株譜
AI 銘柄分析 · 生活必需品 · 試作

ユニリーバ UL

世界的な日用品ブランドと新興国での数量成長は魅力だが、食品事業の再編と値上げ力の限界を考えると安全域は薄い。10年の本質価値ではやや割高

やや割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)57.53 ドル1,263 億ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-30)65.3 ドル1,433 億ドル差 −11.8%
10 年後から見ると やや割高 価値 57.53 ドル1,263 億ドル · 差 −11.8% · 期待の年率 +5.9%
期待の年率リターン(10 年)+5.9%資本コスト比 −1.6 pt
推定の資本コスト7.5%期待の年率と比べる目安

期待の年率は、5つの筋書きから求めた期待CFのIRRです。期間の還元・追加負担を中間時点、終価を期間末に置く仮定で、価値の割引時期とそろえています。実際の配当日を予測した値や、筋書きごとのIRRの平均ではありません。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの終価と還元を確率で加重し、資本コスト 7.5% で今の値に割り戻したものです。

利益と必要資本から、将来の留保余力を見込む場合があります。この推定は、維持更新投資や運転資金、借換後の現金計画を確認した値ではありません。

留保余力の推定による上乗せは、算定価値の約1.3%です。同じモデル内の上乗せ分の割合で、実現する現金額や割高・割安を示すものではありません。

総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

終価・還元は現在株主全体の取り分です。1株表示は現株数への換算で、還元には配当・自社株買いを含みます。持分・支払時点は簡略化しており、買戻しに売却参加せず同じ株数を持ち続ける場合の将来株価・受取配当とは別です。

結論

ユニリーバは、ダヴ、レクソナ、ワセリン、サンシルク、アックス、パーシル、クノール、ヘルマンズなどを世界で販売する生活必需品企業である。筆者の結論は、長く保有できる優良事業だが、現在の値段には十分な安全域がなく、やや割高というものだ。ブランドの強さは本物だが、そのすべてが将来の数量成長や値上げに結び付くわけではない。

2025年12月期の添付財務データでは、売上570億ドル、営業利益114億ドル、純利益69億ドルである。アイスクリーム事業の分離後、事業は美容・ウェルビーイング、パーソナルケア、家庭用品、食品の4部門になった。2026年上期の既存事業売上は4.8%成長し、数量・構成の寄与が4.2%だった。第2四半期には数量成長が5.5%まで加速しており、ブランドの競争力は改善している。

最大の変化は、2026年3月に合意したマコーミックとの食品事業統合である。2027年半ばまでの完了を目指すが、現時点では未成立だ。成立すれば、ユニリーバ株主は統合後のマコーミック株式を受け取り、ユニリーバ本体は美容・パーソナルケア・家庭用品に集中する。これは単なる売却ではなく、株主が保有する事業の組み替えである。

未成立の取引を利益や現金に先取りせず、現有4事業の経済価値を基準にすると、2036年の中立は売上約822億ドル、純利益約99億ドルとなる。10年間の正味還元は約706億ドルを見込む。資本コスト7.5%で5つの筋書きを評価した本質価値は約1,246億ドルとなり、添付の時価総額1,454億ドルを約14%下回る。期待される年率リターンは約4.6%である。事業への確信は比較的高いが、価格への確信はそこまで高くない。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、ユニリーバは10年後も必要とされる事業を数多く持つ。洗濯、身体の衛生、歯磨き、調理は一時的な流行ではない。世界の人口と所得が増えれば、使用回数や高価格品の購入も増える。技術が変わっても商品そのものを使う需要は残りやすく、ブランドへの信頼は長い時間をかけて積み上がる。

ただし、優良企業と優良投資は同じではない。消費者は値上げに反応する。品質差が小さい洗剤なら安い商品へ移るし、高級美容なら新しいブランドへ乗り換える。強い堀があるのは確かだが、すべての部門でその堀が広がっているわけではない。米国制汗剤の過去のシェア低下は、ブランドを永久に強いものとして扱ってはいけない証拠である。

オーナー利益の目安は、2025年の純利益約69億ドルとフリーキャッシュフロー約74億ドルにある。設備を維持し、ブランドへ広告費を投じた後でも、多くの現金を株主へ返せる。資本コストより高いROICは魅力的だが、今後の買収や新商品に同じ利回りが保証されるわけではない。事業規模が大きいほど、高い追加投資利回りを保つことは難しくなる。

筆者が特に重視するのは、資本配分である。食品の再編が成立すれば、株主は本体と新しい食品会社の両方を保有することになる。経営がその価値を現金と株式で適切に配分できれば、再編には意味がある。ただし、取引完了前の価値を利益に重ねて評価することはしない。

安定した生活必需品の需要、高い資本効率、相応の株主還元は長期保有に向く。しかし、予想が外れた場合でも資本コストを十分に上回る利回りを得られるかと問うと、現在の値段は魅力に欠ける。価格が本質価値を下回る安全域が欲しい。

何で稼ぐ会社か

ユニリーバの収益は、消費者が日々使う商品を大量に売ることで生まれる。売上の基本は販売数量と平均単価の積である。人口、世帯数、衛生習慣、新興国の所得が数量を左右し、ブランド力、製品改良、容量変更、高価格品への移行が単価を左右する。スーパー、ドラッグストア、卸売業者、電子商取引、業務用販売が主要な販路となっている。

美容・ウェルビーイングは、ダヴ、サンシルク、ワセリンに加え、ニュートラフォル、リキッドI.V.、高級美容ブランドなどを持つ。2025年の売上は約145億ドルで、4部門の中でも新しい消費習慣を作る余地が大きい。ただし、高級美容やサプリメントは流行と競争の影響を受けやすく、日用品ほど需要を予測できない。

パーソナルケアは約149億ドルの売上を持ち、ダヴの石けんやボディウォッシュ、レクソナの制汗剤、アックス、ラックス、ペプソデントなどを販売する。肌を洗う、体臭を抑える、歯を磨くという需要は10年後も残る。ダヴのように複数のカテゴリーへ広がれるブランドは、広告投資を繰り返し活用できる点で価値が高い。

家庭用品は約131億ドルの売上で、洗濯洗剤、柔軟剤、食器洗い洗剤、住居用洗剤を扱う。パーシル、コンフォート、サンライト、シフ、ドメストスなどが中心だ。インド、ブラジル、インドネシアなどでは洗濯習慣の高度化が数量を支える。反面、低価格品との違いが消費者に見えにくい場合、値上げを続けることは難しい。

食品は約146億ドルの売上を持ち、クノール、ヘルマンズなどの調味料、スープ、マヨネーズ、業務用食品を販売する。成熟市場では数量が伸びにくいが、調理補助製品や外食向けには安定した需要がある。2026年3月に合意したマコーミックとの統合が成立すれば、この部門の大半はユニリーバの連結対象から外れる。

2025年の4部門の売上は会社開示をドル換算すると添付の570億ドルと整合する。一方、添付の営業利益114億ドルは会社の基礎的営業利益に近く、報告営業利益とは差がある。事業別の比較では基礎的営業利益を出発点にし、純利益では金融費用、税金、非基礎的費用、少数株主持分を考慮する。

優良さと弱いところ

堀、つまり競合が簡単にまねできない強みは、世界的なブランド、流通網、広告投資、製品開発力である。ダヴやワセリンは長年の使用実績があり、消費者は安さだけでは商品を選ばない。大手小売にとっても、こうしたブランドを棚から外すことは容易ではない。地域ごとに異なる価格帯の商品を用意できることも、世界規模のメーカーならではの強みだ。

値上げの実績にも証拠がある。2022年と2023年は原材料インフレの中で価格を大きく引き上げ、利益率を守った。一方、2025年の既存事業売上成長3.5%の内訳は数量1.5%、価格2.0%である。2026年上期は数量4.2%に対して価格0.6%となり、成長の中心が数量へ移った。値上げだけで利益を増やし続けられる会社ではないことも明らかだ。

資本効率は良好である。会社が開示する2025年の基礎的ROICは19.0%で、今回の資本コスト7.5%を大きく上回る。ただし、買収で生まれたのれんや自己株式取得による自己資本の縮小も、帳簿上のROEを高く見せる。過去のROE約37%がそのまま新規投資に再現されるとは考えない。追加投資の利回りは既存事業より低くなる余地がある。

経営陣は30の重点ブランドへ資金を集中しており、これらは売上の78%を占める。2026年上期には重点ブランドの数量成長が5.4%に達した。これはブランド投資が実際の販売数量につながった証拠である。反面、ブランド買収や事業売却を繰り返すため、組織の複雑さと一時費用が生じやすい。

