株譜
AI 銘柄分析 · 輸送用機器 · 試作

いすゞ自動車 7202

国内トラック首位級とタイのピックアップ王者を併せ持つが、UD統合の実行とタイ・中国EV攻勢が綱引きする局面で、本質価値は今の値段より割安

割安
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)3,353 円2.30 兆円10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)2,099.5 円1.44 兆円差 +59.7%
10 年後から見ると 割安 価値 3,353 円2.30 兆円 · 差 +59.7% · 期待の年率 +11.9%
期待の年率リターン(10 年)+11.9%資本コスト比 +4.4 pt
推定の資本コスト7.5%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3%・10 年国債 3%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 7.5% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

いすゞは、国内トラックの首位級とタイのピックアップ王者を併せ持つ会社である。筆者の結論は、10年で約25%の割安。ただしUDトラックスとの統合の実行と、タイでの中国EV勢の攻勢が綱引きしており、確度は高くない。

国内の普通トラックはシェア42%で首位に立つ。子会社UDトラックスの16%を足すと58%になる。タイでは主力ピックアップ「D-MAX」が市場の5割前後を握る。

2026年5月、いすゞはUDトラックスとの国内販売機能の統合を正式に決め、2027年度中の吸収合併を検討している。統合で2030年度までに400億円超のシナジー、つまり相乗効果を見込み、2028年には大型車の生産をUDの上尾工場へ移す計画だ。

一方でタイ事業は、2024年に高金利と家計債務の増加で販売が最大48%減った。中国メーカーのEVピックアップの参入も重なり、収益の振れが大きい。

国内トラックの台数は、人口減少と物流の効率化で緩やかに縮むとみる。筆者の中立は、UDの統合効果がその縮小を相殺する程度で、営業利益率は会社目標の10%に届かない姿である。それでもROEが資本コストをわずかに上回るため、10年後の時価総額は今の約1.7倍になる。

トヨタとは2021年に資本提携を結び直し、商用車の共同出資会社CJPTに参画した。2026年4月には、燃料電池の小型トラックの共同開発にも合意した(2027年度の量産が目標)。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、いすゞの本質的な価値は国内トラックの寡占的地位とタイのピックアップ王者という2つの堀に支えられたオーナー利益の安定性にある。UDトラックスとの統合が計画通り進めば、国内販売網・開発体制の一体化で固定費が薄まり、オーナー利益は増える可能性が高い。一方でタイ事業は高金利・中国EVピックアップの参入という逆風にさらされ、2024年には販売が半減近くまで落ち込んだ実績があり、収益の予測可能性を下げる要因になっている。経営の資本配分は配当性向40%・機動的な自社株買い・政策保有株の売り出しという一貫した規律を保っており、トヨタとの資本・技術提携(CJPT、燃料電池トラック共同開発)も身の丈に合った協業で資本を壊していない。安全域については、ROEが資本コストとほぼ同水準にとどまる現状では、成長投資そのものが追加の価値を生みにくく、UD統合によるコスト構造改善(再投資の質の向上)が本質的な価値向上の鍵になる。一次審査(業績の予測可能性)ではタイ依存・中国EV勢の攻勢という不確実性があり、安全域は厚めに取るのが妥当である。

何で稼ぐ会社か

いすゞ自動車は、国内(日本)・タイ・その他海外(北米・アジア・中東・アフリカ・欧州)の3地域で商用車とピックアップトラックを生産・販売する輸送用機器メーカーである。2026年3月期の売上構成は日本39.8%・タイ8.1%・その他海外52.1%で、海外(タイ含む)が売上の6割を占める。国内では普通トラック販売シェア42.0%でトップ、子会社UDトラックス(16.0%)と合わせると58.0%に達し、2026年5月に両社の国内販売機能統合を決定、2027年度中の吸収合併に向けた検討も始まった(UDブランドは存続)。タイでは主力ピックアップ「D-MAX」が市場シェア5割前後を握り、タイを拠点に欧州・世界へEVピックアップを輸出する戦略を進める。その他海外では北米(ゼネラルモーターズとの提携でシボレーブランド販売、40年以上の関係)、中東・アフリカ、アジア(ASEAN)向けに中大型トラック・バスを展開する。トヨタとは2021年の資本提携再構築(トヨタがいすゞに428億円出資、約5%)以降、商用車のCASE領域で協業する共同出資会社CJPT(コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ)に参画し、2026年4月には小型BEVトラック「エルフEV」をベースにトヨタの燃料電池システムを搭載する量産FC小型トラックの共同開発に合意した(2027年度生産開始目標、国内初の量産FC小型トラック)。中期経営計画「ISUZU Transformation - Growth to 2030(IX)」では、自動運転・コネクテッドサービス・カーボンニュートラルの3領域を新事業の柱に、2030年度売上高6兆円・営業利益率10%以上を目標としている。

優良さと弱いところ

国内トラックでのシェア首位(いすゞ単体42%、UD統合後58%)とタイでのピックアップ王者という地位が最大の強みで、ディーラー網・部品供給網・修理拠点という切り替えコストが堀になっている。ただしこの堀は規模の経済と現地化に基づくもので、ブランドの価格決定力自体はトヨタの乗用車のような強さはなく、営業利益率は歴史的に6〜9%台で推移し、タイの需要変動(2024年の最大48%減という急落)に収益が振れやすい。ROEは2026年3月期9.1%で資本コストとほぼ同水準にとどまり、超過利益は限定的。自己資本比率40.4%・純有利子負債は時価総額の24.3%と財務は健全な部類だが、UDトラックス統合という大型の組織統合リスクを抱える。経営は配当性向40%・機動的な自社株買いという明確な資本政策を続け、2025年には政策保有株主12社が持ち合いを解消する売り出しも実施しており、資本効率への意識は相応に高い。弱みは中国メーカーのEVピックアップ・EVトラックへの攻勢に対する技術・コストの対抗力が未知数な点、UD統合の実行リスク、タイ依存度の高さである。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

