結論
フィリップ モリス インターナショナルは、マールボロを中核に、米国を除く世界で紙巻きたばこを売る最大手で、2025 年は売上 406 億ドル、営業利益約 149 億ドル(営業利益率 約 37%)、純利益 113 億ドルである。加熱式の IQOS と ZYN などの煙の出ない製品が売上の 41.5%(168.5 億ドル)まで育ち、2026 年 4〜6 月期は売上がオーガニックで +7.6%、ZYN には 6 月 30 日に FDA が健康リスク低減の表示を認めた。会社は 2026〜2028 年に売上 年 +6〜8%、営業利益 年 +8〜10% を掲げる。
事業は、数量が毎年 −2〜3% で縮む紙巻きと、数量が年 +10% 前後で伸びる煙の出ない製品の二本立てで、前者は価格を毎年物価以上に上げて売上を保ち、後者が成長を担う。10 年後も事業は存在するが、規制(風味・ニコチン量・課税)で数量の減りが速まる筋書きがつねに付きまとう。数量 × 価格で積み上げた中立の 10 年後は売上 697 億ドル・純利益 179 億ドル(年 +4.7%)。
バリュー投資の観点では、今の PER 25 倍・時価総額 3,197 億ドルは、縮む中核事業を抱える会社に払う値段としては重い。資本コスト 7.5%(基本 8.0% + quality −0.5%)で、強い堀の利益ベースの正当化 PER(g 2.5% で来年の利益に約 19 倍)の 9 割を使う。紙巻きの残る縮みは長期の g(中立 2.5%)に入れ、規制で紙巻きの終わりが早まる可能性は、倍率でなく悲観の確率(10 年でやや悲観 23%・悲観 14%)と深さで表した。中立の 10 年後は PER 17.4 倍(ROIC から出した ROE は 6 割超)で時価総額は約 3,120 億ドルと今とほぼ同じ、配当を足した年率は 3% 弱で資本コスト 7.5% に届かない。悲観側も厚く、確率で重みを付けた価値は今の時価総額を約 35% 下回り、「優れた事業だが、値段は割高」というのが結論である。
バリュー投資の観点から
バリュー投資家なら、まず 10 年後もあるかを問う。答えは、ある。ただし紙巻きの数量は縮み、規制がどこまで進むかは読みにくい。煙の出ない製品が育っても、ニコチンの規制・風味・課税の平準化の面で、10 年後の姿は幅が広く、確信度は中程度である。
次にオーナー利益を見る。純利益 113 億ドルに対し設備投資は軽く、株式報酬も小さいので、オーナー利益は純利益に近い。時価総額 3,197 億ドルに対する利回りは約 3.5%(PER 25 倍)、配当利回りは約 2.7%。国債 5% より低く、物価 3.5% に利益が追いつくかが問われる。紙巻きの値上げの力で追いつくが、数量の縮みが重なると実質では伸びない。
安全域の議論では、中立の 10 年後(純利益 179 億ドル、PER 17.4 倍)の時価総額は今とほぼ同じ、配当込みの年率は 3% 弱で、資本コスト 7.5% に届かない。楽観なら年率 12% 台だが、やや悲観ではほぼ 0%、悲観では元本が大きく削れる。つまり、今の値段は割高で、安全域はない。経営は、煙の出ない製品に資本を回す一貫性と配当の規律は評価できるが、今の 28 倍は中立の 10 年後の式の値とほぼ同じで、成長の見通しをおおむね織り込んでいる。わからない部分は、規制がパウチと加熱式の成長を止めるかと、ZYN の占有率の見方である。
何で稼ぐ会社か
収益の源泉は 2 つある。第 1 が紙巻きで、マールボロを筆頭に、米国を除く約 180 市場で売る(米国のマールボロはアルトリアが持つ)。世界の紙巻きの出荷は 2025 年に約 6,000 億本、売上は約 237 億ドルで、営業利益率は 5 割近い。値上げの力が強く、数量が毎年 2〜3% 減っても、価格を 4% 前後上げて売上を保つ。
第 2 が煙の出ない製品である。IQOS は葉を加熱する機器と専用スティック(テレア・ヒーツ)で、日本・イタリア・東欧・中東で占有率が高く、売上は約 125 億ドル。ZYN は米国のニコチンパウチで、2026 年 4〜6 月期の出荷は 29 億個(+1.8%)、売上は −0.7% と、販促で数量に売上が追いついていない。煙の出ない製品の出荷は 2025 年に +12.8%、売上は +15.0% で、全社の売上の 41.5%(168.5 億ドル)に達し、粗利益は +20.3% と紙巻きより速く伸びた。
利益は「数量 × 価格 × 利益率」で決まる。紙巻きの数量は規制・物品税・違法品で減り、煙の出ない製品は新しい市場への展開と占有率で伸びる。紙巻きの価格は毎年の値上げ(物価を少し上回る)、煙の出ない製品の価格は物価並みを基本に、新興国の安い市場への広がりで少し抑えられる。為替(ドル高)は海外売上のドル換算を削るが、筋書きでは動かさない。2025 年の営業利益は会社発表の約 149 億ドルで、kabufu の数字(170 億ドル)とずれるのは、会社発表でない収益が混じる可能性があるためで、ここでは会社発表を採った。