AIエージェント代替の指定業態には該当しない。消費者が洗剤や制汗剤そのものを使わなくなるわけではないからだ。AIによる広告制作や需要予測の効率化は進むが、ブランドへの信頼、製品性能、製造能力、店頭流通という堀は残る。ただし、広告制作の低コスト化は競合にも利益をもたらし、小規模ブランドが消費者を獲得しやすくなる可能性がある。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

世界の家庭用品・パーソナルケア市場は成熟しているが、数量が一様に減る産業ではない。北米と欧州では世帯数や使用回数が安定する一方、インド、東南アジア、アフリカでは所得の増加によって使用量や商品単価が上がる。ユニリーバは新興国への展開が深く、北米中心の競合とは数量の成長余地が異なる。2026年上期の新興国売上は既存事業ベースで7.0%成長した。

美容市場ではロレアルが有力な競争相手である。同社の市場資料では世界の美容市場は2025年に約3,000億ユーロ規模とされ、ロレアルは世界シェアを2020年の約10.2%から2025年には11.9%へ伸ばした。ユニリーバの美容事業は量販品と新興国に強いが、科学的効能を訴求する高級品ではロレアル、エスティ ローダー、資生堂などとの競争が続く。

パーソナルケアでは、米国の制汗剤市場が堀の強さと限界を示す。ユーロモニターの2026年調査では、ユニリーバの米国市場シェアは2020年の41%から2025年の36%へ低下した。同期間にプロクター・アンド・ギャンブルは31%から33%へ上昇した。ユニリーバは2026年上期に米国制汗剤市場で首位へ戻ったと説明しているが、過去のシェア喪失が解消したとまでは言えない。

家庭用品ではプロクター・アンド・ギャンブル、ヘンケル、花王、チャーチ・アンド・ドワイトなどが競う。世界の洗濯用品市場は2025年に約1,126億ドルという外部推計があり、同資料ではプロクターの市場シェアが35.1%、ユニリーバが15.0%とされる。ただし、これは洗濯用品の推計であり、家庭用品部門全体のシェアとは異なる。プロクターの家庭・洗濯用品はユニリーバより規模が大きく、製品開発費と広告費をかけられる。

食品では、世界のソース・ドレッシング・調味料市場だけで2025年に約1,697億ドルという推計がある。ここへスープや調理補助食品を加えると対象市場はさらに広がる。クラフト・ハインツ、ネスレ、マコーミック、地域ブランドが競合する。ヘルマンズは成熟市場で認知度が高いが、2026年上期には米国の高級マヨネーズやアボカド油製品でシェアを失っており、ブランドが強くても商品革新を止めれば負ける。

業界全体の課題は、小売の自社ブランド、ネット通販、新興国のローカル企業、原材料価格、包装材規制である。小売の集中はメーカーの交渉力を削るが、有名ブランドは棚への集客力を持つため、完全に価格を支配されるわけではない。中立では、世界の日用品数量が緩やかに増え、価格は物価並みかやや下で伸びると考える。ユニリーバは美容でシェアを守り、制汗剤で一部を取り戻し、家庭用品では低価格競争との均衡を保つ。

資本政策と M&A

ユニリーバの資本配分は、ブランドへの再投資、配当、自社株買い、小型買収を組み合わせるものである。2025年には約60億ユーロを配当と自社株買いで還元した。2026年上期には15億ユーロの自社株買いを完了している。会社は中期的に配当性向約60%、2026〜2029年の自社株買い総額60億ユーロ、年間約15億ユーロの小型買収を方針として示している。

過去10年の買収と売却は評価が分かれる。ホーリックスや高級美容・ウェルビーイング事業への投資は成長領域を増やしたが、買収価格が高ければ、その後の利益が伸びても株主価値は増えにくい。茶事業の売却、2025年のアイスクリーム事業分離など、以前取得した事業を整理する動きも続いている。成長性を高める方向は妥当だが、過去の買収がすべて成功だったとは見ない。

2026年3月には、食品事業の大部分をマコーミックと統合する契約を締結した。公表条件では、ユニリーバと既存株主が統合会社の65.0%を受け取り、そのうち55.1%が既存株主へ直接配分される。ユニリーバ本体は9.9%を保有し、さらに157億ドルの現金を受け取る予定である。2026年10月時点では当局審査や相手側株主承認が残り、2027年半ばまでの完了が目標だ。食品の利益、分配される株式、現金売却代金を同時に全額足すことはできない。

2025年末の添付データでは純負債は265億ドルである。2026年6月末の会社開示では純負債は260億ユーロとなり、基礎的EBITDAの2.3倍に増えた。借金は過大とまでは言えないが、金融費用の上昇によって成長投資と還元の自由度は小さくなる。支配株主による特殊な議決権支配はなく、普通株とADRの経済的持分は同じである。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

ユニリーバのブランド群は、世界の生活必需品産業でも非常に強い。洗剤、石けん、制汗剤、ヘアケアという繰り返し購入される商品を持ち、景気が悪くなっても消費が消えない。2026年上期には販売数量が明確に改善した。特に家庭用品の数量成長は7.4%に達し、インドやブラジルで競争力を取り戻している。これは単なる値上げではなく、消費者が実際に商品を買う量が増えたということだ。

成長領域もある。美容・ウェルビーイングではダヴ、ワセリン、サンシルク、高級美容、栄養補助食品が需要を広げられる。2026年上期には美容・ウェルビーイングの既存事業売上が5.9%成長した。ロレアルの強さは無視できないが、ユニリーバには新興国の幅広い所得層へ商品を売る経験がある。商品の効能を高め、使用習慣を増やせば、数量と平均単価の両方が伸びる。

経営の改革にも意味がある。30の重点ブランドに資金を集中し、売上の伸びが弱いブランドや市場を整理する。広告・研究開発・設備投資を組み合わせた投資を続けながら、2025年の基礎的営業利益率は20%へ改善した。2026年上期も20%台を維持している。食品の再編が予定どおり進めば、本体の事業構成は成長性の高いカテゴリーへ傾く。

世界の名目需要が物価と数量増加で年4%程度伸びれば、10年で売上は大きく増える。重点ブランドがシェアを維持し、高価格品を増やせれば、営業利益は売上より速く伸びる。ROICが資本コストを上回る状態が続くため、利益の一部を再投資しながら配当と自社株買いを続けられる。

食品のマコーミック統合も、価値を壊すだけの売却ではない。既存株主は統合後の会社の株式を受け取り、食品ブランドの経済価値を引き続き保有する。規模の拡大と流通の相乗効果が実現すれば、独立した食品事業より高い収益力を得る余地もある。生活必需品の需要、世界的なブランド、新興国の数量成長がそろう会社として、長期の競争力を高く評価できる。

慎重な見方

ユニリーバの過去の強さを将来へそのまま延ばすことは危険である。売上は長い期間を通じて大きく伸びておらず、その間に多くの事業売却と買収が行われた。売上の増減には為替と事業構成の変更が混ざっている。2026年上期の数量成長は優れた結果だが、その一部にはブラジルでの価格競争力回復や販促の効果がある。高い成長率が10年続くとは限らない。

ブランドの衰えはゆっくり進む。米国の制汗剤では2020年から2025年にかけて市場シェアが低下した。ダヴやレクソナが有名でも、プロクター・アンド・ギャンブルや新興ブランドはより魅力的な商品を作れる。ネット通販では小規模メーカーも顧客へ直接届く。広告制作や販売分析のAI化は競合の参入費用を引き下げ、これまで規模の大きさで守られていた優位を弱める。

家庭用品では、コストコやアマゾンの自社ブランド、地域ごとの低価格メーカーが競争を強める。新興国で数量が増えても、価格の低い商品が中心なら利益の伸びは限定される。原材料や包装材の値上がりを販売価格へ転嫁すると数量が減り、転嫁しなければ利益率が下がる。2026年上期の価格寄与0.6%は、物価3.5%を継続して転嫁できると断定できない理由である。

資本政策にも不確実性がある。2025年末の純負債は大きく、2026年上期にはさらに増えた。高い金利で借り換えると、営業利益が増えても株主の純利益が期待ほど増えない。過去の買収で生まれたのれんと商標権の価値も、事業の成長率が落ちれば減損の対象になる。

食品再編は特に慎重に見る必要がある。取引には競争当局の承認が必要であり、英国でも審査が始まっている。統合後の食品会社には相応の借金が残り、費用削減と事業統合が計画どおり進まなければ、株主へ配分される持分の価値は低下する。経営が美容・ウェルビーイングへの買収を続け、投資利回りが悪化すれば、見かけの成長はあっても株主価値は増えない。優良ブランドへの期待が高いほど、その失望は大きくなる。

