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サンバイオ 4592

脳の再生医療を国内で発売したが、国内のピークは年30億円前後にとどまる。今の値段は米国での承認と脳梗塞への広がりを大きく先取りしている

やや割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)724 円565 億円10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)902 円704 億円差 −19.7%
10 年後から見ると やや割高 価値 724 円565 億円 · 差 −19.7% · 期待の年率 +5.4%
期待の年率リターン(10 年)+5.4%資本コスト比 −2.4 pt
推定の資本コスト7.8%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3%・10 年国債 3%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 7.8% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

サンバイオは、健康な人の骨髄から作った細胞を脳に移植する再生医療の会社だ。筆者の結論は、国内の売上だけでは今の時価総額を支えられず、米国での承認と脳梗塞への広がりを大きく織り込んだ値段だ、というものだ。

主力のアクーゴは、事故などによる脳の損傷が残した手足のまひを対象にする。2026年5月に薬価がついて発売され、10月に最初の患者へ移植された。ただし国の資料が見込む国内のピークは、年39人、約28億円にとどまる。

赤字は10期以上続き、売上はまだほとんどない。事業を支えてきたのは増資だ。2025年11月に約140億円を集め、当面の試験と発売の費用には足りる。それでも年の赤字は50億円規模で、数年のうちに次の資金が要る。

分かれ目は米国の第3相試験だ。当たれば会社の規模は桁が変わる。外れれば、国内の小さな専門薬と現金の残りだけになる。筆者は米国での成功を4割ほどと見る。確率を掛けた10年後の価値は、今の時価総額の半分ほどだ。総合では「割高」になる。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、この会社を測る物差しは利益ではない。「当たりくじの値段」になる。

オーナー利益、つまり株主が自由に使える利益は、いまはマイナスだ。年に約50億円を使い、国内の売上は当面ほとんどない。国内のピークが28億円なら、研究の費用すら賄えない。

筆者が持ち続けたいのは、10年後も売る商品が減らない会社だ。この会社の主力は一つで、効果の根拠は小さな試験にある。承認も条件付きだ。わからない部分が大きい事業には、確信を下げる。

安全域は、払う値段と、外れた時に残る価値の差だ。外れた時に残るのは、国内の小さな販売事業と、細胞を作る設備と、現金の残りだ。今の時価総額の数分の一にとどまる。

魅力は、当たった時の大きさにある。米国で承認を得れば、会社は数千億円の規模にもなりうる。ただ、その当たりくじを4割と見ても、10年の時間と増資による薄まりを引けば、今の値段は払い過ぎだ。

判断は、当たった時の大きさだけで決めない。外れた時に何が残るかを先に見る。

何で稼ぐ会社か

稼ぎの源は一つの薬だ。細胞を脳の傷んだ場所へ直接移植し、神経の回復を助ける。名前はアクーゴ、一般名はバンデフィテムセルという。

対象は、受傷から6か月以上たち、運動のまひが固まった中等度から重度の患者だ。手術は3〜5時間、入院は1週間ほどかかる。治療は北海道、東京、神奈川、大阪、岡山の大学病院5施設を中心に始まった。移植のあとは、リハビリ施設で機能の回復を図る。

売る仕組みは自社で持つ。提携先の製薬会社はいない。流通はスズケンに任せ、製造はJCRファーマにも委ねて供給の複線化を進める。2024年7月の承認は条件・期限付きだ。7年のうちに追加の試験で効果を確かめ、本承認へ進まなければならない。

材料は健康な提供者の骨髄で、作り置きができる。患者ごとに細胞を作る治療より、量産しやすい。ただ、培養の品質を保つのは難しい。承認後、品質の同等性を確かめるまで出荷できず、実際に出せるまで1年5か月かかった。

