結論
ダヴィータ(DaVita)は米国の透析で最大手。2026 年 6 月末で患者約 29.9 万人・センター 3,266 か所(米国 2,671、海外 595 か所・14 か国)。米国では 1 回 約 416 ドルの治療を年に 2.9 千万回行い、売上の約 85% と利益の大半がここから出る。支払いはメディケア(公的)と民間保険で、売上では公的が約 52%(メディケア・メディケア アドバンテージ)、民間が約 32%。民間は 1 回あたりの単価が高く利益の中心だが、ACA(オバマケア)の加入の減少で比率が下がり、1 回あたり収入は 2026 年 4〜6 月に前の期より 1.72 ドル下がった。
2026 年の会社見通しは調整後の営業利益 21.5〜22.5 億ドル、調整後 1 株利益 14.10〜15.20、フリーキャッシュフロー 10〜12.5 億ドル。GAAP の純利益(少数株主の分を引いた親会社分)は約 9.7 億ドルの見込み。借金は 108 億ドルで、純負債は営業利益の約 4.7 倍・EBITDA の約 3.4 倍、帳簿の自己資本はマイナス(−7.7 億ドル)。バークシャーが約 45% を持つ大株主で、会社は毎期の買い戻しでその割合を保つ。
筋書きは、米国の治療回数を市場(患者数 +1.5% から GLP-1 などの腎機能悪化の抑制で −1.0)× シェアで年 +0.4〜0.7%、1 回の収入を年 +1.7〜1.9%(物価 3.5% を下回る)と置き、中立の 10 年後の純利益は 11.7 億ドル(2026 年の約 1.2 倍)、倍率は 12.7 倍(上限 15.9 倍の 8 割)。資本コストは基本 8.0% に quality +0.75% を足した 8.75%。確率を加重した本質価値は今の時価総額を 1 割ほど下回り、「やや割高」の範囲に出た。GLP-1 と民間単価の規制・訴訟は悲観側に厚く置いてある。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、10 年後もこの事業は残る。透析は命に関わる治療で、人口の高齢化で患者は減らない。ただし堀は「防ぐ堀」で、価格を決める力は国と保険者が握っている。収入が物価(3.5%)に届かないまま人件費が物価で上がるので、費用を下げ続けなければ利益率は縮む。
オーナー利益は、純利益 約 9.7 億ドル(株式報酬を費用に入れた親会社分)に、減価償却と設備投資がほぼ釣り合うので、約 9〜10 億ドル。時価総額 約 121 億ドルに対する利回りは約 8% と、国債 5% を上回る。しかし利益の大半(民間保険)が政策と交渉次第で、借金(純負債 EBITDA の 3.4 倍)が利益を増幅するので、確信度は中程度。悲観では株主の取り分がほぼ消える。
資本配分は、借金で株を買い続け、1 株あたりは増えるが、純負債は EBITDA の 3.4 倍で余裕が薄い。買い戻しの価格が割高になれば価値を壊す。経営は費用の管理に優れる。結果は、利益ベースの正当化 PER の 8 割(中立は約 12.7 倍)と確率で、本質価値が今の時価総額を 1 割ほど下回る。安全域は小さい。バリュー投資家なら、民間単価の規制・訴訟と GLP-1 の見極めがつくまで、払う値段に余裕が要ると見る。
何で稼ぐ会社か
売上の中心は米国の透析センターの運営で、2026 年 4〜6 月の売上 35.5 億ドルのうち米国透析が 30.1 億ドル(85%)。治療回数は 722.7 万回、1 日あたり 92,649 回、1 回あたり収入 415.87 ドル、患者ケアの費用は 1 回 277.40 ドル、本社費 45.79 ドル、減価償却 20.26 ドル。医師との合弁(少数株主)が多く、利益のうち少数株主の分(2026 年上半期 1.55 億ドル、純利益の約 25%)が外へ出る。
1 回の収入は支払い者で大きく違う。メディケア(透析は 1 回あたりの定額払い)と州のメディケイドは低く、民間保険は高い。患者数の割合では民間は 1 割強にすぎないのに、売上では 32%、利益ではそれ以上を占める(利益の割合は会社が示しておらず推定)。そのため、民間患者の比率の変化・民間の交渉単価・公的料金の改定の 3 つが利益をほぼ決める。
残りは 3 つ。海外(売上 3.86 億ドル/四半期・営業利益 0.25 億ドル)は 14 か国 595 か所で利益率が低い。統合腎臓ケア(IKC:売上 1.62 億ドル/四半期)は、保険者から患者の医療費全体を預かる契約で、リスクを負う患者が 6.5 万人・年間の医療費 約 58 億ドル、四半期ごとに利益が大きく振れる(1〜3 月 −0.19 億、4〜6 月 +0.40 億ドル)。そのほか米国の周辺事業。治療のうち自宅透析が増えており、センターの設備は固定費が重く、患者が増えるほど利益率が上がる。
優良さと弱いところ
