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シャーウィン・ウィリアムズ SHW

塗料の最強の小売り網と価格を決める力を持つが、PER 33 倍は利益ベースの成熟後の倍率 22.6 倍より高く、中立でも安全域がない

やや割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)271.19 ドル679 億ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)345.6 ドル865 億ドル差 −21.5%
10 年後から見ると やや割高 価値 271.19 ドル679 億ドル · 差 −21.5% · 期待の年率 +4.0%
期待の年率リターン(10 年)+4.0%資本コスト比 −3.5 pt
推定の資本コスト7.5%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 7.5% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

シャーウィン・ウィリアムズは北米最大の塗料会社で、約 5,000 の自社店舗(ペイント・ストア)でプロの塗装業者に塗料を直接売る。2025 年は売上 236 億ドル、営業利益率 16.6%、純利益約 26 億ドル。構成は、自社店舗の PSG が約 56%、ホーム・デポやロウズ経由の DIY とブラジルの Suvinil(スヴィニル)を含む CBG が約 14%、工業用・包装・自動車補修の PCG が約 29%。2026 年 4〜6 月期は売上 68 億ドル(+7.5%)と通期見通しを引き上げた。PSG は価格が中単位、数量が低単位で伸び、9 月 1 日には 8% の値上げを実施する。

強みは、プロの顧客が「現場に朝着く店」を選ぶので、ブランドより店の密度と在庫・色合わせが効く点にある。住宅市場が弱い 2023〜2025 年でも利益率は 15.7% から 16.6% へ上がり、2026 年 4〜6 月も PSG は同一店で +4.2% を保った。景気の谷でも、塗り替え(維持・補修)の需要が数量を支える。

バリュー投資の観点では、事業の質は高い。問題は値段で、時価総額 839 億ドルは純利益の約 33 倍、自己資本はほぼ自社株買いで削られており PBR は意味を持たない。資本コスト 7.5% では、利益ベースの正当化 PER(強い堀で ROE の超過分の 3 分の 2 が残る・上限の 9 割)は 10 年目の利益の 22.6 倍にあたる。数量 年 1.5%・価格は物価並み・利益率は 16.6% から 18% 台への改善を置いた中立の筋書きは、10 年後の時価総額が今の約 1.3 倍。割り引くと今の値段を約 19% 下回り、やや割高に出る。優れた事業をよい値段で買えるわけではない、という結論である。

バリュー投資の観点から

バリュー投資家なら、まず「10 年後もあるか」を問う。答えは、ある。塗料は住宅・建物・工場・自動車の維持に必ず要る消耗品で、使う量に比べて費用が小さく、顧客は安さより「仕上がりと納期」を選ぶ。5,000 の店舗と色合わせの網は、ネットや量販店に簡単には崩されない。堀は狭まるより広がる方向で、プロ顧客の囲い込みと価格を決める力は 10 年後も続くと見る。

次にオーナー利益を見る。設備投資が売上の約 2% と小さく、フリー・キャッシュフローは純利益 26 億ドルに近い。ただし株式報酬を費用として見ると正味の利益は少し下がる。時価総額 839 億ドルに対する利益利回りは約 3%(国債は実質 1.5% 前後)で、成長が 10 年続いても、払う値段が高ければリターンは事業の質を超えない。ROE 56% は自社株買いで自己資本が削られた結果で、見かけほどの効率ではない。

安全域の議論では、中立の筋書きで 10 年後の時価総額と還元の合計は今の 1.6 倍前後、年率 4.7% と、資本コスト 7.5% に届かない。楽観の筋書きで年率 10% 台、悲観では元本を大きく割る。わかりやすい事業という点では最上位で、確信度は高い。一方、値段への確信は持てない。利益の 22〜24 倍(今より 3 割安い)の局面が来れば、安全域を持って持てる会社だと考える。

何で稼ぐ会社か

シャーウィン・ウィリアムズの売上は 3 つの事業に分かれる。①PSG(ペイント・ストア・グループ、売上 約 133 億ドル、営業利益率 約 23〜24%):北米の自社店舗で、住宅の塗装業者・商業施設・保護(防食)・海洋向けに塗料と道具を売る。顧客は 1 日に何度も来る塗装業者で、色合わせ・即日の在庫・信用取引が価値になる。利益率は事業の中で最も高い。②CBG(コンシューマー・ブランズ・グループ、約 34 億ドル):ロウズ(Lowe's)やホーム・デポ(Home Depot)などの量販店で売る DIY 塗料(Valspar、HGTV Home、Krylon、Minwax など)。2025 年 10 月にブラジルのスヴィニル(Suvinil)を買い、売上が 2026 年 4〜6 月に +21.5% と大きく伸びた。③PCG(パフォーマンス・コーティングス・グループ、約 69 億ドル):自動車補修、木工、コイル(鋼板)、包装(缶の内面塗料)、一般工業、航空宇宙、保護の工業用塗料。2025 年は包装が伸び、他は弱く、売上は横ばいだった。

