 億ドル・営業利益 8 億ドル。数量 +0.3%/年・価格 1.40 倍・利益率 17.0%
  • ヒルズ・ペット・ニュートリション:数量 20.9(ペットフードの販売量(億ポンド換算、推定))× 価格 3.87(1 ポンドあたり平均単価(ドル))→ 売上 81 億ドル・営業利益 20 億ドル。数量 +2.1%/年・価格 1.43 倍・利益率 24.5%

倍率:自己資本は自社株買いでほぼ 0 のため、のれんと純負債を除いた事業の ROE を使う。ROE 45.0%、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 強い堀 2/3、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 32.5%、g 3.0%(前と同じく市場の数量 × シェア × 価格から出した値)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 20.2 倍(来年の利益に対して)。歯磨きの世界首位のブランドが 10 年先も続くので、上限の 9 割に置いた。上限の 9.0 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 18.7 倍。時価総額 = 純利益 51 億ドル × 18.7 倍 = 959 億ドル。

確率:新興国・ヒルズの伸びと生産性プログラムが効く筋書き。足元の北米の弱さを見て 20%。

中立 38% 中立:歯磨きの首位を守り、ペットが全体を引き上げる 利益 46 億ドル · PER 18.7 倍 · 株価時価総額 105.14 ドル853 億ドル

2035 年 12 月期、売上は 300 億ドル(年 +3.9%)、営業利益 66 億ドル(営業利益率 22.0%)、純利益 46 億ドル(今のベース約 30 億ドルの 1.53 倍)。オーラルは数量が年 +0.7%、価格は PB とヘイリオンの低価格攻勢で物価よりやや低い 1.38 倍(年 +3.3%)。パーソナル・ホームは数量が横ばいから微減で、価格 1.38 倍、利益率はほぼ維持。ヒルズは療法食の成長で数量が年 +1.3%、価格は物価並みの 1.41 倍、利益率 23.5%。会社全体の営業利益率は今の 21% から 22% へ。PB は洗剤で 1〜2 ポイントの占有率を取るが、歯磨きとペットの価格を決める力は残る。

  • オーラルケア:数量 32.2(歯磨き・歯ブラシ等の販売単位数(億個、推定))× 価格 4.14(1 個あたり平均単価(ドル))→ 売上 133 億ドル・営業利益 37 億ドル。数量 +0.7%/年・価格 1.38 倍・利益率 27.5%
  • パーソナルケア:数量 10.0(パーソナルケア品の販売単位数(億個、推定))× 価格 4.83(1 個あたり平均単価(ドル))→ 売上 48 億ドル・営業利益 10 億ドル。数量 +0.0%/年・価格 1.38 倍・利益率 20.0%
  • ホームケア:数量 14.7(ホームケア品の販売単位数(億個、推定))× 価格 3.04(1 個あたり平均単価(ドル))→ 売上 45 億ドル・営業利益 7 億ドル。数量 -0.2%/年・価格 1.38 倍・利益率 16.5%
  • ヒルズ・ペット・ニュートリション:数量 19.3(ペットフードの販売量(億ポンド換算、推定))× 価格 3.82(1 ポンドあたり平均単価(ドル))→ 売上 74 億ドル・営業利益 17 億ドル。数量 +1.3%/年・価格 1.41 倍・利益率 23.5%

倍率:自己資本は自社株買いでほぼ 0 のため、のれんと純負債を除いた事業の ROE を使う。ROE 44.0%、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 強い堀 2/3、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 31.8%、g 3.0%(前と同じく市場の数量 × シェア × 価格から出した値)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 20.1 倍(来年の利益に対して)。歯磨きの世界首位のブランドが 10 年先も続くので、上限の 9 割に置いた。上限の 9.0 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 18.7 倍。時価総額 = 純利益 46 億ドル × 18.7 倍 = 853 億ドル。

確率:歯磨き首位とペットが全体を支え、数量は小さく伸びる。議論で最も厚く 38%。

やや悲観 24% やや悲観:自社ブランドとヘイリオンに押され、価格が物価に届かない 利益 38 億ドル · PER 13.7 倍 · 株価時価総額 63.51 ドル515 億ドル