堀は 3 つ。第 1 は地域ごとの密度と規模で、米国の透析はダヴィータとフレゼニウス・メディカルケア(Fresenius Medical Care)の 2 社で約 7 割を占める(業界ノート)。腎臓の専門医との合弁・長期契約・地域の保険者との交渉力で、新規参入が難しい。第 2 は政府の定額払い(メディケアの包括払い)の中で治療費用を下げ続けてきた運営力で、1 回の患者ケア費用は 2026 年 4〜6 月に 280.11 ドルから 277.40 ドルへ下がった。第 3 は需要の確かさで、末期腎不全の患者は透析を続けないと生きられず、景気に左右されない。
競合と比べる。フレゼニウスは米国で約 100 のクリニックを閉じて効率化を終え、新しい透析機(5008X)を入れ替えており、利益率の改善を狙う。ダヴィータの営業利益率は 2026 年 4〜6 月で 16.3%。競争は価格ではなく患者の取り合いと医師の確保が勝負になる。
弱みも 3 つ。第 1 は価格を決める力が弱いこと。公的料金は議会と CMS が決め(2027 年は市場バスケット +1.6% で総支払い +1.1% の提案)、民間は保険者が強い。第 2 は借金で、純負債が EBITDA の 3.4 倍あり、自己資本はマイナス。第 3 は政策・訴訟で、民間の単価を下げる規制や、連邦の虚偽請求の訴訟(棄却申立てが 2025 年 4 月に退けられた)が残る。資本配分は自社株買いが大きく、割高で買えば価値を損なう点も見る。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の透析は、末期腎不全の患者約 55 万人(推定)が年 150 回前後の治療を受ける市場で、売上の大半をメディケアが払う。患者数は高齢化と糖尿病・高血圧で年 1.5% 前後伸びてきたが、治療回数の伸びは鈍い。ダヴィータの 2026 年 4〜6 月の治療回数は買収を除いた比較で前年比 +0.3%、1 日あたりでは +0.6%。
構造の変化は 4 つ。第 1 は GLP-1(肥満・糖尿病の薬)と SGLT2 阻害薬で、腎臓の悪化を遅らせ、新しく透析に入る患者を減らす可能性がある。会社は 2025 年 10〜12 月期の決算説明で目先の影響は小さいとしたが、10 年では患者を 1〜2 割減らしうると見て、悲観側に置いた。第 2 は自宅透析で、フレゼニウスは米国の治療の約 16%(2025 年)が自宅、2027 年に約 25% を見込むとされる(二次情報)。センターの固定費が空く一方、自宅は機器が主役になる。第 3 は保険の構成で、ACA の補助の失効と加入の減少で民間の患者が減ると 1 回の収入が下がる(2026 年 4〜6 月に実際に起きた)。第 4 は公的料金で、CMS の 2027 年の提案は基本料金 299.55 ドル(リン吸着薬を包括払いに入れる 15.96 ドルの増を含む)、総支払い +1.1%。
2026 年 4 月には米国の控訴裁がカリフォルニア州の透析の利益を制限する法律を無効としたとの報道があり(検索の要約)、州による価格の上限という悲観の筋書きが一段後退した。循環のどこにいるかといえば、2025〜2026 年は費用の削減と自社株買いで利益が伸びた局面で、2027 年以降は収入の伸びが物価(3.5%)を下回り、費用を抑え続けられるかが問われる。
資本政策と M&A
資本配分は借金で自社株買いをする形である。2026 年上半期の自社株買いは 7.5 億ドル(3 月までに 4.0 億、4〜6 月に 3.5 億ドル)、株数は 2024〜2025 年の 2 年で約 2 割減り、直近は 6,380 万株。うちバークシャーからの買い取りが 3.8 億ドル(10-Q の関連当事者取引)で、会社はバークシャーの持ち分(約 45%)が上限を超えないように買い戻す。バークシャーは市場でも売っている(2026 年 5 月に約 122 万株の報道)。
財務は、総借入 108.5 億ドル、現金 6.7 億ドル、純負債 101.8 億ドル、純負債 ÷ EBITDA 3.37 倍(契約の上限 5.0 倍)、平均金利 5.43%。2026 年 6 月に 5 億ドルのタームローン B-2 を追加した。満期は 2030 年に 45.5 億ドル、2031 年に 37.6 億ドル、その先 20.5 億ドルと重く、借り換えで金利は 5.75% 前後へ上がる(brief.py の推定で純利益に −1〜−2 億ドル)。
M&A は小さく、2026 年上半期の買収支出は 0.39 億ドル。純利益は GAAP の親会社分で、株式報酬(年 1.4 億ドル前後)は費用に入っている。FCF(10〜12.5 億ドル)から少数株主への分配(年約 3 億ドル)と買収を引き、残りと純負債の増加(EBITDA の 3.35 倍を保つ)を還元に回すと置いた。
2026 年に決算期末後すでに実行した自社株買い 3.8 億ドル(10-Q・2026 年 1〜6 月)は、今の株数(時価総額)に反映済みなので、10 年の還元には数えず、自己資本の起点(-10.3 億ドル)からも外した。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
