株譜
AI 銘柄分析 · 素材 · 試作

ボール・コーポレーション BALL

世界最大級の飲料缶。物価を転嫁できる堅い事業だが、借金が重く、式どおりの倍率は高く出る

やや割安
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)74.21 ドル197 億ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)65.8 ドル175 億ドル差 +12.8%
10 年後から見ると やや割安 価値 74.21 ドル197 億ドル · 差 +12.8% · 期待の年率 +8.0%
期待の年率リターン(10 年)+8.0%資本コスト比 −0.5 pt
推定の資本コスト8.5%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 8.5% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

ボール・コーポレーション(Ball)は、アルミ飲料缶の世界最大級のメーカー。2024 年 2 月に航空宇宙事業を売り、2025 年の売上 132 億ドルのほぼ全部が飲料缶になった(北米・中米が約 48%、欧州・中東・アフリカ(EMEA)が約 30%、南米が約 16%)。北米では缶の約 4 割(会社の投資家向け資料。推定)を押さえる。

儲けの源は「缶の数 × 1 缶の価格」で、アルミ代は顧客に転嫁する契約なので、アルミが上がっても 1 缶あたりの利益は大きく動かない。2025 年の GAAP の純利益は 9.1 億ドルだが、サウジ事業の売却益(税引き後 0.8 億ドル)と税の益 0.4 億ドルが入っているので、これを除いた正常な値は約 8.4 億ドル(株式報酬は費用、買収の無形資産の償却も費用)。航空宇宙の売却益(2024 年、税引き後 約 36 億ドル)も除いて考える。

2026 年は北米の営業利益が横ばい(新工場の起動費用と稼働率の摩擦)で、純負債は 67 億ドル(EBITDA の 3.2 倍)と重い。数量 × 価格で積んだ中立は、2035 年に売上 236 億ドル、純利益 約 17 億ドルで、利益ベースの正当化 PER の 8 割(約 15 倍)を掛けた。倍率は資本コスト 8.5% で置いた式の値で、今の PER(約 18 倍)よりやや低い。借金が重い分、悲観の確率は厚めに置いた。結論は総合の差のとおり。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、飲料缶は 10 年後も存在し、今より強い可能性が高い事業。缶は軽量で、リサイクル率が高く、新しい飲料の採用が続く。堀は工場の立地・規模・契約で、顧客の側が簡単に乗り換えられず、アルミ代を転嫁する契約なので物価に強い。ただし堀の深さは寡占の中位で、価格を決める力はクラウンより弱く(利益率の差)、顧客の大手が強い。

オーナー利益:2026 年の FCF は 9 億ドル超だが、そこから配当 約 2 億ドルを払い、残りが自社株買いと借金の返済に回る。GAAP の純利益 約 8.4 億ドルを上回る(減価償却が大きいため)。成長のための設備投資は減価償却をやや上回り、買収の償却と株式報酬は費用として引いた数字で見ている。資本配分は、航空宇宙の売却で身軽になった後に買い戻しを急ぎ、買い戻しの価格が割高だったかどうかは、これからの株価と利益で決まる。

安全域:今の時価総額(168 億ドル)は正常な純利益の約 20 倍、純負債を含む企業価値は EBITDA の約 11 倍。式どおりの倍率(k 8.5%・ROIC から出した ROE・g 約 3.8%)の 8 割にあたる 15 倍を 2035 年の純利益 約 17 億ドルに掛けた中立の時価総額は約 256 億ドルで、借金の重さが安全域の弱さ。借金と見かけの ROE の高さで、確信度は中程度。

何で稼ぐ会社か

ボールは飲料缶を 3 地域で作る。①北米・中米:売上 62.9 億ドル(2025 年。営業利益 7.7 億ドル、営業利益率 12.3%)。コカ・コーラ、ペプシコ、ビール大手、エナジードリンクなどの大口の顧客と数年の契約を結び、アルミ代を転嫁する。2026 年は缶の供給が「ほぼ売り切れ」で、オレゴン州ミラーズバーグの新工場が 2026 年 7 月に商業生産を始め、2027 年第 1 四半期に本来の価値が出る。フロリダ州の缶工場も買収した。②EMEA:売上 39.8 億ドル(営業利益 4.95 億ドル、12.4%)。2026 年 1 月にベネパック(ベルギーとハンガリーの缶工場)の 80% を買い、サウジ事業は 41% 分を売った。2026 年からインド・ミャンマー・サウジの残りも EMEA に入れる。③南米:売上 21.6 億ドル(営業利益 3.3 億ドル、15.1%)。ブラジルが中心で、2026 年第 2 四半期の数量は十数%増。

そのほか、エアゾール缶・アルミカップなどの非報告事業が売上 7.3 億ドル。全社費用は年約 1.5 億ドル(2026 年は約 1.75 億ドルの見通し)。

稼ぎ方の核は、(1) 缶の数量(2025 年の世界の出荷は +4.1%。北米 +4.8%、EMEA +5.5%、南米 +4.2%)、(2) 契約の更新と 1 缶あたりの利益(アルミ代は転嫁、加工費・人件費・エネルギー代は物価で上がるので値上げで回収)、(3) 工場の稼働率(高稼働は儲かるが、起動費用と摩擦が出る)。設備投資は 2025 年 4.7 億ドルから 2026 年は減価償却並み(上期だけで 3.0 億ドル)へ増え、FCF は 2026 年に 9 億ドル超の見通し。2026 年の還元は 8 億ドル以上(買い戻し 6 億ドル以上、配当 約 2 億ドル)。

優良さと弱いところ

堀は規模・立地・契約・転嫁の仕組みの 4 つ。缶は重くて運びにくい割に安いので、顧客の充填工場の近くに作る必要があり、新しい工場を作るには時間と大きな投資が要る。北米は限られた数社(ボール、クラウン、アードAG(Ardagh)、カンパック(Canpack)など)で、ボールは約 4 割、世界でも欧州・北米・南米の主要地域で首位級。契約は数年で、アルミ代は転嫁されるので、金属相場の損益は小さい。

競合との比較では、クラウン(Crown)の米州飲料の営業利益率は 2026 年第 2 四半期で約 15.6%(売上 17.0 億ドル・セグメント利益 2.65 億ドル)、ボールの北米・中米は同期で約 10.3%(売上 20.1 億ドル・営業利益 2.07 億ドル。売上にアルミ代が多く入るため比率は薄まる。定義も違う)。2025 年通期では 12.3%。ボールの利益率はクラウンより低く、ここが改善できるかが優良さの分かれ目。アードAGは 2026 年第 2 四半期の北米の出荷が 5% 減(契約の改定)で、ボールが取れる余地はある。

