株譜
AI 銘柄分析 · 陸運業 · 試作

神姫バス 9083

地方バスの黒字は万博が押し上げた山で、資本効率が資本コストに届かない以上、今の値段は少し高い

適正
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)2,099 円254 億円10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)1,938 円234 億円差 +8.3%
10 年後から見ると 適正 価値 2,099 円254 億円 · 差 +8.3% · 期待の年率 +7.5%
期待の年率リターン(10 年)+7.5%資本コストと同じ
推定の資本コスト7.5%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3%・10 年国債 3%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 7.5% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

神姫バスは、姫路・明石・三田を地盤に神戸・大阪へ路線を伸ばす兵庫の最大手バスだ。バスの外に、不動産と車両整備という手堅い稼ぎ頭を持つ。筆者の結論は「やや割高」である。自己資本の厚さに比べて利益が薄く、資本コストに届かないからだ。

利益の中心はバスだけではない。2026年3月期の営業利益は42億円で、不動産が14億円、車両販売・整備が約10億円を稼ぐ。バス本体は21億円だが、これは大阪・関西万博のアクセス輸送で押し上げられた数字だ。会社自身が今期を33億円と見て、反動を織り込んでいる。

財務に不安はない。自己資本比率は72%、純有利子負債はほぼゼロだ。だが堅いことと割安は別の話になる。ROEは過去10年の中央値で4%台にとどまり、資本コストを大きく下回る。稼いだ利益を溜めても、帳簿どおりの値打ちにはならない会社だ。

10年の中立では、人口減で乗客が減り、運賃の値上げでかろうじて補う姿を描いた。運転士の賃上げがその余地を削る。確率で重みを付けた本質価値は、今の時価総額を2割弱下回る。上振れの鍵は、不動産の開発と運賃改定の定着である。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、神姫バスは「安く買えるが、育てて儲ける会社ではない」。まず守りは強い。自己資本比率72%、純有利子負債ほぼゼロで、不況でも倒れない。土地や建物を多く持ち、簿価と時価の差もありそうだ。ただし賃貸等不動産の時価は開示がなく、含み益を数字に入れていない。

次に稼ぐ力を見る。株主のものになる利益、つまり設備の更新を引いたあとの利益は、純利益より小さい。バスの更新は毎年必要で、新車の価格は物価で上がる一方、減価償却は取得時の値段で続く。会計の利益が見かけ上ふくらみ、更新の投資で現金が細る、という両面がある。

経営陣の資本配分は、これからの課題だ。配当性向19%、自社株買いなしという実績の割に、成長投資は250億円と大きい。低収益のレジャーや旅行にお金を回し続けるなら、安全域は縮む。

そのうえで値段を見ると、資本コストに届かないROEの会社に、帳簿より高い値は付けられない。今の値段は帳簿の4割台だが、それは安さの証拠ではない。筆者は、安全域は十分でないと見る。

何で稼ぐ会社か

売上556億円の約半分は、乗合バス・高速バスを中心とする自動車運送だ。年間の乗客は約5,000万人、乗合車両は783両になる。姫路・明石・三田が基盤で、神戸・大阪方面と中山間地の路線を持つ。運賃は2024年10月に改定した。

二番手は車両物販・整備で、売上は約110億円。県下最大級の整備工場を持ち、グループのバスの更新需要と外販の両方を取る。営業利益は約10億円で、利益率はバス本体より高い。

利益率が最も高いのは不動産だ。賃貸のほか、建売住宅や建設も手がけ、売上73億円で営業利益は14億円ある。会社は不動産を「第二の柱」と位置づけ、開発型の案件へ投資を振り向けている。2026年3月期には姫路の本社ビルも取得した。

旅行貸切は売上71億円だが利益はほぼゼロで、人手と車両の稼働に左右される。専用車両による瀬戸内の高級ツアー「真結」を持ち、2026年9月からは東急バスの運行で東京発も始めた。残りは淡路島の体験型施設や飲食、介護・保育、広告などで、全体では小さな赤字である。

各セグメントの売上にはグループ内の取引が含まれる。連結売上はその合計より一割ほど小さい。

優良さと弱いところ

堀、つまり他社がまねできない強みは、路線の密度と許認可にある。姫路・明石の路線網は一朝一夕に作れず、運賃は国の認可制で、賃上げなどの原価増は運賃改定で転嫁できる。景気で乗客が大きく減る事業でもない。この点で、収益の底は堅い。

一方で、この堀は利益を増やす堀ではない。守れるのは需要の減少を値上げで埋める力までで、成長の力ではない。運転士の確保が最優先課題で、会社も賃上げと外国人運転士の受け入れで対応する。人件費は運賃より先に動くので、利益率は改定のたびに戻る波を描く。

資本効率は弱い。自己資本は536億円あるのに、純利益は32億円で、ROEは5.9%だった。これは万博で押し上げられた年の数字で、過去10年の中央値は4%台である。会社も中期計画で、PBRが0.4倍前後に沈む理由を成長性と還元への期待の低さと認めている。

多角化も評価を分ける。不動産と整備は稼ぐが、旅行貸切、レジャー、その他は薄い赤字から出られていない。政策保有株は上場で73銘柄・約34億円あり、縮減の方針は出ているものの、資本の使い方に規律がもう一段ほしい。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

地方バスは、人口減と運転士不足に挟まれた事業だ。全国の乗合バスの輸送人員は、令和5年度でコロナ前の約9割までしか戻っていない。長期では減る需要で、運転士不足を理由にした減便や路線廃止も各地で増えた。路線廃止が届出制になり、撤退しやすくなったことも背景にある。

供給側の制約も重い。2024年からの拘束時間の規制で、運転士一人当たりの稼働が減った。増便したくても運転士がいない。このため事業者は、採算の悪い路線を減らし、残した路線で運賃を上げる方向に動いている。神姫バスも2024年10月に運賃を改定し、2026年3月期の増益の土台になった。

追い風は二つある。ひとつは訪日客と観光で、貸切や高速バスの需要を支える。もうひとつは神戸・大阪を結ぶ都市間の需要で、2026年2月には大阪シティバスと共同の路線を始めた。競合は、神戸・明石で路線が重なる山陽バスや神戸市バス、そして並行する鉄道である。

