株譜
AI 銘柄分析 · 輸送用機器 · 試作

日産自動車 7201

自動車事業は本業で赤字、稼ぎ頭は販売金融。Re:Nissanの再建が進めば今の値段はやや割安だが、失敗すれば床も浅い

割安
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)383 円1.34 兆円10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)269.6 円9,424 億円差 +42.2%
10 年後から見ると 割安 価値 383 円1.34 兆円 · 差 +42.2% · 期待の年率 +14.0%
期待の年率リターン(10 年)+14.0%資本コスト比 +3.8 pt
推定の資本コスト10.3%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3%・10 年国債 3%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 10.3% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

日産は、自動車事業で赤字を出しながら、販売金融事業の稼ぎで黒字を保っている会社である。筆者は、再建が計画どおり進めば今の値段はやや割安、進まなければ割高になると見る。確率で重みをつけると10年で約16%のやや割安だが、悲観側の確率が4割を超えるので、見かけほど安全ではない。

2026年3月期は世界で315万台を売った。最終赤字は2期連続で、2025年5月に再建計画「Re:Nissan」を出した。生産拠点を17から10へ減らし、2万人を削る計画だ。自動車事業の営業損益はマイナス2,928億円で、連結の黒字は販売金融事業の2,979億円に支えられている。

堀、つまり他社がまねできない強みは弱い。ハイブリッドで先行するトヨタ・ホンダに技術で並べず、ブランドの値決め力も乏しい。資本コストは基本の7.5%に、品質の加点1.75%と、傾いた会社の上乗せ1%を足して10.25%とした。

中立は、規模を300万台に絞り、自動車の営業利益率が1.5%までしか戻らない姿である。再建の成功は楽観側に置いた。販売金融は残高が車の値段とともに膨らみ、稼ぎ頭であり続ける。この場合、10年後の時価総額は今の2.5倍になる。ただしROEが資本コストに届かないため、倍率は低く置いた。

悲観は、中国や新興のEV勢にシェアを奪われ、販売が180万台まで縮む姿である。自己資本が薄れ、増資で既存株主の取り分が減る。この筋書きに15%を置いた。存続への疑いを今の値段が織り込んでいることは、計算の根拠にしていない。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、日産の本質価値を測るうえでまず認めるべきは、自動車事業そのものが今は「オーナー利益」を生んでいないという事実である。本業が赤字である以上、株主に残る利益は実質的に販売金融事業(残高に対する利ざや)が稼ぐ分だけで、この構造が変わらない限り、どれだけ再建を叫んでも価値創造にはつながらない。Re:Nissanによる2万人の削減・7工場の統廃合は、身の丈に合わない生産能力を抱えたまま台数を追ってきた過去の経営(カルロス・ゴーン時代の拡大路線)の清算という意味では規律ある判断だが、実行力そのものがまだ証明されていない。ホンダとの経営統合破談・鴻海との協議決裂という2つの「資本による再生」の選択肢を自ら手放した経緯は、経営の決断力に疑問を残す。一方で、今の株価(PBR0.20倍)は通常の景気循環の谷(PBR0.4倍前後)をさらに下回っており、市場は単なる業績の谷ではなく、増資による希薄化や経営の存続そのものへの疑いまで織り込んでいるように見える。再建が計画通り進むだけで相応の安全域が生まれる値段である一方、本業の赤字体質が続くなら、今の値段でも割高という結論も十分にあり得る、両方向に賭けの要素が大きい銘柄である。

何で稼ぐ会社か

事業は「自動車事業」と「販売金融事業」の2本に分かれる。自動車事業はNISSAN・INFINITIブランドの乗用車・SUV・軽自動車(日産ブランドの主力はセダン・SUV、米国ではローグ・アルティマ、国内は軽自動車のルークス・サクラなど)を世界約160の国と地域で売り、2026年3月期の世界販売は315万台、連結売上の9割弱・10兆7,602億円を占めるが、営業利益はマイナス2,928億円と本業は赤字である。もう一つの柱が販売金融事業で、ニッサン・ファイナンシャルサービスグループがディーラーと顧客に自動車ローン・リースを提供し、2026年3月期はセグント資産10.7兆円に対し売上1兆2,475億円・営業利益2,979億円(営業利益率23.9%)を稼ぐ、連結の実質的な収益源になっている。生産は国内(追浜・栃木・九州など)と北米・中国・欧州・ASEANの現地工場で行うが、Re:Nissan(2025年5月発表)により2027年度までに世界の車両生産拠点を17から10へ統廃合し、追浜工場の車両生産は2027年度末までに九州へ移管する。ルノーとは資本提携関係にあり(相互に出資、2026年3月末時点でルノーが17.1%を保有)、三菱自動車工業ともアライアンスを組むが、2024年に合意したホンダとの経営統合は2025年2月にガバナンスの折り合いがつかず破談した。EV戦略はe-POWER(発電専用エンジン+電気駆動)とAriya・リーフなどのBEVを両輪とし、2030年までに27の電動車(うちBEV19)を投入する計画だが、中国では地場EV勢の価格攻勢で、米国では競合のHEVシフトでそれぞれシェアを落としている。

優良さと弱いところ

優良さの実体は自動車事業ではなく販売金融事業にある。自動車事業の営業利益率は2026年3月期にマイナス2.4%で、稼ぐ力を全く示せていない。トヨタ・ホンダが持つハイブリッドの技術蓄積・ブランド力に対し、日産はe-POWERという独自技術を持つものの価格決定力は弱く、新車の値引き・インセンティブに依存する販売構造から抜け出せていない。ROEはマイナス11.1%(2026年3月期)、自己資本比率は24.2%、純有利子負債は自己資本の1.35倍に達し、財務基盤は乗用車メーカーの中でも最も脆い。Re:Nissanによる2万人の人員削減・7工場の統廃合はコスト構造の見直しとしては妥当だが、実行力そのものが問われている段階で、過去にも台数頼みの拡大路線(カルロス・ゴーン時代)から業績悪化を繰り返してきた経緯がある。経営体制はイヴァン・エスピノーサ社長のもとで刷新されたが、ホンダとの経営統合破談(2025年2月)、鴻海(Foxconn)による工場買収協議の決裂(2025年9月)など、資本・事業面での打ち手が定まらない印象を与えている。強みは販売金融事業の厚みと、北米でのAriya・e-POWER搭載車の一定の支持、2025年11月の横浜本社売却(970億円、セール・アンド・リースバック)で得た当面の資金余力にとどまる。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

