結論
チャーチル・ダウンズは、ケンタッキーダービーという米国競馬の象徴を持ち、歴史的な競馬の結果を使う電子馬券端末、オンライン馬券、地方カジノでも稼ぐ会社である。筆者は今の評価をやや割高と見る。催事のブランドと州ごとの営業許認可は本物の堀だが、巨額の借金と地方カジノ事業の先行きが、株主の取り分を不確かにするからだ。
2025年の売上は約29.3億ドル、営業利益は約7.4億ドル、純利益は約3.8億ドルだった。競馬・歴史馬券が売上の半分近くを占めるが、安定した興行収入だけの会社ではない。2026年4〜6月期は売上9.8億ドル、純利益2.41億ドルを記録し、ダービー週の最高記録と電子馬券施設の拡張が寄与した。ただしダービーがある春の利益を四半期から単純に年換算してはならない。
2026年7月、会社は九つの地方カジノの売却を検討すると発表した。売却契約や金額は決まっていないため、評価には将来の売却益を先取りせず、既存施設が続く姿を基準とした。2026年9月の借入契約延長は目先の資金繰りを改善するが、2025年末の純負債は約49億ドルもあり、利益の積み増しをすべて還元に使える会社ではない。
2035年の中立では、歴史馬券の端末と単価が少しずつ増え、競馬場の高単価席も増える。一方、バージニア州の新カジノやオンライン馬券の競争が伸びを削り、純利益は約6.5億ドルにとどまる。五つの筋書きの現在価値は約49億ドルで、下調べの時価総額約60億ドルより約18%低い。良い資産を抱えていても、今の値段に十分な安全域はない。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず「二度と作れないもの」を評価したい。ケンタッキーダービーの歴史と知名度は、競争相手が設備を買っても獲得できない。州の営業免許、繁忙期の高単価席、第三者にも提供する馬券決済基盤を組み合わせれば、十年後も客からお金を受け取る道筋は見える。この部分だけなら長く保有できる事業である。
ところが、同社はブランドの使用料だけをもらう軽い会社ではない。賭博端末とカジノには建物、機械、保守、人員が必要で、規制税も大きい。2025年の営業現金収入は約7.7億ドルあったが、借金と設備拡張を抱えるため、純利益のすべてを株主へ現金で返すのは難しい。自社株買いでROEを押し上げても、それ自体が成長や価値の証拠にはならない。
投じた資本の税後利益率が資本コストとほぼ並ぶ点は、最も重い留保である。新施設が一台あたりの利益を高く生むなら資本を投じる価値があるが、近隣カジノができて客が移るなら、ただの重い不動産になる。経営陣が売却を検討する地方カジノの取扱いは、過去の買収を振り返る重要な試験となる。値段の悪い売却も、返済せずに進める高値買収も株主の利益を損なう。
いま必要なのは、華やかなダービーの映像ではなく、通常年の現金がどれだけ負債を減らし、十年後まで本当に残るかという答えだ。中立の成長を期待しても、現時点の時価総額には十分な値下がり余地が織り込まれていない。強い堀を認めながら、買う値段には厳しくなるべき銘柄である。
何で稼ぐ会社か
稼ぎ頭は「生の競馬と歴史馬券」である。競馬場の収入には、約80日の開催で得る馬券取扱手数料だけでなく、ダービーの入場券、特別席、放映権、協賛金、飲食が入る。2025年のチャーチル・ダウンズ競馬場の売上は約2.62億ドルだった。2026年のダービー週は全販売網の馬券発売額が4.87億ドルとなり、150年続く大会の集客力を示した。
同じ報告セグメントに含まれる歴史馬券は、過去の競走結果に基づく電子端末で遊ぶ仕組みだ。ケンタッキー州ではダービーシティやターフウェーなど、バージニア州ではロージーズとザ・ローズを運営する。2025年の両州合計売上は約11.13億ドルに達した。端末台数に、一台が年に生む実効収入を掛けると事業の変化がよく見える。さらにニューハンプシャー州にも小さな施設を持ち、2027年開業予定のロッキンガムに資金を投じる。
「賭けのサービスと仕組み」では、ツインスパイアーズがオンライン馬券を集め、ユナイテッド・トートが賭け金と払戻金を精算する。エグザクタは歴史馬券端末の中核システムを他社にも提供する。2025年のツインスパイアーズの馬券取扱額は19.81億ドルで、セグメント売上は4.88億ドルだった。後者には精算サービスと端末システム料も入るので、取扱額に対する比をそのまま馬券の手数料率とは呼べない。
残る「ゲーミング」は、地方都市のスロット、テーブルゲーム、ホテル、飲食で稼ぐ。売上は約10.43億ドルだが、イリノイ州リバーズとオハイオ州マイアミバレーの持ち分利益は、売上と営業利益に丸ごとは含まれず持分法で純利益へつながる。2026年夏に売却検討の対象となった九施設は、ほぼこの領域に属する。各施設の来客と実効収入は景気、近隣の競合、営業税率に左右される。
優良さと弱いところ
堀の中心は代わりの利かない催事と、州が数を制限する営業権である。ケンタッキーダービーは同じ日に別の会社が開催できず、2026年には来場者15万人超と歴代最高の週次馬券発売額を集めた。豪華席の増設を続けても需要が残ることは、入場料と協賛の値決め力を示す。ただし高価格が通るのはダービーであり、すべての端末と地方カジノに同じ力があるわけではない。
歴史馬券では競馬場の免許、設置場所、馬券を精算する中核技術を一体で持つ。バージニア州の歴史馬券設備は実質的に同社が運営し、ツインスパイアーズは他社が提供する競馬にも馬券を売る。ユナイテッド・トートは他社競馬場の共通基盤となり、ニューヨーク競馬協会とのサービス契約も2035年まで延長された。共同利用の基盤と蓄積された投票・精算記録が、単なる画面課金のソフトより乗り換えを難しくする。
資本効率には見かけの良さと弱さが混ざる。2025年のROEは約38%だが、自己資本を自社株買いと借入で小さくしていることが一因だ。税後営業利益を自己資本と純負債の合計で割ると、投下資本利益率はおよそ9%にすぎない。2022年末からの税後営業利益の増分は大きく、投資の実を結びつつあるが、買収の通期化と新設施設の立ち上がりが混ざるため、増分利回りを恒久的な高水準と断定できない。
