結論
ケメドは、米国最大級のホスピス事業者VITASと、全国的な配管・排水管修理ブランドRoto-Rooterを持つ会社である。筆者の結論はやや割高だ。両事業とも10年後に必要とされる可能性は高いが、需要の安定がそのまま高い利益成長や強い値上げ力を意味するわけではない。
2025年の売上は25.3億ドル、営業利益は3.4億ドル、純利益は2.7億ドルだった。VITASは売上の約64%を占め、終末期の患者に医療や生活支援を提供する。Roto-Rooterは住宅や商業施設の配管修理、排水管清掃、水害復旧で稼ぐ。どちらも現場の人手が必要で、技術革新だけで需要が消える事業ではない。
直近の2026年7~9月期には、VITASの平均患者数が前年同期比9.4%増え、売上も12.2%増えた。2025年に重荷だったメディケアの支払い上限も改善している。一方、Roto-Rooterは売上が7.5%増えながら調整後の利益率が下がった。9月にはカリフォルニアの大型加盟地域を買収したが、買収による売上増を既存地域の実力と取り違えてはいけない。
10年後の中立では、ホスピスの延べ患者日数が増え、配管修理も古い住宅の維持需要と地域買収で伸びる。ただし公的保険の単価は物価に追いつかず、看護師の人件費や配管事業の集客費も増える。2036年の純利益は5.15億ドル、時価総額は約77.7億ドルと見込む。
5つの筋書きと正味の株主還元を資本コスト7.75%で現在価値に直すと、確率加重の本質価値は約52.0億ドルになる。基準時価総額67.6億ドルとの差は約マイナス23%で、安全域は足りない。価値を大きく変えるのは、ホスピスの患者数よりも、メディケアが人件費に見合う報酬を払い続けるかという問題である。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、ケメドは事業の寿命が長く、利益の源も比較的理解しやすい会社である。終末期医療を必要とする人は10年後も存在する。古い配管は交換や修理が必要で、住宅や施設の水回りの故障もなくならない。どちらも単なる情報サービスではなく、現場で顧客の問題を解決する事業だ。
ただし、必要な事業であることと、株主が高い価格を払ってよいことは違う。VITASの最大の顧客は、実質的にはメディケア制度である。患者と家族がサービスを評価しても、会社が自由に料金を引き上げることはできない。看護師の賃金が物価以上に上がれば、事業を拡大しても利益率が下がる。
Roto-Rooterのブランドは資産として価値がある。緊急修理で消費者が知っている名前を選ぶ効果は、広告費と拠点網を通じて利益に結びつく。だが顧客の乗り換え費用は低く、地域の業者より高すぎる料金や悪い評判が広がれば、長年積み上げたブランドも傷つく。
2025年のGAAP純利益は約2.65億ドル、フリーキャッシュフローは約3.3億ドルだった。設備を維持する支出は既にキャッシュフローから引かれているが、看護師の確保、営業拠点、買収には追加資金が必要になる。株式報酬も株主の費用であり、調整後利益に戻して考えない。
筆者が最も評価するのは、二つの事業が長く現金を生む力である。反対に最も慎重になるのは、公的保険の報酬と自社株買いの値段だ。高いROEや全国ブランドだけを根拠に、将来の利益へ大きな倍率を払い続けるべきではない。今の時価総額には、経営が制度変更をうまく乗り切り、買収と還元でも失敗しないことが相当程度織り込まれている。安全域を求めるなら、その期待を割り引いて見る必要がある。
何で稼ぐ会社か
ケメドの事業は一見すると脈絡のない組み合わせだが、共通点は地域で人を動かす現場サービスである。ホスピスには看護師と患者を支える人員が必要で、配管修理には技術者と作業車が必要になる。いずれも拠点を密に配置し、依頼が入った時に確実に対応できることが競争力になる。
VITASは末期疾患の患者に対し、自宅、介護施設、入院施設などで医療と生活支援を提供する。患者本人だけでなく、家族への心理的な支援も事業の一部だ。収入の中心はメディケアの1患者1日あたり定額払いで、診断や処置を何回実施しても、その都度売上が増える仕組みではない。通常の在宅ケアが収入の大半を占め、高度な連続ケアや入院ケアは単価が高いが件数は少ない。
2025年のVITASは延べ815万患者日を提供し、売上は16.30億ドルだった。延べ患者日数から割り戻した実現単価は約200ドルである。2026年7~9月期の平均患者数は2万4428人、患者1日あたりの実現収入は約209ドルとなった。患者日数が数量、医療報酬から返還や控除を引いた実収入が価格に相当する。
Roto-Rooterは排水管清掃、配管修理、地中配管の掘削、水害復旧を行う。2025年の売上は約9.00億ドルだった。全国に直営拠点、独立請負業者、加盟店を置き、ブランド網は米国人口の90%超を対象地域としている。作業の売上は件数と平均請求額で決まり、加盟事業からは地域人口や独立業者の売上に応じた手数料が入る。
配管事業では、排水管の詰まりの依頼が、より大きな掘削工事や水害復旧につながることがある。集客から高単価の追加作業へ展開できる点が強みだ。しかし2025年には排水管清掃の作業件数が4.5%減り、配管修理でも価格と作業構成の影響がマイナスだった。ブランドが有名でも、注文数や単価が常に伸びるわけではない。
両事業は顧客、料金、規制が異なり、営業面の相乗効果は小さい。親会社は経営人材の選任と資本配分を担う。したがって評価の中心は、利益率の違う二つの事業へ資金をどう配分し、余剰資金をどれだけ株主に戻せるかにある。
優良さと弱いところ
最大の強みは、景気や技術の変化があっても消えにくい需要を二つ持つことである。高齢化に伴う終末期医療の需要は長く続く。住宅の配管が古くなり、排水が詰まるという問題もなくならない。AIが予約や事務を自動化しても、患者を訪問する看護師や配管を修理する技術者の仕事は残る。