楽観の見方:透析は命に関わる治療で、患者は景気に関係なく通い続ける。ダヴィータは米国でフレゼニウスと並ぶ 2 強で、患者ケアの費用を 1 回 280.11 ドルから 277.40 ドルへ下げ(2026 年 4〜6 月)、営業利益率は 16.3% まで来た。会社は 2026 年の見通しを引き上げ、フリーキャッシュフローは 10〜12.5 億ドル。フレゼニウスが米国で約 100 のクリニックを閉じた分の患者を取り込み、治療回数は年 +1% 近くまで戻る。
GLP-1 は糖尿病・高血圧の悪化を抑えるが、すでに透析に入った患者は減らず、会社は目先の影響は小さいと説明してきた。心臓の事故を減らして患者の生存が延びれば、治療回数はむしろ増える。民間の患者は ACA の失効で一時的に減るが、雇用が戻れば比率は戻り、民間の交渉単価も毎年上がる。2026 年 4 月にはカリフォルニア州の利益制限の法律が控訴裁で無効となり(報道)、州が価格の上限を決める悲観が後退した。
最後に資本配分。借金を EBITDA の 3.4 倍に保ち、利益の伸びに合わせて自社株買いを続ければ、会社全体の価値が同じでも、株数が毎年 1 割前後減る(2025 年は −12.7%)ので 1 株の価値は増える。純利益に対する今の PER は約 12.5 倍と、10 年のならした水準(中央値 約 16 倍)より安い。
慎重な見方
慎重な見方:利益の大半は民間保険の患者が生んでいるが、民間の割合は売上の 32% しかなく、ACA の補助の失効と OBBBA(2025 年の包括法)で民間の加入が減る。1 回あたりの収入は 2026 年 4〜6 月に前の期より下がった。公的料金は CMS の 2027 年の提案で総支払い +1.1%(市場バスケット +1.6%)にとどまり、物価 3.5% の中で人件費が上がれば利益率は縮む。治療回数は買収を除くと前年比 +0.3% にすぎない。
GLP-1 と SGLT2 阻害薬は腎臓の悪化を遅らせ、新しく透析に入る患者を減らす。普及が進む 10 年では患者が 1〜2 割減る恐れがあり、センターの固定費が重いので利益率は一気に下がる。民間の単価は保険者が強く、規制(州の上限・団体交渉)や訴訟(連邦の虚偽請求・カリフォルニア州・首都の独禁法の調査)が重なれば下がりうる。
財務も軽くない。純負債は営業利益の約 4.7 倍・EBITDA の約 3.4 倍で、満期は 2030〜2031 年に 83 億ドルが集まり、借り換えで金利は上がる。自己資本はマイナスで、利益が落ちると自社株買いが止まり、借金の負担が株主の取り分を直撃する。バークシャーは売る側にも回っており(2026 年 5 月に約 122 万株の報道)、需給の重しにもなる。
どちらに重みを置いたか
慎重な見方の「収入が物価に追いつかない」「民間の比率が落ちる」「借金が重い」は事実として強く、確率を悲観側に寄せた(やや悲観 26%・悲観 16%)。一方、需要の確かさと費用を下げる力は楽観の見方が正しく、中立でも利益は 10 年で名目 2% 台は伸びる。
結果は、中立の 10 年後の純利益 11.7 億ドルに、正当化 PER の 8 割(12.7 倍。k 8.75%・g 2.7%)を掛けた時価総額 149 億ドル。資本コストが 8.75% と高めで倍率は低く、還元で株主が受け取る額を入れても、本質価値は今の時価総額を 1 割ほど下回り「やや割高」に出る。式と筋書きの結果をそのまま受け入れ、割安・割高に寄せる調整はしていない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/12 期)
確率で加重した株価時価総額 208.46 ドル135 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 106.83 ドル69 億ドル)。 今の値に割り戻すと 160.33 ドル104 億ドル、今との差 −13.8%、 期待の年率 +5.4%(資本コスト 8.8%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 377.12 ドル244 億ドル | 205.46 ドル133 億ドル | +213.0% | +12.1% | 40.78 ドル26 億ドル |
| やや楽観 | 18% | 305.18 ドル198 億ドル | 168.10 ドル109 億ドル | +154.3% | +9.8% | 85.19 ドル55 億ドル |
| 中立 | 33% | 229.39 ドル149 億ドル | 130.44 ドル85 億ドル | +93.4% | +6.8% | 118.74 ドル77 億ドル |
| やや悲観 | 26% | 167.02 ドル108 億ドル | 73.63 ドル48 億ドル | +29.3% | +2.6% | 62.57 ドル41 億ドル |
| 悲観 | 16% | 50.01 ドル32 億ドル | 0.00 ドル0 億ドル | −73.1% | −12.3% | 8.00 ドル5 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 208.46 ドル135 億ドル | 106.83 ドル69 億ドル | +69.4% | +5.4% | 315.29 ドル204 億ドル |