世界新車販売(OICA集計)は2025年に約9,980万台だが、日産は315万台と世界シェア3%程度にとどまり、上位グループ(トヨタ・VW・ホンダ等)から引き離されている。もっとも重い向かい風は中国で、2026年1〜6月の新車販売は前年同期比15%減・7月は前年同月比59%減となり、5年連続で前年割れが続く。中国の合弁・外資ブランド全体のシェアも2026年6月に24.5%まで下がり、地場EV勢(BYD等)の価格・技術攻勢に飲まれている。米国では2025年の新車販売が約93万台で、AriyaはHEV・BEVシフトの中で四半期ベースで前年比+43.6%と伸びた場面もあるが、全体としては低迷が続き、トランプ政権の対米関税も収益を圧迫する。この業界全体の構造変化(EV化・中国勢の台頭)に対し、日産は規模の経済でもハイブリッド技術でも優位に立てておらず、Re:Nissanによる生産拠点の統廃合(17→10)は「量で張り合わない」領域に軸足を移す動きというより、まずは身の丈を合わせる防衛的なリストラという性格が強い。当面の軸では、Re:Nissanの実行(2027年度に自動車事業の営業利益とFCFを黒字化する目標)が計画通り進むかが最大の分かれ目になる。10年の軸では、EV比率が世界で40〜50%まで上がる中、日産が独立した完成車メーカーとして生き残れる規模とコスト競争力を保てるか、あるいはルノー・鴻海を含む資本の出入りで姿を変えるかが問われる。

資本政策と M&A

2025年3月期は上期無配・下期配当も未定という実質無配の状態で、リストラ中は株主還元より再建資金の確保を優先する方針。2025年11月には横浜本社ビルを970億円で売却(KKR系・みずほ不動産投資顧問が組成した私募ファンドへ、台湾の敏実集団が主要出資)し、セール・アンド・リースバックで20年の賃貸契約に切り替えて739億円の特別利益を計上、再建費用に充当した。資本関係では、ルノーが2023年に出資比率を43%から15%に引き下げて相互に15%の対等な関係になり、2026年3月にはアライアンス契約を改訂して最低保有比率を15%から10%へさらに引き下げた。2024年に合意したホンダとの経営統合は2025年2月、株式交換による子会社化案に日産側が反発して破談し、EV領域の協業のみ一部継続する。2025年9月には台湾・鴻海(Foxconn)による追浜工場買収(約1,000億円)協議が決裂したが、鴻海会長はその後も「買収ではなく提携」としてルノー保有株の取得に前向きな姿勢を示しており、資本の出入りが今後も続く可能性がある(kabufuのMC推定では10年以内のTOB・買収確率20.0%)。

点検済み:起点は一過性の構造改革費用を除いた 400 億円にならし済み。中立の全社営業利益率 3.8% は過去平均 3.0% をやや上回る。自動車 1.5%(自動車単体の過去平均は約 0.5%)と販売金融の黒字(2026/03 は 2,979 億円)の合計で、自動車の赤字(▲2,928 億円)が戻るのは再建が半分進んだ分だけ。再建の成功は中立に置かず楽観側に回した(2026-10-20 に自動車 3.0%・全社 5.2% から下げた)。この会社は全社で最も再建の実行に左右される。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

Re:Nissanは過去のリストラと違い、17→10工場・2万人削減という身の丈に合わせた構造改革で、2026年3月期にすでに固定費2,000億円・変動費550億円を削減し、連結営業利益を580億円まで戻した実績がある。2027年度に自動車事業の営業利益とFCFを黒字化するという目標は、今の進捗ペースなら十分に射程内にある。販売金融事業は資産10.7兆円・営業利益率23.9%という高い収益力を保ち、自動車事業が赤字でも全社を支える「二本目の収益の柱」として機能している。この安定した金融収益があるからこそ、日産は本業の建て直しに時間をかけられる。米国ではAriyaが四半期で前年比+43.6%の伸びを見せるなど、e-POWER・BEVの両輪戦略が市場に受け入れられつつある兆しがある。横浜本社売却で得た資金余力、ルノー・鴻海を含む資本の出入りも、追加の再建資金や新しい技術提携につながる可能性がある。今の株価はPBR0.20倍と、通常の景気循環の谷(0.4倍前後)をさらに下回る水準まで売り込まれており、Re:Nissanが計画通り進むだけで、極端に悲観的な今の値段から相応の再評価が起きる余地は大きい。

慎重な見方

自動車事業は2026年3月期に売上10兆7,602億円に対して営業利益マイナス2,928億円と、本業そのものが構造的な赤字体質にある。2期連続の最終赤字、自己資本比率24.2%、純有利子負債が自己資本の1.35倍という財務の脆さは、乗用車メーカーの中でも最も深刻なレベルにある。中国では2026年7月の新車販売が前年同月比59%減まで落ち込み、5年連続で前年割れが続く。米国でも全体としては低迷し、日産は規模でもハイブリッド技術でもトヨタ・ホンダに劣後したまま、中国EV勢の価格攻勢にも対抗できていない。独自の技術優位(e-POWER)はあるが、ブランド力と価格決定力の弱さは変わっていない。2024年に合意したホンダとの経営統合は、株式交換による子会社化案に日産側が反発して2025年2月に破談し、鴻海による追浜工場買収協議も2025年9月に決裂した。規模を得る2つの選択肢を自ら手放した経緯は、経営の決断力そのものへの疑問を残す。Re:Nissanの人員削減・工場統廃合は実行途上で、過去にも同様のリストラ策(カルロス・ゴーン後の複数の構造改革)が繰り返されながら赤字から抜け出せなかった実績がある。横浜本社売却(970億円)は一度限りの資金確保にすぎず、本業が赤字のままでは、いずれ追加の資本増強(希薄化)が避けられなくなるリスクが残る。

どちらに重みを置いたか

自動車事業そのものが赤字という弱気の指摘は動かない。Re:Nissanの実行力と、米中での競争力にも大きな不確実さが残る。一方で、再建が進むだけで利益が戻る余地は大きいという強気の指摘も無視できない。

中立は、自動車の営業利益率を1.5%までしか戻さず、販売金融の安定した稼ぎを土台にする姿とした。確率は中立を最大の28%に置きつつ、やや悲観と悲観の合計を42%と厚めに割り当てた。資本コストは10.25%と高く、堀も弱いので、倍率は乗用車メーカーの中でも低い。それでも10年では約16%のやや割安と出る。

10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)

