結論
ゼネラル・モーターズ(GM)は、シボレー・GMC・キャデラック・ビュイックを持つ米国最大の自動車メーカーで、利益の大半は北米のフルサイズピックアップと大型 SUV、そして金融子会社 GM ファイナンシャルから出る。2025 年の売上は 1,850 億ドル、調整後 EBIT は 127 億ドル(利益率 6.9%)だが、EV 事業の再編で 79 億ドル(ほか中国の整理)の特別費用が出て、純利益は 27 億ドルに沈んだ。2026 年に入ると北米の利益率は 8〜9% へ戻り、7 月に通期の調整後 EBIT の見通しを 140〜160 億ドルへ上げた。
今の時価総額は約 750 億ドルで、2026 年の調整後純利益(約 118 億ドル)の 6 倍台、自己資本の 1.2 倍にすぎない。市場は、関税・EV の再編・景気の山という三つの理由で、利益が長く続かないと見ている。
価格は物価ほど上がらず(平均取引価格は年 +2.6% と置いた)、北米の販売は 335 万台前後の横ばい、という保守的な置き方でも、10 年後の中立は純利益 129 億ドル・時価総額 約 1,320 億ドル(利益ベースの倍率は 1÷k の床 10.3 倍)になる。自社株買いで株数が年 5〜14% 減ってきた還元の力も大きい。一方、EV・中国勢・自動運転で構造的に負ける筋書き(確率 16%)は、時価総額が 260 億ドル前後まで下がる。
バリュー投資の観点では、値段は割安の入口にあるが、景気の山で稼いだ利益を恒久と見てはならない事業であり、確率の重みを慎重側に厚くして評価した。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず「10 年後もこの事業は存在し、今より強いか」を問う。ガソリン車とハイブリッドの大型トラック・SUV は、北米では 10 年後も売れる。ただし競争が激しく、価格を決める力は弱く、強くなるのは規模と販売店網の範囲に限られる。事業は存続するが、堀は「広がる」ではなく「保つ」と見る。
オーナー利益は、純利益から成長に要る再投資を引いたもので、GM は設備投資が年 100〜120 億ドル、調整後のフリーキャッシュフローが 95〜115 億ドルと、純利益 90〜120 億ドルにほぼ見合う。今の時価総額 約 750 億ドルに対し、オーナー利益の利回りは約 13〜15% で、10 年国債 5% を大きく上回る。ただし自動車は 5〜8 年に一度の景気の谷で利益が 0 に近づくため、この利回りは平均ではなく山の値である。谷の年を含めた平均の ROE は 12% 前後と置き、倍率はその数字から式で出した。
資本配分は 2024〜25 年に改善した(クルーズの撤退、EV 計画の縮小、株価が低い時期の大量の自社株買い)が、EV に先に張って 79 億ドル超を減損した過去は消えない。安全域は、時価総額が自己資本の 1.2 倍、悲観の筋書きでも自動車の純現金と GM ファイナンシャルの純資産が床になる点にある。わからない部分は、関税の水準と EV の損失の行方で、確信度は中程度とした。
何で稼ぐ会社か
連結売上 1,850 億ドル(2025 年)の 8 割強が GM 北米(GMNA)で、2025 年の卸売は約 335 万台、売上は約 1,565 億ドル(推定、1 台あたり 約 4.7 万ドル)。米国販売は 285 万台(+6%)、フルサイズピックアップ(シボレー・シルバラードと GMC・シエラ)は 94 万台で 20 年ぶりの高水準だった。大型ピックアップ・SUV(タホ・サバーバン・エスカレード)は 1 台あたりの利益が大きく、北米の調整後利益率を 2026 年 4〜6 月期に 8.6%(前年 6.1%)、上半期に 9.3% まで押し上げた。ソフトでは、運転支援のスーパークルーズを積んだ車が約 75 万台、2026 年のソフト・サービス売上は 30 億ドル超、繰延収益は 63 億ドル(+約 50%)に達し、車が売れた後に続く収益が育っている。
EV 事業は逆風が強い。連邦の税額控除が 2025 年 9 月末に終わり、シルバラード EV や GMC ハマー EV は 2026 年 7〜9 月期に前年比 −58%・−73% と落ちた。GM は 2025 年に EV 関連で 79 億ドル、2026 年の上半期にも 33.6 億ドルを特別費用で計上し、ミシガン州のオリオン工場などをガソリン車へ振り向けた。小型のシボレー・イクイノックス EV とボルトは数が出ているが、全体の EV 損失は小さくなる方向にある。
国際(GMI)は韓国・南米・中東が中心で、調整後 EBIT は 2026 年上半期で 3.1 億ドルと小さい。中国は合弁(上海汽車・SAIC との事業)で、持分利益は上半期 2.5 億ドルまで縮み、シェアは 6.6% に下がった(会社は 2025 年に中国の再編費用も計上)。GM ファイナンシャルは新車・中古車のローンとリースを持つ金融子会社で、調整後の税引き前利益は 2026 年上半期で 12.9 億ドル、年 約 26〜29 億ドル。債務は約 1,117 億ドルで、自動車事業の債務(164 億ドル)とは別に管理されている。
