結論
キッセイ薬品は、長野県松本市の中堅製薬会社だ。過活動膀胱薬ベオーバを柱に、導入した新薬を重ねて売上を 970 億円まで伸ばした。筆者の結論は、事業の稼ぐ力は薄く、価値の多くは持ち株と現金にある、というものだ。10 年で測ると、いまの値段は割高と見る。
稼ぎが薄い最大の理由は研究開発費だ。売上の 23% にあたる 225 億円を使い、2026 年 3 月期の営業損益は 29 億円の赤字だった。純利益 138 億円が黒字に見えたのは、持ち合い株の売却益 170 億円があったからで、本業の力ではない。
そこに血管炎薬タブネオスの問題が重なった。米国で承認撤回の提案が出て、国内でも服用後の死亡例を受けて新規投与の中止が求められた。国内売上の柱の一つが急に細り、今期の売上予想は 887 億円に下がっている。
財布は厚い。現金・有価証券が 540 億円、投資有価証券が 1,040 億円あり、合計は時価総額 1,590 億円にほぼ並ぶ。ただ、この資産は本業の穴埋めと、ゆるやかな株主還元に使われていく。10 年かけて戻る金は、いま全額が手に入る金より価値が低い。
資本コストは 8.5% だ。ベオーバの将来、タブネオスの行方、研究開発の実りの 3 点で結果は大きく割れる。確率は慎重な側に厚く置いた。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、この会社は「事業」と「財布」を分けて見るべきだ。
事業は、いま株主の取り分を生んでいない。売上の 23% を研究開発に注ぎ、営業損益は赤字だ。投じた資本に対する稼ぎは、過去 10 年を通じて資本コストを下回る。薬が当たれば大きく稼ぐ事業だが、その当たりは外から予測しにくい。分からない事業には、確信度を下げる。
財布は本物だ。現金と有価証券の 540 億円は、すぐ使える。投資有価証券 1,040 億円は時価で、含み益の税を引いても 800 億円ほどの値打ちがある。実質無借金で、安全域はこの財布がつくっている。
ただし、財布の中身が株主に届くかは、経営の意思しだいだ。持ち合い株の売却益を研究開発の穴埋めに回す限り、財布は減り、株主に残るのは薄い稼ぎだけになる。持ち続けたいオーナーなら、研究開発の規律か、財布の返還のどちらかを求める。
筆者が注意したいのは、いまの値段が、現金と有価証券の額面そのものを買う値段になっていることだ。額面どおりに戻るのは何年も先で、その間の時間の価値を引けば、割高だと見る。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの源は医療用医薬品だ。売上の 8 割弱を占め、泌尿器・腎・血液などの専門医に売る。
いちばん大きいのはベオーバで、年 215 億円ある。過活動膀胱、つまり急に尿意をもよおして我慢しにくくなる病気の薬だ。創った杏林製薬とキッセイが、国内で共同販売している。米国では別の会社が売っていて、キッセイに海外の取り分はない。
次に大きいのがタブネオスで、2025 年度に 115 億円。血管炎という自己免疫の病気の薬を米国企業から導入し、2021 年に国内で承認を得た。ほかに、透析患者のかゆみを抑えるコルスバ、血小板が減る病気のタバリスなど、導入した新薬が続く。自社で創った前立腺肥大の薬ユリーフは、後発薬の波を越えたと会社は説明する。
医薬品のほかに、情報サービス(142 億円)、建設・施設メンテナンス(43 億円)、物品販売(9 億円)がある。どれも小さく、利益も合わせて 18 億円ほどだ。
稼ぎ方には特徴が 2 つある。1 つは導入品が多いことだ。導入元への支払いと販売の費用がかさみ、売上が増えても利益は思うほど増えない。もう 1 つは研究開発が重いことだ。新薬 4 品目 6 適応症の上市を掲げ、直近ではオルタシデニブ(再発・難治の急性骨髄性白血病)を国内で申請した。子宮内膜症・子宮筋腫のリンザゴリクスも開発が進む。
中期経営計画「Beyond 80」は、2029 年度に売上 1,100 億円以上、研究開発費を引く前の営業利益 290 億円以上を狙う。タブネオスの問題が起きる前に作られた目標だ。
優良さと弱いところ
堀、つまり他社がまねしにくい強みは、あまり厚くない。
良い点から言う。泌尿器の領域で医師との関係が長く、ベオーバは 215 億円まで育った。自社で創ったユリーフが後発薬の波を越えたのも、その関係の強さを示す。財務はきわめて堅い。自己資本比率は 84% で、実質無借金だ。
悪い点は 3 つある。1 つ目は、導入品が多く、利益を導入元と分け合う形になることだ。2 つ目は、研究開発費が売上の 23% と重く、成果がまだ見えないことだ。ROE は過去 10 年の中央値で 5% 、資本コストの 7.5% に届いた期は 1 つもない。3 つ目は、タブネオスの件だ。導入元の臨床データの質に、会社が責任を持ちきれないことがあらわになった。導入型の弱さだ。
