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イーライリリー LLY

肥満薬で世界最強の成長企業。利益の過半が 1 つの薬効群と米国の価格政策に乗り、利益ベースの正当化 PER の 8 割で測ると、今の値段は割高

割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)757.61 ドル6,813 億ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)1,306.7 ドル1.18 兆ドル差 −42.0%
10 年後から見ると 割高 価値 757.61 ドル6,813 億ドル · 差 −42.0% · 期待の年率 +1.1%
期待の年率リターン(10 年)+1.1%資本コスト比 −6.9 pt
推定の資本コスト8.0%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 8.0% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

イーライリリーは、肥満・糖尿病のインクレチン薬(ムンジャロ・ゼップバウンド・2026 年 4 月に発売した飲み薬フォンダヨ)を柱に、がん(ベルゼニオ・ジャイパーカ・レトベモ)、免疫(タルツ・イブグリス・オムヴォー)、神経(アルツハイマー病薬キサンラ)を持つ世界最大級の製薬会社である。2025 年は売上 652 億ドル(前年比 +45%)、営業利益 297 億ドル(営業利益率 45.6%)、純利益 206 億ドル。2026 年は上半期の売上が 428 億ドル(+51%)で、通期予想を 850〜870 億ドルまで引き上げた。

事業の質は医薬でも例外的に高い。ムンジャロとゼップバウンドは 2 社寡占の市場で供給能力・臨床データ・販路を握り、粗利率は 86%。ただしバリュー投資の観点で見るべきは、成長の速さではなく持続の形である。数量は年 60% で伸びる一方、実現価格は 13% 下がっており、米国のメディケア取引(月 245 ドル)や現金払いの値下げ、中国での収載、セマグルチドの後発薬が価格を押し下げる。10 年後、利益の主役はまだインクレチン薬だが、チルゼパチドの特許は 2036 年前後に切れ始める。

数量 × 価格で積み上げると、10 年後の中立の筋書きは売上 1,840 億ドル・純利益 620 億ドル台と今の 3 倍になる。倍率は利益ベースの正当化 PER(10 年の中立で 20.4 倍。g 4.0%・k 8.0%)の 8 割、16.3 倍に置くと、10 年後の中立の時価総額は 1 兆 80 億ドルで、今(1 兆 1,300 億ドル)の約 0.9 倍にとどまる。ただし価格の下落と特許切れで、やや悲観と悲観の確率が合わせて 3 割台ある。確率で重みをつけ k 8% で割り引いた本質価値は今を約 4 割下回り、総合は「割高」。優れた事業だが、悲観では今の 1 割ほどまで落ちるので、安全域はない。

バリュー投資の観点から

バリュー投資家なら、まず 10 年後を問う。インクレチン薬はこの先 10 年も使われ、患者数は増える。堀は広がるというより、供給能力とデータで「当面は 2 強」の地位を保つ形で、事業が消える心配は小さい。

オーナー利益を見る。2025 年の純利益 206 億ドルに対し、フリーキャッシュフローは 90 億ドルと半分以下で、工場と運転資本に利益が吸われている。株主の手元に残る利益は今の時価総額の 1% 未満で、5% の無リスク金利と比べ、成長が 10 年続くことの前払いが大きい。

安全域の観点では、中立の筋書きでも 10 年後の時価総額は今の約 0.9 倍にとどまり、資本コスト 8% で割り引いて悲観側の確率を重ねると、本質価値は今の時価総額を約 4 割下回る。やや悲観と悲観を合わせた確率は 3〜 3.5 割ある。悲観の中身は景気ではなく、政策による価格の下落と、飲み薬・後発薬による価格の崩れである。経営は資本配分に誠実で信頼できるが、買収と工場投資の回収は 10 年先の価格次第。予測のしやすさは 5 年前より落ち、確信度は中。事業への確信は高いが、値段への確信は持てない。

何で稼ぐ会社か

売上の 56%(2025 年 365 億ドル)を占めるインクレチン薬は、GLP-1 と GIP の 2 つのホルモンに働く週 1 回の注射薬チルゼパチドで、糖尿病向けがムンジャロ、肥満・睡眠時無呼吸向けがゼップバウンド。2026 年 4 〜 6 月期はムンジャロが 99 億ドル(米 48・米国外 52)、ゼップバウンドが 49 億ドルで、売上の 65% を占める。米国は保険と現金払い(直販の LillyDirect、TrumpRx)、米国外は中国の公的保険収載で急増した。2026 年 4 月には飲み薬のフォンダヨ(オルフォルグリプロン)を発売し、2026 年 6 月期に 1 億ドルを売った。さらに GIP・GLP-1・グルカゴンの 3 つに働くレタトルチドは第 3 相試験が続けて成功し、2027 年 1 〜 3 月に米国で申請する。

既存の主力は、乳がん薬ベルゼニオ(年約 60 億ドル)、乾癬のタルツ、2 型糖尿病のトルリシティとジャディアンス(ベーリンガーインゲルハイムと共同)、インスリンのヒューマログ・ヒューマリンで、2025 年に合計で約 245 億ドル(推定)。これらは特許切れ、薬価交渉(IRA)、後発薬で 2026 年以降は横ばいから減少に入る。

成長品は、アトピー性皮膚炎のイブグリス、潰瘍性大腸炎のオムヴォー、血液がんのジャイパーカ、早期アルツハイマー病のキサンラ、乳がんのイムルネストなどで、合計 40 億ドル台からの立ち上がり。研究開発費は売上の 17%(2026 年 4 〜 6 月期に 38 億ドル)。2026 年は買収(オーナ、アヤックス、センテッサ、ケロニア、感染症 3 件、アタイベックレー)で開発中の新薬を急速に増やしている。

優良さと弱いところ

堀は 3 層。第 1 は供給能力で、注射器・ペン型・錠剤を大量に作れる製造網(インディアナなどに追加 45 億ドルを含む巨額の投資)を先に作り、需要の急増に応えられたこと。肥満薬は「作れる量」が売上を決め、ここで競合のノボ ノルディスクに差をつけた。第 2 は臨床データで、チルゼパチドは直接比較でセマグルチドより体重減少が大きく、レタトルチドは 3 つのホルモンで 25% 超の減量が報告されている。第 3 は販路で、米国の保険・直販・薬局を通じて処方される患者数が桁違いに多く、データも積み上がる。

資本効率は異常に高い。ROE は 78%(自己資本が小さいため)、営業利益率は 2025 年に 45.6%、粗利率は 86%。ただし ROE の高さは自己資本の薄さによるところが大きく、本質的な資本利益率は工場投資の増加で下がり気味である。経営はデイブ・リックス氏の下で、新薬の開発と巨額の製造投資を先に行い、買収は 10 億〜 数十億ドル規模の中型が中心で、価値を壊した大型買収は近年ない。

