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武蔵野銀行 8336

埼玉で2番手の地方銀行。利ざやの広がりでROEは9%へ向かい、資本コスト8%で測ると今の値段はほぼ適正

やや割安
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)2,908 円2,822 億円10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)2,554 円2,479 億円差 +13.9%
10 年後から見ると やや割安 価値 2,908 円2,822 億円 · 差 +13.9% · 期待の年率 +8.3%
期待の年率リターン(10 年)+8.3%資本コスト比 +0.3 pt
推定の資本コスト8.0%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3%・10 年国債 3%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 8.0% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

武蔵野銀行は、埼玉県を地盤とする地方銀行である。筆者の見立ては、今の値段は10年先の価値とほぼ同じ、というものだ。一番の理由は、金利のある世界で変わる利益の水準が、まだ今の決算に出きっていないことにある。

稼ぎの源は貸出の利ざやだ。貸出は4兆円超、預金は5兆円超あり、預金のほうが多い。日銀の利上げで、この余裕が利益に変わる。会社は今期の純利益を195億円と見込み、来期は234億円まで増える見通しだ。

中計「MCP 2/3」は、4年後に純利益300億円・ROE10%以上を掲げる。筆者は、利ざやの追い風を全部は織り込まず、10年後の中立でROEを9%と見る。過去10年のROEは4%ほどにとどまっていた。そこから見れば大きな改善だ。

不安は2つある。県内には貸出が2倍を超えるりそなが控え、預金の取り合いで利ざやの一部は預金者へ渡る。もう1つは信用コストで、今の低さは長く続かない。単純な自己資本比率は5%と薄く、評価損が重なる局面には弱い。

資本政策は、ためる経営から返す経営へ変わりつつある。配当性向40%、自社株買い、政策保有株の圧縮が進めば、資本効率の改善が価値に織り込まれていく。進まなければ、この安さは当然の値段だったことになる。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、武蔵野銀行は「よい事業を、資本を使いきれない会社が持っている」例だ。預金は5兆円超あり、貸出を伸ばせば利ざやで稼げる。地盤の埼玉は大きく、人口の減り方も穏やかだ。事業そのものは、10年後も残る。

問題は資本の使い方だ。過去10年のROEは資本コストを大きく下回り、ためた利益が価値を生んでこなかった。筆者が見たいのは、中計の約束が実際の行動に変わるかどうかだ。政策保有株を売った資金を、貸出の拡大と還元に回せば、オーナー利益(株主の手に残る利益)は増える。

もう1つは、堀の広さだ。県内には2倍の規模のりそながいる。値段を自分で決める力は弱い。だから筆者は、利ざやの追い風を全部は織り込まない姿を中立に置く。

安全域は、規制上の自己資本比率が10%台で、悲観でも資本が厚い点にある。ただし、単純な自己資本比率は5%と薄く、債券の評価損と信用コストが重なる局面には弱い。持ち続けたいと思えるのは、値段が中立の価値を十分に下回る時に限られる。

何で稼ぐ会社か

武蔵野銀行は、埼玉県を主な地盤に、法人と個人の両方へ貸し出す地方銀行だ。貸出残高は4兆3千億円、預金は5兆2千億円ある。稼ぎの源は、貸出の利息と預金の利息の差、つまり利ざやだ。そこに投資信託や保険の手数料、有価証券の運用益が加わる。

法人向けは県内の中小企業が中心になる。事業承継やM&Aの仲介、ストラクチャードファイナンス(案件ごとに返済の原資を組み立てる融資)に力を入れ、利息だけに頼らない稼ぎ方へ広げている。個人向けは住宅ローンが柱で、相続や資産形成の相談を通じて預かり資産を積み上げている。

集めた預金のうち貸出に回りきらない分は、国債や株式などの有価証券で運用する。有価証券は1兆円弱まで減らしてきた。取引先の株を持つ政策保有株は、純資産の16〜22%(資料で数字に幅がある)にあたり、中計で15%未満へ下げる計画だ。

外とのつながりも稼ぎの土台になる。千葉銀行とは包括提携(千葉・武蔵野アライアンス)を結び、互いに株を持ち合う。地方銀行が集まるTSUBASAアライアンスにも加わり、システムや商品を共同で使う。2026年4月から始まった中計「MCP 2/3」は、4年後に純利益300億円・ROE10%以上を目標に掲げる。

優良さと弱いところ

武蔵野銀行の堀、つまり他社がまねしにくい強みは、埼玉という大きな市場での地元の根の深さにある。県の人口は700万人を超え、首都圏の中でも減り方は穏やかだ。中小企業と個人の取引を県内に広く持ち、預金は貸出より1兆円近く多い。預金が潤沢なことは、金利が上がる局面で安く資金を集められる強みになる。

ただし、筆者は「県内の1位」ではないことを重く見る。県内の貸出は埼玉りそな銀行が約8.8兆円と、武蔵野銀行の2倍を超える(2023年3月末)。大企業との取引や預金の取り合いで、りそなの規模に勝つのは難しい。信用金庫の埼玉縣信用金庫も個人と小企業を厚く押さえる。2番手は上に追いつくより、下に抜かれない努力を求められる位置だ。

資本効率は低い。ROEは過去10年で2〜6%にとどまり、中央値は4%ほどだった。資本をためすぎた時期が長い。この点は、2026年の中計で還元を厚くし、政策保有株を減らす方針に変わり始めた。

経営の規律は、改善の途上だ。配当性向の目標は40%、自社株買いの枠は上限100億円と、還元の姿勢は前向きになった。一方で、中計の純利益300億円は今期の2倍にあたる。計画どおりに進むかは、これから数年の実績で確かめる必要がある。

筆者が最も評価するのは、預金が貸出を1兆円近く上回る点だ。この余裕があるから、金利が上がる局面でも預金金利を急いで上げる必要が小さい。逆に、これが崩れた時に何が起きるかも、あとで具体的に考える。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

地方銀行は、30年続いた超低金利の時代を抜け、「金利のある世界」に入った。日銀は2024年にマイナス金利をやめ、短期金利は2%へ向かう。この前提では、変動金利の貸出はほぼ全部、預金は4割ほどが金利の上昇に付いていく。利ざやは広がり、地銀の利益は構造的に増える。

その利ざやを、銀行どうしが預金の取り合いで奪い合う。金利の高いネット銀行や証券会社へ預金が流れれば、預金金利を上げざるをえない。広がった利ざやのどれだけが銀行に残るかは、預金の粘りで決まる。武蔵野銀行は預金が貸出を大きく上回り、この点では有利だ。

埼玉の貸出市場は、りそなグループが約6割(りそな、武蔵野、埼玉縣信金の3行の比)を握る。都内に近い南部は競争が激しく、北部と西部は人口が伸びにくい。貸出は全国で年5%近く伸びているが、地方の中小企業は年1〜3%にとどまるのが普通だ。

