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コカ・コーラ KO

世界最強のブランド原液事業。強い堀の利益ベースの正当化 PER で測っても、k 7.5% では中立の 10 年後が今の約 1.1 倍にとどまり、今の値段はやや割高

やや割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)70.77 ドル3,053 億ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)95.3 ドル4,112 億ドル差 −25.8%
10 年後から見ると やや割高 価値 70.77 ドル3,053 億ドル · 差 −25.8% · 期待の年率 +3.2%
期待の年率リターン(10 年)+3.2%資本コスト比 −4.3 pt
推定の資本コスト7.5%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 7.5% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

コカ・コーラは、炭酸飲料の濃縮液(原液)を世界 200 か国の瓶詰め会社に売る、飲料業界で最も軽い資産の事業者である。2025 年は売上 484 億ドル、営業利益 152 億ドル(営業利益率 31.4%)、純利益 131 億ドル、ROE 41%。2026 年 4〜6 月期は販売ケース数 +5%(インド・中国・米国・ブラジルが先導)、オーガニック売上 +6%、調整後の営業利益率 35.6% と勢いがあり、通期の見通し(オーガニック売上 約 +5%、調整後 EPS +9〜10%)を引き上げた。

事業の質は最高位に近い。ブランドの価格を決める力、瓶詰め会社との分業、世界の配荷網は複製できず、10 年後も存在して今より強い公算が大きい。10 年の見通しでは、新興国の数量(アジア太平洋は年 +3%)とゼロシュガー・フェアライフなど成長品が、先進国の炭酸の数量減(GLP-1 と砂糖規制)を上回る。

バリュー投資の観点では、値段との釣り合いを見る。今の PER 30.9 倍・PBR 12.6 倍に対し、景気に強い事業の資本コストは 7.5%(基本 8.0% + quality −0.5%)で、強い堀の利益ベースの正当化 PER(k 7.5%、g 3.5%、ROE 約 40% で来年の利益に約 22 倍、その 9 割を使い 10 年目の利益に約 20.5 倍)は今の倍率を下回る。事業ごとに数量と価格(10 年で物価並みの約 1.4 倍)を積み上げると、10 年後の中立は純利益 214 億ドル(今の 1.6 倍)、正当化 PER(純利益に 20.5 倍)で時価総額は約 4,385 億ドルと今の約 1.1 倍、配当を足した年率は 4% 前後で資本コスト 7.5% に届かない。k − g が 4% と薄く倍率が資本コストに敏感で、やや悲観(数量が伸びず PER 18 倍)なら年率は 1% 前後に落ちる。確率で重みを付けた価値は今の時価総額を約 25% 下回り、「優良な事業だが、今の値段はやや割高」が結論である。

バリュー投資の観点から

バリュー投資家なら、まず 10 年後もあるかを問う。答えは、ある。ブランド・配荷網・瓶詰め会社との分業という仕組みは複製が難しく、堀は広がる。新興国の人口が増える間、数量は伸び、先進国の数量減は価格で補える。確信度は高く、予測のしやすい事業である。

次にオーナー利益を見る。純利益 131 億ドルに対し、設備投資は少なく(売上の 4〜5%)、株式報酬も小さいので、オーナー利益は純利益に近い。時価総額 4,050 億ドルに対する今のオーナー利益利回りは 3% 台。国債 5% より低いが、国債は物価 3.5% に削られる一方、コカ・コーラの利益は値上げで物価についていくので、実質で比べれば見劣りしない。配当(88 億ドル、利回り 2.2%)は 60 年以上増えているが、利回りは国債に届かない。

安全域の議論では、中立の 10 年後(純利益 214 億ドル、PER 20.5 倍)で時価総額は今の約 1.1 倍、配当込みの年率は 4% 前後と資本コスト 7.5% に届かない。楽観なら年率 7% 前後。一方、やや悲観では年率 1% 前後、悲観では 10 年で元本割れで、安全域は厚くはない。倍率が k − g の薄さに支えられている点が弱みである。経営は配当に規律があるが、買収(BODYARMOR の減損)で価値を壊した例はあり、自社株を大きく買い増さない点は評価できる。わからない部分は、GLP-1 と砂糖規制が炭酸の数量をどこまで削るかと、IRS 訴訟の結果である。

何で稼ぐ会社か

事業の中心は、コカ・コーラ、スプライト、ファンタ、ミニッツメイド、スマートウォーターなど 200 超のブランドの原液・シロップを、瓶詰め会社(ボトラー)に売ること。瓶詰め会社は原液に水と糖を混ぜ、容器に詰め、小売・飲食店に配送する。重い工場・トラック・倉庫は瓶詰め会社が持ち、同社はブランドと広告に集中するため、営業利益率が 30% 台と高く、設備投資は売上の 4% 台と軽い。

地域は 5 つに分かれる。北米(売上の約 4 割。炭酸に加え、フェアライフ・BODYARMOR・ミニッツメイドなどの完成品も売る)、EMEA(欧州・中東・アフリカ。コスタ・コーヒーを含む)、中南米(メキシコ・ブラジル。営業利益率が全社で最も高い)、アジア太平洋(インド・中国・日本。数量の伸びが最大)、そして連結している瓶詰め会社(売上は大きいが営業利益率は約 1 割)である。

利益は、数量 × 1 ケースあたりの単価で決まる。数量は新興国の人口と所得で伸び、単価は値上げと、ゼロシュガー・プレミアム品・小容量パックなどのミックスで上がる。2026 年 4〜6 月期は数量 +5%、価格ミックス +2%、為替の追い風を除いたオーガニック売上 +6%。事業ごとの売上・利益は、2026 年 Q2 の構成比と上半期の営業利益から 2025 年へ逆算した推定である(北米 198・EMEA 120・中南米 60・アジア太平洋 58・瓶詰め 48 億ドル)。

優良さと弱いところ

堀は 4 つある。第 1 は世界で最も知られたブランドで、棚の取り合いと広告の費用でライバルに対し規模の差が付く。第 2 は瓶詰め会社との分業で、世界 200 か国の配荷・冷蔵庫・自動販売機の網は、新規参入者が数十年かけても作れない。第 3 は価格を決める力で、コカ・コーラの値上げが通らなかったことは近年なく、2026 年 4〜6 月期も価格ミックスが北米 +4% と効いた。第 4 は新製品の吸収力で、ゼロシュガー(2025 年に +14%)、フェアライフ、BODYARMOR と、変化する需要を買収・自社開発で取り込んできた。