経営は株主還元に前向きだ。減らさない配当で配当性向 40% 以上をうたい、政策保有株は純資産の 10% 以下まで減らす目標を掲げる。ただ、その売却益で本業の赤字を埋めてきた面が濃い。売却益は 2 年続けて 100 億円を超え、純利益を黒字に保った。筆者は、この資本の使い方をいちばん気にしている。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の医療用医薬品は、薬価が毎年のように下がる世界だ。市場は 11.4 兆円まで膨らんだが、中間年改定が定着し、既存薬の単価は実質で年々削られる。新しい薬を出し続けられない会社は、人口が減るなかで縮む。
キッセイが戦う泌尿器・腎・血液などは、高齢化で患者が増える領域だ。過活動膀胱は 40 歳以上の 8 人に 1 人が悩むとされ、治療を受けている人はまだ一部にとどまる。薬の売上は、患者の増加と薬価の下落が打ち消し合って決まる。
競合は領域ごとに違う。過活動膀胱には、アステラス製薬のベタニスなど同じ作用の薬と、古くからの抗コリン薬がある。競合に後発品が出れば薬価の基準が下がり、ベオーバも値下げの圧力を受ける。
次の分かれ目は 3 つだ。ベオーバの特許が切れる時期、タブネオスの最終判断、新薬 4 品目の成否である。ベオーバの特許満了は確かめられていない。筆者は 2030 年代前半と見ている。専門領域の中堅製薬は、主力が特許切れを迎えると数年低迷する例が多い。研究開発型の中堅は、1 つ当たれば大きく、外せば長く沈む。
資本政策と M&A
還元の方針は、減らさない配当で配当性向 40% 以上、これに自社株買いを足す形だ。中期計画の 5 年で、自社株買いの総額は 300 億円を目安にする。配当は 18 期連続の増配が見込まれ、2027 年 3 月期は創立 80 周年の記念配当も出す。
問題は、還元の原資だ。本業の営業利益は赤字から小幅の黒字にとどまり、還元は持ち合い株の売却益で賄う形になっている。政策保有株は純資産の 10% 以下まで減らす方針で、売れる余地はあと 800 億円ほどある。この金が研究開発と導入に回れば、還元は薄くなる。株主へ回れば、価値は戻る。どちらに使うかで評価が分かれる。
大株主には塩野義製薬が入り、持ち合いの関係にある。時価総額は 1,590 億円で、手元の現金と有価証券の合計にほぼ並ぶ。会社が割安に放置されれば、買収や株主提案の対象になりやすい。kabufu の試算では、10 年以内の TOB の確率は 2 割ほどだ。
M&A は大型を打たない。導入品の買い足しで品ぞろえを増やす型だ。タブネオスの例は、導入品を選ぶ目利きの難しさを示した。
10年の還元は、配当性向40%以上と5年300億円の自社株買いの方針に沿う。利益を超える分は持ち合い株の売却で払い、余った現金を筋書きごとに減らしてあるので、二重には数えていない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
キッセイの強みは、財務の堅さと、新薬を続けて市場に出す力だ。実質無借金で、現金と有価証券、持ち合い株を合わせて 1,600 億円近い資産を抱える。ベオーバは国内で 215 億円まで育ち、ユリーフの特許切れも乗り越えた。新薬 4 品目 6 適応症を 2029 年度までに上市する計画は具体的で、オルタシデニブはすでに申請中だ。
タブネオスの問題は、売上の一部が失われるだけで、会社の基盤は揺らがない。売上に占める割合は 1 割強にすぎない。前の期の営業赤字も、主因は研究開発の先行投資だ。この投資が実れば、研究開発費の売上比率は下がり、営業利益は大きく立ち上がる。中期計画は 2029 年度に、研究開発費を引く前の営業利益 290 億円を掲げる。
資本の使い方にも変化がある。政策保有株を純資産の 10% 以下へ減らし、自社株買いを年 60 億円ほど続ける。時価総額が保有資産とほぼ同額の今、株主の圧力や TOB によって、資産が額面に近い形で戻る展開もありうる。売却する 800 億円を研究開発と還元のどちらにも回せる余裕は、ほかの中堅製薬にない。
慎重な見方
この会社は、財布が本業の赤字を隠している。2026 年 3 月期の営業損益は 29 億円の赤字で、純利益 138 億円のなかに持ち合い株の売却益 170 億円が入る。前の期も 120 億円だった。2 年続けて、利益を売却益に頼っている。売るものが減れば、この支えは消える。