自動運転は 2024 年末にクルーズ(ロボタクシー)から撤退し、乗用車の運転支援に集中する。2028 年にキャデラック・エスカレード IQ で、ライダー(レーザー)・レーダー・カメラによる「目を離せる」レベル 3 を投入する計画である。
優良さと弱いところ
堀は、北米の大型トラック・SUV における規模・販売店網・ブランドの三つに限られる。シルバラードとシエラの合計は 2026 年 4〜6 月期に約 24.0 万台(−2.8%)で、フォード F シリーズ(19.8 万台、−11%)を上回り、ラムが +14% で追っている。トヨタ・タンドラは 4 万台で、この市場の価格を決めるのはデトロイト 3 社だ。輸入車の 25% 関税は、国内で作る GM に追い風だが、同時に韓国・メキシコからの輸入部品と車(GM は韓国から小型 SUV を輸入)の費用を押し上げ、2026 年の総額で 25〜35 億ドルに上る。
資本効率は、波が大きい。調整後 ROIC は直近で 22.9%(会社基準)と高いが、純利益ベースの ROE は 2018〜2023 年に 14〜21% だったのち 2024 年 9.5%、2025 年 4.4%(特別費用込み)と振れる。営業利益率は 2021 年に 7.3%、2024 年に 6.8%、2025 年に 1.6%(GAAP、調整後は 6.9%)で、景気と関税に素直に連動する。
経営は 2024〜25 年に資本を引き締めた。クルーズの撤退(累計 100 億ドル超の損失の打ち切り)、EV 計画の縮小、年 60 億ドル規模の自社株買い(2023〜2025 年に株数が約 34% 減った)は、資本配分の規律を示す。一方で、EV に先に大きく張って損を出した事実は消えず、2026 年も追加の特別費用が出ている。価格を決める力は、ピックアップの一部だけにある。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の新車(軽量車)は 2025 年 約 1,620 万台で、2026 年は 1,600〜1,650 万台のまま頭打ち。平均取引価格は 約 5 万ドルで前年比 +1% 未満、ローン金利は 7% 前後で月額が重く、保有車の平均年齢は 12.8 年と古い。需要は、買い替えの先送りと金利の重さが相殺して横ばいという見立てが自然である。
構造の変化は四つ。第 1 に EV の失速。税額控除の終了で、BEV の新車シェアは 2026 年 4〜6 月期に約 6%(前年 7%)に下がり、ハイブリッドは過去最高の 16%。在来メーカーは EV 事業で巨額の減損を出し(フォード約 195 億ドル、GM は 2025 年 79 億ドル)、トヨタとホンダのハイブリッドが需要を取る。第 2 に関税。25% の輸入車関税は米国内生産の GM・フォード・ステランティスに追い風だが、部品の費用は上がる。最高裁の判断で IEEPA 関税の還付(GM は約 5 億ドル)が一度限りで出た。第 3 に中国勢。BYD などは米国からは締め出されているが、メキシコ・カナダ・新興国で在来メーカーの利益源を削る可能性があり、関税が下がる局面では米国にも来る。第 4 にソフトと自動運転で、テスラ・ウェイモが先行し、GM は運転支援の購読で追う。
循環の位置は「山の手前の横ばい」。在来メーカーの北米の営業利益率は 7〜9%、全社で 4〜6% が業界ノートの置き方で、2026 年の GM(調整後 8%)は上限に近い。10 年後の米国の軽量車は 1,600〜1,700 万台 × 平均 約 6.3 万ドル(約 1.05〜1.1 兆ドル、年 +3%)で、BEV のシェアは 15〜25%、ハイブリッドは 25〜30%(推定)とした。
資本政策と M&A
資本配分の方針は、調整後 ROIC 20% 以上と自動車の現金平均 180 億ドルを満たした後に株主へ返す、という順序で、2026 年 6 月末の自動車の現金・有価証券は 196.5 億ドル(有利子負債 163.7 億ドルで純現金は約 33 億ドル)。2025 年は自社株買い 60 億ドル、2026 年は上半期に 28 億ドルで、2026 年の枠に 60 億ドルを追加承認済み。2026 年の自動車フリーキャッシュフローの見通しは 95〜115 億ドル、設備投資は 2026〜27 年に年 100〜120 億ドル(うち約 50 億ドルは米国の生産能力の増強)。配当は年 15 億ドル前後と小さく、還元の主役は自社株買いで、株数は 2025 年に −14.3%(約 9.7 億株から約 9.0 億株)、2026 年 4〜6 月期に 8.96 億株。