塗料の売上は「出荷量(ガロン)× 1 ガロンあたりの価格」で決まる。価格は原料(酸化チタン・樹脂・溶剤)と人件費の転嫁で、物価並みに年 3% 台で上げてきた。数量は住宅の中古取引と塗り替えの周期に左右され、新築より維持・補修のほうが安定している。原料は 2026 年に中東の紛争で石油系が上がり、4〜6 月は「緩やかな上昇」、価格改定でそれを埋めている。

稼いだ利益は、設備投資が少なく(売上の約 2%)、フリー・キャッシュフローが純利益に近い。2025 年は配当約 8 億ドルと自社株買い約 17 億ドルを合わせて約 25 億ドルを還元し、株数は年 1〜2% 減っている。借金は有利子負債で約 120〜140 億ドル(売上 236 億ドル、EBITDA の 2.3 倍前後が目標)。

優良さと弱いところ

堀は主に 3 つある。第 1 は店舗網の密度:約 5,000 の自社店舗は、プロの塗装業者の「朝一番に寄って、その日の分を持ち出す」という行動に合わせた配置で、競合が真似るには数十年の出店と在庫の投資が要る。ホーム・デポ(Behr を売る)やロウズは DIY では強いが、プロの店ではない。第 2 は価格を決める力:2025〜2026 年のように住宅の需要が弱くても、価格が「中単位」の上昇を保ち、2026 年 9 月にも 8% の値上げを打てる。原料の上昇を数四半期で転嫁し切るため、利益率は 2021〜2022 年の原料高でも 13% 台を割らなかった。第 3 は製品と色合わせの技術で、顧客が他社に切り替えると仕上がりの再現に手間がかかる。

資本効率は見かけ上きわめて高い(ROE 56%)が、これは自社株買いで自己資本が 46 億ドルまで削られた結果で、事業そのものの資本利益率ではない。2017 年のバルスパー買収でのれんが大きく、有利子負債を使うため、事業の ROIC は ROE よりずっと低い(推定:投下資本 約 220 億ドルに対し営業利益の税後 約 30 億ドルで 14% 前後)。フリー・キャッシュフローは純利益とほぼ同じで、還元は健全。

経営はヘイジ・ペッツ氏が率い、買収後の統合と価格運用に長けている。弱点は、PSG が北米の住宅の塗り替えと商業建築に依存し、金利と住宅の取引件数に影響されること、CBG が量販店の 2 社に売上を握られること、PCG の自動車補修・工業向けが景気の波を受けることである。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

北米の塗料市場は約 450 億ドルで、年 3〜5% の名目成長(数量 1〜2%+価格)とされる。需要は新築(変動が大きい)と塗り替え・維持(安定)に分かれ、塗り替え・維持が過半を占める。2022〜2026 年は金利の高止まりで米国の中古住宅の取引が低迷し、改装も先送りされたが、塗装は壁の劣化でいずれ必要になるため、数量の底は浅かった。中古取引が戻れば塗り替えが追い風になる。

競争は寡占に近い。北米の建築用はシャーウィン、PPG(PPG Industries、売上 159 億ドル、営業利益率 13%)、ベンジャミン・ムーア(バークシャー・ハサウェイ傘下)、ベア(Behr、ホーム・デポ専売)、バルスパー(シャーウィンが 2017 年に買収しロウズで売る)が分け合う。PPG は 2026 年 4〜6 月に建築用の有機成長が +2%、EBITDA +14% と改善し、工業用は数量 +5%(包装は 2 桁増)と強いが、自動車補修が弱い。両社とも原価の上昇を価格で埋めており、価格競争は起きていない。

循環では、建築用の需要は金利と中古住宅の取引に連動し、2026 年は「底に近い」と見る。原料は中東の紛争(ホルムズ海峡)で石油系樹脂・溶剤が上がっているが、供給が戻れば緩む。分かれ目は、①中古住宅の取引が戻るか、②プロ塗装業者の PB(プライベート)塗料やネット販売への流出、③ブラジル・中南米の成長と競争(スヴィニルの統合)、④工業用・自動車補修の景気。

資本政策と M&A

還元は積極的で、2025 年は配当 約 8 億ドルと自社株買い 約 17 億ドルで、合計は純利益の約 0.95 倍。2026 年上期は 22.3 億ドル(自社株 560 万株)を還元し、残りの買い戻し枠は 2,400 万株ある。配当は 47 年連続で増配し、48 年目の増配も決まっている。株数は年 1〜2% 減る一方、株式報酬で年 0.5% 前後増えるので、正味の還元は還元額より 5 億ドル前後小さい。

