結論
ゲルダウはブラジルを本拠に南北米で鉄筋、形鋼、特殊鋼をつくる電炉主体の鉄鋼会社である。北米の工場網は競争力があるが、2026年の好調を10年先まで伸ばして買うには、現在の値段は割高だと考える。最大の理由は、鋼材の価格が会社の意思よりも関税と需給で決まり、米国で稼いだ利益をブラジルの苦戦が相殺するからだ。
2025年は売上125億ドルに対し純利益2.5億ドルだった。ブラジルで約20億レアルの非現金減損を計上したため、利益の見た目は実力以上に悪い。反対に2026年7〜9月期は北米の鋼材価格上昇が効き、調整後EBITDAの76%超を北米が稼いだ。全社の調整後利益が回復していることは、割高という判断への強い反証である。
それでも、北米の電炉はニューコアやスチール・ダイナミクスと競い、ブラジルではアルセロールミッタルと輸入品が価格を押さえる。中立では2035年の営業利益が約20億ドル、純利益が約11億ドルになる。配当と自社株買いを含む5つの筋書きを資本コストで割り引いた今の価値は約68億ドル。基準時点の時価総額約103億ドルを約33%下回り、5段階では「割高」となる。
電炉の地域的な強み、北米の工事需要、財務の余裕は確かに魅力だ。しかし長期保有で得るべき利益は、好況期の鋼材価格ではなく、設備を保った後の現金と低迷期も残る利益から測るべきである。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、最初に「10年後にも鉄筋と形鋼を売れるか」を考える。答えは肯定的だ。橋、建物、工場、送電網は鉄を必要とし、スクラップを溶かす電炉にも社会的な役割が残る。工場と顧客の距離、原料供給の確かさは、ソフトウエアのように新規参入者が一晩で模倣できるものではない。
問題は、残った需要からどれだけの持ち分利益を取れるかだ。鋼材の価格は景気と通商政策で大きく揺れ、国内生産者が増えれば電炉同士も値下げする。2025年の純利益だけを見ると悲観に寄りすぎるが、2026年の北米の急回復をそのまま永続利益とするのも危うい。10年後の北米の収益性が現在より落ちる一方、ブラジルが持ち直すという組み合わせが最も筋が通る。
設備を維持する資金は必ず先に取っておくべきで、会計上の利益すべてが配当に回せるわけではない。2025年には投資額が営業キャッシュを強く圧迫し、自由に使える現金が少なかった。北米で増分投資の利回りが資本コストを超えるなら、その再投資は評価できる。逆にブラジルで輸入競争に勝てないまま大型設備を増やすなら、還元の方が株主には得である。
支配株主がいるため、ADR保有者には経営方針を変える権限も乏しい。だから求める安全域は広めにする。工場の資産価値ではなく、ならした営業利益と実際に返せる現金を重視すれば、今の時価総額に十分な余裕があるとは言い難い。
何で稼ぐ会社か
売上を生むのは、鉄スクラップや鉱石を鋼に変え、鉄筋、棒鋼、梁、厚板、特殊鋼として建設業者、鋼材問屋、自動車・機械メーカーへ売る仕事だ。鋼材の売上は基本的に出荷トン数と1トンの実現単価で決まり、利益は販売価格からスクラップ、電力、石炭、労務、輸送費を引いた差額で動く。工場を使い切るほど固定費も薄まる。
北米は米国とカナダの電炉・特殊鋼工場が中心である。2025年には約500万トンを出荷し、全社売上のほぼ半分を得た。約半分が形鋼、4割強が棒鋼で、残りに太陽光発電向け杭などの加工品がある。データセンター、送電設備、非住宅建築に近い工場を持ち、輸送費の高い鋼材を数百キロ圏で供給できる。最近は北米の稼ぎが全社の利益をほぼ支えている。
ブラジルは鉄筋などの長鋼材が出荷の約7割、熱延コイル・厚板などの平鋼材が約3割を占める。2025年の出荷583万トンのうち国内向けは458万トン、残りは輸出だった。特殊鋼は自動車、農機、産業機械向けで、ミゲル・ブルニエの鉄鉱石設備もこの地域の原価を下げる役を担う。ただし中国材の流入で稼働率が下がれば、垂直統合していても赤字を免れない。
その他南米はペルー、アルゼンチン、ウルグアイの鉄筋や棒鋼で、2025年の出荷は111万トン。建設と鉱業の動きに左右され、規模は小さいが、ペルーの流通網には地域的な強みがある。各地域の内部売買は売上から消去し、利益では本社費、減損、金融収支と少数持ち分を分けて考える。
優良さと弱いところ
この会社の堀、つまり競合が簡単に奪えない強みは、工場の立地と原料・顧客を結ぶ流通の近さにある。鉄筋と形鋼は重く、遠隔地から運ぶと運賃がかさむ。米国・カナダの電炉は需要が落ちた際に稼働を抑えやすく、スクラップを使うため高炉より炭素排出も小さい。ミゲル・ブルニエの鉱石と新しいリサイクル設備は、ブラジルの原材料費を長期的に下げうる。
