株譜
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アムジェン AMGN

成長 6 本柱が骨粗しょう症薬・関節炎薬の落ち込みを埋める途上の優良バイオ。肥満薬マリタイドは賭けで、借金 573 億ドルを抱えるが、利益ベースの正当化 PER の 7.5 割で測ると今の値段はやや割高

やや割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)385.63 ドル2,090 億ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)447.3 ドル2,424 億ドル差 −13.8%
10 年後から見ると やや割高 価値 385.63 ドル2,090 億ドル · 差 −13.8% · 期待の年率 +5.0%
期待の年率リターン(10 年)+5.0%資本コスト比 −3.0 pt
推定の資本コスト8.0%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 8.0% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

アムジェンは、骨粗しょう症のプラリア(バイオシミラーで急減)とエボグラ、コレステロールのレパーサ、骨形成のエベニティ、喘息のテゼスパイア(アストラゼネカと共同)、希少疾患(テペッツァ・ウプリズナ・クリスタキセア)、がんのインデルトラ・ブリンサイト、バイオシミラー(アムジェビータ・パブル)を持つ世界最大級の独立系バイオである。2025 年は売上 367 億ドル、営業利益 107 億ドル(営業利益率 29%)、純利益 77 億ドル。2026 年は 4〜6 月期の売上が 101 億ドル(+10%)で、通期予想を 382〜394 億ドルへ引き上げた。

事業の質は高い。ただし利益の中身が入れ替わっている。成長 6 本柱は 4〜6 月期に前年比 +26% で製品売上の約 7 割を占める一方、プラリア・エボグラは −33%、エンブレルは 2025 年に −33%(340B 取引の増加・メディケア Part D の再設計)、オテズラは 2027 年からメディケアの交渉価格(定価比 −65%)に入る。数量 × 価格で積み上げると、2028 年は入れ替わりの谷で売上は 430 億ドル台、営業利益 150 億ドル弱にとどまり、純利益は 2025 年の 4 割増程度である。10 年後は成長品とマリタイドなどの新薬で売上 650 億ドル、純利益 180 億ドル台まで伸びる(中立)。

資本コストは 8.0%。倍率は利益ベースの正当化 PER(10 年の中立で 20.7 倍。g 4.0%・ROE 39%・k 8.0%)の 7.5 割、15.6 倍に置いた。10 年後の中立の時価総額は今(2,344 億ドル)の約 1.2 倍。確率で重みをつけた本質価値は今を約 11% 下回り「やや割高」とみる。買収で膨らんだ 573 億ドルの有利子負債と、自己資本の薄さ(PBR 27 倍)には注意が要る。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、まず 10 年後にこの事業が残り、今より強いかを問う。骨粗しょう症・心血管・喘息・希少疾患・がんの薬は 10 年後も使われ、患者は増える。バイオ医薬の製造と臨床の蓄積という堀は広がらないが、すぐには崩れない。一本足でないのが最大の長所で、特許切れが一度に来ない。

オーナー利益で見る。2025 年の純利益 77 億ドルに、非現金の償却(年 40 億ドル前後、ホライゾンの無形資産)を足し戻すと 120 億ドル前後で、フリーキャッシュフロー 81 億ドル(2026 年は 100 億ドル超の見込み)と整合する。時価総額 2,344 億ドルに対し、株主のものになる利益の利回りは 4〜5%(償却を戻した場合)。無リスクの金利 5% と同じ水準で、成長が加わっても借金 463 億ドルがあり、安全域が薄い。

安全域の観点では、10 年の中立で時価総額が今の約 1.2 倍で、確率で重みをつけた 10 年の本質価値は今を約 1 割下回る。悲観では今の 1 割以下に落ちる。マリタイドの成否と借金の重さが残る。悲観の中身は上のとおりで、マリタイドの成否と借金の重さが残る。悲観の中身は、タブネオスの撤回や減損、マリタイドの失敗、レパーサの飲み薬への置き換わりで、景気ではない。経営は借金返済と配当に誠実で、ホライゾンの買い値だけが疑問。予測のしやすさは並みで、確信度は中。事業の質には確信があるが、値段の安さは言えない。

何で稼ぐ会社か

売上の約 55% を占める成長品は、2025 年に約 205 億ドル。レパーサ(30 億ドル、2026 年 4〜6 月期 9.5 億ドル、+37%)は LDL コレステロールを下げる月 1〜2 回の注射薬で、心血管イベント抑制の実績が処方を支える。エベニティ(約 21 億ドル、+34%)は骨形成促進薬、テゼスパイア(4〜6 月期 4.9 億ドル、+42%)は重症喘息の注射薬で米国はアムジェン、米国外はアストラゼネカが販売する。希少疾患は合計 16 億ドル(四半期)、甲状腺眼疾患のテペッツァ、IgG4 関連疾患などのウプリズナ(+90%)、痛風のクリスタキセア。革新的がんは約 20 億ドル(四半期)で、肺小細胞がんのインデルトラが +115%、血液がんのブリンサイト。バイオシミラーは 8.6 億ドル(四半期、+29%)で、ステラーラ類似薬などを売る。

成熟品は 2 群。骨のプラリア(2025 年 44 億ドル)・エボグラは 2024 年から複数の類似薬が出て 4〜6 月期に合計 −33%。エンブレルは 2025 年 22 億ドル(−33%)、オテズラは 23 億ドル(+7%)だが 2027 年から交渉価格で価格が大きく下がる。その他のアラネスプ・キプロリス・エヌプレートなどは合計約 50 億ドル規模で横ばいから緩やかに減る。

開発の柱は肥満薬マリタイド(月 1 回、GLP-1 作動と GIP 受容体拮抗)で、第 3 相 MARITIME は 9 本が進行中、72 週の主要結果は 2027 年にかけて出る。ほかにリポ蛋白(a)を下げるオルパシラン(心血管アウトカム試験 7,297 人)、シェーグレン病のダザリダジブ。研究開発費は年 高い 1 桁の伸びを見込む。

優良さと弱いところ

堀は、バイオ医薬の製造の難しさ、臨床データの積み上げ、特許、販路の 4 つ。レパーサは 10 年の実使用と 5 万人超の試験データで、新薬の飲み薬との比較に強い。バイオ医薬は低分子と違い類似薬への置き換わりが 4〜6 割で止まりやすく、アムジェン自身がバイオシミラーで他社の特許切れを取りに行く立場も持つ(パブル 2.9 億ドル、+121%)。

