結論
ガーミンは、GPS と心拍・睡眠などの健康データを核にした専門機器の会社で、売上 72 億ドル(2025 年 12 月期)、営業利益率 25.9%、借金なしで現金と有価証券が約 41 億ドルある。事業は 5 つで、フィットネス(ランニング・スマートウォッチ。売上の 33%)、アウトドア(フェニックスなどの高級ウォッチ・inReach・ゴルフ。28%)、マリン(魚群探知機・チャートプロッター・トローリングモーター。16%)、航空(コックピットの電子機器。14%)、車載(BMW 向けドメインコントローラー。9%)である。
2026 年は 4〜6 月期の売上が 20.2 億ドル(+11%)、営業利益率 30.4%(関税の還付 0.21 億ドルを含む)で、通期の見通しを売上 80.5 億ドル・営業利益率 27% に引き上げた。伸びの主役はフィットネス(+25%)で、画面のないバンド CIRQA は初回生産分が売り切れた。一方アウトドアは −2% と鈍く、車載は下期に減収・赤字に戻る。
バリュー投資の観点では、事業の質は高い。堀はブランド・専門領域での技術・垂直統合の製造・無借金の財務で、10 年後も存在し今より強い可能性が高い。ただし今の 33 倍(2026 年の見込み純利益に対して約 28 倍)という値段は、利益ベースの倍率(13 倍前後)を大きく上回る。資本コストは 8.5%(基本 8.0% + quality 0.5%)。積み上げた中立の 10 年は売上 133 億ドル・営業利益率 27%・純利益 34 億ドルで、時価総額は約 465 億ドル(利益ベースの正当化 PER(RONIC = k + 1/2 ×(筋書きの ROE − k)。ROE は筋書きの純利益 ÷ 自己資本で、貯まる現金を含む)約 15.6 倍の 85% の約 13.3 倍に余った現金を足す)で、今の 551 億ドルを下回る。配当等を足しても年率の期待は資本コスト 8.5% を大きく下回り、総合は割高(差 −52%)。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、ガーミンは理解しやすい事業で、10 年後も存在し、今より強い可能性が高い。専門領域に根を張ったブランド、垂直統合の低い費用、借金のない財務は、高く評価できる。現金を除いた事業の投下資本に対する利益率が 30% 台で、成長のための再投資は小さく、オーナー利益は純利益の 8 割以上が株主のものになる。経営は買収で価値を壊さず、配当を増やしている。
弱点は 3 つ。第 1 は、収益の最も大きい塊(フィットネスとアウトドアで売上の 6 割、営業利益の約 4 分の 3)が、消費者向けの電子機器で、製品の周期・流行・競合(アップル・ファーウェイ・Whoop・Coros)に左右されること。2025〜26 年の急伸は、新製品(フォアランナー 970 など)と競合の端境期が重なった面があり、どこまで定着するか読みにくい。第 2 は、メモリ(DRAM)の費用上昇が 2026 年下期から効くこと。第 3 は、車載の赤字事業の整理が遅いこと。
値段は、積み上げた中立の 10 年(純利益 34 億ドル、利益ベースの倍率 約 13 倍、純現金 132 億ドル)で時価総額 465 億ドル、今の 551 億ドルを下回る。配当を足しても年率は資本コスト 8.5% に届かず、安全域はない。「素晴らしい事業を、高い値段で買う」位置で、確信度は事業の質には高く、フィットネスの持続には中くらいである。
何で稼ぐ会社か
ガーミンの収益は 5 つのセグメントで、いずれも「専門用途の機器 + 地図・データのソフト」を自社で設計し、台湾などの自社工場で作って売る形である。
フィットネス(2025 年の売上 23.6 億ドル、営業利益 7.3 億ドル)は、ランニング用のフォアランナー、ヴェニュー、ビボアクティブなどのスマートウォッチ、自転車用のコンピューターとパワーメーター、体組成計、そして 2026 年の CIRQA(画面なしの Whoop 型バンド)を含む。売上の大半は 1 台 150〜700 ドルのウォッチで、数量は年 700 万台前後と推定する。2025 年は売上 +33% と急伸し、2026 年上期も +32% で、買収した TrainingPeaks・TrainHeroic(2026 年 7 月完了、価格は未開示)が加わった。
アウトドア(20.5 億ドル、営業利益 6.9 億ドル、利益率 33.6%)は、フェニックス・インスティンクトなどの高級冒険ウォッチ、衛星通信の inReach、ゴルフ用機器、犬用トラッカー、車用ナビを含み、最も利益率が高い。2025 年は +5%、2026 年上期は −3% と足踏みしている。
マリン(11.8 億ドル、利益率 21%、2026 年 4〜6 月は 29%)は、チャートプロッター・ソナー・オートパイロット・トローリングモーター(フォース)・オーディオ(フュージョン)。航空(9.9 億ドル、利益率 26%)は、G1000・G3000 などのコックピット表示器、オートランド(緊急自動着陸)、自動操縦で、新造機への搭載と既存機の更新の両方で売る。車載(6.7 億ドル、営業損失 0.5 億ドル)は、BMW のドメインコントローラー(車載の情報系の頭脳)の受託で、2027 年からメルセデス・ベンツが加わる。
セグメントの数量と単価は会社が開示しないため、台数または装置数と 1 台あたり価格に、売上と業界の見方から分解して推定した(各セグメントの how に書いた)。