ただし製品そのものに独占力はない。競合が同規格の鉄筋を値下げすれば、顧客は買い先を変えられる。2021年の全社営業利益率25%台は価格の山であり、2025年の5%台との差こそ本業の性格を示している。ブラジルの輸入浸透率は高く、北米が好調でもその上振れを会社全体へそのまま広げられない。値上げの永続性を示す証拠は薄いので、堀は弱いと判定する。
財務は持ちこたえる力がある。2025年末の自己資本は98億ドル、純負債は17億ドルで、負債の借り換えだけが10年後の価値を壊す姿ではない。だが投資の質は景気の山と谷で入れ替わる。北米への投資は高い稼働率で実を結びつつあり、ブラジルの設備では2025年に減損が発生した。AIエージェントが人の操作や席数を置き換える型の事業ではないが、工場制御の自動化が競合にも普及するため、技術だけで高い値決め力は生まれない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
鉄鋼需要はなくならないが、出荷数量が急増する市場でもない。米国の2025年の鉄鋼メーカー出荷は約9100万米トンで、全鋼種の市場は成熟している。ゲルダウの北米出荷約500万メトリックトンは、米国全体のメーカー出荷と単純比較すると約6%に相当する。ただしカナダ向けと鋼種構成が違うので厳密な市場シェアではなく、鉄筋と形鋼に限れば存在感はこれより高い。ニューコア、スチール・ダイナミクス、コマーシャル・メタルズが直接の相手である。
ブラジルの2025年の国内鋼材販売は約2120万トンで、ゲルダウの国内向け458万トンはおよそ22%に相当する。同国最大級のアルセロールミッタルに加えて、ウジミナス、CSN、シメックが鋼種別に競う。しかも輸入を含めた消費は約2680万トンに達し、輸入品が国内価格を下げる。2025年の輸入浸透率は約21%。2026年前半には一部の通商措置で低下したが、解消したとは言えない。
米国では通商拡大法232条による高関税、データセンター、送電網、製造業回帰が需要を支える。2026年7〜9月期の北米EBITDA利益率27.7%は、その効果の鮮明な証拠である。だが市場はニューコアの新設や既存電炉の増産で均衡へ向かい、関税が緩めば輸入材も戻る。ブラジルの高炉・電炉でも中国発の余剰鋼材が価格の天井を作り続ける。
中立の10年では、北米鋼材の実質需要は約1割伸び、ゲルダウが一部の品種でシェアを増やす。ブラジルでは内需の回復を取り込むが、輸入材に一部シェアを譲る。販売価格は名目で概ね物価に近づくものの、北米は2026年の高値からいったん平常化するため、2025年比の上昇が物価を下回る。
資本政策と M&A
資本配分は、好況で稼いだ現金を配当と自社株買いに返す一方、電炉や原料設備へ継続投資する方針だ。2025年は設備投資が61億レアル、配当と買い戻しが合計24億レアルだった。利益が低迷しても還元した点は株主に有益だが、フリー・キャッシュフローが細った年の買い戻しは、将来の投資余力も使う。
2026年の設備投資計画は47億レアルで、9月までに31億レアルを使った。北米ミッドロジアンの能力増強、ブラジルのスクラップ処理設備、ミゲル・ブルニエの鉱石設備は、既存工場の原価を下げる投資である。電力会社ドナ・フランシスカの持ち分取得も進め、ブラジルの自家発電比率を引き上げる。一方、2025年にはブラジル設備の減損が発生しており、追加投資の利回りを無条件で高くは見積もれない。
2026年2月に発表した自社株買い枠は優先株5500万株と普通株140万株で、期間は18か月。四半期の配当も継続するが、10年間の定額還元を約束してはいない。普通株議決権の約98%は親会社メタルージカ・ゲルダウが握り、米国上場ADRは議決権のない優先株を裏付ける。少数株主は設備投資や買収を左右せず、支配株主との利益相反に注意が要る。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
北米の鉄鋼市場は、単なる市況の一時的な上振れではなく、国産鋼材の供給網を重視する方向へ変わりつつある。米国の関税は輸入を抑え、電炉に近い非住宅建築やデータセンター、再生可能エネルギー設備の顧客は注文を増やした。2025年の北米出荷は前年比約9%増え、2026年7〜9月期の北米の調整後EBITDA利益率は27.7%まで高まった。受注残も平年を上回る。これは競合より劣る会社では起きにくい。
