結論
ニューコアは電炉(スクラップを溶かして鋼をつくる方式)で米国最大の鋼材メーカーで、鋼材(製鋼)、加工した鋼材製品、スクラップ・原料の取引の 3 事業を持つ。2025 年は売上 325 億ドル、営業利益 27 億ドル(利益率 8.3%)、純利益 17 億ドルと、2021〜22 年の山(純利益 68〜76 億ドル)から大きく落ちた谷に近い年だった。ところが 2026 年は米国の鉄鋼・アルミへの 50% 関税(232 条)で輸入が約 25% 減り、製鋼の出荷は 4〜6 月期に 710 万トンの過去最高、稼働率は 91%。上半期の純利益は 19 億ドル(前年同期 7.6 億)、7〜9 月期も増益の見通しで、年率の純利益は 50 億ドル前後に達する。
強みは、電炉の軽い固定費(需要が落ちても減産して黒字を保てる)、鋼材製品・原料・スクラップまで持つ垂直統合、A−格付けの財務、米国内の工場網。弱みは、鋼材が商品で価格を決める力がないこと、利益が熱延コイルの値とスクラップの差(スプレッド)でほぼ決まること、そして 2027〜28 年にウェストバージニアの新シート工場(約 270 万トン)を含む同業の新設が重なることだ。
バリュー投資の観点では、今の純利益をそのまま続くものとは見ない。米国の鋼材は関税が剥がれれば輸入で、新設が重なれば国内の競争で、価格が戻る。製鋼は 1 トンあたりの利益で見て、2026 年の約 190 ドルから、10 年後の中立で名目 210 ドル(実質で今の約 150 ドル)に戻ると置いた。すると 10 年後の純利益は 45 億ドルで、利益ベースの正当化 PER(堀は弱い・k 9.5%・g 4%)の上限の 9 割、約 10.0 倍を掛けた時価総額は約 452 億ドル。今の 592 億ドルは、この 10 年のほぼ全部を先取りした値段で、割り引くと本質価値は今の約 49%(-51%)にとどまり、割高の範囲に入る。事業は 10 年後も存在し堀も保たれるが、景気の山でつかむ値段ではない、という結論である。
バリュー投資の観点から
バリュー投資家なら、まず「10 年後もあるか」を問う。答えは、ある。建物・インフラ・自動車の鋼材需要は残り、米国では電炉が高炉を置き換えていく流れが続く。ニューコアは電炉の最大手で、費用の位置も財務も同業の上位。ただし、堀は「商品の中で相対的に強い」にとどまり、価格を決める力はない。10 年後に今より強いかは、輸入と新設の過剰を関税と需要が吸収し続けるかに依存し、確信は持てない。
オーナー利益を見ると、2026 年の純利益が年 50 億ドル規模でも、設備投資が 25 億ドルと売上の 7% あり、減価償却(約 13 億)を超えて成長投資が続く。2021〜25 年の 5 年平均の純利益は 45 億ドルだが、中身は 2021〜22 年の 68〜76 億ドルと 2024〜25 年の 17〜20 億ドルの平均で、「ならした利益」は 30〜40 億ドル。今の時価総額 592 億ドルはならした利益の 15〜20 倍にあたり、過去の PER の中央値 15 倍に対して高い。
資本配分は、谷でも設備投資と配当を守る点は高く評価できる。一方、山で買い、谷で買わなければ、自社株買いの価値は下がる。安全域は、中立で 10 年後の時価総額と還元の合計が今の約 1.1 倍、年率にして 1% 程度にとどまり、資本コスト 9.5% に届かない。ならした利益で見て、時価総額が 350〜400 億ドル(今の約 6〜7 割)まで下がる局面なら、安全域を持てる会社だと考える。事業の分かりやすさは普通、値段への確信は低い。
何で稼ぐ会社か
売上の 6 割強は製鋼事業。ニューコアは多数の電炉工場で、シート(薄板。自動車・家電・建築の外装)、棒鋼(鉄筋・形鋼の素材)、形鋼(H 形鋼など建築の骨組み)、厚板(インフラ・エネルギー)を作り、2026 年 4〜6 月期の出荷は 710 万トン(シート 329、棒鋼 239、形鋼 63、厚板 76)。うち約 2 割は自社の鋼材製品事業に回る社内向けで、外販の平均売値は 1 トンあたり 1,145 ドル、原料のスクラップは 422 ドル。利益は「売値 − スクラップ・電力・人件費」のスプレッドと稼働率で決まる。
鋼材製品事業は、鉄筋の加工、ジョイスト・デッキ(建築の床・屋根の鋼材)、鋼管、メタルビル、倉庫ラック、電力会社向けの鉄塔などの加工品で、外販は 4〜6 月期 128 万トン、1 トンの売値は 2,415 ドルと製鋼の約 2 倍。非住宅の建築が最大の用途で、製鋼の安定した出口になる一方、鋼の値上がりを製品価格に転嫁するのに時間がかかり、鋼が高い局面では利益率が圧縮される。
原料事業は、DJ ジョセフ(DJJ)による鉄・非鉄スクラップの収集・加工・取引、銑鉄・還元鉄の販売などで、スクラップ回収では北米最大。電炉の原料を自前で押さえる意味がある。会社全体の営業利益には、本社費、利益に連動する従業員の賞与、社内取引の消去も入る。純利益からは、ヤマトとの合弁などの非支配持ち分(年 5 億ドル規模)が引かれる。新しい成長は、ウェストバージニアのシート工場(2027 年初に出荷開始)、ケンタッキーの厚板、レキシントンの小型電炉などの増設。
