株譜
AI 銘柄分析 · 生活必需品 · 試作

e.l.f.ビューティー ELF

化粧品の市場シェア獲得力は卓越するが、買収と流行への依存を慎重に見る。10年後の利益成長を織り込んでも本質価値は現在より約44%低く、割高と判断する。

割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)64.01 ドル38 億ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-30)111.7 ドル66 億ドル差 −42.7%
10 年後から見ると 割高 価値 64.01 ドル38 億ドル · 差 −42.7% · 期待の年率 +2.4%
期待の年率リターン(10 年)+2.4%資本コスト比 −6.1 pt
推定の資本コスト8.5%期待の年率と比べる目安

期待の年率は、5つの筋書きから求めた期待CFのIRRです。期間の還元・追加負担を中間時点、終価を期間末に置く仮定で、価値の割引時期とそろえています。実際の配当日を予測した値や、筋書きごとのIRRの平均ではありません。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの終価と還元を確率で加重し、資本コスト 8.5% で今の値に割り戻したものです。

利益と必要資本から、将来の留保余力を見込む場合があります。この推定は、維持更新投資や運転資金、借換後の現金計画を確認した値ではありません。

留保余力の推定による上乗せは、算定価値の約0.7%です。同じモデル内の上乗せ分の割合で、実現する現金額や割高・割安を示すものではありません。

総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

終価・還元は現在株主全体の取り分です。1株表示は現株数への換算で、還元には配当・自社株買いを含みます。持分・支払時点は簡略化しており、買戻しに売却参加せず同じ株数を持ち続ける場合の将来株価・受取配当とは別です。

結論

e.l.f.ビューティーは、手頃な価格の化粧品とスキンケアで米国の若い消費者をつかんだ美容企業である。事業は魅力的だが、現在の値段には十分な安全域がない。筆者は10年後の利益が大きく伸びる可能性を認めながらも、資本コストに見合う値段としては割高と判断する。

同社の強みは、新しい流行を素早く商品に変え、従来の有名ブランドより安く売る能力にある。主力のe.l.f. Cosmeticsは米国大衆向け化粧品市場で13.5%の金額シェアを持つ。2023年の7.5%から大幅に伸ばし、ターゲットでは21%に達した。この実績には、単なる一時的な流行では説明できない販売力がある。

ただし、売上の伸びと株主利益の伸びは同じではない。直近年度の売上増加の大部分はrhode買収によるもので、既存事業の増収は小さかった。2026年6月四半期は売上が36%増えたが、粗利益率には関税還付による約10.5ポイントの一時的な追い風が含まれる。長期の収益力を判断する際、この利益を毎年続くものとは見ない。

中立では2036年3月期の売上を約44.6億ドル、純利益を5.42億ドルと見る。主力化粧品の米国シェアが18%前後へ広がり、スキンケアの販売地域も増える姿である。10年後の時価総額は約73.6億ドルになるが、資本コスト8.5%で割り引き、正味の株主還元を加えると現在の評価額には届かない。

5つの筋書きを確率で重みづけした本質価値は約37.7億ドルである。現在の約67.8億ドルに対して約44%低い。化粧品そのものの需要は10年後も残るが、どのブランドが消費者に選ばれるかは変わりやすい。優良な成長企業であることと、長期株主に有利な価格であることを分けて考えたい。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、まず10年後も化粧品が必要とされるかを考える。答えは明確に肯定である。人は化粧品とスキンケアを使い続けるだろう。問題は、その需要のうちどれだけをe.l.f.が利益として獲得できるかである。

同社は低価格という武器を持ちながら、安いだけの商品を売っているわけではない。消費者が選びたくなる商品を素早く開発し、大手小売の棚で繰り返し売る能力がある。この仕組みは買収したブランドにも応用できる。資本を追加したときに高い利益が得られるなら、株主にとって価値のある成長になる。

しかし、競争相手が何十年も築いたブランドを追い抜く過程と、追い抜いた後に優位を守る過程は違う。化粧品に切り替え費用はなく、若い消費者の好みも変化する。広告と商品開発への投資を続けなければ、売上はすぐに鈍る。高い利益率が永続する前提で価値を測るべきではない。

筆者が特に注意するのは、買収と株式報酬である。rhodeが成功しても、支払った買収代金が大きければ、すべての成長が既存株主の利益になるわけではない。売上が拡大するほど、利益から在庫や流通への追加投資を差し引いたオーナー利益を確かめる必要がある。

中立の10年後には、純利益5.42億ドルと十分な成長を見込む。それでも現在の時価総額を正当化するには、さらに高い利益率、より速い数量成長、あるいは大きな株主還元が必要である。いずれも可能性はあるが、確実なものとして先払いするには不安が残る。企業としての成長力は評価しながら、価格には慎重でありたい。

何で稼ぐ会社か

同社は化粧品を企画し、主に外部メーカーに製造を委託して販売する。自社工場を大量に抱える企業ではない。商品の企画、ブランドづくり、広告、小売店の棚の確保に経営資源を集中する。製造委託先は中国を中心に米国、イタリア、韓国などへ広がっている。

主力のe.l.f. Cosmeticsは、ファンデーション、リップ、アイメイクなどを販売する。平均小売価格は約7ドルで、高級化粧品の平均価格約28ドルより大幅に安い。品質と価格の組み合わせが魅力であり、SNSで話題になった商品を量販店でも買えることが強みである。Well Peopleはより高価格の自然派化粧品ブランドで、規模が小さいため主力のカラー化粧品と合わせて扱う。

e.l.f. SKINは洗顔料、保湿剤、日焼け止めなどを平均約11ドルで売る。ナチュリウム(Naturium)は平均約17ドルで、成分や使用感を重視する顧客を取り込む。2023年に買収した後、世界の小売販売額は買収前のおよそ2倍へ成長した。両ブランドはスキンケア市場で価格帯を分け、顧客の重複を抑えながら棚を増やす役割を担う。

2025年8月に買収したrhodeは、平均約27ドルのスキンケアを中心とするブランドである。直販とセフォラを通じて若い顧客をつかみ、会社の価格帯を高級美容に近い領域まで広げた。2026年3月期には買収後の8か月弱で約2.94億ドルの連結売上を生んだ。ブランドの知名度だけでなく、商品を買い続ける顧客の厚みが今後の焦点となる。

2026年3月期の売上は米国が79%、海外が21%であった。販売経路は小売店が76%、電子商取引が24%である。ターゲット、ウォルマート、アマゾン、セフォラの4社で売上の52%を占める。大きな販路を得られる反面、棚の配分と販売条件は小売側にも左右される。

会計上は単一の報告セグメントであり、ブランド別の売上や営業利益は開示されない。以下のブランド別数字は、公開された小売販売額、平均小売価格、卸売と直販の違いから推定した分析上の区分である。会社が開示したセグメント実績ではない。

優良さと弱いところ

同社には、ブランド、商品開発の速さ、販売網を組み合わせた競争上の強みがある。e.l.f. Cosmeticsの米国市場シェアは2023年の7.5%から2026年の13.5%へ上がった。2026年にはターゲットで21%のシェアを保ち、米国の多くの消費者にとって日常的な選択肢になっている。ブランドの想起率も改善し、2020年の13%から2025年には45%へ上昇した。

価格決定力には実績と限界の両方がある。2025年8月には関税や物価上昇を受け、主力商品を値上げした。しかし、その後は一部商品の価格を引き下げ、販売数量を回復させる取り組みも行った。消費者が高級品から乗り換えるための低価格こそが、同社の強みでもある。高い値上げを長期に続けられる企業とは区別したい。

販売網も強みである。ターゲットやウォルマートで販売効率の高いブランドとなり、棚の拡大につなげてきた。新商品の反応をSNSや直販から読み取り、品ぞろえを素早く変える能力もある。一方、化粧品には高い乗り換え費用がない。リップや保湿剤の流行が変われば、顧客は翌日から別のブランドを選べる。

資本効率は過去の好調期に高かったが、安定性はまだ十分ではない。添付factsでは2023年のROEが約20%、2025年は約2%である。買収によってのれんや無形資産が増え、株式報酬も重くなった。増分投資が資本コストを超える可能性は高いものの、過去の高成長をそのまま将来の投資収益率とするのは危険である。

