結論
アルメタックスは、住宅用のアルミサッシやドア、エクステリアを作る積水ハウス系列のメーカーだ。積水ハウスが議決権の36%を持ち、売上の半分を買う。筆者の結論は「割高」だ。PBRは0.3倍と帳簿より大幅に安く、現金と株で時価総額とほぼ同じ額を持つ。それでも本業の営業利益率は過去12年で最高3.7%、ここ数年はゼロ前後で、事業が株主の資本を増やしていない。
稼ぐ力が弱い理由ははっきりしている。客が積水ハウスとセキスイハイムにほぼ限られ、値段を決めるのは客の側だ。アルミや燃料が上がっても、値上げは遅れてしか通らない。国内の新しく建つ住宅は人口とともに減り、客の着工も細る。
利益の大半は、配当や賃料など本業の外の収入だ。会社は物件の取得と売却を課題に掲げるが、本業の立て直しの数値目標はない。
現金は余っているが、系列の会社として少数株主が使い道を動かせる形ではない。筆者はこれを半分しか数えず、本業の利益が10年で物価並みに増える筋書きを中立とみる。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、これは「大口の客に値段を決められる下請けが、現金の上に座っている会社」だ。帳簿の自己資本は時価総額の3倍あるが、その資産はほとんど稼いでいない。帳簿の額を価値と見るのは清算の発想で、少数株主にそれを決める力はない。
事業の行方は、積水ハウスの判断ひとつで決まる。客が発注を大手に移せば土台が崩れ、客が同社を取り込めば少数株主は資産の値段で報われる。どちらに転ぶか、筆者には読めない。読めない事業には安全域を厚く取るしかない。
現金と株は確かに厚い。ただ、系列の会社として、それを株主に戻す方針は示されていない。配当は利益の半分ほどで、自社株買いはない。筆者はこの現金を半分だけ数え、事業は物価並みに稼ぐとみる。それでも今の値段を支えるには足りない。積水ハウスが動くのを待つのは、投資ではなく賭けに近い。
何で稼ぐ会社か
事業は住宅建材の1つだけだ。サッシ、玄関ドア、エクステリア、室内の建具を作り、ハウスメーカーに納める。2026年3月期の売上は79億円で、前の期より5%減った。
客の顔ぶれが、この会社のすべてを物語る。積水ハウスが売上の50%、セキスイハイム工業が10%、積水ハウスリフォームが10%弱を占める。プレハブ住宅の工場で組み込む窓と扉を、決まった仕様で大量に作るのが仕事だ。一般の工務店やビル向けにはほとんど売っていない。
工場は滋賀、茨城の古河、山口、静岡にあり、宮城に物流の拠点、滋賀にアルミのリサイクル施設を持つ。アルミの形材は外から買い、切って組み立てる。1990年代にはアルミの地金も扱ったが、2004年にやめた。
新しく建つ家向けが中心で、リフォーム向けを広げようとしている。研究開発に年0.9億円を使い、新型のサッシを開発したが、2026年3月期にはその一部を除却した。会社は収益物件の取得と売却も課題に挙げ、本業の外でも稼ごうとしている。従業員は331人で、平均の勤続は20年に近い。労働組合はない。
優良さと弱いところ
この会社の優良さは低い。営業利益率は過去12年で最高3.7%で、2019年以降は赤字の年が多い。ROEの中央値は1.3%で、株主の資本はほとんど増えていない。
値決めの力がないのが根本の原因だ。売上の6〜7割を積水グループに頼り、値段も仕様も客が決める。窓は家の断熱を左右する大事な部品だが、同社は客の設計どおりに作る下請けに近い。アルミの値段や燃料が上がると、値上げは客との交渉を経て遅れて通る。
堀、つまり他社がまねできない強みは、積水ハウスとの長い取引と、プレハブの工場に合わせた供給の仕組みだけだ。これは客が切り替えにくい理由になるが、同時に客が値段を決める理由にもなる。サッシの大手はLIXIL、YKK AP、三協立山で、積水ハウスがそちらに発注を移せば、同社に代わりの客はほとんどない。
財務は堅い。借金はなく、自己資本比率は82%だ。ただ、その資本の多くは現金と株で、事業には使われていない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
住宅用サッシの需要は、新しく建つ家の数と、リフォームの量で決まる。国内の新設住宅着工は2000年代の年120万戸前後から、2025年度には80万戸を割る水準まで減った。人口と世帯の減少で、10年でさらに1〜2割減るのが中立の見方だ。
