結論
ドクシミティは米国の医師が使う専門ネットワークを持ち、製薬企業と病院が払う広告料で稼ぐ会社である。筆者の結論は「割高」だ。登録する米国医師は85%を超えるが、医師の時間を奪うAI検索が広がるほど、登録者数と広告価値を同一視できなくなる。
会社は採用広告と業務支援ソフトも売るが、稼ぎの中心は医師へ届く広告枠である。顧客の製薬ブランドを特定の診療科の医師へ届ける力は本物で、規模と専門性は容易にまねできない。ただし病院の採用担当者が操作する画面、医師が使う文書作成画面、人手を使う採用代行は、AIエージェントの影響を直接受ける。医師が治療情報をAIの回答だけで済ませれば、広告を見せる場そのものも狭まる。
2026年6月末四半期は売上が前年同期比7%増えた一方、会計上の純利益は半分以下になった。株式報酬とAIの計算費用を軽く扱えない。新しいAI検索広告は契約が生まれたが、この四半期に計上した売上はゼロで、まだ10年分の利益を保証する証拠ではない。
10年後の中立の売上は約7.0億ドル、純利益は1.9億ドルと見る。5通りの結末と株主への正味の還元を資本コスト8%で現在に戻すと、本質価値は約23.2億ドルとなり、台帳の時価総額約61.0億ドルを約62%下回る。医師の信頼を守りながら新しいAI広告を収益化できるかが、この差を縮める最大の条件である。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、値段を付ける前に「なぜ医師が明日もここへ来るのか」を問うべきである。実名で認証された医師のネットワークと、患者への連絡から医学記事までを一か所で扱える利便性は、10年後も必要とされるだろう。病院や製薬会社にとっても、専門医へ情報を届ける経路は貴重である。
だが、医師がここを毎日開く理由と、製薬会社が毎年同じ費用を払い続ける理由は別である。オープンエビデンスのようなAIが医学情報の検索を引き受けると、ニュースや記事の閲覧時間は減りうる。ドクシミティは電子カルテの法定記録を守る事業ではない。登録率の高さだけで、あらゆる広告枠に永続する値決め力を認めるのは危険だ。
株主の取り分は、会計上の純利益から成長を守るための資本を引き、余った現金がどれだけ返ってくるかで決まる。借金がほぼなく、積み上げた現金を株式買い戻しに使っている点はよい。ただし株式報酬が膨らむ間は、総買い戻し額のすべてが株主への贈り物にはならない。利益率の高さを成長の証拠に置き換えないことも大切だ。
筆者は、長く持ちたい会社の条件として医師の実際の利用頻度、AI広告の課金実績、GAAP利益、少数株主にも届く正味還元の四つを重視する。これらがそろうなら高い資本効率を評価できる。しかし現状の値段には、広告媒体の形が変わる可能性を受け止めるだけの安全域がない。
何で稼ぐ会社か
無料の医師向けサービスが集客を担い、有料の顧客は製薬企業と病院である。医師は実名の専門職プロフィールを使い、同僚との連絡、医学記事、診療前の調査、患者への電話、書類の作成を行う。2026年3月末の登録会員は300万人超で、米国の現役医師の85%超を含む。無料利用者から直接料金を集める事業ではない。
主力のマーケティングは、製薬会社なら薬剤のブランド別、病院なら循環器科など診療部門別に広告枠を売る。Newsfeed、診療業務の途中、医師同士の連絡という場所に、診療科や所在地を絞った記事や動画を載せる。契約は対象医師の人数と属性、広告モジュールの組み合わせ、表示月数で決まり、同じ顧客がブランドや部門を増やすほど売上が増える。広告制作を人月で請け負う会社と違い、自社の媒体を売る事業だ。
採用向けは求人掲載枠と候補者への直接連絡枠を病院や紹介会社に販売する。別にキュラティブ・タレントは医師の派遣や常勤採用を手数料・時間単価で仲介し、人件費と採用件数に左右される。業務支援はDialer、当直表管理のAMiON、記録作成のScribe、診療情報を探すAskなどを病院へ契約提供する。病院の記録の正本は電子カルテ側にあり、同社はその周りの便利な道具を担う。
2026年3月期の会計開示ではサブスクリプションが売上の約94%を占めるが、マーケティング、採用、業務支援それぞれの売上は公表されない。そこで数量は「ブランド別の年間広告契約」「病院部門の年間広告契約」「採用枠の年間契約」「病院ソフトの年間契約」「人材紹介の年換算件数」に分けて推計した。単価も契約実績ではなく、総売上と公表された課金方式から逆算した検討用の水準である。
優良さと弱いところ
最大の強みは、医師の所属と専門分野を確かめた実名の到達網である。病院や製薬企業にとって、狙った医師へ情報を届けられる媒体は限られる。医師同士の連絡と日々の道具が使われ続ければ、広告主が同社を外す理由は小さい。ここにはネットワークと医師の認証データという、模倣の難しい堀がある。
堀の厚さと値上げの力は、分けて評価する必要がある。2026年3月期の既存マーケティング顧客の平均売上は約10%増えたが、ブランド数と広告モジュールの追加が主因であり、同じ枠の純粋な値上げ実績ではない。既存顧客の売上継続・拡大率は前年度119%から109%へ、2026年6月末四半期には107%へ下がった。成長の質が弱まる兆しを無視できない。
資本を大きく積まなくても利益を出せるが、投資の成果を測るには株式報酬を費用と見る必要がある。2026年3月期の株式報酬は約1.22億ドルで、売上の約19%に達した。翌四半期は約0.37億ドルで売上の約23%になり、会計上の営業利益率は下がった。調整後利益をそのまま株主の取り分とはできない。
一方、巨額の借金を負わず7億ドル前後の流動資産を持つ財務は強い。だが、診療情報の正本を自社で管理するわけではなく、競合へ移るのに長年のデータ移行と法定の再検証を要するソフトではない。医師の利用時間がオープンエビデンスに流れる場合、登録者が残っても収益の堀は削られる。この違いを守りつつ経営が還元を続けるかが長期株主の焦点である。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
医師に向けた広告の総需要は伸びても、その広告がどの画面に載るかは変わる。イーマーケターは2026年の米国ヘルスケア・製薬の企業向けデジタル広告費を約26.3億ドル、前年比15%増と予測し、2028年には31.3億ドルとみる。会社資料の医師向け製薬販促市場73億ドルは2019年の媒体費を含む古い推計で、両者を同じ市場として割り算してはならない。
