結論
オシュコシュは、消防車、高所作業車、空港の地上支援車両、軍用トラック、米郵政公社向け配達車をつくる専用車両メーカーである。筆者の結論は「やや割安」だが、割安さは厚くない。消防と空港の長い更新需要が強みである半面、郵便車両の採算と消防車業界の訴訟が、将来の利益を曇らせている。
2025年は売上104.2億ドル、営業利益9.4億ドル、純利益6.5億ドルだった。2026年4~6月期は売上が前年同期比6.7%増えたのに、営業利益は16.6%減った。郵便配達車の量産は進むが、消防車工場の生産改善が予定より遅い。会社が掲げた2028年の高い利益率を、そのまま将来の平常値とは扱えない。
10年後の中立では、消防車と空港設備の納入増、高所作業車の景気回復、物価に沿った価格改定で、売上がおよそ155億ドルへ伸びる。軍用車両は契約の更新に左右され、郵便車両の大型案件は期限を迎えるので、同じ勢いで伸ばさない。営業利益は17.5億ドル、純利益は11.7億ドルと見込む。
資本コスト8.5%で五つの将来を割り引き、途中の正味還元も加えると、今の本質価値は約91億ドルとなる。2026年10月23日の時価総額約82億ドルに対して約11%高い。顧客の予算と受注を確認できる優良な部分はあるが、訴訟による値付け力の後退や郵便契約の損失で差は容易に消える。いまは大きな安全域のある銘柄ではない。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点で最初に評価したいのは、10年後も顧客が同じ車を必要とするかだ。消防隊には消防車、空港には地上支援機器、軍には運搬車が要る。車両の動力が電気に変わり、自動運転が進んでも、顧客の仕事はなくならない。運行中の車を安全に維持するための保守網も、将来の受注を支える。
しかし必要とされる製品があることと、株主が高い利益を得られることは別である。高所作業車は金利上昇と建設投資の縮小で稼働率が下がる。消防車も自治体が予算を削れば台数は伸びない。最も気になるのは、消防車の値上げが競争上の強みなのか、需給逼迫と市場集中による一時的な利益なのかという問題だ。反トラスト訴訟の決着を見るまでは、今の利益率が永遠に続くとは言い切れない。
オーナー利益は会計上の純利益を丸ごと使える額ではない。建設機械の開発費、消防車工場の改善、郵便車両の専用設備に支出が要る。2025年のフリーキャッシュフローは約5.7億ドルで、純利益の6.5億ドルより低い。株式報酬は実費として扱い、買戻しから差し引いて初めて還元を評価できる。
筆者は、消防と空港で資本コストを上回る再投資が続けば、長く持つ理由があると考える。一方、郵便車両で確定していない注文をあてにした設備投資や、割高な買収には慎重である。計算上はやや割安でも差は一割強にすぎない。必要な製品をつくる会社だが、十分な安全域を備えた株価とはまだ言えない。
何で稼ぐ会社か
稼ぎ方は普通の自動車メーカーと違う。現場の条件に合わせた車両を設計し、製造して、修理・部品・保守まで届ける。2025年の主力三部門は、高所作業車などのアクセス44.9億ドル、消防・空港・廃棄物収集などの職業用車両37.3億ドル、防衛・郵便輸送21.0億ドルである。本社その他の売上は約1億ドルで、連結売上に含まれる。
アクセスのJLGは、高所で作業する車両や伸縮式フォークリフトを、建設・設備保守の会社やレンタル業者へ売る。レンタル会社の保有台数と稼働率が次の発注を決めるので、金利と建設景気には弱い。付属の牽引・回収車両や交換部品は、市況の谷でも一定の売上をつくる。値段は仕様と稼働効率によって違い、製品の販売台数そのものは会社が十分に開示していない。
職業用車両の中心は、ピアースの消防車、エアロテックの搭乗橋・空港車両、マクニーラスのごみ収集車である。消防署や空港は、車を十数年にわたり使い、整備と規格対応を求める。売り切りではなく、部品や保守を通じて顧客との関係が長く続く。ただし自治体の税収が悪化すれば、新車の発注を先延ばしにできる。
輸送部門は米軍向け中・大型戦術車両と、米郵政公社の次世代配達車が中心だ。米軍は長期契約を結ぶ一方、車種ごとに入札をやり直す。郵便車両は最大16.5万台までの枠があるが、2025年末に確定した発注は5.15万台に限られる。量産が増えても、開発費を回収する前に契約が終わる可能性がある。
優良さと弱いところ
堀、つまり他社が簡単にまねできない強みは、車両の設計だけでなく現場への据え付けと長期保守にある。消防車ではピアースが主要ブランドで、地域の消防隊が仕様を決め、訓練や整備体制を築く。空港の搭乗橋も運行を止めずに更新する必要があり、交換先の選定には手間がかかる。この切り替えの難しさは、普通の乗用車にはない。
消防車には実際の価格改定力があった。2025年の職業用車両の売上増には、出荷数量だけでなく約1.6億ドルの価格上昇効果が含まれる。消防車の納期が数年に及び、主要三社で米国の販売の七割超を占めるとの業界団体の指摘もある。ただし、この集中が反トラスト法上の訴訟を招いている。価格の上昇すべてを恒久的な競争優位とみなすのは危険だ。
高所作業車は別の顔を持つ。JLGは世界大手だが、ジニー、ディンリー、マニトウ、JCBなどに似た製品があり、レンタル業者は価格と納期を比べる。2025年のJLGアクセス部門の営業利益率は約11%で、ジニーを持つテレックスの高所作業車部門約5%、マニトウ全社約6%を上回ったが、利益率は景気に振れる。稼ぐ力はブランドで守られる部分と、景気で消える部分が半々である。
2025年の自己資本利益率は14.3%で、資本コストを上回る。しかし大きな買収で増えたのれんも使った利益であり、増分の投資利回りが同じ水準だとはまだ証明されていない。人月や席課金を売る事業ではないため、規定のAIエージェント代替には該当しない。AIと自動運転は製品の使い勝手を変えるが、消防・建設・輸送という物理的な仕事そのものは消さない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
同社の市場を一つの「自動車市場」として捉えると間違える。高所作業車の世界市場は調査範囲によって2025年に約137億~198億ドルと開きがある。JLGの高所作業車売上約22億ドルから計算した世界シェアは約11~16%となり、ジニーや中国のディンリーと競う。伸縮式フォークリフトは世界市場約78億ドルで、JLGの売上からみたシェアは約15%。JCBの約19%、マニトウの約19%が大きな相手だ。
