株譜
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モルソン・クアーズ・ビバレッジ TAP

米国ビールの縮小とシェア低下で利益が減る最中。それでも伸びのない会社の式(PER = 1 ÷ k = 10.5 倍)で測ると中立の 10 年後は今とほぼ同じで、確率を重ねるとやや割高

やや割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)35.57 ドル67 億ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)41.7 ドル78 億ドル差 −14.6%
10 年後から見ると やや割高 価値 35.57 ドル67 億ドル · 差 −14.6% · 期待の年率 +5.1%
期待の年率リターン(10 年)+5.1%資本コスト比 −4.4 pt
推定の資本コスト9.5%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 9.5% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

モルソン・クアーズ・ビバレッジは、クアーズ・ライト、ミラー・ライト、クアーズ・バンケット、キーストーン、ブルー・ムーン、ペローニ、英国のカーリング、中欧のスタロプラメンなどを持つ世界大手の醸造会社である。2025 年は売上 111 億ドル(南北アメリカ 87 億ドル、EMEA&APAC 25 億ドル)、調整後の税引前利益 13.9 億ドルで、米国のアルミ缶向けの割増金(ミッドウェスト・プレミアム)と販売数量の減少に押され減益だった。GAAP では南北アメリカの 36 億ドル超ののれん減損で 21 億ドルの純損失になり、自己資本は 102 億ドルまで縮んだ。2026 年も、4〜6 月期の出荷数量は 5.4% 減、調整後の税引前利益は 27.8% 減で、通期見通し(調整後税引前利益 15〜18% 減)は据え置きでも、下半期に利益が戻る保証は薄い。

事業の質は、同じビール事業で営業利益率 38% のコンステレーション・ブランズ(STZ)に大きく劣る。南北アメリカの営業利益率は推定 17% 前後、EMEA&APAC は 1 桁にとどまる。米国の飲酒人口は減り、同社は業界を下回る数量で、価格も物価(3.5%)に届かない。中立の 10 年は、南北アメリカの数量が年 2.7% 減、価格が年 2.5% 増で売上は横ばい、営業利益率は 14% で、純利益は今の GAAP ベースの水準(約 9.6 億ドル)から 7.2 億ドルへ緩やかに減る。

その状態でも、純負債(56 億ドル)の重さと縮む市場を quality(+1.5%)で k 9.5% に入れ、伸びのない会社の式(PER = 1 ÷ k = 10.5 倍)で測ると、中立の 10 年後の時価総額は約 76 億ドルで今(74 億ドル)とほぼ同じ、10 年の還元 約 75 億ドルが加わる。確率を重ねた本質価値は今より約 1 割低く、結論は「やや割高」。ただし数量が毎年 3〜5% 減り続ける最悪の姿では、10 年後の時価総額は 13 億ドルまで縮む。バリュー投資の観点では、安いことと伸びないことが同居する会社で、安全域は価格にあり、事業の強さにはない。

バリュー投資の観点から

バリュー投資家なら、まず 10 年後もあるかを問う。答えは、ある。ただし今より強いとは言えない。ビールは世界中で飲まれる普遍的な商品で、事業は消えないが、米国のビールは年 2% 前後縮み、モルソン・クアーズは業界より速く数量を失っている。堀は規模と卸売網だけで、ブランドの価格を決める力は弱い。広がる堀ではなく、守る堀である。

次にオーナー利益を見る。調整後の純利益 10.8 億ドル(2025 年)から 2026 年は約 9.4 億ドルへ減る見込みで、償却と一時費用を引いた GAAP 基準は 8〜9 億ドル。フリーキャッシュフローは 11 億ドルで、設備投資が減価償却より小さいぶん純利益より厚い。時価総額 74 億ドルに対し、調整後で 13% 前後、GAAP 基準で 11% 前後の利回りは、国債 5% を大きく上回る。ただし利益は名目でも減っており、物価(3.5%)を差し引くと実質では毎年 5% 近く縮む。

資本配分は、近年の自社株買いと配当は評価できる。過去の買収(ミラー)で壊した価値は大きく、新 CEO の M&A 志向は警戒する。安全域は、中立の 10 年後(純利益 7.2 億ドル、PER 10.5 倍)の時価総額 76 億ドルが今とほぼ同じで、還元を足した年率は 7〜8%(確率を重ねると約 6%)と資本コスト 9.5% に届かないこと、一方で 10 年の悲観(数量 年 5% 減、利益率 11%)では時価総額 13 億ドルまで縮むこと。純負債が EBITDA の約 2.5 倍あり、利益が落ちると余裕は小さい。確信度は低い。数量の減りの速さとシェアの回復は予測しにくい。

何で稼ぐ会社か

事業は 2 つに分かれる。南北アメリカ(2025 年売上 87 億ドル、全社の 78%)は、米国のクアーズ・ライト、ミラー・ライト、クアーズ・バンケット、ミラー・ハイライフ、キーストーン、ブルー・ムーンに、カナダのモルソン・カナディアンとクアーズ・ライト、中南米を加えたもので、米国ビール市場(約 2.1 億 hl、推定)の約 2 割を占める。ミラー・ライトとクアーズ・ライトは米国の軽いビールの上位だが、首位のミケロブ・ウルトラ(アンハイザー・ブッシュ・インベブ(AB InBev))に数量で離されている。EMEA&APAC(売上 25 億ドル)は、英国のカーリング、中欧のスタロプラメン、ペローニやミラーなどの輸入プレミアム、アジア太平洋の小さな事業である。

そのほか「Beyond Beer」と呼ぶ、アルコール入り炭酸水・缶入りカクテル・機能性飲料・トニックの事業がある(トポ・チコ・ハード、シンプリー・スパイクド、フィーバー・ツリーとの提携、2026 年に買収したモナコ)。まだ売上の数%で、フィーバー・ツリーとモナコが各 1〜2% の寄与を見込む段階である。