次の柱は二つある。米国の慢性期の外傷性脳損傷と、慢性期の脳梗塞だ。どちらも提携先はなく、会社は単独で試験の準備に入っている。

優良さと弱いところ

筆者は、この会社の堀(他社がまねできない強み)を「狭いが、実在する」と見る。

強みは、脳への細胞移植という難しい手術と製造を、国内で承認まで運んだことだ。第2相のSTEMTRA試験では、運動機能の点数が偽手術の群を上回った。脳に細胞を移植する再生医療が国内で実用になるのは、これが初めてだ。製造と品質管理の経験は、後から来る会社がすぐには写せない。

弱みは多い。承認は条件付きで、本承認までに試験を重ねる必要がある。根拠のSTEMTRAは約60人の小さな試験で、日常生活の動作を測る指標では差が出なかった。脳梗塞向けの同じ薬は、2019年の北米の試験で外れた。

提携の実績も芳しくない。帝人とは2018年に、大日本住友製薬とは2019年に契約を解消した。いまは自社で売る形に改めたが、販売網をひとりで作る負担は重い。

資本効率を語る段階にはない。過去10年の自己資本利益率の中央値はマイナス75%だ。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

対象は、事故や転倒による脳の損傷が残した運動のまひだ。急性期の治療は進んだが、半年たって固まったまひを回復させる薬は、これまでなかった。リハビリで動かしやすくする程度が、いまの限界だ。

国内の市場は小さい。受傷後6か月以上で、病変が画像で見え、手術に耐えられる中等度から重度の患者だけが入る。国の資料が見込むピークは年39人だ。手術のできる施設も、当面は5つの大学病院が中心になる。

米国は桁が違う。慢性の障害を抱える人は約530万人といわれる。ここに入れれば、市場は国内の数十倍になる。同社は米国の規制当局と第3相試験の設計で合意し、2027年1月期から準備に入る。調達資金のうち約94億円を、この試験に充てる。

競合は、同じ系統の細胞薬だ。脳梗塞向けの間葉系細胞薬では、ヘリオスが国内で行ったTREASURE試験が2022年に主要な目標を満たせなかった。この系統は、効くことを示すのが難しい。脳の再生医療で先に承認まで届いたのは、この会社だ。

資金の環境も細い。日本の創薬ベンチャーに入る資金は、米国の1%に満たない。大きな試験は、増資か大手との提携でしか賄えない。

資本政策と M&A

資本政策の中心は資金調達であり、還元ではない。配当は出さず、出せる段階にもない。

2025年11月に海外で600万株を発行し、約140億円を手に入れた。使い道は決めてある。米国の試験に約94億円、国内の脳梗塞の試験に約34億円、国内の普及体制に約14億円だ。期末の現金は約148億円まで増えた。

それでも営業の赤字は年に40〜50億円ある。調達した資金は2027年末ごろまでの計画分で、そのあとに米国の第3相試験の本体が続く。転換社債が約11億円あり、3つの銀行とコミットメントラインも結んだ。次の増資は、事業が成功しない限り避けにくい。

買われる側になる可能性もある。外部の推計で、10年以内の買収の確率は2割弱だ。脳の再生医療という希少な資産を、海外の大手が買いに来る筋は否定できない。ただ、承認が条件付きの間は、買い手も慎重になる。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

国内で承認まで運んだことが、米国への最大の切符になる。第2相のSTEMTRA試験では運動機能の点数が偽手術を上回り、米国の規制当局は第3相の試験設計に合意した。画期的な再生医療としての指定(RMAT)も受けている。承認された薬を作ってきた製造と品質の経験は、米国の審査でも効く。

患者の数が違う。米国で慢性の障害を抱える人は約530万人といわれる。手術のできる施設を数十か所に絞っても、年に数百人は治療できる。1人あたりの値段が国内の数倍になれば、一つの薬で数千億円の売上が見えてくる。

脳梗塞への広がりもある。患者は日米欧中豪で2,600万人と、外傷性脳損傷の2,300万人より多い(同社調べ)。半年で固まったまひは、脳梗塞でも同じ悩みだ。同じ細胞が二つの病気に効けば、一つの工場を二つの市場で使える。

