結論
JM スマッカーは、米国のコーヒー(フォルジャーズ、ダンキン、カフェブステロ)、冷凍サンドのアンクラスタブルズとジフなどのスプレッド、ペットフード(ミルクボーン、ミャウミックス)、菓子パンのホステスを持つ大手食品会社。2026 年 4 月期(kabufu の表記は 2025/12)の売上は 90.5 億ドル(+4%)、調整後営業利益は 16.8 億ドル(率 18.5%)。GAAP はのれん 5.1 億ドルと無形資産 4.5 億ドルの減損で 1.4 億ドルの純損失だったが、これは会計上の評価替えで、現金は FCF 11.6 億ドルを稼いだ。
2027 年 4 月期の見通しは、コーヒーの生豆が下がり価格を戻すため売上 −1〜−2%(8 月に −3〜−4% から上方修正)、調整後純利益 約 11.2〜11.8 億ドル(会社の調整後の基準。関税の還付 約 1.15 億ドルを含む)。純負債/EBITDA は 2.9 倍まで下がり、自社株買いを検討できる位置に戻った。一方、ホステスは売上が 2 年続けて落ち、コーヒーは価格を上げた分だけ数量を失った。
バリュー投資の観点では、資本コスト 8.75%(基本 8.0% + quality +0.75%)、自己資本 ROE 約 15%、長期の g 約 3.0%(コーヒー 数量 −0.5% × 価格 +2.5%、冷凍とペットは数量が伸びる)の利益ベースの正当化 PER は来年の利益に約 13 倍で、コーヒー相場と買収の減損で利益が振れるのでその 8.5 割を使い、10 年目の利益に約 11.3 倍。中立の 10 年後は売上 112.7 億ドル、調整後営業利益 21.6 億ドル、純利益 13.2 億ドル、時価総額 約 149 億ドル(今の約 1.1 倍)。確率はコーヒーの値幅とホステスの傷みを見て慎重側に厚く置いたので、総合では今の時価総額(約 136 億ドル)を約 27% 下回る「やや割高」と出る。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、JM スマッカーは「10 年後も存在する」事業である。コーヒー・スプレッド・ペットの定番ブランドは 10 年後も棚にあるが、「今より強い」かと言えば、堀は広がっていない。コーヒーは商品相場の受け手で、生豆が高ければ値上げで数量を失い、安ければ売上が減る。ホステスは買収の値段が重かった(のれん・商標の減損が 2 期続く)。
オーナー利益は、調整後の営業利益 16.8 億ドルから、償却(推定 3.0 億ドル)・利息 3.8 億ドル・税を引いた純利益が約 7.5 億ドル、FCF は 11.6 億ドル。2027 年 4 月期は調整後の純利益が約 10.6 億ドルへ戻る見通しで、今の時価総額 約 136 億ドルは償却後の利益の約 14 倍。配当利回りは約 3.5%。資本配分はホステスで価値を壊したが、2.9 倍までの借金返済は評価できる。
式の値(ROE 約 15%・g 約 3.0%・k 8.75%)は来年の利益に約 13 倍で、その 8.5 割に置いた。安全域は、悲観の筋書きでも純利益 ÷ k の稼ぐ力(倍率 10 倍前後)が残る点と、FCF が配当の 2 倍以上ある点。確信度は中程度(コーヒーの値幅とホステスの再建の読みが難しい)。確率を悲観側に寄せた。
何で稼ぐ会社か
6 つのセグメントで稼ぐ。最大は米国小売コーヒー(2026 年 4 月期の売上 33.0 億ドル、セグメント利益 7.0 億ドル、率 21.2%):フォルジャーズ、ダンキン(小売の缶・ポッドだけを許諾された商標)、カフェブステロ。米国の小売コーヒーで約 26%(Circana、2024 年 11 月までの 52 週)の占有率を持つ。生豆は年約 5 億ポンドで、ブラジルとベトナムが中心。2025〜26 年に生豆の高騰を大幅な値上げで転嫁し、第 4 四半期は価格 +21 点・数量 −8 点だった。
次に冷凍ハンドヘルド・スプレッド(18.5 億ドル、率 24.0%):アンクラスタブルズ(冷凍のクラストなしサンドイッチ)、ジフ、スマッカーズのジャム、ハングリージャック。米国ペットフード(16.0 億ドル、率 29.6%):ミルクボーン、ミャウミックス、ナチュラルバランス、ピュアペロニ。スイートベイクドスナック(ホステス、9.7 億ドル、率 10.0%):ホステス、ドーネッツ、クッキー。アウェイ・フロム・ホーム(8.8 億ドル、率 25.0%、2026 年度から独立表示):コーヒー・サンドイッチ・ホステスを外食・施設に卸す。国際(4.4 億ドル、率 15.8%):カナダ・豪州のコーヒーとスプレッド。
収益の仕組みは数量 × 価格。数量は家庭の購入頻度と棚の面積・販促、価格は生豆・ピーナッツ・小麦粉・砂糖の原料と関税で決まる。ここでは 6 セグメントを、販売トン数(万トン、推定)× 1 キロあたり平均単価で置いた。数量は開示が無いので、売上を推定単価で割って逆算した。本社費など(調整後で約 3.3 億ドル)は調整欄に置いた。
優良さと弱いところ
堀は 3 つ。第 1 に定番ブランドの規模:フォルジャーズ・カフェブステロ・ダンキンで米国の小売コーヒーの約 26%、アンクラスタブルズは冷凍サンドの代名詞(2026 年度は高い 1 桁成長、8 月に上方修正)、ジフは常温スプレッドの首位級、ミルクボーンはおやつの定番。第 2 に流通:スーパー・量販・クラブ・外食に届き、コーヒーのポッド・生豆の調達規模も大きい。第 3 に調達とコスト:2024 年のホステス買収(約 56 億ドル)後、工場の統合で原価を削っている。
堀は広がっていない。コーヒーは値上げで数量を落とし(第 4 四半期の数量 −8 点)、フォルジャーズとダンキンの数量は減ったまま。ホステスはのれん・商標の減損を 2025・2026 年度と続け、セグメントの率は 10%(買収時の見込みは 20% 前後)まで落ちた。ROE は 2024〜2026 年度に減損で赤字(−20%、−2.5%)。減損を除いた償却後の純利益は約 7.5 億ドル(推定)で、自己資本 55 億ドルに対し約 14%。