利益は「数量 × 1 hl あたりの売上 × 利益率」で決まる。2025 年は出荷 7,281 万 hl(南北アメリカ 5,351 万、EMEA&APAC 1,931 万)、1 hl あたりの売上は南北アメリカ 163 ドル、EMEA&APAC 127 ドル。費用の大きな塊はアルミ缶(ミッドウェスト・プレミアムで 2026 年は 1.3 億ドル超の逆風)、麦芽、輸送、人件費で、売上の約 86% が費用である。工場は米国・カナダ・欧州に分散し、メキシコ産の低費用工場を持つ STZ ほどの費用優位はない。決算期は 12 月で、kabufu の期と一致する。

優良さと弱いところ

堀は弱い。残っているのは 3 つ。第 1 は規模と流通網で、米国のミラー・クアーズの卸売網は競合に引けを取らず、小売店の棚を守っている(2026 年 4〜6 月期も棚が増えた)。第 2 はカナダの首位級の位置(クアーズ・ライトがカナダ首位の軽いビール)と、英国・中欧の地場ブランド。第 3 は低位の価格帯(キーストーン、ミラー・ハイライフ)の購買層で、景気が悪い時に落ちにくい。

弱点は多い。米国ではクアーズ・ライトとミラー・ライトの数量が毎年減り、CEO のラフル・ゴヤル自身が「やることが残る」と認める。業界(2026 年 4〜6 月期 -4.2%)より速く減り、シェアを落とし続けている。ブルー・ムーンも弱く、ブルー・ラン・スピリッツやスタロプラメンの無形資産も減損した。ROE は GAAP で 2025 年 -21%、2024 年でも 8.6% と低く、資本を上手く使えていない。営業利益率は南北アメリカで推定 17%、全社 13.7% と、STZ の 30% 超に遠い。

資本配分は、2019 年のコスト削減計画、2023 年以降の自社株買い(B 株の 15.3% を買い戻し済み)は評価できる一方、2016 年のミラー事業の買収(約 120 億ドル)はその後の減損で価値が大きく壊れた。優良さは過去のもので、いまは「普通の事業を安く買えるか」で測る会社である。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

米国のビール市場は構造的に縮んでいる。飲酒する成人は 2023 年の 62% から 2026 年の 54% へ下がり(Gallup)、GLP-1 薬、ノンアルコール・THC 飲料、缶入りカクテル、スピリッツ系 RTD への置き換えが進む。会社の推計で米国のビール業界の数量は 2025 年に約 5% 減、2026 年 1〜3 月期は 1.6% 減まで持ち直したが、4〜6 月期は 4.2% 減に戻った(サッカーのワールドカップの期待も数量を押し上げなかった)。業界の価格は上がるが、低所得層の財布が限界に近く、数量の減りを値上げで補う余地は小さい。

競争は 3 層。最大手の AB InBev(バドライト、ミケロブ・ウルトラ)が販促で攻め、メキシコ産のモデロ・コロナ(コンステレーション・ブランズ)が高価格帯を取り、モルソン・クアーズは国産の軽いビールと低価格帯が中心で、両側から挟まれる。クラフトビールの停滞、ブルー・ムーンの低迷、THC 飲料の分散も重なる。

費用面では、米国のアルミ缶の割増金(ミッドウェスト・プレミアム)が高止まりし、2026 年は 1.3 億ドル超の逆風、4〜6 月期だけで 0.4 億ドルだった。英国は販促が激しく、カーリングが苦戦、中欧は堅調。カナダはクアーズ・ライトが業界並み、ミラー・ライトが伸びる。分かれ目は、米国の飲酒率と業界数量の下げ止まり、アルミ割増金の水準、シェアの回復(クアーズ・ライト・ミラー・ライト)、Beyond Beer の規模である。循環では、2008〜09 年に株価が 40%、2020 年に 39% 下がった(配当込み)。

資本政策と M&A

還元は配当と自社株買い。2025 年は配当 3.8 億ドル、自社株買い 6.5 億ドルで、フリーキャッシュフロー 11.4 億ドルの約 9 割を返した。2026 年の上半期は配当 1.8 億ドル、自社株買い 2.1 億ドル。自社株買いの残り枠は 23.5 億ドル(2031 年まで)、2023 年 10 月の計画開始から B 株の 15.3% を買い戻した。株式報酬は年 0.6 億ドル程度と小さく、正味の還元は配当と自社株買いの合計から 0.6 億ドル前後を引いた額になる。2026 年の通期見通しでは調整後のフリーキャッシュフロー 11 億ドル、設備投資 6.5 億ドルに下げる(2025 年は 7.2 億ドル)。

純負債は 56 億ドル(純負債/調整後 EBITDA 2.53 倍、目標は 2.5 倍未満)。2026 年 5 月に 15 億ドルを借り、3.0% の 20 億ドル債を返した(新しい金利は 5% 前後)ため、純支払利息は年 2.6 億ドルで、今後 10 年で借り換えが進んでもほぼ変わらない。

M&A は 2026 年にモナコ(アトミック・ブランズ。スピリッツ系の缶入りカクテル)を買い、フィーバー・ツリーと提携した。新 CEO は Beyond Beer の買収を優先する方針で、過去のミラー買収とブルー・ラン・スピリッツでの損失を考えると、中小型の買収が数回続く姿とみる。3 年 4.5 億ドルのコスト削減(2026 年開始、売上の約 4%)は、アルミ・物流の逆風を打ち消すために使われ、利益の押し上げには回りにくい。

2026 年に決算期末後すでに実行した自社株買い 2.1 億ドル(10-Q・2026 年 1〜6 月)は、今の株数(時価総額)に反映済みなので、10 年の還元には数えず、自己資本の起点(100.2 億ドル)からも外した。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

モルソン・クアーズは今の株価で、調整後の利益に対して PER 8 倍台、フリーキャッシュフロー利回り 15% という、事業の縮小を織り込みすぎた値段にある。ビールは必需に近い嗜好品で、10 年後もなくならず、2008〜09 年も 2020 年も数量の落ち込みは 1 桁にとどまった。2026 年は米国の業界数量の悪化(-4.2%)、アルミ割増金の頂点(1.3 億ドル超)、英国のワールドカップ期の販促が重なった一過性の谷で、翌年にはアルミ割増金の逆風が和らぎ、3 年 4.5 億ドルのコスト削減が利益に出る。