2035 年 12 月期、売上は 271 億ドル(年 +2.9%)、営業利益 54 億ドル(営業利益率 20.0%)、純利益 38 億ドル(今のベース約 30 億ドルの 1.26 倍)。北米でヘイリオンと PB に 2〜3 ポイントの占有率を奪われ、オーラルの数量が横ばい、価格は物価に届かず 1.34 倍。パーソナル・ホームは数量が微減で、利益率が 1.5〜2 ポイント下がる。ヒルズは療法食でマースとネスレに並ばれ、数量が年 +0.4%、利益率 22%。原料・関税の高止まりを価格に転嫁しきれず、営業利益率は 20% へ。純利益は今の約 1.25 倍にとどまる(名目の売上は約 1.33 倍)。

  • オーラルケア:数量 30.0(歯磨き・歯ブラシ等の販売単位数(億個、推定))× 価格 4.02(1 個あたり平均単価(ドル))→ 売上 121 億ドル・営業利益 31 億ドル。数量 +0.0%/年・価格 1.34 倍・利益率 26.0%
  • パーソナルケア:数量 9.4(パーソナルケア品の販売単位数(億個、推定))× 価格 4.66(1 個あたり平均単価(ドル))→ 売上 44 億ドル・営業利益 8 億ドル。数量 -0.6%/年・価格 1.33 倍・利益率 18.5%
  • ホームケア:数量 13.8(ホームケア品の販売単位数(億個、推定))× 価格 2.93(1 個あたり平均単価(ドル))→ 売上 40 億ドル・営業利益 6 億ドル。数量 -0.8%/年・価格 1.33 倍・利益率 15.0%
  • ヒルズ・ペット・ニュートリション:数量 17.7(ペットフードの販売量(億ポンド換算、推定))× 価格 3.71(1 ポンドあたり平均単価(ドル))→ 売上 66 億ドル・営業利益 15 億ドル。数量 +0.4%/年・価格 1.37 倍・利益率 22.0%

倍率:自己資本は自社株買いでほぼ 0 のため、のれんと純負債を除いた事業の ROE を使う。ROE 40.0%、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 強い堀 2/3、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 29.2%、g 2.5%(前と同じく市場の数量 × シェア × 価格から出した値)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 18.3 倍(来年の利益に対して)。悲観側は稼ぐ力(純利益 ÷ k)に成長 g を乗せた値(1 ÷ k × (1+g))に置き、ROE が高くても式の上乗せは見ない。市場の倍率は使わない。上限の 7.3 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 13.7 倍。時価総額 = 純利益 38 億ドル × 13.7 倍 = 515 億ドル。

確率:ヘイリオンと PB に押され価格が物価に届かない筋書き。第 1 四半期の北米の数量 −3.2% と 2026 年の価格 +1.6% を見て 24% と厚めにした。

悲観 11% 悲観:北米で首位を失い、ヒルズも獣医食で競争に負ける 利益 28 億ドル · PER 13.6 倍 · 株価時価総額 46.44 ドル377 億ドル

2035 年 12 月期、売上は 238 億ドル(年 +1.5%)、営業利益 40 億ドル(営業利益率 16.8%)、純利益 28 億ドル(今のベース約 30 億ドルの 0.93 倍)。構造的に負ける筋書き。北米でクレスト・センソダイン型の高機能品とコストコ・アマゾンの PB に歯磨きでも数量を奪われ、オーラルは数量が年 −0.7%、価格 1.27 倍(物価の 9 割)。ヒルズも療法食で競合と PB に押され数量が年 −0.4%、利益率 19.5%。ホーム・パーソナルは価格競争で利益率が 12〜16%。営業利益率は 17% へ下がり、純利益は今より少ない。ただし歯磨きの首位は失わず、事業は存続する。