確率で加重した株価時価総額 976 円3.41 兆円(+ 配当配当と自社株買いの合計 26 円896 億円)。 今の値に割り戻すと 383 円1.34 兆円、今との差 +42.2%、 期待の年率 +14.0%(資本コスト 10.3%)→ 割安

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 10% 2,562 円8.95 兆円 86 円3,000 億円 +882.0% +25.7% 265 円9,254 億円
やや楽観 20% 1,821 円6.36 兆円 57 円2,000 億円 +596.6% +21.4% 376 円1.31 兆円
中立 28% 908 円3.17 兆円 20 円700 億円 +244.3% +13.2% 260 円9,084 億円
やや悲観 27% 319 円1.12 兆円 0 円0 億円 +18.4% +1.7% 86 円3,013 億円
悲観 15% 98 円3,430 億円 0 円0 億円 −63.6% −9.6% 15 円515 億円
加重平均100% 976 円3.41 兆円26 円896 億円 +271.3% +14.0% 1,001 円3.50 兆円

今の株価時価総額 270 円9,424 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 10.3% を下回るほど割高。

楽観 10% 独自技術とアライアンスでEV時代も生き残る 利益 8,769 億円 · PER 10.1 倍 · 株価時価総額 2,562 円8.95 兆円

Re:Nissanの再建が完了し、e-POWERの次世代技術・新しいプラットフォームでコスト競争力を取り戻す。ルノー・鴻海との資本・技術関係も日産にとって有利な形で再構築され、北米・アジアでシェアを一定程度回復、世界販売は360万台まで伸びる。平均販売単価は電動化コストの転嫁と高付加価値モデルの比率上昇で480万円まで上がり、自動車事業の営業利益率は5.0%まで回復する。販売金融事業も残高16.5兆円まで拡大し、サブスクリプション等の新サービスで営業利益率25%を保つ、独立した完成車メーカーとして生き残る10年になる。

  • 自動車事業:数量 360(世界販売台数(万台))× 価格 478(平均販売単価(ASP、万円/台))→ 売上 172,152 億円・営業利益 8,608 億円。技術・資本の再構築で営業利益率5.0%(値段は物価並みを基本に、筋書きの競争の強さで上下させた)
  • 販売金融事業(ニッサン・ファイナンシャルサービス):数量 16.5(セグメント資産残高(兆円))× 価格 13.0%(残高に対する営業収益の利回り(%、実質的な利ざや))→ 売上 21,450 億円・営業利益 5,363 億円。残高拡大とサブスクで営業利益率25.0%

倍率:事業の純利益 8,769 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 12.1% が k 10.25% を上回る。残る割合 0.33(moat=weak)で RONIC 10.9%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 10.1 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 10.1 倍。全体の PER 10.1 倍、時価総額 88,565 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:EV化・中国勢の台頭という業界の逆風の中、技術・資本の両面で複数の好転が重なる必要があり、実現すれば強いが確度は高くない。

やや楽観 20% 規模を縮めつつ収益性を回復する 利益 6,337 億円 · PER 9.9 倍 · 株価時価総額 1,821 円6.36 兆円

世界のEV比率が40〜50%まで上がる中、日産は規模を追わず収益性を優先する路線に転換し、世界販売は330万台で安定する。平均販売単価は470万円まで緩やかに上がり、自動車事業の営業利益率は4.0%まで改善する。販売金融事業は残高14.8兆円・営業利益率24%を保ち、全社の利益を支え続ける。中国でのシェアはさらに縮むが北米・日本・ASEANでの基盤は維持し、構造改革を終えた「身の丈に合った日産」に収まる10年になる。ルノー・鴻海との資本関係は段階的に整理され、独立した完成車メーカーとしての地位を保つ。信用格付けも徐々に回復し、資金調達コストは平常の水準に近づく10年である。

  • 自動車事業:数量 330(世界販売台数(万台))× 価格 468(平均販売単価(ASP、万円/台))→ 売上 154,440 億円・営業利益 6,178 億円。規模を追わず収益性優先で営業利益率4.0%(値段は物価並みを基本に、筋書きの競争の強さで上下させた)
  • 販売金融事業(ニッサン・ファイナンシャルサービス):数量 14.8(セグメント資産残高(兆円))× 価格 12.5%(残高に対する営業収益の利回り(%、実質的な利ざや))→ 売上 18,500 億円・営業利益 4,440 億円。残高拡大で営業利益率24.0%

倍率:事業の純利益 6,337 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 10.9% が k 10.25% を上回る。残る割合 0.33(moat=weak)で RONIC 10.5%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 9.9 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 9.9 倍。全体の PER 9.89 倍、時価総額 62,669 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:Re:Nissanの再建が奏功し、小さいながらも収益性を確保した会社に収まる、業界見通しの中位に近い想定。

中立 28% 中立:小さく合理化された日産に収まる 利益 2,937 億円 · PER 9.8 倍 · 株価時価総額 908 円3.17 兆円

世界のEV比率が40〜50%まで上がる中、日産は中国でのシェアをさらに失いながらも、北米・日本を中心に300万台規模で生産・販売を続ける。平均販売単価は460万円程度まで物価並みに上がり、自動車事業の営業利益率は1.5%までしか戻らない。販売金融事業は残高13.9兆円・営業利益率23%で安定し、全社の利益を下支えする。ルノー・鴻海との資本関係は緩やかに変化するが、独立した完成車メーカーとしての地位は保つ、再建が半分だけ実る、特別な飛躍のない10年になる。ホンダ・鴻海との資本による再編の思惑は時折再燃するが実現には至らず、日産は単独で身の丈に合った規模へ縮小しながら生き残る。株主還元も限定的な範囲で緩やかに再開される。

  • 自動車事業:数量 300(世界販売台数(万台))× 価格 458(平均販売単価(ASP、万円/台))→ 売上 137,310 億円・営業利益 2,060 億円。再建は半分だけ進み営業利益率1.5%(自動車単体の過去12年平均は約0.5%。工場閉鎖と人員削減の効きを1ポイント足した)
  • 販売金融事業(ニッサン・ファイナンシャルサービス):数量 13.9(セグメント資産残高(兆円))× 価格 12.0%(残高に対する営業収益の利回り(%、実質的な利ざや))→ 売上 16,680 億円・営業利益 3,836 億円。残高拡大で営業利益率23.0%

倍率:事業の純利益 2,937 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 4.7% が k 10.25% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 9.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 9.8 倍。全体の PER 9.76 倍、時価総額 28,665 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:EV化・中国勢の台頭という業種ノートの中心的な見通しに沿う、最も重みを置く筋書き。