消防車は規模より更新の確実さが魅力である。ローゼンバウアーの開示では、北米の消防車市場は2025年に年約4,500台。ピアースの売上と車種ごとの実勢価格から約1,250台、数量シェア約28%と推定できる。ただし各社の製品構成が違うため正確な公表値ではない。REVグループとローゼンバウアーが主な競合であり、三社への集中を巡る訴訟は今後の値上げ余地に直接かかわる。
空港地上支援機器の世界市場は調査会社推計で約96億ドル、2035年に約171億ドルへ拡大する可能性がある。エアロテックは推計7~10%程度で、テキストロンやITW GSEと競う。航空便の増加に加えて、空港車両の電動化、搭乗橋の更新が注文を生む。一方、ごみ収集車は自治体や大手廃棄物業者の更新予算、軍用車両は米政府の調達計画に依存する。
米国の長期金利が5%前後の世界では、レンタル会社による大型設備の購入が抑えられる。JLGを乗用車の販売台数で伸ばすべきではない。10年後は高所作業車の実質市場が緩やかに増え、競争で世界シェアがほぼ横ばいとみる。消防車は自治体の台数需要が小幅に増え、空港は航空交通と電動化が伸びる。防衛は地政学が追い風でも、特定契約の失注が一度に利益を奪う。
資本政策と M&A
経営は配当と自社株買いを続けている。2025年は配当1.3億ドル、自社株買い2.8億ドルだったが、株式報酬約0.4億ドルを差し引くと正味の株主還元は約3.7億ドルである。2016~2025年は純利益が合計約45億ドルに対し、配当と買い戻しが計24億ドル弱だった。残りは事業拡大と買収、運転資金を支えた。2025年末には2022年に承認された買戻し枠が約795万株分残る。
大型の買収では、2023年に空港地上設備のエアロテックを約8億ドルで取得し、同年にイタリアのヒノワ、2024年にスペインのAUSAも加えた。これによりJLGの製品群と空港の保守網は広がった。ただし買収額を回収する増分利益はまだ十分に見えず、過去には取得事業の減損もあった。連結ROEだけで資本配分を合格とすることはできない。
2025年の投資家説明会では、2028年に売上130~140億ドル、調整後営業利益率12~14%、景気循環を通じた現金転換率90%以上を目指すとした。これは目標であって保証ではない。2026年の消防車工場の立ち上げ遅延と通期利益見通しの引き下げは、計画達成の難しさを示している。同年8月には自律ロボット開発のネクステラ・ロボティクスへ戦略出資したが、金額と収益貢献は開示されず将来利益には加えない。増資による大きな希薄化は確認できず、現在は支配株主の強い会社でもない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
最も信頼できる伸びしろは、自治体と空港の設備更新である。北米の消防車市場は年間約4,500台で、老朽車両の入れ替えが止まるわけではない。ピアースは仕様設計と保守網が長年の顧客関係を築き、主要三社に集中した市場で強いブランドを持つ。生産工程の立て直しが進めば、長い受注残を早く売上に変えられる。人手不足の消防署も、装備の安全性では安物を選びにくい。
空港はもう一つの柱になる。エアロテックは搭乗橋と地上車両、保守を一緒に届ける。航空便の増加や車両の電動化で更新需要が増え、空港の運用システムに組み込まれた設備は他社へ替えにくい。JLGも建設景気が戻れば、既存の販売店網と部品供給力を生かしてジニーやディンリーに対抗できる。世界の需要が年率で緩やかに増えるだけでも、売上は物価の分を加えて伸びる。
2026年6月末の受注残は約148億ドルで、年間売上を上回る。特に職業用車両には約66億ドルの注文があり、今後の増産を支える。米郵政公社の配達車も生産量が増えれば、初期の開発費を薄められる。2028年の高い利益率目標に近づき、買収した空港事業の利益が伸びれば、投下資本の回収も進む。量産を安定させ、利益を自社株買いと配当に回す経営が続けば、10年後のオーナー利益は今の数倍になりうる。
慎重な見方
最も危ないのは、長い受注残を利益と取り違えることだ。2026年4~6月期は売上が増えたのに営業利益が減った。消防車の生産ライン改善が計画より遅れ、米郵政公社の次世代配達車には巨額の先行費用が残る。2025年末の繰延契約費用は約8.3億ドルで、確定注文から得られる将来利益を約1.35億ドル上回るという会社の見積もりがある。追加注文が遅れれば、資産の減損と現金流出が同時に起こりうる。
消防車の値付け力にも別の弱点がある。消防士の団体は価格が2020年頃から倍増し、納期が数年に延びたと訴えている。ピアースの親会社であるオシュコシュは、REVグループやローゼンバウアーとともに、価格協調などを主張する反トラスト訴訟の対象となった。違法行為が認定されたわけではないが、仮に価格改定への監視が強まれば、増えた売上の一部を値引きや補償で失う。競争相手の増産もその圧力を強める。
JLGは防御的な事業ではない。レンタル会社の設備投資は建設需要と金利で減り、ジニーや中国勢が値段で挑む。軍用車両は調達が契約ごとに入れ替わり、かつて主力だった軽戦術車両では後継契約をAMゼネラルに奪われた。米郵政公社の大型発注も2030年代前半に終われば、工場の利用率が下がる。買収で積み上がったのれんは清算時に売れず、資産の額面が株主の床になるとは限らない。
どちらに重みを置いたか
消防・空港の更新需要と受注残は、将来の数量を裏づける強い材料である。一方、消防車の値上げへの訴訟と郵便車両の回収不足は、稼げる利益率そのものを傷める。そこで中立を35%と最も厚くし、楽観11%、やや楽観19%に対し、やや悲観23%、悲観12%と慎重側に35%を割り当てた。業績悪化を資本コストで二重に罰せず、消防車の利益率、郵便契約の残存価値、将来の正味還元に表した。結果はやや割安だが、本質価値との差は小さく、消防車訴訟の不確実性を甘く見れば簡単に消える。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 219.87 ドル137 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 76.60 ドル48 億ドル)。 今の値に割り戻すと 148.18 ドル93 億ドル、今との差 +5.9%、 期待の年率 +9.3%(資本コスト 8.5%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 11% | 435.32 ドル272 億ドル | 108.59 ドル68 億ドル | +288.7% | +17.0% | 59.83 ドル37 億ドル |