弱み:(1) コーヒーの価格は生豆に連動し、値が下がると売上と利益の両方が減る。(2) ホステスの数量減(2026 年第 1 四半期は売上 −7%)。(3) 利息が営業利益の 2 割を食う(支払利息 3.8 億ドル)。(4) PB(コストコ・ウォルマート)とクラフト・ハインツ(マックスウェルハウス)・ネスレとの競争。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の加工食品は成熟し、名目の売上は物価に連動して伸びても数量はほぼ横ばいから微減。業界ノートでは 2026 年の数量は GLP-1 薬(成人の 13.1%)で −1.4〜3.4%、大手ブランドは数量 年 −1.5%・単価 年 +3.0% を中立に置く。スマッカーはその平均より強い面(冷凍のアンクラスタブルズ、ペットの猫・おやつ)と弱い面(ホステス、フォルジャーズ)が混ざる。
競合は事業ごとに違う。コーヒーは占有率でスマッカー 約 26%、ネスレ(ネスカフェ、スターバックスの家庭向け)、ケイグ・ドクターペッパー(ケイグ、グリーンマウンテン。JDE ピーツの取得を進めている、推定)、クラフト・ハインツ(マックスウェルハウス)、コストコの PB(カークランド)。ペットはネスレ ピュリナ、マース(ペディグリー、グリーニーズ)、ゼネラル・ミルズ(ブルーバッファロー)、ヒルズ(コルゲート)。ホステスはマッキー(リトルデビー)、フラワーズ・フーズ(タスティケーキ)、ビンボ(エンテンマンズ)。スプレッドはホーメル(スキッピー)、コナグラ(ピーターパン)、PB。
小売コーヒーの市場は、スマッカーの売上 33 億ドルと占有率 26% から約 130 億ドル規模(推定、2026 年は価格が高い)。生豆価格は 2024〜25 年の高騰から下げ、スマッカーは値下げを価格 −3〜−4%(売上全体)として織り込む一方、8 月には定価の引き下げを一時停止し販促で対応すると言った。循環のどこにいるか:コーヒーの価格は山から下り坂で、数量の回復と引き換えに売上が縮む局面。ホステスは数量の底(8 月の第 1 四半期は SKU 整理の影響で売上 −7%、前年より縮み方は小さい)。
資本政策と M&A
還元は配当が中心:2026 年 4 月期は配当 4.65 億ドル(FCF 11.6 億ドルの 40%)、自社株買いは 0.06 億ドルのみ。2027 年 4 月期の第 1 四半期は純負債/EBITDA が 2.9 倍と目標の 3 倍を前倒しで達成し、通期で 5 億ドル以上の借金を返し、自社株買いも検討できると経営陣が述べた(まだ未開始)。配当は直近で増額された。純負債は約 67 億ドル。
M&A:ホステス(2024 年に約 56 億ドル)の買収が資本配分の最大の失敗で、のれん・商標の減損が続く。冷凍ハンドヘルド(アンクラスタブルズ)への設備投資は成果が出ている。今後は借金返済と自社株買いが先で、大型買収は当面ない見込み。
借金は借り換えで約 5.75% に上がる(利払いは 3 年で約 1 億ドル、10 年で約 1 億ドル増える推定)。2027 年 4 月期の支払利息は約 3.45 億ドルの見通し。2026 年 4 月期の純利益は減損を除いて約 7.5 億ドル(償却は推定 3.0 億ドルを費用に入れた)で、会社の調整後の 9.8 億ドルとは償却の扱いが違う。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
2027 年 4 月期は利益の底を過ぎた年になる。第 1 四半期に調整後純利益が約 3.5 億ドル(前年同期比 +71%)と予想を大きく超え(関税還付を除いても強い)、通期の調整後純利益の見通しを約 11.2〜11.8 億ドルへ上げ、純負債/EBITDA は目標より早く 2.9 倍に下がった。コーヒーは生豆が下がり、粗利益率が回復する一方で、価格を急には下げず、数量も第 1 四半期は +2 点に戻った。アンクラスタブルズは高い 1 桁成長で、ペットは猫とおやつが伸びている。
借金が減れば利息(3.8 億ドル)が減り、純利益は営業利益より速く伸びる。5 億ドルの返済と自社株買いの再開で、1 株の価値は増える。ホステスはドーネッツが 2 桁成長し、SKU 整理が終われば売上が下げ止まる。今の時価総額は調整後純利益の約 12.5 倍(償却後で約 14 倍)で、k 8.75% の式の値(来年の利益に約 13 倍)に近い。数量が横ばいに戻っても、k 8.75% の式の値は 15 倍前後にとどまる。
慎重な見方
コーヒーの数量は戻っていない:第 4 四半期は −8 点、2027 年度通期も低位 1 桁の減の見通しで、価格を上げた分だけ客を失った。生豆が下がると売上が減り、定価の引き下げを止めて販促に頼るのは、価格を決める力が弱い証拠。関税の還付 約 1.15 億ドルは 1 回限りで、見通しの引き上げの大半(税引き後で約 0.9 億ドル)を占める。
ホステスは売上 −7%(第 1 四半期)、2 年続きの減損にもかかわらず、買収時の見込み(率 20% 前後)から遠い。残るのれんで減損がもう 1 度出る恐れがある。純負債 約 67 億ドルは EBITDA の 2.9 倍だが、金利が 5.75% に上がる借り換えで利息は減りにくい。配当 4.7 億ドルは償却後の純利益 約 8 億ドルの 6 割で、余力は大きくない。
アンクラスタブルズは PB(ウォルマート、クローガーのクラストなしサンド)と追随に狙われ、ペットはネスレ ピュリナ・マースの攻勢で、GLP-1 とスマッカー自身の価格設定で数量が減る。式の値は g が 1% を割れば 11 倍台に落ち、今の利益水準が恒久になる。
どちらに重みを置いたか
強気の見方は、借金返済が利益を押し上げ、アンクラスタブルズ・ペットが伸び、時価総額が低い点が強い。慎重な見方は、コーヒーの数量が戻らず、関税還付は一回限りで、ホステスの回復の証拠が弱い点が強い。双方を取り入れ、中立ではコーヒーの数量を年 −0.5%、価格を 2027 年 −3%・2028 年 −6%・2029 年 −1%・その後 +2.5% と置き(生豆の下落の転嫁)、ホステスの率は 12〜13% までしか戻さない。確率は中立を最も厚く(10 年 38%)、悲観側(やや悲観 27%・悲観 13%)を楽観側(やや楽観 16%・楽観 6%)より厚くした。倍率は利益ベースの正当化 PER(k 8.75%)の 8.5〜9 割に置き、10 年中立は 11.3 倍。総合の差は約 −27% で「やや割高」と出る。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 124.37 ドル133 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 59.09 ドル63 億ドル)。 今の値に割り戻すと 92.61 ドル99 億ドル、今との差 −30.6%、 期待の年率 +3.2%(資本コスト 8.8%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 6% | 231.21 ドル247 億ドル | 92.50 ドル99 億ドル | +142.7% | +9.3% | 19.42 ドル21 億ドル |
