株譜
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モザイク MOS

リン酸・カリ・ブラジル流通の三本足。2026 年は硫黄高で赤字。価格の中立を限界費用に置き k 10% で割ると、本質価値は今の時価総額とほぼ同じ

やや割安
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)20.50 ドル65 億ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)17.3 ドル55 億ドル差 +18.7%
10 年後から見ると やや割安 価値 20.50 ドル65 億ドル · 差 +18.7% · 期待の年率 +10.0%
期待の年率リターン(10 年)+10.0%資本コストと同じ
推定の資本コスト10.0%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 10.0% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

モザイクは北米最大級のカリ(MOP)と、フロリダ・ルイジアナのリン酸肥料(DAP・MAP)を持ち、ブラジルで年 900 万トンを売る肥料流通(Mosaic Fertilizantes)を抱える。2025 年は売上 120 億ドル、会社の営業利益 8.2 億ドル、純利益 5.4 億ドルで、カリが営業利益 6.4 億ドルと稼ぎ頭、リン酸 1.4 億、ブラジル 2.8 億。2026 年は中東紛争で硫黄・アンモニアが高騰してリン酸が採算割れ、5 月から減産、ブラジルでは Araxá 事業の売却と Patrocínio の採掘停止を決めて初期費用 4.4 億ドルを計上し、上期の純損失は 5.3 億ドル。純負債は 55 億ドルと時価総額の 9 割に達する。

このノートは、価格の山や谷の年の利益に倍率を掛けず、数量(世界の需要 × 同社のシェア)と価格の筋書きで置く。中立の価格は新規供給が採算に乗る限界費用の水準(MOP 鉱山価格で 2025 年換算 270 ドル/トン、DAP 工場価格で 620 ドル/トン)で、10 年後は物価 1.41 倍を載せる。中立の 10 年後は純利益 11.9 億ドル、自己資本利益率(ROE)7.8% にとどまり、利益ベースの正当化 PER(ROE が k 10% に届かないので上限は 1÷k の 10 倍、その 8 割の 8.0 倍。マーデン株を除いた事業の利益に掛ける)に、マーデン株約 16 億ドルを額面どおり足して時価総額は約 95 億ドル。

バリュー投資の観点では、強みはカリ鉱山の資源と費用の低さ、弱みは負債の重さ、リン酸の高コスト構造、ブラジルの景気・信用リスク。悲観を 10 年 14%・やや悲観 26% と厚く置き、k 10% で割り戻した本質価値は 65 億ドルで、今の時価総額 60 億ドルを 1 割弱上回るだけ。資本コストが高いぶん上振れは小さく、結論は硫黄高が収まり、リン酸の費用が普通の水準に戻ることに依存する。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、まず「10 年後もこの事業が残り、今より強いか」を問う。カリは残る。作物は育ち続け、カリの鉱山は代わりがきかず、価格が限界費用を割る期間は長くは続かない。リン酸は残るが、OCP と中国に挟まれ、モザイクの堀は広がらない。ブラジルの流通は成長するが、堀は薄く、与信で損をしやすい。

株主のものになる利益(オーナー利益)は、設備投資が減価償却と同じ程度にかかるため、純利益より小さい。純負債が時価総額に近く、金利が 5.75% で借り換わるので、安全域は広くない。中立の 10 年後の ROE は 7.8% と資本コスト 10% を下回り、市場が自己資本の 0.5 倍で値付けしているのは過度な悲観ではない。価値は今の時価総額を 1 割弱上回る程度で、割安と言えるのは、悲観を 4 割置いたうえで中立の価格を限界費用に置き、カリの費用優位が長期の価値を支えるという限られた範囲に限る。

予測のむずかしさ:リン酸の硫黄・アンモニア・中国の輸出政策は、モザイクの手の外にある。確信度は中程度。資本配分は 2022 年の自社株買いの失敗から守りへ変わったが、負債削減を優先する姿勢が続くかを見たい。

何で稼ぐ会社か

事業は 3 つ。①カリ(Potash):カナダ・サスカチュワン州の Esterhazy と Colonsay などで年約 900 万トンの塩化カリ(MOP)を生産し、世界の約 7,450 万トン(2025 年出荷)の約 12% を売る。輸出はカンポテックス(Canpotex)経由で、アジア・ブラジルが主な顧客。MOP の現金生産コストは 1 トン 75〜84 ドルで、価格 255〜275 ドルとの差が稼ぎになる。

②リン酸(Phosphates):フロリダの Bartow・Riverview・New Wales とルイジアナの Faustina・Uncle Sam の工場で、リン鉱石に硫黄とアンモニアを反応させて DAP・MAP などを作る。2025 年は販売 590 万トン、DAP 工場価格 670 ドル、転換コスト 125 ドル。硫黄とアンモニアは外から買うので、肥料価格が上がってもその原料が上がれば利益は出ない。2024 年末に、サウジの合弁(WAPCo の 25%)をマーデン(Ma'aden)の株約 1.11 億株と交換した(3 年間は売れない)。

③ブラジル(Mosaic Fertilizantes):肥料の混合・流通・一部の自社生産(飼料リン酸の Cajati など)。2025 年の販売は約 900 万トンで、ブラジルの肥料出荷 4,911 万トンの約 17〜18%。粗利は 1 トン 30〜60 ドルの薄い商売で、売価は国際価格に連動する。農家への与信(前払い・掛売り)が資産の中心で、2025 年にはブラジルの繰延税金資産に 2.6 億ドルの引当、のれん減損 1.1 億ドルを出した。2026 年 3 月に Araxá の売却と Patrocínio の採掘停止を決め、商品肥料の自社生産は硫黄難で止まっている。

全社の営業利益は、カリが約 6 割、ブラジルが約 3 割、リン酸が約 1 割を占める(2025 年の本社費前)。ただし利益の振れはリン酸が最も大きい。

優良さと弱いところ

堀は主にカリの資源にある。カナダの深い岩塩層の鉱山は新設に 1 トンの能力あたり約 2,000 ドル(BHP のジャンセン第 1 期は総投資 84 億ドルに膨らみ、第 1 期の約 415 万トン(推定)で割った値。稼働は 2028 年以降)かかり、世界の供給は少数の会社(ニュートリエン、ベラルーシカリ、ロシアのウラルカリ、モザイク、イスラエルの ICL、ヨルダンの APC)に絞られる。新規が採算に乗る価格が MOP で 270 ドル前後なので、その下は長く続きにくいというのが中立の根拠。

リン酸には堀が薄い。鉱石の品位が落ち、フロリダの鉱山は老朽化し、2025 年は設備の保全のため稼働を落とした。モロッコの OCP は世界最大の埋蔵と安い鉱石を持ち、2028 年に年 900 万トン、2027 年末に全肥料で年 2,000 万トンを目指して増やしている。中国は年 3,000 万トン超の DAP・MAP を作る(輸出は政策で止めたり開けたりする)。モザイクは「中位の費用の工場を、原料を買って回す」位置にいる。

