結論
ペプシコは、ペプシ・ゲータレード・マウンテンデュー・ポッピ(poppi)などの飲料と、レイズ・ドリトス・チートスなどのフリトレー、クエーカーのオートミール・シリアルを持つ飲料と食品の複合企業である。2025 年は売上 939 億ドル、コアの営業利益 149 億ドル(率 15.9%)、報告の純利益は 82 億ドル(ロックスターなどの減損で低い。ならすと約 112 億ドル)。売上のうち北米が 6 割、国際が 4 割。
足元は弱い。2026 年 7〜9 月期は北米の食品(PFNA)の売上が横ばい、コア営業利益が 12% 減り、通期のコア為替中立 EPS の見通しは +4〜6% から +1〜2% に引き下げられた。2 月に最大 15% の値下げでスナックの数量とシェアを取り戻しにかかったが、利益率が削られている。北米の飲料は数量が 3% 減り、アラニ ヌー(Alani Nu)の取り決めとコンビニの不振が重い。一方、国際の 4 セグメントは数量が伸び、営業利益も 9〜19% 増えている。
バリュー投資の観点では、10 年後も存在し、ブランドと配荷網の堀は残るとみる。ただし北米のスナックの価格を決める力は落ちており、先進国の炭酸の数量は縮む。事業ごとに数量×価格(10 年で物価並みの約 1.4 倍が基本、北米スナックは値下げの分だけ低く 1.27 倍。北米スナックの数量は値下げの戻りの後、GLP-1 の普及で年 −0.3%)を積み上げると、10 年後の中立は純利益 178 億ドル、利益ベースの正当化 PER(g 3%・ROE 約 38%・k 8% で来年の利益に約 17.4 倍、その 8.5 割を使い 10 年目の利益に 15.2 倍)で時価総額は約 2,713 億ドルと今の約 1.5 倍になり、配当を足した年率は 7〜8%。確率を慎重側に寄せると、総合は今の値段とほぼ同じで「適正」と出る。k − g が 5% と薄く、k が 1% 上がれば倍率は 2 割弱下がる。
バリュー投資の観点から
バリュー投資家なら、まず 10 年後もあるかを問う。答えは、ある。飲料の瓶詰め網とスナックの自社配送は複製が難しく、世界 200 超の国での配荷も続く。ただし堀の広がり方は一様ではない。北米のスナックは価格を決める力が落ち、値下げで数量を買い戻している。国際は数量が伸びて堀が広がる。全体として、堀は「維持」で、コカ・コーラほど「広がる」とは言えない。
オーナー利益は、純利益(コア約 112 億ドル)から、設備投資が減価償却を上回る分と株式報酬を引いたもので、FCF 77 億ドル(2025 年)が目安になる。時価総額 1,800 億ドルに対する今のオーナー利益利回りは約 4.3%。国債 5% を下回るが、利益は物価についてくる前提で実質では見劣りしない。ただし現状は利益が減っており、この前提が揺らいでいる。
経営は資本の使い方に難がある。ポッピ・ロックスター・Be & Cheery の減損と、北米の値上げの積み重ねによる数量の取りこぼしがその例。自社株買いは割高でなく安い局面で控えめだが、借金で配当を支える形が続く。安全域は、中立の 10 年後(PER 15 倍)で配当を足して今の約 2.1 倍(年率 7〜8%)と、資本コスト 8% をわずかに下回る程度で厚くはなく、悲観では元本割れもありうる。わからない部分は、北米の価格と数量の均衡点と、GLP-1 の影響である。
何で稼ぐ会社か
事業は 6 つの報告セグメントに分かれる。北米の食品 PFNA(売上 275 億ドル)はフリトレー(レイズ・ドリトス・チートス・トスティトス)とクエーカー(オートミール・グラノーラ)で、米国の塩味スナックの小売売上の約 6 割を占め、営業利益率は 24% と全社で高い。北米の飲料 PBNA(282 億ドル)はペプシ・マウンテンデュー・ゲータレード・ブリスク・アクアフィナ・ロックスター・ポッピなどで、自社の瓶詰め網で完成品を作って小売・外食に届けるため、営業利益率は 12% と低い。国際の飲料フランチャイズ(IB Franchise、50 億ドル)は濃縮液を外部の瓶詰め会社に売る軽い事業で、利益率は 37%。EMEA(180 億ドル)はウォーカーズなどのスナック・欧州の飲料・クエーカー、中南米の食品(LatAm Foods、106 億ドル。サブリタス・ドリトス・ガマサ)、アジア太平洋の食品(46 億ドル)が続く。
利益は、数量 × 1 つあたりの価格で決まる。スナックは重量(ポンド)、飲料はケース、国際は食品と飲料をまとめた重量換算で数量を置き、価格は物価と値上げの力、ミックスで動く。2025 年は北米の食品の数量が 2% 減、飲料が 3% 減。関税による原料高(アルミ缶)が PBNA で営業利益を圧迫した。国際は数量が伸びる一方、乳製品・じゃがいも・食用油の高騰が EMEA の利益を押し下げた。
優良さと弱いところ
堀は 3 つある。第 1 は北米のスナックの配荷網で、フリトレーの自社配送(倉庫から店の棚まで)は競合が真似しにくく、小売の棚で圧倒的な占有率を持つ。第 2 はブランドで、レイズ・ドリトス・ペプシ・ゲータレードは認知と習慣の強さが売上の安定を生む。第 3 は国際の規模で、世界 200 超の国と地域で売る。
堀の質は、コカ・コーラより一段落ちる。コカ・コーラは原液だけを売る軽い資産で営業利益率が 31%、ROE は 40% 超、価格を決める力が強い。ペプシコは完成品と食品の工場・物流を抱え、営業利益率は 15.9%、設備投資は売上の 5% 近く、FCF 転換率は目標の 80% 以上。2026 年 2 月に北米のスナックを最大 15% 値下げしたのは、値上げを重ねた末に数量を失った結果で、価格を決める力が弱まった証拠でもある。ポッピ・シエテ・ロックスター・Be & Cheery では買収のたびに減損が出ている。