ゲルダウの北米事業は、ニューコアほど大規模でなくても、鉄筋・形鋼を現場へ届ける距離の短さが強みになる。ミッドロジアンの能力増強によって高付加価値品を増やせば、数量の伸び以上に利益が増える。製鋼に使うスクラップが供給される限り、固定費を抱える高炉と比べた機動力は残る。ブラジルでも鉱石の自家処理とスクラップ加工、電力の自家供給がそろい、外部調達に伴う費用を減らせる。
ブラジルの輸入制限と反ダンピング措置が実効性を持てば、低迷した工場を再稼働させるだけで利益が回復する。アルセロールミッタルやCSNの投資が増えても、ゲルダウの長い販売網は容易には消えない。さらにペルーの建設需要が続けば南米事業も利益を上乗せする。事業が伸びている地域へ資本を振り向け、買収より競争力改善を優先する経営なら、10年後には現在の何倍もの利益を株主のものにできる。
慎重な見方
強い四半期を見て鉄鋼の構造が変わったと考えるのは危険だ。2026年の北米の好調は、米国政府の通商政策に守られている面が大きい。関税の例外が増えるか、新設電炉の生産能力が需要を上回れば、取引価格はスクラップ高に追いつかなくなる。ニューコアとスチール・ダイナミクスも能力を増やしており、同じ土俵にいるゲルダウだけが現在の高利益率を保つ保証はない。
ブラジルの問題はもっと根深い。2025年は国内販売が伸びず、増えた出荷の一部を利幅の薄い輸出へ回した。中国などから入る鋼材が国内消費の大きな割合を占め、アルセロールミッタル、CSN、ウジミナスとも設備を抱える。ゲルダウは既に約20億レアルの減損を計上した。鉄鉱石や電力への追加投資が完成しても、販売価格が下がり続ければ、投資回収に長い時間がかかる。
2021〜22年の高収益も2025年の低収益も、この会社にとっては異常な出来事ではなく、同じ事業の二つの顔である。北米とブラジルの市況が同時に悪化すれば、少数株主持ち分を持つADRの利益は大きく減る。親会社が普通株議決権を握るので、外部株主が投資抑制や資産売却を求めても、実現するとは限らない。輸入過剰と設備の減損が再び重なる場合には、現在の自己資本の大部分を株主価値の床と見なすべきではない。
どちらに重みを置いたか
北米の稼ぐ力は本物だが、北米以外の回復をまだ裏付ける数字が弱い。ブラジルの2025年減損と米国の関税依存を重く見て、楽観側を27%、悲観側を40%とした。純負債は過大ではないため破綻の確率は中心に据えず、利益率低下と資産売却時の目減りで下振れを表す。中立の純利益は2026年の北米好況を通年化した水準より低く、同時に2025年の減損後利益を上回る。結論は事業の存続ではなく、支払う値段に十分な安全域がないことである。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 5.16 ドル104 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 2.07 ドル42 億ドル)。 今の値に割り戻すと 3.40 ドル68 億ドル、今との差 −27.1%、 期待の年率 +5.3%(資本コスト 9.5%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 12.68 ドル255 億ドル | 3.88 ドル78 億ドル | +255.4% | +16.2% | 1.66 ドル33 億ドル |
| やや楽観 | 17% | 8.69 ドル175 億ドル | 3.38 ドル68 億ドル | +159.0% | +12.2% | 2.05 ドル41 億ドル |
| 中立 | 33% | 5.02 ドル101 億ドル | 2.48 ドル50 億ドル | +61.0% | +6.0% | 2.48 ドル50 億ドル |
| やや悲観 | 26% | 1.98 ドル40 億ドル | 0.99 ドル20 億ドル | −36.1% | −5.2% | 0.77 ドル16 億ドル |
| 悲観 | 14% | 1.75 ドル35 億ドル | 0.20 ドル4 億ドル | −58.2% | −8.7% | 0.27 ドル5 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 5.16 ドル104 億ドル | 2.07 ドル42 億ドル | +55.2% | +5.3% | 7.23 ドル146 億ドル |
今の株価時価総額 4.66 ドル94 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 10% 楽観:米州電炉の需要増とブラジルの原価改善が重なる 利益 22 億ドル · PER 11.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 12.68 ドル255 億ドル