やや悲観 27% 中国シェアを失い自動車事業の再建が道半ばで終わる 利益 1,298 億円 · PER 7.8 倍 · 株価時価総額 319 円1.12 兆円

中国での販売不振が構造的なものとなり、合弁ブランドのシェア低下(2026年6月24.5%)がさらに進む中、日産は中国事業を大幅に縮小する。世界販売は260万台にとどまり、平均販売単価も価格競争で430万円までしか上がらない。自動車事業の営業利益率はわずか1.0%で、Re:Nissanの効果は固定費削減にとどまり抜本的な収益改善には至らない。販売金融事業も自動車事業の縮小で残高11.8兆円・営業利益率20%まで下がり、全社の利益は薄いまま10年が過ぎる。信用格付けの悪化も重なり資金調達コストが上がる中、ルノー・鴻海を含む資本の出入りへの思惑が繰り返し浮かぶが、抜本的な解決には至らないまま10年が過ぎる。

  • 自動車事業:数量 260(世界販売台数(万台))× 価格 427(平均販売単価(ASP、万円/台))→ 売上 111,020 億円・営業利益 1,110 億円。中国事業縮小と価格競争で営業利益率1.0%(値段は物価並みを基本に、筋書きの競争の強さで上下させた)
  • 販売金融事業(ニッサン・ファイナンシャルサービス):数量 11.8(セグメント資産残高(兆円))× 価格 11.0%(残高に対する営業収益の利回り(%、実質的な利ざや))→ 売上 12,980 億円・営業利益 2,596 億円。残高縮小・利ざや低下で営業利益率20.0%

倍率:事業の ROE 4.3% は k 10.2% 以下なので、伸びても価値は増えず、正当化 PER の上限は 1÷k = 9.8 倍。堀は弱く、再建途上で利益が振れるので、上限の 8.0 割の 7.8 倍に置いた。純有利子負債 6.5 兆円の大半は販売金融の調達で、全部足した EV ÷ 営業利益は 21 倍に上がるが、利益が細る筋書きの数字として織り込んだ。

確率:中国EV勢のシェア拡大が業種ノートの下位レンジで続き、Re:Nissanの効果も部分的にしか出ない想定。

悲観 15% 独立した完成車メーカーとしての優良さを失う 利益 −2,709 億円 · PBR 0.4 倍 · 株価時価総額 98 円3,430 億円

中国・新興EVメーカーがコスト・技術で優位に立ち続け、日産は世界販売180万台まで規模を落とす。値引き合戦で平均販売単価も350万円まで下がり、工場稼働率の低下で自動車事業は恒常的な損失(営業利益率マイナス3%)に陥る。販売金融事業も残高8.0兆円まで縮み、信用コストの悪化で営業利益率は12%まで下がる。Re:Nissan以降も複数回の追加リストラ・資本増強を繰り返し、10年間の累積損失で自己資本はほぼ失われ、ルノー・鴻海など資本の受け皿を探る展開も避けられない、独立した完成車メーカーとしての優良さを失う10年になる。

  • 自動車事業:数量 180(世界販売台数(万台))× 価格 350(平均販売単価(ASP、万円/台))→ 売上 63,000 億円・営業利益 −1,890 億円。世界販売180万台まで縮小、営業利益率▲3.0%
  • 販売金融事業(ニッサン・ファイナンシャルサービス):数量 8.0(セグメント資産残高(兆円))× 価格 10.0%(残高に対する営業収益の利回り(%、実質的な利ざや))→ 売上 8,000 億円・営業利益 960 億円。残高縮小・信用コスト悪化で営業利益率12.0%

倍率:自動車事業が恒常的な損失となり、10年間の累積損失で自己資本も9,800億円まで薄れる(今の自己資本47,990億円の2割程度)。谷の利益に谷の倍率を重ねる二重の下げを避け、SCHEMAが示す通常の床0.35倍をそのまま床として置いた。これ以上自己資本が薄れる場合は資本増強(希薄化)が避けられず、既存株主の取り分はさらに小さくなるリスクを残す。

確率:技術・規模の両面での劣後とガバナンス不信が重なる複合シナリオで、低頻度だが10年という時間軸・財務の脆さを踏まえ無視できない確率を置いた。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。

自動車事業

NISSAN・INFINITIブランドの乗用車・SUV・軽自動車の開発・生産・販売。2026年3月期は本業である自動車事業が営業損失となった。

数量世界販売台数(万台)価格平均販売単価(ASP、万円/台)売上営業利益
今 2026/03 315 342 107,602 −2,928
10 年後 中立 300 458 137,310 2,060

取り方:2026年3月期の世界販売315万台と自動車事業の売上10兆7,602億円から、売上÷台数で平均販売単価(ASP)341.6万円を逆算した。台数は実質(世界販売台数)、単価は物価並みに上がる(3年1.09倍・10年1.34倍)のが基本線だが、中国・新興国での値引き圧力は別途各筋書きの文章で考慮する。

販売金融事業(ニッサン・ファイナンシャルサービス)

ディーラーと顧客への自動車ローン・リースの提供。自動車事業が赤字の中、連結の実質的な収益源になっている。

数量セグメント資産残高(兆円)価格残高に対する営業収益の利回り(%、実質的な利ざや)売上営業利益
今 2026/03 10.7 11.7% 12,475 2,979
10 年後 中立 13.9 12.0% 16,680 3,836

取り方:販売金融事業のセグメント資産10.7兆円を残高とし、セグメント売上1兆2,475億円÷残高で利回り11.7%を算出、営業利益2,979億円との比で営業利益率23.9%を得た。残高(兆円)は車の値段と一緒に名目で膨らみ、利回りは金利水準に沿って大きくは変わらない。金融の借金は仕入れなので、全社の利払いの計算からは外した。

リスクと懸念

自動車事業そのものの赤字体質

2026年3月期の自動車事業は売上10兆7,602億円に対し営業利益マイナス2,928億円で、本業そのものが構造的な赤字にある。連結が黒字を保てているのは販売金融事業の稼ぎによるもので、自動車事業の赤字が固定化すれば、いずれ金融事業の利益だけでは支えきれなくなるリスクがある。

中国での販売急減

2026年7月の中国新車販売は前年同月比59%減まで落ち込み、5年連続で前年割れが続く。合弁・外資ブランド全体のシェアも2026年6月に24.5%まで下がり、地場EV勢の価格・技術攻勢に対抗できていない。中国事業の縮小・撤退を迫られる展開も排除できない。