優良さと弱いところ
堀は 4 つある。第 1 は専門領域でのブランドと信頼:ランナー・トライアスロン選手・登山家・パイロット・釣り人は、機能の確かさと電池の長さを重く見て、ガーミンを指名する。第 2 は垂直統合:地図・センサー・OS・アプリ(ガーミン・コネクト)・製造まで自社で持つため、新機能の追加費用が低く、粗利益率 58〜62% を保てる。第 3 は小さな市場の積み重ね:航空・マリン・アウトドアはそれぞれ他社が大きく投資しにくい規模で、ガーミンは 1 つの技術(地図・表示器・ソナー)を 5 つの事業に使い回す。第 4 は財務:借金がなく、現金と有価証券が約 44 億ドル(2026 年 6 月末)あり、不況でも研究開発を続けられる。
価格を決める力は強く、フェニックスやマリン・航空の機器は競合より高くても売れる。投下資本利益率は、現金を除いた事業で 30% 台と高い(算出は coc と各筋書きの倍率の why に書いた)。
弱い所は 4 つ。①フィットネスはアップル・ファーウェイ・サムスン・グーグル(ピクセル・フィットビット)・Coros・Whoop・Oura と競合が多く、スマートウォッチ全体で見るとガーミンの出荷シェアは約 5.6%(Counterpoint の 2026 年 4〜6 月期)にすぎない。②アウトドアの主力のフェニックスが 2025 年 7〜9 月期から伸びを欠き、会社は 2026 年 2 月に事業別の成長目標の公表をやめた。③車載は赤字の事業で、BMW 向けが山を迎えるため 2026 年下期に減収・赤字へ戻る。④サブスクリプション(コネクト+)のような繰り返し課金の収益はまだ小さく、機器の買い替え周期に利益が左右される。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
ガーミンの市場は 5 つあり、それぞれ競合が違う。
フィットネス:世界のスマートウォッチ・バンドの出荷は年 1.5 億台前後で、2026 年 4〜6 月は −4%、年間でも +1% の見通し(Counterpoint)。1 位はファーウェイ(シェア 22%)、アップル(20%)、イムー(子ども用)、シャオミ、5 位がガーミン(5.6%)である。ガーミンは、これらの汎用品でなく「走る・競技する人向けの深い機能と電池」で高価格帯を取り、競技者向けの標本ではシェア約 78%(Runalyze。偏った標本)とされる。挑戦者は Coros(同標本で 0.3% から 5.8%)で、安い価格帯で伸びる。Whoop 型の画面なしバンドは、ガーミンが CIRQA(199.99 ドル)で追いかけ、需要が予想を上回って納期が 5〜8 週に延びた。
アウトドア:フェニックス・エピックスが主力で、スント・ポラール・Coros・アップルウォッチ・ウルトラと競う。2026 年上期は −3%。
マリン:チャートプロッターの世界市場は約 10 億ドルと小さく、ガーミンは 33% 超(Global Market Insights の推定)、上位 5 社(フルノ・ガーミン・ハンミンバード・ナビコ・レイマリン)で 8 割超。ボートの販売は金利の影響を受けるが、ガーミンのマリンは 2026 年上期に +13% と伸びた。
航空:オートランドは搭載機 2,500 機超、15 機種超(2026 年 10 月)で、G3000 Prime・G2000 Prime を新造機と更新に売る。競合はハネウェル(Anthem)、コリンズ・エアロスペース、アヴィダイン。一般航空機の新造数と、既存機の電子機器更新の需要が数量を決める。
車載:BMW の量が 2026 年に山、2027 年初からメルセデス・ベンツ。自動車メーカーが車載の頭脳を内製に戻せば仕事が減る一方、ガーミンは受託の赤字を減らす段階にある。
業界ノート(一般消費財・サービス、領域「衣料・靴・ブランド・玩具・電子」の塊 E)は、ガーミンの出荷を年 +5〜6%、価格を年 +2%、営業利益率 25〜26% と置く。2026 年の実績(上期の売上 +13%、営業利益率 27.7%)はこれを上回るので、2026 年の見込みはノートより高く、10 年は成長を減速させ、中立でノートの水準(売上は 10 年で年 6% 台、価格は物価より低い)に収めた。
資本政策と M&A
資本政策は保守的で、借金を持たず、配当を増やし続ける。2025 年は配当 6.6 億ドル、自社株買い 1.8 億ドル(従業員報酬用の自社株の購入 0.6 億ドルを除く)。2026 年は新しい 5 億ドルの自社株買い枠(2028 年 12 月まで、上期に使ったのは約 0.8 億ドル)を設け、配当総額は約 8.1 億ドルへ上げた(2025 年の 6.6 億ドルから)。株式報酬を引いた正味の還元は配当にほぼ等しい。
M&A は小さな買収を繰り返す方針で、大型の買収は少ない。2026 年 7 月に TrainingPeaks・TrainHeroic を買収した(価格は非開示で、ブログの推定は 0.75〜1.3 億ドル。未確認)。ソフト・コーチ・データを機器に結びつける狙いで、フィットネスの繰り返し課金を強める。車載では赤字を耐えて BMW の受注を取り、その実績でメルセデス・ベンツの受注につなげた。
スイス法人でカンザス州オレイサに本社を置く。TOB や再編の可能性は時価総額 551 億ドルでは低い。現金・有価証券(約 44 億ドル)は 1 ドルを 1 ドルとして数え、今の PER 33 倍には現金分(時価総額の約 8%)が含まれる。買収で割高な値段を払う、自社株買いを割高な局面で増やす、の 2 点が資本配分の注意点である。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