資本効率は見た目ほど強くない。ROE は 89% だが、2018〜2022 年に 400 億ドル近い自社株買いをして自己資本が 87 億ドルまで縮んだためで、本質の資本利益率は 2023 年のホライゾン買収(約 280 億ドル)の無形資産償却と借入で薄まっている。営業利益率(GAAP)は 2016 年の 42% から 2025 年の 29% へ低下した。非 GAAP では 45〜48% を保つが、償却費(年 40 億ドル前後)は買収の対価で、無視できない。

弱点は、(1) 主力の入れ替わり期で 2026〜2028 年は利益が伸びにくいこと、(2) タブネオス(FDA が承認撤回を提案、無形資産 24 億ドル)のような一件ごとの不確実性、(3) 肥満薬は後発で、リリーとノボが数年先行していること、(4) メルクの飲み薬 PCSK9 阻害薬エンリシチド(2026 年 7 月承認)がレパーサの伸びを削る可能性。経営は配当の安定と借金返済を進めており、資本配分は堅実だが、ホライゾンの買い値は高かった。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

大手製薬・バイオの業界は、2028〜2031 年に米国で大型薬の特許が切れる『崖』を迎え、薬価の政策(メディケアの交渉・最恵国待遇・関税)が重なる。業界ノートの置き方では、塊 B・C の 7 社合計は 2026〜2030 年に売上の伸び年 0〜+2%、2031 年以降は年 +4% で、純価格は年 −1%、失う売上の 6〜7 割を新薬・買収で補うのが中立である。

アムジェンの位置は、特許切れの崖の中にいながら、崖が一本足でないという点でほかの大手と違う。プラリアは既に落ちており(2025 年 44 億ドル → 2026 年に半分以下)、エンブレルも 2026 年から交渉価格に入った。次の崖のオテズラ(交渉価格 2027 年、特許は 2028 年前後、推定)は 23 億ドルで、メルクのキイトルーダ(317 億ドル)やブリストルのエリキュースのような大きな一本足の崖ではない。一方、レパーサ・エベニティはバイオ医薬で 2030 年代まで類似薬の参入が遅い見込み(特許の期限は推定)。

肥満薬では、リリーのチルゼパチド(売上 652 億ドル規模)とノボのセマグルチドが先行し、アムジェンのマリタイドは 2027 年の第 3 相結果と 2028〜2029 年の申請が分かれ目。月 1 回の注射という使いやすさは強みだが、第 2 相での吐き気・嘔吐と、リリーのレタトルチドや飲み薬に対する差が課題。市場は 2036 年に 2,500 億ドル(業界ノート中立)で、マリタイドが 5〜6% を取れば 100 億ドル台半ばになる。

資本政策と M&A

還元は配当が中心で、四半期の配当は 6% 増やした。2025 年の配当は 52 億ドル、自社株買いはほぼゼロ。2023 年のホライゾン買収で純有利子負債は 545 億ドルへ膨らみ、2025 年末に 463 億ドル、2026 年 6 月は有利子負債 573 億ドル・現金 140 億ドル。フリーキャッシュフローは 2026 年 4〜6 月期に 35 億ドルで、借金返済を優先し、2027〜2028 年に純負債を 300 億ドル台へ下げる計画とみる。

借り換えは平均で約 5.75% と今の利払いより高く、純利益を 3 年で約 5 億ドル、10 年で約 8 億ドル押し下げる(brief の推定)。M&A は、ホライゾン(2023 年)のような大型は借金が残る間は考えにくく、2026 年に 1 億ドルの契約一時金を払った小型の提携や、バイオシミラーの追加が中心。買われる側の可能性は時価総額 2,344 億ドルでは現実的でない。今後の鍵は、借金の返済速度、マリタイドの開発費の増え方、配当の伸びと、借金が 300 億ドル台になった後に自社株買いが復活するか。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

成長品が 2026 年 4〜6 月期に +26% で伸び、製品売上の約 7 割を占めた時点で、プラリア・エボグラ・エンブレル・オテズラの落ち込みは既に織り込まれ、2027 年から利益は再び伸びる。レパーサは 2025 年に 30 億ドル、2026 年 4〜6 月期 +37% で、新規処方が 5 割増えている。10 年の実使用と心血管のデータが飲み薬に対する差になり、オルパシラン(Lp(a) を 95% 超下げる)が加わればコレステロール薬は 2030 年代前半まで伸びる。エベニティ +38%、テゼスパイア +42%、ウプリズナ +90%、インデルトラ +115% と、売上 10 億ドル超の薬が 17 品目あり、新薬の層が厚い。

さらにマリタイドは月 1 回・年数回の注射で、リリーの週 1 回に対し使いやすく、MARITIME 9 本の結果が 2027 年に出る。肥満薬市場が 2036 年に 2,500 億ドルなら、6% の取り分で 150 億ドルの新しい柱になる。借金は年 100 億ドル超のフリーキャッシュフローで 2028 年までに 300 億ドル台へ下がり、その後は自社株買いが戻る。償却が終わりに向かうので GAAP の利益率も上がる。10 年後の純利益 290 億ドル(楽観)はあり得る。

慎重な見方

利益の入れ替わりは思ったより長い。プラリア・エボグラ(2025 年 64 億ドル)は 2028 年に 3 割以下まで落ち、エンブレルは 340B と Part D の再設計で 2025 年に 33% 減、オテズラは 2027 年から定価比 −65% の交渉価格に入り、2028 年前後に類似薬が出れば半減以下になる。2025〜2028 年に失う売上は 110 億ドル近く、成長品の伸び(約 +110 億ドル)でようやく打ち消すにとどまり、売上は 2028 年も 430 億ドル台で 2025 年の 1.2 倍。営業利益率(GAAP)は 2016 年の 42% から 29% へ下がり、GAAP 純利益は 2025 年から 3 年で 4 割増しにすぎない。

レパーサは 2026 年 7 月にメルクの飲み薬エンリシチドが FDA 承認を得て、アストラゼネカも追う。注射から飲み薬への置き換わりは過去の例で速い。マリタイドは第 2 相で嘔吐が多く、肥満薬は後発で、リリーのレタトルチドや飲み薬に対する差が薄い。AMG 513 を中止し、Sunakiment は第 2 相の主要評価項目を外した。タブネオスは FDA が承認撤回を提案しており、24 億ドルの無形資産が減損になりうる。借金は 573 億ドルで、PBR 27 倍・自己資本比率 9.6% の貸借対照表は小さな失望に弱い。