弱点は 3 つ。第 1 に利益が 1 つの薬効群に集中していること(売上の 6 割超が肥満・糖尿病)。第 2 に価格を決める力が政策に左右されること(メディケア・最恵国待遇・関税)。第 3 に特許の壁が薬効群全体では厚くない点で、飲み薬は小分子で後発・類似薬が作りやすく、セマグルチドは 2026 年に中国・インド・カナダで後発薬が可能になった。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

肥満・糖尿病治療薬の世界市場は、2026 年に利用者 約 3,000 万人 × 純価格 約 3,700 ドルで約 1,100 億ドル(業界ノートの推定)、中立の見通しでは 2029 年に 1,900 億ドル、2036 年に 2,500 億ドルで、数量は年 +14% だが純価格は年 −4.5% で下がる。市場の予測は下方修正が続き、ゴールドマン・サックスは 2030 年の肥満薬市場を 1,300 億ドルから 1,050 億ドルに、ジェフリーズは 800 億ドルまで下げた。

循環でいえば、数量の急成長期の序盤から中盤にいる。足元は数量が +60% で価格が −13%、つまり値下げしながら売る量で稼ぐ局面で、売上は 2030 年代前半まで伸びる余地があるが、利益率と 1 人あたり単価は下がる方向。2025 年 11 月の政府合意でメディケアが肥満薬を保険適用(2026 年 4 月から。政府価格 月 245 ドル、本人負担 50 ドル)、TrumpRx の現金価格はゼップバウンドが月 299〜449 ドル、フォンダヨが平均 346 ドルと決まり、価格の天井が見えた。

競争の相手は、ノボ ノルディスク(ウェゴビーの飲み薬は先に発売、カグリセマ)、アムジェン(マリタイド)、ファイザー(買収したメタセラ)、中国勢、さらにセマグルチドの後発薬。ノボの優位は薄れたが、リリーの市場シェアは 55〜60% が上限で、競争が増えるほど 1 人あたり単価は下がる。分かれ目は、飲み薬の浸透、保険の適用拡大(心血管・腎臓・睡眠時無呼吸)、レタトルチドの承認である。

資本政策と M&A

還元は配当を中心に、自社株買いは小さい。配当は 2026 年 4 〜 6 月期に四半期で 15% 増やし、2025 年は配当 54 億ドル・自社株買い 41 億ドル、株数は年 0.4% 減る程度で、株式報酬による増加を打ち消すだけの正味の還元は多くない。純有利子負債は 366 億ドル(時価総額比 3%)で、工場と買収に資金を回している。

M&A は、2020 年代以降、アヤックス・オーナ・センテッサ・ケロニアなど 10 億〜 数十億ドル級を連続して実施し、2026 年上半期に取得した開発中の薬の費用(IPR&D)は 4 〜 6 月期だけで 28 億ドルに達した。買収で価値を壊すリスクは小さいが、数が多く、肥満薬依存の分散が目的とみられる。リリーが買われる側になる可能性は時価総額 1.1 兆ドルで現実的でない。

今後の鍵は、製造への巨額投資(工場の稼働が需要に追いつくか)、成長のための研究買収の成功率、肥満薬の成長が鈍る局面で自社株買いを増やすか、である。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

肥満・糖尿病の薬を必要とする人は世界に 10 億人を超え、現在の利用者は 3,000 万人にすぎない。2026 年 4 〜 6 月期の数量は +60%、米国外は +113% で、中国の公的保険収載とメディケアの適用が始まったばかりである。リリーは供給能力で先行し、2026 年の売上予想を二度引き上げた(850〜870 億ドル)。粗利率 86%、営業利益率 50% 前後という利益率は、価格が下がっても数量で埋められる。

さらにレタトルチドは 3 つのホルモンに働き、第 3 相で 25% 超の減量を示し、2027 年に申請する。肥満薬は心血管・腎臓・睡眠時無呼吸・変形性膝関節症・アルコール依存へ適応が広がり、1 人あたりの治療期間が延びる。飲み薬フォンダヨは製造コストが小さく、利用者の裾野を広げる。新薬群(イブグリス・オムヴォー・ジャイパーカ・キサンラ)も合計 40 億ドル台から年 40〜50% で伸びる。数量が桁違いに増えるため、純価格が毎年 5% 下がっても、10 年後の売上は 2,500 億ドルを超えうる。

慎重な見方

価格が構造的に下がっている。実現価格は 2026 年 4 〜 6 月期に −13%(米国外は −36%)で、米国でもメディケア価格は月 245 ドル、現金払いは月 299〜449 ドルと、2 年前の 1,000 ドル超から崩れた。数量が増えても 1 人あたり単価は下がり続け、成長は売上の増加ほど利益に出ない。セマグルチドの後発薬は 2026 年に中国・インド・カナダで出始め、飲み薬はノボが先行し、アムジェン・ファイザー・中国勢が次を狙う。肥満薬の市場予測は下方修正が続き、2030 年は 1,050 億ドルまで下がった。

さらに利益の過半が 1 つの薬効群に乗り、米国の政策リスク(最恵国待遇、関税、IRA の対象拡大)が直撃する。ベルゼニオ・タルツ・ジャディアンス・トルリシティは 2030 年までに特許切れや価格交渉で減る。長期の安全性(膵炎・視力・筋肉量)への規制が出れば、使用患者は絞られる。PER 55 倍・PBR 43 倍は、10 年後も今の利益率・シェアを保つ前提であり、少しでも外れれば株価は 3〜 5 割動く。

どちらに重みを置いたか

事業の成長は強気の見方が強く、確率は楽観側に寄せた(10 年の楽観・やや楽観の合計 35%)。ただし値段の議論では慎重な見方が強く、価格の下落は確定的で、特許の壁も薄い。中立の筋書きでも 10 年後の時価総額は今の約 0.9 倍にとどまり、悲観側の確率が厚く、重みをつけて割り引くと今の値段を約 4 割下回る。確率は中立 30% を最大にし、悲観は 12%(構造的な負け)に置き、やや悲観は 10 年 23% と厚めにした。結論は「優れた事業で、値段は割高。安全域はない」。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した株価時価総額 1,101 ドル9,905 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 363.62 ドル3,270 億ドル)。 今の値に割り戻すと 757.61 ドル6,813 億ドル、今との差 −42.0%、 期待の年率 +1.1%(資本コスト 8.0%)→ 割高

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 12% 2,331 ドル2.10 兆ドル 533.75 ドル4,800 億ドル +119.2% +8.2% 343.74 ドル3,091 億ドル
やや楽観 23% 1,621 ドル1.46 兆ドル 455.91 ドル4,100 億ドル +59.0% +4.7% 477.74 ドル4,296 億ドル
中立 30% 1,121 ドル1.01 兆ドル 378.07 ドル3,400 億ドル +14.7% +1.4% 449.59 ドル4,043 億ドル
やや悲観 23% 418.87 ドル3,767 億ドル 277.99 ドル2,500 億ドル −46.7% −6.1% 160.28 ドル1,441 億ドル
悲観 12% 135.64 ドル1,220 億ドル 144.56 ドル1,300 億ドル −78.6% −14.3% 33.62 ドル302 億ドル
加重平均100% 1,101 ドル9,905 億ドル363.62 ドル3,270 億ドル +12.1% +1.1% 1,465 ドル1.32 兆ドル

