結論
クローガー(Kroger)は米国最大の伝統的な食品スーパーで、2025 年度(2026 年 1 月期)の売上は 1,476 億ドル、調整後の営業利益は約 49 億ドル(営業利益率 3.3%)。食料品の占有率は 8.3%(2026 年)で、ウォルマート(約 20%)、コストコ(8.2%)の後ろにつき、2024 年の 8.8% から毎年下がっている。2025 年度は自動倉庫網(オカド)の失敗で 25 億ドルを減損し、GAAP の純利益は 10 億ドルに落ちたが、減損を戻した正常な純利益は約 31 億ドル(調整後 EPS 4.85)。2026 年は ID 売上(燃料を除く既存店売上)が +0.2% に落ち込み、通期の見通しを +0.2〜0.8% へ下げた。
事業の中身は食料品店・薬局・燃料・広告の 4 つの塊で、売上 = 数量 × 価格で 10 年を置いた。価格は物価並みの 1.41 倍が基本だが、食料品の市場数量は年 −0.3%、占有率は競合に取られて下がる前提で、薬局はインフレ抑制法の薬価引き下げで価格が物価に届かない。一方で広告・ネット通販・自社ブランドが利益率を支える。
バリュー投資の観点では、10 年後も存在するが堀は狭い。価格を決める力は弱く、ウォルマート・コストコ・アルディ・アマゾンの 4 つから占有率を守る戦いが続く。ただし食料品は需要が落ちにくく、利益ベースの正当化 PER(資本コスト 8.5%、ROIC から出した ROE 約 25%・g 2.5% で来年の利益に約 14 倍、その 8 割)で見ると、今の値段(正常な利益の約 12 倍)は妥当な範囲にある。確率を慎重側へ寄せても、本質価値は今の時価総額を 77% 上回る。ただし占有率の喪失が加速する筋書き(10 年のやや悲観・悲観の合計 43%)の重さが結論の信頼度を決める。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず 10 年後も存在し今より強いかを問う。答えは「存在する」だが「今より強い」とは言い切れない。食料品は景気で需要が落ちず、10 年後も人は食べる。ただし堀は広がっていない。占有率は 8.8% から 8.3% へ下がり、競合のウォルマート・コストコ・アルディ・アマゾンは占有率を伸ばしている。商品に差が無く、価格を決められず、薄利(営業利益率 3% 台)の事業で、鉄道や電力のような確かな堀ではない。唯一伸びているのは、会員データを使った広告と自社ブランドで、ここが堀を広げられるかが焦点になる。
オーナー利益:調整後の純利益 約 31 億ドルから、設備投資(年 38〜40 億ドル、減価償却を約 8〜9 億ドル上回る)を引いても、フリーキャッシュフローは 27〜29 億ドルあり、時価総額の約 7% になる。食料品なので事業は分かりやすく、予測しやすい。
資本配分には疑問が残る。アルバートソンズとの統合に 250 億ドルをかけようとして阻止され、オカドの自動倉庫には 25 億ドルの減損を出した。さらに自社株買いを 2024 年度に 52 億ドル行い、自己資本を縮めた。新体制は価格を優先し、買収は小さめ(ジャイアント・イーグル 16.5 億ドル)に切り替わった。
結論:事業の予測しやすさと需要の底堅さは評価できるが、占有率を失う事業に高い倍率を与える理由はない。式どおりの倍率(ROIC 15%・g 2.5%・k 8.5% で約 14 倍)は今の約 12 倍をやや上回る程度で、安全域は厚くない。占有率の喪失が加速する筋書き(確率 43%)を厚く置いた。
何で稼ぐ会社か
クローガーの収益は 4 つの塊に分かれる(セグメント開示は無く、決算の説明と業界の水準から推定で分けた)。第 1 は食料品店(食品・日用品・自社ブランド・ネット通販を含み、薬局と燃料を除く)で、売上は約 1,000 億ドル、営業利益率は約 3.0%。クローガー、フレッド・マイヤー、ラルフスなど多くの旗で出店し、食品の粗利益率は約 22% だが、人件費・物流費で薄利になる。自社ブランド(Our Brands)の比率を上げることが、競合のウォルマートとの価格差を埋める主な手段である。
第 2 は薬局で、売上は約 300 億ドル(推定)、営業利益率は約 2.5%。処方件数は高齢化で増えるが、インフレ抑制法による薬価交渉で 1 件あたりの売上が物価ほど上がらず、2026 年の既存店売上に約 1.4 ポイントの逆風になっている。第 3 は燃料(約 140 億ドル)で、ポイント制度で来店を呼ぶ役割が大きく、営業利益率は約 2.5%、電気自動車と燃費でガロン数は減る方向。第 4 は広告・その他(約 36 億ドル、推定)で、クローガー・プレシジョン・マーケティングによる広告枠の販売、金融サービス、卸売を含み、営業利益率は 25% 前後と全社の利益の質を決める。2026 年第 2 四半期は広告の利益が +24%、ネット通販の売上が +20% だった。
全社の営業利益は約 48 億ドルで、塊の合計 50 億ドルから本社費用などの調整 −2 億ドルを引いた。数字の注意:塊ごとの売上と営業利益は開示が無く、全社の合計(売上 1,476 億ドル、営業利益 48 億ドル)に合うよう推定で分けた。数量(点数・件数・ガロン)と単価も推定。