優良さと弱いところ
優良さは「商品の中では高い」が「優良企業の水準には届かない」。堀は 3 つ。第 1 は費用の位置:電炉はスクラップで作るので、高炉に比べて設備投資と排出が小さく、需要が落ちると稼働を絞って損失を抑えられる。リーマン期の 2009 年もほぼ収支ゼロで済んだ。第 2 は垂直統合と規模:スクラップ調達(DJJ)、4 つの製品群、鋼材製品までの川下を一社で持ち、地域ごとに複数の工場を置く物流の密度がある。第 3 は財務と文化:A−格付け、2026 年 6 月で現金 27 億ドル・純負債 44 億ドル(時価総額の 7.4%)、50 年以上の連続増配、利益に連動する社員の賞与で、谷でも設備投資と配当を維持してきた。
弱いのは価格を決める力で、鋼材はどこから買っても同じ商品。利益率は 2021 年 25.6% から 2025 年 8.3% まで落ち、最悪は 2015 年 4.0%、2009 年 −1.3%。資本効率も ROE が 2022 年 41% から 2025 年 8.3% と振れ、通期で見れば 10〜15% が現実的な水準。のれんは 43 億ドルで自己資本の約 2 割と、歪みは小さい。経営はレオン・トポリアン CEO が率い、投資を景気に関係なく続ける姿勢だが、2026〜28 年は設備投資が山になり、新設が立ち上がるまで利益が出にくい(立ち上げ費用が四半期で 1.2 億ドル)。競合のスチール・ダイナミクスも電炉で利益率は同水準、費用の優位は同じで、差別化にならない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の鋼材市場は年 9,000 万トン台(推定)で、電炉が約 7 割を占める。電炉の主役はニューコア、スチール・ダイナミクス(STLD、出荷 1,300 万トン級)、コマーシャル・メタルズ(CMC)で、高炉はクリーブランド・クリフスと USスチール(2025 年に日本製鉄が買収)。需要は非住宅建築、インフラ、エネルギー、自動車、そして 2026 年はデータセンターと送電網の鋼材が加わる。
2026 年の値段と数量は、関税が支えている。鉄鋼・アルミへの 232 条関税 50% が輸入を押さえ、完成鋼材の輸入は前年比 −25%、熱延コイル(HRC)は 3 月の 1 トン約 1,018 ドルから 6 月に約 1,105 ドルへ、稼働率は 77% から 81%(業界全体)へ上がった。ニューコアの利益は 2025 年から倍増以上になった。ただし、ここが山に近い理由は 3 つある。①2 年で 400 万トン超の新設(ニューコアのウェストバージニア、スチール・ダイナミクスのアーカンソー・サウスカロライナ、ほか)が完工する。②関税は政策なので、緩和・例外(農機・設備向けなど)に動く可能性がある。③中国は世界の過剰能力を抱え、輸出が止まったわけではない。
分かれ目は、HRC とスクラップのスプレッド、関税の継続、稼働率が 80% を超え続けるか、新設の完工時期、自動車・非住宅・データセンター向けの需要。10 年では、米国で電炉比率がさらに上がり、高炉の整理が進む構造変化が追い風。一方、物価が 3.5% の世界でも、鋼材価格は長期でほぼ物価並みにしか上がらないという過去の事実は変わらない。
資本政策と M&A
還元は配当と自社株買いで、2026 年上半期は 7.3 億ドル(配当 2.6 億+自社株 4.8 億)。四半期配当は 213 期連続で、年約 5 億ドル。自社株買いは谷では抑え、山で増やす傾向があり、2021〜22 年は 33 億・28 億ドルを使ったが、その時の PER は 4〜5 倍と安かった。2025 年は 7 億ドルに絞られ、2026 年も 4〜6 月に約 153 万株、約 3.5 億ドル。バリュー投資の観点では、利益が山にある局面での買いは、谷の値段で買う場合ほど価値を増やさない。
設備投資は 2026 年に約 25 億ドル(6 割が成長投資)。2025 年はフリー・キャッシュフローがマイナス、2026 年上半期は営業キャッシュフロー 23 億に対し設備投資 12 億でプラスに戻った。ウェストバージニアのシート工場は予算内・予定どおりで、2027 年に出荷が立ち上がる。M&A は川下の加工・建築製品の買収が中心で、高炉メーカーへの関心は示さない。買われる側になる可能性は時価総額 592 億ドルでは小さい。
借金は 71 億ドルで格付けが高く、借り換えで金利が上がっても、純利益への影響は 3 年で約 0、10 年で約 1 億ドルと小さい。ヘリオン(核融合)への出資のように、本業と関係ない少額の投資が含み益を出している点は、会計上の利益のぶれになる。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