米国はデータセンターと送電網の需要が続き、国内鋼材の市場が10年で約2割増える。ゲルダウはミッドロジアンの能力拡大と高付加価値の形鋼でシェアを取り、北米出荷は500万トンから700万トンになる。平均単価は1820ドルで、物価上昇をやや上回る。ニューコアやスチール・ダイナミクスの新設を需要が吸収し、北米営業利益率は20%台を保つ。
ブラジルでは中国材への通商措置とミゲル・ブルニエの原価低下が同時に効く。アルセロールミッタルと競いながら国内向けシェアを維持し、輸出を含む出荷は700万トンになる。利益率は13%へ回復する。ペルーの建設市場も伸び、全社純利益は22億ドル超となる。
北米・ブラジルの設備に増分投資する一方、10年間の純還元は78億ドルとする。配当50億ドル、買い戻し30億ドルから株式報酬など2億ドルを差し引き、増資は見込まない。期間の純利益累計130億ドルを受け、自己資本は約150億ドルとなる。
- 北米:棒鋼・形鋼・特殊鋼:数量 7.0(年間の鋼材出荷(百万メトリックトン))× 価格 18(平均実現売価(億ドル/百万トン。12.60は約1260ドル/トン))→ 売上 127 億ドル・営業利益 26 億ドル。北米の年出荷700万トン、1トン約1820ドル。ニューコア・STLD・CMCとの長鋼材競争と米国市場の伸びを反映。
- ブラジル:長鋼材・平鋼材・特殊鋼と原料:数量 7.0(年間の鋼材出荷(百万メトリックトン。国内向けと輸出を含む))× 価格 13(平均実現売価(億ドル/百万トン。8.96は約896ドル/トン))→ 売上 92 億ドル・営業利益 12 億ドル。国内向けと輸出を含む700万トン、単価約1310ドル。アルセロールミッタル・CSNと輸入品の競争を反映。
- その他南米:鉄筋・棒鋼:数量 1.5(年間の鋼材出荷(百万メトリックトン。輸入品の再販売を含む))× 価格 13(平均実現売価(億ドル/百万トン。8.81は約881ドル/トン))→ 売上 19 億ドル・営業利益 2 億ドル。ペルー・アルゼンチン・ウルグアイの150万トン、約1290ドル。建設向けを中心に推定。
倍率:事業ROEは22.2÷149.8=14.8%、k9.5%、moat weakで残る割合1/3、RONIC11.3%。2035年後のgは市場数量+1.0%、シェア・鋼種構成-0.5%、価格+3.5%で4.0%。来期基準の正当化式×(1+g)で上限約12.2倍。好況でも鋼材価格は循環するため上限の約94%となる11.5倍。IFRS連結純利益を使い、減価償却の二重加算はしない。
確率:米国関税が長く残り、建築と電力向けで実質需要も増え、ブラジルの輸入防衛と設備改革まで成功する好条件の重なり。鉄鋼では稀なので10%。
やや楽観 17% やや楽観:北米の形鋼需要が続きブラジルも回復する 利益 17 億ドル · PER 10.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 8.69 ドル175 億ドル
北米では米国の建設・再エネ向け長鋼材が緩やかに増え、電炉への置き換えでシェアが伸びる。出荷は640万トンに増え、1トン当たり1750ドルの売価を確保する。競合のニューコアやCMCは投資を続けるが、ゲルダウの地域拠点と加工品の品ぞろえが値下げ圧力を一部和らげる。北米の営業利益率は18.5%である。
ブラジルはアルセロールミッタルや中国材と競争しつつ、国内建築向けと輸出の出荷を計660万トンへ伸ばす。鉱石・電力設備の原価改善により、利益率は10%まで回復する。南米はペルーの需要を背景に出荷を増やすが、全社に与える影響は小さい。営業利益は約29億ドル、純利益は16.5億ドルとなる。
期間の純利益累計102億ドルのうち、配当45億ドル、買い戻し25億ドル、株式報酬等の希薄化差引き2億ドルで、正味68億ドルを還元する。残りは事業投資と自己資本に積み上げ、自己資本は132億ドル弱となる。
- 北米:棒鋼・形鋼・特殊鋼:数量 6.4(年間の鋼材出荷(百万メトリックトン))× 価格 18(平均実現売価(億ドル/百万トン。12.60は約1260ドル/トン))→ 売上 112 億ドル・営業利益 21 億ドル。北米の年出荷640万トン、1トン約1750ドル。ニューコア・STLD・CMCとの長鋼材競争と米国市場の伸びを反映。
- ブラジル:長鋼材・平鋼材・特殊鋼と原料:数量 6.6(年間の鋼材出荷(百万メトリックトン。国内向けと輸出を含む))× 価格 13(平均実現売価(億ドル/百万トン。8.96は約896ドル/トン))→ 売上 83 億ドル・営業利益 8 億ドル。国内向けと輸出を含む660万トン、単価約1250ドル。アルセロールミッタル・CSNと輸入品の競争を反映。
