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ハーシー HSY

チョコレート首位のブランドが、カカオ高の谷を価格改定で抜けた直後。k 7.5% の利益ベースの正当化 PER で測ると、値段はやや割高

やや割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)135.46 ドル276 億ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)175.6 ドル357 億ドル差 −22.9%
10 年後から見ると やや割高 価値 135.46 ドル276 億ドル · 差 −22.9% · 期待の年率 +3.5%
期待の年率リターン(10 年)+3.5%資本コスト比 −4.0 pt
推定の資本コスト7.5%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 7.5% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

ハーシーは、米国のチョコレート菓子の最大手(占有率は 3 割台半ば〜4 割と推定)で、ハーシー・リーセス・キスチョコ・ジョリーランチャー・ツイズラーに、ドッツ・プレッツェルやスキニーポップなどの塩味スナックを足した会社である。2025 年 12 月期の売上は 116.9 億ドル(+4.4%)。カカオが 2024 年末に 1 トン約 1 万ドルまで上がり、調整後の営業利益は約 20 億ドル(率 17%、2023 年の 23.4% から低下)、GAAP の純利益は 8.8 億ドル(デリバティブの時価評価損を含む)まで落ちた。

2026 年は二桁の価格改定とカカオの下落で利益が戻った。第 2 四半期は価格が約 +12 点・数量が約 −8 点(価格弾力性の強さ)で、調整後営業利益率は 20.2%、上期は 21.2%(前年 18.8%)。通期の売上は +4.5〜5%、調整後の純利益は約 17 億ドルの見通しで、これを正常化の出発点とする。経営陣は 2027 年にカカオの下落が続くと見るが、数量の戻りには時間がかかる。

バリュー投資の観点では、事業の質はこの業種で最上位で、価格を決める力も実証された。資本コスト 7.5%(基本 8.0% + quality −0.5%)、ROE 約 24%、長期の g 3% で、強い堀で再投資の超過利益の 2/3 が残るとした利益ベースの正当化 PER は来年の利益に約 19 倍。カカオで利益が振れるのでその 8.5 割を使い、10 年目の利益に約 16 倍。中立の 10 年後は売上 159 億ドル、営業利益率 20.2%、純利益 23.1 億ドル、時価総額約 375 億ドル(今の約 1.1 倍)。今の時価総額 347 億ドルは正常化利益の約 20 倍で、正当化 PER より高く、確率で重みを付けた価値は今を約 21% 下回って、やや割高と出る。k − g が 4.5% と薄いので、k が 1% 上がれば倍率は 2 割強下がる。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、ハーシーは「10 年後も存在し、今と同じ強さを保つ」公算がきわめて大きい事業である。チョコは各国の習慣で、新技術に置き換わりにくく、米国の棚で首位のブランドは 100 年以上続いてきた。堀は広い。広がっているとは言えないが、2026 年に二桁の値上げをしても数量の落ちが限られた事実は、価格を決める力が残っていることを示す。

オーナー利益は、調整後の純利益約 17 億ドルから、設備投資が減価償却をやや上回る分と株式報酬(約 1 億ドル)を引いて約 14〜15 億ドル。今の時価総額 347 億ドルはその約 24 倍で、式の値(来年の利益に約 19 倍)より高く、カカオ高の谷を抜けた直後の利益率で測っている点も割り引いて見る。資本配分は、買収を小粒に保ち、配当を着実に増やす堅実な型。2025 年に買収・設備投資で借金が増えた点と、ハーシー財団という支配株主のもとで経営が守られる点は、長所でも短所でもある。

事業の ROIC 約 20%・g 3%・k 7.5% の式の値約 19 倍の 8.5 割を使い、カカオ・数量・関税の揺れは筋書きと確率で表した。中立の 10 年後の時価総額約 375 億ドルに配当を足すと、年率は約 4%。確信度は中程度から高く、安全域は k − g の薄さに頼る分と、数量の弱さ(価格弾力性・GLP-1)を g に織り込んだ分だけ割り引いて見る。

何で稼ぐ会社か

ハーシーは 3 つのセグメントで稼ぐ。最大は北米菓子(FY2025 売上 約 95 億ドル、売上の 8 割強。推定)で、ハーシーのミルクチョコ、リーセス、キスチョコ、ジョリーランチャー、ツイズラー、アイスブレーカーズなど。セグメント利益率は 2025 年に 26% 前後と推定され、2026 年上期は 32.1% まで戻った(売上 46.6 億ドル)。次に北米の塩味スナック(約 12.5 億ドル)で、スキニーポップ・ドッツ・プレッツェル・プレッツェルズ・インクに、2025 年に買収したレサーイービル(LesserEvil)が加わる。上期の売上は 7.4 億ドル(+24%、買収の寄与が約 22 点)で、利益率は 13.1%。国際(約 9.4 億ドル)はメキシコ・ブラジル・インドなどで、2025 年のセグメント利益はほぼゼロ、2026 年上期も利益率 2.1% にとどまる。

収益の仕組みは、数量 × 単価。数量は米国の人口・間食の頻度・小売の棚(陳列)で決まり、単価は値上げと商品構成(大袋・シェア用か、単品か)、販促で動く。原料はカカオ・砂糖・乳製品・ナッツで、カカオは先物のヘッジで 6〜12 か月遅れて費用に出るため、価格の山谷から遅れて利益率に効く。販売は大手量販・ドラッグストア・コンビニ・ネット通販で、ウォルマートなど上位の小売への集中度が高い(ウォルマート 1 社で売上の 2 割台と推定)。設備投資は売上の約 4%(2026 年は 4.25〜4.75 億ドル)。

ここではセグメントを数量(万トン、推定)× 1 キロあたりの平均単価で置いた。数量は開示されないため、売上を推定単価で割って逆算した。FY2025 のセグメント売上・利益は 2026 年の四半期の前年比から逆算した推定で、本社費など配分されない費用(約 6〜7 億ドル)は調整欄に置いた。