| やや楽観 | 19% | 318.16 ドル199 億ドル | 95.62 ドル60 億ドル | +195.7% | +13.5% | 78.62 ドル49 億ドル |
| 中立 | 35% | 235.72 ドル147 億ドル | 93.37 ドル58 億ドル | +135.2% | +10.8% | 115.18 ドル72 億ドル |
| やや悲観 | 23% | 112.43 ドル70 億ドル | 53.33 ドル33 億ドル | +18.5% | +2.1% | 38.13 ドル24 億ドル |
| 悲観 | 12% | 26.43 ドル17 億ドル | 12.81 ドル8 億ドル | −72.0% | −13.6% | 4.71 ドル3 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 219.87 ドル137 億ドル | 76.60 ドル48 億ドル | +111.8% | +9.3% | 296.46 ドル185 億ドル |
今の株価時価総額 139.94 ドル87 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 11% 消防・空港の増産が定着し、専用車両の高い採算を維持 利益 18 億ドル · PER 15.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 435.32 ドル272 億ドル
消防車の製造工程を正常化し、北米市場が約5,200台に広がるなかでピアースは約1,650台へ増産する。平均の売上単価も仕様高度化で190万ドルとなり、部門の営業利益率は19%へ高まる。空港では電動牽引車、搭乗橋、保守契約が増え、エアロテックの設備一式換算は約3,100件。市場が実質で拡大するだけでなく、テキストロンから一部の案件を奪う。
JLGの高所作業車は約5万台、伸縮式フォークリフトは約2万台へ伸びる。世界の建設・設備保守需要が回復し、ジニーとの競争で価格を守る。防衛はFMTVやFHTVの次期契約を取り込み、AMゼネラルと分け合いながら利益率を改善する。郵便車は追加の注文が得られ、専用設備の費用回収が進むが、契約満了を見越して2035年の売上は小さくする。
10年間の純利益は平均して増え、正味の配当・自社株買いを約68億ドルへ拡大する。高い還元後も自己資本は約100億ドル残り、設備と保守網の拡充に資金を投じられる。買収は小規模な技術・サービスにとどめ、株主の資本を傷めない。
- JLG高所作業車:数量 50.0(千台(機械台数の推計))× 価格 0.09(1台の売上(百万ドル))→ 売上 44 億ドル・営業利益 7 億ドル。建設レンタルと更新の市場台数、ジニー・ディンリーとのシェアと価格競争。
- JLG伸縮式フォークリフト:数量 20.0(千台(機械台数の推計))× 価格 0.13(1台の売上(百万ドル))→ 売上 27 億ドル・営業利益 4 億ドル。世界テレハンドラー市場×JLGシェア、JCB・マニトウとの競争。
- Jerr-Dan回収車・部品など:数量 21.5(千台(車両・部品一式換算))× 価格 0.11(一式の売上(百万ドル))→ 売上 24 億ドル・営業利益 3 億ドル。レンタル設備稼働と保有車両、保守・部品の使用量。
- Pierce・Maxi-Metal消防車:数量 1.7(千台(消防車の推計))× 価格 1.90(1台の売上(百万ドル))→ 売上 31 億ドル・営業利益 6 億ドル。北米消防車の台数×ピアースのシェア、仕様単価と訴訟。
- Oshkosh AeroTech空港設備:数量 3.1(千台(設備・搭乗橋一式換算))× 価格 0.77(一式の売上(百万ドル))→ 売上 24 億ドル・営業利益 4 億ドル。航空便・空港設備更新×エアロテックのシェア、電動化の仕様。
- McNeilusごみ収集・再資源化車:数量 4.1(千台(車両の推計))× 価格 0.37(1台の売上(百万ドル))→ 売上 15 億ドル・営業利益 2 億ドル。自治体・民間収集会社の買替え台数と車両の電動化。
- IMT・S-Series等職業用特殊車:数量 5.3(千台(架装・車両一式換算))× 価格 0.22(一式の売上(百万ドル))→ 売上 12 億ドル・営業利益 2 億ドル。職業用架装・クレーン市場の数量と価格競争。
- Oshkosh Defense軍用輸送車:数量 3.6(千台(車両・保守売上換算))× 価格 0.89(一式の売上(百万ドル))→ 売上 32 億ドル・営業利益 4 億ドル。米軍の中・大型車両の調達と落札比率、契約単価。
- 米郵政公社NGDV次世代配達車:数量 3.5(千台(納車換算))× 価格 0.19(1台の売上(百万ドル))→ 売上 6 億ドル・営業利益 1 億ドル。USPS次世代配達車の確定発注と契約満了、初期費用償却。
倍率:k8.5%、g4.0%は実質市場+0.5%、シェア+0.2%、価格+3.3%を成長の上限4%に調整した値。事業ROE18.0%(18.0÷100)と普通の堀の残存率1/2によりRONIC13.25%、翌年利益の正当化PER15.5倍、10年目の当期利益基準の上限は約16.1倍。消防・空港の成果が定着する筋書きでも景気と政府入札の不確実性が残るので上限約94%の15.1倍。純現金の加算はなくGAAP純利益を使う。
確率:消防車の長い受注残が滞りなく納品に転じ、空港の設備更新とJLGのシェア拡大が同時に実現する必要がある。2026年の工場遅延と反トラスト訴訟を踏まえ、大幅上振れには11%だけ割り当てた。
