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シスコ SYY

米国最大の外食向け食品卸。薄利の物流業で価格を決める力は弱いが、規模の経済と AI 効率化で利益は着実に伸びる。利益ベースの正当化 PER で見ると、今の値段はやや割高

割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)58.17 ドル280 億ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)84.0 ドル404 億ドル差 −30.7%
10 年後から見ると 割高 価値 58.17 ドル280 億ドル · 差 −30.7% · 期待の年率 +3.7%
期待の年率リターン(10 年)+3.7%資本コスト比 −5.3 pt
推定の資本コスト9.0%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 9.0% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

シスコ(Sysco)は、レストラン・ホテル・病院・学校などに食材と備品を届ける世界最大の外食向け食品卸である。2026 年 6 月期の売上は 846 億ドル、調整後の営業利益は 36 億ドル(営業利益率 4.3%)、調整後の純利益は 22 億ドル、フリーキャッシュフローは 21 億ドル。米国の外食市場(約 3,800 億ドル)の約 18% を押さえ、US フーズ(US Foods)、パフォーマンス・フード・グループ(PFG)との 3 強で寡占を作る。

事業の中身は「配送ケース数 × 1 ケースの単価 × 1 ケースあたりの粗利」の積み上げで、売上の 7 割が米国外食、2 割が国際、1 割が SYGMA(チェーン向け)である。価格は食材の物価に連動して転嫁でき、営業利益率は 3〜5% の薄利を保つ。堀は配送網の規模と調達力で、新規参入は難しいが、価格を決める力は強くない。

2026 年 3 月に発表した、現金払い中心でレストラン・デポ(運営はジェトロ)を企業価値 291 億ドルで買う計画は、まだ成立していない。規制当局の審査中で、自社買いを止めて借金を返す方針である。このノートはルールに従い、今のシスコ単独で筋書きを書く。成立した時の得失(借金が 210 億ドル増え、新株が約 19% 増える。相乗効果は年 2.5 億ドル)は、確率と悲観の厚みで触れる。

バリュー投資の観点では、10 年後の中立で売上は約 1,360 億ドル、営業利益は約 64 億ドル、純利益は約 36 億ドル(GAAP に買収の償却だけ戻した値。調整後の 40 億ドルから毎年出る再編費用などを引いた)、のれんを除いた投下資本の利益率 約 26%・g 4%・k 9.0% の利益ベースの正当化 PER は来年の利益に約 15 倍で、薄利で景気に振れるのでその 8 割を使い、10 年目の利益に約 13 倍、時価総額は約 463 億ドル。配当込みの年率は約 5% で資本コスト 9.0% に届かない。確率を加重した本質価値は今の時価総額の約 1.16 倍。今の値段(償却を戻した利益の約 20 倍)は、正当化 PER を上回る。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、まず 10 年後も存在し今より強いかを問う。答えは「存在する」。外食はなくならず、店は毎週仕入れを必要とし、食材の配送網は物価に連動して売上が伸びる。堀(配送の密度と調達力)は規模の経済として簡単には崩れない。ただし、堀の「幅」は狭い。商品の差別化がなく、競合が同じ品揃えを持ち、大手チェーンの値引き要求を受け、価格を決められない。営業利益率は 4% 台で、物価が上がれば利益も増えるが、収益の質は「水道・電力」ではなく「物流業」である。

オーナー利益で見ると、調整後純利益 22 億ドルから無形資産の償却・再編費用(年約 2 億ドル)を引き、設備投資と運転資本の増加を差し引いても、フリーキャッシュフローは 21 億ドル前後(時価総額の 5.3%)あり、現金を生む力は強い。物流の設備投資は年 5〜7 億ドルと軽い。

資本配分は、自社買いを割高な局面(PER 20 倍台)で行い、それが自己資本をほぼ消してしまった点がやや気になる。さらに、時価総額の 7 割を超える 291 億ドルの買収を、借金 210 億ドルで行う決断は、安全域を削る。買収の対象(ジェトロ)は質の高い事業だが、14.6 倍の営業利益の値段で、成長を織り込んだ買い物である。

結論:事業は分かりやすい(予測可能性は高い)が、価格を決める力が弱く、倍率を上げる理由はない。ならし利益に資本コスト 9.0% の式どおりの PER(15 倍前後)を掛けた本質価値は今の時価総額を下回り、安全域は無い。ただし借金が多く自己資本が薄いので、悲観では時価総額が今の 4〜5 割まで下がる。

何で稼ぐ会社か

シスコの収益は 4 つの塊に分かれる。第 1 は米国外食(US Foodservice)で売上 588 億ドル、調整後営業利益 37 億ドル(営業利益率 6.2%)。独立系レストランからチェーン、病院・学校まで数十万の顧客に、食材(生鮮・冷凍・乾物)と調理器具・洗剤を 1 ケース単位で配送する。粗利益率は約 19% で、そこから配送・倉庫・営業の費用を引いた残りが利益になる。独立系レストラン向け(ローカル)は粗利が高く、全国チェーン向けは低い。ローカルのケース数は 2026 年 6 月期に前年比 +1.7%、全体は +1.4% だった。

第 2 は国際(International)で売上 160 億ドル、調整後営業利益 6.8 億ドル(4.2%)。英国(ブレークス)、カナダ、フランス、スウェーデン、中南米などで同じ卸を行う。ドル建てで見た成長は為替抜きで +4.1%。第 3 は SYGMA で売上 86 億ドル、営業利益 0.9 億ドル(1.1%)。ファストフードなど大手チェーン専用の配送で、粗利は薄いが数量が安定している。第 4 は特殊事業(欧州の輸入食材など、売上 11 億ドル)。このほか本社費用(調整後で 8.5 億ドル)が引かれる。

利益は、ケース数の伸び、1 ケースの粗利、費用の効率で決まる。2026 年は、独立系の客先を増やすための営業要員と配送能力に先行して投資し、それを AI による発注・配送計画・倉庫作業の効率化で取り戻している(9 月に 2029 年 6 月期までの効率化 5 億ドルを掲げた)。

数字の注意:数量(億ケース)と 1 ケースの単価は開示されていない推定で、売上と営業利益を合うように置いた。セグメントの売上・営業利益は 2026 年 6 月期の決算発表の値。