筆者の製薬広告売上の推計4.9億ドルを、比較しやすい2026年のデジタル広告市場26.3億ドルで割ると約19%になる。ただし広告の定義、医師向け以外の部分、契約の期間が異なり、公式のシェアではない。病院マーケティングと医師採用の市場は会社資料で計69億ドル、遠隔診療は43億ドルとされるが、いずれも古い広い市場の目安である。採用仲介の直接の売上シェアも、メドスケープやオープンエビデンスの医師広告シェアも公表されていない。
広告ではメドスケープや医学雑誌のサイト、医療専門メディア、医師への電子メールが競合する。最も警戒すべきはオープンエビデンスで、2026年10月公表の学術研究によると、2026年6月の月間利用医療者は約70万人に達した。ドクシミティの業務ツールの利用者81万人は四半期の人数であり、直接比較して勝敗を決める数字ではない。だが、広告主が診療上の質問をする直前の医師へ届きたいなら、AI検索という広告面は強敵になる。
病院向け文書作成ではマイクロソフトやアブリッジ、電子カルテのエピックが競う。医師採用では既存の人材紹介会社と病院の内製採用も敵になる。中立では、医師向けデジタル市場の実質数量が今後10年で約1.2倍になるとしても、同社の製薬広告契約数は0.88倍に減ると見る。市場の拡大を新しいAI広告面と競合が先に取り、ドクシミティの取り分が縮む筋書きである。
会社は2026年4月に新しいAI検索広告を始め、初期に20件超のプログラムを獲得した。しかし6月末四半期の売上計上はまだなく、広告の量を増やせるという長期の確証にはならない。AIエージェント代替は人を置き換えるだけでなく、医師の視線をニュース画面から回答画面へ動かす。これは広告媒体としての寿命を左右する変化である。
資本政策と M&A
株主還元は配当ではなく自社株買いである。2024年に認めた上限5億ドルの買い戻し枠は2026年3月期までに使い切り、2026年2月に新たに5億ドルの枠を設けた。2026年6月までの新枠の実行は累計約0.99億ドル、残りは約4.01億ドルである。実行期限はなく、買い戻し額や配当の将来の数字の約束はない。会社が示した2027年3月期の売上見通しは6.71〜6.81億ドル、調整後EBITDAは3.09〜3.29億ドルで、GAAP利益の約束ではない。2036年に向けた数字の約束もない。
台帳では2026年3月期の自社株買い4.3億ドル、株式報酬0.7億ドルである。ただし会社のSEC開示では同時期の株式報酬費用は約1.22億ドルに増えた。台帳の財務数字を採用しつつ、報酬の希薄化に過度に楽観しないよう、将来のpayoutは買い戻し総額から想定される株式報酬の経済的な取り分を差し引いた正味で計算した。
買収はキュラティブ・タレント、当直管理のAMiON、2025年7月に成立した医療情報AIのパスウェイ・メディカルなど、小型の機能買収が中心である。最後の買収の公表対価は約0.36億ドルで、将来の新規大型買収は利益に先取りしない。AI検索を巡るオープンエビデンスとの訴訟は2026年10月に双方が取り下げて終結したが、和解条件は明らかでない。
経営権には注意がいる。B種株はA種株の10倍の議決権があり、2026年3月時点でB種保有者が議決権の約79%を握る。上場から10年の時限条項はあるが、少数株主が当面の資本配分を変える力は弱い。買収による救済を期待せず、買い戻しが希薄化と価格負担に見合うかを追う。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
米国医師の大半が登録している専門ネットワークは、一から作ろうとしても簡単には集まらない。医師が同僚へ連絡し、患者に電話をかけ、当直表を確認し、医学情報を探す場所を横断できるのは強い。製薬会社はブランド単位で、病院は診療部門単位で、認証済みの医師へ直接情報を届けられる。対象の精度と信用を重視する顧客にとって、汎用の広告ネットワークは完全な代役にならない。
すでに同社の広告は製薬の大型ブランドの半分超に入り込んでいる一方、中規模ブランドの契約はまだ少ない。医師の登録基盤をさらに育てる必要はなく、既存の製薬企業が別の薬剤や動画の広告枠を追加するだけで売上を伸ばせる。新しいAI検索でも、質問した医師に関連する医薬品情報を安全な形式で届ける機会が生まれる。2026年に始めたAI検索プログラムは、単なる発表でなく20件を超える初期契約につながった。
この道が開ければ、医師向け広告はAIの敵でなくAIの利用増を収益に変える。病院向けのScribeやAskも、既存の医師の使い方がわかっている同社なら導入が進めやすい。営業の追加コストは小さく、ソフトや広告枠の販売が増えれば利益率は再び高まる。潤沢な現金を使った製品買収も、新しい用途を増やす助けになる。
さらに会社は多額の自社株買いを継続しており、株式報酬を超える買い戻しが続けば、稼いだお金は既存株主へ届く。広告の主導権を維持している限り、当面の高い利益率を市場の一時的な追い風だけと決めつける必要はない。医師の信頼を売らずに、顧客の支出を広げられる企業には長い寿命がある。
慎重な見方
医師の85%が登録していても、85%が毎日ドクシミティで医学情報を探すわけではない。広告価値を決めるのは名簿の厚さだけでなく、医師が治療方針を調べる瞬間に広告へ接する時間である。オープンエビデンスは2026年6月に月間70万人超が使うまで育ち、医学文献を読み比べる作業をAIが直接引き受けている。医師がその回答画面で判断を終えれば、従来のニュース記事を開く回数は減る。
製薬企業が払うマーケティング費は医療費全体とは違い、特許切れと営業費削減で振れやすい。競合のメドスケープや医学雑誌も医師の専門性を知っており、オープンエビデンスは検索そのものに広告を載せられる。新しいAI検索広告の契約ができても、顧客が古い広告予算を移し替えるだけなら全社の増益は生まれない。むしろ検索に使う計算資源と安全性の審査費が先に増える。
2026年6月末四半期は売上が7%伸びたのに、会計上の純利益が大きく減った。調整後の利益を示せても、株式報酬は医師や技術者を雇い続ける現実の費用である。企業価値が伸びなくても自社株買いを続ける経営なら、使う現金が増える一方で買い戻しの効果は薄い。採用部門の画面操作と人材紹介業務はAIエージェントに直接削られる。
また、同社は病院の電子カルテの正本でも、薬事申請に欠かせない記録基盤でもない。医師は複数の無料アプリを並行して使えるため、登録会員が残っても商業利用の値段は下がり得る。競争に負けた時は広告の数量だけでなく営業利益率も同時に落ちる。2026年10月の訴訟和解は一件の争いを終わらせたが、AIで医師の時間を奪い合う競争まで終わったわけではない。
どちらに重みを置いたか
実名の医師網と高い営業利益率は強気の根拠になる。一方で、登録率が高くても利用時間を守れるとは限らず、AI検索の課金額はまだ公表されていない。既存顧客の売上継続・拡大率の鈍化と、株式報酬の増加は、長期利益に対する慎重な見方を支持する。
