結論
スコッツ・ミラクルグローは、Scotts、Miracle-Gro、Ortho、Tomcatを束ね、北米の家庭向け芝生・園芸用品で最大級の棚と認知を持つ会社である。筆者の結論は「やや割安だが、安全域は薄い」である。会社説明では約120億ドルのDIY市場で約33%を占め、11の細分市場のうち8つで首位に立つ。培養土、肥料、種子、除草・害虫対策という消耗品は10年後も必要で、強いブランドと小売網は残る公算が大きい。
2026年6月までの9か月は継続事業の売上が2.4%増え、米国消費者事業の利益は6.1%増えた。赤字と変動を持ち込んだHawthorneは4月に売却され、経営は本業、粗利、在庫、負債に集中している。一方、売上の52%をホーム・デポとロウズに頼り、純負債は23億ドル、自己資本は買い戻しの累積でマイナスである。ブランドの強さだけで財務の弱さを消すことはできない。
中立では、ガーデンとコントロールが実質で伸び、芝生は少し縮み、価格はおおむね物価に沿う。2035年の売上は約50億ドル、営業利益は7.9億ドル、GAAP純利益は4.5億ドルとなる。確率加重した現在価値は約39億ドルで、足元の時価総額約35億ドルを約1割上回る。Hawthorneの再発を避け、負債を減らしながら年2〜4%の売上成長を実現できれば報われるが、今の値段には大きな失敗を吸収する余白まではない。
バリュー投資の観点から
長期の所有者が最初に問う「10年後も必要か」には、明確にイエスと答えられる。家庭は植物を育て、芝生を整え、雑草や害虫を除く。消耗品なので一度売って終わりでもない。ブランド、全国の棚、重い土を近くでつくる供給網、季節在庫の知識は、10年後も競争相手の参入費用になる。
次に見るべきは、利益を増やすための資本である。本業は設備投資が売上の数%で済み、広告、研究、品ぞろえに再投資した後も現金が残る。Hawthorneを外したことで、オーナー利益は会計利益に近づく。
ただし、その現金を過去に割高な買い戻しと周辺事業へ使ったため、経営の規律は実績で確認し直さなければならない。負債が大きい会社では、配当と買い戻しより返済が先である。
中立の10年後時価総額は62億ドル、10年間の正味還元は24億ドルである。五つの筋書きを資本コスト8.5%で現在に戻すと約39億ドルとなり、現在の約35億ドルを1割ほど上回る。事業の質には払えるが、二大小売、Roundup契約、天候、資本配分の失敗を考えると、深い安全域とは呼べない。長く持つ条件は、負債を減らしながら本業のシェアと粗利を保つことである。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの中心は米国の家庭向け芝生・園芸用品である。ガーデンは培養土、マルチ、植物用栄養剤、園芸用品、芝生は肥料、種子、散布機、コントロールは除草剤、殺虫剤、害獣対策で構成される。製品を工場でつくり、ホームセンター、量販店、独立店、電子商取引へ卸す。2025年9月期の売上34.1億ドルのうち、米国ガーデンが15.3億ドル、芝生が9.1億ドル、自社コントロールが3.9億ドルで、本業の大半を占めた。
販売は春に偏り、年間売上の4分の3以上が会計年度の第2・第3四半期に立つ。ホーム・デポが34%、ロウズが18%を占めるため、消費者より先に二社の棚、在庫、販促判断が業績を動かす。規模は物流、全国広告、店頭データ、品ぞろえを支えるが、同時に大口小売の交渉力も強い。広告費は売上の4.5%、研究開発費は0.35億ドルで、認知と新製品を継続して買う事業である。
Roundupは自社製品ではなく、バイエル傘下モンサントの消費者向け事業を独占的に販売する契約である。報酬はProgram EBITの50%を基礎に、年0.18億ドルの負担と販促費の償還を組み合わせ、2025年の契約収益は1.59億ドルだった。カナダ事業とBonnie Plantsの持分もある。屋内栽培用品のHawthorneは2026年4月にVireoへ売却され、Vireo株約14%とワラントを受け取ったが、売却損と追加支援が残るため、将来の本業売上には加えていない。
優良さと弱いところ
堀、つまり他社が簡単にまねできない強みは、ブランドだけでなく、棚とデータを一体で押さえている点にある。会社説明ではDIY市場の約33%を占め、11の細分市場のうち8つで首位である。Scottsは芝生、Miracle-Groは植物栄養と培養土、OrthoとTomcatは問題解決という明確な役割を持つ。全国広告、研究開発、季節ごとの小売在庫計画、重くて運びにくい培養土の地域供給網を同時に持つため、単一商品で参入する会社より棚を取りやすい。
値決め力は強いが絶対ではない。2025年は販促を増やしたため価格要因が0.6%の減収となり、ブランドがあっても小売と消費者の抵抗を無視できなかった。ホーム・デポとロウズが売上の半分を超え、マルチや土には地域業者とプライベートブランドがいる。したがって、物価を恒常的に上回る値上げより、プレミアム品への構成改善と欠品の削減で利益を伸ばす会社と見るべきである。
資本効率は見かけより評価が難しい。過去の自社株買いで自己資本がマイナスになり、帳簿ROEは使えない。HawthorneとBonnie Plantsでは大きな減損を出し、資本配分の傷も明白である。
それでも本業は少ない増分設備で現金を生み、2025年の米国消費者事業の利益率は19%だった。10年後もブランドと棚は残ると見て堀は強いとしたが、借金と小売集中のため「何も考えず持てる優良さ」ではない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
