株譜
AI 銘柄分析 · 金属製品 · 試作

東洋製罐グループホールディングス株式会社 5901

縮減と増配で株主還元は厚くなるが、ROEは資本コストに届かず本質価値は今の株価より低い

やや割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)3,409 円5,132 億円10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)4,502 円6,777 億円差 −24.3%
10 年後から見ると やや割高 価値 3,409 円5,132 億円 · 差 −24.3% · 期待の年率 +4.0%
期待の年率リターン(10 年)+4.0%資本コスト比 −4.5 pt
推定の資本コスト8.5%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3%・10 年国債 3%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 8.5% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

東洋製罐グループホールディングスは金属缶で国内シェア約4割、PETボトルで約3割を握る国内最大手の包装容器会社だ。飲料・食品メーカーの容器を長年作り続け、生産ラインごと顧客に組み込まれているため簡単には切り替えられない関係を築いてきた。だが筆者が最初に見るのは、この会社のROEが過去10年ほぼ資本コストを下回ってきた事実である。2026年3月期は特別利益でROE7.9%まで跳ねたが、ならせば2〜3%台が実力に近い。

新しい中期経営計画「Open Up! 2030」はROE8%以上を掲げ、政策保有株式600億円の売却方針(2025年度までに514億円を実行済み)とDOE4%の新配当方針で株主還元は確かに厚くなる。国内の容器需要は人口減でじわり縮むが、海外展開とマレーシアPCGなどの買収で補う計画だ。

筆者はセグメントを国内容器と海外容器に分けて数量×単価を積み、資本コスト8.5%とROEの実力値から倍率を決めた。10年後の中立の時価総額は今の7割ほどにとどまる。配当と自己株買いの増加は評価するが、稼ぐ力そのものが資本コストを明確に超えるところまで届かない限り、今の株価には安全域がないというのが筆者の結論だ。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点でまず問うのは、稼いだ利益が資本コストを上回って再投資されているかだ。東洋製罐のROEは過去10年のほとんどで資本コスト8.5%を下回ってきた。これは、容器という事業そのものに稼ぐ力があっても、設備投資に使われるお金がその分の見返りを生んでこなかったことを意味する。

堀については、顧客の生産ラインに組み込まれた関係性という意味での切り替えコストは本物だが、2018年のカルテル調査が示すように、価格を自由に決める力までは持てていない。これはバリュー投資家が「価格決定力のある堀」と呼ぶものとは質が違う守りだと筆者は見る。

経営の資本配分については、政策保有株式の縮減と増配という最近の動きを前向きに評価できる。株主に資本を還すという判断は規律の表れだ。一方で払う値段に対する安全域という最後の判断軸では、ROEが資本コストを上回ると確信できる根拠がまだ薄く、今の株価は本質価値に対して余裕のない値段だというのが筆者の判断である。

何で稼ぐ会社か

グループ売上の8割以上を包装容器事業が占め、残りを食品・機能材料・エンジニアリングなど周辺事業が補う。包装容器の中心は飲料・食品向けの金属缶とPETボトルで、国内シェアはそれぞれ約4割・約3割の最大手。顧客である飲料・食品メーカーの充填ラインに深く組み込まれた設計のため、容器を他社品に切り替えるコストは小さくない。

世界に目を向けると、金属食缶市場でのシェアは1桁台から15%前後とされ、米Ball・Crownという二強には遠く及ばない中位プレーヤーにとどまる。海外展開は2011年の米Stolle Machinery(製缶機械メーカー)買収を起点に進め、2024年にはホームケア・パーソナルケア製品の充填を手がけるマレーシアPCGを子会社化した一方、2025年にはミャンマーの飲料用スチール缶子会社YCMを大塚製薬へ譲渡するなど、拠点の入れ替えを伴う地道な積み上げ型の海外展開である。

食品事業(缶詰・加工食品)や機能材料(フィルム・コーティング)、エンジニアリング(生産設備)は、容器事業で培った技術の周辺展開で、規模は大きくないが安定したキャッシュを生む。本資料ではこの周辺事業とグループ本社費を合わせて調整額として扱い、主力の国内容器・海外容器の2セグメントで数量と単価を積み上げている。

優良さと弱いところ

東洋製罐の強みは、顧客の生産ラインに容器の仕様が組み込まれている点にある。缶の形状やPETボトルの口径を変えるだけで充填設備ごと見直しが要るため、一度採用されれば簡単には他社に切り替わらない。国内シェア4割という規模そのものも、原材料の調達力や生産効率で競合に優位に働く。

しかし筆者が重く見るのは、この強みが価格決定力にまでは至っていない点だ。2018年には製缶4社が公正取引委員会の立入検査を受けた経緯があり、競争を抑えてでも守らなければならないほど、PETボトルや紙容器への代替に対する価格競争圧力が強かったことの裏返しでもある。ROEは過去10年のほとんどで資本コストを下回り、稀に7%台に乗る年も特別利益によるものが多い。

経営陣はOpen Up! 2030でROE8%以上を目標に掲げ、政策保有株式の縮減と増配でこれに応えようとしている。方向性は評価できるが、稼ぐ力そのものを資本コストの上に定着させられるかどうかは未知数で、堀はあっても広がってはいない、守りの強い企業というのが筆者の見立てである。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

国内の飲料・食品消費は人口減少でじわりと縮んでいく。業種ノートが置く中立シナリオでは、国内の容器出荷本数はほぼ横ばいから緩やかな減少、単価は資材コストの上昇分を反映して緩やかに上がる。東洋製罐はこの成熟市場で大和製罐と合わせて国内製造の8割近くを占める寡占的な地位にあり、ホッカンHDが飲料缶・エアゾール缶で続く構図だ。

環境面では脱プラスチックの流れが金属缶・缶詰への代替需要を後押しする可能性があり、楽観の筋書きではこの追い風を取り込む。一方で軽量化・リサイクル素材への投資は待ったなしで、Open Up! 2030で掲げる3,500億円の投資計画の多くがこうした設備更新に向かう。