やや楽観 19% JLGが回復し、消防・空港の増産が着実に利益へ変わる 利益 15 億ドル · PER 13.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 318.16 ドル199 億ドル
建設会社とレンタル業者の設備更新が持ち直し、JLGの高所作業車は約4.5万台へ増える。平均単価は物価の上昇をほぼ取り込むが、ジニーとディンリーが競争を続けるため、利益率の拡大は限られる。伸縮式フォークリフトも約1.75万台となり、マニトウやJCBのシェアを大きく崩さずに市場の伸びを得る。
ピアースは約1,480台を納入し、消防車一台当たりの売上は178万ドルへ上がる。工場の生産性が回復し、REVグループやローゼンバウアーと競争しても営業利益率18%を維持する。空港地上設備の更新は電動化と保守で増え、職業用車両全体が利益の中心になる。米軍では中・大型車両の契約を更新するが、軽戦術車両の失注は完全には埋め戻せない。
郵便車の追加発注は限定され、2035年には売上が縮小する。既存の設備回収はほぼ済む一方、事業の新しい柱にはしない。大型買収は行わず、10年間で約60億ドルを株主へ正味還元する。会社が掲げた高い目標に部分的に近づくが、営業利益率を一律に最大水準まで高めない。
- JLG高所作業車:数量 45.0(千台(機械台数の推計))× 価格 0.08(1台の売上(百万ドル))→ 売上 38 億ドル・営業利益 5 億ドル。建設レンタルと更新の市場台数、ジニー・ディンリーとのシェアと価格競争。
- JLG伸縮式フォークリフト:数量 17.5(千台(機械台数の推計))× 価格 0.13(1台の売上(百万ドル))→ 売上 22 億ドル・営業利益 3 億ドル。世界テレハンドラー市場×JLGシェア、JCB・マニトウとの競争。
- Jerr-Dan回収車・部品など:数量 19.5(千台(車両・部品一式換算))× 価格 0.11(一式の売上(百万ドル))→ 売上 21 億ドル・営業利益 2 億ドル。レンタル設備稼働と保有車両、保守・部品の使用量。
- Pierce・Maxi-Metal消防車:数量 1.5(千台(消防車の推計))× 価格 1.78(1台の売上(百万ドル))→ 売上 26 億ドル・営業利益 5 億ドル。北米消防車の台数×ピアースのシェア、仕様単価と訴訟。
- Oshkosh AeroTech空港設備:数量 2.7(千台(設備・搭乗橋一式換算))× 価格 0.74(一式の売上(百万ドル))→ 売上 20 億ドル・営業利益 3 億ドル。航空便・空港設備更新×エアロテックのシェア、電動化の仕様。
- McNeilusごみ収集・再資源化車:数量 3.7(千台(車両の推計))× 価格 0.36(1台の売上(百万ドル))→ 売上 13 億ドル・営業利益 2 億ドル。自治体・民間収集会社の買替え台数と車両の電動化。
- IMT・S-Series等職業用特殊車:数量 4.7(千台(架装・車両一式換算))× 価格 0.21(一式の売上(百万ドル))→ 売上 10 億ドル・営業利益 1 億ドル。職業用架装・クレーン市場の数量と価格競争。
- Oshkosh Defense軍用輸送車:数量 3.1(千台(車両・保守売上換算))× 価格 0.85(一式の売上(百万ドル))→ 売上 26 億ドル・営業利益 2 億ドル。米軍の中・大型車両の調達と落札比率、契約単価。
- 米郵政公社NGDV次世代配達車:数量 2.0(千台(納車換算))× 価格 0.18(1台の売上(百万ドル))→ 売上 4 億ドル・営業利益 0 億ドル。USPS次世代配達車の確定発注と契約満了、初期費用償却。
倍率:k8.5%、g4.0%は建機市場の実質+0.4%、シェア+0.1%、製品単価+3.5%を反映。事業ROE16.0%(14.5÷90.6)、普通の堀でRONIC12.25%、正当化PERの10年目利益基準上限は15.6倍。景気感応度と消防車の訴訟を割り引いて上限の88%に当たる13.7倍を用いる。GAAP純利益に対し純現金上乗せなし。
確率:受注残と空港設備の更新は実在するため、工程改善が半ば成功する可能性は現実的である。ただし消防車の価格訴訟と郵便契約の条件を楽観どおりに解決するのは難しく、19%とした。
中立 35% 消防・空港が伸び、JLGは穏やかな回復にとどまる 利益 12 億ドル · PER 12.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 235.72 ドル147 億ドル
2035年のJLG高所作業車は約4.1万台とし、世界市場は実質で緩やかに拡大するが、ジニー、ディンリーとの競争でシェアはおおむね維持にとどまる。販売単価は2025年より約39%高く、物価上昇を主に反映する。伸縮式フォークリフトも約1.52万台となる。レンタル業者の資金調達が重いため、JLGの利益率を過去の好況の頂点へ戻さない。
北米消防車市場は約4,800台に広がり、ピアースは約1,370台、シェアは約29%を保つ。工場の遅れを徐々に修正し、消防車の営業利益率は18%。訴訟の進展や競争で極端な値上げは難しくなるが、仕様高度化と物価に沿う改定を続ける。空港の設備更新は航空便の増加と車両の電動化で伸び、テキストロンやITW GSEと競っても既存の据付・保守網が残る。
防衛は米軍のFMTV・FHTV更新を得る一方、AMゼネラルの攻勢で成長は緩い。郵便車は契約満了が近く、2035年の出荷は小さくなる。全社純利益は約11.7億ドルとなり、10年間の正味還元は約58億ドル。大きな増資や買収を行わず、自己資本を約78億ドルへ増やす。
- JLG高所作業車:数量 41.0(千台(機械台数の推計))× 価格 0.08(1台の売上(百万ドル))→ 売上 34 億ドル・営業利益 4 億ドル。建設レンタルと更新の市場台数、ジニー・ディンリーとのシェアと価格競争。
- JLG伸縮式フォークリフト:数量 15.2(千台(機械台数の推計))× 価格 0.12(1台の売上(百万ドル))→ 売上 19 億ドル・営業利益 2 億ドル。世界テレハンドラー市場×JLGシェア、JCB・マニトウとの競争。
- Jerr-Dan回収車・部品など:数量 18.0(千台(車両・部品一式換算))× 価格 0.10(一式の売上(百万ドル))→ 売上 19 億ドル・営業利益 2 億ドル。レンタル設備稼働と保有車両、保守・部品の使用量。