今の株価時価総額 186.10 ドル121 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.8% を下回るほど割高。
楽観 7% 楽観:患者は減らず民間単価も上がり、純利益が 2026 年の約 1.6 倍へ 利益 16 億ドル · PER 15.7 倍 · 株価時価総額 377.12 ドル244 億ドル
2036 年、米国の治療回数は 31.7 百万回、1 回の収入は 544 ドル、営業利益率 18.0%(営業利益 31.0 億ドル)、海外は売上 29 億ドル・営業利益 2.9 億ドル、IKC は売上 12 億ドル。全社の営業利益 33.7 億ドル、借金の金利は 5.75%、GAAP の純利益(少数株主の分を引いた親会社分)15.6 億ドル(2026 年の約 1.62 倍)。 GLP-1 は新規患者を減らさず、民間の交渉単価が物価近くまで上がり、自宅透析で費用が下がる。フレゼニウスとの価格競争が緩めばこの水準、民間の規制・訴訟で単価が下がれば中立へ下がる。還元は 10 年で 133 億ドル、純負債は 147 億ドル(EBITDA の 3.35 倍)。倍率は正当化 PER 17.4 倍の 9.0 割にあたる 15.7 倍に置いた。
- 米国の透析(センター運営・自宅透析):数量 31.7(治療回数(百万回))× 価格 544(1 回あたり収入(ドル))→ 売上 172 億ドル・営業利益 31 億ドル。治療回数 = 市場 × シェア。1 回の収入は公的料金と民間の構成で物価より低い
- 海外の透析(14 か国・595 か所):数量 12.7(治療回数(百万回、推定))× 価格 231(1 回あたり収入(ドル、推定))→ 売上 29 億ドル・営業利益 3 億ドル。14 か国の治療回数 = 市場 × シェア。現地通貨の価格、為替は動かさない
- 統合腎臓ケア・その他(消去込み):数量 105(患者数(千人))× 価格 11(患者 1 人あたり年間収入(千ドル、推定))→ 売上 12 億ドル・営業利益 1 億ドル。契約する患者数 × 1 人あたり収入。利益は医療費の超過で振れる
倍率:上限の正当化 PER 17.4 倍に対し、15.7 倍(9.0 割)に置いた。中立の 8.0 割に、利益の質がよい分を上乗せした(楽観 +1.0 割)。上限の中身は g 4.0%、RONIC 23.0%(k 8.75% + 残る割合 0.50 ×(事業の ROE − k))、moat は 普通。式は (1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 37.3%(帳簿の自己資本 ROE は 40% 超か自己資本が負・極小なので使わず、ROIC 21%(税引き後営業利益 ÷(その筋書きの自己資本+今の純負債))+(ROIC − 税引き後の借入金利 4.4%)× 業界並みの負債の比 1.0(純負債 ÷(自己資本+純負債)。1 まで)で出した値)。時価総額は、書いた純利益 16 億ドル × 15.7 倍で 244 億ドル。純負債と利払いは純利益に入っているので、借金はさらに引かない。
確率:GLP-1 が患者を減らさず、民間の単価規制も起きず、自宅透析で利益率が上がる展開。10 年で 7%。
やや楽観 18% やや楽観:GLP-1 の影響が小さく、公的料金の改定も物価に近づく 利益 14 億ドル · PER 14.4 倍 · 株価時価総額 305.18 ドル198 億ドル
2036 年、米国の治療回数は 30.9 百万回、1 回の収入は 523 ドル、営業利益率 17.2%(営業利益 27.8 億ドル)、海外は売上 27 億ドル・営業利益 2.5 億ドル、IKC は売上 11 億ドル。全社の営業利益 29.9 億ドル、借金の金利は 5.75%、GAAP の純利益(少数株主の分を引いた親会社分)13.7 億ドル(2026 年の約 1.42 倍)。 GLP-1 の影響が軽く、治療回数が年 +0.65% 伸び、公的料金が費用の指数に近づく。競合のフレゼニウスが自宅透析で先行すれば、利益は 1 割下がる。還元は 10 年で 109 億ドル。倍率は正当化 PER 17.0 倍の 8.5 割にあたる 14.4 倍に置いた。
- 米国の透析(センター運営・自宅透析):数量 30.9(治療回数(百万回))× 価格 523(1 回あたり収入(ドル))→ 売上 162 億ドル・営業利益 28 億ドル。治療回数 = 市場 × シェア。1 回の収入は公的料金と民間の構成で物価より低い
- 海外の透析(14 か国・595 か所):数量 12.1(治療回数(百万回、推定))× 価格 227(1 回あたり収入(ドル、推定))→ 売上 27 億ドル・営業利益 3 億ドル。14 か国の治療回数 = 市場 × シェア。現地通貨の価格、為替は動かさない