どちらに重みを置いたか

事業が長く存続するという点では、強気の見方が優勢である。2026年の数量回復は重要な証拠であり、プロクターなどと競いながら世界的なブランドを守る力もある。しかし、価格決定力は無制限ではなく、食品再編には大きな未確定要素が残る。確率は楽観側27%、中立35%、悲観側38%と慎重な側へ寄せた。これは需要そのものが消えるからではなく、シェア、利益率、資本配分の複数の不確実性があるためだ。資本コストは品質に応じて7.5%とし、再編の実行リスクは確率と利益の筋書きで表した。期待値では現在の時価総額を約14%下回り、やや割高と判断する。

10 年後の 5 つの筋書き(2036/12 期)

確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 75.80 ドル1,664 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 29.80 ドル654 億ドル)。 今の値に割り戻すと 57.53 ドル1,263 億ドル、今との差 −11.8%、 期待の年率 +5.9%(資本コスト 7.5%)→ やや割高

筋書き確率10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価還元の換算額還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・還元込み年率確率 × (終価+還元)
楽観 7% 140.36 ドル3,081 億ドル 36.90 ドル810 億ドル +171.6% +12.2% 12.41 ドル272 億ドル
やや楽観 20% 111.29 ドル2,443 億ドル 35.76 ドル785 億ドル +125.3% +10.0% 29.41 ドル646 億ドル
中立 35% 86.38 ドル1,896 億ドル 32.16 ドル706 億ドル +81.6% +7.3% 41.49 ドル911 億ドル
やや悲観 26% 42.66 ドル937 億ドル 26.42 ドル580 億ドル +5.9% +0.7% 17.96 ドル394 億ドル
悲観 12% 19.92 ドル437 億ドル 16.17 ドル355 億ドル −44.7% −7.1% 4.33 ドル95 億ドル
加重平均100% 75.80 ドル1,664 億ドル29.80 ドル654 億ドル +61.8% +5.9% 105.60 ドル2,318 億ドル

今の株価時価総額 65.26 ドル1,433 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。

楽観 7% 楽観:新興国の数量成長と高価格化が定着する 利益 140 億ドル · PER 21.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 140.36 ドル3,081 億ドル

2036年には、美容・ウェルビーイングの販売数量が現在の約1.37倍、パーソナルケアが約1.31倍になる。インド、東南アジア、アフリカで日用品の使用量が増え、北米ではダヴやワセリンが高価格商品の市場を広げる。ロレアルとは異なる価格帯と販路で顧客を獲得し、制汗剤ではプロクター・アンド・ギャンブルからシェアを取り戻す。数量増加は広告費の伸びを上回り、営業利益率を改善させる。

家庭用品も新興国で販売数量を増やし、洗剤の濃縮化や高機能化によって単価を引き上げる。食品はクノールとヘルマンズのブランド価値が維持され、競合との競争でも数量を伸ばす。会社全体の売上は約1,008億ドル、営業利益は約229億ドル、純利益は約140億ドルに達する。ブランド投資と製品開発の成果が繰り返し販売につながり、高い資本効率が残る。

マコーミックとの食品統合については、未成立のため相手企業の利益や売却代金を上乗せしない。現有食品事業の経済価値を継続して保有する比較用の筋書きである。取引成立後は分配株式と本体の価値に分けて評価し直す必要がある。10年間の正味還元は810億ドルを見込む。大型買収による過度な借金を避け、株主への還元と成長投資の両方が成立する。

  • 美容・ウェルビーイング:数量 34.3(販売数量(億個、標準容器・包装換算の推計))× 価格 8.34(標準容器・包装1個当たり平均メーカー販売単価(ドル、推計))→ 売上 286 億ドル・営業利益 66 億ドル。数量は年約3.2%成長。新興国の市場拡大とシェア獲得を合わせる。価格は年約3.7%上昇し、高級美容とウェルビーイングの構成比が高まる。
  • パーソナルケア:数量 58.7(販売数量(億個、標準容器・包装換算の推計))× 価格 4.75(標準容器・包装1個当たり平均メーカー販売単価(ドル、推計))→ 売上 279 億ドル・営業利益 70 億ドル。数量は年約2.7%成長。米国制汗剤のシェア回復と新興国の使用量増加が続く。価格は年約3.7%上昇する。
  • 家庭用品:数量 70.3(販売数量(億個、標準包装換算の推計))× 価格 3.07(標準包装1個当たり平均メーカー販売単価(ドル、推計))→ 売上 216 億ドル・営業利益 39 億ドル。数量は年約1.6%成長。インドとブラジルで市場の拡大とシェア向上が進む。単価は年約3.5%上昇する。
  • 食品:数量 78.9(販売数量(億個、標準包装・業務用換算の推計))× 価格 2.89(標準包装・業務用換算1個当たり平均メーカー販売単価(ドル、推計))→ 売上 228 億ドル・営業利益 55 億ドル。数量は年約1.2%成長。調理補助食品と新興国の食品需要が増える。単価は年約3.3%上昇する。未成立の統合企業の利益は含まない。

倍率:2036年の帳簿ROEは140.39÷412.4=34.0%。資本コストk=7.5%、strongの超過収益残存割合2/3からRONIC=25.2%。長期の名目成長g=3.8%は市場数量約1.0%、シェア・製品構成約0.3%、実現価格約2.5%という成熟後の事業条件から導く。正当化PER=(1−g/RONIC)÷(k−g)×(1+g)=約23.8倍。利益の質を高く評価するが、競争が残るため上限の約90%である21.5倍を採用する。140.39億ドル×21.5倍=3,018.38億ドル。純現金の上乗せはない。

確率:美容・パーソナルケア・家庭用品が同時に数量とシェアを伸ばし、利益率も改善する筋書き。2026年上期は好調だが、この状態が10年間続くには競合への継続的な勝利が必要なため7%とした。

やや楽観 20% やや楽観:重点ブランドが順調に成長する 利益 119 億ドル · PER 20.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 111.29 ドル2,443 億ドル

美容とパーソナルケアでは、新興国の所得成長に合わせて販売数量が増え、ダヴやワセリンの高価格商品が定着する。世界の美容市場ではロレアルが主導権を持ち続けるが、ユニリーバは量販価格帯とデジタル販路で独自の顧客を維持する。米国の制汗剤ではプロクターとシェアを分け合い、2025年の弱さから一部を回復する。

家庭用品ではインドとブラジルが数量成長を支える。世界の洗濯用品市場ではプロクターが規模の優位を維持するが、ユニリーバは新興国の流通網を生かして成長する。食品では先進国の需要が伸び悩む一方、調理補助食品と業務用販売が堅調に推移する。既存事業の利益率は緩やかに改善し、全社営業利益率は約21.4%となる。

会社全体の売上は約922億ドル、営業利益は約197億ドル、純利益は約119億ドルに増える。2026年時点の大きな数量回復がそのまま10年間続くわけではないが、ブランドへの投資と製品改良の成果が残る。食品統合は未成立のため、相手企業の利益や予定売却代金を先取りしない。株式報酬と増資を差し引いた正味還元は10年間で785億ドルとなり、株主は現金を受け取りながら事業の成長にも参加できる。

  • 美容・ウェルビーイング:数量 31.1(販売数量(億個、標準容器・包装換算の推計))× 価格 8.18(標準容器・包装1個当たり平均メーカー販売単価(ドル、推計))→ 売上 254 億ドル・営業利益 55 億ドル。数量は年約2.2%、価格は年約3.5%の上昇。高級美容の構成比拡大が継続する。
  • パーソナルケア:数量 53.8(販売数量(億個、標準容器・包装換算の推計))× 価格 4.66(標準容器・包装1個当たり平均メーカー販売単価(ドル、推計))→ 売上 250 億ドル・営業利益 59 億ドル。数量は年約1.8%、価格は年約3.5%の上昇。制汗剤のシェアをおおむね維持する。
  • 家庭用品:数量 66.9(販売数量(億個、標準包装換算の推計))× 価格 3.04(標準包装1個当たり平均メーカー販売単価(ドル、推計))→ 売上 203 億ドル・営業利益 34 億ドル。数量は年約1.1%、価格は年約3.4%の上昇。新興国が数量を支える。
  • 食品:数量 74.3(販売数量(億個、標準包装・業務用換算の推計))× 価格 2.89(標準包装・業務用換算1個当たり平均メーカー販売単価(ドル、推計))→ 売上 214 億ドル・営業利益 50 億ドル。数量は年約0.6%、価格は年約3.3%の上昇。成熟市場の弱さを新興国が補う。