- Pierce・Maxi-Metal消防車:数量 1.4(千台(消防車の推計))× 価格 1.71(1台の売上(百万ドル))→ 売上 23 億ドル・営業利益 4 億ドル。北米消防車の台数×ピアースのシェア、仕様単価と訴訟。
- Oshkosh AeroTech空港設備:数量 2.4(千台(設備・搭乗橋一式換算))× 価格 0.70(一式の売上(百万ドル))→ 売上 17 億ドル・営業利益 3 億ドル。航空便・空港設備更新×エアロテックのシェア、電動化の仕様。
- McNeilusごみ収集・再資源化車:数量 3.3(千台(車両の推計))× 価格 0.35(1台の売上(百万ドル))→ 売上 12 億ドル・営業利益 2 億ドル。自治体・民間収集会社の買替え台数と車両の電動化。
- IMT・S-Series等職業用特殊車:数量 4.1(千台(架装・車両一式換算))× 価格 0.20(一式の売上(百万ドル))→ 売上 8 億ドル・営業利益 1 億ドル。職業用架装・クレーン市場の数量と価格競争。
- Oshkosh Defense軍用輸送車:数量 2.7(千台(車両・保守売上換算))× 価格 0.81(一式の売上(百万ドル))→ 売上 22 億ドル・営業利益 2 億ドル。米軍の中・大型車両の調達と落札比率、契約単価。
- 米郵政公社NGDV次世代配達車:数量 0.9(千台(納車換算))× 価格 0.17(1台の売上(百万ドル))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。USPS次世代配達車の確定発注と契約満了、初期費用償却。
倍率:k8.5%、長期g3.5%は市場数量の実質+0.2%、シェア横ばい、単価+3.3%の合計でありROEから出さない。事業ROE15.0%(純利益11.7÷自己資本78)、普通の堀の残存率1/2でRONIC11.75%。来年利益での正当化PER14.0倍、10年目利益へ直した上限14.5倍に対し、消防訴訟と機械需要の振れを見込み約86%の12.5倍。GAAP純利益であり現金の二重計上はしない。
確率:消防・空港の更新需要は必需性が高く、2026年の受注残もある。しかし郵便車の利益回収と消防車の増産目標には不確実性がある。実行が部分的に成功する中立を35%として最も厚くした。
やや悲観 23% JLGの競争が強まり、消防の値上げと郵便案件の回収が鈍る 利益 6 億ドル · PER 9.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 112.43 ドル70 億ドル
レンタル会社の設備投資が重く、高所作業車は約3.2万台へ減る。ジニーと中国のディンリーが価格を引き下げ、JLGのシェアは2025年から数ポイント落ちる。平均単価は物価の上昇を十分に転嫁できず、同事業の営業利益率は10%まで下がる。テレハンドラーでもJCBとマニトウへの顧客流出が起こる。
消防車市場は約4,500台のまま、ピアースは約1,160台に縮小し、シェアは26%前後になる。訴訟への対応と競合の生産増で価格改定が鈍り、消防車の利益率は14.5%に落ちる。空港設備は更新需要が残るが、テキストロンに一部案件を奪われる。防衛ではAMゼネラルとの入札競争で中型車の採算が悪化する。米郵政公社の追加注文は少なく、郵便専用ラインの整理費用がかかる。
10年間の純利益累計は約55億ドルにとどまる。初めの数年は生産遅延と訴訟費用で低い利益を計上し、その後に部分回復するため、単純な始点と終点の平均より小さい。配当を維持しつつ自社株買いを減らし、株式報酬を控除した正味還元は約33億ドルになる。
- JLG高所作業車:数量 32.0(千台(機械台数の推計))× 価格 0.08(1台の売上(百万ドル))→ 売上 24 億ドル・営業利益 2 億ドル。建設レンタルと更新の市場台数、ジニー・ディンリーとのシェアと価格競争。
- JLG伸縮式フォークリフト:数量 10.8(千台(機械台数の推計))× 価格 0.11(1台の売上(百万ドル))→ 売上 12 億ドル・営業利益 1 億ドル。世界テレハンドラー市場×JLGシェア、JCB・マニトウとの競争。
- Jerr-Dan回収車・部品など:数量 15.5(千台(車両・部品一式換算))× 価格 0.10(一式の売上(百万ドル))→ 売上 15 億ドル・営業利益 1 億ドル。レンタル設備稼働と保有車両、保守・部品の使用量。
- Pierce・Maxi-Metal消防車:数量 1.2(千台(消防車の推計))× 価格 1.57(1台の売上(百万ドル))→ 売上 18 億ドル・営業利益 3 億ドル。北米消防車の台数×ピアースのシェア、仕様単価と訴訟。
- Oshkosh AeroTech空港設備:数量 2.2(千台(設備・搭乗橋一式換算))× 価格 0.64(一式の売上(百万ドル))→ 売上 14 億ドル・営業利益 2 億ドル。航空便・空港設備更新×エアロテックのシェア、電動化の仕様。
- McNeilusごみ収集・再資源化車:数量 2.8(千台(車両の推計))× 価格 0.32(1台の売上(百万ドル))→ 売上 9 億ドル・営業利益 1 億ドル。自治体・民間収集会社の買替え台数と車両の電動化。
- IMT・S-Series等職業用特殊車:数量 3.5(千台(架装・車両一式換算))× 価格 0.17(一式の売上(百万ドル))→ 売上 6 億ドル・営業利益 1 億ドル。職業用架装・クレーン市場の数量と価格競争。
- Oshkosh Defense軍用輸送車:数量 2.3(千台(車両・保守売上換算))× 価格 0.75(一式の売上(百万ドル))→ 売上 17 億ドル・営業利益 1 億ドル。米軍の中・大型車両の調達と落札比率、契約単価。
- 米郵政公社NGDV次世代配達車:数量 0.3(千台(納車換算))× 価格 0.17(1台の売上(百万ドル))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。USPS次世代配達車の確定発注と契約満了、初期費用償却。