優良さと弱いところ
堀は「地域ごとの密度と、会員データ・自社ブランド」にある。クローガーは多くの都市圏で食料品店の占有率が高く、会員カードを通して集めた購買データを広告事業(クローガー・プレシジョン・マーケティング)の売り物にできる。この広告事業は粗利益率が極めて高く、全社の利益の質を変える。自社ブランドは売上の約 3 割(推定)で、ウォルマートと価格を争う道具になっている。
ただし価格を決める力は弱い。商品はほぼ同じ品揃えをウォルマート・コストコ・アルディ・アルバートソンズが持ち、価格の比較は簡単で、競合は値下げで客を取る。占有率は 8.8%(2024 年)から 8.3%(2026 年)へ下がり、来店数の伸びも 2025 年にクローガー +0.8% に対し、アルディ +8%、コストコ +5.9% と見劣りする。営業利益率は 12 期で 2.2〜3.3% と薄く、景気の山谷より、競合との値引き競争で振れる。
資本効率:帳簿の ROE は自社株買いで自己資本が 59 億ドルまで縮み 40% を超えて見えるため、投下資本(自己資本+純負債)に対する税引き後営業利益で測り、ROIC は約 14%。経営は新体制(2026 年にグレッグ・フォランが社長に就任、元ウォルマート米国部門)で、価格を最優先する方針に切り替えた。前体制はアルバートソンズとの統合(2024 年に阻止)とオカドの自動倉庫(25 億ドルの減損)の 2 つで資本配分を誤った。この反省が価値を壊さない配分に向かうかが分かれ目になる。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の食料品の市場は、薬局・燃料を除く食料品店の販売でおよそ 1.2 兆ドル(推定)。名目で年 +3% 前後だが、数量はほぼ横ばいから微減(年 −0.3%)。GLP-1 薬の普及で食品の数量が 1〜3% 減るという調査があり、物価の上昇でも数量が伸びない。
構造の変化は「大型店・会員制・ハードディスカウントへの集約」である。ウォルマートは占有率約 20%(微減だが食料品の販売額は大きい)、コストコは 7.6%(2024 年)から 8.2%(2026 年)へ上昇、アルディは 2028 年に 3,200 店の計画で 2026 年も 180 店余りを出店、アマゾン(ホールフーズ)はネット宅配で伸びる。クローガーとアルバートソンズは占有率を失い、2024 年に両社の統合が阻止された。
循環の位置は「緩やかな減速期」。2026 年の ID 売上が +0.2%(インフレ抑制法の逆風を除いても +1.6% 前後)と弱く、客数の回復が焦点になる。ネット通販は Instacart・ドアダッシュ・ウーバーイーツとの連携に切り替わり、オカドの自動倉庫 3 か所を閉鎖した。業界全体の営業利益率は食品スーパーで 3.0〜3.3%、ウォルマートは 4% 台、アルバートソンズは 2% 台、コストコは 3% 台と、クローガーは真ん中の薄利。M&A は反トラストが壁で、規模を買う道は細い(2026 年 7 月発表のジャイアント・イーグル買収は店舗の一部売却を前提に審査中)。
資本政策と M&A
還元は配当が主で、2026 年に 11% 増配(20 年連続)、四半期の配当は前年比 +11%。自社株買いは 2024 年度に 52 億ドル(アルバートソンズ統合の失敗後)、2025 年度に 27 億ドルで、2025 年 12 月に新しく 20 億ドル枠を設け、2026 年は第 2 四半期に 10 億ドル。残りは約 8 億ドルで年度末までに終える。借金は純総負債 155 億ドル(調整後 EBITDA の 1.91 倍、目標は 2.3〜2.5 倍)で、目標との差は借金を足して自社株買いに回せる余地。
M&A:2024 年にアルバートソンズとの統合(約 250 億ドル)が連邦取引委員会の反対と裁判で阻止され、2026 年に正式に終了。2026 年 7 月に発表したジャイアント・イーグル(197 店、売上約 90 億ドル)の買収は 16.5 億ドル(現金 12.5 億+負債引受 約 4 億ドル)で、時価総額の約 4%。一部店舗の売却を前提に来年成立の予定。未成立の取引なので筋書きには足さず、文章と確率に反映した。オカドの自動倉庫の失敗では 3.5 億ドルを払い、25 億ドルを減損した。
借り換え:純負債は借り換えで金利が約 5.75% へ上がり、3 年で利払いは約 2 億ドル、10 年で約 4 億ドル増える(税引き後 約 1.6 億・3 億ドル)。この分は純利益に入れた。
2026 年に決算期末後すでに実行した自社株買い 12.7 億ドル(10-Q・2026 年 2 月〜8 月 15 日)は、今の株数(時価総額)に反映済みなので、10 年の還元には数えず、自己資本の起点(46.6 億ドル)からも外した。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