資本効率は極めて高い。ROE は 40% 前後、営業利益率は過去 12 期の最低 22%、最高 31%(2025 年)、設備投資は売上の 4〜5%、フリーキャッシュフローは 2026 年に約 124 億ドルの見通し(2025 年は税の納付で 53 億ドルに落ちた)。経営は 2026 年 3 月 31 日にジェームズ・クインシー氏から、COO だったヘンリケ・ブラウン氏へ引き継がれ、継続性が高い。

弱点は 3 つ。炭酸の数量は先進国で毎年 −1〜2% 減り、GLP-1 や砂糖規制の逆風がある。BODYARMOR で 9.6 億ドルの減損を出したように、買収が常に当たるわけではない。IRS との税の争い(約 200 億ドル)という大きな不確実性がある。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

ノンアルコール飲料の米国市場は約 480 億ドル(炭酸製造、2021〜26 年は年 +2.1%、IBISWorld)で、数量はほぼ横ばい〜微減、名目は値上げで物価並みに伸びる。コカ・コーラは炭酸・水・スポーツ飲料・ジュース・乳飲料・コーヒーを持つ。今の変化は 3 つある。第 1 に GLP-1 の普及(米国の成人の 13% 超)で、砂糖入りの炭酸の数量が押され、ゼロ・ダイエットとたんぱく飲料へ需要が移る。ゼロとダイエットは炭酸の数量の十数%(2025 年)で、コカ・コーラ ゼロシュガーは前年比 +14%。同社はこの移行に乗っており、フェアライフの高たんぱく乳飲料もここにはまる。第 2 に砂糖税・容器の規制で、費用が上がる。第 3 にエナジー・機能性飲料の台頭(モンスターやセルシウス、アラニ ヌー)で、同社は BODYARMOR で応戦中だが、決め手を欠く。

競合はペプシコ(炭酸と、半分近くを占めるスナック)、キューリグ・ドクターペッパー、そしてコストコやウォルマートの自社ブランドで、自社ブランドは炭酸の低価格帯を削る。インド・中国・東南アジア・アフリカでは人口と所得が数量を押し上げ、2026 年 4〜6 月期のアジア太平洋は数量 +8%。循環でいえば、飲料は景気後退でも数量は 0〜5% しか落ちず、リーマン期の株価は −32%(2007 年 11 月→2009 年 2 月)と、倍率の縮みで動いた。分かれ目は、先進国の数量減を新興国と新製品でどこまで埋められるかである。

資本政策と M&A

還元は配当と自社株買いの両方。配当は 60 年以上の連続増配(2025 年の配当 88 億ドル、純利益の約 7 割)で、自社株買いは 2025 年に 8 億ドルと小さく、株数は年 0.1〜0.3% 減る程度。株式報酬は年約 3 億ドルと小さいので、正味の還元は配当にほぼ等しい。2026 年上半期は配当 45.6 億ドル(前年同期の約 2 倍。支払い時期のずれを含む)、自社株買い 6.6 億ドル。

純負債は 314 億ドルで、時価総額比 7.8%。2026 年上半期の営業キャッシュフローは 75 億ドルと、2025 年の同期(税の納付で赤字)から戻った。借り換えで利払いが年 3〜5 億ドル増える程度で、利益への影響は小さい。

M&A は、2018 年のコスタ、2020 年のフェアライフ(段階的に取得)、2021 年の BODYARMOR と、成長品を高めに買う型で、BODYARMOR は 2025 年に 9.6 億ドルの減損。瓶詰め会社を買って立て直し、別の投資家へ売り戻す再フランチャイズも続ける。大型の食品・飲料の買収は規制と価格の面で難しい。IRS 訴訟は、すでに 60 億ドルを納付し、負ければ追加で約 140 億ドルを払う。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

コカ・コーラは、世界で最も強いブランドが新興国の人口と所得の伸びにそのまま乗る、軽資産の事業である。2026 年 4〜6 月期は販売ケース数 +5%、アジア太平洋 +8%、価格ミックス +2%、調整後の営業利益率は 35.6% と過去最高水準で、通期の見通しを上げた。ゼロシュガーは 2025 年に +14%、北米ではフェアライフと BODYARMOR が数量を足し、価値シェアも上げている。

砂糖入りの炭酸が GLP-1 で減っても、同社はゼロ・ダイエット・たんぱく飲料へ品ぞろえを移す力があり、ブランドの価格を決める力は落ちていない。営業利益率は 31% 台から、新興国の混合改善で 33〜35% に向かい、売上が年 +5% で伸びれば純利益は年 +7% になる。

加えて、IRS 訴訟は第 11 巡回控訴裁の口頭弁論で、裁判官が同社の主張に好意的だった。勝てば納付済みの 60 億ドルが戻る。ここまで予測しやすい利益の流れに、PER 25 倍超が付くのは、国債 5% の世界でも妥当だ。

慎重な見方

PER 30.9 倍・PBR 12.6 倍・オーナー利益利回り 3% 台は、過去の水準を大きく超える。k − g が 4% と薄いので、金利が高止まりする中で k がわずかに上がるだけで倍率は崩れる。今の値段は、10 年にわたり純利益が年 +8% 以上で伸びる未来を先に払っている。

事業にも陰りがある。米国の炭酸は数量が毎年 1〜2% 減り、GLP-1 の普及が止まらない。価格ミックス +4% で売上を守っているが、値上げの力が尽きれば数量減が出る。アジア太平洋の営業利益は上半期に −6% と、数量の伸びが利益に結びついていない。BODYARMOR は 9.6 億ドルの減損、エナジーは先行ブランドに取り込めていない。

そして IRS 訴訟では、敗訴すれば追加で約 140 億ドルを払う(時価総額の約 3.5%)。見通しには含まれていない。年 +9〜10% の調整後 EPS の見通しには為替の追い風 3% が含まれ、為替を除けば +7〜8% にとどまる。利益が 10 年で 1.6 倍になっても、倍率が過去の中央 25 倍に戻れば株価は今の 1.3 倍で、配当を足しても国債の利回り並みにとどまる。