優良さと弱いところ

堀は 3 つある。第 1 にブランド:ハーシーとリーセスは米国のチョコの定番で、ハロウィン・イースター・クリスマスの季節商品を含め、小売の棚で最も回転する。第 2 に流通:米国の量販・ドラッグストア・コンビニの棚とレジ前まで届く配送網と、小売との棚の交渉力。第 3 に規模:広告・研究開発・カカオの購買量で、中堅・自社ブランドより優位。2026 年に二桁の値上げをしながら、第 2 四半期の北米菓子の数量は約 −10 点にとどまり、これはブランドの価格を決める力の証拠でもある。

資本効率は高い。ROE は 2015〜24 年に 45〜90%(自社株買いで自己資本が小さい分を含む)、事業の ROIC は約 20% と推定。営業利益率は 2023 年が 23.4%、2025 年が会計上 12.6%(調整後約 17%)、2026 年上期の調整後は 21.2%。モンデリーズの 2025 年(12.7%)やクラフト・ハインツ(18.9%)、ゼネラル・ミルズ(15.1%)と比べると、回復後の利益率は同業の中でも高い。経営は 2025 年からカーク・タナー氏。

弱みは 4 つ。(1) 菓子への一本足と北米への集中:売上の 9 割以上が北米。(2) カカオへの依存:2025 年の営業利益を約 4 割削った。(3) 国際事業が利益を出せていない。(4) 塩味スナックはドッツの物流費など、まだ利益率が安定せず、買収で伸ばしている面が強い(レサーイービルの寄与 2.7 点)。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

菓子は、少数の大手と無数の地場ブランドが並ぶ成熟市場。米国のチョコ菓子はハーシー・マース(Mars)・モンデリーズ・フェレロ(Ferrero)・ネスレ(Nestlé)が上位で、自社ブランドは菓子では食品の主食ほど強くない。業界ノートの置き方(菓子:数量 年 +0.5%、単価 年 +3.0%、10 年で 1.4 倍、ハーシーの営業利益率 20%)に沿うが、ハーシーは北米の首位で、世界展開のモンデリーズとは構造が違う。

構造の変化は 4 つ。第 1 にカカオ:2024 年末の約 1 万ドルから 2026 年 10 月は 1 トン 5,100〜5,800 ドル(モンデリーズのメモより)に下がり、ICE の在庫も 2.25 年ぶりの高水準。ただし先物の購入が遅れて費用に出るので、利益率の追い風は 2027 年に強まると経営陣は言う。第 2 に GLP-1:米国の成人の 13.1%(業界ノート)が使い、間食の頻度を減らす。第 3 に価格の弾力性:値上げ後の数量の落ち(北米菓子で約 −10 点)が強く、数量の回復は遅い。第 4 に関税・規制:2026 年第 1 四半期に関税が費用の逆風になり、見通しに関税の還付は含まない。食品添加物(着色料)への規制も続く。

循環のどこにいるか:利益率は谷から戻りかけ、数量は谷の途中。同業ではモンデリーズが利益率の谷の途中(2025 年 12.7%)で、ハーシーは約 1 年先に回復した。大手ブランドのクラフト・ハインツやゼネラル・ミルズは数量が縮み減損で赤字になるが、ハーシーは数量減でも値上げで利益が戻る点で違う。再編は、ハーシー財団(議決権の多数)がモンデリーズの打診を 2024 年末に断った。

資本政策と M&A

還元は配当が主役。FY2025 は配当 10.9 億ドルで、純利益(GAAP)8.8 億ドルを上回った。自社株買いは 2025 年はほぼ無く、2026 年も小さい(授権枠は残る)。配当は毎年 5% 前後増やす方針(過去の実績)。FCF は 2025 年に 17.5 億ドルで配当は賄えるが、買収や設備投資を重ねると借金で補う面がある。借金は総額 約 54 億ドル(2026 年 3 月)、現金等 9 億ドルで純負債は約 48 億ドル(時価総額の 14%、自己資本比率 34%)。

買収は小粒の連続:2021 年にドッツ・プレッツェルとプレッツェルズ・インク、2025 年にレサーイービル。塩味スナックを菓子に次ぐ柱に育てる方針で、今後も小粒の買収は続く(大型は確率が低い)。大型の再編は、ハーシー財団が議決権の大半を握り、2024 年末のモンデリーズの打診を断ったため、売却されない前提で考える。未成立の買収は筋書きに入れない。

効率化(アジリティ・オートメーション計画、約 1 億ドルの節約)と設備投資で、塩味の能力は 2027 年に増える。10 年の正味還元は、配当の増加(中立で年 5%)と小さな自社株買い(株式報酬で増える分を引いた正味)を足して約 149 億ドルとした。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

カカオは 2024 年末の約 1 万ドルから 2026 年 10 月に 5,100〜5,800 ドルへ半値近くになり、ICE の在庫は 2.25 年ぶりの高水準。ハーシーは 2025 年後半に二桁の価格改定を実施し、第 2 四半期の価格は約 +12 点。北米菓子のセグメント利益率はすでに 32.5%(前年同期比 +830bp)で、上期の調整後営業利益率は 21.2%。しかも経営陣は 2027 年にさらにカカオが下がると見ており、数量を戻すための販促・広告に利益の一部を振り向けても、2023 年の 23.4% には届く余地がある。

価格を上げても数量の落ちが約 −10 点にとどまった事実は、ブランドの強さの証拠である。弾力性は経営陣の想定どおりかやや良い。塩味スナックは 2027 年に能力が増え、レサーイービルを含めて 10 年で売上が 2 倍に近づく。ドッツの物流費の悪化は一時的で、国際も利益率が 2023 年の水準(1 桁後半)に戻れば全社の利益が増える。

資本コスト 7.5% でも、ROIC 20% の事業の式の値は約 19 倍。同業のモンデリーズより利益率も ROIC も高く、価格を決める力が実証されたので、式の値に近い倍率を許してよい。