ブラジルは規模(約 17%)と流通網が強みだが、与信と在庫の評価損のリスクを抱える。資本効率は低く、ROE は 2014〜2025 年の平均でおよそ 7%(山の 2022 年 30%、谷の 2024 年 1.5%)。資本配分は、2022 年に高値で買い戻した自社株(約 17 億ドル)が株価の低迷で裏目に出た一方、2025 年は自社株買いを止め配当(年約 2.8 億ドル)のみ。経営の安全面では、2025 年 12 月の Esterhazy の死亡事故が操業停止を招いた。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

肥料は食料の作付けと農家の収入に支えられ、景気には左右されにくいが、価格の山谷は大きい。カリは需要が年 1.5〜2% で伸び、2025 年の世界出荷は約 7,450 万トン、2026 年はニュートリエンが 7,400〜7,700 万トンと見る。中国は 2025 年に 1,261 万トンを輸入。供給はベラルーシ・ロシアが制裁下でも中国・ブラジル・インドに売り、BHP のジャンセンが 2028 年ごろから最終的に年 800 万トン超を足す見込み。MOP は 2025 年平均 255 ドル、2026 年 Q2 は 275 ドルで、需給は均衡から引き締まりぎみ。

リン酸は異常な年にいる。中国が 2025 年 12 月から DAP・MAP の輸出を止め、世界の供給の約 3 割が消えて(OCP の見方)、2026 年上期の世界の貿易は約 22% 減った。ところが原料の硫黄が中東のホルムズ海峡の混乱とロシアの輸出禁止(2026 年 12 月まで)で 1 トン 500〜700 ドルに高騰し(平時は 100〜200 ドル台・推定)、DAP が 770 ドルでもモザイクの粗利はゼロ付近になった。中国自身も国内の DAP 価格を規制しているため、国内の利益が崩れ、硫黄が平時に戻らなければ輸出は再開しにくい。供給が戻れば、価格と原料はそろって下がる。

ブラジルは世界最大級の肥料の輸入国で、2025 年の出荷は 4,911 万トン(+7.7%)、輸入が 4,332 万トン、国内生産が 722 万トン。大豆・トウモロコシの作付けの拡大が年 3% 前後の需要の伸びを生む。ただし農家の債務整理(司法再建)が増え、流通会社の与信リスクが高い。

資本政策と M&A

資本配分は守りに入っている。2026 年の設備投資は 15 億ドルから 12 億ドルへ下方修正し、2025 年は自社株買いをせず、配当は年約 2.8 億ドル(四半期配当)を維持している。2022 年に 17 億ドルの自社株買いをしたあと 2023 年に 8 億、2024 年に 2 億と絞った。フリーキャッシュフローは 2025 年に −5.3 億ドル、2026 年上期も −4.1 億ドル。

M&A は売る側に回っている。Taquari(ブラジルのカリ)を 2025 年 11 月に売り、Carlsbad(ニューメキシコのカリ)は 2026 年 4 月に売却を完了(減損 1.9 億ドル)、Araxá の売却を進める。サウジの合弁はマーデン株約 1.11 億株に替わった(評価損が 2025 年 Q4 に 0.9 億、2026 年 Q2 に 1.6 億ドル。2027 年末から 3 分の 1 ずつ売れる)。今の価値は 1.11 億株 × 約 58 リヤル(2026 年 7 月)で約 17 億ドル、含み益の税と売れない期間を引いて約 16 億ドルと置き、純現金と同じく 額面どおり時価総額に足す(式の ROE はこの株を除いた事業の自己資本で測る)。悲観では今の額の半分(8 億ドル)で数える(やや悲観は 4 分の 3)。純負債は 55 億ドル、純利払いは年 2.2〜2.4 億ドル。借り換えは約 5.75% で、利払いは 10 年後までに年 1 億ドルほど増える。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

カリは構造的に引き締まっている。2025 年の世界出荷は 7,450 万トンで過去最高、2026 年は 7,400〜7,700 万トンと伸び、北米の在庫は逼迫し、中国は上期の輸入が過去最高。新規供給はジャンセンが 2028 年以降で、その分も需要の伸び(年 1.5〜2%、年 110〜150 万トン)にほぼ吸収される。MOP 鉱山価格は 2025 年 255 ドルから 2026 年 Q3 のガイダンス 270〜290 ドルへ上がり、モザイクのカリの営業利益は 2025 年 6.4 億ドルから、1 トンあたり 100 ドル超の粗利で年 10 億ドルを視野に入れる。

リン酸は、中国の輸出停止と硫黄高が続く間は供給が足りず、2026 年 Q3 の DAP は 820〜840 ドルに上がる。硫黄が平時に戻れば(Q3 のモザイクの契約は 705 ドルで、スポットより安い)、DAP が 700 ドル台に残ったまま原料だけ下がり、リン酸の営業利益は 1 トンあたり 100 ドル前後(中立の約 2 倍)まで戻る。稼働を 40% に落とした Bartow・止めた Faustina が戻れば、固定費の吸収も改善する。ブラジルは、Araxá と Patrocínio の損失を切り離し、流通と Cajati に絞れば、損益は 2025 年の 2.8 億ドルに戻る。

売られた資産もある。自己資本の 0.5 倍で、マーデン株(約 16 億ドル、時価総額の 4 分の 1)と Carlsbad・Taquari・Araxá の売却で負債を減らせば、株主への配当は守られ、財務の不安は薄れる。強気の筋書きは、10 年後の楽観の営業利益 39 億ドル(2022 年の山 53 億ドルの約 7 割)という、過去の山に届かない水準で成り立つ。

慎重な見方

2026 年の業績は「一時の事故」ではない。2025 年は MOP 255 ドル・DAP 670 ドルという高値圏で純利益が 5.4 億ドルしか出ず(税 6.4 億ドルを払ったあと)、2024 年は純利益 1.7 億ドル。価格が高くても利益が薄いのは、リン酸の費用構造が悪く、ブラジルが赤字を繰り返すからで、2026 年のように硫黄が上がれば赤字になる。リン酸は OCP が 2028 年までに年 900 万トン、2027 年末に全肥料で 2,000 万トンへ増やし、中国の輸出も戻れば、DAP は 500 ドル台に沈み、モザイクの稼働率は上がらない。

