株譜
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三菱自動車工業 7211

底にある利益が戻れば今の値段は安いが、利益率の低さと中国勢の追い上げで、戻る確度は高くない

割安
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)578 円7,740 億円10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)345.1 円4,619 億円差 +67.5%
10 年後から見ると 割安 価値 578 円7,740 億円 · 差 +67.5% · 期待の年率 +13.4%
期待の年率リターン(10 年)+13.4%資本コスト比 +4.7 pt
推定の資本コスト8.8%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3%・10 年国債 3%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 8.8% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

三菱自動車は、ASEAN とオフロード車に軸足を置く小さな完成車メーカーだ。年間の販売は約 80 万台で、トヨタの 8 分の 1 にも届かない。筆者の結論は、今の値段は安い側にあるが、その安さは利益が底から戻ることに頼っている、というものだ。10 年で割安と出る。

稼ぎの本拠は ASEAN だ。ピックアップのトライトンと 3 列シートのエクスパンダーが柱で、フィリピンは世界で 3 番目に大きい市場になっている。ただ、その足元に中国の BYD が入り込み、フィリピンのシェアは 1 年で 1.2 ポイント下がった。

もう 1 つの逆風は米国だ。自前の工場を持たないため、2026 年 3 月期は関税で営業利益が 474 億円削られた。営業利益は 755 億円、利益率は 2.6% まで落ちている。

会社は 2029 年度に営業利益 1,600 億円、ROE 10% を掲げる。新型パジェロの投入と、プラットフォームの集約による開発費の圧縮が柱だ。筆者の中立は、台数が 86 万台前後で頭打ちになり、利益率は過去の中央値と同じ 4.6% に落ち着く姿だ。会社の目標には届かない。それでも今の利益は底に近く、戻るだけで見える景色は変わる。

支えは財務の安全性だ。純現金が 807 億円あり、自己資本比率は 38% を保つ。底の年でも、会社が崩れる姿は描きにくい。一方で、日産の持ち株売却を縛る契約が 2026 年 10 月に切れる。再編の材料にはなるが、価値を押し上げるとは限らない。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、三菱自動車は「安く買えたら持てる会社」にすぎない。持ち続けたい事業とは言いにくい。

理由は 3 つある。第 1 に、稼ぐ力が景気と為替に左右される。過去 12 年のうち 3 回、営業利益率が 1% を割った。第 2 に、堀が浅い。値付けの力がなく、中国勢が参入すれば価格で負ける。第 3 に、オーナーの手に残る利益が小さい。投資を続けても、ROE は資本コストを下回る年が多い。

ただ、悪い点ばかりではない。純現金があり、自己資本比率は 38%。深い谷が来ても、財務で潰れる姿は描きにくい。時価総額は自己資本の 0.5 倍で、資産の面から見た安全域はある。

問題は、その安全域が利益で裏づけられていないことだ。底の利益が戻れば安く見えるが、戻らなければ安さは幻になる。会社の 2029 年度の目標が実現すれば、時価総額は今より大きく上がる。ただ、筆者の中立は、台数が足元の会社見通し(86 万台弱)で頭打ちとなり、利益率も過去の中央値にとどまる姿だ。前の計画は台数も利益も届かなかった。10 年後の ROE も資本コストをやや上回る程度にとどまる。

経営は、前計画の台数偏重を反省し、価値に軸を移した。筆者はこの反省を評価する。ただ、実績で証明されるまでは、確度を割り引いて見る。

何で稼ぐ会社か

稼ぎの源は、車を売って得る代金だ。2026 年 3 月期の小売は 79.7 万台で、地域別ではアジアが 25.6 万台と最も多い。北米 16.5 万台、日本 12.2 万台が続き、オセアニア、欧州、中東・中南米が残りを占める。

主力はピックアップのトライトンだ。ASEAN、豪州、中東、中南米で売れ、荷台つきの頑丈な車を求める市場で一定の評価を持つ。MPV のエクスパンダーはインドネシアとフィリピンの家族需要を取り込み、フィリピンでは 2025 年に販売 1 位の車種になった。

日本では軽自動車を日産との合弁で作り、水島で次の世代の軽 EV と軽ガソリン車を共同で出す。欧州ではルノー車をもとにした小型車を売る。北米ではアウトランダーとそのプラグインハイブリッドが中心で、自社工場を持たない。

地域別の損益は、2026 年 3 月期に ASEAN が 229 億円の黒字、日本が 178 億円の黒字、北米が 191 億円の黒字、豪州・ニュージーランドが 75 億円の赤字だった。北米はなお稼ぎ頭だが、1 年で 769 億円から 191 億円へ細った。

同社は大きな金融子会社を持たない。販売金融・中古車・部品などの周辺事業を、1 台あたりの収益を上げる手段として育てる方針だ。

優良さと弱いところ

堀は浅い。三菱自動車の強みは、悪路に強い SUV とピックアップという個性、それに ASEAN の販売網である。規模の経済も、ブランドの値付け力も、トヨタやホンダの水準には遠い。

利益率がそれを示している。営業利益率の最高は 2023 年 3 月期の 7.8% で、赤字の年も 2017 年、2020 年、2021 年と何度もあった。景気や為替の風が変わると、利益は大きく動く。

資本の効率は低い。ROE は直近で 1.1% まで下がり、2015 年 3 月期の 17.9% の面影はない。ここ数年は関税、為替、ASEAN の販売減で稼ぐ力が削られた。

経営の方向は変わりつつある。前の計画は台数を追って豪州の強みを失い、販売店のブランド力も下がったと、加藤隆雄 CEO 自身が認めた。新計画は台数より価値に切り替え、開発する車種を絞り、足りない車種は提携で補う。筆者は、この割り切りを好意的に見る。

それでも、日産・ルノーとの提携、鴻海との EV、北米での日産工場の活用と、頼る相手は多い。独り立ちした強さとは言いにくい。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

三菱自動車の市場は、ASEAN を中心とする新興国の車と、先進国の SUV の 2 つに割れる。世界の新車販売は 2025 年に約 9,980 万台。成長は新興国が担い、先進国は買い替えが中心だ。

ASEAN は主戦場だ。主要国の新車市場は合わせて約 300 万台と見え、三菱はそのうち 8% 前後を持つ。フィリピンだけで 49 万台ほどの市場があり、三菱は 17.6% を握る。ただ、そこへ BYD が 1% から 5.3% まで一気に食い込んだ。価格で戦う中国勢の電気自動車とプラグインハイブリッドが、日本車の牙城を削り始めている。