- 統合腎臓ケア・その他(消去込み):数量 99.6(患者数(千人))× 価格 11(患者 1 人あたり年間収入(千ドル、推定))→ 売上 11 億ドル・営業利益 0 億ドル。契約する患者数 × 1 人あたり収入。利益は医療費の超過で振れる
倍率:上限の正当化 PER 17.0 倍に対し、14.4 倍(8.5 割)に置いた。中立の 8.0 割に、利益の質がよい分を上乗せした(やや楽観 +0.5 割)。上限の中身は g 4.0%、RONIC 20.7%(k 8.75% + 残る割合 0.50 ×(事業の ROE − k))、moat は 普通。式は (1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 32.6%(帳簿の自己資本 ROE は 40% 超か自己資本が負・極小なので使わず、ROIC 18%(税引き後営業利益 ÷(その筋書きの自己資本+今の純負債))+(ROIC − 税引き後の借入金利 4.4%)× 業界並みの負債の比 1.0(純負債 ÷(自己資本+純負債)。1 まで)で出した値)。時価総額は、書いた純利益 14 億ドル × 14.4 倍で 198 億ドル。純負債と利払いは純利益に入っているので、借金はさらに引かない。
確率:GLP-1 の影響が軽く、公的料金が費用の指数に近づく展開。18%。
中立 33% 中立:治療は年 +0.4%、1 回の収入は年 +1.9%、純利益は年約 2% で伸びる 利益 12 億ドル · PER 12.7 倍 · 株価時価総額 229.39 ドル149 億ドル
2036 年、米国の治療回数は 30.2 百万回、1 回の収入は 503 ドル、営業利益率 16.2%(営業利益 24.6 億ドル)、海外は売上 25 億ドル・営業利益 2.0 億ドル、IKC は売上 10 億ドル。全社の営業利益 26.1 億ドル、借金の金利は 5.75%、GAAP の純利益(少数株主の分を引いた親会社分)11.7 億ドル(2026 年の約 1.22 倍)。 治療回数は市場(患者数 +1.5% から GLP-1 などで −1.0)で年 +0.4%、1 回の収入はメディケア(年 +1.5〜2%)と民間(年 +2.5%)の加重に構成の悪化で年 +1.9%(物価の約半分)。患者ケア費用の上がりを生産性で年 +2.0% 程度に抑え、利益率は 17.6% から 16.2% へ縮む。フレゼニウスとの 2 強は保たれ、シェアは大きく動かない。還元は 10 年で 84 億ドル、純負債 117 億ドル。民間の患者が減ればこの水準を割る。倍率は正当化 PER 15.9 倍の 8.0 割にあたる 12.7 倍に置いた。
- 米国の透析(センター運営・自宅透析):数量 30.2(治療回数(百万回))× 価格 503(1 回あたり収入(ドル))→ 売上 152 億ドル・営業利益 25 億ドル。治療回数 = 市場 × シェア。1 回の収入は公的料金と民間の構成で物価より低い
- 海外の透析(14 か国・595 か所):数量 11.5(治療回数(百万回、推定))× 価格 220(1 回あたり収入(ドル、推定))→ 売上 25 億ドル・営業利益 2 億ドル。14 か国の治療回数 = 市場 × シェア。現地通貨の価格、為替は動かさない
- 統合腎臓ケア・その他(消去込み):数量 92.2(患者数(千人))× 価格 11(患者 1 人あたり年間収入(千ドル、推定))→ 売上 10 億ドル・営業利益 0 億ドル。契約する患者数 × 1 人あたり収入。利益は医療費の超過で振れる
倍率:上限の正当化 PER 15.9 倍に対し、12.7 倍(8.0 割)に置いた。新しく投じる資本の稼ぎは先で薄れるので 8.0 割に置いた。上限の中身は g 4.0%、RONIC 16.3%(k 8.75% + 残る割合 0.50 ×(事業の ROE − k))、moat は 普通。式は (1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 23.8%(帳簿の自己資本 ROE は 40% 超か自己資本が負・極小なので使わず、ROIC 15%(税引き後営業利益 ÷(その筋書きの自己資本+今の純負債))+(ROIC − 税引き後の借入金利 4.4%)× 業界並みの負債の比 0.9(純負債 ÷(自己資本+純負債)。1 まで)で出した値)。時価総額は、書いた純利益 12 億ドル × 12.7 倍で 149 億ドル。純負債と利払いは純利益に入っているので、借金はさらに引かない。
確率:業界ノートの中立(治療回数 年 +0.5%、価格 年 +2.5%)より、実際の足元(買収を除く治療回数 +0.3%、市場バスケット +1.6%)に合わせて価格を下げた置き方。33%。
やや悲観 26% やや悲観:GLP-1 で患者が減り、民間の単価も下がる 利益 9 億ドル · PER 12.2 倍 · 株価時価総額 167.02 ドル108 億ドル