カリは BHP のジャンセン(最終的に年 800 万トン超)と、アジア・カリ・インターナショナルの年 200 万トン、ベラルーシの新鉱山の年 100 万トンなどが 2028 年から 2035 年に重なると、MOP は実質で 2 割安い 220 ドル台に張り付く。その価格ではモザイクのカリの営業利益は 1 トンあたり 40 ドルを切り、年 3〜4 億ドルに落ちる。純負債 55 億ドルは、金利 5.75% で借り換わると、利払いが年 1 億ドル増え、設備投資 12 億ドルを削っても FCF は回復しない。配当(年 2.8 億ドル)を守る余裕はなく、資産の売却は買い手の足元を見られる。

ブラジルは農家の与信が痛み(司法再建の増加)、売上 48 億ドルの 3 割を失う。2022 年の自社株買い 17 億ドルが示すとおり、経営は山の年に高値で買って谷で動けない。これは「割安」でなく「理由のある割安」。

どちらに重みを置いたか

中立を限界費用の水準(MOP 270 ドル、DAP 620 ドル)に置くと、慎重な見方の「2024〜25 年の水準が長く続く」とは大きく違わず、中立の 10 年後は純利益 11.9 億ドル、ROE 7.8%。強気の見方はカリの価格には妥当だが、リン酸の硫黄高・OCP・中国は慎重な見方が強い。確率は、悲観 14%・やや悲観 26% と悲観側を厚くし(合計 4 割)、楽観は 8% にとどめた。慎重な見方に寄せて、カリの費用優位と 10% の資本コストで割り戻した本質価値は、今の時価総額を 1 割弱上回る程度。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した株価時価総額 31.58 ドル101 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 13.41 ドル43 億ドル)。 今の値に割り戻すと 20.50 ドル65 億ドル、今との差 +18.7%、 期待の年率 +10.0%(資本コスト 10.0%)→ やや割安

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 8% 78.17 ドル249 億ドル 35.90 ドル115 億ドル +560.6% +20.8% 9.13 ドル29 億ドル
やや楽観 20% 50.58 ドル161 億ドル 23.17 ドル74 億ドル +327.1% +15.6% 14.75 ドル47 億ドル
中立 32% 29.85 ドル95 億ドル 12.86 ドル41 億ドル +147.3% +9.5% 13.67 ドル44 億ドル
やや悲観 26% 19.41 ドル62 億ドル 6.74 ドル22 億ドル +51.4% +4.2% 6.80 ドル22 億ドル
悲観 14% 4.36 ドル14 億ドル 0.28 ドル1 億ドル −73.1% −12.3% 0.65 ドル2 億ドル
加重平均100% 31.58 ドル101 億ドル13.41 ドル43 億ドル +160.5% +10.0% 44.99 ドル143 億ドル

今の株価時価総額 17.27 ドル55 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 10.0% を下回るほど割高。

楽観 8% 楽観:リン酸の供給不足とカリの引き締まりが長く続く 利益 27 億ドル · PER 9.2 倍 · 株価時価総額 78.17 ドル249 億ドル

2035 年。中国の輸出政策の厳格化と OCP の稼働の遅れでリン酸の供給が慢性的に足りず、DAP は限界費用より約 16% 高い水準に張り付く。カリも需要が年 2.2% で伸び(世界の出荷は約 9,200 万トン)、ジャンセンとアジアの新設を吸収して MOP は 2025 年換算 315 ドル。ブラジルの流通は市場が年 4% で伸び、モザイクは約 17.5% のシェアを守る。ただし価格が限界費用より高い状態は新規の供給を呼ぶので、長期の g は 4% に抑える。数量と価格の結果:カリは出荷 10.9 百万トン(世界需要 × シェア 11.8%)・MOP 444 ドル(名目)、リン酸は 6.9 百万トン(シェア 8.6%)・DAP 1015 ドル、ブラジルは 12.7 百万トン(市場の約 17.5%)・1 トン 818 ドル。営業利益 39.1 億ドル(カリ 22.0・リン酸 12.9・ブラジル 7.5・本社費 -3.3)、純利払い 2.4 億ドルと税を引いて純利益 27.1 億ドル。

  • カリ(塩化カリ MOP):数量 10.9(出荷(百万トン)= 世界のカリ需要(2025 年 約 7,450 万トン)× モザイクのシェア(約 12%))× 価格 5.12(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。3.00 = 300 ドル/トン。MOP 鉱山価格 255 ドルに運賃・他製品の約 48 ドルを加えた値))→ 売上 56 億ドル・営業利益 22 億ドル。出荷 10.93 百万トン(世界需要 × シェア 11.8%)× 1 トン 512 ドル(MOP 鉱山価格 444 ドル+運賃等 48 ドルの物価分)、1 トンの営業利益 201 ドル
  • リン酸(DAP・MAP など):数量 6.9(出荷(百万トン)= 世界の高度リン酸肥料の消費(約 7,000 万トン・推定)× モザイクのシェア(約 8.4%))× 価格 12(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。7.80 = 780 ドル/トン。DAP 工場価格 670 ドルに MAP・飼料・運賃の約 110 ドルを加えた値))→ 売上 81 億ドル・営業利益 13 億ドル。出荷 6.85 百万トン(世界需要 × シェア 8.6%)× 1 トン 1182 ドル(DAP 工場価格 1015 ドル)、1 トンの営業利益 188 ドル
  • ブラジル(Mosaic Fertilizantes):数量 12.7(出荷(百万トン)= ブラジルの肥料出荷(2025 年 4,911 万トン)× モザイクのシェア(約 18%))× 価格 8.18(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。5.33 = 533 ドル/トン。会社の平均価格 488 ドルに運賃・他製品を加えた売上 ÷ 出荷))→ 売上 104 億ドル・営業利益 8 億ドル。出荷 12.72 百万トン(ブラジル市場 × シェア 17.5%)× 1 トン 818 ドル、1 トンの営業利益 59 ドル

倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 14.2%(純利益 ÷ 自己資本、余った現金を除く)、k 10.00%、堀は弱い(残る割合 0.33)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 11.4%。長期の g 4.0% で (1 − g÷RONIC)÷(k − g) = 上限 10.8 倍。価格が限界費用を超える山の姿でも市況で利益が振れるので、上限の 8.5 割の 9.2 倍に置いた。純利益は GAAP。

確率:価格が限界費用を超えた状態は新規の供給を呼び、10 年も続くのは稀。楽観は 5% 以上で 8%。

やや楽観 20% やや楽観:カリの需要が強く、リン酸の増産が遅れる 利益 20 億ドル · PER 8.3 倍 · 株価時価総額 50.58 ドル161 億ドル

2035 年。カリが需要の伸び(年 2%)で価格を押し上げ、ジャンセンの全面稼働後も MOP は 295 ドル(2025 年換算)を保つ。リン酸は OCP の増産が硫黄・電力の制約で計画より遅れ、DAP は 670 ドル。ブラジルは年 3.5% 伸び、流通の粗利は 36 ドルと上振れする。純負債は返済が進み、10 年の配当と自社株買いは自己資本の繰越と合わせて純利益の 55%。数量と価格の結果:カリは出荷 10.5 百万トン(世界需要 × シェア 11.6%)・MOP 416 ドル(名目)、リン酸は 6.6 百万トン(シェア 8.4%)・DAP 945 ドル、ブラジルは 11.8 百万トン(市場の約 17.0%)・1 トン 776 ドル。営業利益 29.1 億ドル(カリ 18.0・リン酸 8.4・ブラジル 6.0・本社費 -3.3)、純利払い 2.7 億ドルと税を引いて純利益 19.5 億ドル。