弱い所は、(1) 借金(純負債 67 億ドル、EBITDA の 3.2 倍。年末の目標は約 2.7 倍)、(2) 2026 年の北米の営業利益が出荷が伸びても前年を下回ったこと、(3) 自社株買いで自己資本が縮み帳簿の ROE が見かけ上高くなること、(4) 新 CEO(2025 年 11 月に交代)の下で戦略は変わらない(缶への転換を加速)と言うが、買収・新工場の投資判断の実績はこれから。資本配分は EVA(経済的付加価値)を基準にし、買収は小規模(ベネパック、フロリダの工場)。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

飲料缶は、瓶・ペットボトルから缶への転換、新しい飲料(エナジードリンク、炭酸水、ハード・セルツァー、RTD 飲料)の缶の採用、環境規制(リサイクルしやすいアルミ)で、世界の出荷は年 3〜5% 伸びてきた。会社の長期の見通しは、北米 1〜3%、EMEA 3〜5%、南米 4〜6%。2026 年第 2 四半期は世界の出荷が +4.3% で 6 四半期連続の増加。クラウンも北米 +5%、欧州 +7%、世界 +5%。

一方、今の逆風も多い。(1) アルミ価格と関税(米国の鉄鋼・アルミの 232 条 50%、ミッドウエスト・プレミアムの上昇)で缶の価格が上がり、消費が鈍る恐れがある(会社も「高値は需要に響きうる」と認める。232 条の変更は重大でないとする)。(2) 缶のふた(エンド)を米国で作る動きの関税の費用(2026 年にいくらか出る)。(3) GLP-1 薬や若い世代の甘味飲料・酒類離れ。(4) 競合の増設(インドでは複数社が増設を発表)と、北米のアードAGのような価格の再設定。

供給は北米で逼迫している(ボールは 2030 年末まで 50% 超が売り切れ)。この逼迫が契約更新での価格決定力を支える一方、新工場が埋まる 2027 年以降に需給が緩めば、価格は物価並みにとどまる。長期では、缶はペット・紙パック・リフィルに対し、リサイクル率とブランドの見栄えで優位だが、欧州の包装規則(PPWR)やデポジット制度の広がりは数量に効く。南米は為替・需要の変動が大きい(為替は筋書きで動かさない)。

資本政策と M&A

還元は配当(年約 2 億ドル)と自社株買いが柱。2024 年に航空宇宙の売却資金で自社株買いを大きく進め、2025 年は買い戻し 13.2 億ドル・配当 2.2 億ドル(合計 15.4 億ドル。株数は 1 年で約 10% 減)。2026 年の上期は買い戻しが 1.15 億ドルに減り、純負債が 2025 年末の 58.0 億ドルから 6 月末に 67.3 億ドルへ増えた(上期は運転資本が出ていく季節。通年の FCF は 9 億ドル超の見通し、年末に 2.7 倍の目標)。

買収は小規模で、ベネパックの 80%(ORG テクノロジーが 20% 残す)、フロリダの缶工場。航空宇宙の売却(2024 年、BAE システムズ)で本業を飲料缶に絞った。大型の買収は当面なく、新工場(ミラーズバーグ)と買収した工場の稼働率を上げて EVA を高める方針。株式報酬は小さい(上期 0.13 億ドル)が、費用として扱う。

借金は借り換えで約 5.75% に上がる(利払いは今の 3.1 億ドルから 3 年で約 3.6 億ドル、10 年で約 6 億ドル近くに増える。利益の増加がそれを上回る)。TOB などの再編の可能性は低い(時価総額 170 億ドル、純負債を入れて約 230 億ドル)が、クラウンなどの同業が組む可能性は独占の観点で小さい。

2026 年に決算期末後すでに実行した自社株買い 1.1 億ドル(10-Q・2026 年 1〜6 月)は、今の株数(時価総額)に反映済みなので、10 年の還元には数えず、自己資本の起点(53.1 億ドル)からも外した。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

缶への転換は終わっていない。世界の出荷は 6 四半期連続で伸び(2026 年第 2 四半期 +4.3%)、北米は「2030 年末まで 50% 超が売り切れ」で、供給が逼迫する中で契約の更新が有利に進む。ミラーズバーグが 2027 年第 1 四半期に本格稼働し、フロリダの工場とベネパックが埋まれば、2026 年に横ばいだった北米の営業利益は 2027 年から増える。北米の営業利益率 12.3% はクラウンの米州飲料(約 15.6%)に届いておらず、稼働率の改善で 0.7〜2 ポイント上げる余地がある。アードAGの北米の出荷は契約改定で 5% 減っており、その分をボールが取れる。

欧州は缶の浸透が低く(市場が年 3〜5%)、ベネパックで能力が増え、利益率は 12〜15% へ。南米はブラジルが中心で、2026 年第 2 四半期は数量が十数%増・営業利益が 64% 増。アルミ代は転嫁され、加工費は物価と一緒に上がるので、利益は物価以上に伸びる。EPS 10% 超の成長は買い戻しと合わせて続く。

慎重な見方

2026 年に北米の数量が増えたのに北米の営業利益は前年を下回った(起動費用と稼働率の摩擦)。売上が伸びたのはアルミ代の転嫁が主で、1 缶あたりの利益は増えていない。会社は 2026 年の見通しを据え置き、株価は決算の朝(寄り付き前)に約 4% 下がった。純負債は EBITDA の 3.2 倍と重く、借り換えで利払いが上がり、自社株買いは上期に 1.15 億ドルへ縮んだ(前年上期は 10.2 億ドル)。2025 年は株数が約 10% 減って 1 株あたりの利益を押し上げており、帳簿の ROE(約 17%)は自己資本が縮んだ分だけ見かけ上高い。

逆風も多い。アルミの関税とミッドウエスト・プレミアムで缶の価格が上がり、消費が鈍る恐れがある(会社自身が認める)。クラウン・カンパック・インドの増設組が供給を増やせば、2027 年以降に新工場が埋まらず、契約更新で価格が物価に届かない。GLP-1 薬と甘味飲料離れ、欧州の再利用の規制は数量に効く。リーマン時は −37%、2022 年の利上げ局面は −50% と、借金のある企業は下げが深い。式どおりの倍率は、自社株買いで縮んだ自己資本の ROE に引かれて高く出るので、信用しすぎない方がいい。