弱点は免許の競争条件が政治で変わり、重い固定資産と借入は不況でも消えないことだ。2026年にはバージニア州の既存店がピーターズバーグの新カジノとの競争で弱含み、州内5,000台の法定枠が数量の天井にもなっている。デジタル馬券の予想情報にはAIエージェント代替の危険があるが、現金の決済と法令に従った払戻記録まで人工知能が無許可で引き受けられるわけではない。堀は全社一律でなく、事業ごとに見分ける必要がある。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の競馬は成長市場ではない。エクイベースによれば、2025年の米国サラブレッド競馬の馬券取扱額は約110.3億ドルで前年比2.1%減、開催日数も減った。この市場でツインスパイアーズの直接公表取扱額19.81億ドルは約18%に相当するが、全国数字には海外からの投票も入り、厳密なオンライン市場占有率ではない。競合にはフラッター傘下のファンデュエル/TVG、NYRAベッツ、エックスプレスベットがいる。
歴史馬券は競馬そのものより伸びてきた。ケンタッキー州の2025年の歴史馬券粗収入は推定約10.2億ドルで、同社の州内施設売上約5.67億ドルはその約56%に当たる。ただし前者はゲーム粗収入、後者は飲食等を含む会計売上であり、正式なシェアではない。バージニア州では歴史馬券端末の運営が同社に集中する一方、2026年にはライブ!カジノの開業で既存のロージーズの稼働が落ちた。しかもバージニア州の歴史馬券端末は現行で州全体5,000台、営業拠点10カ所が上限である。2026年7月の経営陣は上限引き上げを働き掛ける意向を示したが、州法改正はまだ確定していない。端末を増やしても一台あたり売上が下がる危険が見えている。
地方カジノが属する米国の伝統的な商業カジノ市場は、米国ゲーミング協会によると2025年の粗収入が約509億ドルで、伸びは2%台だった。同社のゲーミング売上約10.4億ドルは単純比で約2%だが、対象市場と収益区分が異なるため概算にとどまる。シーザーズ、ボイド・ゲーミング、ペン・エンターテインメント、ラッシュ・ストリートなどとの地域別の奪い合いであり、全米で同じ値段を上げられる商売ではない。
今後10年は歴史馬券の設置台数の伸びが主役となり、ダービーは高付加価値席と放映権の単価上昇が主役となる。オンライン馬券は競馬全体の競走数減少を顧客維持と他社への技術提供で補う必要がある。一般のカジノ・ホテル・クルーズの業界ノートを、許可制の歴史馬券と馬券精算へそのまま当てはめるべきではない。カジノ売却が決まれば、事業規模と競合の見方を作り直さなければならない。
資本政策と M&A
過去10年の資本配分は、買収と競馬関連施設の建設に重点を置いてきた。2022年のペニンシュラ・パシフィック・エンターテインメント関連資産の取得でバージニア州の歴史馬券を大きく取り込み、2023年にはエグザクタを取得した。既存の競馬場でも高級席や設備を増設し、2028年に向けて「ビクトリー・ラン」の開発を進める。ニューハンプシャー州のロッキンガムでは約1.8〜2.0億ドルの投資を予定している。
2025年の自社株買いは約4.25億ドル、配当は約0.3億ドルだった。株式報酬約0.3億ドル相当を除くと、正味の還元は見た目より小さい。2026年6月末時点の買戻し枠は約4.30億ドル残るが、期限も実施義務もない。今後10年の買い戻し継続を会社が数字で約束しているわけではない。長期の全社利益目標も数字の約束はない。
2026年7月には九つの地方カジノの売却を模索するとSECへ届けたが、買い手も価格も未確定である。同月、ユナイテッド・トートの残る49%の持分買収にも合意したが、成立を確認できない部分の利益は先取りしない。9月には5億ドルの2033年満期借入を組み、既存の信用枠などの満期を2031年へ延長した。バージニア州の端末上限5,000台の引き上げを求めているが、現時点で認められたものではない。借り換えを進める一方、自由に使える現金を増やすには、買収価格の規律と借金の返済を優先する必要がある。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
ダービーのブランドは競技が続く限り代替できない。2026年の大会は15万人を超す観客を集め、週次の馬券販売は記録を更新し、放映視聴者も過去最高水準となった。競馬場に建てるプレミアム席は、来場者を大幅に増やさなくても一人当たり消費を引き上げる。2027年開始のサラブレッド選手権は、単発のイベントを年間の物語につなぐ可能性がある。
競馬場の外に広がった歴史馬券事業は、州ごとに許可された施設のネットワークである。ケンタッキー州とバージニア州で持つおよそ一万台の端末は、設置場所と運営技術が許認可で守られる。新しいロッキンガムや既存店の拡張が成功すれば、費用を吸収したあとの利益が早く増える。ケンタッキー州での規模は競合のケンタッキーダウンズやレッドマイルを上回る部分も多く、仕入れと顧客基盤を活用できる。
オンラインでも大きな資金を投じて総合スポーツ賭博の広告競争をする必要はない。ツインスパイアーズは競馬の専門客に絞り、ユナイテッド・トートとエグザクタは顧客が変わっても精算基盤として手数料を得る。九つの地方カジノを採算に合う値段で売れるなら借金を返済し、堀の強い施設に資本を集中できる。ただし売却益はまだ確定していない。こうした複数の事業改善がそろえば、設備と営業権の価値は現在の会計純利益から想像するより大きくなる。
慎重な見方
歴史馬券の免許は永久の独占権ではない。バージニア州では2026年のピーターズバーグ新カジノが、すでに既存のロージーズから客を奪っている。さらに州が賭博の種類や施設数を広げれば、今の一台当たり売上は伸びなくなる。ケンタッキー州でもケンタッキーダウンズ、レッドマイル、その他の競馬場系列が設備を増やし、集客費と税・賞金への拠出を押し上げる。
米国の競走馬のレース数と取扱額は減っている。ツインスパイアーズはファンデュエル/TVGやNYRAベッツと顧客を取り合い、競馬予想情報にはAIエージェント代替が及ぶ。精算の共同基盤は生き残っても、収益の伸びが物価を下回ることはあり得る。地方カジノは利益率が低く、売却しようとしても買い手が価格を下げれば借金だけが残る。売却検討中の施設の価値を、決まってもいない値段で先取りすべきでない。