優良さと弱いところ
堀は 3 つある。第 1 は紙巻きのブランドと値上げの力で、マールボロは世界最大のたばこブランドであり、ニコチンの依存と習慣のため、価格を毎年上げても数量が戻らない。営業利益率が過去 12 期で 35〜42% と高水準を保つ(2024 年は 35.1%、2025 年は約 37% と会社発表ベース)のはその表れである。第 2 は加熱式の規模で、IQOS は日本・欧州で占有率が高く、利用者の機器と専用スティックの組み合わせで切り替えの費用が生じる。第 3 は国際流通と規制対応の経験で、180 市場に及ぶ認可・課税・風味規制への対応力は、新規参入では複製できない。
資本効率は、自己資本がマイナス(−100 億ドル)のため ROE は測れないが、純利益 113 億ドルに対し設備投資は軽く、フリーキャッシュフローは約 107 億ドルで、配当(86 億ドル)をほぼ賄う。経営の継続性は高く、煙の出ない製品への転換という長期の方針は 10 年以上ぶれていない。
弱点は 4 つ。(1)米国の ZYN の占有率の見方が調査で 31〜66% と割れ、ベロ プラス(BAT)・on! PLUS(アルトリア)が追い上げる。(2)紙巻きは規制と課税で数量の減りが速まる可能性があり、風味禁止は 2026 年にポーランドで IQOS の数量を実際に削った。(3)純負債が 445 億ドルで、自己資本のマイナスと合わせ、増配の余地が小さい。(4)売上の 4 割超を占める煙の出ない製品の拡大費用が利益率を押さえる。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
たばこ産業は、世界の紙巻きの数量が年 −1.5〜2% で縮む一方、物価を上回る値上げで金額を保つ、縮む産業の中の価格競争力の高い寡占である。世界の寡占はフィリップ モリス・BAT・JT・インペリアル ブランズで、米国は別市場(アルトリア・レイノルズ(BAT)・ITG)。数量の減りは、健康意識・規制・物品税・違法品・ベイプへの流出で決まる。米国の紙巻き(業界)は 2026 年 4〜6 月に −5% 前後(アルトリアの発表)。フィリップ モリス自身は 2026 年の自社の紙巻き数量を約 −3% と見る。
成長の軸は煙の出ない製品である。世界のニコチンパウチは 2025 年に約 55 億ドルから 2030 年に約 150 億ドルへ伸びるという BAT の予測があり、米国のパウチは口腔製品の約 6 割(アルトリアの発表)。ZYN は FDA が 2026 年 6 月 30 日に健康リスク低減の表示(20 品種)を認めた初のパウチで、販売上の追い風になる。一方、競合はベロ プラス(BAT)・on! PLUS(アルトリア)が占有率を伸ばし、ZYN は米国で売上が出荷に遅れた(販促)。加熱式は日本(JT のプルーム)・欧州(BAT のグロー)と競い、IQOS の ILUMA の米国認可は確認できていない。
循環でいえば、たばこは需要が景気で落ちにくく、リーマン期の株価の下げは −36%(2008 年 8 月→2009 年 2 月)と、倍率の縮みで動いた。分かれ目は、規制(風味・ニコチン量・課税の平準化)が紙巻きの減りを速めるか、パウチと加熱式がその減りを埋めるかである。日本の物品税の引き上げや、欧州の風味禁止のように、国ごとの規制が数量を削る例が出ている。
資本政策と M&A
還元は配当が中心である。2025 年の配当は 86 億ドル(純利益 113 億ドルの約 76%、フリーキャッシュフロー 107 億ドルの約 8 割)で、毎年の増配を続けてきた。自社株買いは 2022 年・2021 年に小さく行っただけで、近年はほぼない。株数はほぼ増減せず(年 ±0.1%)、株式報酬は小さいので、正味の還元は配当にほぼ等しい。
純負債は 445 億ドル(時価総額比 13.9%)で、2022 年のスウェディッシュ マッチ(ZYN の親会社)の買収(約 160 億ドル)で 2022 年に 238 億ドルから 403 億ドルへ増えた。自己資本はマイナスで、借金は借り換えのたびに約 5.75% の新しい金利になり、利払いは 10 年で約 8 億ドル増える見込み(税前、brief.py の推定)。大型の買収は規制の面で難しく、買収の余地は小粒の補完に限られる。2026〜2028 年の営業キャッシュフローは約 450 億ドルの見通しで、配当(3 年で約 270 億ドル)を払っても、借金の返済と煙の出ない製品への投資の余力がある。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