クローガーは占有率を毎年少しずつ失っているが、その間に利益の質を変えてきた。広告事業(クローガー・プレシジョン・マーケティング)の利益は 2026 年第 2 四半期に +24%、ネット通販の売上は +20%、さらに 2026 年の ネット通販の利益改善 4 億ドルが乗る。広告は営業利益率 25〜30% の高利益事業で、10 年で数量 1.6〜2.1 倍になれば営業利益だけで 22〜32 億ドルと、今の全社利益の半分に迫る。
新社長のグレッグ・フォランはウォルマート米国部門を率いた人物で、裏方のコスト削減で値下げを賄う方針は、ウォルマートの手口そのもの。クローガーは自社ブランドの比率、会員データ、地域寡占の強い店を持ち、ウォルマートに正面から勝てなくても、占有率 8.3% を守ることはできる。アルバートソンズの失敗は、規模を買う代わりに価格と自社ブランドへ資源を回す動機になった。
財務は健全で、純総負債は調整後 EBITDA の 1.91 倍と目標(2.3〜2.5 倍)に余裕があり、フリーキャッシュフロー 27〜29 億ドルを配当と自社株買いに回せる。10 年で価格が 1.41 倍、占有率が横ばい、広告で営業利益率が 3.6% へ上がれば、純利益は 57 億ドル、PER 14 倍で時価総額は 820 億ドル前後になる。
慎重な見方
食料品店は価格を決められない成熟事業で、占有率は 8.8%(2024 年)→ 8.3%(2026 年)と年 0.25 ポイントずつ下がってきた。2026 年の ID 売上は +0.2% に失速し、通期の見通しを +1〜2% から +0.2〜0.8% へ下げた。インフレ抑制法の逆風 1.4 ポイントを除いても +1.6% で、物価の 3% を下回る。つまり数量は減っている。
競合は厳しい。ウォルマートは配送と価格で食料品の占有率 20% を持ち、コストコは占有率 8.2% でクローガーに迫り、アルディは 2028 年に 3,200 店へ、2025 年の来店数は +8%(クローガーは +0.8%)。アマゾンは生鮮宅配で伸びる。新社長の値下げ投資は、利益率を削る。値下げで客が戻らなければ、営業利益率 3.3% が 2.5% へ下がり、利益は 2 割以上落ちる。
資本配分の実績は悪い。アルバートソンズの統合は阻止され、オカドの自動倉庫は 25 億ドルの減損、自社株買いで自己資本を 59 億ドルまで縮めた。自己資本は 59 億ドルまで縮み(自社株買い)、純負債は 201 億ドル(帳簿ベース)。薬局はインフレ抑制法の薬価交渉で価格が物価に届かず、燃料は電気自動車で減る。ならした利益に PER 12 倍を掛けた今の値段は、成熟した薄利のスーパーとして妥当で、式の倍率(14 倍前後)も成長を過大に見ている。
どちらに重みを置いたか
事業の底堅さ(食料品の需要は落ちにくい)と広告・自社ブランドの利益の質は実際の数字で、倒れる事業ではない。一方、占有率が毎年下がり、ID 売上が +0.2% に落ちた事実は重く、10 年のやや悲観・悲観の合計を 43% と厚く置いた(楽観・やや楽観は 25%)。倍率は式(k 8.5%、ROE は ROIC から、g は価格 3.5% + 市場の数量 −0.3% + 占有率の増減)から出した利益ベースの正当化 PER の 7〜8.5 割(利益の質による)を使い、占有率の喪失は g と確率で表した。10 年中立の PER は 11.7 倍で今の約 12 倍とほぼ同じ。確率で重ねた本質価値は今の時価総額を約 3% 上回る「適正」で、強気(広告)より慎重(占有率)を重く見て確率を寄せている。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 68.09 ドル413 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 50.97 ドル309 億ドル)。 今の値に割り戻すと 64.01 ドル388 億ドル、今との差 −5.7%、 期待の年率 +5.8%(資本コスト 8.5%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 135.45 ドル821 億ドル | 68.86 ドル417 億ドル | +201.0% | +11.7% | 14.30 ドル87 億ドル |
| やや楽観 | 18% | 102.52 ドル621 億ドル | 62.26 ドル377 億ドル | +142.8% | +9.3% | 29.66 ドル180 億ドル |
| 中立 | 32% | 75.81 ドル459 億ドル | 55.66 ドル337 億ドル | +93.7% | +6.8% | 42.07 ドル255 億ドル |
| やや悲観 | 28% | 47.79 ドル290 億ドル | 49.06 ドル297 億ドル | +42.7% | +3.6% | 27.12 ドル164 億ドル |
| 悲観 | 15% | 16.75 ドル102 億ドル | 22.66 ドル137 億ドル | −41.9% | −5.3% | 5.91 ドル36 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 68.09 ドル413 億ドル | 50.97 ドル309 億ドル | +75.4% | +5.8% | 119.06 ドル722 億ドル |