VITASの堀は、病院や介護施設からの紹介経路、地域に配置した看護師、運営上の経験、許認可である。新規参入者が地域の医療機関との関係を築き、夜間を含めて人員を配置するには時間がかかる。一方、患者の紹介先は固定されていない。最大の支払者であるメディケアの単価も政府が定めるため、強い値上げ力を持つ独占企業とは違う。
Roto-Rooterには1935年から使われるブランドがあり、緊急の水回りトラブルで最初に思い浮かぶ企業になりやすい。全国の広告、受付、部品調達、技術者の配置を共同で行える点も小規模業者より有利だ。ただし、地元の配管業者との乗り換え費用は低い。口コミ、検索結果、料金への不満で顧客は簡単に移る。
2025年のROEは27.1%と高く、過去10年の中央値も28.7%だった。ただし、自社株買いによって自己資本が縮むため、ROEをそのまま増分投資の利回りと考えることはできない。2025年の税引き後営業利益と投下資本から見たROICも高いが、買収で取得する事業にはのれんや追加の運転資本が必要になる。
堀はVITASで地域網の拡大によりやや強まり、Roto-Rooterでは加盟地域の直営化によって厚くなる余地がある。一方、医療の規制とAIによる検索経路の変化が強みを削る。全社では強い堀ではなく普通の堀と判断する。継続的に高い資本効率を期待できるが、超過利益のすべてが永遠に残ると考えるべきではない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
VITASが属する米国のホスピス市場は、高齢化と在宅で最期を迎えたいという需要に支えられている。全米の在宅ケア業界団体によると、2024年にホスピスを利用したメディケア受給者は約191万人、支払額は約282億ドルだった。2025年のVITASの売上16.3億ドルは、前年の業界支出を物差しにすると約5.8%に相当する。年度の違いと支払者の範囲に注意が要るが、全国最大級でも市場全体を支配しているわけではない。
競合には、ジェンティバ、アクセントケア、エンハビット、各地域の非営利ホスピス、病院系列の事業者などがいる。米国には多数の小規模な事業者があり、市場は細分化されている。VITASは地域を選んだ買収と紹介網の拡充でシェアを伸ばせるが、競合各社の全国シェアは公開情報だけでは精密に比較できない。中立では市場の患者日数が年2%台で伸び、VITASが地域拡大によってそれをやや上回ると考える。
料金面では逆風が続く。CMSが決めた2027年度のホスピス報酬引き上げ率は2.3%で、想定物価上昇率3.5%より低い。さらに患者1人あたりの年間支払いには上限がある。VITASは2025年に約0.27億ドルのメディケア上限調整を計上したが、2026年7~9月期の調整は約0.008億ドルに縮んだ。足元の改善は明るい材料でも、制度そのものが消えたわけではない。
米国会計検査院は2026年、定額の日額払いが訪問回数に対して過大な支払いを生みうると指摘した。実際の訪問に応じて支払う制度へ変われば、患者が長く滞在するほど採算が上がりやすい現在の構造は変わる。これは需要が増えても利益が減りうる、ホスピス特有の長期リスクである。
Roto-Rooterの競争相手は、ミスター・ルーター、ベンジャミン・フランクリン・プラミング、ARS系の業者、多数の地域独立事業者である。米国の配管工事市場は定義によって規模が大きく異なるが、2026年の広義の配管請負市場では約2000億ドルという推計がある。Roto-Rooterの連結売上はその1%未満で、ブランドの知名度と市場支配力は別物だ。実需は住宅の老朽化、人口移動、配管の故障で支えられるが、新築住宅の停滞や消費者の節約によって修理の先送りが起きる。
同じヘルスケア領域の病院、透析、臨床検査とは、ケメドの数量と価格の決まり方が大きく異なる。病院の換算入院件数や検査件数の成長率は流用せず、VITASの患者日数とRoto-Rooterの作業件数をそれぞれの市場から考える。
資本政策と M&A
ケメドの資本配分は、自社株買いを中心とする積極的な還元が特徴である。2025年は自社株買いに4.28億ドル、配当に約0.32億ドルを使った。株式報酬を差し引く必要があるが、過去10年にわたって株数を減らしてきた点は株主に有利だった。一方、株価の高い時期にも買い続ければ、利益率が高くても一株主が受け取る価値は減る。
2026年1~9月の自社株買いは約3.50億ドルで、配当は約0.25億ドルだった。同期間の営業キャッシュフローから設備投資を引いた額は約1.78億ドルにとどまり、買収も実施した。この結果、9月末の現金は約0.48億ドル、借入金は約2.36億ドルとなった。現時点で借金は過大ではないが、買収と還元が同時に大きくなると財務余力は減る。
2024年にはVITASがコベナント・ケアの事業を約0.85億ドルで取得した。2026年9月にはRoto-Rooterがカリフォルニアの大型加盟地域を取得し、対価は約0.61~0.63億ドルだった。買収地域の従来の年間売上は約0.50~0.55億ドルで、直営店舗と独立請負業者の網へ組み込まれる。これは実際に成立した買収として数量の道筋に反映する。
2026年7月に会社はVITASの患者数成長と利益率の見通しを引き上げ、Roto-Rooterの通期増収率を3.0~3.5%とした。10月27日の決算発表では、通期の調整後利益が従来予想の上限近辺か、それを少し超えるとの見方を示した。ただし調整後利益は株式報酬などを除くため、本質価値にはGAAP利益を使う。
2026年9月末の自社株買いの承認残高は約0.74億ドルである。10年間の買い戻し額や配当性向について固定した数字の約束はない。独立した少数株主の権利を大きく薄める特殊な株式構造や加盟店の連結外VIEは確認されないが、デラウェア州の買収防衛規定が支配権の変更を難しくする可能性はある。会社全体の買収や非公開化について、合意済みの取引は確認されていない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