会社が示す2025年の米国DIY芝生・園芸市場は約120億ドルで、コントロール55億ドル、ガーデン45億ドル、芝生20億ドルに分かれる。2030年には約150億ドルを見込むが、三領域の質は違う。コントロールは害虫・雑草という明確な問題を解くため電子商取引と新カテゴリーが伸び、ガーデンは自家栽培、健康、室内園芸、有機資材が支える。芝生は水使用、住宅の庭の小型化、子どもやペットと使う空間への嗜好変化で最も成熟している。
SMGの全体シェアは約33%で、推定ではガーデンが3割台半ば、芝生が約5割、自社コントロールが1割台半ばである。競合は、芝生のPenningtonを持つセントラル・ガーデン&ペット、Spectracideなどを持つスペクトラム・ブランズ、BioAdvancedのSBMライフサイエンス、土・マルチのオールドキャッスル、プレミア・テック、地域業者と小売の自主企画品である。Roundupを加えるとコントロールの棚は広いが、そのブランドと規制登録はバイエル側にある。
同じ「肥料・種子」に置かれるCF、モザイク、コルテバとは収益の決まり方が違う。農家の作付面積や国際肥料市況より、米国住宅、天候、小売棚、ブランド、販促が重要である。10年の中立では、市場の実質成長とシェアを合わせてガーデンを約16%、自社コントロールを約18%増やす一方、芝生を約3%減らした。
主な破壊要因は、長い干ばつと散水規制、化学農薬への規制、プライベートブランド、専門サービスへの移行である。AIは商品需要を置き換えず、検索、販促、需要予測の効率を変えるにとどまる。
資本政策と M&A
資本配分の過去は褒めにくい。成熟した本業の現金を自社株買いに回し、自己資本をマイナスにしたうえ、Hawthorneの屋内栽培用品へ広げて減損と売却損を出した。Bonnie Plantsでも2023年と2024年に計1.57億ドルの減損を計上した。ブランド会社としては本業の再投資利回りが高いのに、周辺事業でその利点を薄めた。
2026年6月にネイト・バクスターがCEOとなり、取締役会議長は分離された。ただしCEOは約23%を持つハゲドーン・パートナーシップのゼネラル・パートナーでもあり、少数株主は一族の長期志向と影響力の両方を受ける。会社はレバレッジを中期3.0〜3.5倍、長期3倍未満へ下げ、設備投資を売上の2.5〜3.5%に抑える方針である。2026年9月には2.5億ドルの社債を償還し、5億ドルの買い戻し枠を動かし始めたが、買い戻しは負債削減に劣後すると説明している。
Black Kowの取得オプションは行使されたものの、分析時点で公式な完了開示を確認できないため数字には入れていない。今後の買収は本業隣接、小型、初年度から増益、レバレッジ中立という条件を守る必要がある。10年の還元は配当と買い戻しから株式報酬の希薄化を引いた正味で置き、好況でも利益を全額返さず、まず財務を直す前提とした。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
ブランドの寿命と未開拓の需要を過小評価してはいけない。会社の製品を買う世帯は、培養土で約4割に達する一方、多くのカテゴリーでは1割前後にとどまる。庭を持つ世帯の増加が乏しくても、一世帯当たりの利用回数、室内園芸、有機資材、害虫対策、電子商取引を広げる余地がある。会社は実店舗で約半分のシェアを持つ商品が多いのに、オンラインでは1割台にとどまると説明しており、棚の強さをデジタルへ移すだけでも成長源になる。
2026年6月までの9か月は、米国消費者事業の売上が2.1%増え、利益が6.1%増えた。Hawthorneを切り離したため、低い粗利、在庫処分、資金支援が本業を曇らせない。会社の2027〜2029年目標は売上年2〜4%、粗利率の年0.5〜1.0ポイント改善、自由現金流量2.75億ドル超である。SKU削減、物流自動化、需要予測、広告の精度が進めば、売上が大きく伸びなくても営業利益は速く増える。
ブランド群は一社で庭、芝生、雑草、害虫を横断し、小売にとって棚を任せやすい。物価に沿う価格改定とプレミアム化が続き、ガーデンとコントロールの実質数量が増えれば、2035年の純利益は7億ドルに届く。負債を減らした後の余剰現金を買い戻しへ回せば、長期の所有者は事業成長と還元の両方を得る。
慎重な見方
成熟した芝生用品に強いことは、将来の成長を保証しない。会社自身が芝生を最も難しいカテゴリーと認め、消費者は完璧な芝より、子どもやペットが使える低管理の庭を好む。西部の干ばつ、散水制限、農薬規制が強まれば、肥料、種子、除草剤の使用回数は減る。コントロールと電子商取引が伸びても、そこには小規模な専門ブランドが次々と入り、検索画面では全国の棚という優位が薄くなる。
ホーム・デポとロウズが売上の52%を握る。二社が在庫を一段減らす、棚を自主企画品へ移す、販促費を要求するだけで、メーカーの数量と価格は同時に傷む。2025年は販売促進を増やした結果、価格要因がマイナスだった。Roundupは利益率の高い契約だが、Program EBITが0.5億ドルを下回れば無償解除が可能で、ブランドの法的・規制上の運命はバイエルにある。
財務には過去の判断が残る。純負債は時価総額の約3分の2で、季節運転資金は大きく、信用枠の余裕も無限ではない。Hawthorneはほぼ現金を回収せずに売り、Vireo株とワラントの価値も不確実である。
Bonnie Plantsの減損も、周辺成長を高く見積もった証拠だ。再び買い戻しや小型買収を返済より優先すれば、ブランドの現金は債権者と失敗案件へ流れ、株主の取り分は増えない。
どちらに重みを置いたか
事業の寿命とブランドの強さは上向きの根拠として十分だが、財務と流通の集中は無視できない。確率は楽観側29%、中立34%、慎重側37%と、わずかに下へ寄せた。Hawthorne売却と本業の利益回復で破綻の尾は小さくなった一方、借金、二大小売、Roundup、天候は同時に悪化しうる。