商用車・産業車両の国内市場は2025年の普通トラック販売が75,689台(前年比4.7%増)で3年連続の増加、物流の2024年問題(ドライバーの残業規制)による買い替え様子見から回復し、コロナ前水準に戻った。シェアはいすゞ42.0%・UD16.0%が続く寡占構造で、日野と三菱ふそうは経営統合を決定し、トヨタ(19.9%)とダイムラートラック(26.7%)が出資する持株会社ARCHIONの傘下に入った。これにより国内大型トラックは「ARCHION(日野・ふそう)」対「いすゞ・UD」の2陣営対決という構図に集約される。両陣営とも、トヨタ・ダイムラーが主導するCJPTには共通で参加し、SDV(ソフトウェア定義車)・自動運転・コネクテッドの技術基盤は協調領域として共用が進む。海外ではタイのピックアップ市場が2024年に高金利・家計債務増でいすゞの販売が最大48%減という急落を経験し、中国メーカー(BYD等)がEVピックアップでタイ市場に参入し始め、タイでの日系シェアは2024年に8ポイント低下した。物流自動化(AGV・無人化)需要の拡大、排ガス規制強化・EV・FCトラックへの代替需要が中長期の下支えとなる一方、国内は人口減少・物流効率化で台数が緩やかに縮小する構造的な逆風もある。

資本政策と M&A

配当方針は配当性向(平均)40%を基本に、適正な自己資本水準を意識した機動的な自社株買いを組み合わせる。2026年3月期も前期と同額の配当を継続し、2025年5月には発行済み株式の4.9%(上限500億円)の自社株買いを決議した。同時に日本政策投資銀行など政策保有株主12社が保有株の約4%を売り出し、持ち合い解消が進んでいる。最大の資本イベントはUDトラックスとの統合で、2026年10月から国内販売機能の統合を地域ごとに開始し2027年4月に完了、2027年度中にはUDトラックスを吸収合併する方向で検討が進む(UDブランドは存続)。中期計画では統合により2030年度までに400億円超のシナジーを見込み、2028年にはいすゞの大型車生産をUDの上尾工場へ移管する計画がある。トヨタとは資本提携(トヨタ出資約5%)を維持し、商用車CASE領域の共同出資会社CJPTや燃料電池小型トラックの共同開発で協業する。

点検済み:中立の営業利益率 6.7% は過去 12 年の平均 7.5% より低く、山を置いていない。起点の 2026/03 も平均的な水準。株数は自己株を除いた値と一致。

点検済み(費用点検):セグメント外の費用 334 億円が中立で 350 億円(1.05 倍)なのは、UDトラックス統合の 400 億円超のシナジーを見込むため。営業利益への差は約 3% で割安の判定は動かさない。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

UDトラックスとの統合は国内トラック市場で58%のシェアを持つ最大手連合を生み、2028年には大型車生産をUDの上尾工場に集約することで固定費を圧縮できる。中期計画が見込む400億円超のシナジーは、研究開発・調達・販売網の重複コスト解消から十分に実現可能で、2030年度の売上高6兆円・営業利益率10%以上という目標の実現可能性を高める。タイのピックアップ事業は2024年の急落から既に底を打ちつつあり、いすゞは中国EV勢に対抗してタイでEVピックアップの生産を開始し、欧州輸出を皮切りに世界展開する計画を持つ。ブランド力・ディーラー網・部品供給網という既存の強みを活かせば、EV化の波でも市場シェアを守り切れる可能性が高い。トヨタとの資本・技術提携(CJPT、燃料電池小型トラック共同開発)は、単独では投資しきれない次世代技術への投資負担を分散しながら、2027年度に国内初の量産FC小型トラックを送り出す先行者優位をもたらす。政策保有株の売り出しと自社株買いの継続は資本効率への意識の高さを示し、UD統合が軌道に乗れば、会社目標である営業利益率10%以上は3〜5年のスパンで十分に射程に入る。

慎重な見方

UDトラックスとの統合は国内トラック業界でも類を見ない大型の組織再編で、販売網・開発体制・ブランドの統合には想定以上の時間とコストがかかるリスクが高い。400億円超のシナジーという会社側の見立ては楽観的で、過去の商用車業界の統合(日野と三菱ふそうの経営統合)でも実行の難しさが指摘されている。タイ事業は高金利と家計債務の構造的な重さから需要が本格回復する保証はなく、2024年に販売が最大48%減となった事実は、いすゞの収益がいかにタイ単一市場に振れやすいかを示している。中国メーカーはEVピックアップで価格・性能の両面でキャッチアップを進めており、タイでの日系シェアは既に8ポイント低下した。いすゞが対抗してタイでEVピックアップを投入しても、中国勢の低価格攻勢に対抗できる収益性を確保できるかは不透明である。国内トラック市場自体も人口減少・物流効率化で構造的に縮小が続き、EV・FCトラックへの投資負担(水素・急速充電設備のインフラ未整備含む)が重くのしかかる。ROEが資本コストとほぼ同水準にとどまる現状では、再投資が追加の価値を生みにくく、会社目標の営業利益率10%以上は楽観的なシナリオにとどまる可能性が高い。

どちらに重みを置いたか

UD統合によるコスト構造改善は実行力次第で上振れ余地があるが、タイ事業の構造的な脆さと中国EV勢の攻勢という逆風は無視できない。中立シナリオでは、UD統合のシナジーが徐々に顕在化しつつも会社目標の営業利益率10%には届かないという道半ばの姿を基本に置き、確率はタイの需要回復の不確実性とUD統合の実行リスクを踏まえてやや悲観側に厚めに配分した。

10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)

確率で加重した株価時価総額 5,380 円3.70 兆円(+ 配当配当と自社株買いの合計 1,066 円7,328 億円)。 今の値に割り戻すと 3,353 円2.30 兆円、今との差 +59.7%、 期待の年率 +11.9%(資本コスト 7.5%)→ 割安

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 15% 11,949 円8.21 兆円 1,906 円1.31 兆円 +559.9% +20.8% 2,078 円1.43 兆円
やや楽観 25% 7,406 円5.09 兆円 1,375 円9,450 億円 +318.3% +15.4% 2,195 円1.51 兆円
中立 30% 4,554 円3.13 兆円 1,004 円6,900 億円 +164.7% +10.2% 1,668 円1.15 兆円
やや悲観 20% 1,419 円9,750 億円 495 円3,400 億円 −8.9% −0.9% 383 円2,630 億円
悲観 10% 861 円5,918 億円 364 円2,500 億円 −41.7% −5.2% 122 円842 億円
加重平均100% 5,380 円3.70 兆円1,066 円7,328 億円 +207.0% +11.9% 6,446 円4.43 兆円

今の株価時価総額 2,100 円1.44 兆円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.5% を下回るほど割高。