大手が買いに来る筋もある。承認を得た脳の再生医療は世界に例が少ない。成功すれば、買収の話は自然に出てくる。

慎重な見方

売れる患者が少なすぎる。国の資料が見込むピークは、国内で年39人、約28億円だ。研究開発と販売に年50億円近くかかる会社にとって、国内だけでは赤字が埋まらない。

効果の根拠も弱い。承認の根拠はSTEMTRA試験の約60人だ。運動の点数は上回ったが、日常生活の動作を測る指標には差が出なかった。患者にとって大事なのは暮らしの変化だ。本承認のための試験でそれが示せないと、条件付きの承認は失効しうる。

米国は、費用も時間も重い。第3相には数年かかり、単独では数百億円規模になるとの見方がある。調達した資金は、その一部しか賄わない。増資を重ねれば、株主の取り分は薄まる。

この系統の薬は外しやすい。脳梗塞向けの細胞薬は、同社の北米の試験(2019年)も、ヘリオスの国内の試験(2022年)も、主要な目標に届かなかった。大手との提携も二度解消された。

製造も壁だ。承認から出荷まで1年5か月かかった。品質が揺らげば、供給は止まる。

どちらに重みを置いたか

事業の新しさでは、強気の見方が正しい。国内承認は事実で、米国で当たれば値は桁で動く。一方、足元の数字は慎重な見方が強い。国内の売上は小さく、根拠の試験も小さい。

確率は慎重な側へ寄せた。米国での成功は4割ほどにとどめ、国内だけで終わる筋と、承認が失効する筋を合わせて6割にした。承認で最初の関門は越えたが、次の関門は大きく、資金も足りない。

10 年後の 5 つの筋書き(2036/01 期)

確率で加重した株価時価総額 1,516 円1,184 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 8 円6 億円)。 今の値に割り戻すと 724 円565 億円、今との差 −19.7%、 期待の年率 +5.4%(資本コスト 7.8%)→ やや割高

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 4% 12,802 円9,993 億円 192 円150 億円 +1,340.6% +30.6% 520 円406 億円
やや楽観 11% 5,287 円4,127 億円 0 円0 億円 +486.2% +19.3% 582 円454 億円
中立 25% 1,409 円1,100 億円 0 円0 億円 +56.2% +4.6% 352 円275 億円
やや悲観 32% 187 円146 億円 0 円0 億円 −79.3% −14.6% 60 円47 億円
悲観 28% 37 円29 億円 0 円0 億円 −95.9% −27.3% 10 円8 億円
加重平均100% 1,516 円1,184 億円8 円6 億円 +68.9% +5.4% 1,524 円1,190 億円

今の株価時価総額 902 円704 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.8% を下回るほど割高。

楽観 4% 楽観:米国で承認を得て、脳梗塞にも広がる 利益 511 億円 · PER 19.6 倍 · 株価時価総額 12,802 円9,993 億円

米国の第3相試験が2030年ごろに成功し、2031年に承認を得る。1人あたり約40万ドルの値段がつき、手術のできる施設は数十か所に増える。10年目の移植は米国だけで年380人に届く。