確率加重価値は現在時価総額を約1割上回るため結論はやや割安だが、負債削減が止まれば適正以下へ戻る。中立の10年総還元は現在価値で資本コストをわずかに上回る程度で、判断の中心は値上がり余地より下方耐性にある。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 91.90 ドル54 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 37.65 ドル22 億ドル)。 今の値に割り戻すと 65.68 ドル39 億ドル、今との差 +5.5%、 期待の年率 +9.2%(資本コスト 8.5%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 196.76 ドル116 億ドル | 63.03 ドル37 億ドル | +317.4% | +18.7% | 20.78 ドル12 億ドル |
| やや楽観 | 21% | 150.51 ドル88 億ドル | 52.81 ドル31 億ドル | +226.7% | +15.3% | 42.70 ドル25 億ドル |
| 中立 | 34% | 105.79 ドル62 億ドル | 40.89 ドル24 億ドル | +135.7% | +10.8% | 49.87 ドル29 億ドル |
| やや悲観 | 25% | 32.37 ドル19 億ドル | 25.55 ドル15 億ドル | −6.9% | −0.9% | 14.48 ドル9 億ドル |
| 悲観 | 12% | 4.09 ドル2 億ドル | 10.22 ドル6 億ドル | −77.0% | −18.9% | 1.72 ドル1 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 91.90 ドル54 億ドル | 37.65 ドル22 億ドル | +108.1% | +9.2% | 129.55 ドル76 億ドル |
今の株価時価総額 62.24 ドル37 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 8% 楽観:デジタルと新カテゴリーでシェアを取り、粗利改善と負債削減が両立 利益 7 億ドル · PER 16.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 196.76 ドル116 億ドル
2035年。ガーデンでは有機資材、室内園芸、プレミアム培養土が広がり、コントロールでは害虫・雑草の新製品と電子商取引が伸びる。実質数量はガーデンが2025年比30%、自社コントロールが40%増え、成熟した芝生もシェア獲得で12%増える。
平均価格は物価1.41倍をやや上回り、売上は約61億ドルとなる。U.S. Consumerの利益率は品ぞろえ削減、物流自動化、広告効率で上がり、全社営業利益は11.8億ドル、GAAP純利益は7.0億ドルに達する。
Roundup契約は続き、Program EBITと償還対象の販促規模も実質で増える。Hawthorneの追加損失はなく、Vireo持分は処分して負債へ回す。小型買収は本業の棚と供給網に載るものだけに絞り、レバレッジは2.5倍未満へ下がる。10年の純利益累計45億ドルのうち、株式報酬の希薄化を引いた正味37億ドルを配当・買い戻しで返し、自己資本は4.4億ドルまで戻る。
- 米国ガーデン(培養土・マルチ・植物栄養・園芸用品):数量 20.5(2025年価格の米国DIYガーデン市場(億ドル)×SMG推定シェア)× 価格 1.52(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 30 億ドル・営業利益 7 億ドル。市場の実質成長とシェア上昇で数量1.30倍。価格は物価を約8%上回り、プレミアム土・有機資材が構成を押し上げる。
- 米国ローン(芝生肥料・種子・散布機):数量 11.2(2025年価格の米国DIY芝生市場(億ドル)×SMG推定シェア)× 価格 1.46(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 15 億ドル・営業利益 4 億ドル。年間使用回数と種子・散布機の革新で数量1.12倍。価格は物価を少し上回る。
- 米国自社コントロール(除草・殺虫・害獣対策):数量 10.8(2025年価格の米国DIYコントロール市場(億ドル)×SMG自社ブランド推定シェア)× 価格 1.50(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 8 億ドル・営業利益 2 億ドル。オンライン、新しい害虫カテゴリー、Ortho・Tomcatの棚拡大で実質数量1.40倍。
- Roundup販売契約:数量 1.8(2025年価格の契約収益量(億ドル。Program EBITと販促費償還の実質規模))× 価格 1.48(名目化指数(2025=1.00))→ 売上 3 億ドル・営業利益 1 億ドル。契約は継続し、Program EBITの実質規模が14%増える。50%コミッションの経済性を維持。
- カナダ・その他:数量 3.2(2025年価格の純売上数量指数(億ドル。市場成長×推定シェア))× 価格 1.50(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 5 億ドル・営業利益 1 億ドル。実質数量1.27倍、価格は物価を少し上回る。米国の商品・物流を活用して利益率を改善。
- Hawthorne(売却済み屋内栽培用品):数量 0.0(2025年価格の売上数量指数(億ドル))× 価格 1.00(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。売却済み。Vireo持分の評価益は営業利益に入れない。