海外では金属食缶市場で15%前後のシェアを持つが、米Ball・Crownという規模の大きい競合が世界を二分し、東洋製罐は中位プレーヤーにとどまる。マレーシアPCGのような充填関連企業の買収でアジアの成長を取り込む戦略だが、ミャンマーYCMの譲渡のように拠点の入れ替えも伴い、海外事業はまだ安定した収益の柱というより育成途中の段階にある。

資本政策と M&A

株主還元の方針は明確に厚くなっている。DOE4%を新たに導入し、自己株式取得は前計画の200億円を2027年度までに実施する予定で、累計取得額は800億円に達する。政策保有株式は2021〜2027年度で600億円の売却方針を掲げ、2025年度までに514億円を売却済みで、残りも早期処分の方針だ。

残る政策保有株式はすでに大半を売却した後なので規模は小さいが、政策保有株の含み益(有報の評価差額金で税引後646億円)は、いまも小さくない。売却代金を厚く戻してきた実績はまだ浅いので、半分だけ余り資産として価値に足している。

M&Aは2011年の米Stolle Machinery買収を軸に、2024年のマレーシアPCG子会社化、2025年のミャンマーYCM譲渡と、大型の一撃ではなく拠点を入れ替えながら育てる積み上げ型である。大型買収で価値を壊したことはないが、海外事業を一気に拡大するような動きも乏しい。

還元は方針(DOE4%、前計画の自社株買い200億円)に沿い、中立は純利益の合計(起点は一過性を除いた340億円)の約79%。余った資産646億円は戻り方0.5で時価総額に足し、還元には入れない。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

Open Up! 2030でROE8%以上を掲げたことは、過去10年ほぼ資本コストを下回り続けてきた会社にとって大きな方針転換だ。政策保有株式600億円の売却方針はすでに514億円まで進み、浮いた資金をDOE4%の配当と200億円の自己株買いに回す流れが定着している。株主還元の強化は株価の下支えとして効き続ける。

国内の容器需要が人口減でじわり縮んでも、脱プラスチックの流れは金属缶・缶詰にとって追い風だ。環境意識の高い消費者ほど紙・金属容器を選ぶ傾向が強まれば、PETボトルに奪われた需要の一部が戻ってくる可能性がある。海外では2024年のマレーシアPCG買収のような小型M&Aを積み重ね、アジアの成長を取り込む余地がまだ大きい。

国内シェア4割・大和製罐と合わせて8割近くという寡占的な地位は、価格競争が激しくなっても両社が歩調を合わせやすい構造を生む。原材料高が一巡すれば、価格転嫁が進んだ分だけ利益率は改善方向に向かう。自己資本比率56%という健全な財務基盤があるため、海外M&Aや設備投資に回せる余力も十分にあり、経営の変化を前向きに評価すべきだ。

慎重な見方

ROE8%という目標は過去10年の実績から見れば相当高いハードルだ。2026年3月期のROE7.9%は特別利益によるかさ上げが大きく、ならした実力は2〜3%台にとどまる。政策保有株式の売却や自己株買いで自己資本を薄めてROEを見かけ上押し上げることはできても、容器事業そのものの稼ぐ力が資本コストを上回る保証にはならない。

2018年のカルテル調査が示したとおり、この業界は値上げを自由に通せる価格決定力を持たない。PETボトル・紙容器への代替圧力は構造的に続き、国内の人口減少による需要縮小と合わせて、価格と数量の両面から収益を削り続ける。海外展開もマレーシアPCGの買収規模は大きくなく、ミャンマーYCMを大塚製薬へ譲渡したように、拠点の入れ替えが先に立って事業の柱に育つまでには時間がかかる。

純有利子負債886億円は時価総額の13%とさほど大きくないが、金利が上がる局面では借り換えコストが徐々に効いてくる。大和製罐との寡占的な関係も、原材料高の局面では両社とも値上げに踏み切れず、利益率が二極化するリスクを抱える。資本コスト8.5%を安定して超えられる証拠がない限り、今の株価は会社の実力に対して高いと見るべきだ。

どちらに重みを置いたか

株主還元の強化という点では強気の見方に分があるが、事業そのものの稼ぐ力という点では慎重な見方の指摘のほうが的を射ている。政策保有株式の縮減と増配は評価できる経営判断だが、それは自己資本を薄めて見かけのROEを上げる効果が大きく、容器事業の利益率そのものを資本コストの上に押し上げる力はまだ証明されていない。筆者は中立の確率をやや厚めに置き、ROE8%が定着する楽観側よりも、過去の実力に近い水準にとどまる筋書きに確率を多く割いた。本質価値の計算では、10年後の中立の筋書きで今の時価総額の7割ほどにとどまり、楽観でもようやく今の値段に届く程度という結果になった。

10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)

確率で加重した株価時価総額 4,550 円6,850 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 2,100 円3,162 億円)。 今の値に割り戻すと 3,409 円5,132 億円、今との差 −24.3%、 期待の年率 +4.0%(資本コスト 8.5%)→ やや割高

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 13% 6,942 円1.05 兆円 2,725 円4,102 億円 +114.7% +7.9% 1,257 円1,892 億円
やや楽観 24% 5,771 円8,687 億円 2,450 円3,688 億円 +82.6% +6.2% 1,973 円2,970 億円
中立 33% 4,904 円7,381 億円 2,243 円3,377 億円 +58.8% +4.7% 2,359 円3,550 億円
やや悲観 22% 2,661 円4,005 億円 1,616 円2,432 億円 −5.0% −0.5% 941 円1,416 億円
悲観 8% 742 円1,116 億円 778 円1,171 億円 −66.2% −10.3% 122 円183 億円
加重平均100% 4,550 円6,850 億円2,100 円3,162 億円 +47.7% +4.0% 6,651 円1.00 兆円

今の株価時価総額 4,502 円6,777 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.5% を下回るほど割高。

楽観 13% Open Up! 2030の目標が定着し、ROE8%が実力になる 利益 770 億円 · PER 11.8 倍 · 株価時価総額 6,942 円1.05 兆円