VITASの長期成長は、病院から在宅への医療の移行と高齢化によって支えられる。全国のホスピス市場はまだ細分化され、ケメドのシェアは1割に遠く及ばない。地域の病院や介護施設との紹介関係を強め、質の低い小規模事業者が規制で退出すれば、大手のVITASが患者を受け入れる余地は大きい。2026年7~9月期の患者数増加は、この競争力が現在も残っている証拠である。
メディケアの支払い上限は2025年に大きな問題となったが、2026年には改善が進んだ。患者の入退院を適切に管理し、紹介元を増やすことで、制度の枠内でも患者数を伸ばせる。訪問計画や人員配置を改善すれば、低い日額単価の伸びを費用削減で補える。AIは看護そのものを置き換えなくても、記録作成や人員配置の時間を減らす道具として働く。
Roto-Rooterも優れた買収の受け皿になりうる。カリフォルニアの大型加盟地域を取得したことで、地域全体の広告、技術者の派遣、掘削や水害復旧への追加販売を統一できる。独立した加盟店より直営の方が顧客から得る収入を多く取り込めるため、会社全体の売上と利益に上乗せが起きる。長年のブランドに全国の営業網が加わり、住宅修理の細分化された市場からシェアを取れる。
2025年の低下した利益率は恒久的ではない。VITASでは2026年に改善が進み、Roto-Rooterでも広告費の効率化や保険請求の正常化で採算が戻る可能性がある。二つの事業がそれぞれ高い増分資本利益率を保ち、買収を小規模にとどめながら還元を続ければ、2036年には売上と利益が大幅に増える。現在の株主にとって、数量の成長と自社株買いの両方が利益になる。
慎重な見方
VITASの事業は安定して見えるが、収入の大半を政府の制度に依存している。顧客が増えても、メディケアが日額払いを抑えれば利益が増えるとは限らない。2027年度の報酬引き上げ率は2.3%にとどまり、看護師の賃金や医療関連費用がそれを上回る状態が続けば、規模の利益は薄れていく。患者を獲得するための地域拠点や訪問体制は、需要が鈍った時にも簡単には削減できない。
さらに制度そのものを変える議論がある。米国会計検査院は、訪問回数に関係なく支払う日額方式が過大な支払いを生みうると指摘している。訪問実績や患者の状態に応じた払い方へ移行すれば、長期在院患者から得る利益は縮む。医療の質を改善する制度変更であっても、既存事業者の利益にとっては不利になりうる。2025年のメディケア上限問題も、利益の予測が制度に左右されることを示した。
Roto-Rooterでは、全国ブランドの価値を過大評価してはいけない。顧客は日常的に業者を使うのではなく、問題が起きた時に検索して選ぶ。検索エンジンやAIが地域の業者を比較するようになれば、名前を知っているだけで選ばれる力は弱くなる。広告費が増え、技術者の賃金が上がる一方、地元の小規模業者との値下げ競争は続く。
買収も常に価値を生むわけではない。地域を直営化すると、以前は加盟店が負担していた人件費、保険、設備、事故のリスクを親会社が引き受ける。売上が増えても利益率が下がれば、投じた資本の利回りは低下する。2026年7~9月期のRoto-Rooterは、売上が伸びたのに調整後の利益率が悪化した。
自社株買いは利益の成長率を見かけ上高めるが、高い値段で買えば所有者の富を増やさない。2026年には買い戻しと買収によって借入が増えた。ホスピスの報酬見直しと配管事業の集客力低下が重なれば、還元を減らしても利益が戻らず、株主の価値が長く低迷するおそれがある。
どちらに重みを置いたか
二つの事業の需要が長く残ることには強い確信がある。しかし、数量が増えれば利益も同じ速度で増えるという見方には賛成できない。VITASは政府の報酬改定、Roto-Rooterは集客費と人手不足という、それぞれ異なる制約を抱えている。
2026年のVITASの回復は楽観材料だが、料金制度の長期的な変更を打ち消すものではない。確率は楽観8%、やや楽観21%、中立36%、やや悲観24%、悲観11%とし、やや悲観・悲観を合計35%にした。上下対称にはせず、規制と資本配分の不確実性を考えて慎重側をやや厚くしている。
利益を生む事業としての評価は高い。ただし投資価値は企業の優良さと支払う値段の両方で決まる。確率加重の本質価値は現在の時価総額を約23%下回るため、結論はやや割高である。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 565.61 ドル75 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 192.12 ドル25 億ドル)。 今の値に割り戻すと 400.41 ドル53 億ドル、今との差 −25.1%、 期待の年率 +4.1%(資本コスト 7.8%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 1,093 ドル144 億ドル | 258.08 ドル34 億ドル | +152.7% | +11.1% | 108.10 ドル14 億ドル |
| やや楽観 | 21% | 841.61 ドル111 億ドル | 235.31 ドル31 億ドル | +101.4% | +8.4% | 226.15 ドル30 億ドル |
| 中立 | 36% | 604.86 ドル80 億ドル | 204.95 ドル27 億ドル | +51.4% | +4.9% | 291.53 ドル38 億ドル |
| やや悲観 | 24% | 303.22 ドル40 億ドル | 159.40 ドル21 億ドル | −13.5% | −1.7% | 111.03 ドル15 億ドル |
| 悲観 | 11% | 98.98 ドル13 億ドル | 91.09 ドル12 億ドル | −64.5% | −12.1% | 20.91 ドル3 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 565.61 ドル75 億ドル | 192.12 ドル25 億ドル | +41.7% | +4.1% | 757.73 ドル100 億ドル |