研究開発費は売上の 23% と重い。それだけ使っても、国内の主力は導入品で、ベオーバも杏林との共同販売だ。ベオーバの特許が切れれば、次の柱がないまま価格競争にさらされる。市場の予想では、2028 年 3 月期の営業利益はゼロだ。
タブネオスは、一過性の問題ではない。米国は承認撤回を提案し、欧州は取り消しを勧告し、国内では服用後の死亡例が相次いだ。有効性の根拠とされた論文も撤回された。国内の承認が残っても、新規の処方は戻りにくい。賠償や信用の傷は、数字にまだ表れていない。
資本政策も厳しく見るべきだ。売れる余地の 800 億円が研究開発の穴埋めに消えれば、株主には届かない。ROE が資本コストを超えた期は過去 10 年に 1 つもなく、資産を抱え続けること自体が価値を削っている。
どちらに重みを置いたか
事業の稼ぎが薄く、価値の中心が持ち株と現金にある点で、慎重な見方が強い。強気の見方が言う新薬の実りは、確率としては小さくない。だが実っても、研究開発費の重さを埋める程度にとどまる。資産の額面は、10 年かけて戻る前提で価値を割り引く必要がある。タブネオスの問題で、悲観側の確率にも厚みを持たせた。結果として、10 年の価値は今の時価総額を大きく下回り、割高と出る。ただし、持ち合い株の売却と還元が早まる場合や、買収が起きる場合には、この見立ては上にずれる。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 2,365 円989 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 2,624 円1,098 億円)。 今の値に割り戻すと 2,791 円1,168 億円、今との差 −26.8%、 期待の年率 +2.7%(資本コスト 8.5%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 4,708 円1,970 億円 | 3,465 円1,450 億円 | +114.2% | +7.9% | 654 円274 億円 |
| やや楽観 | 17% | 3,297 円1,380 億円 | 2,987 円1,250 億円 | +64.7% | +5.1% | 1,068 円447 億円 |
| 中立 | 33% | 3,072 円1,285 億円 | 2,748 円1,150 億円 | +52.6% | +4.3% | 1,921 円804 億円 |
| やや悲観 | 27% | 1,093 円457 億円 | 2,390 円1,000 億円 | −8.7% | −0.9% | 940 円393 億円 |
| 悲観 | 15% | 792 円331 億円 | 1,912 円800 億円 | −29.1% | −3.4% | 406 円170 億円 |
| 加重平均 | 100% | 2,365 円989 億円 | 2,624 円1,098 億円 | +30.8% | +2.7% | 4,989 円2,087 億円 |
今の株価時価総額 3,815 円1,596 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.5% を下回るほど割高。
楽観 8% タブネオスが決着し、新薬が実り、還元も厚くなる 利益 88 億円 · PER 11.8 倍 · 株価時価総額 4,708 円1,970 億円
タブネオスの問題は、最終的に有効性が認められる形で決着する。国内の処方は限られた使い方に戻り、導入元の臨床データへの疑念も晴れる。ベオーバは適応や剤形の工夫で数量を保ち、シェアも 17% を守る。新薬 4 品目 6 適応症は、オルタシデニブとリンザゴリクスを含めてほぼ計画どおりに上市され、新薬群の売上は 400 億円近くまで伸びる。研究開発費は重いまま続くが、売上に対する比率は下がり、営業利益は 110 億円を超える。会社は持ち合い株を計画より速く売却し、還元は純利益を大きく上回る。それでも ROE は資本コストに届かない。事業の価値は膨らむが、本質価値は今の時価総額には届かない。
- ベオーバ(過活動膀胱薬):数量 1,495(国内の過活動膀胱薬の市場(億円、2026年の価格で実質、推定))× 価格 15.6%(キッセイのシェア × 薬価の指数(2026年=1、名目))→ 売上 234 億円・営業利益 89 億円。市場×シェア×薬価の指数
- タブネオス(血管炎薬):数量 4,200(1 年間に治療を受ける患者数(人、推定))× 価格 270(1 人あたりの年間薬剤費(万円、名目))→ 売上 113 億円・営業利益 34 億円。患者数×1人あたり薬剤費
- その他の新薬(コルスバ・タバリスほか):数量 36,000(治療を受ける患者数(人、推定))× 価格 110(1 人あたりの年間薬剤費(万円、名目))→ 売上 396 億円・営業利益 119 億円。患者数×1人あたり薬剤費