  • オーラルケア:数量 28.0(歯磨き・歯ブラシ等の販売単位数(億個、推定))× 価格 3.81(1 個あたり平均単価(ドル))→ 売上 107 億ドル・営業利益 25 億ドル。数量 -0.7%/年・価格 1.27 倍・利益率 23.5%
  • パーソナルケア:数量 8.7(パーソナルケア品の販売単位数(億個、推定))× 価格 4.41(1 個あたり平均単価(ドル))→ 売上 38 億ドル・営業利益 6 億ドル。数量 -1.4%/年・価格 1.26 倍・利益率 16.0%
  • ホームケア:数量 12.8(ホームケア品の販売単位数(億個、推定))× 価格 2.77(1 個あたり平均単価(ドル))→ 売上 35 億ドル・営業利益 4 億ドル。数量 -1.6%/年・価格 1.26 倍・利益率 12.5%
  • ヒルズ・ペット・ニュートリション:数量 16.3(ペットフードの販売量(億ポンド換算、推定))× 価格 3.52(1 ポンドあたり平均単価(ドル))→ 売上 57 億ドル・営業利益 11 億ドル。数量 -0.4%/年・価格 1.30 倍・利益率 19.5%

倍率:自己資本は自社株買いでほぼ 0 のため、のれんと純負債を除いた事業の ROE を使う。ROE 34.0%、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 強い堀 2/3、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 25.2%、g 2.0%(前と同じく市場の数量 × シェア × 価格から出した値)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 16.7 倍(来年の利益に対して)。悲観側は稼ぐ力(純利益 ÷ k)に成長 g を乗せた値(1 ÷ k × (1+g))に置き、ROE が高くても式の上乗せは見ない。市場の倍率は使わない。上限の 8.0 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 13.6 倍。時価総額 = 純利益 28 億ドル × 13.6 倍 = 377 億ドル。

確率:構造的に負ける筋書き。首位の歯磨きとヒルズを持つため 11% に抑えるが、プロクターの 10% より少し厚い(北米の弱さとフィローガの失敗の分)。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

オーラルケア

歯磨き・手用歯ブラシ・マウスウォッシュ・高機能歯磨き。会社の柱で、売上の約 44%。

数量歯磨き・歯ブラシ等の販売単位数(億個、推定)価格1 個あたり平均単価(ドル)売上営業利益
今 2025/12 30.0 3.00 90 24
10 年後 中立 32.2 4.14 133 37

取り方:2025 年の売上のおよそ 44%=約 90 億ドルを、平均 3 ドル前後の商品で約 30 億個と置いた推定(世界の歯磨き市場 200〜290 億ドル × シェアの高さと整合)。事業別の営業利益は開示されないので、利益率 27% は会社全体の 21% と、ヒルズ 23%、ホーム・パーソナルの低さから逆算した推定。

パーソナルケア

ハンドソープ・ボディウォッシュ・デオドラント・スキンケア(エルタMD、フィローガ)。売上の約 17%。

数量パーソナルケア品の販売単位数(億個、推定)価格1 個あたり平均単価(ドル)売上営業利益
今 2025/12 10.0 3.50 35 7
10 年後 中立 10.0 4.83 48 10

取り方:売上の 17%=約 35 億ドルを、平均 3.5 ドル前後で約 10 億個と置いた推定。利益率 19% は、高級スキンケアの減損前の収益性と、石けん・デオドラントの利益率から置いた推定。

ホームケア

食器用洗剤・多目的洗剤・柔軟剤(ラテンアメリカ・欧州が厚い)。売上の約 16%。

数量ホームケア品の販売単位数(億個、推定)価格1 個あたり平均単価(ドル)売上営業利益
今 2025/12 15.0 2.20 33 5
10 年後 中立 14.7 3.04 45 7

取り方:売上の 16%=約 33 億ドルを、平均 2.2 ドル前後で約 15 億個と置いた推定。濃縮化と PB で単価が上がりにくく、利益率は 16% と推定。

ヒルズ・ペット・ニュートリション

ヒルズ:サイエンス・ダイエットとプリスクリプション・ダイエット(療法食)。売上の約 23%。

数量ペットフードの販売量(億ポンド換算、推定)価格1 ポンドあたり平均単価(ドル)売上営業利益
今 2025/12 17.0 2.71 46 11
10 年後 中立 19.3 3.82 74 17

取り方:2025 年の売上 46.1 億ドルを、プレミアム・療法食の平均 2.7 ドル前後 × 約 17 億ポンド換算と置いた推定(世界のペットフード約 1,320 億ドルの約 3.5%)。営業利益率は四半期の開示(22.4〜23.4%)から 23%。