米国での販売不振と関税

2025年の米国新車販売は約93万台にとどまり、Ariyaなど一部モデルの伸びはあるものの全体では低迷が続く。トランプ政権の対米関税も収益を圧迫し、競合のHEVシフトが進む中で日産の価格競争力は相対的に弱い。

Re:Nissanの実行リスク

2万人の人員削減・7工場の統廃合という大規模なリストラは実行途上で、過去にも複数回の構造改革(カルロス・ゴーン後の再建策)を経ながら赤字から抜け出せなかった実績がある。2027年度の自動車事業黒字化目標が達成できない場合、追加のリストラ・資本増強の検討が避けられない。

財務の脆さと資本増強(希薄化)の懸念

自己資本比率は24.2%、純有利子負債は自己資本の1.35倍に達し、乗用車メーカーの中でも財務基盤が最も弱い。本業の赤字が続けば、将来的に増資などの資本増強で既存株主の取り分が薄まるリスクが残る。格付け会社が追加で格下げに動けば、調達コストの上昇が業績の改善ペースをさらに遅らせる悪循環も懸念される。

ホンダとの経営統合破談・資本の出入り

2024年に合意したホンダとの経営統合は2025年2月に破談し、規模を得る選択肢を一つ失った。ルノーの出資比率引き下げ(最低保有比率15%→10%)、鴻海(Foxconn)による工場買収協議の決裂と、その後も続く関与の思惑など、資本関係の不確実性が高い状態が続いている。

EV・技術シフトへの対応の遅れ

e-POWERという独自技術を持つものの、中国EV勢のコスト競争力、トヨタ・ホンダのハイブリッド技術蓄積のいずれにも対して明確な優位を示せていない。2030年までに27の電動車を投入する計画の実行力が問われる。

今後の分かれ目

2027年度(2027年3月期)に自動車事業の営業利益が計画どおり黒字化したら
楽観・やや楽観側の筋書きに重みを移す。Re:Nissanの固定費・変動費削減の進捗を合わせて確認する。
中国での新車販売が前年割れからさらに悪化したら
やや悲観・悲観側の筋書きに重みを移す。中国事業の縮小・撤退の具体策が出るかを見る。
鴻海(Foxconn)またはルノーの資本関与が具体化し出資・提携が実現したら
資本増強の原資や技術提携の中身を確認した上で、楽観側・悲観側どちらに効くかを個別に判断する。
自己資本比率がさらに低下し増資(希薄化)の検討が報じられたら
悲観側の筋書きに重みを移す。既存株主の取り分がどれだけ薄まるかを見る。
北米でAriya・e-POWER搭載車の販売が計画を上回って伸びたら
楽観・やや楽観側の筋書きの確率を上げてよい。平均販売単価の改善も合わせて見る。
追加の工場閉鎖・人員削減が計画(7工場・2万人)を超えて行われたら
短期的には悲観材料だが、固定費削減が計画を上回るなら長い目ではやや楽観側に効く。両方の可能性を確認する。

見ておくもの

  • 自動車事業単体の営業利益(四半期ごと)
  • 中国・米国の新車販売台数とシェアの推移
  • Re:Nissanの固定費・変動費削減の進捗(2027年度黒字化目標)
  • 自己資本比率・純有利子負債の推移、増資(希薄化)の有無
  • ルノー・鴻海(Foxconn)との資本・提携関係の変化
  • 販売金融事業(ニッサン・ファイナンシャルサービス)の残高と信用コスト

倍率と資本コストの決め方

自動車事業は世界販売台数×平均販売単価(物価並みに上がる基本線)、販売金融事業は残高×利回りで売上と利益を積み上げた。資本コストは基本7.5%に quality +1.75% と事業が傾いている分の上乗せ1%を足した10.25%。堀は弱い(残る割合1/3)として、倍率は利益ベースの正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)の上限(ROE が k 以下なら1÷k)の8.5割(やや悲観は8割)に置いた。悲観は自動車事業の損失が続く筋書きなので PBR で測り、減損で薄れた自己資本 9,800 億円に床 0.35 倍を掛けた。過去の PBR は使っていない。今の値段は最後に比べただけで、逆算していない。結果は10年で約 +16% のやや割安。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 8.6→10.1 倍・やや楽観 PER 8.4→9.89 倍・中立 PER 8.3→9.76 倍)。

資本コスト 10.3% = 無リスク金利 3% + β — × 5% + 上乗せ 1.0%。基本 7.5% に quality +1.75% と、事業が傾いている会社の上乗せ 1.0% を足した 10.25%。ガバナンスや提携の個別のリスクは k に足さず、筋書きと確率で表した。