競合はトヨタ、いすゞ、ホンダ、フォード、そして中国勢だ。ピックアップではトヨタのハイラックス、いすゞのDマックス、フォードのレンジャーが三菱と同じ客を取り合う。

米国は関税が重い。日本から運ぶ車に追加の関税がかかり、現地生産に切り替えるまで利益を削る。三菱は日産の北米工場でピックアップを作る道を選んだが、実を結ぶのは数年先だ。

豪州も課題だ。かつての強みがアジア向けの開発で薄れ、2026 年 3 月期は営業赤字に落ちた。鴻海が作る EV を今年投入して立て直しを図る。

業界の悲観は、中国勢が ASEAN と中東で価格を壊し、日本勢の利益率を数ポイント削るという筋書きだ。楽観は、HEV とピックアップの需要が底堅く、新興国の車の普及が早まる筋書きになる。

資本政策と M&A

資本政策は、守りから攻めへ動き始めた。新ビジョンは 4 年で約 1 兆円の成長投資と、約 1,000 億円規模の株主還元を掲げる。配当は今の水準を 2 期続ける予定で、利益の水準を考えれば無理のない額だ。

大株主は日産(26.7%)と三菱商事(22.2%)。日産は 2024 年に保有株の一部を三菱自動車へ売り、持ち分は 34% から下がった。2026 年 10 月には、主要株主の売却を縛る約束が 10 年の期限を迎える。

この満了で再編の思惑は出たが、2026 年 9 月の報道では、日産は軽の共同開発など協業が再建に要るため出資を当面維持し、三菱商事を含む三菱グループ 3 社も保有を続ける意向とされる。日産・ルノーの提携が薄まっても、三菱自への直接の影響は、欧州向け小型車の供給や軽の共同開発の枠にとどまる。

2025 年 2 月には、ホンダと日産の統合協議が破談になり、三菱を含む 3 社の覚書も解約された。筆者は、日産が自社の立て直しを優先する間、三菱への関与は細っていくとみる。

現金は純額で 807 億円と、時価総額の 17% にあたる。ただ、粗利の薄い事業で、車種の更新に 1 兆円を使う計画の中では、余剰とは言いにくい。

点検済み:起点の 2026/03 は純利益 100 億円の谷で山ではなく、中立の営業利益率 4.6% は過去 12 年の中央値 4.5%(平均 3.5%)と同じで、台数は会社見通しの 86 万台に抑えた(旧は 95 万台)。株数は発行済から自己株を除いた値と一致。関税・中国勢・ASEAN の価格競争はやや悲観・悲観の筋書きと確率(合わせて 45%)で表した。

還元の点検(P4 2026-10-19):開示は「4年で約1,000億円」と「キャッシュ・フロー・財務・業績を見て安定的に維持」のみで、配当性向の目標は見つからなかった(今期予想の性向53.5%は10円据え置きの結果)。中立の10年の還元4,000億円は、4年で1,000億円とその後6年を純利益の約5割(今期予想の性向に近い)に置いた形と同じ水準で、方針の範囲。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

三菱自動車の利益は、いま底にある。米国関税の 474 億円と為替の 374 億円という、一時的な逆風を除けば、営業利益は 1,600 億円近くまで戻る力がある。2026 年 3 月期の四半期の営業利益は 56 億円、117 億円、143 億円、439 億円と、年度の終わりへ向けて立ち上がってきた。

新型パジェロとデスティネーターなど、新型車が立ち上がる。13 車種を 6 年で出す計画の中身は、ASEAN とオフロードという自社の得意分野に集中しており、散らばっていない。プラットフォームを 5 つから 3 つに絞り、開発期間を 45 か月から 36 か月に縮めれば、固定費の負担は確実に軽くなる。

ASEAN の新車市場は人口の増加と所得の上昇で、10 年かけて広がる。三菱はフィリピン、ベトナム、日本を重点に据え、ここで 1 台あたりの利益を上げる。純現金が厚いので、投資を続けながら配当も出せる。

日産の売却制限が 2026 年 10 月に切れる。ホンダや鴻海のような資本の相手が出れば、規模の弱さが解消し、再評価が進む。利益が 2029 年度に目標どおり立ち上がれば、時価総額は今の 2 倍にも届く。

慎重な見方

利益の回復を信じるには、材料が足りない。2026 年 3 月期の営業利益率は 2.6%、ROE は 1.1% で、資本コストの 8.75% には遠く及ばない。会社が描く 2029 年度の 1,600 億円は、過去の計画が何度も未達に終わった実績の上に立つ。前の計画も台数と利益の両方で届かなかった。

ASEAN は三菱の稼ぎの中心だが、中国勢が最も激しく攻める市場でもある。フィリピンでは BYD が 1 年で 5.3% を取った。価格を下げて対抗すれば、利益率は 1 台ごとに削られる。ピックアップでも、トヨタ、いすゞ、フォードに加えて、中国勢の新型が来る。

米国の関税は、自前の工場がない三菱にとって構造的な弱点で、日産の工場に頼る解決は数年先になる。豪州も赤字に落ちた。中東の情勢は 2027 年 3 月期の利益を 300 億円削る。

さらに、頼る相手が多すぎる。日産とルノー、鴻海、そして北米の日産工場に依存し、いずれも相手の事情に左右される。日産自身が再建中で、三菱を支える余裕は小さい。売却制限の満了は再編の材料でもあるが、買い手がつく保証はなく、持ち分の売却が株価の重しになる恐れもある。

どちらに重みを置いたか

強気の指摘は的を射ているが、利益の立ち上がりを数字で裏づけるには、実績が足りない。慎重な指摘のほうが重い。ROE が資本コストを下回る年が続き、ASEAN での BYD の追い上げは足元の事実だからだ。

そのため、確率は中立と悲観に寄せた。それでも、底に近い今の利益が戻るだけで、総合では割安と出る。10 年はやや悲観を 29%、悲観を 16% と厚くした。台数も、2020 年度以降の 6 年が 74〜84 万台に収まっており、中立は会社見通しの水準を保つ置き方にとどめた。ただ、純現金と自己資本比率の厚みがあるので、悲観でも会社が崩れる筋書きにはしていない。

10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)

確率で加重した株価時価総額 976 円1.31 兆円(+ 配当配当と自社株買いの合計 238 円3,184 億円)。 今の値に割り戻すと 578 円7,740 億円、今との差 +67.5%、 期待の年率 +13.4%(資本コスト 8.8%)→ 割安