倍率:k8.5%、長期g2.5%は実質数量−0.5%、市場シェア−0.3%、名目単価+3.3%から得る。ROEは6.4÷67=9.55%、普通の堀の残存率1/2によるRONIC9.03%、正当化PERの10年目利益基準上限は約12.4倍。構造的なシェア喪失と値上げ力後退により約77%の9.5倍で評価。中立より低く、資産額から逆算しない。
確率:高金利の建機需要、消防車訴訟、米郵政公社の追加発注の不確かさのうち複数が悪化する。会社が生き残りながら収益性を失う筋書きとして23%を配分した。
悲観 12% 消防訴訟と郵便契約の損失が重なり、製造の競争力が後退 利益 2 億ドル · PER 7.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 26.43 ドル17 億ドル
高所作業車は約2.7万台に縮み、ジニーやディンリーにシェアを奪われる。利益率は7.5%まで下がり、テレハンドラーの利益率も5.5%へ悪化する。北米消防車市場が約4,500台あってもピアースの納入は約950台に落ち、シェアは21%前後となる。訴訟の和解・補償負担に加え、競合の増産で価格が伸びず、消防車の営業利益率は8%に下がる。
米郵政公社の契約は十分な追加注文を得られず、生産設備と繰延契約費用の一部を処分する。軍用車両ではAMゼネラルなどとの競争に敗れ、中型車の契約を失う。空港では搭乗橋・電動車の保守需要が残るため営業赤字には陥らないが、価格競争によって利益は薄い。現場に必要な車をつくる企業として生き残るものの、拡大のための資本は低い利回りしか生まない。
初期の利益後に消防訴訟と郵便契約の減損が重なり、2030年代前半の低迷を経て10年間の純利益累計は約20億ドルとなる。配当は大幅に減らし、自社株買いを停止して正味還元は約8億ドルだけとする。買収済みののれんと繰延契約費用に清算価値を認めず、売れる資産から負債と処分費を引いた床を下敷きにする。
- JLG高所作業車:数量 27.0(千台(機械台数の推計))× 価格 0.07(1台の売上(百万ドル))→ 売上 18 億ドル・営業利益 1 億ドル。建設レンタルと更新の市場台数、ジニー・ディンリーとのシェアと価格競争。
- JLG伸縮式フォークリフト:数量 8.5(千台(機械台数の推計))× 価格 0.10(1台の売上(百万ドル))→ 売上 8 億ドル・営業利益 0 億ドル。世界テレハンドラー市場×JLGシェア、JCB・マニトウとの競争。
- Jerr-Dan回収車・部品など:数量 12.0(千台(車両・部品一式換算))× 価格 0.09(一式の売上(百万ドル))→ 売上 10 億ドル・営業利益 1 億ドル。レンタル設備稼働と保有車両、保守・部品の使用量。
- Pierce・Maxi-Metal消防車:数量 1.0(千台(消防車の推計))× 価格 1.46(1台の売上(百万ドル))→ 売上 14 億ドル・営業利益 1 億ドル。北米消防車の台数×ピアースのシェア、仕様単価と訴訟。
- Oshkosh AeroTech空港設備:数量 1.8(千台(設備・搭乗橋一式換算))× 価格 0.59(一式の売上(百万ドル))→ 売上 11 億ドル・営業利益 1 億ドル。航空便・空港設備更新×エアロテックのシェア、電動化の仕様。
- McNeilusごみ収集・再資源化車:数量 2.3(千台(車両の推計))× 価格 0.30(1台の売上(百万ドル))→ 売上 7 億ドル・営業利益 0 億ドル。自治体・民間収集会社の買替え台数と車両の電動化。
- IMT・S-Series等職業用特殊車:数量 2.8(千台(架装・車両一式換算))× 価格 0.16(一式の売上(百万ドル))→ 売上 4 億ドル・営業利益 0 億ドル。職業用架装・クレーン市場の数量と価格競争。
- Oshkosh Defense軍用輸送車:数量 1.7(千台(車両・保守売上換算))× 価格 0.70(一式の売上(百万ドル))→ 売上 12 億ドル・営業利益 0 億ドル。米軍の中・大型車両の調達と落札比率、契約単価。
- 米郵政公社NGDV次世代配達車:数量 0.1(千台(納車換算))× 価格 0.15(1台の売上(百万ドル))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。USPS次世代配達車の確定発注と契約満了、初期費用償却。
倍率:事業ROEは2.2÷57.5=3.8%でk8.5%を下回るため、PERの絶対上限は1÷k=11.8倍。市場・シェア・単価の停滞から長期g1.0%とし、縮小事業に再投資するリスクを反映して7.5倍だけ認める。GAAP純利益2.2億ドル×7.5倍=16.5億ドルで、純負債を考慮した売却可能資産の床12.0億ドルより高い。過去のPBRの安値から決めていない。
確率:消防車の価格競争が強まり、建機需要が落ち込み、郵便契約の回収にも失敗する複合的な不振を想定する。公的車両の需要が完全に消えるわけではないので12%としたが、資産の売却価値まで慎重に評価する。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
JLG高所作業車
建築、橋梁や工場の点検で使うシザーリフトとブームリフト。レンタル業者が主な発注者。
| 数量千台(機械台数の推計) | 価格1台の売上(百万ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 36.5 | 0.06 | 22 | 3 |
| 10 年後 中立 | 41.0 | 0.08 | 34 | 4 |
取り方:2025年10-Kに高所作業車の売上21.939億ドルが開示されるが、販売台数は非開示。米国と世界のシザー・ブーム製品の価格帯を加重して平均約6.0万ドルと推定し、約3.65万台に逆算した。JLGの数量は世界AWP市場約137~198億ドル(QY Researchの2026年1月報告とGrand View Research)×推定売上シェア11~16%で検算。競合はジニー、ディンリー、スカイジャック。部門利益を製品別へ分けた2.85億ドルは推定である。
JLG伸縮式フォークリフト
建設・農業・資材運搬のテレハンドラー。JCBやマニトウと競争する。
| 数量千台(機械台数の推計) | 価格1台の売上(百万ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 13.0 | 0.09 | 11 | 1 |