どちらに重みを置いたか

成長品の勢いは強気の見方が強く、確率を楽観側に寄せた(楽観・やや楽観の合計 32%)。ただし入れ替わりの谷という慎重な見方も強い。そこで 10 年は中立 33%、やや悲観 23%、悲観 12% とした。マリタイドの成否は二択に近く、成功を中立に半分入れ、失敗は悲観とやや悲観に入れた。結論は『優良で、利益ベースの正当化 PER の 7.5 割で測ると、今の値段をやや下回る「やや割高」。借金とマリタイドの二択が残る』。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した株価時価総額 503.85 ドル2,731 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 223.71 ドル1,213 億ドル)。 今の値に割り戻すと 385.63 ドル2,090 億ドル、今との差 −13.8%、 期待の年率 +5.0%(資本コスト 8.0%)→ やや割高

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 10% 1,034 ドル5,604 億ドル 369.00 ドル2,000 億ドル +213.7% +12.1% 140.29 ドル760 億ドル
やや楽観 22% 769.93 ドル4,173 億ドル 313.65 ドル1,700 億ドル +142.3% +9.3% 238.39 ドル1,292 億ドル
中立 33% 528.23 ドル2,863 億ドル 230.63 ドル1,250 億ドル +69.7% +5.4% 250.42 ドル1,357 億ドル
やや悲観 23% 229.96 ドル1,246 億ドル 147.60 ドル800 億ドル −15.6% −1.7% 86.84 ドル471 億ドル
悲観 12% 32.29 ドル175 億ドル 64.58 ドル350 億ドル −78.3% −14.2% 11.62 ドル63 億ドル
加重平均100% 503.85 ドル2,731 億ドル223.71 ドル1,213 億ドル +62.7% +5.0% 727.56 ドル3,943 億ドル

今の株価時価総額 447.28 ドル2,424 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.0% を下回るほど割高。

楽観 10% 楽観:マリタイドが肥満薬で 1,000 万人に届き、成長品も伸び続ける 利益 289 億ドル · PER 19.4 倍 · 株価時価総額 1,034 ドル5,604 億ドル

2035 年、成長品の患者は 850 万人、純単価は 6,600 ドルで 561 億ドル。レパーサは 120 億ドル、エベニティ 70 億ドル、テゼスパイア 80 億ドル、希少疾患と革新的がんが各 100 億ドル近く、バイオシミラーが 70 億ドル。成熟品は 42 億ドル、その他は 49 億ドル。マリタイドとオルパシランなどの新薬は 1,000 万人 × 2,500 ドルで 250 億ドル。売上は 902 億ドル、営業利益率は 38%、償却の終わりで GAAP の利益率は 2025 年から 9 ポイント上がる。倍率は正当化 PER 22.8 倍の 8.5 割の 19.4 倍に置いた。

  • 成長品(レパーサ・エベニティ・テゼスパイア・希少疾患・革新的がん・バイオシミラー):数量 850(治療患者数(万人))× 価格 6,600(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 561 億ドル・営業利益 269 億ドル。数量 2.1 倍
  • 成熟品(プラリア・エボグラ・エンブレル・オテズラ):数量 250(治療患者数(万人))× 価格 1,700(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 42 億ドル・営業利益 21 億ドル。類似薬後
  • その他の成熟品・他収入(アラネスプ・キプロリス・エヌプレートなど):数量 260(治療患者数(万人))× 価格 1,900(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 49 億ドル・営業利益 14 億ドル。横ばい
  • マリタイドと開発中の新薬(オルパシラン・ダザリダジブなど):数量 1,000(治療患者数(万人))× 価格 2,500(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 250 億ドル・営業利益 110 億ドル。MariTide 成功

倍率:正当化 PER は 22.8 倍(g 4.0%、RONIC 45.6%。RONIC は k 8.00% に、事業の ROE 83.3% が k を超える分の 0.5 を足した値。moat は normal)。これに対し 19.4 倍(8.5 割)に置いた。堀は普通:成長品 6 本柱は伸びるが、プラリア・エボグラの急減とオテズラの価格交渉、マリタイドの成否が二択に近く、借金も重いので強い堀(2/3)とは見ない。利益の質がよい筋書き。上限の 8.5 割に置く。純利益は GAAP。

確率:10 年間、成長品の数量が +14%/年を保ち、マリタイドが 2036 年の肥満薬市場(1.5 億人)で 7% を取る展開。大型薬で 10 年これが続く確率は 1 割。

やや楽観 22% やや楽観:成長品は年 +12%、マリタイドは 800 万人 利益 233 億ドル · PER 17.9 倍 · 株価時価総額 769.93 ドル4,173 億ドル

2035 年、成長品の患者は 780 万人、純単価は 6,300 ドルで 491 億ドル。レパーサは飲み薬と共存して 85 億ドル、エベニティ・テゼスパイア・希少疾患・がんが伸びる。成熟品は 41 億ドル、その他 48 億ドル。マリタイドなどの新薬は 800 万人 × 2,400 ドルで 192 億ドル。売上は 772 億ドル(2025 年の 2.1 倍)、営業利益率は 36%、純利益は 233 億ドル。成長品の価格は 10 年で 1.12 倍(最恵国待遇・飲み薬で物価 1.41 倍を下回る)、成熟品は特許切れ後の値崩れで 0.7 倍台。プラリア・エボグラ・エンブレル・オテズラは 10 年で 8 割近く縮み、その穴を成長品が埋め、さらに上乗せする。倍率は正当化 PER 22.4 倍の 8 割の 17.9 倍に置いた。

  • 成長品(レパーサ・エベニティ・テゼスパイア・希少疾患・革新的がん・バイオシミラー):数量 780(治療患者数(万人))× 価格 6,300(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 491 億ドル・営業利益 231 億ドル。数量 +12%/年
  • 成熟品(プラリア・エボグラ・エンブレル・オテズラ):数量 250(治療患者数(万人))× 価格 1,650(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 41 億ドル・営業利益 20 億ドル。縮小
  • その他の成熟品・他収入(アラネスプ・キプロリス・エヌプレートなど):数量 250(治療患者数(万人))× 価格 1,900(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 48 億ドル・営業利益 13 億ドル。横ばい
  • マリタイドと開発中の新薬(オルパシラン・ダザリダジブなど):数量 800(治療患者数(万人))× 価格 2,400(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 192 億ドル・営業利益 81 億ドル。MariTide 6%