フィットネスは、ガーミンが得意な「競技者・健康志向の中上位」を取りに行く構造的な成長に入った。2025 年に +33%、2026 年上期も +32% で、数量が主因である。フォアランナーは 70・170・970 と価格帯が揃い、CIRQA は画面のないバンド市場(Whoop・Oura・Polar・Amazfit)に 199.99 ドルで入り、初回分が売り切れた。TrainingPeaks(コーチと競技者のデータ)が加わり、機器・アプリ・コーチを 1 つの会員の流れにつなげる。ガーミンの世界の出荷シェアは約 5.6% と小さく、ウェアラブル市場の金額が年 +10% 前後で伸びるとの予測もある中で、シェアを 5% から 8% に上げる余地がある。
利益率も上がる余地がある。2026 年上期の営業利益率は 27.7%(関税還付 0.21 億ドルを除いても 27% 強)で、フィットネスは 33%。製品の構成が高価格帯に移り、アプリの課金も増える。航空はオートランドの搭載が増え、G3000 Prime・G2000 Prime で新造機と更新の両方を取る。マリンは 2026 年 4〜6 月に利益率 29% まで改善した。車載は 2027 年のメルセデス向けで黒字化する。
結果として 10 年で売上は年 +9〜10%、純利益は 45 億ドルを超え、現金を除いた事業の投下資本利益率は 40% 台に保たれる。無借金で現金が 150 億ドル近くたまり、配当も毎年増えるので、今の値段を払う価値があると見る。
慎重な見方
2025〜26 年の伸びには一時の要因が混ざる。ガーミンのフィットネスは、新製品の周期と、競合の端境期に重なって取れた需要の面がある。世界のスマートウォッチ出荷は 2026 年 4〜6 月に −4% で、ガーミンの出荷シェア 5.6% は競技者の標本の 78% とは大きく違い、ガーミンの強さは「競技者という小さな市場」に限られる。Coros は安い価格帯で 0.3% から 5.8% まで伸び、Whoop 型バンドは価格破壊が進む。
メモリ費用の上昇は 2026 年下期から効き、会社は「吸収できる分は吸収し、利益率を守る」と言うが、関税の還付(0.21 億ドル)は一回限りで、原価の圧力は続く。アウトドアは 2026 年 4〜6 月が −2% で、最も利益率の高い事業が止まった。車載は BMW の山のあと減収・赤字で、メルセデスの立ち上がりが遅れれば赤字が続く。航空・マリンは景気に左右され、ボートの販売は金利が高い間は戻りにくい。
今の PER 33 倍は、利益ベースの中立(約 13 倍)の 2 倍を超える。10 年後の純利益 22 億ドル(やや悲観)なら時価総額は 290 億ドル前後で、今の値段を大きく下回り、配当を足しても年率は資本コスト 8.5% を大きく下回る。
どちらに重みを置いたか
事業の質と 2026 年の勢いは強気の見方が勝つが、倍率(今の 33 倍と利益ベースの 13 倍の差)と、フィットネスの伸びの持続・競合の多さ・メモリ費用では慎重な見方が勝つ。確率は中立 35〜37%、やや楽観 22〜23%、楽観 10%、やや悲観 20〜23%、悲観 10% とした(ROST の 12/23/35/20/10 に比べ、楽観を 2 ポイント減らし、10 年のやや悲観を 3 ポイント厚くした。製品の周期に左右される消費者向けの電子機器で、競合が多いため)。倍率は利益ベースで、中立の 10 年は約 13.3 倍(g 4%・ROE 16%・k 8.5% の正当化 PER ×(1+g) の 85%)とした。結論は割高。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 223.64 ドル433 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 58.47 ドル113 億ドル)。 今の値に割り戻すと 137.80 ドル267 億ドル、今との差 −53.4%、 期待の年率 −0.5%(資本コスト 8.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 354.77 ドル687 億ドル | 66.63 ドル129 億ドル | +42.7% | +3.6% | 42.14 ドル82 億ドル |
| やや楽観 | 22% | 295.64 ドル572 億ドル | 63.53 ドル123 億ドル | +21.6% | +2.0% | 79.02 ドル153 億ドル |
| 中立 | 35% | 239.96 ドル465 億ドル | 60.43 ドル117 億ドル | +1.7% | +0.2% | 105.14 ドル204 億ドル |
| やや悲観 | 23% | 149.11 ドル289 億ドル | 53.20 ドル103 億ドル | −31.5% | −3.7% | 46.53 ドル90 億ドル |
| 悲観 | 10% | 48.45 ドル94 億ドル | 44.42 ドル86 億ドル | −68.6% | −10.9% | 9.29 ドル18 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 223.64 ドル433 億ドル | 58.47 ドル113 億ドル | −4.5% | −0.5% | 282.11 ドル546 億ドル |