広告媒体は消えないので中立を36%と最も厚くしたが、AIエージェント代替にさらされる採用・業務支援と医療検索の競争を踏まえ、やや悲観26%、悲観12%の計38%を下振れ側に配した。AIの影響は主に契約数量と価格、それに10年より先の成長率で表し、寿命の資本コストには重ねていない。この下振れと正味の還元を織り込んでも、現時点の値付けには安全域が足りない。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 16.30 ドル30 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 7.56 ドル14 億ドル)。 今の値に割り戻すと 12.69 ドル23 億ドル、今との差 −61.3%、 期待の年率 −3.7%(資本コスト 8.0%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 26.78 ドル49 億ドル | 10.13 ドル19 億ドル | +12.7% | +1.4% | 2.58 ドル5 億ドル |
| やや楽観 | 19% | 22.88 ドル42 億ドル | 9.59 ドル18 億ドル | −0.9% | −0.1% | 6.17 ドル11 億ドル |
| 中立 | 36% | 19.23 ドル35 億ドル | 8.22 ドル15 億ドル | −16.2% | −2.0% | 9.88 ドル18 億ドル |
| やや悲観 | 26% | 10.16 ドル19 億ドル | 5.75 ドル11 億ドル | −51.4% | −8.2% | 4.14 ドル8 億ドル |
| 悲観 | 12% | 4.33 ドル8 億ドル | 4.77 ドル9 億ドル | −72.2% | −15.0% | 1.09 ドル2 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 16.30 ドル30 億ドル | 7.56 ドル14 億ドル | −27.2% | −3.7% | 23.86 ドル44 億ドル |
今の株価時価総額 32.76 ドル60 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 7% 医師網を守り、広告の年間契約を維持する 利益 3 億ドル · PER 15.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 26.78 ドル49 億ドル
医師が医学情報と連絡を行う場所として同社の媒体が残る。無料のAskやScribeを使う医師が増えても、広告を載せる位置と頻度を慎重に管理でき、製薬会社は従来のブランド予算を保つ。オープンエビデンスも普及するが、診療前の信頼ある認証医師への到達で共存する。製薬の年間広告契約は今と同じ700件を維持し、標的を絞る広告モジュールとAI検索を組み合わせて年間単価が上がる。
病院向け広告も診療部門400契約を守る。採用の画面と人材紹介はAIに押されて契約数が減るが、病院の文書作成は既存会員の使い勝手が導入を助け、企業契約は現状を維持する。売上は約8.7億ドル、営業利益は約3.1億ドルへ伸びる。高い営業利益率は広告媒体の既存網を使い回すためであり、医療ITの巨大市場を丸ごと奪う前提ではない。
資本は病院向けの製品改良や小型買収に向け、株主への正味還元は10年で18.5億ドルに達する。これは概ね総買い戻し28.5億ドルから株式報酬の希薄化相当10.0億ドルを差し引いたもので、配当や増資の純流入は見込まない。期間のGAAP純利益を約23.5億ドルとすると自己資本は14.5億ドルとなり、期末余剰現金8.0億ドルを維持する。
- 製薬企業向け医師広告:数量 700(製薬ブランドと広告モジュールを組み合わせた年換算契約数(推定))× 価格 987,000(1年換算契約当たり売上・米ドル(推定))→ 売上 7 億ドル・営業利益 3 億ドル。【AIエージェント代替:自社媒体型】契約数量は現状比1.00倍、名目価格は1.41倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
- 病院・医療機関向け広告:数量 400(病院の診療部門別の年換算広告契約数(推定))× 価格 211,500(1年換算契約当たり売上・米ドル(推定))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。【AIエージェント代替:自社媒体型】契約数量は現状比1.00倍、名目価格は1.41倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
- 医師向け求人掲載・採用接触ソフト:数量 900(求人掲載・メッセージ枠を含む年換算契約数(推定))× 価格 34,500(年換算契約当たり売上・米ドル(推定))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。【AIエージェント代替:席・操作画面型】契約数量は現状比0.90倍、名目価格は1.15倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
- 病院向け通話・文書作成・AI業務支援:数量 250(病院向け年換算の有料企業契約数(推定))× 価格 115,000(1病院契約当たり年額売上・米ドル(推定))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。【AIエージェント代替:席・操作画面型】契約数量は現状比1.00倍、名目価格は1.15倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
- 医師の派遣・採用代行:数量 270(派遣と常勤採用を含む年換算成約件数(推定))× 価格 134,000(1成約当たり売上換算・米ドル(推定))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。【AIエージェント代替:人月・工数型】契約数量は現状比0.77倍、名目価格は1.34倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