楽観 15% 楽観:統合完遂とFCトラック先行者優位が結実 利益 4,465 億円 · PER 18.4 倍 · 株価時価総額 11,949 円8.21 兆円

UDトラックスとの統合が完全に軌道に乗り、2028年の大型車生産のUD上尾工場への集約を経て、国内商用車の開発・生産・販売が一体化し固定費構造が大きく改善する。国内トラック市場では人口減少・物流効率化で台数は緩やかに縮小するものの、いすゞ・UD連合のシェア拡大がこれを打ち消し、EV・FCトラックへの置き換えが進むことで単価は実質でも上昇する。トヨタと共同開発した燃料電池小型トラックはコンビニ・スーパー向け高稼働路線で普及が進み、国内初の量産FC小型トラックという先行者優位が収益に結実する。タイでは高付加価値のEVピックアップが中国勢との競争に打ち勝ち、タイを拠点とする欧州・世界への輸出が本格的な収益源に育つ。北米・中東・アフリカでは物流投資の拡大・自動化需要の取り込みが続き、中期計画が掲げた2030年度売上高6兆円・営業利益率10%以上という目標を上回る水準に到達する10年になる。

  • 国内トラック・バス:数量 9.9(国内販売台数(万台、いすゞ・UD トラックス統合後の合算))× 価格 2,138(1台あたり単価(万円。車両本体+部品・サービス込みの混合単価))→ 売上 21,168 億円・営業利益 2,434 億円。営業利益率11.5%
  • タイ(ピックアップ):数量 9.0(タイ向けLCV販売台数(万台))× 価格 611(1台あたり単価(万円))→ 売上 5,497 億円・営業利益 467 億円。営業利益率8.5%
  • その他海外:数量 58.0(海外CV+LCV輸出販売台数(万台、日本・タイを除く))× 価格 652(1台あたり単価(万円))→ 売上 37,820 億円・営業利益 3,593 億円。営業利益率9.5%

倍率:事業の純利益 4,465 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 14.9% が k 7.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 11.2%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 18.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 18.4 倍。全体の PER 18.39 倍、時価総額 82,115 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:UD統合の完遂・FCトラック普及・タイでのEV勝利がすべて揃う必要があり頻度は高くないが、トヨタとの技術協業の進捗を踏まえれば十分にあり得る上振れ。

やや楽観 25% やや楽観:統合シナジーは着実に積み上がる 利益 3,074 億円 · PER 16.5 倍 · 株価時価総額 7,406 円5.09 兆円

UDトラックスとの統合シナジーは着実に積み上がり、国内商用車事業の固定費構造は改善する。国内トラック市場は人口減少・物流効率化で緩やかに縮小するが、いすゞ・UD連合のシェアがこれを部分的に相殺する。タイのEVピックアップは中国勢との価格競争にさらされながらも一定の存在感を保ち、北米・中東・アフリカの物流投資の拡大・自動化需要の取り込みが収益の軸になる。トヨタと共同開発した燃料電池小型トラックは普及が徐々に進むが、水素インフラ整備の遅れから会社目標の営業利益率10%以上にはわずかに届かない水準で安定する、UD統合の効果と市場縮小がおおむね相殺し合う10年になる。

  • 国内トラック・バス:数量 9.5(国内販売台数(万台、いすゞ・UD トラックス統合後の合算))× 価格 2,078(1台あたり単価(万円。車両本体+部品・サービス込みの混合単価))→ 売上 19,741 億円・営業利益 1,974 億円。営業利益率10.0%
  • タイ(ピックアップ):数量 7.8(タイ向けLCV販売台数(万台))× 価格 564(1台あたり単価(万円))→ 売上 4,398 億円・営業利益 286 億円。営業利益率6.5%
  • その他海外:数量 50.0(海外CV+LCV輸出販売台数(万台、日本・タイを除く))× 価格 633(1台あたり単価(万円))→ 売上 31,673 億円・営業利益 2,597 億円。営業利益率8.2%

倍率:事業の純利益 3,074 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 11.5% が k 7.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 9.5%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 16.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 16.5 倍。全体の PER 16.53 倍、時価総額 50,820 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:UD統合が完了し一定のシナジーを積み上げる姿は、現時点の統合計画の進捗を踏まえれば十分にあり得る。

中立 30% 中立:統合効果を市場縮小が相当程度相殺 利益 2,059 億円 · PER 14.6 倍 · 株価時価総額 4,554 円3.13 兆円

UDトラックスとの統合は完了し一定のシナジーは実現するが、国内トラック市場の構造的な縮小(人口減少・物流効率化)がその効果を相当程度相殺する。タイのピックアップ事業は中国EV勢との価格競争が常態化し、単価の実質的な上昇は物価の伸びに届かない。北米・中東・アフリカでは物流投資・自動化需要の拡大が緩やかに収益を支えるが、関税政策や地政学リスクが業績のブレ要因として残る。燃料電池小型トラックの普及はコンビニ・スーパー向けの一部路線にとどまり、会社目標の営業利益率10%以上には届かない。ROEは資本コストとほぼ同水準で推移し、超過の利益は限られたまま商用車の寡占的な地位を守る巡航速度の10年になる。

  • 国内トラック・バス:数量 8.9(国内販売台数(万台、いすゞ・UD トラックス統合後の合算))× 価格 2,018(1台あたり単価(万円。車両本体+部品・サービス込みの混合単価))→ 売上 17,958 億円・営業利益 1,526 億円。営業利益率8.5%
  • タイ(ピックアップ):数量 6.8(タイ向けLCV販売台数(万台))× 価格 517(1台あたり単価(万円))→ 売上 3,514 億円・営業利益 158 億円。営業利益率4.5%。中国勢との価格競争で単価は物価の伸び未満
  • その他海外:数量 45.0(海外CV+LCV輸出販売台数(万台、日本・タイを除く))× 価格 615(1台あたり単価(万円))→ 売上 27,668 億円・営業利益 1,937 億円。営業利益率7.0%

倍率:事業の純利益 2,059 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 8.9% が k 7.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.2%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.6 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.6 倍。全体の PER 14.61 倍、時価総額 30,086 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:UD統合の完了とタイの価格競争常態化、国内市場の構造的な縮小が重なるという、業界ノートの中立の見通しに沿う最も重みを置く筋書き。

やや悲観 20% やや悲観:統合効果が限定的で縮小が優勢 利益 678 億円 · PER 9.4 倍 · 株価時価総額 1,419 円9,750 億円

UDトラックスとの統合効果は限定的で、重複コストの解消が計画通り進まない。国内トラック市場は人口減少・物流効率化で構造的に縮小が続き、いすゞ・UD連合のシェア拡大でも台数の減少を補えない。タイでは中国EVピックアップがシェアを奪い続け、価格競争で単価は実質的に下落する。北米・中東・アフリカでも中国メーカーの商用車輸出攻勢が強まり、物流投資の取り込みが鈍る。燃料電池小型トラックの普及も水素インフラの整備が追いつかず広がらない。収益性の低下が続き、資本コストを下回るROEが定着し、配当は維持するものの自社株買いはほぼ止まる10年になる。