倍率:累積買い戻しで帳簿自己資本が歪むため、式のROEは税後営業利益と正常化投下資本から34%とした。k8.5%、堀strongの残存2/3でRONIC25.5%、長期g4.0%なら10年目利益に対する正当化PER上限は19.5倍。成長投資と天候変動をみて上限の約85%である16.5倍。純利益はGAAP。
確率:市場が2030年に150億ドルへ伸びるだけでなく、オンラインのシェア差、低い世帯浸透率、隣接カテゴリーをすべて取り込む筋書き。芝生の縮小も止まる必要があるため8%に限った。
やや楽観 21% やや楽観:SMG 2.0が計画どおり進み、ガーデンとコントロールが芝生の弱さを補う 利益 6 億ドル · PER 15.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 150.51 ドル88 億ドル
2035年。会社の売上成長2〜4%と粗利改善が2029年まで定着し、その後は市場並みに落ち着く。ガーデンの実質数量は22%、自社コントロールは27%増える。
芝生は散水規制と嗜好変化を受けても、種子、散布機、プレミアム肥料のシェアで4%増を保つ。価格は物価並みから少し上で、売上は約55億ドル、営業利益は9.6億ドル、GAAP純利益は5.7億ドルとなる。
Hawthorneを再び持たず、本業隣接の買収だけを供給網へ載せる。Roundupは継続するが、利益は市場成長並みにとどめる。負債削減と配当を優先し、買い戻しは評価が低い時だけ行う。
10年の純利益累計38億ドルから正味31億ドルを還元し、残りを財務の修復へ回すため、自己資本は3.4億ドルへ戻る。ブランドの堀は広がるというより、オンラインでも維持される。
- 米国ガーデン(培養土・マルチ・植物栄養・園芸用品):数量 19.2(2025年価格の米国DIYガーデン市場(億ドル)×SMG推定シェア)× 価格 1.47(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 27 億ドル・営業利益 5 億ドル。実質数量1.22倍。物価を約4%上回る価格は、プレミアム構成と有機資材の拡大による。
- 米国ローン(芝生肥料・種子・散布機):数量 10.4(2025年価格の米国DIY芝生市場(億ドル)×SMG推定シェア)× 価格 1.41(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 13 億ドル・営業利益 4 億ドル。市場は縮むが、シェアと使用回数の改善で数量1.04倍。価格は物価並み。
- 米国自社コントロール(除草・殺虫・害獣対策):数量 9.8(2025年価格の米国DIYコントロール市場(億ドル)×SMG自社ブランド推定シェア)× 価格 1.45(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 7 億ドル・営業利益 2 億ドル。実質数量1.27倍。電子商取引と隣接する害虫・問題解決カテゴリーで成長。
- Roundup販売契約:数量 1.7(2025年価格の契約収益量(億ドル。Program EBITと販促費償還の実質規模))× 価格 1.42(名目化指数(2025=1.00))→ 売上 2 億ドル・営業利益 1 億ドル。契約継続。実質の契約収益量は7%増、名目価格は物価並み。
- カナダ・その他:数量 3.0(2025年価格の純売上数量指数(億ドル。市場成長×推定シェア))× 価格 1.45(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 4 億ドル・営業利益 0 億ドル。実質数量1.17倍。品ぞろえと物流の共通化で利益率が改善。
- Hawthorne(売却済み屋内栽培用品):数量 0.0(2025年価格の売上数量指数(億ドル))× 価格 1.00(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。売却済み。営業価値は0。
倍率:正常化した式のROE31%、k8.5%、堀strongの残存2/3でRONIC23.5%。市場の実質成長、シェア微増、物価並みの価格から長期g3.8%とすると、10年目利益に対する正当化PER上限は18.5倍。利益の季節性と小売集中を考え、上限の約84%である15.5倍。純利益はGAAP。
確率:会社の中期目標をおおむね達成し、ブランドとオンラインが市場並み以上に伸びる筋書き。実行中の粗利改善には証拠が出始めたが、10年続ける難しさを考え21%。
中立 34% 中立:ガーデンとコントロールは伸び、芝生は緩やかに縮み、価格は物価並み 利益 5 億ドル · PER 13.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 105.79 ドル62 億ドル
2035年。DIY市場は名目では拡大するが、SMGの実質成長は領域で分かれる。ガーデンは有機資材、家庭菜園、培養土で16%増え、自社コントロールは電子商取引と害虫対策で18%増える。
芝生は庭の小型化、散水制限、低管理志向で3%減る。価格はガーデンとコントロールが物価並み、芝生とRoundupは販促・規制を考えて物価を少し下回る。売上は50.1億ドル、営業利益は7.9億ドル、GAAP純利益は4.5億ドルとなる。
U.S. Consumerの利益率はSKU整理と供給網改善で上がるが、広告と小売販促を削り過ぎない。Roundup契約は続き、Hawthorneの売上は0のままである。買収は数字に足さず、負債を先に減らす。