優良さと弱いところ

堀は「規模と密度」にある。全米に 300 以上の物流拠点(世界 10 か国で 337)と数万台のトラックを持ち、1 回の配送で 1 軒に多品目を届けられる。外食店は在庫を持たず毎週発注するので、配送の遅れ・欠品がない卸への切り替えは起きにくい。自社ブランド(シスコ・ブランド)の比率が高く、独立系店の取引には営業担当が付き、顧客の仕入れ先を 1 本に集める力がある。市場占有 18% は、US フーズ・PFG を引き離す。

ただし価格を決める力は弱い。商品は食品メーカーが作ったものを仲介するだけで、ほぼ同じ品揃えを US フーズや PFG が持つ。大手チェーンは、複数の卸を競わせて粗利を削る。外食店の側でも、コストコ・ビジネス・センター、レストラン・デポのような現金払いの卸売店で仕入れる店が増えている。営業利益率は 12 期で 2.9%(2020 年)〜4.4% と薄く、物流費・人件費の物価上昇を転嫁し切れない年は利益が崩れる。

資本効率は見かけほど高くない。ROE は 66〜100% に見えるが、自己資本が自社買いで極小(27 億ドル)なためで、実体は投下資本の営業利益率(税引き後で約 19% 前後)に近い。借金は純負債が 117 億ドル(調整後 EBITDA の 2.7 倍)で、利払いは年 6〜7 億ドル。経営は、物流の効率化とコスト管理に慣れているが、2025 年の本社費用・再編費用が膨らむ年があり、GAAP の純利益は調整後より 2〜5 億ドル低い。この差(無形資産の償却・再編・買収費用)は、毎年のように出るので、このノートではオーナー利益から差し引いて見る。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

米国の外食向け食品卸の市場は約 3,800〜3,900 億ドル(2026 年、Technomic 推定)。外食店の来店数(数量)と食材の物価(価格)の掛け算で動き、名目で年 +4% 前後、実質(ケース数)はほぼ横ばいから +0.5% と見る。業界全体の営業利益率は 4〜4.5%。景気の山谷に敏感で、2020 年のコロナでは来店が止まり、シスコの売上は 12% 減って営業利益率は 2.9% まで落ちた。

今の位置は「緩やかな成長期」。2026 年 6 月期の米国のケース数は +1.4%、US フーズの独立系レストランのケースは +5.1%、PFG の独立系は +10% を超える。外食の物価(食材の物価 2.3〜2.8%)は落ち着いたが、客数は低所得層で弱い。GLP-1 の普及・外食の値上げで来店は伸びにくく、業界の数量は増えても年 +0.5〜1% である。

競合は 3 強。US フーズ(独立系が強く、調整後 EBITDA 率 5.7%)、PFG(コンビニ向け・独立系店を M&A で拡大。シェアを奪う挑戦者。2026 年に US フーズとの合併交渉は決裂)。ほかに地域卸・現金払い卸売店(レストラン・デポ、コストコ・ビジネス・センター)、アマゾン(ビジネス向け仕入れ)がある。構造の変化は「独立系店の取り合い」で、営業要員と AI による受注の取り込みが勝負になる。

レストラン・デポの買収が成立すると、シスコは「配送」と「現金払い店舗」の両方を持ち、小規模店という成長市場(現金払いの卸売店は 600〜700 億ドルの市場)に入る。ただしこのノートは、成立していない取引を足さず、今のシスコ単独で書く。

資本政策と M&A

還元は配当が主役。配当は 2026 年 6 月期に 10.4 億ドル(純利益に対し調整後で約 47%)で、長く増配を続けてきた。自社買いは 2025 年の 12.5 億ドルから 2026 年は 2 億ドルへ絞り、ジェトロ買収の発表後は停止した。買収が成立しないか、後に撤回した場合は買いが戻るとみるが、成立なら借金の返済が優先される。株式報酬による株の増加は年 1% 前後で、自社買いで打ち消してきた。

M&A:2026 年 3 月発表のジェトロ(レストラン・デポ)買収は、企業価値 291 億ドル(現金 216 億ドルと新株 9,150 万株)、ジェトロの売上約 160 億ドル、EBITDA 約 21 億ドル、フリーキャッシュフロー約 19 億ドル。年 2.5 億ドルの相乗効果と、成立後 2 年目に調整後 EPS の 1 割台前半の押し上げを見込む。一方、借金は 210 億ドル増え、純負債の対 EBITDA 倍率は 2.7 倍から約 3.7 倍へ上がり、24 か月で 1 倍下げる計画。米連邦取引委員会(FTC)の追加資料請求を受けており、成立の時期は 2027 年 6 月期の第 3 四半期(2027 年 3 月ごろ)までの予定。株式交換を含む未成立の取引なので、筋書きには足さず、確率に反映した。

借り換え:純負債 117 億ドルは、借り換えで金利が約 5.75% へ上がり、3 年で利払いは約 1 億ドル、10 年で約 2 億ドル増える。この分は純利益に入れた。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

シスコは、外食の独立系店という最大の成長市場で、最も強い営業網と配送網を持つ。独立系店向けのケース数は年 +1.7% で伸び、US フーズ・PFG の伸びほどではないが、市場より速い。AI を使った発注・配送計画・倉庫作業の効率化は 2029 年 6 月期までに 5 億ドルの費用削減を生み、その半分を利益に残せれば、米国外食の営業利益率は 6.2% から 7% を超える。粗利のよいシスコ・ブランドの比率と、国際(英国・カナダ・フランス)の利益率改善も加わる。

調達力は規模で決まる。食品メーカーとの交渉で、売上 846 億ドルは US フーズ(約 400 億ドル)の倍以上で、調達の相乗効果が効く。物流の設備投資は軽く、純利益の 95% がフリーキャッシュフローになるので、配当と自社買いを続けても借金の倍率は下がる。借り換えで利払いが増える分(10 年で年 2 億ドル)は、利益の伸びで吸収できる。