  • 国内トラック・バス:数量 8.3(国内販売台数(万台、いすゞ・UD トラックス統合後の合算))× 価格 1,882(1台あたり単価(万円。車両本体+部品・サービス込みの混合単価))→ 売上 15,622 億円・営業利益 859 億円。営業利益率5.5%
  • タイ(ピックアップ):数量 5.2(タイ向けLCV販売台数(万台))× 価格 446(1台あたり単価(万円))→ 売上 2,321 億円・営業利益 23 億円。営業利益率1.0%
  • その他海外:数量 36.0(海外CV+LCV輸出販売台数(万台、日本・タイを除く))× 価格 536(1台あたり単価(万円))→ 売上 19,283 億円・営業利益 868 億円。営業利益率4.5%

倍率:事業の ROE 3.2% は k 7.5% 以下なので、伸びても価値は増えず、正当化 PER の上限は 1÷k = 12.5 倍。国内トラックの縮小とタイの価格競争、景気による商用車需要の振れがあるので、上限の 7.5 割の 9.4 倍に置いた。

確率:UD統合の重複コスト解消が計画通り進まず、中国勢のシェア侵食が続くという、業界ノートの構造的な逆風をより強く見た筋書き。

悲観 10% 悲観:中国勢にアジアを奪われ構造的に負ける 利益 −373 億円 · PBR 0.4 倍 · 株価時価総額 861 円5,918 億円

国内トラック市場の構造的な縮小に加え、中国メーカー(BYD等)の商用車・EVピックアップの輸出攻勢がアジア・タイ・中東・アフリカでシェアを奪い続け、いすゞは構造的に競争力を失う。UDトラックスとの統合も狙ったシナジーを実現できず、重複コストと競争力低下が同時に進む。EV・FCトラックへの投資負担は重くのしかかるが、水素・急速充電インフラの整備が追いつかず投資回収が長期化する。タイのピックアップ事業は中国勢との価格競争に敗れてシェアを大きく落とし、北米でも関税・通商政策の変化が収益を圧迫する。それでも工場・部品網という資産に一定の価値は残り、配当性向を下げ、政策保有株の売却も充てながら最低限の株主還元は続けるという、もはや優良ではなくなった10年になる。

  • 国内トラック・バス:数量 7.4(国内販売台数(万台、いすゞ・UD トラックス統合後の合算))× 価格 1,656(1台あたり単価(万円。車両本体+部品・サービス込みの混合単価))→ 売上 12,257 億円・営業利益 123 億円。営業利益率1.0%
  • タイ(ピックアップ):数量 3.0(タイ向けLCV販売台数(万台))× 価格 352(1台あたり単価(万円))→ 売上 1,057 億円・営業利益 −53 億円。営業利益率マイナス5.0%
  • その他海外:数量 24.0(海外CV+LCV輸出販売台数(万台、日本・タイを除く))× 価格 442(1台あたり単価(万円))→ 売上 10,619 億円・営業利益 53 億円。営業利益率0.5%

倍率:赤字の筋書きなので稼ぐ力でなく売れる資産で測る。国内トラックとタイのピックアップ工場の売却、保有株・遊休地、運転資本の回収超過を税引き後に足した 5,900 億円を床とし、今の自己資本の 0.4 倍に置いた。

確率:中国メーカーの商用車・EVピックアップ輸出攻勢がアジア全域で勝つシナリオで、タイでの日系シェア低下が既に進行していることを踏まえ無視できない確率を置いた。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。

国内トラック・バス

国内の普通トラック・小型トラック・バスの販売。いすゞ単体のシェアは42%でトップ、UDトラックス(いすゞ系、16%)との合算では58%に達する寡占的地位。2027年度中の両社合併で国内販売網・開発が一体化する計画。

数量国内販売台数(万台、いすゞ・UD トラックス統合後の合算)価格1台あたり単価(万円。車両本体+部品・サービス込みの混合単価)売上営業利益
今 9.2 1,506 13,853 1,108
10 年後 中立 8.9 2,018 17,958 1,526

取り方:2026年3月期決算説明資料のCV国内販売9.2万台に対し、セグメント売上(日本13,853億円)を逆算して1台あたり単価を算出。トラック・バス本体に加え部品・アフターサービス収益も含む混合単価。 国内の数量は業種ノートの通り、人口減少と物流の効率化で10年で緩やかに縮む前提(中立 0.97 倍、UD の統合効果が縮小を相殺する)。

タイ(ピックアップ)

タイを主力とするピックアップトラック(LCV)の生産・販売。主力モデルD-MAXでタイ市場シェア5割前後を握るが、高金利・家計債務増による需要の谷と中国EVピックアップの参入という二つの逆風に直面する。

数量タイ向けLCV販売台数(万台)価格1台あたり単価(万円)売上営業利益
今 6.0 470 2,819 85
10 年後 中立 6.8 517 3,514 158

取り方:2026年3月期決算説明資料のタイ向けLCV販売6.0万台に対し、セグメント売上(タイ2,819億円)を逆算して1台あたり単価を算出。

その他海外

北米・アジア(タイ以外)・中東・アフリカ・欧州向けの商用車(トラック・バス)およびピックアップトラックの輸出・現地生産。北米はゼネラルモーターズとの提携(シボレーブランド販売)が40年以上続く。物流・産業車両需要の拡大が成長の軸。

数量海外CV+LCV輸出販売台数(万台、日本・タイを除く)価格1台あたり単価(万円)売上営業利益
今 38.9 466 18,118 1,178
10 年後 中立 45.0 615 27,668 1,937

取り方:2026年3月期の世界販売54.1万台から日本9.2万台・タイ6.0万台を除いた海外CV23.2万台+LCV輸出15.7万台=38.9万台に対し、セグメント売上(その他海外18,118億円)を逆算して単価を算出。

リスクと懸念

タイ市場の構造的な脆さ

タイのピックアップ事業は高金利・家計債務の増加に弱く、2024年には販売が前年比最大48%減まで落ち込んだ実績がある。中国EVピックアップの参入も重なり、需要回復の持続性には不確実性が残る。収益のタイ依存度が高いため、タイの景気・金融環境の悪化が全社収益に直接響く構造は変わっていない。