脱プラスチックの流れが長期の構造的な追い風となり、国内の容器出荷本数は人口減を一部相殺して今の95%程度を維持する。資材高の価格転嫁は定着し、営業利益率は6.5%まで改善する。海外容器事業はアジアでの小型M&Aを積み重ね、出荷本数は今の2.2倍に拡大、営業利益率9.0%の高水準に達する。政策保有株式の売却を終え、DOE4%の配当と自己株買いを10年続けた結果、自己資本の増加は利益の伸びとほぼ一致し、ROEは8%台まで改善し、Open Up! 2030で掲げた目標が実力として定着する10年になる。

  • 国内容器(金属缶・PETボトル):数量 137(国内出荷本数(億本/年、金属缶+PETボトル合計、実質))× 価格 61(1本あたり平均単価(円、名目、キャップ・蓋material等含む))→ 売上 8,396 億円・営業利益 546 億円。出荷本数-5%、単価は今の1.37倍(転嫁定着+高付加価値化)、営業利益率6.5%
  • 海外容器事業(アジア等):数量 128(海外(アジア等)容器出荷本数(億本/年、推定))× 価格 36(1本あたり平均単価(円、現地価格を150円のドル換算等を含む名目))→ 売上 4,607 億円・営業利益 415 億円。出荷本数2.2倍(アジアM&A積み重ね)、単価は今の1.45倍、営業利益率9.0%

倍率:事業の純利益 761 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 8.6% が k 8.50% を上回る。残る割合 0.33(moat=weak)で RONIC 8.5%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 11.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.8 倍 + 余った現金(戻り方込み)646 億円。全体の PER 11.81 倍、時価総額 9,633 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:ROE8%以上という中期目標が10年間にわたり定着するには、価格決定力の質的な向上が必要で、過去の実績からは連続達成の確度は高くない。

やや楽観 24% 還元強化と緩やかな海外成長が主軸 利益 623 億円 · PER 11.8 倍 · 株価時価総額 5,771 円8,687 億円

国内の容器出荷本数は人口減でじわり縮むが、価格転嫁と高付加価値品(環境対応パッケージ)へのシフトで営業利益率は5.8%まで改善する。海外容器事業はマレーシアPCGに続く小型買収を重ね、出荷本数は今の1.9倍、営業利益率8.0%に達する。大和製罐との寡占的な国内構図は維持され、極端な価格競争には至らない。政策保有株式の売却を終え、DOE4%の配当と自己株買いを10年継続した結果、自己資本の増加は利益の伸びをやや上回るペースにとどまり、ROEは6%台後半まで改善するが、中期計画が掲げる8%の目標にはわずかに届かない10年になる。

  • 国内容器(金属缶・PETボトル):数量 133(国内出荷本数(億本/年、金属缶+PETボトル合計、実質))× 価格 60(1本あたり平均単価(円、名目、キャップ・蓋material等含む))→ 売上 7,894 億円・営業利益 458 億円。出荷本数-8%、単価は今の1.33倍、営業利益率5.8%
  • 海外容器事業(アジア等):数量 110(海外(アジア等)容器出荷本数(億本/年、推定))× 価格 35(1本あたり平均単価(円、現地価格を150円のドル換算等を含む名目))→ 売上 3,842 億円・営業利益 307 億円。出荷本数1.9倍、単価は今の1.40倍、営業利益率8.0%

倍率:事業の純利益 614 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 7.2% が k 8.50% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.8 倍 + 余った現金(戻り方込み)646 億円。全体の PER 11.76 倍、時価総額 7,866 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:中期計画の方向性が10年にわたり概ね維持される、会社の長期ビジョンに近い想定。

中立 33% 中立:還元は厚くなるが、ROEは資本コスト近辺にとどまる 利益 512 億円 · PER 11.8 倍 · 株価時価総額 4,904 円7,381 億円

国内の容器出荷本数は人口減で今の88%程度まで縮むが、海外容器事業の出荷本数は今の1.6倍まで拡大し、国内の縮小を一部相殺する。資材高の価格転嫁は進むが大和製罐との競争も続き、営業利益率は国内5.2%・海外7.5%にとどまる。政策保有株式の売却は完了し、DOE4%の配当と自己株買いが定着する一方、容器事業そのものの稼ぐ力は資本コスト8.5%の近辺にとどまる。ROEは5%台後半で、堀が特別に広がったわけでも崩れたわけでもない「普通に健全な包装容器会社」として評価される、会社の長期計画をやや下回る10年になる。

  • 国内容器(金属缶・PETボトル):数量 127(国内出荷本数(億本/年、金属缶+PETボトル合計、実質))× 価格 58(1本あたり平均単価(円、名目、キャップ・蓋material等含む))→ 売上 7,380 億円・営業利益 384 億円。出荷本数-12%、単価は今の1.30倍、営業利益率5.2%
  • 海外容器事業(アジア等):数量 95.1(海外(アジア等)容器出荷本数(億本/年、推定))× 価格 34(1本あたり平均単価(円、現地価格を150円のドル換算等を含む名目))→ 売上 3,197 億円・営業利益 240 億円。出荷本数1.64倍、単価は今の1.35倍、営業利益率7.5%

倍率:事業の純利益 503 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 6.1% が k 8.50% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.8 倍 + 余った現金(戻り方込み)646 億円。全体の PER 11.76 倍、時価総額 6,561 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:過去10年の実力(ならして2〜3%台)から大きく改善するが、価格決定力の弱さゆえに目標の8%には届かない水準に落ち着くと見る、最も重みを置く筋書き。

やや悲観 22% 国内縮小が海外展開で相殺できない 利益 254 億円 · PER 9.4 倍 · 株価時価総額 2,661 円4,005 億円

国内の人口減少が想定より速く進み、容器出荷本数は今の80%まで縮む。海外容器事業も統合が思うように進まず出荷本数は1.3倍にとどまり、マレーシアPCGに続く買収も小粒にとどまって国内の縮小を十分には補えない。資材高の転嫁も大和製罐との競争激化で遅れ、営業利益率は国内3.5%・海外4.0%まで低下する。政策保有株式の売却資金は配当・自己株買いに回すが、容器事業の規模そのものが縮み、ROEは3%前後にとどまり、Open Up! 2030の目標から大きく後退する10年になる。顧客の生産ラインへの組み込みという技術的な堀は失われないが、規模の縮小で原材料の調達力や生産効率の優位は徐々に薄れていく。