今の株価時価総額 67.87 ドル411 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.5% を下回るほど割高。
楽観 7% 楽観:占有率を守り、広告とデジタルで利益率が上がる 利益 57 億ドル · PER 14.4 倍 · 株価時価総額 135.45 ドル821 億ドル
10 年後(2035 年度)、フォラン社長の価格戦略とコスト削減が実り、クローガーは占有率 8.3% を守る(食料品店の数量は今の約 0.97 倍=市場 −3% × 占有率 横ばい、価格 1.41 倍)。自社ブランドとデジタル(広告・ネット通販・会員データ)が差をつけ、広告・その他は数量 2.1 倍で営業利益率 30%、薬局は薬価の逆風を処方件数の増加で埋める。売上は約 2,124 億ドル、営業利益は約 88 億ドル(営業利益率 4.2%)、純利益は約 57.2 億ドルで、正常な今の約 31 億ドルの約 1.9 倍(年 +6%)。競合ではウォルマートの米国部門(営業利益率 4% 台)に近づく姿で、アルバートソンズ(営業利益率 2% 台)の客を取る。倍率は ROIC 17.0%・ROE 29.5%・g 3.5%・k 8.5% の式の 85%(10 年目の利益に ×(1+g))で 14.3 倍、時価総額は約 821 億ドル。10 年の正味還元は約 417 億ドル。
- 食料品店(薬局・燃料を除く):数量 277(販売点数(億点)= 食料品店市場 × 占有率)× 価格 4.94(1 点あたり平均単価(ドル))→ 売上 1,368 億ドル・営業利益 42 億ドル。数量 ×0.97、価格 ×1.41、営業利益率 3.1%
- 薬局:数量 4.6(処方件数(億件))× 価格 104(1 件あたり売上(ドル))→ 売上 476 億ドル・営業利益 12 億ドル。数量 ×1.15、価格 ×1.38、営業利益率 2.6%
- 燃料:数量 38.5(販売量(億ガロン))× 価格 4.51(1 ガロンあたり価格(ドル))→ 売上 174 億ドル・営業利益 5 億ドル。数量 ×0.88、価格 ×1.41、営業利益率 2.6%
- 広告・金融・その他:数量 756(広告・サービスの提供量(億単位。推定の指数ではなく取引の回数))× 価格 0.14(1 単位あたり売上(ドル))→ 売上 107 億ドル・営業利益 32 億ドル。数量 ×2.1、価格 ×1.41、営業利益率 30.0%
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 29.5%(帳簿の ROE は自社株買いで 40% を超えるので、ROIC から出した ROE を使った)、k 8.50%(基本 8.0% + quality +0.5%)、残る割合 0.50(普通の堀)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 19.0%、g 3.5%(価格(物価 3.5%)+ 市場の数量(食料品店は実質で年 −0.3% ほど)+ 占有率の増減から出した値。ROE から出していない)、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 16.3 倍(来年の利益に対して)。占有率を毎年失う薄利の成熟事業なので、上限の 8.5 割(13.9 倍)に置き、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 14.3 倍。時価総額 = 純利益 57 × 14.3 倍 = 821 億ドル。
確率:フォラン社長の戦略が実る、アルバートソンズの店舗が競合へ流れる、など複数が揃う必要があり 7%。占有率が 8.8% から 8.3% へ下がってきた実績が重い。
やや楽観 18% やや楽観:占有率は 7.8% へ、利益は 1.6 倍 利益 49 億ドル · PER 12.8 倍 · 株価時価総額 102.52 ドル621 億ドル
10 年後(2035 年度)、占有率は 8.3% から 7.8% 前後へ緩やかに下がる(食料品店の数量は今の約 0.93 倍、価格は 1.41 倍)。自社ブランドの比率上昇と広告事業(数量 1.85 倍、営業利益率 28%)が利益率を支え、薬局は処方件数が 12% 増える。売上は約 2,027 億ドル、営業利益は約 78 億ドル(営業利益率 3.9%)、純利益は約 48.5 億ドルで、正常な今の約 31 億ドルの約 1.6 倍(年 +4.6%)。ウォルマート・コストコに少しずつ負けるが、利益の質(広告と自社ブランド)で補う。競合に価格で正面から負けない限り、この姿に収まる。倍率は ROIC 16.0%・ROE 27.5%・g 3.2% の式の 8 割で 12.8 倍、時価総額は約 621 億ドル。10 年の正味還元は約 377 億ドル。
- 食料品店(薬局・燃料を除く):数量 266(販売点数(億点)= 食料品店市場 × 占有率)× 価格 4.94(1 点あたり平均単価(ドル))→ 売上 1,311 億ドル・営業利益 39 億ドル。数量 ×0.93、価格 ×1.41、営業利益率 3.0%