今の株価時価総額 534.72 ドル70 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 8% 楽観:ホスピスでシェアを広げ、配管の全国網でも買収効果が出る 利益 8 億ドル · PER 19.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,093 ドル144 億ドル
2036年には、VITASが終末期医療の需要増と地域でのシェア拡大を同時に取り込む。延べ患者日数は1420万日へ増える。地域の医療機関との紹介関係が深まり、質や監査対応で競合に差をつける。メディケアの日額報酬は大幅には上がらないが、高度なケアの組み合わせと返還額の抑制で実現単価が改善する。
Roto-Rooterでは買収地域を自社の配車、広告、顧客管理に組み込み、作業件数が大きく増える。掘削や水害復旧への追加販売も成功し、作業車や技術者の稼働率が高まる。ミスター・ルーターや各地域の事業者よりも広い対応地域と速い到着時間を武器にする。2026年に見えた費用増加は一時的なものにとどまる。
VITASの営業利益率は19.5%、配管修理の主要作業では20%となり、全社営業利益は約10.0億ドルへ伸びる。純利益は7.50億ドルとなり、地域買収で投じた資本も十分に回収できる。10年間のGAAP純利益累計は約50.8億ドルで、正味34億ドルを株主に還元する。会社の堀が両事業でやや広がる筋書きである。
- VITAS・ホスピスと終末期医療:数量 14.2(延べ患者日数(百万日))× 価格 275(患者1日あたり実現収入(ドル))→ 売上 39 億ドル・営業利益 8 億ドル。患者日数は2025年比約1.74倍。高齢化に加えて地域シェアを広げる。日額単価は約1.38倍。
- Roto-Rooter・排水管清掃、配管修理、掘削:数量 0.9(収益換算の作業件数(百万件・推定))× 価格 1,520(作業1件あたり平均請求額(ドル・推定))→ 売上 14 億ドル・営業利益 3 億ドル。買収地域の直営化と高単価作業の増加で件数、単価、稼働率が同時に改善する。
- Roto-Rooter・水害復旧:数量 0.1(収益換算の復旧作業件数(百万件・推定))× 価格 7,050(復旧1件あたり回収済み売上(ドル・推定))→ 売上 4 億ドル・営業利益 1 億ドル。保険請求の回収率が改善し、排水管清掃からの追加受注が増える。
- Roto-Rooter・独立請負業者、加盟店、その他:数量 340(収益換算のサービス対象人口(百万人・推定))× 価格 0.44(対象人口1人あたり年間収入(ドル・換算値))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。人口増加地域への展開と加盟事業の効率化で収益が増える。
倍率:資本コストkは7.75%。2036年の事業ROEはGAAP純利益7.50億ドル÷自己資本25.36億ドルで約29.6%。余剰現金を分けていないため帳簿ROEを基本とする。moatはnormalで残る割合は1/2。RONIC=7.75%+0.5×(29.6%-7.75%)=約18.7%。長期gは3.75%で、ホスピスの実質患者日数増約1%台、配管の実質作業件数増とシェア拡大、各事業の名目単価上昇を合成したもの。k-gは4.0ポイント。正当化PERの10年目利益換算上限約20.7倍に対して約92%の19.07倍とした。GAAP純利益に掛け、株式報酬と買収償却を倍率に加算しない。
確率:VITASが地域の紹介網を拡充し、メディケアの支払い上限も安定する必要がある。Roto-Rooterでは大型加盟地域の直営化が利益率改善につながる。二つの事業で高い利益成長が同時に続く確率は高くないため8%。
やや楽観 21% やや楽観:VITASの成長が続き、配管事業の採算も回復する 利益 7 億ドル · PER 16.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 841.61 ドル111 億ドル
VITASでは高齢化を背景に患者日数が増える。介護施設や病院との紹介関係が広がり、地域の小規模事業者から少しずつシェアを取る。患者1日あたりの実現収入は上昇するものの、メディケアの改定率は物価より低い状態が続く。人件費の管理と患者構成の改善によって、その差の一部を補う。
Roto-Rooterでは2026年のカリフォルニア買収が定着し、作業員の配置を改善する。住宅の老朽化による修理需要は堅調で、掘削工事や水害復旧へつながる案件も増える。地元業者との競争は続くが、全国ブランドの集客力が弱まることはない。配管事業の利益率は2025年の低下から回復する。
連結の売上は約52.1億ドル、営業利益は約8.4億ドル、純利益は6.50億ドルとなる。競合よりも高い運営効率を保つが、VITASの日額払いは政府が決めるため、利益成長のすべてを値上げで得ることはできない。10年間のGAAP純利益累計は45.75億ドル、正味の還元は31億ドルとなる。二つの事業の良さが素直に現れるが、特別な制度変更には頼らない筋書きである。
- VITAS・ホスピスと終末期医療:数量 13.0(延べ患者日数(百万日))× 価格 274(患者1日あたり実現収入(ドル))→ 売上 35 億ドル・営業利益 6 億ドル。市場を上回る患者数の伸びとメディケア上限管理の改善が続く。
- Roto-Rooter・排水管清掃、配管修理、掘削:数量 0.8(収益換算の作業件数(百万件・推定))× 価格 1,480(作業1件あたり平均請求額(ドル・推定))→ 売上 12 億ドル・営業利益 2 億ドル。買収した加盟地域で作業の取り込みが進み、平均請求額も増える。