| やや楽観 | 16% | 183.41 ドル196 億ドル | 78.35 ドル84 億ドル | +96.2% | +7.0% | 41.88 ドル45 億ドル |
| 中立 | 38% | 139.74 ドル149 億ドル | 66.73 ドル71 億ドル | +54.8% | +4.5% | 78.46 ドル84 億ドル |
| やや悲観 | 27% | 92.03 ドル98 億ドル | 45.64 ドル49 億ドル | +3.2% | +0.3% | 37.17 ドル40 億ドル |
| 悲観 | 13% | 24.65 ドル26 億ドル | 25.59 ドル27 億ドル | −62.3% | −9.3% | 6.53 ドル7 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 124.37 ドル133 億ドル | 59.09 ドル63 億ドル | +37.5% | +3.2% | 183.46 ドル196 億ドル |
今の株価時価総額 133.39 ドル142 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.8% を下回るほど割高。
楽観 6% 楽観:アンクラスタブルズとペットが伸び、ホステスも再建する 利益 17 億ドル · PER 14.2 倍 · 株価時価総額 231.21 ドル247 億ドル
2036 年 4 月期、コーヒーは占有率を保ち数量が年 +0.0%(2029 年まで +1%)、価格は +3.0%/年で、利益率は 25% を保つ。アンクラスタブルズは高い 1 桁成長を続け、冷凍ハンドヘルド・スプレッドの売上は 31 億ドル(今の約 1.7 倍)、ペットは売上 24 億ドル(今の約 1.5 倍)、ホステスは率 15% へ戻り売上 13.6 億ドル。外食向け(アウェイ・フロム・ホーム)は数量 +2〜3%。 売上 128.3 億ドル、調整後営業利益 27.2 億ドル(率 21.2%)、純利益 17.4 億ドル。純負債は約 17 億ドル、10 年の正味還元は約 99 億ドル。純負債/EBITDA は 2 倍を割り、2028 年から自社株買いを増やす。ブランドの堀(ジフ・フォルジャーズ・アンクラスタブルズ)が広がり、冷凍サンドで PB を寄せつけない筋書き。
- 米国小売コーヒー:数量 20.7(販売トン数(万トン、推定))× 価格 19(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 39 億ドル・営業利益 10 億ドル。数量 2027 -2.0%・2028 +1.0%・2029 +1.0%、その後 +0.0%/年;価格 2027 -1.0%・2028 -4.0%・2029 +1.0%、その後 +3.0%/年
- 米国小売ペットフード:数量 50.0(販売トン数(万トン、推定))× 価格 4.82(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 24 億ドル・営業利益 7 億ドル。数量 2027 +0.5%・2028 +1.5%・2029 +1.5%、その後 +1.2%/年;価格 2027 +2.5%・2028 +3.0%・2029 +3.0%、その後 +3.0%/年
- 冷凍ハンドヘルド・スプレッド:数量 33.7(販売トン数(万トン、推定))× 価格 9.27(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 31 億ドル・営業利益 8 億ドル。数量 2027 +4.0%・2028 +3.5%・2029 +3.0%、その後 +2.0%/年;価格 2027 +2.0%・2028 +2.5%・2029 +3.0%、その後 +3.0%/年
- スイートベイクドスナック:数量 12.9(販売トン数(万トン、推定))× 価格 11(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 14 億ドル・営業利益 2 億ドル。数量 2027 -3.0%・2028 +0.5%・2029 +1.5%、その後 +1.0%/年;価格 2027 +2.0%・2028 +2.5%・2029 +3.0%、その後 +3.0%/年
- アウェイ・フロム・ホーム:数量 13.7(販売トン数(万トン、推定))× 価格 9.93(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 14 億ドル・営業利益 3 億ドル。数量 2027 +2.5%・2028 +3.0%・2029 +3.0%、その後 +2.0%/年;価格 2027 -1.0%・2028 -1.0%・2029 +3.0%、その後 +3.0%/年
- 国際:数量 10.2(販売トン数(万トン、推定))× 価格 6.52(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 7 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量 2027 +1.0%・2028 +1.5%・2029 +1.5%、その後 +1.5%/年;価格 2027 +0.0%・2028 +3.0%・2029 +3.0%、その後 +3.0%/年