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 6% 2,351 円3.15 兆円 486 円6,500 億円 +722.0% +23.4% 170 円2,278 億円
やや楽観 17% 1,749 円2.34 兆円 381 円5,100 億円 +517.1% +20.0% 362 円4,846 億円
中立 32% 1,235 円1.65 兆円 299 円4,000 億円 +344.6% +16.1% 491 円6,572 億円
やや悲観 29% 379 円5,074 億円 142 円1,900 億円 +51.0% +4.2% 151 円2,022 億円
悲観 16% 202 円2,706 億円 45 円600 億円 −28.4% −3.3% 40 円529 億円
加重平均100% 976 円1.31 兆円238 円3,184 億円 +251.7% +13.4% 1,214 円1.62 兆円

今の株価時価総額 345 円4,619 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.8% を下回るほど割高。

楽観 6% ASEAN で中国勢をしのぎ、価値重視が成功する 利益 2,340 億円 · PER 13.5 倍 · 株価時価総額 2,351 円3.15 兆円

ASEAN の市場は 400 万台近くへ広がり、三菱はピックアップと MPV の強みを守って 9% の持ち分を維持する。世界の小売は 104 万台と、直近 6 年の最高を大きく超える。新型パジェロからの小型 SUV まで広がるシリーズが、ブランドの価値を引き上げる。

HEV と PHEV の自社開発が当たり、プラットフォームの集約で固定費の重さも消える。営業利益は 3,300 億円弱、利益率は 6% を超え、会社が 2030 年代前半に掲げる 2,000〜2,500 億円を上回る。日産や鴻海などとの提携も生き、規模の弱さを補う。

筆者は、この筋書きの鍵を固定費に見る。13 車種を 6 年で出し、プラットフォームを 3 つに絞る計画が、台数が増えても人も設備も増えない構造を作る。それが利益率を 6% 台へ押し上げる。

  • 先進国(北米・日本・欧州):数量 38.0(小売販売台数(万台))× 価格 560(平均販売単価(万円/台、名目))→ 売上 21,280 億円・営業利益 1,383 億円。営業利益率 6.5%
  • 新興国・豪州・中東(アジア・オセアニア・その他):数量 66.0(小売販売台数(万台))× 価格 480(平均販売単価(万円/台、名目))→ 売上 31,680 億円・営業利益 1,901 億円。営業利益率 6.0%

倍率:事業の純利益 2,340 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 15.7% が k 8.75% を上回る。残る割合 0.33(moat=weak)で RONIC 11.1%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 13.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.5 倍。全体の PER 13.45 倍、時価総額 31,473 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:新型車の当たり、関税の緩和、ASEAN での中国勢の抑え込みが同時に要る。台数 104 万台は、直近 6 年の最高(約 84 万台)を 2 割超える水準で、前の計画が未達だった実績から 6% にとどめた。

やや楽観 17% 新ビジョンの 2030 年代前半の目標に届く 利益 1,820 億円 · PER 12.9 倍 · 株価時価総額 1,749 円2.34 兆円

ASEAN の市場の広がりに乗って台数を 96 万台まで伸ばし、ピックアップでは中国勢にシェアを少し譲りつつ、単価は物価並みに上げる。北米はピックアップの現地生産で関税の負担が軽くなり、日本では軽 EV が堅調に売れる。

営業利益は 2,500 億円ほど、利益率は 5.3% で、会社の目標に近い。ROE は 13% と資本コストを上回り、株主還元も増える。ただ、ブランドの価値が大きく高まるところまでは行かない。

豪州では鴻海が作る EV が補完の役に立ち、赤字の地域が黒字に戻る。HEV と PHEV の自社開発も一定の成果を出し、規制が厳しい欧州や日本で値付けを守れる。会社の新ビジョンが、ほぼ描いたとおりに実る姿だ。

  • 先進国(北米・日本・欧州):数量 36.0(小売販売台数(万台))× 価格 545(平均販売単価(万円/台、名目))→ 売上 19,620 億円・営業利益 1,118 億円。営業利益率 5.7%
  • 新興国・豪州・中東(アジア・オセアニア・その他):数量 60.0(小売販売台数(万台))× 価格 465(平均販売単価(万円/台、名目))→ 売上 27,900 億円・営業利益 1,423 億円。営業利益率 5.1%

倍率:事業の純利益 1,820 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 13.3% が k 8.75% を上回る。残る割合 0.33(moat=weak)で RONIC 10.3%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 12.9 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.9 倍。全体の PER 12.86 倍、時価総額 23,405 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:2030 年代前半の目標(営業利益 2,000〜2,500 億円)に届く筋書き。台数 96 万台は、直近 6 年のどの年も超えていない水準で、成功すれば自然な姿だが、未達の実績から 17% にとどめた。

中立 32% 台数は足元の見通しの水準を保ち、利益率は 4% 台半ばで落ち着く 利益 1,360 億円 · PER 12.2 倍 · 株価時価総額 1,235 円1.65 兆円

最も重みを置く筋書き。回復の方向と ASEAN の市場の伸びは認めつつ、中国勢の価格圧力と台数の頭打ちで、会社目標には届かないとみた。

世界販売は 86 万台前後で、2027 年 3 月期の会社見通し(85.7 万台)を保つ姿だ。2020 年度以降の 6 年は 74〜84 万台で動いており、これより一段高い。ASEAN の市場は 400 万台近くへ広がるが、三菱は BYD などに取られて持ち分を 8% 弱へ下げ、アジアの小売は 25.6 万台から 30 万台ほどにとどまる。北米は日産の工場でのピックアップが立ち上がり、日本は軽の共同開発が支える。

営業利益は 1,900 億円、利益率は 4.6% と、過去 12 年の中央値(4.5%)と会社が 2029 年度に掲げる水準に並ぶ。会社の 2030 年代前半の目標(5.5% 以上)には届かない。HEV・PHEV と提携車で車種はそろい、ROE は 11% 近くになる。単価は物価並みに上がるが、それ以上の値付けの力は持たない。

日産は持ち分を保ち、三菱商事も安定した大株主として残る。配当と自社株買いは利益の 6 割弱で、自己資本はゆっくり積み上がる。

  • 先進国(北米・日本・欧州):数量 33.5(小売販売台数(万台))× 価格 534(平均販売単価(万円/台、名目))→ 売上 17,876 億円・営業利益 894 億円。営業利益率 5.0%(北米は関税が残り、日本は軽が支える)
  • 新興国・豪州・中東(アジア・オセアニア・その他):数量 53.0(小売販売台数(万台))× 価格 454(平均販売単価(万円/台、名目))→ 売上 24,078 億円・営業利益 1,035 億円。営業利益率 4.3%