慎重な見方

カカオが下がっても、利益が上がり続ける保証はない。小売は 2027 年のカカオ安を見て値下げ・販促を求め、価格の上積みは数量の回復に消える可能性が高い。第 2 四半期の価格 +12 点・数量 −8 点は、価格だけで支えた成長で、数量は 2 年続けて減っている。GLP-1 の普及(米国の成人の 13.1%)と、菓子を減らす家計の動きが続けば、数量は戻らず、価格に頼る成長は物価(3.5%)に追いつかなくなる。

2026 年の調整後純利益 17 億ドルは、カカオの費用が下がり、値上げが残った一時的に良い組み合わせでもある。2023 年の 23.4% はカカオが安く、販促が少なかった年で、広告の二桁増、塩味スナックの物流費、関税、国際の赤字が重なる今は、20% を超え続ける力に疑問が残る。国際事業は 2025 年にほぼゼロ、2026 年上期も 2.1%。買収に頼った塩味スナックの利益率は 13%。

倍率の式は k 7.5%・g 3% の差 4.5% の薄さに頼っており、k が 1% 上がれば約 2 割強下がる。今の利益は谷から戻りきった山に近く、正常化の利益に高い倍率を掛けるのは危うい。10 年後に弱い数量と自社ブランドの圧力で成長が g 2.5% に落ちれば、式の値は約 17 倍、時価総額は約 350 億ドルにとどまる。

どちらに重みを置いたか

強気の見方は、価格を上げても数量が限定的に落ちただけという実績と、2027 年のカカオ下落の追い風が強い。慎重な見方は、数量が 2 年続けて減る点と、利益率が山に近い点、k − g の薄さが強い。双方を取り入れ、利益率は 10 年で 20.2%(業界ノートの 20% と同じ)に止め、数量の弱さは NAC の数量を長期で年 −0.2% と置いて g 3% に入れた。確率は中立を最も厚く(10 年 38%)、悲観を 10%、楽観と悲観はほぼ対称(10% 対 10%)。倍率は利益ベースの正当化 PER(k 7.5%)の 8.5 割で、10 年中立は 16.3 倍。総合の差は約 −21% で「やや割高」と出る。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した株価時価総額 176.22 ドル358 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 71.73 ドル146 億ドル)。 今の値に割り戻すと 135.46 ドル276 億ドル、今との差 −22.9%、 期待の年率 +3.5%(資本コスト 7.5%)→ やや割高

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 10% 280.12 ドル570 億ドル 84.57 ドル172 億ドル +107.6% +7.6% 36.47 ドル74 億ドル
やや楽観 22% 222.05 ドル452 億ドル 77.69 ドル158 億ドル +70.7% +5.5% 65.94 ドル134 億ドル
中立 38% 184.58 ドル375 億ドル 73.26 ドル149 億ドル +46.8% +3.9% 97.98 ドル199 億ドル
やや悲観 20% 115.35 ドル235 億ドル 63.43 ドル129 億ドル +1.8% +0.2% 35.76 ドル73 億ドル
悲観 10% 61.46 ドル125 億ドル 56.54 ドル115 億ドル −32.8% −3.9% 11.80 ドル24 億ドル
加重平均100% 176.22 ドル358 億ドル71.73 ドル146 億ドル +41.2% +3.5% 247.95 ドル504 億ドル

今の株価時価総額 175.64 ドル357 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.5% を下回るほど割高。

楽観 10% 楽観:塩味と国際も伸び、営業利益率 22.8%、g 3.5% 利益 29 億ドル · PER 19.5 倍 · 株価時価総額 280.12 ドル570 億ドル

2035 年 12 月期、北米菓子は数量が横ばい〜微増(年 +0.3%)、価格は年 +3.2% でほぼ物価並みに戻り、季節商品とリーセスのイノベーションで利益率が高い。塩味スナックは年 +3〜3.5% の数量で売上 27 億ドル(今の約 2 倍)、国際は黒字(利益率 12%)に定着。売上は 179 億ドル(今の約 1.5 倍)、調整後営業利益は 40.7 億ドル(営業利益率 22.8%)、純利益 29.2 億ドル。競合との比較では、利益率はモンデリーズの同じ筋書き(17%)を大きく上回り、2023 年の 23.4% の手前。買収は小粒を続け、10 年の正味還元は約 172 億ドル。PER 19.5 倍は、g 3.5%・ROE 約 29%・k 7.5% の式の 9 割の値。

  • 北米菓子:数量 138(販売トン数(万トン、推定))× 価格 9.76(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 134 億ドル・営業利益 42 億ドル。2027 数量 +1.0%・価格 +2.5%、2028 数量 +1.5%・価格 +2.5%、その後 数量 +0.3%/年・価格 +3.2%/年
  • 北米の塩味スナック:数量 42.6(販売トン数(万トン、推定))× 価格 6.34(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 27 億ドル・営業利益 5 億ドル。2027 数量 +8.0%・価格 +1.0%、2028 数量 +7.0%・価格 +2.0%、その後 数量 +3.5%/年・価格 +3.0%/年
  • 国際:数量 22.5(販売トン数(万トン、推定))× 価格 7.72(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 17 億ドル・営業利益 2 億ドル。2027 数量 +4.0%・価格 +3.0%、2028 数量 +4.0%・価格 +3.0%、その後 数量 +3.0%/年・価格 +3.5%/年

倍率:ROE 28.6%、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 強い堀 2/3、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 21.6%、g 3.5%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 20.9 倍(来年の利益に対して)。価格を決める力が実証された強い堀の最良の筋書きだが、カカオで利益が振れるので 9 割に置いた。上限の 9.0 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 19.5 倍。時価総額 = 純利益 29 億ドル × 19.5 倍 = 570 億ドル。

確率:塩味・国際も軌道に乗り、利益率が 2023 年水準に戻る筋書き。10 年全部がうまくいく確率は 1 割。

やや楽観 22% やや楽観:営業利益率 21.5%、数量は横ばい 利益 26 億ドル · PER 17.4 倍 · 株価時価総額 222.05 ドル452 億ドル