- その他南米:鉄筋・棒鋼:数量 1.4(年間の鋼材出荷(百万メトリックトン。輸入品の再販売を含む))× 価格 12(平均実現売価(億ドル/百万トン。8.81は約881ドル/トン))→ 売上 17 億ドル・営業利益 2 億ドル。ペルー・アルゼンチン・ウルグアイの137万トン、約1225ドル。建設向けを中心に推定。
倍率:事業ROEは16.5÷131.8=12.5%、k9.5%、moat weakでRONIC10.5%。gは2035年以降に市場数量+0.7%、会社シェア-0.4%、価格+3.5%の名目3.8%。来期基準の正当化PER×1.038は約11.6倍、利益の循環性を見て上限の約91%の10.6倍。純利益はIFRS、株式報酬費用を戻さない。
確率:北米の好受注は一次開示で確認でき、原価改善案件も着実に進む。ただしブラジルの輸入防衛を含めると実現の不確かさがあるため17%。
中立 33% 中立:北米は平準化、ブラジルは低収益から回復 利益 11 億ドル · PER 9.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 5.02 ドル101 億ドル
米国の鋼材実質需要は10年で約1割伸びる。ゲルダウの北米出荷は500万トンから590万トンへ増え、単価は1610ドルになる。2026年の値上げを永続させず、国内の電炉新設や関税見直しを織り込む。製鋼と加工品の構成改善は残るものの、ニューコアやスチール・ダイナミクスとの競争で、北米の営業利益率は15.5%へ落ち着く。
ブラジルでは国内の鋼材需要が増えても輸入が残り、アルセロールミッタル、CSN、ウジミナスと価格競争が続く。出荷は600万トン、平均単価1265ドルで、営業利益率は7%まで回復する。ペルーなど南米は125万トンと緩やかに伸びる。全社営業利益は約20億ドル、純利益は10.75億ドルとなる。
2026年の北米回復を起点に10年の純利益累計は75億ドルとし、配当34億ドル、買い戻し18億ドル、株式報酬等2億ドルの控除で正味50億ドルを還元する。設備更新と成長投資に利益を回しつつ、自己資本は約123億ドルへ積み上がる。
- 北米:棒鋼・形鋼・特殊鋼:数量 5.9(年間の鋼材出荷(百万メトリックトン))× 価格 16(平均実現売価(億ドル/百万トン。12.60は約1260ドル/トン))→ 売上 95 億ドル・営業利益 15 億ドル。北米の年出荷590万トン、1トン約1610ドル。ニューコア・STLD・CMCとの長鋼材競争と米国市場の伸びを反映。
- ブラジル:長鋼材・平鋼材・特殊鋼と原料:数量 6.0(年間の鋼材出荷(百万メトリックトン。国内向けと輸出を含む))× 価格 13(平均実現売価(億ドル/百万トン。8.96は約896ドル/トン))→ 売上 76 億ドル・営業利益 5 億ドル。国内向けと輸出を含む600万トン、単価約1265ドル。アルセロールミッタル・CSNと輸入品の競争を反映。
- その他南米:鉄筋・棒鋼:数量 1.3(年間の鋼材出荷(百万メトリックトン。輸入品の再販売を含む))× 価格 12(平均実現売価(億ドル/百万トン。8.81は約881ドル/トン))→ 売上 15 億ドル・営業利益 1 億ドル。ペルー・アルゼンチン・ウルグアイの125万トン、約1230ドル。建設向けを中心に推定。
倍率:事業ROEは10.75÷122.8=8.75%でk9.5%未満。moat weak、残る割合1/3からRONIC9.25%。2035年後のgは市場の実質需要+0.5%、シェア変化-0.5%、名目単価+3.5%で3.5%。式の上限は約10.7倍だが、ROEがk以下なので別の上限1÷k=10.53倍も守る。景気変動とブラジルの収益の不確かさを踏まえ9.4倍(算式上限の約88%)とする。GAAPに相当するIFRS利益を使用。
確率:北米の需要増と鋼種構成改善は続くが、関税・新設による価格の平準化が進む。ブラジルは改善する一方、輸入品にシェアを奪われる中心ケースとして33%。
やや悲観 26% やや悲観:北米の供給増とブラジルの輸入品が利幅を削る 利益 5 億ドル · PER 7.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1.98 ドル40 億ドル
北米では関税の例外が広がり、ニューコアやスチール・ダイナミクスの増産で鋼材価格が競争的になる。出荷は500万トンにとどまり、単価は1530ドルと物価上昇を下回る。顧客は価格の安い同規格の鋼材を選び、北米の営業利益率は12%へ下がる。