どちらに重みを置いたか

事業の質と足元の勢いは強気の見方が強く、確率は中立から楽観側にやや寄せた(楽観・やや楽観の合計 32%)。値段の議論では、倍率を利益ベースの正当化 PER(k 7.5%、10 年目の利益に約 20.5 倍)に置くと、中立の 10 年後で今の時価総額の約 1.1 倍、配当込みの年率は 4% 前後にとどまり、倍率が k − g の薄さに頼る点で慎重な見方に分がある。飲料は崩れにくいので悲観は 12% とし、10 年の悲観は数量減・値上げの頭打ち・IRS 敗訴が重なる筋書きにした。結論は「優良な事業だが、やや割高」。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した株価時価総額 96.26 ドル4,152 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 34.56 ドル1,490 億ドル)。 今の値に割り戻すと 70.77 ドル3,053 億ドル、今との差 −25.8%、 期待の年率 +3.2%(資本コスト 7.5%)→ やや割高

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 10% 137.28 ドル5,921 億ドル 41.55 ドル1,792 億ドル +87.6% +6.5% 17.88 ドル771 億ドル
やや楽観 22% 119.63 ドル5,160 億ドル 39.46 ドル1,702 億ドル +66.9% +5.3% 35.00 ドル1,510 億ドル
中立 36% 101.67 ドル4,385 億ドル 35.98 ドル1,552 億ドル +44.4% +3.7% 49.55 ドル2,137 億ドル
やや悲観 20% 72.25 ドル3,116 億ドル 30.19 ドル1,302 億ドル +7.4% +0.7% 20.49 ドル884 億ドル
悲観 12% 42.99 ドル1,854 億ドル 22.75 ドル981 億ドル −31.1% −3.6% 7.89 ドル340 億ドル
加重平均100% 96.26 ドル4,152 億ドル34.56 ドル1,490 億ドル +37.2% +3.2% 130.81 ドル5,642 億ドル

今の株価時価総額 95.34 ドル4,112 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.5% を下回るほど割高。

楽観 10% 楽観:新興国が伸び、ゼロ・たんぱくの転換に成功して営業利益率が 35% へ 利益 254 億ドル · PER 23.3 倍 · 株価時価総額 137.28 ドル5,921 億ドル

10 年後(2035 年 12 月期)、販売ケース数は 1.25 倍前後(アジア太平洋 1.5 倍、中南米 1.3 倍、EMEA 1.22 倍、北米 1.1 倍)、1 ケースの売上は物価を少し上回る 1.43〜1.46 倍。売上は 849 億ドル。インド・東南アジア・アフリカでの小型パック・冷蔵庫の浸透が数量を押し上げ、ゼロシュガーとフェアライフが北米の営業利益率を 32.5% に上げる。全社の営業利益 299 億ドル、純利益 254 億ドル(今の 1.9 倍)。IRS には勝ち、納付済みの 60 億ドルが戻る。成長が物価並みに落ち着いても堀の強さで事業の ROE が高く、式どおりで PER 23 倍。10 年の正味還元は約 1,790 億ドル。

  • 北米(炭酸・フェアライフ・BODYARMOR・ミニッツメイドなど):数量 57.2(北米の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 5.56(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 318 億ドル・営業利益 103 億ドル。北米の数量 +1%/年
  • 欧州・中東・アフリカ:数量 97.6(EMEA の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 2.15(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 209 億ドル・営業利益 86 億ドル。EMEA の数量 +2%/年
  • 中南米:数量 97.5(中南米の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 1.14(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 112 億ドル・営業利益 66 億ドル。中南米の数量 +2.7%/年
  • アジア太平洋(インド・中国・日本・東南アジア):数量 120(アジア太平洋の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 1.04(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 124 億ドル・営業利益 50 億ドル。アジア太平洋の数量 +4.1%/年
  • 瓶詰め事業(連結の瓶詰め会社):数量 41.2(連結瓶詰め会社の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 2.08(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 86 億ドル・営業利益 9 億ドル。連結瓶詰め +2.3%/年

倍率:ROE 49.2%、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 強い堀 2/3、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 35.3%、g 3.5%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 22.5 倍(来年の利益に対して)。IRS に勝ち、強い堀が 10 年先も続く最良の筋書きなので上限に置いた。上限の 10.0 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 23.3 倍。時価総額 = 純利益 254 億ドル × 23.3 倍 = 5921 億ドル。

確率:アジア太平洋・中南米の数量が年 +3〜4% で伸び続け、先進国の炭酸の減少をゼロ・フェアライフ・コーヒーが埋め、IRS にも勝つ展開。10 年全部が当たる確率は 1 割。

やや楽観 22% やや楽観:新興国の数量が伸び、営業利益率が 34% へ上がる 利益 234 億ドル · PER 22.1 倍 · 株価時価総額 119.63 ドル5,160 億ドル

10 年後、販売ケース数は 1.2 倍(アジア太平洋 1.42 倍、中南米 1.25 倍、EMEA 1.18 倍、北米 1.06 倍)、1 ケースの売上は物価並みの 1.42〜1.44 倍。売上は 809 億ドル、営業利益 275 億ドル(営業利益率 34.0%)、純利益 234 億ドル(今の 1.8 倍)。ゼロシュガーが炭酸の半分近くまで育ち、砂糖入りの減少を埋める。北米はフェアライフと BODYARMOR の黒字で営業利益率 31%。成長は名目 +5% に落ち着き、その先 g 3.5% の式の 9.5 割で PER 22 倍。物価が 10 年で 1.41 倍になる中、飲料の価格は物価並みに上がる。

  • 北米(炭酸・フェアライフ・BODYARMOR・ミニッツメイドなど):数量 55.1(北米の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 5.48(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 302 億ドル・営業利益 94 億ドル。北米の数量 +0.6%/年
  • 欧州・中東・アフリカ:数量 94.4(EMEA の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 2.13(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 201 億ドル・営業利益 80 億ドル。EMEA の数量 +1.7%/年
  • 中南米:数量 93.8(中南米の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 1.14(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 107 億ドル・営業利益 62 億ドル。中南米の数量 +2.3%/年
  • アジア太平洋(インド・中国・日本・東南アジア):数量 114(アジア太平洋の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 1.03(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 117 億ドル・営業利益 46 億ドル。アジア太平洋の数量 +3.6%/年
  • 瓶詰め事業(連結の瓶詰め会社):数量 39.6(連結瓶詰め会社の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 2.07(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 82 億ドル・営業利益 8 億ドル。連結瓶詰め +1.8%/年