倍率:株主の再投資に要る資本効率は、GAAP純利益2.70億ドルから余剰現金8.00億ドルの推定受取利息1.4%を引き、自己資本14.50億ドルから余剰現金を引いて計算した事業ROE約39.8%。資本コストk8.0%、媒体部分の堀strong(超過収益残存率2/3)、RONIC約29.2%。2036年以降の名目g=2.0%(媒体の実質需要とシェア変化・価格競争を含む。採用・画面事業は0%)。正当化PER(翌期利益に対する(1−g/RONIC)/(k−g)に1+gを掛ける)は約15.84倍。この上限に対し15.80倍を採用し、ネットワークが残る強気から中立では上限をほぼ用いる。時価総額は(全社GAAP純利益2.70−余剰現金利息0.112)×PER15.80+現金8.00×戻り方1.0=48.89億ドル。SBCはGAAP費用として扱う。
確率:既存ネットワークの強さと新しいAI検索広告の契約を評価するが、2026年6月末四半期のAI広告売上はゼロなので数量が現状を超える筋書きは採らない。強い上振れは7%。
やや楽観 19% 製薬広告は伸び、採用は縮む 利益 2 億ドル · PER 15.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 22.88 ドル42 億ドル
専門医の実名ネットワークが高い価値を持ち続け、製薬企業は新薬のブランド追加と広告形式の拡充に予算を振り向ける。メドスケープやオープンエビデンスへの広告移行は起こるが、医師へ直接情報を届ける媒体が一つに収束するわけではない。製薬広告の年間契約数は現状の95%程度を保ち、単価は医薬品ブランドの追加モジュールで底上げされる。
病院向け広告も契約数の95%程度を守る。一方で、求人の文面作成や候補者への連絡はAIエージェントに置き換わり、採用ソフトと人材紹介の取扱件数は減る。AIの回答画面で医師が記録を作るほど業務支援の単価競争は強まるため、企業向けソフトは台数・単価とも控えめに伸びるにとどまる。
広告収益の固定費負担が比較的小さいため、売上が約8.1億ドルになれば営業利益は約2.7億ドルを確保できる。株式報酬は会計費用として負担し、総買い戻し27.5億ドルから希薄化相当10.0億ドルを引いた17.5億ドルだけを正味還元とする。10年間の累計純利益は21.5億ドル、自己資本は13.5億ドル、期末余剰現金は7.0億ドルとなる。
- 製薬企業向け医師広告:数量 665(製薬ブランドと広告モジュールを組み合わせた年換算契約数(推定))× 価格 966,000(1年換算契約当たり売上・米ドル(推定))→ 売上 6 億ドル・営業利益 2 億ドル。【AIエージェント代替:自社媒体型】契約数量は現状比0.95倍、名目価格は1.38倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
- 病院・医療機関向け広告:数量 380(病院の診療部門別の年換算広告契約数(推定))× 価格 202,500(1年換算契約当たり売上・米ドル(推定))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。【AIエージェント代替:自社媒体型】契約数量は現状比0.95倍、名目価格は1.35倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
- 医師向け求人掲載・採用接触ソフト:数量 860(求人掲載・メッセージ枠を含む年換算契約数(推定))× 価格 33,750(年換算契約当たり売上・米ドル(推定))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。【AIエージェント代替:席・操作画面型】契約数量は現状比0.86倍、名目価格は1.12倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
- 病院向け通話・文書作成・AI業務支援:数量 235(病院向け年換算の有料企業契約数(推定))× 価格 113,000(1病院契約当たり年額売上・米ドル(推定))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。【AIエージェント代替:席・操作画面型】契約数量は現状比0.94倍、名目価格は1.13倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
- 医師の派遣・採用代行:数量 260(派遣と常勤採用を含む年換算成約件数(推定))× 価格 130,000(1成約当たり売上換算・米ドル(推定))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。【AIエージェント代替:人月・工数型】契約数量は現状比0.74倍、名目価格は1.30倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
倍率:株主の再投資に要る資本効率は、GAAP純利益2.32億ドルから余剰現金7.00億ドルの推定受取利息1.4%を引き、自己資本13.50億ドルから余剰現金を引いて計算した事業ROE約34.2%。資本コストk8.0%、媒体部分の堀strong(超過収益残存率2/3)、RONIC約25.5%。2036年以降の名目g=2.0%(媒体の実質需要とシェア変化・価格競争を含む。採用・画面事業は0%)。正当化PER(翌期利益に対する(1−g/RONIC)/(k−g)に1+gを掛ける)は約15.66倍。この上限に対し15.65倍を採用し、ネットワークが残る強気から中立では上限をほぼ用いる。時価総額は(全社GAAP純利益2.32−余剰現金利息0.098)×PER15.65+現金7.00×戻り方1.0=41.77億ドル。SBCはGAAP費用として扱う。
確率:媒体の広告主基盤と利益率が維持され、AIによる医師の離反が限定的な筋書き。実際の広告課金の開示が薄いので最良のケースより厚い19%。
中立 36% 医師媒体の堀は残るが広告の取り分は減る 利益 2 億ドル · PER 15.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 19.23 ドル35 億ドル
医師の資格が確かめられた名簿と日常の通信機能は10年後も必要だが、医学記事を読む時間はAIの回答へ移る。デジタル医師広告の市場自体は広がっても、広告を買う製薬企業はオープンエビデンスやメドスケープへ予算を分散する。実質市場の広告機会が10年間で約1.2倍になる中、同社の製薬ブランド別の年間契約は0.88倍に減る。単価も物価の上昇には届かず、量と値段の両面でシェア低下が表れる。