万博が終わった今期は、その反動が出る。会社予想の営業利益は33億円で、前期より2割減る。10年で見ると、乗客は人口減で5〜10%減り、運賃は物価に近い水準まで上がる、というのが筆者の標準的な見立てだ。ただし運賃は認可を待つ分だけ遅れ、賃金に追いつくのが後になる。

資本政策と M&A

還元はこれから厚くなる段階にある。2026年3月期の配当性向は約19%で、中期計画(2025〜2027年度)は2028年3月期までに30%を目安に引き上げるとする。自社株買いの実績はなく、中期計画にも書かれていない。財務は有利子負債をEBITDAの3倍以内に収める範囲で、レバレッジを使う方針だ。

投資は3年で250億円の計画だ。うち成長投資が150億円で、不動産、新規事業、M&Aに充てる。M&Aは建設・不動産が中心になる見込みである。失敗した買収が一番の懸念で、バス事業の更新投資は別に70億円ある。

親会社はいない。主要株主には阪神電気鉄道(阪急阪神ホールディングスの子会社)が名を連ねる。この関係から、阪急阪神グループによる取り込みや、関西のバス再編の可能性は残る。ただし開示された根拠はなく、筋書きの確率に反映するにとどめた。

株主優待は3月と9月で、100株でバスの乗車券5枚、200株以上でグループ優待券がもらえる。費用は開示されていないので、筆者は年0.5億円と推定し、10年で5億円を還元に加えた。金額が小さく、評価への影響は限られる。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

万博で証明されたのは、神姫バスの輸送力が需要を取り込めば利益が出る、ということだ。バス本体の営業利益は前期に5割増えた。運賃改定の効果が一巡しても、2024年10月の改定で単価の水準は一段上がっている。賃上げのたびに認可を受け、原価に合わせた改定を重ねれば、利益率は6%台で定着できる。

不動産が第二の柱になる点も見逃せない。営業利益率は2割を超え、開発型の案件に投資を振り向けると中期計画に書いた。姫路・明石・神戸の沿線に土地を持つ強みは、都市の再開発が進めば価値が増す。賃料も物価に連動するため、不動産の売上は10年で倍近くになる。

さらに、PBR0.4倍に対し、会社自身が資本コストと株価を意識した経営を掲げ、還元を30%まで引き上げると宣言した。流動性の低さや阪急阪神グループとの関係を考えれば、再編や買い付けの機会も十分ある。上振れは営業利益が70億円規模まで届く姿で、純利益に10倍の倍率を当てる水準だ。

慎重な見方

万博の数字を実力と見るのは危うい。会社自身が今期を2割減益と予想し、第1四半期の営業利益はすでに前年の4割強に落ちた。万博の反動に加え、賃上げが先に効いている。運転士が足りないため、賃金は物価を超えて上がり、運賃の認可が遅れるたびに利益が削られる。

需要も縮む。乗客は人口とともに減り、コロナ前の水準には戻っていない。減便は収入を減らし、路線を減らすと、残る路線の固定費は重くなる。鉄道や山陽バスと重なる都市部の路線は、競争で値上げも通しにくい。

そして資本効率が低い。ROEは過去10年の中央値で4%台で、資本コストに届いたためしがない。成長投資の250億円が、旅行貸切やレジャーのような低収益事業へ向かえば、自己資本が膨らむだけでROEは下がる。自己資本の厚さは安心材料だが、それが利益を生まなければ、株主にとっては眠った資産にすぎない。この会社に帳簿に近い値を付ける理由は見当たらない。

運転士不足は一時の現象ではなく、運転士の高齢化も会社が課題に挙げている。地方の路線を維持する体力が落ちれば、最後は自治体の補助に頼る事業になる。10年後の姿は、売上は物価で膨らんでも、営業利益は今の7割に届かない程度だ。

どちらに重みを置いたか

強気の見方には、不動産と運賃改定という具体的な根拠がある。ただし慎重な見方の、ROEが資本コストに届かない、という指摘のほうが強い。万博の利益が一過性なのは会社自身が認めている。このため確率は中立に4割を置き、上は2割8分、下は3割2分と、やや下に寄せた。悲観の確率は、運転士不足で路線網が縮む筋書きの現実味を考えて1割とした。

10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)

確率で加重した株価時価総額 3,231 円391 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 763 円92 億円)。 今の値に割り戻すと 2,099 円254 億円、今との差 +8.3%、 期待の年率 +7.5%(資本コスト 7.5%)→ 適正

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 8% 5,800 円701 億円 1,214 円147 億円 +261.9% +13.7% 561 円68 億円
やや楽観 20% 4,994 円604 億円 1,015 円123 億円 +210.1% +12.0% 1,202 円145 億円
中立 40% 3,616 円437 億円 767 円93 億円 +126.2% +8.5% 1,753 円212 億円
やや悲観 22% 1,077 円130 億円 552 円67 億円 −15.9% −1.7% 358 円43 億円
悲観 10% 842 円102 億円 346 円42 億円 −38.7% −4.8% 119 円14 億円
加重平均100% 3,231 円391 億円763 円92 億円 +106.1% +7.5% 3,993 円483 億円

今の株価時価総額 1,938 円234 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.5% を下回るほど割高。

楽観 8% 楽観:運賃改定が定着し、不動産が第二の柱に育つ 利益 53 億円 · PER 13.3 倍 · 株価時価総額 5,800 円701 億円

万博後も乗客が落ちず、バスは10年で乗客数が横ばいに近い。運賃は物価を少し上回って上がり、バス本体は営業利益率6%を超えて定着する。外国人運転士の受け入れが軌道に乗り、減便に追い込まれない。

不動産は中期計画の開発型投資が実り、賃貸と分譲の両方で売上が10年で倍近くになる。都心側の再開発の恩恵で、営業利益率は2割に乗る。整備も、バスの更新需要が安定して伸びる。