M&A は、2017 年のバルスパー(債務込みで約 113 億ドル)、2025 年 10 月のスヴィニル(ブラジル)など、塗料の中核での補完が中心で、価値を壊した大型買収は見当たらない。買い手の側で、シャーウィン自身が買われる可能性は時価総額 839 億ドルでは現実的でない。

借金は有利子負債 約 120〜140 億ドル(EBITDA の 2.0〜2.5 倍を目標)。4〜6 月の支払利息は 1.36 億ドルと前年より 21% 増えた。自己資本が小さいので、利益に対する借金の割合が高く、金利が高止まりすると利払いが効く。バリュー投資の観点では、時価総額が純利益の 33 倍の局面で自社株買いを続けるのは、利益利回り約 3% に 10 年の成長を足してやっと資本コストと釣り合う水準で、価値を大きく増やす配分とは言いにくい。鍵は、割高な局面で買い戻しを抑える規律と、借金の増え方である。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

北米の住宅は 2023 年から動かない中古取引の「ため込み」が続いており、金利が少しでも緩めば塗り替えと改装が一気に戻る。シャーウィンは 2026 年 4〜6 月に PSG の同一店で +4.2%、数量も低単位で伸びており、需要が戻る前から利益を出している。9 月 1 日の 8% の値上げは、競合が追随する前提で、数量を落とさず価格だけ上がる。PSG は営業利益率 24.6% で、過去最高圏にあり、需要が戻れば固定費の吸収でさらに上がる。

店舗は毎年増え続け、同じ店で扱う商品の幅(道具・床材・防水・保護)が広がる。ロウズ・ホーム・デポ経由の CBG は 2026 年に Suvinil の寄与で売上が +21.5%、調整後の利益率は 24.5%(前年 22.4%)と上がった。ブラジルは年 5% 前後で塗料市場が伸びる新興国で、PCG も包装(缶の内面)は 2 桁増。10 年後には売上が今の 2 倍、純利益は 2.6 倍に届き、堀の広がりと成長の持続を信じる市場は、成熟後でも PER 27 倍を付ける。自社株買いを続ければ 1 株あたりの価値はさらに上がる。

慎重な見方

PER 33 倍は、利益利回り約 3% で、k 7.5%・g 4% でも ROE 35〜45% の成熟した塗料会社の正当化 PER は 24〜25 倍で、その 9 割で置いても 22.6 倍。今はその 1.3 倍にある。住宅の中古取引は 3 年以上低迷し、4〜6 月の PSG の利益率は 24.6% と前年の 24.8% から下がった。原料の上昇(中東の紛争)を価格で埋め続けているが、それは数量を細らせる(PSG の数量は低単位、同一店の +4.2% の大半は価格)。2026 年の上期の見通しの引き上げは、Suvinil の買収(CBG +21.5%)と為替(PCG +2.0%)に支えられ、元の事業の成長は価格頼みだ。

ROE 56% は、自社株買いで自己資本を 46 億ドルに削った結果で、有利子負債 120〜140 億ドルと支払利息(前年比 +21%)の重さを隠している。2017 年のバルスパー買収ののれんと、2025 年の Suvinil の買収は償却が重い。ホーム・デポ(Behr)、ロウズ、ベンジャミン・ムーア、PPG の攻めに加え、プロ塗装業者の一部は PB 塗料やネット販売、ホーム・デポの Pro 店舗へ流れる。店舗網の優位が崩れ始めれば、利益率の天井は 17〜18% で止まり、倍率は 20 倍へ縮む。10 年の PER 縮みだけで、株価は成長に見合わず横ばいになる。

どちらに重みを置いたか

事業の質と安定性は強気の見方が強く、確率は 10 年で楽観側(楽観とやや楽観の合計 37%)に置いた。一方で値段は慎重な見方が圧倒的に強い。中立の筋書きで 10 年後の純利益は今の 1.8 倍(年 +5.9%)、PER は成熟後の 22.6 倍(今の 33 倍の約 7 割)で、10 年後の時価総額は今の 1.3 倍にとどまり、割り引くと今の値段を約 19% 下回る。成長が倍率の縮みで相殺される。悲観は 10 年で 10%(店舗網の優位が崩れる構造変化)に置いた。結論は「世界で最も質の高い塗料会社の 1 つだが、PER 33 倍は成熟後の倍率より高く、やや割高の側」。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した株価時価総額 404.94 ドル1,014 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 107.27 ドル269 億ドル)。 今の値に割り戻すと 271.19 ドル679 億ドル、今との差 −21.5%、 期待の年率 +4.0%(資本コスト 7.5%)→ やや割高