今の株価時価総額 1,307 ドル1.18 兆ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.0% を下回るほど割高。

楽観 12% 楽観:肥満・糖尿病の中心基盤になり、新薬群も大きく育つ 利益 1,141 億ドル · PER 18.4 倍 · 株価時価総額 2,331 ドル2.10 兆ドル

2035 年、世界市場は 1.5 億人、リリーのシェアは 6 割で利用者 9,000 万人、純価格は 2,600 ドルまで下がり、インクレチン薬は 2,340 億ドル。レタトルチドは主役になり、特許は 2040 年代まで残る。新薬群(イブグリス・オムヴォー・キサンラ・イムルネスト・オロマシブ・遺伝子医薬)は 560 億ドルに育ち、既存の主力は特許切れで 90 億ドルまで縮む。売上は 2,990 億ドル、営業利益率は 49%。10 年の還元は配当と自社株買いで約 4,800 億ドル。倍率は正当化 PER 20.4 倍の 9 割の 18.4 倍に置いた。

  • 肥満・糖尿病(インクレチン薬):数量 9,000(世界のインクレチン薬の利用者(万人)× リリーのシェア = リリーの年間平均利用者数(万人))× 価格 2,600(1 人あたり年間の純売上(ドル。リベート後・世界平均))→ 売上 2,340 億ドル・営業利益 1,287 億ドル。6 割シェア・数量 9 倍
  • 既存の主力(ベルゼニオ・トルリシティ・タルツ・ジャディアンス・インスリンなど):数量 650(治療患者数(万人))× 価格 1,385(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 90 億ドル・営業利益 41 億ドル。特許切れで縮小
  • 新薬・成長品(イブグリス・オムヴォー・ジャイパーカ・キサンラ・イムルネストなど):数量 400(治療患者数(万人))× 価格 14,000(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 560 億ドル・営業利益 224 億ドル。新薬群 13 倍

倍率:正当化 PER は 20.4 倍(g 4.0%、RONIC 21.8%。RONIC は k 8.00% に、事業の ROE 35.5% が k を超える分の 0.5 を足した値。moat は normal)。これに対し 18.4 倍(9 割)に置いた。堀は普通:チルゼパチドなど肥満・糖尿病の薬で新薬の連続性は強いが、利益が少数の薬に集中し、2036 年前後の特許切れと薬価政策、競合の肥満薬があるので強い堀(2/3)とは見ない。利益の質がよい筋書き。上限の 9 割に置く。純利益は GAAP。

確率:10 年間、数量が年 +15% で伸び、レタトルチドと飲み薬で 6 割のシェアを保ち、価格の下落が年 −3% に収まる展開。大型薬で 10 年これが続く確率は 1 割強。

やや楽観 23% やや楽観:数量は 7 倍に、価格は年 −3% で落ち着く 利益 836 億ドル · PER 17.4 倍 · 株価時価総額 1,621 ドル1.46 兆ドル

2035 年、利用者は 7,200 万人、純価格は 2,500 ドル、インクレチン薬は 1,800 億ドル。レタトルチドが半分近くを占め、チルゼパチドの特許切れの影響は 2036 年以降に残る。新薬群は 480 億ドル、既存の主力は 85 億ドル。売上は 2,365 億ドル(2025 年の 3.6 倍)、営業利益率は 49% 弱。純利益は 840 億ドル(2025 年の 4 倍)。リリーは中国・インドなど米国外の数量でも 5 割近いシェアを保ち、メディケアの価格は物価並みの年 −3% で下げ止まる。飲み薬は価格の安さで裾野を広げ、注射薬と共存する。倍率は正当化 PER 20.5 倍の 8.5 割の 17.4 倍に置いた。

  • 肥満・糖尿病(インクレチン薬):数量 7,200(世界のインクレチン薬の利用者(万人)× リリーのシェア = リリーの年間平均利用者数(万人))× 価格 2,500(1 人あたり年間の純売上(ドル。リベート後・世界平均))→ 売上 1,800 億ドル・営業利益 936 億ドル。数量 7 倍
  • 既存の主力(ベルゼニオ・トルリシティ・タルツ・ジャディアンス・インスリンなど):数量 620(治療患者数(万人))× 価格 1,370(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 85 億ドル・営業利益 38 億ドル。縮小
  • 新薬・成長品(イブグリス・オムヴォー・ジャイパーカ・キサンラ・イムルネストなど):数量 380(治療患者数(万人))× 価格 12,600(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 479 億ドル・営業利益 182 億ドル。新薬群 11 倍

倍率:正当化 PER は 20.5 倍(g 4.0%、RONIC 22.3%。RONIC は k 8.00% に、事業の ROE 36.6% が k を超える分の 0.5 を足した値。moat は normal)。これに対し 17.4 倍(8.5 割)に置いた。堀は普通:チルゼパチドなど肥満・糖尿病の薬で新薬の連続性は強いが、利益が少数の薬に集中し、2036 年前後の特許切れと薬価政策、競合の肥満薬があるので強い堀(2/3)とは見ない。上限の 8.5 割に置く。純利益は GAAP。

確率:業界の数量が年 +13% で伸び、リリーが 5 割台後半のシェアを保つ展開。薬価交渉の影響は限定的。

中立 30% 中立:数量は 5〜6 倍に、価格は 35% 下がり、成熟した大手製薬として評価される 利益 619 億ドル · PER 16.3 倍 · 株価時価総額 1,121 ドル1.01 兆ドル

2035 年、世界市場は 1.1 億人、リリーの利用者は 5,800 万人(シェア 5 割強)、純価格は 2,350 ドルで、インクレチン薬は 1,360 億ドル。レタトルチドと飲み薬が主力になるが、チルゼパチドの特許切れが 2036 年に迫る。既存の主力は 80 億ドルに減り、新薬群が 400 億ドルに育つ。売上は 1,840 億ドル(2025 年の 2.8 倍、年 +11%)、営業利益率は 44%、純利益は 620 億ドル。成長が年 5% に落ち着き、特許切れ後の 3 年の足踏みを入れた。倍率は正当化 PER 20.4 倍の 8 割の 16.3 倍に置いた。