  • 国内容器(金属缶・PETボトル):数量 115(国内出荷本数(億本/年、金属缶+PETボトル合計、実質))× 価格 54(1本あたり平均単価(円、名目、キャップ・蓋material等含む))→ 売上 6,193 億円・営業利益 217 億円。出荷本数-20%、単価は今の1.20倍、営業利益率3.5%
  • 海外容器事業(アジア等):数量 75.4(海外(アジア等)容器出荷本数(億本/年、推定))× 価格 29(1本あたり平均単価(円、現地価格を150円のドル換算等を含む名目))→ 売上 2,159 億円・営業利益 86 億円。出荷本数1.3倍、単価は今の1.15倍、営業利益率4.0%

倍率:資本コスト8.5%。事業のROE3.0%がk以下なのでPERの上限は1÷k=11.8倍で、その約8割の9.4倍に置く。国内縮小を海外で相殺できず、ROE3.0%はk未満。稼ぐ力(純利益÷k)の約8割に置く。 余った資産(政策保有株の含み益646億円×戻り方0.5)を時価総額に足している。

確率:人口減少による国内需要の縮小ペースが、海外展開・高付加価値化で相殺できる範囲を超える展開を一定の確率で見込む。

悲観 8% 構造的な縮小とPET・紙への代替が同時に進む 利益 16 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 742 円1,116 億円

国内の人口減少とPET・紙容器への代替が同時に進み、容器出荷本数は今の70%まで縮む。海外容器事業もアジアでの競争激化やM&Aの失速で出荷本数は今とほぼ同じ水準にとどまり、採算は悪化して営業利益率はマイナス2%まで落ち込む。国内も資材高の転嫁が通らず営業利益率は1.0%。政策保有株式はこの時点で売却を終え、その資金も使って手元資金を確保する。大和製罐との寡占的な関係も値下げ競争に転じ、東洋製罐は国内シェア4割の地位は保つものの、優良企業としての評価は市場から外れ、普通の資本財企業として扱われる10年になる。

  • 国内容器(金属缶・PETボトル):数量 101(国内出荷本数(億本/年、金属缶+PETボトル合計、実質))× 価格 47(1本あたり平均単価(円、名目、キャップ・蓋material等含む))→ 売上 4,742 億円・営業利益 47 億円。出荷本数-30%、単価は今の1.05倍、営業利益率1.0%
  • 海外容器事業(アジア等):数量 58.0(海外(アジア等)容器出荷本数(億本/年、推定))× 価格 25(1本あたり平均単価(円、現地価格を150円のドル換算等を含む名目))→ 売上 1,444 億円・営業利益 −29 億円。出荷本数ほぼ横ばい(海外展開の失速)、単価は今と同水準、営業利益率-2.0%

倍率:悲観の床は稼ぐ力(純利益16億円)でなく、売れる資産の税後(投資有価証券・土地から純負債を引いた約1,100億円)を今の自己資本6,977億円に掛けた値(PBR 0.16倍)。 EV÷営業利益が高く見えるのは谷の営業利益58億円が小さいためで、純負債886億円は床の資産から差し引き済み。

確率:人口減少による国内需要の構造的な縮小と、代替容器への長期的なシェア流出、海外展開の失速が同時に重なる複合シナリオ。頻度としては低いが無視できない確率を置いた。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。

国内容器(金属缶・PETボトル)

飲料・食品メーカー向けの金属缶とPETボトル。国内シェアはそれぞれ約4割・約3割で最大手。

数量国内出荷本数(億本/年、金属缶+PETボトル合計、実質)価格1本あたり平均単価(円、名目、キャップ・蓋material等含む)売上営業利益
今 2026/03 144 45 6,451 323
10 年後 中立 127 58 7,380 384

取り方:金属缶(国内シェア40%)とPETボトル(国内シェア30%)の国内出荷本数を合計で144億本と推定し、包装容器事業のうち国内分の売上を本数で割って1本あたり平均単価を算出した。残る食品・機能材料・エンジニアリング等その他事業(売上1,702億円・営業利益約110億円)は本セグメントに含めず、調整額(adjust_oku)でまとめて扱う。

海外容器事業(アジア等)

米Stolle Machinery(製缶機械)、マレーシアPCG(充填)など、海外の容器・関連事業。

数量海外(アジア等)容器出荷本数(億本/年、推定)価格1本あたり平均単価(円、現地価格を150円のドル換算等を含む名目)売上営業利益
今 2026/03 58.0 25 1,444 87
10 年後 中立 95.1 34 3,197 240

取り方:海外(主にアジア)の容器関連売上を1,445億円と推定し、現地の単価は国内より低いとみて出荷本数は58億本相当とした。2024年のマレーシアPCG買収、2025年のミャンマーYCM譲渡など拠点の入れ替えを経た後の規模。 数量は実物(容器の出荷本数)で、名目の市場の伸びではない。伸びの理由はアジアの拠点拡大と買収。

リスクと懸念

価格決定力の弱さと2018年のカルテル調査

2018年に製缶4社が公正取引委員会の立入検査を受けた経緯があり、PETボトル・紙容器への代替圧力に対抗するための価格協調が疑われた。これは裏を返せば、正常な競争の下では値上げを通しづらいという構造的な弱さを示している。

国内人口減少による需要の構造的な縮小

飲料・食品消費は人口に結びつくため、国内の容器需要は10年単位で緩やかに縮んでいく。地方ほど人口減少が速く、容器を納めるメーカーの工場立地によっては出荷本数の下振れが早く表面化する。海外展開や高付加価値化で相殺できなければ、容器事業そのものの規模が縮小し、工場の稼働率低下を通じて固定費の重さが利益率を圧迫する展開になる。

資材コスト(アルミ・鋼材・樹脂)の転嫁力

資材価格が上昇する局面で、飲料・食品メーカーへの値上げ要請が通らなければ、営業利益率は資材高をそのまま被って悪化する。過去にも営業利益率が1%を切る年が何度かあり、2023年3月期は0.8%まで落ち込んだ。資材高が一時的でなく続けば、転嫁が追いつかない期間が長引き、収益の下振れが数年単位で続く恐れがある。