同じ業種(輸送用機器)の AI 分析

割安 トヨタ自動車7203 世界首位と関税逆風を同時に抱えるが、金融事業の厚みとマルチパスウェイが本質価値を支え、今の値段は割安 本質価値との差 +79.3% · 10 年 割安(年 +12.7%) 割安 マツダ7261 単独で戦う中堅の車メーカー。関税で稼ぐ力は細るが、自己資本の4割弱という値段は低すぎ、割安とみる 本質価値との差 +71.1% · 10 年 割安(年 +13.5%) 割安 三菱自動車工業7211 底にある利益が戻れば今の値段は安いが、利益率の低さと中国勢の追い上げで、戻る確度は高くない 本質価値との差 +67.5% · 10 年 割安(年 +13.4%) 割安 スズキ7269 インド事業がシェア4割で稼ぎの柱、二輪も伸びるが中国EV勢の台頭と認証不正の再発が評価を重くし、今の値段はやや割安 本質価値との差 +62.4% · 10 年 割安(年 +11.7%) 割安 河西工業7256 日産に半分を頼る内装部品の大手。直近の利益回復は鮮やかだが、借金が自己資本の3倍近く。株主の取り分は、再建が崩れるかどうかで大きく割れる 本質価値との差 +61.5% · 10 年 割安(年 +14.3%) 割安 モリタホールディングス6455 消防車の国内6割を握り、純現金も厚い堅実な会社。10年で見た本質価値は、今の時価総額を3割半ほど上回る 本質価値との差 +61.3% · 10 年 割安(年 +11.6%) 割安 いすゞ自動車7202 国内トラック首位級とタイのピックアップ王者を併せ持つが、UD統合の実行とタイ・中国EV攻勢が綱引きする局面で、本質価値は今の値段より割安 本質価値との差 +59.7% · 10 年 割安(年 +11.9%) 割安 本田技研工業7267 二輪と金融が稼ぎ四輪を支える構造。EV の戦略転換で初の最終赤字だが、二輪・金融の稼ぐ力から見れば今の値段はやや割安 本質価値との差 +55.6% · 10 年 割安(年 +11.8%) 割安 日本プラスト7291 日産とホンダの2社頼みでハンドルとエアバッグを作る。自己資本の 4 分の 1 の値段だが、利益率の薄さと借入が割引の理由 本質価値との差 +51.9% · 10 年 割安(年 +12.0%) 割安 デイトナ7228 バイク乗りの「あと付け」を企画して卸すファブレスの用品会社。国内の担い手は老いるが、品ぞろえと販売網の厚さで稼ぐ力は残り、中立で今の値段を上回る 本質価値との差 +51.9% · 10 年 割安(年 +11.7%) 割安 東京ラヂエーター製造7235 トラック・建機のラジエーター専業。手元の現金が時価総額の4割に迫り、利益の質に比べて値段が低い会社だ 本質価値との差 +49.8% · 10 年 割安(年 +11.7%) 割安 株式会社ファルテック7215 日産向けに偏る自動車の外装部品会社。利益は薄く先は読みにくいが、時価総額が自己資本の 2 割と低く、10 年の価値はやや上回る 本質価値との差 +47.9% · 10 年 割安(年 +12.1%) 割安 エフテック7212 ホンダ向けの足回り部品が北米に偏る低採算の会社。借金は時価総額の3倍超で、中立でも利益の薄さは変わりにくい 本質価値との差 +39.3% · 10 年 割安(年 +12.1%) 割安 武蔵精密工業株式会社7220 ホンダ系の駆動部品会社。AI 向けキャパシタの当たり外れで 10 年後の姿が大きく分かれ、今の値段はその当たりを先取りしている 本質価値との差 +37.7% · 10 年 割安(年 +10.4%) 割安 豊田合成株式会社7282 トヨタ系の安全部品大手。エアバッグの伸びは確かだが利益率は最高圏にあり、今の値段は織り込み済みでほぼ適正 本質価値との差 +36.2% · 10 年 割安(年 +9.7%) 割安 ユニプレス株式会社5949 日産向けが約4分の3を占める車体プレスの大手。拠点の整理で身軽になったが、価値は日産の台数しだいで、安全域は厚くない 本質価値との差 +35.6% · 10 年 割安(年 +10.5%) 割安 株式会社アイシン7259 AT(変速機)世界首位級のトヨタ系部品大手。トヨタ株の含み資産が下支えする一方、eAxleへの転換とAT収益化の成否が本質価値を左右する 本質価値との差 +34.6% · 10 年 割安(年 +10.1%) 割安 安永7271 内燃機関の部品で稼ぐ中堅。足元の利益は上振れたが、EV 化と重い借入が先の価値を削る 本質価値との差 +31.7% · 10 年 割安(年 +11.4%) 割安 ウェッズ7551 車のカスタムホイールの老舗卸。時価総額の7割が純現金だが、現金はトヨタ系の親会社の下にあり、価値は妥当圏に落ち着く 本質価値との差 +31.4% · 10 年 割安(年 +10.0%) やや割安 株式会社タチエス7239 日産・三菱・ホンダ向けのシート専業。利益率は回復途上で、顧客の偏りと買収の消化が10年の分かれ目になる 本質価値との差 +28.6% · 10 年 やや割安(年 +10.1%) やや割安 フタバ産業株式会社7241 トヨタ向けボデー・マフラーの部品メーカー。薄利でも今の値段に余裕はなく、EV化で排気系が縮む10年を見て、筆者は割高寄りと見る 本質価値との差 +28.5% · 10 年 やや割安(年 +10.1%) やや割安 トヨタ紡織株式会社3116 トヨタ系の座席・内装の大手。規模は大きいが利益率が薄く、値決め力の弱さと北米の赤字が10年の評価を決める 本質価値との差 +28.2% · 10 年 やや割安(年 +9.9%) やや割安 極東開発工業7226 架装で国内首位級だが、利益率の回復は物価を超えられず、独禁法の傷も残る。本質価値は今の値段をやや上回る 本質価値との差 +28.0% · 10 年 やや割安(年 +9.2%) やや割安 新明和工業7224 防衛と自治体の底堅い需要で稼ぐ力は上がるが、資本コストを大きく超えず、今の値段はほぼ妥当な水準だ 本質価値との差 +26.9% · 10 年 やや割安(年 +9.5%) やや割安 レシップホールディングス7213 バスの運賃箱と行先表示の老舗。新紙幣の特需は終わったが、米国の運賃収受が育ち、中立で今の値段とほぼ同じ 本質価値との差 +26.9% · 10 年 やや割安(年 +9.7%) やや割安 ダイハツインフィニアース6023 船の発電エンジンと保守で稼ぐ堅い会社。ただ今の利益は受注の山にあり、10年で見ると値段は少し先取りしすぎ 本質価値との差 +26.8% · 10 年 やや割安(年 +9.4%) やや割安 株式会社デンソー6902 トヨタ系最大手の車載部品会社。