倍率:ROE 20.0%、k 8.75%(基本 8.0% + quality +0.8%)、残る割合 普通 1/2、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 14.4%、g 4.0%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 15.2 倍(来年の利益に対して)。コーヒーの値付けが通り冷凍・ペットも伸びる筋書き。コーヒー相場と減損で利益が振れるので上限の 9 割。上限の 9.0 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 14.2 倍。時価総額 = 純利益 17 億ドル × 14.2 倍 = 247 億ドル。
確率:10 年間コーヒーの占有率を保ち、アンクラスタブルズ・ペットが伸び、ホステスも再建するには複数の事業が同時に当たる必要がある。6% と薄く置く。
やや楽観 16% やや楽観:コーヒーの数量が横ばいに戻り、冷凍とペットが利益を押し上げる 利益 15 億ドル · PER 12.9 倍 · 株価時価総額 183.41 ドル196 億ドル
2036 年 4 月期、コーヒーの数量は年 0% に戻り(2029 年まで +0.5%)、価格は +2.75%/年。利益率は 24%。アンクラスタブルズは成長が緩み、冷凍ハンドヘルド・スプレッドの数量は 年 +1.5%、ペットは +0.8%、ホステスは率 14%、外食向けは数量 +1.5%。 売上 120.1 億ドル、調整後営業利益 24.3 億ドル(率 20.2%)、純利益 15.2 億ドル。純負債は約 16 億ドル、10 年の正味還元は約 84 億ドル。純負債/EBITDA は 2 倍前後、2029 年から自社株買い。
- 米国小売コーヒー:数量 20.4(販売トン数(万トン、推定))× 価格 18(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 37 億ドル・営業利益 9 億ドル。数量 2027 -2.5%・2028 +0.5%・2029 +0.5%、その後 +0.0%/年;価格 2027 -2.0%・2028 -5.0%・2029 +0.5%、その後 +2.8%/年
- 米国小売ペットフード:数量 48.0(販売トン数(万トン、推定))× 価格 4.79(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 23 億ドル・営業利益 7 億ドル。数量 2027 +0.0%・2028 +1.0%・2029 +1.2%、その後 +0.8%/年;価格 2027 +2.0%・2028 +3.0%・2029 +3.0%、その後 +3.0%/年
- 冷凍ハンドヘルド・スプレッド:数量 32.0(販売トン数(万トン、推定))× 価格 9.07(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 29 億ドル・営業利益 7 億ドル。数量 2027 +3.0%・2028 +3.0%・2029 +2.5%、その後 +1.5%/年;価格 2027 +2.0%・2028 +2.5%・2029 +2.5%、その後 +2.8%/年
- スイートベイクドスナック:数量 11.7(販売トン数(万トン、推定))× 価格 10(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 12 億ドル・営業利益 2 億ドル。数量 2027 -3.5%・2028 -1.0%・2029 +0.5%、その後 +0.0%/年;価格 2027 +2.0%・2028 +2.5%・2029 +3.0%、その後 +2.8%/年
- アウェイ・フロム・ホーム:数量 13.1(販売トン数(万トン、推定))× 価格 9.79(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 13 億ドル・営業利益 3 億ドル。数量 2027 +2.0%・2028 +2.5%・2029 +2.5%、その後 +1.5%/年;価格 2027 -1.5%・2028 -1.5%・2029 +2.5%、その後 +3.0%/年
- 国際:数量 9.8(販売トン数(万トン、推定))× 価格 6.51(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 6 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量 2027 +0.5%・2028 +1.2%・2029 +1.2%、その後 +1.0%/年;価格 2027 +0.0%・2028 +2.8%・2029 +3.0%、その後 +3.0%/年
倍率:ROE 17.2%、k 8.75%(基本 8.0% + quality +0.8%)、残る割合 普通 1/2、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 13.0%、g 3.7%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 14.2 倍(来年の利益に対して)。コーヒー相場と減損で利益が振れる分を割り引いた。上限の 8.8 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 12.9 倍。時価総額 = 純利益 15 億ドル × 12.9 倍 = 196 億ドル。
確率:コーヒーの数量が横ばいに戻り、冷凍・ペットが伸びる筋書き。強気の見方の中心だが、直近のコーヒーの数量減とホステスの落ち込みに反する。
中立 38% 中立:コーヒーは占有率を少しずつ失い、冷凍とペットで補う 利益 13 億ドル · PER 11.3 倍 · 株価時価総額 139.74 ドル149 億ドル
2036 年 4 月期、コーヒーは占有率を年 0.5% ずつ失い、数量は年 −0.5%、価格は +2.5%(生豆の変動を均した物価を下回る値上げ)で、売上は 10 年で 33 億ドルから 34 億ドルとほぼ横ばい。利益率は 23%。冷凍ハンドヘルド・スプレッドはアンクラスタブルズ主導で数量 +1%・価格 +2.5% で売上 27 億ドル、ペットは数量 +0.5%・価格 +3% で売上 22.5 億ドル、ホステスは数量 −1%・価格 +2.5% で売上は 10.9 億ドル、率は 13%、外食向けは数量 +1.5%・価格 +3%。本社費は物価並み。 売上 112.7 億ドル、調整後営業利益 21.6 億ドル(率 19.2%)、純利益 13.2 億ドル。純負債は約 16 億ドル、10 年の正味還元は約 71 億ドル。自社株買いは 2029 年から純負債/EBITDA が 2 倍を割るまでに増える。配当は年 2% 増。