ブラジルでは輸入品の多さが固定化し、国内向けの鉄筋と熱延鋼板でシェアを落とす。輸出を含む出荷は525万トン、価格は1135ドルとなる。設備投資の原価低減は効果があっても販売価格の下落を補えず、ブラジル営業利益率は4%にとどまる。南米の建設需要も弱く、全社純利益は約5億ドルに減る。
2026年の稼ぎを含めても10年の純利益累計は42億ドルで、純還元は配当15億ドルと買い戻し6億ドルから希薄化1億ドルを引いた20億ドルに抑える。自己資本は120億ドル弱となるが、収益率が資本コストを下回るため帳簿額は株主価値の保証ではない。
- 北米:棒鋼・形鋼・特殊鋼:数量 5.0(年間の鋼材出荷(百万メトリックトン))× 価格 15(平均実現売価(億ドル/百万トン。12.60は約1260ドル/トン))→ 売上 77 億ドル・営業利益 9 億ドル。北米の年出荷500万トン、1トン約1530ドル。ニューコア・STLD・CMCとの長鋼材競争を反映。
- ブラジル:長鋼材・平鋼材・特殊鋼と原料:数量 5.3(年間の鋼材出荷(百万メトリックトン。国内向けと輸出を含む))× 価格 11(平均実現売価(億ドル/百万トン。8.96は約896ドル/トン))→ 売上 60 億ドル・営業利益 2 億ドル。国内向けと輸出を含む525万トン、単価約1135ドル。アルセロールミッタル・CSNと輸入品の競争を反映。
- その他南米:鉄筋・棒鋼:数量 1.1(年間の鋼材出荷(百万メトリックトン。輸入品の再販売を含む))× 価格 11(平均実現売価(億ドル/百万トン。8.81は約881ドル/トン))→ 売上 12 億ドル・営業利益 1 億ドル。ペルー・アルゼンチン・ウルグアイの108万トン、約1080ドル。建設向けを中心に推定。
倍率:2035年ROEは5.1÷119.8=4.3%とk9.5%を大きく下回る。長期gは数量0%・シェア-0.5%・価格+3%の2.5%だが、資本効率の低さからPERは1÷k=10.53倍以下を守る。低い再投資利回りと残る設備投資を反映し7.8倍とした。稼ぐ力の上限5.1÷9.5%=53.7億ドル、税後売却資産の床36億ドルに対し時価総額39.78億ドルはその範囲内である。
確率:米国関税の効力低下とブラジル輸入材の長期高止まりは相互に独立して起こりうる。地域分散だけでは相殺できないため26%。
悲観 14% 悲観:輸入と過剰設備が固定化し、減損で資本を失う 利益 1 億ドル · PBR 0.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1.75 ドル35 億ドル
米国の関税が大幅に緩和され、国内の電炉新設と輸入材の増加が同時に起きる。ニューコアやCMCとの値下げ競争で北米出荷は400万トンに減り、単価は1280ドルとなる。工場は操業を続けるが稼働率が低く、営業利益率は5.5%に落ちる。
ブラジルでは中国産の鉄筋と薄板に販売を奪われ、アルセロールミッタルやCSNとの価格競争に勝てない。出荷は450万トン、売値990ドルで、利益率は1.5%に沈む。ペルー以外の南米市場も弱く、全社営業利益は約2.8億ドル、純利益は0.7億ドルしか残らない。2027〜31年の赤字と設備減損が重なり、2026年の回復益とその後の小幅黒字を差し引いても10年累計利益はマイナス10億ドルとなる。
配当は最低限に縮め、10年の正味還元は4億ドル。自己資本は約84億ドルに減るが、帳簿の工場を額面で売れるとは見ない。存続する製鋼会社として、現金・在庫債権・工場・土地を税後で処分した回収額を価値の床とする。
- 北米:棒鋼・形鋼・特殊鋼:数量 4.0(年間の鋼材出荷(百万メトリックトン))× 価格 13(平均実現売価(億ドル/百万トン。12.60は約1260ドル/トン))→ 売上 51 億ドル・営業利益 3 億ドル。北米の年出荷400万トン、1トン約1280ドル。ニューコア・STLD・CMCとの長鋼材競争を反映。
- ブラジル:長鋼材・平鋼材・特殊鋼と原料:数量 4.5(年間の鋼材出荷(百万メトリックトン。国内向けと輸出を含む))× 価格 9.90(平均実現売価(億ドル/百万トン。8.96は約896ドル/トン))→ 売上 45 億ドル・営業利益 1 億ドル。国内向けと輸出を含む450万トン、単価約990ドル。アルセロールミッタル・CSNと輸入品の競争を反映。
- その他南米:鉄筋・棒鋼:数量 0.9(年間の鋼材出荷(百万メトリックトン。輸入品の再販売を含む))× 価格 9.80(平均実現売価(億ドル/百万トン。8.81は約881ドル/トン))→ 売上 8 億ドル・営業利益 0 億ドル。ペルー・アルゼンチン・ウルグアイの85万トン、約980ドル。建設向けを中心に推定。