倍率:2036年の帳簿ROEは36.2%、k=7.5%、strongの残存割合2/3からRONIC=26.7%。長期g=3.5%は市場数量約0.6%、シェア・製品構成約0.2%、価格約2.7%の合成であり、ROEから成長を導いていない。正当化PERは10年目の利益に対し約22.5倍となる。成長の一部が成熟することを考え、上限の約91%である20.4倍を採用する。時価総額は118.63億ドル×20.4倍=2,420.05億ドル。

確率:2026年上期の販売数量の改善が定着し、インド・米国・ブラジルで一定のシェアを維持する筋書き。数量回復の証拠があるため2割の確率を与える。

中立 35% 中立:ブランドを守り、物価と緩やかな数量成長で伸びる 利益 99 億ドル · PER 18.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 86.38 ドル1,896 億ドル

美容・ウェルビーイングは、新興国の人口と所得の増加、高価格ヘアケア、スキンケア、健康関連商品の普及で数量が年1%強伸びる。ロレアルや地域の美容企業との競争は続くが、ダヴやワセリンが持つ量販価格帯の優位は残る。パーソナルケアでは米国制汗剤のシェアをおおむね守り、インドや東南アジアで使用量が増える。ただし、単価の上昇率は物価をやや下回る。

家庭用品は世界の使用量が少し増える一方、低価格品や自社ブランドが数量シェアの一部を奪う。インドやブラジルの成長が成熟国の停滞を補い、全体の数量成長は年0.3%程度にとどまる。食品は先進国の需要が弱く、数量は横ばいになる。価格は緩やかに上昇するが、クラフト・ハインツなどとの競争で高い値上げは続かない。

2036年の売上は約822億ドル、営業利益は約167億ドル、純利益は約99億ドルとなる。ブランド力は損なわれず、営業利益率は現在とほぼ同水準を保つ。株主への正味還元は10年間で約706億ドルとなり、内部留保は成長投資と財務の維持に充てられる。食品再編については、未成立の段階でマコーミックの利益や売却代金を先取りせず、現在の食品事業の経済価値を比較可能な形で残す。成立後は本体価値と分配株式を分けて再評価する必要がある。

  • 美容・ウェルビーイング:数量 28.4(販売数量(億個、標準容器・包装換算の推計))× 価格 8.02(標準容器・包装1個当たり平均メーカー販売単価(ドル、推計))→ 売上 228 億ドル・営業利益 46 億ドル。数量は年約1.3%増加。市場成長約1.5%からシェアの小幅低下を引く。価格は年約3.3%増加する。
  • パーソナルケア:数量 48.7(販売数量(億個、標準容器・包装換算の推計))× 価格 4.52(標準容器・包装1個当たり平均メーカー販売単価(ドル、推計))→ 売上 220 億ドル・営業利益 50 億ドル。数量は年約0.8%増加。新興国の成長と先進国の成熟を相殺する。価格は年約3.2%増加する。
  • 家庭用品:数量 61.8(販売数量(億個、標準包装換算の推計))× 価格 2.92(標準包装1個当たり平均メーカー販売単価(ドル、推計))→ 売上 181 億ドル・営業利益 28 億ドル。数量は年約0.3%増加。新興国の市場拡大から低価格競争によるシェア喪失を差し引く。価格は年約3.0%増加する。
  • 食品:数量 70.0(販売数量(億個、標準包装・業務用換算の推計))× 価格 2.75(標準包装・業務用換算1個当たり平均メーカー販売単価(ドル、推計))→ 売上 192 億ドル・営業利益 43 億ドル。数量は横ばい。新興国での需要増加と成熟市場での数量減少が相殺する。価格は年約2.8%増加する。

倍率:2036年の帳簿ROEは99.46÷312.4=31.8%。k=7.5%、強い堀の残存割合2/3からRONIC=23.7%。長期g=3.2%は、成熟後の世界市場数量約0.5%、シェア変化約−0.2%、実現価格約2.9%から導く。これはROEや市場評価倍率から出した成長率ではない。正当化PER=(1−0.032÷0.237)÷(0.075−0.032)×1.032=約20.8倍。ブランドの持続性を評価しつつ、買収と競争の不確実性を考慮して上限の約90%である18.7倍とする。99.46億ドル×18.7倍=1,859.90億ドル。純現金の上乗せはない。

確率:世界の日用品需要が緩やかに増え、ユニリーバは新興国で数量を増やす一方、先進国で一部シェアを失う。2026年の高い数量成長は次第に正常化すると考え、最も確率を厚くした。

やや悲観 26% やや悲観:シェアを失い、値上げが物価に届かない 利益 70 億ドル · PER 12.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 42.66 ドル937 億ドル

美容ではロレアルと地域の新興ブランドが高価格品の顧客を奪う。ダヴやワセリンは残るが、高価格品の伸びが期待を下回り、販売数量は緩やかに減る。パーソナルケアではプロクター・アンド・ギャンブルが米国の制汗剤や身体用洗浄品でシェアを伸ばし、ユニリーバの数量は年0.6%程度減少する。ブランドの認知度は残っても、棚を維持するための販促費が増える。

家庭用品はさらに弱い。小売の自社ブランドや地域の洗剤メーカーが価格差を広げる。新興国の使用量増加だけではシェア低下を補えず、数量は年1%程度減少する。食品もクラフト・ハインツや地域企業との競争で数量を失い、価格上昇率は物価を下回る。

2036年の売上は約685億ドルにとどまり、営業利益は約121億ドル、純利益は約70億ドルとなる。需要が消えるわけではないが、現在と比べて企業の競争上の地位が弱まっている。配当は維持を優先しながら自社株買いを減らし、10年間の正味還元は580億ドルとなる。大規模な買収で失敗しなくても、数量と価格を同時に伸ばせない状態が続くだけで、株主の得られる価値は大きく低下する。

  • 美容・ウェルビーイング:数量 24.3(販売数量(億個、標準容器・包装換算の推計))× 価格 7.57(標準容器・包装1個当たり平均メーカー販売単価(ドル、推計))→ 売上 184 億ドル・営業利益 32 億ドル。数量は年約0.3%減少。美容のシェア低下が市場成長を打ち消す。価格は年約2.7%増加にとどまる。
  • パーソナルケア:数量 42.4(販売数量(億個、標準容器・包装換算の推計))× 価格 4.22(標準容器・包装1個当たり平均メーカー販売単価(ドル、推計))→ 売上 179 億ドル・営業利益 35 億ドル。数量は年約0.6%減少。制汗剤と洗浄品のシェアを競合に奪われる。価格は年約2.5%増加する。
  • 家庭用品:数量 54.3(販売数量(億個、標準包装換算の推計))× 価格 2.76(標準包装1個当たり平均メーカー販売単価(ドル、推計))→ 売上 150 億ドル・営業利益 19 億ドル。数量は年約1.0%減少。自社ブランドと地域メーカーへ移行する。価格は年約2.4%増加にとどまる。
  • 食品:数量 66.6(販売数量(億個、標準包装・業務用換算の推計))× 価格 2.59(標準包装・業務用換算1個当たり平均メーカー販売単価(ドル、推計))→ 売上 173 億ドル・営業利益 35 億ドル。数量は年約0.5%減少。成熟市場の競争が新興国の伸びを上回る。価格は年約2.2%増加する。

倍率:2036年の帳簿ROEは23.0%、k=7.5%、strongの残存割合2/3からRONIC=17.8%。長期g=2.3%は、世界市場数量約0.2%、シェア低下約−0.5%、販売価格約2.6%から導く。正当化PERの上限は10年目利益に対し約17.1倍だが、構造的なシェア喪失のため約74%の12.6倍とする。70.44億ドル×12.6倍=887.54億ドル。稼ぐ力の上限である純利益÷k=約939億ドル、および売却可能資産約200億ドルと照合した。過去のPBRの底を利用していない。

確率:日用品の需要は残るが、先進国の自社ブランドと新興国の低価格競争で数量が減る筋書き。米国制汗剤で過去にシェアを失った実績と2026年の低い価格寄与を重視し、26%とした。

悲観 12% 悲観:世界的ブランドの価格決定力が構造的に衰える 利益 37 億ドル · PER 11.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 19.92 ドル437 億ドル

2036年には、ユニリーバのブランドは知られていても、消費者が以前ほど高い価格を払わなくなっている。美容ではロレアルや新興ブランドが顧客を奪い、パーソナルケアではプロクター・アンド・ギャンブルと低価格メーカーがシェアを伸ばす。広告費を増やしても数量は戻らず、値引きや小容量品への移行で利益率が下がる。美容とパーソナルケアの販売数量は現在より約18%減少する。