資本効率は高い(ROE 40〜50% 台。ただし自社株買いで自己資本が薄く、水増しされている)。経営はラモン・ラグアルタ氏が 2018 年から率いており、2025 年 12 月にエリオット・マネジメント(Elliott)と合意し、商品数の削減・費用削減・供給網の見直しに踏み込んだ。強さは、事業の多様さと国際の成長。弱さは、北米の価格競争力の低下と買収の目利き。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
ペプシコは 2 つの市場に立つ。第 1 は米国の飲料(ノンアルコール)で、ソフトドリンク製造は約 480 億ドル(2021〜26 年は年 +2.1%、IBISWorld)。炭酸は数量が毎年 1〜2% 減り、GLP-1 の普及(成人の 13% 超)と砂糖規制が逆風。価格は物価並みに上げて名目を保つ構図は、業界ノートのとおり。炭酸はコカ・コーラ(約 45%)・ペプシコ(2 割台半ば)・キューリグ・ドクターペッパー(2 割前後)の 3 強で、エナジーはレッドブル・モンスター・ビバレッジ・セルシウス・ホールディングス(アラニ ヌーを含めて米国で約 21%)の寡占。ペプシコはロックスターで出遅れ、アラニ ヌーを流通する取り決めに頼る。
第 2 は米国の塩味スナックで、約 240 億ドルの市場のうち、フリトレーが約 6 割。競合はユーツ・ブランズ、キャンベル(ケトル・スニダース)、自社ブランド(PB)。値上げが続いた結果、2024〜25 年に低所得層を中心に数量が減り、PB に流れた。ペプシコは 2026 年 2 月に最大 15% の値下げで数量を取り戻しにかかり、数量・シェアは改善したが、価格と費用のバランスはまだ取れていない。GLP-1 で間食は全体に減る方向。
国際は人口と所得で数量が伸び、アジア太平洋は数量 +10%、EMEA +3% と好調。循環でいえば、必需品は景気後退でも需要は 0〜5% しか落ちないが、リーマンでペプシコの株価は −36% と、倍率の縮みと原料高で動いた。分かれ目は、北米で数量を取り戻しつつ利益率をどこまで戻せるか。
資本政策と M&A
還元は配当が中心。配当は 54 年連続で増え、2026 年は 4% 増、年の配当総額は約 79 億ドル(純利益の約 7 割)。自社株買いは 2026 年の見込みで約 10 億ドルと小さく、新しい 100 億ドルの枠(2030 年 2 月まで)は使い切る前提ではない。株式報酬は年約 4 億ドルで、株数は年 0.2〜0.3% ずつ減る程度。つまり正味の還元は配当にほぼ等しい。
純負債は 435 億ドルで時価総額比 24%(有利子負債 530・現金等 95)。借り換えで利払いが 10 年で約 8 億ドル増える(税前)。FCF は 2025 年に 77 億ドルで、配当 77 億ドルをほぼ賄う水準で、自社株買いは借金頼みに近い。
M&A はポッピ(poppi。約 20 億ドル。2025 年)、シエテ(Siete)、サブラ(Sabra)の残りの持ち分取得などが続くが、減損も多い。エリオットは瓶詰め部門の再フランチャイズや分離、非中核の食品の売却を求めた。会社は商品数約 2 割の削減と北米の供給網の見直し、人員削減に応じたが、分離には踏み込んでいない。分離や売却は未確定で、確率で扱う。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
ペプシコの食品と飲料は、世界で最も配荷が強い部類の事業で、北米で一度失った数量を取り戻す局面にある。2026 年 2 月の最大 15% の値下げで、塩味スナックの数量とシェアはすでに改善に転じ、7〜9 月期は価格だけが重しだった。値下げの効果が一巡し、一部の商品で低〜中の 1 桁の値上げに戻れば、フリトレーの営業利益率は 24% 台に戻る。PFNA は 65 億ドルの営業利益が 3 年で 76 億ドルへ、10 年では 116 億ドルへ伸びる。
国際は数量が年 +4〜6% で伸び、アジア太平洋は数量 +10%、EMEA +3% と勢いがある。国際の飲料フランチャイズは営業利益率 37% の軽い事業で、10 年で売上が 2 倍になる。ここで稼いだ利益が北米の再建の費用を賄う。
加えてエリオットとの合意で費用削減と商品数の約 2 割削減が進み、供給網の見直しが利益率を押し上げる。北米の飲料も瓶詰め網の効率化とポッピ・アラニ ヌーの取り込みで底を打つ。時価総額は 5 年先の成長を織り込めば、国債より高い利回りの優良な必需品として、資本コスト 8% の式なら 20 倍近い倍率が付く。楽観の 10 年後で時価総額は約 2.2 倍、配当を足せば年率 11% 前後と資本コストを上回る。
慎重な見方
ペプシコは、成熟した炭酸とスナックの会社が、価格競争と GLP-1 に挟まれて利益を削られている最中にある。2025 年はコア営業利益が数字の上で保たれたように見えるが、報告ベースでは 11% 減。2026 年は通期の見通しを引き下げ、7〜9 月期のコア営業利益 +3% は関税の払い戻し 4 ポイントのおかげで、それを除くと減益である。北米の食品は価格を下げて数量を買ったが、営業利益は 12% 減った。北米の飲料は数量が 3% 減り、ロックスターは減損、アラニ ヌーは取り決めの負担が重い。
値下げは一度やると戻しにくい。PB は棚で占有率を伸ばし、ウォルマートやコストコの交渉力は強まるばかり。値段を戻せなければ、利益率は 24% から戻らない。さらに GLP-1 の普及(成人の 13% 超)で、スナックと甘い飲料の数量が構造的に減る。炭酸は毎年 1〜2% 減る。買収(ポッピ・シエテ・ロックスター・Be & Cheery)は減損が続き、資本配分に疑いが残る。
