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山陰合同銀行 8381

経費の軽さと県外への貸出拡大が強み。利ざや拡大の追い風は大きいが、人口減と含み損が重く、今の値段はやや割高

適正
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)1,896 円2,825 億円10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)2,097 円3,124 億円差 −9.6%
10 年後から見ると 適正 価値 1,896 円2,825 億円 · 差 −9.6% · 期待の年率 +6.1%
期待の年率リターン(10 年)+6.1%資本コスト比 −2.4 pt
推定の資本コスト8.5%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3%・10 年国債 3%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 8.5% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

山陰合同銀行は、島根と鳥取を地盤に、山陽・関西・東京まで貸出を広げた広域地方銀行である。筆者の結論は、今の値段はやや割高寄りだ。利ざやが広がる追い風は本物だが、地盤の人口減と有価証券の含み損が、その分を打ち消すからである。

強みは経費の軽さにある。経費率は46%台で、地銀の平均を大きく下回る。同じ収益でも手元に残る利益が厚い。山陰では預貸金で首位に立ち、鳥取銀行と島根銀行との間には「一強二弱」の差がある。

貸出の伸びを支えるのは、地盤の外だ。東京の貸出は1兆円を超え、クロスボーダーローンや不動産のノンリコースローンが中心になる。ここは利ざやが厚い代わりに、与信の目利きを問われる。

会社は10年後に純利益400億円・ROE8%以上を掲げる。短期金利が2%へ向かえば貸出の利ざやは広がり、名目の世界ではこの目標を超える利益も見込める。ただし自己資本の厚みは、含み損のぶん見かけより薄い。

10年後の利益は、中立で430億円前後に育つ。そこでのROEは8%台半ばで、資本コストにほぼ並ぶ程度だ。倍率を上乗せできるほどの余裕はなく、価値は今の値段と近いところに落ち着く。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点で、この銀行をずっと持ち続けたいかと問うてみる。答えは、条件つきの「はい」だ。

良い点は、経費が軽く、利益の質が高いことだ。山陰で首位に立ち、競合は少ない。利ざやが広がる時代には、固定費の軽さがそのまま株主の利益になる。

気になる点は二つある。一つは、成長の源泉が地盤の外にあることだ。伸びる貸出は東京と関西にあり、他行も狙う競争の激しい市場である。与信の傷は、景気が悪くなって初めて表に出る。もう一つは、資本の薄さだ。含み損を引くと、自己資本の余裕は見かけの数字より小さい。

資本の配分は、改善の途中と見る。配当性向40%への切り替えと、政策保有株の縮減は正しい方向だ。ただ、自社株買いは小さい。余った資本を積極的に株主へ返す姿勢は、まだ見えない。

安全域でいえば、今の値段は本質価値をやや上回る。大きく割高とまでは言えないが、安全域は無い。筆者は、この銀行を「良い会社だが、値段が安全域を与えない会社」と見る。

何で稼ぐ会社か

稼ぎの中心は、山陰両県と山陽・関西・東京での貸出だ。預金を個人と地元企業から集め、貸出と有価証券で運用して、金利の差を得る。貸出の平均残高は約5.2兆円。うち法人・自治体向けが4兆円弱、個人ローンが1.4兆円を占める。

法人向けは二つの顔を持つ。山陰では、地元の中小企業を支える基盤の事業だ。山陽・関西では、融資と経営コンサルを組み合わせた営業で取引先を広げている。東京はクロスボーダーローンと不動産のノンリコースローンが中心で、残高は1兆円を超えた。

個人向けは住宅ローンが柱だ。ただし金利競争が激しく、残高の伸びは鈍っている。給与振込や年金の口座を増やし、預金の基盤を守る狙いがある。

手数料の事業は小さいが、伸びしろがある。役務取引等の利益は約120億円。2019年に野村證券と組み、預かり資産は1.25兆円まで増えた。当初の目標を約2年早く超えた。法人向けには、M&Aやファイナンスの助言を売る。

有価証券は約1.9兆円あり、運用の稼ぎは大きい。いま会社は、固定利付債中心の運用を、金利変動に強いアセットスワップ中心へ切り替えている。含み損が1,000億円を超えたため、この入れ替えを前倒しで進める。

グループには、再エネの電力契約を扱うごうぎんエナジーと、ベンチャー投資のごうぎんキャピタルがある。利益の柱にはまだ遠いが、地域の課題を事業にする試みだ。

優良さと弱いところ

最大の堀は、山陰での顧客基盤と、軽い経費構造である。島根・鳥取の企業と自治体との取引が厚く、地盤での競合は鳥取銀行と島根銀行の2行に限られる。鳥取県の指定金融機関を務める関係は、他行がすぐには崩せない。

経費率は46%台と低い。人員は2018年の3,100人台から約2,800人まで減らし、店舗の統廃合と事務の効率化を進めてきた。利ざやが広がる局面では、固定費の軽い銀行ほど、増えた収益を利益に変えやすい。

弱みは三つある。第一に、地盤の人口減だ。山陰は全国平均より人口が減る。第二に、有価証券の含み損だ。1,000億円を超え、自己資本を見かけより薄くしている。第三に、県外の貸出だ。伸ばした分だけ、与信の目利きが試される。格付会社も、山陰の外での与信管理には留意が要るとみている。

資本の使い方は、改善の途中にある。還元の目安を総還元性向40%から配当性向40%へ改め、累進的に配当を増やす方針だ。自社株買いはまだ小さい。政策保有株は、2030年までに連結純資産比で10%未満へ減らす。筆者は、経営が資本の質を意識し始めた点を評価する。

堀は強いが、広くはない。山陰の外では、メガバンクや他の地銀と同じ土俵で戦っている。10年先に超過の稼ぎがどれだけ残るかは、普通の堀と見るのが妥当だ。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

銀行は、金利のある世界に入った。短期金利が2%へ上がれば、変動金利の貸出はほぼ全部が上がる。預金の金利は、その4割ほどしか上がらない。この差が利ざやの拡大になる。地銀の法人向けでは、10年で0.45ポイント前後広がるのが妥当な見立てだ。

量は逆に細る。山陰は人口減が速く、地元の貸出需要は伸びにくい。山陰合同銀行が県外へ貸出を広げるのは、この壁を越えるためだ。広島・岡山・兵庫・大阪・東京は市場が厚い。そのぶん、メガバンクや各地の地銀との競争になる。

再編の波も無視できない。千葉銀行と千葉興業銀行、しずおかフィナンシャルグループと名古屋銀行の統合合意に見るとおり、1県1行へ向かう流れは続く。山陰は3行が並ぶが、預貸金は一強二弱の形で、山陰合同銀行は束ねる側に近い。ただし同行の統合を示す報道は見つからなかった。

