結論
マーチン・マリエッタ・マテリアルズ(Martin Marietta Materials)は、米国で骨材(砕石・砂利・砂)の出荷が 2 位の会社で、本社はノースカロライナ州ローリー。2025 年は骨材だけで売上 50 億ドル・粗利 16.8 億ドル、出荷 1.985 億トン、売値は 1 トン 23.30 ドル(+7%)だった。2026 年に会社の姿が大きく変わった。2 月にクイックリート(QUIKRETE)との資産交換でセメントと残りのテキサス生コンを手放して骨材を得、5 月にセントルイスのニュー・フロンティアを買い、8 月 21 日には約 135 億ドル(現金 約 70 億ドル+株式 約 65 億ドル)でリョイスト・ノースアメリカ(LNA、米国の石灰の上位)の買収を終えた。
これで事業は、骨材(売上の約 6 割)、石灰(LNA、約 2 割)、その他建材と特殊品(マグネシア)の 3 本になる。買収後の実質の年換算は、売上約 91 億ドル、営業利益約 21 億ドル、純利益約 11.6 億ドル(推定)。純負債は約 125 億ドルで EBITDA の約 4 倍に上がり、創業家のベルグマン家が約 15% の株主になった。
バリュー投資の観点では、骨材の地域の独占と、顧客の費用の 1〜4% にすぎない石灰の価格決定力は、10 年後も存在し今より強い可能性が高い。中立の筋書きは 10 年後の純利益 31.5 億ドル(今の 2.7 倍)、倍率は式(k 8.5%・g 4%)の 9 割で PER 14.6 倍。割り引いた価値は今の時価総額(約 356 億ドル)を約 11% 下回り、『やや割高』になる。LNA を約 17 倍の EBITDA で買った分、堀の質は高いが安全域は薄い。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、骨材は『10 年後も確実に存在し、物価に沿って値上げできる』数少ない事業で、LNA の石灰は顧客の費用の 1〜4% と小さいため値上げに耐え、窯という重い設備が参入を防ぐ。2 本とも堀は広がるか、少なくとも崩れにくい。道路も、データセンターも、鉄も、石と石灰なしでは作れない。
オーナー利益で見ると、買収後の純利益は年換算で約 11.6 億ドル、減価償却は約 12 億ドル、設備投資は約 9 億ドルで、維持の投資を引いても純利益より現金が残る。資本配分は筋が良い:セメントのような景気に左右される事業を手放し、骨材と石灰に集中した。ただし LNA を約 17 倍の EBITDA(同業の大型買収としては高い水準)で買い、純負債は EBITDA の約 4 倍に増えた。経営陣は 24 か月での返済と投資適格の維持を約束しており、そこは実績で検証する必要がある。
値段は、式の 10 年の中立(9 割で PER 14.6 倍)から割り引くと、今の時価総額はやや割高。良い事業を少し高めの値段で買う形で、安全域はない。リーマン級の不況が来た時の下げは、負債が重い分だけ深くなる。
何で稼ぐ会社か
事業は 3 つ。①骨材とその周辺(売上の約 6 割、営業利益の約 7 割):花崗岩・石灰石・砂利の採石場を、テキサス、コロラド、ジョージア、フロリダ、ノースカロライナ、インディアナ、セントルイスなどに持つ。2026 年 Q2 の出荷は 6,160 万トン、売値は 1 トン 22.74 ドル。顧客は道路・橋の公共工事、データセンターや倉庫・工場、住宅の請負業者。当社の市場のデータセンター工事は今 +90%、発電 +23%、倉庫 +53%(経営陣)。採石場は半径数十キロにしか売れず、競合は地域ごとに数社。その他建材(アスファルト・舗装・残りの生コン、売上 約 10 億ドル)は骨材の出口で、利益率は低い。
②石灰(LNA、2025 年の総売上 18 億ドル、調整後 EBITDA 7.86 億ドル):高カルシウム石灰・ドロマイト石灰・工業鉱物。鉄鋼の製錬、排煙・排水などの環境、建設、化学が顧客で、20 の採石場・工場と 45 の配送拠点を持つ。窯が重い設備なので参入が難しく、石灰は顧客の費用の 1〜4% と小さく、値上げが通りやすい(経営陣)。
③特殊品(マグネシア。2026 年 Q2 の売上 1.52 億ドル、営業利益 0.42 億ドル):耐火物や化学向け。小さいが利益率は約 25%。
稼ぎ方の核は、毎年の値上げ、小さな買収と新設、費用管理(年約 3.5 億ドルの現金創出策を 2027 年末までに)。2026 年上期は設備投資 3.1 億ドル、配当 1.0 億ドル、自社株買い 2.0 億ドル。
優良さと弱いところ
堀は許認可と立地、そして窯の設備。骨材の採石場は新設に 5 年以上かかり、地元の反対と環境許可を通す必要がある。石灰は窯と採石場が一体で、周りに競合が少なく、顧客の費用に占める割合が小さいので値上げに耐える。2025 年の骨材の 1 トンあたり粗利は 8.45 ドル(+12%)、骨材の粗利率は 33.5%。2015 年の営業利益率 14% から 2025 年の 24% へ、物価を超える値上げを利益に残してきた。経営陣(ウォード・ナイ CEO)は価格規律と資本の入れ替え(セメントを手放して骨材と石灰を買う)を一貫して進めており、実績は良い。