- Roto-Rooter・水害復旧:数量 0.0(収益換算の復旧作業件数(百万件・推定))× 価格 6,650(復旧1件あたり回収済み売上(ドル・推定))→ 売上 3 億ドル・営業利益 1 億ドル。保険会社との請求調整が改善し、作業件数も増える。
- Roto-Rooter・独立請負業者、加盟店、その他:数量 330(収益換算のサービス対象人口(百万人・推定))× 価格 0.42(対象人口1人あたり年間収入(ドル・換算値))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象人口の増加と加盟店手数料の改定が利益に寄与する。
倍率:事業ROEは6.50÷23.36=約27.8%。k7.75%、moatはnormal、残る割合1/2なのでRONICは約17.8%。長期gは3.5%で、ホスピス患者日数の実質増約1%と日額収入の年2%台、配管の実質需要増と年3%前後の価格上昇を合成した。k-gは4.25ポイント。10年目利益換算の正当化PER上限約19.6倍の86%である16.82倍を採用する。制度の安定と買収の成功を評価するが、増分の超過利益がすべて残るとは考えない。
確率:2026年に確認されたVITASの成長が数年続く可能性は十分ある。配管事業でも加盟地域の取得と効率改善が進む。ただし全期間を通じて高い利益率が続くとは限らないため21%。
中立 36% 中立:患者数と修理需要は伸びるが、利益率の改善は緩やか 利益 5 億ドル · PER 15.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 604.86 ドル80 億ドル
VITASの延べ患者日数は2036年に1180万日となる。2026年に拡大した患者数を出発点に、高齢化と紹介網の拡充で数量が増える。市場自体が拡大するため、全国シェアは大きく変わらず、地域によって少し上がる程度である。患者1日あたりの実現収入は260ドルになるが、メディケアの改定率は物価を下回る。人員配置の効率化によって営業利益率は17%にとどまる。
Roto-Rooterは2026年の買収による顧客基盤の拡大と、古い住宅の修理需要を取り込む。排水管清掃は地元業者との競争が強いが、掘削と水害復旧の追加販売が売上を支える。作業件数は緩やかに増え、平均請求額も人件費や資材費に沿って上がる。一方、技術者の給与と広告費が増えるため、配管事業の営業利益率は大幅には改善しない。
2036年の全社売上は約45.2億ドル、営業利益は約6.65億ドル、GAAP純利益は5.15億ドルとなる。自己資本は20.61億ドルへ増え、ROEは約25%である。10年間の利益累計は39億ドル、正味の株主還元は27億ドルと見込む。利益の大部分を還元するのではなく、一部を買収、地域拡大、事業運営の資本として残す。競合に大きく負けることはないが、独占的な価格決定力も得られない筋書きである。
- VITAS・ホスピスと終末期医療:数量 11.8(延べ患者日数(百万日))× 価格 260(患者1日あたり実現収入(ドル))→ 売上 31 億ドル・営業利益 5 億ドル。2026年の患者数増加を出発点に、長期の実質数量は年2~3%台で増える。単価は物価より緩やかに上がる。
- Roto-Rooter・排水管清掃、配管修理、掘削:数量 0.8(収益換算の作業件数(百万件・推定))× 価格 1,400(作業1件あたり平均請求額(ドル・推定))→ 売上 11 億ドル・営業利益 2 億ドル。住宅老朽化、地域人口移動、買収地域の直営化で件数が増え、価格は年3%強で上がる。
- Roto-Rooter・水害復旧:数量 0.0(収益換算の復旧作業件数(百万件・推定))× 価格 6,200(復旧1件あたり回収済み売上(ドル・推定))→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。作業件数は増えるが、保険会社の請求査定が価格と採算を抑える。
- Roto-Rooter・独立請負業者、加盟店、その他:数量 325(収益換算のサービス対象人口(百万人・推定))× 価格 0.40(対象人口1人あたり年間収入(ドル・換算値))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象人口は緩やかに増え、人口あたり収益も名目で増える。
倍率:10年目の帳簿ROEは5.15÷20.61=約25.0%。ROEは40%を超えず、自己資本には成長に必要な事業資産と買収資産が残るため、帳簿値を使う。kは7.75%、moatはnormal、残る割合は1/2でRONICは約16.4%。長期gは3.25%で、ホスピスの実質患者日数の伸び約1%台、報酬単価の年2%台、配管修理の実質件数の伸びと年3%前後の単価上昇を加重した。k-gは4.5ポイント。来年利益に対する式を10年目利益へ換算した正当化PER上限は約18.4倍であり、その82%に相当する15.08倍とする。現行株価や同業の市場倍率には合わせていない。
確率:終末期医療と配管修理の需要が長く続く可能性が高く、2026年の実績改善も確認できる。一方、政府の報酬改定と人件費の制約があるため、最も起きやすい筋書きとして36%を配分する。
やや悲観 24% やや悲観:医療報酬が費用に追いつかず、配管事業も競争が激しくなる 利益 3 億ドル · PER 11.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 303.22 ドル40 億ドル
VITASの患者数は増えるが、日額報酬の引き上げが人件費に追いつかない。看護師の確保が難しく、紹介元の病院に対しても十分な人員を用意できない地域が出る。競合のジェンティバや地域の非営利ホスピスに患者を取られ、シェアは伸び悩む。2036年の延べ患者日数は990万日で、営業利益率は14.3%まで下がる。
Roto-Rooterは2026年の加盟地域買収によって売上を増やすが、期待したほど採算が改善しない。地元業者やミスター・ルーターとの価格競争が続き、広告費も高止まりする。AI検索による業者比較が普及し、ブランドだけで選ばれる機会が減る。作業件数は増えても単価の上昇は物価に届かず、保険査定によって水害復旧の回収額も伸び悩む。