煙の出ない製品はすでに売上の 4 割超(168.5 億ドル)に達し、2025 年の出荷 +12.8%、粗利益 +20.3% と、紙巻きより速く稼ぐ段階に入った。2026 年 4〜6 月期はオーガニックで売上 +7.6%、国際の煙の出ない製品の出荷は +8.0%、売上は +14.2%。ZYN には FDA が 6 月 30 日に健康リスク低減の表示を認め、米国の紙巻き利用者の切り替えに追い風が吹く。会社は 2026〜2028 年に売上 年 +6〜8%、営業利益 年 +8〜10%、営業キャッシュフロー約 450 億ドルを掲げ、実績は 2025 年の営業利益 +11% で目標を上回った。
紙巻きは数量が減っても、マールボロの値上げの力で売上を保ち、営業利益率は 5 割近い。この稼ぎが煙の出ない製品の拡大費用を賄い、配当(86 億ドル)も増やせる。加熱式は日本・イタリア・東欧で占有率が高く、ILUMA の米国認可が出れば世界最大の市場が開く。10 年後には煙の出ない製品が売上の 6 割に達し、成長が止まらない限り、PER 25 倍が付いても不思議はない。
慎重な見方
PER 28 倍・時価総額 3,197 億ドルは、過去 18 期の PER の中央(17 倍)を大きく超える。10 年以上、利益が年 +9% 以上で伸びる未来を先に払っている。紙巻きは毎年 −2〜3% で縮み、規制(風味・ニコチン量・課税の平準化)の一つで数量の減りが年 −5〜10% に速まる。日本の物品税の引き上げ、ポーランドの風味禁止のように、実際に IQOS の数量を削った例がすでにある。
ZYN は米国で売上が出荷に遅れ(2026 年 4〜6 月は出荷 +1.8%、売上 −0.7%)、販促で数量を買っている。ベロ プラス(BAT)・on! PLUS(アルトリア)が占有率を伸ばし、初期の高い利益率は薄れる。会社の言う占有率約 70% も、調査では 31〜66% と割れる。自己資本はマイナス(−100 億ドル)、純負債 445 億ドルで、借り換えの利払い増も効く。倍率が今の 28 倍から過去の中央 17 倍に戻れば、10 年後に利益が 1.6 倍になっても、時価総額はほぼ横ばいで、国債 5% に届かない。
どちらに重みを置いたか
事業の勢い(2025 年の営業利益 +11%、煙の出ない製品の拡大、ZYN の表示認可)は強気の見方が強いが、値段の議論と規制の読みにくさは慎重な見方が強い。倍率は利益ベースの正当化 PER の 9 割(10 年中立 17.4 倍)に置き、紙巻きの残る縮みは長期の g(中立 2.5%、悲観 0%)に、規制で紙巻きの終わりが早まることは確率に入れた。10 年の楽観・やや楽観の合計を 29% とし、悲観を 14%、やや悲観を 23% と厚くした(構造的に負ける筋書きは、事業の質が高くても消えない)。結論は「優れた事業だが、資本コスト 7.5% に対して値段は割高」。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 182.74 ドル2,847 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 64.51 ドル1,005 億ドル)。 今の値に割り戻すと 133.60 ドル2,082 億ドル、今との差 −33.8%、 期待の年率 +2.1%(資本コスト 7.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 337.86 ドル5,264 億ドル | 79.85 ドル1,244 億ドル | +107.0% | +7.5% | 37.59 ドル586 億ドル |
| やや楽観 | 20% | 260.20 ドル4,054 億ドル | 76.12 ドル1,186 億ドル | +66.7% | +5.2% | 67.26 ドル1,048 億ドル |
| 中立 | 34% | 200.26 ドル3,120 億ドル | 71.50 ドル1,114 億ドル | +34.7% | +3.0% | 92.40 ドル1,440 億ドル |
| やや悲観 | 23% | 105.82 ドル1,649 億ドル | 51.67 ドル805 億ドル | −21.9% | −2.4% | 36.22 ドル564 億ドル |