弱みも明確。第一に、地域独占の裏返しで、公共の発注者・規制の目が価格に向く。第二に、景気で数量が振れる(リーマン期の株価は −52%)。第三に LNA を約 17 倍の EBITDA で買ったこと:のれんが増え、帳簿の ROE は今 7% 前後に下がっている。第四に、純負債が EBITDA の約 4 倍になり、24 か月で目標へ戻す計画に依存すること(経営陣)。第五に、2026 年 Q2 は購入会計の一時費用で 1 トンの粗利が 6.78 ドルに下がり、利益の質が一時的に見えにくい。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の骨材は年約 25 億トン。需要は公共インフラ・民間の非住宅・住宅が各 3 分の 1 前後。2026 年は K 字:強いのは公共(連邦のインフラ資金は 1,500 億ドル超が未執行。つなぎの延長が見込まれ、後継法は年末にかけて)とデータセンター・発電・倉庫、弱いのは戸建住宅。骨材は重く、輸入や中国の過剰供給で価格が崩れにくいのが他の素材との違い。費用側はディーゼル・人件費・補修費が物価で上がり、2026 年は費用/トンが約 +3%(エネルギーは年末まで高止まり)。
競合は、ヴァルカン・マテリアルズ(Vulcan Materials、2026 年 Q2 の売値 22.97 ドル/トンで MLM の 22.74 ドルとほぼ同じ)、CRH(欧州・建築製品を含む北米最大の建設資材)、セメックス、ホルシム、ハイデルベルク。MLM とヴァルカンは骨材専業で、地域の価格改定が似た形で動く。
石灰は別の業界:米国の出荷は年 約 17〜18 百万トンで、鉄鋼・環境・建設・化学が用途。主要は、カーミューズ(Carmeuse)、グライモント(Graymont)、リョイスト(Lhoist)、ミシシッピ・ライム(Mississippi Lime)。出荷量は 20 年ほぼ横ばいだが、価格は物価並みに上がってきた。石炭火力の停止は環境用の需要を減らし、鉄鋼の国内生産と浄水・排煙規制の強化は増やす。10 年の見方では、骨材の数量は商圏で年 +1.5〜1.8%、価格は物価 3.5% に 0.3〜1% の上乗せ。石灰は数量 年 +0.8%、価格は物価に 0.7% の上乗せ。
資本政策と M&A
資本配分は、買収と採石場の新設を優先し、配当(今は約 2.4 億ドル、年 +7% 前後の増配)と自社株買い(2026 年上期 2 億ドル)を続けてきた。LNA の買収は、約 70 億ドルの現金(3 年タームローン 15 億ドルほか)と約 65 億ドルの株式で払い、純負債を約 125 億ドルへ増やした。経営陣は 24 か月以内に目標の負債水準へ戻す、投資適格は保つ、自社株買いは当面抑える、と言う。筋書きでは、純負債÷EBITDA が 3 倍を下回るまで自社株買いを止め、その後に再開すると置いた。
M&A の歴史は、ヴァルカンとの資産交換、TXI(テキサス)、2025 年のクイックリート交換、2026 年のニュー・フロンティアなど。2026 年のクイックリート交換は約 19.8 億ドルの売却益(非継続事業の利益 14.3 億ドル)を出すが、これは一時の利益で筋書きの純利益には入れない。今後も骨材の小さな買収は続くが、LNA の統合が終わるまで大型は考えにくい。リョイスト家が約 15% を持つ株主で、取締役 1 人を出す。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
骨材の価格を決める力は、2022 年の物価高でも、2025 年(売値 +7%)でも証明された。2026 年 Q2 も、クイックリート・ニュー・フロンティアの混ざりを除くと既存の価格は +3.7%、年内は年 +5% 前後を見込む。1 トンの粗利は 2025 年に +12%、購入会計の一時費用を除けば Q2 も改善している。データセンターは当社の市場で +90%、発電 +23%、倉庫 +53%。データセンターの床面積の 70% 超が当社の拠点の 55 マイル以内にある。連邦のインフラ資金は 1,500 億ドル超が未執行で、後継法がなくても当面は続く。
LNA は、鉄鋼・環境・建設・化学に石灰を売る、窯の重い寡占の事業で、2025 年の EBITDA は 7.86 億ドル、さらに年 0.85 億ドルの費用の相乗効果(経営陣は『保守的』と言う)がある。純負債は 3 年で EBITDA の 2.5 倍前後へ下がり、自社株買いが再開する。10 年後に純利益が今の 3 倍になれば、PER 25 倍でも時価総額は今の 2 倍。
慎重な見方
今の値段は、骨材の質に石灰の質を足した値段を、ほぼそのまま織り込んでいる。LNA は約 17 倍の EBITDA で、同じ時期の骨材専業より高く買った。のれんが増えて ROE が 7% 前後に下がり、純負債は EBITDA の約 4 倍。2026 年 Q2 は購入会計の一時費用で 1 トンの粗利が 17% 下がり、売値も混ざりで −2%、利益の質が見えにくい。値上げは発注者(州の道路局)と議会の目に留まり、価格は物価並みに戻りうる。