シェアも底を打ちつつある。クアーズ・バンケットは数量・シェアとも伸び、キーストーン・アップルで低価格帯が改善し、ペローニは数量 2 桁増、フィーバー・ツリーとモナコが各 1〜2% の売上を足す。Beyond Beer と上位プレミアムの比率が上がれば、数量の減りを価格・ミックスが補い、売上は横ばい、利益率は 16〜17% に戻る。

財務は純負債が EBITDA の 2.5 倍で自社株買いを続けられ、10 年で B 株の 2 割を追加で消せば、1 株の価値は 2 割高くなる。本質価値は今を大きく上回るとみる。

慎重な見方

米国のビールは構造的に縮んでいる。飲酒率は 62% から 54% へ下がり、GLP-1 薬とノンアルコール・THC 飲料の置き換えは止まらない。モルソン・クアーズは、その中でも業界より速く数量を失っている。2025 年の南北アメリカのブランド数量は 4.9% 減、2026 年の 4〜6 月期は 5.3% 減で、業界(4.2% 減)を下回る。クアーズ・ライトとミラー・ライトは両側(ミケロブ・ウルトラの高価格、バドライトの販促)から挟まれ、CFO 自身が「シェアは望む水準でない」と認めた。

利益の質も悪い。調整後の利益は償却と一時費用を除いた数字で、GAAP では 2025 年に 21 億ドルの純損失、のれん 36 億ドルの減損は経営判断(ミラー買収)の失敗を示す。アルミのミッドウェスト・プレミアムはヘッジで和らげても高止まりで、3 年 4.5 億ドルのコスト削減は物価上昇とアルミの逆風を埋めるだけで、利益率は戻らない。2026 年の EMEA&APAC は上半期の調整後税引前利益が 0.08 億ドルまで落ち、英国のカーリングは販促競争で苦戦している。

PER が低いのは安い理由があるからで、利益が毎年 3〜5% 減り、配当を守るために借金に頼れば、純負債の重さが効く。

どちらに重みを置いたか

2 つの議論は拮抗する。強い見方は、利益が年 1〜3% 減る中でも伸びのない会社の正当化 PER(1 ÷ k = 10.5 倍)で測ると今と並ぶ点と、フリーキャッシュフロー利回りの厚さ。慎重な見方の強い点は、シェアを落とし続ける会社を数量の減りが速い方に置くことと、価格が物価に届かない点。確率は慎重な見方にやや寄せ、10 年の悲観・やや悲観の合計を 48% とした。確率を重ねた本質価値は今より約 1 割低く、結論は「やや割高」。k を quality で付け直した(7.35% → 9.5%)ので、前の「やや割安」から変わった。最悪の姿の損失は大きく、安全域は事業の質でなく値段から来る。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した株価時価総額 33.59 ドル63 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 34.65 ドル65 億ドル)。 今の値に割り戻すと 35.57 ドル67 億ドル、今との差 −14.6%、 期待の年率 +5.1%(資本コスト 9.5%)→ やや割高

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 6% 78.03 ドル146 億ドル 56.48 ドル106 億ドル +222.8% +12.4% 8.07 ドル15 億ドル
やや楽観 14% 57.17 ドル107 億ドル 48.48 ドル91 億ドル +153.5% +9.8% 14.79 ドル28 億ドル
中立 32% 40.43 ドル76 億ドル 39.95 ドル75 億ドル +92.9% +6.8% 25.72 ドル48 億ドル
やや悲観 30% 22.40 ドル42 億ドル 28.75 ドル54 億ドル +22.7% +2.1% 15.34 ドル29 億ドル
悲観 18% 6.93 ドル13 億ドル 17.07 ドル32 億ドル −42.4% −5.4% 4.32 ドル8 億ドル
加重平均100% 33.59 ドル63 億ドル34.65 ドル65 億ドル +63.8% +5.1% 68.25 ドル128 億ドル

今の株価時価総額 41.67 ドル78 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.5% を下回るほど割高。

楽観 6% 楽観:飲酒率が下げ止まり、Beyond Beer が育つ 利益 14 億ドル · PER 10.7 倍 · 株価時価総額 78.03 ドル146 億ドル

10 年後(2035 年)、米国の飲酒率は 50% 前後で下げ止まり、業界は年 0.8% の緩やかな減りになる。モルソン・クアーズはクアーズ・バンケット・ペローニなどの上位プレミアムと Beyond Beer(売上の約 1 割)でシェアの流出を年 0.4% に抑える。南北アメリカの数量は 4,742 万 hl(年 1.2% 減)、1 hl あたりの売上は年 3.3% 増の 225 ドルで売上 107 億ドル、営業利益率 17.0%、営業利益 18.2 億ドル。EMEA&APAC は 11% で 3.6 億ドル。コスト削減の規模の経済と純負債の減少で、純利益は 13.7 億ドル(今の GAAP 基準の 1.4 倍)。10 年の正味還元は 106 億ドル。PER 10.7 倍は、g 2.0%・k 9.5%(市場 -0.8% × シェア -0.4% × 価格 +3.3%)、ROE 12.5% の式で、時価総額は約 146 億ドル。

  • 南北アメリカ(米国・カナダ・中南米のビール、Beyond Beer を含む):数量 47.4(出荷数量(百万 hl)= 米国のビール市場(約 210 百万 hl、推定)× シェア 約 2 割 + カナダ・中南米)× 価格 225(1 hl あたりの純売上(ドル))→ 売上 107 億ドル・営業利益 18 億ドル。市場 -0.8% × シェア -0.4%/年
  • EMEA&APAC(英国・中欧・アジア太平洋のビール):数量 18.4(出荷数量(百万 hl)= 英国・中欧などの市場 × シェア)× 価格 179(1 hl あたりの純売上(ドル))→ 売上 33 億ドル・営業利益 4 億ドル。数量 -0.5%/年