| 悲観 | 14% | 56.23 ドル876 億ドル | 42.17 ドル657 億ドル | −51.2% | −6.9% | 13.78 ドル215 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 182.74 ドル2,847 億ドル | 64.51 ドル1,005 億ドル | +22.6% | +2.1% | 247.25 ドル3,852 億ドル |
今の株価時価総額 201.74 ドル3,143 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.5% を下回るほど割高。
楽観 9% 楽観:煙の出ない製品が売上の 6 割台半ばを占め、営業利益 320 億ドル 利益 237 億ドル · PER 22.2 倍 · 株価時価総額 337.86 ドル5,264 億ドル
10 年後(2035 年 12 月期)、紙巻きの数量は 0.78 倍(年 −2.4%)、1 本の売上は 1.55 倍(物価 1.41 倍を上回る値上げ。ブランドの価格を決める力が衰えない)、売上は約 287 億ドル。加熱式は出荷 2.1 倍(日本・欧州に加え、米国・東南アジア・中東へ広がる)、価格は物価並み 1.43 倍で売上 約 375 億ドル、パウチは缶数 3.0 倍(欧州・日本・新興国へ展開し、米国は成熟)、1 缶の売上 1.40 倍で売上 約 185 億ドル。売上は 847 億ドル(今の 2.1 倍)、営業利益は 320 億ドル、純利益は 237 億ドル(今の 2.1 倍、年 +7.7%)。煙の出ない製品の売上比率は 66% へ。競争は IQOS と ZYN が占有率を保つ。PER は 22 倍(g 3.5% の式の 9.5 割)。
- 紙巻きたばこ(マールボロほか。米国は含まない):数量 468(紙巻きの出荷本数(十億本))× 価格 0.61(1 本あたりの純売上(ドル))→ 売上 287 億ドル・営業利益 138 億ドル。数量 0.78 倍、価格 1.55 倍
- 加熱式たばこ(IQOS・テレア・ILUMA ほか):数量 347(加熱式スティックの出荷本数(十億本))× 価格 1.08(1 本あたりの純売上(ドル))→ 売上 375 億ドル・営業利益 135 億ドル。出荷 2.1 倍
- ニコチンパウチ・ベイプ・その他(ZYN ほか):数量 36.0(パウチの販売缶数(億缶))× 価格 5.13(1 缶あたりの純売上(ドル))→ 売上 185 億ドル・営業利益 61 億ドル。缶数 3.0 倍
倍率:ROE 50.6%、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 強い堀 2/3、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 36.3%、g 3.5%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 22.6 倍(来年の利益に対して)。煙の出ない製品が売上の 66% を占め、強い堀が 10 年先も続く最良の筋書きなので、上限の上の方に置いた。上限の 9.5 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 22.2 倍。時価総額 = 純利益 237 億ドル × 22.2 倍 = 5264 億ドル。
確率:ILUMA の米国認可・ZYN の占有率・紙巻きの穏やかな減り(年 −2.4%)・風味規制の緩さ、が 10 年続く、強気の前提が全部当たる必要がある。
やや楽観 20% やや楽観:煙の出ない製品が主役になり、純利益は年 +6.4% 利益 208 億ドル · PER 19.5 倍 · 株価時価総額 260.20 ドル4,054 億ドル
10 年後、紙巻きの数量は 0.74 倍(年 −3.0%)、1 本の売上は 1.50 倍、売上は約 263 億ドル。加熱式は出荷 1.95 倍、価格 1.42 倍で売上 約 346 億ドル、パウチは缶数 2.7 倍、1 缶の売上 1.38 倍で売上 約 164 億ドル。売上は 773 億ドル、営業利益は 281 億ドル、純利益は 208 億ドル(今の 1.8 倍、年 +6.2%)。煙の出ない製品の売上比率は 66% へ。規制はある程度進むが、パウチと加熱式の成長を止めない。PER は 19.5 倍(g 3% の式の 9.2 割)。
- 紙巻きたばこ(マールボロほか。米国は含まない):数量 444(紙巻きの出荷本数(十億本))× 価格 0.59(1 本あたりの純売上(ドル))→ 売上 263 億ドル・営業利益 124 億ドル。数量 0.74 倍、価格 1.50 倍
- 加熱式たばこ(IQOS・テレア・ILUMA ほか):数量 322(加熱式スティックの出荷本数(十億本))× 価格 1.08(1 本あたりの純売上(ドル))→ 売上 346 億ドル・営業利益 119 億ドル。出荷 1.95 倍