- 既存薬・海外ライセンス:数量 16,000(同社の既存薬が属する国内の薬効市場の合計(億円、実質、推定))× 価格 1.6%(キッセイのシェア × 薬価の指数(2026年=1、名目))→ 売上 252 億円・営業利益 43 億円。市場×シェア×薬価の指数
- 情報サービス・建設メンテナンス・物品販売:数量 1,300(稼働する技術者・従業員の人数(人、推定))× 価格 2,169(1 人あたりの年間売上(万円、名目))→ 売上 282 億円・営業利益 28 億円。人数×1人あたり売上
倍率:事業の純利益 84 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 7.3% が k 8.50% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.8 倍 + 余った現金(戻り方込み)282 億円。全体の PER 11.76 倍、時価総額 1,275 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:新薬が計画どおり実り、タブネオスも決着し、還元も早まる、という複数の好条件がそろう必要がある。研究開発の当たりは外から読みにくく、確率は 1 割に満たない。
やや楽観 17% 赤字は脱するが、新薬は道半ば 利益 41 億円 · PER 11.8 倍 · 株価時価総額 3,297 円1,380 億円
ベオーバは薬価の下げをこなしてシェアを 16% で保ち、新薬は一部が当たる。タブネオスは国内で限定的に使われ続け、年 70 億円ほどが残る。研究開発費は 190 億円前後に抑えられ、営業利益は 45 億円ほどになる。持ち合い株の売却で還元は厚く、配当と自社株買いの合計は 10 年で 1,250 億円になる。中期計画の 2029 年度の目標、つまり売上 1,100 億円と、研究開発費を引く前の営業利益 290 億円には及ばない。それでも、赤字からは抜け出す。ROE は 3% で、資本コストには届かないが、事業は小さな黒字で安定する。
- ベオーバ(過活動膀胱薬):数量 1,456(国内の過活動膀胱薬の市場(億円、2026年の価格で実質、推定))× 価格 14.1%(キッセイのシェア × 薬価の指数(2026年=1、名目))→ 売上 205 億円・営業利益 74 億円。市場×シェア×薬価の指数
- タブネオス(血管炎薬):数量 3,000(1 年間に治療を受ける患者数(人、推定))× 価格 240(1 人あたりの年間薬剤費(万円、名目))→ 売上 72 億円・営業利益 18 億円。患者数×1人あたり薬剤費
- その他の新薬(コルスバ・タバリスほか):数量 28,000(治療を受ける患者数(人、推定))× 価格 105(1 人あたりの年間薬剤費(万円、名目))→ 売上 293 億円・営業利益 79 億円。患者数×1人あたり薬剤費
- 既存薬・海外ライセンス:数量 16,000(同社の既存薬が属する国内の薬効市場の合計(億円、実質、推定))× 価格 1.5%(キッセイのシェア × 薬価の指数(2026年=1、名目))→ 売上 236 億円・営業利益 38 億円。市場×シェア×薬価の指数
- 情報サービス・建設メンテナンス・物品販売:数量 1,280(稼働する技術者・従業員の人数(人、推定))× 価格 2,100(1 人あたりの年間売上(万円、名目))→ 売上 269 億円・営業利益 27 億円。人数×1人あたり売上
倍率:事業の純利益 37 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 3.3% が k 8.50% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.8 倍 + 余った現金(戻り方込み)244 億円。全体の PER 11.76 倍、時価総額 685 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:新薬が一部だけ当たり、タブネオスも限定的に残る筋。会社が計画の道半ばまで進むだけの、控えめな上振れとして置く。
中立 33% 薄い黒字で存続、財布を取り崩して還元 利益 30 億円 · PER 11.8 倍 · 株価時価総額 3,072 円1,285 億円