今の株価時価総額 295.40 ドル572 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.5% を下回るほど割高。
楽観 10% 楽観:フィットネスが 3 倍になり、5 事業が全て伸びる 利益 48 億ドル · PER 13.9 倍 · 株価時価総額 354.77 ドル687 億ドル
フィットネスの出荷は 2.2 倍(世界市場 +2%/年、シェアが 4.7% から 9% 台へ)、価格は物価並みの 1.41 倍で売上 73.1 億ドル。会員制のアプリ・TrainingPeaks の課金が加わり、利益率は 33%。アウトドアは高級機器の底堅さで 39.1 億ドル、航空は G3000 Prime・オートランドの搭載が広がり 24.3 億ドル(利益率 28%)、マリンは 25.0 億ドル、車載は メルセデスとほかのメーカーで 15.2 億ドル(利益率 12%)。売上は 177 億ドル(年 +9.4%)、営業利益 52.6 億ドル(利益率 29.8%)、純利益 48.0 億ドル。無借金で現金 150 億ドル近くが積み上がり、配当は年 +9% で増える。
- フィットネス:数量 1,562(出荷台数(万台)= 世界のスマートウォッチ・バンド市場 × シェア)× 価格 468(1 台あたり価格(ドル))→ 売上 73 億ドル・営業利益 24 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
- アウトドア:数量 513(出荷台数(万台))× 価格 762(1 台あたり価格(ドル))→ 売上 39 億ドル・営業利益 13 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
- 航空:数量 59.5(装置の出荷(万台)= 新造機の搭載と既存機の更新)× 価格 4,089(1 装置あたり価格(ドル))→ 売上 24 億ドル・営業利益 7 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
- マリン:数量 285(出荷台数(万台))× 価格 878(1 台あたり価格(ドル))→ 売上 25 億ドル・営業利益 7 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
- 車載:数量 960(搭載台数(万台))× 価格 158(1 台あたり価格(ドル))→ 売上 15 億ドル・営業利益 2 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.50%・g 4.0%(価格・数量とも伸びる側で、上限の 4% に)・事業の ROE 18.8%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本(貯まる現金を含む))・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 13.7%、10 年目より先の正当化 PER 15.7 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 16.3 倍。フィットネスの勢いが続く側だが、製品の周期があるので上限の 85% に置き 13.9 倍。
確率:シェアの上昇・物価並みの値上げ・車載の黒字化が同時に要る。10 年で売上 2.4 倍で 10%。
やや楽観 22% やや楽観:フィットネスは 2.6 倍、利益率 28.5% 利益 41 億ドル · PER 13.6 倍 · 株価時価総額 295.64 ドル572 億ドル
フィットネスの出荷 1.9 倍・価格 1.38 倍で売上 61.8 億ドル(利益率 31.5%)、アウトドア 34.0 億ドル、航空 22.6 億ドル、マリン 23.2 億ドル、車載 12.8 億ドル(利益率 10%)。売上 154 億ドル(年 +8.0%)、営業利益 44.0 億ドル、純利益 40.6 億ドル。配当は年 +8% で増え、現金は 140 億ドル。アップル・ファーウェイ・Coros とは競り合いながらも、競技者向けの深い機能と電池で高価格帯を守り、車載は 2027 年から黒字になる。2026 年の高い伸びの半分以上が定着し、2030 年代はゆるやかに減速する。
- フィットネス:数量 1,349(出荷台数(万台)= 世界のスマートウォッチ・バンド市場 × シェア)× 価格 458(1 台あたり価格(ドル))→ 売上 62 億ドル・営業利益 20 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
- アウトドア:数量 456(出荷台数(万台))× 価格 746(1 台あたり価格(ドル))→ 売上 34 億ドル・営業利益 11 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
- 航空:数量 56.0(装置の出荷(万台)= 新造機の搭載と既存機の更新)× 価格 4,033(1 装置あたり価格(ドル))→ 売上 23 億ドル・営業利益 6 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