UDトラックス統合の実行リスク

2027年度中の吸収合併に向け、販売網・開発・生産体制の統合を進めるが、大型の組織統合には想定以上の時間とコストがかかりやすい。中期計画が見込む400億円超のシナジーが計画通り実現しなければ、統合コストが利益を圧迫する。2028年予定の大型車生産のUD上尾工場への移管も、生産効率の低下や品質管理の課題を伴うリスクがある。

中国メーカーのEV攻勢

BYDなど中国メーカーがタイ・アジアでEVピックアップ・EVトラックの投入を強め、価格・性能の両面でいすゞのシェアを侵食する可能性がある。タイでの日系シェアは2024年に8ポイント低下しており、EV化の速度を見誤れば新興国市場での優位性が構造的に失われる。

国内市場の構造的な縮小

国内の普通トラック市場は人口減少・物流効率化(積載効率の改善)によって長期的には緩やかな縮小が避けられない。UD統合によるシェア拡大(58%)で当面の規模は確保できるが、市場全体が縮むなかでの統合効果は限定的になる可能性がある。

EV・FCトラックへの投資負担

トヨタと共同開発する燃料電池小型トラックは2027年度の生産開始を目指すが、水素充填インフラや急速充電設備の整備が追いつかなければ普及が遅れ、投資回収が長期化する。国内外の規制対応コストが実質的な価格に跳ね返る一方、顧客の導入が規制や補助金の動向に左右される不確実性がある。

北米関税・通商政策の影響

北米向け商用車・ピックアップ事業は米国の関税政策の影響を受けやすく、2026年3月期も関税コストが営業利益を押し下げた一因となった。ゼネラルモーターズとの提携で北米のシボレーディーラー網を活用する構造上、通商政策や現地生産比率の規制が変わればコスト構造が揺らぎやすく、通商政策の変化は短期的な業績のブレ要因として残り続ける。

政策保有株解消・ガバナンス

2025年に政策保有株主12社が保有株を売り出し持ち合い解消が進んだことは資本効率向上に資するが、新たな安定株主構造が定まるまでの間、将来の買収防衛・資本政策の自由度に変化が生じる可能性がある。UDトラックス統合という大型の意思決定が続くなかで、株主構成の変化が経営の安定性に与える影響も注視が要る。

今後の分かれ目

UDトラックスとの統合シナジーが2028年のUD上尾工場への大型車生産移管まで計画通り進む
固定費が薄まり国内セグメントの営業利益率が改善し、楽観・やや楽観の筋書きに近づく。
タイのピックアップ需要が高金利の緩和とともに2027年前後に本格回復する
タイセグメントの収益が底を打ち、中立以上の筋書きが実現しやすくなる。
中国メーカーのEVピックアップ・EVトラックがタイ・アジアで急速にシェアを拡大する
タイ・その他海外セグメントの数量と単価が悲観側に振れ、やや悲観・悲観の筋書きに近づく。
トヨタとの燃料電池小型トラックが2027年度に計画通り量産開始し需要を取り込む
次世代技術での先行者優位が収益に反映され、10年の楽観・やや楽観シナリオの実現性が高まる。
世界的な景気後退(リーマン級)が数年以内に起きる
商用車・産業車両の受注が急減し、3年の悲観シナリオ(需要蒸発)が現実化する。
日野・三菱ふそう連合(ARCHION)との競争で価格競争が激化する
国内セグメントの単価上昇ペースが鈍り、中立シナリオの利益率目標達成が遅れる。

見ておくもの

  • UDトラックスとの合併契約・合併期日の発表(2027年度中の予定)
  • タイのピックアップ市場・いすゞ販売台数の月次動向
  • 燃料電池小型トラックの量産開始時期(2027年度目標)の進捗
  • 国内普通トラック販売台数・いすゞ+UDの合算シェア
  • 中国メーカーのタイ・アジアでのEVピックアップ販売シェア

倍率と資本コストの決め方

セグメントごとの数量×単価から積み上げた将来の利益と、その時点のROE・資本コストから正当化PERを導いた。資本コストは基本7.5%に quality +0.5%(商用車の循環)を足した8.0%で、確率は動かしていない。中立の ROE は k をわずかに上回るだけなので、PER は下限の 1÷k(12.5倍)に置いた。国内の台数は10年で緩やかに縮む前提(中立 0.97 倍)。楽観・やや楽観は上限の8.8割、やや悲観は上限 1÷k の7.5割。悲観は国内トラック・タイ工場の売却と保有株の税後 5,900 億円を床にし、今の自己資本に掛けた。過去の PBR は使っていない。今の PER・PBR は最後に比べただけ。結果は10年で約 +25% の割安。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 14.3→18.39 倍・やや楽観 PER 12.9→16.53 倍・中立 PER 12.5→14.61 倍)。

資本コスト 7.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本 7.5% に quality +0.5% を足した 8.0%。UD トラックス統合やタイの需要変動は k に足さず、筋書きの確率で表した。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 8.00% → 7.50%。