2025年末の純有利子負債は約49億ドルで、自己資本の数倍ある。借り換えで返済期限を延ばせても、借入金利は長く高止まりし得る。2020年には赤字に落ち、景気や公衆衛生上の停止が来れば、端末設備の減価償却と人件費をただちには減らせない。重い借金がある会社では、営業利益が半分になるだけでも株主価値が大きく損なわれる。ダービーのブランドが残ることと、株主が儲かることは別の話である。
どちらに重みを置いたか
営業権とダービーのブランドについては前向きな見方に分がある。一方で、今の株価で何を所有するのかを考えると、借金と地方カジノの売却検討を重くみる。中立を36%、良い方を29%、悪い方を35%とした。悪い方を厚くしたのは、借入の規模と規制変更、2026年のバージニア州の競争が現に表れているためだ。競馬予想のAI代替は賭けの情報部分だけで織り込み、同じ理由で資本コストを上げていない。
五つの筋書きから出る現時点の価値は約49億ドルで、基準時価総額を約18%下回る。中立の十年後は今より大きな会社になるが、還元を含めても資本コストに見合う安全域が足りない。地方カジノの売買契約が成立すれば、売上と債務の両方を改めて評価する。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 111.85 ドル80 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 40.89 ドル29 億ドル)。 今の値に割り戻すと 73.82 ドル53 億ドル、今との差 −22.2%、 期待の年率 +5.8%(資本コスト 9.0%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 219.36 ドル158 億ドル | 72.42 ドル52 億ドル | +207.7% | +14.3% | 26.26 ドル19 億ドル |
| やや楽観 | 20% | 169.53 ドル122 億ドル | 57.10 ドル41 億ドル | +139.0% | +10.8% | 45.33 ドル33 億ドル |
| 中立 | 36% | 125.45 ドル90 億ドル | 45.96 ドル33 億ドル | +80.8% | +7.2% | 61.71 ドル44 億ドル |
| やや悲観 | 25% | 45.42 ドル33 億ドル | 25.07 ドル18 億ドル | −25.7% | −3.5% | 17.62 ドル13 億ドル |
| 悲観 | 10% | 16.88 ドル12 億ドル | 1.39 ドル1 億ドル | −80.7% | −15.6% | 1.83 ドル1 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 111.85 ドル80 億ドル | 40.89 ドル29 億ドル | +61.1% | +5.8% | 152.74 ドル110 億ドル |
今の株価時価総額 94.83 ドル68 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 9% 楽観:高単価のダービー席と歴史馬券の新施設が成功 利益 10 億ドル · PER 14.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 219.36 ドル158 億ドル
2028年のビクトリー・ランで高単価席が増え、ダービーの入場券、放映権、協賛金が伸びる。2027年のサラブレッド選手権も成功し、競馬場の複合単価は十年で約1.7倍となる。来場数を無理に倍増させず、既存施設の客単価を上げる筋書きである。
ケンタッキー州の端末は約7,000台へ増え、バージニア州は現在の法定上限5,000台を州議会が引き上げた場合に限り5,800台まで増える。許認可緩和が成立し、ピーターズバーグのカジノとの棲み分けも進むという追加条件が必要だ。ニューハンプシャー州のロッキンガムは計画どおり開業し、新施設が収益化する。オンラインの馬券取扱額はほぼ横ばいでも、精算・第三者向けシステムの付加価値が高まる。米国の競馬総額が縮むなか、他社への基盤供給で補う。
地方カジノはシーザーズやボイドとの競争をこなし、端末台数と収益が伸びる。未合意の九施設の売却益は先取りせず、現在の資産が続く姿で描く。2035年の営業利益は約16.2億ドル、純利益は10.4億ドルとなり、十年間の正味還元は52億ドル。新設施設の増分利回りが資本コストを上回り、債務が利益に対して軽くなる。
- チャーチル・ダウンズ競馬場とダービー:数量 88.0(年間の現地競馬開催日数(日))× 価格 0.06(開催1日あたりの年間平均の複合売上(億ドル/日))→ 売上 5 億ドル・営業利益 2 億ドル。ダービーの高級席・放映権を含む平均。日数はほぼ固定。
- ケンタッキー州の歴史馬券施設:数量 7,000(年間平均稼働の歴史馬券端末(台))× 価格 0.00(端末1台あたり年間複合売上(億ドル/台))→ 売上 12 億ドル・営業利益 5 億ドル。免許下の端末台数と実質稼働・単価の組み合わせ。
- バージニア州の歴史馬券施設:数量 5,800(年間平均稼働の歴史馬券端末(台))× 価格 0.00(端末1台あたり年間複合売上(億ドル/台))→ 売上 10 億ドル・営業利益 4 億ドル。現行の5,000台上限を引き上げる州法改正の成立が前提。
- ニューハンプシャー州の競馬関連賭博:数量 4.0(報告対象の州内営業施設(施設))× 価格 0.15(1施設あたり年間売上換算(億ドル/施設))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。ロッキンガムの開業と稼働段階の違い。
- ツインスパイアーズ・馬券精算・エグザクタ:数量 19.8(ツインスパイアーズ年間馬券取扱額(億ドル、Velocity等を除く))× 価格 0.33(取扱1ドル当たりの部門複合売上(ドル/取扱ドル))→ 売上 7 億ドル・営業利益 3 億ドル。取扱額は実質数量、単価は第三者向け精算等も含む複合指標。AIエージェント代替はBRISに限定。
- 保有する地方カジノと付随施設:数量 11,800(直営施設のスロット・ビデオロッタリー等(台))× 価格 0.00(1台あたりの年間複合収入(億ドル/台))→ 売上 17 億ドル・営業利益 5 億ドル。直営端末等価であり、テーブル・ホテル売上も内包。未成立の施設売却は含まない。