脳梗塞の試験も当たり、日米で承認を得る。提携先が欧州と中国で販売を受け持ち、会社には年に120人分の受取が入る。国内は用途の広がりで年90人が使う。

会社は2032年に黒字になり、研究開発を自前で回せる。増資は米国の発売と二つの病気の試験のために約700億円を集め、株は大きく増える。配当と自社株買いも始まる。

堀は広がる。ただし製造は一つの工場に頼り、品質が揺らげば全体が止まる。競合も出てくるが、先に承認を得た安全性と手術の経験が当面の守りになる。

  • アクーゴ(国内・外傷性脳損傷):数量 90.0(年間の移植患者数(人))× 価格 80.0%(1人あたりの会社の取り分(億円)。薬価は約0.727億円で、流通の取り分を引いて約95%とみる)→ 売上 72 億円・営業利益 47 億円。国内は年90人×1人あたり0.80億円。営業利益率65%
  • 米国の外傷性脳損傷(自社または提携先):数量 380(米国での年間の移植患者数(人))× 価格 3.60(1人あたりの会社の取り分(億円)。米国の売値を約40万ドルとし、会社の取り分を5割とみる)→ 売上 1,368 億円・営業利益 684 億円。米国は年380人×取り分3.6億円(今の2.6億円の約1.4倍)。製造費と販売費を引いて営業利益率50%
  • 脳梗塞ほか適応拡大(提携先経由):数量 120(提携先での年間の移植患者数(人))× 価格 2.90(1人あたりの会社の受取額(億円)。提携先の売値の約4割とみる)→ 売上 348 億円・営業利益 209 億円。提携先での年120人×受取2.9億円(今の約1.4倍)。営業利益率60%

倍率:事業の純利益 511 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 29.5% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.33(moat=weak)で RONIC 15.0%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 19.6 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 19.6 倍。全体の PER 19.56 倍、時価総額 9,993 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:米国の第3相が当たり、脳梗塞の試験も成功する筋書き。二つの病気が両方当たるのは一握りと見て4%に置いた。

やや楽観 11% やや楽観:米国で承認を得るが、広がりは緩やか 利益 211 億円 · PER 19.6 倍 · 株価時価総額 5,287 円4,127 億円

米国の第3相試験は成功するが、解析に時間がかかり、承認は2032年にずれ込む。手術のできる施設は10数か所で、10年目の移植は米国で年220人にとどまる。

国内は年70人が使う。脳梗塞は、試験の結果が割れて広がらない。会社は欧州の提携先から小さな受取を得る程度だ。

会社は2033年に黒字になる。ただし米国の発売費用と製造の増設で、必要な資金は膨らむ。増資を約450億円行い、株は倍近くに増える。配当はまだ出せない。

成功は確かだが、会社は中堅の域を出ない。米国の患者の数ではなく、手術のできる施設の数が成長の天井になる。

  • アクーゴ(国内・外傷性脳損傷):数量 70.0(年間の移植患者数(人))× 価格 76.0%(1人あたりの会社の取り分(億円)。薬価は約0.727億円で、流通の取り分を引いて約95%とみる)→ 売上 53 億円・営業利益 33 億円。国内は年70人×1人あたり0.76億円。営業利益率62%
  • 米国の外傷性脳損傷(自社または提携先):数量 220(米国での年間の移植患者数(人))× 価格 3.50(1人あたりの会社の取り分(億円)。米国の売値を約40万ドルとし、会社の取り分を5割とみる)→ 売上 770 億円・営業利益 370 億円。米国は年220人×取り分3.5億円。営業利益率48%
  • 脳梗塞ほか適応拡大(提携先経由):数量 30.0(提携先での年間の移植患者数(人))× 価格 2.70(1人あたりの会社の受取額(億円)。提携先の売値の約4割とみる)→ 売上 81 億円・営業利益 41 億円。提携先での年30人×受取2.7億円(今の約1.35倍)。営業利益率50%

倍率:事業の純利益 211 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 29.5% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.33(moat=weak)で RONIC 15.0%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 19.6 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 19.6 倍。全体の PER 19.56 倍、時価総額 4,127 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:米国は当たるが立ち上がりが遅く、脳梗塞は広がらない筋書き。米国の成功4割のうち、立ち上がりが遅い側を11%に置いた。

中立 25% 中立:米国の承認が遅れて小さく、国内は専門薬にとどまる 利益 56 億円 · PER 19.6 倍 · 株価時価総額 1,409 円1,100 億円

米国の第3相試験は、結果が微妙で追加の解析が要る。承認は2033年にずれ、10年目の米国の移植は年100人にとどまる。会社の営業利益率も、製造費の重さで4割どまりだ。

国内は年45人が使う。国の資料が見込む39人を少し上回る程度で、手術のできる施設が5つから十数か所に増えた分だ。薬価は据え置きに近い。脳梗塞は小さな提携が一つ入るだけだ。