10年の純利益累計31億ドルから、配当と抑制的な買い戻しの正味24億ドルを返し、自己資本は3.4億ドルまで回復する。堀は維持されるが、広がるのはガーデンとコントロールだけである。
- 米国ガーデン(培養土・マルチ・植物栄養・園芸用品):数量 18.3(2025年価格の米国DIYガーデン市場(億ドル)×SMG推定シェア)× 価格 1.43(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 25 億ドル・営業利益 5 億ドル。市場の実質成長とシェア横ばいから数量1.16倍。価格は物価1.41倍を少し上回る。
- 米国ローン(芝生肥料・種子・散布機):数量 9.7(2025年価格の米国DIY芝生市場(億ドル)×SMG推定シェア)× 価格 1.37(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 12 億ドル・営業利益 3 億ドル。実質数量0.97倍。水使用と低管理志向をシェア維持でほぼ補うが、価格は物価を下回る。
- 米国自社コントロール(除草・殺虫・害獣対策):数量 9.1(2025年価格の米国DIYコントロール市場(億ドル)×SMG自社ブランド推定シェア)× 価格 1.41(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 7 億ドル・営業利益 1 億ドル。実質数量1.18倍。市場成長を取り込むが、オンライン専門ブランドとの競争でシェア急増は見ない。
- Roundup販売契約:数量 1.6(2025年価格の契約収益量(億ドル。Program EBITと販促費償還の実質規模))× 価格 1.35(名目化指数(2025=1.00))→ 売上 2 億ドル・営業利益 1 億ドル。契約継続。実質規模はほぼ横ばい、名目化は規制・販促で物価を下回る。
- カナダ・その他:数量 2.8(2025年価格の純売上数量指数(億ドル。市場成長×推定シェア))× 価格 1.40(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 4 億ドル・営業利益 0 億ドル。実質数量1.08倍、価格は物価並み。規模の小ささから利益率は米国より低い。
- Hawthorne(売却済み屋内栽培用品):数量 0.0(2025年価格の売上数量指数(億ドル))× 価格 1.00(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。売却済み。継続事業に戻さない。
倍率:帳簿ROEは自己株式で歪むため、税後営業利益、正常化投下資本、税後借入金利から式のROEを28%とした。k8.5%、堀strongの残存2/3でRONIC21.5%。市場実質約0〜0.5%、シェア微増、価格約3%から長期g3.5%とすると10年目利益の正当化PER上限は17.3倍。上限の80%で13.8倍。純利益はGAAP。
確率:強いブランドと小売棚が残る一方、成熟した芝生、販促圧力、借金を同時に織り込む落としどころ。会社目標より長期の伸びを落として最も厚い34%。
やや悲観 25% やや悲観:小売の販促圧力と天候不順でシェアを失い、負債削減が遅れる 利益 2 億ドル · PER 9.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 32.37 ドル19 億ドル
2035年。ホーム・デポとロウズが棚を自主企画品へ振り、オンラインでは専門ブランドが検索流入を奪う。ガーデンの実質数量は2025年比5%増にとどまり、芝生は14%、自社コントロールはほぼ横ばいとなる。
会社は数量を守るため販促を増やし、価格は物価より5〜10%低い。売上は41.6億ドル、営業利益は4.3億ドル、GAAP純利益は2.0億ドルにとどまる。
Roundupは続くがProgram EBITが縮み、契約利益と共通費吸収が弱まる。原材料と輸送費の上昇を値上げで回収できず、粗利改善計画は途切れる。レバレッジは3倍台後半から十分に下がらず、買い戻しはほぼ止める。
2026〜2029年は本業回復で年2.3〜2.7億ドルを稼ぐが、その後2.0億ドルへ低下し、10年の純利益累計は21億ドルとなる。正味還元は15億ドル、自己資本は2.4億ドルまで戻るが、財務の自由度は狭い。ブランドの堀は残るものの、価格を守る力は明らかに弱くなる。
- 米国ガーデン(培養土・マルチ・植物栄養・園芸用品):数量 16.5(2025年価格の米国DIYガーデン市場(億ドル)×SMG推定シェア)× 価格 1.34(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 22 億ドル・営業利益 3 億ドル。実質数量1.05倍。市場成長の多くを自主企画品と地域ブランドに取られ、価格も物価を下回る。
- 米国ローン(芝生肥料・種子・散布機):数量 8.6(2025年価格の米国DIY芝生市場(億ドル)×SMG推定シェア)× 価格 1.28(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 10 億ドル・営業利益 2 億ドル。実質数量0.86倍。散水規制と低管理志向が続き、販促で価格も物価を下回る。
- 米国自社コントロール(除草・殺虫・害獣対策):数量 7.8(2025年価格の米国DIYコントロール市場(億ドル)×SMG自社ブランド推定シェア)× 価格 1.30(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 5 億ドル・営業利益 1 億ドル。実質数量はほぼ横ばい。オンライン専門ブランドと小売自主企画品に価格を押される。