全社の営業利益は約4.17億ドル、純利益は3.20億ドルにとどまる。高い成長を維持する会社ではなくなり、自社株買いの規模も減る。10年間の純利益累計は29.25億ドル、正味の還元は21億ドルである。事業の存続は問題ないが、競合に対して優れた利益率を維持する力が弱まり、株主に残る利益の成長は限られる。
- VITAS・ホスピスと終末期医療:数量 9.9(延べ患者日数(百万日))× 価格 247(患者1日あたり実現収入(ドル))→ 売上 24 億ドル・営業利益 3 億ドル。需要増は続くが、紹介シェアが低下し、報酬改定が人件費上昇に追いつかない。
- Roto-Rooter・排水管清掃、配管修理、掘削:数量 0.7(収益換算の作業件数(百万件・推定))× 価格 1,300(作業1件あたり平均請求額(ドル・推定))→ 売上 9 億ドル・営業利益 1 億ドル。集客競争で件数の伸びが鈍り、料金を十分に転嫁できない。
- Roto-Rooter・水害復旧:数量 0.0(収益換算の復旧作業件数(百万件・推定))× 価格 5,800(復旧1件あたり回収済み売上(ドル・推定))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。保険請求の査定強化で売上回収率が低下する。
- Roto-Rooter・独立請負業者、加盟店、その他:数量 310(収益換算のサービス対象人口(百万人・推定))× 価格 0.36(対象人口1人あたり年間収入(ドル・換算値))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。加盟店の増加が鈍り、手数料の実質的な伸びも小さい。
倍率:ROEは3.20÷16.86=約19.0%、kは7.75%。moatはnormalでRONICは約13.4%。長期gは2.5%で、ホスピスの実質需要は緩やかに増えるがシェアが下がり、実現単価は物価を下回る。配管修理も数量と価格が伸び悩む。正当化PERの10年目利益換算上限は約15.9倍だが、医療報酬と集客費の不確実性が高いので11.90倍とした。これは中立の15.08倍を下回り、事業純利益3.20億ドル÷kの約41.3億ドル以下の時価総額となる。
確率:2027年度のホスピス報酬改定が物価を下回り、配管事業でも2026年に費用率の悪化が見られた。両方の逆風が長引く可能性を考え、やや楽観より厚い24%とする。
悲観 11% 悲観:ホスピスの報酬構造が変わり、配管ブランドも優位性を失う 利益 1 億ドル · PER 11.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 98.98 ドル13 億ドル
メディケアは、ホスピスの支払いを患者日数だけでなく、実際の訪問や患者の必要度により強く連動させる。長期間利用する患者の採算が悪化し、VITASは人員配置と拠点の見直しを迫られる。監査も強まり、紹介元の病院と地域の競合に患者を取られる。延べ患者日数は2026年の水準から減り、2036年には775万日となる。
Roto-Rooterではオンライン検索とAIによる業者比較が進み、全国ブランドへの指名注文が減る。ミスター・ルーターや地元の独立業者との価格競争が激しくなり、直営化した地域の固定費を十分に回収できない。掘削工事は消費者の節約で先送りされ、水害復旧では保険会社の査定がさらに厳しくなる。
VITASの営業利益率は10.5%、配管の主要作業は10%まで下がる。連結営業利益は約1.59億ドル、GAAP純利益は1.18億ドルで、2025年の水準を大きく下回る。大きな買収は中止し、老朽化した拠点を整理する。10年間の純利益累計は19.15億ドル、正味の還元は12億ドルに縮む。需要がなくなるのではなく、会社がかつての価格や利益率を得られなくなる構造的な負けである。
- VITAS・ホスピスと終末期医療:数量 7.8(延べ患者日数(百万日))× 価格 226(患者1日あたり実現収入(ドル))→ 売上 18 億ドル・営業利益 2 億ドル。制度変更と競争で患者日数が減り、実現単価も物価を大幅に下回る。
- Roto-Rooter・排水管清掃、配管修理、掘削:数量 0.5(収益換算の作業件数(百万件・推定))× 価格 1,150(作業1件あたり平均請求額(ドル・推定))→ 売上 6 億ドル・営業利益 1 億ドル。全国ブランドの集客力が弱まり、地元業者との料金競争が続く。
- Roto-Rooter・水害復旧:数量 0.0(収益換算の復旧作業件数(百万件・推定))× 価格 5,000(復旧1件あたり回収済み売上(ドル・推定))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。作業件数と回収単価が低下し、利益はほとんど残らない。
- Roto-Rooter・独立請負業者、加盟店、その他:数量 280(収益換算のサービス対象人口(百万人・推定))× 価格 0.33(対象人口1人あたり年間収入(ドル・換算値))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。加盟地域の採算悪化と独立請負業者の離脱で収益が減る。
倍率:悲観のROEは1.18÷15.76=約7.5%で、k7.75%を下回る。新しい資本の投資収益率は資本コストを超えず、将来の成長を高く評価できない。長期gは1.0%で、ホスピスの数量減と公的報酬の抑制、配管事業のシェア低下を反映した。利益が資本コスト未満なのでPER上限は1÷k=約12.90倍とし、その内側の11.05倍で評価する。時価総額は1.18億ドル×11.05倍=約13.04億ドルで、同じ筋書きの稼ぐ力1.18÷7.75%=約15.23億ドルを超えない。過去の谷のPBRは使用していない。