ベオーバは 10 年で、薬価の下げと競合の後発品を受けて、売上が 215 億円から 180 億円ほどに細る。タブネオスは国内で細々と残り、35 億円まで縮む。新薬 4 品目は半分ほどが当たり、その他の新薬群は 210 億円まで伸びる。既存薬は後発品の波でさらに細る。経営は研究開発費を 145 億円まで絞り、営業利益は 30 億円ほどの小さな黒字を保つ。政策保有株は計画どおり純資産の 10% まで減り、配当と自社株買いで 1,150 億円が株主に戻る。還元は純利益を大きく上回り、原資は持ち合い株の売却だ。ROE は 2% 台で、資本コストを下回る。事業はぎりぎり存続するが、堀は広がらない 10 年になる。
- ベオーバ(過活動膀胱薬):数量 1,404(国内の過活動膀胱薬の市場(億円、2026年の価格で実質、推定))× 価格 12.8%(キッセイのシェア × 薬価の指数(2026年=1、名目))→ 売上 179 億円・営業利益 61 億円。市場×シェア×薬価の指数
- タブネオス(血管炎薬):数量 1,600(1 年間に治療を受ける患者数(人、推定))× 価格 215(1 人あたりの年間薬剤費(万円、名目))→ 売上 34 億円・営業利益 6 億円。患者数×1人あたり薬剤費
- その他の新薬(コルスバ・タバリスほか):数量 22,000(治療を受ける患者数(人、推定))× 価格 95(1 人あたりの年間薬剤費(万円、名目))→ 売上 209 億円・営業利益 50 億円。患者数×1人あたり薬剤費
- 既存薬・海外ライセンス:数量 16,000(同社の既存薬が属する国内の薬効市場の合計(億円、実質、推定))× 価格 1.4%(キッセイのシェア × 薬価の指数(2026年=1、名目))→ 売上 218 億円・営業利益 33 億円。市場×シェア×薬価の指数
- 情報サービス・建設メンテナンス・物品販売:数量 1,250(稼働する技術者・従業員の人数(人、推定))× 価格 2,005(1 人あたりの年間売上(万円、名目))→ 売上 251 億円・営業利益 24 億円。人数×1人あたり売上
倍率:事業の純利益 26 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 2.2% が k 8.50% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.8 倍 + 余った現金(戻り方込み)289 億円。全体の PER 11.76 倍、時価総額 591 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:ベオーバが緩やかに細り、新薬が半分当たり、研究開発費を絞って小さな黒字を保つ中心の筋。過去 6 年の営業利益が 0 前後だったことの延長にある。
やや悲観 27% 特許切れで国内が縮み、赤字すれすれ 利益 13 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 1,093 円457 億円
ベオーバの特許が切れ、国内で後発品に置き換わる。シェアは 12% に落ち、売上は 124 億円まで細る。タブネオスは新規の処方が戻らず、13 億円ほどに縮む。新薬も 3 割ほどしか当たらず、国内の売上は全体で 680 億円まで縮む。経営は研究開発費を 100 億円まで切るが、営業利益は 3 億円とほぼゼロのままだ。還元は減らさない配当を守って 1,000 億円を出すが、原資は持ち合い株の売却に頼る。事業は成長を止め、財布の取り崩しだけが続く 10 年になる。会社は存続し、配当も続くが、価値を生む力は失われていく。
- ベオーバ(過活動膀胱薬):数量 1,326(国内の過活動膀胱薬の市場(億円、2026年の価格で実質、推定))× 価格 9.4%(キッセイのシェア × 薬価の指数(2026年=1、名目))→ 売上 124 億円・営業利益 37 億円。市場×シェア×薬価の指数
- タブネオス(血管炎薬):数量 650(1 年間に治療を受ける患者数(人、推定))× 価格 205(1 人あたりの年間薬剤費(万円、名目))→ 売上 13 億円・営業利益 1 億円。患者数×1人あたり薬剤費
- その他の新薬(コルスバ・タバリスほか):数量 15,000(治療を受ける患者数(人、推定))× 価格 86(1 人あたりの年間薬剤費(万円、名目))→ 売上 129 億円・営業利益 23 億円。患者数×1人あたり薬剤費
- 既存薬・海外ライセンス:数量 15,520(同社の既存薬が属する国内の薬効市場の合計(億円、実質、推定))× 価格 1.2%(キッセイのシェア × 薬価の指数(2026年=1、名目))→ 売上 188 億円・営業利益 23 億円。市場×シェア×薬価の指数
- 情報サービス・建設メンテナンス・物品販売:数量 1,200(稼働する技術者・従業員の人数(人、推定))× 価格 1,900(1 人あたりの年間売上(万円、名目))→ 売上 228 億円・営業利益 19 億円。人数×1人あたり売上