そのため、堀を最上位の強さとは判定しない。低価格とブランドの組み合わせは模倣されにくくなりつつあるが、既存の化粧品大手は同じ市場で商品開発と広告に投資できる。10年先まで残る強みは認める一方、超過利益の一部は競争によって薄まると考える。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

美容市場は生活必需品に分類されるが、化粧品ブランドの需要は洗剤や歯磨きほど安定していない。消費者は景気が悪くても化粧品を買うものの、何を買うか、どれだけ高い商品を買うかは容易に変わる。若い世代ほどSNSや流行の影響が大きく、売れるブランドの順位も入れ替わる。

サーカナの調査によると、2025年の米国大衆向け美容市場の小売販売額は727億ドルで、前年比5%増えた。高級美容市場は360億ドルで4%増えた。大衆向け市場の販売数量は2%増え、スキンケアの金額成長率は6%であった。この数字は化粧品以外も含むため、e.l.f.の市場シェアを計算する際の分母として直接使わない。

カラー化粧品では、ロレアル傘下のメイベリンとNYX、コティのカバーガール、レブロンなどが競う。e.l.f. Cosmeticsは米国大衆向けカラー化粧品の金額シェア13.5%を持ち、数量ベースでは首位級にある。ロレアルは米国カラー化粧品全体の会社別金額シェア約22%、エスティ ローダーは約15%とする別統計もあるが、販売チャネルと会社・ブランドの集計範囲が異なる。これらを同じ順位表の数字として比較してはならない。

スキンケアでは、ロレアルのセラヴィやラロッシュポゼ、エスティ ローダー傘下のジ オーディナリーなどが強い。e.l.f. SKINの米国大衆向けスキンケア市場シェアは約2%で、首位ブランドの約13%と大きな差がある。ここには市場平均を上回る成長余地がある。ナチュリウムのカテゴリー別シェアは開示がなく、約2.5億ドルの世界小売販売額と販路拡大から判断する。

rhodeはセフォラで強い販売実績を示したが、同店での順位は高級美容市場全体の占有率ではない。セフォラの海外店舗への展開は大きな機会である一方、若い顧客の関心が移るリスクも大きい。直販から小売店への移行が進めば販売数量は伸びるが、会社の受取単価は小売マージンの分だけ変わる。

10年後の業界数量は、大衆向け化粧品が年0〜1%程度、スキンケアが年1〜2%程度増える姿を中立の土台とする。e.l.f.の数量成長は主に市場シェアと海外販路から生まれる。主力の米国シェアが18%へ上がれば好調だが、23%を超えるには既存大手からさらに大きな棚を奪う必要がある。

最大の構造変化は、広告から購買までがSNSや電子商取引でつながったことである。新興ブランドに機会を与える反面、流行の寿命を短くする。AIは商品開発や広告制作を効率化しても、化粧品そのものを不要にはしない。人月サービスや業務ソフトのAIエージェント代替には該当しない。

資本政策と M&A

経営はこれまで、配当よりブランドへの再投資と買収を優先してきた。通常配当はない。2024年に最大5億ドルの自社株買いを承認し、2026年3月末時点の残枠は4億ドルである。実施額の約束はなく、株価や資金需要に応じて変更できる。

買収では2023年にナチュリウムを約3.33億ドルで取得した。2025年8月にはrhodeを約8.98億ドルで買収し、現金と新株を支払いに使った。rhodeには業績に応じて最大2億ドルの追加対価が生じる仕組みもある。販売実績は好調だが、買収価格に見合う長期の純利益が残るかどうかはまだ判断途中である。買収は成立済みであり、将来の筋書きに既に含めている。

資本配分の弱点は株式報酬である。2026年3月期の株式報酬費用は約0.87億ドルで、同年度の自社株買い約0.5億ドルを上回った。添付factsでも株数は増えている。買い戻しを額面どおり株主還元と見ず、株式報酬と将来の増資を差し引く必要がある。

財務には買収後の負担が残る。添付factsでは現金2.9億ドル、有利子負債9.2億ドル、純有利子負債6.3億ドルである。2026年6月末の会社開示では現金約3.44億ドル、有利子負債約8.34億ドルであり、期日の違いを混同しない。金利約5.75%での借り換えを前提に、利息と運転資金を利益から差し引いて考える。

2027年3月期の会社見通しは、売上19.38〜19.68億ドル、調整後EBITDA4.01〜4.07億ドル、調整後純利益2.12〜2.15億ドルである。ただし調整後純利益はGAAP純利益ではない。本評価では株式報酬、買収関連償却、金融費用を費用として扱う。長期の配当性向や正味の還元額について、会社から数字の約束はない。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

e.l.f.の競争力は、短期間のSNS流行だけでは説明できない。2023年から2026年に米国大衆向け化粧品の金額シェアを7.5%から13.5%へ引き上げた。最大手小売の一つであるターゲットでは21%に達している。商品開発、価格設定、棚の生産性、広告が互いに補強し合う仕組みが確立しつつある。競合が単独の商品を模倣しても、ブランド全体の販売力を短期間で再現することは難しい。

低価格は不況への防御にもなる。高級化粧品を買っていた顧客が節約を始めたとき、e.l.f.は買い替え先になれる。品質を保ったまま手頃な価格を提供できれば、物価が上昇する環境でも販売数量を伸ばせる。2025年の値上げは価格決定力の実例であり、調達先の分散によって関税負担を軽くできれば、将来の利益率には改善余地がある。

成長源は主力化粧品だけではない。e.l.f. SKINは米国大衆向けスキンケアでまだ約2%のシェアしか持たず、首位ブランドとの差が大きい。ナチュリウムは買収後に世界小売販売額をおよそ倍増させた。rhodeもセフォラで強い販売実績を示しており、海外店舗への展開余地が残る。これらのブランドを既存の流通網と商品開発力で育てれば、同社は単一の低価格化粧品ブランドから、複数の成長ブランドを持つ美容企業へ変わる。

生産を外部に委託する仕組みも有利である。工場を大量に建設せずに売上を伸ばせるため、商品と広告に資本を集中できる。売上が増えたときに本社費の増加を抑えられれば、利益は売上以上に伸びる。過去の好調期に示した高い資本効率は、その可能性を裏付ける。

2036年に主力化粧品の米国シェアが23%前後へ広がり、rhodeが現在の数倍の販売数量を獲得する姿は不可能ではない。会社全体の売上が70億ドルを超え、営業利益率が23%前後になれば、今の時価総額を上回る大きな価値が生まれる。現在は消費者の支持と流通網が同時に強くなっている時期であり、その勢いを十分に評価すべきである。

慎重な見方

e.l.f.の最大の問題は、化粧品のブランド力が長期にわたって安定する保証がないことである。シェア拡大の実績は確かだが、若い消費者の好みは変化が速い。過去に流行したブランドが10年後も同じ人気を保つとは限らない。化粧品は顧客の切り替え費用が低く、メイベリン、NYX、セラヴィなどの競合も商品開発と広告を続けている。

直近の数字にも警戒材料がある。2026年3月期の会社開示では、売上増加約3.23億ドルに対し、rhode買収の寄与が約2.94億ドルだった。既存事業だけでは増収は約0.30億ドルにとどまる。全社売上の25%増を、主力ブランドが同じ速度で成長している証拠と見るのは誤りである。2026年には主力商品の数量が弱まり、一部で値下げによる需要回復を試みている。

2026年6月四半期の粗利益率83%も、そのまま持続的な採算力ではない。上昇分の大半は関税還付に由来する。還付が一巡し、広告費と物流費が上がれば、会計上の利益率は再び下がる。2026年3月期には広告・デジタル関連費用が売上の約24%に達した。ブランドの人気を保つためには、利益の相当部分を毎年使い続けなければならない。

買収にも落とし穴がある。rhodeは高成長だが、買収対価は約9億ドルと大きい。創業者の影響力、ブランドの話題性、セフォラでの販売順位が持続しなければ、のれんの減損と利益率の低下が同時に起こりうる。売上成長が鈍った際、株式報酬と借金が既存株主の利益をさらに薄める。

販売網の集中も大きい。主要4社で売上の過半を占め、各社は棚の配分や販促条件を変えられる。競合の広告投資や小売側の自社ブランド拡大が重なれば、売上を守るために値引きを増やさざるを得ない。米国シェアが13.5%から再び1桁へ落ちるなら、10年後の利益は現在と同程度か、それ以下にもなる。化粧品市場が伸びることは、特定企業の利益が増えることを保証しない。