| 10 年後 中立 | 15.2 | 0.12 | 19 | 2 |
取り方:会社開示の2025年売上11.416億ドル。販売台数の開示がないため、市場の製品構成から平均約8.8万ドル/台と推定して約1.3万台とした。世界テレハンドラー市場約78億ドル(Global Market Insights、2026年8月)に対し売上比約15%で、JCB約19%、マニトウ約19%と比べて整合する。営業利益1.25億ドルはJLG部門全体の収益を用途別に配分した推定。
Jerr-Dan回収車・部品など
牽引・事故車回収用の特殊車両、既存の高所作業車の交換部品や保守。
| 数量千台(車両・部品一式換算) | 価格一式の売上(百万ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 15.0 | 0.08 | 12 | 1 |
| 10 年後 中立 | 18.0 | 0.10 | 19 | 2 |
取り方:10-Kのアクセスその他売上11.589億ドルを使用。部品とサービスを含むため、車両換算で平均約7.7万ドルの一式約1.5万件に置き、実台数ではなく機械換算と明記した。Jerr-Danの回収車やJLGの補修部品の個別売上・台数は非開示。営業利益0.92億ドルは部門営業利益の残りを割り振る推定である。
Pierce・Maxi-Metal消防車
自治体向けの消防ポンプ車、はしご車、救助車と改装・部品。
| 数量千台(消防車の推計) | 価格1台の売上(百万ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1.3 | 1.21 | 15 | 3 |
| 10 年後 中立 | 1.4 | 1.71 | 23 | 4 |
取り方:会社開示の2025年消防車売上15.162億ドル。車種により消防ポンプ車約110万ドル、はしご車約200万ドルと大きく違う。加重平均121万ドルから約1250台と推定した。ローゼンバウアー2025年年次報告が開示する北米市場年間4500台の約28%に相当し、REV・ローゼンバウアーと競う。営業利益2.73億ドルはVocationalの内訳推定で、価格の談合は訴訟上の主張にすぎない。
Oshkosh AeroTech空港設備
搭乗橋、旅客搭乗設備、航空機地上支援車両、保守部品。
| 数量千台(設備・搭乗橋一式換算) | 価格一式の売上(百万ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2.0 | 0.50 | 10 | 1 |
| 10 年後 中立 | 2.4 | 0.70 | 17 | 3 |
取り方:2025年10-Kの空港関連売上9.753億ドル。搭乗橋、貨物車、支援機器、保守が混じり正確な台数は不明なので、約50万ドルの設備一式1950件に換算した。世界地上支援市場約96億ドル(Global Market Insights、2026年8月)、同社の推計シェアは約7.7%だが、搭乗橋の範囲を含む開示売上とは厳密に一致しない。テキストロンGSE、ITW GSEと競い、利益1.37億ドルは推定。
McNeilusごみ収集・再資源化車
自治体・廃棄物回収会社の圧縮式ごみ収集車と電動モデル。
| 数量千台(車両の推計) | 価格1台の売上(百万ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 3.0 | 0.25 | 7 | 1 |
| 10 年後 中立 | 3.3 | 0.35 | 12 | 2 |
取り方:10-Kの売上7.439億ドル。シャーシと架装を含む北米ごみ収集車の車両価格を約25万ドルと推定し、約3000台へ換算した。需要は自治体の更新と民間廃棄物会社の設備投資で、競合はハイル(テレックス)、ニューウェイ、ラブリー。数量の会社開示がないので利益0.97億ドルとともに推計値である。
IMT・S-Series等職業用特殊車
車載クレーン、コンクリートミキサー、移動通信・救急向け車両。
| 数量千台(架装・車両一式換算) | 価格一式の売上(百万ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 3.5 | 0.14 | 5 | 0 |
| 10 年後 中立 | 4.1 | 0.20 | 8 | 1 |
取り方:10-KのVocationalその他売上4.915億ドル。車載クレーンの架装単品からミキサー車まで幅が大きいので平均約14万ドルの換算一式3500件にした。実際の台数は非開示。競合はタダノ、テレックス傘下の機器メーカーなどで、営業利益0.401億ドルは部門利益の残余とする推定。
Oshkosh Defense軍用輸送車
米軍向け中・大型戦術トラック、整備・部品、関連装備。
| 数量千台(車両・保守売上換算) | 価格一式の売上(百万ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2.8 | 0.58 | 16 | 1 |
| 10 年後 中立 | 2.7 | 0.81 | 22 | 2 |
取り方:2025年10-Kの防衛売上16.280億ドル。FMTV・FHTV・特殊搭載装備・保守で単価が違い、平均約58万ドルの車両一式2800件に換算した。軍の発注額が市場規模に相当し、固定シェアより個々の契約更新が支配的。軽戦術JLTVの新規主契約はAMゼネラルに移り、競争相手には同社やBAEがある。営業利益1.35億ドルは輸送部門からの推定配分。
米郵政公社NGDV次世代配達車
米郵政公社向け専用配達車。電動型と内燃機関型を生産する。
| 数量千台(納車換算) | 価格1台の売上(百万ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 3.6 | 0.13 | 5 | −1 |
| 10 年後 中立 | 0.9 | 0.17 | 2 | 0 |