石灰は、石炭火力の停止で環境用が減り、鉄鋼の国内生産が増えなければ数量は伸びない(20 年ほぼ横ばい)。リーマン期の骨材は出荷が 4 割前後減り、株価は 52% 下がった。今回は負債が重いので、減配や増資まで見る必要がある。式(ROE 16%・g 4%・k 8.5%)の 9 割でも中立の PER は 14.6 倍で、今の約 31 倍(実質の年換算利益に対し)とは大きく離れる。
どちらに重みを置いたか
価格を決める力と費用管理の実績、石灰の価格決定力は強気の見方が強く、楽観とやや楽観を合わせ 10 年で 35% を置いた。一方、買収後の負債の重さ(景気後退の傷が深い)と、価格が物価並みに戻るリスクを重く見て、悲観とやや悲観を 10 年で 31% にした。倍率は式の 9 割前後で今の値段に寄せていない。割り引いた価値は今の時価総額を約 11% 下回り、やや割高。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 626.53 ドル445 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 252.00 ドル179 億ドル)。 今の値に割り戻すと 444.70 ドル316 億ドル、今との差 −14.1%、 期待の年率 +5.4%(資本コスト 8.5%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 1,055 ドル749 億ドル | 346.62 ドル246 億ドル | +170.7% | +10.5% | 140.14 ドル100 億ドル |
| やや楽観 | 25% | 835.21 ドル593 億ドル | 304.23 ドル216 億ドル | +120.1% | +8.2% | 284.86 ドル202 億ドル |
| 中立 | 34% | 646.90 ドル459 億ドル | 267.46 ドル190 億ドル | +76.6% | +5.9% | 310.88 ドル221 億ドル |
| やや悲観 | 18% | 407.32 ドル289 億ドル | 211.55 ドル150 億ドル | +19.5% | +1.8% | 111.40 ドル79 億ドル |
| 悲観 | 13% | 146.06 ドル104 億ドル | 94.37 ドル67 億ドル | −53.6% | −7.4% | 31.25 ドル22 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 626.53 ドル445 億ドル | 252.00 ドル179 億ドル | +69.7% | +5.4% | 878.54 ドル624 億ドル |
今の株価時価総額 517.67 ドル368 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.5% を下回るほど割高。
楽観 10% 楽観:インフラ後継法とデータセンターで数量・価格とも伸び、石灰の値上げも効く 利益 44 億ドル · PER 17.0 倍 · 株価時価総額 1,055 ドル749 億ドル
2035 年、インフラ投資法の後継が通り、データセンター・発電・国内回帰の工場の建設が長く続く。当社の商圏の骨材市場は 10 年で 22% 伸び、シェアも採石場の新設と買収で 4% 上積みされ、出荷は 3.05 億トン(今の 1.34 倍)。売値は 10 年で 1.68 倍(物価 1.41 倍に 19% の上乗せ)、骨材の営業利益率は 34.5%。LNA は鉄鋼・環境・建設で出荷 +20%、石灰の価格決定力(顧客の費用の 1〜4% にすぎない)で価格は 1.68 倍、利益率は 36%。純利益は 44 億ドル(今の 3.8 倍)、純負債÷EBITDA は 1 倍、10 年の還元は約 246 億ドル。競合と照らすと、ヴァルカンの 10 年と同じ形で骨材が伸び、さらに石灰が MLM だけの上積み。ここまで揃えば利益は今の 3.8 倍、競合が価格を崩せば中立に戻る。
- 骨材(砕石・砂利・砂)とその周辺:数量 305(出荷(百万トン)=米国の骨材市場(年約 25 億トン)× 当社の出荷の割合)× 価格 38(1 トンの売値(ドル))→ 売上 127 億ドル・営業利益 44 億ドル。出荷 305 百万トン(市場 × シェア)× 売値 38.2 ドル/トン(今の 1.68 倍)
- その他建材(アスファルト・舗装・生コン):数量 760(当社の商圏のアスファルト・舗装・生コンの市場(億ドル。推定・名目))× 価格 2.1%(当社のシェア)→ 売上 16 億ドル・営業利益 1 億ドル。商圏の舗装・生コン市場 760 億ドル(名目)× シェア 2.1%(据え置き)
- 特殊品(マグネシア):数量 58.0(マグネシア関連の市場(億ドル。推定・名目))× 価格 14.5%(当社のシェア)→ 売上 8 億ドル・営業利益 2 億ドル。マグネシア関連の市場 58 億ドル(名目)× シェア 14.5%