どちらに重みを置いたか

缶の需要の構造と北米の逼迫は強気の見方に分がある。一方、2026 年の北米の営業利益が横ばいで、借金が重く、式の倍率が縮んだ自己資本の ROE に引かれる点は慎重な見方が強い。確率は 10 年で楽観側 26%・悲観側 36% と、悲観側を少し厚くした(同じ領域のアムコア(悲観側 40%)よりは薄く、段ボールの PKG(悲観側 32%)に近い。缶は転嫁の仕組みと逼迫で守られている)。式どおりの倍率で割り引いた価値の結果は、総合の差のとおり。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した株価時価総額 90.06 ドル239 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 51.69 ドル137 億ドル)。 今の値に割り戻すと 74.21 ドル197 億ドル、今との差 +12.8%、 期待の年率 +8.0%(資本コスト 8.5%)→ やや割安

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 6% 163.75 ドル435 億ドル 72.17 ドル192 億ドル +258.5% +13.6% 14.15 ドル38 億ドル
やや楽観 20% 128.45 ドル341 億ドル 62.76 ドル167 億ドル +190.6% +11.3% 38.24 ドル102 億ドル
中立 38% 96.51 ドル257 億ドル 54.86 ドル146 億ドル +130.0% +8.7% 57.52 ドル153 億ドル
やや悲観 25% 60.65 ドル161 億ドル 43.95 ドル117 億ドル +58.9% +4.7% 26.15 ドル70 億ドル
悲観 11% 24.61 ドル65 億ドル 27.02 ドル72 億ドル −21.6% −2.4% 5.68 ドル15 億ドル
加重平均100% 90.06 ドル239 億ドル51.69 ドル137 億ドル +115.4% +8.0% 141.75 ドル377 億ドル

今の株価時価総額 65.81 ドル175 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.5% を下回るほど割高。

楽観 6% 楽観:北米の逼迫が続き価格を決める力が強まる。北米 14.5%、欧州 15% 利益 23 億ドル · PER 18.7 倍 · 株価時価総額 163.75 ドル435 億ドル

北米は缶の逼迫が長引き、会社が言う「2030 年末まで 50% 超が売り切れ」のとおり契約の更新で価格を決める力が強まる。北米の市場は年 +2.2%(ビール・エナジードリンク・炭酸の缶化)で 2035 年に 1,492 億缶、シェアはミラーズバーグの稼働とアードAG(Ardagh)の契約縮小で 42.0%、1 缶の価格は物価 1.41 倍に 3% 上乗せの 1.46 倍、営業利益率 14.5%(クラウン(Crown)の米州飲料の約 15〜16% に並ぶ)。欧州は缶の浸透が低く市場が年 +4%、ベネパック(Benepack)の工場も埋まり利益率 15.0%。南米は年 +4.5% で 16.0%。2035 年、売上 273 億ドル(2025 年の約 2.1 倍。物価 1.41 倍と数量)、営業利益 37.2 億ドル、純利益 23.3 億ドル(正常な 2025 年は 8.4 億ドル)。純負債は EBITDA の約 2.5 倍で、10 年の還元は正味 192 億ドル(配当と自社株買いから株式報酬の分を引く)。規模・契約・立地の堀が広がる筋書き。 10 年の純利益の累計は約 154 億ドル(2025 年の正常な 8.4 億ドルから年 10% 台で 23.3 億ドルまで伸びる。減損・売却益は置かない)。自己資本は今の 54 億ドルにこの累計を足し、還元 192 億ドルを引いた約 15 億ドルまで縮み、自社株買いで帳簿の ROE は見かけ上高くなる。

  • 北米・中米の飲料缶:数量 1,492(北米・中米の飲料缶の市場(億缶)× シェア)× 価格 8.0%(ボールのシェア × 1 缶の価格(ドル。アルミ代を含み転嫁))→ 売上 120 億ドル・営業利益 17 億ドル。市場 1,492 億缶 × シェア 42.0% × 1 缶の価格 1.46 倍(営業利益率 14.5%)
  • EMEA の飲料缶:数量 1,332(EMEA(インド・ミャンマーを含む)の飲料缶の市場(億缶。推定)× シェア)× 価格 6.8%(ボールのシェア × 1 缶の価格(ドル。アルミ代を含み転嫁))→ 売上 91 億ドル・営業利益 14 億ドル。市場 1,332 億缶 × シェア 31.0% × 1 缶の価格 1.44 倍(営業利益率 15.0%)
  • 南米の飲料缶:数量 699(南米の飲料缶の市場(億缶。推定)× シェア)× 価格 6.9%(ボールのシェア × 1 缶の価格(ドル。アルミ代を含み転嫁))→ 売上 49 億ドル・営業利益 8 億ドル。市場 699 億缶 × シェア 48.5% × 1 缶の価格 1.43 倍(営業利益率 16.0%)
  • その他(エアゾール缶・アルミカップなど):数量 269(非報告事業の市場(億ドル。推定)× シェア)× 価格 5.2%(ボールのシェア(3.65% 固定)× 価格指数)→ 売上 14 億ドル・営業利益 2 億ドル。市場 269 億ドル × シェア 3.65% × 価格 1.43 倍(営業利益率 15.0%。非報告事業なので市場を億ドルで置く)

倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 70.2%(帳簿の ROE 152% は自社株買いで 40% を超えるので、ROIC 37.3%=税引き後営業利益 ÷(自己資本 + 純負債 61.5)から出した値)、k 8.50%(基本 8.0% + quality +0.5%)、残る割合 0.50(普通の堀)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 39.3%、g 4.0%(市場の数量(飲料缶は実質で年 +1〜3%)× シェア × 価格(アルミ代と物価の転嫁)から出した値。ROE から出していない)、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 20.0 倍(来年の利益に対して)。借金が重く新工場の稼働と競合の増設に左右されるので、上限の 9 割(18.0 倍)に置き、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 18.7 倍。時価総額 = 純利益 23 × 18.7 倍 = 435 億ドル。

確率:10 年にわたり北米の逼迫が続き競合並みの利益率に届き、欧州・南米も伸びる展開。「2030 年末まで 50% 超が売り切れ」という好材料はあるが、新工場・買収の成否と競合の増設で崩れやすいので 6% に置いた。

やや楽観 20% やや楽観:新工場が立ち上がり、欧州と南米が伸びる 利益 20 億ドル · PER 17.1 倍 · 株価時価総額 128.45 ドル341 億ドル