信用コストは、低い水準が長く続いてきた。景気が一巡すれば、平均的な水準へ戻る。山陰は中小・零細の比率が高く、営業エリアでは倒産が増えている。同行は予兆の管理で抑えているが、この先は慎重に見たい。

有価証券の含み損は、業界に共通の課題だ。金利が上がるほど評価損は膨らむ。だが債券は満期が近づけば元に戻る。時間が味方になる損である。一方、利息の入りは、買い替えのたびに高くなる。

資本政策と M&A

還元は、総還元性向40%から配当性向40%へ軸を移した。累進的に配当を増やし、自社株買いは機動的に行う。2026年5月には30億円の自社株買いを決めたが、規模は小さい。

自己資本比率は11.85%で、中計が掲げる11%程度を上回る。ただ有価証券の評価損を織り込むと9.65%へ下がる。余裕は見かけほど厚くない。会社は、貸出の伸びが想定を超えても11%程度を保つとする。成長に回せる資本は限られ、還元を急に厚くする余地も大きくない。

政策保有株は、2030年までに連結純資産比10%未満へ縮める。前期は取得原価で17億円を減らした。売却で得た資金は、貸出か還元に回る。

会社が自ら見る資本コストは、2025年10月に6%から7%へ引き上げた。投資家の目線に近づく動きだ。会社はPBR1倍の実現を掲げている。

M&Aでは、買う側にも買われる側にもなっていない。10年の長さでは、山陰の再編に関わる可能性は残る。kabufuの推定では、10年以内にTOBや買収が起きる確率は15%である。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

山陰合同銀行は、地方銀行で最も効率のよい部類に入る。経費率は46%台で、同じ貸出から残る利益が違う。短期金利が2%へ向かえば、変動金利の貸出の利ざやは広がる。軽い経費構造が、その広がりをほぼそのまま利益に変える。

貸出の伸びは、地盤の外で続く。東京の貸出は1兆円を超え、クロスボーダーローンと不動産ノンリコースローンで利ざやが厚い。山陽・関西では、融資と経営コンサルを組み合わせた営業が効いている。山陰の人口減は、県外の貸出で十分に補える。

有価証券の含み損は、時間が解消する。債券は満期が近づけば額面に戻り、買い替えのたびに利息の入りは高くなる。アセットスワップへの切り替えで、金利の変動にも強くなった。

資本政策も良い方向にある。配当性向40%への引き上げと累進配当、政策保有株の縮減が進む。純利益は27年3月期に255億円、28年3月期に280億円と、会社予想はすでに上方に動いた。10年後の名目の利益は、会社が掲げる400億円を超えると見てよい。

慎重な見方

利ざやの拡大は、業界の全員が受ける追い風だ。山陰合同銀行だけの強みではない。しかも預金の競争が激しくなれば、預金の金利は想定より早く上がり、利ざやの広がりは小さくなる。

地盤の山陰は、人口が全国平均より速く減る。県外へ貸出を広げるのは苦肉の策とも言える。東京や関西は、メガバンクと有力地銀がひしめく市場で、後から入る銀行は条件の悪い案件をつかみやすい。ノンリコースローンは、不動産の価格が崩れると損が直接出る。格付会社も、山陰の外の与信管理に留意を求めている。

有価証券の含み損は1,000億円を超え、自己資本は見かけより薄い。自己資本比率は評価損を織り込むと9.65%へ下がる。還元を厚くすれば、成長に使う資本が足りなくなる。自社株買いが30億円にとどまるのは、その余裕のなさの表れでもある。

経費率の低さは強みだが、すでに削れるところは削った。人員は約2,800人まで減り、これ以上の効率化は難しい。10年後にROEが資本コストを大きく超える姿は描きにくい。

どちらに重みを置いたか

どちらの言い分にも根拠がある。強気の見方は、経費の軽さと県外の貸出の伸びという事実を持つ。慎重な見方は、地盤の人口減と、含み損による資本の薄さという事実を持つ。

決め手は、利ざやの拡大の分を誰が取るかだ。業界全体で広がる分は、競争で預金や貸出に削られやすい。筆者は、軽い経費を持つ山陰合同銀行は他行よりは残せるが、超過の利益を長く残せるほどではないと見る。

確率は、中立に最も重みを置いた。慎重な側の根拠は、県外の与信と人口減という10年の間に実際に起こりうる事柄だ。このため悲観側の確率を、楽観側よりわずかに厚くした。

10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)

確率で加重した株価時価総額 2,831 円4,218 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 969 円1,443 億円)。 今の値に割り戻すと 1,896 円2,825 億円、今との差 −9.6%、 期待の年率 +6.1%(資本コスト 8.5%)→ 適正

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 10% 4,465 円6,652 億円 1,287 円1,918 億円 +174.3% +10.6% 575 円857 億円
やや楽観 23% 3,880 円5,781 億円 1,166 円1,737 億円 +140.6% +9.2% 1,161 円1,729 億円
中立 30% 3,394 円5,057 億円 1,059 円1,577 億円 +112.3% +7.8% 1,336 円1,990 億円
やや悲観 24% 1,613 円2,403 億円 769 円1,145 億円 +13.5% +1.3% 571 円851 億円
悲観 13% 670 円998 億円 536 円799 億円 −42.5% −5.4% 157 円234 億円
加重平均100% 2,831 円4,218 億円969 円1,443 億円 +81.2% +6.1% 3,800 円5,661 億円

今の株価時価総額 2,097 円3,124 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.5% を下回るほど割高。

楽観 10% 楽観:県外の貸出が伸び続け、利ざやの広がりが利益に直結する 利益 525 億円 · PER 12.7 倍 · 株価時価総額 4,465 円6,652 億円

短期金利2%への上昇で貸出の利ざやが広がり、軽い経費がそれを利益に変える。東京の貸出は引き続き1兆円台で伸び、山陽・関西の融資とコンサルの一体営業が定着する。与信費用は景気の山谷をならして低い水準にとどまり、含み損は債券の満期とともに解消する。アセットスワップへの入れ替えが早く進み、運用の稼ぎも安定する。配当性向40%の累進配当に自社株買いが加わり、自己資本の増え方は抑えられる。会社が掲げる10年後の純利益400億円は、名目の世界では大きく超える。山陰の人口減は県外の伸びに埋もれ、地銀の中で効率の良い広域銀行として評価される10年になる。