大型の M&A は無く、2024 年にクルーズの全面撤退を決めた。買われる側(TOB)の可能性は時価総額が 750 億ドルあり、政府・組合の関係もあってほぼ無い。純現金が薄く、GM ファイナンシャルの債務が大きいため、景気の谷では自社株買いを止めて現金を守る筋書きになる(悲観の還元は小さく置いた)。株式報酬は小さく(年数億ドル)、正味の還元は配当と自社株買いの合計からその分を引いた額で置いた。
2026 年に決算期末後すでに実行した自社株買い 28.0 億ドル(10-Q・2026 年 1〜6 月)は、今の株数(時価総額)に反映済みなので、10 年の還元には数えず、自己資本の起点(583.2 億ドル)からも外した。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
北米の稼ぐ力は、2025 年の利益率 6.4% から 2026 年 4〜6 月期の 8.6%、上半期の 9.3% へ戻った。大型ピックアップは 94 万台と 20 年ぶりの高水準で、フォード F シリーズが 11% 減る中でも GM は 2.8% の減に留まり、価格を決める余地が残っている。EV の再編は 79 億ドル+33.6 億ドルの特別費用で大半が前倒しされ、オリオン工場の転換とソフトの積み上げで、損失が止まれば営業利益率は 9% 台で定着する。
ソフトは、スーパークルーズの搭載車が約 75 万台、2026 年のソフト・サービス売上は 30 億ドル超で、継続契約率は 30〜40%、繰延収益は 63 億ドル(+約 50%)。2028 年の目を離せる運転(レベル 3)が価格に載れば、車 1 台あたりの利益が上がる。金融の GM ファイナンシャルは運用資産が増え、調整後の税引き前利益は年 26〜29 億ドルで安定している。
資本の面では、2025 年に株数が 14% 減り、2026 年にさらに 60 億ドルの枠がある。株価が低いほど自社株買いは効き、利益が横ばいでも 1 株の価値が年 5% 以上増える。関税の最高裁判断による還付と税額の見直しが進めば、利益は上振れする。
10 年後、北米の販売を 380 万台(市場 2,250 万台 × シェア 17%)、価格を物価並みの 1.34 倍に置けば、北米の営業利益は 238 億ドル、全社の純利益は 215 億ドルで、時価総額は 3,700 億ドル近い。
慎重な見方
GM の利益は、景気の山の数字である。北米の利益率 8〜9% は、2008〜09 年の赤字、2019〜20 年の 3〜5%、2025 年の 6.4% と比べて上限に近い。2026 年の 4〜6 月期の改善は、関税還付 約 5 億ドルの一度限りと EV の損失縮小の寄与が大きく、関税総額(25〜35 億ドル)と、7% 前後のローン金利、平均 12.8 年の保有車齢という需要の天井は変わらない。
競争の側では、ラムが +14%、トヨタ・ホンダ・ヒュンダイのハイブリッドが売れ、米国のシェアは前年の 17.4% から 16.6% に下がった。EV は税額控除の終了で崩れ、GM の EV ピックアップは 7〜9 月期に 5〜7 割減った。EV に使った金額は戻らず、2026 年にも特別費用が続いている。中国は合弁の持分利益が縮み、シェアが 6.6% まで下がった。BYD などが関税の下がる局面でメキシコ・カナダから米国に入れば、価格を決める力は一段と弱まる。
金融のリスクも見落とせない。GM ファイナンシャルの債務 約 1,117 億ドルは、延滞率の上昇や中古車価格の下落で貸倒費用が膨らみやすく、景気の谷では自動車の赤字と同時に出る。2009 年の GM は破産した。次の谷でそこまで落ちる確率は小さくても、販売が 3〜4 割落ちれば営業赤字は避けられない。
価格は物価に追いつかず(ローン月額が限界)、人件費・部品は物価で上がるので、名目の利益率は下がり続ける。10 年後の中立でも、利益率は 7.8% でなく 5〜6% に定着しうる。
どちらに重みを置いたか
強気の言う北米の利益率の回復(8〜9%)とソフトの積み上げは数字で確認できるので、楽観とやや楽観に合わせて 30% を置いた。ただし 2026 年の改善には関税還付や EV 損失の縮小という一度限りの要素が混じり、需要の天井も変わらないため、中立の利益率は今の 8.6% でなく 7.5〜7.8% に落として確率の最も厚い 38%・32% を置いた。慎重な見方が勝つのは景気の谷とローンの貸倒で、構造的に負ける悲観 16% とやや悲観 22% の合計 38% を慎重側に置いた。それでも中立の時価総額は今の 1.8 倍あり、結論は確率の置き方より、k(9.75%、床 1÷k = 10.3 倍)と利益の水準に最も敏感である。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 126.10 ドル1,130 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 70.63 ドル633 億ドル)。 今の値に割り戻すと 94.09 ドル843 億ドル、今との差 +21.9%、 期待の年率 +9.8%(資本コスト 9.8%)→ やや割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 246.19 ドル2,206 億ドル | 125.22 ドル1,122 億ドル | +381.0% | +17.0% | 37.14 ドル333 億ドル |