北米は市場が年 +1.8% で伸び、シェアは新工場の稼働で 41.2% へ小さく上がる。価格は物価 1.41 倍に 1.4% 上乗せの 1.43 倍、利益率は起動費用の消えた 13.8%。欧州は市場が年 +3.5%(缶の浸透が上がる)でシェア 30.2%、利益率 14.3%。南米は年 +4.0%・15.3%。2035 年、売上 252 億ドル(2025 年の約 1.9 倍。物価 1.41 倍と数量)、営業利益 32.2 億ドル、純利益 20.0 億ドル(正常な 2025 年は 8.4 億ドル)。純負債は EBITDA の約 2.5 倍で、10 年の還元は正味 167 億ドル(配当と自社株買いから株式報酬の分を引く)。自社株買いが続き、純負債の倍率は長期の目安に落ち着く。

  • 北米・中米の飲料缶:数量 1,434(北米・中米の飲料缶の市場(億缶)× シェア)× 価格 7.7%(ボールのシェア × 1 缶の価格(ドル。アルミ代を含み転嫁))→ 売上 111 億ドル・営業利益 15 億ドル。市場 1,434 億缶 × シェア 41.2% × 1 缶の価格 1.43 倍(営業利益率 13.8%)
  • EMEA の飲料缶:数量 1,270(EMEA(インド・ミャンマーを含む)の飲料缶の市場(億缶。推定)× シェア)× 価格 6.5%(ボールのシェア × 1 缶の価格(ドル。アルミ代を含み転嫁))→ 売上 83 億ドル・営業利益 12 億ドル。市場 1,270 億缶 × シェア 30.2% × 1 缶の価格 1.42 倍(営業利益率 14.3%)
  • 南米の飲料缶:数量 666(南米の飲料缶の市場(億缶。推定)× シェア)× 価格 6.8%(ボールのシェア × 1 缶の価格(ドル。アルミ代を含み転嫁))→ 売上 45 億ドル・営業利益 7 億ドル。市場 666 億缶 × シェア 48.0% × 1 缶の価格 1.42 倍(営業利益率 15.3%)
  • その他(エアゾール缶・アルミカップなど):数量 256(非報告事業の市場(億ドル。推定)× シェア)× 価格 5.2%(ボールのシェア(3.65% 固定)× 価格指数)→ 売上 13 億ドル・営業利益 2 億ドル。市場 256 億ドル × シェア 3.65% × 価格 1.42 倍(営業利益率 14.5%。非報告事業なので市場を億ドルで置く)

倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 52.4%(帳簿の ROE 78% は自社株買いで 40% を超えるので、ROIC 28.4%=税引き後営業利益 ÷(自己資本 + 純負債 61.5)から出した値)、k 8.50%(基本 8.0% + quality +0.5%)、残る割合 0.50(普通の堀)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 30.5%、g 4.0%(市場の数量(飲料缶は実質で年 +1〜3%)× シェア × 価格(アルミ代と物価の転嫁)から出した値。ROE から出していない)、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 19.3 倍(来年の利益に対して)。借金が重く新工場の稼働と競合の増設に左右されるので、上限の 8.5 割(16.4 倍)に置き、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 17.1 倍。時価総額 = 純利益 20 × 17.1 倍 = 341 億ドル。

確率:数量が会社の長期目標(北米 1〜3%、欧州 3〜5%、南米 4〜6%)の上半分で進み、新工場の稼働で利益率が上がる展開。

中立 38% 中立:数量は市場並み、価格は物価並み、利益率は小幅に改善 利益 17 億ドル · PER 14.9 倍 · 株価時価総額 96.51 ドル257 億ドル

北米の市場は年 +1.5%(缶が瓶・ペットを置き換える流れと人口・エナジードリンクの伸びを、GLP-1 薬や甘味飲料の減少が一部打ち消す)で 2035 年に 1,393 億缶、シェアは 40.5%(ミラーズバーグと買収したフロリダの工場が埋まり、アードAGの縮小を小さく取る)、価格は物価並みの 1.41 倍(アルミ費は転嫁)、営業利益率 13.0%(効率化と新工場の稼働で 2025 年の 12.3% から 0.7 ポイント上)。欧州は市場が年 +3.0% でシェア 29.5%、利益率 13.5%。南米は年 +3.5%・シェア 47.5%・14.5%。2035 年、売上 236 億ドル(2025 年の約 1.8 倍。物価 1.41 倍と数量)、営業利益 27.9 億ドル、純利益 17.2 億ドル(正常な 2025 年は 8.4 億ドル)。純負債は EBITDA の約 2.6 倍で、10 年の還元は正味 146 億ドル(配当と自社株買いから株式報酬の分を引く)。競合のクラウンの利益率 15% 前後には届かないまま、物価並みの成長を続ける。

  • 北米・中米の飲料缶:数量 1,393(北米・中米の飲料缶の市場(億缶)× シェア)× 価格 7.5%(ボールのシェア × 1 缶の価格(ドル。アルミ代を含み転嫁))→ 売上 104 億ドル・営業利益 14 億ドル。市場 1,393 億缶 × シェア 40.5% × 1 缶の価格 1.41 倍(営業利益率 13.0%)
  • EMEA の飲料缶:数量 1,210(EMEA(インド・ミャンマーを含む)の飲料缶の市場(億缶。推定)× シェア)× 価格 6.3%(ボールのシェア × 1 缶の価格(ドル。アルミ代を含み転嫁))→ 売上 77 億ドル・営業利益 10 億ドル。市場 1,210 億缶 × シェア 29.5% × 1 缶の価格 1.41 倍(営業利益率 13.5%)
  • 南米の飲料缶:数量 635(南米の飲料缶の市場(億缶。推定)× シェア)× 価格 6.7%(ボールのシェア × 1 缶の価格(ドル。アルミ代を含み転嫁))→ 売上 43 億ドル・営業利益 6 億ドル。市場 635 億缶 × シェア 47.5% × 1 缶の価格 1.41 倍(営業利益率 14.5%)
  • その他(エアゾール缶・アルミカップなど):数量 244(非報告事業の市場(億ドル。推定)× シェア)× 価格 5.1%(ボールのシェア(3.65% 固定)× 価格指数)→ 売上 13 億ドル・営業利益 2 億ドル。市場 244 億ドル × シェア 3.65% × 価格 1.41 倍(営業利益率 14.0%。非報告事業なので市場を億ドルで置く)

倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 40.2%(帳簿の ROE 49% は自社株買いで 40% を超えるので、ROIC 22.3%=税引き後営業利益 ÷(自己資本 + 純負債 61.5)から出した値)、k 8.50%(基本 8.0% + quality +0.5%)、残る割合 0.50(普通の堀)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 24.3%、g 3.8%(市場の数量(飲料缶は実質で年 +1〜3%)× シェア × 価格(アルミ代と物価の転嫁)から出した値。ROE から出していない)、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 18.0 倍(来年の利益に対して)。借金が重く新工場の稼働と競合の増設に左右されるので、上限の 8 割(14.4 倍)に置き、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 14.9 倍。時価総額 = 純利益 17 × 14.9 倍 = 256 億ドル。