旅行貸切は、インバウンドと東京発の高級ツアーで黒字が定着する。会社全体の営業利益は70億円規模で、売上営業利益率は8%を超える。過去12年の山(7.5%)を超えるのは、この筋書きだけだ。

還元は配当性向30%を超え、自社株買いも加わる。PBRの低さへの批判を受けて、阪急阪神グループとの関係が資本の組み替えに進む可能性もある。

  • 自動車運送(乗合・高速バス):数量 5,015(乗合旅客数(万人))× 価格 7.30(1 人あたり売上(百円・名目))→ 売上 366 億円・営業利益 23 億円。乗客数は横ばい(1.00倍)、単価は物価を超える1.42倍、利益率6.2%
  • 旅行貸切:数量 125(貸切・旅行の延べ参加者(万人・推定))× 価格 99(1 人あたり売上(百円・名目))→ 売上 124 億円・営業利益 4 億円。貸切 1.25倍×1.40倍、利益率3%
  • 不動産:数量 1,950(取扱い規模(千㎡相当・推定))× 価格 7.56(1 千㎡あたり売上(百万円・名目))→ 売上 147 億円・営業利益 30 億円。取扱い1.5倍×単価1.35倍、利益率20%
  • 車両物販・整備:数量 2.2(取扱い車両(万台相当・推定))× 価格 77(1 台あたり売上(万円・名目))→ 売上 169 億円・営業利益 14 億円。整備 1.10倍×1.38倍、利益率8.5%
  • レジャー・その他:数量 120(利用者・取引の延べ数(万人相当・推定))× 価格 13,345(1 人あたり売上(円・名目))→ 売上 160 億円・営業利益 2 億円。レジャー・その他 1.2倍×1.38倍、利益率1%

倍率:事業の純利益 53 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 6.9% が k 7.50% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 13.3 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.3 倍。全体の PER 13.33 倍、時価総額 701 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:運賃の改定が賃上げに追いつき続け、不動産の開発も計画どおり進む筋書きは、条件が重なるので1割に届かない。阪急阪神グループ入りなどの再編が起きる余地も、ここに含める。

やや楽観 20% やや楽観:万博の山は戻らないが、改定と不動産で6%台の利益率 利益 45 億円 · PER 13.3 倍 · 株価時価総額 4,994 円604 億円

乗客は人口減で3%ほど減るが、都市間の高速バスと訪日客が支える。運賃は物価並みから少し上まで改定を重ね、バス本体の営業利益率は6%に戻る。万博の山には届かない。

不動産は開発型の案件が増え、売上が10年で1.7倍になる。整備も、バスの更新が続くので堅い。旅行貸切は、インバウンドの需要が稼働率を上げ、小さな黒字になる。

会社全体の営業利益は60億円強で、中期計画の目標(2028年3月期に37億円)の延長に近い。ROEは6%で、資本コストにはまだ届かない。

還元は配当性向35%まで上がる。利益が増えても、自己資本が積み上がるために資本効率は大きくは変わらない。

  • 自動車運送(乗合・高速バス):数量 4,865(乗合旅客数(万人))× 価格 7.09(1 人あたり売上(百円・名目))→ 売上 345 億円・営業利益 21 億円。乗客数0.97倍、単価1.38倍、利益率6.0%
  • 旅行貸切:数量 112(貸切・旅行の延べ参加者(万人・推定))× 価格 97(1 人あたり売上(百円・名目))→ 売上 108 億円・営業利益 3 億円。貸切 1.12倍×1.37倍、利益率2.5%
  • 不動産:数量 1,690(取扱い規模(千㎡相当・推定))× 価格 7.39(1 千㎡あたり売上(百万円・名目))→ 売上 125 億円・営業利益 24 億円。取扱い1.3倍×単価1.32倍、利益率19.5%
  • 車両物販・整備:数量 2.1(取扱い車両(万台相当・推定))× 価格 76(1 台あたり売上(万円・名目))→ 売上 159 億円・営業利益 14 億円。整備 1.05倍×1.36倍、利益率8.5%
  • レジャー・その他:数量 110(利用者・取引の延べ数(万人相当・推定))× 価格 13,151(1 人あたり売上(円・名目))→ 売上 145 億円・営業利益 1 億円。レジャー・その他 1.1倍×1.36倍、利益率1%

倍率:事業の純利益 45 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 6.0% が k 7.50% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 13.3 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.3 倍。全体の PER 13.33 倍、時価総額 604 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:運賃改定は賃上げを後追いで転嫁する流れが続いている。不動産の投資計画も既に動いている。強気の筋書きの手前までは、現実に届く範囲と見て2割にした。

中立 40% 中立:乗客減を運賃で補い、利益は名目でほぼ横ばい 利益 33 億円 · PER 13.3 倍 · 株価時価総額 3,616 円437 億円

乗客は10年で6%ほど減る。運賃は認可を待ちながら物価並みまで上がるが、運転士の賃上げが先行するため、バス本体の営業利益率は5%に落ち着く。2026年3月期の8%は万博の山で、戻らない。

不動産は着実に積み上がり、売上は10年で1.5倍に近づく。整備は横ばいで、バスの更新需要が支える。旅行貸切は薄い黒字、レジャーとその他は小さな赤字が続く。

会社全体の営業利益は45億円ほどで、10年前から物価で見れば実質で2割減だ。減価償却は、今ある車両と建物は取得時の値段のまま続き、更新分だけ新しい高い値段で足される。10年後の償却は24億円ほどに増える。更新の投資は償却を上回り、現金は細る。