- 米国小売コーヒー:数量 19.5(販売トン数(万トン、推定))× 価格 17(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 34 億ドル・営業利益 8 億ドル。数量 2027 -3.0%・2028 +0.0%・2029 +0.5%、その後 -0.5%/年;価格 2027 -3.0%・2028 -6.0%・2029 +0.0%、その後 +2.5%/年。価格が物価(3.5%)を下回る理由:生豆の下落を価格に転嫁して下げるため(コーヒー)
- 米国小売ペットフード:数量 46.9(販売トン数(万トン、推定))× 価格 4.79(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 23 億ドル・営業利益 6 億ドル。数量 2027 +0.0%・2028 +1.0%・2029 +1.0%、その後 +0.5%/年;価格 2027 +2.0%・2028 +3.0%・2029 +3.0%、その後 +3.0%/年
- 冷凍ハンドヘルド・スプレッド:数量 30.4(販売トン数(万トン、推定))× 価格 8.92(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 27 億ドル・営業利益 7 億ドル。数量 2027 +2.5%・2028 +2.5%・2029 +2.0%、その後 +1.0%/年;価格 2027 +2.0%・2028 +2.5%・2029 +2.5%、その後 +2.5%/年
- スイートベイクドスナック:数量 10.7(販売トン数(万トン、推定))× 価格 10(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 11 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量 2027 -4.0%・2028 -1.5%・2029 -0.5%、その後 -1.0%/年;価格 2027 +2.0%・2028 +2.5%・2029 +3.0%、その後 +2.5%/年
- アウェイ・フロム・ホーム:数量 12.8(販売トン数(万トン、推定))× 価格 9.69(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 12 億ドル・営業利益 3 億ドル。数量 2027 +1.0%・2028 +2.0%・2029 +2.0%、その後 +1.5%/年;価格 2027 -2.0%・2028 -2.0%・2029 +2.5%、その後 +3.0%/年。価格が物価(3.5%)を下回る理由:生豆の下落を価格に転嫁して下げるため(コーヒー)
- 国際:数量 9.3(販売トン数(万トン、推定))× 価格 6.49(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 6 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量 2027 +0.0%・2028 +1.0%・2029 +1.0%、その後 +0.5%/年;価格 2027 +0.0%・2028 +2.5%・2029 +3.0%、その後 +3.0%/年。価格が物価を下回る理由:国際のコーヒー・スプレッドも生豆とピーナッツの下落を転嫁するため
倍率:ROE 14.8%、k 8.75%(基本 8.0% + quality +0.8%)、残る割合 普通 1/2、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 11.8%、g 3.0%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 13.0 倍(来年の利益に対して)。コーヒー相場と買収の減損で利益が振れるので上限の 8.5 割。上限の 8.5 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 11.3 倍。時価総額 = 純利益 13 億ドル × 11.3 倍 = 149 億ドル。
確率:コーヒーが年 −0.5% の数量・名目 +2.5% の価格、ホステスは回復しても利益率 13%、冷凍とペットが数量を伸ばす落としどころ。
やや悲観 27% やや悲観:コーヒーとホステスが縮み、利益率が下がる 利益 9 億ドル · PER 10.6 倍 · 株価時価総額 92.03 ドル98 億ドル
2036 年 4 月期、コーヒーは数量が年 −0.5%、価格は +2.5%(PB と販促で物価を下回る)、利益率は 20% まで下がる。ホステスは数量が年 −1.5% で縮み続け、率は 9%、追加の減損が約 12 億ドル出る。冷凍・ペットは数量が横ばい〜+0.5%。外食向けも伸びが鈍る。ネスレ・KDP の販促とコストコの PB が棚を奪い、アンクラスタブルズも追随商品に価格で追われて成長が鈍る。ブランドの堀は狭まるが、定番としての存在は保たれる。 売上 102.5 億ドル、調整後営業利益 16.8 億ドル(率 16.4%)、純利益 9.3 億ドル。純負債は約 19 億ドル、10 年の正味還元は約 49 億ドル。配当は据え置きで純利益の約 5 割。
- 米国小売コーヒー:数量 18.9(販売トン数(万トン、推定))× 価格 17(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 32 億ドル・営業利益 6 億ドル。数量 2027 -4.0%・2028 -1.0%・2029 -0.5%、その後 -0.5%/年;価格 2027 -4.0%・2028 -7.0%・2029 -1.0%、その後 +2.5%/年
- 米国小売ペットフード:数量 44.0(販売トン数(万トン、推定))× 価格 4.59(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 20 億ドル・営業利益 6 億ドル。数量 2027 -1.0%・2028 +0.0%・2029 +0.0%、その後 +0.0%/年;価格 2027 +2.0%・2028 +2.5%・2029 +2.5%、その後 +2.5%/年