- Roundup販売契約:数量 1.5(2025年価格の契約収益量(億ドル。Program EBITと販促費償還の実質規模))× 価格 1.22(名目化指数(2025=1.00))→ 売上 2 億ドル・営業利益 1 億ドル。Program EBITと償還規模が実質で減少。契約は辛うじて継続する。
- カナダ・その他:数量 2.4(2025年価格の純売上数量指数(億ドル。市場成長×推定シェア))× 価格 1.30(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。実質数量0.93倍、価格も物価を下回り、規模の不利が残る。
- Hawthorne(売却済み屋内栽培用品):数量 0.0(2025年価格の売上数量指数(億ドル))× 価格 1.00(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。売却済み。追加価値を置かない。
倍率:正常化した式のROE18%、k8.5%、堀strongの残存2/3でRONIC14.8%。市場縮小とシェア低下を反映した長期g2.5%では10年目利益の正当化PER上限は14.2倍。小売集中、弱い価格、負債が残る構造を反映し上限の67%である9.5倍。中立13.8倍より低い。純利益はGAAP。
確率:大口小売の在庫圧縮、芝生の縮小、原材料高のいずれかが長引く確率は高い。ブランドは残り黒字も維持するため、構造破壊までは置かず25%。
悲観 12% 悲観:芝生の構造縮小、棚の喪失、Roundup終了が重なり、ブランド会社としての優良さを失う 利益 0 億ドル · PER 6.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 4.09 ドル2 億ドル
2035年。乾燥地域の散水規制と低管理景観への転換で芝生市場が縮み、ホーム・デポとロウズは棚を自主企画品と競合へ移す。ガーデンの実質数量は12%、芝生は32%、自社コントロールは29%減る。
値上げは通らず、価格は物価を大幅に下回る。RoundupのProgram EBITは基準を割り、契約は終了するか、利益の薄い規模まで縮む。売上は28.9億ドル、営業利益は1.4億ドル、GAAP純利益は0.4億ドルとなる。
Hawthorneの傷を繰り返し、小型買収にも減損が出る。配当を減らし、資産売却と株式報酬で流動性を守るため、正味還元は10年で6億ドルにとどまる。2026〜2028年は既存の受注とコスト改善で年1.5〜2.3億ドルを残すが、その後0.4億ドルまで落ち、純利益累計は11億ドルとなる。
そこから還元を引き、自己資本は1.4億ドルまで戻るが、負債は高止まりする。会社は存続するものの、首位の棚と価格決定力を失い、もはや優良ブランド会社ではない。売れるブランド、工場、在庫、売掛金、Vireo持分の処分価値が株式価値の最後の床になる。
- 米国ガーデン(培養土・マルチ・植物栄養・園芸用品):数量 13.8(2025年価格の米国DIYガーデン市場(億ドル)×SMG推定シェア)× 価格 1.20(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 16 億ドル・営業利益 2 億ドル。実質数量0.88倍、価格は物価に対し実質15%安い。棚とプレミアム構成を失う。
- 米国ローン(芝生肥料・種子・散布機):数量 6.8(2025年価格の米国DIY芝生市場(億ドル)×SMG推定シェア)× 価格 1.12(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 7 億ドル・営業利益 1 億ドル。実質数量0.68倍。散水規制と庭の小型化で構造縮小し、価格もほぼ据え置きに近い。
- 米国自社コントロール(除草・殺虫・害獣対策):数量 5.5(2025年価格の米国DIYコントロール市場(億ドル)×SMG自社ブランド推定シェア)× 価格 1.10(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。実質数量0.71倍。規制とオンライン競争でシェアを失い、値上げできない。
- Roundup販売契約:数量 0.8(2025年価格の契約収益量(億ドル。Program EBITと販促費償還の実質規模))× 価格 1.00(名目化指数(2025=1.00))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。契約終了前の縮小または終了料を平準化した残存収益。永続的な契約価値は置かない。
- カナダ・その他:数量 1.9(2025年価格の純売上数量指数(億ドル。市場成長×推定シェア))× 価格 1.10(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。実質数量0.73倍、価格は物価を大幅に下回り、ほぼ損益分岐。
- Hawthorne(売却済み屋内栽培用品):数量 0.0(2025年価格の売上数量指数(億ドル))× 価格 1.00(平均実現価格指数(2025=1.00))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。売却済み。Vireo持分は床資産にだけ保守的に含める。
倍率:正常化ROEは約8%でk8.5%を下回るため、利益ベースの上限は1÷kに長期g1.0%を反映した約11.9倍。ブランドと棚を失い、負債と契約終了の再投資負担が残るので、その約半分の6.0倍とした。中立より低く、正の倍率を保つ。純利益はGAAP。
確率:複数の悪材料が同時に起きる必要があるが、借金が高い時の小売集中と契約依存は尾を太くする。倒産は前提にせず、構造的に負ける確率を12%とした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