倍率:ROE 47.2%、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 強い堀 2/3、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 34.0%、g 3.5%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 22.4 倍(来年の利益に対して)。ブランドの質は保たれ、成長が名目 +5% に落ち着く筋書きなので、上限に近い 9.5 割に置いた。上限の 9.5 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 22.1 倍。時価総額 = 純利益 234 億ドル × 22.1 倍 = 5160 億ドル。

確率:会社の長期の型(数量 +1〜2%、価格ミックス +3〜4%)が続くが、先進国の炭酸の逆風は残る。IRS は勝ちに近い。

中立 36% 中立:優良な成熟ブランドとして純利益は年 +5%、倍率は資本コスト 7.5% の式の 9 割 利益 214 億ドル · PER 20.5 倍 · 株価時価総額 101.67 ドル4,385 億ドル

10 年後、販売ケース数は 1.13 倍(アジア太平洋 1.34 倍、中南米 1.2 倍、EMEA 1.14 倍、北米 1.03 倍。先進国の炭酸の減少を、ゼロシュガー・フェアライフ・水・コーヒーが埋める)、1 ケースの売上は 1.39〜1.41 倍(物価 1.41 倍にほぼ並ぶ。新興国の混合が下げ要因)。売上は 763 億ドル、営業利益率 33.0%、営業利益 252 億ドル、純利益 214 億ドル(今の 1.63 倍、年 +5%)。借り換えで利払いが 5 億ドル増える分を織り込む。競争はペプシコ(米国炭酸のシェア 2 割台半ば)・キューリグ ドクターペッパー(2 割前後)・自社ブランドとほぼ現状維持で、コカ・コーラは米国炭酸の約 45% を保ち、IRS 訴訟は大きな影響なし。のれんと純負債を除いた事業の ROE は 32% 前後で、PER は式(g 3.5%・k 7.5% で約 22.8 倍)の 9 割の 20.5 倍で、「普通に強い優良飲料」に落ち着く。

  • 北米(炭酸・フェアライフ・BODYARMOR・ミニッツメイドなど):数量 53.6(北米の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 5.37(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 288 億ドル・営業利益 85 億ドル。北米の数量 +0.3%/年
  • 欧州・中東・アフリカ:数量 91.2(EMEA の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 2.09(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 190 億ドル・営業利益 75 億ドル。EMEA の数量 +1.3%/年
  • 中南米:数量 90.0(中南米の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 1.11(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 100 億ドル・営業利益 57 億ドル。中南米の数量 +1.8%/年
  • アジア太平洋(インド・中国・日本・東南アジア):数量 107(アジア太平洋の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 1.01(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 108 億ドル・営業利益 42 億ドル。アジア太平洋の数量 +3%/年
  • 瓶詰め事業(連結の瓶詰め会社):数量 37.9(連結瓶詰め会社の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 2.02(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 77 億ドル・営業利益 7 億ドル。連結瓶詰め +1.4%/年

倍率:ROE 39.9%、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 強い堀 2/3、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 29.1%、g 3.5%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 22.0 倍(来年の利益に対して)。強い堀は続くが、k − g が薄く、GLP-1 と砂糖入りの減少の読みにくさがあるので、上限の 9 割に置いた。上限の 9.0 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 20.5 倍。時価総額 = 純利益 214 億ドル × 20.5 倍 = 4385 億ドル。

確率:業界ノートの中立(成熟品は名目 年 +3.0%、新興国の数量は +2〜3%)に、ゼロシュガー・新興国の混合を織り込む。会社の長期目標(EPS 高い 1 桁)の下側。

やや悲観 20% やや悲観:GLP-1 と砂糖規制で数量が伸びず、利益率が 30% に下がる 利益 174 億ドル · PER 17.9 倍 · 株価時価総額 72.25 ドル3,116 億ドル

10 年後、販売ケース数は今の水準(アジア太平洋 1.18 倍、中南米 1.1 倍、EMEA 1.06 倍、北米 0.97 倍)、1 ケースの売上は 1.34〜1.35 倍と、物価の伸びに届かない(自社ブランドの低価格帯と値上げの限界)。売上は 676 億ドル、営業利益率 30.2%、営業利益 204 億ドル、純利益 174 億ドル(今の 1.3 倍)。IRS 訴訟は一部敗訴で約 70 億ドルを払う。成長が名目 +4% に落ち、その先 g 3% の式の 9 割で PER 18 倍。買収(BODYARMOR のような)の減損が再び出る。

  • 北米(炭酸・フェアライフ・BODYARMOR・ミニッツメイドなど):数量 50.4(北米の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 5.14(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 259 億ドル・営業利益 70 億ドル。北米の数量 −0.3%/年
  • 欧州・中東・アフリカ:数量 84.8(EMEA の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 2.01(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 170 億ドル・営業利益 64 億ドル。EMEA の数量 +0.6%/年
  • 中南米:数量 82.5(中南米の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 1.07(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 88 億ドル・営業利益 48 億ドル。中南米の数量 +1%/年
  • アジア太平洋(インド・中国・日本・東南アジア):数量 94.4(アジア太平洋の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 0.97(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 92 億ドル・営業利益 32 億ドル。アジア太平洋の数量 +1.7%/年
  • 瓶詰め事業(連結の瓶詰め会社):数量 34.6(連結瓶詰め会社の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 1.95(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 67 億ドル・営業利益 5 億ドル。連結瓶詰め +0.5%/年

倍率:ROE 30.7%、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 強い堀 2/3、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 23.0%、g 3.0%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 19.3 倍(来年の利益に対して)。成長が鈍る筋書きは g(3%)に入れてある。利益の質は中立と同じ 9 割に置いた。上限の 9.0 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 17.9 倍。時価総額 = 純利益 174 億ドル × 17.9 倍 = 3116 億ドル。