鋼材は輸入に脅かされる古い産業から、国内の安全保障と産業政策で守られる産業へ変わった。232 条の 50% 関税と、アンチダンピング・相殺関税で、完成鋼材の輸入は前年比 25% 減り、ニューコアの製鋼出荷は 2 四半期連続で過去最高、稼働率は 91%。受注残と受注の入りはほぼ全部の製品で過去最高と経営陣が述べ、7〜9 月期も製鋼・鋼材製品は増益の見通し。年率の純利益は 50 億ドルに達する。
供給も自社に有利に増える。ウェストバージニアのシート工場は 2027 年初に出荷を始め、売れる先は自動車・建築・家電と輸入の置き換え。ケンタッキーの厚板、レキシントンの小型電炉などの新設は、すでに利益に貢献している。需要はデータセンター、送電網、製造業の国内回帰、インフラ法で増え、非住宅は鋼材の最大の用途。電炉は高炉に比べて排出と費用が小さく、米国の鋼は電炉に置き換わっていく。
10 年で見ると、物価が 3.5% ずつ上がる世界で、鋼材の売値も名目で 1.4 倍以上になり、製鋼の 1 トンあたり利益は 2022 年の 400 ドル台、2023 年の 200 ドル台から谷の 2025 年の 90 ドルまで振れるが、通期の平均は慎重な想定より上にある。電炉の鋼が高炉の鋼を置き換え、シェアが上がる分だけ数量が伸び、純利益は 10 年後に 60〜77 億ドルになる、というのが強気の見方。
慎重な見方
今の純利益は、関税という政策と、まだ新設が立ち上がっていない時期という 2 つの偶然が重なった山だ。232 条は政権が変わる・貿易交渉の取引材料になる・例外が増えるたびに弱まり、輸入が戻れば価格はすぐ落ちる。2021〜22 年の山のあとの 2024〜25 年に、ニューコアの純利益は 17〜20 億ドル、利益率は 8〜10% まで下がった。3 年で 4 分の 1 になる事業を、山の年率 50 億ドルで評価してはいけない。
供給は 2027〜28 年に 400 万トン以上増え、ニューコア自身のウェストバージニアも含まれる。新工場の立ち上げ費用は 4〜6 月期でも 1.2 億ドルで、最初の 1 年の稼働率は 5 割。業界全体の稼働率が 8 割を超えているのは関税のおかげで、需要が伸びなくても供給が増えれば、価格競争が戻る。鋼材製品は鋼の値上がりを転嫁しきれず、4〜6 月でも売値は横ばい(2,415 ドル)。
2026 年上半期の製鋼の利益には、過去の調達費の払い戻し 1.3 億ドルとヘリオンの含み益 0.6 億ドルも混ざる。時価総額 592 億ドルは、山の純利益の 12 倍でも、ならした利益 30〜40 億ドルの 15〜20 倍にあたり、過去の中央値 15 倍を上回る。自社株買いも山で増えている。
どちらに重みを置いたか
今の利益が山に近いという慎重な見方が、値段の点で強い。一方、輸入の減少・過去最高の受注・A−の財務という強気の材料は本物で、楽観とやや楽観に合計 35% を置いた。中立の純利益は今の年率(50 億ドル)の 6〜9 割で、悲観・やや悲観は合計 35%。谷は 2009 年型でも黒字を守る電炉の強みを反映し、悲観は稼ぐ力(純利益 ÷ k)で置いた。資本コストは循環と値決めの弱さを載せて 9.5%。結論は「事業は残り堀もあるが、今の値段は山の利益を織り込みすぎ」で、確率で加重した価値は今の約 49%。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 185.28 ドル428 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 81.77 ドル189 億ドル)。 今の値に割り戻すと 126.71 ドル293 億ドル、今との差 −50.9%、 期待の年率 +0.3%(資本コスト 9.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 12% | 380.35 ドル879 億ドル | 142.86 ドル330 億ドル | +102.7% | +7.3% | 62.78 ドル145 億ドル |
| やや楽観 | 23% | 265.37 ドル613 億ドル | 108.23 ドル250 億ドル | +44.8% | +3.8% | 85.93 ドル198 億ドル |
| 中立 | 30% | 195.84 ドル452 億ドル | 82.25 ドル190 億ドル | +7.8% | +0.8% | 83.43 ドル193 億ドル |
| やや悲観 | 23% | 69.87 ドル161 億ドル | 51.95 ドル120 億ドル | −52.8% | −7.2% | 28.02 ドル65 億ドル |