家庭用品では低価格商品への移行がさらに進む。洗剤や柔軟剤の性能差が小さく見えるようになり、ユニリーバの数量は約26%減る。食品も地域ブランドや大手競合との競争で数量が減少する。物価が3.5%で上昇する中、商品価格の上昇率は年1.8%にとどまり、実質的な値下げが続く。

2036年の売上は約544億ドル、営業利益は約70億ドル、純利益は約37億ドルとなる。事業の利益率は過去の低い時期を下回る構造的な水準まで低下する。期間中に美容や食品関連資産などで約89億ドルの累積減損・損失を織り込み、純利益累計は440億ドルとする。配当は減額され、自社株買いも縮小するため、正味還元は355億ドルとなる。

これは倒産を中心にした筋書きではない。ブランドと工場は残り、売れる事業もある。ただし、資本コストを上回る追加投資先が減り、株主が享受する稼ぐ力は大幅に低くなる。マコーミックとの食品統合が遅延または不成立となる場合の機会損失も含むが、成立しない取引の相手企業の利益や現金は計上しない。

  • 美容・ウェルビーイング:数量 20.4(販売数量(億個、標準容器・包装換算の推計))× 価格 6.93(標準容器・包装1個当たり平均メーカー販売単価(ドル、推計))→ 売上 142 億ドル・営業利益 17 億ドル。数量は年約2.0%減少。新興ブランドとロレアルにシェアを奪われる。価格は年約1.8%増加にとどまる。
  • パーソナルケア:数量 36.8(販売数量(億個、標準容器・包装換算の推計))× 価格 3.94(標準容器・包装1個当たり平均メーカー販売単価(ドル、推計))→ 売上 145 億ドル・営業利益 20 億ドル。数量は年約2.0%減少。米国制汗剤と身体洗浄品でシェアが低下する。価格は年約1.8%増加する。
  • 家庭用品:数量 44.2(販売数量(億個、標準包装換算の推計))× 価格 2.60(標準包装1個当たり平均メーカー販売単価(ドル、推計))→ 売上 115 億ドル・営業利益 10 億ドル。数量は年約3.0%減少。小売の自社ブランドと地域メーカーに大きく負ける。価格は年約1.8%増加する。
  • 食品:数量 57.2(販売数量(億個、標準包装・業務用換算の推計))× 価格 2.49(標準包装・業務用換算1個当たり平均メーカー販売単価(ドル、推計))→ 売上 143 億ドル・営業利益 23 億ドル。数量は年約2.0%減少。調味料と調理補助食品で競合にシェアを奪われる。価格は年約1.8%増加する。

倍率:2036年の帳簿ROEは37.06÷267.4=13.9%、k=7.5%、strongの残存割合2/3からRONIC=11.7%。長期g=1.3%は、市場数量約0%、シェア低下約−1.2%、実現価格約2.5%に基づく。正当化PER上限は10年目利益に対して約14.5倍だが、長期のシェア喪失と利益の質の低下を反映して11.8倍とする。37.06億ドル×11.8倍=437.31億ドル。これは稼ぐ力の上限37.06÷7.5%=約494億ドル以下であり、税後の売却可能資産175億ドルを上回る。過去の谷のPBRは使用しない。

確率:強いブランドが残るため事業消滅は想定しないが、長期間のシェア低下、買収資産の減損、価格競争が同時に起こる場合を考える。事業再編と競争の不確実性を踏まえ12%とした。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

美容・ウェルビーイング

ダヴ、サンシルク、ワセリン、ニュートラフォル、リキッドI.V.、高級美容ブランドなど。ヘアケア、スキンケア、健康・ウェルビーイングの商品を販売する。

数量販売数量(億個、標準容器・包装換算の推計)価格標準容器・包装1個当たり平均メーカー販売単価(ドル、推計)売上営業利益
今 2025/12 25.0 5.80 145 28
10 年後 中立 28.4 8.02 228 46

取り方:2025年の会社開示売上128.48億ユーロを、添付factsの全社ドル売上570億ドルと整合する換算比率で約145億ドルとする。会社は絶対販売個数を開示しないため、標準容器換算で25億個、メーカー平均単価5.80ドルを推定した。世界のヘアケア市場は2025年約972億ドル、スキンケアは2026年約1,750億ドルという外部推計があり、ウェルビーイングも加えた競争市場は大きい。対象市場の境界と小売・メーカー価格の差があるため、全体シェアの精密な推定はできないが、売上換算では数%台の大手とみる。競合はロレアル、プロクター・アンド・ギャンブル、エスティ ローダー。2025年の基礎的営業利益率19.2%から営業利益27.9億ドルを取る。数量と単価は会社開示値ではなく、製品構成に基づく推計である。

パーソナルケア

ダヴ、レクソナ、アックス、ラックス、ライフブイ、ペプソデントなど。制汗剤、石けん、ボディウォッシュ、口腔ケア用品を販売する。

数量販売数量(億個、標準容器・包装換算の推計)価格標準容器・包装1個当たり平均メーカー販売単価(ドル、推計)売上営業利益
今 2025/12 45.0 3.30 149 34
10 年後 中立 48.7 4.52 220 50

取り方:2025年の会社開示売上131.61億ユーロを約148.5億ドルに換算した。標準容器45億個、メーカー平均単価3.30ドルは、低価格の石けん・歯磨きと高価格の制汗剤を混ぜた推定値である。対象市場は世界の身体洗浄・制汗剤・口腔ケアであり、単一の世界シェアは公表されない。市場シェアの実証値として、ユーロモニターの米国制汗剤調査は2025年のユニリーバ36%、プロクター33%を示す。これは部門全体のシェアではない。2025年の基礎的営業利益率22.6%を使用し、営業利益を33.6億ドルとする。

家庭用品

パーシル、コンフォート、サンライト、シフ、ドメストスなど。洗濯洗剤、柔軟剤、食器洗い洗剤、住居用洗剤を販売する。

数量販売数量(億個、標準包装換算の推計)価格標準包装1個当たり平均メーカー販売単価(ドル、推計)売上営業利益
今 2025/12 60.0 2.18 131 19
10 年後 中立 61.8 2.92 181 28

取り方:2025年の会社開示売上115.65億ユーロを約130.5億ドルに換算した。洗濯粉末・液体・柔軟剤・家庭用洗剤の標準包装60億個、平均メーカー単価2.175ドルと推定する。ユニリーバの家庭用品市場説明では、洗濯洗浄、柔軟剤、住居衛生を合わせた世界市場は約1,500億ユーロ規模であり、売上換算の対象市場比率は約8%となる。ただし、世界市場は小売価格が中心で、メーカー売上と厳密には一致しない。2025年の外部洗濯用品市場推計では、プロクターのシェア約35%、ユニリーバ約15%という値があり、これは洗濯用品に限る。2025年の基礎的営業利益率14.9%で営業利益19.4億ドルを取る。

食品

クノール、ヘルマンズ、マイユなど。調理補助食品、調味料、マヨネーズ、ソース、スープ、業務用食品を扱う。2026年10月時点ではマコーミックとの統合契約が未完了であり、現有事業として扱う。

数量販売数量(億個、標準包装・業務用換算の推計)価格標準包装・業務用換算1個当たり平均メーカー販売単価(ドル、推計)売上営業利益
今 2025/12 70.0 2.09 146 33
10 年後 中立 70.0 2.75 192 43

取り方:2025年の会社開示売上129.29億ユーロを約146億ドルに換算する。家庭用のスープ、調味料、ソースと業務用食品を標準包装70億個、平均メーカー単価約2.086ドルに換算した推計である。業務用の大容量包装を含むため、実際の販売容器数ではない。世界のソース・ドレッシング・調味料市場は2025年約1,697億ドルとの外部推計があり、調理補助食品を加えると対象市場はさらに大きい。会社全体の数量シェアは開示されず、カテゴリー別の市場範囲も異なる。競合はクラフト・ハインツ、ネスレ、マコーミック。2025年の基礎的営業利益率22.6%で営業利益32.9億ドルとする。未成立の食品統合による相手企業の売上・利益は加えない。

リスクと懸念

食品再編の成立条件と株主の取り分

マコーミックとの食品事業統合は2026年3月に合意したが、2026年10月時点では未完了である。競争当局の承認、相手側の株主承認、事業分離費用、統合後の負債などが残る。英国の競争当局は2026年9月に審査を開始した。予定どおり成立しても、ユニリーバ本体の利益が減る一方、株主は別会社の株式を受け取るため、両者を分けて価値を測る必要がある。