2035 年 12 月期、北米菓子の数量は横ばい(年 0.0%)、価格は年 +3.0%。塩味は 24 億ドル、国際は利益率 10.5%。売上は 168 億ドル(年 +3.7%)、調整後営業利益は 36.1 億ドル(営業利益率 21.5%)、純利益 26.0 億ドル。10 年の正味還元は約 158 億ドル。PER 26.9 倍は、g 3.3%・ROIC 22%・k 6% の式どおりの値。競合のマース・フェレロに棚を守られ、ブランドの強さを保つ。カカオは 4,500〜5,500 ドルで落ち着き、値下げ・販促は小幅にとどまるが、塩味の物流費と国際の立て直しは時間がかかり、全社の利益率は 2023 年の水準(23.4%)には届かない。ここでの 21.5% はハーシーの過去 10 年の平均(約 21〜22%)と同じで、数量が戻らない分の価格の伸びが物価に追いつく程度という置き方である。

  • 北米菓子:数量 134(販売トン数(万トン、推定))× 価格 9.55(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 128 億ドル・営業利益 38 億ドル。2027 数量 +0.5%・価格 +2.0%、2028 数量 +1.0%・価格 +2.2%、その後 数量 +0.0%/年・価格 +3.0%/年
  • 北米の塩味スナック:数量 39.7(販売トン数(万トン、推定))× 価格 6.16(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 24 億ドル・営業利益 4 億ドル。2027 数量 +6.0%・価格 +0.0%、2028 数量 +5.0%・価格 +1.5%、その後 数量 +3.0%/年・価格 +2.8%/年
  • 国際:数量 20.4(販売トン数(万トン、推定))× 価格 7.62(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 16 億ドル・営業利益 2 億ドル。2027 数量 +2.0%・価格 +3.0%、2028 数量 +3.0%・価格 +3.0%、その後 数量 +2.0%/年・価格 +3.3%/年

倍率:ROE 25.5%、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 強い堀 2/3、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 19.5%、g 3.3%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 19.8 倍(来年の利益に対して)。強い堀は続くが、カカオで利益が振れ、数量が戻らない分を価格で補う筋書きなので、上限の 8.5 割に置いた。上限の 8.5 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 17.4 倍。時価総額 = 純利益 26 億ドル × 17.4 倍 = 452 億ドル。

確率:利益率は 2023 年の手前に戻り、数量は横ばいを保つ筋書き。

中立 38% 中立:売上は年 +3%、営業利益率 20.2%、倍率は式どおり 利益 23 億ドル · PER 16.3 倍 · 株価時価総額 184.58 ドル375 億ドル

2035 年 12 月期、北米菓子の数量は年 −0.2%(2026〜27 年の弾力性による落ちを引きずり、その後は横ばい近く)、価格は年 +2.9%(物価 3.5% に対し、販促と値上げの巻き戻しでやや下)。塩味は数量 年 +2.5%・価格 +2.5%(2026 年は低価格の買収ブランドのミックスで単価が横ばい、第 2 四半期の価格は約 −3 点)で 22.7 億ドル、国際は数量 +1.5%・価格 +3.3% で 14.4 億ドル。売上は 159 億ドル(今の約 1.36 倍、年 +3.1%)、調整後営業利益は 32.1 億ドル(営業利益率 20.2%)、純利益 23.1 億ドル(2026 年の見込みの約 1.3 倍)。競合との比較では、利益率は業界ノートの 20% と同じで、モンデリーズの 15% を大きく上回り、クラフト・ハインツの 18% をやや上回る。10 年の正味還元は約 149 億ドル(配当 年 +5% と小さな自社株買い)。PER 16.3 倍は、g 3%・ROE 約 24%・k 7.5% の式の 8.5 割の値。

  • 北米菓子:数量 129(販売トン数(万トン、推定))× 価格 9.42(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 122 億ドル・営業利益 35 億ドル。2027 数量 -1.0%・価格 +1.5%、2028 数量 +0.5%・価格 +2.0%、その後 数量 -0.2%/年・価格 +2.9%/年
  • 北米の塩味スナック:数量 37.6(販売トン数(万トン、推定))× 価格 6.03(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 23 億ドル・営業利益 4 億ドル。2027 数量 +5.0%・価格 +0.0%、2028 数量 +4.0%・価格 +1.5%、その後 数量 +2.5%/年・価格 +2.5%/年
  • 国際:数量 19.0(販売トン数(万トン、推定))× 価格 7.62(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 14 億ドル・営業利益 1 億ドル。2027 数量 +0.0%・価格 +3.0%、2028 数量 +1.0%・価格 +3.0%、その後 数量 +1.5%/年・価格 +3.3%/年

倍率:ROE 23.6%、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 強い堀 2/3、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 18.2%、g 3.0%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 18.6 倍(来年の利益に対して)。強い堀は続くが、カカオで利益が振れ、数量の弱さ(価格弾力性・GLP-1)があるので、上限の 8.5 割に置いた。上限の 8.5 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 16.2 倍。時価総額 = 純利益 23 億ドル × 16.2 倍 = 375 億ドル。

確率:業界ノートの置き方(菓子:数量 年 +0.5%・単価 +3.0%、営業利益率 20%)に合わせ、ハーシーは数量の弱さを入れて数量 年 −0.2%。議論で最も厚い。

やや悲観 20% やや悲観:自社ブランドと GLP-1 で数量が年 −1%、営業利益率 16.6% 利益 16 億ドル · PER 14.6 倍 · 株価時価総額 115.35 ドル235 億ドル

2035 年 12 月期、自社ブランドと GLP-1 で北米菓子の数量が年 −1.0%、価格は年 +2.5% にとどまる。塩味 19 億ドル、国際は利益率 6%。売上は 138 億ドル(今の約 1.18 倍、年 +1.7%)、調整後営業利益は 23.0 億ドル(営業利益率 16.6%)、純利益 16.1 億ドル(2026 年の見込みの約 0.94 倍)。競合のフェレロ・マースにシェアを奪われ、小売への価格交渉力が弱まる。10 年の正味還元は約 129 億ドル(配当の伸びが年 +3%)。PER 14.6 倍は、g 2.5%・ROE 約 19%・k 7.5% の式の 8.5 割の値。