| やや楽観 | 20% | 186.65 ドル1,672 億ドル | 95.09 ドル852 億ドル | +264.9% | +13.8% | 56.35 ドル505 億ドル |
| 中立 | 32% | 147.71 ドル1,324 億ドル | 77.23 ドル692 億ドル | +191.3% | +11.3% | 71.98 ドル645 億ドル |
| やや悲観 | 22% | 55.47 ドル497 億ドル | 44.87 ドル402 億ドル | +30.0% | +2.7% | 22.07 ドル198 億ドル |
| 悲観 | 16% | 29.24 ドル262 億ドル | 28.13 ドル252 億ドル | −25.7% | −2.9% | 9.18 ドル82 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 126.10 ドル1,130 億ドル | 70.63 ドル633 億ドル | +154.8% | +9.8% | 196.72 ドル1,763 億ドル |
今の株価時価総額 77.21 ドル692 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.8% を下回るほど割高。
楽観 10% ソフトと北米の価格力が効き、全社の利益が 2 倍近くに 利益 215 億ドル · PER 10.3 倍 · 株価時価総額 246.19 ドル2,206 億ドル
2035 年の北米は 380 万台(市場 2,250 万台 × シェア 16.9%)・1 台 6.26 万ドル(1.34 倍。ほぼ物価並み)・営業利益率 10%(ソフトの購読と、目を離せる運転の価格が載る)。国際は 80 万台・利益率 9%、GM ファイナンシャルは運用資産 1,600 億ドル・利益率 20%。調整後 EBIT は 294 億ドル、純利益 215 億ドル。10 年の正味の還元は 1,122 億ドルで、自社株買いが株数を減らし続ける。関税と EV の規制は緩い方向のまま。トヨタ・ホンダのハイブリッドに対しても、GM はピックアップとキャデラックの価格力で利益を守る。
- GM 北米(シボレー・GMC・キャデラック・ビュイックの自動車・部品・ソフト):数量 380(GMNA の卸売台数(万台)= 北米の新車市場(約 2,120 万台)× シェア(約 15.8%))× 価格 6.26(1 台あたり売上(万ドル。部品・ソフト・フリートを含む))→ 売上 2,379 億ドル・営業利益 238 億ドル。営業利益率 10.0%
- GM 国際(韓国・南米・中東ほか)と中国の合弁:数量 80.0(GMI の卸売台数(万台))× 価格 3.05(1 台あたり売上(万ドル))→ 売上 244 億ドル・営業利益 22 億ドル。営業利益率 9.0%
- GM ファイナンシャル(自動車ローン・リース):数量 1,600(平均運用資産(億ドル))× 価格 0.15(運用資産あたり収益率)→ 売上 243 億ドル・営業利益 49 億ドル。営業利益率 20.0%
倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 9.75%・g 4.0%(北米の販売の実質 0.5%+ソフト・金融の伸び 0.5%+価格 3.0%)・事業の ROE 18.5%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本)・moat 弱い(残る割合 0.33)→ RONIC 12.7%、10 年目より先の正当化 PER 11.9 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 12.4 倍。景気の山の利益や価格競争があり利益の質が低いので上限の 70% は床の 1÷k(10.3 倍)を下回るので、1÷k に置く。
確率:業界ノートの楽観(10 年で 1,800 万台、ソフトが実際の利益に育ち在来メーカーの利益率 9% 超)に当たる。関税と需要の前提が全部当たる必要があるため 10%。
やや楽観 20% 北米は 8〜9% を保ち、ソフトと金融が積み上がる 利益 163 億ドル · PER 10.3 倍 · 株価時価総額 186.65 ドル1,672 億ドル