倍率:事業の純利益 1,360 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 10.9% が k 8.75% を上回る。残る割合 0.33(moat=weak)で RONIC 9.5%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 12.2 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.2 倍。全体の PER 12.16 倍、時価総額 16,538 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:台数は 2027 年 3 月期の会社見通し(85.7 万台)の水準を保つ姿で、10 年を通した最頻の筋書き。利益率は過去 12 年の中央値と、会社が 2029 年度に掲げる 4.5% に並べた。

やや悲観 29% 中国勢の価格攻勢で、新興国の単価が実質で下がる 利益 590 億円 · PER 8.6 倍 · 株価時価総額 379 円5,074 億円

BYD をはじめとする中国勢が、ASEAN と中東で価格を壊す。ピックアップと MPV の単価は物価に追いつかず、実質で 1 割近く下がり、台数も落ちる。三菱は台数を守るため値引きに付き合い、利益率が 2% 台まで下がる。

北米では関税が長引き、日産の工場でのピックアップも期待に届かない。世界販売は 77 万台前後と今より縮み、営業利益は 900 億円弱、ROE は 5% 台にとどまる。それでも純現金と自己資本の厚みで配当は守る。

筆者は、この筋書きがもっとも起こりやすい悪い姿だと見る。ASEAN の中国勢は電気自動車の価格を年ごとに下げ、日本車の値付けの力を削る。会社の努力が追いつかず、利益率が伸びない 10 年になる。

  • 先進国(北米・日本・欧州):数量 31.0(小売販売台数(万台))× 価格 515(平均販売単価(万円/台、名目))→ 売上 15,965 億円・営業利益 479 億円。営業利益率 3.0%
  • 新興国・豪州・中東(アジア・オセアニア・その他):数量 46.0(小売販売台数(万台))× 価格 420(平均販売単価(万円/台、名目))→ 売上 19,320 億円・営業利益 386 億円。営業利益率 2.0%

倍率:事業の ROE 5.5% は k 8.8% 以下なので、伸びても価値は増えず、正当化 PER の上限は 1÷k = 11.4 倍。規模が小さく ASEAN に偏り、為替・関税で利益が振れる。上限の 7.5 割の 8.6 倍に置いた。

確率:ASEAN の中国勢の値下げはすでに進み(フィリピンで BYD が 1 年で 1% から 5.3%、2026 年 4〜6 月期の ASEAN 販売は 7% 減)、台数が 77 万台に縮み単価も実質で下がる姿は、起こりやすい。約 3 割を置く。

悲観 16% 構造的に負け、優良ではなくなる 利益 40 億円 · PBR 0.3 倍 · 株価時価総額 202 円2,706 億円

中国勢が ASEAN と中東で支配的になり、三菱は規模の小ささから値下げに耐えられない。ピックアップの優位は崩れ、新型車への投資も回収できず、工場の稼働率が下がって固定費が重くなる。

小売は 62 万台まで縮む。度重なる減損と構造改革の費用で自己資本は 8,200 億円まで減り、営業利益は損益ぎりぎりの水準になる。配当は大きく削られ、日産などとの再編の話も、買い手に有利な条件で進む。

配当は手元の現金と保有資産の売却で払うが、純利益の合計を上回る還元になる。この姿では、三菱は ASEAN の強みを失い、他社の傘下に入るか、小さな専業として生き残る選択を迫られる。

  • 先進国(北米・日本・欧州):数量 24.0(小売販売台数(万台))× 価格 480(平均販売単価(万円/台、名目))→ 売上 11,520 億円・営業利益 115 億円。営業利益率 1.0%
  • 新興国・豪州・中東(アジア・オセアニア・その他):数量 38.0(小売販売台数(万台))× 価格 380(平均販売単価(万円/台、名目))→ 売上 14,440 億円・営業利益 0 億円。営業利益率 0%

倍率:純利益 40 億円の稼ぐ力は約 470 億円にとどまる。ASEAN の強みも失った姿で、純現金 807 億円に、ASEAN の工場・販売会社の売却と保有株・遊休地を税引き後に足した 2,700 億円を床とし、床と同じ 2,706 億円(今の自己資本の約 0.29 倍)に置いた。(2026-10-22 の式の直しで機械で置き直し、今は PBR 0.33 倍・時価総額 2,706 億円。上の倍率は置き直す前の値)

確率:10 年のうちに中国勢のコスト優位と提携先の方針転換が重なり、独立した完成車メーカーとして成り立たなくなる筋書き。過去 12 年に赤字は 4 期あり、16% を置く。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。

先進国(北米・日本・欧州)

アウトランダー、軽自動車、欧州向けの小型車など。北米は輸入、日本は日産との合弁の軽が柱になる。

数量小売販売台数(万台)価格平均販売単価(万円/台、名目)売上営業利益
今 2026/03 32.9 398 13,100 440
10 年後 中立 33.5 534 17,876 894

取り方:2026 年 3 月期の小売は北米 16.5 万・日本 12.2 万・欧州 4.2 万台で計 32.9 万台。売上は地域別の開示が無いので、北米を単価 480 万円前後、日本 240 万円前後、欧州 350 万円前後と推定し、全社の売上 2 兆 8,965 億円に合うよう按分して 1 兆 3,100 億円とした(単価は推定で約 398 万円)。営業利益は地域別開示の北米 191 億・日本 178 億・欧州 71 億の合計 440 億円。単価は物価並みに上がるのが基本(3 年 1.09 倍・10 年 1.34 倍)。台数は実質。

新興国・豪州・中東(アジア・オセアニア・その他)

トライトン、エクスパンダー、パジェロスポーツなど。ASEAN が主力で、豪州・中東・中南米へもピックアップを輸出する。

数量小売販売台数(万台)価格平均販売単価(万円/台、名目)売上営業利益
今 2026/03 46.8 339 15,865 315
10 年後 中立 53.0 454 24,078 1,035

取り方:2026 年 3 月期の小売はアジア 25.6 万・オセアニア 7.1 万・その他 14.1 万台で計 46.8 万台。売上は上の先進国との残りで 1 兆 5,865 億円(単価は推定で約 339 万円。部品・KD 輸出・他社向け供給などの売上を含む)。営業利益は地域別開示の ASEAN 229 億・豪州ニュージーランド -75 億と、中南米・中東・その他と調整の 161 億(残り)で、合計して全社の 755 億円に合わせた 315 億円。ASEAN の市場は主要国で約 300 万台と見え、三菱のシェアは 8% 前後。フィリピンは 8.7 万台で市場約 49 万台の 17.6%。台数は実質、単価は名目。