  • 法人貸出:数量 5.6(法人・自治体・金融向け貸出平残(兆円))× 価格 1.6%(貸出利ざや(%))→ 売上 877 億円・営業利益 465 億円。残高5.55兆円(名目)× 率1.58%、利益率53%
  • 個人貸出:数量 1.9(個人ローン平残(兆円))× 価格 1.4%(貸出利ざや(%))→ 売上 270 億円・営業利益 130 億円。残高1.9兆円(名目)× 率1.42%、利益率48%
  • 手数料・預かり資産:数量 2.3(預かり資産+法人ソリューション取扱高(兆円))× 価格 1.1%(実効手数料率(%))→ 売上 242 億円・営業利益 106 億円。残高2.3兆円(名目)× 率1.05%、利益率44%
  • 有価証券運用:数量 2.4(有価証券残高(兆円))× 価格 1.5%(運用ざや(%))→ 売上 341 億円・営業利益 283 億円。残高2.35兆円(名目)× 率1.45%、利益率83%

倍率:事業の純利益 525 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 10.1% が k 8.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 9.3%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 12.7 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.7 倍。全体の PER 12.67 倍、時価総額 6,652 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:県外の貸出が計画どおりに伸び、与信費用も低く保たれ、預金の競争も穏やかな、すべてが揃う筋書き。10年の間に揃う確率は1割にとどめた。

やや楽観 23% やや楽観:利ざやは広がり、県外の伸びが人口減を上回る 利益 475 億円 · PER 12.2 倍 · 株価時価総額 3,880 円5,781 億円

利ざやは業界の見立てどおりに広がり、県外の貸出は年3.7%ほどで伸びる。山陰は人口減で細るが、東京と関西の伸びがそれを補う。経費率は45%台を保ち、含み損は買い替えで徐々に消える。与信費用は景気の一巡で平均並みに戻るが、大きな傷にはならない。還元は配当性向40%に自社株買いを足し、政策保有株の売却資金も回る。10年後の純利益は会社が掲げる400億円を上回り、ROEは9%強に乗る。ただし資本コストを大きく超える稼ぎが続くほどの堀はなく、倍率は伸びない。野村證券との銀証連携で預かり資産の手数料も育ち、収益の柱が貸出だけに偏る形は少しずつ和らぐ。

  • 法人貸出:数量 5.4(法人・自治体・金融向け貸出平残(兆円))× 価格 1.5%(貸出利ざや(%))→ 売上 832 億円・営業利益 428 億円。残高5.4兆円(名目)× 率1.54%、利益率52%
  • 個人貸出:数量 1.9(個人ローン平残(兆円))× 価格 1.4%(貸出利ざや(%))→ 売上 259 億円・営業利益 120 億円。残高1.865兆円(名目)× 率1.39%、利益率46%
  • 手数料・預かり資産:数量 2.2(預かり資産+法人ソリューション取扱高(兆円))× 価格 1.0%(実効手数料率(%))→ 売上 217 億円・営業利益 91 億円。残高2.15兆円(名目)× 率1.01%、利益率42%
  • 有価証券運用:数量 2.3(有価証券残高(兆円))× 価格 1.4%(運用ざや(%))→ 売上 321 億円・営業利益 265 億円。残高2.29兆円(名目)× 率1.40%、利益率82%

倍率:事業の純利益 475 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 9.2% が k 8.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.8%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 12.2 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.2 倍。全体の PER 12.17 倍、時価総額 5,781 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:利ざやの拡大と県外の貸出の伸びは、会社の足元の実績が裏づけている。会社予想もすでに上方に動いており、中立より少し上の筋書きに2割強を置いた。

中立 30% 中立:利ざやは広がるが、人口減と競争が利益の伸びを削る 利益 430 億円 · PER 11.8 倍 · 株価時価総額 3,394 円5,057 億円

短期金利2%・長期金利3%が定着し、貸出の利ざやは今より高い水準で安定する。山陰の貸出は人口減でほぼ横ばいだが、東京・関西・広島の貸出が名目で伸び、全体では年3%強で増える。預金の競争で預金金利は預金ベータ40%のとおり上がり、利ざやの広がりは業界並みにとどまる。経費率は物価に沿って上がる人件費を、店舗の統廃合と事務の効率化で吸収し、45%前後を保つ。与信費用は景気が一巡して平均的な水準に戻る。含み損は債券の満期とともに解消し、政策保有株は予定どおり縮む。10年後の純利益は430億円前後。会社が掲げる400億円には届くが、大きくは超えない。

  • 法人貸出:数量 5.3(法人・自治体・金融向け貸出平残(兆円))× 価格 1.5%(貸出利ざや(%))→ 売上 790 億円・営業利益 395 億円。残高5.27兆円(名目)× 率1.50%、利益率50%
  • 個人貸出:数量 1.8(個人ローン平残(兆円))× 価格 1.4%(貸出利ざや(%))→ 売上 247 億円・営業利益 111 億円。残高1.83兆円(名目)× 率1.35%、利益率45%
  • 手数料・預かり資産:数量 2.0(預かり資産+法人ソリューション取扱高(兆円))× 価格 1.0%(実効手数料率(%))→ 売上 196 億円・営業利益 78 億円。残高2.0兆円(名目)× 率0.98%、利益率40%
  • 有価証券運用:数量 2.2(有価証券残高(兆円))× 価格 1.4%(運用ざや(%))→ 売上 301 億円・営業利益 247 億円。残高2.23兆円(名目)× 率1.35%、利益率82%

倍率:事業の純利益 430 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 8.4% が k 8.50% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.8 倍。全体の PER 11.76 倍、時価総額 5,057 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。

確率:利ざやの拡大と、人口減・預金競争・与信費用の正常化が拮抗する、最も確からしい中心の筋書き。10年の長さでは、どちらの極にも偏らないと見て3割を置いた。

やや悲観 24% やや悲観:預金競争と県外の与信費用が利ざやの広がりを食う 利益 250 億円 · PER 9.6 倍 · 株価時価総額 1,613 円2,403 億円

預金の獲得競争が激しくなり、預金金利が想定より早く上がって、利ざやの広がりは業界の見立ての6割ほどにとどまる。東京や関西の貸出は伸びるが、ノンリコースローンなどで与信費用が出て、利益を削る。山陰は人口減が加速し、地元の貸出はほぼ横ばいから減少に向かう。経費率は50%台へ上がる。含み損は解消するが、その間に自己資本の余裕が薄く、還元は抑えられる。10年後の純利益は250億円前後にとどまり、ROEは5%前後で資本コストに届かない。会社が掲げた400億円の目標には届かず、中期経営計画の次の改定で、目標の引き下げと資本政策の見直しを迫られる。山陰の中では首位を保つが、広域化の成果は期待を下回る10年になる。