還元は配当性向32%程度で、自社株買いは小さい。ROEは4.5%で、資本コストを下回る状態が続く。

  • 自動車運送(乗合・高速バス):数量 4,689(乗合旅客数(万人))× 価格 6.89(1 人あたり売上(百円・名目))→ 売上 323 億円・営業利益 16 億円。乗客数0.935倍、単価1.34倍(物価並み)、利益率5.0%
  • 旅行貸切:数量 105(貸切・旅行の延べ参加者(万人・推定))× 価格 95(1 人あたり売上(百円・名目))→ 売上 99 億円・営業利益 1 億円。貸切 1.05倍×1.34倍、利益率1%
  • 不動産:数量 1,495(取扱い規模(千㎡相当・推定))× 価格 7.17(1 千㎡あたり売上(百万円・名目))→ 売上 107 億円・営業利益 19 億円。取扱い1.15倍×単価1.28倍、利益率18%
  • 車両物販・整備:数量 2.0(取扱い車両(万台相当・推定))× 価格 75(1 台あたり売上(万円・名目))→ 売上 149 億円・営業利益 11 億円。整備 横ばい×1.34倍、利益率7.5%
  • レジャー・その他:数量 100(利用者・取引の延べ数(万人相当・推定))× 価格 12,958(1 人あたり売上(円・名目))→ 売上 130 億円・営業利益 −1 億円。レジャー・その他 横ばい×1.34倍、利益率−1%

倍率:事業の純利益 33 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 4.5% が k 7.50% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 13.3 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.3 倍。全体の PER 13.33 倍、時価総額 437 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:乗客は人口とともに減り、運賃は物価に近い水準まで認可を得て上がり、賃上げと相殺される。会社の2027年3月期予想(営業利益33億円)の延長に近い形で、最も現実に近い筋書きとして4割を置いた。

やや悲観 22% やや悲観:賃上げに運賃が追いつかず、路線を絞る 利益 20 億円 · PER 6.0 倍 · 株価時価総額 1,077 円130 億円

乗客は12%減る。減便が乗客離れを呼び、路線の廃止が重なる。運賃は物価の上昇に届かず、10年で1.28倍にとどまる。運転士の賃金は物価を超えて上がり、バス本体の営業利益率は3.5%まで下がる。

不動産は伸びが鈍り、賃貸の更新が中心になる。整備は、グループのバスの更新が減ることで小さくなる。旅行貸切とレジャーは赤字が続く。

会社全体の営業利益は30億円弱で、今の7割に届かない。借入が増え、利払いも重くなる。ROEは3%まで下がり、成長投資の250億円が裏目に出る形になる。

還元は配当性向30%を守るが、利益が減るので金額は小さい。

  • 自動車運送(乗合・高速バス):数量 4,413(乗合旅客数(万人))× 価格 6.58(1 人あたり売上(百円・名目))→ 売上 290 億円・営業利益 10 億円。乗客数0.88倍、単価1.28倍、利益率3.5%
  • 旅行貸切:数量 95.0(貸切・旅行の延べ参加者(万人・推定))× 価格 90(1 人あたり売上(百円・名目))→ 売上 86 億円・営業利益 −1 億円。貸切 0.95倍×1.28倍、利益率−1%
  • 不動産:数量 1,365(取扱い規模(千㎡相当・推定))× 価格 6.83(1 千㎡あたり売上(百万円・名目))→ 売上 93 億円・営業利益 15 億円。取扱い1.05倍×単価1.22倍、利益率16.5%
  • 車両物販・整備:数量 1.9(取扱い車両(万台相当・推定))× 価格 72(1 台あたり売上(万円・名目))→ 売上 137 億円・営業利益 9 億円。整備 0.95倍×1.30倍、利益率6.5%
  • レジャー・その他:数量 95.0(利用者・取引の延べ数(万人相当・推定))× 価格 12,378(1 人あたり売上(円・名目))→ 売上 118 億円・営業利益 −4 億円。レジャー・その他 0.95倍×1.28倍、利益率−3%

倍率:事業の ROE 2.9%(純利益÷自己資本)、k 7.5%。残る割合 1/2 で RONIC=k+1/2×(ROE−k)=5.2%、g 4% の正当化 PER は 6.7 倍。利益が薄く ROE が k を大きく下回るので、ためた利益に帳簿より低い値打ちしか認めず、上限の 9.0 割の 6.0 倍に置いた。売れる資産の税後(約100億円)は下回らない水準である。

確率:運転士不足は構造的で、賃金が物価を超えて上がる流れはすでに見える。運賃の認可が遅れ、減便が重なる筋書きは中立に次ぐ現実味があるとして、2割強を置いた。

悲観 10% 悲観:運転士不足で路線網が縮み、バスは赤字事業になる 利益 6 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 842 円102 億円

乗客は2割減り、運賃は1.15倍までしか上がらない。賃金は物価を超えて上がり続け、バス本体の営業利益率は1%まで下がる。減便が乗客離れを呼ぶ悪循環で、不採算の路線を切り続けても固定費が残る。

旅行貸切とレジャーは赤字が拡大する。不動産だけが利益を稼ぎ、全社の営業利益は10億円ほどになる。バス部門を地域の自治体補助に頼る形に変え、会社は不動産と整備で食いつなぐ姿になる。

このとき、価値の支えは稼ぐ力ではなく、持っている資産だ。賃貸不動産と車庫用地、上場株式を足した売れる資産の税後で、帳簿の自己資本の2割程度に下がる。配当も大きく減らす。

  • 自動車運送(乗合・高速バス):数量 3,912(乗合旅客数(万人))× 価格 5.91(1 人あたり売上(百円・名目))→ 売上 231 億円・営業利益 2 億円。乗客数0.78倍、単価1.15倍、利益率1%
  • 旅行貸切:数量 85.0(貸切・旅行の延べ参加者(万人・推定))× 価格 81(1 人あたり売上(百円・名目))→ 売上 69 億円・営業利益 −2 億円。貸切 0.85倍×1.15倍、利益率−3%
  • 不動産:数量 1,235(取扱い規模(千㎡相当・推定))× 価格 6.16(1 千㎡あたり売上(百万円・名目))→ 売上 76 億円・営業利益 11 億円。取扱い0.95倍×単価1.10倍、利益率14%
  • 車両物販・整備:数量 1.7(取扱い車両(万台相当・推定))× 価格 64(1 台あたり売上(万円・名目))→ 売上 109 億円・営業利益 5 億円。整備 0.85倍×1.15倍、利益率4.5%
  • レジャー・その他:数量 90.0(利用者・取引の延べ数(万人相当・推定))× 価格 11,121(1 人あたり売上(円・名目))→ 売上 100 億円・営業利益 −5 億円。レジャー・その他 0.9倍×1.15倍、利益率−5%