業界は再編の途上にある。千葉銀行と千葉興業銀行、しずおかFGと名古屋銀行などが統合に動いた。再編の進んだグループは、システム費と店舗の費用を下げられる。武蔵野銀行は千葉銀行と提携してはいるが、統合は否定されており、独立のまま規模の不利を埋める道を選んでいる。

デジタルの面でも変化は大きい。ネット銀行や証券会社が、預金と資産運用の入り口を奪いつつある。地銀は店舗に頼らず、相続や事業承継のように人が付き添う相談で差をつける道を探している。

資本政策と M&A

資本政策は、ためる経営から返す経営へ変わりつつある。配当は累進(減らさず、増やす)を基本に、配当性向は40%を目標にする。自社株買いも機動的に行い、2026年3月に上限100億円の枠を設けた。政策保有株は2030年3月末までに純資産比15%未満へ下げ、浮いた資金を貸出や投資に回す。

自己資本比率(規制)は10.5%程度を目安にする。資本の厚みを保ちながら、中計で戦略投資に138億円、人材投資に年8億円を投じる。リスクアセットは今の1.3兆円から1.56兆円へ増やし、貸出の伸びで稼ぐ力を高める計画だ。

M&Aは、これまで大きな買収はない。地方銀行の再編では、千葉銀行との持ち合い提携が受け皿の候補になりうる。ただし両行は統合を否定してきた。kabufuの推定では、10年以内にTOB(株式の公開買付け)などで買われる確率は2割ほどある。この可能性は確率の中で考え、買収プレミアムは中立の筋書きに入れない。

還元の点検(P3 2026-10-19):配当性向40%目標の累進配当+自社株買い機動的(100億円枠)。中立の約52%は方針に合わせた値で、直さず。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

短期金利が2%まで上がる間に、変動金利の貸出はほぼ全部が上へ付いていく。武蔵野銀行は預金が貸出を1兆円近く上回り、その預金は地元の給与口座や年金口座で粘りが強い。広がる利ざやの多くを手元に残せる。

今期の経常利益の予想はすでに上方修正され、純利益は195億円、来期は234億円と見込まれる。中計の300億円は、貸出が年3〜4%で伸びれば前倒しで届く。事業承継やM&Aの手数料、相続の預かり資産といった利息以外の稼ぎも、戦略投資に138億円を投じて育てる。

資本政策も変わる。政策保有株を減らして浮いた資金を、配当性向40%と自社株買いで戻す。自己資本が膨らまないのでROEは10%を超えて上がる。千葉銀行との提携が深まれば、システム費の共同利用で経費率が下がる。さらに、再編の受け皿としてTOBの可能性もあり、その確率は2割ほどある。

県内2番手の座は固い。りそなの預金の動きを拾い、人口の伸びる南部で貸出を増やせれば、ROEは13%近くまで届く。

慎重な見方

りそなは県内の貸出の6割に近いシェアを握り、大企業の取引と預金で武蔵野銀行より有利だ。預金が足りなくなればネット銀行や証券会社へ流れ、預金金利を上げざるをえない。広がるはずの利ざやは、預金者に渡る。

経費も物価で膨らむ。人への投資とシステム更新を重ねる中計は、経費率の改善をむしろ遅らせる。貸出の伸びは人口減で2%台にとどまり、中計の300億円は遠い。過去10年のROEは中央値で4%と、資本コストの半分に届いていない。

信用コストは今が低すぎる。景気の後退が来れば与信費用は数倍になりうる。債券の評価損と政策保有株の下落が重なれば、自己資本は簡単に削れる。単純な自己資本比率は5%と薄い。

買収の期待も危うい。千葉銀行との提携は統合を否定しており、TOBの話は出ていない。プレミアムの期待は価値の根拠にならない。

還元の話にも注文がつく。中計は配当性向40%を掲げるが、利益が計画に届かなければ、配当は据え置きか減る。市場の評価は、約束ではなく実績に付く。

どちらに重みを置いたか

慎重な見方のほうが少し強い。強気の見方は、利ざやの広がりを手元に残せることを前提にするが、預金の取り合いは金利上昇の局面ほど激しくなるのが普通だ。資本効率の低さも過去10年の実績で、中計の約束だけでは消せない。一方、預金の厚さと埼玉の市場の大きさは本物で、悲観の確率を大きく上げる理由はない。このため、強気側の確率は同じ領域の下限の10%に置き、やや慎重と悲観を合わせて37%と、領域の平均より少し重く見た。

10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)

確率で加重した株価時価総額 4,379 円4,250 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 1,293 円1,255 億円)。 今の値に割り戻すと 2,908 円2,822 億円、今との差 +13.9%、 期待の年率 +8.3%(資本コスト 8.0%)→ やや割安

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 10% 7,352 円7,134 億円 1,812 円1,758 億円 +258.8% +13.6% 916 円889 億円
やや楽観 23% 6,534 円6,341 億円 1,652 円1,603 億円 +220.5% +12.4% 1,883 円1,827 億円
中立 30% 4,945 円4,799 億円 1,385 円1,344 億円 +147.8% +9.5% 1,899 円1,843 億円
やや悲観 24% 2,337 円2,268 億円 991 円962 億円 +30.3% +2.7% 799 円775 億円
悲観 13% 742 円720 億円 606 円588 億円 −47.2% −6.2% 175 円170 億円
加重平均100% 4,379 円4,250 億円1,293 円1,255 億円 +122.1% +8.3% 5,672 円5,505 億円

今の株価時価総額 2,554 円2,479 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.0% を下回るほど割高。

楽観 10% 強気:計画を上回り、埼玉でりそなに次ぐ存在感を固める 利益 485 億円 · PER 14.7 倍 · 株価時価総額 7,352 円7,134 億円

日銀が政策金利を想定より早く引き上げ、貸出の利ざやが広がる。預金は千葉銀行との提携や地元の給与口座で安く集まり続け、貸出は年3〜4%で伸びる。事業承継やM&A、ストラクチャードファイナンスなどの手数料も育ち、利息に頼らない稼ぎが厚くなる。経費は共通システムの利用で抑えられ、中計の純利益300億円を前倒しで超える。政策保有株の圧縮で浮いた資金は貸出と自社株買いに回り、自己資本が増えにくい。県内でりそなに次ぐ2番手の座は固まり、千葉銀行との関係が資本の面でも深まる余地が出る。ROEは10年後に11%台半ばまで上がる。有価証券の運用益も金利の上昇で増え、与信費用は低いまま推移する。相続を機に、埼玉の資産家層から預かり資産が増える。