リスクと懸念

BYD など中国勢の ASEAN 攻勢

フィリピンでは BYD が 2025 年に 1% から 5.3% へ一気に伸び、三菱のシェアは 18.8% から 17.6% に下がった。三菱の稼ぎの中心は ASEAN だから、中国勢が価格を下げて攻めれば、台数だけでなく 1 台あたりの利益が削られる。ピックアップにも新型が出れば、いまの強みが薄れる。

米国関税と自前工場の不在

2026 年 3 月期は関税が営業利益を 474 億円削った。三菱は米国に自前の工場がなく、車をすべて運び込む。日産の北米工場でピックアップを作る計画はあるが、立ち上がるのは数年先で、その間の負担は続く。関税が下がらなければ、北米の黒字は一段と細る。

新計画の未達

前の計画は台数も利益も当初の目標に届かなかった。新計画は 2029 年度に営業利益 1,600 億円を掲げるが、現在の 755 億円から倍以上の水準で、新型車の売れ行きに頼る部分が大きい。パジェロや 13 車種が思った以上に売れなければ、計画は崩れる。

提携先への依存

軽自動車は日産との合弁、欧州の小型車はルノーの車、EV は鴻海、北米のピックアップは日産の工場と、足りない部分を提携先に頼る。相手の事情で供給や開発が止まれば、自力で補う手段が乏しい。日産は自身の再建で手一杯だ。

中東情勢と為替

2027 年 3 月期の会社予想には、中東の影響として約 300 億円の減益が含まれる。為替は 2026 年 3 月期に 374 億円の悪化で、特にタイバーツが効いた。ASEAN 通貨の変動は、円換算の利益を直接動かす。

豪州の立て直し

豪州・ニュージーランドは、2026 年 3 月期に 252 億円の黒字から 75 億円の赤字へ落ちた。会社自身が、アジア向けの開発に偏って豪州で弱ったと認める。鴻海が作る EV の投入で立て直す計画だが、成功の保証はない。

日産の売却と株価への影響

日産・三菱商事らの売却制限は 2026 年 10 月に切れる。報道では日産・三菱商事とも当面は保有を続ける意向だが、日産は自社の再建中で、方針が変われば需給の重しになる恐れがある。逆に、新しい資本の相手が現れれば再評価の材料にもなる。

今後の分かれ目

BYD など中国勢が ASEAN のシェアをさらに奪ったら
10 年のやや悲観・悲観の確率を上げる。新興国の単価と利益率の前提を下げる。
米国の関税が下がる、または日産の北米工場でのピックアップ生産が前倒しで始まったら
北米の利益が戻る道が開く。10 年の中立と楽観の営業利益を引き上げる。
新型パジェロとデスティネーターが計画を超えて売れたら
会社の 2029 年度目標が現実味を帯びる。やや楽観・楽観の確率を上げる。
日産が三菱自動車の保有株を大きく売る、または新しい資本の相手が決まったら
需給の悪化と再評価のどちらにも動く。新しい相手の規模と、供給や開発の条件を見て判断する。
2027 年 3 月期の営業利益が 900 億円を大きく割り込んだら
回復の遅れを重く見て、10 年の中立の利益を下げ、悲観の確率を厚くする。
豪州で鴻海の EV が立ち上がり、赤字から脱したら
豪州の黒字化で新興国セグメントの利益率の前提を引き上げる。
世界不況で販売が 3 割以上落ちたら
悲観の筋書きに入る。純現金と自己資本比率で耐えられる期間を確認する。

見ておくもの

  • 四半期ごとの ASEAN の販売台数とフィリピンのシェア
  • 米国関税の税率と北米の営業利益
  • 新型パジェロの受注と立ち上がり
  • 日産・三菱商事の持ち株の動き(売却制限の満了後)
  • 会社予想の営業利益 900 億円の進み具合

倍率と資本コストの決め方

セグメントごとの台数×単価で10年の売上と利益を積み、その時点の ROE・資本コスト・成長から倍率を決めた。資本コストは基本7.5%に quality +1.25%(循環+0.5・値決め+0.25・寿命+0.5)を足した8.75%。倍率は利益ベースの正当化PERの上限(ROE が k を上回る筋書きは RONIC から、下回る筋書きは1÷k)の、楽観8.8割・やや楽観・中立8.5割、やや悲観7.5割に置いた。悲観は純現金に ASEAN の工場・販売会社と保有株の売却を税引き後に足した 2,700 億円を床にし、今の自己資本に掛けた。過去の PBR は使っていない。今の値段は最後に比べただけで、筋書きは今の値段から作っていない。中立の台数は、会社見通し(2027 年 3 月期 85.7 万台)を保つ 86 万台で、直近 6 年の 74〜84 万台より一段高い。結果は10年で約 +48% の割安。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 11.8→13.45 倍・やや楽観 PER 10.9→12.86 倍・中立 PER 10.3→12.16 倍)。

資本コスト 8.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本 7.5% に quality +1.25% を足した 8.75%。ガバナンスや提携先への依存は k に足さず、筋書きと確率で表した。