倍率:今の自己資本536億円にPBR0.19倍を掛けた。稼ぐ力(純利益6億円÷k7.5%=80億円)より、売れる資産の税後(floor_assets_oku)のほうが大きいので、後者を床にした。ためた利益は床に掛けない。

確率:運転士不足と路線廃止は実際に進んでいる。運賃の認可が賃金に追いつかない状態が10年続けば、バス本体は赤字に近づく。ただし不動産が残るので、全社が崩れる確率は1割にとどめた。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。

自動車運送(乗合・高速バス)

乗合・高速・空港連絡などの路線バス。基幹事業。

数量乗合旅客数(万人)価格1 人あたり売上(百円・名目)売上営業利益
今 2026/03 5,015 5.14 258 21
10 年後 中立 4,689 6.89 323 16

取り方:2026/03 期の乗合旅客は 5,015 万人(前期比 3.5% 増)、自動車運送の売上 257.8 億円(高速・空港連絡などを含む)から、1 人あたり約 5.1 百円。万博のアクセス輸送で 1 期だけ押し上げられた数字。営業利益 21.2 億円は前期(14.2 億円)の 1.5 倍。

旅行貸切

貸切バスと旅行商品(真結など)。

数量貸切・旅行の延べ参加者(万人・推定)価格1 人あたり売上(百円・名目)売上営業利益
今 2026/03 100 71 71 0
10 年後 中立 105 95 99 1

取り方:延べ参加者数は開示がない。売上 70.6 億円を 1 人 70.6 百円で割った推定の 100 万人。価格は名目で、貸切の受注単価と稼働率が上がると会社は説明している。営業利益 0.2 億円。

不動産

賃貸・建売住宅・建設。第二の柱として開発型へ投資。

数量取扱い規模(千㎡相当・推定)価格1 千㎡あたり売上(百万円・名目)売上営業利益
今 2026/03 1,300 5.60 73 14
10 年後 中立 1,495 7.17 107 19

取り方:賃貸の床面積や分譲戸数の開示がないため、売上 72.8 億円を 1,300 千㎡相当 × 1 千㎡あたり 560 万円と置いた推定。営業利益率 19%(営業利益 14.1 億円)。賃貸の比率が高いほど利益率は上がる。

車両物販・整備

バス・トラックの販売・整備・架装。グループの更新需要と外販。

数量取扱い車両(万台相当・推定)価格1 台あたり売上(万円・名目)売上営業利益
今 2026/03 2.0 56 111 10
10 年後 中立 2.0 75 149 11

取り方:整備・販売の台数は開示がない。売上 111.2 億円を 2 万台相当 × 1 台あたり 55.6 万円と置いた推定。営業利益率 8.5%。

レジャー・その他

淡路島の体験型施設、飲食、介護・保育、広告・Web など。

数量利用者・取引の延べ数(万人相当・推定)価格1 人あたり売上(円・名目)売上営業利益
今 2026/03 100 9,670 97 −3
10 年後 中立 100 12,958 130 −1

取り方:レジャーサービス(売上 50.2 億円、営業利益 −0.8 億円)とその他(売上 46.5 億円、営業利益 −1.7 億円)の合計。延べ数は開示がなく推定。

リスクと懸念

運転士不足と賃上げの先行

運転士の確保は会社が最優先に掲げる課題だ。賃金は物価を超えて上がり、運賃の認可を待つ間は利益が削られる。外国人運転士の受け入れは進めるが、採用が計画を下回れば減便が続き、乗客の離れを招く。バス本体の利益率に直接効く。

万博の反動と今期の減益

2026年3月期の増益には、大阪・関西万博のアクセス輸送という一過性の需要が含まれる。会社予想の営業利益は33億円で2割減る。第1四半期は前年から6割近く減り、売上営業利益率は2.2%に落ちた。通期の達成度が下振れすれば、中立の出発点が下がる。

人口減で乗客が戻らない

全国の乗合バスの輸送人員は、コロナ前の約9割までしか戻っていない。播磨・但馬の中山間地は人口減が速く、路線の維持に自治体の補助が要る。路線廃止が届出制になり、撤退は容易になったが、地域との関係は悪化しやすい。

成長投資の資本配分

3年で250億円の設備投資のうち、150億円が不動産、新規事業、M&Aに向かう。建設・不動産のM&Aは実行力が問われ、失敗すれば自己資本が減る。ROEが資本コストを下回る会社が、低収益事業に資本を使い続ける点が最大の懸念だ。

低収益の周辺事業

旅行貸切は売上71億円で利益がほぼゼロ、レジャーとその他は合わせて小さな赤字が続く。介護・保育や淡路島の体験型施設など、周辺事業は広がるが、利益の貢献が見えない。整理されなければ資本効率の足を引く。

更新投資と償却のずれ

バス車両は毎年60両前後を更新し、新車の価格は物価で上がる。一方で減価償却は取得時の値段で続くため、会計の利益は見かけ上よく見える。更新が償却を上回る分は借入か還元の抑制で賄うことになり、現金が細る。

株式の流動性と大株主の関係

株式の流動性は低く、会社自身がPERの低い一因としている。主要株主の阪神電気鉄道は阪急阪神ホールディングスの子会社で、資本関係の変化は価値を大きく動かす。ただし少数株主に有利な形になるかは開示がなく、確率に反映するにとどめた。

今後の分かれ目

運賃改定が賃上げと同時期に認可され、バス本体の営業利益率が6%を超えて定着したら
中立の利益率前提を上げ、やや楽観以上の筋書きに重みを移す。ただしROEが資本コストを超えない限り、倍率は大きく上げない。
運転士の採用が計画を下回り、減便や路線廃止が続いたら
やや悲観・悲観に重みを移す。バス本体が赤字に近づけば、不動産と整備の稼ぎで全社が支えられるかを見る。
不動産の開発案件で営業利益が20億円を超えたら
第二の柱が本物とみて、不動産の売上と利益率を引き上げる。バス事業の評価が下がっても、全社の下値は固くなる。
配当性向が30%を超え、自社株買いが始まったら
資本政策の変化とみて、楽観寄りに確率を上げてよい。ただし自己資本が減らない限り、ROEは大きくは動かない。
阪急阪神ホールディングスや同業による買い付け・再編の提案が出たら
筋書きの外にある上振れ要因になる。提案の価格が本質価値を上回るかは別に確かめる。
成長投資でM&Aが実行され、低収益の事業が増えたら
資本配分の悪化とみて、やや悲観に重みを移す。買収の額と利益の見込みを確かめる。