| 悲観 | 12% | 31.47 ドル73 億ドル | 25.97 ドル60 億ドル | −77.7% | −13.9% | 6.89 ドル16 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 185.28 ドル428 億ドル | 81.77 ドル189 億ドル | +3.5% | +0.3% | 267.05 ドル617 億ドル |
今の株価時価総額 258.06 ドル596 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.5% を下回るほど割高。
楽観 12% 楽観:電炉への置き換えと国内回帰で、数量とシェアが伸び続ける 利益 77 億ドル · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 380.35 ドル879 億ドル
2035 年、電炉が高炉を置き換える流れが進み、国内回帰・データセンター・送電網・再エネ設備の鋼材で、米国の鋼材市場は 10 年で 1.18 倍。ニューコアの外販は 2,900 万トン(シェア 27%)に伸び、売値は 1 トン 1,500 ドル(2025 年比 1.52 倍、物価 1.41 倍を上回る)。1 トンあたり利益は 290 ドル(2022 年の山の 7 割)で、営業利益 110 億ドル、純利益 77 億ドル。成熟した ROE 約 17%(のれんを除くと約 18%)で、式の上限(k 9.5%・g 4%)の 9.5 割、PER 11.4 倍。関税の恩恵が長く残り、新設は需要に吸収される。
- 製鋼(鋼材の製造・外販):数量 29.0(外販の出荷(百万トン)=米国の鋼材市場(約 90 百万トン)× 外販シェア)× 価格 15(外販 1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。9.85 = 985 ドル/トン))→ 売上 435 億ドル・営業利益 105 億ドル。外販 29.0 百万トン × 1 トン 1500 ドル、1 トンあたり利益(出荷ベース)290 ドル
- 鋼材製品(加工品):数量 6.5(外販トン数(百万トン))× 価格 35(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。23.3 = 2,330 ドル/トン))→ 売上 228 億ドル・営業利益 34 億ドル。外販 6.5 百万トン × 1 トン 3500 ドル、利益率 15.0%
- 原料・その他(スクラップ取引など):数量 3.2(外販トン数(百万トン))× 価格 15(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。9.79 = 979 ドル/トン))→ 売上 48 億ドル・営業利益 5 億ドル。外販 3.2 百万トン × 1 トン 1500 ドル、利益率 11.0%
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 16.4%(純利益 ÷ 自己資本)、k 9.50%、堀は弱い(残る割合 0.33)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 11.8%。長期の g 4.0% で (1 − g÷RONIC)÷(k − g) = 上限 12.0 倍。電炉への置き換えが進む姿でも、市況で利益が振れるので、上限の 9.5 割の 11.4 倍に置いた。純利益は GAAP。
確率:電炉への置き換え・国内回帰・データセンターと送電網の需要が重なり、関税の恩恵も残る展開。鋼材で 10 年これだけ揃う確率は 1 割台。
やや楽観 23% やや楽観:関税が緩く残り、1 トンあたり利益が 2023 年並みを保つ 利益 59 億ドル · PER 10.4 倍 · 株価時価総額 265.37 ドル613 億ドル
2035 年、市場は 10 年で 1.13 倍、ニューコアの外販は 2,700 万トン。売値は 1 トン 1,420 ドル(2025 年比 1.44 倍)、1 トンあたり利益は 245 ドルで 2023 年に近い水準を保つ。鋼材製品は非住宅とインフラで数量 6.1 百万トン、利益率 13.5%。営業利益 86 億ドル、純利益 59 億ドル。ROE 約 14%(のれんを除くと約 15%)・g 4% の式の上限の 9 割で PER 10.4 倍。AI 向け以外にも、ウェストバージニアが稼働率を上げて固定費を薄め、立ち上げ費用が消える効果も入る。自社株買いは山の値段では抑えめで、還元は純利益の 5 割ほど。
- 製鋼(鋼材の製造・外販):数量 27.0(外販の出荷(百万トン)=米国の鋼材市場(約 90 百万トン)× 外販シェア)× 価格 14(外販 1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。9.85 = 985 ドル/トン))→ 売上 383 億ドル・営業利益 83 億ドル。外販 27.0 百万トン × 1 トン 1420 ドル、1 トンあたり利益(出荷ベース)245 ドル