その中で、窓の値段は上がる方向にある。国は省エネの基準を引き上げ、2025年からは新しい家に断熱の基準への適合が義務になった。樹脂とアルミを組み合わせた窓や、三重のガラスの窓が増え、1戸あたりの窓の金額は物価より速く上がる。ただし、その利幅を取るのは窓の大手で、客の仕様で作る同社ではない。
リフォームは伸びる。古い家の窓を断熱の良いものに替える工事には国の補助金が出ており、窓の交換の需要は厚い。積水ハウスも既存の家のリフォームに力を入れている。
競争の形は大手3社の寡占に近い。LIXIL、YKK AP、三協立山が国内の住宅用サッシの大半を作り、アルミの形材から一貫して作る。同社は形材を外から買う組立メーカーで、規模でも原価でも大手に劣る。
客の積水ハウスは、国内の戸建ての着工を減らし、海外とマンション、リフォームに軸足を移している。同社が納める工場の戸建ての数は、市場全体より速く細る恐れがある。
資本政策と M&A
資本政策は安定配当が基本で、配当は年8で据え置いている。利益が小さい年も配当を続け、配当性向は利益の5割前後になる。目立った自社株買いはない。
手元の現金は17億円で、借金はない。投資有価証券は約10億円で、うち8億円が積水化学工業の株だ。積水化学は同社株の7%を持ち、互いに持ち合う形になっている。会社は政策保有の6銘柄のうち1銘柄を売る方針を示した。
最大の論点は積水ハウスとの関係だ。議決権の36%を持つその他の関係会社で、同社を持分法で取り込んでいる。売上の半分を買う客でもあり、取引の条件は客が決める。積水ハウスが完全子会社にするか、逆に手を引くかで、この会社の値段は大きく変わる。どちらの動きも今は出ていない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
帳簿と今の値段の差が大きすぎる。現金17億円と投資有価証券10億円で、時価総額30億円とほぼ同じだ。借金はなく、工場と土地も持つ。事業がゼロの価値でも、資産だけで今の値段に近い。
積水ハウスとの関係は強みでもある。プレハブの工場に合わせた窓の供給は、簡単には替えられない。積水ハウスは同社の36%を持ち、持分法で利益を取り込んでいる。取引を急に切る理由はない。むしろ、親子上場の見直しが進む中で、積水ハウスが残りの株を買い取る可能性がある。そうなれば、少数株主は資産に近い値段で報われる。
本業にも追い風がある。2025年から新しい家に断熱の基準が義務になり、窓の値段は上がる。古い家の窓を替えるリフォームには補助金が出ている。値上げとリフォームで、利益率は2010年代後半の3%台に戻りうる。2022〜2023年にはすでに2〜3%を出しており、届かない数字ではない。
借金がないので、景気の谷でも会社が傾く心配はない。下値は厚い資産が支え、上値は積水ハウスの判断で開ける。
慎重な見方
本業は稼いでいない。営業利益率は過去12年で最高3.7%、2024年からは2年続けてゼロ前後か赤字だ。利益の大半は配当や賃料で、事業の力ではない。中期計画の数値目標もない。
客に値段を決められる。売上の6〜7割が積水グループで、アルミや燃料が上がっても値上げは遅れる。積水ハウスは国内の戸建てを減らし、海外とマンションに軸足を移している。同社が納める家の数は市場より速く細る。
大手との差は開く。LIXILやYKK APはアルミの形材から一貫して作り、断熱の良い樹脂の窓でも先を行く。断熱の基準が上がるほど、窓は技術と規模の勝負になり、組立に近い同社は不利だ。
現金は戻ってこない。系列の会社で、配当は年8に据え置き、自社株買いもない。積水ハウスが買い取る保証はなく、親子上場の見直しは逆に売却や放置もありうる。帳簿の安さは10年たっても安いままかもしれない。系列の会社の少数株主は、親の都合に左右される立場にいる。
どちらに重みを置いたか
資産の厚さを言う側には数字の裏付けがあるが、それが少数株主に届く道は積水ハウスの判断しだいだ。本業の弱さは、客に値段を決められる構造から来ており、断熱の追い風も大手が先に取る。確率は中立とやや悲観を厚くし、積水ハウスによる買い取りは楽観の一部として見る形にした。現金は半分だけ数え、持ち合い株と物件は悲観の床にだけ入れている。積水ハウスの資本政策が動けば、この重さは見直す。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 322 円34 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 89 円9 億円)。 今の値に割り戻すと 194 円20 億円、今との差 −30.7%、 期待の年率 +3.9%(資本コスト 9.0%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 11% | 530 円56 億円 | 139 円15 億円 | +138.8% | +9.1% | 74 円8 億円 |