  • 法人貸出:数量 3.7(法人・事業性貸出残高(兆円))× 価格 1.6%(貸出から得る利ざや(%、経費を除く粗利))→ 売上 580 億円・営業利益 359 億円。残高 3.74 兆円(名目)× 率 1.55%、営業利益(経常ベースの配分)率 62%
  • 個人貸出:数量 2.3(個人向け貸出残高(兆円))× 価格 1.5%(貸出から得る利ざや(%、経費を除く粗利))→ 売上 338 億円・営業利益 189 億円。残高 2.33 兆円(名目)× 率 1.45%、営業利益(経常ベースの配分)率 56%
  • 資産運用・有価証券・手数料:数量 4.7(預かり資産+有価証券運用残高の合計(兆円))× 価格 1.0%(実効収益率(%、経費を除く粗利))→ 売上 479 億円・営業利益 290 億円。残高 4.65 兆円(名目)× 率 1.03%、営業利益(経常ベースの配分)率 61%

倍率:事業の純利益 485 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 11.4% が k 8.00% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 9.7%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.7 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.7 倍。全体の PER 14.71 倍、時価総額 7,134 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:中計の純利益300億円を上回るには、貸出の伸びと預金の安さの両方が続く必要がある。会社の今期予想が計画の前倒しで進んでいるので、1割は置く。

やや楽観 23% やや強気:中計をほぼ達成し、利ざやの追い風を取り込む 利益 445 億円 · PER 14.3 倍 · 株価時価総額 6,534 円6,341 億円

中計の目標にほぼ届く10年になる。短期金利は2%で落ち着き、貸出の利ざやは法人も個人も広がる。人口の減る地域でも、東京に近い南部の需要が全体を支える。資産運用や相続、事業承継の手数料が、経費の増加をおおむね補う。与信費用は景気の一巡で平均に戻り、大きな損失は出ない。配当性向40%に自社株買いを重ね、還元は純利益の5割強になる。千葉銀行との提携はシステムや商品の共同利用で実を結び、経費率が少しずつ下がる。ROEは10%台半ばまで上がるが、規制資本の制約から、それ以上は伸びにくい。有価証券は円金利債への入れ替えが進み、運用益が安定して積み上がる。相続や事業承継の相談件数も増え、手数料の収入が伸びる。

  • 法人貸出:数量 3.7(法人・事業性貸出残高(兆円))× 価格 1.6%(貸出から得る利ざや(%、経費を除く粗利))→ 売上 568 億円・営業利益 344 億円。残高 3.67 兆円(名目)× 率 1.55%、営業利益(経常ベースの配分)率 61%
  • 個人貸出:数量 2.3(個人向け貸出残高(兆円))× 価格 1.4%(貸出から得る利ざや(%、経費を除く粗利))→ 売上 328 億円・営業利益 177 億円。残高 2.29 兆円(名目)× 率 1.43%、営業利益(経常ベースの配分)率 54%
  • 資産運用・有価証券・手数料:数量 4.6(預かり資産+有価証券運用残高の合計(兆円))× 価格 1.0%(実効収益率(%、経費を除く粗利))→ 売上 456 億円・営業利益 264 億円。残高 4.56 兆円(名目)× 率 1.00%、営業利益(経常ベースの配分)率 58%

倍率:事業の純利益 445 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 10.6% が k 8.00% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 9.3%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.3 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.3 倍。全体の PER 14.25 倍、時価総額 6,341 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:今期の経常利益予想が上方修正され、計画の道筋に乗っている。この筋書きには中立よりやや軽い確率を置く。

中立 30% 中立:金利は定着し、中計は少し遅れて届く 利益 363 億円 · PER 13.2 倍 · 株価時価総額 4,945 円4,799 億円

短期金利2%・長期金利3%が定着する。貸出は埼玉の人口の伸び悩みで年3%前後に落ち着くが、利ざやは広がる。一方で預金の取り合いは続き、広がった利ざやの一部は預金者に渡る。経費も物価並みに増え、人への投資とシステム更新が重なる。与信費用は景気の一巡でならした水準に戻る。中計の300億円は少し遅れて届き、10年後の純利益はその先の緩やかな成長にとどまる。千葉銀行との提携は実務の協力にとどまり、統合は起きない。政策保有株は計画どおり減り、還元が増える。ROEは9%まで上がるが、そこで頭打ちになる。有価証券の運用益は金利の上昇でゆるやかに増える。預かり資産や事業承継の手数料も、標準的な伸びで積み上がる。

  • 法人貸出:数量 3.5(法人・事業性貸出残高(兆円))× 価格 1.5%(貸出から得る利ざや(%、経費を除く粗利))→ 売上 530 億円・営業利益 301 億円。残高 3.54 兆円(名目)× 率 1.50%、営業利益(経常ベースの配分)率 57%
  • 個人貸出:数量 2.2(個人向け貸出残高(兆円))× 価格 1.4%(貸出から得る利ざや(%、経費を除く粗利))→ 売上 298 億円・営業利益 144 億円。残高 2.21 兆円(名目)× 率 1.35%、営業利益(経常ベースの配分)率 48%
  • 資産運用・有価証券・手数料:数量 4.4(預かり資産+有価証券運用残高の合計(兆円))× 価格 1.0%(実効収益率(%、経費を除く粗利))→ 売上 425 億円・営業利益 229 億円。残高 4.38 兆円(名目)× 率 0.97%、営業利益(経常ベースの配分)率 54%

倍率:事業の純利益 363 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 9.0% が k 8.00% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.5%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 13.2 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.2 倍。全体の PER 13.22 倍、時価総額 4,799 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:金利が2%で定着し、与信費用が景気の一巡で平均に戻る。最も重みを置く中心の筋書き。

やや悲観 24% やや慎重:預金競争と経費増で利益が伸び悩む 利益 216 億円 · PER 10.5 倍 · 株価時価総額 2,337 円2,268 億円

預金の取り合いが長引き、利ざやの広がりは業種の物差しの7割ほどにとどまる。物価で人件費・システム費が増え、経費率が思うように下がらない。貸出は年2%台の伸びで、りそなや信用金庫との競争で、金利の低い案件も増える。与信費用は景気後退期に一度大きく膨らむ。政策保有株の圧縮は進むが、評価益が消える分を自己資本が埋めきれない。千葉銀行との提携は、実務の協力にとどまる。純利益は今より4割ほど増えるだけで、ROEは5%台後半にとどまる。資本コストを下回る期間が長く続き、市場からは資本効率を問われ続ける。手数料の収入は伸びるが、利息の減った分を埋めるほどではない。人への投資を削れば将来の成長が止まるため、経費も切りにくい。