  • カリ(塩化カリ MOP):数量 10.5(出荷(百万トン)= 世界のカリ需要(2025 年 約 7,450 万トン)× モザイクのシェア(約 12%))× 価格 4.84(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。3.00 = 300 ドル/トン。MOP 鉱山価格 255 ドルに運賃・他製品の約 48 ドルを加えた値))→ 売上 51 億ドル・営業利益 18 億ドル。出荷 10.53 百万トン(世界需要 × シェア 11.6%)× 1 トン 484 ドル(MOP 鉱山価格 416 ドル+運賃等 48 ドルの物価分)、1 トンの営業利益 171 ドル
  • リン酸(DAP・MAP など):数量 6.6(出荷(百万トン)= 世界の高度リン酸肥料の消費(約 7,000 万トン・推定)× モザイクのシェア(約 8.4%))× 価格 11(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。7.80 = 780 ドル/トン。DAP 工場価格 670 ドルに MAP・飼料・運賃の約 110 ドルを加えた値))→ 売上 73 億ドル・営業利益 8 億ドル。出荷 6.62 百万トン(世界需要 × シェア 8.4%)× 1 トン 1100 ドル(DAP 工場価格 945 ドル)、1 トンの営業利益 127 ドル
  • ブラジル(Mosaic Fertilizantes):数量 11.8(出荷(百万トン)= ブラジルの肥料出荷(2025 年 4,911 万トン)× モザイクのシェア(約 18%))× 価格 7.75(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。5.33 = 533 ドル/トン。会社の平均価格 488 ドルに運賃・他製品を加えた売上 ÷ 出荷))→ 売上 91 億ドル・営業利益 6 億ドル。出荷 11.78 百万トン(ブラジル市場 × シェア 17.0%)× 1 トン 776 ドル、1 トンの営業利益 51 ドル

倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 11.6%(純利益 ÷ 自己資本、余った現金を除く)、k 10.00%、堀は弱い(残る割合 0.33)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 10.5%。長期の g 4.0% で (1 − g÷RONIC)÷(k − g) = 上限 10.3 倍。市況で利益が振れ、リン酸の費用構造が重いので、上限の 8.0 割の 8.3 倍に置いた。純利益は GAAP。

確率:カリの需要が強く、リン酸の増産が遅れる形。2 割。

中立 32% 中立:価格は限界費用を物価で伸ばした水準、シェアは微減、ブラジルは成長 利益 12 億ドル · PER 8.0 倍 · 株価時価総額 29.85 ドル95 億ドル

2035 年。価格は限界費用を物価で伸ばした水準(MOP 270 ドル、DAP 620 ドル、ともに 2025 年換算で、名目は 1.41 倍)。カリは世界の需要が年 1.7% で伸び、ジャンセン・アジアの新設・ベラルーシの新鉱山を吸収する一方、モザイクのシェアは 12.1% から 11.5% へ微減(新規との競合)。リン酸は OCP の増産で世界の供給が足り、モザイクのシェアは 8.4% から 8.0%、1 トンの営業利益は 47 ドル(2025 年換算、薄い)。ブラジルは市場が年 3% 伸び、モザイクのシェアは 16.5%(2025 年の約 18% から、自社生産を止めたぶん下がる)。数量と価格の結果:カリは出荷 10.1 百万トン(世界需要 × シェア 11.5%)・MOP 381 ドル(名目)、リン酸は 6.2 百万トン(シェア 8.0%)・DAP 874 ドル、ブラジルは 10.9 百万トン(市場の約 16.5%)・1 トン 733 ドル。営業利益 19.1 億ドル(カリ 13.7・リン酸 4.1・ブラジル 4.6・本社費 -3.3)、純利払い 3.0 億ドルと税を引いて純利益 11.9 億ドル。

  • カリ(塩化カリ MOP):数量 10.1(出荷(百万トン)= 世界のカリ需要(2025 年 約 7,450 万トン)× モザイクのシェア(約 12%))× 価格 4.48(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。3.00 = 300 ドル/トン。MOP 鉱山価格 255 ドルに運賃・他製品の約 48 ドルを加えた値))→ 売上 46 億ドル・営業利益 14 億ドル。出荷 10.14 百万トン(世界需要 × シェア 11.5%)× 1 トン 448 ドル(MOP 鉱山価格 381 ドル+運賃等 48 ドルの物価分)、1 トンの営業利益 135 ドル
  • リン酸(DAP・MAP など):数量 6.2(出荷(百万トン)= 世界の高度リン酸肥料の消費(約 7,000 万トン・推定)× モザイクのシェア(約 8.4%))× 価格 10(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。7.80 = 780 ドル/トン。DAP 工場価格 670 ドルに MAP・飼料・運賃の約 110 ドルを加えた値))→ 売上 63 億ドル・営業利益 4 億ドル。出荷 6.19 百万トン(世界需要 × シェア 8.0%)× 1 トン 1018 ドル(DAP 工場価格 874 ドル)、1 トンの営業利益 66 ドル
  • ブラジル(Mosaic Fertilizantes):数量 10.9(出荷(百万トン)= ブラジルの肥料出荷(2025 年 4,911 万トン)× モザイクのシェア(約 18%))× 価格 7.33(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。5.33 = 533 ドル/トン。会社の平均価格 488 ドルに運賃・他製品を加えた売上 ÷ 出荷))→ 売上 80 億ドル・営業利益 5 億ドル。出荷 10.89 百万トン(ブラジル市場 × シェア 16.5%)× 1 トン 733 ドル、1 トンの営業利益 42 ドル

倍率:事業の ROE 8.5% が k 10.00% 以下なので、ためた利益の価値は額面未満で PER は 1÷k = 10.0 倍まで。ROE が k に届かず、ためた利益の価値は 額面未満(PER は 1÷k まで)で、市況で利益が振れるので、上限の 8.0 割の 8.0 倍に置いた。純利益は GAAP。

確率:議論の落としどころ。価格は限界費用で、ROE は 7.8% と資本コストを下回る。最も厚く 32%。

やや悲観 26% やや悲観:新設の供給で価格が限界費用をやや下回って下がり続ける 利益 7 億ドル · PER 7.0 倍 · 株価時価総額 19.41 ドル62 億ドル