会社は10年目にようやく小さな黒字になる。増資を約250億円行い、株は5割ほど増える。配当は出さない。

10年後の会社は、米国と国内に一つずつ小さな柱を持つ。堅実に生き残るが、期待された成長株にはならない。国内の売上は研究費を賄えず、米国の成否がそのまま会社の命運を決める構図は変わらない。

  • アクーゴ(国内・外傷性脳損傷):数量 45.0(年間の移植患者数(人))× 価格 70.0%(1人あたりの会社の取り分(億円)。薬価は約0.727億円で、流通の取り分を引いて約95%とみる)→ 売上 32 億円・営業利益 17 億円。国内は年45人×1人あたり0.70億円(薬価は据え置き気味で今の約1.0倍)。営業利益率55%
  • 米国の外傷性脳損傷(自社または提携先):数量 100(米国での年間の移植患者数(人))× 価格 3.50(1人あたりの会社の取り分(億円)。米国の売値を約40万ドルとし、会社の取り分を5割とみる)→ 売上 350 億円・営業利益 140 億円。米国は年100人×取り分3.5億円。製造費と販売費が重く営業利益率40%
  • 脳梗塞ほか適応拡大(提携先経由):数量 10.0(提携先での年間の移植患者数(人))× 価格 2.70(1人あたりの会社の受取額(億円)。提携先の売値の約4割とみる)→ 売上 27 億円・営業利益 11 億円。提携先での年10人×受取2.7億円(今の約1.35倍)。営業利益率40%

倍率:事業の純利益 56 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 29.6% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.33(moat=weak)で RONIC 15.0%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 19.6 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 19.6 倍。全体の PER 19.57 倍、時価総額 1,100 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:米国で追加の試験が要るなどして承認が遅れ、立ち上がりも小さい筋書き。米国の成功4割のうち、半分強がここに入ると見て25%に置いた。

やや悲観 32% やや悲観:米国は外れ、国内の小さな専門薬が残る 利益 −14 億円 · PBR 1.1 倍 · 株価時価総額 187 円146 億円

米国の第3相試験は2030年ごろに主要な目標を満たせず、会社は米国から手を引く。脳梗塞の試験も止める。国内の本承認のための試験は、条件を満たして承認が続く。

国内の移植は年40人で頭打ちになる。研究費を絞っても、国内の売上は管理と製造の費用を賄えず、赤字は残る。増資を約220億円行って延命する。

大手との提携は、細胞の製造能力と国内の販売権の売却話にとどまる。会社は国内の専門薬として生き残るが、成長の物語は終わる。

株主にとっては、増資のたびに取り分が薄まった10年だ。残った価値は、国内の販売事業と製造の資産、特許の売却額が中心になる。

  • アクーゴ(国内・外傷性脳損傷):数量 40.0(年間の移植患者数(人))× 価格 70.0%(1人あたりの会社の取り分(億円)。薬価は約0.727億円で、流通の取り分を引いて約95%とみる)→ 売上 28 億円・営業利益 13 億円。国内は年40人×1人あたり0.70億円。営業利益率45%
  • 米国の外傷性脳損傷(自社または提携先):数量 0.0(米国での年間の移植患者数(人))× 価格 2.60(1人あたりの会社の取り分(億円)。米国の売値を約40万ドルとし、会社の取り分を5割とみる)→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。米国から撤退。売上なし
  • 脳梗塞ほか適応拡大(提携先経由):数量 0.0(提携先での年間の移植患者数(人))× 価格 2.00(1人あたりの会社の受取額(億円)。提携先の売値の約4割とみる)→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。脳梗塞は中止。売上なし

倍率:稼ぐ力は赤字で、価値は国内の販売事業と製造の資産、残った現金の売却額に支えられた床で置いた。床の倍率は今の自己資本に掛けた(積み上げた損失の後の自己資本には掛けない)。帳簿にない承認済みの権利を含むので、今の自己資本の1.1倍になる。

確率:米国の第3相が外れ、国内だけが残る筋書き。この系統の薬は外しやすく、会社の過去の試験も外れが多いので、最大の山の32%に置いた。

悲観 28% 悲観:本承認に届かず、承認が失効して事業を縮める 利益 −23 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 37 円29 億円