| やや楽観 | 19% | 419 円44 億円 | 103 円11 億円 | +86.5% | +6.4% | 99 円10 億円 |
| 中立 | 37% | 325 円34 億円 | 84 円9 億円 | +46.0% | +3.9% | 151 円16 億円 |
| やや悲観 | 20% | 220 円23 億円 | 93 円10 億円 | +11.9% | +1.1% | 63 円7 億円 |
| 悲観 | 13% | 152 円16 億円 | 38 円4 億円 | −32.1% | −3.8% | 25 円3 億円 |
| 加重平均 | 100% | 322 円34 億円 | 89 円9 億円 | +46.9% | +3.9% | 411 円43 億円 |
今の株価時価総額 280 円29 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.0% を下回るほど割高。
楽観 11% 断熱の値上げとリフォームで利益率が戻り、積水ハウスが取り込む 利益 4 億円 · PER 11.1 倍 · 株価時価総額 530 円56 億円
断熱の基準が上がり、窓1戸あたりの金額は物価より速く伸びる。リフォームの窓の交換が増え、納入戸数は新設の減少を埋めて横ばいを保つ。値上げは客との交渉で物価を上回って通り、営業利益率は2010年代後半の山に近い3%台に戻る。
積水ハウスは系列の整理を進め、同社を完全子会社にする道を選ぶ。現金と持ち合い株を含めた資産が、少数株主の値段に反映される。
本業のROEはそれでも資本コストに届かない。報われるのは、事業の力でなく、資産と資本政策の変化による。系列の会社らしい報われ方だ。株主は事業の伸びより、親の決断で値段を得る。
- 住宅建材(サッシ・ドア・エクステリア):数量 15.8(納入戸数(千戸・年。推定))× 価格 71(1戸あたりの建材売上(万円・名目))→ 売上 112 億円・営業利益 4 億円。1.58万戸×71万(断熱で物価以上)、利益率3.5%
倍率:事業の純利益 4 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 4.2% が k 9.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.1 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.1 倍 + 余った現金(戻り方込み)10 億円。全体の PER 11.11 倍、時価総額 56 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:断熱基準とリフォームで利益率が過去の山に近づき、積水ハウスが親子関係を整理して資産に近い値段がつく筋書き。動きが出ていないので1割。
やや楽観 19% リフォームで減少を埋め、利益率2%台 利益 3 億円 · PER 11.1 倍 · 株価時価総額 419 円44 億円
新設住宅の納入は1割減るが、リフォームの窓の交換が伸びて、納入戸数は5%減にとどまる。断熱の良い窓が増え、1戸あたりの金額は物価をやや上回る。
営業利益率は2%台で、2022〜2023年の水準に戻る。配当や賃料の収入も物価並みに増える。配当は据え置きから少しずつ増える。
ROEは資本コストの3分の1ほどにとどまる。積水ハウスとの関係は今のままで、現金は帳簿に積まれる。少数株主の取り分は細い配当だけだ。それでも赤字の年はなくなり、会社は小さく堅く稼ぐ。断熱の窓の値上げが、ようやく利益に残り始める。
- 住宅建材(サッシ・ドア・エクステリア):数量 15.0(納入戸数(千戸・年。推定))× 価格 69(1戸あたりの建材売上(万円・名目))→ 売上 104 億円・営業利益 3 億円。1.5万戸×69万、利益率2.5%