2036 年、米国の治療回数は 28.4 百万回、1 回の収入は 479 ドル、営業利益率 14.5%(営業利益 19.7 億ドル)、海外は売上 23 億ドル・営業利益 1.5 億ドル、IKC は売上 9 億ドル。全社の営業利益 20.5 億ドル、借金の金利は 5.75%、GAAP の純利益(少数株主の分を引いた親会社分)8.9 億ドル(2026 年の約 0.92 倍)。 GLP-1 と SGLT2 で新規患者が減り、治療回数は年 −0.2%、民間の単価が押されて 1 回の収入は年 +1.4%。患者ケア費用は物価で上がり、利益率は 14.5% まで下がる。競合に自宅透析で負け始めると、さらに 1 割下がる。借金を EBITDA の 3.35 倍に保つ必要から還元は 10 年で 48 億ドルにとどまる。倍率は正当化 PER 16.2 倍の 7.5 割にあたる 12.2 倍に置いた。
- 米国の透析(センター運営・自宅透析):数量 28.4(治療回数(百万回))× 価格 479(1 回あたり収入(ドル))→ 売上 136 億ドル・営業利益 20 億ドル。治療回数 = 市場 × シェア。1 回の収入は公的料金と民間の構成で物価より低い
- 海外の透析(14 か国・595 か所):数量 11.0(治療回数(百万回、推定))× 価格 210(1 回あたり収入(ドル、推定))→ 売上 23 億ドル・営業利益 2 億ドル。14 か国の治療回数 = 市場 × シェア。現地通貨の価格、為替は動かさない
- 統合腎臓ケア・その他(消去込み):数量 81.9(患者数(千人))× 価格 11(患者 1 人あたり年間収入(千ドル、推定))→ 売上 9 億ドル・営業利益 0 億ドル。契約する患者数 × 1 人あたり収入。利益は医療費の超過で振れる
倍率:上限の正当化 PER 16.2 倍に対し、12.2 倍(7.5 割)に置いた。中立(8.0 割)より 0.5 割低くした。利益の質が悪い筋書きだからだ。上限の中身は g 4.0%、RONIC 17.4%(k 8.75% + 残る割合 0.50 ×(事業の ROE − k))、moat は 普通。式は (1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 26.0%(帳簿の自己資本 ROE(その筋書きの純利益 ÷ 自己資本))。時価総額は、書いた純利益 9 億ドル × 12.2 倍で 108 億ドル。純負債と利払いは純利益に入っているので、借金はさらに引かない。
確率:GLP-1 で新規患者が減り、民間の単価が押される展開。足元の弱さの延長でもあり 26%。
悲観 16% 悲観:患者が 2 割減り、民間の単価が崩れ、借金が株主の取り分を削る 利益 3 億ドル · PER 11.2 倍 · 株価時価総額 50.01 ドル32 億ドル
2036 年、米国の治療回数は 23.2 百万回、1 回の収入は 460 ドル、営業利益率 9.5%(営業利益 10.1 億ドル)、海外は売上 21 億ドル・営業利益 0.8 億ドル、IKC は売上 7 億ドル。全社の営業利益 10.1 億ドル、借金の金利は 5.75%、GAAP の純利益(少数株主の分を引いた親会社分)2.9 億ドル(2026 年の約 0.30 倍)。 GLP-1・SGLT2 で新規患者が 10 年で約 2 割減り(治療回数 年 −2.2%)、民間の単価が規制と訴訟で上がらず(1 回の収入 年 +1.0%)、センターの固定費が重いので利益率は 9.5% まで下がる。営業利益は 10.1 億ドル(2026 年の約 5 割弱)。純負債 80 億ドルが EBITDA の約 4.8 倍と契約の上限に近く、自社株買いは止まる(還元ほぼ 0)。競合のフレゼニウスに患者を取られ、センターの閉鎖と減損が続く。事業は存続するが優良な会社ではなくなり、株主の取り分は小さい。
- 米国の透析(センター運営・自宅透析):数量 23.2(治療回数(百万回))× 価格 460(1 回あたり収入(ドル))→ 売上 107 億ドル・営業利益 10 億ドル。治療回数 = 市場 × シェア。1 回の収入は公的料金と民間の構成で物価より低い
- 海外の透析(14 か国・595 か所):数量 10.4(治療回数(百万回、推定))× 価格 200(1 回あたり収入(ドル、推定))→ 売上 21 億ドル・営業利益 1 億ドル。14 か国の治療回数 = 市場 × シェア。現地通貨の価格、為替は動かさない
- 統合腎臓ケア・その他(消去込み):数量 74.2(患者数(千人))× 価格 10(患者 1 人あたり年間収入(千ドル、推定))→ 売上 7 億ドル・営業利益 0 億ドル。契約する患者数 × 1 人あたり収入。利益は医療費の超過で振れる
倍率:式どおり:g 1.5%(g はこの筋書きの数量と価格から置いた)、ROE 6.0%(帳簿の自己資本 ROE(その筋書きの純利益 ÷ 自己資本))、k 8.75%。(1−g÷RONIC)÷(k−g) の値は来年の利益に対する倍率なので、10 年目の利益には ×(1+g) で 11.2 倍。RONIC = k + 残る割合 0.50 ×(事業の ROE − k)= 7.4%。上限の正当化 PER 11.4 倍の 9.8 割で、上限の内側。10 年目の利益の伸びは年 10% 未満なので 1 段。時価総額は、書いた純利益 3 億ドル × 11.2 倍で 32 億ドル。