倍率:ROE 12.5%、k 9.50%(基本 8.0% + quality +1.5%)、残る割合 弱い堀 1/3、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 10.5%、g 2.0%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 10.8 倍(来年の利益に対して)。ROE は k を上回るが弱い堀で、再投資の超過利益は 1/3 しか残らない。式の値が下限に近いので 9.7 割に置いた。上限の 9.7 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 10.7 倍。時価総額 = 純利益 14 億ドル × 10.7 倍 = 146 億ドル。

確率:米国の飲酒率が下げ止まり、シェアも守り、Beyond Beer が売上の 1 割に育つ展開。10 年先まで全部が当たる必要があり 6%。

やや楽観 14% やや楽観:数量 年 2% 減、価格は物価に近づく 利益 11 億ドル · PER 10.2 倍 · 株価時価総額 57.17 ドル107 億ドル

10 年後、業界は年 1.4% 減。会社はシェアの流出を年 0.6% に抑え、南北アメリカの数量は 4,372 万 hl(年 2.0% 減)、1 hl あたりの売上は年 2.9% 増の 217 ドルで売上 94.8 億ドル、営業利益率 15.8%、営業利益 15.0 億ドル。EMEA&APAC は 9.5%。純利益は 10.5 億ドル(2025 年 GAAP 基準とほぼ同じ)。バンケット・ペローニ・Beyond Beer が育つが、クアーズ・ライト・ミラー・ライトの減少は続く。10 年の正味還元は 91 億ドル。PER 10.2 倍は g 0.9%・k 9.5%(価格 +2.9% と数量 -2.0%)、ROE 10.0% の式で、時価総額は約 107 億ドル。

  • 南北アメリカ(米国・カナダ・中南米のビール、Beyond Beer を含む):数量 43.7(出荷数量(百万 hl)= 米国のビール市場(約 210 百万 hl、推定)× シェア 約 2 割 + カナダ・中南米)× 価格 217(1 hl あたりの純売上(ドル))→ 売上 95 億ドル・営業利益 15 億ドル。市場 -1.4% × シェア -0.6%/年
  • EMEA&APAC(英国・中欧・アジア太平洋のビール):数量 17.5(出荷数量(百万 hl)= 英国・中欧などの市場 × シェア)× 価格 174(1 hl あたりの純売上(ドル))→ 売上 30 億ドル・営業利益 3 億ドル。数量 -1.0%/年

倍率:ROE 10.0%、k 9.50%(基本 8.0% + quality +1.5%)、残る割合 弱い堀 1/3、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 9.7%、g 0.9%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 10.5 倍(来年の利益に対して)。ROE が k をわずかに超える程度で、式の値は下限の 1 ÷ k に近い。9.6 割に置いた。上限の 9.6 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 10.2 倍。時価総額 = 純利益 10 億ドル × 10.2 倍 = 107 億ドル。

確率:数量の減りが年 2% にとどまり、価格が物価に近づく展開。バンケット・ペローニ・Beyond Beer がクアーズ・ライト・ミラー・ライトの減少を和らげる。

中立 32% 中立:縮む市場でシェアを少しずつ失い、純利益が緩やかに減る 利益 7 億ドル · PER 10.5 倍 · 株価時価総額 40.43 ドル76 億ドル

10 年後、米国のビール業界は年 2% 減(若い世代の飲酒離れ、GLP-1、ノンアルコール・THC 飲料への置き換え)、会社はシェアを相対で年 0.7% 落とし、南北アメリカの数量は 4,069 万 hl(年 2.7% 減)。1 hl あたりの売上は年 2.5% 増の 208 ドルで、物価(3.5%)の 1.41 倍に届かない 1.28 倍。売上 84.8 億ドル、営業利益率 14.0%(コスト削減が価格と物価の差を埋めきれない)、営業利益 11.9 億ドル。EMEA&APAC は数量年 1.6% 減、利益率 8%。純利益は 7.2 億ドル(2025 年 GAAP 基準の約 75%)。ミケロブ・ウルトラの勢いとコンステレーション・ブランズの攻勢で、国産の軽いビールの価格優位は縮むが崩れない。10 年の正味還元は 75 億ドル(純利益の合計とほぼ同じ)。PER 10.5 倍は g 0%(数量 -2.5% と価格 +2.5% で名目の売上は横ばい)、ROE 7.1% の式(PER = 1 ÷ k、k 9.5%)で、時価総額は約 76 億ドル。

  • 南北アメリカ(米国・カナダ・中南米のビール、Beyond Beer を含む):数量 40.7(出荷数量(百万 hl)= 米国のビール市場(約 210 百万 hl、推定)× シェア 約 2 割 + カナダ・中南米)× 価格 208(1 hl あたりの純売上(ドル))→ 売上 85 億ドル・営業利益 12 億ドル。市場 -2.0% × シェア -0.7%/年
  • EMEA&APAC(英国・中欧・アジア太平洋のビール):数量 16.4(出荷数量(百万 hl)= 英国・中欧などの市場 × シェア)× 価格 171(1 hl あたりの純売上(ドル))→ 売上 28 億ドル・営業利益 2 億ドル。数量 -1.6%/年

倍率:ROE が k 以下(または自己資本が薄い)で、k 9.50%(基本 8.0% + quality +1.5%)、g 0.0%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)。正当化 PER = 1 ÷ k = 10.5 倍(来年の利益に対して)。ROE が k を下回り、成長も止まるので、中立の PER は下限の 1 ÷ k そのもの。上限の 10 割に置いた。上限の 10.0 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 10.5 倍。時価総額 = 純利益 7 億ドル × 10.5 倍 = 76 億ドル。