確率:先進国の炭酸が毎年 −2% 近く減り、新興国の数量の伸びも自社ブランドと地場の競合で鈍り、IRS 訴訟でも一部負ける展開。

悲観 12% 悲観:数量減と価格の頭打ちで優良さを失い、営業利益率が 27% へ 利益 127 億ドル · PER 14.6 倍 · 株価時価総額 42.99 ドル1,854 億ドル

10 年後、先進国の数量は 1 割落ち(北米 0.88 倍、EMEA 0.95 倍)、新興国も伸びず(アジア太平洋 1.0 倍)、1 ケースの売上は 1.25 倍(物価を大きく下回る)。売上は 558 億ドルと今より 15% 増えるだけで、営業利益率 26.9%、営業利益 150 億ドル(ほぼ今と同じ)、純利益 127 億ドル(今を下回る)。IRS に全面敗訴して約 140 億ドルと利子を払い、自社株買いは細る。買収が減損を続け、ブランドの価格を決める力は弱まる。PER 14.6 倍は、ROE は高いが成長がほぼ止まった局面(g 2%)を式で解いた値。10 年の正味還元は約 980 億ドル。

  • 北米(炭酸・フェアライフ・BODYARMOR・ミニッツメイドなど):数量 45.8(北米の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 4.76(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 218 億ドル・営業利益 52 億ドル。北米の数量 −1.3%/年
  • 欧州・中東・アフリカ:数量 76.0(EMEA の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 1.88(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 142 億ドル・営業利益 50 億ドル。EMEA の数量 −0.5%/年
  • 中南米:数量 72.0(中南米の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 1.00(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 72 億ドル・営業利益 37 億ドル。中南米の数量 −0.4%/年
  • アジア太平洋(インド・中国・日本・東南アジア):数量 80.0(アジア太平洋の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 0.91(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 72 億ドル・営業利益 23 億ドル。アジア太平洋の数量 0%/年
  • 瓶詰め事業(連結の瓶詰め会社):数量 29.7(連結瓶詰め会社の販売ケース数(億ケース、推定))× 価格 1.82(1 ケースあたりの純売上(ドル))→ 売上 54 億ドル・営業利益 2 億ドル。連結瓶詰め −1%/年

倍率:ROE 20.2%、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 強い堀 2/3、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 16.0%、g 2.0%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 15.9 倍(来年の利益に対して)。成長がほぼ止まった局面は g(2%)に入れてある。利益の質は中立と同じ 9 割に置いた。上限の 9.0 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 14.6 倍。時価総額 = 純利益 127 億ドル × 14.6 倍 = 1854 億ドル。

確率:GLP-1 と砂糖税で炭酸が構造的に縮み、新興ブランドと自社ブランドに価格を決める力を削られ、買収の失敗と IRS 全面敗訴が重なる展開。確率 1 割強。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

北米(炭酸・フェアライフ・BODYARMOR・ミニッツメイドなど)

米国・カナダの飲料。ブランド原液に加え、フェアライフ(高たんぱくの乳飲料)・BODYARMOR・ミニッツメイドなどの完成品を持つ。

数量北米の販売ケース数(億ケース、推定)価格1 ケースあたりの純売上(ドル)売上営業利益
今 2025/12 52.0 3.81 198 55
10 年後 中立 53.6 5.37 288 85

取り方:売上 198 億ドルは 2026 年 4〜6 月期の北米売上 54.1 億ドルの構成比(全社の約 4 割)から按分した推定。営業利益 55 億ドルは 2026 年上半期の北米営業利益 33.0 億ドル(前年比 +11%)から 2025 年へ逆算した推定(率 27.8%)。ケース数 52 億は推定で、フェアライフなど完成品が入るため 1 ケースの売上が高い。数量は「北米の飲料市場のケース数 × シェア」で、米国の炭酸ではコカ・コーラが約 45%、ペプシコが 2 割台半ば、キューリグ ドクターペッパーが 2 割前後(推定)。市場の数量はほぼ横ばいで、価格(1 ケースの売上)は物価並みが基本。

欧州・中東・アフリカ

欧州・中東・アフリカの炭酸・水・ジュース・コスタ・コーヒー。原液中心で利益率が高い。

数量EMEA の販売ケース数(億ケース、推定)価格1 ケースあたりの純売上(ドル)売上営業利益
今 2025/12 80.0 1.50 120 47
10 年後 中立 91.2 2.09 190 75

取り方:売上 120 億ドルは 2026 年 4〜6 月期 EMEA 売上 32.4 億ドルの構成比から按分した推定。営業利益 47 億ドル(率 39%)は 2026 年上半期 25.7 億ドル(+7%)から逆算した推定。ケース数 80 億は推定。数量は「欧州・中東・アフリカの飲料市場 × シェア」。炭酸ではペプシコに大きく先行し、アフリカの人口増で市場が伸びる。

中南米

メキシコ・ブラジル・アルゼンチンなど。原液と瓶詰め会社への販売で、利益率が全社で最も高い。

数量中南米の販売ケース数(億ケース、推定)価格1 ケースあたりの純売上(ドル)売上営業利益
今 2025/12 75.0 0.80 60 35
10 年後 中立 90.0 1.11 100 57

取り方:売上 60 億ドルは 2026 年 4〜6 月期の中南米売上 18.4 億ドル(+16%)の構成比から按分した推定。営業利益 35 億ドル(率 58%)は 2026 年上半期 22.2 億ドル(+19%)から逆算した推定。ケース数 75 億は推定。数量は「中南米の飲料市場 × シェア」。メキシコ・ブラジルでは炭酸の過半を握り(推定)、ペプシコと地場ブランドが追う。

アジア太平洋(インド・中国・日本・東南アジア)

インド・中国・日本・東南アジア・オセアニア。数量の伸びが最も高い。

数量アジア太平洋の販売ケース数(億ケース、推定)価格1 ケースあたりの純売上(ドル)売上営業利益
今 2025/12 80.0 0.73 58 21
10 年後 中立 107 1.01 108 42

取り方:売上 58 億ドルは 2026 年 4〜6 月期アジア太平洋売上 15.8 億ドルの構成比から按分した推定。営業利益 21 億ドル(率 36%)は 2026 年上半期 11.9 億ドル(−6%)から逆算した推定。ケース数 80 億は推定で、単価が低い(1 ケース 0.7 ドル台)。数量は「アジア太平洋の飲料市場 × シェア」。インド・東南アジアは市場が年 4〜6% 伸びる一方、ペプシコ・地場ブランド(インドのカンパ・コーラなど)との値下げ競争があり、シェアは横ばいとみる。