- 鋼材製品(加工品):数量 6.1(外販トン数(百万トン))× 価格 33(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。23.3 = 2,330 ドル/トン))→ 売上 201 億ドル・営業利益 27 億ドル。外販 6.1 百万トン × 1 トン 3300 ドル、利益率 13.5%
- 原料・その他(スクラップ取引など):数量 3.0(外販トン数(百万トン))× 価格 14(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。9.79 = 979 ドル/トン))→ 売上 43 億ドル・営業利益 4 億ドル。外販 3.0 百万トン × 1 トン 1420 ドル、利益率 9.5%
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 13.9%(純利益 ÷ 自己資本)、k 9.50%、堀は弱い(残る割合 0.33)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 11.0%。長期の g 4.0% で (1 − g÷RONIC)÷(k − g) = 上限 11.5 倍。関税が緩く残る姿でも、市況で利益が振れるので、上限の 9.0 割の 10.4 倍に置いた。純利益は GAAP。
確率:電炉の優位と関税の継続で、1 トンあたり利益が 2023 年並みで保たれる展開。強気の見方の中心。
中立 30% 中立:数量は年 +1%・価格は物価並みよりやや下、利益は 2023 年水準へならされる 利益 45 億ドル · PER 10.0 倍 · 株価時価総額 195.84 ドル452 億ドル
2035 年、市場は年 +1%(10 年で 1.10 倍)、ウェストバージニアなど新設の分だけシェアを 22% から 25.5% に上げ、外販は 2,520 万トン。売値は 1 トン 1,350 ドル(2025 年比 1.37 倍で、物価 1.41 倍よりやや下。新設と輸入の圧力)。1 トンあたり利益は名目 210 ドル(実質で約 150 ドル、2025 年の約 90 ドルと 2023 年の約 230 ドルの間)。製鋼 66 億、鋼材製品 22 億、原料 3 億、本社・消去 −24 億で営業利益 67 億、純利益 45 億ドル(2025 年の 2.7 倍)。借り換えによる利払いの増加は約 1 億ドル。ROE 約 12%(のれん 43 億ドルを除くと約 14%)・g 4%・k 9.5% の式の上限の 9 割で PER 10.0 倍(10 年目の利益に掛ける)。今の 34 倍や足元の 12 倍には寄せていない。
- 製鋼(鋼材の製造・外販):数量 25.2(外販の出荷(百万トン)=米国の鋼材市場(約 90 百万トン)× 外販シェア)× 価格 14(外販 1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。9.85 = 985 ドル/トン))→ 売上 340 億ドル・営業利益 66 億ドル。外販 25.2 百万トン × 1 トン 1350 ドル、1 トンあたり利益(出荷ベース)210 ドル
- 鋼材製品(加工品):数量 5.7(外販トン数(百万トン))× 価格 32(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。23.3 = 2,330 ドル/トン))→ 売上 183 億ドル・営業利益 22 億ドル。外販 5.7 百万トン × 1 トン 3215 ドル、利益率 12.0%
- 原料・その他(スクラップ取引など):数量 2.9(外販トン数(百万トン))× 価格 13(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。9.79 = 979 ドル/トン))→ 売上 39 億ドル・営業利益 3 億ドル。外販 2.9 百万トン × 1 トン 1350 ドル、利益率 8.0%
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 12.0%(純利益 ÷ 自己資本)、k 9.50%、堀は弱い(残る割合 0.33)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 10.3%。長期の g 4.0% で (1 − g÷RONIC)÷(k − g) = 上限 11.1 倍。1 トンあたり利益を 2023 年水準へならした利益で、市況で利益が振れるので、上限の 9.0 割の 10.0 倍に置いた。純利益は GAAP。