- ニコチンパウチ・ベイプ・その他(ZYN ほか):数量 32.4(パウチの販売缶数(億缶))× 価格 5.06(1 缶あたりの純売上(ドル))→ 売上 164 億ドル・営業利益 52 億ドル。缶数 2.7 倍
倍率:ROE 56.7%、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 強い堀 2/3、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 40.3%、g 3.0%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 20.6 倍(来年の利益に対して)。煙の出ない製品の成長は続くが規制で一部削られるので、強い堀の質は保たれるものの、楽観よりやや下に置いた。上限の 9.2 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 19.5 倍。時価総額 = 純利益 208 億ドル × 19.5 倍 = 4054 億ドル。
確率:会社の 2028 年目標(営業利益 年 +8〜10%)より低めだが、2035 年まで年 +6% 台は 2025 年の実績(営業利益 +11%)を見ると届く水準。
中立 34% 中立:紙巻きの減りを煙の出ない製品が埋め、純利益は年 +4.7% 利益 179 億ドル · PER 17.4 倍 · 株価時価総額 200.26 ドル3,120 億ドル
10 年後、紙巻きの数量は 0.70 倍(年 −3.5%)、1 本の売上は 1.45 倍(物価 1.41 倍をやや上回る値上げ)で、売上は約 241 億ドル。加熱式は出荷 1.79 倍(年 +6%)、価格は物価並みの 1.41 倍で売上 約 315 億ドル、パウチは缶数 2.37 倍(年 +9%)、1 缶の売上は 1.35 倍(販促と新興市場の安い価格で物価に届かない)で売上 約 141 億ドル。売上は 697 億ドル(今の 1.7 倍)、営業利益は 243 億ドル(率 34.9%)、純利益は 179 億ドル(今の 1.6 倍、年 +4.7%)。借り換えの利払い増 8 億ドルを織り込む。煙の出ない製品が売上の 65% に達し、紙巻きの利益が薄くなる分を補う。規制は課税・風味の面で一定進むが、禁止には至らない。競争はベロ プラス・on! PLUS・JT のプルームが占有率を削り、ZYN は米国の過半を保つ。PER は 17.4 倍(紙巻きの残る縮みを入れた g 2.5%・k 7.5% の式の 9 割)。
- 紙巻きたばこ(マールボロほか。米国は含まない):数量 420(紙巻きの出荷本数(十億本))× 価格 0.57(1 本あたりの純売上(ドル))→ 売上 241 億ドル・営業利益 111 億ドル。数量 0.70 倍、価格 1.45 倍
- 加熱式たばこ(IQOS・テレア・ILUMA ほか):数量 295(加熱式スティックの出荷本数(十億本))× 価格 1.07(1 本あたりの純売上(ドル))→ 売上 315 億ドル・営業利益 104 億ドル。出荷 1.79 倍
- ニコチンパウチ・ベイプ・その他(ZYN ほか):数量 28.4(パウチの販売缶数(億缶))× 価格 4.95(1 缶あたりの純売上(ドル))→ 売上 141 億ドル・営業利益 42 億ドル。缶数 2.37 倍
倍率:ROE 64.2%、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 強い堀 2/3、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 45.3%、g 2.5%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 18.9 倍(来年の利益に対して)。強い堀は続くが、紙巻きの利益が縮み、ベロ・on! PLUS・プルームの競争と規制の読みにくさがあるので、上限の 9 割に置いた。上限の 9.0 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 17.4 倍。時価総額 = 純利益 179 億ドル × 17.4 倍 = 3120 億ドル。
確率:業界ノートの中立(紙巻き数量 年 −3.5%、価格 +3.8%、煙の出ない製品の数量 年 +6〜7%)に沿う。会社目標の延長ではなく、成熟による減速を織り込む。
やや悲観 23% やや悲観:規制の強化で紙巻きの数量が年 −5%、純利益は横ばい 利益 113 億ドル · PER 14.6 倍 · 株価時価総額 105.82 ドル1,649 億ドル