  • 法人貸出:数量 3.3(法人・事業性貸出残高(兆円))× 価格 1.4%(貸出から得る利ざや(%、経費を除く粗利))→ 売上 448 億円・営業利益 219 億円。残高 3.25 兆円(名目)× 率 1.38%、営業利益(経常ベースの配分)率 49%
  • 個人貸出:数量 2.0(個人向け貸出残高(兆円))× 価格 1.3%(貸出から得る利ざや(%、経費を除く粗利))→ 売上 255 億円・営業利益 101 億円。残高 2.04 兆円(名目)× 率 1.25%、営業利益(経常ベースの配分)率 40%
  • 資産運用・有価証券・手数料:数量 4.0(預かり資産+有価証券運用残高の合計(兆円))× 価格 0.9%(実効収益率(%、経費を除く粗利))→ 売上 364 億円・営業利益 168 億円。残高 3.96 兆円(名目)× 率 0.92%、営業利益(経常ベースの配分)率 46%

倍率:10年後のROE5.9%(純利益216億円÷自己資本3,692億円)。ROEはk8%以下なので、ためた利益は額面未満の価値で、PERは1÷k=12.5倍までが上限。上限の8.4割に置き、10.5倍。還元を会社の方針(52%)に合わせたため自己資本が厚くなった。

確率:預金の取り合いが長引く、経費の増加が利ざやの改善を食う、といった筋書きは現実味が高い。ROEが過去に4%台だった会社なので、中立より重く見る。

悲観 13% 悲観:県内で押され、資本効率が戻らない 利益 72 億円 · PER 10.0 倍 · 株価時価総額 742 円720 億円

10年のどこかで信用収縮が起き、与信費用が膨らむ。債券の評価損も重なり、利益が資本を削る年が出る。県内ではりそなが預金と大企業を、信用金庫が個人と小企業を握り、武蔵野銀行は金利の低い案件を拾う側に回る。人口減で貸出は伸びず、経費は物価で増え続ける。千葉銀行との提携も実を結ばない。戦略投資は収益化せず、のれんと投資の減損が出る。自己資本の厚みで生き延びるが、稼ぐ力は資本コストを大きく下回る。経営の独立を保てるかが問われ、再編の受け皿を探す段階に入る。それでも、買収の値段に期待はしない。預かり資産の手数料も、ネット証券との競争で率が下がる。株主への還元は、資本を守るために配当にとどまり、自社株買いは止まる。

  • 法人貸出:数量 2.7(法人・事業性貸出残高(兆円))× 価格 1.2%(貸出から得る利ざや(%、経費を除く粗利))→ 売上 328 億円・営業利益 99 億円。残高 2.73 兆円(名目)× 率 1.20%、営業利益(経常ベースの配分)率 30%
  • 個人貸出:数量 1.7(個人向け貸出残高(兆円))× 価格 1.1%(貸出から得る利ざや(%、経費を除く粗利))→ 売上 187 億円・営業利益 33 億円。残高 1.70 兆円(名目)× 率 1.10%、営業利益(経常ベースの配分)率 18%
  • 資産運用・有価証券・手数料:数量 3.3(預かり資産+有価証券運用残高の合計(兆円))× 価格 0.9%(実効収益率(%、経費を除く粗利))→ 売上 290 億円・営業利益 94 億円。残高 3.30 兆円(名目)× 率 0.88%、営業利益(経常ベースの配分)率 32%

倍率:10年後のROE2.4%(純利益72億円÷自己資本3,034億円)。ROEはk8%以下なので、ためた利益は額面未満の価値で、PERは1÷k=12.5倍までが上限。上限の8.0割に置き、10倍。還元を会社の方針(52%)に合わせたため自己資本が厚くなった。

確率:県内でりそなと信用金庫に挟まれ、人口減と有価証券の評価損が重なる筋書き。10年という長さで1割強は置く。同じ領域の会社と同水準。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。

法人貸出

埼玉県内の中小企業を中心とする法人・事業性融資と、事業承継・M&A・ストラクチャードファイナンス関連。

数量法人・事業性貸出残高(兆円)価格貸出から得る利ざや(%、経費を除く粗利)売上営業利益
今 2026/03 2.6 1.1% 273 115
10 年後 中立 3.5 1.5% 530 301

取り方:貸出残高4.31兆円のうち法人・事業性向けを約6割の2.6兆円と推定し、利ざやを1.05%とした。営業利益は銀行のため経常利益の配分で、経費と与信費用を引いた後の姿。預金ベータ(政策金利の上げに預金金利が付いていく割合)を40%とすると、短期金利が1%前後から2%へ上がる間に、中立の利ざやは10年で+0.45%広がる(利ざやは率なので物価では上がらない)。残高は名目で伸び、中立で年3.1%(物価3%+実質0.1%、地元の人口減を含む)。 【2026-10-19 確認】数量は名目、率は物価を掛けていない(率は金利・手数料などの事業の理由でだけ動かす)。

個人貸出

住宅ローンと、地主・資産家向けの不動産関連融資を中心とする個人向け貸出。

数量個人向け貸出残高(兆円)価格貸出から得る利ざや(%、経費を除く粗利)売上営業利益
今 2026/03 1.7 1.0% 162 55
10 年後 中立 2.2 1.4% 298 144

取り方:貸出残高の残り約4割を個人向け1.7兆円と推定し、住宅ローン等の利ざやを0.95%とした。預金ベータ40%で、中立の利ざやは10年で+0.40%広がる。残高は名目で伸び、中立で年2.7%(物価3%、地元の人口減を含む)。 【2026-10-19 確認】数量は名目、率は物価を掛けていない(率は金利・手数料などの事業の理由でだけ動かす)。

資産運用・有価証券・手数料

投資信託・保険等の預かり資産、有価証券の運用益、事業承継・M&A等の手数料収入。

数量預かり資産+有価証券運用残高の合計(兆円)価格実効収益率(%、経費を除く粗利)売上営業利益
今 2026/03 3.0 0.9% 270 135
10 年後 中立 4.4 1.0% 425 229

取り方:有価証券約1兆円と預かり資産・手数料の対象残高約2兆円の合計3.0兆円を推定し、実効収益率を0.90%とした(開示が無いため推定)。預かり・運用残高は名目で伸び、中立で年3.9%。収益率は率なので物価では上がらない。 【2026-10-19 確認】数量は名目、率は物価を掛けていない(率は金利・手数料などの事業の理由でだけ動かす)。

リスクと懸念

預金の流出と預金金利の上昇

金利が上がる局面では、預金がネット銀行や証券会社へ動く。預金金利を上げれば、広がるはずの利ざやが縮む。武蔵野銀行は預金が貸出より多く強みだが、この前提が崩れれば利益の伸びが鈍る。預金の動きは決算に数字で出るので、四半期ごとの預金残高と調達金利を追う価値がある。