病院向け広告は紹介先を確保する必要から残るが契約件数は0.90倍となる。採用担当者の作業をAIエージェントが代行し、求人ソフトと医師の採用代行はそれぞれ0.80倍、0.65倍の数量へ縮む。AskやScribeは利用が増えても電子カルテの正本を握らず、病院の購買部門から強い価格交渉を受ける。
広告主の既存契約が利益を支えるため売上は約7.0億ドル、営業利益は約2.2億ドルを保つが、GAAP純利益は1.9億ドルにとどまる。10年の累計純利益19.5億ドルから正味還元15.0億ドルを引き、自己資本は14.0億ドルになる。総買い戻し25.0億ドルから株式報酬相当10.0億ドルを差し引き、余剰現金7.5億ドルは別に株主価値へ含める。
- 製薬企業向け医師広告:数量 616(製薬ブランドと広告モジュールを組み合わせた年換算契約数(推定))× 価格 910,000(1年換算契約当たり売上・米ドル(推定))→ 売上 6 億ドル・営業利益 2 億ドル。【AIエージェント代替:自社媒体型】契約数量は現状比0.88倍、名目価格は1.30倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
- 病院・医療機関向け広告:数量 360(病院の診療部門別の年換算広告契約数(推定))× 価格 187,500(1年換算契約当たり売上・米ドル(推定))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。【AIエージェント代替:自社媒体型】契約数量は現状比0.90倍、名目価格は1.25倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
- 医師向け求人掲載・採用接触ソフト:数量 800(求人掲載・メッセージ枠を含む年換算契約数(推定))× 価格 33,000(年換算契約当たり売上・米ドル(推定))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。【AIエージェント代替:席・操作画面型】契約数量は現状比0.80倍、名目価格は1.10倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
- 病院向け通話・文書作成・AI業務支援:数量 200(病院向け年換算の有料企業契約数(推定))× 価格 110,000(1病院契約当たり年額売上・米ドル(推定))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。【AIエージェント代替:席・操作画面型】契約数量は現状比0.80倍、名目価格は1.10倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
- 医師の派遣・採用代行:数量 228(派遣と常勤採用を含む年換算成約件数(推定))× 価格 125,000(1成約当たり売上換算・米ドル(推定))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。【AIエージェント代替:人月・工数型】契約数量は現状比0.65倍、名目価格は1.25倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
倍率:株主の再投資に要る資本効率は、GAAP純利益1.90億ドルから余剰現金7.50億ドルの推定受取利息1.4%を引き、自己資本14.00億ドルから余剰現金を引いて計算した事業ROE約27.6%。資本コストk8.0%、媒体部分の堀strong(超過収益残存率2/3)、RONIC約21.1%。2036年以降の名目g=2.0%(媒体の実質需要とシェア変化・価格競争を含む。採用・画面事業は0%)。正当化PER(翌期利益に対する(1−g/RONIC)/(k−g)に1+gを掛ける)は約15.39倍。この上限に対し15.38倍を採用し、ネットワークが残る強気から中立では上限をほぼ用いる。時価総額は(全社GAAP純利益1.90−余剰現金利息0.105)×PER15.38+現金7.50×戻り方1.0=35.11億ドル。SBCはGAAP費用として扱う。
確率:広告媒体は存続するが、新しいAI検索が医師の時間を奪うことも事実。既存顧客の売上継続・拡大率の鈍化を起点とした中心見通しで36%。
やや悲観 26% 医師の検索時間が移り、広告主が値下げを求める 利益 1 億ドル · PER 12.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 10.16 ドル19 億ドル
医師の診療前検索は独立したAIサービスが中心となり、同社のニュース面に広告を出す価値が下がる。オープンエビデンスが臨床の質問を集め、メドスケープも専門医向けの資料を増やす。製薬企業は同社の広告枠を減らし、ブランド別年間契約数は現在の4分の3へ落ちる。デジタル販促費の市場全体が増えても、同社の媒体が受け取れる部分は縮む。
病院広告も紹介医の接触先を見直して減らす。求人掲載枠はAIによる内製採用が進み、契約は0.70倍となる。病院の業務支援は電子カルテ大手との連携に苦しみ、採用代行は人手の固定費を減らしきれず赤字になる。主力広告の利益率も26%まで下がり、GAAP営業利益は約1.2億ドルに縮む。
競争の影響は初期に強く出ると想定し、10年間の累計純利益は13.5億ドルとする。これは期首と最終年を滑らかにつないだ数字より小さく、初めの数年に広告主離反が先行するためである。総買い戻し19.0億ドルから株式報酬相当8.5億ドルを除いた正味還元は10.5億ドルにとどめ、自己資本12.5億ドルと売却可能な現金を残す。
- 製薬企業向け医師広告:数量 525(製薬ブランドと広告モジュールを組み合わせた年換算契約数(推定))× 価格 805,000(1年換算契約当たり売上・米ドル(推定))→ 売上 4 億ドル・営業利益 1 億ドル。【AIエージェント代替:自社媒体型】契約数量は現状比0.75倍、名目価格は1.15倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
- 病院・医療機関向け広告:数量 320(病院の診療部門別の年換算広告契約数(推定))× 価格 172,500(1年換算契約当たり売上・米ドル(推定))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。【AIエージェント代替:自社媒体型】契約数量は現状比0.80倍、名目価格は1.15倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