倍率:事業のROEは2035年GAAP純利益10.4億ドル÷同年自己資本29.1億ドル=35.7%。k9.0%、強い堀の残存割合2/3からRONIC=k+2/3×(ROE−k)=26.8%。長期g3.0%は競馬の実質市場縮小、歴史馬券の端末上限とシェア、高級席の価格上昇を合わせて推定し、ROEから逆算していない。(1−g/RONIC)÷(k−g)×(1+g)の正当化PER上限15.25倍に対し、競合と未成立の売却に関する不確実性を踏まえ上限の95%で14.48倍とする。2035年GAAP純利益10.4億ドル×14.48倍=時価総額150.592億ドル。純負債と借り換え金利は利益に織り込んだので後から差し引かない。
確率:ケンタッキーダービーの高価格席が伸び、バージニア州の5,000台上限が立法で緩和されるなど複数の条件が必要だ。現行法を超える増設を当然視せず9%。
やや楽観 20% やや楽観:許可制施設の拡張とダービーの値上げが続く 利益 8 億ドル · PER 13.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 169.53 ドル122 億ドル
ダービーの高級席は増えるが、プレミアム価格の伸びは楽観ほど大きくない。競馬場の開催はほぼ同じで、複合単価は約1.6倍となる。2026年の記録的なダービー週が継続的な協賛や放映価値につながる。
ケンタッキー州の歴史馬券は新設と既存店の改装で6,500台、バージニア州は現在の州全体の法定上限である5,000台まで増える。新カジノとの競争は部分的に響くが、ロージーズの立地と顧客基盤は残る。エグザクタは他社の歴史馬券端末に利用を広げ、賭けの取扱額が伸びなくても決済単価が増す。
地方カジノではシーザーズやペン・エンターテインメントと競争し、平均単価は物価並みに伸びる。九施設の売却は未成立として売上も配当原資も保持し、売却時の現金流入は価値に足さない。2035年には営業利益が約13.5億ドル、純利益が8.4億ドルとなる。設備投資とSBCを差し引いても、十年間で41億ドルの正味還元が可能になる。
- チャーチル・ダウンズ競馬場とダービー:数量 84.0(年間の現地競馬開催日数(日))× 価格 0.05(開催1日あたりの年間平均の複合売上(億ドル/日))→ 売上 4 億ドル・営業利益 2 億ドル。ダービーの高級席・放映権を含む平均。日数はほぼ固定。
- ケンタッキー州の歴史馬券施設:数量 6,500(年間平均稼働の歴史馬券端末(台))× 価格 0.00(端末1台あたり年間複合売上(億ドル/台))→ 売上 10 億ドル・営業利益 4 億ドル。免許下の端末台数と実質稼働・単価の組み合わせ。
- バージニア州の歴史馬券施設:数量 5,000(年間平均稼働の歴史馬券端末(台))× 価格 0.00(端末1台あたり年間複合売上(億ドル/台))→ 売上 9 億ドル・営業利益 3 億ドル。現行の州全体の法定上限まで設置する。
- ニューハンプシャー州の競馬関連賭博:数量 3.0(報告対象の州内営業施設(施設))× 価格 0.14(1施設あたり年間売上換算(億ドル/施設))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。ロッキンガムの開業と稼働段階の違い。
- ツインスパイアーズ・馬券精算・エグザクタ:数量 19.0(ツインスパイアーズ年間馬券取扱額(億ドル、Velocity等を除く))× 価格 0.32(取扱1ドル当たりの部門複合売上(ドル/取扱ドル))→ 売上 6 億ドル・営業利益 2 億ドル。取扱額は実質数量、単価は第三者向け精算等も含む複合指標。AIエージェント代替はBRISに限定。
- 保有する地方カジノと付随施設:数量 11,600(直営施設のスロット・ビデオロッタリー等(台))× 価格 0.00(1台あたりの年間複合収入(億ドル/台))→ 売上 16 億ドル・営業利益 5 億ドル。直営端末等価であり、テーブル・ホテル売上も内包。未成立の施設売却は含まない。
倍率:事業のROEは2035年GAAP純利益8.4億ドル÷同年自己資本30.1億ドル=27.9%。k9.0%、強い堀の残存割合2/3からRONIC=k+2/3×(ROE−k)=21.6%。長期g3.0%は競馬の実質市場縮小、歴史馬券の端末上限とシェア、高級席の価格上昇を合わせて推定し、ROEから逆算していない。(1−g/RONIC)÷(k−g)×(1+g)の正当化PER上限14.78倍に対し、競合と未成立の売却に関する不確実性を踏まえ上限の90%で13.30倍とする。2035年GAAP純利益8.4億ドル×13.30倍=時価総額111.720億ドル。純負債と借り換え金利は利益に織り込んだので後から差し引かない。
確率:バージニア州は法定上限5,000台の範囲内で稼働を高め、ケンタッキー州では歴史馬券の新施設が許可され、高価格帯の席もよく売れる一方、オンライン馬券の実質数量は伸びないとする現実的な好転。一定の競争を織り込み20%。
中立 36% 中立:歴史馬券は増えるが新カジノと競馬離れが一部を相殺 利益 7 億ドル · PER 12.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 125.45 ドル90 億ドル
競馬場の開催日は大きく変わらず、高価格帯の客席や放映権の伸びで開催日あたり収入は物価を少し上回る。2028年の改修は新しい来場者を大量に作るのではなく、ダービーをより高い価格で楽しむ人に資金を使う。ブランドの堀は維持されるが、建設した客席にも保守費は掛かる。
ケンタッキー州の歴史馬券は約5,900台へ増え、台あたり収入は十年で1.39倍となる。バージニア州は現行法の上限5,000台を超えず4,900台にとどまり、ピーターズバーグのカジノなどとの競争で単価の伸びが物価を下回る。ニューハンプシャーはロッキンガムが寄与するが、初期費用も大きい。競馬の取扱市場は緩やかに縮み、ツインスパイアーズの馬券取扱額は0.90倍に減る。契約に守られる精算技術とエグザクタが、予想情報のAI代替を一部補う。
地方カジノの端末はゆっくり増え、平均収入は物価をやや下回る。売却検討中の九施設は契約未成立のため引き続き連結し、売却代金も計上しない。2035年の売上は約40.9億ドル、営業利益は約11.2億ドル、純利益は6.5億ドルとなる。10年間の純利益累計51.5億ドルから正味33億ドルを還元し、自己資本は28.6億ドルへ増える。