  • 肥満・糖尿病(インクレチン薬):数量 5,800(世界のインクレチン薬の利用者(万人)× リリーのシェア = リリーの年間平均利用者数(万人))× 価格 2,350(1 人あたり年間の純売上(ドル。リベート後・世界平均))→ 売上 1,363 億ドル・営業利益 682 億ドル。数量 5.7 倍・価格 −35%
  • 既存の主力(ベルゼニオ・トルリシティ・タルツ・ジャディアンス・インスリンなど):数量 600(治療患者数(万人))× 価格 1,333(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 80 億ドル・営業利益 36 億ドル。縮小
  • 新薬・成長品(イブグリス・オムヴォー・ジャイパーカ・キサンラ・イムルネストなど):数量 350(治療患者数(万人))× 価格 11,400(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 399 億ドル・営業利益 152 億ドル。新薬群 10 倍

倍率:正当化 PER は 20.4 倍(g 4.0%、RONIC 21.5%。RONIC は k 8.00% に、事業の ROE 35.0% が k を超える分の 0.5 を足した値。moat は normal)。これに対し 16.3 倍(8 割)に置いた。堀は普通:チルゼパチドなど肥満・糖尿病の薬で新薬の連続性は強いが、利益が少数の薬に集中し、2036 年前後の特許切れと薬価政策、競合の肥満薬があるので強い堀(2/3)とは見ない。中立は上限の 8 割に置く。純利益は GAAP。

確率:業界ノートの中立(2036 年市場 2,500 億ドル、リリーのシェア 55%)に沿う。数量は年 +13%、純価格は年 −3.5%。

やや悲観 23% やや悲観:価格が年 −6% で崩れ、シェアも 4 割台へ 利益 306 億ドル · PER 12.3 倍 · 株価時価総額 418.87 ドル3,767 億ドル

2035 年、世界市場は 1 億人、リリーのシェアは 4 割台で利用者 4,200 万人、純価格は 1,900 ドルまで下がり、インクレチン薬は 800 億ドル。レタトルチドは期待に届かず、フォンダヨは後発に近い価格競争にさらされる。新薬群は 300 億ドル、既存の主力は 70 億ドル。売上は 1,170 億ドル、営業利益率は 36%、純利益は 310 億ドル(2025 年の 1.5 倍)。米国の純価格は最恵国待遇と民間保険の交渉で年 −6% ずつ下がり、米国外はセマグルチドの後発薬が先に普及する。新薬群が育っても肥満薬の穴を埋められず、成長が止まり、倍率は正当化 PER 18.9 倍の 6.5 割の 12.3 倍に置いた。

  • 肥満・糖尿病(インクレチン薬):数量 4,200(世界のインクレチン薬の利用者(万人)× リリーのシェア = リリーの年間平均利用者数(万人))× 価格 1,900(1 人あたり年間の純売上(ドル。リベート後・世界平均))→ 売上 798 億ドル・営業利益 351 億ドル。価格 −6%/年
  • 既存の主力(ベルゼニオ・トルリシティ・タルツ・ジャディアンス・インスリンなど):数量 550(治療患者数(万人))× 価格 1,270(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 70 億ドル・営業利益 28 億ドル。縮小
  • 新薬・成長品(イブグリス・オムヴォー・ジャイパーカ・キサンラ・イムルネストなど):数量 300(治療患者数(万人))× 価格 10,000(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 300 億ドル・営業利益 90 億ドル。新薬群 7 倍

倍率:正当化 PER は 18.9 倍(g 4.0%、RONIC 16.5%。RONIC は k 8.00% に、事業の ROE 25.0% が k を超える分の 0.5 を足した値。moat は normal)。これに対し 12.3 倍(6.5 割)に置いた。堀は普通:チルゼパチドなど肥満・糖尿病の薬で新薬の連続性は強いが、利益が少数の薬に集中し、2036 年前後の特許切れと薬価政策、競合の肥満薬があるので強い堀(2/3)とは見ない。競合の肥満薬に価格とシェアを奪われる筋書き。自己資本が小さく帳簿の ROE が見かけに膨らむので、事業の ROE は領域でそろえた 25% で測り、悲観の PBR が中立を超えないよう上限の 6.5 割に置く。純利益は GAAP。

確率:競争(後発薬・中国勢・飲み薬)で価格が崩れ、米国の政策も厳しくなる展開。糖尿病薬インスリンの 10 年がたどった道に近い。

悲観 12% 悲観:構造的に負け、肥満薬が普通の薬になる 利益 85 億ドル · PER 14.4 倍 · 株価時価総額 135.64 ドル1,220 億ドル

2035 年、後発・類似薬の普及と中国勢の低価格で、純価格は 1,300 ドルに崩れる。リリーの利用者は 2,600 万人、インクレチン薬は 340 億ドル。レタトルチドは安全性の問題で小さな適応にとどまり、新薬群は 180 億ドル、既存の主力は 55 億ドル。工場の過剰能力で減損が続き、売上は 570 億ドル、営業利益は 140 億ドル弱。時価総額は、優良企業ではなく普通の中堅製薬としての値付けにする。ROE が低いので、倍率は正当化 PER 14.3 倍をそのまま置く(純利益 85 億ドルで約 1,220 億ドル、今の約 1 割)。この間の還元は、最初の 5 年の高い利益から払い、後半は配当の維持が精いっぱいになる。

  • 肥満・糖尿病(インクレチン薬):数量 2,600(世界のインクレチン薬の利用者(万人)× リリーのシェア = リリーの年間平均利用者数(万人))× 価格 1,300(1 人あたり年間の純売上(ドル。リベート後・世界平均))→ 売上 338 億ドル・営業利益 118 億ドル。価格 −65%・減損
  • 既存の主力(ベルゼニオ・トルリシティ・タルツ・ジャディアンス・インスリンなど):数量 500(治療患者数(万人))× 価格 1,100(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 55 億ドル・営業利益 18 億ドル。縮小
  • 新薬・成長品(イブグリス・オムヴォー・ジャイパーカ・キサンラ・イムルネストなど):数量 200(治療患者数(万人))× 価格 9,000(1 人あたり年間の純売上(ドル))→ 売上 180 億ドル・営業利益 32 億ドル。新薬群が伸びない

倍率:正当化 PER は 14.3 倍(g 4.0%、RONIC 9.4%。RONIC は k 8.00% に、事業の ROE 10.8% が k を超える分の 0.5 を足した値。moat は normal)。これに対し 14.3 倍(10 割)に置いた。堀は普通:チルゼパチドなど肥満・糖尿病の薬で新薬の連続性は強いが、利益が少数の薬に集中し、2036 年前後の特許切れと薬価政策、競合の肥満薬があるので強い堀(2/3)とは見ない。構造的に負けた筋書き。ROE が低く、この筋書きの正当化 PER の値をそのまま使う(上限の割合は掛けない)。純利益は GAAP。

確率:10 年の間に、後発薬と低価格の競合で肥満薬が低単価の薬になり、新薬群も育たず、リリーが優良ではなくなる。リーマン級の景気後退ではなく、政策・競争・安全性の構造的な負け。確率は 1 割強。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

肥満・糖尿病(インクレチン薬)