- 医師向け求人掲載・採用接触ソフト:数量 700(求人掲載・メッセージ枠を含む年換算契約数(推定))× 価格 31,500(年換算契約当たり売上・米ドル(推定))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。【AIエージェント代替:席・操作画面型】契約数量は現状比0.70倍、名目価格は1.05倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
- 病院向け通話・文書作成・AI業務支援:数量 175(病院向け年換算の有料企業契約数(推定))× 価格 105,000(1病院契約当たり年額売上・米ドル(推定))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。【AIエージェント代替:席・操作画面型】契約数量は現状比0.70倍、名目価格は1.05倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
- 医師の派遣・採用代行:数量 193(派遣と常勤採用を含む年換算成約件数(推定))× 価格 115,000(1成約当たり売上換算・米ドル(推定))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。【AIエージェント代替:人月・工数型】契約数量は現状比0.55倍、名目価格は1.15倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
倍率:株主の再投資に要る資本効率は、GAAP純利益1.03億ドルから余剰現金7.20億ドルの推定受取利息1.4%を引き、自己資本12.50億ドルから余剰現金を引いて計算した事業ROE約17.5%。資本コストk8.0%、媒体部分の堀strong(超過収益残存率2/3)、RONIC約14.4%。2036年以降の名目g=2.0%(媒体の実質需要とシェア変化・価格競争を含む。採用・画面事業は0%)。正当化PER(翌期利益に対する(1−g/RONIC)/(k−g)に1+gを掛ける)は約14.63倍。媒体の値決め力が失われ、新規投資の収益に幅があるため悲観側の倍率12.20倍へ下げる。過去の市場PERは使わない。時価総額は(全社GAAP純利益1.03−余剰現金利息0.101)×PER12.20+現金7.20×戻り方1.0=18.54億ドル。SBCはGAAP費用として扱う。
確率:大手製薬の広告予算がAI検索に移り、契約数減少が単価にも波及する現実的な下振れ。医師網が残るため完全崩壊ほどではないと判断し26%。
悲観 12% 医療AIの広告面を失い、採用も構造的に衰退する 利益 0 億ドル · PER 9.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 4.33 ドル8 億ドル
医師はオープンエビデンスなどのAI検索を診療判断の入口に使い、ドクシミティは主に連絡先の検索と患者への通信に残る。登録会員は維持されても製薬会社の広告契約は現状の半分に減る。広告主は重要な診療上の質問に結びつく検索面へ予算を動かし、同社のブランド別広告単価も現在並みまで下がる。病院の広告契約数も0.60倍になり、主力の製薬広告利益率は15%まで落ちる。
病院業務支援は電子カルテとAI助手の標準機能に置き換わり、契約は大幅に減って採算割れする。採用代行も自動化で取扱件数が半減し、人的な固定費が残る。大きな買収による救済はなく、既存の医師データや過去の買収の無形資産は高値で売れない。結果として売上は約3.25億ドル、営業利益は約0.38億ドルとなり、純利益は約0.33億ドルに細る。
売上低下が早く起こり、最初の数年に事業整理の費用も出るため10年間の累計純利益は8.7億ドルとする。買い戻しは前半に偏り、後半は資金を守るため縮小する。総買い戻し15.0億ドルから株式報酬などの希薄化相当6.3億ドルを引いた正味還元8.7億ドルを見込む。自己資本は9.5億ドルを保ち、事業に不要な余剰現金5.5億ドルと換金可能な資産が最後の支えになる。
- 製薬企業向け医師広告:数量 350(製薬ブランドと広告モジュールを組み合わせた年換算契約数(推定))× 価格 700,000(1年換算契約当たり売上・米ドル(推定))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。【AIエージェント代替:自社媒体型】契約数量は現状比0.50倍、名目価格は1.00倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
- 病院・医療機関向け広告:数量 240(病院の診療部門別の年換算広告契約数(推定))× 価格 150,000(1年換算契約当たり売上・米ドル(推定))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。【AIエージェント代替:自社媒体型】契約数量は現状比0.60倍、名目価格は1.00倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
- 医師向け求人掲載・採用接触ソフト:数量 550(求人掲載・メッセージ枠を含む年換算契約数(推定))× 価格 28,500(年換算契約当たり売上・米ドル(推定))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。【AIエージェント代替:席・操作画面型】契約数量は現状比0.55倍、名目価格は0.95倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
- 病院向け通話・文書作成・AI業務支援:数量 130(病院向け年換算の有料企業契約数(推定))× 価格 100,000(1病院契約当たり年額売上・米ドル(推定))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。【AIエージェント代替:席・操作画面型】契約数量は現状比0.52倍、名目価格は1.00倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
- 医師の派遣・採用代行:数量 158(派遣と常勤採用を含む年換算成約件数(推定))× 価格 100,000(1成約当たり売上換算・米ドル(推定))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。【AIエージェント代替:人月・工数型】契約数量は現状比0.45倍、名目価格は1.00倍。数量は実質の契約・成約数であり、物価上昇は価格側にのみ含む。