埼玉県内でのりそなとの競争

県内の貸出は埼玉りそな銀行が武蔵野銀行の2倍を超える。大企業の取引や預金の取り合いで、規模の差は価格の面でも出る。2番手が低い金利で案件を取れば、利ざやの広がりは見込みより小さくなる。特に法人向けは、大口の案件ほどりそなやメガバンクと競う場面が増える。

信用コストの急増

今の与信費用は歴史的に低い。景気の後退期には、中小企業向けの貸倒れが数倍に増える。リーマン級の収縮なら、利益が数年分消えることもありうる。単純な自己資本比率は5%と薄い。貸倒れは景気の後退から遅れて出るので、今の低さを安心の材料にしにくい。

債券と政策保有株の評価損

金利が上がると債券の評価額は下がり、株価の下落は政策保有株を直撃する。自己資本の一部は評価益で成り立っており、反転すれば資本が減る。政策保有株の圧縮が遅れる点も気になる。評価損は一時的な動きでも、規制資本の計算に響く場面がある。

経費の増加と戦略投資の不発

中計は戦略投資に138億円、人材投資に年8億円を投じる。物価による人件費の上昇も続く。投資が収益に変わらなければ、経費率の目標(コアOHR55%以下)は届かない。のれんの減損も起きうる。計画の経費は先に出て、収益は後から付く。この時間差が数年の利益を削る。

人口の減少と貸出の伸び悩み

埼玉は首都圏の中では減り方が穏やかだが、北部と西部は減少が進む。貸出は年3%前後に落ちる見込みで、今期の2倍の純利益は貸出の量ではなく利ざやと手数料に頼る。量が足りなければ届かない。貸出が伸びない場合、利ざやを広げる以外に打つ手が少なくなる。

政策保有株の売却と取引先との関係

売却は取引先との関係維持の面から急げない。2030年3月末の目標が遅れれば、資本効率の改善も遅れる。売却益は一時的で、本来の稼ぐ力ではない。売却のペースは、取引先の反応と市場の株価の両方に左右される。

今後の分かれ目

短期金利が計画より速く2%へ上がり、預金金利の上昇が緩やかなら
強気の確率を上げてよい。貸出の利ざやと純利益の予想が、中計の目標に向けて前倒しで上がるかを決算で確かめる。
預金の流出が続き、預金金利が貸出より速く上がるなら
利ざやの広がりは小さくなり、やや慎重・悲観側の確率を上げる。預金残高の前年比と調達金利を見る。
埼玉県内の与信費用が四半期で急増したら
悲観側へ寄せる。同時に債券の評価損も重なっていないかを確認する。
政策保有株の売却が前倒しで進み、自社株買いが追加されたら
自己資本が膨らまず、ROEの上がり方が速くなる。中立の見方は強気側へ寄る。
千葉銀行との提携が資本や共通システムの面で深まったら
経費率の改善が確かになる。ただし統合が示されるまでは、買収プレミアムは筋書きに入れない。
戦略投資の収益が計画を下回り、のれんの減損が出たら
経営の資本配分に疑いが出る。中立の確率を下げ、やや慎重側へ寄せる。

見ておくもの

  • 日銀の政策金利と、預金金利・貸出金利の差(利ざや)の推移
  • 埼玉県内の貸出残高と預金残高の伸び(りそな・信用金庫との比較)
  • 与信費用と、債券・政策保有株の評価損益
  • 中計 MCP 2/3 の進み具合(純利益300億円・ROE10%以上・コアOHR55%以下)
  • 政策保有株の売却の進み(純資産比15%未満)と自社株買いの追加
  • 千葉銀行との提携の深まり(資本・システム)

倍率と資本コストの決め方

倍率は今の株価を見ずに決めた。楽観〜中立は、10年後のROEとk 8%(基本7.5%+quality 0.5%)・g 4.0%から利益ベースの正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)の上限を出し、その9.5・9・8.5割に置いた。やや悲観と悲観はROEがk以下のため、PERは1÷k=12.5倍を上限に、稼ぐ力から出した。10年後の数字は、会社が示す想定政策金利1.25%ではなく、短期2%・長期3%の前提で組んだ。銀行の営業利益は経常利益(税前)で置いた。今の時価総額と比べたのは最後だけである。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 13.98→14.71 倍・やや楽観 PER 12.83→14.25 倍・中立 PER 12.5→13.22 倍)。

資本コスト 8.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本7.5%にquality +0.5%を足してk 8%(決まりv2。β・規模は使わない)。銀行は預金が仕入れなので利払いの式は当てはめず、利ざやで扱う。個別のリスク(りそなとの競争・資本効率の低さ・戦略投資の実行)はkに足さず、筋書きと確率で表す。事業は傾いていないので上乗せは0。同じ地方銀行どうしで、横浜FG・千葉銀行と同じquality +0.5%。