PET・紙など代替容器への長期的なシェア流出

お茶はペットボトル、コーヒーはコンビニの紙容器にシェアを奪われてきた歴史があり、脱プラスチックの流れが金属缶・缶詰への代替需要を生む一方で、軽量化が進む紙・PET容器や新素材が再び優位になれば、長期で見た時にこの追い風が逆風に転じる可能性も残る。

海外M&Aの統合リスク

マレーシアPCGの買収やミャンマーYCMの大塚製薬への譲渡のように、海外事業は大型の一撃ではなく拠点の入れ替えを伴う地道な積み上げ型である。買収先の統合がうまくいかず、採算が改善しないまま拠点の入れ替えが続けば、海外展開は国内縮小を相殺する役割を十分に果たせない。

政策保有株式の売却完了後の還元の持続性

政策保有株式600億円の売却方針は2025年度までに514億円を実行済みで、残りは小さい規模にとどまる。売却による一時的な還元余力が尽きた後、事業そのものの稼ぐ力だけでDOE4%の配当方針と自己株買いを維持できるかが問われ、稼ぐ力が追いつかなければ還元方針の見直しを迫られる可能性がある。

大和製罐との寡占的な関係の変化

国内で大和製罐と合わせて製造の8割近いシェアを持つ寡占的な構図は価格の安定に働きやすい一方、どちらかが値下げに転じれば、両社とも利益率が悪化する価格競争に発展するリスクがある。2018年のカルテル調査はこの微妙な均衡の裏返しでもあり、今後は協調的な価格形成がより難しくなる可能性がある。

今後の分かれ目

Open Up! 2030の中間地点でROEが6%を超えて定着したら
楽観・やや楽観の筋書きの確率を上げてよい。容器事業そのものの稼ぐ力が資本コストに近づいている証拠になる。
政策保有株式600億円の売却が計画どおり完了したら
還元余力の一時的な押し上げが終わるタイミングとみて、その後の事業の実力(価格転嫁力)を注視する。
資材(アルミ・鋼材・樹脂)価格が大きく上昇し値上げが通らなかったら
やや悲観・悲観側の筋書きに重みを移す。特に営業利益率が3%台を割り込むかを見る。
マレーシアPCGに続く海外M&Aが相次いで成立したら
海外容器事業の成長前提を上方修正し、国内縮小の相殺が進んでいるとみて楽観側に寄せる。
脱プラスチックの流れで缶詰・金属缶の需要が明確に増えたら
国内セグメントの出荷本数前提を上方修正する。
大和製罐との間で値下げ競争が明確になったら
やや悲観・悲観の筋書きに重みを移し、国内セグメントの営業利益率前提を下方修正する。

見ておくもの

  • DOE4%の配当実績とOpen Up! 2030の中間進捗(ROE・EBITDA)
  • 政策保有株式の売却進捗(600億円方針の残額)
  • 海外(アジア)容器事業の出荷本数・採算の推移
  • 資材(アルミ・鋼材・樹脂)価格と値上げ交渉の結果
  • 大和製罐・ホッカンHDなど国内競合の動向

倍率と資本コストの決め方

今の株価や PER から倍率を置かず、国内容器と海外容器の数量×単価から利益を積み、資本コスト8.5%(基本7.5%に品質+1.0%)と弱い堀(残る割合1/3)の式で上限を出した。ROEが資本コストを超えない筋書きの PER は 1÷k(約11.8倍)が上限で、楽観〜中立はその8〜9割に置いた。やや悲観・悲観は稼ぐ力(純利益÷k)で測り、政策保有株の含み益(評価差額金646億円)は戻り方0.5で余り資産に足した。悲観の床は、投資有価証券と土地の売却額から純負債を引いた約1,100億円(有報の簿価と評価差額金による)に置いた。政策保有株の売却と配当・自己株買いは自己資本の積み上がりを抑える効果として ROE に入れ、利益そのものは増やしていない。 2026-10-22 の見直し(R1〜R4)で倍率・時価総額を機械で置き直した(前後は notes/audit/fix_stage2_20261022.csv)。

資本コスト 8.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。資本コストは基本7.5%に quality +1.0% を足した 8.5%(β・規模は使わない)。飲料・食品向けで景気には左右されにくく循環0、顧客に値段を押されカルテル調査の過去もあり値決め力+0.5、純負債886億円で借金0、国内の缶・PETは人口減とボトルの軽量化・代替で縮み寿命+0.5。合計+1.0%。