- マリン:数量 266(出荷台数(万台))× 価格 871(1 台あたり価格(ドル))→ 売上 23 億ドル・営業利益 6 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
- 車載:数量 840(搭載台数(万台))× 価格 153(1 台あたり価格(ドル))→ 売上 13 億ドル・営業利益 1 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.50%・g 4.0%(価格・数量の伸びで上限の 4% に)・事業の ROE 17.5%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本(貯まる現金を含む))・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 13.0%、10 年目より先の正当化 PER 15.4 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 16.0 倍。2026 年の伸びの半分以上が定着する側だが、競合が多いので上限の 85% に置き 13.6 倍。
確率:会社の事業の勢いが一部定着する。中立より少し薄く 22%。
中立 35% 中立:フィットネスは 2.2 倍、売上は年 +6.3%、利益率 27% 利益 34 億ドル · PER 13.3 倍 · 株価時価総額 239.96 ドル465 億ドル
フィットネスの出荷は 1.62 倍(市場 +2%/年×シェア 4.7% → 6.4%)、価格は 1.34 倍(物価の 1.41 倍より低い。CIRQA など低価格機の構成・メモリ費用・競合の値下げ圧力)で売上 51.2 億ドル(利益率 30%)。アウトドアは数量 1.05 倍・価格 1.35 倍で 29.1 億ドル(利益率 31%)、航空は 1.45 倍・1.41 倍で 20.2 億ドル(26.5%)、マリンは 1.30 倍・1.38 倍で 21.2 億ドル(24%)、車載はメルセデスで 1.8 倍・価格 0.90 倍(値下げ条件)で 10.8 億ドル(8%)。売上 133 億ドル、営業利益 35.6 億ドル(26.9%)、純利益 33.5 億ドル。無借金で純現金は 132 億ドルまで積み上がる(配当は年 +7%、買収・大型投資 1 億ドル/年を引く)。
- フィットネス:数量 1,150(出荷台数(万台)= 世界のスマートウォッチ・バンド市場 × シェア)× 価格 445(1 台あたり価格(ドル))→ 売上 51 億ドル・営業利益 15 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
- アウトドア:数量 399(出荷台数(万台))× 価格 730(1 台あたり価格(ドル))→ 売上 29 億ドル・営業利益 9 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
- 航空:数量 50.8(装置の出荷(万台)= 新造機の搭載と既存機の更新)× 価格 3,976(1 装置あたり価格(ドル))→ 売上 20 億ドル・営業利益 5 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
- マリン:数量 247(出荷台数(万台))× 価格 859(1 台あたり価格(ドル))→ 売上 21 億ドル・営業利益 5 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
- 車載:数量 720(搭載台数(万台))× 価格 150(1 台あたり価格(ドル))→ 売上 11 億ドル・営業利益 1 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.50%・g 4.0%(市場と価格で 4%)・事業の ROE 16.1%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本(貯まる現金を含む))・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 12.3%、10 年目より先の正当化 PER 15.0 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 15.6 倍。製品の周期と競合があるので上限の 85% に置き 13.3 倍。
確率:会社の 2026 年の水準から減速し、業界ノートの水準(売上は年 6% 台)に収れんする。35% 台。
やや悲観 23% やや悲観:競合に高価格帯を削られ、フィットネスは 1.5 倍どまり 利益 23 億ドル · PER 12.1 倍 · 株価時価総額 149.11 ドル289 億ドル
アップル・ファーウェイが競技者向けの高級機器を広げ、Coros・Whoop・Oura が値下げを仕掛け、フィットネスは出荷 1.25 倍・価格 1.25 倍(物価を大きく下回る)で売上 36.8 億ドル(利益率 26%)。アウトドアは 23.1 億ドル(27%)、航空 15.4 億ドル、マリン 16.1 億ドル(20%)、車載 7.3 億ドル(2%)。売上 99 億ドル(年 +3.2%)、営業利益 22.6 億ドル(22.9%)、純利益 22.5 億ドル。現金は 126 億ドル。航空・マリンは景気の波を受けながら年 +4% 前後にとどまり、車載はメルセデスが立ち上がっても値下げ条件で利益が薄い。