- チャーチル・ダウンズ競馬場とダービー:数量 83.0(年間の現地競馬開催日数(日))× 価格 0.05(開催1日あたりの年間平均の複合売上(億ドル/日))→ 売上 4 億ドル・営業利益 2 億ドル。ダービーの高級席・放映権を含む平均。日数はほぼ固定。
- ケンタッキー州の歴史馬券施設:数量 5,900(年間平均稼働の歴史馬券端末(台))× 価格 0.00(端末1台あたり年間複合売上(億ドル/台))→ 売上 9 億ドル・営業利益 4 億ドル。免許下の端末台数と実質稼働・単価の組み合わせ。
- バージニア州の歴史馬券施設:数量 4,900(年間平均稼働の歴史馬券端末(台))× 価格 0.00(端末1台あたり年間複合売上(億ドル/台))→ 売上 7 億ドル・営業利益 3 億ドル。現行の5,000台上限を超えない。新カジノとの競争が単価を抑える。
- ニューハンプシャー州の競馬関連賭博:数量 3.0(報告対象の州内営業施設(施設))× 価格 0.12(1施設あたり年間売上換算(億ドル/施設))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。ロッキンガムの開業と稼働段階の違い。
- ツインスパイアーズ・馬券精算・エグザクタ:数量 17.8(ツインスパイアーズ年間馬券取扱額(億ドル、Velocity等を除く))× 価格 0.31(取扱1ドル当たりの部門複合売上(ドル/取扱ドル))→ 売上 6 億ドル・営業利益 2 億ドル。取扱額は実質数量、単価は第三者向け精算等も含む複合指標。AIエージェント代替はBRISに限定。
- 保有する地方カジノと付随施設:数量 11,100(直営施設のスロット・ビデオロッタリー等(台))× 価格 0.00(1台あたりの年間複合収入(億ドル/台))→ 売上 15 億ドル・営業利益 4 億ドル。直営端末等価であり、テーブル・ホテル売上も内包。未成立の施設売却は含まない。
倍率:事業のROEは2035年GAAP純利益6.5億ドル÷同年自己資本28.6億ドル=22.7%。k9.0%、強い堀の残存割合2/3からRONIC=k+2/3×(ROE−k)=18.2%。長期g3.0%は競馬の実質市場縮小、歴史馬券の端末上限とシェア、高級席の価格上昇を合わせて推定し、ROEから逆算していない。(1−g/RONIC)÷(k−g)×(1+g)の正当化PER上限14.33倍に対し、競合と未成立の売却に関する不確実性を踏まえ上限の85%で12.18倍とする。2035年GAAP純利益6.5億ドル×12.18倍=時価総額79.170億ドル。純負債と借り換え金利は利益に織り込んだので後から差し引かない。
確率:2026年の最高記録のダービーと一部の歴史馬券新設は既成の追い風だが、バージニア州では既存の5,000台上限を守る。しかし競走数減少や新規カジノの脅威も実証されている。両面を考え中心に36%。
やや悲観 25% やや悲観:歴史馬券の単価が伸びず借金の負担が残る 利益 3 億ドル · PER 9.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 45.42 ドル33 億ドル
ダービーは存続するが、高価格帯の席が埋まりきらず、スポンサーと放映料の伸びは物価に届かない。ケンタッキー州では端末が5,400台へ増えても一台あたりの収入は十分に伸びない。バージニア州ではライブ!カジノなどの新規競争で既存店の台数が4,300台へ減る。免許を維持しても実効稼働を守れず、固定費だけが残る。
オンライン競馬はファンデュエル/TVGやNYRAベッツに顧客を取られ、取扱額は15.2億ドルへ縮む。BRISの競馬予想情報はAIエージェント代替の影響を受け、単なる分析画面で料金を取り続けられない。ユナイテッド・トートの精算基盤は残るが、全部門の粗利を補うほどではない。
地方カジノではペンやシーザーズとの競争で一台当たり収入が鈍る。売却交渉があっても成立を仮定せず、資産と借金の重さをそのまま引き受ける。2035年の営業利益は約6.0億ドル、純利益は2.6億ドル。前半は利益を保つが、後半の停滞で10年の純利益累計は32億ドルとなる。正味還元は18億ドルまで縮み、残りを設備維持と債務返済に向ける。
- チャーチル・ダウンズ競馬場とダービー:数量 80.0(年間の現地競馬開催日数(日))× 価格 0.04(開催1日あたりの年間平均の複合売上(億ドル/日))→ 売上 3 億ドル・営業利益 1 億ドル。ダービーの高級席・放映権を含む平均。日数はほぼ固定。
- ケンタッキー州の歴史馬券施設:数量 5,400(年間平均稼働の歴史馬券端末(台))× 価格 0.00(端末1台あたり年間複合売上(億ドル/台))→ 売上 7 億ドル・営業利益 3 億ドル。免許下の端末台数と実質稼働・単価の組み合わせ。
- バージニア州の歴史馬券施設:数量 4,300(年間平均稼働の歴史馬券端末(台))× 価格 0.00(端末1台あたり年間複合売上(億ドル/台))→ 売上 5 億ドル・営業利益 2 億ドル。新カジノとの競争で端末と単価が動く。
- ニューハンプシャー州の競馬関連賭博:数量 2.0(報告対象の州内営業施設(施設))× 価格 0.10(1施設あたり年間売上換算(億ドル/施設))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。ロッキンガムの開業と稼働段階の違い。
- ツインスパイアーズ・馬券精算・エグザクタ:数量 15.2(ツインスパイアーズ年間馬券取扱額(億ドル、Velocity等を除く))× 価格 0.26(取扱1ドル当たりの部門複合売上(ドル/取扱ドル))→ 売上 4 億ドル・営業利益 1 億ドル。取扱額は実質数量、単価は第三者向け精算等も含む複合指標。AIエージェント代替はBRISに限定。
- 保有する地方カジノと付随施設:数量 9,500(直営施設のスロット・ビデオロッタリー等(台))× 価格 0.00(1台あたりの年間複合収入(億ドル/台))→ 売上 11 億ドル・営業利益 2 億ドル。直営端末等価であり、テーブル・ホテル売上も内包。未成立の施設売却は含まない。