どちらに重みを置いたか

事業の成長余地は大きいが、10年間の予測可能性では慎重な見方が勝る。主力ブランドのシェア拡大は強い証拠であり、rhodeとナチュリウムには追加成長の余地がある。しかし直近年度の増収は買収寄与が大きく、会計利益には関税還付と買収対価の評価変更が混じる。既存事業の数量成長を確認するまでは、過去の高成長をそのまま延長しない。

確率は楽観12%、やや楽観20%、中立32%、やや悲観25%、悲観11%とした。強気側32%に対して慎重側36%を厚くする。成熟した日用品大手より悲観を重く見るのは、化粧品ブランドの流行、買収、株式報酬が長期の取り分を左右するためである。一方、現在の競争力が明確なので極端な悲観だけには寄せない。

結果として10年後の本質価値は約37.7億ドルとなり、現在の時価総額を約44%下回る。優れた成長企業だとしても、その成長に高い値段を払えば株主の利回りは低くなる。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 133.92 ドル79 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 7.19 ドル4 億ドル)。 今の値に割り戻すと 64.01 ドル38 億ドル、今との差 −42.7%、 期待の年率 +2.4%(資本コスト 8.5%)→ 割高

筋書き確率10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価還元の換算額還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・還元込み年率確率 × (終価+還元)
楽観 12% 352.98 ドル210 億ドル 20.22 ドル12 億ドル +234.1% +13.3% 44.78 ドル27 億ドル
やや楽観 20% 207.04 ドル123 億ドル 13.48 ドル8 億ドル +97.4% +7.3% 44.10 ドル26 億ドル
中立 32% 124.01 ドル74 億ドル 6.74 ドル4 億ドル +17.1% +1.6% 41.84 ドル25 億ドル
やや悲観 25% 38.09 ドル23 億ドル 0.00 ドル0 億ドル −65.9% −10.2% 9.52 ドル6 億ドル
悲観 11% 8.64 ドル5 億ドル −0.84 ドル−1 億ドル −93.0% −22.8% 0.86 ドル1 億ドル
加重平均100% 133.92 ドル79 億ドル7.19 ドル4 億ドル +26.3% +2.4% 141.11 ドル84 億ドル

今の株価時価総額 111.69 ドル66 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。

楽観 12% 楽観:世界的な美容ブランド群へ成長する 利益 13 億ドル · PER 16.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 352.98 ドル210 億ドル

2036年3月期には、e.l.f. Cosmeticsが米国の大手ブランドとして定着し、金額シェアが23%前後へ上がる。英国やカナダでも販路が広がり、主力化粧品の販売数量は現在の2.4倍になる。価格は製品構成の改善と物価上昇を反映して1.48倍となり、カラー化粧品の売上が大きく増える。

スキンケアでも成功が続く。e.l.f. SKINは米国で首位ブランドとの差を縮め、ナチュリウムはウルタとセフォラから海外市場へ広がる。rhodeは一時的な流行に終わらず、スキンケアとカラー化粧品で継続購入されるブランドへ成長する。直販と小売の両方が伸びるため、販売数量は大きく増える。

競合のメイベリンやセラヴィは依然として強いが、e.l.f.は価格と商品開発の速さでシェアを獲得する。販売拡大に対して本社費の増加が緩やかになり、営業利益率は約23%に改善する。大型買収に依存せず、既存ブランドの投資収益率が資本コストを大幅に上回る。2036年の純利益は約12.6億ドルとなり、10年間の正味株主還元も12億ドルに達する。

利益の成長は後半に厚くなる。前半は海外流通と広告に資本を使い、後半はその投資が実を結ぶ。長期の利益成長は成熟に伴って鈍るが、複数のブランドが市場の成長を上回る数量を保つ。10年後の時価総額は約209.5億ドルである。

  • e.l.f. Cosmetics・Well People:数量 6.2(販売数量(億個、世界小売販売額と平均小売価格からの推定))× 価格 6.29(会社の平均受取単価(ドル/個))→ 売上 39 億ドル・営業利益 9 億ドル。数量2.40倍。米国シェア約23%への拡大と海外販路増加。単価1.48倍。
  • e.l.f. SKIN:数量 0.7(販売数量(億個、世界小売販売額からの推定))× 価格 9.07(会社の平均受取単価(ドル/個))→ 売上 6 億ドル・営業利益 2 億ドル。数量3.70倍。米国大衆向けスキンケアで上位ブランドへ進む。単価1.50倍。
  • Naturium:数量 0.6(販売数量(億個、世界小売販売額からの推定))× 価格 15(会社の平均受取単価(ドル/個))→ 売上 9 億ドル・営業利益 2 億ドル。数量4.00倍。海外展開と販売店増加。単価1.50倍。
  • rhode:数量 0.6(連結対象期間の推定販売数量(億個))× 価格 35(会社の平均受取単価(ドル/個))→ 売上 20 億ドル・営業利益 6 億ドル。数量4.60倍。世界の高級美容販路に定着し、継続購入が増える。単価1.50倍。

倍率:資本コストk=8.5%、2036年のROE=12.59÷51.3=24.5%。堀は通常で超過ROEの残存割合1/2、RONICは約16.5%。g=4.0%は成熟後の市場実質数量成長約1%、シェア・海外浸透による実質数量成長約0.5%、単価成長約2.5%から判断した。正当化PER=(1-g/RONIC)/(k-g)×(1+g)は約17.5倍で、成熟後の競争を考慮して上限の約95%である16.64倍を使う。2036年時点の成長は10%未満へ減速する前提で、高成長を永続倍率へ持ち込まない。GAAP純利益12.59億ドル×16.64倍=209.50億ドル。余剰純現金の別建て加算はない。

確率:主力化粧品の米国シェアが23%前後へ上がり、海外販路も拡大する。rhodeとナチュリウムが複数倍へ成長し、広告効率と利益率も改善する筋書き。過去のシェア獲得実績から実現可能性はあるが、10年間すべてが好調に進む確率は限定的と判断した。

やや楽観 20% やや楽観:主力とスキンケアがともに拡大する 利益 8 億ドル · PER 15.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 207.04 ドル123 億ドル

主力化粧品は米国大衆向け市場でシェアを20%前後まで伸ばす。競合のメイベリンやNYXは強いものの、e.l.f.は価格の魅力と商品開発で若い顧客を維持する。英国、カナダ、欧州の販売店も増え、主力の世界販売数量は現在の1.9倍になる。単価は物価上昇をおおむね反映する。

スキンケアは会社全体の成長を押し上げる。e.l.f. SKINは低価格帯の棚を広げ、ナチュリウムは中価格帯で成長する。rhodeはセフォラの海外店舗へ展開し、創業時の話題性に頼らない商品群を育てる。直販の伸びは鈍化するが、小売販路の増加で販売数量は3倍以上となる。

経営は新たな大型買収より既存ブランドへの再投資を優先する。生産委託先の分散で関税の影響を抑え、広告費が売上に占める割合も緩やかに下がる。ブランドの競争力は強いが、主力化粧品の値上げ余地は限定され、利益率の改善は楽観ほど大きくない。

2036年の売上は約54.5億ドル、営業利益は約11億ドル、純利益は約8.2億ドルとなる。前半は広告と海外進出の投資が利益を抑え、後半に収益が増える。10年間の正味還元は8億ドルであり、10年後の時価総額は約122.9億ドルとなる。

  • e.l.f. Cosmetics・Well People:数量 4.9(販売数量(億個、世界小売販売額と平均小売価格からの推定))× 価格 6.08(会社の平均受取単価(ドル/個))→ 売上 30 億ドル・営業利益 6 億ドル。数量1.90倍。米国シェア約20%と海外展開。単価1.43倍。
  • e.l.f. SKIN:数量 0.5(販売数量(億個、世界小売販売額からの推定))× 価格 8.76(会社の平均受取単価(ドル/個))→ 売上 4 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量2.80倍。低価格スキンケアでシェアを拡大。単価1.45倍。
  • Naturium:数量 0.4(販売数量(億個、世界小売販売額からの推定))× 価格 14(会社の平均受取単価(ドル/個))→ 売上 6 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量3.00倍。販売店と海外市場が拡大。単価1.45倍。
  • rhode:数量 0.4(連結対象期間の推定販売数量(億個))× 価格 34(会社の平均受取単価(ドル/個))→ 売上 14 億ドル・営業利益 4 億ドル。数量3.30倍。セフォラの世界店舗へ展開。単価1.46倍。