電動化・ADAS半導体で成長を描くが、トヨタ株の巨額保有が下支えする一方、変革の実行速度が今の値段に見合うかが分かれ目 本質価値との差 +26.2% · 10 年 やや割安(年 +9.3%) やや割安 SUBARU7270 米国依存7割と関税が利益を直撃するが、厚い純現金と回復力を踏まえれば10年ではやや割安 本質価値との差 +25.9% · 10 年 やや割安(年 +9.9%) やや割安 GMB7214 補修用の駆動・冷却部品を世界に売る専業。電動ポンプへの切り替えが焦点だが、借入が重く、株主の取り分は薄い 本質価値との差 +25.3% · 10 年 やや割安(年 +10.9%) やや割安 日本車輌製造7102 JR東海の子会社として新幹線を造る堅い受注残があるが、利益は一時要因で膨らんでおり、10 年の本質価値は今の値段をやや下回る 本質価値との差 +25.1% · 10 年 やや割安(年 +9.7%) やや割安 株式会社ティラド7236 熱を逃がす部品の専業。利益率は歴史的な高さにあり、定着するかが分かれ目。今の値段はほぼ妥当 本質価値との差 +21.5% · 10 年 やや割安(年 +9.5%) やや割安 内海造船7018 防衛とフェリーの造船所。今は好況の頂点で、積み上がる現金の使い道が焦点 本質価値との差 +14.9% · 10 年 やや割安(年 +9.1%) やや割安 株式会社東海理化電機製作所6995 スイッチ・シートベルトのトヨタ系部品会社。純現金は厚いが、車内の操作が画面に移れば主力が細る。稼ぐ力は資本コストにわずかに届かない 本質価値との差 +14.2% · 10 年 やや割安(年 +8.4%) やや割安 ユニバンス7254 駆動系ユニットの専業。日産・フォード・ホンダの3社に頼り、利益は円安で嵩上げされている。厚い現金が下支えするが、10年の中立は今の値段並み 本質価値との差 +13.6% · 10 年 やや割安(年 +8.7%) やや割安 ナンシン7399 キャスターと台車の老舗。時価総額とほぼ同じ現金を持つが、本業の利益率は2%台に沈み、現金も株主に戻らない。値段はおおむね見合っている 本質価値との差 +12.8% · 10 年 やや割安(年 +8.3%) やや割安 ニッキ6042 芝刈り機のエンジン部品とガスの燃料装置の会社。本業は電動化で細り、工場用地の賃料が支え。やや割高 本質価値との差 +12.4% · 10 年 やや割安(年 +8.4%) やや割安 株式会社エッチ・ケー・エス7219 車好きに愛されるチューニングパーツの老舗。ブランドと手元資金は本物だが、電動化で市場が縮み、利益が薄く、値段はやや割高寄り 本質価値との差 +11.1% · 10 年 やや割安(年 +8.2%) やや割安 愛三工業株式会社7283 車の燃料ポンプで世界首位級の部品会社。エンジン車の縮小と、トヨタ頼みの値決めの弱さが10年の重しになる 本質価値との差 +10.8% · 10 年 やや割安(年 +8.2%) やや割安 トピー工業株式会社7231 トラック用ホイールと建機の足回りで国内首位。ただ利益率は薄く、構造改革が効いても稼ぐ力は資本コストに届かない。今の値段はその実力にほぼ見合う 本質価値との差 +10.5% · 10 年 やや割安(年 +8.2%) 適正 日本精機株式会社7287 車のメーターとHUDの専業。二輪が稼ぎ、四輪は薄利。10月の東洋電装の買収で借金を背負い、払う値段に安全域は薄い 本質価値との差 +9.5% · 10 年 適正(年 +7.7%) 適正 ヨロズ7294 日産依存の足回り部品メーカー。減損で身軽にはなったが、稼ぐ力は資本コストに遠く、10年の中立でも今の値段を大きく超えにくい 本質価値との差 +8.8% · 10 年 適正(年 +8.7%) 適正 株式会社村上開明堂7292 国内首位級の自動車ミラー専業。純現金は時価総額の半分に迫るが、稼ぐ力は10年かけても大きくは伸びず、今の値段はやや割高と見る 本質価値との差 +8.3% · 10 年 適正(年 +7.3%) 適正 田中精密工業7218 ホンダのエンジン部品で成り立つ小さな部品会社。電動化と値下げ要請の挟み撃ちで、帳簿の割安さは割り引いて見る 本質価値との差 +7.3% · 10 年 適正(年 +8.2%) 適正 アスカ7227 車体のプレス部品が主力で、ロボットが利益の伸び役。借金が重く、10年の中立でも今の値段をやや下回る 本質価値との差 +6.1% · 10 年 適正(年 +8.2%) 適正 株式会社ハイレックスコーポレーション7279 ケーブルの老舗からドア周りの総合部品会社へ。利益は長く薄いままだが、厚い純現金と保有株が値段を支える。構造改革の成否が分かれ目 本質価値との差 +4.6% · 10 年 適正(年 +8.3%) 適正 株式会社今仙電機製作所7266 ホンダ・マツダ向けのシート機構部品。利益は薄いが時価総額の6割が純現金で、10年の評価は利益率が3%台から動くかで決まる 本質価値との差 +2.6% · 10 年 適正(年 +7.9%) 適正 ヤマハ発動機7272 二輪世界2位・船外機シェア4割を主軸に半導体装置が育つ複合企業。2025年はアウトドア車両の損失で急減益、今の値段は中期計画の実現を先取りしたやや割高な水準 本質価値との差 +1.7% · 10 年 適正(年 +6.9%) 適正 株式会社ムロコーポレーション7264 栃木の精密プレス専業。自己資本の 4 割弱という値段は資産の厚みを映すが、主力の内燃・変速機部品が細る分を電動化部品が補えるかが焦点で、稼ぐ力から見れば値段は妥当かやや高い 本質価値との差 +1.1% · 10 年 適正(年 +7.5%) 適正 プレス工業株式会社7246 トラックのフレームと車軸の専業。電動化でも残る部品で堅実だが、稼ぐ力は資本コストにわずかに届かず、今の値段は割高寄り 本質価値との差 +0.7% · 10 年 適正(年 +6.6%) 適正 株式会社エフ・シー・シー7296 二輪クラッチ世界首位の安定した稼ぎ頭を持つが、四輪クラッチは電動化で縮む。現金は厚いが、稼ぐ力に見合う値段は今よりやや低いと見る 本質価値との差 −0.7% · 10 年 適正(年 +6.4%) 適正 テイン7217 車高調の専業メーカー。純現金があり堅実だが、利益率は戻り切らず、10年の価値は今の値段をやや下回る 本質価値との差 −4.3% · 10 年 適正(年 +6.2%) 適正 カネミツ7208 鋼板製プーリの専業で、現金は厚いが主力は電動化で縮む。ロボット部品などの新しい柱が穴を埋められるかが 10 年の分かれ目 本質価値との差 −4.3% · 10 年 適正(年 +6.9%) 適正 テイ・エス テック株式会社7313 ホンダ向け自動車シートの専業。厚い現金が下値を支えるが、利益率の回復は北米次第で、顧客の偏りが重い 本質価値との差 −5.7% · 10 年 適正(年 +6.2%) 適正 NITTAN6493 エンジンバルブで世界4位。ただ昨期の利益は山の水準で、株式化が見込まれる転換社債も重しになる 本質価値との差 −6.2% · 10 年 適正(年 +6.5%) 適正 カヤバ株式会社7242 緩衝器と建機用油圧の二本柱。