  • 法人貸出:数量 5.0(法人・自治体・金融向け貸出平残(兆円))× 価格 1.4%(貸出利ざや(%))→ 売上 675 億円・営業利益 290 億円。残高5.0兆円(名目)× 率1.35%、利益率43%
  • 個人貸出:数量 1.8(個人ローン平残(兆円))× 価格 1.3%(貸出利ざや(%))→ 売上 219 億円・営業利益 83 億円。残高1.75兆円(名目)× 率1.25%、利益率38%
  • 手数料・預かり資産:数量 1.8(預かり資産+法人ソリューション取扱高(兆円))× 価格 0.9%(実効手数料率(%))→ 売上 161 億円・営業利益 53 億円。残高1.75兆円(名目)× 率0.92%、利益率33%
  • 有価証券運用:数量 2.1(有価証券残高(兆円))× 価格 1.2%(運用ざや(%))→ 売上 242 億円・営業利益 184 億円。残高2.1兆円(名目)× 率1.15%、利益率76%

倍率:10年後のROE5.0%(純利益250億円÷自己資本4,965億円)。ROEはk8.5%以下なので、ためた利益は額面未満の価値で、PERは1÷k=11.8倍までが上限。筋書きは「やや悲観:預金競争と県外の与信費用が利ざやの広がりを食う」。上限の8.2割に置き、9.61倍。還元を会社の方針(48%)に合わせたため自己資本が厚くなった。

確率:県外の貸出は伸びた分だけ与信費用が出やすく、預金競争も10年のどこかで激しくなる。実際に起こりうる筋書きとして、2割台半ばを置いた。

悲観 13% 悲観:県外の与信が崩れ、人口減で地盤も縮み、資本効率が戻らない 利益 106 億円 · PER 9.4 倍 · 株価時価総額 670 円998 億円

10年のどこかで景気が後退し、不動産の価格が崩れる。東京のノンリコースローンとクロスボーダーローンで損が出て、与信費用が急増する。山陰の人口減は想定を超えて加速し、地元の貸出は縮む。預金の競争で利ざやの広がりは小さく、広がった分も与信費用で消える。経費の削減は限界に達し、経費率は60%台へ上がる。有価証券の含み損は景気後退の局面で再び膨らみ、自己資本比率は目標の11%を割る。還元は絞られ、純利益は100億円前後にとどまる。もう優良な広域地銀ではなく、資本効率の戻らない地方銀行になっている。他行との統合を持ちかけられても、条件は厳しく、株主の取り分は薄まる。経営は守りに入り、新しい事業への投資も止まる。

  • 法人貸出:数量 4.3(法人・自治体・金融向け貸出平残(兆円))× 価格 1.2%(貸出利ざや(%))→ 売上 507 億円・営業利益 167 億円。残高4.3兆円(名目)× 率1.18%、利益率33%
  • 個人貸出:数量 1.6(個人ローン平残(兆円))× 価格 1.1%(貸出利ざや(%))→ 売上 170 億円・営業利益 48 億円。残高1.55兆円(名目)× 率1.10%、利益率28%
  • 手数料・預かり資産:数量 1.4(預かり資産+法人ソリューション取扱高(兆円))× 価格 0.9%(実効手数料率(%))→ 売上 119 億円・営業利益 26 億円。残高1.4兆円(名目)× 率0.85%、利益率22%
  • 有価証券運用:数量 2.0(有価証券残高(兆円))× 価格 1.0%(運用ざや(%))→ 売上 195 億円・営業利益 127 億円。残高1.95兆円(名目)× 率1.00%、利益率65%

倍率:10年後のROE2.3%(純利益106億円÷自己資本4,611億円)。ROEはk8.5%以下なので、ためた利益は額面未満の価値で、PERは1÷k=11.8倍までが上限。筋書きは「悲観:県外の与信が崩れ、人口減で地盤も縮み、資本効率が戻らない」。上限の8.0割に置き、9.41倍。還元を会社の方針(48%)に合わせたため自己資本が厚くなった。

確率:景気後退で東京・関西の不動産ローンに傷が出て、地盤の人口減も重なる複合の筋書き。10年の長さと、県外の貸出が積み上がっている事実から、1割強を置いた。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。

法人貸出

山陰の中小企業向けと、山陽・関西・東京の法人向け貸出(東京はクロスボーダーローンと不動産ノンリコースローンが中心)。自治体・金融機関向けを含む。

数量法人・自治体・金融向け貸出平残(兆円)価格貸出利ざや(%)売上営業利益
今 2026/03 3.8 1.1% 401 190
10 年後 中立 5.3 1.5% 790 395

取り方:総貸出の平均残高5.23兆円から個人ローン1.41兆円を引いた3.82兆円とした。利ざやは1.05%と推定した(東京の利ざやが厚い分、山陰の地元貸出は薄い)。残高はお金の量なので名目で伸び、中立で年3.3%(物価3%+実質0.3%、山陰の人口減を県外の伸びが上回る)。利ざやは預金ベータ40%で、短期金利が2%へ上がる間に10年で+0.45ポイント広がると置いた(率なので物価では上がらない)。 【2026-10-19 確認】数量は名目、率は物価を掛けていない(率は金利・手数料などの事業の理由でだけ動かす)。

個人貸出

住宅ローンを中心とする個人向け貸出。給与振込・年金口座の獲得とあわせて預金基盤を守る。

数量個人ローン平残(兆円)価格貸出利ざや(%)売上営業利益
今 2026/03 1.4 1.0% 134 62
10 年後 中立 1.8 1.4% 247 111

取り方:個人ローン残高は1兆4,100億円(会社開示)。利ざやは住宅ローンの金利競争を踏まえて0.95%と推定した。残高は名目で中立年2.7%(物価3%、地元の人口減で実質は減る)。利ざやは預金ベータ40%で10年で+0.40ポイント広がると置いた。 【2026-10-19 確認】数量は名目、率は物価を掛けていない(率は金利・手数料などの事業の理由でだけ動かす)。

手数料・預かり資産

野村證券との提携による投信・保険などの預かり資産と、法人向けのM&A・ファイナンス助言などの手数料。

数量預かり資産+法人ソリューション取扱高(兆円)価格実効手数料率(%)売上営業利益
今 2026/03 1.3 1.0% 119 40
10 年後 中立 2.0 1.0% 196 78

取り方:役務取引等利益119億円(会社開示)を、個人の預かり資産残高1.25兆円で割った実効率0.95%で置いた(法人手数料を含む概算)。預かり資産はお金の量なので名目で伸び、中立で年4.8%(物価3%+NISA定着などの資産形成)。手数料率は率なので物価では上がらない。 【2026-10-19 確認】数量は名目、率は物価を掛けていない(率は金利・手数料などの事業の理由でだけ動かす)。

有価証券運用

国債・外債・ファンドなどの運用による利息・配当の稼ぎ(調達コスト控除後)。固定利付債からアセットスワップ中心へ入れ替え中。

数量有価証券残高(兆円)価格運用ざや(%)売上営業利益
今 2026/03 1.9 0.9% 158 130
10 年後 中立 2.2 1.4% 301 247

取り方:有価証券残高1兆8,583億円(会社開示)に、調達コストを引いた運用ざや0.85%と推定して置いた。含み損が大きく、低い利回りの債券を抱えている。残高は貸出の伸びより緩やかに年1.8%で増える。運用ざやは債券の買い替えで10年で+0.5ポイント上がると置いた。 【2026-10-19 確認】数量は名目、率は物価を掛けていない(率は金利・手数料などの事業の理由でだけ動かす)。