確率:数量は市場が年 +1%、新設の分だけシェアを上げ、価格は物価並みよりやや下。1 トンあたり利益は 2023 年と 2025 年の間へならされる。議論の落としどころ。
やや悲観 23% やや悲観:新設の連続と関税の後退で、価格が物価に追いつかない 利益 22 億ドル · PER 7.4 倍 · 株価時価総額 69.87 ドル161 億ドル
2035 年、2030 年代に入っても新設が続き、関税も弱まって、鋼材価格が物価に追いつかない。売値は 1 トン 1,180 ドル(2025 年比 1.20 倍、物価 1.41 倍を 15% 下回る)。外販は 2,300 万トン、1 トンあたり利益は 120 ドル。鋼材製品は利益率 9.5%。営業利益 34 億ドル、純利益 22 億ドル。ROE が資本コストを下回り、PER は 1÷k の約 10.5 倍の 7 割、7.4 倍。配当と設備投資は A−の財務で維持するが、自社株買いは抑えられ、還元は純利益の 5 割強にとどまる。この筋書きは、電炉でも価格が物価に追いつかない構造の弱さが出て、シェアは 20% 台前半で横ばいになる場合を想定する。
- 製鋼(鋼材の製造・外販):数量 23.0(外販の出荷(百万トン)=米国の鋼材市場(約 90 百万トン)× 外販シェア)× 価格 12(外販 1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。9.85 = 985 ドル/トン))→ 売上 271 億ドル・営業利益 35 億ドル。外販 23.0 百万トン × 1 トン 1180 ドル、1 トンあたり利益(出荷ベース)120 ドル
- 鋼材製品(加工品):数量 5.2(外販トン数(百万トン))× 価格 29(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。23.3 = 2,330 ドル/トン))→ 売上 151 億ドル・営業利益 14 億ドル。外販 5.2 百万トン × 1 トン 2900 ドル、利益率 9.5%
- 原料・その他(スクラップ取引など):数量 2.6(外販トン数(百万トン))× 価格 12(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。9.79 = 979 ドル/トン))→ 売上 32 億ドル・営業利益 2 億ドル。外販 2.6 百万トン × 1 トン 1220 ドル、利益率 5.0%
倍率:事業の ROE 7.9% が k 9.50% 以下なので、ためた利益の価値は額面未満で PER は 1÷k = 10.5 倍まで。ROE が k に届かず、ためた利益の価値は額面未満なので、上限の 7.0 割の 7.4 倍に置いた。純利益は GAAP。
確率:新設が 2030 年代も続き、関税が弱まる展開。鋼材では起きやすく、中立より少し厚めの 23% に置いた。
悲観 12% 悲観:関税の撤廃と過剰供給で、数量もシェアも失い、利益が長く低迷する 利益 7 億ドル · PER 10.5 倍 · 株価時価総額 31.47 ドル73 億ドル
2035 年、232 条の関税が撤廃され、中国・東南アジアの輸出が戻り、新設で国内の供給も過剰になる。稼働率は 75% 以下が長く続き、売値は 1 トン 1,050 ドル(2025 年比 1.07 倍で、実質では 25% 安)、外販は 2,000 万トンに減り、1 トンあたり利益は 55 ドル。営業利益 15 億ドル、純利益 7 億ドルで、もう優良な電炉とは言えない。稼ぐ力(純利益 7 億ドル ÷ k 9.5%)で測る(過去の最小 1.37 倍の PBR を大きく下回るのは構造悪化のため)。それでも A−の財務と現金・資産の厚さが下の床になり、赤字にはならない。
- 製鋼(鋼材の製造・外販):数量 20.0(外販の出荷(百万トン)=米国の鋼材市場(約 90 百万トン)× 外販シェア)× 価格 11(外販 1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。9.85 = 985 ドル/トン))→ 売上 210 億ドル・営業利益 14 億ドル。外販 20.0 百万トン × 1 トン 1050 ドル、1 トンあたり利益(出荷ベース)55 ドル
- 鋼材製品(加工品):数量 4.5(外販トン数(百万トン))× 価格 25(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。23.3 = 2,330 ドル/トン))→ 売上 113 億ドル・営業利益 7 億ドル。外販 4.5 百万トン × 1 トン 2500 ドル、利益率 6.0%