倍率:正当化 PER は 22.4 倍(g 4.0%、RONIC 38.4%。RONIC は k 8.00% に、事業の ROE 68.7% が k を超える分の 0.5 を足した値。moat は normal)。これに対し 17.9 倍(8 割)に置いた。堀は普通:成長品 6 本柱は伸びるが、プラリア・エボグラの急減とオテズラの価格交渉、マリタイドの成否が二択に近く、借金も重いので強い堀(2/3)とは見ない。上限の 8 割に置く。純利益は GAAP。

確率:成長品の数量が +12% で続き、マリタイドが市場の 6% 強を取る展開。メディケアの価格は物価を下回る年 −2% で落ち着く。

中立 33% 中立:売上は 1.8 倍、マリタイドは小さな柱になり、成熟した大手バイオとして評価される 利益 184 億ドル · PER 15.6 倍 · 株価時価総額 528.23 ドル2,863 億ドル

2035 年、成長品の患者は 700 万人、純単価は 6,000 ドルで 420 億ドル。レパーサは類似薬と飲み薬で伸びが 5% 台に落ち 70 億ドル、エベニティ・テゼスパイア・希少疾患・インデルトラ・バイオシミラーが成長を続ける。成熟品は 40 億ドル、その他 45 億ドル。マリタイドなどの新薬は 650 万人(世界 1.1 億人の 6% 弱)× 2,300 ドルで 150 億ドル。売上は 655 億ドル(年 +6%)、営業利益率は 34%、純利益は 184 億ドル(2025 年の 2.4 倍)。償却の終わりで利益率が上がり。価格は、成長品が 10 年で 1.17 倍(最恵国待遇・飲み薬・類似薬の競争で物価 1.41 倍を下回る)、成熟品は類似薬と交渉価格で 0.73 倍、その他は 1.06 倍、新薬は単価 2,300 ドルで置いた。倍率は正当化 PER 20.7 倍の 7.5 割の 15.6 倍に置いた。

  • 成長品(レパーサ・エベニティ・テゼスパイア・希少疾患・革新的がん・バイオシミラー):数量 700(治療患者数(万人))× 価格 6,000(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 420 億ドル・営業利益 193 億ドル。数量 +5.8%/年
  • 成熟品(プラリア・エボグラ・エンブレル・オテズラ):数量 250(治療患者数(万人))× 価格 1,600(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 40 億ドル・営業利益 19 億ドル。縮小
  • その他の成熟品・他収入(アラネスプ・キプロリス・エヌプレートなど):数量 240(治療患者数(万人))× 価格 1,875(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 45 億ドル・営業利益 12 億ドル。減少
  • マリタイドと開発中の新薬(オルパシラン・ダザリダジブなど):数量 650(治療患者数(万人))× 価格 2,300(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 150 億ドル・営業利益 60 億ドル。MariTide 6% 弱

倍率:正当化 PER は 20.7 倍(g 4.0%、RONIC 23.5%。RONIC は k 8.00% に、事業の ROE 39.0% が k を超える分の 0.5 を足した値。moat は normal)。これに対し 15.6 倍(7.5 割)に置いた。堀は普通:成長品 6 本柱は伸びるが、プラリア・エボグラの急減とオテズラの価格交渉、マリタイドの成否が二択に近く、借金も重いので強い堀(2/3)とは見ない。中立は上限の 7.5 割に置く。成長 6 本柱は伸びるが、急減する主力と二択の新薬が残る。純利益は GAAP。

確率:業界ノートの中立(塊 B・C の 2031 年以降の売上 年 +4%、塊 A の市場 2,500 億ドル)に沿う。アムジェンは年 +6%。マリタイドは成功を半分見込む。

やや悲観 23% やや悲観:飲み薬とバイオシミラーで成長品が鈍り、マリタイドは小さい 利益 94 億ドル · PER 13.3 倍 · 株価時価総額 229.96 ドル1,246 億ドル

2035 年、成長品の患者は 600 万人、純単価は 5,400 ドルで 324 億ドル(年 +4.7%)。レパーサは 50 億ドルに縮み、エベニティ・テゼスパイアも 2030 年代の類似薬で伸びが止まる。成熟品は 31 億ドル、その他 37 億ドル。マリタイドは 250 万人 × 1,900 ドルで 48 億ドルの小さな柱。売上は 440 億ドル、営業利益率は 28%、純利益は 94 億ドルで 2025 年の 1.2 倍。成長が 2〜3% に落ち、倍率は正当化 PER 18.9 倍の 7 割の 13.3 倍に置いた。成長品の価格は 10 年で 1.05 倍にとどまり(飲み薬・類似薬・メディケアの交渉)、数量だけが伸びる。アムジェンは新薬の補充が足りず、特許切れの後を埋められないまま、普通の中堅バイオに近づく。

  • 成長品(レパーサ・エベニティ・テゼスパイア・希少疾患・革新的がん・バイオシミラー):数量 600(治療患者数(万人))× 価格 5,400(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 324 億ドル・営業利益 136 億ドル。数量 +4%/年
  • 成熟品(プラリア・エボグラ・エンブレル・オテズラ):数量 220(治療患者数(万人))× 価格 1,400(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 31 億ドル・営業利益 14 億ドル。縮小
  • その他の成熟品・他収入(アラネスプ・キプロリス・エヌプレートなど):数量 220(治療患者数(万人))× 価格 1,700(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 37 億ドル・営業利益 8 億ドル。減少
  • マリタイドと開発中の新薬(オルパシラン・ダザリダジブなど):数量 250(治療患者数(万人))× 価格 1,900(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 48 億ドル・営業利益 14 億ドル。MariTide 2.3%

倍率:正当化 PER は 18.9 倍(g 4.0%、RONIC 16.5%。RONIC は k 8.00% に、事業の ROE 25.0% が k を超える分の 0.5 を足した値。moat は normal)。これに対し 13.3 倍(7 割)に置いた。堀は普通:成長品 6 本柱は伸びるが、プラリア・エボグラの急減とオテズラの価格交渉、マリタイドの成否が二択に近く、借金も重いので強い堀(2/3)とは見ない。成長品が埋めきれない筋書き。上限の 7 割に置く。純利益は GAAP。