倍率:ROEは0.7÷83.8=0.8%と資本コスト9.5%に届かず、永続利益の評価0.7÷9.5%=7.4億ドルは低い。売却可能な税後資産35.0億ドルの方が大きいので資産の床で評価する。PBR0.36倍は2035年の積み上げ自己資本83.8億ドルでなく、現在の自己資本97.8億ドルを基準に適用して35.21億ドル。過去の谷のPBRから逆算したものではない。
確率:北米とブラジルの収益が同時に崩れる確率は中心ではないが、中国鋼材の輸出過剰・関税変更・景気後退が長期化すると実現する。工場は残るため14%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
北米:棒鋼・形鋼・特殊鋼
米国・カナダの電炉13拠点。建設向け鉄筋・H形鋼・加工品と自動車向け特殊鋼を販売する。
| 数量年間の鋼材出荷(百万メトリックトン) | 価格平均実現売価(億ドル/百万トン。12.60は約1260ドル/トン) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 5.0 | 13 | 63 | 8 |
| 10 年後 中立 | 5.9 | 16 | 95 | 15 |
取り方:2025年20-F・管理報告の北米出荷499.9万トン、売上357.87億レアルを直接使用。連結売上699億レアルとfactsの125億ドルの比率でドルに換算し、地域間売上消去11.78億レアルを地域売上に比例配賦した推定。売上62.97億ドル÷499.9万トン=約1260ドル/トン。利益は開示された粗利益54.87億レアルから販管費7.92億を引いた水準をドルに換算し、本社費の一部を控除した概算。北米市場は米国全鋼種で約9100万米トン、競合はニューコア、スチール・ダイナミクス、CMC。
ブラジル:長鋼材・平鋼材・特殊鋼と原料
鉄筋・棒鋼・熱延コイル・厚板に特殊鋼を加え、国内建設と製造業へ出荷する。鉱石も内製する。
| 数量年間の鋼材出荷(百万メトリックトン。国内向けと輸出を含む) | 価格平均実現売価(億ドル/百万トン。8.96は約896ドル/トン) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 5.8 | 8.96 | 52 | −2 |
| 10 年後 中立 | 6.0 | 13 | 76 | 5 |
取り方:2025年20-F・管理報告のブラジル出荷583.3万トン(国内458.3万、輸出125万)、売上296.88億レアル。11.78億レアルの連結内部消去を各地域の売上比で割り振り、facts全社売上125億ドルに一致させた。単価約896ドル/トン。2025年粗利益18.81億レアルから販管費9.52億等を引き、ブラジル設備の減損約19.64億レアルを配賦したため推定営業損失となる。国内鋼材販売2120万トンに対し国内出荷458万トンで約22%の粗い比較。
その他南米:鉄筋・棒鋼
ペルー、アルゼンチン、ウルグアイの建設・鉱業向け棒鋼と流通。ブラジルからの仕入再販も含む。
| 数量年間の鋼材出荷(百万メトリックトン。輸入品の再販売を含む) | 価格平均実現売価(億ドル/百万トン。8.81は約881ドル/トン) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1.1 | 8.81 | 10 | 1 |
| 10 年後 中立 | 1.3 | 12 | 15 | 1 |
取り方:2025年20-Fの南米出荷111.1万トン、売上55.61億レアル。連結内部売上消去を売上比で配分し、factsの全社ドル売上に整合させて約9.79億ドル、1トン約881ドルと推定した。粗利益5.97億レアルから販管費1.68億・営業外調整を考慮して営業利益約0.8億ドル。ペルーが底堅いがアルゼンチンとウルグアイの景気に影響される。
リスクと懸念
米国関税と電炉の供給過剰
北米の好調は関税による輸入抑制と非住宅建築の需要拡大が支えている。通商条件の変更やニューコア、スチール・ダイナミクスの新工場稼働が重なると、鋼材販売価格は下がってもスクラップや電力の調達費はすぐ下がらない。北米の現在の高い利益率を恒常化すると、10年の価値を大きく見誤る。
ブラジルの中国材流入と減損の再発
ブラジルの2025年の輸入浸透率は約21%に達し、ゲルダウは国内販売が伸びない中で輸出比率を上げた。アルセロールミッタルやCSNも競争相手で、政府の救済策が十分でなければ価格は物価に追いつかない。2025年の設備減損約20億レアルが将来に再発すれば、会計上の自己資本も配当原資も減る。