倍率:事業のROEは2035年GAAP純利益2.6億ドル÷同年自己資本24.1億ドル=10.8%。k9.0%、強い堀の残存割合2/3からRONIC=k+2/3×(ROE−k)=10.2%。長期g1.5%は物価・競馬市場の実質数量・規制下のシェアと値上げから推定し、ROEから出していない。(1−g/RONIC)÷(k−g)×(1+g)の正当化PER上限11.54倍に対し、GAAP利益の確実性と競争に応じ上限の80%で9.23倍。2035年全社純利益2.6億ドル×9.23倍=時価総額23.998億ドル。純負債とその借り換え金利は純利益に反映し、倍率後に再度控除しない。
確率:バージニア州の競争による実効単価の低下はすでに観測でき、他州のカジノ増設や金利負担も重なるおそれがある。部分的な構造悪化を25%。
悲観 10% 悲観:競馬離れと州の競争解禁で事業の稼ぐ力が崩れる 利益 −1 億ドル · PBR 1.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 16.88 ドル12 億ドル
ダービーだけは続くが、近隣娯楽との競争で安い席の客が減り、プレミアム席にも価格の上限が見える。歴史馬券の許可制度が広がって他の運営者が入り、ケンタッキー州の端末は4,400台、バージニア州は3,100台へ減る。州の課税と馬主への拠出も重なり、残る端末の営業利益率は大きく低下する。
競馬の取扱額は全国で縮み続け、ツインスパイアーズの取扱額は12億ドルへ落ち込む。予想情報サービスはAIエージェントが代替し、決済とエグザクタの技術料も競争で押し下げられる。地方カジノの売却は条件が悪く進まず、老朽設備と固定費を抱えたまま利益を失う。
2035年の営業利益は約1.16億ドルしか残らず、利払いと持分法収益を差し引くとGAAP純損失は1億ドルとなる。最初の3年間で純利益合計8.6億ドルを稼ぐが、その後7年間は累計3.4億ドルの赤字となり、十年全体の純利益累計は5.2億ドルにすぎない。正味還元は1億ドルだけで、設備と許認可に残る回収価値が株主価値の下限となる。
- チャーチル・ダウンズ競馬場とダービー:数量 75.0(年間の現地競馬開催日数(日))× 価格 0.03(開催1日あたりの年間平均の複合売上(億ドル/日))→ 売上 2 億ドル・営業利益 1 億ドル。ダービーの高級席・放映権を含む平均。日数はほぼ固定。
- ケンタッキー州の歴史馬券施設:数量 4,400(年間平均稼働の歴史馬券端末(台))× 価格 0.00(端末1台あたり年間複合売上(億ドル/台))→ 売上 5 億ドル・営業利益 1 億ドル。免許下の端末台数と実質稼働・単価の組み合わせ。
- バージニア州の歴史馬券施設:数量 3,100(年間平均稼働の歴史馬券端末(台))× 価格 0.00(端末1台あたり年間複合売上(億ドル/台))→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。新カジノとの競争で端末と単価が動く。
- ニューハンプシャー州の競馬関連賭博:数量 2.0(報告対象の州内営業施設(施設))× 価格 0.08(1施設あたり年間売上換算(億ドル/施設))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。ロッキンガムの開業と稼働段階の違い。
- ツインスパイアーズ・馬券精算・エグザクタ:数量 12.0(ツインスパイアーズ年間馬券取扱額(億ドル、Velocity等を除く))× 価格 0.22(取扱1ドル当たりの部門複合売上(ドル/取扱ドル))→ 売上 3 億ドル・営業利益 1 億ドル。取扱額は実質数量、単価は第三者向け精算等も含む複合指標。AIエージェント代替はBRISに限定。
- 保有する地方カジノと付随施設:数量 7,900(直営施設のスロット・ビデオロッタリー等(台))× 価格 0.00(1台あたりの年間複合収入(億ドル/台))→ 売上 7 億ドル・営業利益 1 億ドル。直営端末等価であり、テーブル・ホテル売上も内包。未成立の施設売却は含まない。
倍率:構造的な敗北で2035年の純利益が赤字のためPERは使わない。PBR1.20倍は2035年に積み上がった自己資本14.3億ドルではなく、2025年末の自己資本10.1億ドルだけに掛ける。12.12億ドルは純負債の先順位を考慮した後の競馬場資産・営業権・施設等の回収可能な価値を現時点の正味簿価で近似した保守的な床の近傍で、過去の谷の市場PBRには由来しない。仮に設備減損が大きければこの床にも不確実性が残る。この局面のEV(時価総額12.12億ドル+基準純負債49.1億ドル)÷営業利益1.16億ドルは約52.8倍となり、利益だけでは現在の事業資産を正当化できない。ゆえに清算に近い資産の床を使うが、実際の売却額は不明である。
確率:規制の変化と競馬市場の縮小が同時に進み、複数の店舗で減損を要する構造敗北の確率として10%。ダービーと営業権の残存価値があるため、ゼロではなく床を置く。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
チャーチル・ダウンズ競馬場とダービー
競馬場の開催約80日からの馬券関連手数料、入場料、特別席、放映権、協賛と飲食。
| 数量年間の現地競馬開催日数(日) | 価格開催1日あたりの年間平均の複合売上(億ドル/日) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 80.0 | 0.03 | 3 | 1 |
| 10 年後 中立 | 83.0 | 0.05 | 4 | 2 |
取り方:10-Kでは年間約80日開催、競馬場の対外売上2.624億ドル。2.624÷80=0.0328億ドル/開催日。ダービーの一日に売上が集中するため実際の日割料金ではなく、放映・協賛・飲食・馬券を含む年間複合単価である。営業利益1.12億ドルは特別席の高い採算を踏まえた推計で、会社は競馬場単独GAAP営業利益を開示していない。
ケンタッキー州の歴史馬券施設
ダービーシティ、ターフウェー、オークグローブ、エリスパークなどの端末からの実効収益。
| 数量年間平均稼働の歴史馬券端末(台) | 価格端末1台あたり年間複合売上(億ドル/台) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 5,080 | 0.00 | 6 | 2 |