- 原料・その他(スクラップ取引など):数量 2.2(外販トン数(百万トン))× 価格 11(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。9.79 = 979 ドル/トン))→ 売上 23 億ドル・営業利益 1 億ドル。外販 2.2 百万トン × 1 トン 1050 ドル、利益率 2.0%
倍率:事業の ROE 3.5% が k 9.50% 以下なので、ためた利益の価値は額面未満で PER は 1÷k = 10.5 倍まで。構造的に負けた筋書きで、稼ぐ力(純利益 ÷ k)まで、上限の 10.0 割の 10.5 倍に置いた。純利益は GAAP。
確率:関税の撤廃と過剰供給が重なり、鋼材が再び輸入に押される構造悪化。稼働率 75% 以下が続く。優良ではなくなるが、A−の財務は残るので 1 割強に置いた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
製鋼(鋼材の製造・外販)
電炉でシート・棒鋼・形鋼・厚板を作り外部に売る。社内向け(約 2 割)は鋼材製品の売上に回る。
| 数量外販の出荷(百万トン)=米国の鋼材市場(約 90 百万トン)× 外販シェア | 価格外販 1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。9.85 = 985 ドル/トン) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 20.2 | 9.85 | 199 | 24 |
| 10 年後 中立 | 25.2 | 14 | 340 | 66 |
取り方:外販 1,027 万トン(2025 年上半期)、売値 989 ドルを通年に延ばし、20.2 百万トン × 985 ドル = 199 億ドルと推定(kabufu にセグメントが無いため。推定)。市場は米国の鋼材出荷 約 90 百万トン(推定)で外販シェアは約 22%(社内向けを含む出荷全体では約 3 割)。利益は 1 トンあたり(出荷ベース 約 26 百万トン)で約 90 ドル、税引前 23.5 億ドルの推定。競合と照らすと、スチール・ダイナミクスが 13 百万トン級、クリーブランド・クリフスと USスチールの高炉勢、CMC が続き、ニューコアは電炉の首位。
鋼材製品(加工品)
鉄筋加工・ジョイスト・デッキ・鋼管・メタルビル・ラックなど、鋼を加工して建築・インフラへ売る。
| 数量外販トン数(百万トン) | 価格1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。23.3 = 2,330 ドル/トン) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 4.4 | 23 | 103 | 13 |
| 10 年後 中立 | 5.7 | 32 | 183 | 22 |
取り方:2025 年上半期の外販 219 万トン・売値 2,313 ドルから通年 4.4 百万トン × 2,330 ドル = 約 103 億ドル(推定)。利益は上半期 6.8 億ドルの 2 倍弱で約 13 億ドル(利益率約 13%)。市場は非住宅建築向けの加工鋼材で、数量はシェアより案件の量と買収で動く。競合は STLD の加工・CMC の鉄筋・地域の加工業者。
原料・その他(スクラップ取引など)
DJ ジョセフによるスクラップの収集・加工・取引、銑鉄・還元鉄の販売など。電炉の原料を押さえる役。
| 数量外販トン数(百万トン) | 価格1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。9.79 = 979 ドル/トン) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2.4 | 9.79 | 24 | 2 |
| 10 年後 中立 | 2.9 | 13 | 39 | 3 |
取り方:全社の売上 325 億ドルから製鋼 199 億・鋼材製品 102.5 億を引いた残りが原料・その他の 23.5 億ドル(推定。外販約 2.4 百万トン)。利益は上半期 0.86 億ドルの 2 倍強で約 1.8 億ドル。スクラップの価格に左右される薄い事業。
リスクと懸念
関税(232 条)の緩和・撤廃
2026 年の利益の山は、鉄鋼への 50% 関税が輸入を 25% 減らしたことに大きく依存する。関税は政策で、貿易交渉の材料や例外(農機・設備向けなど)で弱まりうる。輸入が戻れば熱延コイルの値は短い期間で数百ドル動き、製鋼の利益は 1 トンで 100 ドル以上変わる。
2027〜28 年の新設の重なり
2 年で 400 万トン超の新設が完工し、ニューコアのウェストバージニアのシート工場(初年の稼働率は約 5 割)もその 1 つ。需要が伸びなくても供給が増えれば、稼働率が 8 割を割り価格競争が戻る。立ち上げ費用は 4〜6 月期でも 1.2 億ドルかかっている。
景気循環と利益の振れ