瓶詰め事業(連結の瓶詰め会社)

インドの一部・フィリピンなど、同社が連結している瓶詰め会社。原液でなく完成品を売るので売上は大きく利益率は低い。

数量連結瓶詰め会社の販売ケース数(億ケース、推定)価格1 ケースあたりの純売上(ドル)売上営業利益
今 2025/12 33.0 1.45 48 4
10 年後 中立 37.9 2.02 77 7

取り方:売上 48 億ドルは 2026 年 4〜6 月期の瓶詰め事業売上 15.3 億ドルの構成比から按分した推定。営業利益 4 億ドル(率 8%)は 2026 年上半期 2.8 億ドル(+60%)から逆算した推定。ケース数 33 億は推定(他地域のケースと重ならない)。数量は連結した瓶詰め会社(インドなど)の地域市場 × シェア。

リスクと懸念

値段(倍率の縮み)

今の PER は 30.9 倍・PBR は 12.6 倍と高い。中立の倍率は資本コスト 7.5% の理論値(約 22.8 倍)の 9 割に置いたが、k − g が 4% と薄く、k が 1% 上がれば理論の倍率は 2 割下がる。事業が計画どおりに伸びても、倍率が平常に戻ればリターンは利益の伸びより小さい。リーマンで −32%(2007 年 11 月→2009 年 2 月)、コロナで −24% と、倍率で動いた過去がある。

IRS との税の争い(約 200 億ドル)

2007〜09 年の約 90 億ドルの所得の配分を税務裁判所が IRS に認め、すでに 60 億ドルを納付、負ければ追加で約 140 億ドル。2026 年 6 月の控訴審の口頭弁論は同社に好意的だったが、判決は未確認。会社の見通しには敗訴の影響が含まれない。

GLP-1・砂糖規制による炭酸の数量減

米国の成人の 13% 超が GLP-1 を使い、砂糖入りの炭酸が押される。ゼロ・ダイエットは数量の十数%で +14% と伸びるが、全体の数量減を埋めきれるか。砂糖税・容器の規制は費用も押し上げ、砂糖入りの減少が速ければ北米の利益率に響く。

買収の失敗とエナジー・機能性飲料での出遅れ

BODYARMOR で 2025 年に 9.6 億ドルの減損を出した。エナジー市場はモンスター・レッドブル・セルシウス・アラニ ヌーが伸び、同社は決め手を欠く。買収を高く買い続けると、資本効率の高さが徐々に薄まる。

自社ブランドと新興国の為替

米国は自社ブランドが低価格帯の炭酸を削る。新興国(アルゼンチン・トルコ・ナイジェリア・エジプト)では高インフレ・通貨安で、売上を現地通貨で伸ばしても、ドルでは目減りする。価格ミックスだけで利益を守れる期間は限られる。

原料価格(アルミ缶・砂糖・PET)と関税

アルミ缶・砂糖・PET の価格と、米国の関税は、粗利益率を数年単位で揺らす。値上げで転嫁できる会社だが、数量に響くと利益率が落ちる。ヘッジで 1 年は守られるが、長期では転嫁の力が試され、数量が落ちる局面と重なると利益率の下げが大きくなる。

アジア太平洋の利益の鈍化

2026 年上半期のアジア太平洋の営業利益は −6%(中国・日本の競争と、新興国の広告費の増加)。数量は +8% 伸びたのに利益に結びつかない。成長の主力が利益を生まなければ、新興国の成長の物語は弱まり、倍率の根拠が崩れる。

今後の分かれ目

第 11 巡回控訴裁が同社の勝ちとし、60 億ドルが戻ったら
還元が増え、やや楽観・楽観の確率を上げてよい。ただし時価総額に対しては小さく(約 1.5%)、倍率の根拠にはならない。
控訴審で IRS が勝ち、追加で約 140 億ドルを払うことになったら
自社株買いが細り、純負債が時価総額比 11% に上がる。10 年のやや悲観・悲観の確率を上げる(時価総額の約 3.5% の一時的な損)。
北米の数量が 2 四半期連続で −2% を割ったら
価格ミックスだけで売上を守れなくなっており、GLP-1 の影響が想定より強い。やや悲観の確率を上げ、倍率を 2〜3 倍下げて見る。
ゼロ・ダイエットの比率が炭酸の数量の 30% を超え、営業利益率が 33% を上回って保たれたら
砂糖入りの減少を埋める移行が成功している。10 年の楽観寄りに確率をずらし、倍率を 1〜2 倍上げてよい。
アジア太平洋の営業利益の伸びが数量の伸びを下回り続けたら
新興国で採算が悪化している。中立のアジア太平洋の営業利益率を 2 ポイント下げて見直す。
BODYARMOR や新規の買収で再び大きな減損が出たら
資本配分の質への疑いが強まる。ROE は高いままでも、買収で価値を壊す型として、確率を悲観側へ寄せる。

見ておくもの

  • 販売ケース数(北米・アジア太平洋・中南米)と価格ミックスの内訳
  • ゼロ・ダイエットの数量比率と、ゼロシュガーの伸び
  • 北米の営業利益率と、フェアライフ・BODYARMOR の黒字化
  • アジア太平洋の営業利益の伸びと、インド・中国の数量
  • IRS 訴訟の控訴審の判決と納付額
  • アルミ缶・砂糖の価格と、為替(アルゼンチンなど)
  • 配当の増加ペースと純負債の変化

倍率と資本コストの決め方

今の PER 30.9 倍を見る前に、北米・EMEA・中南米・アジア太平洋・瓶詰めの 5 つに分けて、数量(地域の市場 × シェアとしてのケース数)× 1 ケースの売上(物価並みに 10 年 1.4 倍)で売上を、営業利益率で利益を積み上げた。倍率は式 (1 − g/RONIC) ÷ (k − g) × (1 + g) どおりに置き(k 7.5%=基本 8.0% + quality −0.5%、ROE はのれんと純負債を除いた事業の ROE で約 25〜34%、10 年後は 15〜23 倍、中立は式の 9 割で 20.5 倍。純負債は 1 ドルずつ引く)、今の倍率にも他社の倍率にも寄せていない。k − g が 4% と薄く、k が 1% 上がれば倍率は 2 割下がる点は確信度を下げる要因として書いた。結果として今の値段はやや割高になるが、計算の結果で、今の株価に合わせたものではない。