リスクと懸念

北米の数量減と占有率

2026 年第 1 四半期の北米の数量は −3.2%。ヘイリオンが価格を上げず棚と数量を取りにきており、買い控えで安い商品・PB へ移る。コルゲートの米国の家庭用品・パーソナルの占有率は 5% 弱で横ばいだが、数量の弱さが続くと価格を決める力が削られる。経営陣自身も米国の成績に不満を示している。

価格が物価に届かない

2026 年第 2 四半期の有機的売上の価格は +1.6%、ヒルズだけは +3.9%。物価 3.5% より低く、実質では値下げに近い。PB・低所得層の買い控えで値上げの余地が狭まると、利益率が物価で守られない。

原料・関税とコスト

パーム油・樹脂・パルプなどの原料と関税は 2026 年下期にピークと会社は見る。第 2 四半期の粗利益率 61.5% の上振れには関税の返還が一部含まれるとの指摘もあり、確かでない。通期の粗利益率は横ばい見通しに上方修正されたが、安定とは言えない。

ヒルズの競争と PB 撤退

療法食は年 8.7% で伸びる市場だが、マース(ロイヤルカナン)とネスレ(ピュリナ)が大きい。第 2 四半期のヒルズの数量は −1.2%、PB ペットフードからの撤退が有機的売上を約 2 ポイント下げた。営業利益率は 22.5% と 0.4 ポイント下がった。

買収の失敗(スキンヘルス)

フィローガの商標・顧客関係・のれんを 2025 年第 4 四半期に合計 9 億ドル超(税引後 7.94 億ドル)減損した。中国の需要が弱く、成長を買う手段の価値が落ちた。追加の減損や、他の買収の失敗が繰り返されると、資本配分の評価が下がる。

訴訟(タルク)

カシミア・ブーケなどのタルクを使った商品をめぐるアスベスト訴訟が続く。過去の評決は被告勝訴と原告勝訴が混在し、1,200 万ドル級の賠償もあるが、会社の利益に比べ小さい。今後、集団化や規制の強化で額が膨らむ可能性はあり、確率で表す。

倍率の縮み(資本コスト)

今の PER 約 25.5 倍は、式の値(k 7.5%・g 3%・事業の ROE 44%)の来年の利益に約 20 倍より高く、k が 1 ポイント上がれば約 16 倍へ下がる。リーマンで −24%、2022 年の利上げで −16% と、倍率の縮みで下がった過去がある。

今後の分かれ目

北米の数量が 2 四半期続けてプラスに戻る
ヘイリオンと PB への流出が止まったと判断し、中立から楽観側へ確率を寄せる(10 年で楽観・やや楽観を 5 ポイント厚く)。
2026 年下期に粗利益率が前年を下回る
原料・関税が価格で転嫁できていない。価格を物価の 9 割(1.27〜1.34 倍)に下げた悲観側へ確率を寄せ、利益率の置き方を下げる。
ヒルズの数量が PB 撤退を除いても 2 四半期続けて前年割れ
療法食でマース・ネスレに押されている。ヒルズの数量を横ばいに下げ、やや悲観を厚くする。
スキンヘルスで追加の減損、または別の高値買収
資本配分への信頼が下がる。のれんの扱いと確率を見直し、事業の ROE の置き方を下げる。
タルク訴訟で数億ドル級の賠償か、集団和解
純利益の 1 年分に届かなければ筋書きは変えないが、やや悲観の確率を厚く、悲観の深さに織り込む。
米国の長期金利がさらに上がり、k が実質 1 ポイント上昇
式の PER が約 20 倍から約 16 倍へ下がり、割高の度合いが広がる。

見ておくもの

  • 北米の有機的売上と数量(四半期)
  • 粗利益率(GAAP とベース)と関税・原料の影響
  • ヒルズの有機的売上・数量・営業利益率(PB 撤退を除く)
  • 新興国(ラテンアメリカ・アジア・アフリカ)の数量
  • 戦略的成長・生産性プログラムの節約の実績と広告費の割合
  • ヘイリオン・プロクターの米国の歯磨きの占有率と値付け
  • フィローガ(スキンヘルス)の売上と追加の減損
  • タルク訴訟の評決と準備金