2035 年の北米は 350 万台・1 台 6.17 万ドル・営業利益率 8.8%。国際は 65 万台・利益率 7%、GM ファイナンシャルは運用資産 1,450 億ドル・利益率 17%。調整後 EBIT は 227 億ドル、純利益 163 億ドル。ソフトの売上が 100 億ドル級に育ち、1 台あたりの収益を押し上げるが、車の価格は物価をやや下回る。10 年の正味の還元は 852 億ドル。EV は需要の回復で小さな黒字になる。競合のフォードやステランティスが EV 事業で損を出し続ける中、GM は工場の転換を早く済ませた分だけ有利で、ピックアップのシェアを保つ。関税は今の水準が続き、価格転嫁で吸収する。
- GM 北米(シボレー・GMC・キャデラック・ビュイックの自動車・部品・ソフト):数量 350(GMNA の卸売台数(万台)= 北米の新車市場(約 2,120 万台)× シェア(約 15.8%))× 価格 6.17(1 台あたり売上(万ドル。部品・ソフト・フリートを含む))→ 売上 2,160 億ドル・営業利益 190 億ドル。営業利益率 8.8%
- GM 国際(韓国・南米・中東ほか)と中国の合弁:数量 65.0(GMI の卸売台数(万台))× 価格 3.00(1 台あたり売上(万ドル))→ 売上 195 億ドル・営業利益 14 億ドル。営業利益率 7.0%
- GM ファイナンシャル(自動車ローン・リース):数量 1,450(平均運用資産(億ドル))× 価格 0.15(運用資産あたり収益率)→ 売上 220 億ドル・営業利益 37 億ドル。営業利益率 17.0%
倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 9.75%・g 4.0%(実質 0.3%+価格 3.5%=約 4%)・事業の ROE 14.8%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本)・moat 弱い(残る割合 0.33)→ RONIC 11.4%、10 年目より先の正当化 PER 11.3 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 11.8 倍。景気の山の利益や価格競争があり利益の質が低いので上限の 70% は床の 1÷k(10.3 倍)を下回るので、1÷k に置く。
確率:北米の利益率が 8〜9% で保たれ、ソフトが積み上がる。2021・2026 年の山の水準が続く筋書きとして 20%。
中立 32% 優良だが普通の自動車会社:台数は横ばいで利益率 7.8% 利益 129 億ドル · PER 10.3 倍 · 株価時価総額 147.71 ドル1,324 億ドル
2035 年の北米は 335 万台(市場 2,150 万台 × シェア 15.6%)・1 台 6.03 万ドル(1.29 倍、年 +2.6%。物価 3.5% を下回るのはローン月額の限界と廉価車の復活)・営業利益率 7.8%。国際は 55 万台・利益率 6%、GM ファイナンシャルは運用資産 1,350 億ドル・利益率 15%。調整後 EBIT は 184 億ドル、利息の増加(−18 億ドル)を引いた純利益 129 億ドル(ROE 12%)。10 年の正味の還元は 692 億ドル。ピックアップの堀は保たれ、EV は赤字を出さない程度に絞られる。「優良ではあるが普通の自動車会社」。
- GM 北米(シボレー・GMC・キャデラック・ビュイックの自動車・部品・ソフト):数量 335(GMNA の卸売台数(万台)= 北米の新車市場(約 2,120 万台)× シェア(約 15.8%))× 価格 6.03(1 台あたり売上(万ドル。部品・ソフト・フリートを含む))→ 売上 2,020 億ドル・営業利益 158 億ドル。営業利益率 7.8%
- GM 国際(韓国・南米・中東ほか)と中国の合弁:数量 55.0(GMI の卸売台数(万台))× 価格 2.95(1 台あたり売上(万ドル))→ 売上 162 億ドル・営業利益 10 億ドル。営業利益率 6.0%
- GM ファイナンシャル(自動車ローン・リース):数量 1,350(平均運用資産(億ドル))× 価格 0.15(運用資産あたり収益率)→ 売上 202 億ドル・営業利益 30 億ドル。営業利益率 15.0%
倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 9.75%・g 3.5%(実質 0%+価格 3.5%)・事業の ROE 12.4%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本)・moat 弱い(残る割合 0.33)→ RONIC 10.6%、10 年目より先の正当化 PER 10.7 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 11.1 倍。景気の山の利益や価格競争があり利益の質が低いので上限の 70% は床の 1÷k(10.3 倍)を下回るので、1÷k に置く。