10 年後、紙巻きの数量は 0.60 倍(年 −5%)、1 本の売上は 1.38 倍、売上は約 196 億ドル。加熱式は出荷 1.45 倍(欧州の風味禁止と日本の増税が続く)、価格 1.30 倍で売上 約 236 億ドル、パウチは缶数 1.7 倍、1 缶の売上 1.15 倍(米国で価格競争)で売上 約 86 億ドル。売上は 518 億ドル(今の 1.3 倍)、営業利益は 157 億ドル、純利益は 113 億ドル(今とほぼ同じ)。煙の出ない製品の成長が規制と競争で鈍り、紙巻きの減りを埋めきれない。PER は 14.6 倍(g 1.5% の式の 9 割)。
- 紙巻きたばこ(マールボロほか。米国は含まない):数量 360(紙巻きの出荷本数(十億本))× 価格 0.55(1 本あたりの純売上(ドル))→ 売上 196 億ドル・営業利益 84 億ドル。数量 0.60 倍、価格 1.38 倍
- 加熱式たばこ(IQOS・テレア・ILUMA ほか):数量 239(加熱式スティックの出荷本数(十億本))× 価格 0.98(1 本あたりの純売上(ドル))→ 売上 236 億ドル・営業利益 66 億ドル。出荷 1.45 倍
- ニコチンパウチ・ベイプ・その他(ZYN ほか):数量 20.4(パウチの販売缶数(億缶))× 価格 4.22(1 缶あたりの純売上(ドル))→ 売上 86 億ドル・営業利益 21 億ドル。缶数 1.7 倍
倍率:ROE 50.2%、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 強い堀 2/3、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 36.0%、g 1.5%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 16.0 倍(来年の利益に対して)。煙の出ない製品の成長が規制と競争で鈍る筋書きは g(1.5%)に入れてある。利益の質は中立と同じ 9 割に置いた。上限の 9.0 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 14.6 倍。時価総額 = 純利益 113 億ドル × 14.6 倍 = 1649 億ドル。
確率:メンソールやニコチン量・風味の規制、課税の平準化が段階的に進む筋書き。10 年あれば規制の追加はありうる。慎重な見方に分がある。
悲観 14% 悲観:構造的な規制と訴訟で、もう優良ではなくなる 利益 73 億ドル · PER 12.0 倍 · 株価時価総額 56.23 ドル876 億ドル
10 年後、紙巻きの数量は 0.45 倍(年 −7.7%)、価格の上げ幅は 1.25 倍に縮み、売上は約 133 億ドル。加熱式は出荷 1.3 倍(規制で拡大が止まる)、価格 1.15 倍で売上 約 187 億ドル、パウチは缶数 1.5 倍で価格据え置き(課税・風味規制)売上 約 66 億ドル。売上は 386 億ドル(今の約 0.95 倍)、営業利益は 104 億ドル、純利益は 73 億ドル(今の約 0.65 倍)。和解金や訴訟費用は利益率に含めた。たばこの需要は残るが、成長が止まり、規制の追加で優良さを失う。PER は 12 倍(名目で横ばいの g 0% の式、1 ÷ k の 9 割)。
- 紙巻きたばこ(マールボロほか。米国は含まない):数量 270(紙巻きの出荷本数(十億本))× 価格 0.49(1 本あたりの純売上(ドル))→ 売上 133 億ドル・営業利益 55 億ドル。数量 0.45 倍、価格 1.25 倍
- 加熱式たばこ(IQOS・テレア・ILUMA ほか):数量 215(加熱式スティックの出荷本数(十億本))× 価格 0.87(1 本あたりの純売上(ドル))→ 売上 187 億ドル・営業利益 50 億ドル。出荷 1.3 倍
- ニコチンパウチ・ベイプ・その他(ZYN ほか):数量 18.0(パウチの販売缶数(億缶))× 価格 3.67(1 缶あたりの純売上(ドル))→ 売上 66 億ドル・営業利益 13 億ドル。缶数 1.5 倍
倍率:ROE 47.7%、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 強い堀 2/3、RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 34.3%、g 0.0%(事業の数量 × シェア × 価格から出した値。ROE から出していない)で、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 13.3 倍(来年の利益に対して)。成長が止まり規制の追加で優良さを失う筋書きは g 0% に入れてある。式の値は 1 ÷ k の下限になり、利益の質は中立と同じ 9 割に置いた。上限の 9.0 割に置いた。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 12.0 倍。時価総額 = 純利益 73 億ドル × 12.0 倍 = 876 億ドル。