倍率と資本コストの決め方

今の PER 約 25.5 倍を見る前に、4 つの事業を販売単位数 × 平均単価で積み、事業別の利益率から営業利益を作り、純利益に 24% の税と金利上昇(利払い +1 億ドル程度)を入れた。倍率は k 7.5%(基本 8.0% + quality −0.5%)の式 (1 − g/RONIC) ÷ (k − g) × (1 + g) で置き、上限の 9 割に置いた(中立の 10 年後で 18.7 倍)。数量の弱さと PB の圧力は価格を物価より低く(1.38 倍)、g を 3% に置いて式に入れ、ROE は自己資本がほぼ 0 のため、のれんと純負債を除いた事業の ROE 約 44% を使い、純負債は 1 ドルずつ引いた。悲観側は稼ぐ力 1 ÷ k × (1+g) に置き、過去の PER や中央値には寄せていない。

資本コスト 7.5% = 無リスク金利 5% + β 0.60 × 5%。k = 基本 8.0% + quality −0.5% = 7.5%。必需品で景気に左右されにくい。個別のリスク(北米・PB・フィローガ・訴訟)は k に足さず、筋書きと確率で表した。

同じ業種(生活必需品)の AI 分析

適正 クロロックスCLX 漂白剤・猫砂・ごみ袋・ピュレルの必需品ブランド。ERP 移行の傷・CEO 交代・借入増が重なり利益が谷にあるが、k 8.75% の利益ベースの正当化 PER で測ると今の値段はやや割安 本質価値との差 +8.2% · 10 年 適正(年 +8.1%) 適正 マコーミックMKC 調味料で世界首位の安定事業。米国の数量は弱いが、k 8.25% の利益ベースの正当化 PER(その 8.5 割)で測った値は今の時価総額を上回り、ユニリーバ統合を除いた単体ではやや割安 本質価値との差 +6.8% · 10 年 適正(年 +7.2%) 適正 ペプシコPEP 飲料とスナックの二本柱だが、値下げと原料高で北米の利益が痩せている。利益ベースの正当化 PER(その 8.5 割)で測ると、本質価値は今の値段とほぼ同じで適正 本質価値との差 −4.7% · 10 年 適正(年 +6.1%) 適正 クローガーKR 米国最大の伝統的な食品スーパー。占有率を毎年失う薄利の成熟事業だが、食料品は落ちにくく、利益ベースの正当化 PER(その 8 割)で見ると今の値段は適正 本質価値との差 −5.7% · 10 年 適正(年 +5.8%) 適正 ターゲットTGT 縮んだ総合量販が立て直しに投資する局面。成功すれば倍率以上に利益が戻り、競合に負ければ構造的に縮む。利益ベースの正当化 PER で測ると、今の値段は適正 本質価値との差 −6.9% · 10 年 適正(年 +5.9%) 適正 ゼネラル・ミルズGIS 数量が縮み利益が 2 期続けて落ちた大手ブランド。価格投資は一巡したが、借金の重さを k に入れて確率を慎重側に厚くすると、本質価値は今の時価総額とほぼ同じで適正 本質価値との差 −9.7% · 10 年 適正(年 +5.6%) やや割高 タイソン・フーズTSN 牛肉の赤字を鶏肉と加工食品が支える食肉大手。k 9.75% の正当化 PER(弱い堀で下限の 1 ÷ k に近い)で測ると、中立の価値は今を上回るが、期待の年率は k を下回り、適正 本質価値との差 −10.1% · 10 年 やや割高(年 +6.6%) やや割高 キンバリークラークKMB ハギーズ・クリネックスの北米首位と、IFP 売却後の身軽な形。北米の価格投資と中国の失速はあるが、k 8.5% の利益ベースの正当化 PER(来年の利益に約 15 倍)は今の PER 17 倍と近く、値段は適正 本質価値との差 −13.2% · 10 年 やや割高(年 +5.4%) やや割高 ホーメル・フーズHRL 豚肉の原価高と撤退で利益が落ちた、配当 127 年の加工肉・外食の会社。借金は軽いが、利益ベースの正当化 PER(その 8 割)で測ると今の時価総額をやや下回り、適正 本質価値との差 −13.7% · 10 年 やや割高(年 +4.8%) やや割高 モルソン・クアーズ・ビバレッジTAP 米国ビールの縮小とシェア低下で利益が減る最中。