見ておくもの

  • 乗合バスの旅客数と、運賃改定の認可のタイミング
  • 運転士の人数と採用・離職、賃上げの率
  • 不動産セグメントの営業利益と開発案件の投資額
  • 配当性向の推移(30%の目安)と自社株買いの有無
  • 旅行貸切・レジャー・その他の損益(赤字の縮小)
  • 阪急阪神ホールディングスなど大株主の動き

倍率と資本コストの決め方

今の株価や PER(7倍前後)は倍率の根拠にしていない。バス・不動産・整備ごとに数量×価格で10年を積み、その時点の ROE(中立で4.5%)と資本コスト7.5%から、利益ベースの正当化 PER を出して置いた。ROE が k に届かないため、倍率は上限の約8割にとどめた。悲観の床は売れる資産の税後で置き、過去の PBR の底からは置いていない。賃貸等不動産の含み益は開示がなく、賃料は利益に残るので、価値には足さない(二重を避ける)。数量は実質、価格は名目(物価10年1.34倍)で、本社費は物価で増やし、減価償却は取得時の値段のまま続けて更新分だけ足した。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 10→13.33 倍・やや楽観 PER 9→13.33 倍・中立 PER 8→13.33 倍)。

資本コスト 7.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。

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割安 SEMITEC6626 温度センサーのニッチ首位級で、時価総額の4割弱は現金。利益の質を割り引いても、今の値段は低い 本質価値との差 +101.7% · 10 年 割安(年 +13.9%) 割安 カンダホールディングス9059 トラックと国際物流で稼ぐ堅実な会社。純現金は時価総額の4分の1、大株主が議決権の3分の1を押さえる。10年で測ると今の値段はやや割安 本質価値との差 +58.9% · 10 年 割安(年 +11.1%) 割安 ビーイングホールディングス9145 北陸発の生活物資専門 3PL。自己資本利益率は高いが顧客が偏る。それでも今の値段は割安とみる 本質価値との差 +56.5% · 10 年 割安(年 +12.5%) 割安 株式会社ゼロ9028 新車を運ぶキャリアカーの最大手級。日産依存と新車需要の細りを織り込んでも、純現金込みの今の値段には安全域がある 本質価値との差 +52.5% · 10 年 割安(年 +11.6%) やや割安 ロジネットジャパン9027 札幌通運を核に鉄道とトラックを組み合わせる中堅の物流会社。運び手不足で値上げは通るが、人件費に食われて利益率は伸びにくい 本質価値との差 +29.9% · 10 年 やや割安(年 +9.2%) やや割安 九州旅客鉄道9142 九州の人口減は重いが、運賃改定と駅の不動産が利益を押し上げる。利払い増(年約100億円)と資本コスト 8.0% を引くと、今の値段はほぼ適正 本質価値との差 +28.4% · 10 年 やや割安(年 +9.6%) やや割安 遠州トラック9057 東名の真ん中に拠点を構える堅実な物流会社だが、利益の伸びが資本コストに届かず、今の値段はやや高い 本質価値との差 +28.3% · 10 年 やや割安(年 +9.3%) やや割安 ヒガシホールディングス9029 大手EC向け物流で稼ぎが倍増したが、1社への依存と過去最高の利益率が10年続く保証はない 本質価値との差 +27.2% · 10 年 やや割安(年 +9.7%) やや割安 山九9065 製鉄所の構内で根を張る機工事業は堅いが、薄利の物流が ROE を押さえる。期待リターンは資本コストを少し上回る程度で、今の値段はほぼ適正 本質価値との差 +22.5% · 10 年 やや割安(年 +8.0%) やや割安 岡山県貨物運送9063 中国地方の路線便「オカケン」。帳簿の資産は厚いが、稼ぐ力は資本コストに遠く届かず、PBR0.3倍でも割安とは言えない 本質価値との差 +21.9% · 10 年 やや割安(年 +9.2%) やや割安 東急9005 渋谷という再現できない土地と、まだ人口が増える沿線を持つ民鉄。ただ重い借金の利払い増と資本コスト 7.75% を引くと、本質価値は今の値段を 3 割近く下回る 本質価値との差 +15.9% · 10 年 やや割安(年 +8.2%) やや割安 京福電気鉄道9049 嵐電のイメージで売るが、稼ぎは京都と関西の賃貸が柱。親会社が 43% を握り、配当は薄い 本質価値との差 +15.1% · 10 年 やや割安(年 +8.9%) やや割安 ハマキョウレックス9037 3PL の堅実な増益は本物だが、ROE が 9% 前後へ薄まる成長に安全域はない。名目で測ると今の値段はやや割高から適正の境目 本質価値との差 +14.6% · 10 年 やや割安(年 +8.0%) やや割安 セイノーホールディングス9076 路線トラックの値上げは定着し利益も伸びるが、ROE が資本コストをわずかに超える程度で、今の値段はほぼ適正 本質価値との差 +13.2% · 10 年 やや割安(年 +7.2%) やや割安 SGホールディングス9143 2024年問題で宅配の運賃が物価より速く上がり、ROE 10% が続く。ただし資本コスト 7.75% を超える幅は小さく、今の値段はやや割高 本質価値との差 +13.1% · 10 年 やや割安(年 +7.4%) やや割安 鴻池運輸9025 請負の安定と堅い財務が強みだが、10 年後の ROE は資本コストにほぼ並ぶ。今の値段はおおむね妥当と筆者は見る 本質価値との差 +13.0% · 10 年 やや割安(年 +8.0%) やや割安 アサガミ9311 大阪の倉庫・港湾物流と不動産賃貸。親会社が 5 割超を握り、還元は薄い。