確率:人口と飲酒率の構造的な低下は続き、シェアは相対で年 0.7% 落ちる。価格は年 2.5% で、物価に届かず、コスト削減で利益率を守る。議論の落としどころ。

やや悲観 30% やや悲観:数量 年 3.6% 減、利益率 12.5% 利益 5 億ドル · PER 9.3 倍 · 株価時価総額 22.40 ドル42 億ドル

10 年後、ビール数量は毎年 3.6% 減り(業界 -2.6%、シェア -1.0%)、南北アメリカの数量は 3,708 万 hl、1 hl あたりの売上は年 2.0% 増の 199 ドルで物価に大きく届かない。ミケロブ・ウルトラの値引きとプライベートブランドで価格差が詰まる。売上 73.6 億ドル、営業利益率 12.5%、営業利益 9.2 億ドル。EMEA&APAC は 6% で英国の苦戦が続く。純利益は 4.5 億ドルと 2025 年の半分以下、純負債の EBITDA 倍率は 3 倍近くに上がる。10 年の正味還元は 54 億ドルで、配当を維持する一方で自社株買いは止まる。PER 9.3 倍(稼ぐ力の 純利益 ÷ k に g -1.5% をかけた値、ROE 4.4%)で時価総額 42 億ドル。

  • 南北アメリカ(米国・カナダ・中南米のビール、Beyond Beer を含む):数量 37.1(出荷数量(百万 hl)= 米国のビール市場(約 210 百万 hl、推定)× シェア 約 2 割 + カナダ・中南米)× 価格 199(1 hl あたりの純売上(ドル))→ 売上 74 億ドル・営業利益 9 億ドル。市場 -2.6% × シェア -1.0%/年
  • EMEA&APAC(英国・中欧・アジア太平洋のビール):数量 15.0(出荷数量(百万 hl)= 英国・中欧などの市場 × シェア)× 価格 163(1 hl あたりの純売上(ドル))→ 売上 24 億ドル・営業利益 2 億ドル。数量 -2.5%/年

倍率:ROE が k 以下(または自己資本が薄い)で、k 9.50%(基本 8.0% + quality +1.5%)、g -1.5%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)。正当化 PER = 1 ÷ k = 10.5 倍(来年の利益に対して)。ROE が k を大きく下回る局面。稼ぐ力(純利益 ÷ k)に成長 g をかけた値の 9 割に置き、市場の値付けや PBR は使わない。上限の 9.0 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 9.3 倍。時価総額 = 純利益 4 億ドル × 9.3 倍 = 42 億ドル。

確率:数量が毎年 3〜4% 減り、価格が物価に届かない展開。2025 年・2026 年の傾向(業界 -4〜5%、会社はそれ以下)が数年続く姿。シェアを落とし続ける会社の主流シナリオとして 30% と厚くした。

悲観 18% 悲観:構造的な数量減と価格競争で優良さを失う 利益 2 億ドル · PER 8.6 倍 · 株価時価総額 6.93 ドル13 億ドル

10 年後、構造的に負けた姿。南北アメリカの数量は年 5% 減(市場 -3.5%、シェア -1.5%)で 3,204 万 hl まで減り、価格は年 1.5% 増の 189 ドルで物価に大きく届かない。アルミ・人件費は物価で上がるので利益率は 11% まで下がる。売上 60.5 億ドル、営業利益 6.7 億ドル。EMEA&APAC はほぼ利益ゼロ。純利益は 1.5 億ドル。THC 飲料・缶入りカクテル・ノンアルコールへの置き換えとプライベートブランド化でブランドの価格を決める力が弱まり、のれん・ブランドの無形資産が追加で 20 億ドル減損する。10 年の正味還元は 32 億ドルで、前半の利益と工場・ブランドの売却で賄い、配当は減らされる。PER 8.6 倍(稼ぐ力に g -3.5% をかけた値、ROE 1.8%)で時価総額は約 13 億ドル。自己資本の大半はのれん・ブランドで、純利益が 1.5 億ドルまで縮めば帳簿の価値に見合う価値は残らない。

  • 南北アメリカ(米国・カナダ・中南米のビール、Beyond Beer を含む):数量 32.0(出荷数量(百万 hl)= 米国のビール市場(約 210 百万 hl、推定)× シェア 約 2 割 + カナダ・中南米)× 価格 189(1 hl あたりの純売上(ドル))→ 売上 61 億ドル・営業利益 7 億ドル。市場 -3.5% × シェア -1.5%/年
  • EMEA&APAC(英国・中欧・アジア太平洋のビール):数量 12.8(出荷数量(百万 hl)= 英国・中欧などの市場 × シェア)× 価格 155(1 hl あたりの純売上(ドル))→ 売上 20 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量 -4.0%/年

倍率:ROE が k 以下(または自己資本が薄い)で、k 9.50%(基本 8.0% + quality +1.5%)、g -3.5%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)。正当化 PER = 1 ÷ k = 10.5 倍(来年の利益に対して)。数量が構造的に減り価格競争に負ける局面。稼ぐ力(純利益 ÷ k)に g をかけた値の 85% に置き、市場の値付けや PBR は使わない。上限の 8.5 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 8.6 倍。時価総額 = 純利益 2 億ドル × 8.6 倍 = 13 億ドル。

確率:ブランドの価格を決める力が消え、数量が年 5% 減り、利益率が 11% まで下がる構造的な負け。のれん・ブランド無形資産がさらに減損する。過去の減損と買収の失敗、シェアの低下から、悲観を通常より厚く 18% とした。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

南北アメリカ(米国・カナダ・中南米のビール、Beyond Beer を含む)

クアーズ・ライト、ミラー・ライト、クアーズ・バンケット、キーストーン、ミラー・ハイライフ、ブルー・ムーン、ペローニと、Beyond Beer。利益の約 9 割がここから出る。

数量出荷数量(百万 hl)= 米国のビール市場(約 210 百万 hl、推定)× シェア 約 2 割 + カナダ・中南米価格1 hl あたりの純売上(ドル)売上営業利益
今 2025/12 53.5 163 87 15
10 年後 中立 40.7 208 85 12