- 薬局:数量 4.5(処方件数(億件))× 価格 101(1 件あたり売上(ドル))→ 売上 450 億ドル・営業利益 11 億ドル。数量 ×1.12、価格 ×1.34、営業利益率 2.5%
- 燃料:数量 38.1(販売量(億ガロン))× 価格 4.51(1 ガロンあたり価格(ドル))→ 売上 172 億ドル・営業利益 4 億ドル。数量 ×0.87、価格 ×1.41、営業利益率 2.5%
- 広告・金融・その他:数量 666(広告・サービスの提供量(億単位。推定の指数ではなく取引の回数))× 価格 0.14(1 単位あたり売上(ドル))→ 売上 94 億ドル・営業利益 26 億ドル。数量 ×1.85、価格 ×1.41、営業利益率 28.0%
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 27.5%(帳簿の ROE は自社株買いで 40% を超えるので、ROIC から出した ROE を使った)、k 8.50%(基本 8.0% + quality +0.5%)、残る割合 0.50(普通の堀)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 18.0%、g 3.2%(価格(物価 3.5%)+ 市場の数量(食料品店は実質で年 −0.3% ほど)+ 占有率の増減から出した値。ROE から出していない)、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 15.5 倍(来年の利益に対して)。占有率を毎年失う薄利の成熟事業なので、上限の 8 割(12.4 倍)に置き、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 12.8 倍。時価総額 = 純利益 48 × 12.8 倍 = 621 億ドル。
確率:占有率の下げが 8.3% から 7.8% で止まり、広告が利益を支える。過去 2 年の傾きより緩やかなため 18%。
中立 32% 中立:占有率 7.5%、利益は物価より遅く伸びる 利益 39 億ドル · PER 11.7 倍 · 株価時価総額 75.81 ドル459 億ドル
10 年後(2035 年度)、クローガーは占有率を 8.3% から 7.5% 前後へ失い(食料品店の数量は今の約 0.873 倍=市場 −3% × 占有率 −10%、価格は 1.41 倍)、成熟した全国チェーンとして薄利を保つ。ウォルマート・コストコ・アルディ・アマゾンが占有率を取り、クローガーは地域寡占の強い店と自社ブランド・広告で粘る。薬局は処方件数 +10%、価格はインフレ抑制法の薬価交渉で 1.30 倍(物価を下回る)、燃料は数量 −14%。売上は約 1,914 億ドル、営業利益は約 67 億ドル(営業利益率 3.5%)、純利益は約 39.4 億ドルで、正常な今の約 31 億ドルの約 1.3 倍(年 +2.5%、物価を下回る)。倍率は ROIC 15.0%・ROE 25.5%・g 2.5%(物価 3.5% + 市場数量 −0.3% + 占有率 −0.7%)・k 8.5% の式の 8 割で 11.7 倍、時価総額は約 459 億ドル。10 年の正味還元は約 337 億ドル(配当と自社株買いから株式報酬の分を引く)。ジャイアント・イーグルの買収(買収額 16.5 億ドル、売上約 90 億ドル)は成立前なので足さない。
- 食料品店(薬局・燃料を除く):数量 249(販売点数(億点)= 食料品店市場 × 占有率)× 価格 4.94(1 点あたり平均単価(ドル))→ 売上 1,231 億ドル・営業利益 33 億ドル。数量 ×0.873、価格 ×1.41、営業利益率 2.7%
- 薬局:数量 4.4(処方件数(億件))× 価格 98(1 件あたり売上(ドル))→ 売上 431 億ドル・営業利益 10 億ドル。数量 ×1.1、価格 ×1.3、営業利益率 2.3%
- 燃料:数量 37.6(販売量(億ガロン))× 価格 4.51(1 ガロンあたり価格(ドル))→ 売上 170 億ドル・営業利益 4 億ドル。数量 ×0.86、価格 ×1.41、営業利益率 2.4%
- 広告・金融・その他:数量 587(広告・サービスの提供量(億単位。推定の指数ではなく取引の回数))× 価格 0.14(1 単位あたり売上(ドル))→ 売上 83 億ドル・営業利益 22 億ドル。数量 ×1.63、価格 ×1.41、営業利益率 27.0%