確率:メディケアが日額払いを見直し、長期在院患者への支払いを削減する一方、配管事業でも集客力が落ちる構造的な悪化。需要そのものは残るため倒産の可能性までは高くないが、優良さを失う筋書きとして11%とした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
VITAS・ホスピスと終末期医療
末期疾患の患者に対する在宅、施設、入院でのホスピスケアを提供する。メディケアの患者1日あたり定額払いが主な収入源。
| 数量延べ患者日数(百万日) | 価格患者1日あたり実現収入(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 8.2 | 200 | 16 | 2 |
| 10 年後 中立 | 11.8 | 260 | 31 | 5 |
取り方:2025年10-Kに延べ患者日数815万3508日、VITASの売上16.301億ドル、営業利益2.469億ドルが開示されている。実現単価199.93ドルは売上を患者日数で割った値で、通常在宅ケア、入院、連続ケア、Medicare Capの控除をすべて含む。2026年7~9月期には平均患者数が9.4%増、実現単価が約209ドルとなった。2024年の米国ホスピス支出約282億ドルに対する2025年の売上比率は約5.8%だが、年度と対象支払者が一致しないため厳密な市場シェアではない。
Roto-Rooter・排水管清掃、配管修理、掘削
住宅や商業施設の排水管の詰まり、配管故障、地中配管の修理や交換を行う。顧客からの依頼件数と作業ごとの平均請求額で収入が決まる。
| 数量収益換算の作業件数(百万件・推定) | 価格作業1件あたり平均請求額(ドル・推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 0.6 | 1,026 | 7 | 1 |
| 10 年後 中立 | 0.8 | 1,400 | 11 | 2 |
取り方:2025年10-Kの売上内訳は排水管清掃2.318億ドル、配管修理1.827億ドル、掘削2.384億ドル、その他0.008億ドルで合計6.537億ドル。総作業件数と平均請求額は非開示のため、排水管清掃1件約600ドル、一般配管修理約900ドル、掘削約5000ドルという推定単価から、それぞれ約38.6万件、20.3万件、4.8万件を組み立てた。合計約63.7万件、加重平均単価約1026ドルである。件数と単価は推定であり、会社が確認した実績ではない。営業利益はRoto-Rooter全体の1.608億ドルをサービス別の作業内容と費用構造で配分した推定。
Roto-Rooter・水害復旧
漏水や浸水後の排水、乾燥、復旧作業を行う。保険会社への請求や回収の条件が売上と利益率に影響する。
| 数量収益換算の復旧作業件数(百万件・推定) | 価格復旧1件あたり回収済み売上(ドル・推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 0.0 | 4,756 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 0.0 | 6,200 | 3 | 0 |
取り方:2025年10-Kの水害復旧売上は控除前で1.902億ドル。Roto-Rooter全体の価格調整・クレジットメモ0.380億ドルは主として水害復旧に関係するため、保守的に全額をこの区分へ配分し、収益換算で1.522億ドルとした。実際の控除額の区分別内訳は非開示であり、この配分は推定である。復旧作業を年約3.2万件、平均回収売上約4756ドルと仮定した。営業利益0.25億ドルも配分推定である。
Roto-Rooter・独立請負業者、加盟店、その他
独立業者の売上に応じた手数料、加盟地域の人口に応じた加盟料、その他の付随収入を得る。直営事業とは費用構造が異なる。
| 数量収益換算のサービス対象人口(百万人・推定) | 価格対象人口1人あたり年間収入(ドル・換算値) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 300 | 0.31 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 325 | 0.40 | 1 | 0 |
取り方:2025年10-Kの独立請負業者収入0.694億ドル、加盟店手数料0.057億ドル、その他収入0.189億ドルを合計した。サービス網は米国人口の90%超を対象とするため、対象人口約3億人に対する年間収益約0.31ドルという収益換算の単位を用いた。加盟店の基本料金は地域人口に連動するが、独立請負業者への料金は売上連動であり、人口単価は実際の契約料金ではない。営業利益0.198億ドルは推定配分である。
リスクと懸念
メディケアの報酬改定と支払い上限
VITASの収入の大部分は政府が定める日額報酬に依存する。2027年度の引き上げ率は2.3%で、想定物価上昇率3.5%に届かない。看護師の賃金や訪問費用がそれ以上に増えれば、患者数が増えても利益率は縮む。2025年に大きな負担となったメディケア上限が再び悪化すれば、営業利益の変動はさらに大きくなる。
ホスピスの支払い方式と監査の変更
2026年の米国会計検査院の報告は、ホスピスの日額払いが実際の訪問に対して過大な支払いを生む可能性を指摘した。訪問実績や医療の必要度に応じた制度へ移行すれば、長期在院患者から得る利益が減る。CMSによる監査、患者の適格性の確認、請求の返還も収益を左右する。規制変更は業界全体に効くが、規模の大きいVITASの絶対的な影響額も大きい。
医療従事者の不足と患者構成
ホスピスは看護師や介護補助者が患者を訪問して初めてサービスを提供できる。人材の採用難や離職が続けば、紹介を受けても患者を引き受けられず、地域シェアを失う。さらに高度なケアを必要とする患者の割合が変化すると、患者日数が同じでも平均実現単価と費用が動く。2026年の好調な患者数だけで将来の利益率を保証することはできない。