確率:10 年の悲観は構造的に負ける筋書き。メンソール・ニコチン上限・風味の禁止、課税、訴訟(和解金)が重なる。たばこは 10 年の間に規制が追加される確率が高く、14% とした(規制の読みにくさを倍率でなく確率で表す)。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
紙巻きたばこ(マールボロほか。米国は含まない)
米国を除く世界の紙巻きたばこ。マールボロを中核に、毎年の値上げで数量の減りを補う最大の稼ぎ頭。
| 数量紙巻きの出荷本数(十億本) | 価格1 本あたりの純売上(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 600 | 0.40 | 237 | 114 |
| 10 年後 中立 | 420 | 0.57 | 241 | 111 |
取り方:紙巻きの出荷は 2025 年に約 6,000 億本(第 4 四半期 1,494 億本の 4 倍からの推定)。売上 237 億ドルは、総売上 406 億ドルから煙の出ない製品の 168.5 億ドル(41.5%)を引いた値。営業利益 114 億ドル(率 48%)は推定で、全社 149 億ドルと煙の出ない製品の推定から逆算した(会社は製品別の利益を開示しない)。数量は「世界の紙巻き市場 × シェア」で、市場が年 −2% 前後で縮む中、マールボロのシェアは横ばい。価格は毎年の値上げで物価を少し上回る。
加熱式たばこ(IQOS・テレア・ILUMA ほか)
葉を燃やさず加熱する IQOS と専用スティック。日本・欧州・中東・東南アジアで拡大中。
| 数量加熱式スティックの出荷本数(十億本) | 価格1 本あたりの純売上(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 165 | 0.76 | 125 | 35 |
| 10 年後 中立 | 295 | 1.07 | 315 | 104 |
取り方:売上 125 億ドルは、煙の出ない製品 168.5 億ドルからパウチ等 44 億ドルを除いた推定。出荷 1,650 億本は推定(2025 年の煙の出ない製品の出荷 +12.8%)。営業利益 35 億ドル(率 28%)は推定で、機器の補助・販促・規制対応の費用が重い。数量は「加熱式市場 × シェア」で、日本・イタリア・東欧で占有率が高く、競合は JT(プルーム)と BAT(グロー)。
ニコチンパウチ・ベイプ・その他(ZYN ほか)
煙も出ず噛まずに口に含むニコチンパウチ(ZYN)とベイプなど。米国が収益の中心で、欧州・日本へ展開中。
| 数量パウチの販売缶数(億缶) | 価格1 缶あたりの純売上(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 12.0 | 3.67 | 44 | 10 |
| 10 年後 中立 | 28.4 | 4.95 | 141 | 42 |
取り方:売上 44 億ドルは推定(煙の出ない製品 168.5 億ドルから加熱式を除いた残り)。缶数 12 億は推定(米国の 2026 年 4〜6 月の出荷 29 億個を 1 缶約 20 個として四半期約 1.4 億缶、国外と季節を加えて年換算)。営業利益 10 億ドル(率 22%)は推定。米国で ZYN の占有率は会社の言う約 70%(調査では 31〜66% とばらつく)で、ベロ プラス(BAT)・on! PLUS(アルトリア)が追い、売上は出荷より弱い(販促)。
リスクと懸念
規制(風味・ニコチン量・課税の平準化)
紙巻きの数量の減りが年 −3% から −5〜10% へ加速する、または煙の出ない製品の拡大が止まる、のいずれも規制次第。2026 年はポーランドの風味禁止と日本の物品税の引き上げが、IQOS の出荷の伸びを実際に抑えた。米国の FDA の判断(ILUMA の認可、ZYN の新品種)も分かれ目で、悲観の確率と深さに織り込んでいる。
値段(倍率の縮み)
今の PER 28 倍は過去 18 期の中央(17 倍)を大きく超える。資本コスト 7.5% の式の値は中立で 19 倍前後でも、k − g が 5% と薄く、k が 1% 上がれば式の倍率は 2 割弱下がる。事業が計画どおりに伸びても、倍率が平常に戻れば時価総額は横ばいにとどまる。