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 25.5%(帳簿の ROE は自社株買いで 40% を超えるので、ROIC から出した ROE を使った)、k 8.50%(基本 8.0% + quality +0.5%)、残る割合 0.50(普通の堀)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 17.0%、g 2.5%(価格(物価 3.5%)+ 市場の数量(食料品店は実質で年 −0.3% ほど)+ 占有率の増減から出した値。ROE から出していない)、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 14.2 倍(来年の利益に対して)。占有率を毎年失う薄利の成熟事業なので、上限の 8 割(11.4 倍)に置き、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 11.7 倍。時価総額 = 純利益 39 × 11.7 倍 = 459 億ドル。
確率:占有率の下げが続く(年 0.08 ポイント)が、薄利でも潰れない。最も自然だが、競合の動きが厳しいので 32% にとどめる。
やや悲観 28% やや悲観:ウォルマートとハードディスカウンターに押される 利益 29 億ドル · PER 10.1 倍 · 株価時価総額 47.79 ドル290 億ドル
10 年後(2035 年度)、クローガーは占有率を 6.7% 前後まで失う(食料品店の数量は今の 0.80 倍、価格は 1.41 倍)。ウォルマートの食料品が配送と価格で圧倒し、アマゾンが生鮮の宅配を伸ばし、アルディ(2028 年に 3,200 店の計画)などのハードディスカウントが広がる。クローガーは値下げで対抗するため利益率が下がる(食料品店 2.5%、全社 3.0%)。薬局は薬価の逆風と競合で営業利益率 2.0%。売上は約 1,741 億ドル、営業利益は約 53 億ドル、利払いは約 16 億ドルで純利益は約 28.7 億ドル、正常な今の約 31 億ドルを下回る(約 0.93 倍)。競合に負ける場合の利益はこの程度で、物価分も増やせない姿。倍率は ROIC 12.0%・ROE 19.5%・g 2.0% の式の 75% で 10.1 倍、時価総額は約 290 億ドル。10 年の正味還元は約 297 億ドル。
- 食料品店(薬局・燃料を除く):数量 229(販売点数(億点)= 食料品店市場 × 占有率)× 価格 4.94(1 点あたり平均単価(ドル))→ 売上 1,128 億ドル・営業利益 28 億ドル。数量 ×0.8、価格 ×1.41、営業利益率 2.5%
- 薬局:数量 4.2(処方件数(億件))× 価格 94(1 件あたり売上(ドル))→ 売上 394 億ドル・営業利益 8 億ドル。数量 ×1.05、価格 ×1.25、営業利益率 2.0%
- 燃料:数量 35.0(販売量(億ガロン))× 価格 4.32(1 ガロンあたり価格(ドル))→ 売上 151 億ドル・営業利益 3 億ドル。数量 ×0.8、価格 ×1.35、営業利益率 2.2%
- 広告・金融・その他:数量 504(広告・サービスの提供量(億単位。推定の指数ではなく取引の回数))× 価格 0.14(1 単位あたり売上(ドル))→ 売上 68 億ドル・営業利益 16 億ドル。数量 ×1.4、価格 ×1.35、営業利益率 24.0%
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 19.5%(帳簿の ROE は自社株買いで 40% を超えるので、ROIC から出した ROE を使った)、k 8.50%(基本 8.0% + quality +0.5%)、残る割合 0.50(普通の堀)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 14.0%、g 2.0%(価格(物価 3.5%)+ 市場の数量(食料品店は実質で年 −0.3% ほど)+ 占有率の増減から出した値。ROE から出していない)、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 13.2 倍(来年の利益に対して)。占有率の喪失が加速する分、上限の 7.5 割(9.9 倍)に置き、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 10.1 倍。時価総額 = 純利益 29 × 10.1 倍 = 290 億ドル。
確率:ウォルマート・コストコ・アルディ・アマゾンに押され、値下げで利益率が下がる。過去の傾きが加速する筋書きで、28% と厚めに置く。
悲観 15% 悲観:構造的に負け、薄利のスーパーに 利益 12 億ドル · PER 8.5 倍 · 株価時価総額 16.75 ドル102 億ドル
10 年後(2035 年度)、構造的に負け、もう優良ではなくなっている。占有率は 5.7% 前後まで下がり(食料品店の数量は今の 0.68 倍、価格は物価を下回る 1.30 倍)、アルバートソンズとの合併失敗後も規模で挽回できず、ウォルマート・コストコ・アマゾン・ハードディスカウンターが客を奪う。値下げ競争で食料品店の営業利益率は 1.9% まで下がる。ネット通販の自動倉庫の投資は回収できず(2025 年度に 25 億ドルを減損済み)、店舗の閉鎖と減損が追加で出る。薬局は薬価の逆風で営業利益率 1.6%。売上は約 1,437 億ドル、営業利益は約 33 億ドル(営業利益率 2.3%)、利払いは約 18 億ドルで純利益は約 11.9 億ドル。倍率は ROIC 8.5%・ROE 12.5%・g 1.0% の式の 7 割で 8.5 倍、時価総額は約 102 億ドルと今の約 3 割。10 年の正味還元は約 137 億ドル(自社株買いを大きく絞る)。 還元(137 億ドル)が期間の純利益の合計(約 110 億ドル)を上回るので、自己資本は今の 59 億ドルから 19 億ドルまで縮む。