倍率:k=8.5%、ROE=8.17÷37.3=21.9%、堀は通常で残存割合1/2、RONICは約15.2%。g=3.7%は成熟後の市場数量約1%、残るシェア拡大・海外数量約0.5%、単価約2.2%の組み合わせである。正当化PER=(1-g/RONIC)/(k-g)×(1+g)は約16.35倍。広告効率の改善を認めながらも超過利益の永続は見込まず、上限の約92%となる15.04倍を採用する。GAAP純利益8.17億ドル×15.04倍=122.88億ドル。

確率:主力化粧品の米国シェアが20%前後へ上昇し、ナチュリウムとrhodeの海外販売が拡大する筋書き。過去のブランド育成能力を考えると十分にありうるが、利益率の改善には広告効率の回復が必要であるため20%とした。

中立 32% 中立:シェアを伸ばしながら成熟した美容企業へ 利益 5 億ドル · PER 13.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 124.01 ドル74 億ドル

主力化粧品は、米国で13.5%から18%前後へシェアを広げる。過去3年間ほどの急拡大ではないが、大手量販店の棚と商品開発力を生かして市場平均より速く成長する。米国の化粧品需要は緩やかに増え、英国やカナダでも販売先が増える。世界販売数量は現在の約1.57倍になる。

e.l.f. SKINは米国大衆向けスキンケア市場で首位との差を縮め、ナチュリウムは中価格帯の販路を広げる。rhodeは若い顧客の支持を保つが、成長率は買収直後より鈍化する。セフォラでの店舗展開が進み、販売数量は現在の約2.8倍となる。各ブランドの単価は長期の物価上昇におおむね沿って上がる。

利益率の改善には限界がある。メイベリンやセラヴィは研究開発と広告を続け、e.l.f.も売上拡大に合わせて広告費を使う。外部製造の利点は残るものの、関税、物流、返品、販売店への販促費が負担となる。2026年の関税還付による一時的な利益押し上げは、将来の恒常的な利益率には含めない。

2036年の売上は約44.6億ドル、営業利益は約7.5億ドル、純利益は5.42億ドルとなる。前半はブランドへの投資が重く、後半に利益が伸びる。新たな大型買収は想定せず、10年間の正味株主還元は4億ドルにとどまる。事業は今より大きくなるが、10年後の時価総額約73.6億ドルを現在価値へ戻すと、安全域は十分ではない。

  • e.l.f. Cosmetics・Well People:数量 4.0(販売数量(億個、世界小売販売額と平均小売価格からの推定))× 価格 6.00(会社の平均受取単価(ドル/個))→ 売上 24 億ドル・営業利益 4 億ドル。数量1.57倍。米国シェア13.5%から約18%、米国市場の実質成長と海外販路拡大を含む。単価1.41倍。
  • e.l.f. SKIN:数量 0.4(販売数量(億個、世界小売販売額からの推定))× 価格 8.52(会社の平均受取単価(ドル/個))→ 売上 4 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量2.45倍。米国シェア約2%から4%前後への上昇とカテゴリー数量の増加。単価1.41倍。
  • Naturium:数量 0.4(販売数量(億個、世界小売販売額からの推定))× 価格 14(会社の平均受取単価(ドル/個))→ 売上 5 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量2.50倍。流通店舗の増加と海外進出。単価1.41倍。
  • rhode:数量 0.3(連結対象期間の推定販売数量(億個))× 価格 33(会社の平均受取単価(ドル/個))→ 売上 11 億ドル・営業利益 3 億ドル。数量2.80倍。セフォラでの展開とリピート需要が成長源。単価1.41倍。

倍率:資本コスト8.5%、ROE=5.42÷31.3=17.3%。堀は通常で残存割合1/2、RONICは約12.9%。g=3.5%は成熟後の化粧品・スキンケア市場の実質数量成長約1%、シェア・海外浸透による数量成長約0.5%、単価上昇約2%を組み合わせた。ROEの高さからgを出していない。正当化PER=(1-g/RONIC)/(k-g)×(1+g)は約15.09倍。ブランドの入れ替わりと広告費を考慮し、上限の90%である13.58倍とした。GAAP純利益5.42億ドル×13.58倍=73.60億ドル。借金の利払いは純利益から差し引いてあり、EVと株式価値を混同しない。

確率:主力化粧品の米国シェアが18%前後へ拡大し、スキンケアと海外展開が成長するが、広告・流通費用と競争によって高い利益率には届かない筋書き。会社の実績と市場の大きさから最も自然と考え、32%を配分した。

やや悲観 25% やや悲観:主力ブランドの成長が止まり採算が低下する 利益 2 億ドル · PER 10.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 38.09 ドル23 億ドル

主力化粧品は市場シェアを失い始める。メイベリンやNYXが低価格帯の商品を増やし、新しいブランドもSNSで人気を集める。e.l.f. Cosmeticsは米国で約11%のシェアを保つが、ターゲットなどの棚を追加獲得できなくなる。海外販売は増えるため世界数量は現在を少し上回るものの、かつての高成長企業ではなくなる。

e.l.f. SKINとナチュリウムは成長を続けるが、セラヴィなどとの競争で販促費が増える。rhodeは海外展開に成功する一方、創業時の話題性が弱まり、リピート需要の伸びが鈍化する。商品単価は物価上昇より低い1.26〜1.30倍にとどまり、値上げできない部分が販売数量と利益率を圧迫する。

会社は利益を守るために広告費と商品開発費を調整する。しかし広告を削りすぎるとブランドの存在感がさらに低下する。小売店の棚を確保するための値引きや販促負担も続く。新たな大型買収は行わず、既存事業の立て直しに資本を使う。株式報酬による希薄化を十分に打ち消す余裕もない。

2036年の売上は約25.1億ドル、営業利益は約2.9億ドル、純利益は約1.94億ドルとなる。10年の純利益累計は約10億ドルであるが、成長力が低く、資本効率は資本コストに近づく。10年後の時価総額は約20.2億ドルとなる。

  • e.l.f. Cosmetics・Well People:数量 2.7(販売数量(億個、世界小売販売額と平均小売価格からの推定))× 価格 5.44(会社の平均受取単価(ドル/個))→ 売上 15 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量1.05倍。米国シェアが約11%へ後退し、海外成長が減少を一部補う。単価1.28倍。
  • e.l.f. SKIN:数量 0.2(販売数量(億個、世界小売販売額からの推定))× 価格 7.74(会社の平均受取単価(ドル/個))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量1.35倍。競争激化でシェアの伸びが鈍化。単価1.28倍。
  • Naturium:数量 0.2(販売数量(億個、世界小売販売額からの推定))× 価格 13(会社の平均受取単価(ドル/個))→ 売上 3 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量1.50倍。海外展開は進むが広告負担が増える。単価1.30倍。
  • rhode:数量 0.2(連結対象期間の推定販売数量(億個))× 価格 29(会社の平均受取単価(ドル/個))→ 売上 6 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量1.55倍。セフォラでの拡大後に成長が鈍る。単価1.26倍。

倍率:k=8.5%、ROE=1.94÷21.3=9.1%。通常の堀の残存割合1/2でRONICは約8.8%。g=2.5%は成熟後の市場実質数量成長約0.5%、会社のシェア低下による数量寄与約-0.5%、価格上昇約2.5%から判断した。正当化PERは約12.23倍だが、構造的なシェア後退と利益の質の低下を考慮して10.4倍とした。中立の13.58倍を下回る。GAAP純利益1.94億ドル×10.4倍=20.18億ドル。

確率:米国の低価格化粧品市場で競争が強まり、主力のシェアが11%前後へ下がる。スキンケアの成長が全社を支えるものの、広告効率と価格決定力が弱まる筋書き。最近の既存事業の数量の弱さと顧客集中を考え、25%とした。

悲観 11% 悲観:ブランドの流行が終わり、買収価値も傷む 利益 1 億ドル · PER 7.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 8.64 ドル5 億ドル