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割安 東洋シヤッター5936 国内3番手のシャッター会社。点検の稼ぎが育ち、利益の割に値段は安い。割安と見る 本質価値との差 +81.0% · 10 年 割安(年 +13.1%) 割安 三洋工業5958 天井・床の下地材で知られる堅実な建材メーカー。時価総額の半分が現金で、事業の稼ぎを考えれば今の値段はかなり安い 本質価値との差 +65.6% · 10 年 割安(年 +11.5%) 割安 三和ホールディングス5929 国内寡占・世界シェア首位の開口部メーカー、改修需要と海外M&Aの果実を乗せれば割安と出る 本質価値との差 +63.7% · 10 年 割安(年 +11.5%) 割安 ジーテクト5970 車体骨格プレス部品の中堅。中立の姿でも今の値段は割安寄りだが、ホンダ依存と重い設備投資が割り引きの理由だと筆者は見る 本質価値との差 +62.0% · 10 年 割安(年 +11.9%) 割安 文化シヤッター5930 国内2位のシャッター専業。利益率の低い建材部門が重しで、確率で重みをつけるとやや割安 本質価値との差 +60.9% · 10 年 割安(年 +10.9%) 割安 エイチワン5989 ホンダ向け 86% のフレーム専業。3 年連続赤字から立ち直ったが、顧客の偏りと重い投資を考えると、割安度は見かけほど大きくないと筆者は見る 本質価値との差 +60.7% · 10 年 割安(年 +13.6%) 割安 フジマック5965 病院・給食・外食の厨房を一括で請け負う堅実な中堅。土地売却で現金が積み上がり、10年で見ればやや割安と筆者は考える 本質価値との差 +57.9% · 10 年 割安(年 +11.6%) 割安 日創グループ3440 パネルとデータセンター向け筐体は伸びるが、寄せ集めの事業で ROE が資本コストに届かない 本質価値との差 +56.6% · 10 年 割安(年 +12.0%) 割安 エムケー精工5906 門型洗車機と調理家電の長野の会社。直近の利益は山で、中立でも自己資本の厚みが評価に残る 本質価値との差 +53.3% · 10 年 割安(年 +11.3%) 割安 サンコーテクノ3435 あと施工アンカーの国内首位。利益の安定と財務の堅さに比べ、今の値段は低い 本質価値との差 +52.0% · 10 年 割安(年 +10.4%) 割安 MIEコーポレーション3442 工場の配管をつなぐステンレスの継手の専業。値上げで利益は倍増したが、還元が細く借金もある。今の値段はほぼ適正で、わずかに安い程度 本質価値との差 +49.9% · 10 年 割安(年 +11.7%) 割安 昭和鉄工5953 九州の熱の老舗が値付けを覚え、3 年で利益率は 9% に。持ち合い株を除いても今の値段は稼ぎに比べて安い 本質価値との差 +49.2% · 10 年 割安(年 +12.0%) 割安 不二サッシ5940 ビル用サッシの老舗。利益は薄いが、値段は稼ぐ力に対して安く、借入の重さを織り込んでもやや割安 本質価値との差 +45.9% · 10 年 割安(年 +11.6%) 割安 リンナイ株式会社5947 実質無借金で稼ぐ力は安定している。米国の電化と海外の伸びを織り込んでも、今の時価総額には安全域がある 本質価値との差 +42.4% · 10 年 割安(年 +9.3%) 割安 株式会社RS Technologies3445 再生ウェーハで世界一という稼ぐ力は本物だが、中国の新品ウェーハと重い投資を差し引くと、今の値段に余裕は乏しい 本質価値との差 +37.6% · 10 年 割安(年 +10.6%) 割安 株式会社マルゼン5982 稼ぎは堅く、現金も厚い。ただ利益率は過去最高で、今の値段に安全域は見えない 本質価値との差 +36.4% · 10 年 割安(年 +9.2%) 割安 宮地エンジニアリンググループ3431 老朽橋の補修は長く続くが、足元は発注減で利益が半減。谷の深さと現金の厚さを踏まえると、今の値段はやや割安 本質価値との差 +34.4% · 10 年 割安(年 +9.8%) やや割安 日東精工5957 小さなねじとねじ締め機の堅実な会社。伸びの前提がすでに値段に入り、ほぼ適正と見る 本質価値との差 +29.5% · 10 年 やや割安(年 +9.2%) やや割安 ネポン7985 ハウス暖房機の老舗だが、利益率は1%前後に沈み借金も重い。立ち直れば安いが、その確度は低い 本質価値との差 +27.9% · 10 年 やや割安(年 +10.3%) やや割安 中西製作所5941 学校給食に強い厨房機器メーカー。実績は良いが大型投資で借入が増える局面で、本質価値は今の値段とほぼ同じ 本質価値との差 +27.3% · 10 年 やや割安(年 +9.1%) やや割安 川田テクノロジーズ3443 橋の補修需要は追い風だが、利益は山の高さにある。値段は価値を1割ほど下回るにとどまり、割安とは言い切れない 本質価値との差 +25.1% · 10 年 やや割安(年 +8.9%) やや割安 横河ブリッジホールディングス5911 橋の老朽化は追い風だが新設が細る。高い買い物の消化と資本効率が価値を分ける 本質価値との差 +24.0% · 10 年 やや割安(年 +8.4%) やや割安 トーソー5956 カーテンレール最大手で窓まわり 3 社の一角。値上げで利益は戻ったが、資本の効率は低く、今の値段はほぼ妥当 本質価値との差 +21.3% · 10 年 やや割安(年 +8.7%) やや割安 三協立山5932 サッシ大手3位。借金が重く、利益の戻りに値段が左右される。今の値段は、戻りを織り込んだほぼ妥当な水準 本質価値との差 +19.4% · 10 年 やや割安(年 +9.5%) やや割安 東プレ5975 プレス部品と冷凍車の二本柱。日産依存と薄い利益率を考えると、本質価値は今の値段をやや下回ると筆者は見る 本質価値との差 +18.7% · 10 年 やや割安(年 +8.8%) やや割安 山王3441 AI 配線の追い風で稼ぎは跳ねたが、コネクタ大手の下請けという立場は変わらず、今の値段はほぼ見合う 本質価値との差 +18.5% · 10 年 やや割安(年 +9.9%) やや割安 岡部5959 国内の建設需要が細る中、米国の伸びが穴を埋める。だが資本効率が資本コストに届かず、値段はほぼ妥当 本質価値との差 +17.3% · 10 年 やや割安(年 +7.6%) やや割安 ケー・エフ・シー3420 あと施工アンカーとトンネル資材の老舗。