- フィットネス:数量 888(出荷台数(万台)= 世界のスマートウォッチ・バンド市場 × シェア)× 価格 415(1 台あたり価格(ドル))→ 売上 37 億ドル・営業利益 10 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
- アウトドア:数量 342(出荷台数(万台))× 価格 676(1 台あたり価格(ドル))→ 売上 23 億ドル・営業利益 6 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
- 航空:数量 42.0(装置の出荷(万台)= 新造機の搭載と既存機の更新)× 価格 3,666(1 装置あたり価格(ドル))→ 売上 15 億ドル・営業利益 4 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
- マリン:数量 200(出荷台数(万台))× 価格 809(1 台あたり価格(ドル))→ 売上 16 億ドル・営業利益 3 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
- 車載:数量 520(搭載台数(万台))× 価格 141(1 台あたり価格(ドル))→ 売上 7 億ドル・営業利益 0 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.50%・g 3.8%(競合の値下げで価格が物価に届かず 3.75%)・事業の ROE 13.0%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本(貯まる現金を含む))・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 10.8%、10 年目より先の正当化 PER 13.8 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 14.3 倍。競合が値下げを仕掛ける側なので上限の 85% に置き 12.1 倍。
確率:競合が多く、周期に左右される消費者向け機器。23% とやや厚い。
悲観 10% 悲観:構造で負ける(高価格帯を失う、利益率 13%) 利益 8 億ドル · PER 10.0 倍 · 株価時価総額 48.45 ドル94 億ドル
スマートウォッチが標準品になり、フィットネスは出荷 0.85 倍・価格 1.10 倍(物価の 1.41 倍に遠く及ばない)で売上 22.0 億ドル(利益率 17%)に縮む。アウトドアは高級機器の置き換えで 13.6 億ドル、航空・マリンも一般航空機・ボートの縮小で 8.7 億ドル・9.1 億ドル、車載は 3.7 億ドルの赤字(−10%)。売上 57 億ドル、営業利益 7.6 億ドル(13.3%)、純利益 8.3 億ドル。もう優良ではなくなる。現金は 61 億ドルに減る(営業利益の低下と配当の維持、買収で)。航空・マリンは小型機・ボートの縮小で、ブランドの堀も薄れる。
- フィットネス:数量 604(出荷台数(万台)= 世界のスマートウォッチ・バンド市場 × シェア)× 価格 365(1 台あたり価格(ドル))→ 売上 22 億ドル・営業利益 4 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
- アウトドア:数量 228(出荷台数(万台))× 価格 595(1 台あたり価格(ドル))→ 売上 14 億ドル・営業利益 2 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
- 航空:数量 28.0(装置の出荷(万台)= 新造機の搭載と既存機の更新)× 価格 3,102(1 装置あたり価格(ドル))→ 売上 9 億ドル・営業利益 1 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
- マリン:数量 133(出荷台数(万台))× 価格 685(1 台あたり価格(ドル))→ 売上 9 億ドル・営業利益 1 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
- 車載:数量 280(搭載台数(万台))× 価格 133(1 台あたり価格(ドル))→ 売上 4 億ドル・営業利益 0 億ドル。台数と 1 台あたり価格の推定
倍率:利益ベース:事業の ROE 7.3%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本(貯まる現金を含む))が k 8.50% 以下なので PER は 1÷k = 11.8 倍まで(ためた利益 1 ドルは 1 ドル未満の価値)。上限は 1÷k の 11.8 倍。スマートウォッチが標準品になる側なので上限の 85% に置き 10.0 倍。
確率:構造の負けは、アップル・グーグルと中国メーカーに、ガーミンの高価格帯の差別化がなくなる筋書き。10%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
フィットネス
ランニング・サイクリング・健康管理のウォッチ、バンド(CIRQA)、自転車コンピューター、体組成計、TrainingPeaks。