2036年には主力化粧品がかつての勢いを失う。メイベリン、NYX、新しい低価格ブランドが市場を奪い、e.l.f. Cosmeticsの米国シェアは8%前後まで下がる。海外の店舗は増えるものの、世界販売数量は現在の8割に減る。ブランドを守るための値下げと販促が常態化し、単価の上昇は10年で約2割にとどまる。

e.l.f. SKINとナチュリウムは市場で生き残るが、成長は止まる。セラヴィなどの大手に対して商品の差別化が難しくなり、棚を維持するための広告費が増える。rhodeは創業者に結びついた流行の影響が薄れ、継続購入が減る。セフォラでの展開も予定ほど進まず、現在より販売数量が少なくなる。

経営はブランドの整理と不採算商品の撤退を迫られる。途中で買収のれんや商標の減損が生じ、10年間のGAAP純利益累計は約0.5億ドルにとどまる。これは通常の年に生む利益と、途中に発生する一時的な大きな損失を合計した結果である。資金の一部は借金の返済に回り、株式報酬を相殺する自社株買いもできなくなる。

2036年の売上は約16.9億ドルで、名目では現在とほぼ同じ水準にとどまる。営業利益率は約6.7%、純利益は約0.67億ドルとなる。化粧品需要は残っても、企業の競争上の優位は大きく損なわれる。残る稼ぐ力と売却可能資産を慎重に評価した10年後の時価総額は約5.13億ドルとなる。

  • e.l.f. Cosmetics・Well People:数量 2.1(販売数量(億個、世界小売販売額と平均小売価格からの推定))× 価格 5.10(会社の平均受取単価(ドル/個))→ 売上 11 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量0.80倍。米国シェアが約8%へ低下。単価1.20倍で物価に追いつかない。
  • e.l.f. SKIN:数量 0.2(販売数量(億個、世界小売販売額からの推定))× 価格 7.25(会社の平均受取単価(ドル/個))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量0.98倍。成長が止まり、市場シェアも低下。単価1.20倍。
  • Naturium:数量 0.1(販売数量(億個、世界小売販売額からの推定))× 価格 12(会社の平均受取単価(ドル/個))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量1.00倍。海外拡大が失速し、単価1.20倍のみ。
  • rhode:数量 0.1(連結対象期間の推定販売数量(億個))× 価格 28(会社の平均受取単価(ドル/個))→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量0.95倍。人気の低下と販路停滞。単価1.20倍。

倍率:k=8.5%、ROE=0.67÷12.3=5.4%で資本コストを下回る。ROEがk以下のためPERの上限は1÷k=11.76倍である。g=1%は市場の数量成長約0.5%、シェアの低下約-1.5%、価格成長約2%を合わせたものである。ブランド競争力が失われているためPER7.65倍とし、GAAP純利益0.67億ドル×7.65倍=5.13億ドル。稼ぐ力の上限目安0.67÷0.085=約7.88億ドルを下回り、税引後の処分可能資産5.0億ドルは上回る。過去の谷のPBRを根拠にしていない。

確率:主力化粧品の米国シェアが1桁へ下がり、rhodeの人気も弱まる。買収のれんの減損と広告効率の悪化が利益を圧迫する構造的敗北の筋書きである。化粧品需要そのものは残るため倒産を中心とはしないが、ブランドの寿命を考えて11%を割り当てた。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

e.l.f. Cosmetics・Well People

手頃な価格のカラー化粧品を中心とし、Well Peopleの小規模な自然派化粧品を含む。主力ブランドの米国大衆向け化粧品シェアは13.5%で、ターゲットでは21%。

数量販売数量(億個、世界小売販売額と平均小売価格からの推定)価格会社の平均受取単価(ドル/個)売上営業利益
今 2025/12 2.6 4.25 11 1
10 年後 中立 4.0 6.00 24 4

取り方:2026年の委任状資料ではe.l.f. Cosmeticsの世界小売販売額が約18億ドル、平均小売価格が約7ドルである。約2.57億個の販売数量を推定し、卸売などを含む会社受取単価を約4.25ドルとした。Well Peopleは規模が小さく同じ区分に含める。会社はブランド別売上を開示しないため、推定売上10.95億ドルと営業利益1.18億ドルは実績値ではない。米国シェア13.5%はNielsenの米国大衆向け化粧品の金額シェアであり、世界売上に直接掛けたものではない。

e.l.f. SKIN

洗顔料、保湿剤、日焼け止めなどの低価格スキンケア。米国大衆向けスキンケアで約2%のシェアを持ち、首位ブランドとの差が大きい。

数量販売数量(億個、世界小売販売額からの推定)価格会社の平均受取単価(ドル/個)売上営業利益
今 2025/12 0.2 6.04 1 0
10 年後 中立 0.4 8.52 4 1

取り方:会社の2026年資料にある世界小売販売額約2億ドルを、平均小売価格約11ドルで割って約0.182億個と推定した。小売店の取り分を考慮し、会社の受取単価を約6.04ドルとする。ブランド別営業利益は非開示なので、営業利益0.18億ドルは販路と商品単価からの推定である。米国大衆向けスキンケアのシェア約2%は会社の決算説明で示された値であり、世界売上の占有率ではない。

Naturium

成分と使用感を重視した中価格帯スキンケア。セフォラ、ウルタなどで販路を拡大する。2023年の買収後に小売販売額が約2倍へ成長した。

数量販売数量(億個、世界小売販売額からの推定)価格会社の平均受取単価(ドル/個)売上営業利益
今 2025/12 0.1 9.86 1 0
10 年後 中立 0.4 14 5 1

取り方:会社の2026年資料による世界小売販売額約2.5億ドル、平均小売価格約17ドルから販売数量を約0.147億個と推定した。会社受取単価は卸売を考慮して約9.86ドルとした。売上1.45億ドル、営業利益0.28億ドルはいずれも推定である。カテゴリー別の公式シェアは開示されず、米国市場全体の規模から正確な占有率を割り戻すことはできない。

rhode

スキンケアを中心とする比較的高価格の美容ブランド。直販とセフォラを通じて販売し、2025年8月に買収済み。若い消費者の支持が高い。

数量連結対象期間の推定販売数量(億個)価格会社の平均受取単価(ドル/個)売上営業利益
今 2025/12 0.1 23 3 1
10 年後 中立 0.3 33 11 3

取り方:2026年3月期10-Kでは2025年8月の買収後に連結されたrhodeの売上が2.935億ドルと開示されている。平均小売価格約27ドルと、年換算の世界小売販売額5億ドル超を参考に、連結対象期間の販売数量を約0.124億個と見積もった。受取単価約23.39ドルは直販比率の高さを反映した推定である。営業利益0.93億ドルは買収先の利益情報を参考にした配賦であり、本社費、買収償却、追加対価評価損などは全社調整として別に考える。

リスクと懸念

ブランドの流行と市場シェアの反転

e.l.f. Cosmeticsは米国で急速にシェアを伸ばしたが、化粧品は消費者の切り替え費用が低い。メイベリン、NYX、新興ブランドが魅力的な新商品を出せば、次の世代の顧客は別の商品へ動く。主力ブランドの米国シェア13.5%を維持できず、広告費だけが増える状態になれば、数量成長と利益率が同時に悪化する。

主要小売への販売集中

2026年3月期の売上はターゲット18%、ウォルマート13%、アマゾン11%、セフォラ10%で、主要4社に過半を依存する。小売側が棚を他ブランドへ振り向けたり、販売条件を厳しくしたりすれば、商品の販売数量と採算が悪化する。e.l.f.は小売店に顧客を呼べる強みを持つが、販売網を自社だけで支配しているわけではない。

関税・中国依存・利益率の見かけ

製造の多くを中国に依存してきたため、関税と輸送費の影響を受けやすい。2026年には中国以外での製造比率が45%超へ拡大したが、供給網の移転には費用がかかる。2026年6月四半期の粗利益率83%には関税還付の約10.5ポイントの押し上げが含まれ、その水準を平常時の利益率として延長すると将来価値を大きく見誤る。

rhode買収とブランド資産の減損

rhodeの買収対価は約8.98億ドルで、追加対価も最大2億ドル生じうる。販売実績が好調でも、買収価格以上の価値を株主が得られるとは限らない。SNSでの人気、創業者との結びつき、セフォラでの販売実績が弱まれば、買収時ののれんと無形資産が傷む。利益の減少に加えて一時的な減損が起きる可能性を悲観の筋書きに含めた。