財務も薄い。純負債は 435 億ドル、FCF 77 億ドルは配当 77 億ドルを賄うのがやっとで、借り換えで利払いは増える。自己資本が薄く、ROE が 50% 前後と高く見えるのは自社株買いの結果である。エリオットの合意は効果が出るまで時間がかかり、未達なら次の追加の費用削減が必要になる。PER が 15 倍まで下がったのは、市場がこの構図を織り込んでいるからで、倍率が戻る前提は甘い。
どちらに重みを置いたか
北米の足元の悪化(見通しの引き下げ、数量の減少、価格の引き下げ)は慎重な見方が強く、確率は悲観側に寄せた(10 年のやや悲観と悲観の合計 40%)。一方、国際の数量の伸びと、軽い飲料フランチャイズ、費用削減の余地、54 年連続の増配に表れる事業の安定は強気の見方に分がある。強気の確率は楽観・やや楽観で 24% に抑えた。北米スナックの価格を決める力の低下は、倍率を割り引くのでなく長期の g をコカ・コーラ(3.5%)より低い 3% に置き、事業の ROE(約 27%、コカ・コーラは約 32%)の低さと合わせて式に入れ、10 年後の中立は 15.2 倍とコカ・コーラ(20.5 倍)より 2 割台半ば低い。結論は「北米の再建の成否が値段を左右し、今の値段は適正」。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 180.23 ドル2,475 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 71.67 ドル984 億ドル)。 今の値に割り戻すと 132.26 ドル1,816 億ドル、今との差 −4.7%、 期待の年率 +6.1%(資本コスト 8.0%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 6% | 293.32 ドル4,027 億ドル | 83.76 ドル1,150 億ドル | +171.6% | +10.5% | 22.62 ドル311 億ドル |
| やや楽観 | 18% | 263.16 ドル3,613 億ドル | 80.12 ドル1,100 億ドル | +147.3% | +9.5% | 61.79 ドル848 億ドル |
| 中立 | 36% | 197.57 ドル2,713 億ドル | 75.75 ドル1,040 億ドル | +96.9% | +7.0% | 98.40 ドル1,351 億ドル |
| やや悲観 | 26% | 134.91 ドル1,852 億ドル | 67.73 ドル930 億ドル | +46.0% | +3.9% | 52.69 ドル723 億ドル |
| 悲観 | 14% | 64.73 ドル889 億ドル | 52.44 ドル720 億ドル | −15.6% | −1.7% | 16.40 ドル225 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 180.23 ドル2,475 億ドル | 71.67 ドル984 億ドル | +81.4% | +6.1% | 251.90 ドル3,459 億ドル |
今の株価時価総額 138.83 ドル1,906 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.0% を下回るほど割高。
楽観 6% 楽観:北米の再建に成功し、国際が 10 年で 1.8 倍になる 利益 230 億ドル · PER 17.5 倍 · 株価時価総額 293.32 ドル4,027 億ドル
10 年後(2035 年 12 月期)、PFNA は数量が 1.15 倍(値下げの戻りの後は GLP-1 の逆風の中で年 +0.9%)、価格は 1.35 倍(2026 年の値下げを数年かけて取り戻す)、営業利益率 26%(営業利益 111 億ドル)。PBNA は数量がほぼ横ばいで価格は物価並み 1.41 倍、営業利益率 16%(66 億ドル)。国際は数量が IB Franchise 1.55 倍、EMEA 1.3 倍、アジア太平洋 1.75 倍、中南米 1.12 倍で、営業利益は国際で計 155 億ドル。売上は 1,560 億ドル、営業利益 308 億ドル、純利益 230 億ドル(今のコアの約 2.1 倍)。10 年の正味還元は約 1,150 億ドル。成長が物価並みに落ち着いても式の 9 割で PER 17.5 倍。
- 北米の食品 PFNA(フリトレー・クエーカー):数量 80.5(北米の食品の販売重量(億ポンド、推定))× 価格 5.31(1 ポンドあたりの純売上(ドル))→ 売上 427 億ドル・営業利益 111 億ドル。数量 +0.9%/年(3 年目から)
- 北米の飲料 PBNA:数量 31.2(北米の販売ケース数(億ケース、288 オンス換算の推定))× 価格 13(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 414 億ドル・営業利益 66 億ドル。数量 +0.4%/年
- 国際の飲料フランチャイズ:数量 171(国際の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 0.64(1 ケースあたりの純売上(ドル、濃縮液ベース))→ 売上 109 億ドル・営業利益 41 億ドル。数量 +4.5%/年
- EMEA(欧州・中東・アフリカ):数量 260(EMEA の販売重量(億 kg 換算、食品と飲料の合計の推定))× 価格 1.27(1 kg あたりの純売上(ドル))→ 売上 330 億ドル・営業利益 61 億ドル。数量 +2.7%/年
- 中南米の食品 LatAm Foods:数量 89.6(中南米の食品の販売重量(億 kg、推定))× 価格 1.86(1 kg あたりの純売上(ドル))→ 売上 167 億ドル・営業利益 37 億ドル。数量 +1.1%/年