資本コスト 7.5% = 無リスク金利 5% + β 0.60 × 5%。k = 基本 8.0% + quality -0.5% = 7.5%(SCHEMA_US §1)。需要の安定だけを k の下げに入れ、堀の強さは倍率の式(残る割合 2/3)に入れた。事業は傾いておらず上乗せはしない。IRS 訴訟・GLP-1・買収の読み違えなどの個別のリスクは k に足さず、筋書き(数量・利益率・追加の納税)と確率で表した。

同じ業種(生活必需品)の AI 分析

適正 クロロックスCLX 漂白剤・猫砂・ごみ袋・ピュレルの必需品ブランド。ERP 移行の傷・CEO 交代・借入増が重なり利益が谷にあるが、k 8.75% の利益ベースの正当化 PER で測ると今の値段はやや割安 本質価値との差 +8.2% · 10 年 適正(年 +8.1%) 適正 マコーミックMKC 調味料で世界首位の安定事業。米国の数量は弱いが、k 8.25% の利益ベースの正当化 PER(その 8.5 割)で測った値は今の時価総額を上回り、ユニリーバ統合を除いた単体ではやや割安 本質価値との差 +6.8% · 10 年 適正(年 +7.2%) 適正 ペプシコPEP 飲料とスナックの二本柱だが、値下げと原料高で北米の利益が痩せている。利益ベースの正当化 PER(その 8.5 割)で測ると、本質価値は今の値段とほぼ同じで適正 本質価値との差 −4.7% · 10 年 適正(年 +6.1%) 適正 クローガーKR 米国最大の伝統的な食品スーパー。占有率を毎年失う薄利の成熟事業だが、食料品は落ちにくく、利益ベースの正当化 PER(その 8 割)で見ると今の値段は適正 本質価値との差 −5.7% · 10 年 適正(年 +5.8%) 適正 ターゲットTGT 縮んだ総合量販が立て直しに投資する局面。成功すれば倍率以上に利益が戻り、競合に負ければ構造的に縮む。利益ベースの正当化 PER で測ると、今の値段は適正 本質価値との差 −6.9% · 10 年 適正(年 +5.9%) 適正 ゼネラル・ミルズGIS 数量が縮み利益が 2 期続けて落ちた大手ブランド。価格投資は一巡したが、借金の重さを k に入れて確率を慎重側に厚くすると、本質価値は今の時価総額とほぼ同じで適正 本質価値との差 −9.7% · 10 年 適正(年 +5.6%) やや割高 タイソン・フーズTSN 牛肉の赤字を鶏肉と加工食品が支える食肉大手。k 9.75% の正当化 PER(弱い堀で下限の 1 ÷ k に近い)で測ると、中立の価値は今を上回るが、期待の年率は k を下回り、適正 本質価値との差 −10.1% · 10 年 やや割高(年 +6.6%) やや割高 キンバリークラークKMB ハギーズ・クリネックスの北米首位と、IFP 売却後の身軽な形。北米の価格投資と中国の失速はあるが、k 8.5% の利益ベースの正当化 PER(来年の利益に約 15 倍)は今の PER 17 倍と近く、値段は適正 本質価値との差 −13.2% · 10 年 やや割高(年 +5.4%) やや割高 ホーメル・フーズHRL 豚肉の原価高と撤退で利益が落ちた、配当 127 年の加工肉・外食の会社。借金は軽いが、利益ベースの正当化 PER(その 8 割)で測ると今の時価総額をやや下回り、適正 本質価値との差 −13.7% · 10 年 やや割高(年 +4.8%) やや割高 モルソン・クアーズ・ビバレッジTAP 米国ビールの縮小とシェア低下で利益が減る最中。それでも伸びのない会社の式(PER = 1 ÷ k = 10.5 倍)で測ると中立の 10 年後は今とほぼ同じで、確率を重ねるとやや割高 本質価値との差 −14.6% · 10 年 やや割高(年 +5.1%) やや割高 ダラー・ツリーDLTR 裁量品が約半分の均一価格店が、多価格化と客層の広がりで利益率 9% 前後に乗せた局面。利益ベースの正当化 PER で測るとやや割高で、関税還付の一過性と客数の弱さから確率も慎重側に厚く置いた 本質価値との差 −18.0% · 10 年 やや割高(年 +4.5%) やや割高 ブンゲ・グローバルBG 世界最大級の油糧種子の圧搾・穀物商社。2026 年は圧搾利幅が山で、ならした利益に弱い堀の正当化 PER(下限の 1 ÷ k = 10.0 倍)を当てると、今の値段はやや割高 本質価値との差 −18.9% · 10 年 やや割高(年 +6.0%) やや割高 アルトリア・グループMO 数量が毎年 5% 減る紙巻きを値上げで支える高配当の縮む事業。名目の利益は横ばいで、伸びのない会社の正当化 PER(1 ÷ k)で測ると今の値段はやや割高 本質価値との差 −18.9% · 10 年 やや割高(年 +3.5%) やや割高 コンステレーション・ブランズSTZ モデロ・コロナの輸入ビール一本足。数量が縮む産業で純負債も重いが、伸びのない会社の正当化 PER(1 ÷ k)で測ると、中立の 10 年後は今の 0.94 倍で、還元を足しても資本コストに届かず、やや割高 本質価値との差 −19.0% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 クラフト・ハインツKHC ブランドは強いが数量が毎年縮む会社。k 9.0% の稼ぐ力(純利益 ÷ k)で測ると中立の価値は今の時価総額とほぼ同じで、確率を悲観側に置いた総合ではやや割高 本質価値との差 −19.2% · 10 年 やや割高(年 +4.5%) やや割高 ダラー・ゼネラルDG 農村の小型店の密度で食品の来店頻度を握る会社が、盛り損の削減と改装で利益率を戻す局面。今の値段はやや割高で、利益率の戻りが続くかが価値を分ける 本質価値との差 −20.3% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 モンデリーズ・インターナショナルMDLZ 世界首位のビスケットと世界 2 位のチョコを持ち、カカオ高で利益が削られた谷にある。k 8.0% の利益ベースの正当化 PER で測ると、今の値段は中立の価値とほぼ同じで、確率を悲観側に置いた総合ではやや割高 本質価値との差 −21.6% · 10 年 やや割高(年 +3.9%) やや割高 ハーシーHSY チョコレート首位のブランドが、カカオ高の谷を価格改定で抜けた直後。