倍率:株主の再投資に要る資本効率は、GAAP純利益0.33億ドルから余剰現金5.50億ドルの推定受取利息1.4%を引き、自己資本9.50億ドルから余剰現金を引いて計算した事業ROE約6.3%。資本コストk8.0%、媒体部分の堀strong(超過収益残存率2/3)、RONIC約6.9%。2036年以降の名目g=0.0%(媒体の実質需要とシェア変化・価格競争を含む。採用・画面事業は0%)。正当化PER(翌期利益に対する(1−g/RONIC)/(k−g)に1+gを掛ける)は約12.50倍。会社が広告媒体の主導権を失い、長期の超過収益が続かないため悲観倍率9.50倍へ下げる。価値の床は流動資産の換金額を別に検証した。時価総額は(全社GAAP純利益0.33−余剰現金利息0.077)×PER9.50+現金5.50×戻り方1.0=7.90億ドル。SBCはGAAP費用として扱う。
確率:AI医療検索の勝者が外部に決まり、従来の広告面の価格・数量が同時に崩れる。ただし医師の通信網と手元現金の残存を認め、発生確率は12%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
製薬企業向け医師広告
製薬ブランド単位で医師へ医学・薬剤記事や動画を届ける、自社媒体の広告枠。AI検索広告も将来はこの分類。
| 数量製薬ブランドと広告モジュールを組み合わせた年換算契約数(推定) | 価格1年換算契約当たり売上・米ドル(推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 700 | 700,000 | 5 | 2 |
| 10 年後 中立 | 616 | 910,000 | 6 | 2 |
取り方:一次資料のForm 10-Kは薬剤ブランドごとの契約と、標的医師数・診療科・モジュールで価格を決めると説明するが、契約件数とブランド別売上を開示しない。2026年3月期の売上6.4億ドルから、病院広告0.6、採用ソフト0.3、病院業務支援0.25、採用代行0.35億ドルを推計控除した残り4.9億ドル。年間のブランド×モジュール換算700件なら年額約70万ドルとなる。会社の実際の広告請求書の平均ではない。AIエージェント代替は自社媒体型。医師の利用流出を引いた中立の数量は0.88倍、単価は1.30倍、長期gは名目1〜3%。2026年米国ヘルスケア・製薬B2Bデジタル広告26.3億ドルはEMARKETER 2026年9月21日予測(https://www.emarketer.com/content/pharma-s-digital-hcp-investment-rises-marketers-pair-ads-with-rep-outreach/)。
病院・医療機関向け広告
病院が循環器・がんなど診療科ごとの紹介先の医師を獲得する専門媒体の広告。
| 数量病院の診療部門別の年換算広告契約数(推定) | 価格1年換算契約当たり売上・米ドル(推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 400 | 150,000 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 360 | 187,500 | 1 | 0 |
取り方:Form 10-Kは病院が診療部門単位で広告契約すると開示するが、部門別の件数・売上は開示しない。対象病院の数×診療部門と地域を考え、年400契約×15万ドル=0.6億ドルの検討値とした。製薬広告の推定売上との合計を主力マーケティング5.5億ドルとして、全社売上6.4億ドルと合わせる。広告の制作・運用受託ではなく自社媒体の枠なのでAIエージェント代替では媒体型。中立数量0.90倍・価格1.25倍、gは媒体の1〜3%。
医師向け求人掲載・採用接触ソフト
病院と紹介会社へ医師求人の掲載枠・指名メッセージ枠をサブスクで提供する。
| 数量求人掲載・メッセージ枠を含む年換算契約数(推定) | 価格年換算契約当たり売上・米ドル(推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,000 | 30,000 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 800 | 33,000 | 0 | 0 |
取り方:Form 10-KはHiring Solutionsの求人枠・指名メッセージ枠が定量制限付き契約と説明するが契約件数・売上分解はない。病院と採用会社の導入1,000契約、年額3万ドルという市場規模と広告収益の構成に無理のない仮定から0.3億ドルと推計した。採用担当者が操作する画面とID課金・枠課金が中心なのでAIエージェント代替は席/操作画面型。中立数量0.80倍・価格1.10倍、g0%。
病院向け通話・文書作成・AI業務支援
Dialer Enterprise、AMiON、Ask、Scribeなどの利用者・病院契約を提供する。
| 数量病院向け年換算の有料企業契約数(推定) | 価格1病院契約当たり年額売上・米ドル(推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 250 | 100,000 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 200 | 110,000 | 0 | 0 |
取り方:Form 10-KのWorkflow Solutionsは指定利用者数をもつ利用契約で、売上の絶対額・社数は非開示。2026年のAI病院契約165施設という公表は全製品の有料顧客数とは限らず、年間250契約、年額10万ドルは推定である。医療記録の正本は病院のEHRに残るため「記録の正本」型とせず、AIエージェント代替は操作画面/席型。中立数量0.80倍・価格1.10倍、g0%。
医師の派遣・採用代行
キュラティブ・タレントが病院の医師採用を支援し、時間報酬または採用手数料を受け取る。
| 数量派遣と常勤採用を含む年換算成約件数(推定) | 価格1成約当たり売上換算・米ドル(推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 350 | 100,000 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 228 | 125,000 | 0 | 0 |