- 石灰・工業鉱物(LNA):数量 10.8(出荷(百万トン・推定)=米国の石灰・工業鉱物の市場(約 4,000 万トン・推定)× 当社のシェア)× 価格 336(1 トンの売値(ドル・推定))→ 売上 36 億ドル・営業利益 13 億ドル。石灰・工業鉱物の出荷 10.8 百万トン(推定)× 売値 336 ドル/トン(今の 1.68 倍)
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 22.4%、k 8.50%(基本 8.0% + quality +0.5%)、残る割合 0.67(強い堀)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 17.8%、g 4.0%(骨材の商圏の市場(数量)× シェア × 価格(物価+上乗せ。上乗せは政治問題で縮むと置く)、石灰は出荷 × 売値から出した値。ROE から出していない)、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 17.2 倍(来年の利益に対して)。骨材と石灰の値決めが続く分、上限の 9.5 割(16.4 倍)に置き、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 17.0 倍。時価総額 = 純利益 44 × 17.0 倍 = 749 億ドル。
確率:10 年間、インフラ予算が続き、南部・西部の人口流入と国内回帰の建設で数量が積み上がり、石灰の価格決定力も効く展開。10 年で揃うのは 1 割。
やや楽観 25% やや楽観:数量は年 +2.4%、価格は物価の約 15% 増で、利益率が過去最高を更新し続ける 利益 38 億ドル · PER 15.7 倍 · 株価時価総額 835.21 ドル593 億ドル
2035 年、公共と非住宅の強さが長く続き、住宅も部分的に戻る。出荷は 2.88 億トン、売値は 10 年で 1.62 倍(物価の約 15% 増)、骨材の営業利益率は 33%。LNA は出荷 +14%、石灰の価格 1.58 倍、利益率 34%。相乗効果は 1.0 億ドルを超える。純利益は 37.7 億ドル(今の 3.3 倍)、純負債÷EBITDA は 1.1 倍で、10 年の還元は約 216 億ドルに達する。競合の CRH が欧州・建築製品で分散する一方、MLM は骨材と石灰の 2 本立てで価格決定力が高い形。競合がシェアを取りに来て骨材の価格が物価並みに戻れば中立に落ちる。この筋書きがうまくいけば利益は今の 3.3 倍だが、倍率は式の 9 割強で 15.7 倍止まりで、今の値段の水準には届かない。
- 骨材(砕石・砂利・砂)とその周辺:数量 288(出荷(百万トン)=米国の骨材市場(年約 25 億トン)× 当社の出荷の割合)× 価格 37(1 トンの売値(ドル))→ 売上 116 億ドル・営業利益 38 億ドル。出荷 288 百万トン(市場 × シェア)× 売値 36.8 ドル/トン(今の 1.62 倍)
- その他建材(アスファルト・舗装・生コン):数量 725(当社の商圏のアスファルト・舗装・生コンの市場(億ドル。推定・名目))× 価格 2.1%(当社のシェア)→ 売上 15 億ドル・営業利益 1 億ドル。商圏の舗装・生コン市場 725 億ドル(名目)× シェア 2.1%(据え置き)
- 特殊品(マグネシア):数量 56.0(マグネシア関連の市場(億ドル。推定・名目))× 価格 14.5%(当社のシェア)→ 売上 8 億ドル・営業利益 2 億ドル。マグネシア関連の市場 56 億ドル(名目)× シェア 14.5%
- 石灰・工業鉱物(LNA):数量 10.3(出荷(百万トン・推定)=米国の石灰・工業鉱物の市場(約 4,000 万トン・推定)× 当社のシェア)× 価格 316(1 トンの売値(ドル・推定))→ 売上 33 億ドル・営業利益 11 億ドル。石灰・工業鉱物の出荷 10.3 百万トン(推定)× 売値 316 ドル/トン(今の 1.58 倍)
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 18.8%、k 8.50%(基本 8.0% + quality +0.5%)、残る割合 0.67(強い堀)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 15.4%、g 4.0%(骨材の商圏の市場(数量)× シェア × 価格(物価+上乗せ。上乗せは政治問題で縮むと置く)、石灰は出荷 × 売値から出した値。ROE から出していない)、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 16.4 倍(来年の利益に対して)。骨材と石灰の値決めが続く分、上限の 9.2 割(15.1 倍)に置き、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 15.7 倍。時価総額 = 純利益 38 × 15.7 倍 = 593 億ドル。