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 12% 668.53 ドル1,674 億ドル 141.77 ドル355 億ドル +134.4% +8.9% 97.24 ドル243 億ドル
やや楽観 25% 511.42 ドル1,281 億ドル 121.81 ドル305 億ドル +83.2% +6.2% 158.31 ドル396 億ドル
中立 33% 421.69 ドル1,056 億ドル 109.82 ドル275 億ドル +53.8% +4.4% 175.40 ドル439 億ドル
やや悲観 20% 241.41 ドル605 億ドル 85.86 ドル215 億ドル −5.3% −0.5% 65.46 ドル164 億ドル
悲観 10% 94.21 ドル236 億ドル 63.90 ドル160 億ドル −54.3% −7.5% 15.81 ドル40 億ドル
加重平均100% 404.94 ドル1,014 億ドル107.27 ドル269 億ドル +48.2% +4.0% 512.21 ドル1,283 億ドル

今の株価時価総額 345.63 ドル865 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.5% を下回るほど割高。

楽観 12% 楽観:店舗網の優位が広がり、利益率 21%・倍率も保たれる 利益 68 億ドル · PER 24.7 倍 · 株価時価総額 668.53 ドル1,674 億ドル

2035 年、住宅の取引が正常化し、プロの塗り替えと商業建築が堅調に伸び、PSG の市場は年 +2.2%(10 年 1.24 倍)、価格は物価に 0.4 ポイント上乗せ(1.45 倍)。店舗網と色合わせ・防食の技術の優位が広がり、シェアは 29.6% から 33% へ。PSG は売上 268 億ドル・利益率 27%(営業利益 72 億ドル)。CBG はブラジルの成長とスヴィニルの統合で売上 67 億ドル・利益率 22%。PCG は包装・航空宇宙・保護で売上 153 億ドル・利益率 19%。全社の売上は 488 億ドル(年 +7.5%)、営業利益 102 億ドル(利益率 20.9%)、純利益 68 億ドル(今の 2.6 倍、年 +10%)。10 年の純利息は 14 億ドル。PER 24.7 倍は、ROIC から直した ROE 約 44%・g 4%・k 7.5% の式の 9.5 割(10 年目の利益に ×(1+g))。

  • ペイント・ストア(PSG):数量 559(北米の塗料市場(億ドル。2025 年の価格に換算した実質))× 価格 47.9%(シャーウィンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 268 億ドル・営業利益 72 億ドル。市場 559 億ドル × シェア 33.0% × 価格 1.45 倍
  • コンシューマー・ブランズ(CBG):数量 357(北米の DIY 塗料とブラジル・中南米の塗料市場(億ドル。実質))× 価格 18.9%(シャーウィンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 67 億ドル・営業利益 15 億ドル。市場 357 億ドル × シェア 13.0% × 価格 1.45 倍
  • 工業用・包装・自動車補修(PCG):数量 1,320(工業用・包装・自動車補修・保護の塗料の世界市場(億ドル。実質))× 価格 11.6%(シャーウィンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 153 億ドル・営業利益 29 億ドル。市場 1320 億ドル × シェア 8.0% × 価格 1.45 倍

倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 44.1%(帳簿の ROE 46% は自社株買いで 40% を超えるので、ROIC 27.8%=税引き後営業利益 ÷(自己資本 + 純負債 137)から出した値)、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 0.67(強い堀)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 31.9%、g 4.0%(3 事業(PSG・CBG・PCG)の市場(数量 年 +1.5%)× シェア × 価格(物価並み〜やや上)から出した値。ROE から出していない)、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 25.0 倍(来年の利益に対して)。店舗網の優位で値上げが続く分、上限の 9.5 割(23.7 倍)に置き、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 24.7 倍。時価総額 = 純利益 68 × 24.7 倍 = 1674 億ドル。

確率:住宅が正常化し、店舗網・価格を決める力がさらに広がる。成長の持続を 10 年信じるには強い前提が要るため 1 割強。

やや楽観 25% やや楽観:プロ向けのシェアが上がり、利益率 19% 利益 54 億ドル · PER 23.5 倍 · 株価時価総額 511.42 ドル1,281 億ドル

2035 年、PSG の市場は年 +1.8%(1.20 倍)、価格は物価に 0.2 ポイント上乗せ(1.43 倍)、シェアは 31.5% へ。PSG は売上 242 億ドル・利益率 25.5%(営業利益 62 億ドル)。CBG は売上 61 億ドル・20.5%、PCG は 134 億ドル・17.5%。全社の売上は 437 億ドル(年 +6.4%)、営業利益 85 億ドル(利益率 19.4%)、純利益 54 億ドル(今の 2.1 倍、年 +7.5%)。PER 23.5 倍は 帳簿の ROE 約 39%・g 4%・k 7.5% の式の 9.2 割(10 年目の利益に ×(1+g))。