- アジア太平洋の食品:数量 105(アジア太平洋の食品の販売重量(億 kg、推定))× 価格 1.08(1 kg あたりの純売上(ドル))→ 売上 113 億ドル・営業利益 17 億ドル。数量 +5.8%/年
倍率:ROE 37.5%、k 8.00%(基本 8.0% + quality +0.0%)、残る割合 普通 1/2、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 22.7%、g 3.5%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 18.8 倍(来年の利益に対して)。北米の再建に成功する最良の筋書きだが、スナックの価格を決める力が一度落ちたので 9 割に置いた。上限の 9.0 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 17.5 倍。時価総額 = 純利益 230 億ドル × 17.5 倍 = 4027 億ドル。
確率:北米の数量と利益率が戻り、国際の数量が年 +4〜6% で 10 年続き、買収がブランドの穴を埋め、費用削減が定着する。10 年全部が当たる確率は小さい。
やや楽観 18% やや楽観:北米は利益率が少し戻り、国際の数量が伸びる 利益 206 億ドル · PER 17.5 倍 · 株価時価総額 263.16 ドル3,613 億ドル
10 年後、PFNA は数量 1.09 倍(3 年目から年 +0.4%)、価格 1.31 倍、営業利益率 25%(98 億ドル)。PBNA は数量が横ばいで価格 1.41 倍、営業利益率 15%(60 億ドル)。国際は数量が IB 1.5 倍・EMEA 1.26 倍・アジア太平洋 1.68 倍で、営業利益は国際で計 146 億ドル。売上は 1,487 億ドル、営業利益 278 億ドル、純利益 206 億ドル(今のコアの約 1.8 倍)。正味還元は約 1,100 億ドル。炭酸の減少はゼロ糖・エナジー・たんぱく質飲料で埋まり、国際の営業利益率が 1 ポイント上がる。PER 17.5 倍(g 3.5% の式の 9 割)。競合のコカ・コーラ・モンスター・ビバレッジとの差は縮まらないが、占有率は維持する。
- 北米の食品 PFNA(フリトレー・クエーカー):数量 76.3(北米の食品の販売重量(億ポンド、推定))× 価格 5.15(1 ポンドあたりの純売上(ドル))→ 売上 393 億ドル・営業利益 98 億ドル。数量 +0.4%/年(3 年目から)
- 北米の飲料 PBNA:数量 30.0(北米の販売ケース数(億ケース、288 オンス換算の推定))× 価格 13(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 398 億ドル・営業利益 60 億ドル。数量 +0.0%/年
- 国際の飲料フランチャイズ:数量 165(国際の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 0.64(1 ケースあたりの純売上(ドル、濃縮液ベース))→ 売上 106 億ドル・営業利益 39 億ドル。数量 +4.1%/年
- EMEA(欧州・中東・アフリカ):数量 252(EMEA の販売重量(億 kg 換算、食品と飲料の合計の推定))× 価格 1.27(1 kg あたりの純売上(ドル))→ 売上 320 億ドル・営業利益 57 億ドル。数量 +2.3%/年
- 中南米の食品 LatAm Foods:数量 87.2(中南米の食品の販売重量(億 kg、推定))× 価格 1.86(1 kg あたりの純売上(ドル))→ 売上 162 億ドル・営業利益 34 億ドル。数量 +0.9%/年
- アジア太平洋の食品:数量 101(アジア太平洋の食品の販売重量(億 kg、推定))× 価格 1.07(1 kg あたりの純売上(ドル))→ 売上 108 億ドル・営業利益 15 億ドル。数量 +5.3%/年
倍率:ROE 37.9%、k 8.00%(基本 8.0% + quality +0.0%)、残る割合 普通 1/2、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 22.9%、g 3.5%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 18.8 倍(来年の利益に対して)。配荷網とブランドは強いが、北米スナックの価格を決める力が落ちたので、上限の 9 割に置いた。上限の 9.0 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 17.5 倍。時価総額 = 純利益 206 億ドル × 17.5 倍 = 3613 億ドル。
確率:会社の長期の型(数量 +1%、価格ミックス +3〜4%)が続き、北米の費用削減が定着する。ただし北米の価格を決める力は完全には戻らない。
中立 36% 中立:北米は成熟した必需品、国際が成長を支え、利益は年 +5% 利益 178 億ドル · PER 15.2 倍 · 株価時価総額 197.57 ドル2,713 億ドル
10 年後、PFNA は数量が 1.02 倍(値下げで 3 年目までに年 +1.5% 買い戻した後は、GLP-1 の普及と自社ブランドで年 −0.3%。モンデリーズの北米・ハーシーの北米菓子と同じ置き方)、価格は 1.27 倍(物価 1.41 倍に届かない。値下げで 6% ほど低く、その後物価並み)、営業利益率 23.5%(営業利益 84 億ドル)。PBNA は数量 0.96 倍(炭酸の減少をエナジー・ポッピ・水・ゲータレードが一部補う)、価格 1.40 倍、営業利益率 13%(49 億ドル)。国際は数量が IB Franchise 1.44 倍、EMEA 1.22 倍、アジア太平洋 1.60 倍、中南米 1.07 倍で、営業利益は国際で計 135 億ドル。本社費 27 億ドル。売上 1,406 億ドル、営業利益 241 億ドル(率 17.1%)、純利益 178 億ドル(今のコアの 1.6 倍、年 +4.7%)。借り換えで利払いが 8 億ドル増える分を織り込む。競争はフリトレーの占有率 6 割・炭酸 2 割台半ばをほぼ維持。PER 15.2 倍は g 3%・k 8% の式の 8.5 割の「普通に強い必需品」。