倍率:事業の純利益 3 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 3.2% が k 9.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.1 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.1 倍 + 余った現金(戻り方込み)10 億円。全体の PER 11.11 倍、時価総額 44 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:新設の減少をリフォームが埋め、値上げが物価並みに通って利益率が2022〜2023年並みに戻る筋書き。
中立 37% 新設は細り、利益は本業の外が支える 利益 2 億円 · PER 11.1 倍 · 株価時価総額 325 円34 億円
積水ハウスの国内の戸建ては減り、納入戸数は10年で1割強減る。リフォームで一部を埋める。1戸あたりの金額は断熱の窓で物価並みに上がるが、値上げは客との交渉で遅れる。
営業利益率は1.5%前後で、過去12年の中ほどにとどまる。利益の半分以上は、配当や賃料など本業の外の収入だ。現金の利息も少し増える。
配当は据え置きが続き、利益の4割強を払う。積水ハウスとの関係は変わらず、現金と持ち合い株は帳簿に残る。会社は潰れないが、株主の資本はほとんど増えない10年になる。新型サッシは大手との差を埋めるほど育たない。
- 住宅建材(サッシ・ドア・エクステリア):数量 13.8(納入戸数(千戸・年。推定))× 価格 67(1戸あたりの建材売上(万円・名目))→ 売上 93 億円・営業利益 1 億円。1.38万戸×67万(物価並み)、利益率1.5%
倍率:事業の純利益 2 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 2.3% が k 9.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.1 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.1 倍 + 余った現金(戻り方込み)10 億円。全体の PER 11.11 倍、時価総額 34 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:国内の新設住宅着工の減少に沿って納入が1割強減り、値上げは物価並み、利益率は1%台にとどまる筋書き。最も起こりやすい。
やや悲観 20% 客の発注が細り、本業は赤字すれすれ 利益 1 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 220 円23 億円
積水ハウスは国内の戸建てを一段と減らし、断熱の良い樹脂の窓は大手に発注する。同社の納入戸数は3割減る。値上げは物価に届かない。
本業は赤字すれすれで、2024〜2025年の状態が続く。配当と賃料の収入が最終黒字を支える。配当は維持されるが、利益の大半を払う形になる。
稼ぐ力は資本コストに遠く、値段は現金と持ち合い株の床で決まる。積水ハウスの買い取りはなく、少数株主にとっては長く報われない10年だ。工場の一部は稼働を落とし、固定費が重くのしかかる。新型サッシの開発も止まり、大手との差は広がる。現金は配当に少しずつ消えていく。
- 住宅建材(サッシ・ドア・エクステリア):数量 11.0(納入戸数(千戸・年。推定))× 価格 64(1戸あたりの建材売上(万円・名目))→ 売上 70 億円・営業利益 0 億円。1.1万戸×64万、利益率0%
倍率:稼ぐ力(純利益÷k)は小さいので、現金と投資有価証券の税後を割り引いた床で今の自己資本の0.22倍。
確率:積水ハウスが国内の戸建てを一段と減らし、断熱の窓で大手に発注が移る筋書き。2024〜2025年の実績に近いので2割。
悲観 13% 主要な客を失い、赤字が定着 利益 −1 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 152 円16 億円
積水ハウスが窓の発注を大手のサッシメーカーにまとめ、同社への発注を大きく減らす。持株も手放し、系列の関係は薄れる。納入戸数は半分になり、工場の一部を閉じる。
本業は赤字が定着し、工場の減損と人員の整理の費用がかさむ。配当と賃料の収入で赤字を埋め、配当は減る。
残るのは現金と持ち合い株と土地だ。清算されない限り少数株主はこれを受け取れず、値段は帳簿を大きく下回る。それでも借金がないので、会社が潰れる筋書きではない。ただ、事業の価値はほとんど残らない。積水化学との持ち合いも解消され、その株は赤字の穴埋めに売られる。