  • ペイント・ストア(PSG):数量 538(北米の塗料市場(億ドル。2025 年の価格に換算した実質))× 価格 45.0%(シャーウィンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 242 億ドル・営業利益 62 億ドル。市場 538 億ドル × シェア 31.5% × 価格 1.43 倍
  • コンシューマー・ブランズ(CBG):数量 348(北米の DIY 塗料とブラジル・中南米の塗料市場(億ドル。実質))× 価格 17.5%(シャーウィンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 61 億ドル・営業利益 12 億ドル。市場 348 億ドル × シェア 12.2% × 価格 1.43 倍
  • 工業用・包装・自動車補修(PCG):数量 1,250(工業用・包装・自動車補修・保護の塗料の世界市場(億ドル。実質))× 価格 10.7%(シャーウィンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 134 億ドル・営業利益 23 億ドル。市場 1250 億ドル × シェア 7.5% × 価格 1.43 倍

倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 39.4%、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 0.67(強い堀)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 28.8%、g 4.0%(3 事業(PSG・CBG・PCG)の市場(数量 年 +1.5%)× シェア × 価格(物価並み〜やや上)から出した値。ROE から出していない)、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 24.6 倍(来年の利益に対して)。店舗網の優位で値上げが続く分、上限の 9.2 割(22.6 倍)に置き、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 23.5 倍。時価総額 = 純利益 54 × 23.5 倍 = 1281 億ドル。

確率:業界ノートの楽観寄り。事業の質が高く、価格改定が毎年通る前提。

中立 33% 中立:優良な成熟企業として年 +6% の成長、倍率は式の 9 割 利益 47 億ドル · PER 22.6 倍 · 株価時価総額 421.69 ドル1,056 億ドル

2035 年、北米の塗料は数量 年 +1.5%、価格は物価並み(10 年 1.41 倍)、住宅の塗り替えと商業建築に支えられ、PSG の市場は 1.16 倍。シェアは店舗の増加で 29.6% から 30.8% へ。PSG は売上 227 億ドル・利益率 24.5%(営業利益 56 億ドル)、CBG は売上 57 億ドル・19.5%(スヴィニルを含むブラジルの伸びと北米 DIY の横ばい)、PCG は売上 123 億ドル・17.0%。全社の売上は 407 億ドル(年 +5.6%)、営業利益 75 億ドル(利益率 18.3%)、純利益 47 億ドル(今の 1.8 倍、年 +5.9%)。10 年の純利息は借金の増加と借り換えで年 14 億ドル。PER 22.6 倍は、帳簿の ROE 約 35%・g 4%・k 7.5% の式の 9 割(10 年目の利益に ×(1+g))。今の 33 倍・過去 20 期の中央値 25.5 倍に寄せず、式から出した。

  • ペイント・ストア(PSG):数量 522(北米の塗料市場(億ドル。2025 年の価格に換算した実質))× 価格 43.4%(シャーウィンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 227 億ドル・営業利益 56 億ドル。市場 522 億ドル × シェア 30.8% × 価格 1.41 倍
  • コンシューマー・ブランズ(CBG):数量 348(北米の DIY 塗料とブラジル・中南米の塗料市場(億ドル。実質))× 価格 16.4%(シャーウィンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 57 億ドル・営業利益 11 億ドル。市場 348 億ドル × シェア 11.7% × 価格 1.41 倍
  • 工業用・包装・自動車補修(PCG):数量 1,220(工業用・包装・自動車補修・保護の塗料の世界市場(億ドル。実質))× 価格 10.1%(シャーウィンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 123 億ドル・営業利益 21 億ドル。市場 1220 億ドル × シェア 7.1% × 価格 1.41 倍

倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 35.1%、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 0.67(強い堀)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 25.9%、g 4.0%(3 事業(PSG・CBG・PCG)の市場(数量 年 +1.5%)× シェア × 価格(物価並み〜やや上)から出した値。ROE から出していない)、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 24.2 倍(来年の利益に対して)。店舗網の優位で値上げが続く分、上限の 9 割(21.7 倍)に置き、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 22.6 倍。時価総額 = 純利益 47 × 22.6 倍 = 1056 億ドル。

確率:業界ノートの中立(数量 年 +1.5%、価格は物価並み、利益率は 18% 台)に沿う。議論の落としどころ。

やや悲観 20% やや悲観:塗り替えの伸びが鈍く、流出が少し進む 利益 33 億ドル · PER 18.1 倍 · 株価時価総額 241.41 ドル605 億ドル