k 7.5% の利益ベースの正当化 PER で測ると、値段はやや割高 本質価値との差 −22.9% · 10 年 やや割高(年 +3.5%) やや割高 コルゲート・パルモリブCL 歯磨きで世界首位とペット用療法食を持つ超安定企業。北米の数量減は重く、k 7.5% の利益ベースの正当化 PER(来年の利益に約 20 倍)で見ると今の PER 25 倍はやや高く、利益の質は高いがやや割高 本質価値との差 −23.3% · 10 年 やや割高(年 +3.4%) やや割高 プロクター・アンド・ギャンブルPG 世界最強の日用品ブランド群だが、PER 24 倍は k 7.5% の利益ベースの正当化 PER(来年の利益に約 19 倍)を上回る。数量の弱さを長期の成長に入れると、値段はやや割高 本質価値との差 −26.2% · 10 年 やや割高(年 +3.0%) やや割高 キューリグ・ドクターペッパーKDP JDE ピーツの買収で純負債が時価総額の 6 割になった飲料・コーヒー複合。強い飲料と縮むポッドの綱引きで、借金の重さを k に入れると 10 年の中立は今の約 0.93 倍にとどまり、今の値段はやや割高 本質価値との差 −26.2% · 10 年 やや割高(年 +3.8%) 割高 JM スマッカーSJM コーヒーの値付けと借金返済で利益の底が見えたが、ブランドの堀は広がらず、k 8.75% の利益ベースの正当化 PER で測ると中立の価値は今とほぼ同じで、確率を悲観側に置いた総合ではやや割高 本質価値との差 −30.6% · 10 年 割高(年 +3.2%) 割高 シスコSYY 米国最大の外食向け食品卸。薄利の物流業で価格を決める力は弱いが、規模の経済と AI 効率化で利益は着実に伸びる。利益ベースの正当化 PER で見ると、今の値段はやや割高 本質価値との差 −30.7% · 10 年 割高(年 +3.7%) 割高 ケンビューKVUE タイレノール・リステリン・ニュートロジーナを持つが、数量は縮み、訴訟が再燃。買収条件に連動する株価に安全域は見えず、単体の本質価値はやや下 本質価値との差 −32.1% · 10 年 割高(年 +2.9%) 割高 フィリップ モリス インターナショナルPM 紙巻きの減りを煙の出ない製品で埋める成長株。強い堀の利益ベースの正当化 PER でも、資本コスト 7.5% に対して今の値段は割高 本質価値との差 −33.8% · 10 年 割高(年 +2.1%) 割高 ブラウン・フォーマンBF-B ジャックダニエルを軸にした酒類の老舗。米国の飲酒減・関税・カナダの棚外しが重いが、財務は軽く、利益ベースの正当化 PER(下限の 1 ÷ k)で測ると今の値段は割高 本質価値との差 −35.8% · 10 年 割高(年 +1.8%) 割高 アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドADM 価格を決める力のない農産物加工の循環株。バイオ燃料の追い風で 2026 年は利益の山。ならした利益に k 9.5% の稼ぐ力(弱い堀の下限 1 ÷ k = 10.5 倍)を当てると、値段は割高 本質価値との差 −36.0% · 10 年 割高(年 +2.7%) 割高 ウォルマートWMT 食品の規模・通販・広告で堀は広がる。だが今の PER 43 倍は、強い堀の利益ベースの正当化 PER(約 22 倍)の 2 倍近くで、割高 本質価値との差 −38.0% · 10 年 割高(年 +1.7%) 割高 チャーチ・アンド・ドワイトCHD 猫砂・洗濯・オーラルケアの強いブランドを買い足して伸びる必需品の中堅。ウォルマート依存と買収の失敗が影で、k 7.75% の利益ベースの正当化 PER で測ると今の値段は割高 本質価値との差 −44.3% · 10 年 割高(年 +0.4%) 割高 モンスタービバレッジMNST エナジー専業の高採算ブランド。利益ベースの正当化 PER で測っても、中立の 10 年後は今の時価総額の約 0.87 倍にとどまり、今の値段は割高 本質価値との差 −48.0% · 10 年 割高(年 +0.4%) 割高 エスティ ローダーEL 高級美容の名門が再建の途中。利益率は戻るが、利益ベースの正当化 PER(k 9.25%・ROE 25% 台で来年の利益に約 14 倍)では今の約 380 億ドルは回復を先取りしており、割高 本質価値との差 −51.4% · 10 年 割高(年 +0.4%) 割高 コストコ・ホールセールCOST 会費が利益の半分を生む堀は本物だが、PER 47.6 倍は成熟後の約 2 倍。10 年の年率は資本コスト 7.5% に届かず割高 本質価値との差 −52.4% · 10 年 割高(年 −0.9%) 割高 ケーシーズ・ゼネラル・ストアーズCASY 米国 3 位のコンビニ。小さな町の寡占と調理品で伸びる良質な事業だが、燃料粗利が高止まりの今、GAAP の約 36 倍は利益ベースの正当化 PER(約 15 倍)の倍以上で割高 本質価値との差 −62.1% · 10 年 割高(年 −3.1%)

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読んだ資料

  1. コカ・コーラ 2026 年 4〜6 月期決算(8-K)
  2. Coca-Cola outpaces rivals with strong Q2(FoodNavigator)
  3. Coca-Cola Sees Slower Sales Growth in 2026 Outlook(2025 年通期・BODYARMOR 減損・CEO 交代)
  4. Coca-Cola, IRS Face Off in Tax Appeal(Bloomberg Law)
  5. 11th Circuit weighs Coca-Cola, IRS clash(Thomson Reuters)
  6. Coca-Cola leans into protein, zeros and diets as GLP-1 users reshape beverage habits(FoodNavigator-USA)

分析日 2026-10-16