2035 年。カリはジャンセンの全面稼働とアジア・ベラルーシの新設で供給が需要の伸びを上回り、MOP は 250 ドル(2025 年換算、限界費用より 7% 低い)。モザイクのシェアは 11.2% に下がる。リン酸は OCP が全肥料で年 2,000 万トンに達し、中国も戻り、DAP は 600 ドル(同)で、1 トンの営業利益は 29 ドル。ブラジルは年 2.5% の成長で流通の粗利は 28 ドル。物価を除いた価格が年 1.5% ずつ低下し続けるため、g は 2.9% に抑える。数量と価格の結果:カリは出荷 9.7 百万トン(世界需要 × シェア 11.2%)・MOP 352 ドル(名目)、リン酸は 5.8 百万トン(シェア 7.6%)・DAP 846 ドル、ブラジルは 10.1 百万トン(市場の約 16.0%)・1 トン 712 ドル。営業利益 13.2 億ドル(カリ 10.1・リン酸 2.4・ブラジル 4.0・本社費 -3.2)、純利払い 3.4 億ドルと税を引いて純利益 7.3 億ドル。

  • カリ(塩化カリ MOP):数量 9.7(出荷(百万トン)= 世界のカリ需要(2025 年 約 7,450 万トン)× モザイクのシェア(約 12%))× 価格 4.20(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。3.00 = 300 ドル/トン。MOP 鉱山価格 255 ドルに運賃・他製品の約 48 ドルを加えた値))→ 売上 41 億ドル・営業利益 10 億ドル。出荷 9.68 百万トン(世界需要 × シェア 11.2%)× 1 トン 420 ドル(MOP 鉱山価格 352 ドル+運賃等 48 ドルの物価分)、1 トンの営業利益 104 ドル
  • リン酸(DAP・MAP など):数量 5.8(出荷(百万トン)= 世界の高度リン酸肥料の消費(約 7,000 万トン・推定)× モザイクのシェア(約 8.4%))× 価格 9.85(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。7.80 = 780 ドル/トン。DAP 工場価格 670 ドルに MAP・飼料・運賃の約 110 ドルを加えた値))→ 売上 57 億ドル・営業利益 2 億ドル。出荷 5.76 百万トン(世界需要 × シェア 7.6%)× 1 トン 985 ドル(DAP 工場価格 846 ドル)、1 トンの営業利益 41 ドル
  • ブラジル(Mosaic Fertilizantes):数量 10.1(出荷(百万トン)= ブラジルの肥料出荷(2025 年 4,911 万トン)× モザイクのシェア(約 18%))× 価格 7.12(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。5.33 = 533 ドル/トン。会社の平均価格 488 ドルに運賃・他製品を加えた売上 ÷ 出荷))→ 売上 72 億ドル・営業利益 4 億ドル。出荷 10.06 百万トン(ブラジル市場 × シェア 16.0%)× 1 トン 712 ドル、1 トンの営業利益 39 ドル

倍率:事業の ROE 5.6% が k 10.00% 以下なので、ためた利益の価値は額面未満で PER は 1÷k = 10.0 倍まで。供給過剰の下で ROE が k に届かず、ためた利益は 額面未満なので、上限の 7.0 割の 7.0 倍に置いた。純利益は GAAP。

確率:ジャンセン・OCP・中国の増産で価格が限界費用をやや下回り続ける形。慎重な見方が強いので 26%。

悲観 14% 悲観:構造的な供給過剰とシェア低下。リン酸・ブラジルの費用構造は戻らない 利益 1 億ドル · PER 10.0 倍 · 株価時価総額 4.36 ドル14 億ドル

2035 年。構造的に負ける。BHP のジャンセン(最終的に年 800 万トン超)、アジア・カリ・インターナショナル、ベラルーシ・ロシアの増産が重なってカリの MOP は 220 ドル(2025 年換算、実質で 2025 年の約 0.86 倍)に張り付き、モザイクのシェアは 10.0% に落ちる(高コストの鉱山を止める)。リン酸は OCP と中国が供給を過剰にし、DAP は 500 ドル(同)、モザイクは稼働を落として年 478 万トン、1 トン 25 ドルの営業利益。ブラジルは農家の債務整理が続き、流通の粗利は 15 ドル。もう優良ではない。純利益は 0.8 億ドル、配当はほぼ止まり、負債は資産の売却で圧縮する(増資は置かない)。倍率は稼ぐ力(純利益 ÷ k)に余った現金を足して測る。数量と価格の結果:カリは出荷 8.4 百万トン(世界需要 × シェア 10.0%)・MOP 310 ドル(名目)、リン酸は 4.8 百万トン(シェア 6.5%)・DAP 705 ドル、ブラジルは 8.5 百万トン(市場の約 15.0%)・1 トン 592 ドル。営業利益 4.8 億ドル(カリ 4.3・リン酸 1.7・ブラジル 1.8・本社費 -3.0)、純利払い 3.8 億ドルと税を引いて純利益 0.7 億ドル。 10 年の純利益の累計は約 21 億ドル(2025 年の 5.4 億ドルから 2035 年の 0.7 億ドルへ下がる。赤字の年・減損・売却益は置かない)。自己資本は今の 121 億ドルにこの累計を足し、還元 0.9 億ドルを引いた約 141 億ドル。

  • カリ(塩化カリ MOP):数量 8.4(出荷(百万トン)= 世界のカリ需要(2025 年 約 7,450 万トン)× モザイクのシェア(約 12%))× 価格 3.78(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。3.00 = 300 ドル/トン。MOP 鉱山価格 255 ドルに運賃・他製品の約 48 ドルを加えた値))→ 売上 32 億ドル・営業利益 4 億ドル。出荷 8.39 百万トン(世界需要 × シェア 10.0%)× 1 トン 378 ドル(MOP 鉱山価格 310 ドル+運賃等 48 ドルの物価分)、1 トンの営業利益 51 ドル
  • リン酸(DAP・MAP など):数量 4.8(出荷(百万トン)= 世界の高度リン酸肥料の消費(約 7,000 万トン・推定)× モザイクのシェア(約 8.4%))× 価格 8.21(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。7.80 = 780 ドル/トン。DAP 工場価格 670 ドルに MAP・飼料・運賃の約 110 ドルを加えた値))→ 売上 39 億ドル・営業利益 2 億ドル。出荷 4.78 百万トン(世界需要 × シェア 6.5%)× 1 トン 821 ドル(DAP 工場価格 705 ドル)、1 トンの営業利益 35 ドル
  • ブラジル(Mosaic Fertilizantes):数量 8.6(出荷(百万トン)= ブラジルの肥料出荷(2025 年 4,911 万トン)× モザイクのシェア(約 18%))× 価格 5.92(1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。5.33 = 533 ドル/トン。会社の平均価格 488 ドルに運賃・他製品を加えた売上 ÷ 出荷))→ 売上 51 億ドル・営業利益 2 億ドル。出荷 8.55 百万トン(ブラジル市場 × シェア 15.0%)× 1 トン 592 ドル、1 トンの営業利益 21 ドル