- 食料品店(薬局・燃料を除く):数量 194(販売点数(億点)= 食料品店市場 × 占有率)× 価格 4.55(1 点あたり平均単価(ドル))→ 売上 884 億ドル・営業利益 17 億ドル。数量 ×0.68、価格 ×1.3、営業利益率 1.9%
- 薬局:数量 4.0(処方件数(億件))× 価格 90(1 件あたり売上(ドル))→ 売上 360 億ドル・営業利益 6 億ドル。数量 ×1、価格 ×1.2、営業利益率 1.6%
- 燃料:数量 32.8(販売量(億ガロン))× 価格 4.16(1 ガロンあたり価格(ドル))→ 売上 136 億ドル・営業利益 3 億ドル。数量 ×0.75、価格 ×1.3、営業利益率 1.8%
- 広告・金融・その他:数量 432(広告・サービスの提供量(億単位。推定の指数ではなく取引の回数))× 価格 0.13(1 単位あたり売上(ドル))→ 売上 56 億ドル・営業利益 11 億ドル。数量 ×1.2、価格 ×1.3、営業利益率 20.0%
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 12.5%(帳簿の ROE は自社株買いで 40% を超えるので、ROIC から出した ROE を使った)、k 8.50%(基本 8.0% + quality +0.5%)、残る割合 0.50(普通の堀)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 10.5%、g 1.0%(価格(物価 3.5%)+ 市場の数量(食料品店は実質で年 −0.3% ほど)+ 占有率の増減から出した値。ROE から出していない)、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 12.1 倍(来年の利益に対して)。占有率の喪失が加速する分、上限の 7 割(8.4 倍)に置き、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 8.5 倍。時価総額 = 純利益 12 × 8.5 倍 = 102 億ドル。
確率:構造的に負ける筋書きに 15%。アルバートソンズとの統合が 2024 年に阻止され、規模での挽回もできない。2025 年度の自動倉庫の失敗(減損 25 億ドル)の事実も効く。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
食料品店(薬局・燃料を除く)
クローガー等の食品スーパーの食品・日用品・自社ブランド・ネット通販。売上の約 7 割。
| 数量販売点数(億点)= 食料品店市場 × 占有率 | 価格1 点あたり平均単価(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 286 | 3.50 | 1,000 | 30 |
| 10 年後 中立 | 249 | 4.94 | 1,231 | 33 |
取り方:売上 1,000 億ドル・営業利益 30 億ドルは推定(全社 1,476 億ドル・48 億ドルを塊に分けた)。数量は 食料品店市場 約 1.2 兆ドル(推定)× 占有率 8.3%(ヌメレーター社 2026 年)=約 1,000 億ドルを、平均単価 3.5 ドル(推定)で点数に直した。
薬局
店内薬局の処方薬。高齢化で件数が増えるが薬価交渉で単価の上がりが鈍い。
| 数量処方件数(億件) | 価格1 件あたり売上(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 4.0 | 75 | 300 | 8 |
| 10 年後 中立 | 4.4 | 98 | 431 | 10 |
取り方:売上 約 300 億ドル・営業利益率 2.5% は推定。件数 4 億件・1 件 75 ドルも推定(開示は薬局売上の伸びの説明のみ)。インフレ抑制法の逆風は 2026 年の既存店売上に約 1.4 ポイント。
燃料
店舗に併設の給油所。ポイント制度で来店を呼ぶ役割。
| 数量販売量(億ガロン) | 価格1 ガロンあたり価格(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 43.8 | 3.20 | 140 | 4 |
| 10 年後 中立 | 37.6 | 4.51 | 170 | 4 |
取り方:売上 約 140 億ドルは推定(燃料の売上は決算で別に示される。売上全体の約 9〜10%)。ガロン数と単価は推定。
広告・金融・その他
会員データを使った広告枠の販売(クローガー・プレシジョン・マーケティング)、金融サービス、卸売ほか。