確率:骨材の価格決定力が過去 10 年並みに続き、数量も緩やかに伸びる。実績(過去 10 年の価格は年 +5〜6%)を踏まえ 25% を置いた。
中立 34% 中立:数量は年 +1.8%、価格は物価の約 10% 増、LNA の統合も実り、純負債は年々減る 利益 32 億ドル · PER 14.6 倍 · 株価時価総額 646.90 ドル459 億ドル
2035 年、公共・データセンター・発電が住宅の弱さを補い、当社の商圏の骨材市場は 10 年で 19%(年 +1.8%)伸び、シェアは横ばい。出荷は 2.72 億トン、売値は 10 年で 1.55 倍(物価 1.41 倍に 10% の上乗せ。骨材の寡占でも値上げが政治問題になり、上乗せは縮むと置いた)。骨材の営業利益率は 31%(今 26%)。LNA は出荷 +9%、石灰の価格は 1.50 倍、利益率 32%。営業利益 45 億ドル、利息は借り換えで増えるが純負債は 85 億ドルまで減り、純利益は 31.5 億ドル。10 年の還元は約 190 億ドル。競合と照らすと、ヴァルカンの中立(営業利益率 28%)より MLM の骨材の利益率が少し高く、石灰の分だけ全体の利益率も保たれる。この筋書きが崩れるのは、骨材の価格が物価並みまで下がる時で、その時は利益が今の 2.1 倍(やや悲観)に落ちる。
- 骨材(砕石・砂利・砂)とその周辺:数量 272(出荷(百万トン)=米国の骨材市場(年約 25 億トン)× 当社の出荷の割合)× 価格 35(1 トンの売値(ドル))→ 売上 105 億ドル・営業利益 32 億ドル。出荷 272 百万トン(市場 × シェア)× 売値 35.2 ドル/トン(今の 1.55 倍)
- その他建材(アスファルト・舗装・生コン):数量 690(当社の商圏のアスファルト・舗装・生コンの市場(億ドル。推定・名目))× 価格 2.1%(当社のシェア)→ 売上 15 億ドル・営業利益 1 億ドル。商圏の舗装・生コン市場 690 億ドル(名目)× シェア 2.1%(据え置き)
- 特殊品(マグネシア):数量 54.0(マグネシア関連の市場(億ドル。推定・名目))× 価格 14.5%(当社のシェア)→ 売上 8 億ドル・営業利益 2 億ドル。マグネシア関連の市場 54 億ドル(名目)× シェア 14.5%
- 石灰・工業鉱物(LNA):数量 9.8(出荷(百万トン・推定)=米国の石灰・工業鉱物の市場(約 4,000 万トン・推定)× 当社のシェア)× 価格 300(1 トンの売値(ドル・推定))→ 売上 29 億ドル・営業利益 9 億ドル。石灰・工業鉱物の出荷 9.8 百万トン(推定)× 売値 300 ドル/トン(今の 1.50 倍)
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 15.8%、k 8.50%(基本 8.0% + quality +0.5%)、残る割合 0.67(強い堀)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 13.4%、g 4.0%(骨材の商圏の市場(数量)× シェア × 価格(物価+上乗せ。上乗せは政治問題で縮むと置く)、石灰は出荷 × 売値から出した値。ROE から出していない)、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 15.6 倍(来年の利益に対して)。骨材と石灰の値決めが続く分、上限の 9 割(14.0 倍)に置き、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 14.6 倍。時価総額 = 純利益 32 × 14.6 倍 = 459 億ドル。
確率:業界ノートの中立(数量 年 +1.5%、価格 年 +4.5%、利益率はゆっくり改善)に MLM の石灰の分を足した議論の落としどころ。
やや悲観 18% やや悲観:数量は年 +0.9%、価格は物価並みで、利益率の上積みが止まる 利益 24 億ドル · PER 12.1 倍 · 株価時価総額 407.32 ドル289 億ドル
2035 年、住宅の低迷とインフラ後継法の遅れで、市場は年 +0.9% にとどまり、出荷は 2.50 億トン、売値は 10 年 1.45 倍(物価の 1.03 倍、ほぼ並み)。費用は物価で上がり、骨材の営業利益率は 28.5% で頭打ち。LNA は鉄鋼の国内生産が増えず出荷 +1%、石灰の価格は 1.38 倍、利益率 29%。LNA の相乗効果は 0.85 億ドル止まり。純利益は 24 億ドル(今の 2.1 倍)、純負債÷EBITDA は 1.6 倍。自社株買いはあるが規模は小さい。競合と照らすと、ヴァルカンや CRH が小さな採石場を買い増し、MLM はシェアを守るのが精一杯になる。この筋書きがうまくいけば利益は今の 2.1 倍だが、物価並みの価格では骨材の利益率が上がらず、LNA の統合の成果も小さい。