米国ガーデン(培養土・マルチ・植物栄養・園芸用品)
Miracle-GroとScottsを中心に、植物を育てる土、マルチ、栄養剤、周辺用品を売る。重い商品を地域生産・配送できる供給網が効く。
| 数量2025年価格の米国DIYガーデン市場(億ドル)×SMG推定シェア | 価格平均実現価格指数(2025=1.00) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 15.8 | 1.00 | 15 | 2 |
| 10 年後 中立 | 18.3 | 1.43 | 25 | 5 |
取り方:会社説明の2025年ガーデン市場45億ドルに推定シェア35%を掛けた。物理数量は非開示なので、2025年一定価格の市場×シェアを数量とし、小売POSから会社純売上への換算係数0.973で監査済み売上15.327億ドルに合わせた。競合はオールドキャッスル、プレミア・テック、地域の土・マルチ業者、小売自主企画品。営業利益はU.S. Consumerの開示利益を商品特性で配分した推定。
米国ローン(芝生肥料・種子・散布機)
Scottsの伝統的な中核。肥料、草種、散布機を一体で提案し、春と秋の複数回使用を促す。
| 数量2025年価格の米国DIY芝生市場(億ドル)×SMG推定シェア | 価格平均実現価格指数(2025=1.00) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 10.0 | 1.00 | 9 | 2 |
| 10 年後 中立 | 9.7 | 1.37 | 12 | 3 |
取り方:会社説明の芝生市場20億ドルに推定シェア50%を掛けた。散布機を含む店頭POSと会社純売上の差を換算係数0.9095で調整し、監査済み売上9.095億ドルに一致させた。競合はセントラル・ガーデン&ペットのPennington、小売自主企画品、芝生管理サービス。実質数量は庭の面積、散水規制、年間使用回数、シェアで決める。
米国自社コントロール(除草・殺虫・害獣対策)
OrthoとTomcatを中心に、雑草、昆虫、ネズミなど具体的な問題を解く。電子商取引で症状から商品を探しやすい。
| 数量2025年価格の米国DIYコントロール市場(億ドル)×SMG自社ブランド推定シェア | 価格平均実現価格指数(2025=1.00) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 7.7 | 1.00 | 4 | 1 |
| 10 年後 中立 | 9.1 | 1.41 | 7 | 1 |
取り方:会社説明のコントロール市場55億ドルに、Roundupを除く自社ブランドの推定シェア14%を掛けた。小売価格とメーカー純売上の差を0.5097で調整し、監査済み売上3.925億ドルに合わせた。競合はスペクトラム・ブランズのSpectracide、SBMライフサイエンスのBioAdvanced、セントラル・ガーデン&ペット、小規模なオンライン専門ブランド。
Roundup販売契約
モンサントの消費者向けRoundupを独占的に販売し、Program EBIT連動のコミッションと販促費償還を得る。ブランドと登録はSMGの所有ではない。
| 数量2025年価格の契約収益量(億ドル。Program EBITと販促費償還の実質規模) | 価格名目化指数(2025=1.00) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1.6 | 1.00 | 2 | 1 |
| 10 年後 中立 | 1.6 | 1.35 | 2 | 1 |
取り方:物理販売量は開示されないため、監査済み契約売上1.590億ドルを2025年価格の数量指数とした。実際の契約は総コミッションがProgram EBITの50%、そこから年0.18億ドルの負担を引き、販促費償還を足す。Program EBITが0.5億ドル未満なら双方に無償解除権がある。競合は他の非選択性除草剤と小売自主企画品。
カナダ・その他
主にカナダの培養土、芝生、園芸・コントロール用品。米国ブランドと供給網を共有するが、為替と小さい規模が利益率を抑える。
| 数量2025年価格の純売上数量指数(億ドル。市場成長×推定シェア) | 価格平均実現価格指数(2025=1.00) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2.5 | 1.00 | 3 | 0 |
| 10 年後 中立 | 2.8 | 1.40 | 4 | 0 |
取り方:カナダの正確な市場規模とシェアは非開示のため、監査済み売上2.536億ドルを2025年一定価格の数量指数とした。将来の数量はカナダの園芸市場の実質成長とSMGのシェアで動かす。主な競争相手はPremier Tech、地域ブランド、小売自主企画品。
Hawthorne(売却済み屋内栽培用品)
照明、栄養剤、培養土などの屋内栽培用品。2026年4月にVireoへ売却され、継続事業から外れた。
| 数量2025年価格の売上数量指数(億ドル) | 価格平均実現価格指数(2025=1.00) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1.7 | 1.00 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 0.0 | 1.00 | 0 | 0 |
取り方:2025年の監査済み売上1.658億ドル。2026年4月の北米事業売却と2025年9月の欧州事業処分により、将来の数量は0とした。Vireo株約14%とワラントは不確実な金融資産として扱い、継続事業の売上・利益には足していない。
