結論
プルトグループは米国の住宅建設の大手 4 社の一角で、2025 年は 29,572 戸を引き渡し(米国の新築一戸建て販売の約 4.3%、推定)、売上 173 億ドル、営業利益 30 億ドル(営業利益率 17.2%)、純利益 22 億ドル。初回購入者・買い替え・アクティブ・アダルト(高齢者向けのデル・ウェブ)の 3 層に分けて売り、粗利益率は 26.3%(2026 年 4〜6 月期は 25.0%)と、入門向けのホートン(20.7%)やレナー(15.8%)より高い。2026 年 4〜6 月期は引き渡し 6,997 戸(-8%)・純利益 4.72 億ドル(前年 6.08 億ドル)と減ったが、新規受注は 7,536 戸(+6%)で、通期の見通し(28,500〜29,000 戸、粗利益率 24.5〜25.0%)は据え置いた。
事業の質は住宅建設の中では上位で、ROE は 2022 年の 29% から 2025 年は 17.1% へ下がった。原因は、買い手の月々の支払いを軽くするためのインセンティブ(売上の約 10%)、区画原価の上昇、コミュニティ数を増やしたことによる販売管理費率の上昇(4〜6 月は 10.1%、前年 9.1%)。
バリュー投資の観点では、「10 年後も存在し、今より強いか」を問う。世帯形成と住宅不足(300〜400 万戸、推定)が需要の床を支え、土地のオプション・規模・3 層の買い手は大手が有利で、答えは「ある」。ただし利益は景気で大きく振れるので、ならした利益で値付けする。市場(新築販売)× シェア × 価格を積み、資本コスト 9.0%(基本 8.0% + quality +1.0%)と利益ベースの正当化 PER(RONIC = k + 1/3 ×(筋書きの ROE − k)。堀は弱い。上限 12.9 倍)の 8 割で倍率を 10.3 倍に置くと、10 年後の中立は営業利益 46 億ドル、時価総額 約 357 億ドル、今の時価総額(215 億ドル)の 1.7 倍。総合の差は +10%(やや割安)。景気の山谷で大きく振れる点は確率と悲観の深さで表した。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、住宅建設は「景気で利益が大きく振れ、堀が浅い」循環業種であり、誰でも買える安い値段でなければ手を出さない業種である。それでもプルトグループは、土地をオプションで押さえる資産の軽さ、3 層の買い手の分散、粗利益率の高さ(25%)、借入の軽さ(純負債比率 3.3%)で、同業の中では「長く持てる」側に入る。10 年後も新築住宅の需要は存在し、住宅不足がその床を支えるので、事業は存続し、今より強くも弱くもなりうる。
オーナー利益で見ると、純利益 22 億ドル(2025 年)のうち、伸びに要る再投資(土地・在庫。増えた利益 ÷ 増分の ROE 20%)を引いた残りが株主のものになる。ただし 2022 年の ROE 29% は山で、そのまま続くとは考えず、ならした ROE 15%(営業利益率 14.5%)で値付けする。資本配分は自社株買いと配当を利益の 8 割以上返し、借入を増やさない点がよい。
安全域は、楽観でも悲観でも払う値段に見合うかで測る。10 年の中立(PER 10.3 倍、還元込みの年率 +9.3%)は成熟した優良な循環企業の値付けで、悲観(構造的に負け、稼ぐ力の式)では時価総額と還元の合計が 144 億ドルと今の時価総額(215 億ドル)の約 67% にとどまる。今の PER 9.7 倍は、景気の山谷で振れる利益を市場が割り引いた値付けで、ならした利益と式の倍率で見ると差は小さい。ただし景気の山谷を読む力は誰にもなく、確信度は事業の質(高め)に比べて値段(慎重)に控えめに置く。
何で稼ぐ会社か
売上のほぼ全部(約 99%)は一戸建て・タウンホームの引き渡しで、ブランドはプルト・ホームズ(買い替え層と初回購入者)、センテックス(初回購入者の入門向け)、デル・ウェブ(55 歳以上のアクティブ・アダルト向けの街づくり)、ジョン・ウィーランド・ホームズ、ディバーシファイド。買い手は初回購入者・買い替え・アクティブ・アダルトの 3 層に分かれ(比率の最新値は未確認、推定でおおむね 3 割強・4 割・2 割台)、平均価格は 2025 年に約 58 万ドル、2026 年は 55〜56 万ドル(小さな家と初回購入者の比率が上がって前年比 -4%)。
土地は、オプション(区画を買う権利)で押さえる比率を 70%、自社で持つ比率を 30% にする目標で、2025 年中盤は約 25 万区画のうち 60% がオプション。オプション契約の残りの購入額は 97 億ドル。2026 年の土地投資は約 54 億ドルで、需要の弱さを見て区画契約を解約もしている。受注を受けてから建てる「注文建築」が新規受注の 45% に上がり、完成してから売る在庫(スペック)は 1 コミュニティ 1.3 戸と軽く、資産の回転を守る設計。