同じ業種(輸送用機器)の AI 分析

割安 トヨタ自動車7203 世界首位と関税逆風を同時に抱えるが、金融事業の厚みとマルチパスウェイが本質価値を支え、今の値段は割安 本質価値との差 +79.3% · 10 年 割安(年 +12.7%) 割安 マツダ7261 単独で戦う中堅の車メーカー。関税で稼ぐ力は細るが、自己資本の4割弱という値段は低すぎ、割安とみる 本質価値との差 +71.1% · 10 年 割安(年 +13.5%) 割安 三菱自動車工業7211 底にある利益が戻れば今の値段は安いが、利益率の低さと中国勢の追い上げで、戻る確度は高くない 本質価値との差 +67.5% · 10 年 割安(年 +13.4%) 割安 スズキ7269 インド事業がシェア4割で稼ぎの柱、二輪も伸びるが中国EV勢の台頭と認証不正の再発が評価を重くし、今の値段はやや割安 本質価値との差 +62.4% · 10 年 割安(年 +11.7%) 割安 河西工業7256 日産に半分を頼る内装部品の大手。直近の利益回復は鮮やかだが、借金が自己資本の3倍近く。株主の取り分は、再建が崩れるかどうかで大きく割れる 本質価値との差 +61.5% · 10 年 割安(年 +14.3%) 割安 モリタホールディングス6455 消防車の国内6割を握り、純現金も厚い堅実な会社。10年で見た本質価値は、今の時価総額を3割半ほど上回る 本質価値との差 +61.3% · 10 年 割安(年 +11.6%) 割安 本田技研工業7267 二輪と金融が稼ぎ四輪を支える構造。EV の戦略転換で初の最終赤字だが、二輪・金融の稼ぐ力から見れば今の値段はやや割安 本質価値との差 +55.6% · 10 年 割安(年 +11.8%) 割安 日本プラスト7291 日産とホンダの2社頼みでハンドルとエアバッグを作る。自己資本の 4 分の 1 の値段だが、利益率の薄さと借入が割引の理由 本質価値との差 +51.9% · 10 年 割安(年 +12.0%) 割安 デイトナ7228 バイク乗りの「あと付け」を企画して卸すファブレスの用品会社。国内の担い手は老いるが、品ぞろえと販売網の厚さで稼ぐ力は残り、中立で今の値段を上回る 本質価値との差 +51.9% · 10 年 割安(年 +11.7%) 割安 東京ラヂエーター製造7235 トラック・建機のラジエーター専業。手元の現金が時価総額の4割に迫り、利益の質に比べて値段が低い会社だ 本質価値との差 +49.8% · 10 年 割安(年 +11.7%) 割安 株式会社ファルテック7215 日産向けに偏る自動車の外装部品会社。利益は薄く先は読みにくいが、時価総額が自己資本の 2 割と低く、10 年の価値はやや上回る 本質価値との差 +47.9% · 10 年 割安(年 +12.1%) 割安 日産自動車7201 自動車事業は本業で赤字、稼ぎ頭は販売金融。Re:Nissanの再建が進めば今の値段はやや割安だが、失敗すれば床も浅い 本質価値との差 +42.2% · 10 年 割安(年 +14.0%) 割安 エフテック7212 ホンダ向けの足回り部品が北米に偏る低採算の会社。借金は時価総額の3倍超で、中立でも利益の薄さは変わりにくい 本質価値との差 +39.3% · 10 年 割安(年 +12.1%) 割安 武蔵精密工業株式会社7220 ホンダ系の駆動部品会社。AI 向けキャパシタの当たり外れで 10 年後の姿が大きく分かれ、今の値段はその当たりを先取りしている 本質価値との差 +37.7% · 10 年 割安(年 +10.4%) 割安 豊田合成株式会社7282 トヨタ系の安全部品大手。エアバッグの伸びは確かだが利益率は最高圏にあり、今の値段は織り込み済みでほぼ適正 本質価値との差 +36.2% · 10 年 割安(年 +9.7%) 割安 ユニプレス株式会社5949 日産向けが約4分の3を占める車体プレスの大手。拠点の整理で身軽になったが、価値は日産の台数しだいで、安全域は厚くない 本質価値との差 +35.6% · 10 年 割安(年 +10.5%) 割安 株式会社アイシン7259 AT(変速機)世界首位級のトヨタ系部品大手。トヨタ株の含み資産が下支えする一方、eAxleへの転換とAT収益化の成否が本質価値を左右する 本質価値との差 +34.6% · 10 年 割安(年 +10.1%) 割安 安永7271 内燃機関の部品で稼ぐ中堅。足元の利益は上振れたが、EV 化と重い借入が先の価値を削る 本質価値との差 +31.7% · 10 年 割安(年 +11.4%) 割安 ウェッズ7551 車のカスタムホイールの老舗卸。時価総額の7割が純現金だが、現金はトヨタ系の親会社の下にあり、価値は妥当圏に落ち着く 本質価値との差 +31.4% · 10 年 割安(年 +10.0%) やや割安 株式会社タチエス7239 日産・三菱・ホンダ向けのシート専業。利益率は回復途上で、顧客の偏りと買収の消化が10年の分かれ目になる 本質価値との差 +28.6% · 10 年 やや割安(年 +10.1%) やや割安 フタバ産業株式会社7241 トヨタ向けボデー・マフラーの部品メーカー。薄利でも今の値段に余裕はなく、EV化で排気系が縮む10年を見て、筆者は割高寄りと見る 本質価値との差 +28.5% · 10 年 やや割安(年 +10.1%) やや割安 トヨタ紡織株式会社3116 トヨタ系の座席・内装の大手。規模は大きいが利益率が薄く、値決め力の弱さと北米の赤字が10年の評価を決める 本質価値との差 +28.2% · 10 年 やや割安(年 +9.9%) やや割安 極東開発工業7226 架装で国内首位級だが、利益率の回復は物価を超えられず、独禁法の傷も残る。本質価値は今の値段をやや上回る 本質価値との差 +28.0% · 10 年 やや割安(年 +9.2%) やや割安 新明和工業7224 防衛と自治体の底堅い需要で稼ぐ力は上がるが、資本コストを大きく超えず、今の値段はほぼ妥当な水準だ 本質価値との差 +26.9% · 10 年 やや割安(年 +9.5%) やや割安 レシップホールディングス7213 バスの運賃箱と行先表示の老舗。新紙幣の特需は終わったが、米国の運賃収受が育ち、中立で今の値段とほぼ同じ 本質価値との差 +26.9% · 10 年 やや割安(年 +9.7%) やや割安 ダイハツインフィニアース6023 船の発電エンジンと保守で稼ぐ堅い会社。ただ今の利益は受注の山にあり、10年で見ると値段は少し先取りしすぎ 本質価値との差 +26.8% · 10 年 やや割安(年 +9.4%) やや割安 株式会社デンソー6902 トヨタ系最大手の車載部品会社。