確率:業界ノートの中立(在来メーカーの北米 7〜9%、全社 4〜6%)の中位。最も確率の厚い 32%。
やや悲観 22% 競合と中国勢で北米の利益率が 5% に落ち、国際は収支均衡 利益 57 億ドル · PER 8.7 倍 · 株価時価総額 55.47 ドル497 億ドル
2035 年の北米は 300 万台(シェア 14.0% へ低下)・1 台 5.61 万ドル(1.20 倍。値引きが続く)・営業利益率 5%。国際は 40 万台でほぼ収支均衡、GM ファイナンシャルは貸倒の増加で利益率 12%。調整後 EBIT は 91 億ドル、純利益 57 億ドル(ROE 7%)。10 年の正味の還元は 402 億ドル。関税の低下で競争が戻り、EV の損失がくすぶる。2019〜20 年の水準が定着し、利益は今の半分以下になる。ピックアップではラムとトヨタが差を詰め、フォードは F シリーズの値引きで対抗して、大型トラックの利益が薄まる。金融は貸倒で利益が減り、中国合弁の利益は消える。
- GM 北米(シボレー・GMC・キャデラック・ビュイックの自動車・部品・ソフト):数量 300(GMNA の卸売台数(万台)= 北米の新車市場(約 2,120 万台)× シェア(約 15.8%))× 価格 5.61(1 台あたり売上(万ドル。部品・ソフト・フリートを含む))→ 売上 1,683 億ドル・営業利益 84 億ドル。営業利益率 5.0%
- GM 国際(韓国・南米・中東ほか)と中国の合弁:数量 40.0(GMI の卸売台数(万台))× 価格 2.60(1 台あたり売上(万ドル))→ 売上 104 億ドル・営業利益 0 億ドル。営業利益率 0.0%
- GM ファイナンシャル(自動車ローン・リース):数量 1,200(平均運用資産(億ドル))× 価格 0.15(運用資産あたり収益率)→ 売上 178 億ドル・営業利益 21 億ドル。営業利益率 12.0%
倍率:利益ベース:事業の ROE 6.8%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本)が k 9.75% 以下なので PER は 1÷k = 10.3 倍まで(ためた利益 1 ドルは 1 ドル未満の価値)。上限は 1÷k の 10.3 倍。利益の質が低く競争も強いので上限の 85% に置き 8.7 倍。
確率:ラム・トヨタ・ヒュンダイとの競争、関税の低下、ローン金利の重さで北米の利益率が 5% に落ちる慎重な見方の中心。22%。
悲観 16% EV・中国勢・自動運転で構造的に負け、営業赤字が続く 利益 −35 億ドル · PBR 0.6 倍 · 株価時価総額 29.24 ドル262 億ドル
2035 年までに中国の EV が価格 −30% で世界に出て、関税の低下で米国にも入り、GM は北米で 240 万台まで台数を落とす(1 台 4.90 万ドル。値引きで名目も上がらない)。北米の営業利益率は −1%、国際は赤字、金融は貸倒で利益率 8%。調整後 EBIT は −23 億ドル、純損失 35 億ドル。EV の追加減損で自己資本が 100 億ドル減り、10 年の正味の還元は 252 億ドル、自己資本は 436 億ドル(還元は資産の売却ではなく、利益が落ちる前の利益と現金から払ったもの)。
- GM 北米(シボレー・GMC・キャデラック・ビュイックの自動車・部品・ソフト):数量 240(GMNA の卸売台数(万台)= 北米の新車市場(約 2,120 万台)× シェア(約 15.8%))× 価格 4.90(1 台あたり売上(万ドル。部品・ソフト・フリートを含む))→ 売上 1,176 億ドル・営業利益 −12 億ドル。営業利益率 -1.0%
- GM 国際(韓国・南米・中東ほか)と中国の合弁:数量 30.0(GMI の卸売台数(万台))× 価格 2.20(1 台あたり売上(万ドル))→ 売上 66 億ドル・営業利益 −8 億ドル。営業利益率 -12.0%
- GM ファイナンシャル(自動車ローン・リース):数量 1,000(平均運用資産(億ドル))× 価格 0.14(運用資産あたり収益率)→ 売上 140 億ドル・営業利益 11 億ドル。営業利益率 8.0%
倍率:構造的に負けた後の定着で営業赤字。自己資本 436 億ドル(期首 611 + 期間の純利益の合計 − 還元)の 6 割を床に置く。営業赤字でも、自動車の現金 約 180 億ドルと金融子会社(GM ファイナンシャル)の純資産・工場資産は売れるので、減損後の自己資本のうち売れる資産の税後の目安を 6 割とした。2008〜09 年に GM は破産したが、いまは現金があり式では浅くしない。時価総額 262 億ドルは自己資本の 0.6 倍。
確率:中国の EV の輸出、関税の低下、EV 損失の再燃、金融子会社の貸倒が重なり、もう優良でなくなる。2009 年に破産した前例と谷の重さから 16%(通常より厚め)。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