取り方:Form 10-Kに時間報酬・採用成功報酬の課金形態があるが成約件数・単価は開示されない。年間350成約相当×10万ドル=0.35億ドルという仮定は、会社の非サブスク売上約0.36億ドルと規模感を突き合わせたもの。ただし非サブスク売上をすべて同事業と断定した数字ではない。人の工数を使う人材サービス型のAIエージェント代替に当たり、中立数量0.65倍・価格1.25倍、g0%。
リスクと懸念
AI エージェント代替と医師の利用時間の流出
専門職プロフィールを持つだけでは広告が表示されない。オープンエビデンスなどのAI検索が医師の調査や薬剤情報の確認を吸収すれば、ニュース画面と広告への訪問回数が減る。採用サービスでは候補者の抽出と連絡、業務支援では記録や要約の画面操作が自動化される。中立の契約数量を減らし、長期の名目成長率を低く抑えた主因である。
製薬企業の販促予算と顧客集中
収入は病院と製薬企業の広告予算に依存する。製薬企業は大型薬剤の特許切れ、薬価政策、営業人員削減に直面し、デジタル予算が伸びても特定媒体への支出を減らし得る。2026年時点で大口127顧客が売上の約83%を占め、契約の更新とブランド追加が鈍れば利益率が下がりやすい。医療費全体の成長がそのまま同社の広告数量になるわけではない。
株式報酬とAI計算費用でオーナー利益が細る
2026年3月期の株式報酬は1.22億ドルで、翌四半期は売上の約23%に相当した。無料で使えるAI助手の利用が増えるほど、推論のための費用と安全性の確認が増える。非GAAPの利益は株式報酬を除くため、会計上の利益から離れるほど投資家の取り分を過大に見る恐れがある。買い戻し額から希薄化相当分を引いて評価する。
AI広告の課金モデルと媒体価値の侵食
2026年春に始めたAI検索広告は20件超の初期プログラムを得たが、6月末四半期にはまだ売上を計上していない。検索の回数が伸びても、広告を挟める場面が限られたり、信頼維持のために広告掲載を制限したりすれば売上は増えない。既存の広告枠から新しい枠へ予算が移るだけの可能性もあり、有料化率と実現単価を継続監視する必要がある。
プライバシー、医療広告規制と誤回答の責任
医師の資格・専門科・行動に基づく広告配信は価値の源だが、患者情報の扱いと広告の透明性に厳しい説明が要る。HIPAAに対応していても、AIの誤った薬剤情報や広告と学術情報の混同が生じれば、医師の信用が失われる。規制変更で販促表現やデータ利用が制限されれば、広告対象者の精度と販売価格の双方に影響する。
二重議決権と資本配分の規律
2026年3月時点でB種株の保有者が議決権の約79%を握っており、一般のA種株主は経営判断を変えにくい。買い戻しは続くが、利益を超える額で買い続けたり、競争力の弱い周辺会社を高値で買ったりすると、現金が減るだけで収益力が残らない。将来のB種議決権の期限と実際の議決権移行も確認する必要がある。
AI企業との競争と訴訟の再発
オープンエビデンスとのAI情報を巡る訴訟は2026年10月に双方の請求取り下げで終了し、争われた主張の真偽は司法判断されていない。和解条件は公表されておらず、事業への影響を断定できない。ただし医療分野のAI開発では著作権、利用規約、資格認証、営業秘密を巡る争いが起こりやすい。再発すれば開発費と販売活動に余計な負担がかかる。
今後の分かれ目
- 既存顧客の売上継続・拡大率が107%から100%未満に2四半期続けて下がる
- ブランド追加と広告枠の価格維持が崩れた可能性が高い。製薬広告の数量と営業利益率を下げ、やや悲観・悲観の確率を増やす。
- 医師向け業務ツールの四半期利用者数が81万人を下回り、二期続けて減少する
- 登録者と実利用の乖離が拡大している。広告媒体の堀を弱く見直し、製薬向け媒体の契約数量と長期成長率を引き下げる。
- AI検索広告の計上売上が四半期単位で公表され、既存広告からの付け替えを除く純増が確認できる
- AI検索が自社の新しい有料広告面になる証拠であり、製薬広告の単価とやや楽観以上の確率を上げられる。
- 四半期の株式報酬が売上の20%超で推移し、GAAP営業利益率が25%を下回る
- AIへの投資と人材費を消しきれない構造と判断し、オーナー利益と正味還元の見積もりを下げる。
- 自社株買いを続けながらA種・B種合計発行済株数が3年で5%以上増える
- 買い戻しが株式報酬の希薄化を打ち消せていない。payoutを下げて経営の資本配分を再評価する。
- メドスケープやオープンエビデンスへ主要製薬ブランドの広告出稿が移る
- 医師への到達網だけでは広告主をつなぎ止められない。製薬向けブランド契約数と将来の広告単価を下げ、悲観の確率を上げる。
- 業務支援の契約病院数が増えても有料の一病院当たり単価が伸びない
- AIエージェントが席課金を削る方向へ働いている。業務支援を記録の正本として扱わず、数量と価格の現行の保守的な筋書きを維持する。
見ておくもの
- 米国医師の登録割合と実際の四半期業務ツール利用者数を区別して追う
- 製薬・病院の年間広告契約でのブランド数、診療部門数、モジュール追加率
- 大口顧客数と全社の売上継続・拡大率、上位20顧客の継続率
- AI検索広告の認識売上、契約期間、スポンサー実効単価
- オープンエビデンスの医療従事者月間利用者数と広告枠の商業化
- GAAP営業利益率と株式報酬費用の売上比、AIの推論費用
- 自社株買いの実行額、株式報酬を差し引いた正味還元、期末純現金
- 医師向け広告・AI回答での規制とプライバシー対応、病院の継続契約
- 2031年前後の二重議決権の期限と実際の議決権の分散
倍率と資本コストの決め方
まず医師への年間広告契約、採用枠、病院ソフト、人材紹介を数量×単価で組み立て、今の株価を見ずに2036年3月期のGAAP純利益を求めた。広告媒体の数量は実質市場成長から競合へ失うシェアを引き、価格指数は物価3.5%との距離から決めた。
資本コストは市場のβではなく8.0%を使い、10年以降の成長率は広告媒体にだけ名目2.0%を認めた。ROEを事業の再投資効率として薄めた正当化PERの上限と、余剰現金を分ける式で評価した。株式報酬はGAAP利益に含め、payoutも希薄化相当額を引いた。
台帳の株数は四半期の加重平均で実際の期末株数と約1.5%ずれるため、市場総額を別途突き合わせた。米国会計ではリース資産と負債がすでに計上されており、10年後も賃借費用を営業費用として扱う。算出した価値と現在の時価総額の差が大きくても、結論を現在価格へ寄せなかった。
資本コスト 8.0% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。米国共通の基本8.0%+景気循環0.5%−広告媒体の値決め力0.5%+借金0%+寿命0%=8.0%。倒産懸念の割増はなく、AIの置換と製薬広告費の変動は数量、価格と筋書きで見る。市場のβや株価倍率は使わない。