リスクと懸念
二大小売への集中
ホーム・デポとロウズで売上の52%を占める。棚の削減、仕入れ時期の変更、在庫圧縮、販促費の追加要求が起きると、消費者需要が同じでもSMGの出荷、価格、工場稼働率が同時に悪化する。ブランド首位は交渉材料だが、二社を短期に置き換える販路はない。
借金と季節資金
純負債23億ドルは時価総額の約3分の2で、春前には約9.5億ドル規模の季節運転資金が膨らむ。2026年6月のレバレッジは3.78倍、信用枠の上限は5.0倍だった。天候不順と原材料高が重なると返済と配当の両立が難しくなり、買い戻しは株主価値を増やす前に流動性を削る。
天候・散水規制・気候変化
売上の4分の3以上が春を中心とする二つの四半期に集中する。寒い春、長雨、干ばつ、山火事、散水規制は来店、使用回数、芝生面積を減らす。天候が一季ずれるだけなら翌年へ需要が移るが、乾燥地域で芝生から耐乾性景観への転換が進めば、芝生用品の数量は構造的に縮む。
Roundup契約と規制
Roundupは高い利益と共通費の吸収をもたらすが、ブランド、登録、製造物責任の主導権はバイエル側にある。Program EBITが0.5億ドルを下回れば無償解除が可能で、規制変更やブランド停止なら販促網に穴が開く。一定の終了料がある場合でも、永続する利益の代わりにはならない。
資本配分と一族の影響力
HawthorneとBonnie Plantsの減損は、本業外の成長を高く見積もった結果である。ハゲドーン・パートナーシップは約23%を持ち、CEOもそのゼネラル・パートナーである。長期志向は強みになりうるが、負債削減より買い戻しや買収を優先した時、少数株主が方針を変えにくい。
ブランド、プライベートブランド、電子商取引
土、マルチ、一般的な肥料は差別化が弱く、地域業者や小売自主企画品が安値を出せる。オンラインでは棚の面積より検索順位と評価が重要で、小型専門ブランドも全国へ届く。SMGが広告費を増やしてもシェアが伸びず、値引きだけが増えるなら、強いブランドの経済価値は狭まる。
AIエージェント代替は非該当
価値の中心は物理的な土、肥料、種子、散布機、害虫対策であり、人月、席課金、操作画面を売る事業ではない。AIエージェントが需要を直接置き換える型には当たらない。影響は需要予測、広告制作、価格設定、供給計画の効率と、サイバー・データ管理のリスクに限られる。
今後の分かれ目
- 米国のブランド品POSが数量ベースで年3%以上増え、全体シェアも2年続けて上がったら
- ガーデンとコントロールの実質数量を中立より5〜8%上げ、やや楽観の確率を増やす。広告が値引きでなく新規世帯を獲得している証拠になる。
- 調整後粗利率が33.5%を超え、自由現金流量2.75億ドル超を2年続けたら
- SKU削減、物流、調達の改善が定着したとみなし、中立の営業利益率を1ポイント引き上げる。
- レバレッジが3倍未満、純負債が15億ドル未満まで下がったら
- 借金リスクを一段下げ、正味還元を増やせる。資本コストのdebt部分を+1.0%から+0.5%へ見直す余地が出る。
- ホーム・デポまたはロウズの棚・発注が前年比10%以上減り、他販路で補えなかったら
- 米国の各セグメント数量を下げ、やや悲観の確率を5ポイント以上増やす。固定費吸収の悪化も利益率へ入れる。
- RoundupのProgram EBITが0.5億ドルを下回る、または契約終了通知が出たら
- 契約収益を将来から外し、終了料は一時金として別に扱う。共通費の吸収が失われるため全社営業利益も契約利益以上に下げる。
- 米国西部の散水規制が恒久化し、芝生カテゴリーの実質市場が3年続けて縮んだら
- 芝生の10年数量を中立の0.97倍から0.80〜0.85倍へ下げ、耐乾性ガーデン用品で補える分だけを残す。
- Black Kowなど本業隣接の買収がレバレッジを上げず、初年度から利益と棚を増やしたら
- 小型買収の再投資利回りを認める。ただし公式な完了と取得対価を確認するまで、現在の価値には足さない。
見ておくもの
- 2026年11月4日に予定される2026年度第4四半期・通期決算と、自由現金流量2.75億ドルの達成
- 米国ブランド品POSの数量・金額、ガーデン・芝生・コントロール別のシェア
- U.S. Consumerの粗利率、セグメント利益率、販促費と広告費の効き方
- ホーム・デポとロウズの売上比率、棚数、在庫日数、受注の前倒し・後ずれ
- 純負債、レバレッジ、利息カバレッジ、売掛金流動化枠と信用枠の余裕
- Roundup Program EBIT、契約収益、規制・訴訟・契約終了に関する開示
- Hawthorne売却後のVireo株・ワラント、無料製造支援、追加損失の有無
- Black Kowの公式な取得完了、取得対価、初年度の売上・利益・レバレッジへの影響
倍率と資本コストの決め方
現在の時価総額や過去・同業のPERを起点にしていない。会社が示した120億ドルのDIY市場をガーデン、芝生、コントロールに分け、市場の実質成長×シェア×名目価格で2035年の売上を積み上げた。Hawthorneは売却後0、Black Kowは未完了として0、Vireo持分も継続利益に足していない。倍率は各筋書きの正常化ROE、k、長期g、強い堀から出る利益ベースの上限内に置き、最後に足元時価総額と比べた。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。資本コストは基本8.0%+quality0.5%=8.5%。βと市場倍率は使っていない。2026年6月時点で利息カバレッジ5.67倍、財務制限の上限5.0倍に対しレバレッジ3.78倍で、継続企業の危機ではないためdistress上乗せは0。借金の重さはqualityと慎重側の確率に反映した。