同じ業種(輸送用機器)の AI 分析

割安 トヨタ自動車7203 世界首位と関税逆風を同時に抱えるが、金融事業の厚みとマルチパスウェイが本質価値を支え、今の値段は割安 本質価値との差 +79.3% · 10 年 割安(年 +12.7%) 割安 マツダ7261 単独で戦う中堅の車メーカー。関税で稼ぐ力は細るが、自己資本の4割弱という値段は低すぎ、割安とみる 本質価値との差 +71.1% · 10 年 割安(年 +13.5%) 割安 スズキ7269 インド事業がシェア4割で稼ぎの柱、二輪も伸びるが中国EV勢の台頭と認証不正の再発が評価を重くし、今の値段はやや割安 本質価値との差 +62.4% · 10 年 割安(年 +11.7%) 割安 河西工業7256 日産に半分を頼る内装部品の大手。直近の利益回復は鮮やかだが、借金が自己資本の3倍近く。株主の取り分は、再建が崩れるかどうかで大きく割れる 本質価値との差 +61.5% · 10 年 割安(年 +14.3%) 割安 モリタホールディングス6455 消防車の国内6割を握り、純現金も厚い堅実な会社。10年で見た本質価値は、今の時価総額を3割半ほど上回る 本質価値との差 +61.3% · 10 年 割安(年 +11.6%) 割安 いすゞ自動車7202 国内トラック首位級とタイのピックアップ王者を併せ持つが、UD統合の実行とタイ・中国EV攻勢が綱引きする局面で、本質価値は今の値段より割安 本質価値との差 +59.7% · 10 年 割安(年 +11.9%) 割安 本田技研工業7267 二輪と金融が稼ぎ四輪を支える構造。EV の戦略転換で初の最終赤字だが、二輪・金融の稼ぐ力から見れば今の値段はやや割安 本質価値との差 +55.6% · 10 年 割安(年 +11.8%) 割安 日本プラスト7291 日産とホンダの2社頼みでハンドルとエアバッグを作る。自己資本の 4 分の 1 の値段だが、利益率の薄さと借入が割引の理由 本質価値との差 +51.9% · 10 年 割安(年 +12.0%) 割安 デイトナ7228 バイク乗りの「あと付け」を企画して卸すファブレスの用品会社。国内の担い手は老いるが、品ぞろえと販売網の厚さで稼ぐ力は残り、中立で今の値段を上回る 本質価値との差 +51.9% · 10 年 割安(年 +11.7%) 割安 東京ラヂエーター製造7235 トラック・建機のラジエーター専業。手元の現金が時価総額の4割に迫り、利益の質に比べて値段が低い会社だ 本質価値との差 +49.8% · 10 年 割安(年 +11.7%) 割安 株式会社ファルテック7215 日産向けに偏る自動車の外装部品会社。利益は薄く先は読みにくいが、時価総額が自己資本の 2 割と低く、10 年の価値はやや上回る 本質価値との差 +47.9% · 10 年 割安(年 +12.1%) 割安 日産自動車7201 自動車事業は本業で赤字、稼ぎ頭は販売金融。Re:Nissanの再建が進めば今の値段はやや割安だが、失敗すれば床も浅い 本質価値との差 +42.2% · 10 年 割安(年 +14.0%) 割安 エフテック7212 ホンダ向けの足回り部品が北米に偏る低採算の会社。借金は時価総額の3倍超で、中立でも利益の薄さは変わりにくい 本質価値との差 +39.3% · 10 年 割安(年 +12.1%) 割安 武蔵精密工業株式会社7220 ホンダ系の駆動部品会社。AI 向けキャパシタの当たり外れで 10 年後の姿が大きく分かれ、今の値段はその当たりを先取りしている 本質価値との差 +37.7% · 10 年 割安(年 +10.4%) 割安 豊田合成株式会社7282 トヨタ系の安全部品大手。エアバッグの伸びは確かだが利益率は最高圏にあり、今の値段は織り込み済みでほぼ適正 本質価値との差 +36.2% · 10 年 割安(年 +9.7%) 割安 ユニプレス株式会社5949 日産向けが約4分の3を占める車体プレスの大手。拠点の整理で身軽になったが、価値は日産の台数しだいで、安全域は厚くない 本質価値との差 +35.6% · 10 年 割安(年 +10.5%) 割安 株式会社アイシン7259 AT(変速機)世界首位級のトヨタ系部品大手。トヨタ株の含み資産が下支えする一方、eAxleへの転換とAT収益化の成否が本質価値を左右する 本質価値との差 +34.6% · 10 年 割安(年 +10.1%) 割安 安永7271 内燃機関の部品で稼ぐ中堅。足元の利益は上振れたが、EV 化と重い借入が先の価値を削る 本質価値との差 +31.7% · 10 年 割安(年 +11.4%) 割安 ウェッズ7551 車のカスタムホイールの老舗卸。時価総額の7割が純現金だが、現金はトヨタ系の親会社の下にあり、価値は妥当圏に落ち着く 本質価値との差 +31.4% · 10 年 割安(年 +10.0%) やや割安 株式会社タチエス7239 日産・三菱・ホンダ向けのシート専業。利益率は回復途上で、顧客の偏りと買収の消化が10年の分かれ目になる 本質価値との差 +28.6% · 10 年 やや割安(年 +10.1%) やや割安 フタバ産業株式会社7241 トヨタ向けボデー・マフラーの部品メーカー。薄利でも今の値段に余裕はなく、EV化で排気系が縮む10年を見て、筆者は割高寄りと見る 本質価値との差 +28.5% · 10 年 やや割安(年 +10.1%) やや割安 トヨタ紡織株式会社3116 トヨタ系の座席・内装の大手。規模は大きいが利益率が薄く、値決め力の弱さと北米の赤字が10年の評価を決める 本質価値との差 +28.2% · 10 年 やや割安(年 +9.9%) やや割安 極東開発工業7226 架装で国内首位級だが、利益率の回復は物価を超えられず、独禁法の傷も残る。本質価値は今の値段をやや上回る 本質価値との差 +28.0% · 10 年 やや割安(年 +9.2%) やや割安 新明和工業7224 防衛と自治体の底堅い需要で稼ぐ力は上がるが、資本コストを大きく超えず、今の値段はほぼ妥当な水準だ 本質価値との差 +26.9% · 10 年 やや割安(年 +9.5%) やや割安 レシップホールディングス7213 バスの運賃箱と行先表示の老舗。新紙幣の特需は終わったが、米国の運賃収受が育ち、中立で今の値段とほぼ同じ 本質価値との差 +26.9% · 10 年 やや割安(年 +9.7%) やや割安 ダイハツインフィニアース6023 船の発電エンジンと保守で稼ぐ堅い会社。ただ今の利益は受注の山にあり、10年で見ると値段は少し先取りしすぎ 本質価値との差 +26.8% · 10 年 やや割安(年 +9.4%) やや割安 株式会社デンソー6902 トヨタ系最大手の車載部品会社。