2035 年、住宅の塗り替えの伸びは弱く(PSG の市場は 1.105 倍)、価格は物価をやや下回り(1.38 倍)、プロ向けの PB・ネット販売・ホーム・デポの Pro への流出でシェアは 29.0% に下がる。PSG は売上 199 億ドル・利益率 22.8%(営業利益 45 億ドル)、CBG は売上 49 億ドル・18%、PCG は 105 億ドル・15.5%。全社で売上 353 億ドル(年 +4.1%)、営業利益 58 億ドル(利益率 16.5%)、純利益 33 億ドル(今の 1.3 倍)。成長が名目の g を下回り、PER 18.1 倍(ROE 約 26%・g 3.5%・k 7.5% の式の 76%、×(1+g))。

  • ペイント・ストア(PSG):数量 497(北米の塗料市場(億ドル。2025 年の価格に換算した実質))× 価格 40.0%(シャーウィンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 199 億ドル・営業利益 45 億ドル。市場 497 億ドル × シェア 29.0% × 価格 1.38 倍
  • コンシューマー・ブランズ(CBG):数量 330(北米の DIY 塗料とブラジル・中南米の塗料市場(億ドル。実質))× 価格 14.9%(シャーウィンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 49 億ドル・営業利益 9 億ドル。市場 330 億ドル × シェア 10.8% × 価格 1.38 倍
  • 工業用・包装・自動車補修(PCG):数量 1,150(工業用・包装・自動車補修・保護の塗料の世界市場(億ドル。実質))× 価格 9.1%(シャーウィンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 105 億ドル・営業利益 16 億ドル。市場 1150 億ドル × シェア 6.6% × 価格 1.38 倍

倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 25.9%、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 0.67(強い堀)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 19.8%、g 3.5%(3 事業(PSG・CBG・PCG)の市場(数量 年 +1.5%)× シェア × 価格(物価並み〜やや上)から出した値。ROE から出していない)、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 20.6 倍(来年の利益に対して)。住宅の谷と流出の分、上限の 8.5 割(17.5 倍)に置き、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 18.1 倍。時価総額 = 純利益 33 × 18.1 倍 = 605 億ドル。

確率:住宅の低迷が長引き、PB・ネット販売への流出が少し進む。値段が高く倍率が縮みやすいことも反映して、中立より少し厚く置いた。

悲観 10% 悲観:店舗網の優位が崩れ、普通の工業会社の評価へ 利益 19 億ドル · PER 12.8 倍 · 株価時価総額 94.21 ドル236 億ドル

2035 年、店舗網の優位が崩れる構造的な悲観。プロ塗装業者の一部が PB 塗料・ネット販売・ホーム・デポの Pro 店舗へ流れ、PSG のシェアは 26.5% に下がる。価格上昇は物価の半分(10 年 1.30 倍)、原料と人件費の上昇を転嫁し切れず、利益率は PSG 21%、CBG 16%、PCG 13% に下がる。さらにリーマン級の不況が重なり、市場は 10 年で横ばい。全社の売上は 274 億ドル、営業利益 39 億ドル(利益率 14.2%)、純利益 18.5 億ドル。純利息は借金が増えて 15 億ドル。構造的に負けた後の利益なので、g 3%・ROE 18% の式の 7 割の PER 12.8 倍で時価総額 236 億ドル(今の約 3 割)。もう優良な成長企業ではなく、普通の工業会社の評価に落ちる。

  • ペイント・ストア(PSG):数量 450(北米の塗料市場(億ドル。2025 年の価格に換算した実質))× 価格 34.4%(シャーウィンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 155 億ドル・営業利益 33 億ドル。市場 450 億ドル × シェア 26.5% × 価格 1.30 倍
  • コンシューマー・ブランズ(CBG):数量 300(北米の DIY 塗料とブラジル・中南米の塗料市場(億ドル。実質))× 価格 12.4%(シャーウィンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 37 億ドル・営業利益 6 億ドル。市場 300 億ドル × シェア 9.5% × 価格 1.30 倍
  • 工業用・包装・自動車補修(PCG):数量 1,050(工業用・包装・自動車補修・保護の塗料の世界市場(億ドル。実質))× 価格 7.8%(シャーウィンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 82 億ドル・営業利益 11 億ドル。市場 1050 億ドル × シェア 6.0% × 価格 1.30 倍

倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 18.3%、k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.5%)、残る割合 0.67(強い堀)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 14.7%、g 3.0%(3 事業(PSG・CBG・PCG)の市場(数量 年 +1.5%)× シェア × 価格(物価並み〜やや上)から出した値。ROE から出していない)、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 17.7 倍(来年の利益に対して)。住宅の谷と流出の分、上限の 7 割(12.4 倍)に置き、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 12.8 倍。時価総額 = 純利益 18 × 12.8 倍 = 236 億ドル。