倍率:事業の純利益は 12.7 億円しかなく、PER では測れない。稼ぐ力(事業の純利益 7.7 億円 ÷ k 8.5% + 余った現金 354 億円)は約 457 億円、売れる資産の税後は 454 億円で、大きい方を採り、今の自己資本に掛ける PBR で表した。
確率:特許切れの時期が来て、新薬の当たりが少ない筋。専門領域の中堅製薬は主力の特許切れ後に数年低迷する例が多く、タブネオスの傷も残るので、確率を厚めの 27% とした。
悲観 15% 導入品の失速と特許切れが重なり、構造的に縮む 利益 −52 億円 · PBR 0.1 倍 · 株価時価総額 792 円331 億円
タブネオスが国内でも承認を失い、賠償や回収の費用が重なる。ベオーバは後発品に置き換わってシェアが 8% まで落ち、新薬群も 3 品目ほどが外れる。売上は 470 億円まで縮み、研究開発費を 75 億円まで切っても、営業損益は 65 億円の赤字になる。配当は減らさない方針を守れず、還元は 800 億円で止まる。それでも原資は持ち合い株の売却に頼り、赤字の穴埋めと合わせて、残る金融資産は 230 億円ほどに減る。会社は研究開発の規律を失い、導入元との関係も傷つく。事業に稼ぐ力はなく、価値は残った資産と、売れる事業の分に限られる。投資家から見れば、もう優良な製薬会社ではない。構造的な負けの 10 年になる。
- ベオーバ(過活動膀胱薬):数量 1,274(国内の過活動膀胱薬の市場(億円、2026年の価格で実質、推定))× 価格 5.6%(キッセイのシェア × 薬価の指数(2026年=1、名目))→ 売上 71 億円・営業利益 14 億円。市場×シェア×薬価の指数
- タブネオス(血管炎薬):数量 100(1 年間に治療を受ける患者数(人、推定))× 価格 200(1 人あたりの年間薬剤費(万円、名目))→ 売上 2 億円・営業利益 −1 億円。患者数×1人あたり薬剤費
- その他の新薬(コルスバ・タバリスほか):数量 8,500(治療を受ける患者数(人、推定))× 価格 78(1 人あたりの年間薬剤費(万円、名目))→ 売上 66 億円・営業利益 5 億円。患者数×1人あたり薬剤費
- 既存薬・海外ライセンス:数量 15,000(同社の既存薬が属する国内の薬効市場の合計(億円、実質、推定))× 価格 1.0%(キッセイのシェア × 薬価の指数(2026年=1、名目))→ 売上 146 億円・営業利益 9 億円。市場×シェア×薬価の指数
- 情報サービス・建設メンテナンス・物品販売:数量 1,100(稼働する技術者・従業員の人数(人、推定))× 価格 1,700(1 人あたりの年間売上(万円、名目))→ 売上 187 億円・営業利益 13 億円。人数×1人あたり売上
倍率:営業損益が赤字で、稼ぐ力では値が付かない。残る金融資産 231 億円と、売れる事業資産 100 億円の合計 331 億円を床とし、今の自己資本に掛ける PBR で表した。
確率:導入品の失速、特許切れ、研究開発の外れが同時に来る構造的な負け。単一製品への依存と、導入元の品質への責任の重さから、業種ノートの上限近くの 15% を置く。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
ベオーバ(過活動膀胱薬)
過活動膀胱の薬。杏林製薬が創り、国内ではキッセイと共同で販売する。2026年3月期の売上は215億円。
| 数量国内の過活動膀胱薬の市場(億円、2026年の価格で実質、推定) | 価格キッセイのシェア × 薬価の指数(2026年=1、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,300 | 16.5% | 215 | 77 |
| 10 年後 中立 | 1,404 | 12.8% | 179 | 61 |
取り方:ベオーバの売上 215 億円(開示)を、国内の過活動膀胱薬の市場 1,300 億円(実質)× シェア 16.5% に分けた。市場の大きさは、治療を受ける人を約 250 万人、1 人あたり薬剤費を年 5 万円前後と見た推定で、開示はない。競合はアステラス製薬のベタニスなど同じ作用のβ3作動薬と、古い抗コリン薬。市場の数量は、患者が増え人口が減るので中立 10 年 1.08 倍。シェアは競合の後発品と自社の特許切れ(満了時期は未確認の推定、2030 年代前半)で 16.5% → 10 年 15%。価格の指数は薬価の毎年の引き下げで 10 年 0.85(物価並みには上がらない)。利益率は研究開発費を引く前で 36%(共同販売の取り分と販売費を引いた推定)。