- 骨材(砕石・砂利・砂)とその周辺:数量 250(出荷(百万トン)=米国の骨材市場(年約 25 億トン)× 当社の出荷の割合)× 価格 33(1 トンの売値(ドル))→ 売上 90 億ドル・営業利益 26 億ドル。出荷 250 百万トン(市場 × シェア)× 売値 33.0 ドル/トン(今の 1.45 倍)
- その他建材(アスファルト・舗装・生コン):数量 640(当社の商圏のアスファルト・舗装・生コンの市場(億ドル。推定・名目))× 価格 2.1%(当社のシェア)→ 売上 13 億ドル・営業利益 1 億ドル。商圏の舗装・生コン市場 640 億ドル(名目)× シェア 2.1%(据え置き)
- 特殊品(マグネシア):数量 49.0(マグネシア関連の市場(億ドル。推定・名目))× 価格 14.5%(当社のシェア)→ 売上 7 億ドル・営業利益 2 億ドル。マグネシア関連の市場 49 億ドル(名目)× シェア 14.5%
- 石灰・工業鉱物(LNA):数量 9.1(出荷(百万トン・推定)=米国の石灰・工業鉱物の市場(約 4,000 万トン・推定)× 当社のシェア)× 価格 276(1 トンの売値(ドル・推定))→ 売上 25 億ドル・営業利益 7 億ドル。石灰・工業鉱物の出荷 9.1 百万トン(推定)× 売値 276 ドル/トン(今の 1.38 倍)
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 11.7%、k 8.50%(基本 8.0% + quality +0.5%)、残る割合 0.67(強い堀)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 10.6%、g 3.8%(骨材の商圏の市場(数量)× シェア × 価格(物価+上乗せ。上乗せは政治問題で縮むと置く)、石灰は出荷 × 売値から出した値。ROE から出していない)、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 13.7 倍(来年の利益に対して)。買収後の借金と需要の谷の分、上限の 8.5 割(11.6 倍)に置き、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 12.1 倍。時価総額 = 純利益 24 × 12.1 倍 = 289 億ドル。
確率:住宅の低迷と後継法の遅れで価格が物価並みに戻る展開。LNA の統合の成果が小さい場合も含み 18% と置いた。
悲観 13% 悲観:構造的に負ける。公共投資の縮小・地域独占の弱まり・LNA ののれんの減損で優良ではなくなる 利益 11 億ドル · PER 9.8 倍 · 株価時価総額 146.06 ドル104 億ドル
2035 年、公共投資の縮小と住宅の低迷が重なり、商圏の骨材市場は 5% 縮む。さらに地域の独占が崩れ(新設の採石場・再生骨材・輸入)、シェアも 5% 失って出荷は 2.06 億トン。売値は 1.28 倍で物価の 1.41 倍に届かず、骨材の営業利益率は 20% へ下がる。LNA は鉄鋼の海外移転と石炭火力の停止(環境用の石灰が減る)で出荷 −11%、石灰の価格は 1.20 倍、利益率 20%。LNA を 17 倍の EBITDA で買ったのれんの減損(約 30 億ドル)が出て、自己資本は 189 億ドル。純利益は 10.6 億ドル(今の 0.9 倍)、ROE は 5% 台。競合と照らすと、ヴァルカン・CRH・ホルシムに採石場で押され、石灰でもカーミューズ(Carmeuse)・グライモント(Graymont)の値引きで価格を決める力という長所が弱まる。
- 骨材(砕石・砂利・砂)とその周辺:数量 206(出荷(百万トン)=米国の骨材市場(年約 25 億トン)× 当社の出荷の割合)× 価格 29(1 トンの売値(ドル))→ 売上 65 億ドル・営業利益 13 億ドル。出荷 206 百万トン(市場 × シェア)× 売値 29.1 ドル/トン(今の 1.28 倍)
- その他建材(アスファルト・舗装・生コン):数量 540(当社の商圏のアスファルト・舗装・生コンの市場(億ドル。推定・名目))× 価格 2.1%(当社のシェア)→ 売上 11 億ドル・営業利益 0 億ドル。商圏の舗装・生コン市場 540 億ドル(名目)× シェア 2.1%(据え置き)
- 特殊品(マグネシア):数量 40.0(マグネシア関連の市場(億ドル。推定・名目))× 価格 14.5%(当社のシェア)→ 売上 6 億ドル・営業利益 1 億ドル。マグネシア関連の市場 40 億ドル(名目)× シェア 14.5%
- 石灰・工業鉱物(LNA):数量 8.0(出荷(百万トン・推定)=米国の石灰・工業鉱物の市場(約 4,000 万トン・推定)× 当社のシェア)× 価格 240(1 トンの売値(ドル・推定))→ 売上 19 億ドル・営業利益 4 億ドル。石灰・工業鉱物の出荷 8.0 百万トン(推定)× 売値 240 ドル/トン(今の 1.20 倍)