- 北米の食品 PFNA(フリトレー・クエーカー):数量 71.6(北米の食品の販売重量(億ポンド、推定))× 価格 4.99(1 ポンドあたりの純売上(ドル))→ 売上 358 億ドル・営業利益 84 億ドル。数量 -0.3%/年(3 年目から)
- 北米の飲料 PBNA:数量 28.8(北米の販売ケース数(億ケース、288 オンス換算の推定))× 価格 13(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 379 億ドル・営業利益 49 億ドル。数量 -0.4%/年
- 国際の飲料フランチャイズ:数量 158(国際の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 0.64(1 ケースあたりの純売上(ドル、濃縮液ベース))→ 売上 101 億ドル・営業利益 36 億ドル。数量 +3.7%/年
- EMEA(欧州・中東・アフリカ):数量 244(EMEA の販売重量(億 kg 換算、食品と飲料の合計の推定))× 価格 1.26(1 kg あたりの純売上(ドル))→ 売上 308 億ドル・営業利益 52 億ドル。数量 +2.0%/年
- 中南米の食品 LatAm Foods:数量 85.6(中南米の食品の販売重量(億 kg、推定))× 価格 1.85(1 kg あたりの純売上(ドル))→ 売上 158 億ドル・営業利益 32 億ドル。数量 +0.7%/年
- アジア太平洋の食品:数量 96.0(アジア太平洋の食品の販売重量(億 kg、推定))× 価格 1.06(1 kg あたりの純売上(ドル))→ 売上 102 億ドル・営業利益 13 億ドル。数量 +4.8%/年
倍率:ROE 38.4%、k 8.00%(基本 8.0% + quality +0.0%)、残る割合 普通 1/2、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 23.2%、g 3.0%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 17.4 倍(来年の利益に対して)。配荷網とブランドは強いが、北米スナックの価格を決める力が落ち、炭酸の縮みと GLP-1 の逆風があるので、上限の 8.5 割に置いた。上限の 8.5 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 15.2 倍。時価総額 = 純利益 178 億ドル × 15.2 倍 = 2713 億ドル。
確率:業界ノートの中立(成熟品は名目年 +3.0%、新興国は数量 +3% 前後)に、北米スナックの値下げ(価格を決める力の低下)を織り込む。会社の長期の型の下側。
やや悲観 26% やや悲観:北米の価格が戻らず、数量も減って利益率が 15% に下がる 利益 131 億ドル · PER 14.1 倍 · 株価時価総額 134.91 ドル1,852 億ドル
10 年後、PFNA は数量 0.95 倍(3 年目から年 −0.8%)、価格 1.20 倍と物価に大きく届かず、営業利益率 21.5%(67 億ドル)。PBNA は数量 0.90 倍、価格 1.35 倍、営業利益率 11.5%(39 億ドル)。国際は数量の伸びが IB 1.3 倍、EMEA 1.1 倍、アジア太平洋 1.35 倍に鈍り、営業利益は国際で計 101 億ドル。売上 1,228 億ドル、営業利益 180 億ドル(率 14.7%)、純利益 131 億ドル(今のコアの 1.2 倍)。買収の減損が再び出る。10 年の正味還元は約 930 億ドルで、配当を保つため借金が増える。成長が名目 +3% に落ち、その先 g 2.5% の式の 8.5 割で PER 14 倍。
- 北米の食品 PFNA(フリトレー・クエーカー):数量 66.2(北米の食品の販売重量(億ポンド、推定))× 価格 4.72(1 ポンドあたりの純売上(ドル))→ 売上 312 億ドル・営業利益 67 億ドル。数量 -0.8%/年(3 年目から)
- 北米の飲料 PBNA:数量 27.0(北米の販売ケース数(億ケース、288 オンス換算の推定))× 価格 13(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 343 億ドル・営業利益 39 億ドル。数量 -1.0%/年
- 国際の飲料フランチャイズ:数量 143(国際の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 0.61(1 ケースあたりの純売上(ドル、濃縮液ベース))→ 売上 88 億ドル・営業利益 30 億ドル。数量 +2.7%/年
- EMEA(欧州・中東・アフリカ):数量 220(EMEA の販売重量(億 kg 換算、食品と飲料の合計の推定))× 価格 1.20(1 kg あたりの純売上(ドル))→ 売上 264 億ドル・営業利益 38 億ドル。数量 +1.0%/年
- 中南米の食品 LatAm Foods:数量 80.0(中南米の食品の販売重量(億 kg、推定))× 価格 1.75(1 kg あたりの純売上(ドル))→ 売上 140 億ドル・営業利益 26 億ドル。数量 +0.0%/年