国内の本承認のための試験が、日常生活の動作の改善を示せず、2032年ごろに条件付き承認が失効する。国内の移植は年15人まで減る。米国の第3相も外れる。

会社は研究人員を大きく減らし、細胞の製造も縮める。製造委託の最低の購入が重荷になり、赤字は消えない。増資を約280億円重ねて延命する。

10年後に残るのは、現金の残りと、細胞を作る設備と、特許だ。会社は存続するが、新しい薬を育てる体力は残らない。

株主にとっては、増資のたびに取り分が薄まった10年だった。残った価値は、設備と特許の売却額と現金の残りが中心になる。

  • アクーゴ(国内・外傷性脳損傷):数量 15.0(年間の移植患者数(人))× 価格 65.0%(1人あたりの会社の取り分(億円)。薬価は約0.727億円で、流通の取り分を引いて約95%とみる)→ 売上 10 億円・営業利益 1 億円。国内は年15人×1人あたり0.65億円。営業利益率10%
  • 米国の外傷性脳損傷(自社または提携先):数量 0.0(米国での年間の移植患者数(人))× 価格 2.60(1人あたりの会社の取り分(億円)。米国の売値を約40万ドルとし、会社の取り分を5割とみる)→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。米国は中止。売上なし
  • 脳梗塞ほか適応拡大(提携先経由):数量 0.0(提携先での年間の移植患者数(人))× 価格 2.00(1人あたりの会社の受取額(億円)。提携先の売値の約4割とみる)→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。脳梗塞は中止。売上なし

倍率:稼ぐ力はなく、価値は現金の残りと、売れる設備・特許の税後に支えられた床で置く。床の倍率は今の自己資本に掛けた(積み上げた損失の後の自己資本には掛けない)。

確率:本承認のための試験で効果を示せず条件付き承認が失効し、米国も外れる筋書き。単一製品・小さな試験・提携の解消が重なる会社で、売上が立たない筋は3割弱と見て28%に置いた。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。

アクーゴ(国内・外傷性脳損傷)

受傷から半年以上たって運動のまひが固まった外傷性脳損傷に、細胞を脳へ移植する再生医療。2026年5月に発売、10月に最初の患者へ移植。

数量年間の移植患者数(人)価格1人あたりの会社の取り分(億円)。薬価は約0.727億円で、流通の取り分を引いて約95%とみる売上営業利益
今 2026/01 0.0 69.0% 0 −38
10 年後 中立 45.0 70.0% 32 17

取り方:2026年1月期は未発売で売上0。国の資料のピーク投与患者39人×約0.7億円が約28億円。全社の研究開発費と管理費(営業赤字約38億円)を便宜上ここに置いた。

米国の外傷性脳損傷(自社または提携先)

米国で第3相試験を終え承認を得た場合の販売。会社の収入は自社販売の売上、または提携先からの受取。

数量米国での年間の移植患者数(人)価格1人あたりの会社の取り分(億円)。米国の売値を約40万ドルとし、会社の取り分を5割とみる売上営業利益
今 2026/01 0.0 2.60 0 0
10 年後 中立 100 3.50 350 140

取り方:未承認で売上0。他の細胞治療薬の米国価格(数十万ドル〜)を参考に、売値40万ドル×150円×取り分5割=約2.6億円と推定した。

脳梗塞ほか適応拡大(提携先経由)

慢性期の脳梗塞など、ほかの病気への広がりと、欧州・中国などでの提携。会社の収入は提携先からの受取。

数量提携先での年間の移植患者数(人)価格1人あたりの会社の受取額(億円)。提携先の売値の約4割とみる売上営業利益
今 2026/01 0.0 2.00 0 0
10 年後 中立 10.0 2.70 27 11