利益率は 2021 年 25.6%、2025 年 8.3%、最悪は 2009 年 −1.3%。純利益は 3 年で 4 分の 1 になりうる。電炉は減産して黒字を保てるが、建築・自動車・エネルギーが同時に落ちるリーマン型では数量が 3 割減る。
鋼材製品の利益率の圧縮
鋼が上がる局面では、製品価格への転嫁に時間がかかり、鋼材製品の利益率が下がる(2026 年 4〜6 月も売値は横ばいの 2,415 ドル)。製鋼の利益の山を、鋼材製品が一部打ち消す形になり、全社の営業利益率は製鋼のスプレッドほどには上がらない。
山の局面での自社株買い
自社株買いは山で増え、谷で絞られる傾向があり、ならした利益の 15〜20 倍にあたる今の値段で買うことは、本質価値を大きく増やさない。設備投資が年 25 億ドルと重い間は、フリー・キャッシュフローが還元を下回る年もありうる。
スクラップ・電力のコストと中国の過剰能力
電炉はスクラップ(1 トン 422 ドル)と電力に費用の大半が出る。スクラップの高騰や電力の値上がりを売値に転嫁できない局面は利益を圧縮する。中国の鋼材の過剰能力は、関税が弱まると米国へ向かう圧力として残る。
今後の分かれ目
- 232 条関税が緩和され、完成鋼材の輸入が前年比プラスに戻ったら
- 熱延コイルの値が下がり、製鋼の 1 トンあたり利益が 150 ドルを割る方向。中立の利益を 1〜2 割下げ、やや悲観の確率を上げる。
- ウェストバージニアの立ち上げが遅れる、または初年の稼働率が 5 割を大きく下回ったら
- 立ち上げ費用が長引き、2027〜28 年の利益を削る。10 年の中立のシェア 25.5% を 24% 台に下げて見る。
- 製鋼の外販売値が 1 トン 1,200 ドルを超えて 2 年以上保たれ、稼働率が 85% を上回り続けたら
- 楽観の確率を上げる。ただし山の利益には高い倍率が付かないので、時価総額の上振れは利益の増加ほどにはならない。
- 鋼材製品の利益率が製鋼の値上がりにもかかわらず 10% を割ったら
- 転嫁力が弱いと見て、鋼材製品の利益率を 1〜2 ポイント下げる。
- 景気後退で建築・自動車向けの数量が 2 割以上落ち、株価が 4〜5 割下がったら
- 電炉が黒字を守る実績が確認できれば、ならした利益の 11〜12 倍にあたる値段は安全域のある買い場になる。過去の PBR の最小 1.37 倍が目安。
- 時価総額がならした利益(30〜40 億ドル)の 12 倍前後(350〜400 億ドル)まで下がったら
- 本質価値(中立の成熟後の倍率)を 2 割以上下回り、割安の範囲に入る。同じ還元額でも自社株買いの価値の増え方が大きくなる。
見ておくもの
- 熱延コイル(HRC)の値とスクラップのスプレッド
- 完成鋼材の輸入量と 232 条関税の扱い
- 業界の稼働率(80% を超えて保たれるか)とニューコアの製鋼の稼働率(91%)
- ウェストバージニアの立ち上げの進み方と立ち上げ費用
- 製鋼の 1 トンあたり利益(2026 年上半期は出荷ベースで約 190 ドル)
- 鋼材製品の売値(2,415 ドル)と利益率
- 設備投資(年 25 億ドル)と自社株買いの額
- 非住宅建築・データセンター・自動車の鋼材需要
倍率と資本コストの決め方
今の PER 34 倍(谷の利益で割った値)や、年率利益で割った 12 倍(山の利益)を先に見ず、製鋼・鋼材製品・原料の 3 事業を出荷トン × 1 トンの売値で積み上げ、1 トンあたりの利益(製鋼は出荷ベースで 10 年中立 210 ドル)から純利益を出した。倍率は k 9.5%・g 4%・のれんを除いた事業の ROE の式を上限とし、その 9〜9.5 割に置いた(中立は 10.0 倍、10 年目の利益に掛ける。ROE が k に届かない筋書きは 1÷k まで)。悲観は稼ぐ力(純利益 ÷ k)で二重に下げていない。中立の純利益を今の年率の 6〜9 割に置くのが保守的すぎないかも点検した。1 トンあたり利益 210 ドル(実質で約 150 ドル)は 2025 年の 2 倍以上で、2023 年の水準に近く、関税の恩恵も一部入っている。結論は計算が決めたもので、割安・割高の方向に寄せていない。
資本コスト 9.5% = 無リスク金利 5% + β 1.56 × 5%。k = 基本 8.0% + quality 1.5% = 9.5%。鋼材は景気と関税で 1 トンあたり利益が 90 ドルから 400 ドル台まで振れるので循環に +1.0%、輸入材と競う価格は市場に決められるので値決めに +0.5%。純負債は時価総額の 8% で借金は 0、寿命は 0。上乗せは 0(財務は A− 格付けで存続の不安はない)。新設の立ち上げや関税の変更などの個別のリスクは k に足さず、筋書きの数量・利益率と悲観の確率で表した。g は 4〜4.5% ではなく、k − g ≥ 3.5% の守りの内側の 4% 以下で見た。