- 冷凍ハンドヘルド・スプレッド:数量 28.3(販売トン数(万トン、推定))× 価格 8.79(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 25 億ドル・営業利益 6 億ドル。数量 2027 +1.5%・2028 +1.0%・2029 +0.5%、その後 +0.5%/年;価格 2027 +1.5%・2028 +2.0%・2029 +2.0%、その後 +2.5%/年
- スイートベイクドスナック:数量 9.8(販売トン数(万トン、推定))× 価格 10(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 10 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量 2027 -6.0%・2028 -3.0%・2029 -2.0%、その後 -1.5%/年;価格 2027 +1.5%・2028 +2.0%・2029 +2.0%、その後 +2.5%/年
- アウェイ・フロム・ホーム:数量 11.5(販売トン数(万トン、推定))× 価格 9.17(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 11 億ドル・営業利益 2 億ドル。数量 2027 +0.0%・2028 +0.5%・2029 +0.5%、その後 +0.5%/年;価格 2027 -2.5%・2028 -3.0%・2029 +2.0%、その後 +2.5%/年
- 国際:数量 8.8(販売トン数(万トン、推定))× 価格 6.21(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 5 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量 2027 -1.0%・2028 +0.0%・2029 +0.0%、その後 +0.0%/年;価格 2027 +0.0%・2028 +2.0%・2029 +2.5%、その後 +2.5%/年
倍率:ROE 12.8%、k 8.75%(基本 8.0% + quality +0.8%)、残る割合 普通 1/2、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 10.8%、g 2.2%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 12.1 倍(来年の利益に対して)。悲観側も純利益と ROE から式で出し、市場の倍率や自己資本の PBR は使わない(前は自己資本を積み上げた PBR になっていた)。上限の 8.5 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 10.6 倍。時価総額 = 純利益 9 億ドル × 10.6 倍 = 98 億ドル。
確率:コーヒーの数量が年 −0.5% で縮み、価格も物価に届かず、ホステスは回復しない。直近 2 年の傾向に近い。
悲観 13% 悲観:構造的に負け、コーヒー・ホステスの減損と減配で利益が 3 分の 1 になる 利益 3 億ドル · PER 9.6 倍 · 株価時価総額 24.65 ドル26 億ドル
2036 年 4 月期、10 年で構造的に負ける。コーヒーは数量が年 −2%(2027〜2028 年の景気後退と PB・KDP の攻勢)、利益率は 16% へ。ペットは価格を決める力を失い率 22%、冷凍は PB に押され率 18%、ホステスは数量 −3%/年で率 5%(売却か閉鎖に近い)。追加の減損が約 25 億ドル出て、自己資本は約 39 億ドル。 売上 82.0 億ドル、調整後営業利益 9.1 億ドル(率 11.1%)、純利益 2.7 億ドル。純負債は約 40 億ドル、10 年の正味還元は約 27 億ドル。配当は 2029 年に 4 割切り、純負債は約 40 億ドル。ここまで負けた会社は、のれんと商標の評価も大きく下がる。
- 米国小売コーヒー:数量 15.9(販売トン数(万トン、推定))× 価格 16(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 26 億ドル・営業利益 4 億ドル。数量 2027 -6.0%・2028 -5.0%・2029 -1.0%、その後 -2.0%/年;価格 2027 -5.0%・2028 -7.0%・2029 -1.0%、その後 +2.0%/年
- 米国小売ペットフード:数量 36.9(販売トン数(万トン、推定))× 価格 4.35(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 16 億ドル・営業利益 4 億ドル。数量 2027 -3.0%・2028 -4.0%・2029 -1.0%、その後 -1.5%/年;価格 2027 +1.5%・2028 +1.5%・2029 +2.0%、その後 +2.0%/年
- 冷凍ハンドヘルド・スプレッド:数量 23.7(販売トン数(万トン、推定))× 価格 8.33(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 20 億ドル・営業利益 4 億ドル。数量 2027 -1.0%・2028 -2.0%・2029 -1.0%、その後 -1.0%/年;価格 2027 +1.0%・2028 +1.0%・2029 +1.5%、その後 +2.0%/年
- スイートベイクドスナック:数量 8.2(販売トン数(万トン、推定))× 価格 9.52(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 8 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量 2027 -8.0%・2028 -6.0%・2029 -3.0%、その後 -3.0%/年;価格 2027 +1.0%・2028 +1.0%・2029 +1.5%、その後 +2.0%/年