ムンジャロ・ゼップバウンド・フォンダヨ(オルフォルグリプロン)・開発中のレタトルチド。売上の過半を占める成長の柱。

数量世界のインクレチン薬の利用者(万人)× リリーのシェア = リリーの年間平均利用者数(万人)価格1 人あたり年間の純売上(ドル。リベート後・世界平均)売上営業利益
今 2025/12 1,010 3,614 365 201
10 年後 中立 5,800 2,350 1,363 682

取り方:2025 年のムンジャロ+ゼップバウンド 365 億ドルを、年間平均の利用者(推定 約 1,010 万人。2025 年の世界の利用者 約 2,000 万人 × シェア 5 割強。残りはノボ ノルディスクのウゴービ・オゼンピックと各国のセマグルチド後発薬)で割った純単価。米国は純価格が下がり、米国外は中国収載で急落中。 価格は物価 3.5% の中でも名目で下げる(中立で 10 年 0.65 倍)。実現価格は足元で年 −13%、メディケア取引(月 245 ドル)・現金払いの値下げ・中国の収載で単価の低い利用者が増え、2031〜2032 年以降はセマグルチドの後発薬が米国でも出るため、薬効群の単価が物価に逆らって下がるのがこの事業の前提。

既存の主力(ベルゼニオ・トルリシティ・タルツ・ジャディアンス・インスリンなど)

特許切れや値下げに向かう成熟した医薬群。横ばいから減少。

数量治療患者数(万人)価格1 人あたり年間の純売上(ドル)売上営業利益
今 2025/12 1,000 2,450 245 93
10 年後 中立 600 1,333 80 36

取り方:売上 652 億ドルからインクレチン 365 億ドルと新薬群 42 億ドルを引いた残り 245 億ドル(推定)を、治療患者 約 1,000 万人(推定)で割った平均。インスリンなど低単価薬とベルゼニオなど高単価薬の混合。 価格は物価並みに上げない(中立で 10 年 0.54 倍)。トルリシティ(2027 年)・ジャディアンス・ベルゼニオ(2030 年代前半)が特許切れで後発品に置き換わり、残るのが単価の低いインスリンなどに偏るため、1 人あたりの平均が下がる。

新薬・成長品(イブグリス・オムヴォー・ジャイパーカ・キサンラ・イムルネストなど)

2023 年以降に発売した免疫・がん・神経の新薬と、開発中の新薬(オロマシブ・遺伝子医薬など)。

数量治療患者数(万人)価格1 人あたり年間の純売上(ドル)売上営業利益
今 2025/12 60.0 7,000 42 3
10 年後 中立 350 11,400 399 152

取り方:新薬の合計売上 約 42 億ドル(推定)を、患者 約 60 万人で割った単価。発売初期で販売費が重く、利益率は低い。 競合は、イブグリスがサノフィ(Sanofi)のデュピクセント、キサンラがエーザイ・バイオジェンのレケンビ、ジャイパーカがベイジーンのブルキンザで、どれも先行品からシェアを取りにいく立場。価格は物価並みに上がり、数量(患者数)で伸ばす。

リスクと懸念

米国の薬価政策(最恵国待遇・メディケア・関税)

2025 年 11 月の政府合意で、メディケアの肥満薬価格は月 245 ドル、現金払いは月 299〜449 ドルと決まった。同様の値下げが民間保険に広がる、IRA の薬価交渉がチルゼパチドに適用される(2028〜2029 年以降)、関税や最恵国待遇の拡大が起これば、米国の純価格が 2 年で 10〜20% 下がり、売上の伸びが利益に届かなくなる。

競合と後発薬による価格の崩れ

ノボ ノルディスクの飲み薬ウェゴビーは先行し、カグリセマ、アムジェンのマリタイド、ファイザーが買ったメタセラ、中国勢が追う。セマグルチドの後発薬は 2026 年に中国・インド・カナダで出始め、米国でも 2031〜2032 年に出る。リリーの市場シェアは 55〜60% が上限で、競争が強まるほど 1 人あたり単価は下がる。

肥満薬への集中

売上の 6 割超、利益の 7 割前後が肥満・糖尿病のインクレチン薬に乗る。安全性(膵炎・視力・筋肉量)の新しい問題、保険の適用縮小、使い続けない患者の増加などが重なれば、1 つの薬効群の失速が全社の利益に直撃する。ベルゼニオ・タルツ・ジャディアンス・トルリシティは特許切れと薬価交渉で縮小に向かい、補う余地は小さい。

特許の壁と飲み薬の模倣

チルゼパチドの米国の特許は 2036 年前後(単独出典)。小分子のフォンダヨは類似薬が作りやすく、中国勢が先に進む懸念がある。レタトルチドは 2027 年申請で、2035 年時点でも特許が残るが、期待が外れれば穴埋めがきかない。

製造投資と買収の回収

インディアナなどへの追加 45 億ドルを含む巨額の工場投資と、2026 年だけで 10 件前後の買収(IPR&D は 4 〜 6 月期に 28 億ドル)を同時に進めている。需要が想定より鈍る、価格が下がる、買収した開発中の薬が外れれば、減損と稼働率の低下で利益率が下がる。

倍率の縮み

PER 55 倍・PBR 43 倍は、成長が続く間だけ成り立つ。数量の伸びが鈍る 2029〜2030 年以降、特許切れが近づくにつれて倍率は成熟した大手製薬の水準へ近づく。利益が 2 倍になっても倍率が半分以下になれば、時価総額は伸びない。

今後の分かれ目

レタトルチドが 2027〜2028 年に承認され、減量 25% 超・睡眠時無呼吸などへの保険適用が広がったら
インクレチン薬の数量と 1 人あたり単価が楽観側に寄る。10 年の確率を楽観・やや楽観へ動かす。
IRA の薬価交渉または最恵国待遇が民間保険に拡大し、米国の純価格が 2 年で 15% 以上下がったら
やや悲観・悲観の筋書きの確率を大きく上げる。利益率は 5〜10 ポイント下がる。
フォンダヨが年 100 億ドルを超え、ノボの飲み薬の販売を上回ったら
数量の裾野が広がる効果が価格の下落を上回る。楽観・やや楽観の確率を上げてよい。
セマグルチドの後発薬が米国で早期に出る、または中国勢の低価格薬が欧米で承認されたら
肥満薬全体の価格が 3 割以上崩れる。悲観の確率と倍率を下げて見る。
肥満薬で新しい安全性の問題(膵炎・視力・うつなど)が規制当局に取り上げられたら
患者数の伸びが鈍る。中立から悲観側へ確率を動かし、倍率を 2〜3 倍下げる。
買収と工場投資の資金を、自社株買いに回す方針へ転換したら
正味の還元が増える。オーナー利益の質が改善し、倍率を 1〜2 倍上げてよい。