同じ業種(銀行業)の AI 分析

割安 大光銀行8537 新潟・長岡の第二地銀。金利上昇で稼ぎは戻るが、薄い資本と人口減の県で、戻り幅が価値を分ける 本質価値との差 +64.6% · 10 年 割安(年 +12.8%) 割安 筑波銀行8338 茨城2位の地銀。金利上昇で利益は倍近くまで伸びるが、公的資金350億円の返済と薄い資本が重荷。今の値段はやや割安 本質価値との差 +43.8% · 10 年 割安(年 +11.6%) やや割安 三井住友トラストグループ8309 受託資産と手数料が厚い信託グループ。利益ベースの正当化PERで控えめに置き、資本コスト7.25%で10年の本質価値は今の時価総額を約5%上回る(適正) 本質価値との差 +28.6% · 10 年 やや割安(年 +9.0%) やや割安 東京きらぼしフィナンシャルグループ7173 東京唯一の地銀。金利上昇で稼ぎは伸びるが、資本の薄さと再編の行方で価値が大きく分かれる 本質価値との差 +19.2% · 10 年 やや割安(年 +9.0%) やや割安 ひろぎんホールディングス7337 広島の厚い基盤と金利上昇でROEは10%前後へ。資本コスト8%の利益ベースで測ると、改善はほぼ織り込まれ今の値段は適正 本質価値との差 +18.7% · 10 年 やや割安(年 +8.8%) やや割安 株式会社紀陽銀行8370 大阪の成長と和歌山の首位を併せ持つが、資本は薄い。金利上昇の追い風を織り込んでも、今の値段は適正の範囲 本質価値との差 +17.9% · 10 年 やや割安(年 +8.8%) やや割安 トマト銀行8542 岡山2番手の第二地銀。金利で稼ぎは戻るが、優先株100億円の行方が普通株主の取り分を左右する 本質価値との差 +17.1% · 10 年 やや割安(年 +9.0%) やや割安 三井住友フィナンシャルグループ8316 利ざや拡大と海外・Olive で ROE 10% 前後へ。新しく投じるお金の稼ぎだけが薄れる利益ベースの PER で測ると、3 メガで最も低い今の PBR は適正 本質価値との差 +16.5% · 10 年 やや割安(年 +8.0%) やや割安 栃木銀行8550 金利上昇の追い風は強いが、稼ぐ力の底上げは道半ば。栃木の第二地銀は10年後の収益力に見合う値段で、安全域は薄い 本質価値との差 +13.3% · 10 年 やや割安(年 +8.6%) 適正 ゆうちょ銀行7182 貯金は伸びないが、国債の入れ替えと日銀預け金の金利で利ざやが広がる。利益が金利頼みで倍率を控えめに置くと、親会社の売出しも入れて今の値段はやや割高 本質価値との差 +8.1% · 10 年 適正(年 +7.2%) 適正 トモニホールディングス8600 利ざやの拡大でROEは7%台へ上がるが資本コストに届かない。今の値段は価値を1割弱上回るが、適正の範囲 本質価値との差 +7.9% · 10 年 適正(年 +7.9%) 適正 株式会社ちゅうぎんフィナンシャルグループ5832 岡山で県内企業の45%が主取引とする基盤に利ざや拡大が乗る。資本コスト8.25%の利益ベースで測ると、今の値段はほぼ適正 本質価値との差 +6.7% · 10 年 適正(年 +7.7%) 適正 株式会社七十七銀行8341 宮城でシェア55.9%の牙城。半導体工場の白紙撤回後も利ざや拡大とVision 2030の上方修正が効くが、資本コスト8%の利益ベースで今の値段は適正 本質価値との差 +5.9% · 10 年 適正(年 +7.7%) 適正 東和銀行8558 群馬の2番手行。債券の入れ替えで膿を出し切り、稼ぐ力は戻る途上だが、資本の薄さが値段の上限を決める 本質価値との差 +5.9% · 10 年 適正(年 +7.5%) 適正 株式会社佐賀銀行8395 県内企業の6割弱をメイン先にする盤石の地銀。金利の追い風は厚いが資本が薄く、本質価値は今の値段とほぼ同じ 本質価値との差 +4.8% · 10 年 適正(年 +7.8%) 適正 ふくおかフィナンシャルグループ8354 九州最大手。会社予想どおり利益が伸びROE10%前後が続くなら、資本コスト8.25%の利益ベースで見ても今の値段はほぼ適正 本質価値との差 +4.3% · 10 年 適正(年 +7.5%) 適正 清水銀行8364 静岡県全域に店舗を持つ中堅地銀。金利上昇で稼ぎは2倍以上になるが、ROEは資本コストに届かず、厚い自己資本を価値に変えきれない 本質価値との差 +3.7% · 10 年 適正(年 +7.8%) 適正 三菱UFJフィナンシャル・グループ8306 国内最大で最も国際分散した銀行グループ。利益ベースの PER で測ると ROE 10〜11%に見合う値段は今よりやや低く、3 メガで最も上の余地が小さい。やや割高 本質価値との差 +3.6% · 10 年 適正(年 +6.4%) 適正 いよぎんホールディングス5830 海事金融という堀を持つ愛媛の首位行。堀は本物だが自己資本が厚く、資本コスト8.25%の利益ベースでは今の値段はやや割高 本質価値との差 +2.5% · 10 年 適正(年 +7.3%) 適正 横浜フィナンシャルグループ7186 神奈川の厚い基盤に利ざや拡大が乗りROE10%前後へ。資本コスト8%の利益ベースで測ると、今の値段は適正の範囲 本質価値との差 +2.1% · 10 年 適正(年 +7.0%) 適正 十六フィナンシャルグループ7380 岐阜の県内首位を握る地銀。金利で利ざやは広がるが人口減の逆風が重く、資本コスト8.25%の利益ベースで今の値段はほぼ適正 本質価値との差 +1.9% · 10 年 適正(年 +7.4%) 適正 株式会社琉球銀行8399 沖縄の厚い基盤と金利の追い風は本物。ただ資本が薄く効率も低め。今の値段は本質価値と大きく変わらない 本質価値との差 +1.4% · 10 年 適正(年 +7.2%) 適正 りそなホールディングス8308 国内専業で利ざや拡大の恩恵が素直に効く。ROE 12% 前後を利益ベースの PER で測り、資本コスト 7.5% に合わせると、今の値段はやや割高 本質価値との差 +1.1% · 10 年 適正(年 +6.5%) 適正 池田泉州ホールディングス8714 大阪北摂・泉州の地銀。金利の追い風でROE10%へ向かうが、競争と費用の重さで10年の価値は今の値段を1割ほど下回る 本質価値との差 +0.6% · 10 年 適正(年 +7.1%) 適正 第四北越フィナンシャルグループ7327 新潟で貸出の半分を握る地方銀行。金利上昇の追い風は本物だが人口減が量を抑え、資本コスト8.25%の利益ベースで今の値段はやや割高 本質価値との差 +0.5% · 10 年 適正(年 +7.1%) 適正 南都銀行8367 奈良の5割の基盤に金利の追い風が乗る。人口減と重い経費が利益の伸びを抑え、10年の価値は今の値段を1割ほど下回る 本質価値との差 −0.9% · 10 年 適正(年 +6.7%) 適正 山口フィナンシャルグループ8418 山口・広島・北九州に3行を持つ中四国最大級の地銀。利ざやの改善で稼ぐ力は戻るが収益性は同業に見劣りし、今の値段はやや割高 本質価値との差 −2.1% · 10 年 適正(年 +6.6%) 適正 大東銀行8563 福島県郡山の小さな単独行。