確率:議論の落としどころで最大。数量は目標の下半分〜中央、価格は物価並み、利益率は小幅に改善。競合のクラウンの利益率には届かない。

やや悲観 25% やや悲観:缶の数量が伸び悩み、借金が重く利益率が戻らない 利益 13 億ドル · PER 12.7 倍 · 株価時価総額 60.65 ドル161 億ドル

北米の缶の市場は年 +0.8% にとどまり(アルミ高・関税で缶の価格が上がり消費が鈍る。甘味飲料の減少)、アードAG・クラウン・カンパック(Canpack)に押されてシェアは 39.5% へ下がる。価格は物価に届かず 1.39 倍、利益率は 11.8%。欧州は市場 年 +2.2%・シェア 28.5%・12.2%、南米は年 +2.5%・13.0%。2035 年、売上 209 億ドル(2025 年の約 1.6 倍。物価 1.41 倍と数量)、営業利益 21.4 億ドル、純利益 12.7 億ドル(正常な 2025 年は 8.4 億ドル)。純負債は EBITDA の約 2.9 倍で、10 年の還元は正味 117 億ドル(配当と自社株買いから株式報酬の分を引く)。純負債が高止まりして自社株買いを絞るので、利益の伸びも鈍る。

  • 北米・中米の飲料缶:数量 1,300(北米・中米の飲料缶の市場(億缶)× シェア)× 価格 7.2%(ボールのシェア × 1 缶の価格(ドル。アルミ代を含み転嫁))→ 売上 93 億ドル・営業利益 11 億ドル。市場 1,300 億缶 × シェア 39.5% × 1 缶の価格 1.39 倍(営業利益率 11.8%)
  • EMEA の飲料缶:数量 1,119(EMEA(インド・ミャンマーを含む)の飲料缶の市場(億缶。推定)× シェア)× 価格 6.0%(ボールのシェア × 1 缶の価格(ドル。アルミ代を含み転嫁))→ 売上 68 億ドル・営業利益 8 億ドル。市場 1,119 億缶 × シェア 28.5% × 1 缶の価格 1.39 倍(営業利益率 12.2%)
  • 南米の飲料缶:数量 576(南米の飲料缶の市場(億缶。推定)× シェア)× 価格 6.4%(ボールのシェア × 1 缶の価格(ドル。アルミ代を含み転嫁))→ 売上 37 億ドル・営業利益 5 億ドル。市場 576 億缶 × シェア 46.0% × 1 缶の価格 1.39 倍(営業利益率 13.0%)
  • その他(エアゾール缶・アルミカップなど):数量 221(非報告事業の市場(億ドル。推定)× シェア)× 価格 5.1%(ボールのシェア(3.65% 固定)× 価格指数)→ 売上 11 億ドル・営業利益 1 億ドル。市場 221 億ドル × シェア 3.65% × 価格 1.39 倍(営業利益率 12.0%。非報告事業なので市場を億ドルで置く)

倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 29.8%、k 8.50%(基本 8.0% + quality +0.5%)、残る割合 0.50(普通の堀)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 19.2%、g 3.5%(市場の数量(飲料缶は実質で年 +1〜3%)× シェア × 価格(アルミ代と物価の転嫁)から出した値。ROE から出していない)、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 16.3 倍(来年の利益に対して)。競合の増設と素材の切り替えで優良でなくなる分、上限の 7.5 割(12.3 倍)に置き、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 12.7 倍。時価総額 = 純利益 13 × 12.7 倍 = 161 億ドル。

確率:アルミ高・関税による缶の価格上昇、競合(クラウン・カンパック)の増設、甘味飲料・酒類の減少で数量が伸び悩み、借金が重い展開。構造が良い事業でも 10 年は長く、慎重な見方の言い分も強いので、中立に近い 25% に置いた。

悲観 11% 悲観:缶の優位が崩れ、数量が減り、競争で価格が物価に届かない 利益 7 億ドル · PER 9.1 倍 · 株価時価総額 24.61 ドル65 億ドル

アルミの関税・原料高で缶のコストが上がり続け、ペットボトル・紙パック・リフィル容器・再利用の規制へ需要が流れる。北米の缶の市場は年 −0.5%、シェアは価格競争で 38.0%、価格は物価に届かず 1.33 倍、利益率は 10.0%(2022 年の 6.6% よりは上)。欧州は年 +1.0%・10.0%、南米は年 +1.0%・10.5%。2035 年、売上 170 億ドル(2025 年の約 1.3 倍。物価 1.41 倍と数量)、営業利益 13.1 億ドル、純利益 7.2 億ドル(正常な 2025 年は 8.4 億ドル)。純負債は EBITDA の約 3.3 倍で、10 年の還元は正味 72 億ドル(配当と自社株買いから株式報酬の分を引く)。借金の返済が優先で自社株買いは細り、2020 年代の買収・新工場への投資が稼げない資産になる。

  • 北米・中米の飲料缶:数量 1,141(北米・中米の飲料缶の市場(億缶)× シェア)× 価格 6.6%(ボールのシェア × 1 缶の価格(ドル。アルミ代を含み転嫁))→ 売上 76 億ドル・営業利益 8 億ドル。市場 1,141 億缶 × シェア 38.0% × 1 缶の価格 1.33 倍(営業利益率 10.0%)
  • EMEA の飲料缶:数量 994(EMEA(インド・ミャンマーを含む)の飲料缶の市場(億缶。推定)× シェア)× 価格 5.5%(ボールのシェア × 1 缶の価格(ドル。アルミ代を含み転嫁))→ 売上 55 億ドル・営業利益 5 億ドル。市場 994 億缶 × シェア 27.0% × 1 缶の価格 1.34 倍(営業利益率 10.0%)
  • 南米の飲料缶:数量 497(南米の飲料缶の市場(億缶。推定)× シェア)× 価格 5.9%(ボールのシェア × 1 缶の価格(ドル。アルミ代を含み転嫁))→ 売上 29 億ドル・営業利益 3 億ドル。市場 497 億缶 × シェア 44.0% × 1 缶の価格 1.34 倍(営業利益率 10.5%)
  • その他(エアゾール缶・アルミカップなど):数量 200(非報告事業の市場(億ドル。推定)× シェア)× 価格 4.9%(ボールのシェア(3.65% 固定)× 価格指数)→ 売上 10 億ドル・営業利益 1 億ドル。市場 200 億ドル × シェア 3.65% × 価格 1.34 倍(営業利益率 10.0%。非報告事業なので市場を億ドルで置く)

倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 12.2%、k 8.50%(基本 8.0% + quality +0.5%)、残る割合 0.50(普通の堀)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 10.4%、g 2.5%(市場の数量(飲料缶は実質で年 +1〜3%)× シェア × 価格(アルミ代と物価の転嫁)から出した値。ROE から出していない)、正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 12.6 倍(来年の利益に対して)。競合の増設と素材の切り替えで優良でなくなる分、上限の 7 割(8.9 倍)に置き、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g) で 9.1 倍。時価総額 = 純利益 7 × 9.1 倍 = 65 億ドル。

確率:10 年で缶の優位が崩れる展開(ペット・紙・再利用、アルミの関税、競合の過剰な増設による価格競争)。缶は転嫁と景気の面で強いので、同業のアムコア(14%)より低い 11% に置いた。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

北米・中米の飲料缶

コカ・コーラ、ペプシコ、ビール大手、エナジードリンクなどへ缶を売る。アルミ代は転嫁。2026 年にミラーズバーグが稼働、フロリダ工場を買収。売上の約 48%。

数量北米・中米の飲料缶の市場(億缶)× シェア価格ボールのシェア × 1 缶の価格(ドル。アルミ代を含み転嫁)売上営業利益
今 2025/12 1,200 5.2% 63 8
10 年後 中立 1,393 7.5% 104 14

取り方:市場は北米の飲料缶の消費が約 1,200 億缶(調査会社の要約。中米を含む推定)。ボールのシェアは会社が示す約 40%(投資家の日の資料)で、缶は約 480 億缶。売上 62.86 億ドルから 1 缶あたり約 0.131 ドル(アルミ代を含む)。営業利益は 2025 年のコンパラブル 7.72 億ドル(比率 12.3%。この値は株式報酬を費用にしており、買収の無形資産の償却は全社の調整に入れた)。競合のクラウンの米州飲料は 2026 年第 2 四半期で約 15.6%。価格は中立で物価 3 年 1.11 倍・10 年 1.41 倍が基本。

EMEA の飲料缶

欧州・中東・アフリカの缶。2026 年にベネパックを買収、サウジ事業の大半を売却、インド・ミャンマーを移管。売上の約 30%。

数量EMEA(インド・ミャンマーを含む)の飲料缶の市場(億缶。推定)× シェア価格ボールのシェア × 1 缶の価格(ドル。アルミ代を含み転嫁)売上営業利益
今 2025/12 900 4.4% 40 5
10 年後 中立 1,210 6.3% 77 10

取り方:市場を約 900 億缶(欧州の缶の消費は 700 億缶前後、中東・アフリカ・インドを含めた推定で、開示が無く幅が大きい)と置き、売上 39.83 億ドルからシェアを約 29%(缶 約 260 億缶、1 缶 約 0.153 ドル)と推定。営業利益は 2025 年のコンパラブル 4.95 億ドル(12.4%)。2026 年上期は 12.6%(2.96 億ドル ÷ 23.5 億ドル)。競合のクラウンの欧州飲料は 2026 年第 2 四半期で約 14.6%。

南米の飲料缶

ブラジルが中心。2026 年第 2 四半期は数量が十数%増。変動が大きい。売上の約 16%。

数量南米の飲料缶の市場(億缶。推定)× シェア価格ボールのシェア × 1 缶の価格(ドル。アルミ代を含み転嫁)売上営業利益
今 2025/12 450 4.8% 22 3
10 年後 中立 635 6.7% 43 6

取り方:市場を約 450 億缶(ブラジルが 300 億缶台、アルゼンチン・チリ・コロンビアなどを含めた推定。開示が無い)と置き、売上 21.62 億ドルからシェア約 48%(缶 約 216 億缶、1 缶 約 0.100 ドル)と推定。営業利益は 2025 年のコンパラブル 3.27 億ドル(15.1%)。2026 年上期は 12.7%(1.49 億ドル ÷ 11.76 億ドル)で、アルミ代の転嫁で売上が膨らんだ分、比率は薄まる。為替は動かさない。

その他(エアゾール缶・アルミカップなど)

非報告事業。エアゾール缶(北米・メキシコ)やアルミカップなど。売上の約 5%。

数量非報告事業の市場(億ドル。推定)× シェア価格ボールのシェア(3.65% 固定)× 価格指数売上営業利益
今 2025/12 200 3.7% 7 1
10 年後 中立 244 5.1% 13 2

取り方:会社は非報告事業の売上 7.30 億ドルを開示するが、営業利益は全社費用と合算した −0.39 億ドル(全社費用 1.55 億ドルを除くと約 +1.16 億ドル)としか出していない。市場を 200 億ドル(推定)、シェアを 3.65% とおき、売上 7.3 億ドルを再現した。小さな事業なので筋書きでは市場の伸びと価格だけを動かす。全社費用(−1.55 億ドル)・買収の無形資産の償却(−1.5 億ドル)・経常の再編費用(−0.3 億ドル)は全社の調整に入れた。

リスクと懸念

借金の重さと利払い

純負債は 2026 年 6 月末で 67 億ドル(EBITDA の 3.2 倍。2025 年末は 2.8 倍)。年末に 2.7 倍へ戻す計画だが、上期の運転資本の流出、買収(ベネパック・フロリダ)、自社株買いが重なった。借り換えで利払いは 3.1 億ドルから 3 年で約 3.6 億ドルへ上がる。景気後退で EBITDA が落ちると倍率が 4 倍台へ上がり、買い戻しが止まる。

北米の利益率が競合に届かない

2026 年第 2 四半期の北米・中米は数量が増えたのに営業利益が前年を下回った(起動費用 約 0.05 億ドル、稼働率の摩擦)。比率は 10.3%(クラウンの米州飲料 15.6%。定義は違う)。通期の起動費用は約 0.35 億ドル(下期に約 0.30 億ドル)。ミラーズバーグが 2027 年第 1 四半期に本格稼働しないと、利益の改善が遅れる。

アルミ価格・関税による需要への圧力

米国の鉄鋼・アルミの 232 条(50%)、ミッドウエスト・プレミアムの上昇で缶の価格が上がる。ボールは転嫁するが、会社も「高値は需要に響きうる」と述べる。缶のふた(エンド)の国内生産への移行に関税の費用が出る(2026 年にいくらか)。ペット・ガラス・紙への切り替えが起きれば、数量の伸びが 1% を下回りうる。