電動化・ADAS半導体で成長を描くが、トヨタ株の巨額保有が下支えする一方、変革の実行速度が今の値段に見合うかが分かれ目 本質価値との差 +26.2% · 10 年 やや割安(年 +9.3%) やや割安 SUBARU7270 米国依存7割と関税が利益を直撃するが、厚い純現金と回復力を踏まえれば10年ではやや割安 本質価値との差 +25.9% · 10 年 やや割安(年 +9.9%) やや割安 GMB7214 補修用の駆動・冷却部品を世界に売る専業。電動ポンプへの切り替えが焦点だが、借入が重く、株主の取り分は薄い 本質価値との差 +25.3% · 10 年 やや割安(年 +10.9%) やや割安 日本車輌製造7102 JR東海の子会社として新幹線を造る堅い受注残があるが、利益は一時要因で膨らんでおり、10 年の本質価値は今の値段をやや下回る 本質価値との差 +25.1% · 10 年 やや割安(年 +9.7%) やや割安 株式会社ティラド7236 熱を逃がす部品の専業。利益率は歴史的な高さにあり、定着するかが分かれ目。今の値段はほぼ妥当 本質価値との差 +21.5% · 10 年 やや割安(年 +9.5%) やや割安 内海造船7018 防衛とフェリーの造船所。今は好況の頂点で、積み上がる現金の使い道が焦点 本質価値との差 +14.9% · 10 年 やや割安(年 +9.1%) やや割安 株式会社東海理化電機製作所6995 スイッチ・シートベルトのトヨタ系部品会社。純現金は厚いが、車内の操作が画面に移れば主力が細る。稼ぐ力は資本コストにわずかに届かない 本質価値との差 +14.2% · 10 年 やや割安(年 +8.4%) やや割安 ユニバンス7254 駆動系ユニットの専業。日産・フォード・ホンダの3社に頼り、利益は円安で嵩上げされている。厚い現金が下支えするが、10年の中立は今の値段並み 本質価値との差 +13.6% · 10 年 やや割安(年 +8.7%) やや割安 ナンシン7399 キャスターと台車の老舗。時価総額とほぼ同じ現金を持つが、本業の利益率は2%台に沈み、現金も株主に戻らない。値段はおおむね見合っている 本質価値との差 +12.8% · 10 年 やや割安(年 +8.3%) やや割安 ニッキ6042 芝刈り機のエンジン部品とガスの燃料装置の会社。本業は電動化で細り、工場用地の賃料が支え。やや割高 本質価値との差 +12.4% · 10 年 やや割安(年 +8.4%) やや割安 株式会社エッチ・ケー・エス7219 車好きに愛されるチューニングパーツの老舗。ブランドと手元資金は本物だが、電動化で市場が縮み、利益が薄く、値段はやや割高寄り 本質価値との差 +11.1% · 10 年 やや割安(年 +8.2%) やや割安 愛三工業株式会社7283 車の燃料ポンプで世界首位級の部品会社。エンジン車の縮小と、トヨタ頼みの値決めの弱さが10年の重しになる 本質価値との差 +10.8% · 10 年 やや割安(年 +8.2%) やや割安 トピー工業株式会社7231 トラック用ホイールと建機の足回りで国内首位。ただ利益率は薄く、構造改革が効いても稼ぐ力は資本コストに届かない。今の値段はその実力にほぼ見合う 本質価値との差 +10.5% · 10 年 やや割安(年 +8.2%) 適正 日本精機株式会社7287 車のメーターとHUDの専業。二輪が稼ぎ、四輪は薄利。10月の東洋電装の買収で借金を背負い、払う値段に安全域は薄い 本質価値との差 +9.5% · 10 年 適正(年 +7.7%) 適正 ヨロズ7294 日産依存の足回り部品メーカー。減損で身軽にはなったが、稼ぐ力は資本コストに遠く、10年の中立でも今の値段を大きく超えにくい 本質価値との差 +8.8% · 10 年 適正(年 +8.7%) 適正 株式会社村上開明堂7292 国内首位級の自動車ミラー専業。純現金は時価総額の半分に迫るが、稼ぐ力は10年かけても大きくは伸びず、今の値段はやや割高と見る 本質価値との差 +8.3% · 10 年 適正(年 +7.3%) 適正 田中精密工業7218 ホンダのエンジン部品で成り立つ小さな部品会社。電動化と値下げ要請の挟み撃ちで、帳簿の割安さは割り引いて見る 本質価値との差 +7.3% · 10 年 適正(年 +8.2%) 適正 アスカ7227 車体のプレス部品が主力で、ロボットが利益の伸び役。借金が重く、10年の中立でも今の値段をやや下回る 本質価値との差 +6.1% · 10 年 適正(年 +8.2%) 適正 株式会社ハイレックスコーポレーション7279 ケーブルの老舗からドア周りの総合部品会社へ。利益は長く薄いままだが、厚い純現金と保有株が値段を支える。構造改革の成否が分かれ目 本質価値との差 +4.6% · 10 年 適正(年 +8.3%) 適正 株式会社今仙電機製作所7266 ホンダ・マツダ向けのシート機構部品。利益は薄いが時価総額の6割が純現金で、10年の評価は利益率が3%台から動くかで決まる 本質価値との差 +2.6% · 10 年 適正(年 +7.9%) 適正 ヤマハ発動機7272 二輪世界2位・船外機シェア4割を主軸に半導体装置が育つ複合企業。2025年はアウトドア車両の損失で急減益、今の値段は中期計画の実現を先取りしたやや割高な水準 本質価値との差 +1.7% · 10 年 適正(年 +6.9%) 適正 株式会社ムロコーポレーション7264 栃木の精密プレス専業。自己資本の 4 割弱という値段は資産の厚みを映すが、主力の内燃・変速機部品が細る分を電動化部品が補えるかが焦点で、稼ぐ力から見れば値段は妥当かやや高い 本質価値との差 +1.1% · 10 年 適正(年 +7.5%) 適正 プレス工業株式会社7246 トラックのフレームと車軸の専業。電動化でも残る部品で堅実だが、稼ぐ力は資本コストにわずかに届かず、今の値段は割高寄り 本質価値との差 +0.7% · 10 年 適正(年 +6.6%) 適正 株式会社エフ・シー・シー7296 二輪クラッチ世界首位の安定した稼ぎ頭を持つが、四輪クラッチは電動化で縮む。現金は厚いが、稼ぐ力に見合う値段は今よりやや低いと見る 本質価値との差 −0.7% · 10 年 適正(年 +6.4%) 適正 テイン7217 車高調の専業メーカー。純現金があり堅実だが、利益率は戻り切らず、10年の価値は今の値段をやや下回る 本質価値との差 −4.3% · 10 年 適正(年 +6.2%) 適正 カネミツ7208 鋼板製プーリの専業で、現金は厚いが主力は電動化で縮む。ロボット部品などの新しい柱が穴を埋められるかが 10 年の分かれ目 本質価値との差 −4.3% · 10 年 適正(年 +6.9%) 適正 テイ・エス テック株式会社7313 ホンダ向け自動車シートの専業。