GM 北米(シボレー・GMC・キャデラック・ビュイックの自動車・部品・ソフト)
北米のガソリン車・ハイブリッド・EV の卸売と、部品・OnStar・スーパークルーズなどのソフト。フルサイズピックアップと大型 SUV が利益の大半。
| 数量GMNA の卸売台数(万台)= 北米の新車市場(約 2,120 万台)× シェア(約 15.8%) | 価格1 台あたり売上(万ドル。部品・ソフト・フリートを含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 335 | 4.67 | 1,565 | 100 |
| 10 年後 中立 | 335 | 6.03 | 2,020 | 158 |
取り方:2025 年の GMNA 卸売は約 335 万台(2026 年上半期 164.1 万台、前年同期 167.6 万台から推定。北米シェア 15.8% = 市場 約 2,120 万台 × 15.8%)。売上は連結 1,850 億ドルから GMI 約 125 と GM ファイナンシャル約 160 を引いた約 1,565 億ドルで、1 台あたり 約 4.67 万ドル。万台 × 万ドル = 億ドル(rev_factor 1)。営業利益は調整後 EBIT で約 100 億ドル(利益率 6.4%、推定)で、特別費用(EV 79 億ドル)は含まない。価格は物価(10 年 1.41 倍)でなく中立で 10 年 1.29 倍(年 +2.6%)に置いた。業界ノートの平均取引価格の見通し(約 4.9 万→約 6.3 万ドル)に合わせ、ローン月額の限界、廉価車種の復活、EV の値下げのため。
GM 国際(韓国・南米・中東ほか)と中国の合弁
韓国・南米・中東などの自動車の売上と、中国合弁(上海汽車との事業)の持分利益。中国合弁の利益は売上に入らず営業利益にだけ入る。
| 数量GMI の卸売台数(万台) | 価格1 台あたり売上(万ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 55.0 | 2.27 | 125 | 7 |
| 10 年後 中立 | 55.0 | 2.95 | 162 | 10 |
取り方:GMI の卸売は約 55 万台(推定)、売上 約 125 億ドルで 1 台 2.27 万ドル。営業利益は GMI 約 4 億ドル + 中国合弁の持分利益 約 3 億ドル(2026 年上半期は GMI 3.1・中国 2.5 億ドル)。中国のシェアは 6.6% で、合弁の台数は売上に入らない。価格は物価並み(1.3 倍台)を基本にした。
GM ファイナンシャル(自動車ローン・リース)
GM 車の購入者向けローンとリース。債務は約 1,117 億ドルで、自動車事業の債務とは分けて管理される。
| 数量平均運用資産(億ドル) | 価格運用資産あたり収益率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,100 | 0.15 | 160 | 29 |
| 10 年後 中立 | 1,350 | 0.15 | 202 | 30 |
取り方:運用資産(ローン・リース)の平均は約 1,100 億ドル(債務 約 1,117 億ドルから推定)、売上 約 160 億ドルで収益率 14.6%(リースの減価償却を含む)。営業利益は調整後の税引き前利益 約 29 億ドル(2026 年上半期 12.9 億ドル)。運用資産は GM 車の販売台数と金利、残価で決まり、価格(収益率)は金利が上がった分だけ上がる。金融の事業の借金は純利益の金利の変化の推定から除いて考えた。
リスクと懸念
関税の水準と一度限りの要素
2026 年の関税費用は総額で 25〜35 億ドル(従前 30〜40 億ドル)。最高裁の判断で IEEPA 関税の還付が約 5 億ドル出たが、これは一度限りで、2026 年の北米の利益率 8.6〜9.3% を押し上げた。関税が上がる、還付が切れる、韓国・メキシコからの輸入の費用が上がると、利益率は 2025 年の 6.4% に戻る。
景気の谷とローンの重さ
新車ローンの金利は 7% 前後、保有車の平均年齢は 12.8 年。景気が悪化すると販売が 3〜4 割落ち(2009 年は −40%)、値引きが急増し、大型トラックの利益が消える。2009 年に GM は破産した。今は自動車の現金 180 億ドルがあるが、固定費の重さは変わらない。
EV 事業の損失と追加の特別費用
EV 関連の特別費用は 2025 年に 79 億ドル、2026 年の上半期に 33.6 億ドル。税額控除の終了で EV の需要は縮み、シルバラード EV は 7〜9 月期に −58%。サプライヤーとの契約解除や工場の転換でさらに費用が出ると、純利益が調整後の利益を大きく下回り続ける。
金融子会社の貸倒と債務