スクラップ・電力・鉱石設備の投資回収
鉄スクラップと電力は電炉の主な費用であり、電力供給の確保やミゲル・ブルニエの鉱石設備への投資は競争力を左右する。新設備が稼働しても、販売数量が増えなければ減価償却と維持費ばかりが残る。投下資本に見合う追加利益が出ているかを工場別の単価と稼働率で追う必要がある。
支配株主と議決権のないADR
親会社メタルージカ・ゲルダウは普通株議決権の約98%を保有し、GGBのADRは原則として無議決権の優先株に対応する。配当を受ける権利はあっても、工場への投資配分や関連当事者取引を少数株主が左右する力は乏しい。会社全体の利益が増えても、株主に渡る現金が期待より少ないおそれがある。
ブラジルの金利・為替・財務費用
ドルで見る株主には、ブラジルレアルの下落がドル換算利益を減らすリスクがある。基本シナリオでは比較のため為替を固定したが、実際の輸入材価格、借入コスト、配当換算額は動く。また米州の金利が高止まりする間は、純負債が小さくても借り換えや運転資金の増加が純利益を削る。
設備の固定費と需要の同時落ち込み
北米のデータセンターと送電網、ブラジルの建設と自動車、ペルーの建設需要が同時に弱まると、稼働率低下が固定費負担を一気に重くする。電炉には減産の柔軟性があるが、全社では高炉設備も残る。過去には赤字・減損が続いた年もあり、悲観では今の自己資本をそのまま回収できる額として扱わない。
今後の分かれ目
- 北米の出荷が年間600万トンを超え、鋼材単価と受注残も2年以上堅調なら
- 顧客の需要と相対シェアの拡大が一時の関税効果を超えたと見て、北米の数量をやや楽観寄りに改める。ただし新設供給とスクラップ費用も確かめる。
- 米国の232条関税に大幅な緩和・例外が導入され、輸入鋼材が急増したら
- 北米実現売価の中立前提を下げ、設備稼働率低下と合わせてやや悲観の確率を厚くする。
- ブラジルの輸入浸透率が15%以下に低下し、国内向け出荷が年500万トン規模に戻れば
- ブラジルの営業利益率が7%を超えて定着する条件が近づき、中立の収益と株主還元余力を上方に見直す。
- ミゲル・ブルニエやスクラップ処理設備で計画された原価低減が実績に現れなければ
- 追加投資の増分ROICが資本コストを下回る懸念が増すため、ブラジルの利益率を低めに見直す。
- 配当と自己株買いの合計が営業キャッシュから維持投資を差し引いた額を連続して超えたら
- 財務余力を消費する還元とみなし、将来の純還元を引き下げて、借金と支配株主の資本配分を詳しく点検する。
- ブラジル・北米が同時に営業赤字となり、固定資産減損が重なったら
- 悲観側の資産の売却価値と期間の純利益累計を引き下げる。現在の帳簿自己資本を下値の保証とは見なさない。
見ておくもの
- 北米の出荷数量と平均実現売価(2026年7〜9月期131万トン・値上がり)
- 北米の調整後EBITDA利益率(2026年7〜9月期27.7%)とスクラップ単価
- ブラジル国内向け鋼材出荷と輸入浸透率(2025年約21%)
- 米国232条関税の適用範囲と電炉メーカーの新設稼働率
- ミゲル・ブルニエ鉱石設備とスクラップ処理設備の稼働・原価削減
- 営業キャッシュフロー、設備投資、実際の配当・買い戻し総額
- 親会社の普通株保有率と優先株への配当条件
- 米ドル建て純負債とレアル建て金融費用
倍率と資本コストの決め方
株価を出発点にせず、2025年の各地域の出荷トン数と実際の売上から単価を求めた。2035年の出荷は市場全体の実質需要とシェア、単価は物価と鋼種構成、営業利益はスクラップ費用と稼働率で決めた。2025年のブラジル減損を恒久利益と混同せず、反対に2026年の北米好況を永久利益にもしなかった。資本コストは同じ鉄鋼領域と同じ9.5%、堀は弱い。長期gは北米・ブラジルの数量と物価に由来し、成長率を自己資本利益率から逆算していない。正当化PERはRONIC式とその上限から検算し、悲観の価値は帳簿の自己資本ではなく売却可能な資産の税後回収額を床にした。基準価格や同業の市場PERから倍率を決めていない。
資本コスト 9.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。米国株の基本8.0%に循環+1.0%、価格決定力の弱さ+0.5%を加えて9.5%。同領域のニューコア、スチール・ダイナミクスと共通の物差し。ブラジルの政策・親会社支配は確率と下方の筋書きで表し、存続危機の上乗せはしない。