販売数量の回復と値上げの両立

2026年上期の数量成長は4.2%と強いが、価格寄与は0.6%にとどまった。値上げを抑えて数量を取り戻した地域では、再度の値上げによって数量が弱くなる可能性がある。物価3.5%の環境で価格上昇率が長く物価を下回れば、売上の実質成長だけでなく原材料費との関係から営業利益率にも影響する。

小売自社ブランドと競合メーカー

プロクター・アンド・ギャンブル、ロレアル、ヘンケル、コルゲート、地域メーカーに加え、コストコやアマゾンの自社ブランドが競争相手となる。米国制汗剤では過去にシェアを失った実績があり、ブランドの認知度だけでは販売数量を守れない。小売との交渉力が低下すると、販促費や値引きが増え、利益率が下がる。

負債と借り換え金利

2025年末の純負債は265億ドル、2026年6月末には260億ユーロまで増加した。基礎的EBITDAに対する純負債は約2.3倍である。借り換え金利が高い状態が続くと、資金調達費用が増え、利益成長の一部を相殺する。食品再編の現金受領が遅れれば、予定している自社株買いの自由度も下がる。

買収資産とのれんの減損

ユニリーバは美容、ウェルビーイング、食品などで買収を行ってきた。2025年末には大きなのれんと無形資産が残っている。買収したブランドの販売数量や利益率が期待を下回れば、将来の利益だけでなく帳簿の自己資本にも減損が生じる。帳簿のROEが高いことを、新規投資の高収益性の保証と考えることはできない。

原材料・関税・為替

洗剤原料の界面活性剤、包装材、植物油、香料、輸送費などは市況の影響を受ける。輸入関税や調達網の変更も費用を増やす。新興国では現地通貨安がドル換算売上を減らす可能性がある。本評価は共通前提として為替を固定しているが、現実の報告利益には換算差が生じる。

製品規制と環境対応

包装用プラスチック、化学物質、香料、洗剤成分、環境表示などに対する規制が厳しくなれば、配合変更や設備投資が必要になる。健康関連商品では効能表示への規制も重要だ。個々の費用は吸収できても、消費者の信頼を失う事故や表示問題が起きると、ブランドの価格決定力に長期の傷が残る。

今後の分かれ目

美容・パーソナルケアの数量成長が年3%以上で4四半期続き、平均価格も年2%以上上昇する
数量と値上げを両立する力が確認できる。楽観・やや楽観の確率を引き上げ、美容とパーソナルケアの2036年売上と営業利益率を上方修正する。
全社の数量成長が2四半期以上マイナスとなり、値上げをしても既存事業売上が年2%未満にとどまる
価格への反応が強くなっている。やや悲観の確率を引き上げ、数量と平均単価の両方を見直す。
米国制汗剤の市場シェアが再び33%を下回り、プロクターに首位を奪われる
パーソナルケアの堀が弱まっていると判断する。販売数量と利益率を引き下げ、長期の成長率も再評価する。
マコーミックとの食品事業統合が2027年に予定条件で完了する
食品事業をユニリーバ本体の将来利益から外し、受領した現金、保持するマコーミック株式、株主に分配されたマコーミック株式を別々に評価する。旧食品利益と分配株式の二重計上を避け、10年価値を再構成する。
純負債が基礎的EBITDAの3倍を超え、その状態が続く
借り換え負担と財務制約が大きくなる。自社株買いを減らし、利払い増を純利益へ反映し、悲観側の確率を引き上げる。
家庭用品の営業利益率が13%未満へ低下し、数量シェアも2年連続で失われる
一時的な原材料高ではなく競争力の低下を疑う。家庭用品の10年後の利益率を引き下げ、やや悲観・悲観の筋書きを厚くする。
重点30ブランドの数量成長が全社を継続して上回り、ROICが18%以上を維持する
ブランド集中と再投資の利回りが確認できる。中立の利益成長に対する確信を高めるが、ROICの高さだけを理由に長期の売上成長率を引き上げない。

見ておくもの

  • 2026年10月28日の第3四半期発表以降の数量・価格寄与と通期ガイダンス
  • 美容・ウェルビーイング、パーソナルケア、家庭用品の部門別数量成長率
  • 米国制汗剤市場におけるユニリーバとプロクター・アンド・ギャンブルのシェア
  • 重点30ブランドの既存事業売上成長率と数量成長率
  • 家庭用品の営業利益率とインド・ブラジルでの数量シェア
  • マコーミックとの食品統合の競争当局審査、完了日、最終的な分配条件
  • 純負債÷基礎的EBITDA、借り換え金利、配当と自社株買いの正味還元額
  • 基礎的ROIC、買収後のブランド成長率、のれんの減損
  • 売上に対する広告・研究開発・設備投資の比率と、利益率の改善

倍率と資本コストの決め方

現在の時価総額から逆算せず、2025年の4事業の売上と基礎的営業利益を出発点に、数量成長、実現単価、営業利益率を積み上げた。事業別の絶対販売個数は未開示であるため標準包装換算の推計であり、精度に限界がある。2025年の会社報告営業利益と添付factsの営業利益には非基礎的費用の扱いによる差があるため、部門の利益率は同一基準で揃えた。倍率はk、事業のROE、RONIC、数量と価格から導いたgで決め、現在・過去・同業のPERやPBRを根拠にしていない。自己資本は各筋書きで2025年末182.4億ドルに純利益累計を加え、正味還元を差し引いた。悲観の床は売却可能資産と稼ぐ力の両方で点検した。2026年10月28日の第3四半期発表は日本時間の評価時点では未公表である。食品統合は未成立のため相手企業の利益、予定現金受領、将来の分配株式を先取りしない。取引成立後は現有4事業を継続保有した比較用評価をそのまま使えず、分離後のユニリーバ本体と分配株式に分けた再評価が不可欠である。

資本コスト 7.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。米国株の基本資本コスト8.0%にquality−0.5%を加え、7.5%とする。βや現在の株式市場の評価倍率は使用しない。金利、原材料、食品再編、シェア喪失の個別リスクは追加の資本コストにせず、5つの筋書きと確率に反映する。