レストラン・デポの買収が成立すれば、小規模店という別の成長市場に入り、相乗効果の年 2.5 億ドルと、新しい倉庫 125 か所の出店が上乗せになる。成立しなくても、自社の独立系店の取り込みで足りる。10 年で価格が物価並みの 1.41 倍、ケース数が年 +2.2%、営業利益率が 7% 台に乗れば、純利益は 54 億ドル、PER 15 倍で時価総額は 800 億ドル台になる。物流業でも PER 15 倍が付くのは、利益の確実さが評価されるからである。

慎重な見方

外食向けの卸は、価格を決められない物流業である。営業利益率は 2020 年に 2.9% まで落ち、2022 年の 3.5%、直近でも 4.3% にとどまる。2026 年 6 月期の調整後営業利益は +2.6% にとどまり、売上 +3.9% より伸びが小さい。営業要員と配送能力への投資が先に出て、粗利率は米国外食で四半期ごとに 26 ベーシスポイント下がった。物価が落ち着く局面では、売上の増加分がそのまま費用の増加に消える。

競争は厳しくなる。US フーズは独立系店のケース数を +5.1%、PFG は +10% 超で伸ばし、シスコの +1.7% を上回る。つまりシスコは独立系店でシェアを失いつつある。大手チェーンは複数の卸を競わせ、コストコ・ビジネス・センターやレストラン・デポのような現金払い店舗は、小規模店の仕入れを奪う。10 年の先には、アマゾンの B2B や、食品メーカーによる店への直接配送が現れる可能性もある。

財務はすでに薄い。自己資本は 27 億ドルまで削られ、純負債は EBITDA の 2.7 倍。さらに、291 億ドルの買収で借金が 210 億ドル増え、倍率は 3.7 倍まで上がる。成立すれば、景気後退が来たとき(コロナ期の営業利益率 2.9%)に配当を維持できるかが問われる。成立しなければ、シスコは成長の次の一手を失う。GLP-1 の普及と外食の値上げで客数が減る流れも、ケース数の伸びを年 +0.5% 以下に抑える。ならし利益に PER 14 倍を掛ければ、今の時価総額を下回る。

どちらに重みを置いたか

事業の質(配送網の規模・自社ブランド・顧客の切り替えの重さ)は堅く、倒れる事業ではないが、価格を決める力の弱さと独立系店でのシェアの伸び悩みを重く見て、確率は慎重側へやや寄せた(10 年のやや悲観・悲観の合計 34%)。一方、キャッシュを生む力と AI 効率化の追い風は実際の数字なので、楽観側にも相応の確率を残した。10 年の中立は、価格が物価並みの 1.41 倍、米国外食のケース数が年 +1.2%、営業利益率 6.4% で、純利益 36 億ドル(GAAP+償却の戻し)に利益ベースの正当化 PER の 8 割(10 年目の利益に 12.8 倍)を掛けた。資本コストは基本 8.0% に、値決めの弱さと借金の +1.0% を足した 9.0%。10 年の中立の還元込みの年率は約 5% にとどまり、確率で重ねた本質価値は今の時価総額を約 29% 下回る「やや割高」。価格を決める力の弱さは確率と悲観の深さで表している。

10 年後の 5 つの筋書き(2036/12 期)

確率で加重した株価時価総額 90.24 ドル434 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 30.86 ドル148 億ドル)。 今の値に割り戻すと 58.17 ドル280 億ドル、今との差 −30.7%、 期待の年率 +3.7%(資本コスト 9.0%)→ 割高

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 10% 151.18 ドル727 億ドル 39.53 ドル190 億ドル +127.1% +8.5% 19.07 ドル92 億ドル
やや楽観 24% 122.86 ドル591 億ドル 36.41 ドル175 億ドル +89.7% +6.6% 38.23 ドル184 億ドル
中立 32% 96.25 ドル463 億ドル 32.25 ドル155 億ドル +53.0% +4.3% 41.12 ドル198 億ドル
やや悲観 21% 61.57 ドル296 億ドル 27.05 ドル130 億ドル +5.5% +0.5% 18.61 ドル89 億ドル
悲観 13% 14.65 ドル70 億ドル 16.65 ドル80 億ドル −62.7% −9.4% 4.07 ドル20 億ドル
加重平均100% 90.24 ドル434 億ドル30.86 ドル148 億ドル +44.2% +3.7% 121.10 ドル582 億ドル

今の株価時価総額 83.97 ドル404 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.0% を下回るほど割高。

楽観 10% 楽観:独立系で一人勝ち、営業利益率 5.6% 利益 49 億ドル · PER 15.0 倍 · 株価時価総額 151.18 ドル727 億ドル

10 年後(2036 年 6 月期)、米国外食のケース数は 1.24 倍(年 +2.2%)、価格は物価並みの 1.41 倍で売上約 1,030 億ドル、営業利益率 7.3% で約 75 億ドル。国際はケース数 +34%、営業利益率 5.5% で約 17 億ドル。全社の売上は約 1,490 億ドル、営業利益は約 83 億ドル(営業利益率 5.6%)、利払いは借り換えで年約 2 億ドル増え、純利益は約 49 億ドル(償却を戻した 2026 年の約 20 億ドルの約 2.4 倍、年 +9.4%)。AI 効率化の 5 億ドルが定着し、さらに次の効率化が続く。US フーズ(調整後 EBITDA 率 5.7%)・PFG を大きく引き離す。PER 14.9 倍で時価総額は約 727 億ドル。10 年の正味還元は約 190 億ドル。

  • 米国外食(US Foodservice):数量 15.5(配送ケース数(億ケース))× 価格 66(1 ケースあたり売上(ドル))→ 売上 1,031 億ドル・営業利益 75 億ドル。ケース数 +24.3%(期間の累計)、価格 ×1.41
  • 国際(International Foodservice):数量 5.4(配送ケース数相当(億ケース))× 価格 57(1 ケースあたり売上(ドル))→ 売上 304 億ドル・営業利益 17 億ドル。ケース数 +34.4%(期間の累計)、価格 ×1.41
  • SYGMA(大手チェーン向け配送):数量 2.2(配送ケース数(億ケース))× 価格 61(1 ケースあたり売上(ドル))→ 売上 134 億ドル・営業利益 2 億ドル。ケース数 +10.5%(期間の累計)、価格 ×1.41
  • 特殊事業ほか:数量 0.3(配送ケース数相当(億ケース))× 価格 61(1 ケースあたり売上(ドル))→ 売上 17 億ドル・営業利益 1 億ドル。ケース数 +10.0%(期間の累計)、価格 ×1.41

倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 30.8%、k 9.00%(基本 8.0% + quality +1.0%)、残る割合 0.50(普通の堀)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 19.9%、g 4.0%(市場の数量(米国外食のケース数 実質で年 +1% 台)+ 価格(物価並みの 3.5%)から出した上限の 4%。ROE から出していない)、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 16.0 倍(来年の利益に対して)。薄利で景気に振れる物流業なので、上限の 9 割(14.4 倍)に置き、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 14.9 倍。時価総額 = 純利益 49 × 14.9 倍 = 727 億ドル。

確率:AI 効率化と独立系店の取り込みが成功し、ケース数が年 +2.2% 伸びる。調達の規模が効き続け、競合に勝つ。

やや楽観 24% やや楽観:営業利益率 5.2%、純利益 42 億ドル 利益 42 億ドル · PER 14.0 倍 · 株価時価総額 122.86 ドル591 億ドル

10 年後、米国外食のケース数は 1.18 倍(年 +1.7%)、価格は 1.41 倍で売上約 982 億ドル、営業利益率 6.9% で約 68 億ドル。国際は営業利益率 5.2%。全社の売上は約 1,420 億ドル、営業利益は約 74 億ドル(5.2%)、純利益は約 42 億ドル(償却を戻した 2026 年の約 20 億ドルの約 2.1 倍、年 +8.0%)。経営陣の中期目標(調整後 EPS 年 +9〜11%)に、自社買いの寄与を除いたものに近い。競合に対しては US フーズと同程度の効率。PER 14.0 倍で時価総額約 590 億ドル。10 年の正味還元は約 175 億ドル。

  • 米国外食(US Foodservice):数量 14.8(配送ケース数(億ケース))× 価格 66(1 ケースあたり売上(ドル))→ 売上 982 億ドル・営業利益 68 億ドル。ケース数 +18.4%(期間の累計)、価格 ×1.41
  • 国際(International Foodservice):数量 5.1(配送ケース数相当(億ケース))× 価格 57(1 ケースあたり売上(ドル))→ 売上 289 億ドル・営業利益 15 億ドル。ケース数 +28.0%(期間の累計)、価格 ×1.41
  • SYGMA(大手チェーン向け配送):数量 2.2(配送ケース数(億ケース))× 価格 61(1 ケースあたり売上(ドル))→ 売上 134 億ドル・営業利益 2 億ドル。ケース数 +10.5%(期間の累計)、価格 ×1.41
  • 特殊事業ほか:数量 0.3(配送ケース数相当(億ケース))× 価格 61(1 ケースあたり売上(ドル))→ 売上 17 億ドル・営業利益 1 億ドル。ケース数 +10.0%(期間の累計)、価格 ×1.41

倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 29.0%、k 9.00%(基本 8.0% + quality +1.0%)、残る割合 0.50(普通の堀)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 19.0%、g 4.0%(市場の数量(米国外食のケース数 実質で年 +1% 台)+ 価格(物価並みの 3.5%)から出した上限の 4%。ROE から出していない)、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 15.8 倍(来年の利益に対して)。薄利で景気に振れる物流業なので、上限の 8.5 割(13.4 倍)に置き、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 14.0 倍。時価総額 = 純利益 42 × 14.0 倍 = 591 億ドル。

確率:ケース数は年 +1.7%、AI 効率化が定着して営業利益率は 7% 近くまで上がる。

中立 32% 中立:ケース数 年 +1.2%、純利益 36 億ドル、PER 12.8 倍 利益 36 億ドル · PER 12.9 倍 · 株価時価総額 96.25 ドル463 億ドル

10 年後、米国外食のケース数は 1.13 倍(年 +1.2%)、価格は物価並みの 1.41 倍で売上約 934 億ドル、営業利益率 6.4% で約 60 億ドル。国際はケース数 +22%、営業利益率 4.6% で約 13 億ドル。SYGMA は 1.1%。本社費用は物価で増えるが AI 効率化で抑えて約 11 億ドル。全社の売上は約 1,360 億ドル、営業利益は約 64 億ドル(4.7%)、利払いは借り換えで年約 2 億ドル増えて約 8.5 億ドル。純利益は約 36 億ドル(償却を戻した 2026 年の約 20 億ドルの約 1.8 倍、年 +6.2%)。市場の占有率 18% は変わらず、US フーズ・PFG と同じ条件。ROE は自己資本を厚くしなければ測れないので ROIC で見て約 19%。PER 12.8 倍で時価総額は約 463 億ドル。10 年の正味還元は約 155 億ドル(配当 約 130 億ドル、自社買いは株式報酬を引いた正味で約 25 億ドル)。

  • 米国外食(US Foodservice):数量 14.1(配送ケース数(億ケース))× 価格 66(1 ケースあたり売上(ドル))→ 売上 934 億ドル・営業利益 60 億ドル。ケース数 +12.7%(期間の累計)、価格 ×1.41
  • 国際(International Foodservice):数量 4.9(配送ケース数相当(億ケース))× 価格 57(1 ケースあたり売上(ドル))→ 売上 276 億ドル・営業利益 13 億ドル。ケース数 +21.9%(期間の累計)、価格 ×1.41
  • SYGMA(大手チェーン向け配送):数量 2.2(配送ケース数(億ケース))× 価格 61(1 ケースあたり売上(ドル))→ 売上 134 億ドル・営業利益 2 億ドル。ケース数 +10.5%(期間の累計)、価格 ×1.41
  • 特殊事業ほか:数量 0.3(配送ケース数相当(億ケース))× 価格 61(1 ケースあたり売上(ドル))→ 売上 17 億ドル・営業利益 1 億ドル。ケース数 +10.0%(期間の累計)、価格 ×1.41

倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 26.1%、k 9.00%(基本 8.0% + quality +1.0%)、残る割合 0.50(普通の堀)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 17.5%、g 4.0%(市場の数量(米国外食のケース数 実質で年 +1% 台)+ 価格(物価並みの 3.5%)から出した上限の 4%。ROE から出していない)、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 15.4 倍(来年の利益に対して)。薄利で景気に振れる物流業なので、上限の 8 割(12.4 倍)に置き、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 12.8 倍。時価総額 = 純利益 36 × 12.8 倍 = 463 億ドル。