- アウェイ・フロム・ホーム:数量 9.4(販売トン数(万トン、推定))× 価格 8.78(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 8 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量 2027 -3.0%・2028 -4.0%・2029 -1.0%、その後 -1.0%/年;価格 2027 -3.0%・2028 -3.0%・2029 +1.5%、その後 +2.0%/年
- 国際:数量 7.8(販売トン数(万トン、推定))× 価格 5.92(1 キロあたり平均単価(ドル))→ 売上 5 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量 2027 -2.0%・2028 -3.0%・2029 +0.0%、その後 -1.0%/年;価格 2027 +0.0%・2028 +1.0%・2029 +2.0%、その後 +2.0%/年
倍率:ROE が k 以下(または自己資本が薄い)で、k 8.75%(基本 8.0% + quality +0.8%)、g -1.0%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)。正当化 PER = 1 ÷ k = 11.4 倍(来年の利益に対して)。ROE が k を下回るので稼ぐ力の 1 ÷ k が下限で、悲観側も純利益 ÷ k から出す。市場の倍率は使わない。上限の 8.5 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 9.6 倍。時価総額 = 純利益 3 億ドル × 9.6 倍 = 26 億ドル。
確率:数量が毎年縮み、減損と減配が続く。クラフト・ハインツやゼネラル・ミルズの同じ筋書きと同程度の 13% に置いた(コーヒーの相場リスクとホステスの再建失敗が重なるため)。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
米国小売コーヒー
米国のスーパー・量販・クラブで売る缶・袋・ポッドのコーヒー(フォルジャーズ、ダンキン、カフェブステロ)。売上の 37%、セグメント利益の約 3.5 割。生豆の価格に連動して価格が動く。
| 数量販売トン数(万トン、推定) | 価格1 キロあたり平均単価(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 20.7 | 16 | 33 | 7 |
| 10 年後 中立 | 19.5 | 17 | 34 | 8 |
取り方:2026 年 4 月期の米国小売コーヒーの売上 33.05 億ドル(前年比 +18%、価格 大幅増・数量 減)とセグメント利益 7.02 億ドル(率 21.2%)。数量は開示が無いので、ポッド・缶・袋の混合の平均単価を 1 キロあたり約 16 ドルと置いて約 20.7 万トンに逆算した推定。2027 年 4 月期の第 1 四半期は売上 8.08 億ドル(+13%:価格 +10・数量 +2)、利益 3.00 億ドル(関税還付を含む)。
米国小売ペットフード
ミルクボーン、ミャウミックス、ナチュラルバランス、ピュアペロニ。売上の 18%、利益の約 2.4 割。
| 数量販売トン数(万トン、推定) | 価格1 キロあたり平均単価(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 44.4 | 3.60 | 16 | 5 |
| 10 年後 中立 | 46.9 | 4.79 | 23 | 6 |
取り方:2026 年 4 月期の米国ペットフードの売上 16.00 億ドル(前年比 −4%)、セグメント利益 4.73 億ドル(率 29.6%)。ドライ・おやつ・猫の混合の平均単価を 1 キロあたり約 3.6 ドルと置いて約 44 万トンに逆算した推定。
冷凍ハンドヘルド・スプレッド
アンクラスタブルズ(冷凍サンド)、ジフ、スマッカーズのジャム、ハングリージャック。売上の 20%、利益の約 2.2 割。
| 数量販売トン数(万トン、推定) | 価格1 キロあたり平均単価(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 26.5 | 7.00 | 19 | 4 |
| 10 年後 中立 | 30.4 | 8.92 | 27 | 7 |
取り方:2026 年 4 月期の冷凍ハンドヘルド・スプレッドの売上 18.54 億ドル(前年比 −1%)、セグメント利益 4.45 億ドル(率 24.0%)。アンクラスタブルズは高い 1 桁成長、スプレッドは縮む。冷凍とジャムの混合の平均単価を 1 キロあたり約 7 ドルと置いて約 26.5 万トンに逆算した推定。
スイートベイクドスナック
ホステス(ドーネッツなど)の菓子パン。売上の 11%、利益の約 5%。減損が続いた不振事業。
| 数量販売トン数(万トン、推定) | 価格1 キロあたり平均単価(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 12.1 | 8.00 | 10 | 1 |
| 10 年後 中立 | 10.7 | 10 | 11 | 1 |
取り方:2026 年 4 月期のスイートベイクドスナックの売上 9.71 億ドル(前年比 −18%)、セグメント利益 0.97 億ドル(率 10.0%)。2027 年 4 月期の第 1 四半期は売上 2.37 億ドル(−7%)、利益 0.30 億ドル。菓子パンの平均単価を 1 キロあたり約 8 ドルと置いて約 12 万トンに逆算した推定。
アウェイ・フロム・ホーム
外食・施設向けのコーヒー・サンドイッチ・ホステス(2026 年度から独立表示)。売上の 10%、利益の約 1.1 割。
| 数量販売トン数(万トン、推定) | 価格1 キロあたり平均単価(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 11.0 | 8.00 | 9 | 2 |
| 10 年後 中立 | 12.8 | 9.69 | 12 | 3 |