取り方:試験前で売上0。10年先は提携先の患者数×受取額で置く。受取額は1人あたり約2億円と推定した。

リスクと懸念

国内の市場が小さい

国の資料が見込むピークは、国内で年39人、約28億円だ。対象は受傷から半年以上たった中等度から重度の患者に限られ、手術のできる施設も5つの大学病院が中心になる。国内だけでは研究費を賄えない。

条件付き承認が失効しうる

2024年7月の承認は条件・期限付きで、7年のうちに本承認を得る必要がある。製造販売後の試験は42例の計画で、小さい。日常生活の動作の改善が示せなければ、承認が失効し、売上の土台が消える。

米国の第3相試験の成否

第3相の試験設計は規制当局と合意したが、成功は保証されない。脳梗塞向けの同系統の薬は、2019年の北米の試験とヘリオスの2022年の国内試験で、主要な目標に届かなかった。費用は調達資金だけでは足りず、増資か提携が要る。

資金と株の薄まり

営業の赤字は年に40〜50億円ある。2025年11月の増資で約140億円を集めたが、使い道は米国の試験と国内の普及で決まっている。次の増資は避けにくく、株主の取り分は薄まる。転換社債も約11億円ある。

製造と品質

細胞の品質の同等性の確認に時間がかかり、承認から出荷まで1年5か月かかった。製造は自社とJCRファーマに頼る。品質に問題が出れば供給が止まり、売上も止まる。

提携の実績が乏しい

帝人とは2018年に、大日本住友製薬とは2019年に提携を解消した。いまは提携先がいない。販売網を自社で作る負担が重く、米国で大手と組めなければ、立ち上がりが遅れる。

薬価の引き下げ

薬価は約7,272万円とついたが、今後の改定で下がりうる。患者が見立てを超えても、単価が下がれば売上は伸びない。同じ病気に別の治療が出れば、価格の交渉も厳しくなる。

今後の分かれ目

2026年度下期の出荷と移植が、5つの大学病院から十数か所へ予定どおり広がる
国内の見立て(年40〜50人)が確かになり、中立の確率を厚くする。ただし国内だけでは時価総額を支えられない。
米国の第3相試験の症例登録が計画どおり進み、2030年前後に主要な目標を満たす
米国で承認を得る筋が太くなり、楽観とやや楽観の確率を上げてよい。増資による薄まりも同時に織り込む。
製造販売後の試験で、日常生活の動作の指標にも改善が出る
条件付き承認が本承認へ進む確度が上がり、悲観の確率を下げる。米国の審査にも追い風になる。
米国の大手が提携や買収の話を持ち込む
資金の不安が消え、立ち上がりの遅れも縮まる。買収なら、成功の確率を買い手が織り込むため、やや楽観の側に寄る。
製造の品質問題や出荷の遅れが再び起きる
売上の立ち上がりが遅れ、増資の圧力が強まる。やや悲観の確率を上げる。
慢性期の脳梗塞の試験が、規制当局との協議で動き出す
適応拡大の筋が現実になり、楽観の確率を少し上げる。ただし脳梗塞は過去に外れており、確率は慎重に置く。

見ておくもの

  • 国内の移植施設の数と月ごとの移植患者数、製造販売後の試験の登録数
  • 米国の第3相試験の開始時期と症例登録の進み方、海外提携の有無
  • 四半期の現金と営業の現金流出(増資・借入の必要性)
  • 条件付き承認の本承認に向けた試験の中間結果と、薬価改定の動き

倍率と資本コストの決め方

国内は国の資料の患者数(年39人)と薬価を出発点に置き、米国と脳梗塞は患者数×会社の取り分で積んだ。倍率は式(正当化PER・RONIC)と事業の経済性だけで決め、今の時価総額は見ていない。結果が今の値を大きく下回るのは、国内の稼ぎが小さく、残りは米国で当たるかどうかの確率で決まるからだ。米国の成功確率は4割ほどに置き、今の値がその倍でも数字を寄せていない。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 15→19.56 倍・やや楽観 PER 13.7→19.56 倍・中立 PER 12.8→19.57 倍)。

資本コスト 7.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。

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分析日 2026-10-16