確率:GLP-1・SGLT2 の普及で新規患者が 10 年で 2 割減り、民間単価の規制・訴訟で利益率が 9.5% へ。借金が重く株主の取り分が小さくなる構造的な負けとして 16%(HCA の 12% より厚い)。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
米国の透析(センター運営・自宅透析)
米国の透析センターと自宅透析の治療。メディケア・メディケイド・民間保険が払い、民間の患者が利益の中心。
| 数量治療回数(百万回) | 価格1 回あたり収入(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 29.0 | 417 | 121 | 21 |
| 10 年後 中立 | 30.2 | 503 | 152 | 25 |
取り方:2026 年は上半期の実績(治療 1,425.6 万回・1 回 416.71 ドル・米国透析の営業利益 10.44 億ドル)に、下半期を 1 日あたり約 93,300 回×稼働日 79.2・78.8 日、1 回 416 ドル台と置いて通年にした推定(治療 29.0 百万回×416.5 ドル=120.8 億ドル、営業利益 21.3 億ドル)。数量 = 市場(患者数 年 +1.5% から GLP-1・SGLT2 の腎機能悪化の抑制で −1.0 = 治療回数 +0.5%)× シェア(フレゼニウスの米国約 100 クリニック閉鎖で 2027〜2029 年に +0.2%)、価格 = メディケア(売上の約 52%・2027 年の提案は総支払い +1.1%)と民間(約 32%・交渉で年 +2.5% 前後・ACA 減少で構成が悪化)の加重で年 +1.7〜1.9%。物価 3.5% を下回る理由は、公的料金が費用の指数(1.6%)に従い、民間比率が下がるため。競合:フレゼニウス、US レナル ケア、病院系。
海外の透析(14 か国・595 か所)
14 か国・595 か所の透析センター。米国より利益率が低い。
| 数量治療回数(百万回、推定) | 価格1 回あたり収入(ドル、推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 9.0 | 172 | 16 | 1 |
| 10 年後 中立 | 11.5 | 220 | 25 | 2 |
取り方:2026 年 4〜6 月の売上 3.86 億ドル・営業利益 0.25 億ドルから通年を売上 15.5 億ドル・営業利益 0.9 億ドル(利益率 5.8%)と置いた。治療回数 9.0 百万回・1 回 172 ドルは開示がなく、売上を 595 か所の規模から割り戻した推定。数量 = 市場(各国の患者増 年 +3% 前後)× シェア(維持)、価格は各国の現地通貨で年 +2.5%、為替は動かさない(ドル建ての名目)。競合:フレゼニウス(世界最大手)と各国の病院系。
統合腎臓ケア・その他(消去込み)
保険者から患者の医療費全体を預かる契約(IKC)と米国の周辺事業。会社内の取引の消去を引いた値。
| 数量患者数(千人) | 価格患者 1 人あたり年間収入(千ドル、推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 70.6 | 9.07 | 6 | 0 |
| 10 年後 中立 | 92.2 | 11 | 10 | 0 |
取り方:2026 年 4〜6 月の IKC 売上 1.62 億ドル(営業利益 0.40 億ドル、1〜3 月は −0.19 億ドル)・周辺事業 0.09 億ドル(営業損失 0.08 億ドル)・消去 −0.14 億ドルから、通年を売上 6.4 億ドル・営業利益 0.1 億ドルと置いた。患者 70.6 千人(リスク負担 6.49 万+その他 0.57 万)×1 人 9.07 千ドルは売上を患者数で割った逆算(推定)。数量 = 契約する患者数(伸びは保険者の採用次第)、価格は管理料と成功報酬で年 +1.6〜1.8%(保険者との契約で固定的に決まり、物価 3.5% より低い)。年間の医療費 約 58 億ドルを預かるので、利益は医療費の超過で四半期ごとに大きく振れる。
リスクと懸念
民間保険の単価と患者の比率
民間は売上の約 32% だが利益の大半を生む(推定)。ACA の補助の失効・OBBBA で民間の加入が減ると、2026 年 4〜6 月のように 1 回あたり収入が下がる。保険者との交渉や州・連邦の単価規制、団体交渉が強まれば、利益率が数ポイント下がる。2026 年 4 月にカリフォルニア州の利益制限が控訴裁で無効になったとの報道があるが、他の州の動きは残る。
GLP-1・SGLT2 による新規患者の減少