それでも伸びのない会社の式(PER = 1 ÷ k = 10.5 倍)で測ると中立の 10 年後は今とほぼ同じで、確率を重ねるとやや割高 本質価値との差 −14.6% · 10 年 やや割高(年 +5.1%) やや割高 ダラー・ツリーDLTR 裁量品が約半分の均一価格店が、多価格化と客層の広がりで利益率 9% 前後に乗せた局面。利益ベースの正当化 PER で測るとやや割高で、関税還付の一過性と客数の弱さから確率も慎重側に厚く置いた 本質価値との差 −18.0% · 10 年 やや割高(年 +4.5%) やや割高 ブンゲ・グローバルBG 世界最大級の油糧種子の圧搾・穀物商社。2026 年は圧搾利幅が山で、ならした利益に弱い堀の正当化 PER(下限の 1 ÷ k = 10.0 倍)を当てると、今の値段はやや割高 本質価値との差 −18.9% · 10 年 やや割高(年 +6.0%) やや割高 アルトリア・グループMO 数量が毎年 5% 減る紙巻きを値上げで支える高配当の縮む事業。名目の利益は横ばいで、伸びのない会社の正当化 PER(1 ÷ k)で測ると今の値段はやや割高 本質価値との差 −18.9% · 10 年 やや割高(年 +3.5%) やや割高 コンステレーション・ブランズSTZ モデロ・コロナの輸入ビール一本足。数量が縮む産業で純負債も重いが、伸びのない会社の正当化 PER(1 ÷ k)で測ると、中立の 10 年後は今の 0.94 倍で、還元を足しても資本コストに届かず、やや割高 本質価値との差 −19.0% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 クラフト・ハインツKHC ブランドは強いが数量が毎年縮む会社。k 9.0% の稼ぐ力(純利益 ÷ k)で測ると中立の価値は今の時価総額とほぼ同じで、確率を悲観側に置いた総合ではやや割高 本質価値との差 −19.2% · 10 年 やや割高(年 +4.5%) やや割高 ダラー・ゼネラルDG 農村の小型店の密度で食品の来店頻度を握る会社が、盛り損の削減と改装で利益率を戻す局面。今の値段はやや割高で、利益率の戻りが続くかが価値を分ける 本質価値との差 −20.3% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 モンデリーズ・インターナショナルMDLZ 世界首位のビスケットと世界 2 位のチョコを持ち、カカオ高で利益が削られた谷にある。k 8.0% の利益ベースの正当化 PER で測ると、今の値段は中立の価値とほぼ同じで、確率を悲観側に置いた総合ではやや割高 本質価値との差 −21.6% · 10 年 やや割高(年 +3.9%) やや割高 ハーシーHSY チョコレート首位のブランドが、カカオ高の谷を価格改定で抜けた直後。k 7.5% の利益ベースの正当化 PER で測ると、値段はやや割高 本質価値との差 −22.9% · 10 年 やや割高(年 +3.5%) やや割高 コカ・コーラKO 世界最強のブランド原液事業。強い堀の利益ベースの正当化 PER で測っても、k 7.5% では中立の 10 年後が今の約 1.1 倍にとどまり、今の値段はやや割高 本質価値との差 −25.8% · 10 年 やや割高(年 +3.2%) やや割高 プロクター・アンド・ギャンブルPG 世界最強の日用品ブランド群だが、PER 24 倍は k 7.5% の利益ベースの正当化 PER(来年の利益に約 19 倍)を上回る。数量の弱さを長期の成長に入れると、値段はやや割高 本質価値との差 −26.2% · 10 年 やや割高(年 +3.0%) やや割高 キューリグ・ドクターペッパーKDP JDE ピーツの買収で純負債が時価総額の 6 割になった飲料・コーヒー複合。強い飲料と縮むポッドの綱引きで、借金の重さを k に入れると 10 年の中立は今の約 0.93 倍にとどまり、今の値段はやや割高 本質価値との差 −26.2% · 10 年 やや割高(年 +3.8%) 割高 JM スマッカーSJM コーヒーの値付けと借金返済で利益の底が見えたが、ブランドの堀は広がらず、k 8.75% の利益ベースの正当化 PER で測ると中立の価値は今とほぼ同じで、確率を悲観側に置いた総合ではやや割高 本質価値との差 −30.6% · 10 年 割高(年 +3.2%) 割高 シスコSYY 米国最大の外食向け食品卸。