| 10 年後 中立 | 5,900 | 0.00 | 9 | 4 |
取り方:10-Kのケンタッキー州地域別売上2.171+1.132+1.683+0.687=5.673億ドル。年末記載の8施設5,355台から2026年2月開業マーシャル・ヤーズ225台を除き、2025年2月開業オーエンズボロの稼働月数も調整して年間平均約5,080台と推定。売上÷台数の平均に飲食・ホテルを含む。営業利益は同報告セグメント全体のGAAP費用構成を元に推定。2025年の州内HHR市場GGR約10.2億ドルはhttps://gamblingatlas.org/states/kentucky/historical-horse-racing-revenue/を参照し、会社の5.673億ドルとの比は収益区分が違うため正式な市場占有率ではない。
バージニア州の歴史馬券施設
ロージーズとザ・ローズなどの規制された歴史馬券施設。
| 数量年間平均稼働の歴史馬券端末(台) | 価格端末1台あたり年間複合売上(億ドル/台) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 4,450 | 0.00 | 5 | 2 |
| 10 年後 中立 | 4,900 | 0.00 | 7 | 3 |
取り方:10-Kのバージニア州売上5.461億ドルと施設別の約4,835台を使用。2025年8月のリッチモンド450台増設、9月のロージシャー175台開業の通年未稼働を反映し年間平均約4,450台と推定。1台の実効売上にホテル・飲食等を含む。2026年のピーターズバーグ新カジノとの競争は未来の台あたり売上に反映。現行の州規制では同社に認められるのは10拠点・合計最大5,000台(2026年7月のCEO説明)。新法なしに2035年の台数が5,000台を超えないよう中立とやや楽観は制限し、楽観で超えるのは州法改正を明示的な前提とする。発言原文はhttps://stockanalysis.com/stocks/chdn/transcripts/653555-q2-2026/。州内HRM全端末が同社系列という2026年8月の報道はhttps://www.iredellfreenews.com/gaming/2026/virginias-historical-horse-racing-revenue-declines-in-augustを参照。
ニューハンプシャー州の競馬関連賭博
チェイサーズと2025年取得のカジノ・セーラム。2027年開業予定のロッキンガムを含む将来の成長余地。
| 数量報告対象の州内営業施設(施設) | 価格1施設あたり年間売上換算(億ドル/施設) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2.0 | 0.09 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 3.0 | 0.12 | 0 | 0 |
取り方:10-Kの州内売上0.189億ドル。事業の性質が異なるチェイサーズとカジノ・セーラムの2施設で便宜的に割った値であり、2025年8月買収のセーラムは通年寄与していない。会社区分の営業利益開示がなく0.02億ドルは控えめな推定。今後の施設増は新しい収容能力を数量に取り込む。
ツインスパイアーズ・馬券精算・エグザクタ
オンライン馬券の受託、競馬場にまたがる決済台帳、HRM中央システム、統計情報BRIS等の取引サービス。
| 数量ツインスパイアーズ年間馬券取扱額(億ドル、Velocity等を除く) | 価格取扱1ドル当たりの部門複合売上(ドル/取扱ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 19.8 | 0.25 | 5 | 2 |
| 10 年後 中立 | 17.8 | 0.31 | 6 | 2 |
取り方:会社の2025年通期決算補足ではTwinSpires Horse Racing取扱額19.810億ドル、10-Kの外部売上は4.882億ドル。後者はUnited Tote、Exacta、BRIS、スポーツベット関連収入も含むため「馬券手数料率」ではなく、取扱額と連動する複合収益指標である。競馬の予想情報BRISはAIエージェント代替を受けやすいが売上単独の非開示につき部門内に含め、中立数量0.90倍、価格約1.26倍、長期の精算基盤g約2%、情報分析部分は0%で評価する。NYRAの2035年までの契約と他社も使う決済システムが共同利用と記録の正本の証拠である。全国馬券市場の2025年取扱110.3億ドルと前年比減少はhttps://cms.equibase.com/node/311321参照。https://ir.churchilldownsincorporated.com/news-releases/news-release-details/churchill-downs-incorporated-reports-2025-fourth-quarter-and
保有する地方カジノと付随施設
カジノのスロットとテーブルゲーム、地方ホテル・飲食の収入。持分法のリバーズとマイアミバレーは数量・売上から除外。
| 数量直営施設のスロット・ビデオロッタリー等(台) | 価格1台あたりの年間複合収入(億ドル/台) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 10,595 | 0.00 | 10 | 3 |
| 10 年後 中立 | 11,100 | 0.00 | 15 | 4 |
取り方:10-Kでゲーミング売上10.429億ドル。施設表の端末14,335台から持分法対象リバーズ1,510台、マイアミバレー2,230台を引いた直営10,595台を数量にする。テーブルゲーム、ホテル、飲食収益も含むので価格は「端末等価の実効収入」であり機械の払戻率ではない。2026年7月の九施設売却検討は成約しておらず、既存施設を前提にした。全国の伝統的な商業カジノ粗収入509.4億ドルはhttps://americangaming.org/commercial-gaming-revenue-hits-78-7-billion-in-2025-driving-record-18-1-billion-in-gaming-taxes-nationwide/から参照。