確率:業界の中立(名目で年 +4%)に沿い、シスコは占有率 18% を保つ。AI 効率化の半分は価格競争で顧客に返す。

やや悲観 21% やや悲観:独立系でシェアを失い、営業利益率 4.0% 利益 27 億ドル · PER 11.0 倍 · 株価時価総額 61.57 ドル296 億ドル

10 年後、米国外食のケース数は 1.05 倍(年 +0.5%)、価格は 1.41 倍で売上約 871 億ドル、営業利益率 5.8% で約 51 億ドル。国際は営業利益率 4.0%、SYGMA は大手チェーンの値引きで 0.9%。全社の売上は約 1,260 億ドル、営業利益は約 51 億ドル(営業利益率 4.0%)、利払いは約 9 億ドル、純利益は約 27 億ドル(償却を戻した 2026 年の約 20 億ドルの約 1.4 倍)。競合のレストラン・デポ・コストコ・ビジネス・センターが小規模店の仕入れを取り、PFG が独立系で伸びる。AI 効率化の利益は顧客に返す。PER 11.0 倍(式の 75%。g 3.5%)で時価総額は約 296 億ドル。10 年の正味還元は約 130 億ドル。

  • 米国外食(US Foodservice):数量 13.1(配送ケース数(億ケース))× 価格 66(1 ケースあたり売上(ドル))→ 売上 871 億ドル・営業利益 51 億ドル。ケース数 +5.1%(期間の累計)、価格 ×1.41
  • 国際(International Foodservice):数量 4.4(配送ケース数相当(億ケース))× 価格 57(1 ケースあたり売上(ドル))→ 売上 250 億ドル・営業利益 10 億ドル。ケース数 +10.5%(期間の累計)、価格 ×1.41
  • SYGMA(大手チェーン向け配送):数量 2.0(配送ケース数(億ケース))× 価格 61(1 ケースあたり売上(ドル))→ 売上 122 億ドル・営業利益 1 億ドル。ケース数 +0.0%(期間の累計)、価格 ×1.41
  • 特殊事業ほか:数量 0.3(配送ケース数相当(億ケース))× 価格 61(1 ケースあたり売上(ドル))→ 売上 15 億ドル・営業利益 0 億ドル。ケース数 +0.0%(期間の累計)、価格 ×1.41

倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 22.3%、k 9.00%(基本 8.0% + quality +1.0%)、残る割合 0.50(普通の堀)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 15.7%、g 3.5%(市場の数量(米国外食のケース数 実質で年 +1% 台)+ 価格(物価並みの 3.5%)から出した上限の 4%。ROE から出していない)、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 14.1 倍(来年の利益に対して)。独立系店でシェアを失い優良でなくなる分、上限の 7.5 割(10.6 倍)に置き、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 11.0 倍。時価総額 = 純利益 27 × 11.0 倍 = 296 億ドル。

確率:ケース数が年 +0.5% にとどまり、独立系店で US フーズ・PFG・現金払い卸売店にシェアを奪われる。粗利は大手チェーンに削られる。

悲観 13% 悲観:構造的に負け、薄利の物流業に格下げ 利益 8 億ドル · PER 8.7 倍 · 株価時価総額 14.65 ドル70 億ドル

10 年後、米国外食のケース数は 0.90 倍(年 −1.0%)、価格は 1.30 倍にとどまり(競争で物価を下回る)、売上約 691 億ドル、営業利益率 4.2% で約 29 億ドル。国際は 3.2%、SYGMA は 0.5%。全社の売上は約 1,010 億ドル、営業利益は約 25 億ドル(営業利益率 2.5%)、借金の借り換えで利払いは約 10 億ドル、純利益は約 8 億ドル。10 年の途中でケース数の落ち込みに伴う設備の減損が出る。倍率は式の 7 割(PER 8.7 倍、g 3%)で、時価総額は約 70 億ドル。EBITDA の約 5 倍にあたり、純負債 125 億ドルを引いた持ち分の価値。10 年の正味還元は約 80 億ドル(配当を一度削る)。ジェトロ買収が成立したあとで景気後退に当たると、さらに悪い。

  • 米国外食(US Foodservice):数量 11.3(配送ケース数(億ケース))× 価格 61(1 ケースあたり売上(ドル))→ 売上 691 億ドル・営業利益 29 億ドル。ケース数 -9.6%(期間の累計)、価格 ×1.3
  • 国際(International Foodservice):数量 4.0(配送ケース数相当(億ケース))× 価格 52(1 ケースあたり売上(ドル))→ 売上 209 億ドル・営業利益 7 億ドル。ケース数 +0.0%(期間の累計)、価格 ×1.3
  • SYGMA(大手チェーン向け配送):数量 1.7(配送ケース数(億ケース))× 価格 56(1 ケースあたり売上(ドル))→ 売上 95 億ドル・営業利益 1 億ドル。ケース数 -15.0%(期間の累計)、価格 ×1.3
  • 特殊事業ほか:数量 0.2(配送ケース数相当(億ケース))× 価格 57(1 ケースあたり売上(ドル))→ 売上 11 億ドル・営業利益 0 億ドル。ケース数 -20.0%(期間の累計)、価格 ×1.3

倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 12.7%、k 9.00%(基本 8.0% + quality +1.0%)、残る割合 0.50(普通の堀)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 10.8%、g 3.0%(市場の数量(米国外食のケース数 実質で年 +1% 台)+ 価格(物価並みの 3.5%)から出した上限の 4%。ROE から出していない)、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 12.0 倍(来年の利益に対して)。独立系店でシェアを失い優良でなくなる分、上限の 7 割(8.4 倍)に置き、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 8.7 倍。時価総額 = 純利益 8 × 8.7 倍 = 70 億ドル。

確率:アマゾン・現金払い卸売店・メーカーの直接配送・チェーンの直取引でケース数が毎年減る。景気後退で配当を削る。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

米国外食(US Foodservice)