  • 北米菓子:数量 118(販売トン数(万トン、推定))× 価格 8.99(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 106 億ドル・営業利益 28 億ドル。2027 数量 -2.0%・価格 +0.5%、2028 数量 -1.5%・価格 +1.0%、その後 数量 -1.0%/年・価格 +2.5%/年
  • 北米の塩味スナック:数量 33.8(販売トン数(万トン、推定))× 価格 5.69(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 19 億ドル・営業利益 3 億ドル。2027 数量 +3.0%・価格 -1.0%、2028 数量 +2.0%・価格 +0.0%、その後 数量 +1.5%/年・価格 +2.0%/年
  • 国際:数量 17.2(販売トン数(万トン、推定))× 価格 7.36(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 13 億ドル・営業利益 1 億ドル。2027 数量 -2.0%・価格 +2.0%、2028 数量 +0.0%・価格 +2.5%、その後 数量 +0.5%/年・価格 +3.0%/年

倍率:ROE 19.2%、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 強い堀 2/3、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 15.3%、g 2.5%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 16.7 倍(来年の利益に対して)。自社ブランドと GLP-1 で数量が縮む筋書きは g(2.5%)と利益率に入れてある。利益の質は中立と同じ 8.5 割に置いた。上限の 8.5 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 14.6 倍。時価総額 = 純利益 16 億ドル × 14.6 倍 = 235 億ドル。

確率:自社ブランドと GLP-1 で数量が年 −1% 前後に縮み、利益率が 16% 台に下がる。

悲観 10% 悲観:構造的に負け、営業利益率 12%、g 2% 利益 9 億ドル · PER 13.3 倍 · 株価時価総額 61.46 ドル125 億ドル

2035 年 12 月期、10 年で構造的に負ける筋書き。GLP-1・食品添加物と砂糖への規制・小売の自社ブランドで北米菓子の数量が年 −1.5%、価格は年 +2.0%、塩味は買収の割高で伸びず、国際は赤字すれすれ。売上は 121 億ドル(今とほぼ同じ)、調整後営業利益は 14.8 億ドル(営業利益率 12.2%、2025 年の GAAP 12.6% と同程度)、純利益 9.4 億ドル。純負債は約 36 億ドルに戻る。10 年の正味還元は約 115 億ドル(配当は据え置き近く)。PER 13.3 倍は、構造的に負けて成長が g 2% に落ちた姿を式で解いた値の 8.5 割(ROE 約 15%・k 7.5%)。時価総額は約 125 億ドルで、自己資本約 61 億ドルに対し PBR 約 2.0 倍。

  • 北米菓子:数量 111(販売トン数(万トン、推定))× 価格 8.60(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 95 億ドル・営業利益 21 億ドル。2027 数量 -3.5%・価格 +0.0%、2028 数量 -3.0%・価格 +0.5%、その後 数量 -1.5%/年・価格 +2.0%/年
  • 北米の塩味スナック:数量 28.4(販売トン数(万トン、推定))× 価格 5.38(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 15 億ドル・営業利益 2 億ドル。2027 数量 +0.0%・価格 -2.0%、2028 数量 -2.0%・価格 -1.0%、その後 数量 +0.0%/年・価格 +1.5%/年
  • 国際:数量 14.7(販売トン数(万トン、推定))× 価格 7.04(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 10 億ドル・営業利益 0 億ドル。2027 数量 -4.0%・価格 +1.5%、2028 数量 -3.0%・価格 +2.0%、その後 数量 -1.0%/年・価格 +2.5%/年

倍率:ROE 15.4%、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 強い堀 2/3、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 12.8%、g 2.0%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 15.3 倍(来年の利益に対して)。構造的に負けて成長が g 2% に落ちた筋書きは g と利益率に入れてある。利益の質は中立と同じ 8.5 割に置いた。上限の 8.5 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 13.3 倍。時価総額 = 純利益 9 億ドル × 13.3 倍 = 125 億ドル。

確率:GLP-1・規制・小売の自社ブランドで構造的に負ける筋書き。モンデリーズの悲観と同じ 1 割。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

北米菓子

ハーシー・リーセス・キスチョコ・ジョリーランチャー・ツイズラー。売上の 8 割強で、利益率が最も高く、カカオと価格改定の効きが最も大きい。

数量販売トン数(万トン、推定)価格1 キロあたり平均単価(ドル)売上営業利益
今 2025/12 140 6.79 95 25
10 年後 中立 129 9.42 122 35

取り方:FY2025 の北米菓子の売上は約 95 億ドル(2026 年上期の前年比と四半期の積み上げから逆算した推定)を、約 140 万トン × 1 キロ 6.8 ドル前後と置いた。セグメント利益 約 24.5 億ドル(利益率 約 26% と推定)。2026 年第 2 四半期は売上 21.7 億ドル(+4.2%)、利益率 32.5%、価格 約 +14 点・数量 約 −10 点。

北米の塩味スナック

スキニーポップ・ドッツ・プレッツェル・プレッツェルズ・インク、2025 年に買収したレサーイービル。成長の柱だが、利益率はまだ低く不安定。

数量販売トン数(万トン、推定)価格1 キロあたり平均単価(ドル)売上営業利益
今 2025/12 25.0 5.00 13 2
10 年後 中立 37.6 6.03 23 4

取り方:FY2025 の塩味スナックの売上は約 12.5 億ドル(推定。2026 年上期 7.4 億ドルが +24%)を、約 25 万トン × 1 キロ 5.0 ドル前後と置いた。セグメント利益は約 2.3 億ドル(推定。利益率 18%)。2026 年上期の利益率は 13.1%(レサーイービルの買収の寄与と物流費)。