資産は厚いが、株主に届きにくい 本質価値との差 +11.1% · 10 年 やや割安(年 +8.8%) やや割安 AZ-COM丸和ホールディングス9090 アマゾン向けが売上の3分の1を占める薄利の成長株。成長は本物だが、顧客の偏りと薄い利益率を割り引くと今の値段は割安とは言えない 本質価値との差 +10.6% · 10 年 やや割安(年 +7.8%) 適正 日本ロジテム9060 首都圏の倉庫とトラックとアマゾンのセンターで稼ぐ中堅の物流会社。薄い利益と重い借金を、持っている土地が支える。今の値段はほぼ適正 本質価値との差 +7.8% · 10 年 適正(年 +8.7%) 適正 丸全昭和運輸9068 化学品・危険物の倉庫と 3PL で同業の倍の利益率を稼ぐ物流会社。厚い自己資本が ROE を押さえ、10 年の価値は今の時価総額をやや上回る 本質価値との差 +7.4% · 10 年 適正(年 +6.5%) 適正 西日本鉄道9031 福岡の再開発と国際物流で利益は名目で伸びるが、借金は増え金利も上がる。ROE は資本コスト 8.0% に届かず、値段はほぼ適正に出る 本質価値との差 +7.1% · 10 年 適正(年 +7.8%) 適正 東海旅客鉄道9022 東海道新幹線の独占は強い堀だが、リニアの負担と利払いの増加、資本コスト 7.0% を引くと、今の値段はほぼ適正に出る 本質価値との差 +5.2% · 10 年 適正(年 +6.7%) 適正 京阪ホールディングス9045 京都と大阪を結ぶ沿線と不動産の含み益は本物だが、利益は万博と用地分譲で膨らんだピーク。利払いが増え、ROE は資本コストに届かず、やや割高 本質価値との差 +4.8% · 10 年 適正(年 +7.6%) 適正 南総通運9034 千葉の倉庫と運送の会社。倉庫が利益の半分強を稼ぐが、ROE が資本コストに届かず、10 年の価値はやや割高に出る。 本質価値との差 +2.8% · 10 年 適正(年 +6.0%) 適正 北海道中央バス9085 時価総額の9割近い純現金を抱えるが、現金は株主に戻りにくく稼ぐ力も低いので、今の値段は高い 本質価値との差 −1.9% · 10 年 適正(年 +6.9%) 適正 阪急阪神ホールディングス9042 梅田の再開発と運賃改定で利益は名目で伸びるが、借り換えの利払いで ROE は資本コスト 7.5% に届かない。今の値段は 3 割弱のやや割高に出る 本質価値との差 −3.4% · 10 年 適正(年 +6.7%) 適正 SBSホールディングス2384 不動産の売却益が営業利益の 4 割を占め、本業の物流は薄利のまま。利益の質を割り引くと、買収で伸びても今の値段は割高 本質価値との差 −9.4% · 10 年 適正(年 +5.3%) やや割高 日本石油輸送9074 現金と保有株は厚いが、リースと一社依存が重い。石油の細りと人件費が稼ぎを削る 本質価値との差 −12.4% · 10 年 やや割高(年 +5.2%) やや割高 ヤマトホールディングス9064 宅急便の値上げは効くが稼ぐ力はまだ薄い。再建が中立どおり進んでも、資本コスト 8.5% で測ると今の値段はやや割高で、安全域はない 本質価値との差 −12.8% · 10 年 やや割高(年 +5.5%) やや割高 サカイ引越センター9039 引越は件数が頭打ちで、人の確保が利益を削る。純現金は厚いが、ROEが資本コストを上回れず、やや割高と見る 本質価値との差 −12.9% · 10 年 やや割高(年 +5.0%) やや割高 東武鉄道9001 スカイツリーとホテルが運輸の減益を補うが、借り換えの利払いと資本コスト 8.0% を引くと、本質価値は今の値段を 3 割弱下回る 本質価値との差 −13.0% · 10 年 やや割高(年 +5.1%) やや割高 京王電鉄9008 新宿を軸に営業利益は物価並みに伸びるが、借り換えの利払いが純利益を押さえる。k 7.5% で測ると、今の値段はやや割高 本質価値との差 −14.7% · 10 年 やや割高(年 +4.8%) やや割高 相鉄ホールディングス9003 ホテルの万博特需と新横浜線の直通で利益は過去最高だが、借金が営業利益の 10 倍と重い。利払い増で ROE は資本コストに届かず、今の値段は 4 割弱ほど割高に出る 本質価値との差 −15.2% · 10 年 やや割高(年 +5.6%) やや割高 株式会社NANKAI9044 空港線とインバウンドは強いが、重い借金と大型投資で資本コストに届かない。値段は 3 割ほど割高に出る 本質価値との差 −18.7% · 10 年 やや割高(年 +4.7%) やや割高 西日本旅客鉄道9021 山陽新幹線と近畿の独占に運賃改定とうめきたの床が乗るが、借入を増やす計画の利払いと資本コスト 7.75% を引くと、本質価値は今の値段を 3 割ほど下回る 本質価値との差 −18.9% · 10 年 やや割高(年 +4.9%) やや割高 東日本旅客鉄道9020 新幹線と首都圏の独占は強いが、4.9 兆円の借金の利払い増と資本コスト 7.5% を引くと、本質価値は今の値段を 4 割近く下回る 本質価値との差 −23.0% · 10 年 やや割高(年 +4.0%) やや割高 京成電鉄9009 京成電鉄は成田空港の増強とオリエンタルランド持分が核だが、借金が膨らむ局面と資本コスト 7.75% を踏まえると、今の値付けは割高と見る 本質価値との差 −29.6% · 10 年 やや割高(年 +3.4%) 割高 東京地下鉄(東京メトロ)9023 鉄道だけで稼ぐ日本最大級の地下鉄。国・都の保有株売却と新線建設が焦点で、資本コスト 7.25% を ROE が下回り、今の値段は 4 割ほど割高に出る 本質価値との差 −33.9% · 10 年 割高(年 +2.1%) 割高 センコン物流9051 宮城の倉庫が稼ぎ頭、売上の半分は埼玉のホンダ販売店。