取り方:売上 87.1 億ドル・出荷数量 5,351 万 hl は 2025 年通期の開示値(会社 8-K、2026-02-18)。1 hl あたりの売上 162.8 ドルは売上 ÷ 数量。営業利益 15.0 億ドル(利益率 17.2%)は、2025 年の調整後税引前利益(全社 13.9 億ドル)から上半期 2026 の開示値と 2025 年 10〜12 月期の動きで割り戻した推定。米国の市場(約 2.1 億 hl)× シェア(約 2 割)にカナダ・中南米を足した形で、米国のビール業界は年 2% 前後縮み、会社は業界より年 1% 前後速く数量を失う前提が中立。価格は物価(3.5%)でなく、直近の価格・ミックス(+1.8% 前後)を少し上回る年 2.5% を中立とした。競合は AB InBev(ミケロブ・ウルトラ、バドライト)・コンステレーション・ブランズ(メキシコ産)、営業利益率は STZ のビール事業 38% に対し約 17%。

EMEA&APAC(英国・中欧・アジア太平洋のビール)

英国のカーリング、中欧のスタロプラメン、輸入のペローニ・ミラー・ブルー・ムーン、アジア太平洋の小さな事業。

数量出荷数量(百万 hl)= 英国・中欧などの市場 × シェア価格1 hl あたりの純売上(ドル)売上営業利益
今 2025/12 19.3 127 25 2
10 年後 中立 16.4 171 28 2

取り方:売上 24.6 億ドル・出荷数量 1,931 万 hl は 2025 年通期の開示値。1 hl あたりの売上 127.2 ドルは売上 ÷ 数量。営業利益 2.0 億ドル(利益率 8.1%)は 2025 年の調整後税引前利益の割り戻しによる推定で、2026 年の上半期は 0.08 億ドルまで落ちた(4〜6 月期 0.41 億ドル)。数量は 2026 年上半期に 3.4% 減で、市場全体の縮みと英国の販促競争による。価格は欧州の価格・ミックスで物価並みに近い年 3% を中立。競合は英国・中欧のハイネケン・カールスバーグ。

リスクと懸念

シェアの低下と米国ビール業界の縮み

米国の業界数量は 2025 年に約 5% 減、2026 年 4〜6 月期は 4.2% 減。モルソン・クアーズは業界より速く減り、クアーズ・ライトとミラー・ライトは両側から挟まれている。飲酒率(54%)の下げ止まりが見えない限り、数量の減りは続く。

アルミ缶の割増金と費用の物価上昇

ミッドウェスト・プレミアムの逆風は 2026 年に 1.3 億ドル超(4〜6 月期だけで 0.4 億ドル)。ヘッジで一部和らげるが、関税が長引けば利益率はさらに下がる。3 年 4.5 億ドルのコスト削減は、この逆風を打ち消す分に消える。

純負債と配当維持の圧力

純負債は 56 億ドルで EBITDA の 2.53 倍(目標は 2.5 倍未満)。利益が 2 割落ちれば 3 倍を超え、配当(年 3.7 億ドル)と自社株買いが重くなる。借り換えは新しい金利(約 5%)で進み、純支払利息は年 2.6 億ドルを超える方向。

のれんの追加減損

2025 年 7〜9 月期に南北アメリカののれん 36 億ドルとブランド無形資産 2.7 億ドルを減損し、自己資本が縮んだ。数量とシェアがさらに悪化すれば、残るのれんと無形資産の追加減損が出て、自己資本が縮む。

EMEA&APAC の利益の薄さと英国の販促競争

2026 年上半期の EMEA&APAC の調整後税引前利益は 0.08 億ドルまで落ち(4〜6 月期 0.41 億ドル)、英国のカーリングは販促競争で苦戦している。コスト削減の進みが遅いと赤字に近づき、数量の減りと価格の弱さが続けば、全社の利益を押し下げる要因になる。

新経営陣の M&A と Beyond Beer の費用

新 CEO は Beyond Beer の買収を優先する。過去のミラー買収(のれんの減損)やブルー・ラン・スピリッツの無形資産減損の通り、買収で価値を壊した履歴がある。モナコ(アトミック・ブランズ)の成否がまず試金石。

今後の分かれ目

米国のビール業界数量が 2 四半期続けて -4% を下回ったら
2025 年並みの縮みが続く。10 年のやや悲観・悲観の確率を上げ、数量の減りを年 3.5% 超で見直す。
クアーズ・ライト・ミラー・ライトのシェアが 2 四半期続けて前年を上回ったら
シェアの流出が止まった合図。中立の南北アメリカの数量の減りを年 2.5% 前後に直し、楽観・やや楽観の確率を上げてよい。
ミッドウェスト・プレミアムが下がり、アルミの逆風が 1 億ドルを下回ったら
利益率の下振れが解ける。中立の南北アメリカの営業利益率を 1〜2 ポイント上げて見直す。
純負債/EBITDA が 2.8 倍を超えて自社株買いが止まったら
財務の余裕が尽き、還元が細る。悲観・やや悲観の確率を上げる。
EMEA&APAC の調整後税引前利益が通期で赤字に近づいたら
英国・中欧の価格競争が想定より深い。EMEA&APAC の利益率を 3% 台で見直し、リストラ費用を見込む。
のれん・ブランド無形資産の追加減損が出たら
数量とシェアの見通しが悪化した合図。自己資本を下げ、悲観の確率と深さを見直す。

見ておくもの

  • 米国のビール業界数量(Circana・会社推計)と、クアーズ・ライト・ミラー・ライト・バンケット・ペローニのシェア
  • ミッドウェスト・プレミアム(アルミ)の逆風額と、ヘッジの掛かり方
  • 南北アメリカの営業利益率(15% 前後が保てるか)と、3 年 4.5 億ドルのコスト削減の進み
  • EMEA&APAC(英国のカーリング、中欧)の数量と利益
  • 純負債/EBITDA(2.5 倍の目標)と借り換えの金利、自社株買いのペース
  • Beyond Beer(フィーバー・ツリー、モナコ、トポ・チコ・ハード)の売上規模
  • Gallup の飲酒率と IWSR のビール消費