国際

メキシコ・ブラジル・インド・アジアのチョコと菓子。売上の 1 割弱で、2025 年のセグメント利益はほぼゼロ。

数量販売トン数(万トン、推定)価格1 キロあたり平均単価(ドル)売上営業利益
今 2025/12 18.0 5.20 9 0
10 年後 中立 19.0 7.62 14 1

取り方:FY2025 の国際の売上は約 9.4 億ドル(推定)を、約 18 万トン × 1 キロ 5.2 ドル前後と置いた。セグメント利益は 2025 年にほぼゼロ(0.03 億ドル)。2026 年上期は売上 4.9 億ドル(+11%)、利益 0.1 億ドル(利益率 2.1%)、第 2 四半期は 0.05 億ドルの赤字。

リスクと懸念

カカオの再上昇とヘッジの遅れ

カカオは 2026 年 10 月に 1 トン 5,100〜5,800 ドルで、2024 年末の約 1 万ドルの半分。2026/27 年の西アフリカの作柄や気象(エルニーニョ)で再び動く。先物の購入は 6〜12 か月遅れて費用に出るため、急な再上昇は利益率を数四半期遅れて削る。2025 年は営業利益が約 4 割減った。

数量の戻りの遅さと価格弾力性

第 2 四半期は北米菓子で数量が約 −10 点、全社で約 −8 点。2026 年の売上成長は価格 +12 点が支えた。値上げの効果が一巡する 2027 年以降に数量が戻らないと、売上の伸びは物価を下回る。GLP-1(米国の成人の 13.1%)と家計の節約が重なる。

小売の自社ブランドと価格交渉

ウォルマートなど上位の小売への集中度が高く、2027 年のカカオ安では値下げ・販促の要求が強まる。菓子の自社ブランドは主食ほど強くないが、季節商品の棚はコストコのカークランドなどが取りに来る。棚を失えば数量が急に落ちる。

塩味スナックと国際事業の利益

塩味スナックの利益率は 2026 年上期 13.1% で、ドッツの供給制約で物流費が増え、通期の粗利益率の改善は 4 ポイント弱に小幅下方修正された。国際は上期の利益率 2.1% で、2025 年もほぼゼロ。買収の寄与(約 2.7 点)を除くと、有機的な伸びはまだ小さい。

関税・規制

2026 年第 1 四半期は関税が費用の逆風に挙げられた。見通しに関税の還付の可能性は含まれていない。砂糖・乳製品・ナッツの輸入と包装材にも効く。食品添加物(着色料)・砂糖・超加工食品への規制や課税が進めば、数量とミックスに効く。

支配株主と資本配分

ハーシー財団が議決権の多数を握り、買収されにくい一方、少数株主の影響力は小さい。大型買収に動けば借金(純負債 48 億ドル、時価総額の 14%)が増え、割高な価格で成長を買う危険がある。会社は小粒の買収が中心と言う。

今後の分かれ目

2027 年のカカオ先物がさらに下がり、北米菓子の数量が 2 四半期連続でプラスに戻る
価格と数量の両方で成長できる状態。楽観・やや楽観の確率を上げてよい。倍率は式の値(19 倍前後)の 8.5 割を保てる。
調整後の営業利益率が 2027 年に 22% を超える
カカオ安がそのまま利益に残り、販促への還元が小さい。中立の営業利益率を 1 ポイント上げ、やや楽観寄りに確率を寄せる。
北米菓子の数量が 2027 年も −3% 以上で減り、価格改定の巻き戻し(値下げ・販促の増加)が始まる
価格の上積みが消える筋書き。やや悲観の確率を上げ、中立の営業利益率を 19% 台に下げる。
ドッツの能力が 2027 年に予定どおり増え、塩味スナックの利益率が 16% を超える
塩味が柱になる筋書き。10 年の売上構成が 2 割近くになり、中立の営業利益率が上振れる。
ハーシー財団が売却や議決権の見直しに動く
買収価格が上乗せされるが、経営の守りが外れる。会社は成立するまで筋書きに入れない。
10 年国債の利回りが 6% を超える、または物価が 4% を超えて続く
k の 7.5% は低すぎたことになり、倍率が 2 割前後下がる。全筋書きの価値が下がり、割高の度合いが広がる。

見ておくもの

  • 北米菓子の数量と価格(四半期ごと、2027 年に数量がプラスに戻るか)
  • 調整後の粗利益率と営業利益率(2027 年に 22% 前後か)
  • ニューヨーク先物のカカオ価格と会社のヘッジの玉(2027 年分)
  • 塩味スナックの利益率とドッツの能力増強の進み具合
  • 国際セグメントの利益(黒字が定着するか)
  • 小売の販促比率と季節商品の棚の占有(Circana・ニールセン)
  • 2026 年 10 月 29 日の第 3 四半期決算と 2027 年の枠組みの更新

倍率と資本コストの決め方

今の PER(GAAP の実績で約 40 倍、正常化で約 20 倍)を見る前に、3 つのセグメントを販売トン数(推定)× 平均単価(1 キロあたり)で積み、セグメントの営業利益率から営業利益を作り、本社費(約 −6.3 億ドル、物価で増加)と利払い(借り換えで 5.75%)を入れて純利益を出した。倍率は式 (1 − g/RONIC) ÷ (k − g) × (1 + g) どおりに置き(k 7.5%=基本 8.0% + quality −0.5%。中立の 10 年後で 16.3 倍)、数量の弱さは長期の g 3% に入れた。上限の 8.5 割に置いたのはカカオで利益が振れるため。ROE は自己資本の帳簿 ROE(約 24%)。純負債は 1 ドルずつ引く。今の株価にも他社の倍率にも寄せていない。

資本コスト 7.5% = 無リスク金利 5% + β 0.60 × 5%。k = 基本 8.0% + quality -0.5% = 7.5%(SCHEMA_US §1)。堀の強さは倍率の式(残る割合 2/3)と quality の値決め力(-0.5%)の両方に入れず、k の下げは強い堀の下限 -0.5% にとどめた。事業は傾いておらず上乗せはしない。個別のリスク(カカオ・数量・関税・支配株主)は k に足さず、筋書きと確率で表した。