タブネオス(血管炎薬)
ANCA関連血管炎の薬。米国企業から導入し、2021年に国内で承認を得た。米欧で承認撤回の動きがあり、国内は新規投与の中止を要請されている。
| 数量1 年間に治療を受ける患者数(人、推定) | 価格1 人あたりの年間薬剤費(万円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 4,500 | 256 | 115 | 25 |
| 10 年後 中立 | 1,600 | 215 | 34 | 6 |
取り方:2025 年度の売上 115 億円(開示)を、年間に治療を受ける患者 4,500 人 × 1 人あたり年間約 256 万円に分けた。累計の使用者は 2026 年 4 月末で約 8,500 人(報道)で、継続して飲む人は年によって入れ替わるため、年間の患者数は推定。今期の会社予想は 127 億円から 51 億円に下がっている。中立は、国内の承認は残るが処方は限定され、患者が 10 年で 1,600 人まで細る。1 人あたりは 256 → 215 万円(0.84 倍)に下がる。物価並みに上がらないのは、薬価の引き下げと、限られた使い方で投与期間が短くなるため。利益率は導入元への支払いが重く 22%(推定)。
その他の新薬(コルスバ・タバリスほか)
透析患者のかゆみの薬コルスバ、血小板が減る病気の薬タバリス、カログラなど2022年以降に出した導入薬と、これから出す新薬。
| 数量治療を受ける患者数(人、推定) | 価格1 人あたりの年間薬剤費(万円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 13,500 | 93 | 126 | 25 |
| 10 年後 中立 | 22,000 | 95 | 209 | 50 |
取り方:この群の売上を 126 億円(コルスバが会社計画で 71 億円、残りをタバリスなど 55 億円とした推定)とし、患者 13,500 人 × 1 人あたり年間 93 万円に分けた。コルスバの薬価は 1 回 3 千〜4 千円台で週 3 回、年 60 万円前後。タバリスは慢性ITPで 1 人あたりが高い。患者数は推定。中立は、コルスバが透析患者の中で普及し、新薬 4 品目(再発・難治の急性骨髄性白血病のオルタシデニブ、子宮内膜症・子宮筋腫のリンザゴリクスなど)が加わって 10 年で 22,000 人。1 人あたりは 93 → 95 万円で、物価並みに上がらないのは、薬価の下落と、患者が多く価格の低い適応が増えるため。利益率は 20%(推定)。
既存薬・海外ライセンス
ユリーフ(前立腺肥大)、糖尿病・腎臓の既存薬、海外へのライセンス収入。成熟した薬が中心。
| 数量同社の既存薬が属する国内の薬効市場の合計(億円、実質、推定) | 価格キッセイのシェア × 薬価の指数(2026年=1、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 16,000 | 2.0% | 323 | 51 |
| 10 年後 中立 | 16,000 | 1.4% | 218 | 33 |
取り方:医薬品の売上 779.5 億円(開示)から、ベオーバ 215・タブネオス 115・その他の新薬 126 を引いた 323.5 億円。既存薬が属する国内市場を合計 1.6 兆円(実質、推定)、シェアを 2.02% と見た。内訳は開示がなく推定。中立は、市場の数量が横ばいで、シェアは後発品に 2.02% → 1.7%、価格の指数は薬価の毎年の下げで 0.80。海外ライセンスは中期計画が 2029 年度に 100 億円以上を狙うが、中立ではそこまで届かないと見る。利益率は 15.8%(研究開発費を引く前、推定)。
情報サービス・建設メンテナンス・物品販売
子会社の情報システム(142億円)、建設・施設メンテナンス(43億円)、物品販売(9億円)。医薬品とは別の小さな事業。
| 数量稼働する技術者・従業員の人数(人、推定) | 価格1 人あたりの年間売上(万円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,300 | 1,496 | 195 | 19 |
| 10 年後 中立 | 1,250 | 2,005 | 251 | 24 |
取り方:非医薬 3 事業の売上 194.5 億円(開示)を、稼働人数 1,300 人 × 1 人あたり年間約 1,500 万円に分けた。人数は開示がなく推定。利益は 3 事業合計で 18 億円(開示の利益 11・6・1.4 億円の合計)。中立は、人手不足で人数が 1,250 人に細り、単価は物価並みに上がって 2,005 万円(10 年 1.34 倍)。利益率は 9.5%。