倍率:利益ベースで測る。事業の ROE 5.6% は k 8.5% を下回るので、価値は稼ぐ力(10 年目の純利益 10.6 億ドル ÷ k 8.5% = 125 億ドル)で測る。LNA ののれん減損後の自己資本 189 億ドルに対し、構造的な悲観なので稼ぐ力の約 8 割強(104 億ドル、PER 9.8 倍・PBR 0.55 倍)に置いた。純利益は GAAP。
確率:後継法がなく公共投資が実質で 3 割減り、さらに高値の買収(LNA)で資本効率が崩れ、もう優良ではなくなっている状態。負債の重さを踏まえ 13% と置いた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
骨材(砕石・砂利・砂)とその周辺
採石場から建設現場へ。米国の公共・非住宅・住宅向けの骨材を地域ごとに売る最大の利益源。クイックリート交換・ニュー・フロンティアを含む実質の年換算。
| 数量出荷(百万トン)=米国の骨材市場(年約 25 億トン)× 当社の出荷の割合 | 価格1 トンの売値(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 228 | 23 | 57 | 15 |
| 10 年後 中立 | 272 | 35 | 105 | 32 |
取り方:2025 年の出荷 1.985 億トン・売値 23.30 ドルが出発点。2026 年にクイックリート交換(骨材の資産を得る)とニュー・フロンティア(年 800 万トン超、1 トン約 12 ドル)が加わり、実質の年換算出荷を 2.28 億トン(米国市場の約 9.1%)と置いた(Q2 2026 は 6,160 万トン)。売値は Q2 2026 の 22.74 ドル(ミックスで −2%、既存・ミックス調整後 +3.7%)。売上は出荷 × 売値 × rev_factor 0.0109(運賃・配送料など約 9%)で 56.5 億ドル。営業利益は 1 トンの粗利 約 8.2 ドル(購入会計の一時費用を除く)から販管費を引いて 14.8 億ドル(26%)。2026 年の会社見通し(売上 72〜74 億ドル、LNA を除く)と合う。競合と照らすと、ヴァルカンは 22.97 ドル/トンでほぼ同水準。
その他建材(アスファルト・舗装・生コン)
骨材の出口として持つアスファルト・舗装・残りの生コン。2026 年にセメントとテキサス生コンの大半を手放し、利益率は骨材の約 7 分の 1。
| 数量当社の商圏のアスファルト・舗装・生コンの市場(億ドル。推定・名目) | 価格当社のシェア | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 500 | 2.1% | 11 | 0 |
| 10 年後 中立 | 690 | 2.1% | 15 | 1 |
取り方:2026 年 Q2 のその他建材の売上は 3.03 億ドル(+12%、粗利 0.34 億ドル)。セメントとテキサス生コンの売却後の年換算を 10.5 億ドルとし、商圏の市場を 500 億ドル(推定)× シェア 2.1% で置いた。営業利益は粗利に販管費を引いて約 0.4 億ドル(4%)。市場の伸びは名目(物価込み)で書く。
特殊品(マグネシア)
耐火物・化学向けのマグネシア製品。小さいが利益率が高く、Q2 2026 は売上・利益とも過去最高。
| 数量マグネシア関連の市場(億ドル。推定・名目) | 価格当社のシェア | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 40.0 | 14.5% | 6 | 1 |
| 10 年後 中立 | 54.0 | 14.5% | 8 | 2 |
取り方:2026 年 Q2 の特殊品の売上は 1.52 億ドル、営業利益 0.42 億ドル(過去最高。プレミア・マグネシアの買収込み)。年換算で売上 5.8 億ドル、営業利益 1.4 億ドル(24%)。市場 40 億ドル(推定)× シェア 14.5%。
石灰・工業鉱物(LNA)
リョイスト・ノースアメリカ。高カルシウム石灰・ドロマイト石灰などを鉄鋼・環境・建設・化学に売る。2026 年 8 月に買収が完了。
| 数量出荷(百万トン・推定)=米国の石灰・工業鉱物の市場(約 4,000 万トン・推定)× 当社のシェア | 価格1 トンの売値(ドル・推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 9.0 | 200 | 18 | 5 |
| 10 年後 中立 | 9.8 | 300 | 29 | 9 |
取り方:開示は 2025 年の総売上 18 億ドル・調整後 EBITDA 7.86 億ドル(20 の採石場・工場、45 の配送拠点)のみで、出荷量は開示がない。石灰と工業鉱物の合計の市場を約 4,000 万トン(推定。米国の石灰だけなら年 約 1,700〜1,800 万トン)、当社のシェアを 22.5%(出荷 900 万トン)、売値を 200 ドル/トン(推定)と置き、売上 18.0 億ドルに合わせた。営業利益は EBITDA 7.86 億ドルから減価償却(約 2.4 億ドル)と購入会計の償却(約 0.5 億ドル)を引いて 4.9 億ドル(27%・GAAP の推定)。競合はカーミューズ・グライモント・ミシシッピ・ライム。