リスクと懸念
州の規制変更と歴史馬券の競争
歴史馬券の設置は州の法律と競馬免許に依存する。バージニア州の新たな大型カジノは、2026年時点で一部ロージーズ施設の収益を減らした。ほかの州でも施設枠や税率、競馬賞金への拠出義務が変われば、一台当たりの実効売上と利益率が下がる。現在の営業権を永久の独占とみなしてはならない。現行のバージニア州の設置上限は5,000台・10施設で、改正がない限り台数の拡大が止まる。
純負債と金利の借り換え
2025年末の純有利子負債は約49億ドルで、EBITDAの約5倍に当たる。2026年9月の2033年満期借入と信用枠の延長は短期的な資金繰りを守るが、金利はSOFRに連動する。営業利益が減れば税後利払いが利益を吸収し、買い戻しも新規建設も同時には続けられない。
地方カジノ九施設の売却交渉
2026年7月のSEC届出は、地方カジノ九施設の売却可能性を調べるという内容にとどまり、契約価格も成立時期も示していない。安値で売ると資産の損失を確定させ、売らなければ成熟店舗の維持費が残る。売却代金を将来利益と二重に数えると評価を過大にするため、現段階では売却なしの基準を守る。
競馬の縮小とオンライン馬券の顧客流出
2025年の米国サラブレッド競走の馬券発売額は前年比2.1%減り、開催日も減少した。ツインスパイアーズはファンデュエル/TVGやNYRAベッツとコンテンツと顧客を奪い合う。全国の取扱額が縮むなかで割引や還元金を増やせば、取扱額が横ばいでも手取り収益は減る。
AIエージェント代替とデータの価格
BRISの馬券予想・統計情報は、AIエージェントが要約や予想を自動化すると、従来の画面や有料情報を買う動機が弱まる。対してユナイテッド・トートの払い戻し台帳とエグザクタの中央システムは法令と競馬場の共同利用が必要で、単なる画面を置き換えるだけでは代替しにくい。影響を情報部分の数量と単価に絞り、資本コストに二重計上しない。
建設工事と維持投資の負担
ビクトリー・ラン、ロッキンガムなどの新設投資は利益の獲得まで時間が掛かる。建設費が増え、開業後の稼働が計画を下回れば、減価償却と保守費だけが積み上がる。2025年に約4.9億ドルのFCFが出ても、景気悪化時に同じ現金が残るとは限らず、株主還元の余力を圧迫する。
催事の停止、評判、賭博への社会的反発
ダービーは唯一無二の強みだが、感染症、異常気象、馬の安全性を巡る問題、放映契約の変更で収入が集中する週が失われる危険がある。また問題ギャンブルへの規制強化や広告制限は歴史馬券・オンライン馬券の顧客獲得を難しくする。催事ブランドの寿命と毎年の利益の確実さは分けて考える。
今後の分かれ目
- ケンタッキー州の歴史馬券端末当たり売上が二年続けて物価を上回って増えたら
- 新設を単なる数量拡大でなく収益性を伴う投資と判断し、やや楽観の数量と営業利益率を引き上げる。
- バージニア州のロージーズ既存店の端末当たり収入が二年続けて減れば
- 新カジノとの競争が一時的でないと判断し、やや悲観の確率を厚くして同州の数量・単価を下げる。
- 地方カジノ九施設の具体的な売買契約と現金対価が公表されたら
- 売却店舗の売上と利益、売却代金、税金、借金返済を同時に改める。売却益のみを上乗せすることはしない。
- 純有利子負債÷EBITDAが三倍を下回り、維持投資後の現金が増えたら
- 借金が株主価値を圧迫する余地が縮むため、還元可能額と再投資の持続性を再評価する。
- TwinSpiresの取扱額が米国サラブレッドの取扱総額を三年連続で上回るペースで伸びたら
- 市場縮小をシェア獲得で補えていると判断し、賭けサービスの実質数量を引き上げる。ただしAIで予想情報が高く売れるとは仮定しない。
- Rockinghamの開業後二年の投資収益率が資本コストを下回ったら
- 新しい歴史馬券施設で既存の成功を再現できないとみて、将来の端末増設を減らし設備減損の確率を上げる。
- 2035年までのNYRA向け精算契約に反する大規模な内製化・乗換えが生じたら
- 共同決済基盤の堀が弱まるため、正本型としているWSSの長期成長を下げ、悲観側へ寄せる。
見ておくもの
- 競馬場のダービー週馬券発売額、観客数と放映視聴者、プレミアム席の稼働と協賛収入
- ケンタッキー州・バージニア州ごとのHRM稼働台数、一台あたりの収入と州の税率
- バージニア州ピーターズバーグなど新カジノ開業後のRosie’s既存店売上
- TwinSpiresの通年馬券取扱額と全国サラブレッド馬券発売額の差
- United ToteのNYRA契約状況、Exactaの外部導入、BRIS有料情報の維持
- 地方カジノ九施設の売却契約と対価、持分法施設を含めた純利益への影響
- ROIC・維持設備投資・建設投資の稼働率、純負債÷EBITDA、2031年・2033年の借り換え
- 配当+自社株買い−株式報酬・増資による正味還元と自己資本の増減
倍率と資本コストの決め方
基準とした2025年の売上約29.3億ドルを、競馬場の開催日、ケンタッキーとバージニアの歴史馬券台数、ニューハンプシャーの施設数、ツインスパイアーズの馬券取扱額、地方カジノの端末数に分けて再構成した。開示のない営業利益の地域割りは推定と明記し、合計をGAAP営業利益に合わせた。倍率は現在の市場PERや同業の過去の取引価格から取らず、k9.0%、長期g3.0%、将来ROEと強い堀の2/3残存を使う正当化PERの式から求めた。自社株買いによるROEの見かけの上昇は慎重に見た。純負債を二重に差し引かず、売却が未成立の地方カジノは売上も売却代金も二重計上しない。米国会計はすでにASC842でリース負債を計上しているため、店舗賃借を将来の特別な利益源とはしない。
資本コスト 9.0% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。米国株の基本8.0%に、循環・値決め力・負債・寿命の質の合計+1.0%を加えた9.0%。比較対象のMGM(10.0%)やペン・エンターテインメント(10.5%)より低いのは、ダービーの独自ブランドと歴史馬券の限定免許を認めるためだ。ただし負債は上限の+1.0%で評価する。株価の変動率や現在のPERは使わず、個々の売却・規制リスクは筋書きに反映する。