株式報酬と正味の株主還元

2026年3月期の株式報酬費用は約0.87億ドルで、自社株買い約0.5億ドルを上回った。株式報酬はGAAP費用であり、無償の経営資源ではない。今後も従業員向けの新株が増え、自社株買いで十分に相殺できなければ、会社全体の利益が伸びても既存株主の取り分は薄くなる。買収で新株を支払う場合も、払い込まれた資本を正味還元から差し引く必要がある。

化粧品の安全性と広告表示の規制

化粧品は成分、表示、品質、安全性に関する各国の規制を受ける。米国では化粧品規制近代化法などへの対応も必要であり、販売地域が広がれば遵守費用も増える。商品の安全性に関する問題や広告表示への異議が生じると、回収費用だけでなくブランドへの信頼が傷む。低価格で多くの顧客へ販売する企業ほど、問題が広く伝わる可能性がある。

SNSとAIによる消費者接点の変化

同社の売上は物理的な化粧品であり、人月サービス、席課金ソフト、広告代理店などのAIエージェント代替型には該当しない。ただし、SNSの推薦アルゴリズムやAIによる商品検索が変われば、現在の広告手法で顧客を獲得する効率が落ちる可能性はある。AIが広告制作費を下げても、その恩恵を競合も受けるため、同社だけの利益増加とは考えない。

今後の分かれ目

e.l.f. Cosmeticsの米国金額シェアが15%を超え、その後も数量が市場平均を上回る
主力ブランドの競争力がさらに強まった証拠となる。中立の2036年販売数量と営業利益率を上方修正し、やや楽観の確率を増やす。
主力ブランドのシェアが12%を下回り、数量減少が4四半期続く
ブランドの競争力が弱まった可能性が高い。中立の数量成長と長期のgを下げ、やや悲観・悲観の確率を増やす。
e.l.f. SKINの米国市場シェアが4%を超え、ナチュリウムも利益率を保って成長する
スキンケアへの投資が資本コストを超える利益を生んでいる証拠となる。中立のスキンケア売上と増分ROICを上方修正する。
rhodeの世界販売数量が継続的に増え、買収追加対価を含めても高い投下資本利益率を維持する
買収による株主価値の創出が確認できる。rhodeの長期利益率と成長数量を引き上げ、楽観側の確率を増やす。
関税還付が一巡した後の粗利益率とGAAP営業利益率が低下する
直近の高い利益率が一時的だったことを意味する。営業利益率の中立前提を引き下げ、借入金の利息と買収関連費用を改めて確認する。
株式報酬で増える株式を自社株買いで継続的に相殺し、純負債も減少する
会社の成長が既存株主へ戻る割合が高まる。10年間の正味還元を増額し、財務面の悲観要因を軽減する。
大型買収が続き、のれんと純負債が増えるのにGAAP利益が伸びない
増分投資の収益率が資本コストに届かない可能性が高まる。将来の減損を含む筋書きを増やし、買収による見かけの売上成長を価値として先取りしない。

見ておくもの

  • e.l.f. Cosmeticsの米国大衆向け化粧品の金額シェアと数量シェア
  • 主力ブランドの数量成長率と平均販売単価の変化
  • e.l.f. SKINとナチュリウムの小売販売額、米国市場シェア、販売店の拡大
  • rhodeの実際の売上、継続購入、セフォラの展開店舗数、追加買収対価
  • 関税還付を除いた粗利益率とGAAP営業利益率
  • 広告・デジタル関連費用の売上比率と新商品の販売効率
  • 株式報酬、発行済み株式数、自社株買い、正味の株主還元
  • 現金、有利子負債、純有利子負債と借り換え金利
  • のれん・商標の減損と新たな大型買収の有無

倍率と資本コストの決め方

現在の時価総額を見る前に、主力化粧品、e.l.f. SKIN、ナチュリウム、rhodeの販売数量と会社受取単価を分け、将来の売上を積み上げた。数量は市場の実質成長、シェア、海外展開から判断し、物価3.5%は価格へ入れた。会計上は単一セグメントなので、ブランド別売上と営業利益は公開小売データからの推定である。

倍率は資本コスト8.5%、事業のROE、RONIC、成熟後の数量と価格に基づくgから計算した。中立の10年目PER13.58倍は正当化PER上限の約90%であり、現在や過去の市場PERに合わせていない。GAAP純利益には株式報酬と買収償却を含め、還元から希薄化を差し引いた。

自己資本は各筋書きで当初11.3億ドルに期間純利益累計を加え、正味還元を差し引いて検算した。悲観の床は税引後の売却可能資産と稼ぐ力で確認し、帳簿自己資本をそのまま床にしていない。米国ASC842のリースは既に財務諸表に載っており、倉庫・事務所の賃借は固定費として残す。現在価値の結果が割高になったために利益や倍率を逆算して調整していない。

資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。米国株の基本8.0%に事業の循環性によるquality+0.5%を加え、資本コストを8.5%とした。βや市場のPERは使わない。将来の買収失敗、株式報酬、顧客集中は資本コストに追加せず、数量・利益率と悲観確率で評価する。