同じ業種(生活必需品)の AI 分析

適正 クロロックスCLX 漂白剤・猫砂・ごみ袋・ピュレルの必需品ブランド。ERP 移行の傷・CEO 交代・借入増が重なり利益が谷にあるが、k 8.75% の利益ベースの正当化 PER で測ると今の値段はやや割安 本質価値との差 +8.2% · 10 年 適正(年 +8.1%) 適正 マコーミックMKC 調味料で世界首位の安定事業。米国の数量は弱いが、k 8.25% の利益ベースの正当化 PER(その 8.5 割)で測った値は今の時価総額を上回り、ユニリーバ統合を除いた単体ではやや割安 本質価値との差 +6.8% · 10 年 適正(年 +7.2%) 適正 ペプシコPEP 飲料とスナックの二本柱だが、値下げと原料高で北米の利益が痩せている。利益ベースの正当化 PER(その 8.5 割)で測ると、本質価値は今の値段とほぼ同じで適正 本質価値との差 −4.7% · 10 年 適正(年 +6.1%) 適正 クローガーKR 米国最大の伝統的な食品スーパー。占有率を毎年失う薄利の成熟事業だが、食料品は落ちにくく、利益ベースの正当化 PER(その 8 割)で見ると今の値段は適正 本質価値との差 −5.7% · 10 年 適正(年 +5.8%) 適正 ターゲットTGT 縮んだ総合量販が立て直しに投資する局面。成功すれば倍率以上に利益が戻り、競合に負ければ構造的に縮む。利益ベースの正当化 PER で測ると、今の値段は適正 本質価値との差 −6.9% · 10 年 適正(年 +5.9%) 適正 ゼネラル・ミルズGIS 数量が縮み利益が 2 期続けて落ちた大手ブランド。価格投資は一巡したが、借金の重さを k に入れて確率を慎重側に厚くすると、本質価値は今の時価総額とほぼ同じで適正 本質価値との差 −9.7% · 10 年 適正(年 +5.6%) やや割高 タイソン・フーズTSN 牛肉の赤字を鶏肉と加工食品が支える食肉大手。k 9.75% の正当化 PER(弱い堀で下限の 1 ÷ k に近い)で測ると、中立の価値は今を上回るが、期待の年率は k を下回り、適正 本質価値との差 −10.1% · 10 年 やや割高(年 +6.6%) やや割高 キンバリークラークKMB ハギーズ・クリネックスの北米首位と、IFP 売却後の身軽な形。北米の価格投資と中国の失速はあるが、k 8.5% の利益ベースの正当化 PER(来年の利益に約 15 倍)は今の PER 17 倍と近く、値段は適正 本質価値との差 −13.2% · 10 年 やや割高(年 +5.4%) やや割高 ホーメル・フーズHRL 豚肉の原価高と撤退で利益が落ちた、配当 127 年の加工肉・外食の会社。借金は軽いが、利益ベースの正当化 PER(その 8 割)で測ると今の時価総額をやや下回り、適正 本質価値との差 −13.7% · 10 年 やや割高(年 +4.8%) やや割高 モルソン・クアーズ・ビバレッジTAP 米国ビールの縮小とシェア低下で利益が減る最中。それでも伸びのない会社の式(PER = 1 ÷ k = 10.5 倍)で測ると中立の 10 年後は今とほぼ同じで、確率を重ねるとやや割高 本質価値との差 −14.6% · 10 年 やや割高(年 +5.1%) やや割高 ダラー・ツリーDLTR 裁量品が約半分の均一価格店が、多価格化と客層の広がりで利益率 9% 前後に乗せた局面。利益ベースの正当化 PER で測るとやや割高で、関税還付の一過性と客数の弱さから確率も慎重側に厚く置いた 本質価値との差 −18.0% · 10 年 やや割高(年 +4.5%) やや割高 ブンゲ・グローバルBG 世界最大級の油糧種子の圧搾・穀物商社。2026 年は圧搾利幅が山で、ならした利益に弱い堀の正当化 PER(下限の 1 ÷ k = 10.0 倍)を当てると、今の値段はやや割高 本質価値との差 −18.9% · 10 年 やや割高(年 +6.0%) やや割高 アルトリア・グループMO 数量が毎年 5% 減る紙巻きを値上げで支える高配当の縮む事業。名目の利益は横ばいで、伸びのない会社の正当化 PER(1 ÷ k)で測ると今の値段はやや割高 本質価値との差 −18.9% · 10 年 やや割高(年 +3.5%) やや割高 コンステレーション・ブランズSTZ モデロ・コロナの輸入ビール一本足。数量が縮む産業で純負債も重いが、伸びのない会社の正当化 PER(1 ÷ k)で測ると、中立の 10 年後は今の 0.94 倍で、還元を足しても資本コストに届かず、やや割高 本質価値との差 −19.0% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 クラフト・ハインツKHC ブランドは強いが数量が毎年縮む会社。k 9.0% の稼ぐ力(純利益 ÷ k)で測ると中立の価値は今の時価総額とほぼ同じで、確率を悲観側に置いた総合ではやや割高 本質価値との差 −19.2% · 10 年 やや割高(年 +4.5%) やや割高 ダラー・ゼネラルDG 農村の小型店の密度で食品の来店頻度を握る会社が、盛り損の削減と改装で利益率を戻す局面。今の値段はやや割高で、利益率の戻りが続くかが価値を分ける 本質価値との差 −20.3% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 モンデリーズ・インターナショナルMDLZ 世界首位のビスケットと世界 2 位のチョコを持ち、カカオ高で利益が削られた谷にある。k 8.0% の利益ベースの正当化 PER で測ると、今の値段は中立の価値とほぼ同じで、確率を悲観側に置いた総合ではやや割高 本質価値との差 −21.6% · 10 年 やや割高(年 +3.9%) やや割高 コルゲート・パルモリブCL 歯磨きで世界首位とペット用療法食を持つ超安定企業。北米の数量減は重く、k 7.5% の利益ベースの正当化 PER(来年の利益に約 20 倍)で見ると今の PER 25 倍はやや高く、利益の質は高いがやや割高 本質価値との差 −23.3% · 10 年 やや割高(年 +3.4%) やや割高 コカ・コーラKO 世界最強のブランド原液事業。