倍率と資本コストの決め方

今の PER や株価を見る前に、南北アメリカと EMEA&APAC に分けて、数量(市場 × シェア)× 1 hl あたりの売上(年 2.5〜3%、物価 3.5% を下回る)× 営業利益率(14% が中立)で 10 年後の売上と利益を積み上げた。倍率は k 9.5%(基本 8.0% + quality +1.5%。負債の重さ・縮む市場・弱い堀)と g の式どおりで、中立は g 0% の PER = 1 ÷ k = 10.5 倍。悲観側は稼ぐ力(純利益 ÷ k)から置き、市場の値付けや PBR は使っていない。純負債は利払いとして純利益に入れ、倍率で二重に引かない。悲観を厚く(10 年で 48%)した結果、本質価値は今より約 1 割低く、今の株価に合わせたものではない。

資本コスト 9.5% = 無リスク金利 5% + β 0.87 × 5%。k = 基本 8.0% + quality +1.5% = 9.5%。ビールは景気後退でも数量の落ち込みが 1 桁の必需に近い嗜好品だが、堀は規模と卸売網だけで、負債が重く、市場が縮むので quality で上乗せした。シェアの低下・過去の減損・買収の失敗は k に足さず、筋書き(数量・価格・利益率)と確率(悲観を厚く)、長期の g で表した。