同じ業種(生活必需品)の AI 分析

割安 スプラウツ・ファーマーズ・マーケットSFM 健康志向の専門スーパーで独自商品と小型店の出店余地がある。既存店の失速と賃料負担を織り込んでも、十年の利益と正味還元から見た価値には大きな安全域がある。 本質価値との差 +154.8% · 10 年 割安(年 +21.1%) 割安 アルバートソンズACI 地域密着の食品スーパー大手。再建による利益回復の余地はあるが、顧客流出と重い負債が難点。10年価値はやや割安でも安全域は薄い。 本質価値との差 +46.4% · 10 年 割安(年 +14.0%) 割安 イングレディオンINGR 高付加価値のでんぷんと食品原料に強い加工メーカー。汎用品の数量減と大型買収リスクはあるが、長期の稼ぐ力と還元を合わせた価値には安全域があり、割安と判断する。 本質価値との差 +41.7% · 10 年 割安(年 +12.7%) やや割安 スミスフィールド・フーズSFD 加工肉の強さが上流の市況変動を支える。支配株主と大型投資を割り引いても、10年価値は現値を約1割上回り、やや割安 本質価値との差 +21.1% · 10 年 やや割安(年 +11.1%) やや割安 クロロックスCLX 漂白剤・猫砂・ごみ袋・ピュレルの必需品ブランド。ERP 移行の傷・CEO 交代・借入増が重なり利益が谷にあるが、k 8.75% の利益ベースの正当化 PER で測ると今の値段はやや割安 本質価値との差 +15.1% · 10 年 やや割安(年 +10.6%) やや割安 ピルグリムズ・プライドPPC 鶏肉需要は長寿命で規模も強いが、利益は市況と親会社に振れる。独立前提の価値はやや割安、少数株主の出口が最大の論点 本質価値との差 +11.0% · 10 年 やや割安(年 +10.4%) 適正 マコーミックMKC 調味料で世界首位の安定事業。米国の数量は弱いが、k 8.25% の利益ベースの正当化 PER(その 8.5 割)で測った値は今の時価総額を上回り、ユニリーバ統合を除いた単体ではやや割安 本質価値との差 +10.0% · 10 年 適正(年 +9.6%) 適正 アンベブABEV ブラジルの圧倒的なビール流通網と純現金は魅力だが、税制改革と数量停滞を織り込むと、10月23日基準の本質価値は市場価格を約16%下回り、やや割高。 本質価値との差 +3.8% · 10 年 適正(年 +8.5%) 適正 コナグラ・ブランズCAG 冷凍食品と肉スナックには残る顧客がいるが、値決め力の弱さと重い買収負債が利益を削る。配当半減後も安全域は薄く、10年の確率加重価値はほぼ適正圏 本質価値との差 −0.6% · 10 年 適正(年 +8.9%) 適正 シーボードSEB 簿価割れは目を引くが、低い資本効率も本物。硬い資産の床と利益の弱さが釣り合い、10年価値は適正圏 本質価値との差 −0.8% · 10 年 適正(年 +9.4%) 適正 ペプシコPEP 飲料とスナックの二本柱だが、値下げと原料高で北米の利益が痩せている。利益ベースの正当化 PER(その 8.5 割)で測ると、本質価値は今の値段とほぼ同じで適正 本質価値との差 −2.0% · 10 年 適正(年 +7.7%) 適正 ポストホールディングスPOST 食品の寄せ集めを買収と自社株買いで磨く会社だが、数量減と重い負債が相殺する。10年価値は今の時価総額とほぼ同じで、適正と見る 本質価値との差 −2.6% · 10 年 適正(年 +9.1%) 適正 ターゲットTGT 縮んだ総合量販が立て直しに投資する局面。成功すれば倍率以上に利益が戻り、競合に負ければ構造的に縮む。利益ベースの正当化 PER で測ると、今の値段は適正 本質価値との差 −3.2% · 10 年 適正(年 +7.6%) 適正 クローガーKR 米国最大の伝統的な食品スーパー。占有率を毎年失う薄利の成熟事業だが、食料品は落ちにくく、利益ベースの正当化 PER(その 8 割)で見ると今の値段は適正 本質価値との差 −4.1% · 10 年 適正(年 +7.9%) 適正 ゼネラル・ミルズGIS 数量が縮み利益が 2 期続けて落ちた大手ブランド。価格投資は一巡したが、借金の重さを k に入れて確率を慎重側に厚くすると、本質価値は今の時価総額とほぼ同じで適正 本質価値との差 −7.3% · 10 年 適正(年 +7.7%) 適正 BJsホールセール・クラブ・ホールディングスBJ 会員の継続と新規出店で利益は伸びるが、投資負担と競争も重い。今の値段はおおむね適正で、長期保有の安全域は薄い。 本質価値との差 −8.1% · 10 年 適正(年 +6.5%) 適正 キンバリークラークKMB ハギーズ・クリネックスの北米首位と、IFP 売却後の身軽な形。北米の価格投資と中国の失速はあるが、k 8.5% の利益ベースの正当化 PER(来年の利益に約 15 倍)は今の PER 17 倍と近く、値段は適正 本質価値との差 −8.3% · 10 年 適正(年 +7.3%) やや割高 タイソン・フーズTSN 牛肉の赤字を鶏肉と加工食品が支える食肉大手。k 9.75% の正当化 PER(弱い堀で下限の 1 ÷ k に近い)で測ると、中立の価値は今を上回るが、期待の年率は k を下回り、適正 本質価値との差 −10.1% · 10 年 やや割高(年 +8.3%) やや割高 モルソン・クアーズ・ビバレッジTAP 米国ビールの縮小とシェア低下で利益が減る最中。それでも伸びのない会社の式(PER = 1 ÷ k = 10.5 倍)で測ると中立の 10 年後は今とほぼ同じで、確率を重ねるとやや割高 本質価値との差 −11.3% · 10 年 やや割高(年 +7.6%) やや割高 HLNHLN 治療用歯磨き剤のブランドと現金創出力は強いが、サプリメントの競争と借入負担を含めると安全域が約26%不足し、やや割高である。 本質価値との差 −12.0% · 10 年 やや割高(年 +5.9%) やや割高 ダーリン・イングレディエンツDAR 回収網とコラーゲンに堀があるが、燃料政策と負債で利益は大きく揺れる。10年の本質価値にはまだ安全域が足りず、やや割高と見る。 本質価値との差 −13.2% · 10 年 やや割高(年 +7.7%) やや割高 ホーメル・フーズHRL 豚肉の原価高と撤退で利益が落ちた、配当 127 年の加工肉・外食の会社。借金は軽いが、利益ベースの正当化 PER(その 8 割)で測ると今の時価総額をやや下回り、適正 本質価値との差 −13.4% · 10 年 やや割高(年 +6.2%) やや割高 ブンゲ・グローバルBG 世界最大級の油糧種子の圧搾・穀物商社。2026 年は圧搾利幅が山で、ならした利益に弱い堀の正当化 PER(下限の 1 ÷ k = 10.0 倍)を当てると、今の値段はやや割高 本質価値との差 −13.4% · 10 年 やや割高(年 +8.1%) やや割高 BTIBTI 紙巻きの強い値上げ力とVeloの成長を持つ世界大手。ただし数量減少と規制、買収の後遺症を考えると、10年価値に対して今はやや割高 本質価値との差 −15.1% · 10 年 やや割高(年 +5.7%) やや割高 ダラー・ゼネラルDG 農村の小型店の密度で食品の来店頻度を握る会社が、盛り損の削減と改装で利益率を戻す局面。今の値段はやや割高で、利益率の戻りが続くかが価値を分ける 本質価値との差 −15.4% · 10 年 やや割高(年 +5.8%) やや割高 レイノルズ・コンシューマー・プロダクツREYN 箔とごみ袋の首位ブランドは長く残るが、顧客集中と支配株主が安全域を削る。10年価値は今の時価総額を約17%下回り、やや割高 本質価値との差 −15.7% · 10 年 やや割高(年 +5.8%) やや割高 コンステレーション・ブランズSTZ モデロ・コロナの輸入ビール一本足。数量が縮む産業で純負債も重いが、伸びのない会社の正当化 PER(1 ÷ k)で測ると、中立の 10 年後は今の 0.94 倍で、還元を足しても資本コストに届かず、やや割高 本質価値との差 −16.5% · 10 年 やや割高(年 +6.3%) やや割高 クラフト・ハインツKHC ブランドは強いが数量が毎年縮む会社。k 9.0% の稼ぐ力(純利益 ÷ k)で測ると中立の価値は今の時価総額とほぼ同じで、確率を悲観側に置いた総合ではやや割高 本質価値との差 −16.7% · 10 年 やや割高(年 +6.3%) やや割高 ダラー・ツリーDLTR 裁量品が約半分の均一価格店が、多価格化と客層の広がりで利益率 9% 前後に乗せた局面。利益ベースの正当化 PER で測るとやや割高で、関税還付の一過性と客数の弱さから確率も慎重側に厚く置いた 本質価値との差 −17.3% · 10 年 やや割高(年 +5.5%) やや割高 ハーシーHSY チョコレート首位のブランドが、カカオ高の谷を価格改定で抜けた直後。k 7.5% の利益ベースの正当化 PER で測ると、値段はやや割高 本質価値との差 −18.2% · 10 年 やや割高(年 +4.9%) やや割高 ザ・キャンベルズ・カンパニーCPB スープとラオズには長く残る堀があるが、スナックの数量減と重い借金が株主利益を削る。配当減額後も安全域は不足し、10年価値ではやや割高 本質価値との差 −20.3% · 10 年 やや割高(年 +6.0%) やや割高 アルトリア・グループMO 数量が毎年 5% 減る紙巻きを値上げで支える高配当の縮む事業。名目の利益は横ばいで、伸びのない会社の正当化 PER(1 ÷ k)で測ると今の値段はやや割高 本質価値との差 −20.9% · 10 年 やや割高(年 +4.2%) やや割高 モンデリーズ・インターナショナルMDLZ 世界首位のビスケットと世界 2 位のチョコを持ち、カカオ高で利益が削られた谷にある。