リスクと懸念
タブネオスの最終判断と賠償
米国は承認撤回を提案し、欧州は取り消しを勧告し、国内では服用後の死亡例を受けて新規投与の中止が求められた。国内の承認が取り消されれば売上 115 億円が消え、賠償や回収の費用も出る。導入元の米国企業との責任の分担は、まだ見えない。
ベオーバへの依存と特許切れ
国内最大の製品で、売上の 22% を占める。特許の満了時期は確かめられていないが、10 年の間に後発品の波が来る前提で見るべきだ。競合の後発品が先に出ても、薬価の基準が下がり、売上に響く。杏林製薬との共同販売なので、取り分の交渉の余地も限られる。
研究開発費の重さ
売上の 23% にあたる 225 億円を毎年使う。新薬 4 品目 6 適応症が実らなければ、営業赤字が続く。導入品は先に高い対価を払うので、外れたときの損が大きい。会社は研究開発費を引く前の営業利益で目標を語り、研究開発の費用対効果を示しにくい。
導入品が多い構造
主力のタブネオス、コルスバ、タバリスは導入品だ。利益を導入元と分け合い、売上が増えても利益は伸びにくい。導入元の試験データの質を、会社が自分で検証しきれないことが、今回あらわになった。契約の更新や中止の判断も、導入元に握られている。
売却益に頼った利益
2 年続けて 100 億円を超える投資有価証券の売却益で、純利益を黒字に保った。売れる持ち合い株は残り 800 億円ほどで、株価が下がれば売却益も縮む。本業の赤字が続けば、売るほど財布が細り、安全域も薄くなる。
薬価の毎年の引き下げ
国内の薬価は中間年改定で毎年のように下がる。ベオーバやユリーフなど、成熟した薬ほど影響が大きい。新薬の上市が薬価の下げに追いつかなければ、数量が増えても国内の売上は伸びない。
還元が株主に届かない
売却益や現金を研究開発や導入品の買い足しに回すと、株主への還元は薄くなる。時価総額が保有資産にほぼ並ぶのは、市場がそれを織り込んでいるからだ。会社が資本政策を変えない限り、資産の額面は何年かけても届かない可能性がある。
今後の分かれ目
- 米国と欧州でタブネオスの承認取り消しが最終決定し、国内でも承認を失う
- タブネオスの売上は消え、賠償や回収の費用が加わる。やや悲観・悲観側の筋書きに近づく。
- 国内の承認が維持され、限られた使い方で処方が再び伸びる
- 年 50〜70 億円の売上が残り、中立から楽観寄りの筋書きに近づく。
- ベオーバの競合に後発品が出て、薬価の基準が大きく下がる
- 国内の柱が細る時期が早まり、やや悲観側に近づく。
- オルタシデニブが承認され、リンザゴリクスが国内で子宮内膜症の承認に進む
- 新薬群の売上が計画に近づき、やや楽観・楽観側に近づく。
- 会社が持ち合い株の売却益を、自社株買いや大幅な増配に回す方針を打ち出す
- 財布の中身が株主に届き、価値の差が縮まる。買収の提案が出ても、同じ方向に動く。
- 研究開発費を 150 億円以下に絞っても営業黒字が定着する
- 本業が資本コストに近づく最初の証拠になり、中立から楽観寄りに近づく。
見ておくもの
- FDA と EMA のタブネオスに対する最終判断と、国内の厚生労働省・医薬品医療機器総合機構の対応
- タブネオス・ベオーバ・コルスバの四半期売上と、新薬 4 品目 6 適応症の申請・承認の進み具合
- 研究開発費の額と、研究開発費を引く前の営業利益の推移(中期計画の 290 億円への進捗)
- 投資有価証券の残高と政策保有株の売却の進み具合、売却益の使い道(還元か研究開発か)
- 自社株買いの規模と配当の増減、大株主・買収提案の動き
倍率と資本コストの決め方
10 年の売上と利益は、5 つのまとまりごとに患者数または市場 × 価格で積んだ。倍率は、ROE が資本コスト 8.5% 以下のため、上限の 1÷k = 13.3 倍の 7〜9 割に置き、利益の質に応じて下げた。余った現金は、持ち合い株の税引き後と現金の合計から事業に要る分を引いた 1,150 億円で、事業の純利益の外に別に足した。今の株価や PER は筋書きの作り方に使っていない。時価総額が保有資産とほぼ同額だと気づいたのは、積み上げのあとだ。新リース会計基準は、賃借が小さいので影響は軽く、今と同じ形で置いた。総合の差は -35%(割高)。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 12→11.76 倍・やや楽観 PER 10.7→11.76 倍・中立 PER 9.3→11.76 倍)。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。