レストラン・病院・学校などへの食材・備品の配送。売上の約 7 割と営業利益の大半。

数量配送ケース数(億ケース)価格1 ケースあたり売上(ドル)売上営業利益
今 2026/12 12.5 47 588 37
10 年後 中立 14.1 66 934 60

取り方:売上 588 億ドル・調整後営業利益 36.6 億ドルは 2026 年 6 月期の決算。ケース数(約 12.5 億ケース)と 1 ケース 47 ドルは推定(開示は伸び率のみ。総ケース +1.4%、独立系 +1.7%)。米国外食市場(約 3,800 億ドル)の約 15%(SYGMA を足して約 18%)。

国際(International Foodservice)

英国・カナダ・フランス・スウェーデン・中南米などの外食向け卸。

数量配送ケース数相当(億ケース)価格1 ケースあたり売上(ドル)売上営業利益
今 2026/12 4.0 40 160 7
10 年後 中立 4.9 57 276 13

取り方:売上 160.4 億ドル・調整後営業利益 6.8 億ドルは決算の値。ケース数(約 4 億ケース)と単価は推定。為替抜きの売上成長は +4.1%。

SYGMA(大手チェーン向け配送)

ファストフードなど全国チェーン専用の配送。粗利は薄いが数量が安定している。

数量配送ケース数(億ケース)価格1 ケースあたり売上(ドル)売上営業利益
今 2026/12 2.0 43 86 1
10 年後 中立 2.2 61 134 2

取り方:売上 86.2 億ドル・営業利益 0.94 億ドルは決算の値(営業利益率 1.1%)。ケース数は推定。

特殊事業ほか

欧州の輸入食材などの小さな事業。

数量配送ケース数相当(億ケース)価格1 ケースあたり売上(ドル)売上営業利益
今 2026/12 0.3 44 11 0
10 年後 中立 0.3 61 17 1

取り方:売上 10.9 億ドル・調整後営業利益 0.3 億ドルは決算の値。ケース数は推定。本社費用(調整後 −8.5 億ドル)は筋書きの adjust_oku に入れる。

リスクと懸念

独立系店でのシェアの喪失

シスコの独立系(ローカル)のケース数は 2026 年 6 月期で +1.7%。US フーズは +5.1%、PFG は +10% 超。独立系は粗利が高い塊で、ここで負け続けると、全体の利益率が下がり、先行して増やした営業要員と配送能力への投資が回収できない。ケース数の差が年 3〜8 ポイントも続けば、3 年で占有率が数ポイント動く。

価格を決める力の弱さと薄利

営業利益率は 4% 台で、物価・人件費・燃料の上昇を転嫁し切れない年は利益が崩れる。大手チェーンは複数の卸を競わせ、2026 年の粗利率は米国外食で四半期ごとに 26 ベーシスポイント下がった。1 ポイントの粗利の変化が営業利益の 2 割に当たる。

ジェトロ買収の実行と財務

成立すると借金が 210 億ドル増え、純負債は EBITDA の 2.7 倍から約 3.7 倍へ。新株も約 19% 出る。景気後退と重なれば配当・格付けが問われる。買収額(営業利益の 14.6 倍)に見合う成長が出るか、統合で顧客が逃げないかの実行リスクがある。FTC が条件を付ける・不成立もありうる。

景気後退と外食の来店減

外食は景気に敏感で、2020 年のコロナでは売上 −12%、営業利益率 2.9%、株価は山から谷で −46%。低所得層の来店・GLP-1 の普及・外食価格の上昇で、客数が戻らない構造的な懸念がある。不況の底では、売上の落ち込み以上に、固定費の重い配送網の稼働率が下がって利益が削られる。

現金払い卸売店・ネット・直接配送への流出

コストコ・ビジネス・センターやレストラン・デポなどの現金払い卸売店、アマゾンの B2B、メーカーの直接配送が、小規模店と大手チェーンの仕入れを少しずつ奪う。10 年の単位でケース数が毎年減る展開は悲観の筋書きの核。

費用の先行と再編・会計の質

調整後の純利益(22 億ドル)と GAAP の純利益(18 億ドル)の差は無形資産の償却・再編・買収費用で、毎年のように出る。AI 効率化の 5 億ドルの目標は計画で、実現しなければ費用の先行だけが残る。会計の質は、SEC との争いを抱えた農産物加工大手ほどではないが、繰り返し出る調整項目を毎年足し戻す見せ方には、投資家の厳しい目が向く。

今後の分かれ目

ジェトロ(レストラン・デポ)買収が FTC の条件付き・または不成立になった場合
不成立なら借金は増えず自社買いが戻る一方、小規模店市場へ入る機会を失う。このノートの筋書きは単独なので、成立した時の得失は確率の寄せで反映済み。成立して借金の返済が順調なら、10 年の中立の純利益に年 5〜10 億ドルの上乗せの余地。
独立系ローカルのケース数が 3 四半期続けて +3% を超えた場合
シェアの回復が確認でき、楽観・やや楽観の確率を上げ、悲観の確率を下げる。
米国外食の営業利益率が 6.5% を超えて定着した場合
AI 効率化の利益が顧客に返されず残っている証拠。10 年の営業利益率を 0.5 ポイント上げ、PER を 1 倍上げてよい。
外食の来店が前年比で 3〜5% 落ち込んだ場合
10 年のやや悲観・悲観の確率を上げる。営業利益率が 3.5% を下回れば、配当と買収の借金の返済が両立するかが問題になる。
US フーズ・PFG が価格を下げて独立系店の取り合いを仕掛けた場合
粗利が下がり、10 年の悲観の確率を上げる。業界の価格競争が長引くかが分かれ目。
大手チェーンがシスコを外して直取引・別の卸に切り替えた場合
SYGMA と米国外食の数量が減る。営業利益率への影響は小さいが、規模の経済が崩れ始めるサイン。

見ておくもの

  • 米国外食のローカル(独立系)ケース数の伸びと、US フーズ・PFG との差
  • 米国外食の粗利率と営業利益率(0.1 ポイント単位)
  • AI 効率化 5 億ドルの進み具合と、利益に残る割合
  • ジェトロ買収の FTC 審査・条件・完了時期と、成立後の純負債の倍率
  • 外食の来店数・食材の物価(2.3〜2.8%)
  • 国際セグメントの営業利益率(4.2% → 5% 台へ)
  • 配当の増額の有無と自社買いの再開