- アジア太平洋の食品:数量 81.0(アジア太平洋の食品の販売重量(億 kg、推定))× 価格 1.00(1 kg あたりの純売上(ドル))→ 売上 81 億ドル・営業利益 7 億ドル。数量 +3.0%/年
倍率:ROE 38.6%、k 8.00%(基本 8.0% + quality +0.0%)、残る割合 普通 1/2、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 23.3%、g 2.5%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 16.2 倍(来年の利益に対して)。北米の価格が戻らない縮みは数量と利益率と g(2.5%)に入れてある。利益の質は中立と同じ 8.5 割に置いた。上限の 8.5 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 14.1 倍。時価総額 = 純利益 131 億ドル × 14.1 倍 = 1852 億ドル。
確率:PB と値下げ競争で北米のスナックの利益率が戻らず、GLP-1 で数量が縮み、国際の伸びも鈍る展開。2026 年の足元は、この道に入りかけている。
悲観 14% 悲観:北米の優良さを失い、営業利益が今を下回って PER 13 倍 利益 69 億ドル · PER 12.9 倍 · 株価時価総額 64.73 ドル889 億ドル
10 年後、PFNA は数量 0.83 倍、価格 1.10 倍(物価を大きく下回る)、営業利益率 17.5%(44 億ドル)。PBNA は数量 0.78 倍、価格 1.22 倍、営業利益率 8.5%(23 億ドル)。国際も数量はほぼ横ばいで、営業利益は国際で計 63 億ドル。売上は 958 億ドルと今の 1.02 倍、営業利益 101 億ドル(今のコアを下回る)、純利益 69 億ドル。配当は据え置き、自社株買いは止め、10 年の正味還元は 720 億ドル。ブランドと配荷網の資産は残るが、成長はほぼ止まる。PER 12.9 倍は、成長がほぼ止まった局面(g 2%)を式で解いた値の 8.5 割。
- 北米の食品 PFNA(フリトレー・クエーカー):数量 58.0(北米の食品の販売重量(億ポンド、推定))× 価格 4.33(1 ポンドあたりの純売上(ドル))→ 売上 251 億ドル・営業利益 44 億ドル。数量 -1.8%/年(3 年目から)
- 北米の飲料 PBNA:数量 23.4(北米の販売ケース数(億ケース、288 オンス換算の推定))× 価格 11(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 268 億ドル・営業利益 23 億ドル。数量 -2.5%/年
- 国際の飲料フランチャイズ:数量 121(国際の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 0.57(1 ケースあたりの純売上(ドル、濃縮液ベース))→ 売上 69 億ドル・営業利益 21 億ドル。数量 +1.0%/年
- EMEA(欧州・中東・アフリカ):数量 190(EMEA の販売重量(億 kg 換算、食品と飲料の合計の推定))× 価格 1.08(1 kg あたりの純売上(ドル))→ 売上 206 億ドル・営業利益 23 億ドル。数量 -0.5%/年
- 中南米の食品 LatAm Foods:数量 70.4(中南米の食品の販売重量(億 kg、推定))× 価格 1.58(1 kg あたりの純売上(ドル))→ 売上 111 億ドル・営業利益 17 億ドル。数量 -1.3%/年
- アジア太平洋の食品:数量 60.0(アジア太平洋の食品の販売重量(億 kg、推定))× 価格 0.89(1 kg あたりの純売上(ドル))→ 売上 53 億ドル・営業利益 3 億ドル。数量 +0.0%/年
倍率:ROE 28.9%、k 8.00%(基本 8.0% + quality +0.0%)、残る割合 普通 1/2、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 18.4%、g 2.0%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 14.9 倍(来年の利益に対して)。成長がほぼ止まった局面は g(2%)に入れてある。利益の質は中立と同じ 8.5 割に置いた。上限の 8.5 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 12.9 倍。時価総額 = 純利益 69 億ドル × 12.9 倍 = 889 億ドル。
確率:GLP-1・PB・小売の交渉力で北米の数量と価格を構造的に失い、国際の伸びも原料高と競争で食われ、買収の失敗が重なる展開。確率 1 割強。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
北米の食品 PFNA(フリトレー・クエーカー)
米国・カナダの塩味スナック(レイズ・ドリトス・チートス・トスティトス)とクエーカーのオートミール・シリアル。
| 数量北米の食品の販売重量(億ポンド、推定) | 価格1 ポンドあたりの純売上(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 70.0 | 3.93 | 275 | 66 |
| 10 年後 中立 | 71.6 | 4.99 | 358 | 84 |