リスクと懸念
景気後退と着工の落ち込み(負債が重いので傷が深い)
骨材の出荷は景気と着工に大きく振れる。2008〜10 年に MLM の骨材は約 4 割減り、株価は −52%。固定費(採石場・窯・人)が重く、数量が落ちると利益率が一気に落ちる。今回は純負債が EBITDA の約 4 倍で、不況では 8 倍を超え、配当の削減や増資、のれんの減損まで見る必要がある。
LNA 買収の高い値段と統合
約 17 倍の EBITDA で買ったため、のれんが増えて帳簿の ROE が 7% 前後に下がった。相乗効果(年 0.85 億ドル)は 2 年で出る計画だが、窯の設備は古いものも多く、環境規制への投資が要る可能性がある。統合が遅れると返済も遅れる。
価格を上げ続けることへの政治・規制の反発
骨材と石灰の値上げは、州の道路局や議会の目に留まる。物価を超える値上げが数年続くと、発注者が輸入・再生骨材・代替材へ動く、入札の仕様を変えるといった形で値上げの力が削られうる。中立の筋書きでは骨材の価格を物価の約 10% 増(10 年 1.55 倍)まで置いた。
石灰の需要の構造(石炭火力の停止・鉄鋼の海外移転)
石灰の出荷は 20 年ほぼ横ばい。環境用(排煙脱硫)は石炭火力の停止で減り、鉄鋼は国内の生産が増えなければ減る。LNA の価格決定力で補えるが、数量の伸びは骨材より低い。悲観では出荷 −11%、価格 1.20 倍とした。
費用の上昇(ディーゼル・人件費・エネルギー)
2026 年は費用/トンが約 +3%、エネルギーは年末まで高止まり(経営陣)。石灰は窯の燃料(石炭・天然ガス)の割合が大きく、燃料価格の影響が骨材より大きい。価格が上がっても費用が追いつくと、1 トンの粗利が伸びない。
インフラ後継法の遅れ
IIJA は 2026 年 9 月に期限を迎え、後継法の形と時期は不透明(経営陣はつなぎの延長を見込む)。資金は 1,500 億ドル超が未執行で当面は支えるが、後継法がなく公共の発注が細ると、2028 年以降の数量の伸びが年 1% を割る。
今後の分かれ目
- 純負債÷EBITDA が 24 か月以内に 3 倍を下回り、自社株買いが再開したら
- 統合と返済が計画どおりに進んだ印。楽観・やや楽観の確率を上げる。
- 骨材の価格改定が 5% を割り、物価並みの 3.5% 前後に下がったら
- 価格決定力が落ちた印。中立の営業利益率を 2〜3 ポイント下げ、やや悲観の確率を上げる。
- IIJA の後継法が成立し、公共の予算が 2028 年以降も実質で維持される見通しになったら
- 骨材の出荷が年 2〜3% で伸びる。楽観側の確率を上げる。ただし倍率が先に織り込むので、値段が追いつく保証はない。
- LNA の出荷が 2 年続けて前年比 −3% を超えて減ったら
- 鉄鋼・環境の需要が構造的に弱い印。石灰の数量を下げ、買収の ROE(今 約 7%)が戻らない方向に確率を寄せる。
- 景気後退で出荷が 2 四半期続けて前年比 10% 以上減ったら
- 悲観が近づいた印。純負債÷EBITDA が 5 倍を超えるなら減配・増資も視野に入る。
- 骨材の大型買収(EBITDA の 13 倍超)を発表したら
- LNA の統合が終わらないうちの買収は資本配分の悪化の兆し。ROE の低下と負債の増加で、式の倍率が縮む。
見ておくもの
- 骨材の出荷(百万トン)と既存の価格・ミックス調整後の価格(2026 年 Q2 は +3.7%)
- 純負債÷EBITDA(買収後 約 4 倍。目標へ 24 か月)と自社株買いの再開
- LNA の出荷・価格・EBITDA(2025 年 7.86 億ドル)と相乗効果(年 0.85 億ドル)
- 費用/トン(2026 年の見通し 約 +3%)とエネルギー費
- IIJA の後継法と州の高速道路の受注
- データセンター・発電の建設(当社の市場で +90%・+23%)
- ヴァルカン・CRH の価格と買収の動き
倍率と資本コストの決め方
今の株価・PER を見る前に、骨材は出荷(市場 × シェア)× 売値、石灰は出荷(推定)× 売値、その他は市場 × シェアで売上を積み、営業利益率から純利益を出した。買収後の負債は返済と自社株買いの再開を年ごとに計算して利息を出した。倍率は k 8.5%(基本 8.0% + quality +0.5%:景気の振れ +0.5%、骨材・石灰の値決め −1.0%、LNA 買収後の借金 +1.0%)・g 4%(市場の伸び+価格から出し、ROE からは出していない)・帳簿の ROE の式(堀は強い)の 8.4〜9.5 割に置き、10 年の中立は 14.6 倍。悲観は ROE が k を下回るので稼ぐ力(純利益 ÷ k)で測った。今の値段には寄せていない。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。