確率:レパーサが飲み薬に置き換わり、エベニティ・テゼスパイアに類似薬が早く出て、マリタイドが 250 万人にとどまる展開。成熟したバイオの多くが通る道。

悲観 12% 悲観:構造的に負け、普通の中堅バイオになる 利益 14 億ドル · PER 12.5 倍 · 株価時価総額 32.29 ドル175 億ドル

2035 年、成長品は類似薬と飲み薬で 450 万人・純単価 4,700 ドルの 212 億ドルに落ちる。マリタイドは失敗して売上 25 億ドルのみ、成熟品は 17 億ドル、その他は 27 億ドル。売上は 280 億ドル、営業利益は 37 億ドルと、償却と開発費で薄い。借金は返しきれず利払いが重い。成長品の価格は 10 年で 0.92 倍と物価に逆らって下がり、数量も伸びが止まる。時価総額は、ROE が k に届かず、ためた利益は額面より低い価値なので、純利益 14 億ドルを k 8.0% で割った稼ぐ力の約 175 億ドル(今の 1 割弱)。この間の還元は、配当を前半は維持し、後半は減らす。配当は前半の利益と手元資金から払い、後半の純利益では賄いきれない分は、手元の現金と資産の売却(バイオシミラー事業の一部など)で払う想定。

  • 成長品(レパーサ・エベニティ・テゼスパイア・希少疾患・革新的がん・バイオシミラー):数量 450(治療患者数(万人))× 価格 4,700(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 212 億ドル・営業利益 72 億ドル。類似薬・飲み薬
  • 成熟品(プラリア・エボグラ・エンブレル・オテズラ):数量 150(治療患者数(万人))× 価格 1,100(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 16 億ドル・営業利益 6 億ドル。消滅に近い
  • その他の成熟品・他収入(アラネスプ・キプロリス・エヌプレートなど):数量 180(治療患者数(万人))× 価格 1,500(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 27 億ドル・営業利益 4 億ドル。縮小
  • マリタイドと開発中の新薬(オルパシラン・ダザリダジブなど):数量 50.0(治療患者数(万人))× 価格 5,000(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 25 億ドル・営業利益 0 億ドル。失敗

倍率:事業の ROE 3.4% が k 8.00% 以下なので PER は 1÷k=12.5 倍まで。これに対し 12.5 倍(10 割)に置いた。堀は普通:成長品 6 本柱は伸びるが、プラリア・エボグラの急減とオテズラの価格交渉、マリタイドの成否が二択に近く、借金も重いので強い堀(2/3)とは見ない。構造的に負けた筋書き(償却と開発費で利益が薄く、借金が返しきれない)。ROE が k に届かず、ためた利益は額面より低い価値なので、稼ぐ力(純利益 ÷ k)を床にとる。自己資本に PBR を掛けない。純利益は GAAP。

確率:レパーサの飲み薬への置き換わり・マリタイドの失敗・タブネオスの減損・類似薬の早い参入が重なり、優良ではなくなる展開。リーマン級の景気後退ではなく構造の負け。確率は 1 割強。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

成長品(レパーサ・エベニティ・テゼスパイア・希少疾患・革新的がん・バイオシミラー)

2025 年に約 205 億ドル。4〜6 月期は前年比 +26% で製品売上の約 7 割を占める成長の柱。

数量治療患者数(万人)価格1 人あたり年間の純売上(ドル)売上営業利益
今 2025/12 400 5,125 205 65
10 年後 中立 700 6,000 420 193

取り方:2025 年のレパーサ 30 億・エベニティ 21 億・テゼスパイア約 14 億・希少疾患(テペッツァ・ウプリズナ・クリスタキセア・タブネオス)約 60 億・革新的がん(インデルトラ・ブリンサイトなど)約 60 億・バイオシミラー約 20 億の合計約 205 億ドル(推定)を、治療患者 約 400 万人(推定)で割った純単価。価格は 3 年で 1.11 倍(物価並み)とみるが、10 年は 1.17 倍にとどめる(メディケアの価格・最恵国待遇・飲み薬との競争・バイオシミラー)。競合は、レパーサがメルクのエンリシチド・サノフィのプラルエント、テゼスパイアがグラクソ・スミスクラインのヌーカラ・サノフィのデュピクセント。

成熟品(プラリア・エボグラ・エンブレル・オテズラ)

2025 年に約 109 億ドル。類似薬と交渉価格で 2026 年から急減する群。

数量治療患者数(万人)価格1 人あたり年間の純売上(ドル)売上営業利益
今 2025/12 500 2,180 109 45
10 年後 中立 250 1,600 40 19

取り方:プラリア 44 億・エボグラ約 20 億・エンブレル 22 億・オテズラ 23 億の合計約 109 億ドルを、患者 約 500 万人(推定)で割った平均。価格は物価並みに上げない:プラリア・エボグラの類似薬による値崩れ、エンブレルの 340B・Part D 再設計、オテズラの 2027 年交渉価格(定価比 −65%)で、3 年で 0.60 倍・10 年で 0.73 倍(患者数の減少と合わせた混合)。

その他の成熟品・他収入(アラネスプ・キプロリス・エヌプレートなど)

2025 年に約 53 億ドル。横ばいから緩やかに減る古い製品群と、提携などの他の収入。

数量治療患者数(万人)価格1 人あたり年間の純売上(ドル)売上営業利益
今 2025/12 300 1,767 53 12
10 年後 中立 240 1,875 45 12

取り方:売上 367 億ドルから成長品 205 億ドルと成熟品 109 億ドルを引いた残り約 53 億ドル(推定)を、患者 約 300 万人(推定)で割った平均。価格は物価並みに上がらず、3 年で 1.05 倍・10 年で 1.06 倍(キプロリスは交渉価格の対象、アラネスプは競争で値下がり)。

マリタイドと開発中の新薬(オルパシラン・ダザリダジブなど)

2025 年は売上ゼロ。肥満薬マリタイドを中心とする開発品で、成功すれば 2028 年以降に立ち上がる。

数量治療患者数(万人)価格1 人あたり年間の純売上(ドル)売上営業利益
今 2025/12 0.0 1,630 0 0
10 年後 中立 650 2,300 150 60

取り方:肥満薬マリタイドの患者数(世界 2036 年に 1.1 億人、業界ノート中立)の 6% 弱=約 650 万人 × 純単価 10 年後に約 2,300 ドル(3 年後は 1,810 ドル。リリーの 2,350 ドルより低め)で置く。ほかの開発品(オルパシラン、ダザリダジブなど)は同じ単位に含める。2025 年は売上ゼロのため now の数量は 0。単価は将来の目安。