見ておくもの

  • 四半期の数量と実現価格(米・米国外別)の伸び
  • レタトルチドの承認時期と、ノボの飲み薬ウェゴビーとの販売比較
  • 米国の薬価政策(最恵国待遇・IRA・関税)の実際の価格への影響
  • フォンダヨの処方数と保険適用
  • フリーキャッシュフローと設備投資、IPR&D 費用
  • ベルゼニオ・ジャディアンス・タルツの特許切れの時期

倍率と資本コストの決め方

今の PER 55 倍・時価総額 1.1 兆ドルを見る前に、3 つの事業ごとに利用者数(世界の利用者 × シェア)× 1 人あたり純売上を積み上げ、利益率・還元を置いてから倍率を決めた。倍率は利益ベースの正当化 PER の 7〜10 割に置いた。10 年の中立は上限 20.4 倍(g 4.0%・k 8.0%)の 8 割で 16.3 倍。新薬の連続性は強いが、チルゼパチドの特許切れ(2036 年前後)と利益の集中があるので 9 割には届かせていない。今の倍率には寄せていない。結果は今の値段を約 4 割下回る「割高」で、計算の結論として最後に今の値段と比べた。

資本コスト 8.0% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k = 基本 8.0% + quality 0% = 8.0%。肥満薬の競争・薬価政策・特許切れ・製造能力への投資などの個別のリスクは k に足さず、やや悲観・悲観の確率(合計 35%)と悲観の深さで表した。存続は危うくないので上乗せ 0。