リスクと懸念

県外の与信の傷

東京のクロスボーダーローンと不動産ノンリコースローンは、利ざやが厚い代わりに、景気や不動産の価格が崩れると損が直接出る。伸ばした残高が大きいほど、その傷も大きくなる。格付会社も、山陰の外での与信管理に留意を求めている。

山陰の人口減

山陰は全国平均より人口が速く減る。地元の貸出需要は伸びにくく、預金の基盤も細りやすい。県外の貸出で埋め合わせられるうちは問題が表に出ないが、県外の伸びが止まれば一気に重くなる。

有価証券の含み損と資本の薄さ

含み損は1,000億円を超え、自己資本比率は評価損を織り込むと9.65%へ下がる。債券は満期で元に戻るが、景気後退と金利の急変が重なれば、還元や貸出の伸びに回せる資本が足りなくなる。

預金の競争

預金金利は、競争が激しくなると、想定の預金ベータ40%より早く上がる。ネット銀行や他の地銀との預金の奪い合いが強まれば、利ざやの広がりは業界の見立てより小さくなる。

再編の遅れ

全国で地銀の統合が続く中、山陰合同銀行は単独で進む。システム費や人材の確保で、規模の大きい統合グループに劣る恐れがある。一方、統合に動けば、統合の費用や相手との文化の違いという別の負担が出る。

還元の小ささ

配当性向40%への切り替えは前進だが、自社株買いは30億円と小さい。自己資本の余裕が見かけより薄いこともあり、資本を株主に返すスピードは、還元に積極的な同業に劣る。

今後の分かれ目

短期金利が2%に届かず、1%台で止まったら
貸出の利ざやの広がりは業界の見立てより小さくなる。中立から、やや悲観へ確率を移す。経費の軽さが救いになるが、利益の伸びは10年を通して鈍る。
東京や関西の貸出で、大きな不良債権が出たら
県外の貸出が成長の主役であるだけに、利益と資本の両方が傷む。悲観の確率を上げる。同行の目利きの力を再評価する必要が出る。
預金の競争が激しくなり、預金金利の追随が早まったら
利ざやの広がりが想定の6割程度にとどまる。やや悲観の筋書きに近づく。
会社が自社株買いを大きく増やし、配当性向を引き上げたら
自己資本が膨らまず、ROEが資本コストを大きく超える。やや楽観〜楽観の確率を上げてよい。
山陰の再編で、同行が他行を取り込む側に回ったら
地盤での寡占が強まり、経費も下がる。ただし統合の費用と文化の違いがあり、効果が出るまで数年かかる。
有価証券の入れ替えが予定より早く進み、含み損が解消したら
自己資本の薄さが和らぎ、還元を厚くする余地が生まれる。資本の使い方の評価が上がる。

見ておくもの

  • 政策金利の推移と、貸出・預金の利回りの差
  • 東京・山陽・関西の貸出残高の伸びと、与信費用
  • 有価証券の含み損の推移と、自己資本比率(評価損込み)
  • 配当性向・自社株買いの規模と、政策保有株の縮減の進み
  • 次の中期経営計画が示す、10年後の純利益400億円への道筋

倍率と資本コストの決め方

倍率は今の株価を見ずに決めた。楽観・やや楽観・中立は10年後のROEとk 8.5%(基本7.5%+quality +1%)・g 4.0%から利益ベースの正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)の上限を出し、その9.6・9.7・9.8割に置いた(下限は1÷k=11.8倍)。やや悲観・悲観はROEがk(8.5%)以下なので、PERは1÷k=11.8倍が上限で、その8.2・8割に置いた。悲観の利益は貸出の利ざやが競争で縮み与信費用が重い構造から、自己資本に対するROE約2%に置き、過去の底値や今の倍率は根拠にしていない。kが1%高い(9.5%)と10年の中立のPERは11.5倍から10.3倍に下がる。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 12.14→12.67 倍・やや楽観 PER 11.78→12.17 倍・中立 PER 11.49→11.76 倍)。

資本コスト 8.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本7.5%に quality +1% を足して k 8.5%(決まり v2。β・規模は使わない。内訳と理由は quality_why)。銀行は預金が仕入れなので利払いの式は当てはめず、利ざやで扱う。県外の与信など個別のリスクは k に足さず、確率と筋書きで表す。事業は傾いていないので上乗せは0。同じ地方銀行どうしで同じ物差しを使い、百五銀行と同じ +0.75% に置いた。