強い堀の利益ベースの正当化 PER で測っても、k 7.5% では中立の 10 年後が今の約 1.1 倍にとどまり、今の値段はやや割高 本質価値との差 −25.8% · 10 年 やや割高(年 +3.2%) やや割高 プロクター・アンド・ギャンブルPG 世界最強の日用品ブランド群だが、PER 24 倍は k 7.5% の利益ベースの正当化 PER(来年の利益に約 19 倍)を上回る。数量の弱さを長期の成長に入れると、値段はやや割高 本質価値との差 −26.2% · 10 年 やや割高(年 +3.0%) やや割高 キューリグ・ドクターペッパーKDP JDE ピーツの買収で純負債が時価総額の 6 割になった飲料・コーヒー複合。強い飲料と縮むポッドの綱引きで、借金の重さを k に入れると 10 年の中立は今の約 0.93 倍にとどまり、今の値段はやや割高 本質価値との差 −26.2% · 10 年 やや割高(年 +3.8%) 割高 JM スマッカーSJM コーヒーの値付けと借金返済で利益の底が見えたが、ブランドの堀は広がらず、k 8.75% の利益ベースの正当化 PER で測ると中立の価値は今とほぼ同じで、確率を悲観側に置いた総合ではやや割高 本質価値との差 −30.6% · 10 年 割高(年 +3.2%) 割高 シスコSYY 米国最大の外食向け食品卸。薄利の物流業で価格を決める力は弱いが、規模の経済と AI 効率化で利益は着実に伸びる。利益ベースの正当化 PER で見ると、今の値段はやや割高 本質価値との差 −30.7% · 10 年 割高(年 +3.7%) 割高 ケンビューKVUE タイレノール・リステリン・ニュートロジーナを持つが、数量は縮み、訴訟が再燃。買収条件に連動する株価に安全域は見えず、単体の本質価値はやや下 本質価値との差 −32.1% · 10 年 割高(年 +2.9%) 割高 フィリップ モリス インターナショナルPM 紙巻きの減りを煙の出ない製品で埋める成長株。強い堀の利益ベースの正当化 PER でも、資本コスト 7.5% に対して今の値段は割高 本質価値との差 −33.8% · 10 年 割高(年 +2.1%) 割高 ブラウン・フォーマンBF-B ジャックダニエルを軸にした酒類の老舗。米国の飲酒減・関税・カナダの棚外しが重いが、財務は軽く、利益ベースの正当化 PER(下限の 1 ÷ k)で測ると今の値段は割高 本質価値との差 −35.8% · 10 年 割高(年 +1.8%) 割高 アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドADM 価格を決める力のない農産物加工の循環株。バイオ燃料の追い風で 2026 年は利益の山。ならした利益に k 9.5% の稼ぐ力(弱い堀の下限 1 ÷ k = 10.5 倍)を当てると、値段は割高 本質価値との差 −36.0% · 10 年 割高(年 +2.7%) 割高 ウォルマートWMT 食品の規模・通販・広告で堀は広がる。だが今の PER 43 倍は、強い堀の利益ベースの正当化 PER(約 22 倍)の 2 倍近くで、割高 本質価値との差 −38.0% · 10 年 割高(年 +1.7%) 割高 チャーチ・アンド・ドワイトCHD 猫砂・洗濯・オーラルケアの強いブランドを買い足して伸びる必需品の中堅。ウォルマート依存と買収の失敗が影で、k 7.75% の利益ベースの正当化 PER で測ると今の値段は割高 本質価値との差 −44.3% · 10 年 割高(年 +0.4%) 割高 モンスタービバレッジMNST エナジー専業の高採算ブランド。利益ベースの正当化 PER で測っても、中立の 10 年後は今の時価総額の約 0.87 倍にとどまり、今の値段は割高 本質価値との差 −48.0% · 10 年 割高(年 +0.4%) 割高 エスティ ローダーEL 高級美容の名門が再建の途中。利益率は戻るが、利益ベースの正当化 PER(k 9.25%・ROE 25% 台で来年の利益に約 14 倍)では今の約 380 億ドルは回復を先取りしており、割高 本質価値との差 −51.4% · 10 年 割高(年 +0.4%) 割高 コストコ・ホールセールCOST 会費が利益の半分を生む堀は本物だが、PER 47.6 倍は成熟後の約 2 倍。10 年の年率は資本コスト 7.5% に届かず割高 本質価値との差 −52.4% · 10 年 割高(年 −0.9%) 割高 ケーシーズ・ゼネラル・ストアーズCASY 米国 3 位のコンビニ。小さな町の寡占と調理品で伸びる良質な事業だが、燃料粗利が高止まりの今、GAAP の約 36 倍は利益ベースの正当化 PER(約 15 倍)の倍以上で割高 本質価値との差 −62.1% · 10 年 割高(年 −3.1%)

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読んだ資料

  1. ハーシー 2026 年第 2 四半期決算(8-K 別紙・地域別・通期見通し)
  2. ハーシー 2026 年第 1 四半期決算(8-K 別紙・地域別)
  3. ハーシー 2025 年通期決算・2026 年見通し(IR)
  4. ハーシー 2026 年第 2 四半期 電話会議の書き起こし(roic.ai)
  5. Hershey raises 2026 forecast following blockbuster Q2(ConfectioneryNews)
  6. Hershey Investor Day Just Laid Out a Path to $312(TIKR・長期の枠組み、二次資料)
  7. カカオ価格(2026 年 10 月・CocoaIntel)
  8. モンデリーズのハーシー買収の打診(CSP Daily News)

分析日 2026-10-16