AI検索の普及とRoto-Rooterの集客費
Roto-Rooterは知名度の高いブランドだが、緊急修理の顧客は検索や口コミで業者を選ぶ。AIによる業者比較、検索結果の変化、広告単価の上昇によって、全国ブランドの集客力が弱まる可能性がある。これは看護や配管作業そのものをAIエージェントが代替するリスクとは異なる。人月販売のBPOや席課金SaaSではなく、両事業の身体的な現場サービスはAIエージェント代替の特別な減額対象外である。
配管事業の値引きと保険請求の回収
Roto-Rooterでは排水管清掃から掘削や水害復旧へ追加販売できることが利益の源になる。しかし、顧客が高額工事を先送りし、保険会社が復旧費用を厳しく査定すると、売上を計上しても現金の回収が減る。2025年には価格調整やクレジットメモが増え、営業利益率も下がった。直営地域の固定費が増えると、この変化は利益へ大きく響く。
自社株買いと地域買収の資本配分
長年の自社株買いは株数を減らし、既存株主の持ち分を増やした。一方、2026年1~9月には買い戻しと買収に使う現金が同期間のフリーキャッシュフローを上回り、借入も増えた。高い値段で自社株を買い、買収した地域の利益率も改善しなければ、ROEが高く見えても株主の富は増えない。借入金利が約5.75%に近づく環境では、還元と投資の優先順位が一段と大切になる。
今後の分かれ目
- 2027~2028年もVITASの平均患者数が年6%以上増え、メディケア上限の返還額が小さく保たれたら
- 紹介網の拡大が一時的ではない証拠となる。やや楽観の確率を引き上げ、2036年の患者日数と営業利益率を上方修正する。
- CMSのホスピス報酬改定率が数年間続けて人件費上昇率を2ポイント以上下回ったら
- 患者数の増加だけでは費用を吸収できなくなる。中立の営業利益率17%を見直し、やや悲観の確率を増やす。
- ホスピスの日額払いが訪問実績中心の制度へ大きく変更されたら
- 長期在院患者の採算と平均実現単価を組み直す必要がある。制度変更の影響が大きければ悲観の筋書きへ近づく。
- 2026年に取得したカリフォルニアの加盟地域が、取得前売上0.50~0.55億ドルを上回って伸び、利益率もRoto-Rooter全体に近づいたら
- 加盟地域の直営化が価値を生む証拠となる。Roto-Rooterの作業件数と増分利益率を上方修正し、買収による成長をより高く評価する。
- 排水管清掃の作業件数が2年連続で5%以上減り、広告費も増えたら
- 全国ブランドの集客力が弱まっている可能性が高い。掘削と水害復旧の将来案件も減るため、Roto-Rooterの数量見通しを引き下げる。
- 自社株買いと買収の支出がフリーキャッシュフローを継続して上回り、純負債がEBITDAの2倍を超えたら
- 財務の安全域が薄くなったと判断する。qualityのdebtを見直し、還元の持続可能額と悲観側の財務余力を再評価する。
- 2027年以降にVITASの営業利益率が18%を超え、Roto-Rooterも20%前後の営業利益率を回復したら
- 人件費と集客費の管理が継続的な競争力になっていると評価する。中立の2036年純利益を引き上げ、利益の質に応じた正当化倍率も再検討する。
見ておくもの
- VITASの四半期平均患者数、延べ患者日数、新規入院数、平均在院日数
- VITASの患者1日あたり実現収入と通常在宅ケア・高度ケアの構成
- メディケアの年間支払い上限、返還・引当額、地域別の上限余裕
- CMSのホスピス報酬改定率と、日額払い・訪問払いに関する制度変更
- Roto-Rooterの配管、排水管清掃、掘削、水害復旧の件数と平均請求額
- Roto-Rooterの広告費、保険請求の調整額、営業利益率
- 2026年取得のカリフォルニア地域の売上、統合費用、投下資本利益率
- GAAP純利益、営業キャッシュフロー、維持設備投資、株式報酬の推移
- 自社株買い、配当、買収支出と純有利子負債の関係
- 競合のジェンティバ、エンハビット、ミスター・ルーターなどとの地域競争
倍率と資本コストの決め方
企業価値は現在の株価や過去の市場PERではなく、VITASの患者日数と実現単価、Roto-Rooterの作業件数と請求単価を先に考えて求めた。2025年の会社開示を数量の基準とし、2026年7~9月期の患者数増加と9月の加盟地域買収を反映した。配管事業の件数・単価や区分別利益は非開示のため、会社が公表したサービス別収入と明示的な作業単価の仮定から推定している。
倍率はk7.75%、事業ROE、長期g、普通の堀に対するRONICの式から求めた。中立の正当化PER上限は約18.4倍で、利益の質を考慮した15.08倍を採用した。悲観はROEがkを下回るため、過去の底のPBRを使わず、その筋書きの稼ぐ力の範囲に収めた。
自己資本は2026年9月末の8.614億ドルを起点に、各筋書きのGAAP純利益累計から正味の配当・自社株買いを引いている。株式報酬は費用と正味還元の調整に反映し、同じ費用を二度差し引いていない。リースは米国基準ASC842ですでに貸借対照表へ計上され、悲観でも固定的な支払いとして扱う。現金は負債を下回るため、余剰現金を別途加算しない。
確率加重の2036年時価総額と10年間の正味還元を現在価値に戻した本質価値は約52.0億ドルとなり、基準時価総額67.6億ドルに対して約23%低い。株価に結論を寄せる調整はしていない。株価のas_ofは2026年10月23日で、事業情報は10月27日の決算発表まで確認している。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。米国株の基本8.0%にqualityの-0.25%を加え、資本コストを7.75%とした。株価のβと市場の評価倍率は使わない。公的保険の改革、地域買収の成否、検索経路の変化は、存続危機ではなく事業ごとの数量、利益率、確率で表すためextraは0。