取り方:2026 年 4 月期のアウェイ・フロム・ホームの売上 8.79 億ドル(前年比 +15%、コーヒー価格が主)、セグメント利益 2.20 億ドル(率 25.0%)。平均単価を 1 キロあたり約 8 ドルと置いて約 11 万トンに逆算した推定。
国際
カナダ・豪州のコーヒーとスプレッド。売上の 5%。
| 数量販売トン数(万トン、推定) | 価格1 キロあたり平均単価(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 8.8 | 5.00 | 4 | 1 |
| 10 年後 中立 | 9.3 | 6.49 | 6 | 1 |
取り方:2026 年 4 月期の国際(その他)の売上 4.42 億ドル(前年比 +1%)、セグメント利益 0.70 億ドル(率 15.8%)。平均単価を 1 キロあたり約 5 ドルと置いて約 8.8 万トンに逆算した推定。
リスクと懸念
コーヒーの価格と数量
生豆が下がると売上が減る(2027 年度 −1〜−2% の見通しの主因)。逆に再高騰すれば値上げで数量を失う(第 4 四半期は数量 −8 点)。コーヒーは利益の 3 割以上で、相場の受け手。定価の引き下げを止めて販促に頼る間は、価格を決める力が試される。数量が戻らないまま生豆が下げれば、売上と利益が同時に縮む。
ホステスの再建と追加の減損
売上は FY2026 に −18%、第 1 四半期も −7%、セグメントの率は 10%。のれん・商標を 2 年続けて減損したが、買収時の値段(約 56 億ドル)に比べ利益がまだ低く、追加の減損が自己資本(55 億ドル)を削る可能性がある。
関税とその還付
2027 年度の見通しの引き上げは関税の還付(約 1.15 億ドル、税引き後で約 0.9 億ドル)が大半で、一回限り。コーヒー・ペットの原料・包装の関税が戻れば粗利益率を圧迫する。見通しは新たな関税を織り込んでいない。還付が無くなる 2028 年度は、利益の伸びを見る基準が下がる。
借金と金利
純負債は約 67 億ドル(時価総額の約 50%)、純負債/EBITDA 2.9 倍。借り換えで金利は約 5.75% に上がり、利払いは減りにくい。景気後退で EBITDA が落ちれば、3 倍を超えて自社株買いが止まる。
PB と競合
コストコ・ウォルマート・クローガーの PB がコーヒー・スプレッド・冷凍サンドで価格差を広げる。アンクラスタブルズは成功したため追随が増える。ペットはネスレ ピュリナ・マースが大きく、棚と販促で押される。価格差が広がれば数量が戻らず、利益率を下げて対抗する。
GLP-1・食品規制
GLP-1 の普及(成人の 13.1%)で菓子パン・スナックの数量が縮む。着色料・添加物・超加工食品への規制は、ホステスとスマッカーズのジャム・ジフにも効き、原料の見直しや表示の変更で費用が増え、棚の確保にも響く。
資本配分
買収の失敗(ホステス)のあとだが、ペットや冷凍の再投資の機会が出れば再び買収に動く恐れがある。借金返済を優先する間は自社株買いの利回りが低く、配当が株主還元の中心になる。割高な値段で買い戻せば価値を壊す。
今後の分かれ目
- 2027 年度の第 2〜4 四半期にコーヒーの数量が前年を上回り、利益率が 24% 台を保つ
- 値下げの転嫁で数量が戻った状態。やや楽観・楽観の確率を上げ、中立のコーヒーの数量を年 0% に上げてよい。
- 関税還付を除いた調整後純利益が見通し(約 10.4〜10.9 億ドル)を下回る
- コーヒーの利益率の戻りが弱い。中立のコーヒーの利益率を 22% に下げ、やや悲観の確率を上げる。価値は 2〜3 割下がる。
- ホステスで追加の減損が出る、または売却・分離の発表がある
- 売却価格と残る利益で再計算する。成立するまで筋書きには入れない。ホステスは利益の約 5% で、売れば借金返済が進む反面、のれんの損失が確定する。
- 純負債/EBITDA が 2.5 倍を割り、自社株買いが始まる
- 還元と 1 株の価値が上がる。逆に 3.5 倍を超えれば配当の据え置きが危うくなる。
- 生豆価格が再び高騰し、価格を 10% 以上上げざるを得なくなる
- 2025〜26 年の再現で数量が大きく落ちる。コーヒーの数量を −5% 前後に置き直し、悲観の確率を上げる。
- 10 年国債が 6% を超える、または物価が 5% を超えて続く
- k の 8.75% は低すぎたことになり、倍率が 1 割強下がる。全筋書きの価値が下がる。
見ておくもの
- コーヒーの数量と価格(四半期ごと。2027 年度の見通しは数量が低位 1 桁の減)と、生豆の価格
- 関税還付を除いた調整後純利益と粗利益率(見通し約 38% を保つか)
- ホステス(売上 −7% が縮むか、率 10% が戻るか)と追加の減損
- アンクラスタブルズの成長率(高い 1 桁)とペット(ミルクボーン・ミャウミックス)の数量
- 純負債/EBITDA(2.9 倍から 2.5 倍へ)と自社株買いの開始
- Circana のコーヒー占有率(約 26%)
- 次の決算(2026 年 11〜12 月の第 2 四半期)
倍率と資本コストの決め方
今の時価総額(約 136 億ドル、減損を除いた償却後の利益の約 14 倍)を見る前に、6 セグメントを販売トン数(推定)× 平均単価で積み、セグメントの利益率から調整後営業利益を作り、償却(推定 3.0 億ドル)・利払い(借り換えで 5.75%)・税(24.3%)を引いて純利益を出した(2027 年 4 月期は経営陣の見通しから関税還付の約 0.9 億ドルを除いた約 10.6 億ドル前後に収まるよう、コーヒーの価格と利益率を置いた)。倍率は k 8.75%(基本 8.0% + quality +0.75%)の式 (1 − g/RONIC) ÷ (k − g) × (1 + g) で置き、上限の 8.5〜9 割に置いた。g は数量と価格から出し ROE から出していない。悲観側も純利益と ROE から式で出し、過去の PER・PBR は使っていない。
資本コスト 8.8% = 無リスク金利 5% + β 0.70 × 5%。k = 基本 8.0% + quality +0.75% = 8.75%。コーヒーと菓子パンは相場・景気で利益が振れるが、個別のリスクは k に足さず、筋書きと確率で表した。倍率は式どおりで、k の低さを倍率の割り引きで打ち消すことはしない。