利益率は昔の半分まで落ちた。純現金と補修需要が支え、今の値段とほぼ釣り合う 本質価値との差 +13.6% · 10 年 やや割安(年 +7.8%) やや割安 カネソウ5979 溝ぶたと建築金物の三重の老舗。預金が時価総額を超えるが創業家の下で眠り、今年の株価の倍増で10年ではやや割高 本質価値との差 +12.6% · 10 年 やや割安(年 +8.0%) やや割安 アルインコ5933 足場の新製品で稼ぐ堅実な会社。ただ、赤字の2事業が足を引き、利益の回復を見込んでも本質価値は今の値段をやや下回る 本質価値との差 +12.3% · 10 年 やや割安(年 +8.1%) やや割安 トーカロ3433 半導体装置の消耗部品に皮膜を付ける隠れた寡占企業。稼ぐ力は本物だが、今の値段はやや割高 本質価値との差 +11.4% · 10 年 やや割安(年 +7.9%) やや割安 株式会社J-MAX3422 ホンダ系プレス部品。売上の半分が中国と日本のホンダ向けで、借金が重い。中国の電池・新興メーカー向けが伸びても、ホンダの縮みと金利で、今の値段は妥当かやや高い 本質価値との差 +10.3% · 10 年 やや割安(年 +9.3%) やや割安 アトムリビンテック3426 扉と収納の金物を企画するファブレスの老舗。金融資産は時価総額を上回るが、本業の稼ぎは細く、戻り方も弱い。今の値段はほぼ妥当 本質価値との差 +10.2% · 10 年 やや割安(年 +7.4%) 適正 東京製綱5981 国内ワイヤロープの老舗は今期が過去最高益だが、資本効率は低く、今の値段にやや先走り感がある 本質価値との差 +7.6% · 10 年 適正(年 +7.7%) 適正 特殊電極3437 製鉄所の摩耗を溶接で直す職人集団で、技術は本物だが顧客の縮小が重く、今の値段はやや高い 本質価値との差 +7.6% · 10 年 適正(年 +7.7%) 適正 兼房5984 丸鋸と木工刃物の専業。資産は厚いが稼ぐ力は資本コストに届かず、値段は資産と稼ぎの間にある 本質価値との差 +7.4% · 10 年 適正(年 +7.7%) 適正 アルファ3434 薄利の自動車部品と、縮む国内の住宅錠。自己資本の厚さが救いだが、稼ぎは資本コストに届かない 本質価値との差 +6.1% · 10 年 適正(年 +8.0%) 適正 株式会社ファインシンター5994 自動車の駆動系に入る焼結部品の会社。電動化で縮む本業と重い借金のなか、利益は薄く、10 年の価値は今の時価総額に届かない 本質価値との差 +5.4% · 10 年 適正(年 +8.8%) 適正 協立エアテック5997 ビルの防火ダンパーと住宅の全館空調の部品。堅実だが稼ぎは資本コストに届かず、現金も戻らない 本質価値との差 +4.9% · 10 年 適正(年 +7.1%) 適正 駒井ハルテック5915 資産は厚いが稼ぐ力が薄い。橋と鉄骨は物価並みで、風車タワーの当たり外れが価値を分ける 本質価値との差 +3.9% · 10 年 適正(年 +8.2%) 適正 ダイニチ工業5951 石油ファンヒーターと加湿器の国内首位。事業は堅いが時価総額と同規模の現金・有価証券が眠り、10年の価値は今の値段をやや下回る 本質価値との差 +3.8% · 10 年 適正(年 +7.5%) 適正 那須電機鉄工5922 送電鉄塔の需要は堅いが、今の利益は山。ためた資金の使い方が評価を決める 本質価値との差 +3.6% · 10 年 適正(年 +6.6%) 適正 天龍製鋸5945 チップソー専業で無借金。事業の稼ぐ力は資本コストに届かず、現金と持ち合い株が値を支える会社 本質価値との差 +1.9% · 10 年 適正(年 +6.9%) 適正 KTC5966 整備工具の国産ブランドnepros を持つが、利益率は9%どまり。立て直しの計画を割り引くと、値段はやや高い 本質価値との差 +0.4% · 10 年 適正(年 +6.5%) 適正 サンコール5985 稼ぎ頭は光通信コネクタに移ったが、高い利益率の持続を織り込みすぎ。10年の価値は今の時価総額を下回ると筆者は見る 本質価値との差 −2.4% · 10 年 適正(年 +7.8%) 適正 株式会社長府製作所5946 利益は小さく、資産は大きい。会社がその資産を株主に返すかどうかで、値打ちが決まる 本質価値との差 −3.0% · 10 年 適正(年 +6.3%) 適正 中国工業5974 国内のLPガス容器の 3 本に 1 本を作るが、市場は細り、稼ぐ力は資本コストに届かない 本質価値との差 −3.9% · 10 年 適正(年 +6.9%) 適正 立川ブラインド工業7989 窓まわり国内最大手。純現金は厚いが稼ぐ力が資本コストに届かず、10 年で見ると割高に寄る 本質価値との差 −4.5% · 10 年 適正(年 +4.8%) 適正 エスイー3423 インフラ補修の追い風はあるが、研究開発の費用が利益を食う。10年の稼ぎは今の値段を下回る 本質価値との差 −4.7% · 10 年 適正(年 +6.1%) 適正 ロブテックス5969 エビ印のプライヤとリベットの工具で知られる老舗。名前は残るが利益率は 3% に落ち、資本コストに届く道は細い 本質価値との差 −8.6% · 10 年 適正(年 +6.3%) やや割高 川岸工業5921 スカイツリーや国立競技場にも関わった鉄骨の名門。ただし利益は山を越え、帳簿の厚さほど稼ぐ力はないため、今の値段はやや高い 本質価値との差 −11.1% · 10 年 やや割高(年 +5.6%) やや割高 瀧上工業5918 橋と鉄骨の本業は薄利。価値の中心は持ち合い株だが、少数株主に届く道は細い 本質価値との差 −12.8% · 10 年 やや割高(年 +6.3%) やや割高 パイオラックス5988 自動車の小物部品と医療機器の会社。資本は厚いが稼ぐ力が追いつかず、今の値段は割高寄りと筆者は見る 本質価値との差 −14.0% · 10 年 やや割高(年 +5.2%) やや割高 ダイケン5900 引戸の金物や自転車置場を作る大阪の老舗。現金と投資株で時価総額に迫るが、本業の利益は薄く資本に見合わない。現金を割り引くと割高 本質価値との差 −16.1% · 10 年 やや割高(年 +4.7%) やや割高 三ツ知3439 自動車用の特注ファスナーの専業。シートの部品は電気自動車でも要るが、値下げ要請で薄利が続き、資本効率は資本コストに遠く届かない 本質価値との差 −17.4% · 10 年 やや割高(年 +5.9%) やや割高 トーアミ5973 溶接金網の老舗が型枠工事の買収で事業を広げる。