同じ業種(銀行業)の AI 分析

割安 大光銀行8537 新潟・長岡の第二地銀。金利上昇で稼ぎは戻るが、薄い資本と人口減の県で、戻り幅が価値を分ける 本質価値との差 +64.6% · 10 年 割安(年 +12.8%) 割安 筑波銀行8338 茨城2位の地銀。金利上昇で利益は倍近くまで伸びるが、公的資金350億円の返済と薄い資本が重荷。今の値段はやや割安 本質価値との差 +43.8% · 10 年 割安(年 +11.6%) やや割安 三井住友トラストグループ8309 受託資産と手数料が厚い信託グループ。利益ベースの正当化PERで控えめに置き、資本コスト7.25%で10年の本質価値は今の時価総額を約5%上回る(適正) 本質価値との差 +28.6% · 10 年 やや割安(年 +9.0%) やや割安 東京きらぼしフィナンシャルグループ7173 東京唯一の地銀。金利上昇で稼ぎは伸びるが、資本の薄さと再編の行方で価値が大きく分かれる 本質価値との差 +19.2% · 10 年 やや割安(年 +9.0%) やや割安 ひろぎんホールディングス7337 広島の厚い基盤と金利上昇でROEは10%前後へ。資本コスト8%の利益ベースで測ると、改善はほぼ織り込まれ今の値段は適正 本質価値との差 +18.7% · 10 年 やや割安(年 +8.8%) やや割安 株式会社紀陽銀行8370 大阪の成長と和歌山の首位を併せ持つが、資本は薄い。金利上昇の追い風を織り込んでも、今の値段は適正の範囲 本質価値との差 +17.9% · 10 年 やや割安(年 +8.8%) やや割安 トマト銀行8542 岡山2番手の第二地銀。金利で稼ぎは戻るが、優先株100億円の行方が普通株主の取り分を左右する 本質価値との差 +17.1% · 10 年 やや割安(年 +9.0%) やや割安 三井住友フィナンシャルグループ8316 利ざや拡大と海外・Olive で ROE 10% 前後へ。新しく投じるお金の稼ぎだけが薄れる利益ベースの PER で測ると、3 メガで最も低い今の PBR は適正 本質価値との差 +16.5% · 10 年 やや割安(年 +8.0%) やや割安 武蔵野銀行8336 埼玉で2番手の地方銀行。利ざやの広がりでROEは9%へ向かい、資本コスト8%で測ると今の値段はほぼ適正 本質価値との差 +13.9% · 10 年 やや割安(年 +8.3%) やや割安 栃木銀行8550 金利上昇の追い風は強いが、稼ぐ力の底上げは道半ば。栃木の第二地銀は10年後の収益力に見合う値段で、安全域は薄い 本質価値との差 +13.3% · 10 年 やや割安(年 +8.6%) 適正 ゆうちょ銀行7182 貯金は伸びないが、国債の入れ替えと日銀預け金の金利で利ざやが広がる。利益が金利頼みで倍率を控えめに置くと、親会社の売出しも入れて今の値段はやや割高 本質価値との差 +8.1% · 10 年 適正(年 +7.2%) 適正 トモニホールディングス8600 利ざやの拡大でROEは7%台へ上がるが資本コストに届かない。今の値段は価値を1割弱上回るが、適正の範囲 本質価値との差 +7.9% · 10 年 適正(年 +7.9%) 適正 株式会社ちゅうぎんフィナンシャルグループ5832 岡山で県内企業の45%が主取引とする基盤に利ざや拡大が乗る。資本コスト8.25%の利益ベースで測ると、今の値段はほぼ適正 本質価値との差 +6.7% · 10 年 適正(年 +7.7%) 適正 株式会社七十七銀行8341 宮城でシェア55.9%の牙城。半導体工場の白紙撤回後も利ざや拡大とVision 2030の上方修正が効くが、資本コスト8%の利益ベースで今の値段は適正 本質価値との差 +5.9% · 10 年 適正(年 +7.7%) 適正 東和銀行8558 群馬の2番手行。債券の入れ替えで膿を出し切り、稼ぐ力は戻る途上だが、資本の薄さが値段の上限を決める 本質価値との差 +5.9% · 10 年 適正(年 +7.5%) 適正 株式会社佐賀銀行8395 県内企業の6割弱をメイン先にする盤石の地銀。金利の追い風は厚いが資本が薄く、本質価値は今の値段とほぼ同じ 本質価値との差 +4.8% · 10 年 適正(年 +7.8%) 適正 ふくおかフィナンシャルグループ8354 九州最大手。会社予想どおり利益が伸びROE10%前後が続くなら、資本コスト8.25%の利益ベースで見ても今の値段はほぼ適正 本質価値との差 +4.3% · 10 年 適正(年 +7.5%) 適正 清水銀行8364 静岡県全域に店舗を持つ中堅地銀。金利上昇で稼ぎは2倍以上になるが、ROEは資本コストに届かず、厚い自己資本を価値に変えきれない 本質価値との差 +3.7% · 10 年 適正(年 +7.8%) 適正 三菱UFJフィナンシャル・グループ8306 国内最大で最も国際分散した銀行グループ。利益ベースの PER で測ると ROE 10〜11%に見合う値段は今よりやや低く、3 メガで最も上の余地が小さい。やや割高 本質価値との差 +3.6% · 10 年 適正(年 +6.4%) 適正 いよぎんホールディングス5830 海事金融という堀を持つ愛媛の首位行。堀は本物だが自己資本が厚く、資本コスト8.25%の利益ベースでは今の値段はやや割高 本質価値との差 +2.5% · 10 年 適正(年 +7.3%) 適正 横浜フィナンシャルグループ7186 神奈川の厚い基盤に利ざや拡大が乗りROE10%前後へ。資本コスト8%の利益ベースで測ると、今の値段は適正の範囲 本質価値との差 +2.1% · 10 年 適正(年 +7.0%) 適正 十六フィナンシャルグループ7380 岐阜の県内首位を握る地銀。金利で利ざやは広がるが人口減の逆風が重く、資本コスト8.25%の利益ベースで今の値段はほぼ適正 本質価値との差 +1.9% · 10 年 適正(年 +7.4%) 適正 株式会社琉球銀行8399 沖縄の厚い基盤と金利の追い風は本物。ただ資本が薄く効率も低め。今の値段は本質価値と大きく変わらない 本質価値との差 +1.4% · 10 年 適正(年 +7.2%) 適正 りそなホールディングス8308 国内専業で利ざや拡大の恩恵が素直に効く。ROE 12% 前後を利益ベースの PER で測り、資本コスト 7.5% に合わせると、今の値段はやや割高 本質価値との差 +1.1% · 10 年 適正(年 +6.5%) 適正 池田泉州ホールディングス8714 大阪北摂・泉州の地銀。金利の追い風でROE10%へ向かうが、競争と費用の重さで10年の価値は今の値段を1割ほど下回る 本質価値との差 +0.6% · 10 年 適正(年 +7.1%) 適正 第四北越フィナンシャルグループ7327 新潟で貸出の半分を握る地方銀行。金利上昇の追い風は本物だが人口減が量を抑え、資本コスト8.25%の利益ベースで今の値段はやや割高 本質価値との差 +0.5% · 10 年 適正(年 +7.1%) 適正 南都銀行8367 奈良の5割の基盤に金利の追い風が乗る。人口減と重い経費が利益の伸びを抑え、10年の価値は今の値段を1割ほど下回る 本質価値との差 −0.9% · 10 年 適正(年 +6.7%) 適正 山口フィナンシャルグループ8418 山口・広島・北九州に3行を持つ中四国最大級の地銀。