倍率と資本コストの決め方

今の時価総額(約 395 億ドル、GAAP の PER 22.5 倍)を見る前に、4 つのセグメントを「ケース数 × 1 ケースの単価」と営業利益率で 10 年へ積み上げた。倍率は今の PER や業界の見方ではなく、のれんを除いた投下資本の利益率(約 26%・推定)・g 4%(ケース数と物価から出した値で、ROE からは出していない)・k 9.0%(基本 8.0% + 値決めの弱さ 0.5% + 借金 0.5%)の式から出し、薄利で景気に振れるので上限の 7〜9 割に置いた。ジェトロの買収は未成立なので今の会社だけで書いた。悲観は EBITDA の約 5 倍の持ち分まで下げた。結果はやや割高になった。

資本コスト 9.0% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。

同じ業種(生活必需品)の AI 分析

適正 クロロックスCLX 漂白剤・猫砂・ごみ袋・ピュレルの必需品ブランド。ERP 移行の傷・CEO 交代・借入増が重なり利益が谷にあるが、k 8.75% の利益ベースの正当化 PER で測ると今の値段はやや割安 本質価値との差 +8.2% · 10 年 適正(年 +8.1%) 適正 マコーミックMKC 調味料で世界首位の安定事業。米国の数量は弱いが、k 8.25% の利益ベースの正当化 PER(その 8.5 割)で測った値は今の時価総額を上回り、ユニリーバ統合を除いた単体ではやや割安 本質価値との差 +6.8% · 10 年 適正(年 +7.2%) 適正 ペプシコPEP 飲料とスナックの二本柱だが、値下げと原料高で北米の利益が痩せている。利益ベースの正当化 PER(その 8.5 割)で測ると、本質価値は今の値段とほぼ同じで適正 本質価値との差 −4.7% · 10 年 適正(年 +6.1%) 適正 クローガーKR 米国最大の伝統的な食品スーパー。占有率を毎年失う薄利の成熟事業だが、食料品は落ちにくく、利益ベースの正当化 PER(その 8 割)で見ると今の値段は適正 本質価値との差 −5.7% · 10 年 適正(年 +5.8%) 適正 ターゲットTGT 縮んだ総合量販が立て直しに投資する局面。成功すれば倍率以上に利益が戻り、競合に負ければ構造的に縮む。利益ベースの正当化 PER で測ると、今の値段は適正 本質価値との差 −6.9% · 10 年 適正(年 +5.9%) 適正 ゼネラル・ミルズGIS 数量が縮み利益が 2 期続けて落ちた大手ブランド。価格投資は一巡したが、借金の重さを k に入れて確率を慎重側に厚くすると、本質価値は今の時価総額とほぼ同じで適正 本質価値との差 −9.7% · 10 年 適正(年 +5.6%) やや割高 タイソン・フーズTSN 牛肉の赤字を鶏肉と加工食品が支える食肉大手。k 9.75% の正当化 PER(弱い堀で下限の 1 ÷ k に近い)で測ると、中立の価値は今を上回るが、期待の年率は k を下回り、適正 本質価値との差 −10.1% · 10 年 やや割高(年 +6.6%) やや割高 キンバリークラークKMB ハギーズ・クリネックスの北米首位と、IFP 売却後の身軽な形。北米の価格投資と中国の失速はあるが、k 8.5% の利益ベースの正当化 PER(来年の利益に約 15 倍)は今の PER 17 倍と近く、値段は適正 本質価値との差 −13.2% · 10 年 やや割高(年 +5.4%) やや割高 ホーメル・フーズHRL 豚肉の原価高と撤退で利益が落ちた、配当 127 年の加工肉・外食の会社。借金は軽いが、利益ベースの正当化 PER(その 8 割)で測ると今の時価総額をやや下回り、適正 本質価値との差 −13.7% · 10 年 やや割高(年 +4.8%) やや割高 モルソン・クアーズ・ビバレッジTAP 米国ビールの縮小とシェア低下で利益が減る最中。それでも伸びのない会社の式(PER = 1 ÷ k = 10.5 倍)で測ると中立の 10 年後は今とほぼ同じで、確率を重ねるとやや割高 本質価値との差 −14.6% · 10 年 やや割高(年 +5.1%) やや割高 ダラー・ツリーDLTR 裁量品が約半分の均一価格店が、多価格化と客層の広がりで利益率 9% 前後に乗せた局面。利益ベースの正当化 PER で測るとやや割高で、関税還付の一過性と客数の弱さから確率も慎重側に厚く置いた 本質価値との差 −18.0% · 10 年 やや割高(年 +4.5%) やや割高 ブンゲ・グローバルBG 世界最大級の油糧種子の圧搾・穀物商社。2026 年は圧搾利幅が山で、ならした利益に弱い堀の正当化 PER(下限の 1 ÷ k = 10.0 倍)を当てると、今の値段はやや割高 本質価値との差 −18.9% · 10 年 やや割高(年 +6.0%) やや割高 アルトリア・グループMO 数量が毎年 5% 減る紙巻きを値上げで支える高配当の縮む事業。名目の利益は横ばいで、伸びのない会社の正当化 PER(1 ÷ k)で測ると今の値段はやや割高 本質価値との差 −18.9% · 10 年 やや割高(年 +3.5%) やや割高 コンステレーション・ブランズSTZ モデロ・コロナの輸入ビール一本足。数量が縮む産業で純負債も重いが、伸びのない会社の正当化 PER(1 ÷ k)で測ると、中立の 10 年後は今の 0.94 倍で、還元を足しても資本コストに届かず、やや割高 本質価値との差 −19.0% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 クラフト・ハインツKHC ブランドは強いが数量が毎年縮む会社。k 9.0% の稼ぐ力(純利益 ÷ k)で測ると中立の価値は今の時価総額とほぼ同じで、確率を悲観側に置いた総合ではやや割高 本質価値との差 −19.2% · 10 年 やや割高(年 +4.5%) やや割高 ダラー・ゼネラルDG 農村の小型店の密度で食品の来店頻度を握る会社が、盛り損の削減と改装で利益率を戻す局面。今の値段はやや割高で、利益率の戻りが続くかが価値を分ける 本質価値との差 −20.3% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 モンデリーズ・インターナショナルMDLZ 世界首位のビスケットと世界 2 位のチョコを持ち、カカオ高で利益が削られた谷にある。