| 数量出荷台数(万台)= 世界のスマートウォッチ・バンド市場 × シェア | 価格1 台あたり価格(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 710 | 332 | 24 | 7 |
| 10 年後 中立 | 1,150 | 445 | 51 | 15 |
取り方:出荷台数は推定。世界のスマートウォッチ・バンドの出荷を年 1.5 億台前後(Counterpoint の出荷シェアから逆算)、ガーミンのフィットネスのシェアを約 4.7% とみて 710 万台、1 台あたり 332 ドル(150〜700 ドルのウォッチ・自転車機器・体組成計の平均)で売上 23.57 億ドル。2025 年は +33%(数量が主因)。営業利益 7.26 億ドル(利益率 30.8%)は開示値。
アウトドア
フェニックス・インスティンクト・エピックスの高級冒険ウォッチ、inReach、ゴルフ機器、犬用トラッカー、車用ナビ。
| 数量出荷台数(万台) | 価格1 台あたり価格(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 380 | 541 | 21 | 7 |
| 10 年後 中立 | 399 | 730 | 29 | 9 |
取り方:出荷台数は推定。高級ウォッチ(約 700〜1,000 ドル)と、低価格の inReach・ゴルフ・犬用機器・ナビを合わせた平均価格約 540 ドルで 380 万台、売上 20.54 億ドル(開示値、+5%)。営業利益 6.90 億ドル(利益率 33.6%)は開示値。2026 年上期は −3%。
航空
コックピット表示器(G1000・G3000・G2000)、オートランド、自動操縦、ポータブル機器。
| 数量装置の出荷(万台)= 新造機の搭載と既存機の更新 | 価格1 装置あたり価格(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 35.0 | 2,820 | 10 | 3 |
| 10 年後 中立 | 50.8 | 3,976 | 20 | 5 |
取り方:装置数は推定。新造機の搭載・既存機の更新・ポータブル機器をまとめた約 3.5 万装置相当、1 装置あたり約 2,820 ドル(表示器・自動操縦の組と小型機器の平均)で売上 9.87 億ドル(開示値、+13%)。営業利益 2.57 億ドル(利益率 26.1%)は開示値。
マリン
チャートプロッター、魚群探知機(ソナー)、レーダー、オートパイロット、トローリングモーター(フォース)、オーディオ(フュージョン)。
| 数量出荷台数(万台) | 価格1 台あたり価格(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 190 | 622 | 12 | 3 |
| 10 年後 中立 | 247 | 859 | 21 | 5 |
取り方:出荷台数は推定。低価格の魚群探知機(約 200〜400 ドル)から大型のチャートプロッターやフォース(1,500 ドル超)までの平均約 620 ドルで 190 万台、売上 11.83 億ドル(開示値、+10%)。営業利益 2.51 億ドル(利益率 21.2%)は開示値。チャートプロッター市場は約 10 億ドルでガーミンのシェア 33% 超(GMI の推定)。
車載
BMW 向けドメインコントローラー(車載の情報系の頭脳)の受託。2027 年からメルセデス・ベンツ。
| 数量搭載台数(万台) | 価格1 台あたり価格(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 400 | 166 | 7 | 0 |
| 10 年後 中立 | 720 | 150 | 11 | 1 |
取り方:搭載台数は推定(価格は自動車メーカーとの年次の値下げ条件で今後は物価に逆行して下がる)。BMW 向け約 400 万台、1 台あたり約 166 ドルで売上 6.65 億ドル(開示値、+9%)。粗利益率 17%、営業損失 0.49 億ドル(開示値)。2026 年は BMW の量が山を迎え減収、下期は赤字へ戻る。
リスクと懸念
フィットネスの伸びの反動と競合
2025 年 +33%・2026 年上期 +32% は、新製品の周期と競合の端境期に乗った面がある。アップル・ファーウェイ・サムスン・グーグル・Coros・Whoop・Oura が価格と機能で迫り、世界のスマートウォッチ出荷は 2026 年 4〜6 月に −4%。伸びが年 +5% に鈍れば、中立の想定を大きく下回る。
メモリ(DRAM)費用と粗利益率
会社は 2026 年下期からメモリ費用の上昇が利益率に効くと認め、通期の粗利益率見通し 59.7%(上期は 61.0%)に織り込んだ。値上げで転嫁できなければ、利益率は 2025 年の 58.7% を下回る。関税に続く原価の圧力で、競合が値下げに動く局面では転嫁がさらに難しい。
アウトドアの足踏み
最も利益率が高い(33.6%)アウトドアは 2026 年 4〜6 月が −2%、上期 −3%。フェニックスの更新(フェニックス 9 の噂)が遅れる、アップルウォッチ・ウルトラや Coros に客を取られると、全社の利益の 3 分の 1 が伸びなくなる。
車載(BMW の山・メルセデスの立ち上がり)
車載は 2025 年に 0.5 億ドルの赤字(粗利益率 17%)で、2026 年は下期に減収・赤字へ戻る。2027 年初のメルセデス向けが遅れる、または自動車メーカーが内製に戻れば、赤字が長引き、固定費が重い。