リスクと懸念

プラリア・エボグラの類似薬による崩れ

プラリア・エボグラは 2025 年に約 64 億ドル(売上の 17%)。2026 年 4〜6 月期は −33%、類似薬が米国で多数出て、2028 年に 20 億ドル台まで落ちる想定。売上の落ち込みは数量より価格の崩れで、予想より速ければ 3 年の利益が下がる。

メディケアの薬価交渉(エンブレル・オテズラ・キプロリスなど)

エンブレルは 2026 年から、オテズラは 2027 年から交渉価格に入る(オテズラは 30 日分 1,650 ドル、2024 年定価比 −65%)。第 3 弾(2028 年適用)の候補にも入りうる。最恵国待遇・関税が加わると米国の純価格が追加で 10% 下がる。

タブネオスの承認撤回と減損

FDA が 2026 年 1 月に自主撤回を要請し、アムジェンは拒否、4 月に CDER が撤回を提案して係争中。肝障害の死亡 8 件を含む安全性の通知も出ている。無形資産 24 億ドル(米国分 23 億ドル)の減損と売上の消失が起こりうる。

レパーサへの飲み薬の参入

メルクのエンリシチドが 2026 年 7 月に承認(LDL −56〜59%)。心血管アウトカムは未確認だが、先に飲み薬を選ぶ患者・保険者も出る。レパーサは 2025 年に 30 億ドルで成長品の柱のため、伸びが 10% 台に鈍ると 10 年の売上が 50 億ドル以上減る。

マリタイドの開発と肥満薬の価格

第 3 相 9 本の費用で研究開発は年高い 1 桁で伸びる。72 週の結果が 2027 年にかけて出るが、減量幅が競合に届かない・消化器の副作用が多いとなれば、数十億ドルの投資が回収できない。肥満薬の純価格は年 −3〜5% で下がる前提で、成功しても利益は小さい。

借金と貸借対照表の薄さ

有利子負債は 573 億ドル、自己資本は 87 億ドル(2025 年)。借り換えで利払いが年 8 億ドル増える。金利が高止まりすれば、配当と研究開発の余裕が減り、倍率も下がる。減損が出ると自己資本がさらに縮む。

今後の分かれ目

マリタイドの MARITIME-1・2 が 72 週で 20% 超の減量と許容できる副作用を示したら
新薬群の数量が楽観側に寄る。10 年の確率を楽観・やや楽観へ動かし、倍率を 1〜2 倍上げてよい。
72 週の減量が 15% 台にとどまる、または吐き気・嘔吐が多く中止率が高かったら
新薬群の売上が 3 分の 1 以下になる。やや悲観・悲観の確率を 10 ポイント上げる。
FDA がタブネオスの承認を撤回し、減損が確定したら
自己資本が縮み、希少疾患の売上が 10 億ドル規模で消える。3 年の悲観の確率を上げる。
エンリシチドの米国処方が早く立ち上がり、レパーサの新規処方が減り始めたら
成長品の数量が中立から悲観側へ。10 年の確率を動かし、成長品の倍率を下げて見る。
純負債が 300 億ドル台まで下がり、自社株買いが再開されたら
正味の還元が増える。倍率を 1〜2 倍上げてよい。
オテズラ・エンブレルの交渉価格や類似薬の参入が予想より早く、2027〜2028 年に売上が半分以下になったら
3 年の営業利益が 10% 以上減る。やや悲観の確率を上げる。

見ておくもの

  • レパーサ・エベニティ・テゼスパイアの四半期の数量と純価格
  • MARITIME-1・2 の 72 週結果の時期と減量幅
  • タブネオスの FDA 手続き(撤回の決定)
  • メルク エンリシチドの処方数と保険適用
  • 純有利子負債の推移と自社株買いの再開
  • プラリア・エボグラ・オテズラの売上の落ち方

倍率と資本コストの決め方

今の PER 30 倍(GAAP)・時価総額 2,344 億ドルを見る前に、成長品・成熟品・その他・新薬の 4 群で、患者数 × 純単価を積み上げ、利益率と還元を置いてから倍率を決めた。倍率は利益ベースの正当化 PER の 7〜10 割に置いた。10 年の中立は上限 20.7 倍(g 4.0%・ROE 39%・k 8.0%)の 7.5 割で 15.6 倍。帳簿の ROE が 40% を超える筋書きは ROIC の式で事業の ROE を出した。純利益は GAAP(償却は費用)のままで、倍率に償却の上乗せはしない。最後に今の値段と比べた。

資本コスト 8.0% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k = 基本 8.0% + quality 0% = 8.0%。借金・主力の入れ替わり・薬価政策・マリタイドの成否などの個別のリスクは k に足さず、やや悲観・悲観の確率(合計 35%)と悲観の深さで表した。存続は危うくないので上乗せ 0。