借入が時価総額に迫り、ROE は資本コストに届かないので、今の値段は高い 本質価値との差 −34.3% · 10 年 割高(年 +2.7%) 割高 近鉄グループホールディングス9041 営業利益は名目で伸びるが、借り換えの利払いが利益を削り、株主の取り分は増えない。資本コスト 8.5% を踏まえると、今の値段は割高 本質価値との差 −35.3% · 10 年 割高(年 +2.5%) 割高 大宝運輸9040 地場の堅い運送会社だが、薄い稼ぎに対して積み上がった資本が重く、今の値段は安全域に乏しい 本質価値との差 −36.2% · 10 年 割高(年 +2.5%) 割高 山陽電気鉄道9052 姫路駅前の不動産が利益を支えるが、運賃は上限に達し、借り換えの利払いで ROE は資本コストを大きく下回る。今の値段は割高に出る 本質価値との差 −36.2% · 10 年 割高(年 +1.6%) 割高 第一交通産業9035 タクシーは赤字、稼ぎ頭は不動産。借金が重く、金利が上がるほど株主の取り分が細る 本質価値との差 −38.9% · 10 年 割高(年 +2.4%) 割高 東部ネットワーク9036 横浜の飲料・セメント・産業ガスの運送会社。資産は厚いが、運送の稼ぎは細く、ROE 2% では帳簿の価値を株主に届けられない 本質価値との差 −39.6% · 10 年 割高(年 +2.0%) 割高 神奈川中央交通9081 運賃は上がるが、運転士の賃金と借り換えの利払いが先に増え、ROE は資本コスト 9.0% に届かない。今の値段は割高に出る 本質価値との差 −40.8% · 10 年 割高(年 +2.3%) 割高 新潟交通9017 新潟のバスと万代シテイを営む地域の顔。不動産が稼ぐが、重い借金の利払いが金利の上昇で利益を削る 本質価値との差 −42.6% · 10 年 割高(年 +3.0%) 割高 センコーグループホールディングス9069 3PL と M&A で稼ぐ総合物流の大手。借金が重く利益率も薄いため、利益で測ると今の値段は割高に出る 本質価値との差 −43.2% · 10 年 割高(年 +1.2%) 割高 ニッコンホールディングス9072 ホンダ系の完成車輸送と倉庫・梱包で堅実に稼ぐが、利益に対して値段が先走り、10年で測っても大幅な割高 本質価値との差 −43.3% · 10 年 割高(年 −0.1%) 割高 小田急電鉄9007 新宿西口の大型開発は実るが、借金の利息が利益を削る。資本コスト 8.25% を ROE が下回り、今の値段は 3 割半ば割高に出る 本質価値との差 −43.8% · 10 年 割高(年 +0.2%) 割高 富士急行9010 富士山麓の鉄道とハイランドで過去最高益を稼ぐが、10 年後の利益に見合う値段は今の半分以下に出る 本質価値との差 −45.1% · 10 年 割高(年 +0.5%) 割高 タカセ9087 アニメ商品の通販物流に活路を得た老舗の倉庫会社。利幅は細く、資本コストに届かないので値段は割高 本質価値との差 −45.3% · 10 年 割高(年 +1.2%) 割高 秩父鉄道9012 石灰石の貨物と長瀞の観光で黒字に戻したが、更新投資と借金の利払いが利益を食い、株主に残る価値は今の時価総額に届かない 本質価値との差 −45.6% · 10 年 割高(年 +2.1%) 割高 福山通運9075 特積みの老舗。利益は戻り始めたが、資本効率が低く、10 年の積み上げでは今の値段は大きく割高 本質価値との差 −46.0% · 10 年 割高(年 0.0%) 割高 広島電鉄9033 電車とバスは補助金を足してやっと収支が合い、利益を支えるのは広島の不動産。借り換えで利払いが3倍に増え、ROE は資本コストに届かない。今の値段は割高に出る 本質価値との差 −46.3% · 10 年 割高(年 +1.5%) 割高 名古屋鉄道9048 名駅の再開発が止まり、運送は赤字、借金は重い。利益は名目で戻っても、金利が資本コストへの到達を阻む。今の値段は 4 割ほど割高に出る 本質価値との差 −50.4% · 10 年 割高(年 −0.5%) 割高 京浜急行電鉄9006 品川・高輪の再開発で名目の利益は伸びるが、重い借金と投資負担で ROE は資本コスト 8.25% に届かない。値段は織り込み過ぎと見る 本質価値との差 −51.1% · 10 年 割高(年 −0.7%) 割高 NIPPON EXPRESSホールディングス9147 国内の運賃上げは追い風だが、海外フォワーディングの薄い利益率では ROE は資本コスト 8.5% を下回る。名目で測り直しても今の値段は割高 本質価値との差 −54.7% · 10 年 割高(年 −1.2%) 割高 西武ホールディングス9024 運営だけの稼ぐ力は資本コスト 8.5% に届かず、資産を売る経営に移っても、今の値段は 7 割近い割高に出る 本質価値との差 −63.0% · 10 年 割高(年 −2.9%) 割高 京極運輸商事9073 ENEOS が 35% を持つタンクローリーとドラム缶の会社。石油の量は細り、利益率は 2% に届かない 本質価値との差 −65.0% · 10 年 割高(年 −3.2%) 割高 神戸電鉄9046 借金が EBITDA の 11 倍と重く、借り換えで利払いが倍に膨らむ。運賃改定で営業利益が増えても株主に残る利益は細り、計算では大きな割高になる 本質価値との差 −65.8% · 10 年 割高(年 −3.5%) 割高 大和自動車交通9082 都内の土地と銀座の再開発は魅力だが、タクシーの稼ぎは薄く借金も重い。今の値段は資産の期待を先取りしている 本質価値との差 −69.9% · 10 年 割高(年 −3.7%)

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分析日 2026-10-16