取り方:売上 275.3 億ドル・コア営業利益 65.5 億ドル(率 23.8%)は 2025 年通期の決算(8-K)。重量 70 億ポンドは推定(売上 ÷ 1 ポンドあたり約 3.9 ドル)。数量は「米国の塩味スナック市場(約 240 億ドル)× シェア」で、フリトレーは小売売上の約 6 割(Packaged Facts、古い値)、ユーツ・キャンベル・PB が残りを分ける。2025 年の数量は −2%。2026 年 2 月に最大 15% 値下げ、後半は一部で値上げに戻す計画。価格の置き方は、値下げの分だけ物価(10 年 1.41 倍)を下回る。
北米の飲料 PBNA
米国・カナダの飲料。ペプシ・マウンテンデュー・ゲータレード・ブリスク・アクアフィナ・ロックスター・ポッピ。自社の瓶詰め網を持つ。
| 数量北米の販売ケース数(億ケース、288 オンス換算の推定) | 価格1 ケースあたりの純売上(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 30.0 | 9.40 | 282 | 33 |
| 10 年後 中立 | 28.8 | 13 | 379 | 49 |
取り方:売上 282.0 億ドル・コア営業利益 32.9 億ドル(率 11.7%)は 2025 年通期の決算。ケース数 30 億は推定(売上 ÷ 1 ケース約 9.4 ドル)。報告ベースの営業利益は 10.9 億ドルに崩れた(ロックスターの減損・ポッピの買収費用・関税。コアは前年比で +6%)。数量は「北米の飲料市場 × シェア」で、炭酸はコカ・コーラ約 45%・ペプシコ 2 割台半ば。数量は 2025 年に −3%、2026 年上半期も −3%。エナジーはロックスターが出遅れ、アラニ ヌーは流通を担当するだけで、セルシウス社が利益を握る。
国際の飲料フランチャイズ
米国外の飲料。濃縮液を現地の瓶詰め会社に売る軽い事業。
| 数量国際の販売ケース数(億ケース、推定) | 価格1 ケースあたりの純売上(ドル、濃縮液ベース) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 110 | 0.45 | 50 | 19 |
| 10 年後 中立 | 158 | 0.64 | 101 | 36 |
取り方:売上 50.0 億ドル・コア営業利益 18.6 億ドル(率 37%)は 2025 年通期の決算。ケース数 110 億は推定。濃縮液が中心で 1 ケースの売上は 0.45 ドルと低い。数量は「国際の飲料市場 × シェア」で、2026 年 4〜6 月は数量 +6%、上半期 +3%。コカ・コーラ(国際)に次ぐ 2 番手のブランドで、新興国でシェアを競う。価格は物価並みを基本とする。
EMEA(欧州・中東・アフリカ)
欧州・中東・アフリカの食品(ウォーカーズなど)と飲料。クエーカーも含む。
| 数量EMEA の販売重量(億 kg 換算、食品と飲料の合計の推定) | 価格1 kg あたりの純売上(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 200 | 0.90 | 180 | 26 |
| 10 年後 中立 | 244 | 1.26 | 308 | 52 |
取り方:売上 180.3 億ドル・コア営業利益 25.7 億ドル(率 14.3%)は 2025 年通期の決算。重量 200 億 kg は推定。食品と飲料を重量に換算して合計したもので、単価は幅がある。2025 年は乳製品・じゃがいも・食用油の高騰で営業利益が圧迫され、2026 年は数量 +3〜4%。数量は「EMEA の食品・飲料市場 × シェア」で、競合はモンデリーズ・インターナショナル、ネスレ、地場のスナック、コカ・コーラ(飲料)。価格は物価並みを基本とする。
中南米の食品 LatAm Foods
メキシコ・ブラジルなどのスナック(サブリタス・ドリトス・ガマサ・クエーカー)。
| 数量中南米の食品の販売重量(億 kg、推定) | 価格1 kg あたりの純売上(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 80.0 | 1.32 | 106 | 21 |
| 10 年後 中立 | 85.6 | 1.85 | 158 | 32 |
取り方:売上 105.5 億ドル・コア営業利益 21.4 億ドル(率 20.3%)は 2025 年通期の決算。重量 80 億 kg は推定。2025 年は為替と原料高で営業利益 −2%、2026 年上半期は営業利益 +19% と回復した。数量は「中南米のスナック市場 × シェア」で、メキシコでは塩味スナックのトップ、競合は地場とモンデリーズ。数量は 2026 年上半期で −1%。価格は物価並みを基本とする。
アジア太平洋の食品
インド・中国・東南アジアなどのスナック(レイズ・クエーカー)。
| 数量アジア太平洋の食品の販売重量(億 kg、推定) | 価格1 kg あたりの純売上(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 60.0 | 0.77 | 46 | 5 |
| 10 年後 中立 | 96.0 | 1.06 | 102 | 13 |
取り方:売上 46.3 億ドル・コア営業利益 4.6 億ドル(率 10%)は 2025 年通期の決算。重量 60 億 kg は推定。数量は 2026 年上半期に +10%、営業利益は 2 倍。Be & Cheery(中国)は減損を出した。数量は「アジア太平洋のスナック市場 × シェア」。まだ低い営業利益率が、規模の効果で上がる余地が大きい。価格は物価並みを基本とするが、新興国の競争で 10 年 1.38 倍とやや低く置く。
リスクと懸念
北米の食品の価格競争と利益率の低下
2026 年 2 月に最大 15% の値下げをしたが、7〜9 月期の PFNA は売上が横ばい、コア営業利益が 12% 減。数量は戻っても価格を戻せなければ、営業利益率は 24% から戻らない。小売が PB を押し、ウォルマートやコストコの交渉力が強まる。