倍率:事業の ROE 0.4% が k 10.00% 以下なので、ためた利益の価値は額面未満で PER は 1÷k = 10.0 倍まで。構造的に負けた筋書きで、稼ぐ力(純利益 ÷ k)に余った現金を足した値まで、上限の 10.0 割の 10.0 倍に置いた。純利益は GAAP。

確率:構造的に負け、優良ではなくなる確率。新設が重なり、負債が重く、リン酸の費用構造が戻らない形で 14%。悲観は 5% 以上。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

カリ(塩化カリ MOP)

カナダ・サスカチュワン州の鉱山で生産し、カンポテックス経由で主にアジア・ブラジルへ売る。現金コストが低く、モザイクの利益の中心。

数量出荷(百万トン)= 世界のカリ需要(2025 年 約 7,450 万トン)× モザイクのシェア(約 12%)価格1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。3.00 = 300 ドル/トン。MOP 鉱山価格 255 ドルに運賃・他製品の約 48 ドルを加えた値)売上営業利益
今 2025/12 9.0 3.00 27 6
10 年後 中立 10.1 4.48 46 14

取り方:2025 年の販売 900 万トン(生産 880 万トン)、売上 27 億ドル、営業利益 6.38 億ドル(1 トン 71 ドル)。世界出荷は約 7,450 万トン(ニュートリエンの発表)なので約 12%。競合はニュートリエン(2026 年の販売 1,410〜1,480 万トン)、ベラルーシのベラルーシカリ、ロシアのウラルカリ、カナダの BHP(ジャンセンが 2028 年以降)、ICL、APC。MOP 鉱山価格は 2025 年平均 255 ドル、現金コスト 75 ドル/トン。運賃などの上乗せ 48 ドルは売上 ÷ 出荷から逆算。

リン酸(DAP・MAP など)

フロリダ・ルイジアナの工場で、リン鉱石に硫黄とアンモニアを反応させて作る。原料を外から買うので、肥料価格と原料価格の差が利益になる。

数量出荷(百万トン)= 世界の高度リン酸肥料の消費(約 7,000 万トン・推定)× モザイクのシェア(約 8.4%)価格1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。7.80 = 780 ドル/トン。DAP 工場価格 670 ドルに MAP・飼料・運賃の約 110 ドルを加えた値)売上営業利益
今 2025/12 5.9 7.80 46 1
10 年後 中立 6.2 10 63 4

取り方:2025 年の販売 590 万トン、売上 46 億ドル、営業利益 1.35 億ドル(1 トン 23 ドル)。世界の消費約 7,000 万トンは推定(中国の DAP・MAP の生産が年 3,000 万トン超、OCP の全肥料が年約 1,200 万トン、など貿易と国内向けの合計の見方)で、モザイクのシェアは約 8%。競合は OCP(2027 年末に全肥料で年 2,000 万トン目標)、中国の各社(輸出は政策で停止中)、サウジのマーデン、ロシアのフォスアグロ。DAP 工場価格は 2025 年平均 670 ドル、転換コスト 125 ドル。2025 年の利益が薄いのは硫黄・アンモニアの上昇と稼働の低下による。

ブラジル(Mosaic Fertilizantes)

ブラジルでの肥料の混合・流通と、飼料リン酸などの一部の自社生産。農家への与信が付く。2026 年に Araxá の売却と Patrocínio の停止を決めた。

数量出荷(百万トン)= ブラジルの肥料出荷(2025 年 4,911 万トン)× モザイクのシェア(約 18%)価格1 トンの平均売値(億ドル/百万トン。5.33 = 533 ドル/トン。会社の平均価格 488 ドルに運賃・他製品を加えた売上 ÷ 出荷)売上営業利益
今 2025/12 9.0 5.33 48 3
10 年後 中立 10.9 7.33 80 5

取り方:2025 年の販売 900 万トン、売上 48 億ドル、営業利益 2.77 億ドル(1 トン 31 ドル)。ブラジル市場は ANDA の統計で 4,911 万トン(+7.7%)、うち輸入が 4,332 万トン、国内生産 722 万トン。モザイクは約 17〜18%。競合はヤラ、ニュートリエンの小売、ユーロケム、ICL、輸入商社。2026 年 3 月に Araxá を売却対象にし、Patrocínio の採掘を止めたため、自社生産品は減る。会社の調整後ベースの全社営業利益と kabufu の営業利益(12.8 億ドル)は定義が違い、会社の連結営業利益は 8.2 億ドル(本社費 −2.3 を含む)。セグメント合計 10.5 億ドルとの差は本社費。

リスクと懸念

硫黄・アンモニアの高騰が長引く

2026 年の Q2 は硫黄が 1 トン 522 ドル(Q3 の契約は 705 ドル)で、DAP が 773 ドルでも粗利は 1 トン −4 ドル。リン酸の営業損失は Q2 で 1.04 億ドル。ロシアの硫黄輸出禁止(2026 年 12 月まで)とホルムズ海峡の混乱が続けば、モザイクは減産を続ける。硫黄が 10 ドル/トン動くと四半期の EBITDA が約 0.1 億ドル動く。

純負債の重さと借り換え

純負債は 55 億ドルで時価総額の 91%。2026 年上期のフリーキャッシュフローは −4.1 億ドルで、純利払いは年 2.2〜2.4 億ドル。借り換えで 5.75% になると 10 年で年 1 億ドルほど増える。短期の借入が 10 億ドルあり、期間ローンで延ばしたが、赤字が続けば配当(年 2.8 億ドル)を維持できない。

OCP と中国によるリン酸の供給過剰

OCP は 2026 年末までに年 450 万トン、2028 年に 900 万トン増やし、2027 年末に全肥料で年 2,000 万トンを目指す。中国は年 3,000 万トン超を作り、輸出を再開すれば DAP の価格は下がる。モザイクは中位の費用の工場で、DAP が 10 ドル/トン下がると EBITDA が約 0.6〜0.8 億ドル減る。

カリの新規供給(ジャンセン・アジア・ベラルーシ)

BHP のジャンセンは総投資 84 億ドルに膨らんだが、第 1 期が 2028 年以降に立ち上がる。アジア・カリ・インターナショナルの年 200 万トンやベラルーシの新鉱山も加わる。MOP が 10 ドル/トン下がると EBITDA は約 0.65〜0.83 億ドル減る。需要の伸び(年 110〜150 万トン)に吸収される前提が崩れると、モザイクのカリの営業利益 6.4 億ドルは大きく減る。