腎臓の悪化を遅らせる薬が普及すると、透析に入る患者が減る。会社は目先の影響は小さいとするが、10 年で患者が 1〜2 割減る可能性を悲観に置いた。センターは固定費が重く、治療回数が 2% 減ると利益は 5% 前後減る(推定)ので、影響は利益の方が大きい。
公的料金の低い改定と人件費
CMS の 2027 年の提案は基本料金 299.55 ドル、総支払い +1.1%、市場バスケット +1.6%。人件費・物価は 3.5% で上がるので、費用を生産性で下げ続けなければ利益率が縮む。リン吸着薬の包括払い化で、薬の別収入が減る面もある。
借金と自己資本のマイナス
純負債 101.8 億ドル、EBITDA の 3.37 倍、自己資本は −7.7 億ドル。2030〜2031 年に 83 億ドルの満期が集まり、借り換えで金利は 5.43% から 5.75% 前後へ上がる。利益が落ちると自社株買いが止まり、契約の上限(5.0 倍)に近づく。
訴訟と調査
連邦の虚偽請求の訴訟(棄却申立てが 2025 年 4 月に退けられた)、カリフォルニア州保険局の調査、首都の司法長官の独禁法の調査、FTC の競業避止の調査が続く。従業員の集団訴訟は 2026 年 6 月に集団認定が退けられた。結果次第で罰金・慣行の変更が起きる。
大株主の持ち分と自社株買いの価格
バークシャーが約 45% を持ち、会社が毎期買い戻して上限を保つ(10-Q の関連当事者取引で上半期 3.8 億ドル)。バークシャーは市場でも売ってきた(2026 年 5 月に約 122 万株の報道)。株価が割高な時に買えば、1 株の価値を損なう。株価は 2026 年に約 7 割上がっており、買い戻しの利回りが下がっている。
今後の分かれ目
- CMS が 2026 年秋に 2027 年の ESRD 料金を確定し、総支払いの伸びが +1.1% を下回ったら
- 米国の 1 回の収入は年 +1.7% の置き方を 1.0% に下げて見る。中立の営業利益率を 0.5 ポイント下げ、やや悲観の確率を上げる。
- ACA の補助が復活せず民間の患者の比率が 2 四半期続けて下がったら
- 1 回の収入が 1〜2 ドルずつ下がり、純利益が年 3〜4% 減る。民間の交渉単価が上がっていなければ中立から下げる。
- 買収を除く治療回数の伸びが 1% を超えたら
- フレゼニウスの閉鎖分の取り込みが進んだと見て、やや楽観・楽観の確率を上げる。0% を割れば GLP-1 の影響が出始めたと見て中立の治療回数を年 +0.4% から 0% に下げる。
- 米国の別の州が透析の利益の上限や価格規制を法律にしたら
- 民間の単価が下がる前提で、10 年の中立の利益率を 1 ポイント下げ、悲観の確率を上げる。控訴裁がカリフォルニア州の法律を無効にした流れが全国に及べば逆に下振れが減る。
- 純負債 ÷ EBITDA が 3.8 倍を超えたら、または自社株買いを止めたら
- 利益の悪化か借金の増やしすぎ。やや悲観に確率を寄せ、還元を中立の半分に見る。3.0 倍を下回れば借金の余裕が増えたとして還元を厚く見る。
- バークシャーが持ち分を大きく減らしたら
- 買い取りの義務が減って会社の自社株買いの量が変わる。株価の需給の重しは短期で、会社全体の価値の見方は変えない。
見ておくもの
- 米国の 1 回あたり収入と患者ケア費用(四半期)、民間の売上比率
- 買収を除く治療回数の伸び(日数を揃えた比較)と新規患者の数
- CMS の ESRD 最終規則(2026 年秋)と議会・州の透析・民間単価の法案
- 純負債 ÷ EBITDA、自社株買いの規模、平均金利
- IKC のリスク負担の患者数と四半期の利益
- フレゼニウス・メディカルケアの米国の治療回数・クリニックの閉鎖・自宅透析の比率
倍率と資本コストの決め方
今の PER(2026 年の純利益で約 12.5 倍)や株価の上げ(2026 年に約 7 割)を見る前に、米国の治療回数 × 1 回の収入、海外、IKC で積んだ。倍率は正当化 PER の 7〜10 割に置いた(k 8.75% = 基本 8.0% + quality +0.75%)。g は市場の量と価格から、ROE は ROIC から(帳簿の自己資本がマイナス)。中立の 10 年後は PER 12.7 倍で、上限 15.9 倍の 8 割。k が 8.75% と高いため低い。割り引かず式の値を採った。確率は借金・民間単価・GLP-1 で悲観側に厚く置いた。結果はやや割高の範囲で、今の株価に寄せていない。
資本コスト 8.8% = 無リスク金利 5% + β 1.44 × 5%。資本コスト k = 基本 8.0% + quality +0.75% = 8.75%(v2。株価の揺れ(β)は使わない)。需要は景気に左右されないが、重い借金(借り換えの金利 5.75% に対し株の k は 8.75%)と患者数の不確かさを上乗せで見た。民間単価の規制・訴訟・GLP-1 などの個別のリスクは k に足さず、筋書きと確率(やや悲観・悲観を厚く)と悲観の深さで表した。事業は傾いていないので extra は 0。