同じ業種(ヘルスケア)の AI 分析

割安 ユニバーサル・ヘルス・サービシズUHS 病院と精神科病院を併せ持ち、メディケイドの補助と無保険の増加に利益が左右される会社。利益ベースの正当化 PER の 8 割の倍率でも、バリュー投資の観点で今の値段をはっきり割安と見る 本質価値との差 +81.6% · 10 年 割安(年 +13.1%) やや割安 インシュレットPODD チューブのないインスリンポンプで先頭に立つ高成長の機器会社。利益ベースの倍率でも、10 年で測った価値は今の時価総額を 3 割上回り割安 本質価値との差 +25.8% · 10 年 やや割安(年 +9.8%) やや割安 シグナ・グループCI 薬剤給付管理は移行期で利益が伸びないが、専門薬と法人保険が伸びる。資本コスト 8.5% の下でも、利益ベースの正当化 PER は今の時価総額を 3 割ほど上回る 本質価値との差 +25.8% · 10 年 やや割安(年 +9.5%) やや割安 バクスター インターナショナルBAX 輸液と病院機器の老舗。ポンプの出荷停止とヒルロムで稼ぐ力が落ちた。堀が薄いと見て測っても、10 年の価値は今の時価総額を上回る 本質価値との差 +25.4% · 10 年 やや割安(年 +9.3%) やや割安 HCA ヘルスケアHCA 米国最大の営利病院は、保険の無保険化という逆風の中でも 15% 台の利益率を保つ。quality で借金の重さを資本コストに入れても、今の値段はやや割安 本質価値との差 +23.3% · 10 年 やや割安(年 +8.8%) やや割安 ゾエティスZTS 皮膚薬の競合と OA 薬の安全性で崩れた利益がどこで底を打つかが全て。利益ベースの正当化 PER(k 8.0%)で測っても今の値段を 2 割ほど上回るが、尾は深い 本質価値との差 +18.7% · 10 年 やや割安(年 +8.4%) やや割安 ソルベンタム・コーポレーションSOLV 3M から分かれた創傷・感染予防・歯科・病院ソフトの会社。GAAP の利益は分離費用と訴訟で薄いが、費用が消えれば利益は 5 倍になる 本質価値との差 +10.1% · 10 年 やや割安(年 +8.0%) 適正 GEヘルスケア・テクノロジーズGEHC 画像診断・超音波・造影剤で稼ぐ医療機器大手。中国と関税・患者ケアの不調で利益率は低いが受注残は厚く、10 年で測った価値は今の時価総額をやや上回る 本質価値との差 +9.2% · 10 年 適正(年 +8.1%) 適正 アボット・ラボラトリーズABT リブレ・心血管・診断で稼ぐ優良な医療機器の複合体。10 年で測った価値は今の時価総額とほぼ同じで、筆者の判定は適正 本質価値との差 +7.3% · 10 年 適正(年 +7.5%) 適正 ラボコープ・ホールディングスLH 臨床検査の大手。買収は資本コスト並みで価値をほぼ増やさず公的料金の重しもあるが、利益ベースの正当化 PER の 8 割で測ると本質価値は今とほぼ同じで適正 本質価値との差 +1.4% · 10 年 適正(年 +6.6%) 適正 ヴィアトリスVTRS 特許切れブランドと後発薬で稼ぐ重い借金の会社。償却が減っても、利益ベースの正当化 PER(k 9.5%)で測ると今の値段はほぼ適正。工場の問題と価格の下落が尾を重くする 本質価値との差 +1.4% · 10 年 適正(年 +7.1%) 適正 マケッソンMCK 卸 3 社の首位で堀は厚く、腫瘍と処方技術が利益を伸ばす。利益ベースの倍率でも適正。ただし CVS 依存と直販の圧力が重しになる 本質価値との差 −0.5% · 10 年 適正(年 +6.7%) 適正 クエスト・ダイアグノスティックスDGX 医師・病院・消費者の 3 方向に検体が増える米国 2 強の検査会社。資本コスト 7.5% と利益ベースの正当化 PER の 8 割の倍率で、バリュー投資の観点では今の値段をほぼ適正と見る 本質価値との差 −2.5% · 10 年 適正(年 +5.9%) 適正 CVSヘルスCVS 保険・PBM・薬局を束ねる複合企業は 2026 年に谷を抜けつつあり、保険の利益率が 5% 前後へ戻っても、利益ベースの倍率(k 9.5%)では本質価値は今の時価総額とほぼ並ぶ 本質価値との差 −3.2% · 10 年 適正(年 +7.1%) 適正 リジェネロン・ファーマシューティカルズREGN デュピクセントの利益分配とアイリーア HD を稼ぎ頭に、純現金も厚い。デュピクセントの特許切れと新薬の打率を厚く見ても、利益ベースの倍率(k 8.0%)に抑えると今の値段はほぼ適正 本質価値との差 −3.3% · 10 年 適正(年 +6.5%) 適正 センコラCOR 卸 3 社の 2 番手。専門薬と腫瘍・網膜の診療網で利益を伸ばすが、売上の 25% を占めるウォルグリーン依存が重い。利益ベースの倍率では適正 本質価値との差 −5.8% · 10 年 適正(年 +6.1%) 適正 カーディナルヘルスCAH 卸 3 社の 3 番手。専門薬・診療網・在宅で利益が伸びるが、売上の 28% を占める CVS 依存と後発薬の好調の剥落が重い。利益ベースの正当化 PER の式で測ると適正 本質価値との差 −9.9% · 10 年 適正(年 +5.6%) やや割高 レスメドRMD GLP-1 の影響は患者数より競合の復帰と価格が重い。世界首位の睡眠時無呼吸機器で、利益ベースの倍率では今の値段はほぼ適正 本質価値との差 −10.4% · 10 年 やや割高(年 +5.2%) やや割高 エレバンス・ヘルスELV 全米最大級のブルークロス系保険とケアロンを持つ。2026 年は医療費高騰の谷。利益率が戻る中立でも、利益ベースの正当化 PER(k 8.5%)では今の時価総額とほぼ並ぶ 本質価値との差 −10.6% · 10 年 やや割高(年 +5.8%) やや割高 ユナイテッドヘルス・グループUNH 医療保険の巨人。2025 年の谷を越えつつあり、利益率が 4〜5% 台へ戻っても、利益ベースの倍率(k 8.5%)では今の値段は本質価値とほぼ並ぶ 本質価値との差 −13.4% · 10 年 やや割高(年 +5.6%) やや割高 アムジェンAMGN 成長 6 本柱が骨粗しょう症薬・関節炎薬の落ち込みを埋める途上の優良バイオ。肥満薬マリタイドは賭けで、借金 573 億ドルを抱えるが、利益ベースの正当化 PER の 7.5 割で測ると今の値段はやや割高 本質価値との差 −13.8% · 10 年 やや割高(年 +5.0%) やや割高 ダヴィータDVA 腎臓透析で米国最大。利益の大半を稼ぐ民間保険の患者と重い借金が分かれ目で、式と筋書きの結果はやや割高。バリュー投資の観点では堀は強いが価格を決める力は弱い 本質価値との差 −13.8% · 10 年 やや割高(年 +5.4%) やや割高 ステリスSTE 病院の滅菌・感染予防と、医療機器メーカーの受託滅菌で稼ぐ、更新と消耗で積み上がる収入の厚い優良な会社。規制の揺り戻しと在庫調整を織り込むと、利益ベースの倍率では今の値段が先に行きすぎ、本質価値は今の時価総額を約 14% 下回る 本質価値との差 −17.6% · 10 年 やや割高(年 +4.5%) やや割高 バーテックス・ファーマシューティカルズVRTX 嚢胞性線維症で 9 割超を握る堅い独占と厚い現金が強みで、利益ベースの倍率(k 7.5%・正当化 PER の 8 割前後)に抑えると、新薬群の成否を厚く見ても今の値段はやや割高 本質価値との差 −18.3% · 10 年 やや割高(年 +4.5%) やや割高 アイデックス・ラボラトリーズIDXX 獣医向け診断で世界首位級。検査の継続収入という強い堀があるが、今の値段は先取りしすぎで、10 年で測った価値は今の時価総額の約 8 割 本質価値との差 −19.5% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 ベクトン・ディッキンソンBDX 針・注射器・ポンプを持つ「医療の水道管」。バイオと診断を分離して身軽になった。10 年で測った価値は今の時価総額をやや下回り、筆者の判定はやや割高 本質価値との差 −20.0% · 10 年 やや割高(年 +4.0%) やや割高 クーパーCOO コンタクトレンズと女性医療の 2 本柱。在庫調整・訴訟・物言う株主で揺れ、資本の効率は低い。利益ベースの正当化 PER で測ると、今の値段はやや割高 本質価値との差 −21.1% · 10 年 やや割高(年 +3.7%) やや割高 メドトロニックMDT 心臓の機器(PFA)・脊椎・外科ロボットで稼ぐ総合医療機器の最大手。糖尿病を切り離して身軽になり、PFA の伸びで利益が積み上がる局面にある 本質価値との差 −21.3% · 10 年 やや割高(年 +3.9%) やや割高 ヒューマナHUM 高齢者向け民間保険の最大手級。2026 年は利益が消える谷だが、星評価の急回復で 2028 年に利益率が戻る道が開けた。ただし価格は政府が握り、利益ベースの倍率(k 9.5%)では今の値段はやや割高 本質価値との差 −23.3% · 10 年 やや割高(年 +5.2%) やや割高 ブリストル・マイヤーズ スクイブBMY エリキュースとオプジーボの 2028 年の特許切れで売上の 6 割近くが崩れるが、成長品と新薬で埋めきれば本質価値は今の値段を上回るが、確率で重ねると(利益ベースの正当化 PER の 7 割で測って)やや割高 本質価値との差 −25.9% · 10 年 やや割高(年 +3.5%) やや割高 ファイザーPFE 配当の厚い巨大製薬だが、2027〜2028 年に主力の特許が切れ、肥満薬と腫瘍の新薬で穴を埋め切れるかが焦点。