同じ業種(生活必需品)の AI 分析

割安 スプラウツ・ファーマーズ・マーケットSFM 健康志向の専門スーパーで独自商品と小型店の出店余地がある。既存店の失速と賃料負担を織り込んでも、十年の利益と正味還元から見た価値には大きな安全域がある。 本質価値との差 +154.8% · 10 年 割安(年 +21.1%) 割安 アルバートソンズACI 地域密着の食品スーパー大手。再建による利益回復の余地はあるが、顧客流出と重い負債が難点。10年価値はやや割安でも安全域は薄い。 本質価値との差 +46.4% · 10 年 割安(年 +14.0%) 割安 イングレディオンINGR 高付加価値のでんぷんと食品原料に強い加工メーカー。汎用品の数量減と大型買収リスクはあるが、長期の稼ぐ力と還元を合わせた価値には安全域があり、割安と判断する。 本質価値との差 +41.7% · 10 年 割安(年 +12.7%) やや割安 スミスフィールド・フーズSFD 加工肉の強さが上流の市況変動を支える。支配株主と大型投資を割り引いても、10年価値は現値を約1割上回り、やや割安 本質価値との差 +21.1% · 10 年 やや割安(年 +11.1%) やや割安 クロロックスCLX 漂白剤・猫砂・ごみ袋・ピュレルの必需品ブランド。ERP 移行の傷・CEO 交代・借入増が重なり利益が谷にあるが、k 8.75% の利益ベースの正当化 PER で測ると今の値段はやや割安 本質価値との差 +15.1% · 10 年 やや割安(年 +10.6%) やや割安 ピルグリムズ・プライドPPC 鶏肉需要は長寿命で規模も強いが、利益は市況と親会社に振れる。独立前提の価値はやや割安、少数株主の出口が最大の論点 本質価値との差 +11.0% · 10 年 やや割安(年 +10.4%) 適正 マコーミックMKC 調味料で世界首位の安定事業。米国の数量は弱いが、k 8.25% の利益ベースの正当化 PER(その 8.5 割)で測った値は今の時価総額を上回り、ユニリーバ統合を除いた単体ではやや割安 本質価値との差 +10.0% · 10 年 適正(年 +9.6%) 適正 アンベブABEV ブラジルの圧倒的なビール流通網と純現金は魅力だが、税制改革と数量停滞を織り込むと、10月23日基準の本質価値は市場価格を約16%下回り、やや割高。 本質価値との差 +3.8% · 10 年 適正(年 +8.5%) 適正 コナグラ・ブランズCAG 冷凍食品と肉スナックには残る顧客がいるが、値決め力の弱さと重い買収負債が利益を削る。配当半減後も安全域は薄く、10年の確率加重価値はほぼ適正圏 本質価値との差 −0.6% · 10 年 適正(年 +8.9%) 適正 シーボードSEB 簿価割れは目を引くが、低い資本効率も本物。硬い資産の床と利益の弱さが釣り合い、10年価値は適正圏 本質価値との差 −0.8% · 10 年 適正(年 +9.4%) 適正 ペプシコPEP 飲料とスナックの二本柱だが、値下げと原料高で北米の利益が痩せている。利益ベースの正当化 PER(その 8.5 割)で測ると、本質価値は今の値段とほぼ同じで適正 本質価値との差 −2.0% · 10 年 適正(年 +7.7%) 適正 ポストホールディングスPOST 食品の寄せ集めを買収と自社株買いで磨く会社だが、数量減と重い負債が相殺する。10年価値は今の時価総額とほぼ同じで、適正と見る 本質価値との差 −2.6% · 10 年 適正(年 +9.1%) 適正 ターゲットTGT 縮んだ総合量販が立て直しに投資する局面。成功すれば倍率以上に利益が戻り、競合に負ければ構造的に縮む。利益ベースの正当化 PER で測ると、今の値段は適正 本質価値との差 −3.2% · 10 年 適正(年 +7.6%) 適正 クローガーKR 米国最大の伝統的な食品スーパー。占有率を毎年失う薄利の成熟事業だが、食料品は落ちにくく、利益ベースの正当化 PER(その 8 割)で見ると今の値段は適正 本質価値との差 −4.1% · 10 年 適正(年 +7.9%) 適正 ゼネラル・ミルズGIS 数量が縮み利益が 2 期続けて落ちた大手ブランド。価格投資は一巡したが、借金の重さを k に入れて確率を慎重側に厚くすると、本質価値は今の時価総額とほぼ同じで適正 本質価値との差 −7.3% · 10 年 適正(年 +7.7%) 適正 BJsホールセール・クラブ・ホールディングスBJ 会員の継続と新規出店で利益は伸びるが、投資負担と競争も重い。今の値段はおおむね適正で、長期保有の安全域は薄い。 本質価値との差 −8.1% · 10 年 適正(年 +6.5%) 適正 キンバリークラークKMB ハギーズ・クリネックスの北米首位と、IFP 売却後の身軽な形。北米の価格投資と中国の失速はあるが、k 8.5% の利益ベースの正当化 PER(来年の利益に約 15 倍)は今の PER 17 倍と近く、値段は適正 本質価値との差 −8.3% · 10 年 適正(年 +7.3%) やや割高 タイソン・フーズTSN 牛肉の赤字を鶏肉と加工食品が支える食肉大手。k 9.75% の正当化 PER(弱い堀で下限の 1 ÷ k に近い)で測ると、中立の価値は今を上回るが、期待の年率は k を下回り、適正 本質価値との差 −10.1% · 10 年 やや割高(年 +8.3%) やや割高 モルソン・クアーズ・ビバレッジTAP 米国ビールの縮小とシェア低下で利益が減る最中。それでも伸びのない会社の式(PER = 1 ÷ k = 10.5 倍)で測ると中立の 10 年後は今とほぼ同じで、確率を重ねるとやや割高 本質価値との差 −11.3% · 10 年 やや割高(年 +7.6%) やや割高 ユニリーバUL 世界的な日用品ブランドと新興国での数量成長は魅力だが、食品事業の再編と値上げ力の限界を考えると安全域は薄い。10年の本質価値ではやや割高 本質価値との差 −11.8% · 10 年 やや割高(年 +5.9%) やや割高 HLNHLN 治療用歯磨き剤のブランドと現金創出力は強いが、サプリメントの競争と借入負担を含めると安全域が約26%不足し、やや割高である。 本質価値との差 −12.0% · 10 年 やや割高(年 +5.9%) やや割高 ダーリン・イングレディエンツDAR 回収網とコラーゲンに堀があるが、燃料政策と負債で利益は大きく揺れる。10年の本質価値にはまだ安全域が足りず、やや割高と見る。 本質価値との差 −13.2% · 10 年 やや割高(年 +7.7%) やや割高 ホーメル・フーズHRL 豚肉の原価高と撤退で利益が落ちた、配当 127 年の加工肉・外食の会社。借金は軽いが、利益ベースの正当化 PER(その 8 割)で測ると今の時価総額をやや下回り、適正 本質価値との差 −13.4% · 10 年 やや割高(年 +6.2%) やや割高 ブンゲ・グローバルBG 世界最大級の油糧種子の圧搾・穀物商社。2026 年は圧搾利幅が山で、ならした利益に弱い堀の正当化 PER(下限の 1 ÷ k = 10.0 倍)を当てると、今の値段はやや割高 本質価値との差 −13.4% · 10 年 やや割高(年 +8.1%) やや割高 BTIBTI 紙巻きの強い値上げ力とVeloの成長を持つ世界大手。ただし数量減少と規制、買収の後遺症を考えると、10年価値に対して今はやや割高 本質価値との差 −15.1% · 10 年 やや割高(年 +5.7%) やや割高 ダラー・ゼネラルDG 農村の小型店の密度で食品の来店頻度を握る会社が、盛り損の削減と改装で利益率を戻す局面。今の値段はやや割高で、利益率の戻りが続くかが価値を分ける 本質価値との差 −15.4% · 10 年 やや割高(年 +5.8%) やや割高 レイノルズ・コンシューマー・プロダクツREYN 箔とごみ袋の首位ブランドは長く残るが、顧客集中と支配株主が安全域を削る。10年価値は今の時価総額を約17%下回り、やや割高 本質価値との差 −15.7% · 10 年 やや割高(年 +5.8%) やや割高 コンステレーション・ブランズSTZ モデロ・コロナの輸入ビール一本足。数量が縮む産業で純負債も重いが、伸びのない会社の正当化 PER(1 ÷ k)で測ると、中立の 10 年後は今の 0.94 倍で、還元を足しても資本コストに届かず、やや割高 本質価値との差 −16.5% · 10 年 やや割高(年 +6.3%) やや割高 クラフト・ハインツKHC ブランドは強いが数量が毎年縮む会社。k 9.0% の稼ぐ力(純利益 ÷ k)で測ると中立の価値は今の時価総額とほぼ同じで、確率を悲観側に置いた総合ではやや割高 本質価値との差 −16.7% · 10 年 やや割高(年 +6.3%) やや割高 ダラー・ツリーDLTR 裁量品が約半分の均一価格店が、多価格化と客層の広がりで利益率 9% 前後に乗せた局面。利益ベースの正当化 PER で測るとやや割高で、関税還付の一過性と客数の弱さから確率も慎重側に厚く置いた 本質価値との差 −17.3% · 10 年 やや割高(年 +5.5%) やや割高 ハーシーHSY チョコレート首位のブランドが、カカオ高の谷を価格改定で抜けた直後。k 7.5% の利益ベースの正当化 PER で測ると、値段はやや割高 本質価値との差 −18.2% · 10 年 やや割高(年 +4.9%) やや割高 ザ・キャンベルズ・カンパニーCPB スープとラオズには長く残る堀があるが、スナックの数量減と重い借金が株主利益を削る。配当減額後も安全域は不足し、10年価値ではやや割高 本質価値との差 −20.3% · 10 年 やや割高(年 +6.0%) やや割高 アルトリア・グループMO 数量が毎年 5% 減る紙巻きを値上げで支える高配当の縮む事業。