競合の増設と価格の崩れ

クラウン・カンパック・アードAG・インドの増設組が供給を増やせば、北米で 2027 年以降に契約更新の価格が物価に届かない。アードAGは 2026 年に北米の出荷が 5% 減(契約の改定)で、取り戻しに来る可能性がある。新工場(ミラーズバーグ・ベネパック)が埋まらないと固定費が重い。

飲料の需要の構造的な変化

GLP-1 薬の普及、若い世代の甘味飲料・酒類離れ、健康志向でビール・炭酸の缶が減る。エナジードリンクと RTD(ハード・セルツァー・カクテル)の缶が伸びるが、ブランドの浮き沈みが大きい。会社は北米の長期の数量を 1〜3% と置くが、2026 年は下限に近い。

欧州の規制と南米の変動

欧州の包装規則(PPWR)やデポジット制度は缶に追い風と見られるが、再利用容器の義務化は数量を削る。南米は為替・景気・ブラジルの金利で数量と利益率の変動が大きく(2026 年第 2 四半期は営業利益が 64% 増だが、1 四半期の値で判断しないと会社自身が言う)、筋書きで為替を動かさないのでこの変動は確率で表した。

資本配分と自己資本の見かけ

2024〜25 年の買い戻しで自己資本は 54 億ドルまで縮み、帳簿の ROE(約 17%)は見かけ上高い。買い戻しの価格が高ければ株主の価値を削る。新 CEO(2025 年 11 月就任)の下で、大型の買収・新工場への資本が稼げない資産になる可能性がある。EVA を基準にするとは言うが、実績はこれから。

今後の分かれ目

2026 年の第 3・第 4 四半期に北米の営業利益が前年を上回り、2027 年の見通しで北米の利益率が 12% 台後半へ戻ったら
新工場の起動費用が消え、稼働率の摩擦が解消したとみて、楽観・やや楽観の確率を上げる。北米の営業利益が 2027 年に 8.5 億ドルを超え、2028 年の純利益が 11 億ドル台に近づく。
年末の純負債の倍率が 2.7 倍の目標に届かず、3 倍を超えたまま 2027 年に入ったら
買い戻しを絞らざるをえず、利益の伸び(EPS 10% 超)の前提が崩れる。やや悲観・悲観の確率を上げる。
アルミの価格や関税の変更で缶の消費が鈍り、北米の数量が 2 四半期続けて前年割れになったら
缶のコスト上昇が需要に響いているとみて、数量の前提を年 +0.8%(やや悲観)へ下げる。ペットへの切り替えが進むなら悲観に近づく。
アードAGやクラウンの増設が北米で相次ぎ、契約更新の価格が物価を下回ると報じられたら
ボールの価格を決める力が弱いとみて、価格を物価並み(中立)から物価に届かない水準(やや悲観)へ下げる。北米の営業利益率が 12% 台で止まる。
ベネパックの工場が 2027 年に利益に寄与し、EMEA の営業利益率が 13% を超えたら
欧州の数量(市場 年 +3〜5%)とシェアの取り込みが効いているとみて、EMEA の利益率 13.5%(中立)を上へ見直す。
同業(クラウンなど)との統合や、ボールを対象とした買収の提案が公表されたら
独占の観点から可能性は低いが、買い値と借金次第で、のれんと負債が増える(買い手の場合)か、価値が顕在化する(売られる場合)。確率の再点検が要る。

見ておくもの

  • 北米・中米の営業利益(2026 年上期は 4.12 億ドルで前年と同じ)と、ミラーズバーグの稼働・起動費用(2026 年通期 約 0.35 億ドル)
  • 世界の缶の出荷(2026 年第 2 四半期 +4.3%)と、地域別の数量(北米は 1〜3% の下限、EMEA は 3〜5% の上、南米は 4〜6% の下限〜中央)
  • 純負債の EBITDA 倍率(2026 年 6 月末 3.16 倍、年末の目標 約 2.7 倍)と、FCF(2026 年は 9 億ドル超の見通し)
  • 自社株買い(2026 年は 6 億ドル以上、上期は 1.15 億ドル)と、株数の推移(2025 年は約 10% 減)
  • アルミ価格・ミッドウエスト・プレミアム・関税(232 条)と、缶の消費の弾力
  • クラウンの北米・欧州の数量と利益率(2026 年第 2 四半期は北米 +5%、欧州 +7%)、アードAGの契約の改定(北米 −5%)
  • EMEA の営業利益率(2026 年上期 12.6%)とベネパックの寄与、南米の数量と営業利益率の振れ

倍率と資本コストの決め方

今の時価総額(168 億ドル)や PER(約 18〜20 倍)を見る前に、北米・EMEA・南米・その他を 市場(億缶)× シェア × 1 缶の価格(アルミ代の転嫁)で積み、営業利益率から営業利益・利払い・純利益を出した。倍率は k 8.5%(基本 8.0% + 借金 0.5%)・g(市場の実質の伸び × シェア × 価格。ROE からは出していない)・ROE の式の 7〜9 割に置いた。帳簿の ROE は自社株買いで 40% を超えるので、ROIC から出した ROE を式に使った。k − g が 4.5% 台で式の倍率は今の PER に近く、借金の重さと競合の増設を悲観側の確率 36% で表した。