利ざやの改善で稼ぐ力は戻るが収益性は同業に見劣りし、今の値段はやや割高 本質価値との差 −2.1% · 10 年 適正(年 +6.6%) 適正 大東銀行8563 福島県郡山の小さな単独行。利ざやの回復は追い風だが、評価損と薄い資本で価値の伸びは限られる。 本質価値との差 −3.9% · 10 年 適正(年 +7.4%) 適正 株式会社CCIグループ7381 石川の首位行は金利上昇の追い風を受けるが、利益はまだ薄い。10年で見ても、今の値段にはやや先走り感がある 本質価値との差 −4.0% · 10 年 適正(年 +6.5%) 適正 九州フィナンシャルグループ7180 TSMC熊本効果で法人融資が伸びる肥後・鹿児島銀行の持株会社。ROEが資本コストにまだ届かず、今の値段は追い風を払いすぎてやや割高 本質価値との差 −4.1% · 10 年 適正(年 +6.7%) 適正 北洋銀行8524 道内首位の基盤に金利上昇の追い風。ただ自己資本比率が薄く、資本コスト8.75%の利益ベースで測ると今の値段はやや割高 本質価値との差 −4.7% · 10 年 適正(年 +7.0%) 適正 鳥取銀行8383 鳥取県の最大の地銀。利ざやの回復は追い風だが、薄い利ざやと人口減で ROE は資本コストに届かない。 本質価値との差 −4.8% · 10 年 適正(年 +6.8%) 適正 フィデアホールディングス8713 山形と秋田の2番手行が2027年1月に合併する。稼ぐ力は戻りつつあるが、人口減と薄い資本が上値を抑える 本質価値との差 −5.2% · 10 年 適正(年 +7.0%) 適正 西日本フィナンシャルホールディングス7189 福岡で福岡銀行を追う地銀。資本コスト8.25%はROEの回復に厳しく、今の値段は計画の達成をほぼ織り込んでやや割高 本質価値との差 −5.8% · 10 年 適正(年 +6.5%) 適正 株式会社岩手銀行8345 岩手県の貸出の47%を握る首位行。北東北3行の統合協議に入ったが、10年後の中立でもROEは資本コストに届かない 本質価値との差 −6.2% · 10 年 適正(年 +6.3%) 適正 千葉銀行8331 千葉興業銀行との統合を含め貸出が名目で伸びるが、資本コスト8%の利益ベースのPERで測ると今の値段はやや割高 本質価値との差 −7.3% · 10 年 適正(年 +6.1%) 適正 株式会社おきなわフィナンシャルグループ7350 沖縄の厚い基盤に金利の追い風。ただ資本が薄く観光に偏る点を織り込むと、今の値段はやや割高 本質価値との差 −8.0% · 10 年 適正(年 +6.2%) 適正 めぶきフィナンシャルグループ7167 北関東の統合地銀。利ざや拡大でROEは10%を超えるが、資本コスト8.25%の利益ベースで測ると今の値段はやや割高 本質価値との差 −8.6% · 10 年 適正(年 +5.9%) 適正 SBI新生銀行8303 公的資金完済・再上場で身軽になったSBI系複合銀行。利ざや拡大とレイク・アプラスの高採算を乗せても、資本コスト8.5%で見ると今の値段はやや先取りで、やや割高 本質価値との差 −9.0% · 10 年 適正(年 +5.5%) 適正 山梨中央銀行8360 県内シェア5割強の地銀。利ざやで利益は伸びるが、ROEは資本コストに届かず、今の値段はやや高め 本質価値との差 −9.7% · 10 年 適正(年 +5.8%) 適正 株式会社プロクレアホールディングス7384 青森で企業の7割が主力行に選ぶ首位行。金利で稼ぎは大きく伸びるが、薄い自己資本と人口減でROEは資本コストに届かず、10年後の価値は今を下回る 本質価値との差 −9.8% · 10 年 適正(年 +6.4%) やや割高 京葉銀行8544 利ざや拡大で稼ぐ力は戻るが、千葉の再編で後ろに回る不安が残る。今の値段は10年の見通しに対して高め 本質価値との差 −10.8% · 10 年 やや割高(年 +5.6%) やや割高 名古屋銀行8522 愛知県内2位の地銀。金利上昇で利益は伸びるが、ROEは資本コスト並みにとどまり、統合の条件も未定のため、利益ベースでは今の値段はやや割高 本質価値との差 −12.0% · 10 年 やや割高(年 +5.7%) やや割高 千葉興業銀行8337 千葉銀行との1対1の統合で行き先は決まった。金利上昇で利益は倍になるが、薄い自己資本が還元を縛りROEは資本コストに届かず、今の値段はやや割高 本質価値との差 −13.3% · 10 年 やや割高(年 +5.4%) やや割高 株式会社百十四銀行8386 香川の寡占と船舶金融を持つ良い銀行だが、10 年後の ROE は資本コストに届かない。今の値段は金利上昇を織り込んでもやや割高 本質価値との差 −13.7% · 10 年 やや割高(年 +5.3%) やや割高 三十三フィナンシャルグループ7322 金利の追い風は確か。だが資本が薄く再編も白紙で、ROE は資本コストに届かず、10 年の価値は今の値段を2割余り下回る 本質価値との差 −13.9% · 10 年 やや割高(年 +5.4%) やや割高 南日本銀行8554 鹿児島の第二地銀。直近の利益は税の軽さで厚く、優先株 85 億円の整理が普通株の取り分を決める。 本質価値との差 −17.0% · 10 年 やや割高(年 +5.4%) やや割高 株式会社大分銀行8392 大分の企業の半数がメインバンクに選ぶ盟主。利ざやで稼ぎは2倍以上に伸びるが、薄い自己資本が重く、10年の本質価値は今の値段を下回る 本質価値との差 −17.7% · 10 年 やや割高(年 +4.9%) やや割高 みずほフィナンシャルグループ8411 ROE は 10% 前後にとどまり、3 メガ共通の控えめな倍率で置くと、利益ベースでは今の値段は割高 本質価値との差 −18.1% · 10 年 やや割高(年 +4.5%) やや割高 株式会社秋田銀行8343 秋田県で企業の過半が主力行に選ぶ首位行。金利上昇で稼ぎは倍近くになるが、人口減が重く、ROEは資本コストに届かず今の値段は先取りが過ぎる 本質価値との差 −18.7% · 10 年 やや割高(年 +4.9%) やや割高 富山銀行8365 富山の小さな地銀。直近の増益は債券の売却益頼みで、本業の稼ぐ力は ROE を資本コストへ届かせない。 本質価値との差 −19.8% · 10 年 やや割高(年 +5.1%) やや割高 株式会社宮崎銀行8393 宮崎県の最大手地銀。利ざやで稼ぎは膨らむが、薄い自己資本と人口減が重く、10年の本質価値は今の値段を下回る 本質価値との差 −19.8% · 10 年 やや割高(年 +4.8%) やや割高 株式会社四国銀行8387 金利の追い風は強いが、高知の人口減で稼ぐ力が資本コストに届かない。10年の本質価値は今の値段を下回る 本質価値との差 −20.8% · 10 年 やや割高(年 +4.6%) やや割高 株式会社ほくほくフィナンシャルグループ8377 北陸・北海道2行体制に利ざや拡大とラピダス特需が乗るが、単独路線のまま。資本コスト8.5%の利益ベースで測ると今の値段は割高 本質価値との差 −20.8% · 10 年 やや割高(年 +4.8%) やや割高 株式会社 百五銀行8368 三重の預金と貸出で首位の地銀。