ブラジルの農家の与信と再編の費用

ブラジルでは司法再建が増え、2025 年にはブラジルの繰延税金資産に 2.6 億ドルの引当、のれん減損 1.1 億ドルを出した。2026 年 Q1 には Araxá 売却と Patrocínio 停止で初期費用 4.4 億ドル(非現金 3.3 億ドル)を計上。売却が進まないと、停止中の設備の維持費(Q2 は遊休・保守・未吸収固定費 0.6 億ドル)が残る。

鉱山の事故とカナダの操業

2025 年 12 月に Esterhazy で死亡事故があり、一時操業が止まった。カリの生産は 2026 年に約 900 万トン(下期寄り)の計画で、Esterhazy の定期補修と Carlsbad の売却で Q2 の生産は 180 万トンに落ちた。事故や補修の遅れは出荷を直撃する。

マーデン株の評価損と流動性

サウジの合弁と交換した約 1.11 億株は 2027 年末まで売れず、2025 年 Q4 に 0.9 億、2026 年 Q2 に 1.62 億ドルの評価損を出した。純損益を振らすうえ、負債の返済に使えない。価値は推定約 12 億ドルで、本質価値には足していない。

今後の分かれ目

硫黄の価格が 1 トン 300 ドルを下回り、DAP が 700 ドル以上を保つ
リン酸の営業利益は 1 トンあたり 100 ドル前後に戻り、やや楽観の確率を 5 ポイント上げる。稼働が 7 百万トンに戻れば、リン酸だけで営業利益は 5 億ドルを超える。
DAP が 550 ドル(2025 年換算の限界費用 620 ドルの 1 割安)を割って 2 年続く
リン酸は赤字に戻り、OCP と中国の増産が効いたとして、中立の価格を実質で下げ、やや悲観・悲観の確率を合わせて 5 ポイント上げる。
MOP の鉱山価格が 300 ドルを超えて 2 年続く
カリの営業利益は 1 トン 130 ドル以上、年 12 億ドル超。ジャンセン・アジア・ベラルーシの新設が遅れた形で、やや楽観の確率を上げる。ただし高い価格は新規の供給を呼ぶので、長期の g は上げない。
ブラジルの Araxá の売却が成立し、Patrocínio の停止費用が確定する
ブラジルの営業損失の元が切れ、流通と Cajati に絞った 1 トン 30 ドルの粗利に戻る。売却益は純負債の削減に回り、利払いが減る。
配当(年 2.8 億ドル)が減らされる、または増資・資産売却による負債の返済が発表される
資本配分が守りから防衛に変わる合図。悲観の確率を 5 ポイント上げ、payout を引き下げる。純負債が時価総額の 1 倍を超えれば、悲観の筋書きに近づく。
中国が DAP・MAP の輸出を再開し、OCP の増産が計画どおり進む
DAP は 600 ドル前後(2025 年換算)に下がり、リン酸の営業利益は 1 トン 20〜30 ドルの薄利に。原料が下がっても、モザイクの稼ぎは中立の下側に寄る。

見ておくもの

  • 硫黄・アンモニアの価格(モザイクの四半期契約)と DAP の工場価格(ガイダンス)
  • 中国の DAP・MAP の輸出再開の時期と、OCP の増産(2026 年末に年 450 万トン、2028 年に 900 万トン)の進み具合
  • MOP の鉱山価格と、BHP のジャンセン第 1 期の立ち上がり(2028 年)、中国・インドの契約価格
  • ブラジルの肥料出荷(ANDA の月次)と、Araxá の売却・Patrocínio の停止費用、農家の与信損失
  • 純負債(現在 55 億ドル)、配当の維持、設備投資(2026 年 12 億ドル)、マーデン株の評価

倍率と資本コストの決め方

今の PER 11 倍・PBR 0.5 倍・2026 年の赤字を先に見ず、カリ・リン酸・ブラジルの 3 事業を「世界の需要 × シェア × 価格」で積み上げた。価格の中立は限界費用(MOP 270、DAP 620、ブラジル平均 520 ドル/トン、2025 年換算)で、2025 年のカリ(255)と DAP(670)の間にあり、山や谷の年の利益に倍率は掛けていない。倍率は式どおり(k 10%、中立 10 年は ROE 7.8% が k に届かないので上限 1÷k = 10 倍の 8 割)で置いた。マーデン株(約 16 億ドル)は純現金と同じく額面どおり足した(2026-10-18 の見直しまでは足していなかった)。結果は +9% の適正で、悲観を 4 割置いたうえでの値。強気の方に偏っていないかを、楽観の確率を 8% に抑えて確かめた。

資本コスト 10.0% = 無リスク金利 5% + β 1.35 × 5%。k = 基本 8.0% + quality 2.0% = 10.0%。カリ・リン酸・ブラジル流通とも市況で営業利益率が 6% から 28% まで振れるので循環に +1.0%、値段は市場に決められるので値決めに +0.5%。純負債は時価総額の 91% で、借り換えの金利 5.75% が利益を大きく削るので借金に +0.5%。カリの鉱山は数十年持つので寿命は 0。存続が危ない会社ではない(流動性はあり、期限の近い社債は借り換え済み)ので上乗せは 0。リン酸の高コスト・ブラジルの与信は k に足さず、悲観の確率(悲観 14%・やや悲観 26%)と悲観のひどさ(営業赤字に近い利益)で表した。