GM ファイナンシャルの債務は約 1,117 億ドル。サブプライムの延滞の上昇や中古車価格の下落で貸倒費用が膨らむと、金融の税引き前利益(年 26〜29 億ドル)が減り、同時に自動車の需要も落ちる。債務の借り換えは 5% 超の金利で、利ざやが薄くなる。
中国の縮小と中国勢の競争
中国の合弁の持分利益は上半期 2.5 億ドルまで縮み、シェアは 6.6%。再編費用も出た。BYD などは米国から関税で締め出されているが、関税が下がればメキシコ・カナダ経由や新興国で GM の利益源を削る。米国では、ラム・トヨタ・ヒュンダイとの競争でシェアが 17.4% から 16.6% へ下がった。
還元の持続性と資本配分
自社株買いは 2025 年に 60 億ドル、2026 年に 60 億ドルの枠があり、株数が年 5〜14% 減ってきた。利益が谷に入れば、現金の目標(180 億ドル)を守るため自社株買いは止まる。株価が高い局面で買うと価値を壊す。クルーズの撤退と EV の減損に見る資本配分の履歴は、均質ではない。
自動運転・ソフトの遅れ
2028 年のレベル 3(目を離せる運転)は、テスラ・ウェイモと比べて遅く、規制と安全の判断で時期が左右される。スーパークルーズの継続契約率は 30〜40% にとどまる。ソフトの売上(2026 年 30 億ドル超)は全体の約 1.6% で、車の利益の波を埋めるには小さい。
今後の分かれ目
- 北米の調整後利益率が 2 四半期続けて 7% を下回る
- やや悲観・悲観の確率を引き上げる。2026 年の改善が一度限りの要素だったと見る。
- 米国の新車販売の年率が 1,400 万台を下回る(前年比 −12% 超)
- 悲観の確率を引き上げる。販売の落ち込みと金融の貸倒が同時に出る筋書きに近づく。
- 関税が大きく下がる(輸入車の 25% が撤廃・縮小される)
- GM の国内生産の優位が薄れ、競争が戻る。10 年のやや悲観・悲観の確率を上げる。部品の費用は下がる面もある。
- EV 関連の特別費用が 2027 年も 20 億ドル超出る
- 再編が終わっていないと見て、純利益の置き方と悲観の確率を見直す。調整後の利益と純利益の差が構造になる。
- スーパークルーズの継続契約率が 50% を超え、ソフトの売上が 50 億ドルへ向かう
- ソフトの価格力を評価し、10 年の楽観・やや楽観の確率を上げる。1 台あたりの収益が車の価格ではなく購読で増える。
- GM ファイナンシャルの貸倒の費用が前年比で 30% 以上増える
- 金融の利益の置き方を下げ、悲観の確率を上げる。債務が大きく、景気の谷での貸倒が重い。
見ておくもの
- GMNA の調整後利益率(四半期)と、フルサイズピックアップの販売台数・シェア(フォード・ラム・トヨタとの比較)
- 米国の新車販売の年率、平均取引価格、インセンティブ(値引き)、ローン金利と延滞(サブプライム)
- 関税費用の見通し(総額)と還付の動き、輸入車の関税の変更
- EV 関連の特別費用の累計と、EV の損益・シェア
- スーパークルーズの搭載車数・継続契約率・ソフト売上と繰延収益
- GM ファイナンシャルの調整後 EBT・貸倒費用・運用資産
- 自動車のフリーキャッシュフロー、現金の残高(目標 180 億ドル)、自社株買いの額と株数
倍率と資本コストの決め方
今の株価ではなく ROE・成長・資本コストから倍率を決めた。売上は、北米・国際・GM ファイナンシャルの運用資産 × 収益率で積んだ。資本コストは 9.75%(基本 8.0% + quality 1.75%)、倍率は利益ベースの正当化 PER(RONIC = k + 1/3 ×(ROE − k)、堀が薄いので 1/3)の 70% が 1÷k を下回るので、楽観〜中立は床の 10.3 倍(ROE が k を下回るやや悲観は 1÷k の 85%)に置いた。今の PER や過去の PER には寄せていない。結果は やや割安(差 +14%)で、この結論は北米の利益率(中立 7.5〜7.8%)と k、悲観の確率(10 年で 38%)に最も敏感で、この点を点検した。価格を物価並み(1.41 倍)にせず 1.29 倍にした理由は how に書いた。金融子会社の借金は、純利益の金利の変化の推定から除いた。
資本コスト 9.8% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k = 基本 8.0% + quality 1.75%。販売台数で利益が大きく振れ(cycle +0.75%)、価格は競争と関税に左右され(pricing +0.5%)、EV・中国勢・自動運転で需要の形が変わる(life +0.5%)。自動車部門は純現金に近く、金融子会社の借金は仕入れの借金として debt に入れない。存続は危うくなく上乗せなし。個別のリスク(EV の再編・関税・中国・金融の貸倒)は k に足さず、筋書きの幅と悲観の確率で表した。