- 住宅建材(サッシ・ドア・エクステリア):数量 8.0(納入戸数(千戸・年。推定))× 価格 60(1戸あたりの建材売上(万円・名目))→ 売上 48 億円・営業利益 −2 億円。0.8万戸×60万、利益率−5%
倍率:本業は赤字なので今の自己資本に掛けるPBR。床は現金と投資有価証券の税後を割り引いた16億ほどで、今の自己資本の0.17倍。
確率:積水ハウスがサッシの発注を大手に移すか、持株を売って関係を薄める筋書き。売上の半分を頼るので1割強。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
住宅建材(サッシ・ドア・エクステリア)
積水ハウス・セキスイハイム向けを中心とする住宅用のアルミサッシ、玄関ドア、エクステリア、室内建具。新設とリフォーム。
| 数量納入戸数(千戸・年。推定) | 価格1戸あたりの建材売上(万円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 15.8 | 50 | 79 | 0 |
| 10 年後 中立 | 13.8 | 67 | 93 | 1 |
取り方:戸数は開示が無いので推定。売上78.9億を、プレハブ住宅1戸あたりのサッシ・ドア・エクステリアの納入額を約50万とみて年1.58万戸相当と置いた(リフォーム向けも戸数に換算)。営業利益は0.1億。
リスクと懸念
積水グループへの依存
積水ハウスが売上の50%、セキスイハイム工業が10%、積水ハウスリフォームが10%弱を占める。発注の方針が変われば、売上の土台がまとめて崩れる。値段も客が決める。
新設住宅の減少
国内の新設住宅着工は人口と世帯の減少で細り続ける。積水ハウスは国内の戸建てを減らし、海外とマンションに軸足を移している。納入の数は市場より速く減りうる。
断熱の窓で大手に後れる
断熱の基準が上がり、樹脂やアルミ樹脂の複合の窓が主流になる。LIXILやYKK APは技術と規模で先を行き、客が発注をまとめれば同社は外される。新型サッシの開発資産は一部を除却した。
アルミと燃料の値段
アルミの形材と燃料が上がると、値上げが客との交渉で遅れ、利益が消える。2024〜2025年の赤字の一因だ。
積水ハウスの資本政策
積水ハウスは議決権の36%を持つ。親子上場の見直しで完全子会社にすれば少数株主は報われるが、持株を売れば系列の後ろ盾を失う。どちらに転ぶかは外から読めない。
投資有価証券と物件の値動き
積水化学の株などで約10億円を持ち、収益物件の取得と売却も進める。株価や不動産の値段が下がれば、利益の柱の営業外の収入と自己資本が揺らぐ。
今後の分かれ目
- 積水ハウスが完全子会社化や持株の引き上げを打ち出す
- 現金と資産が少数株主の値段に反映される。楽観の重さを大きく上げる。
- 積水ハウスが持株を売るか、窓の発注を大手にまとめる
- 系列の後ろ盾と売上の土台を同時に失う。悲観の重さを上げる。
- 営業利益率が2年続けて2%を超える
- 値上げとリフォームが効いている証拠になる。やや楽観の重さを上げる。
- 自社株買いや増配で現金を戻す方針を示す
- 余った現金の戻り方を見直し、価値を上げる。
- 収益物件の取得を広げる
- 本業の外の収入は増えるが、資本の使い方として事業より不動産に重心が移る。利益の質を見直す。
見ておくもの
- 積水ハウス向けの売上比率
- 営業利益率
- 積水ハウスの持株比率と資本政策
- リフォーム向けの売上
- 配当と自社株買いの方針
倍率と資本コストの決め方
倍率は事業のROE(余った現金を除く)がkを大きく下回るので1÷kを上限に、中立はその9割に置いた。配当と賃料は利益に残し、株と物件の価値は余り資産に足していない。余った現金10億は戻り方0.5で足した。やや悲観と悲観は稼ぐ力が小さいので、現金と投資有価証券の税後を割り引いた床を今の自己資本に掛けた。PBR0.3倍という今の値付けは使っていない。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 10.56→11.11 倍・やや楽観 PER 10.22→11.11 倍・中立 PER 10→11.11 倍)。
資本コスト 9.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本7.5%+quality 1.5%。