厚い現金が下値を支えるが、利益率の回復は北米次第で、顧客の偏りが重い 本質価値との差 −5.7% · 10 年 適正(年 +6.2%) 適正 NITTAN6493 エンジンバルブで世界4位。ただ昨期の利益は山の水準で、株式化が見込まれる転換社債も重しになる 本質価値との差 −6.2% · 10 年 適正(年 +6.5%) 適正 カヤバ株式会社7242 緩衝器と建機用油圧の二本柱。規模はあるが値決め力が弱く、利益の振れも大きい。10年の中立でも今の値段を大きく超えにくい 本質価値との差 −6.6% · 10 年 適正(年 +6.5%) 適正 エイケン工業株式会社7265 自動車の補修用フィルターに特化した堅実な会社。純現金も厚いが、電動化で需要が細り、卸大手への依存も高く、値段はやや割高 本質価値との差 −7.2% · 10 年 適正(年 +6.6%) 適正 カーメイト7297 名の通ったカー用品のブランドと厚い現金を持つが、縮む市場と重い本社費で資本は眠ったまま 本質価値との差 −7.8% · 10 年 適正(年 +6.1%) 適正 NOK株式会社7240 オイルシール世界首位級だが、基板が利益の足かせ。現金と持ち合い株が時価の3割近くを支え、事業そのものはやや割高 本質価値との差 −8.6% · 10 年 適正(年 +5.7%) やや割高 ミクニ7247 二輪とインドが支える燃料・吸気部品メーカー。四輪の電動化と借金が重く、中立でも今の時価総額を上回りにくい 本質価値との差 −10.0% · 10 年 やや割高(年 +6.4%) やや割高 盟和産業7284 トヨタ系の内装部品の2次の大手。資産は厚いが利益が薄く、10年の価値は今の値段を下回る 本質価値との差 −12.5% · 10 年 やや割高(年 +6.0%) やや割高 川崎重工業7012 防衛費拡大の脇役に甘んじるが、実際に稼ぐのは二輪とロボット。名目と資本コスト 8.5% で測ると今の値段はやや割高で、潜水艦不正の後始末が振れ幅を左右する 本質価値との差 −13.8% · 10 年 やや割高(年 +6.1%) やや割高 日産車体7222 日産の車を組み立てる専業の子会社。九州の大型 SUV が稼ぐが、湘南の終了と戻りにくい現金を考えると、今の値段は割高 本質価値との差 −14.9% · 10 年 やや割高(年 +5.9%) やや割高 大同メタル工業株式会社7245 エンジン軸受で世界首位。電動化で本業は細るが、データセンター電源と船が穴を埋められるか。今の値段は割高 本質価値との差 −16.0% · 10 年 やや割高(年 +5.8%) やや割高 株式会社エクセディ7278 クラッチとトルクコンバータで世界シェア2割強。稼ぎ頭のATが電動化で縮む中、新事業が穴を埋めきれるかが分かれ目で、今の値段は先を楽に見すぎている 本質価値との差 −17.4% · 10 年 やや割高(年 +4.5%) やや割高 フジオーゼックス7299 エンジンバルブで国内首位級。無借金で稼ぐ力は安定しているが、内燃機関という事業の寿命が重く、10年の中立でも今の値段に届きにくい 本質価値との差 −17.5% · 10 年 やや割高(年 +5.2%) やや割高 シマノ7309 世界的な寡占の自転車部品メーカーだが、特需の反動とシェア防衛の値引きで利益は沈んでおり、今のPER45倍台は急な回復を見込みすぎで、今の値段は割高に見える 本質価値との差 −21.9% · 10 年 やや割高(年 +3.4%) やや割高 三桜工業6584 ブレーキ・燃料の配管で世界2位。だが利益は薄く借金は増えた。データセンター水冷が育たなければ今の値段は重い 本質価値との差 −27.3% · 10 年 やや割高(年 +4.2%) やや割高 TBK7277 トラック・バス用ブレーキの老舗。財務は堅いが稼ぎが薄く、10年の中立でも今の時価総額を超えにくい 本質価値との差 −27.7% · 10 年 やや割高(年 +4.0%) 割高 ジャパンエンジンコーポレーション6016 舶用エンジンの堅い収益源を持つが、いまの利益は新造船の好況の頂点。10年で見ると値段は先を織り込みすぎている 本質価値との差 −33.2% · 10 年 割高(年 +3.2%) 割高 名村造船所7014 受注残は厚いが、いまの利益は造船の好況の頂点。10年で見ると値段は先を織り込みすぎている 本質価値との差 −44.7% · 10 年 割高(年 +1.4%) 割高 小田原機器7314 バスの運賃箱で国内2番手。更新の波で売上は大きく揺れ、利益率は薄い。10年の価値は今の時価総額の半分前後 本質価値との差 −45.8% · 10 年 割高(年 +0.6%) 割高 近畿車輛7122 受注残は売上の約 3 年分あるが営業利益は赤字。見かけの純現金は前受金で、10 年の本質価値は今の時価総額を大きく下回る 本質価値との差 −50.2% · 10 年 割高(年 +0.3%) 割高 阪神内燃機工業6018 内航船のエンジンで上位に立つ小さな会社。無借金で受注残も厚いが、稼ぐ力に対して値段が先走る 本質価値との差 −57.9% · 10 年 割高(年 −2.3%) 割高 曙ブレーキ工業株式会社7238 ブレーキ専業。足元は改善するが、再生ファンドの出口と優先株の重しが残り、10年の価値は今の値段を大きく下回る 本質価値との差 −63.4% · 10 年 割高(年 −2.1%) 割高 ispace9348 月面輸送の先駆けだが、利益が出る前に増資と借入の返済が続く。今の株主に残る価値は小さく、今の値段は大きく割高と見る 本質価値との差 −64.4% · 10 年 割高(年 −1.8%) 割高 リード6982 SUBARU頼みの小さな部品会社。受注は増えるが、借入が重く、赤字の歴史が長い。今の値段は先の回復を織り込みすぎだ 本質価値との差 −76.7% · 10 年 割高(年 −6.0%) 割高 イクヨ7273 樹脂部品の老舗が、貴金属・暗号資産・河西工業株へと手を広げる。本業の稼ぎは薄く、今の値段は事業でなく期待が決めている 本質価値との差 −77.4% · 10 年 割高(年 −6.9%)

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読んだ資料

  1. 三菱自動車 2030 年代に向けた新中長期ビジョン(2026/05/29)
  2. 三菱自動車 2026 年 3 月期決算(営業利益 755 億円、2027 年 3 月期 900 億円予想)
  3. 三菱自動車 新中長期ビジョン説明会(Car Watch)

分析日 2026-10-16