確率:店舗網の優位が崩れ、リーマン級の不況が重なる構造的な悲観。優良会社でも 10 年では 1 割に置く。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

ペイント・ストア(PSG)

北米の約 5,000 の自社店舗で、プロの塗装業者・商業施設・保護(防食)・海洋向けに塗料と道具を売る。利益率が最も高い中核。

数量北米の塗料市場(億ドル。2025 年の価格に換算した実質)価格シャーウィンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1)売上営業利益
今 2025/12 450 29.6% 133 31
10 年後 中立 522 43.4% 227 56

取り方:米国の塗料製造は約 445 億ドル(IBISWorld)なので 450 億ドルと置き、売上 133 億ドル(2026 年上期の PSG 69.4 億ドルと 2025 年の伸びから推定)からシェア約 29.6% を逆算した。利益率は 2025 年の約 23.5%(2026 年 4〜6 月は 24.6%)。売上 = 市場 × シェア × 価格(価格指数は中立で 3 年 1.11 倍・10 年 1.41 倍)。競合と照らすと、プロ向けの店舗では PPG やベンジャミン・ムーアの取扱店が続き、シャーウィンの約 3 割は塗料全体で首位の水準。

コンシューマー・ブランズ(CBG)

ロウズ・ホーム・デポなどの量販店で売る DIY 塗料(Valspar・HGTV Home・Krylon・Minwax)と、2025 年 10 月に買ったブラジルのスヴィニル。

数量北米の DIY 塗料とブラジル・中南米の塗料市場(億ドル。実質)価格シャーウィンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1)売上営業利益
今 2025/12 300 11.2% 34 6
10 年後 中立 348 16.4% 57 11

取り方:北米の DIY(約 200 億ドル、推定)とブラジル・中南米(約 100 億ドル、推定)を合わせて 300 億ドルと置き、売上 33.5 億ドル(2026 年上期の CBG 18.9 億ドルから推定。2025 年 10 月以降にスヴィニルが加わった)からシェア約 11.2% を逆算した。利益率は調整後の約 19%(2026 年 4〜6 月は調整後 24.5%、季節で高い)。競合と照らすと、DIY 売り場はホーム・デポの Behr が最大で、ロウズの Valspar(シャーウィン)が続き、シェアは小さいが量販店の専売で守られる。ブラジルは地元の複数社と分け合う。

工業用・包装・自動車補修(PCG)

自動車補修・木工・コイル・包装(缶の内面)・一般工業・航空宇宙・保護の工業用塗料。景気に敏感で、利益率は PSG より低い。

数量工業用・包装・自動車補修・保護の塗料の世界市場(億ドル。実質)価格シャーウィンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1)売上営業利益
今 2025/12 1,000 6.9% 69 11
10 年後 中立 1,220 10.1% 123 21

取り方:世界の工業用・自動車補修・包装・保護塗料を約 1,000 億ドル(推定)と置き、売上 69 億ドル(2026 年上期 PCG 36.2 億ドルから推定)からシェア約 6.9% を逆算した。利益率は調整後の約 15.3%(2026 年 4〜6 月は調整後 17.3%)。価格は主に製品の組み合わせ(ミックス)で動く。競合と照らすと、PPG(工業用・自動車補修・包装で最大級)、アクゾノーベル、日本ペイント、関西ペイントなどが分け合い、シャーウィンは中位から上位。2026 年は包装が伸び、自動車補修と一般工業が弱い。

リスクと懸念

住宅の低迷が長引く

米国の中古住宅の取引は 2023 年から低迷し、塗り替えと改装が先送りされている。金利が高止まりすると PSG の同一店の伸びは価格頼みになり、数量がマイナスに転じうる。PSG は営業利益の約 6 割を稼ぐので、利益率が 1 ポイント下がると全社の営業利益は約 3% 減る。

原料の上昇と転嫁の遅れ

2026 年は中東の紛争で石油系の樹脂・溶剤が上がり、4〜6 月は粗利率が前年の 49.4% から 49.2% に下がった。9 月 1 日の 8% の値上げが競合に追随されなければ数量を失い、追随されても顧客の買い控えを招く。酸化チタンの価格も変数。

プロ顧客の流出(PB・ネット・ホーム・デポの Pro)

ホーム・デポ(Behr)やロウズが Pro 向けの店舗とサービスを広げ、塗装業者が PB 塗料やネット販売の安い品に流れれば、店舗網の優位が薄れる。PSG のシェアが 1 ポイント下がると売上は約 4.5 億ドル、営業利益は約 1.1 億ドルの減少になる。

借金の増加と自己資本の薄さ

自社株買いを続けて自己資本は 46 億ドルまで削られ、有利子負債は 120〜140 億ドル。4〜6 月の支払利息は前年比 21% 増えた。景気の谷で利益が落ちると、利払いと配当・買い戻しを借金で賄う形になる。格付けが落ちれば借り換えの金利が上がる。