取り方:2025年10-Kの郵便車両売上4.687億ドルを使用。量産開始期の契約費用を含む納車換算単価約13.0万ドルから約3600台と仮定したもので、会社の実納車台数ではない。2025年末の確定発注は5.15万台、最大購入枠16.5万台は注文保証ではない。繰延契約費用8.255億ドルと将来利益不足1.35億ドルから損失を見込み、製品営業損益−0.572億ドルは部門全体からの推定配賦。
リスクと懸念
消防車の値上げを巡る反トラスト訴訟
2026年には消防車メーカーへの価格協調を主張する集団訴訟が進み、オシュコシュとピアースも被告となっている。違法行為が確定したわけではないが、和解金や訴訟費用、価格改定への監視が強まると、職業用車両の強みである利益率が下がる。2025年の値上げ効果を恒久的な堀と扱わない。
郵便配達車の確定注文不足と繰延契約費用
USPS向けNGDVの最大16.5万台は発注保証ではなく、2025年末の確定注文は5.15万台である。開発・工場準備の繰延費用は約8.3億ドルで、既存注文から見込む利益を約1.35億ドル上回るという会社開示がある。量産が増えても採算が悪ければ、現金流出と追加減損を招く。
JLGの建設設備投資サイクル
高所作業車の買い手は建設会社とレンタル業者であり、金利が高いと車両を長く使い、新車購入を先延ばしにする。ジニー、ディンリー、スカイジャックなどの競争相手は値引きで顧客を取りうる。世界市場の数量が増えてもJLGのシェアが落ちれば、生産設備の固定費が利益を削る。
防衛契約の入札と調達予算
軍用車両の売上は米軍の年度予算と特定の長期契約に依存する。軽戦術車両の後継契約ではAMゼネラルが選ばれたように、過去の受注は次の契約を保証しない。FMTV・FHTVの更新を失えば、関連設備と保守の採算が急落する。地政学上の緊張を永久の数量成長とみなすことはできない。
消防車工場の製造能力と受注残の品質
2026年4~6月期は売上増に反して営業利益が減り、消防車工場の生産工程の改善が当初予定より緩やかになった。受注残は約148億ドルあるが、納期遅延、材料費、労務費の増加で予定の利益に転換できない可能性がある。顧客の前受金を自由に使える余剰現金と誤認してはならない。
買収価格と投下資本の回収
2023年に取得したエアロテック、ヒノワと2024年のAUSAにより、販路と技術は広がった。しかし買収時に支払ったのれんや無形資産は、資金を回収する保証にはならない。買収後の増分ROICが資本コストを下回れば、会計上の売上が伸びても株主価値は増えない。将来の大型買収は成功を前提にしない。
公共顧客の予算・電動化とAI機能への対応
消防車、ごみ収集車、空港設備は運用寿命が長いが、自治体税収や航空会社の設備投資が悪化すると更新が遅れる。電動化と自律走行の対応費用も先に発生する。人月・席課金を売る事業ではないのでAIエージェント代替の直接リスクは小さいが、製品の制御技術で後れを取ればシェアを失う。
今後の分かれ目
- 消防車の生産台数が回復し、納期が継続的に短縮すると同時に利益率が16%超で定着する
- 受注残が採算を伴って現金化される証拠となるため、職業用車両の数量と利益率、上振れの確率を見直す。
- 消防車訴訟で大きな損害賠償や価格改定の制約が具体化する
- ピアースの平均販売単価と営業利益率を下げ、悲観側の確率を増やす。競争違反の認定と単なる訴えは区別する。
- USPS向け確定発注が追加され、繰延契約費用の回収超過額が消える
- 輸送部門の採算改善を確認し、郵便車の赤字前提を緩める。ただし2030年代前半の契約期限を越えて販売が続くとは推定しない。
- USPSの追加発注が止まり、繰延契約費用の減損が発生する
- 郵便車の数量と純利益、正味還元の見通しを引き下げ、累積損失を自己資本へ反映する。
- JLGの世界高所作業車シェアが14%前後を維持し、レンタル業者の新規投資が回復する
- 中立の高所作業車台数を上方修正する。価格上昇と数量増を分け、原価上昇を差し引いた営業利益率で検証する。
- 空港地上支援機器で電動化案件と保守の継続収入が増え、AeroTechの増分ROICが資本コストを超える
- 買収で得た保守網が本当の堀に育つため、空港のシェアと長期の利益率を上げる。
- 純利益が伸びてもキャッシュフローが細り、自社株買いが株式報酬の相殺だけになる
- 正味のpayoutとオーナー利益を減らし、会計上の成長が株主の手元に届いていないと判断する。
見ておくもの
- JLGの高所作業車・テレハンドラー別売上と受注、レンタル会社の稼働率・投資額
- ピアースの消防車の納入台数、平均単価、受注残から売上への転換率
- 消防車の反トラスト訴訟の手続・和解・規制当局の判断
- Oshkosh AeroTechの搭乗橋・電動地上支援機器の受注と保守契約
- FMTV・FHTVなど米軍契約の再入札、AMゼネラルの受注状況
- USPSのNGDV確定発注、月間納車ペース、繰延契約費用と採算
- 営業利益率とフリーキャッシュフローの差、純負債・設備投資・株式報酬控除後の総還元
- 2026年10月29日公表予定の2026年第3四半期決算と通期見通し
倍率と資本コストの決め方
現在の時価総額から倍率を逆算せず、2025年10-Kの九つの製品群売上を台数または設備一式の数量×平均単価に分解した。数量の一部は非開示なので市場規模と実勢単価から明示的に推定した。10年後はセグメント別の競争と価格転嫁を反映し、連結営業利益からGAAP純利益へつないだ。kは8.0%に品質0.5%を加える。普通の堀の残存率1/2と事業ROE・長期gから正当化PERを求め、10年目利益基準へ直し、楽観~中立は上限の約86~94%とした。純負債9億ドルなので余剰純現金の別途加算はしない。悲観は将来の帳簿純資産を清算価値とせず、現在の売れる資産から床を計算した。今の株価や過去のPER・PBRは倍率に使っていない。米国ASC842のリース負債は既に帳簿に入り、維持費用も利益へ含める。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。米国株の基本8.0%+四つの事業品質の合計0.5%=8.5%。普通の自動車完成車より消防・空港の更新需要が粘り強く、同領域のGMやフォードより循環が小さい。一方、JLGの景気感応度は残るため基本値そのものには下げない。資金繰りが存続危機ではなくdistress上乗せは0。株価βは使わない。