資本が厚く稼ぎ方が重いため、資本コスト8.25%の利益ベースで測ると今の値段は先の利益を織り込んで割高 本質価値との差 −22.5% · 10 年 やや割高(年 +4.2%) やや割高 福井銀行8362 福井県の貸出の約半分を握る地銀。合併の効果と利ざや拡大でROEは上向くが、資本コストには届かず、今の値段は先取りが過ぎる 本質価値との差 −23.0% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 株式会社 北日本銀行8551 北東北で唯一残る第二地銀。金利上昇で利益は伸びるが、10年後の中立でもROEは資本コストに届かない 本質価値との差 −23.3% · 10 年 やや割高(年 +4.4%) やや割高 株式会社滋賀銀行8366 県内の預貯金の約半分を握る滋賀の地銀。利上げの追い風は本物だが経費率が重く、資本コスト7.75%の利益ベースでは今の値段は割高 本質価値との差 −24.0% · 10 年 やや割高(年 +3.8%) やや割高 八十二長野銀行8359 長野で合算シェア6割超の堀を持つが、資本コスト8%の利益ベースで測ると、中計ROE8%の達成を織り込んだ今の値段は割高 本質価値との差 −25.4% · 10 年 やや割高(年 +3.7%) やや割高 群馬銀行8334 群馬県内シェア44%の最強地銀。利ざや拡大と第四北越FGとの越境統合でROE10%超を狙うが、資本コスト8.25%の利益ベースで測ると今の値段は割高 本質価値との差 −25.5% · 10 年 やや割高(年 +3.7%) やや割高 しずおかフィナンシャルグループ5831 静岡で法人取引の首位を握る東海最大級の地方銀行。事業は強いがROEは資本コストを少し上回る程度で、利益ベースの今の値段はやや割高 本質価値との差 −25.5% · 10 年 やや割高(年 +3.8%) やや割高 筑邦銀行8398 福岡県南部の地銀。貸出は伸びているが、薄い収益と自己資本で ROE は資本コストに届かない。 本質価値との差 −28.1% · 10 年 やや割高(年 +3.8%) やや割高 島根銀行7150 SBI の資本で立て直す島根の小さな地銀。優先株が 170 億円まで膨らみ、普通株主に残る利益は薄い。値打ちは今の値段を下回る 本質価値との差 −28.5% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 セブン銀行8410 コンビニ ATM の独走に、ファミマ 1.6 万台という追い風。ただ稼ぎは薄く、キャッシュレスの長い逆風も続く。倍率を抑えて見ると、いまの値段は先の成長を織り込みすぎている 本質価値との差 −28.8% · 10 年 やや割高(年 +3.5%) やや割高 あおぞら銀行8304 米国オフィス融資の傷が癒え、大和証券を軸に投資銀行へ軸足を移すあおぞら銀行。ROEが資本コストに届かない間は、今の値段に安全域は乏しい 本質価値との差 −29.2% · 10 年 やや割高(年 +3.4%) やや割高 東邦銀行8346 福島で預金・貸出の3分の1強を握る首位行。金利上昇で稼ぎは倍近くになるが、ROEは資本コスト未満にとどまり今の値段は先取りが過ぎる 本質価値との差 −29.9% · 10 年 やや割高(年 +3.5%) 割高 株式会社阿波銀行8388 徳島の盟主は利ざや拡大で稼ぎが伸びるが、ROEは資本コストに届かない。10年の本質価値は今の値段を下回る 本質価値との差 −33.4% · 10 年 割高(年 +2.6%) 割高 大垣共立銀行8361 岐阜の老舗地銀。利ざや拡大は追い風だが ROE は資本コストに届かず、今の値段には届かない 本質価値との差 −33.8% · 10 年 割高(年 +2.9%) 割高 山形銀行8344 県内最大手でも人口減の山形が地盤。利ざやで稼ぎは倍増するが資本コストに届かず、今の値段は10年先の価値より高い 本質価値との差 −34.2% · 10 年 割高(年 +2.7%) 割高 スルガ銀行8358 シェアハウス問題を片付け、利ざや拡大で稼ぐ力が戻った地方銀行。だが税の軽さで膨らんだ利益を前提に値が付いており、資本コストを大きく超える見込みも薄く、割高 本質価値との差 −34.6% · 10 年 割高(年 +2.1%) 割高 富山第一銀行7184 富山県2位の地銀。利ざや拡大は追い風だが、運用益に頼る利益とROEの低さで、本質価値は今の値段を下回る 本質価値との差 −34.8% · 10 年 割高(年 +2.5%) 割高 京都フィナンシャルグループ5844 京都の地盤と政策保有株の含み益が強みだが、ニデック株は会計不正で下落。資本コスト8%の利益ベースで測ると今の値段は割高。2026年3月期の利益は株の売却益で膨らんでおり、実力利益で測る 本質価値との差 −38.0% · 10 年 割高(年 +1.6%) 割高 あいちフィナンシャルグループ7389 名古屋圏2位の合併行。統合の宿題と低いROEを抱え、資本コスト8%の利益ベースで測ると今の値段は割高 本質価値との差 −38.3% · 10 年 割高(年 +1.9%) 割高 愛媛銀行8541 県内第2位の第二地銀。金利上昇で利益は伸びるが、人口減で資本コストに届かず、今の値段は10年先の稼ぎに対して割高 本質価値との差 −40.9% · 10 年 割高(年 +1.8%) 割高 福島銀行8562 福島県の第二地銀。SBI 新生銀行が筆頭株主になったが、薄い収益と赤字の履歴が重い。 本質価値との差 −46.3% · 10 年 割高(年 +1.5%) 割高 宮崎太陽銀行8560 宮崎県の第二地銀。本業は回復中だが、売却益に押された利益と優先株 60 億円の整理が焦点。 本質価値との差 −48.2% · 10 年 割高(年 +0.6%) 割高 東北銀行8349 岩手の中堅地銀。利ざやは回復するが、公的資金の優先株 100 億円が普通株の取り分を削る。 本質価値との差 −48.8% · 10 年 割高(年 +0.6%) 割高 豊和銀行8559 大分の小さな第二地銀。普通株の取り分は、220 億円の優先株が先に取った残りで決まり、今の値段を下回る。 本質価値との差 −60.2% · 10 年 割高(年 −2.2%) 割高 高知銀行8416 高知県の地銀。評価差額金の赤字が自己資本の 27% に達し、優先株 68 億円も重く、利益の戻りは遅い。 本質価値との差 −63.6% · 10 年 割高(年 −2.8%) 割高 じもとホールディングス7161 宮城・山形の 2 地銀を持つ持株会社。収益は回復するが、公的資金の優先株 780 億円が普通株の取り分を大きく削る。 本質価値との差 −85.1% · 10 年 割高(年 −11.0%)

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読んだ資料

  1. 山陰合同銀行 2026年3月期決算説明会(書き起こし・logmi Finance)
  2. 山陰合同銀行 中期経営計画(EDINET DB の整理)
  3. 山陰の地銀3行「一強二弱」(データマックス)

分析日 2026-10-16