k 8.0% の利益ベースの正当化 PER で測ると、今の値段は中立の価値とほぼ同じで、確率を悲観側に置いた総合ではやや割高 本質価値との差 −21.6% · 10 年 やや割高(年 +3.9%) やや割高 ハーシーHSY チョコレート首位のブランドが、カカオ高の谷を価格改定で抜けた直後。k 7.5% の利益ベースの正当化 PER で測ると、値段はやや割高 本質価値との差 −22.9% · 10 年 やや割高(年 +3.5%) やや割高 コルゲート・パルモリブCL 歯磨きで世界首位とペット用療法食を持つ超安定企業。北米の数量減は重く、k 7.5% の利益ベースの正当化 PER(来年の利益に約 20 倍)で見ると今の PER 25 倍はやや高く、利益の質は高いがやや割高 本質価値との差 −23.3% · 10 年 やや割高(年 +3.4%) やや割高 コカ・コーラKO 世界最強のブランド原液事業。強い堀の利益ベースの正当化 PER で測っても、k 7.5% では中立の 10 年後が今の約 1.1 倍にとどまり、今の値段はやや割高 本質価値との差 −25.8% · 10 年 やや割高(年 +3.2%) やや割高 プロクター・アンド・ギャンブルPG 世界最強の日用品ブランド群だが、PER 24 倍は k 7.5% の利益ベースの正当化 PER(来年の利益に約 19 倍)を上回る。数量の弱さを長期の成長に入れると、値段はやや割高 本質価値との差 −26.2% · 10 年 やや割高(年 +3.0%) やや割高 キューリグ・ドクターペッパーKDP JDE ピーツの買収で純負債が時価総額の 6 割になった飲料・コーヒー複合。強い飲料と縮むポッドの綱引きで、借金の重さを k に入れると 10 年の中立は今の約 0.93 倍にとどまり、今の値段はやや割高 本質価値との差 −26.2% · 10 年 やや割高(年 +3.8%) 割高 JM スマッカーSJM コーヒーの値付けと借金返済で利益の底が見えたが、ブランドの堀は広がらず、k 8.75% の利益ベースの正当化 PER で測ると中立の価値は今とほぼ同じで、確率を悲観側に置いた総合ではやや割高 本質価値との差 −30.6% · 10 年 割高(年 +3.2%) 割高 ケンビューKVUE タイレノール・リステリン・ニュートロジーナを持つが、数量は縮み、訴訟が再燃。買収条件に連動する株価に安全域は見えず、単体の本質価値はやや下 本質価値との差 −32.1% · 10 年 割高(年 +2.9%) 割高 フィリップ モリス インターナショナルPM 紙巻きの減りを煙の出ない製品で埋める成長株。強い堀の利益ベースの正当化 PER でも、資本コスト 7.5% に対して今の値段は割高 本質価値との差 −33.8% · 10 年 割高(年 +2.1%) 割高 ブラウン・フォーマンBF-B ジャックダニエルを軸にした酒類の老舗。米国の飲酒減・関税・カナダの棚外しが重いが、財務は軽く、利益ベースの正当化 PER(下限の 1 ÷ k)で測ると今の値段は割高 本質価値との差 −35.8% · 10 年 割高(年 +1.8%) 割高 アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドADM 価格を決める力のない農産物加工の循環株。バイオ燃料の追い風で 2026 年は利益の山。ならした利益に k 9.5% の稼ぐ力(弱い堀の下限 1 ÷ k = 10.5 倍)を当てると、値段は割高 本質価値との差 −36.0% · 10 年 割高(年 +2.7%) 割高 ウォルマートWMT 食品の規模・通販・広告で堀は広がる。だが今の PER 43 倍は、強い堀の利益ベースの正当化 PER(約 22 倍)の 2 倍近くで、割高 本質価値との差 −38.0% · 10 年 割高(年 +1.7%) 割高 チャーチ・アンド・ドワイトCHD 猫砂・洗濯・オーラルケアの強いブランドを買い足して伸びる必需品の中堅。ウォルマート依存と買収の失敗が影で、k 7.75% の利益ベースの正当化 PER で測ると今の値段は割高 本質価値との差 −44.3% · 10 年 割高(年 +0.4%) 割高 モンスタービバレッジMNST エナジー専業の高採算ブランド。利益ベースの正当化 PER で測っても、中立の 10 年後は今の時価総額の約 0.87 倍にとどまり、今の値段は割高 本質価値との差 −48.0% · 10 年 割高(年 +0.4%) 割高 エスティ ローダーEL 高級美容の名門が再建の途中。利益率は戻るが、利益ベースの正当化 PER(k 9.25%・ROE 25% 台で来年の利益に約 14 倍)では今の約 380 億ドルは回復を先取りしており、割高 本質価値との差 −51.4% · 10 年 割高(年 +0.4%) 割高 コストコ・ホールセールCOST 会費が利益の半分を生む堀は本物だが、PER 47.6 倍は成熟後の約 2 倍。10 年の年率は資本コスト 7.5% に届かず割高 本質価値との差 −52.4% · 10 年 割高(年 −0.9%) 割高 ケーシーズ・ゼネラル・ストアーズCASY 米国 3 位のコンビニ。小さな町の寡占と調理品で伸びる良質な事業だが、燃料粗利が高止まりの今、GAAP の約 36 倍は利益ベースの正当化 PER(約 15 倍)の倍以上で割高 本質価値との差 −62.1% · 10 年 割高(年 −3.1%)

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読んだ資料

  1. シスコ 2026 年 6 月期 第 4 四半期・通期決算(8-K)
  2. シスコ 年次報告書(10-K)2026 年 6 月期
  3. シスコ ジェトロ(レストラン・デポ)買収の発表(8-K 添付)
  4. シスコ 中期目標の引き上げ・AI 効率化 5 億ドル(2026-09-09)
  5. US フーズ 2026 年 4〜6 月期決算(10-Q)
  6. PFG と US フーズ 合併交渉の終了(FreightWaves)

分析日 2026-10-16