電動化・ADAS半導体で成長を描くが、トヨタ株の巨額保有が下支えする一方、変革の実行速度が今の値段に見合うかが分かれ目 本質価値との差 +26.2% · 10 年 やや割安(年 +9.3%) やや割安 SUBARU7270 米国依存7割と関税が利益を直撃するが、厚い純現金と回復力を踏まえれば10年ではやや割安 本質価値との差 +25.9% · 10 年 やや割安(年 +9.9%) やや割安 GMB7214 補修用の駆動・冷却部品を世界に売る専業。電動ポンプへの切り替えが焦点だが、借入が重く、株主の取り分は薄い 本質価値との差 +25.3% · 10 年 やや割安(年 +10.9%) やや割安 日本車輌製造7102 JR東海の子会社として新幹線を造る堅い受注残があるが、利益は一時要因で膨らんでおり、10 年の本質価値は今の値段をやや下回る 本質価値との差 +25.1% · 10 年 やや割安(年 +9.7%) やや割安 株式会社ティラド7236 熱を逃がす部品の専業。利益率は歴史的な高さにあり、定着するかが分かれ目。今の値段はほぼ妥当 本質価値との差 +21.5% · 10 年 やや割安(年 +9.5%) やや割安 内海造船7018 防衛とフェリーの造船所。今は好況の頂点で、積み上がる現金の使い道が焦点 本質価値との差 +14.9% · 10 年 やや割安(年 +9.1%) やや割安 株式会社東海理化電機製作所6995 スイッチ・シートベルトのトヨタ系部品会社。純現金は厚いが、車内の操作が画面に移れば主力が細る。稼ぐ力は資本コストにわずかに届かない 本質価値との差 +14.2% · 10 年 やや割安(年 +8.4%) やや割安 ユニバンス7254 駆動系ユニットの専業。日産・フォード・ホンダの3社に頼り、利益は円安で嵩上げされている。厚い現金が下支えするが、10年の中立は今の値段並み 本質価値との差 +13.6% · 10 年 やや割安(年 +8.7%) やや割安 ナンシン7399 キャスターと台車の老舗。時価総額とほぼ同じ現金を持つが、本業の利益率は2%台に沈み、現金も株主に戻らない。値段はおおむね見合っている 本質価値との差 +12.8% · 10 年 やや割安(年 +8.3%) やや割安 ニッキ6042 芝刈り機のエンジン部品とガスの燃料装置の会社。本業は電動化で細り、工場用地の賃料が支え。やや割高 本質価値との差 +12.4% · 10 年 やや割安(年 +8.4%) やや割安 株式会社エッチ・ケー・エス7219 車好きに愛されるチューニングパーツの老舗。ブランドと手元資金は本物だが、電動化で市場が縮み、利益が薄く、値段はやや割高寄り 本質価値との差 +11.1% · 10 年 やや割安(年 +8.2%) やや割安 愛三工業株式会社7283 車の燃料ポンプで世界首位級の部品会社。エンジン車の縮小と、トヨタ頼みの値決めの弱さが10年の重しになる 本質価値との差 +10.8% · 10 年 やや割安(年 +8.2%) やや割安 トピー工業株式会社7231 トラック用ホイールと建機の足回りで国内首位。ただ利益率は薄く、構造改革が効いても稼ぐ力は資本コストに届かない。今の値段はその実力にほぼ見合う 本質価値との差 +10.5% · 10 年 やや割安(年 +8.2%) 適正 日本精機株式会社7287 車のメーターとHUDの専業。二輪が稼ぎ、四輪は薄利。10月の東洋電装の買収で借金を背負い、払う値段に安全域は薄い 本質価値との差 +9.5% · 10 年 適正(年 +7.7%) 適正 ヨロズ7294 日産依存の足回り部品メーカー。減損で身軽にはなったが、稼ぐ力は資本コストに遠く、10年の中立でも今の値段を大きく超えにくい 本質価値との差 +8.8% · 10 年 適正(年 +8.7%) 適正 株式会社村上開明堂7292 国内首位級の自動車ミラー専業。純現金は時価総額の半分に迫るが、稼ぐ力は10年かけても大きくは伸びず、今の値段はやや割高と見る 本質価値との差 +8.3% · 10 年 適正(年 +7.3%) 適正 田中精密工業7218 ホンダのエンジン部品で成り立つ小さな部品会社。電動化と値下げ要請の挟み撃ちで、帳簿の割安さは割り引いて見る 本質価値との差 +7.3% · 10 年 適正(年 +8.2%) 適正 アスカ7227 車体のプレス部品が主力で、ロボットが利益の伸び役。借金が重く、10年の中立でも今の値段をやや下回る 本質価値との差 +6.1% · 10 年 適正(年 +8.2%) 適正 株式会社ハイレックスコーポレーション7279 ケーブルの老舗からドア周りの総合部品会社へ。利益は長く薄いままだが、厚い純現金と保有株が値段を支える。構造改革の成否が分かれ目 本質価値との差 +4.6% · 10 年 適正(年 +8.3%) 適正 株式会社今仙電機製作所7266 ホンダ・マツダ向けのシート機構部品。利益は薄いが時価総額の6割が純現金で、10年の評価は利益率が3%台から動くかで決まる 本質価値との差 +2.6% · 10 年 適正(年 +7.9%) 適正 ヤマハ発動機7272 二輪世界2位・船外機シェア4割を主軸に半導体装置が育つ複合企業。2025年はアウトドア車両の損失で急減益、今の値段は中期計画の実現を先取りしたやや割高な水準 本質価値との差 +1.7% · 10 年 適正(年 +6.9%) 適正 株式会社ムロコーポレーション7264 栃木の精密プレス専業。自己資本の 4 割弱という値段は資産の厚みを映すが、主力の内燃・変速機部品が細る分を電動化部品が補えるかが焦点で、稼ぐ力から見れば値段は妥当かやや高い 本質価値との差 +1.1% · 10 年 適正(年 +7.5%) 適正 プレス工業株式会社7246 トラックのフレームと車軸の専業。電動化でも残る部品で堅実だが、稼ぐ力は資本コストにわずかに届かず、今の値段は割高寄り 本質価値との差 +0.7% · 10 年 適正(年 +6.6%) 適正 株式会社エフ・シー・シー7296 二輪クラッチ世界首位の安定した稼ぎ頭を持つが、四輪クラッチは電動化で縮む。現金は厚いが、稼ぐ力に見合う値段は今よりやや低いと見る 本質価値との差 −0.7% · 10 年 適正(年 +6.4%) 適正 テイン7217 車高調の専業メーカー。純現金があり堅実だが、利益率は戻り切らず、10年の価値は今の値段をやや下回る 本質価値との差 −4.3% · 10 年 適正(年 +6.2%) 適正 カネミツ7208 鋼板製プーリの専業で、現金は厚いが主力は電動化で縮む。ロボット部品などの新しい柱が穴を埋められるかが 10 年の分かれ目 本質価値との差 −4.3% · 10 年 適正(年 +6.9%) 適正 テイ・エス テック株式会社7313 ホンダ向け自動車シートの専業。厚い現金が下値を支えるが、利益率の回復は北米次第で、顧客の偏りが重い 本質価値との差 −5.7% · 10 年 適正(年 +6.2%) 適正 NITTAN6493 エンジンバルブで世界4位。