利ざやの回復は追い風だが、評価損と薄い資本で価値の伸びは限られる。 本質価値との差 −3.9% · 10 年 適正(年 +7.4%) 適正 株式会社CCIグループ7381 石川の首位行は金利上昇の追い風を受けるが、利益はまだ薄い。10年で見ても、今の値段にはやや先走り感がある 本質価値との差 −4.0% · 10 年 適正(年 +6.5%) 適正 九州フィナンシャルグループ7180 TSMC熊本効果で法人融資が伸びる肥後・鹿児島銀行の持株会社。ROEが資本コストにまだ届かず、今の値段は追い風を払いすぎてやや割高 本質価値との差 −4.1% · 10 年 適正(年 +6.7%) 適正 北洋銀行8524 道内首位の基盤に金利上昇の追い風。ただ自己資本比率が薄く、資本コスト8.75%の利益ベースで測ると今の値段はやや割高 本質価値との差 −4.7% · 10 年 適正(年 +7.0%) 適正 鳥取銀行8383 鳥取県の最大の地銀。利ざやの回復は追い風だが、薄い利ざやと人口減で ROE は資本コストに届かない。 本質価値との差 −4.8% · 10 年 適正(年 +6.8%) 適正 フィデアホールディングス8713 山形と秋田の2番手行が2027年1月に合併する。稼ぐ力は戻りつつあるが、人口減と薄い資本が上値を抑える 本質価値との差 −5.2% · 10 年 適正(年 +7.0%) 適正 西日本フィナンシャルホールディングス7189 福岡で福岡銀行を追う地銀。資本コスト8.25%はROEの回復に厳しく、今の値段は計画の達成をほぼ織り込んでやや割高 本質価値との差 −5.8% · 10 年 適正(年 +6.5%) 適正 株式会社岩手銀行8345 岩手県の貸出の47%を握る首位行。北東北3行の統合協議に入ったが、10年後の中立でもROEは資本コストに届かない 本質価値との差 −6.2% · 10 年 適正(年 +6.3%) 適正 千葉銀行8331 千葉興業銀行との統合を含め貸出が名目で伸びるが、資本コスト8%の利益ベースのPERで測ると今の値段はやや割高 本質価値との差 −7.3% · 10 年 適正(年 +6.1%) 適正 株式会社おきなわフィナンシャルグループ7350 沖縄の厚い基盤に金利の追い風。ただ資本が薄く観光に偏る点を織り込むと、今の値段はやや割高 本質価値との差 −8.0% · 10 年 適正(年 +6.2%) 適正 めぶきフィナンシャルグループ7167 北関東の統合地銀。利ざや拡大でROEは10%を超えるが、資本コスト8.25%の利益ベースで測ると今の値段はやや割高 本質価値との差 −8.6% · 10 年 適正(年 +5.9%) 適正 SBI新生銀行8303 公的資金完済・再上場で身軽になったSBI系複合銀行。利ざや拡大とレイク・アプラスの高採算を乗せても、資本コスト8.5%で見ると今の値段はやや先取りで、やや割高 本質価値との差 −9.0% · 10 年 適正(年 +5.5%) 適正 山陰合同銀行8381 経費の軽さと県外への貸出拡大が強み。利ざや拡大の追い風は大きいが、人口減と含み損が重く、今の値段はやや割高 本質価値との差 −9.6% · 10 年 適正(年 +6.1%) 適正 山梨中央銀行8360 県内シェア5割強の地銀。利ざやで利益は伸びるが、ROEは資本コストに届かず、今の値段はやや高め 本質価値との差 −9.7% · 10 年 適正(年 +5.8%) 適正 株式会社プロクレアホールディングス7384 青森で企業の7割が主力行に選ぶ首位行。金利で稼ぎは大きく伸びるが、薄い自己資本と人口減でROEは資本コストに届かず、10年後の価値は今を下回る 本質価値との差 −9.8% · 10 年 適正(年 +6.4%) やや割高 京葉銀行8544 利ざや拡大で稼ぐ力は戻るが、千葉の再編で後ろに回る不安が残る。今の値段は10年の見通しに対して高め 本質価値との差 −10.8% · 10 年 やや割高(年 +5.6%) やや割高 名古屋銀行8522 愛知県内2位の地銀。金利上昇で利益は伸びるが、ROEは資本コスト並みにとどまり、統合の条件も未定のため、利益ベースでは今の値段はやや割高 本質価値との差 −12.0% · 10 年 やや割高(年 +5.7%) やや割高 千葉興業銀行8337 千葉銀行との1対1の統合で行き先は決まった。金利上昇で利益は倍になるが、薄い自己資本が還元を縛りROEは資本コストに届かず、今の値段はやや割高 本質価値との差 −13.3% · 10 年 やや割高(年 +5.4%) やや割高 株式会社百十四銀行8386 香川の寡占と船舶金融を持つ良い銀行だが、10 年後の ROE は資本コストに届かない。今の値段は金利上昇を織り込んでもやや割高 本質価値との差 −13.7% · 10 年 やや割高(年 +5.3%) やや割高 三十三フィナンシャルグループ7322 金利の追い風は確か。だが資本が薄く再編も白紙で、ROE は資本コストに届かず、10 年の価値は今の値段を2割余り下回る 本質価値との差 −13.9% · 10 年 やや割高(年 +5.4%) やや割高 南日本銀行8554 鹿児島の第二地銀。直近の利益は税の軽さで厚く、優先株 85 億円の整理が普通株の取り分を決める。 本質価値との差 −17.0% · 10 年 やや割高(年 +5.4%) やや割高 株式会社大分銀行8392 大分の企業の半数がメインバンクに選ぶ盟主。利ざやで稼ぎは2倍以上に伸びるが、薄い自己資本が重く、10年の本質価値は今の値段を下回る 本質価値との差 −17.7% · 10 年 やや割高(年 +4.9%) やや割高 みずほフィナンシャルグループ8411 ROE は 10% 前後にとどまり、3 メガ共通の控えめな倍率で置くと、利益ベースでは今の値段は割高 本質価値との差 −18.1% · 10 年 やや割高(年 +4.5%) やや割高 株式会社秋田銀行8343 秋田県で企業の過半が主力行に選ぶ首位行。金利上昇で稼ぎは倍近くになるが、人口減が重く、ROEは資本コストに届かず今の値段は先取りが過ぎる 本質価値との差 −18.7% · 10 年 やや割高(年 +4.9%) やや割高 富山銀行8365 富山の小さな地銀。直近の増益は債券の売却益頼みで、本業の稼ぐ力は ROE を資本コストへ届かせない。 本質価値との差 −19.8% · 10 年 やや割高(年 +5.1%) やや割高 株式会社宮崎銀行8393 宮崎県の最大手地銀。利ざやで稼ぎは膨らむが、薄い自己資本と人口減が重く、10年の本質価値は今の値段を下回る 本質価値との差 −19.8% · 10 年 やや割高(年 +4.8%) やや割高 株式会社四国銀行8387 金利の追い風は強いが、高知の人口減で稼ぐ力が資本コストに届かない。10年の本質価値は今の値段を下回る 本質価値との差 −20.8% · 10 年 やや割高(年 +4.6%) やや割高 株式会社ほくほくフィナンシャルグループ8377 北陸・北海道2行体制に利ざや拡大とラピダス特需が乗るが、単独路線のまま。資本コスト8.5%の利益ベースで測ると今の値段は割高 本質価値との差 −20.8% · 10 年 やや割高(年 +4.8%) やや割高 株式会社 百五銀行8368 三重の預金と貸出で首位の地銀。