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割安 ユニバーサル・ヘルス・サービシズUHS 病院と精神科病院を併せ持ち、メディケイドの補助と無保険の増加に利益が左右される会社。利益ベースの正当化 PER の 8 割の倍率でも、バリュー投資の観点で今の値段をはっきり割安と見る 本質価値との差 +81.6% · 10 年 割安(年 +13.1%) やや割安 インシュレットPODD チューブのないインスリンポンプで先頭に立つ高成長の機器会社。利益ベースの倍率でも、10 年で測った価値は今の時価総額を 3 割上回り割安 本質価値との差 +25.8% · 10 年 やや割安(年 +9.8%) やや割安 シグナ・グループCI 薬剤給付管理は移行期で利益が伸びないが、専門薬と法人保険が伸びる。資本コスト 8.5% の下でも、利益ベースの正当化 PER は今の時価総額を 3 割ほど上回る 本質価値との差 +25.8% · 10 年 やや割安(年 +9.5%) やや割安 バクスター インターナショナルBAX 輸液と病院機器の老舗。ポンプの出荷停止とヒルロムで稼ぐ力が落ちた。堀が薄いと見て測っても、10 年の価値は今の時価総額を上回る 本質価値との差 +25.4% · 10 年 やや割安(年 +9.3%) やや割安 HCA ヘルスケアHCA 米国最大の営利病院は、保険の無保険化という逆風の中でも 15% 台の利益率を保つ。quality で借金の重さを資本コストに入れても、今の値段はやや割安 本質価値との差 +23.3% · 10 年 やや割安(年 +8.8%) やや割安 ゾエティスZTS 皮膚薬の競合と OA 薬の安全性で崩れた利益がどこで底を打つかが全て。利益ベースの正当化 PER(k 8.0%)で測っても今の値段を 2 割ほど上回るが、尾は深い 本質価値との差 +18.7% · 10 年 やや割安(年 +8.4%) やや割安 ソルベンタム・コーポレーションSOLV 3M から分かれた創傷・感染予防・歯科・病院ソフトの会社。GAAP の利益は分離費用と訴訟で薄いが、費用が消えれば利益は 5 倍になる 本質価値との差 +10.1% · 10 年 やや割安(年 +8.0%) 適正 GEヘルスケア・テクノロジーズGEHC 画像診断・超音波・造影剤で稼ぐ医療機器大手。中国と関税・患者ケアの不調で利益率は低いが受注残は厚く、10 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割前後)に抑えると、新薬群の成否を厚く見ても今の値段はやや割高 本質価値との差 −18.3% · 10 年 やや割高(年 +4.5%) やや割高 アイデックス・ラボラトリーズIDXX 獣医向け診断で世界首位級。検査の継続収入という強い堀があるが、今の値段は先取りしすぎで、10 年で測った価値は今の時価総額の約 8 割 本質価値との差 −19.5% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 ベクトン・ディッキンソンBDX 針・注射器・ポンプを持つ「医療の水道管」。バイオと診断を分離して身軽になった。10 年で測った価値は今の時価総額をやや下回り、筆者の判定はやや割高 本質価値との差 −20.0% · 10 年 やや割高(年 +4.0%) やや割高 クーパーCOO コンタクトレンズと女性医療の 2 本柱。在庫調整・訴訟・物言う株主で揺れ、資本の効率は低い。利益ベースの正当化 PER で測ると、今の値段はやや割高 本質価値との差 −21.1% · 10 年 やや割高(年 +3.7%) やや割高 メドトロニックMDT 心臓の機器(PFA)・脊椎・外科ロボットで稼ぐ総合医療機器の最大手。糖尿病を切り離して身軽になり、PFA の伸びで利益が積み上がる局面にある 本質価値との差 −21.3% · 10 年 やや割高(年 +3.9%) やや割高 ヒューマナHUM 高齢者向け民間保険の最大手級。2026 年は利益が消える谷だが、星評価の急回復で 2028 年に利益率が戻る道が開けた。ただし価格は政府が握り、利益ベースの倍率(k 9.5%)では今の値段はやや割高 本質価値との差 −23.3% · 10 年 やや割高(年 +5.2%) やや割高 ブリストル・マイヤーズ スクイブBMY エリキュースとオプジーボの 2028 年の特許切れで売上の 6 割近くが崩れるが、成長品と新薬で埋めきれば本質価値は今の値段を上回るが、確率で重ねると(利益ベースの正当化 PER の 7 割で測って)やや割高 本質価値との差 −25.9% · 10 年 やや割高(年 +3.5%) やや割高 ファイザーPFE 配当の厚い巨大製薬だが、2027〜2028 年に主力の特許が切れ、肥満薬と腫瘍の新薬で穴を埋め切れるかが焦点。利益ベースの正当化 PER の 9 割で測っても、今の値段はやや割高 本質価値との差 −26.8% · 10 年 やや割高(年 +3.0%) やや割高 ボストン・サイエンティフィックBSX 電気生理とウォッチマンで伸びた医療機器の優等生。2026 年は 2 度の下方修正で株価が半減した。10 年で測った価値は今の時価総額を下回り、判定はやや割高 本質価値との差 −28.3% · 10 年 やや割高(年 +3.6%) 割高 ギリアド・サイエンシズGILD HIV 治療・予防を握る安定した現金創出企業。ビクタルビの特許切れは 2036 年まで先送りされたが、薬価政策と買収費用を厚く見ても、利益ベースの正当化 PER の 7.5 割で測ると今の値段は割高 本質価値との差 −30.9% · 10 年 割高(年 +2.6%) 割高 ストライカーSYK 整形外科のロボット(Mako)と外傷・四肢で稼ぎ、手術室の機器・血管・神経へ広げる医療機器の大手。サイバー攻撃の傷は癒えつつあるが、堀の厚さは変わらない 本質価値との差 −33.4% · 10 年 割高(年 +2.6%) 割高 ジンマー・バイオメット・ホールディングスZBH 膝・股の人工関節で世界最大級の整形外科大手。価格の下落と Mako へのシェア流出の中、ロボット ROSA の巻き返しが分かれ目。本質価値は今の値段に対して「割高」 本質価値との差 −35.7% · 10 年 割高(年 +2.3%) 割高 デクスコムDXCM 連続血糖測定で稼ぐ高成長の機器会社。利用者は増えるが、1 人あたり収入の下落とアボットとの競争を織り込んだ利益ベースの倍率では、今の値段は本質価値を大きく上回る 本質価値との差 −36.5% · 10 年 割高(年 +2.6%) 割高 センティーンCNC メディケイド最大手・ACA 最大手の民間保険。2025 年の谷から 2026 年は回復したが、利益の戻りは州の料率と補助金という他人の財布に左右され、利益ベースの倍率(k 9.0%)では今の値段は割高 本質価値との差 −36.5% · 10 年 割高(年 +2.8%) 割高 メトラー・トレド・インターナショナルMTD 精密計量・分析・検査の消耗しない需要で稼ぐ質の高い会社。事業の見通しは堅いが、今の PER 38 倍は利益ベースの正当化 PER(成熟後の上限 22.5 倍、置くのは 18 倍)を大きく上回り、割高と出る 本質価値との差 −38.5% · 10 年 割高(年 +1.5%) 割高 エドワーズライフサイエンスEW TAVR で首位、純現金を持つ心臓弁の専業。