k 8.0% の利益ベースの正当化 PER で測ると、今の値段は中立の価値とほぼ同じで、確率を悲観側に置いた総合ではやや割高 本質価値との差 −21.3% · 10 年 やや割高(年 +4.8%) やや割高 コルゲート・パルモリブCL 歯磨きで世界首位とペット用療法食を持つ超安定企業。北米の数量減は重く、k 7.5% の利益ベースの正当化 PER(来年の利益に約 20 倍)で見ると今の PER 25 倍はやや高く、利益の質は高いがやや割高 本質価値との差 −21.6% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 KOFKOF 中南米の独占的な瓶詰め・配送網は長寿だが、設備投資と原液供給者への依存が重い。還元込みでも今の評価には安全域が薄く、やや割高 本質価値との差 −22.6% · 10 年 やや割高(年 +4.8%) やや割高 オリーズ・バーゲン・アウトレット・ホールディングスOLLI 店舗倍増の余地と仕入れの腕は魅力だが、既存店の弱さと固定家賃を考えると今の値段には安全域が乏しく、やや割高 本質価値との差 −23.2% · 10 年 やや割高(年 +5.3%) やや割高 シスコSYY 米国最大の外食向け食品卸。薄利の物流業で価格を決める力は弱いが、規模の経済と AI 効率化で利益は着実に伸びる。利益ベースの正当化 PER で見ると、今の値段はやや割高 本質価値との差 −23.5% · 10 年 やや割高(年 +5.6%) やや割高 プロクター・アンド・ギャンブルPG 世界最強の日用品ブランド群だが、PER 24 倍は k 7.5% の利益ベースの正当化 PER(来年の利益に約 19 倍)を上回る。数量の弱さを長期の成長に入れると、値段はやや割高 本質価値との差 −23.7% · 10 年 やや割高(年 +4.0%) やや割高 フレッシュペットFRPT 冷蔵棚と自社工場の堀で生鮮ペットフードを主流化する先駆者だが、大手参入後も高成長が続く前提が残り、利益ベースでは約2割のやや割高 本質価値との差 −24.5% · 10 年 やや割高(年 +4.7%) やや割高 コカ・コーラKO 世界最強のブランド原液事業。強い堀の利益ベースの正当化 PER で測っても、k 7.5% では中立の 10 年後が今の約 1.1 倍にとどまり、今の値段はやや割高 本質価値との差 −24.6% · 10 年 やや割高(年 +3.9%) やや割高 セルシウス・ホールディングスCELH 3ブランドとペプシコの販路は強みだが、主力の減速と優先株の取り分が重い。10年の期待価値ではやや割高とみる 本質価値との差 −25.3% · 10 年 やや割高(年 +5.6%) やや割高 プリモ・ブランズ・コーポレーションPRMB 全米最大級の水ブランドと宅配網は有力だが、大型統合の借金と値上げ力の弱さを考えると、10年価値は現状を下回りやや割高。 本質価値との差 −26.7% · 10 年 やや割高(年 +5.1%) やや割高 FMXFMX OXXOの店舗網とコカ・コーラの製造・配送網は強いが、少数株主持分と小売の資本負担が重い。10年価値は現在より約28%低く、やや割高 本質価値との差 −27.0% · 10 年 やや割高(年 +4.1%) やや割高 BUDBUD 世界首位のビール企業は中南米・アフリカの寡占で成長できるが、米国の飲酒減と借金が重い。10年の加重価値では割高。 本質価値との差 −27.2% · 10 年 やや割高(年 +3.6%) やや割高 キューリグ・ドクターペッパーKDP JDE ピーツの買収で純負債が時価総額の 6 割になった飲料・コーヒー複合。強い飲料と縮むポッドの綱引きで、借金の重さを k に入れると 10 年の中立は今の約 0.93 倍にとどまり、今の値段はやや割高 本質価値との差 −27.5% · 10 年 やや割高(年 +4.6%) やや割高 DEODEO ジョニーウォーカーとギネスの堀は強いが、米国のシェア喪失と高負債が重い。10年の還元込み本質価値は現状を下回り、割高。 本質価値との差 −28.2% · 10 年 やや割高(年 +4.0%) やや割高 JM スマッカーSJM コーヒーの値付けと借金返済で利益の底が見えたが、ブランドの堀は広がらず、k 8.75% の利益ベースの正当化 PER で測ると中立の価値は今とほぼ同じで、確率を悲観側に置いた総合ではやや割高 本質価値との差 −28.7% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) 割高 ケンビューKVUE タイレノール・リステリン・ニュートロジーナを持つが、数量は縮み、訴訟が再燃。買収条件に連動する株価に安全域は見えず、単体の本質価値はやや下 本質価値との差 −30.0% · 10 年 割高(年 +3.9%) 割高 ラム・ウェストン・ホールディングスLW 北米の冷凍ポテトでは圧倒的な規模を持つが、海外の過剰設備と値下げ競争が収益を削る。10年後の利益回復を織り込んでも、今の株価には十分な安全域がなく割高 本質価値との差 −31.4% · 10 年 割高(年 +4.2%) 割高 ブラウン・フォーマンBF-B ジャックダニエルを軸にした酒類の老舗。米国の飲酒減・関税・カナダの棚外しが重いが、財務は軽く、利益ベースの正当化 PER(下限の 1 ÷ k)で測ると今の値段は割高 本質価値との差 −32.5% · 10 年 割高(年 +3.0%) 割高 アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドADM 価格を決める力のない農産物加工の循環株。バイオ燃料の追い風で 2026 年は利益の山。ならした利益に k 9.5% の稼ぐ力(弱い堀の下限 1 ÷ k = 10.5 倍)を当てると、値段は割高 本質価値との差 −33.6% · 10 年 割高(年 +3.8%) 割高 フィリップ モリス インターナショナルPM 紙巻きの減りを煙の出ない製品で埋める成長株。強い堀の利益ベースの正当化 PER でも、資本コスト 7.5% に対して今の値段は割高 本質価値との差 −36.0% · 10 年 割高(年 +2.0%) 割高 ウォルマートWMT 食品の規模・通販・広告で堀は広がる。だが今の PER 43 倍は、強い堀の利益ベースの正当化 PER(約 22 倍)の 2 倍近くで、割高 本質価値との差 −38.2% · 10 年 割高(年 +1.8%) 割高 USフーズ・ホールディングUSFD 外食店の仕入れを支える配送網は残り、独立系レストラン向けのシェアも伸びる。ただし薄利と借金を考えると、現在の時価総額には安全域が乏しく割高である。 本質価値との差 −41.2% · 10 年 割高(年 +2.2%) 割高 e.l.f.ビューティーELF 化粧品の市場シェア獲得力は卓越するが、買収と流行への依存を慎重に見る。10年後の利益成長を織り込んでも本質価値は現在より約44%低く、割高と判断する。 本質価値との差 −42.7% · 10 年 割高(年 +2.4%) 割高 チャーチ・アンド・ドワイトCHD 猫砂・洗濯・オーラルケアの強いブランドを買い足して伸びる必需品の中堅。ウォルマート依存と買収の失敗が影で、k 7.75% の利益ベースの正当化 PER で測ると今の値段は割高 本質価値との差 −43.1% · 10 年 割高(年 +0.8%) 割高 モンスタービバレッジMNST エナジー専業の高採算ブランド。利益ベースの正当化 PER で測っても、中立の 10 年後は今の時価総額の約 0.87 倍にとどまり、今の値段は割高 本質価値との差 −46.2% · 10 年 割高(年 +0.9%) 割高 コカ・コーラ・コンソリデーティッドCOKE 14州に広がるコカ・コーラの独占販売網は強いが、原液とブランドは他社のもの。借入を伴う巨額自社株買い後の価格には安全域が乏しく、10年価値では割高。 本質価値との差 −48.1% · 10 年 割高(年 +0.3%) 割高 コストコ・ホールセールCOST 会費が利益の半分を生む堀は本物だが、PER 47.6 倍は成熟後の約 2 倍。10 年の年率は資本コスト 7.5% に届かず割高 本質価値との差 −49.9% · 10 年 割高(年 −0.4%) 割高 パフォーマンス・フード・グループPFGC 外食とコンビニを支える大型食品卸。配送網は10年後も必要だが、薄利と買収負債が株主利益を削る。独立店での成長を認めても、現値には安全域が乏しく割高と見る 本質価値との差 −51.4% · 10 年 割高(年 +0.6%) 割高 エスティ ローダーEL 高級美容の名門が再建の途中。利益率は戻るが、利益ベースの正当化 PER(k 9.25%・ROE 25% 台で来年の利益に約 14 倍)では今の約 380 億ドルは回復を先取りしており、割高 本質価値との差 −52.0% · 10 年 割高(年 +0.3%) 割高 ケーシーズ・ゼネラル・ストアーズCASY 米国 3 位のコンビニ。小さな町の寡占と調理品で伸びる良質な事業だが、燃料粗利が高止まりの今、GAAP の約 36 倍は利益ベースの正当化 PER(約 15 倍)の倍以上で割高 本質価値との差 −58.8% · 10 年 割高(年 −2.5%)

ほかの業種も見る(AI 銘柄分析の一覧)→

読んだ資料

  1. Unilever Annual Report on Form 20-F 2025:4事業の売上・利益、ROIC、資本構成、2025年アイスクリーム事業分離
  2. Unilever 2026 First Half Results:数量・価格の実績、部門別成長、利益率、2026年見通し、株主還元
  3. Unilever and McCormick Foods Combination Announcement:統合条件、株主への分配、現金対価、完了条件、資本配分方針

分析日 2026-10-23