| 数量広告・サービスの提供量(億単位。推定の指数ではなく取引の回数) | 価格1 単位あたり売上(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 360 | 0.10 | 36 | 9 |
| 10 年後 中立 | 587 | 0.14 | 83 | 22 |
取り方:売上 約 36 億ドル・営業利益率 25% は推定(広告の利益は 2026 年第 2 四半期に +24% の開示のみ)。数量と単価は売上に合うよう置いた。本社費用などの調整 −2 億ドルは筋書きの adjust_oku に入れる。
リスクと懸念
占有率の喪失の加速
占有率は 8.8%(2024 年)から 8.3%(2026 年)へ下がった。ウォルマート・コストコ・アルディ・アマゾンの 4 社が来店を取る。年 0.25 ポイントの下げが倍になれば、10 年で占有率 6〜7% になり、利益は物価分も増やせない。
値下げ投資が客数に結びつかない
新社長は価格を最優先し、裏方のコスト削減(直接仕入れ・ロス削減・業務の簡素化)で値下げを賄うとする。客が戻らず粗利益率だけ下がれば、営業利益率は 3.3% から 2.5% へ下がり、利益は 2 割以上減る。2026 年の ID 売上は +0.2% と弱い。
薬局の薬価の逆風
インフレ抑制法の薬価交渉で、薬局の 1 件あたり売上が物価ほど上がらず、2026 年の既存店売上に約 1.4 ポイントの逆風。対象の薬が年々増える仕組みなので、逆風は一度きりでなく続き、薬局の営業利益率が 2% を下回れば全社の利益にも響く。
ネット通販・自動倉庫の失敗の余波
オカドの自動倉庫 3 か所を閉鎖し、25 億ドルを減損、3.5 億ドルを払った。残りの 5 拠点とフェニックスの稼働率が低ければ、追加の減損が出る。宅配は Instacart・ドアダッシュ併用で、利益率が薄い。
買収の失敗・反トラスト
アルバートソンズとの統合は 2024 年に阻止され終了した。ジャイアント・イーグル(16.5 億ドル、197 店)も一部店舗の売却が必要で、審査が長引けば統合費用だけが残る。規模を買う道が細いことが、占有率を守る手段を狭めている。
財務の余地と自社株買いの質
帳簿の自己資本は 59 億ドルと薄く、純総負債は EBITDA の 1.91 倍。目標の 2.3〜2.5 倍へ借金を増やして自社株買いを続けると、不況時の余裕が減る。自己資本を縮める自社株買いを重ねた前例もある。
今後の分かれ目
- ID 売上(燃料を除く既存店売上)が 3 四半期続けて +2% を超えた場合
- 値下げ投資が客数に効いた証拠。楽観・やや楽観の確率を上げ、悲観・やや悲観を下げる。
- 占有率(ヌメレーター社)が 8.0% を下回った場合
- 年 0.25 ポイントの下げが加速している。10 年の悲観・やや悲観の確率を上げる。
- 2026-10-20 の投資家向け説明会で、営業利益率の目標が 3.3% より低く示された場合
- 値下げ投資で利益率が下がる前提になる。食料品店の営業利益率を 0.2 ポイント下げ、10 年の筋書きを中立から やや悲観 側へ寄せる。
- ジャイアント・イーグル買収が成立し、一部店舗の売却で済んだ場合
- 食料品店の売上が約 90 億ドル増え、地域密度が上がる。買収額が小さいので価値の変化は限定的。不成立でも影響は小さい。
- 広告事業(クローガー・プレシジョン・マーケティング)の利益の伸びが 20% を下回った場合
- 全社の利益の質を支える柱が弱まる。広告・その他の営業利益率の置き方(27〜30%)を下げる。
- 不況で食料品の数量が 5% 以上落ちた場合
- 低価格店と自社ブランドへの切り替えで利益率が下がる。10 年の悲観の確率を上げる。
見ておくもの
- ID 売上(燃料を除く既存店売上)と来店数の伸び
- 占有率(ヌメレーター社)と、ウォルマート・コストコ・アルディとの差
- 粗利益率と営業利益率(0.1 ポイント単位)
- 広告(クローガー・プレシジョン・マーケティング)の利益の伸び
- ネット通販の利益改善 4 億ドルの進み具合
- 薬局の ID 売上とインフレ抑制法の逆風の大きさ
- 純総負債÷調整後 EBITDA と自社株買いの額
倍率と資本コストの決め方
今の時価総額(約 386 億ドル、正常な利益の約 12 倍)を見る前に、4 つの塊を「数量 × 価格」と営業利益率で 10 年へ積み上げた。倍率は今の PER ではなく、k 8.5%(基本 8.0%。借金 +0.5%・占有率を失う寿命 +0.5%・食料品の循環 −0.5%)・ROE(帳簿 ROE は自社株買いで 40% 超のため ROIC から出した 12〜30%)・g(価格 3.5% + 市場の数量 −0.3% + 占有率の増減。ROE からは出していない)の式から出し、上限の 7〜8.5 割に置いた。占有率の下げが年 0.1 ポイント程度で止まる前提が崩れる悲観を 10 年で 43% と厚く置き、結果は適正になった。確率や利益は結果に合わせて動かしていない。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。