景気と高額の消費・ボートと小型機
マリン(ボートの販売)と航空(小型機の新造・更新)は金利と景気に敏感で、リーマン級の不況では数量が 3〜4 割落ちうる。フィットネス・アウトドアも高級機器は買い控えが出る(2008〜09 年の営業利益は −8%・−8%)。
高い倍率の縮み
今の PER は 33 倍(2026 年の見込み純利益に対して約 28 倍)で、利益ベースの倍率(中立の 10 年で約 13 倍)を大きく上回る。k が 0.5 ポイント上がれば倍率はさらに下がる。利益が伸びても株価が動かない期間がありうる。
繰り返し課金の弱さと買収の統合
TrainingPeaks・TrainHeroic の買収(価格非開示)で課金の流れを作る狙いだが、競合のコーチ・解析アプリや無料の標準機能に勝てなければ、買収の価値は小さい。ガーミン・コネクトの課金は機器の売上に比べて小さく、周期に左右される利益は変わらない。
今後の分かれ目
- 2026 年下期・2027 年のフィットネスが +15% 以上を保ち、CIRQA と 970 の次の機種が売れる
- 新製品周期でなくシェアの上昇と分かり、楽観・やや楽観の確率を上げる。中立の数量の道筋が上振れる。
- フィットネスが 2027 年に +5% 以下に鈍り、営業利益率が 30% を下回る
- 2025〜26 年が端境期の追い風だったと分かり、やや悲観の確率を上げる。倍率が縮む前に利益の伸びが止まる。
- メモリ費用の上昇が長引き、粗利益率が 56% 台へ下がる
- 営業利益率は 24% 台に落ち、中立の 26〜27% を下回る。値上げで転嫁できたかが分かれ目。
- アウトドアの新製品(フェニックス 9 など)で 2026 年下期から +5% 以上に戻る
- アウトドアの足踏みは周期の谷だったと分かり、中立の利益率 32% が保てる。
- メルセデス向け車載が 2027 年初に予定どおり立ち上がり、営業黒字が見える
- 車載の赤字が消え、全社の営業利益率が 1 ポイント近く上がる(楽観に近づく)。
- アップル・ファーウェイが競技者向けの高級ウォッチを広げ、ガーミンの高価格帯を奪う
- 構造の悲観(10 年)の確率を上げる。フェニックス・フォアランナーの価格と出荷を見る。
見ておくもの
- フィットネスの売上の伸び(四半期)と CIRQA・フォアランナーの新機種の売れ行き
- 全社の粗利益率と営業利益率(関税の還付を除く)、メモリ費用の転嫁
- アウトドア(フェニックス)の売上の伸びと新機種の時期
- 車載の営業損益(BMW の山と、メルセデスの立ち上がり)
- マリンと航空の受注・ボートの販売・一般航空機の新造数
- 世界のスマートウォッチの出荷とガーミンのシェア、Coros・Whoop・アップルの動き
- 配当の増加率・自社株買い・買収(TrainingPeaks の統合と課金の伸び)
倍率と資本コストの決め方
倍率は今の PER(33 倍、2026 年の見込みで約 28 倍)に寄せず、利益ベースの正当化 PER(RONIC = k + 1/2 ×(筋書きの ROE − k)。ROE は筋書きの純利益 ÷ 自己資本で、貯まる現金を含む) に k 8.5%(基本 8.0% + quality 0.5%)・g 3〜4%(上限 4%)を入れ、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g)、その 85% に置いた(元の分析の現金とのれんを除いた ROE 35% は使わない)。業界ノートの倍率や過去の期末の PER にも寄せず、式の外の割り引きもしていない。余った現金(今の純現金 25 億ドル)は帳簿の値で数え、時価総額 =(純利益 − 余った現金の受取利息の税引き後)× PER + 余った現金。売上は数量 × 価格で積み上げ、今の株価を見て決めていない。2026 年は上期の実績と会社の通期見通しを起点にし、2025〜26 年の伸びは中立で徐々に減速させた。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k = 基本 8.0% + quality 0.5%。消費者向け電子機器と航空・マリンで景気と製品の周期の振れがある(cycle +0.25%)。値決めは普通、無借金で debt は 0。スマートウォッチは競合が多く製品の入れ替えが速い(life +0.25%)。個別のリスク(フィットネスの伸びの持続・車載の赤字・メモリ費用)は k に足さず、悲観の確率と悲観の営業利益率・g・ROE で表した。
同じ業種(一般消費財・サービス)の AI 分析
読んだ資料
- ガーミン 2026 年 4〜6 月期の決算発表(SEC 8-K)
- ガーミン 2025 年通期の決算発表(SEC 8-K)
- ガーミン 2026 年 4〜6 月期の決算の要点(the5krunner)
- ガーミンが事業別の成長目標をやめた(the5krunner)
- ガーミンの TrainingPeaks 買収(the5krunner)
- 世界のスマートウォッチ出荷とシェア(Counterpoint)
- ガーミンの世界シェア 5.6%(the5krunner)
- Coros の伸びと安い機種(the5krunner)
- マリン・チャートプロッター市場(Global Market Insights)
- オートランド搭載 2,500 機超(ガーミン、Finviz)
- ガーミン 時価総額(finhacker)