質は高いが、利益ベースの倍率では今の値段が高く、本質価値は今の時価総額の約 6 割 本質価値との差 −41.7% · 10 年 割高(年 +1.4%) 割高 イーライリリーLLY 肥満薬で世界最強の成長企業。利益の過半が 1 つの薬効群と米国の価格政策に乗り、利益ベースの正当化 PER の 8 割で測ると、今の値段は割高 本質価値との差 −42.0% · 10 年 割高(年 +1.1%) 割高 ウォーターズWAT 分析機器の消耗品と診断の繰り返し収入を持つ質の高い会社へ統合が済んだ。事業の質は高いが、利益ベースの成熟後の PER は 12 倍で今の約 30 倍の半分にも届かず、割高と出る 本質価値との差 −42.2% · 10 年 割高(年 +1.1%) 割高 メルクMRK キイトルーダ依存の穴を新薬と買収で埋めに行く世界最大級の製薬。2028 年の特許切れ後の再成長に確度は持てないが、利益ベースの正当化 PER の 7 割で測ると今の値段は割高 本質価値との差 −42.2% · 10 年 割高(年 +0.6%) 割高 アッヴィABBV 免疫の二本柱で成長は続くが、2033 年のスキリージの特許切れと薬価政策が先にある。利益ベースの正当化 PER の 7.5 割で測ると、今の値段は割高 本質価値との差 −42.3% · 10 年 割高(年 +1.0%) 割高 IQVIAホールディングスIQV 世界の医療データと臨床試験を握るが、純負債が重い。今の GAAP の PER 約 33 倍は利益ベースの正当化 PER(成熟後の上限 15.9 倍、置くのは 13 倍)を上回り、割高と出る 本質価値との差 −42.5% · 10 年 割高(年 +1.6%) 割高 ジョンソン・エンド・ジョンソンJNJ 腫瘍と免疫の新薬が特許切れを補い質は高いが、利益ベースの正当化 PER の 8 割で測ると、今の値段は割高 本質価値との差 −42.6% · 10 年 割高(年 +0.6%) 割高 ヘンリー・シャインHSIC 歯科・医科の流通に自社ブランドと技術を重ねる会社。流通は価格を決める力が弱く、DSO・ネット通販・KKR や活動家株主の圧力の中で費用削減と構成の改善を進める。利益ベースの倍率では割高 本質価値との差 −43.6% · 10 年 割高(年 +1.3%) 割高 サーモフィッシャー・サイエンティフィックTMO 研究・製造・臨床試験のインフラを握る堅い会社だが、今の PER 39 倍は利益ベースの正当化 PER(上限 17 倍)の 2 倍近くで、割高と出る 本質価値との差 −45.3% · 10 年 割高(年 +0.5%) 割高 バイオジェンBIIB MS の稼ぎが縮む中で、成長製品と開発品が補えるかが全て。利益ベースの倍率では本質価値が今の値段の約 6 割で、割高。楽観の尾が重い 本質価値との差 −46.7% · 10 年 割高(年 +1.2%) 割高 ダナハーDHR バイオプロセスの回復と診断の再編を抱えた堅い会社。今の PER 45 倍は利益ベースの正当化 PER(成熟後の上限 16 倍、置くのは 13 倍)を大きく上回り、割高と出る 本質価値との差 −46.9% · 10 年 割高(年 0.0%) 割高 アライン・テクノロジーALGN 透明な歯列矯正装置の世界首位。症例は増えるが値段が上がらず、安い競合が堀を削る。利益ベースの正当化 PER で測ると、今の値段は割高 本質価値との差 −47.6% · 10 年 割高(年 +1.4%) 割高 インテュイティブ・サージカルISRG 手術ロボットのほぼ独占と消耗品の積み上げで稼ぐ優良企業。ただ今の値段は、独占が続く前提でも高すぎる水準にある 本質価値との差 −48.2% · 10 年 割高(年 +0.6%) 割高 インサイトINCY ジャカフィ(米国売上の約 6 割)が 2028 年末に特許切れ。新薬群が穴をどこまで埋めるかが全てで、利益ベースの倍率では本質価値が今の値段の約 5 割で、割高 本質価値との差 −50.1% · 10 年 割高(年 +0.5%) 割高 アジレント・テクノロジーA 分析機器の消耗品・保守で稼ぐ質の高い会社。事業の見通しは堅いが、今の PER 38 倍は利益ベースの正当化 PER(成熟後の上限 17.4 倍、置くのは 14 倍弱)を大きく上回り、割高と出る 本質価値との差 −51.4% · 10 年 割高(年 −0.6%) 割高 ウエスト ファーマシューティカル サービシズWST 注射剤のゴム栓で世界の約 7 割を握る質の高い会社。GLP-1 の山と今の PER 57 倍が重く、利益ベースの成熟後の PER は 16 倍前後で、大きく割高と出る 本質価値との差 −53.4% · 10 年 割高(年 −1.3%) 割高 チャールズリバー・ラボラトリーズ・インターナショナルCRL 動物試験と創薬の受託で最大手。底は打ったが GAAP の利益が薄く、今の時価総額 143 億ドルは本質価値の約 2.6 倍と出る 本質価値との差 −66.0% · 10 年 割高(年 −3.5%) 割高 リビティRVTY 新生児スクリーニングと免疫診断が伸び、研究向けは足踏み。ただ GAAP の利益が薄く、利益ベースの値は今の時価総額 170 億ドルを大きく下回る(割高) 本質価値との差 −66.4% · 10 年 割高(年 −4.3%) 割高 バイオテクネTECH 研究用試薬で稼ぐ高採算の会社だが、GAAP の純利益で式を当てると今の時価総額は本質価値の約 3 倍。メルク KGaA の買収提案も単体の価値を大きく上回る 本質価値との差 −68.4% · 10 年 割高(年 −4.5%) 割高 モデルナMRNA コロナの落ち込みと赤字が続く中で、インテスメランの成功が価値の大半を決める。利益ベースの倍率で測っても、今の値段は期待を先取りしすぎで割高 本質価値との差 −81.2% · 10 年 割高(年 −7.9%) 割高 ヴィーヴァ・システムズVEEV 臨床・薬事の記録の堀は本物だが、営業系の席は AI に削られ、57 倍の PER が剥がれると割高(-80%) 本質価値との差 −81.2% · 10 年 割高(年 −9.7%)

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読んだ資料

  1. Amgen 2026 年第 2 四半期 10-Q(SEC)
  2. GuruFocus:Amgen 2026 年第 2 四半期決算説明のまとめ
  3. Amgen 2025 年 10-K(SEC)
  4. Amgen Q1 2026 10-Q(タブネオスの記載)
  5. FDA proposes pulling Amgen rare disease drug(RARE Daily)
  6. FDA approves enlicitide, first oral PCSK9 inhibitor(Pharmacy Times)
  7. Medicare-negotiated 2027 maximum fair prices(Ritter)
  8. Amgen enters MARITIME(Fierce Biotech)

分析日 2026-10-16