ZYN の占有率と収益性
会社は米国のパウチで約 70% と言うが、調査では 31〜66% と割れる。ベロ プラス(BAT)・on! PLUS(アルトリア)が追い上げ、2026 年 4〜6 月は ZYN の出荷 +1.8% に対し売上は −0.7%(販促)。パウチの高い利益率が薄れると、成長の質が落ちる。
借金と自己資本のマイナス
純負債 445 億ドル(時価総額比 14%)、自己資本は −100 億ドル。借り換えで利払いは 10 年で約 8 億ドル増える。配当 86 億ドルは純利益の約 76% で、利益が落ちる局面での増配の余地は小さい。
紙巻きの縮みと違法品・為替
紙巻きは 2026 年に自社数量 −3% 前後(メキシコ・インドの物品税で弱い)。違法品(偽造品や密輸)への流出が紙巻きの数量を削り、ドル高による海外売上の目減り(ドル換算は筋書きで動かさないが、現実には利益を削る)も重なる。2026 年はメキシコとインドの物品税の引き上げが数量に効いた。
訴訟・規制当局との和解
たばこの健康被害の訴訟や、政府の費用回収の訴訟は、新興国を含めてたえず存在する。大きな和解金が出る可能性は、10 年の悲観の筋書きに織り込んだが、金額と時期は読めず、起これば純利益を数年単位で削り、配当の余力も細らせる。
今後の分かれ目
- FDA が IQOS の ILUMA(加熱式)の米国販売を認可したら
- 世界最大の市場で加熱式が開き、加熱式の出荷の伸びが上振れる。やや楽観・楽観の確率を上げてよい。ただし価格競争と機器の補助で利益率は薄く、倍率の根拠にはならない。
- 米国で紙巻き(業界)の数量が −5% より速く減り始めたら
- 紙巻きの価格を上げる力が試される。減りが年 −8% を超えれば、やや悲観・悲観の確率を上げ、売上の 6 割を占める紙巻きの利益が先に縮む。
- 欧州の風味禁止が加熱式・パウチに広がったら
- 欧州の煙の出ない製品の数量が削られ、加熱式の出荷の伸びが半分程度に落ちる。ポーランドの事例が EU 全域へ広がる筋書き。
- ベロ プラスと on! PLUS が米国の占有率を 3 割台へ伸ばしたら
- ZYN の価格を決める力が弱まり、パウチの利益率が薄れる。パウチの成長でできた利益が前提だった中立の筋書きが下振れる。
- 日本の加熱式の物品税の引き上げがさらに続いたら
- 日本の加熱式の数量が落ち、IQOS の最大の市場で成長が止まる。加熱式の出荷の伸びが年 +5% 以下になり、やや悲観に寄る。
- 景気後退が起き、割安品への移行が進んだら
- 利益は大きくは崩れないが(リーマン期の株価は −36%)、倍率が 1 ÷ k の 12〜13 倍前後へ縮む。やや悲観に当たる。
見ておくもの
- 煙の出ない製品の売上比率(2025 年 41.5%)と、出荷の伸び(加熱式・パウチ別)
- 米国の ZYN の出荷と売上の差(販促の度合い)、およびベロ プラス・on! PLUS の占有率
- 紙巻きの自社数量(年 −3% 前後の見通し)と、米国の紙巻き(業界)の減り
- FDA の判断(ILUMA の認可、ZYN の新品種)と、欧州・日本の風味規制・物品税
- 営業利益率とフリーキャッシュフロー(配当 86 億ドルを賄えているか)、純負債 445 億ドル
倍率と資本コストの決め方
今の PER や時価総額 3,197 億ドルを見る前に、紙巻き・加熱式・パウチの 3 つに分けて、数量 × 価格(10 年で物価並みの 1.41 倍)で売上を、営業利益率で利益を積み上げた。倍率は式 (1 − g/RONIC) ÷ (k − g) × (1 + g) どおりに置き(k 7.5%=基本 8.0% + quality −0.5%。ROE はのれんと純負債を除いた事業の値)、紙巻きの縮みは長期の g(中立 2.5%)に、規制・訴訟の不確実性は悲観の確率と深さに入れた。中立は式の 9 割で 17.4 倍。結果として今の値段は割高になるが、計算の結果で、今の株価に合わせたものではない。なお kabufu の 2025 年営業利益 170 億ドルは会社発表の約 149 億ドルとずれるので、会社発表を採った。
資本コスト 7.5% = 無リスク金利 5% + β 0.60 × 5%。k = 基本 8.0% + quality -0.5% = 7.5%(SCHEMA_US §1)。需要の安定と値決め力で下げ、紙巻きの縮みと移行の寿命で上げて、強い堀の下限 -0.5% に収めた。事業は傾いておらず上乗せはしない。規制・訴訟・紙巻きの縮みなどの個別のリスクは k に足さず、悲観の確率と深さ、紙巻きの縮みは長期の g で表した(倍率は式どおりで割り引かない)。