北米の飲料の数量減と買収のつまずき
PBNA は数量が 2025 年に 3%、2026 年上半期に 3% 減った。炭酸は毎年 1〜2% 減り、GLP-1 が逆風。ロックスターは減損、アラニ ヌーは取り決めの負担、ポッピは買収費用がかさむ。エナジーで決め手を欠く。
GLP-1 とスナックの需要の減り
米国の成人の 13% 超が GLP-1 を使い、間食と甘い飲料が減る。スナックの市場は物価分しか伸びず、数量は構造的に縮みうる。低カロリー・たんぱく質の商品への入れ替えが遅れると、フリトレーの規模の利点が薄まる。
原料・関税と為替
アルミ缶・乳製品・じゃがいも・食用油・包装の価格と、米国の関税は粗利益率を数年単位で揺らす。2025 年は PBNA で関税が営業利益を 6 ポイント押し下げ、EMEA で乳製品・じゃがいも・食用油が 22 ポイント押し下げた。2026 年 7〜9 月期の関税払い戻しは一時的な追い風だった。
財務の薄さと配当の持続
純負債は 435 億ドル、FCF は 2025 年に 77 億ドルで配当の 77 億ドルとほぼ同じ。自社株買いは借金頼みに近く、借り換えで利払いが増える。減益が続くと、配当の増加ペースを保つために借金が増える。54 年連続の増配は守る前提だが、増加率は鈍る。
エリオットの要求と再編の実行
瓶詰め部門の再フランチャイズや分離、非中核の食品の売却は未確定で、実行の失敗や中途半端な分離は、価値を生まないまま混乱を招きうる。商品数の約 2 割削減や人員削減は、短期的に売上と士気を削る。2025 年 12 月の合意に取締役の席はなく、追加の要求が来る余地は残る。
国際の高インフレと通貨安
国際の数量が伸びても、アルゼンチン・トルコ・ナイジェリア・エジプトなどの通貨安と高インフレで、ドルの利益が目減りする。為替は筋書きで動かさないが、現地の価格転嫁が遅れる影響は利益率に出る。アジア太平洋の利益率が低いまま(10%)だと、成長が利益に結びつかず、物語が弱まる。
今後の分かれ目
- 北米の食品の数量が増え、価格を戻す値上げをしても数量が減らなかったら
- 営業利益率 24% への回復が見える。10 年のやや楽観・楽観の確率を上げ、倍率を 2〜3 倍上げて見てよい。
- 北米の食品の営業利益がさらに 2 四半期連続で前年を下回ったら
- 値下げが利益に結びつかず、価格を決める力の低下が構造的になっている。やや悲観・悲観の確率を上げ、PFNA の営業利益率を 2 ポイント下げて見直す。
- エリオットが求める瓶詰め部門の分離・再フランチャイズが決まったら
- 飲料の売上は減るが利益率と資本効率が上がる(IB Franchise 型に近づく)。PBNA の営業利益率を 3〜4 ポイント上げ、倍率を 1〜2 倍上げて見る。
- 北米の飲料の数量が 2 四半期連続で −3% を割ったら
- 炭酸の減少をエナジーとポッピが埋められていない。PBNA の数量を年 −1% に下げ、やや悲観の確率を上げる。
- 追加の構造的な費用削減の額が示されたら
- 額が年 20 億ドル以上で価格の引き下げに吸収されないなら、中立の営業利益率を 1 ポイント上げてよい。吸収されるなら織り込まない。
- 国際の数量が 2 四半期連続で伸びを割ったら(+2% 未満)
- 成長の主力が止まった。国際の数量を下げ、中立の純利益を 1 割下げて見直す。
- 買収で再び大きな減損が出たら
- 資本配分の質への疑いが強まる。ROE が高いままでも、買収で価値を壊す型として、確率を悲観側へ寄せる。
見ておくもの
- 北米の食品の数量・価格(実効価格)・営業利益率(PFNA)
- 北米の飲料の数量(炭酸・エナジー・水)と営業利益率(PBNA)
- 国際の数量(IB Franchise・EMEA・アジア太平洋)
- アルミ缶・乳製品・じゃがいも・食用油の価格と関税の払い戻し
- FCF と純負債、配当の増加率
- エリオットとの合意の実行(商品数の削減・瓶詰めの分離)
- 米国のエナジー・炭酸の占有率(Circana・Beverage Digest)と GLP-1 の普及率
倍率と資本コストの決め方
今の予想 PER 約 14 倍・時価総額 1,805 億ドルを見る前に、6 つのセグメントで数量(市場 × シェアとしての重量・ケース数)× 価格(物価並み 10 年 1.41 倍、北米スナックは値下げで 1.27 倍)を積み、営業利益率を置いて利益を作った。倍率は式 (1 − g/RONIC) ÷ (k − g) × (1 + g) どおりに置き(k 8.0%=基本 8.0% + quality 0)、北米スナックの価格競争力低下は長期の g(中立 3%)と、上限の 8.5 割という置き方に入れた(10 年後の中立は純利益の 15.2 倍、悲観は 12.9 倍。純負債は 1 ドルずつ引く)。今の倍率にも他社の倍率にも寄せていない。結果は適正と出たが、確率を慎重側(10 年の悲観側 40%)に寄せた点も反映した結果で、今の株価に合わせたものではない。k − g が 5% と薄く、k が 1% 上がれば倍率は 2 割弱下がる点は確信度を下げる要因として書いた。
資本コスト 8.0% = 無リスク金利 5% + β 0.60 × 5%。k = 基本 8.0% + quality 0 = 8.0%(SCHEMA_US §1)。需要の安定を、借金の利払いと炭酸・スナックの縮みで打ち消した。事業は傾いておらず、信用格付けも高いので上乗せはしない。北米の価格競争・GLP-1・買収の読み違えなどの個別のリスクは k に足さず、筋書き(数量・利益率)と確率に入れた。
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