規模はあるが値決め力が弱く、利益の振れも大きい。10年の中立でも今の値段を大きく超えにくい 本質価値との差 −6.6% · 10 年 適正(年 +6.5%) 適正 エイケン工業株式会社7265 自動車の補修用フィルターに特化した堅実な会社。純現金も厚いが、電動化で需要が細り、卸大手への依存も高く、値段はやや割高 本質価値との差 −7.2% · 10 年 適正(年 +6.6%) 適正 カーメイト7297 名の通ったカー用品のブランドと厚い現金を持つが、縮む市場と重い本社費で資本は眠ったまま 本質価値との差 −7.8% · 10 年 適正(年 +6.1%) 適正 NOK株式会社7240 オイルシール世界首位級だが、基板が利益の足かせ。現金と持ち合い株が時価の3割近くを支え、事業そのものはやや割高 本質価値との差 −8.6% · 10 年 適正(年 +5.7%) やや割高 ミクニ7247 二輪とインドが支える燃料・吸気部品メーカー。四輪の電動化と借金が重く、中立でも今の時価総額を上回りにくい 本質価値との差 −10.0% · 10 年 やや割高(年 +6.4%) やや割高 盟和産業7284 トヨタ系の内装部品の2次の大手。資産は厚いが利益が薄く、10年の価値は今の値段を下回る 本質価値との差 −12.5% · 10 年 やや割高(年 +6.0%) やや割高 川崎重工業7012 防衛費拡大の脇役に甘んじるが、実際に稼ぐのは二輪とロボット。名目と資本コスト 8.5% で測ると今の値段はやや割高で、潜水艦不正の後始末が振れ幅を左右する 本質価値との差 −13.8% · 10 年 やや割高(年 +6.1%) やや割高 日産車体7222 日産の車を組み立てる専業の子会社。九州の大型 SUV が稼ぐが、湘南の終了と戻りにくい現金を考えると、今の値段は割高 本質価値との差 −14.9% · 10 年 やや割高(年 +5.9%) やや割高 大同メタル工業株式会社7245 エンジン軸受で世界首位。電動化で本業は細るが、データセンター電源と船が穴を埋められるか。今の値段は割高 本質価値との差 −16.0% · 10 年 やや割高(年 +5.8%) やや割高 株式会社エクセディ7278 クラッチとトルクコンバータで世界シェア2割強。稼ぎ頭のATが電動化で縮む中、新事業が穴を埋めきれるかが分かれ目で、今の値段は先を楽に見すぎている 本質価値との差 −17.4% · 10 年 やや割高(年 +4.5%) やや割高 フジオーゼックス7299 エンジンバルブで国内首位級。無借金で稼ぐ力は安定しているが、内燃機関という事業の寿命が重く、10年の中立でも今の値段に届きにくい 本質価値との差 −17.5% · 10 年 やや割高(年 +5.2%) やや割高 シマノ7309 世界的な寡占の自転車部品メーカーだが、特需の反動とシェア防衛の値引きで利益は沈んでおり、今のPER45倍台は急な回復を見込みすぎで、今の値段は割高に見える 本質価値との差 −21.9% · 10 年 やや割高(年 +3.4%) やや割高 三桜工業6584 ブレーキ・燃料の配管で世界2位。だが利益は薄く借金は増えた。データセンター水冷が育たなければ今の値段は重い 本質価値との差 −27.3% · 10 年 やや割高(年 +4.2%) やや割高 TBK7277 トラック・バス用ブレーキの老舗。財務は堅いが稼ぎが薄く、10年の中立でも今の時価総額を超えにくい 本質価値との差 −27.7% · 10 年 やや割高(年 +4.0%) 割高 ジャパンエンジンコーポレーション6016 舶用エンジンの堅い収益源を持つが、いまの利益は新造船の好況の頂点。10年で見ると値段は先を織り込みすぎている 本質価値との差 −33.2% · 10 年 割高(年 +3.2%) 割高 名村造船所7014 受注残は厚いが、いまの利益は造船の好況の頂点。10年で見ると値段は先を織り込みすぎている 本質価値との差 −44.7% · 10 年 割高(年 +1.4%) 割高 小田原機器7314 バスの運賃箱で国内2番手。更新の波で売上は大きく揺れ、利益率は薄い。10年の価値は今の時価総額の半分前後 本質価値との差 −45.8% · 10 年 割高(年 +0.6%) 割高 近畿車輛7122 受注残は売上の約 3 年分あるが営業利益は赤字。見かけの純現金は前受金で、10 年の本質価値は今の時価総額を大きく下回る 本質価値との差 −50.2% · 10 年 割高(年 +0.3%) 割高 阪神内燃機工業6018 内航船のエンジンで上位に立つ小さな会社。無借金で受注残も厚いが、稼ぐ力に対して値段が先走る 本質価値との差 −57.9% · 10 年 割高(年 −2.3%) 割高 曙ブレーキ工業株式会社7238 ブレーキ専業。足元は改善するが、再生ファンドの出口と優先株の重しが残り、10年の価値は今の値段を大きく下回る 本質価値との差 −63.4% · 10 年 割高(年 −2.1%) 割高 ispace9348 月面輸送の先駆けだが、利益が出る前に増資と借入の返済が続く。今の株主に残る価値は小さく、今の値段は大きく割高と見る 本質価値との差 −64.4% · 10 年 割高(年 −1.8%) 割高 リード6982 SUBARU頼みの小さな部品会社。受注は増えるが、借入が重く、赤字の歴史が長い。今の値段は先の回復を織り込みすぎだ 本質価値との差 −76.7% · 10 年 割高(年 −6.0%) 割高 イクヨ7273 樹脂部品の老舗が、貴金属・暗号資産・河西工業株へと手を広げる。本業の稼ぎは薄く、今の値段は事業でなく期待が決めている 本質価値との差 −77.4% · 10 年 割高(年 −6.9%)

ほかの業種も見る(AI 銘柄分析の一覧)→

読んだ資料

  1. 日産自動車の本業は2,928億円の営業赤字、稼ぎ頭は販売金融事業。株価は300円台(LIMO)
  2. 日産自動車(7201)のセグメントごとの売上高・利益等
  3. Nissan reports financial results for fiscal year 2025
  4. 日産、新たな経営再建計画「Re:Nissan」 2027年度までに国内外で7工場を閉鎖 2万人の削減も
  5. 日産、経営再建計画「Re:Nissan」説明会 人員2万人削減、工場数削減などを経て2026年度の黒字化を目指す
  6. 日産・ルノー、出資比率見直し合意 相互15%と声明発表
  7. 日産とホンダ、経営統合の破談発表 EV連携は継続
  8. 日産、1〜6月中国新車販売15%減 日本車3社そろって前年割れ
  9. 日産中国販売が急失速し日本車3社のEV現地化と収益課題が鮮明
  10. 日産、横浜本社ビルを970億円で売却、中間決算は最終赤字2219億円
  11. 鴻海、約1,000億円での日産追浜工場買収が破談

分析日 2026-10-16