資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。

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やや割安 エイブリィ・デニソンAVY ラベル素材で世界首位級の堀と RFID の伸びしろを持つが、借金で膨らんだ ROE と式の高い倍率は割り引いて読む 本質価値との差 +27.8% · 10 年 やや割安(年 +8.9%) やや割安 モザイクMOS リン酸・カリ・ブラジル流通の三本足。2026 年は硫黄高で赤字。価格の中立を限界費用に置き k 10% で割ると、本質価値は今の時価総額とほぼ同じ 本質価値との差 +18.7% · 10 年 やや割安(年 +10.0%) 適正 PPGインダストリーズPPG 工業・補修・海外建築の塗料に厚みがあり、利益は 10 年で伸び、PER 15 倍台は利益ベースの正当化 PER(10 年の中立 14.7 倍)とほぼ同じで、利益の伸びの分だけやや割安 本質価値との差 +4.1% · 10 年 適正(年 +7.6%) 適正 CRHCRH 北米最大の骨材・舗装の会社で、利益率は過去最高圏。利益ベースの倍率で測ると PER 15 倍は適正 本質価値との差 +3.2% · 10 年 適正(年 +7.6%) 適正 スマーフィット・ウェストロックSW 原紙の値上げと能力閉鎖で利益は回復途上。借金は重く、利益ベースの倍率で測ると今の時価総額とほぼ同じ 本質価値との差 +2.6% · 10 年 適正(年 +8.0%) 適正 コルテバCTVA 2026 年 10 月に種子を切り離した作物保護(農薬)の専業。売上 76 億ドル、時価総額の 2 割が純現金。後発品の圧力が続く中で、計算では今の値段はほぼ適正に出る 本質価値との差 −4.8% · 10 年 適正(年 +6.6%) 適正 アムコアAMCR ベリー統合で世界最大の包装会社になったが数量は減り続け、のれんと借金が重い。シナジーと借金返済で利益は伸びるが、価値は数量が戻るかで大きく割れる 本質価値との差 −8.6% · 10 年 適正(年 +6.4%) やや割高 CFインダストリーズ・ホールディングスCF 北米最大の窒素肥料メーカー。安い天然ガスで利益率が高く、中東紛争で今は山。山を外したならし利益で測っても、資本コスト 9.5% の下で今の値段はやや割高 本質価値との差 −10.9% · 10 年 やや割高(年 +5.7%) やや割高 インターナショナル・ペーパーIP 北米は費用削減で利益率を戻す途上、欧州は分離待ちで償却が重い。借金が重く、式どおりの倍率でも安全域は薄い 本質価値との差 −13.3% · 10 年 やや割高(年 +6.2%) やや割高 マーチン・マリエッタ・マテリアルズMLM 骨材と石灰を持つ 2 本柱へ。堀は本物だが、LNA 買収で純負債が EBITDA の約 4 倍に増え、式で測ると今の値段はやや割高 本質価値との差 −14.1% · 10 年 やや割高(年 +5.4%) やや割高 リンデLIN 世界最大の産業ガス会社で堀は最上級。利益ベースの倍率で測ると PER 34 倍はやや割高 本質価値との差 −15.0% · 10 年 やや割高(年 +4.7%) やや割高 デュポン・ドゥ・ヌムールDD 分離で身軽になった DuPont は水・医療が伸び利益率が上がる途中。株式報酬と償却を費用にした GAAP で、利益ベースの倍率で測るとやや割高の側 本質価値との差 −15.8% · 10 年 やや割高(年 +5.0%) やや割高 シャーウィン・ウィリアムズSHW 塗料の最強の小売り網と価格を決める力を持つが、PER 33 倍は利益ベースの成熟後の倍率 22.6 倍より高く、中立でも安全域がない 本質価値との差 −21.5% · 10 年 やや割高(年 +4.0%) やや割高 ライオンデルバセル・インダストリーズLYB 北米の安いエタンに支えられた汎用化学の谷にいる大型株。欧州の赤字拠点を手放し配当も半減済み。利益ベースの倍率で測るとやや割高。利益の幅が極端に広く確信は低い 本質価値との差 −25.5% · 10 年 やや割高(年 +4.9%) やや割高 エコラボECL 水処理と衛生を顧客先で回す巡回サービスの堀は厚いが、PER 40 倍と買収後の借金が重く、中立でも今の値段には安全域がない 本質価値との差 −29.2% · 10 年 やや割高(年 +3.0%) 割高 ヴァルカン・マテリアルズVMC 米国最大の骨材会社。地域の独占と値上げの力は本物だが、利益ベースの倍率で測ると割り引いた価値は今の時価総額の約 7 割でやや割高 本質価値との差 −31.6% · 10 年 割高(年 +2.6%) 割高 パッケージング・コーポレーション・オブ・アメリカPKG 北米の段ボール原紙の寡占の中で、利益率が最も高く借金も軽い。商品事業の波と式どおりの倍率の高さが論点 本質価値との差 −32.4% · 10 年 割高(年 +2.9%) 割高 エアープロダクツ・アンド・ケミカルズAPD 産業ガス世界 3 位。水素の大型案件を捨てて本業に戻る途中で、純負債は重いが、利益ベースの倍率では割高 本質価値との差 −33.1% · 10 年 割高(年 +3.0%) 割高 アルベマールALB リチウムの価格は限界費用の水準を中立に置く。価格が実質で今の高値圏に居座る楽観が株価の上振れを作り、谷の年は赤字になる、振れの大きい会社 本質価値との差 −33.3% · 10 年 割高(年 +4.0%) 割高 ニューモントNEM 世界最大の金鉱山会社。金価格の平準化を置き、寿命 20 年の年金の倍率と積み上がる純現金で見ても、資本コスト 9.5% の下では今の値段は割高。価格を決められず、下は深い 本質価値との差 −34.4% · 10 年 割高(年 +3.1%) 割高 ダウ・インクDOW 汎用化学の谷にいる大型株。コスト削減と 3.5% の物価で、利益ベースの倍率で測ると割高。利益の幅が極端に広く確信は低い 本質価値との差 −37.7% · 10 年 割高(年 +3.9%) 割高 インターナショナル・フレーバー・アンド・フレグランスIFF 食品素材を売って香料・風味・酵素の 3 事業に絞る途中。利益率の改善を織り込んでも割り引いた価値は今の時価総額の約 6 割で、割高 本質価値との差 −40.2% · 10 年 割高(年 +1.1%) 割高 スチール・ダイナミクスSTLD 電炉で米国第 2 位級の鋼材メーカー。今は関税と値上がりの山で純利益が 2 倍超、アルミ新工場の成否も加わるが、ならした利益で測ると割高 本質価値との差 −50.6% · 10 年 割高(年 +0.5%) 割高 ニューコアNUE 電炉で米国最大の鋼材メーカー。今の純利益は景気と関税の追い風で山の近くにあり、ならした利益で測ると割高 本質価値との差 −50.9% · 10 年 割高(年 +0.3%) 割高 フリーポート・マクモランFCX 世界最大級の上場銅会社。銅価格を実質の中位に戻すと、資本コスト 9.5% の式どおりの倍率では今の時価総額は先を行き過ぎている。グラスバーグ復旧と銅高が全部続く楽観だけが今の値段に届く 本質価値との差 −58.9% · 10 年 割高(年 −1.3%)

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読んだ資料

  1. Ball 2026 年第 2 四半期決算(2026-08-04)
  2. Ball 2025 年通期決算(2026-02-03)
  3. Packaging Dive:Ball 新 CEO と数量の見通し(2026-02)
  4. Investing.com:Ball 2026 年第 2 四半期の決算説明(議事録)
  5. BevNET:Ball 北米の缶は 2026 年売り切れ
  6. Brewbound:Ball の投資家の日(数量 +2〜3% 目標・米国で 40% の浸透)
  7. Crown Holdings 2026 年第 2 四半期決算
  8. Packaging Dive:Ardagh Metal Packaging 2026 年第 2 四半期
  9. Research and Markets:北米の金属缶の市場(約 1,200 億缶)

分析日 2026-10-16