薄利の物流業で価格を決める力は弱いが、規模の経済と AI 効率化で利益は着実に伸びる。利益ベースの正当化 PER で見ると、今の値段はやや割高 本質価値との差 −30.7% · 10 年 割高(年 +3.7%) 割高 ケンビューKVUE タイレノール・リステリン・ニュートロジーナを持つが、数量は縮み、訴訟が再燃。買収条件に連動する株価に安全域は見えず、単体の本質価値はやや下 本質価値との差 −32.1% · 10 年 割高(年 +2.9%) 割高 フィリップ モリス インターナショナルPM 紙巻きの減りを煙の出ない製品で埋める成長株。強い堀の利益ベースの正当化 PER でも、資本コスト 7.5% に対して今の値段は割高 本質価値との差 −33.8% · 10 年 割高(年 +2.1%) 割高 ブラウン・フォーマンBF-B ジャックダニエルを軸にした酒類の老舗。米国の飲酒減・関税・カナダの棚外しが重いが、財務は軽く、利益ベースの正当化 PER(下限の 1 ÷ k)で測ると今の値段は割高 本質価値との差 −35.8% · 10 年 割高(年 +1.8%) 割高 アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドADM 価格を決める力のない農産物加工の循環株。バイオ燃料の追い風で 2026 年は利益の山。ならした利益に k 9.5% の稼ぐ力(弱い堀の下限 1 ÷ k = 10.5 倍)を当てると、値段は割高 本質価値との差 −36.0% · 10 年 割高(年 +2.7%) 割高 ウォルマートWMT 食品の規模・通販・広告で堀は広がる。だが今の PER 43 倍は、強い堀の利益ベースの正当化 PER(約 22 倍)の 2 倍近くで、割高 本質価値との差 −38.0% · 10 年 割高(年 +1.7%) 割高 チャーチ・アンド・ドワイトCHD 猫砂・洗濯・オーラルケアの強いブランドを買い足して伸びる必需品の中堅。ウォルマート依存と買収の失敗が影で、k 7.75% の利益ベースの正当化 PER で測ると今の値段は割高 本質価値との差 −44.3% · 10 年 割高(年 +0.4%) 割高 モンスタービバレッジMNST エナジー専業の高採算ブランド。利益ベースの正当化 PER で測っても、中立の 10 年後は今の時価総額の約 0.87 倍にとどまり、今の値段は割高 本質価値との差 −48.0% · 10 年 割高(年 +0.4%) 割高 エスティ ローダーEL 高級美容の名門が再建の途中。利益率は戻るが、利益ベースの正当化 PER(k 9.25%・ROE 25% 台で来年の利益に約 14 倍)では今の約 380 億ドルは回復を先取りしており、割高 本質価値との差 −51.4% · 10 年 割高(年 +0.4%) 割高 コストコ・ホールセールCOST 会費が利益の半分を生む堀は本物だが、PER 47.6 倍は成熟後の約 2 倍。10 年の年率は資本コスト 7.5% に届かず割高 本質価値との差 −52.4% · 10 年 割高(年 −0.9%) 割高 ケーシーズ・ゼネラル・ストアーズCASY 米国 3 位のコンビニ。小さな町の寡占と調理品で伸びる良質な事業だが、燃料粗利が高止まりの今、GAAP の約 36 倍は利益ベースの正当化 PER(約 15 倍)の倍以上で割高 本質価値との差 −62.1% · 10 年 割高(年 −3.1%)

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読んだ資料

  1. Colgate-Palmolive Form 10-K FY2025
  2. Colgate 4th Quarter and Full Year 2025 Results
  3. Colgate 2nd Quarter 2026 Results(8-K 表)
  4. Colgate 10-Q 2026 年 6 月期
  5. Colgate Q1 2026 Deep Dive(北米の数量)
  6. ヘイリオン、ウォルマート・ターゲットで棚を確保(ESM)
  7. ペットフード市場(GM Insights)
  8. CL 時価総額(Trading Economics)

分析日 2026-10-16