資本が厚く稼ぎ方が重いため、資本コスト8.25%の利益ベースで測ると今の値段は先の利益を織り込んで割高 本質価値との差 −22.5% · 10 年 やや割高(年 +4.2%) やや割高 福井銀行8362 福井県の貸出の約半分を握る地銀。合併の効果と利ざや拡大でROEは上向くが、資本コストには届かず、今の値段は先取りが過ぎる 本質価値との差 −23.0% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 株式会社 北日本銀行8551 北東北で唯一残る第二地銀。金利上昇で利益は伸びるが、10年後の中立でもROEは資本コストに届かない 本質価値との差 −23.3% · 10 年 やや割高(年 +4.4%) やや割高 株式会社滋賀銀行8366 県内の預貯金の約半分を握る滋賀の地銀。利上げの追い風は本物だが経費率が重く、資本コスト7.75%の利益ベースでは今の値段は割高 本質価値との差 −24.0% · 10 年 やや割高(年 +3.8%) やや割高 八十二長野銀行8359 長野で合算シェア6割超の堀を持つが、資本コスト8%の利益ベースで測ると、中計ROE8%の達成を織り込んだ今の値段は割高 本質価値との差 −25.4% · 10 年 やや割高(年 +3.7%) やや割高 群馬銀行8334 群馬県内シェア44%の最強地銀。利ざや拡大と第四北越FGとの越境統合でROE10%超を狙うが、資本コスト8.25%の利益ベースで測ると今の値段は割高 本質価値との差 −25.5% · 10 年 やや割高(年 +3.7%) やや割高 しずおかフィナンシャルグループ5831 静岡で法人取引の首位を握る東海最大級の地方銀行。事業は強いがROEは資本コストを少し上回る程度で、利益ベースの今の値段はやや割高 本質価値との差 −25.5% · 10 年 やや割高(年 +3.8%) やや割高 筑邦銀行8398 福岡県南部の地銀。貸出は伸びているが、薄い収益と自己資本で ROE は資本コストに届かない。 本質価値との差 −28.1% · 10 年 やや割高(年 +3.8%) やや割高 島根銀行7150 SBI の資本で立て直す島根の小さな地銀。優先株が 170 億円まで膨らみ、普通株主に残る利益は薄い。値打ちは今の値段を下回る 本質価値との差 −28.5% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 セブン銀行8410 コンビニ ATM の独走に、ファミマ 1.6 万台という追い風。ただ稼ぎは薄く、キャッシュレスの長い逆風も続く。倍率を抑えて見ると、いまの値段は先の成長を織り込みすぎている 本質価値との差 −28.8% · 10 年 やや割高(年 +3.5%) やや割高 あおぞら銀行8304 米国オフィス融資の傷が癒え、大和証券を軸に投資銀行へ軸足を移すあおぞら銀行。ROEが資本コストに届かない間は、今の値段に安全域は乏しい 本質価値との差 −29.2% · 10 年 やや割高(年 +3.4%) やや割高 東邦銀行8346 福島で預金・貸出の3分の1強を握る首位行。金利上昇で稼ぎは倍近くになるが、ROEは資本コスト未満にとどまり今の値段は先取りが過ぎる 本質価値との差 −29.9% · 10 年 やや割高(年 +3.5%) 割高 株式会社阿波銀行8388 徳島の盟主は利ざや拡大で稼ぎが伸びるが、ROEは資本コストに届かない。10年の本質価値は今の値段を下回る 本質価値との差 −33.4% · 10 年 割高(年 +2.6%) 割高 大垣共立銀行8361 岐阜の老舗地銀。利ざや拡大は追い風だが ROE は資本コストに届かず、今の値段には届かない 本質価値との差 −33.8% · 10 年 割高(年 +2.9%) 割高 山形銀行8344 県内最大手でも人口減の山形が地盤。利ざやで稼ぎは倍増するが資本コストに届かず、今の値段は10年先の価値より高い 本質価値との差 −34.2% · 10 年 割高(年 +2.7%) 割高 スルガ銀行8358 シェアハウス問題を片付け、利ざや拡大で稼ぐ力が戻った地方銀行。だが税の軽さで膨らんだ利益を前提に値が付いており、資本コストを大きく超える見込みも薄く、割高 本質価値との差 −34.6% · 10 年 割高(年 +2.1%) 割高 富山第一銀行7184 富山県2位の地銀。利ざや拡大は追い風だが、運用益に頼る利益とROEの低さで、本質価値は今の値段を下回る 本質価値との差 −34.8% · 10 年 割高(年 +2.5%) 割高 京都フィナンシャルグループ5844 京都の地盤と政策保有株の含み益が強みだが、ニデック株は会計不正で下落。資本コスト8%の利益ベースで測ると今の値段は割高。2026年3月期の利益は株の売却益で膨らんでおり、実力利益で測る 本質価値との差 −38.0% · 10 年 割高(年 +1.6%) 割高 あいちフィナンシャルグループ7389 名古屋圏2位の合併行。統合の宿題と低いROEを抱え、資本コスト8%の利益ベースで測ると今の値段は割高 本質価値との差 −38.3% · 10 年 割高(年 +1.9%) 割高 愛媛銀行8541 県内第2位の第二地銀。金利上昇で利益は伸びるが、人口減で資本コストに届かず、今の値段は10年先の稼ぎに対して割高 本質価値との差 −40.9% · 10 年 割高(年 +1.8%) 割高 福島銀行8562 福島県の第二地銀。SBI 新生銀行が筆頭株主になったが、薄い収益と赤字の履歴が重い。 本質価値との差 −46.3% · 10 年 割高(年 +1.5%) 割高 宮崎太陽銀行8560 宮崎県の第二地銀。本業は回復中だが、売却益に押された利益と優先株 60 億円の整理が焦点。 本質価値との差 −48.2% · 10 年 割高(年 +0.6%) 割高 東北銀行8349 岩手の中堅地銀。利ざやは回復するが、公的資金の優先株 100 億円が普通株の取り分を削る。 本質価値との差 −48.8% · 10 年 割高(年 +0.6%) 割高 豊和銀行8559 大分の小さな第二地銀。普通株の取り分は、220 億円の優先株が先に取った残りで決まり、今の値段を下回る。 本質価値との差 −60.2% · 10 年 割高(年 −2.2%) 割高 高知銀行8416 高知県の地銀。評価差額金の赤字が自己資本の 27% に達し、優先株 68 億円も重く、利益の戻りは遅い。 本質価値との差 −63.6% · 10 年 割高(年 −2.8%) 割高 じもとホールディングス7161 宮城・山形の 2 地銀を持つ持株会社。収益は回復するが、公的資金の優先株 780 億円が普通株の取り分を大きく削る。 本質価値との差 −85.1% · 10 年 割高(年 −11.0%)

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読んだ資料

  1. 武蔵野銀行 中期経営計画「MCP 2/3」(2026年4月〜2030年3月)
  2. 武蔵野銀行 2026年3月期決算の概要
  3. 千葉銀行・武蔵野銀行 包括提携(千葉・武蔵野アライアンス)の報道

分析日 2026-10-16