名目の利益は横ばいで、伸びのない会社の正当化 PER(1 ÷ k)で測ると今の値段はやや割高 本質価値との差 −20.9% · 10 年 やや割高(年 +4.2%) やや割高 モンデリーズ・インターナショナルMDLZ 世界首位のビスケットと世界 2 位のチョコを持ち、カカオ高で利益が削られた谷にある。k 8.0% の利益ベースの正当化 PER で測ると、今の値段は中立の価値とほぼ同じで、確率を悲観側に置いた総合ではやや割高 本質価値との差 −21.3% · 10 年 やや割高(年 +4.8%) やや割高 コルゲート・パルモリブCL 歯磨きで世界首位とペット用療法食を持つ超安定企業。北米の数量減は重く、k 7.5% の利益ベースの正当化 PER(来年の利益に約 20 倍)で見ると今の PER 25 倍はやや高く、利益の質は高いがやや割高 本質価値との差 −21.6% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 KOFKOF 中南米の独占的な瓶詰め・配送網は長寿だが、設備投資と原液供給者への依存が重い。還元込みでも今の評価には安全域が薄く、やや割高 本質価値との差 −22.6% · 10 年 やや割高(年 +4.8%) やや割高 オリーズ・バーゲン・アウトレット・ホールディングスOLLI 店舗倍増の余地と仕入れの腕は魅力だが、既存店の弱さと固定家賃を考えると今の値段には安全域が乏しく、やや割高 本質価値との差 −23.2% · 10 年 やや割高(年 +5.3%) やや割高 シスコSYY 米国最大の外食向け食品卸。薄利の物流業で価格を決める力は弱いが、規模の経済と AI 効率化で利益は着実に伸びる。利益ベースの正当化 PER で見ると、今の値段はやや割高 本質価値との差 −23.5% · 10 年 やや割高(年 +5.6%) やや割高 プロクター・アンド・ギャンブルPG 世界最強の日用品ブランド群だが、PER 24 倍は k 7.5% の利益ベースの正当化 PER(来年の利益に約 19 倍)を上回る。数量の弱さを長期の成長に入れると、値段はやや割高 本質価値との差 −23.7% · 10 年 やや割高(年 +4.0%) やや割高 フレッシュペットFRPT 冷蔵棚と自社工場の堀で生鮮ペットフードを主流化する先駆者だが、大手参入後も高成長が続く前提が残り、利益ベースでは約2割のやや割高 本質価値との差 −24.5% · 10 年 やや割高(年 +4.7%) やや割高 コカ・コーラKO 世界最強のブランド原液事業。強い堀の利益ベースの正当化 PER で測っても、k 7.5% では中立の 10 年後が今の約 1.1 倍にとどまり、今の値段はやや割高 本質価値との差 −24.6% · 10 年 やや割高(年 +3.9%) やや割高 セルシウス・ホールディングスCELH 3ブランドとペプシコの販路は強みだが、主力の減速と優先株の取り分が重い。10年の期待価値ではやや割高とみる 本質価値との差 −25.3% · 10 年 やや割高(年 +5.6%) やや割高 プリモ・ブランズ・コーポレーションPRMB 全米最大級の水ブランドと宅配網は有力だが、大型統合の借金と値上げ力の弱さを考えると、10年価値は現状を下回りやや割高。 本質価値との差 −26.7% · 10 年 やや割高(年 +5.1%) やや割高 FMXFMX OXXOの店舗網とコカ・コーラの製造・配送網は強いが、少数株主持分と小売の資本負担が重い。10年価値は現在より約28%低く、やや割高 本質価値との差 −27.0% · 10 年 やや割高(年 +4.1%) やや割高 BUDBUD 世界首位のビール企業は中南米・アフリカの寡占で成長できるが、米国の飲酒減と借金が重い。10年の加重価値では割高。 本質価値との差 −27.2% · 10 年 やや割高(年 +3.6%) やや割高 キューリグ・ドクターペッパーKDP JDE ピーツの買収で純負債が時価総額の 6 割になった飲料・コーヒー複合。強い飲料と縮むポッドの綱引きで、借金の重さを k に入れると 10 年の中立は今の約 0.93 倍にとどまり、今の値段はやや割高 本質価値との差 −27.5% · 10 年 やや割高(年 +4.6%) やや割高 DEODEO ジョニーウォーカーとギネスの堀は強いが、米国のシェア喪失と高負債が重い。10年の還元込み本質価値は現状を下回り、割高。 本質価値との差 −28.2% · 10 年 やや割高(年 +4.0%) やや割高 JM スマッカーSJM コーヒーの値付けと借金返済で利益の底が見えたが、ブランドの堀は広がらず、k 8.75% の利益ベースの正当化 PER で測ると中立の価値は今とほぼ同じで、確率を悲観側に置いた総合ではやや割高 本質価値との差 −28.7% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) 割高 ケンビューKVUE タイレノール・リステリン・ニュートロジーナを持つが、数量は縮み、訴訟が再燃。買収条件に連動する株価に安全域は見えず、単体の本質価値はやや下 本質価値との差 −30.0% · 10 年 割高(年 +3.9%) 割高 ラム・ウェストン・ホールディングスLW 北米の冷凍ポテトでは圧倒的な規模を持つが、海外の過剰設備と値下げ競争が収益を削る。10年後の利益回復を織り込んでも、今の株価には十分な安全域がなく割高 本質価値との差 −31.4% · 10 年 割高(年 +4.2%) 割高 ブラウン・フォーマンBF-B ジャックダニエルを軸にした酒類の老舗。米国の飲酒減・関税・カナダの棚外しが重いが、財務は軽く、利益ベースの正当化 PER(下限の 1 ÷ k)で測ると今の値段は割高 本質価値との差 −32.5% · 10 年 割高(年 +3.0%) 割高 アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドADM 価格を決める力のない農産物加工の循環株。バイオ燃料の追い風で 2026 年は利益の山。ならした利益に k 9.5% の稼ぐ力(弱い堀の下限 1 ÷ k = 10.5 倍)を当てると、値段は割高 本質価値との差 −33.6% · 10 年 割高(年 +3.8%) 割高 フィリップ モリス インターナショナルPM 紙巻きの減りを煙の出ない製品で埋める成長株。強い堀の利益ベースの正当化 PER でも、資本コスト 7.5% に対して今の値段は割高 本質価値との差 −36.0% · 10 年 割高(年 +2.0%) 割高 ウォルマートWMT 食品の規模・通販・広告で堀は広がる。だが今の PER 43 倍は、強い堀の利益ベースの正当化 PER(約 22 倍)の 2 倍近くで、割高 本質価値との差 −38.2% · 10 年 割高(年 +1.8%) 割高 USフーズ・ホールディングUSFD 外食店の仕入れを支える配送網は残り、独立系レストラン向けのシェアも伸びる。ただし薄利と借金を考えると、現在の時価総額には安全域が乏しく割高である。 本質価値との差 −41.2% · 10 年 割高(年 +2.2%) 割高 チャーチ・アンド・ドワイトCHD 猫砂・洗濯・オーラルケアの強いブランドを買い足して伸びる必需品の中堅。ウォルマート依存と買収の失敗が影で、k 7.75% の利益ベースの正当化 PER で測ると今の値段は割高 本質価値との差 −43.1% · 10 年 割高(年 +0.8%) 割高 モンスタービバレッジMNST エナジー専業の高採算ブランド。利益ベースの正当化 PER で測っても、中立の 10 年後は今の時価総額の約 0.87 倍にとどまり、今の値段は割高 本質価値との差 −46.2% · 10 年 割高(年 +0.9%) 割高 コカ・コーラ・コンソリデーティッドCOKE 14州に広がるコカ・コーラの独占販売網は強いが、原液とブランドは他社のもの。借入を伴う巨額自社株買い後の価格には安全域が乏しく、10年価値では割高。 本質価値との差 −48.1% · 10 年 割高(年 +0.3%) 割高 コストコ・ホールセールCOST 会費が利益の半分を生む堀は本物だが、PER 47.6 倍は成熟後の約 2 倍。10 年の年率は資本コスト 7.5% に届かず割高 本質価値との差 −49.9% · 10 年 割高(年 −0.4%) 割高 パフォーマンス・フード・グループPFGC 外食とコンビニを支える大型食品卸。配送網は10年後も必要だが、薄利と買収負債が株主利益を削る。独立店での成長を認めても、現値には安全域が乏しく割高と見る 本質価値との差 −51.4% · 10 年 割高(年 +0.6%) 割高 エスティ ローダーEL 高級美容の名門が再建の途中。利益率は戻るが、利益ベースの正当化 PER(k 9.25%・ROE 25% 台で来年の利益に約 14 倍)では今の約 380 億ドルは回復を先取りしており、割高 本質価値との差 −52.0% · 10 年 割高(年 +0.3%) 割高 ケーシーズ・ゼネラル・ストアーズCASY 米国 3 位のコンビニ。小さな町の寡占と調理品で伸びる良質な事業だが、燃料粗利が高止まりの今、GAAP の約 36 倍は利益ベースの正当化 PER(約 15 倍)の倍以上で割高 本質価値との差 −58.8% · 10 年 割高(年 −2.5%)

ほかの業種も見る(AI 銘柄分析の一覧)→

読んだ資料

  1. e.l.f. Beauty 2026 Form 10-K:事業、rhode買収、財務、資本政策、単一セグメント
  2. e.l.f. Beauty 2026 Proxy Statement:ブランド別小売販売額、平均価格、市場シェア
  3. e.l.f. Beauty 2027年度第1四半期決算:2026年8月5日、業績と2027年度見通し

分析日 2026-10-23