同じ業種(生活必需品)の AI 分析

適正 クロロックスCLX 漂白剤・猫砂・ごみ袋・ピュレルの必需品ブランド。ERP 移行の傷・CEO 交代・借入増が重なり利益が谷にあるが、k 8.75% の利益ベースの正当化 PER で測ると今の値段はやや割安 本質価値との差 +8.2% · 10 年 適正(年 +8.1%) 適正 マコーミックMKC 調味料で世界首位の安定事業。米国の数量は弱いが、k 8.25% の利益ベースの正当化 PER(その 8.5 割)で測った値は今の時価総額を上回り、ユニリーバ統合を除いた単体ではやや割安 本質価値との差 +6.8% · 10 年 適正(年 +7.2%) 適正 ペプシコPEP 飲料とスナックの二本柱だが、値下げと原料高で北米の利益が痩せている。利益ベースの正当化 PER(その 8.5 割)で測ると、本質価値は今の値段とほぼ同じで適正 本質価値との差 −4.7% · 10 年 適正(年 +6.1%) 適正 クローガーKR 米国最大の伝統的な食品スーパー。占有率を毎年失う薄利の成熟事業だが、食料品は落ちにくく、利益ベースの正当化 PER(その 8 割)で見ると今の値段は適正 本質価値との差 −5.7% · 10 年 適正(年 +5.8%) 適正 ターゲットTGT 縮んだ総合量販が立て直しに投資する局面。成功すれば倍率以上に利益が戻り、競合に負ければ構造的に縮む。利益ベースの正当化 PER で測ると、今の値段は適正 本質価値との差 −6.9% · 10 年 適正(年 +5.9%) 適正 ゼネラル・ミルズGIS 数量が縮み利益が 2 期続けて落ちた大手ブランド。価格投資は一巡したが、借金の重さを k に入れて確率を慎重側に厚くすると、本質価値は今の時価総額とほぼ同じで適正 本質価値との差 −9.7% · 10 年 適正(年 +5.6%) やや割高 タイソン・フーズTSN 牛肉の赤字を鶏肉と加工食品が支える食肉大手。k 9.75% の正当化 PER(弱い堀で下限の 1 ÷ k に近い)で測ると、中立の価値は今を上回るが、期待の年率は k を下回り、適正 本質価値との差 −10.1% · 10 年 やや割高(年 +6.6%) やや割高 キンバリークラークKMB ハギーズ・クリネックスの北米首位と、IFP 売却後の身軽な形。北米の価格投資と中国の失速はあるが、k 8.5% の利益ベースの正当化 PER(来年の利益に約 15 倍)は今の PER 17 倍と近く、値段は適正 本質価値との差 −13.2% · 10 年 やや割高(年 +5.4%) やや割高 ホーメル・フーズHRL 豚肉の原価高と撤退で利益が落ちた、配当 127 年の加工肉・外食の会社。借金は軽いが、利益ベースの正当化 PER(その 8 割)で測ると今の時価総額をやや下回り、適正 本質価値との差 −13.7% · 10 年 やや割高(年 +4.8%) やや割高 ダラー・ツリーDLTR 裁量品が約半分の均一価格店が、多価格化と客層の広がりで利益率 9% 前後に乗せた局面。利益ベースの正当化 PER で測るとやや割高で、関税還付の一過性と客数の弱さから確率も慎重側に厚く置いた 本質価値との差 −18.0% · 10 年 やや割高(年 +4.5%) やや割高 ブンゲ・グローバルBG 世界最大級の油糧種子の圧搾・穀物商社。2026 年は圧搾利幅が山で、ならした利益に弱い堀の正当化 PER(下限の 1 ÷ k = 10.0 倍)を当てると、今の値段はやや割高 本質価値との差 −18.9% · 10 年 やや割高(年 +6.0%) やや割高 アルトリア・グループMO 数量が毎年 5% 減る紙巻きを値上げで支える高配当の縮む事業。名目の利益は横ばいで、伸びのない会社の正当化 PER(1 ÷ k)で測ると今の値段はやや割高 本質価値との差 −18.9% · 10 年 やや割高(年 +3.5%) やや割高 コンステレーション・ブランズSTZ モデロ・コロナの輸入ビール一本足。数量が縮む産業で純負債も重いが、伸びのない会社の正当化 PER(1 ÷ k)で測ると、中立の 10 年後は今の 0.94 倍で、還元を足しても資本コストに届かず、やや割高 本質価値との差 −19.0% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 クラフト・ハインツKHC ブランドは強いが数量が毎年縮む会社。k 9.0% の稼ぐ力(純利益 ÷ k)で測ると中立の価値は今の時価総額とほぼ同じで、確率を悲観側に置いた総合ではやや割高 本質価値との差 −19.2% · 10 年 やや割高(年 +4.5%) やや割高 ダラー・ゼネラルDG 農村の小型店の密度で食品の来店頻度を握る会社が、盛り損の削減と改装で利益率を戻す局面。今の値段はやや割高で、利益率の戻りが続くかが価値を分ける 本質価値との差 −20.3% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 モンデリーズ・インターナショナルMDLZ 世界首位のビスケットと世界 2 位のチョコを持ち、カカオ高で利益が削られた谷にある。k 8.0% の利益ベースの正当化 PER で測ると、今の値段は中立の価値とほぼ同じで、確率を悲観側に置いた総合ではやや割高 本質価値との差 −21.6% · 10 年 やや割高(年 +3.9%) やや割高 ハーシーHSY チョコレート首位のブランドが、カカオ高の谷を価格改定で抜けた直後。k 7.5% の利益ベースの正当化 PER で測ると、値段はやや割高 本質価値との差 −22.9% · 10 年 やや割高(年 +3.5%) やや割高 コルゲート・パルモリブCL 歯磨きで世界首位とペット用療法食を持つ超安定企業。北米の数量減は重く、k 7.5% の利益ベースの正当化 PER(来年の利益に約 20 倍)で見ると今の PER 25 倍はやや高く、利益の質は高いがやや割高 本質価値との差 −23.3% · 10 年 やや割高(年 +3.4%) やや割高 コカ・コーラKO 世界最強のブランド原液事業。強い堀の利益ベースの正当化 PER で測っても、k 7.5% では中立の 10 年後が今の約 1.1 倍にとどまり、今の値段はやや割高 本質価値との差 −25.8% · 10 年 やや割高(年 +3.2%) やや割高 プロクター・アンド・ギャンブルPG 世界最強の日用品ブランド群だが、PER 24 倍は k 7.5% の利益ベースの正当化 PER(来年の利益に約 19 倍)を上回る。数量の弱さを長期の成長に入れると、値段はやや割高 本質価値との差 −26.2% · 10 年 やや割高(年 +3.0%) やや割高 キューリグ・ドクターペッパーKDP JDE ピーツの買収で純負債が時価総額の 6 割になった飲料・コーヒー複合。強い飲料と縮むポッドの綱引きで、借金の重さを k に入れると 10 年の中立は今の約 0.93 倍にとどまり、今の値段はやや割高 本質価値との差 −26.2% · 10 年 やや割高(年 +3.8%) 割高 JM スマッカーSJM コーヒーの値付けと借金返済で利益の底が見えたが、ブランドの堀は広がらず、k 8.75% の利益ベースの正当化 PER で測ると中立の価値は今とほぼ同じで、確率を悲観側に置いた総合ではやや割高 本質価値との差 −30.6% · 10 年 割高(年 +3.2%) 割高 シスコSYY 米国最大の外食向け食品卸。薄利の物流業で価格を決める力は弱いが、規模の経済と AI 効率化で利益は着実に伸びる。利益ベースの正当化 PER で見ると、今の値段はやや割高 本質価値との差 −30.7% · 10 年 割高(年 +3.7%) 割高 ケンビューKVUE タイレノール・リステリン・ニュートロジーナを持つが、数量は縮み、訴訟が再燃。買収条件に連動する株価に安全域は見えず、単体の本質価値はやや下 本質価値との差 −32.1% · 10 年 割高(年 +2.9%) 割高 フィリップ モリス インターナショナルPM 紙巻きの減りを煙の出ない製品で埋める成長株。強い堀の利益ベースの正当化 PER でも、資本コスト 7.5% に対して今の値段は割高 本質価値との差 −33.8% · 10 年 割高(年 +2.1%) 割高 ブラウン・フォーマンBF-B ジャックダニエルを軸にした酒類の老舗。米国の飲酒減・関税・カナダの棚外しが重いが、財務は軽く、利益ベースの正当化 PER(下限の 1 ÷ k)で測ると今の値段は割高 本質価値との差 −35.8% · 10 年 割高(年 +1.8%) 割高 アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドADM 価格を決める力のない農産物加工の循環株。バイオ燃料の追い風で 2026 年は利益の山。ならした利益に k 9.5% の稼ぐ力(弱い堀の下限 1 ÷ k = 10.5 倍)を当てると、値段は割高 本質価値との差 −36.0% · 10 年 割高(年 +2.7%) 割高 ウォルマートWMT 食品の規模・通販・広告で堀は広がる。だが今の PER 43 倍は、強い堀の利益ベースの正当化 PER(約 22 倍)の 2 倍近くで、割高 本質価値との差 −38.0% · 10 年 割高(年 +1.7%) 割高 チャーチ・アンド・ドワイトCHD 猫砂・洗濯・オーラルケアの強いブランドを買い足して伸びる必需品の中堅。ウォルマート依存と買収の失敗が影で、k 7.75% の利益ベースの正当化 PER で測ると今の値段は割高 本質価値との差 −44.3% · 10 年 割高(年 +0.4%) 割高 モンスタービバレッジMNST エナジー専業の高採算ブランド。利益ベースの正当化 PER で測っても、中立の 10 年後は今の時価総額の約 0.87 倍にとどまり、今の値段は割高 本質価値との差 −48.0% · 10 年 割高(年 +0.4%) 割高 エスティ ローダーEL 高級美容の名門が再建の途中。利益率は戻るが、利益ベースの正当化 PER(k 9.25%・ROE 25% 台で来年の利益に約 14 倍)では今の約 380 億ドルは回復を先取りしており、割高 本質価値との差 −51.4% · 10 年 割高(年 +0.4%) 割高 コストコ・ホールセールCOST 会費が利益の半分を生む堀は本物だが、PER 47.6 倍は成熟後の約 2 倍。10 年の年率は資本コスト 7.5% に届かず割高 本質価値との差 −52.4% · 10 年 割高(年 −0.9%) 割高 ケーシーズ・ゼネラル・ストアーズCASY 米国 3 位のコンビニ。小さな町の寡占と調理品で伸びる良質な事業だが、燃料粗利が高止まりの今、GAAP の約 36 倍は利益ベースの正当化 PER(約 15 倍)の倍以上で割高 本質価値との差 −62.1% · 10 年 割高(年 −3.1%)

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分析日 2026-10-16