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やや割安 エイブリィ・デニソンAVY ラベル素材で世界首位級の堀と RFID の伸びしろを持つが、借金で膨らんだ ROE と式の高い倍率は割り引いて読む 本質価値との差 +27.8% · 10 年 やや割安(年 +8.9%) やや割安 ボール・コーポレーションBALL 世界最大級の飲料缶。物価を転嫁できる堅い事業だが、借金が重く、式どおりの倍率は高く出る 本質価値との差 +12.8% · 10 年 やや割安(年 +8.0%) 適正 PPGインダストリーズPPG 工業・補修・海外建築の塗料に厚みがあり、利益は 10 年で伸び、PER 15 倍台は利益ベースの正当化 PER(10 年の中立 14.7 倍)とほぼ同じで、利益の伸びの分だけやや割安 本質価値との差 +4.1% · 10 年 適正(年 +7.6%) 適正 CRHCRH 北米最大の骨材・舗装の会社で、利益率は過去最高圏。利益ベースの倍率で測ると PER 15 倍は適正 本質価値との差 +3.2% · 10 年 適正(年 +7.6%) 適正 スマーフィット・ウェストロックSW 原紙の値上げと能力閉鎖で利益は回復途上。借金は重く、利益ベースの倍率で測ると今の時価総額とほぼ同じ 本質価値との差 +2.6% · 10 年 適正(年 +8.0%) 適正 コルテバCTVA 2026 年 10 月に種子を切り離した作物保護(農薬)の専業。売上 76 億ドル、時価総額の 2 割が純現金。後発品の圧力が続く中で、計算では今の値段はほぼ適正に出る 本質価値との差 −4.8% · 10 年 適正(年 +6.6%) 適正 アムコアAMCR ベリー統合で世界最大の包装会社になったが数量は減り続け、のれんと借金が重い。シナジーと借金返済で利益は伸びるが、価値は数量が戻るかで大きく割れる 本質価値との差 −8.6% · 10 年 適正(年 +6.4%) やや割高 CFインダストリーズ・ホールディングスCF 北米最大の窒素肥料メーカー。安い天然ガスで利益率が高く、中東紛争で今は山。山を外したならし利益で測っても、資本コスト 9.5% の下で今の値段はやや割高 本質価値との差 −10.9% · 10 年 やや割高(年 +5.7%) やや割高 インターナショナル・ペーパーIP 北米は費用削減で利益率を戻す途上、欧州は分離待ちで償却が重い。借金が重く、式どおりの倍率でも安全域は薄い 本質価値との差 −13.3% · 10 年 やや割高(年 +6.2%) やや割高 マーチン・マリエッタ・マテリアルズMLM 骨材と石灰を持つ 2 本柱へ。堀は本物だが、LNA 買収で純負債が EBITDA の約 4 倍に増え、式で測ると今の値段はやや割高 本質価値との差 −14.1% · 10 年 やや割高(年 +5.4%) やや割高 リンデLIN 世界最大の産業ガス会社で堀は最上級。利益ベースの倍率で測ると PER 34 倍はやや割高 本質価値との差 −15.0% · 10 年 やや割高(年 +4.7%) やや割高 デュポン・ドゥ・ヌムールDD 分離で身軽になった DuPont は水・医療が伸び利益率が上がる途中。株式報酬と償却を費用にした GAAP で、利益ベースの倍率で測るとやや割高の側 本質価値との差 −15.8% · 10 年 やや割高(年 +5.0%) やや割高 シャーウィン・ウィリアムズSHW 塗料の最強の小売り網と価格を決める力を持つが、PER 33 倍は利益ベースの成熟後の倍率 22.6 倍より高く、中立でも安全域がない 本質価値との差 −21.5% · 10 年 やや割高(年 +4.0%) やや割高 ライオンデルバセル・インダストリーズLYB 北米の安いエタンに支えられた汎用化学の谷にいる大型株。欧州の赤字拠点を手放し配当も半減済み。利益ベースの倍率で測るとやや割高。利益の幅が極端に広く確信は低い 本質価値との差 −25.5% · 10 年 やや割高(年 +4.9%) やや割高 エコラボECL 水処理と衛生を顧客先で回す巡回サービスの堀は厚いが、PER 40 倍と買収後の借金が重く、中立でも今の値段には安全域がない 本質価値との差 −29.2% · 10 年 やや割高(年 +3.0%) 割高 ヴァルカン・マテリアルズVMC 米国最大の骨材会社。地域の独占と値上げの力は本物だが、利益ベースの倍率で測ると割り引いた価値は今の時価総額の約 7 割でやや割高 本質価値との差 −31.6% · 10 年 割高(年 +2.6%) 割高 パッケージング・コーポレーション・オブ・アメリカPKG 北米の段ボール原紙の寡占の中で、利益率が最も高く借金も軽い。商品事業の波と式どおりの倍率の高さが論点 本質価値との差 −32.4% · 10 年 割高(年 +2.9%) 割高 エアープロダクツ・アンド・ケミカルズAPD 産業ガス世界 3 位。水素の大型案件を捨てて本業に戻る途中で、純負債は重いが、利益ベースの倍率では割高 本質価値との差 −33.1% · 10 年 割高(年 +3.0%) 割高 アルベマールALB リチウムの価格は限界費用の水準を中立に置く。価格が実質で今の高値圏に居座る楽観が株価の上振れを作り、谷の年は赤字になる、振れの大きい会社 本質価値との差 −33.3% · 10 年 割高(年 +4.0%) 割高 ニューモントNEM 世界最大の金鉱山会社。金価格の平準化を置き、寿命 20 年の年金の倍率と積み上がる純現金で見ても、資本コスト 9.5% の下では今の値段は割高。価格を決められず、下は深い 本質価値との差 −34.4% · 10 年 割高(年 +3.1%) 割高 ダウ・インクDOW 汎用化学の谷にいる大型株。コスト削減と 3.5% の物価で、利益ベースの倍率で測ると割高。利益の幅が極端に広く確信は低い 本質価値との差 −37.7% · 10 年 割高(年 +3.9%) 割高 インターナショナル・フレーバー・アンド・フレグランスIFF 食品素材を売って香料・風味・酵素の 3 事業に絞る途中。利益率の改善を織り込んでも割り引いた価値は今の時価総額の約 6 割で、割高 本質価値との差 −40.2% · 10 年 割高(年 +1.1%) 割高 スチール・ダイナミクスSTLD 電炉で米国第 2 位級の鋼材メーカー。今は関税と値上がりの山で純利益が 2 倍超、アルミ新工場の成否も加わるが、ならした利益で測ると割高 本質価値との差 −50.6% · 10 年 割高(年 +0.5%) 割高 ニューコアNUE 電炉で米国最大の鋼材メーカー。今の純利益は景気と関税の追い風で山の近くにあり、ならした利益で測ると割高 本質価値との差 −50.9% · 10 年 割高(年 +0.3%) 割高 フリーポート・マクモランFCX 世界最大級の上場銅会社。銅価格を実質の中位に戻すと、資本コスト 9.5% の式どおりの倍率では今の時価総額は先を行き過ぎている。グラスバーグ復旧と銅高が全部続く楽観だけが今の値段に届く 本質価値との差 −58.9% · 10 年 割高(年 −1.3%)

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読んだ資料

  1. Mosaic 2026 年 Q2 決算リリース(8-K)
  2. Mosaic 2025 通期決算・2026 ガイダンス(8-K 2026-02-24)
  3. Mosaic 2026 年 6 月期 10-Q(Araxá 売却・Patrocínio 停止の費用)
  4. Mosaic 2025 年 10-K(ブラジル市場のシェア)
  5. ブラジルの肥料出荷 2025 年(ANDA の統計・Datamar)
  6. 世界のカリ出荷と 2026 年見通し(ニュートリエンの発表など)
  7. 中国の DAP・MAP 輸出(S&P Global 2026-09-02)
  8. OCP の増産計画(Fertilizer Daily 2026-08-29)
  9. モザイクとマーデンの合弁株式交換(2024)

分析日 2026-10-16