CBG の量販店依存とブラジルの買収

CBG の売上は北米でホーム・デポとロウズの 2 社に握られ、棚の条件で利益率が変わる。2025 年に買ったスヴィニルはブラジルの通貨・金利・競争に左右され、のれんと償却が重い。2026 年 4〜6 月の +21.5% は買収の上乗せで、元の事業の成長は低い。

工業用(PCG)の景気敏感

PCG は自動車補修・木工・コイル・一般工業向けで、景気の谷では数量が 1 割以上落ちる。2025 年は売上が横ばいで、PPG の自動車補修も弱い。包装の伸び(2 桁増)が続いても、他の事業の落ち込みを埋め切れない時期がある。

今後の分かれ目

PSG の同一店売上が 2〜3 四半期連続でマイナスになり、数量が落ち始めたら
価格改定の限界と見て、中立の数量の伸びを 1.5% から 0.5% に下げ、やや悲観の確率を上げる。利益率は 22〜23% へ下がりうる。
中古住宅の取引が前年比で 10% 以上戻り、PSG の数量が中単位で伸びたら
楽観の確率を上げる。PSG の利益率は 25% 台へ上がる。ただし倍率が先に成長を織り込んでいるので、時価総額が追いつく保証はない。
9 月 1 日の 8% の値上げを PPG やベンジャミン・ムーアが追随せず、数量が落ちたら
価格を決める力が想定より弱いと見て、価格の中立(物価並み)を物価の 7 割に下げる。PSG のシェア 0.5 ポイントの低下を織り込む。
ホーム・デポが Pro 向けの店舗とサービスを急拡大し、PSG の新規店舗が鈍ったら
店舗網の優位の縮みを疑う。10 年の悲観(シェア 26.5%)の確率を 10% から 15% へ上げる。
純負債が EBITDA の 2.5 倍を超えて買い戻しを続けたら
自己資本の薄さと金利の重さが利益を圧迫すると見て、純利息を年 +3 億ドルに引き上げ、中立の純利益を約 2 億ドル下げる。
スヴィニルの統合が進んで CBG の利益率が 22% を超え、ブラジルで数量が年 5% で伸びたら
CBG の中立の利益率を 19.5% から 21% へ上げ、全社の営業利益を約 1.5 億ドル上乗せする。

見ておくもの

  • PSG の同一店売上の内訳(数量と価格)と、営業利益率 24〜25% の維持
  • 9 月 1 日の 8% の値上げの追随(PPG・ベンジャミン・ムーア)と数量への影響
  • 米国の中古住宅の取引件数と、住宅ローン金利
  • 粗利率(49% 前後)と原料(酸化チタン・樹脂・溶剤)の価格
  • 有利子負債 ÷ EBITDA(2.0〜2.5 倍)と支払利息、自社株買いの規模(株式報酬を引いた正味の還元)
  • CBG の利益率とスヴィニルの統合の進み方、ホーム・デポ・ロウズの棚の条件
  • PCG の自動車補修・包装の数量、PPG の動き

倍率と資本コストの決め方

今の PER 33 倍を見る前に、3 つの事業で「市場 × シェア × 価格」を積み上げ、事業ごとの利益率から純利益を出した。倍率は k 7.5%(基本 8.0% + quality −0.5%:住宅の景気 +0.5%、自社店舗の値決め −1.0%)・g 3〜4%(市場・シェア・価格から出し、ROE からは出していない)・ROE の式(堀は強い)の 7〜9.5 割に置いた。帳簿の ROE が 40% を超える楽観は、自社株買いで自己資本が縮んだ結果なので、ROIC(税引き後営業利益 ÷(自己資本+純負債 137 億ドル))から直した ROE を使った。中立の 10 年後の PER は 22.6 倍で、今の 33 倍・過去 20 期の中央値 25.5 倍には寄せていない。総合がやや割高に出たのは事業の質を低く見たためではなく、PER 33 倍という値段が質の高さを織り込み済みだからである。中立の純利益の年 +5.9% は、経営陣の 2026 年の見通し(報告 EPS +6〜10%)と整合する。

資本コスト 7.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。

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読んだ資料

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  2. シャーウィン・ウィリアムズ 2025 年度 10-K(SEC)
  3. European Coatings:シャーウィン 2025 年通期と 2026 年の見通し
  4. European Coatings:シャーウィン 2026 年 4〜6 月期
  5. PPG 2026 年 4〜6 月期決算(Business Wire)
  6. IBISWorld:米国の塗料製造業
  7. Fact.MR:建築用塗料の世界市場

分析日 2026-10-16