利益ベースの正当化 PER の 9 割で測っても、今の値段はやや割高 本質価値との差 −26.8% · 10 年 やや割高(年 +3.0%) やや割高 ボストン・サイエンティフィックBSX 電気生理とウォッチマンで伸びた医療機器の優等生。2026 年は 2 度の下方修正で株価が半減した。10 年で測った価値は今の時価総額を下回り、判定はやや割高 本質価値との差 −28.3% · 10 年 やや割高(年 +3.6%) 割高 ギリアド・サイエンシズGILD HIV 治療・予防を握る安定した現金創出企業。ビクタルビの特許切れは 2036 年まで先送りされたが、薬価政策と買収費用を厚く見ても、利益ベースの正当化 PER の 7.5 割で測ると今の値段は割高 本質価値との差 −30.9% · 10 年 割高(年 +2.6%) 割高 ストライカーSYK 整形外科のロボット(Mako)と外傷・四肢で稼ぎ、手術室の機器・血管・神経へ広げる医療機器の大手。サイバー攻撃の傷は癒えつつあるが、堀の厚さは変わらない 本質価値との差 −33.4% · 10 年 割高(年 +2.6%) 割高 ジンマー・バイオメット・ホールディングスZBH 膝・股の人工関節で世界最大級の整形外科大手。価格の下落と Mako へのシェア流出の中、ロボット ROSA の巻き返しが分かれ目。本質価値は今の値段に対して「割高」 本質価値との差 −35.7% · 10 年 割高(年 +2.3%) 割高 デクスコムDXCM 連続血糖測定で稼ぐ高成長の機器会社。利用者は増えるが、1 人あたり収入の下落とアボットとの競争を織り込んだ利益ベースの倍率では、今の値段は本質価値を大きく上回る 本質価値との差 −36.5% · 10 年 割高(年 +2.6%) 割高 センティーンCNC メディケイド最大手・ACA 最大手の民間保険。2025 年の谷から 2026 年は回復したが、利益の戻りは州の料率と補助金という他人の財布に左右され、利益ベースの倍率(k 9.0%)では今の値段は割高 本質価値との差 −36.5% · 10 年 割高(年 +2.8%) 割高 メトラー・トレド・インターナショナルMTD 精密計量・分析・検査の消耗しない需要で稼ぐ質の高い会社。事業の見通しは堅いが、今の PER 38 倍は利益ベースの正当化 PER(成熟後の上限 22.5 倍、置くのは 18 倍)を大きく上回り、割高と出る 本質価値との差 −38.5% · 10 年 割高(年 +1.5%) 割高 エドワーズライフサイエンスEW TAVR で首位、純現金を持つ心臓弁の専業。質は高いが、利益ベースの倍率では今の値段が高く、本質価値は今の時価総額の約 6 割 本質価値との差 −41.7% · 10 年 割高(年 +1.4%) 割高 ウォーターズWAT 分析機器の消耗品と診断の繰り返し収入を持つ質の高い会社へ統合が済んだ。事業の質は高いが、利益ベースの成熟後の PER は 12 倍で今の約 30 倍の半分にも届かず、割高と出る 本質価値との差 −42.2% · 10 年 割高(年 +1.1%) 割高 メルクMRK キイトルーダ依存の穴を新薬と買収で埋めに行く世界最大級の製薬。2028 年の特許切れ後の再成長に確度は持てないが、利益ベースの正当化 PER の 7 割で測ると今の値段は割高 本質価値との差 −42.2% · 10 年 割高(年 +0.6%) 割高 アッヴィABBV 免疫の二本柱で成長は続くが、2033 年のスキリージの特許切れと薬価政策が先にある。利益ベースの正当化 PER の 7.5 割で測ると、今の値段は割高 本質価値との差 −42.3% · 10 年 割高(年 +1.0%) 割高 IQVIAホールディングスIQV 世界の医療データと臨床試験を握るが、純負債が重い。今の GAAP の PER 約 33 倍は利益ベースの正当化 PER(成熟後の上限 15.9 倍、置くのは 13 倍)を上回り、割高と出る 本質価値との差 −42.5% · 10 年 割高(年 +1.6%) 割高 ジョンソン・エンド・ジョンソンJNJ 腫瘍と免疫の新薬が特許切れを補い質は高いが、利益ベースの正当化 PER の 8 割で測ると、今の値段は割高 本質価値との差 −42.6% · 10 年 割高(年 +0.6%) 割高 ヘンリー・シャインHSIC 歯科・医科の流通に自社ブランドと技術を重ねる会社。流通は価格を決める力が弱く、DSO・ネット通販・KKR や活動家株主の圧力の中で費用削減と構成の改善を進める。利益ベースの倍率では割高 本質価値との差 −43.6% · 10 年 割高(年 +1.3%) 割高 サーモフィッシャー・サイエンティフィックTMO 研究・製造・臨床試験のインフラを握る堅い会社だが、今の PER 39 倍は利益ベースの正当化 PER(上限 17 倍)の 2 倍近くで、割高と出る 本質価値との差 −45.3% · 10 年 割高(年 +0.5%) 割高 バイオジェンBIIB MS の稼ぎが縮む中で、成長製品と開発品が補えるかが全て。利益ベースの倍率では本質価値が今の値段の約 6 割で、割高。楽観の尾が重い 本質価値との差 −46.7% · 10 年 割高(年 +1.2%) 割高 ダナハーDHR バイオプロセスの回復と診断の再編を抱えた堅い会社。今の PER 45 倍は利益ベースの正当化 PER(成熟後の上限 16 倍、置くのは 13 倍)を大きく上回り、割高と出る 本質価値との差 −46.9% · 10 年 割高(年 0.0%) 割高 アライン・テクノロジーALGN 透明な歯列矯正装置の世界首位。症例は増えるが値段が上がらず、安い競合が堀を削る。利益ベースの正当化 PER で測ると、今の値段は割高 本質価値との差 −47.6% · 10 年 割高(年 +1.4%) 割高 インテュイティブ・サージカルISRG 手術ロボットのほぼ独占と消耗品の積み上げで稼ぐ優良企業。ただ今の値段は、独占が続く前提でも高すぎる水準にある 本質価値との差 −48.2% · 10 年 割高(年 +0.6%) 割高 インサイトINCY ジャカフィ(米国売上の約 6 割)が 2028 年末に特許切れ。新薬群が穴をどこまで埋めるかが全てで、利益ベースの倍率では本質価値が今の値段の約 5 割で、割高 本質価値との差 −50.1% · 10 年 割高(年 +0.5%) 割高 アジレント・テクノロジーA 分析機器の消耗品・保守で稼ぐ質の高い会社。事業の見通しは堅いが、今の PER 38 倍は利益ベースの正当化 PER(成熟後の上限 17.4 倍、置くのは 14 倍弱)を大きく上回り、割高と出る 本質価値との差 −51.4% · 10 年 割高(年 −0.6%) 割高 ウエスト ファーマシューティカル サービシズWST 注射剤のゴム栓で世界の約 7 割を握る質の高い会社。GLP-1 の山と今の PER 57 倍が重く、利益ベースの成熟後の PER は 16 倍前後で、大きく割高と出る 本質価値との差 −53.4% · 10 年 割高(年 −1.3%) 割高 チャールズリバー・ラボラトリーズ・インターナショナルCRL 動物試験と創薬の受託で最大手。底は打ったが GAAP の利益が薄く、今の時価総額 143 億ドルは本質価値の約 2.6 倍と出る 本質価値との差 −66.0% · 10 年 割高(年 −3.5%) 割高 リビティRVTY 新生児スクリーニングと免疫診断が伸び、研究向けは足踏み。ただ GAAP の利益が薄く、利益ベースの値は今の時価総額 170 億ドルを大きく下回る(割高) 本質価値との差 −66.4% · 10 年 割高(年 −4.3%) 割高 バイオテクネTECH 研究用試薬で稼ぐ高採算の会社だが、GAAP の純利益で式を当てると今の時価総額は本質価値の約 3 倍。メルク KGaA の買収提案も単体の価値を大きく上回る 本質価値との差 −68.4% · 10 年 割高(年 −4.5%) 割高 モデルナMRNA コロナの落ち込みと赤字が続く中で、インテスメランの成功が価値の大半を決める。利益ベースの倍率で測っても、今の値段は期待を先取りしすぎで割高 本質価値との差 −81.2% · 10 年 割高(年 −7.9%) 割高 ヴィーヴァ・システムズVEEV 臨床・薬事の記録の堀は本物だが、営業系の席は AI に削られ、57 倍の PER が剥がれると割高(-80%) 本質価値との差 −81.2% · 10 年 割高(年 −9.7%)

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読んだ資料

  1. Lilly 2026 年第 2 四半期決算(SEC 8-K)
  2. Lilly 投資家向け:2026 年第 2 四半期決算プレスリリース
  3. Finviz:Lilly 2025 年第 4 四半期決算と 2026 年予想
  4. 肥満薬の価格と政府合意(メディケア・TrumpRx)
  5. Fierce Biotech:最も価値の高い研究開発は肥満薬
  6. セマグルチドの特許切れ:インド・中国・カナダ

分析日 2026-10-16