ただ昨期の利益は山の水準で、株式化が見込まれる転換社債も重しになる 本質価値との差 −6.2% · 10 年 適正(年 +6.5%) 適正 カヤバ株式会社7242 緩衝器と建機用油圧の二本柱。規模はあるが値決め力が弱く、利益の振れも大きい。10年の中立でも今の値段を大きく超えにくい 本質価値との差 −6.6% · 10 年 適正(年 +6.5%) 適正 エイケン工業株式会社7265 自動車の補修用フィルターに特化した堅実な会社。純現金も厚いが、電動化で需要が細り、卸大手への依存も高く、値段はやや割高 本質価値との差 −7.2% · 10 年 適正(年 +6.6%) 適正 カーメイト7297 名の通ったカー用品のブランドと厚い現金を持つが、縮む市場と重い本社費で資本は眠ったまま 本質価値との差 −7.8% · 10 年 適正(年 +6.1%) 適正 NOK株式会社7240 オイルシール世界首位級だが、基板が利益の足かせ。現金と持ち合い株が時価の3割近くを支え、事業そのものはやや割高 本質価値との差 −8.6% · 10 年 適正(年 +5.7%) やや割高 ミクニ7247 二輪とインドが支える燃料・吸気部品メーカー。四輪の電動化と借金が重く、中立でも今の時価総額を上回りにくい 本質価値との差 −10.0% · 10 年 やや割高(年 +6.4%) やや割高 盟和産業7284 トヨタ系の内装部品の2次の大手。資産は厚いが利益が薄く、10年の価値は今の値段を下回る 本質価値との差 −12.5% · 10 年 やや割高(年 +6.0%) やや割高 川崎重工業7012 防衛費拡大の脇役に甘んじるが、実際に稼ぐのは二輪とロボット。名目と資本コスト 8.5% で測ると今の値段はやや割高で、潜水艦不正の後始末が振れ幅を左右する 本質価値との差 −13.8% · 10 年 やや割高(年 +6.1%) やや割高 日産車体7222 日産の車を組み立てる専業の子会社。九州の大型 SUV が稼ぐが、湘南の終了と戻りにくい現金を考えると、今の値段は割高 本質価値との差 −14.9% · 10 年 やや割高(年 +5.9%) やや割高 大同メタル工業株式会社7245 エンジン軸受で世界首位。電動化で本業は細るが、データセンター電源と船が穴を埋められるか。今の値段は割高 本質価値との差 −16.0% · 10 年 やや割高(年 +5.8%) やや割高 株式会社エクセディ7278 クラッチとトルクコンバータで世界シェア2割強。稼ぎ頭のATが電動化で縮む中、新事業が穴を埋めきれるかが分かれ目で、今の値段は先を楽に見すぎている 本質価値との差 −17.4% · 10 年 やや割高(年 +4.5%) やや割高 フジオーゼックス7299 エンジンバルブで国内首位級。無借金で稼ぐ力は安定しているが、内燃機関という事業の寿命が重く、10年の中立でも今の値段に届きにくい 本質価値との差 −17.5% · 10 年 やや割高(年 +5.2%) やや割高 シマノ7309 世界的な寡占の自転車部品メーカーだが、特需の反動とシェア防衛の値引きで利益は沈んでおり、今のPER45倍台は急な回復を見込みすぎで、今の値段は割高に見える 本質価値との差 −21.9% · 10 年 やや割高(年 +3.4%) やや割高 三桜工業6584 ブレーキ・燃料の配管で世界2位。だが利益は薄く借金は増えた。データセンター水冷が育たなければ今の値段は重い 本質価値との差 −27.3% · 10 年 やや割高(年 +4.2%) やや割高 TBK7277 トラック・バス用ブレーキの老舗。財務は堅いが稼ぎが薄く、10年の中立でも今の時価総額を超えにくい 本質価値との差 −27.7% · 10 年 やや割高(年 +4.0%) 割高 ジャパンエンジンコーポレーション6016 舶用エンジンの堅い収益源を持つが、いまの利益は新造船の好況の頂点。10年で見ると値段は先を織り込みすぎている 本質価値との差 −33.2% · 10 年 割高(年 +3.2%) 割高 名村造船所7014 受注残は厚いが、いまの利益は造船の好況の頂点。10年で見ると値段は先を織り込みすぎている 本質価値との差 −44.7% · 10 年 割高(年 +1.4%) 割高 小田原機器7314 バスの運賃箱で国内2番手。更新の波で売上は大きく揺れ、利益率は薄い。10年の価値は今の時価総額の半分前後 本質価値との差 −45.8% · 10 年 割高(年 +0.6%) 割高 近畿車輛7122 受注残は売上の約 3 年分あるが営業利益は赤字。見かけの純現金は前受金で、10 年の本質価値は今の時価総額を大きく下回る 本質価値との差 −50.2% · 10 年 割高(年 +0.3%) 割高 阪神内燃機工業6018 内航船のエンジンで上位に立つ小さな会社。無借金で受注残も厚いが、稼ぐ力に対して値段が先走る 本質価値との差 −57.9% · 10 年 割高(年 −2.3%) 割高 曙ブレーキ工業株式会社7238 ブレーキ専業。足元は改善するが、再生ファンドの出口と優先株の重しが残り、10年の価値は今の値段を大きく下回る 本質価値との差 −63.4% · 10 年 割高(年 −2.1%) 割高 ispace9348 月面輸送の先駆けだが、利益が出る前に増資と借入の返済が続く。今の株主に残る価値は小さく、今の値段は大きく割高と見る 本質価値との差 −64.4% · 10 年 割高(年 −1.8%) 割高 リード6982 SUBARU頼みの小さな部品会社。受注は増えるが、借入が重く、赤字の歴史が長い。今の値段は先の回復を織り込みすぎだ 本質価値との差 −76.7% · 10 年 割高(年 −6.0%) 割高 イクヨ7273 樹脂部品の老舗が、貴金属・暗号資産・河西工業株へと手を広げる。本業の稼ぎは薄く、今の値段は事業でなく期待が決めている 本質価値との差 −77.4% · 10 年 割高(年 −6.9%)

ほかの業種も見る(AI 銘柄分析の一覧)→

読んだ資料

  1. いすゞがUDトラックスを2027年度中に合併へ
  2. いすゞとUDトラックス、国内販売機能の統合を正式決定
  3. ARCHION、トヨタ主体のCJPTに参画
  4. トヨタ・いすゞ・日野が提携、物流業界が抱える課題解決を目指す
  5. トヨタといすゞが再び資本提携、400億円規模
  6. いすゞ、トヨタと小型燃料電池トラックを量産 27年度生産開始目指す
  7. いすゞ、タイでピックアップ不況 中国勢すら弱気
  8. 日本車シェア低下 タイで8ポイント減 中国EV攻勢
  9. いすゞ自動車、2030年商用モビリティ変革へ 中期経営計画『IX』策定
  10. いすゞ、発行済み株式の4.9%上限に自社株買い 政投銀などが売り出し

分析日 2026-10-16