帳簿は時価総額の3倍あるが、稼ぎは資本コストの3分の1にとどまり割高 本質価値との差 −20.7% · 10 年 やや割高(年 +4.9%) やや割高 モリテック スチール5986 エンジン部品向けの特殊帯鋼を売る商社。電動化で主力の需要が細り、稼ぐ力は資本に見合わず割高 本質価値との差 −22.8% · 10 年 やや割高(年 +5.2%) やや割高 株式会社SUMCO3436 AI向け300mm先端ウエハーへの転換は本物だが、成熟品の重荷と資本の重さを踏まえると今の値段はすでに回復の先を映す 本質価値との差 −23.6% · 10 年 やや割高(年 +4.4%) やや割高 大谷工業5939 電柱と通信線の金物を作る富山の老舗。配電網の更新で底堅いが、利益をため込む同族経営で資本の稼ぎが薄く割高 本質価値との差 −23.6% · 10 年 やや割高(年 +4.6%) やや割高 コロナ5909 事業の稼ぐ力は細く、厚い金融資産も少数株主には動かせない。割高と見る 本質価値との差 −23.8% · 10 年 やや割高(年 +4.2%) やや割高 稲葉製作所3421 国内首位の物置と自己資本の4割近い現金を持つが、利益率は薄く資本効率は低い。現金を価値に足してもなお今の値段は割高 本質価値との差 −24.7% · 10 年 やや割高(年 +3.9%) やや割高 株式会社ノーリツ5943 給湯器で国内2位の寡占だが、稼ぐ力はリンナイの6分の1。利益が戻っても、今の値段は先取りが過ぎる 本質価値との差 −25.9% · 10 年 やや割高(年 +4.0%) やや割高 ネツレン5976 高周波熱処理と高強度鋼線の老舗。国内シェアは高いが儲けが薄く、稼ぐ力に比べて今の値段は割高 本質価値との差 −27.7% · 10 年 やや割高(年 +2.7%) やや割高 共和工業所5971 建設機械用ボルトの国内トップ。現金は厚いが戻らず、利益は薄い。値段には余裕がなく割高と見る 本質価値との差 −28.4% · 10 年 やや割高(年 +3.8%) やや割高 日本発條5991 懸架ばねとHDDサスペンションの二本柱、AI需要は本物だが北米再建待ちで今の株価は割高寄りと筆者はみる 本質価値との差 −28.5% · 10 年 やや割高(年 +3.9%) やや割高 アドバネクス5998 医療と航空機のばねで稼ぎ頭を育てつつあるが、自動車と海外工場の重荷が残る。今の値段は先を行く 本質価値との差 −29.8% · 10 年 やや割高(年 +4.4%) 割高 アルメタックス5928 積水ハウスに売上の半分を頼るサッシの系列メーカー。本業はほぼ稼がず、現金と持ち合い株は厚いが株主には届きにくい 本質価値との差 −30.7% · 10 年 割高(年 +3.9%) 割高 株式会社LIXIL5938 稼ぐ力は戻りつつあるが、借金と金利が利益を食う。今の値段は回復をかなり先取りしている 本質価値との差 −36.1% · 10 年 割高(年 +1.6%) 割高 イワブチ5983 電柱まわりの金具を作る小さな高自己資本の会社。直近の高い利益率は続きにくく、10年で見れば今の値段は割高と筆者は考える 本質価値との差 −36.4% · 10 年 割高(年 +2.4%) 割高 ホッカンホールディングス5902 缶・PET容器と飲料の受託充填の会社。借金が重く、稼ぐ力が資本コストに届かないため、今の値段は先取りしすぎている 本質価値との差 −37.1% · 10 年 割高(年 +2.8%) 割高 日本フイルコン5942 製紙用の網を作る老舗。国内の縮小が続くなか、賃貸が利益を支えるが、10年の価値は今の時価総額を4割ほど下回る 本質価値との差 −39.7% · 10 年 割高(年 +1.9%) 割高 テクノフレックス3449 半導体向けの真空配管と継手で利益が急伸。ただし今の利益は工事の山にあり、10 年で見ると割高と筆者は見る 本質価値との差 −41.6% · 10 年 割高(年 +0.9%) 割高 高田機工5923 老朽橋の更新という追い風はあるが、工場が埋まらず稼ぐ力は細い。配当の下限が支えでも、今の値段は高い 本質価値との差 −42.6% · 10 年 割高(年 +1.2%) 割高 アマテイ5952 国産の釘と自動車向けの特殊ねじを作る小さな老舗。利益は安定してきたが、資本コストに届かない稼ぎと借入の重さで、今の値段は割高と見る 本質価値との差 −43.5% · 10 年 割高(年 +1.6%) 割高 スーパーツール5990 吊クランプと作業工具の老舗。土地は厚いが事業の稼ぎは資本コストに遠く、新工場の成果待ちで割高 本質価値との差 −53.2% · 10 年 割高(年 −1.4%) 割高 オーネックス5987 金属を焼いて硬くする請負の会社が、突然AIデータセンターへ。本業は細く、株主の取り分も揺らぐ。今の値段は高い 本質価値との差 −53.6% · 10 年 割高(年 +0.1%) 割高 中央発條5992 トヨタ系のばね専業。薄利と繰り返す工場事故が重く、今の値段は計画の達成を先取りしていると筆者は見る 本質価値との差 −58.6% · 10 年 割高(年 −2.2%) 割高 日本製罐5905 18リットル缶と美術缶の専業。市場は縮み、2期続けて営業赤字。賃貸の利益が支えだが、今の値段は割高と見る 本質価値との差 −59.1% · 10 年 割高(年 −1.0%) 割高 ワイズホールディングス5955 自動車・家電向けのねじとばねが主力。純現金は厚いが稼ぎが薄く、10年の中立でも今の値段に届かない 本質価値との差 −65.1% · 10 年 割高(年 −3.5%) 割高 ジェイテックコーポレーション3446 X線ミラーで世界の放射光施設に納める希少な技術企業。ただし利益は山谷が激しく、いまの値段は先を織り込みすぎ 本質価値との差 −70.8% · 10 年 割高(年 −4.6%) 割高 日本パワーファスニング5950 建築用のねじとアンカーの専業。積水ハウスに売上の4分の1を頼り、利益はほぼ出ない。今の値段は割高と見る 本質価値との差 −81.3% · 10 年 割高(年 −8.4%) 割高 テクニスコ2962 放熱部品の小型メーカー。2 期の大赤字から黒字目前だが、借金が重く、AI 期待が先行。利益で測った本質価値は今の時価総額の 1 割に満たず割高 本質価値との差 −90.5% · 10 年 割高(年 −13.5%)

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分析日 2026-10-16