残りの売上は金融サービスで、自社の住宅ローン(取り込み率 85%)と権原保険を扱い、売上は年約 3 億ドル、税引前利益は年約 1.6 億ドル(推定)と小さい。つまり利益の中心は「引き渡し戸数 × 平均価格 × 粗利益率(約 25%)− 販売管理費(約 10%)」。需要は住宅ローン金利と所得に直結し、価格を上げて利益を守るより、金利の買い下げ(インセンティブ)で数量を保つ構造にある。
優良さと弱いところ
堀は、土地の仕組み・買い手の分散・規模の 3 つ。第 1 は土地で、オプション中心なので需要が落ちた時に減損と借入が膨らみにくい(負債比率 12.3%、純負債比率 3.3%、自己資本 130 億ドル)。第 2 は買い手の分散で、初回購入者・買い替え・アクティブ・アダルトのどれか 1 つが弱くても他が支える。デル・ウェブは高齢者向けの街ごとの商品で、金利の影響を受けにくい現金買いが比較的多い層を取る。第 3 は注文建築の比率が高いことで、受注に合わせて建てるため在庫リスクが軽い。
資本効率は高いが今は下り坂にある。ROE は 2022 年 29%、2024 年 25%、2025 年 17.1% と、利益率の低下で下がった。粗利益率は 2024 年 28.9% → 2025 年 26.3% → 2026 年 約 25% と下がり、販売管理費率は 9.1% → 10.1% に上がった。それでも自社株買いは 2025 年に 12 億ドル、2026 年上半期に 6.8 億ドルと続き、株数は年 5% 近く減っている。
弱点は、価格を決める力が強くないこと。入門向けでは、ホートンが粗利益率 20.7% で量より利益を守る一方、レナーは販売価格の約 12% をインセンティブに使って台数を取りにきており、この値引きが買い替え層へ広がると、プルトグループの粗利益率も削られる。NVR は土地を持たない仕組みで ROE 35% と、資本効率ではプルトグループの上を行く。経営は利益率と台数のどちらを守るかを四半期ごとに選ぶ会社で、足元は利益率を守る側に傾けている。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の新築一戸建て販売は年 65〜70 万戸で、2026 年 8 月は年率 68.4 万戸(前年比 -2.0%)、在庫 8.5 か月分、販売価格の中央値は 39.4 万ドル(前年比 -5.8%)。住宅ローンは 30 年で 7% 前後(10 年国債 5% + 差 2%、推定)で、前提ではこの水準が続く。高い金利で借りた人が今のローンを手放さず中古の売り物が出ない「ロックイン」のおかげで、新築が増分を取っているが、買い手の月々の支払いは限界に近く、建築業者は金利の買い下げで数量を保つ。
需要は世帯形成と構造的な住宅不足(300〜400 万戸、推定)に支えられる一方、所得に対して家が高く、小さな家への移行が平均価格を抑える(プルトグループの 2026 年の平均価格は -4%)。供給側は区画原価と人件費が物価並みに上がり、関税(木材・鋼)は今の水準が続くのを中立とする。競争は、上位 4 社(ホートン・レナー・プルトグループ・NVR)で新築の 3〜4 割(推定)、残りは中小。入門向けはホートンとレナーが競り、プルトグループは高め、NVR は土地を持たない中級帯。
循環上の位置は、山を過ぎて下がっている途中で、2007〜09 年(新築 -70%)のような崩れ方ではなく横ばい圏の弱さにとどまる。プルトグループの受注は +6% と先に底打ちの兆しがあり、会社も「一部地域で安定の兆し」と言う。ただし住宅は景気の振れが最も大きい業種で、2007〜09 年に株価は 60% 下がり、2020 年 3 月に 50%、2022 年の利上げで 34% 下がった。
資本政策と M&A
還元は大きい。2025 年は自社株買い 12 億ドル・配当 約 2 億ドルで純利益 22 億ドルの約 6 割。2026 年上半期は自社株買い 6.81 億ドル(550 万株、株数の 3%)、配当は前年より約 2 割増、残りの買い戻し枠は 18 億ドル。会社は「70% オプション・30% 保有」の土地方針を掲げ、資本は土地と在庫に回しつつ余りを株主へ返す。
M&A は、過去に中堅の建築業者(ダイバーシファイド、ジョン・ウィーランドなど)を買って市場と区画を広げてきたが、近年は金利が高く土地も高いので、大型買収より区画のオプション取得と自前のコミュニティ増(2026 年は +3〜5%)で伸ばす姿勢(推定)。他社に買われる可能性は低い。
資本配分で見るべきは、利益率が落ちている時の自社株買い。2024〜25 年の買い戻しは PER 7〜10 倍台で、割高とは言えない。借入は少なく(負債比率 12.3%)、需要が弱くても買い戻しを続ける余力がある。ただし 2026 年は負債比率が 11.2% から 12.3% へ上がっており、景気後退で利益が落ちる局面でも買い戻しを続けると財務が重くなる。 なお、決算期末後に実行済みの自社株買い 6.8 億ドル(10-Q・2026 年 1〜6 月)は、今の株数(時価総額)に反映済みなので、10 年の還元(payout_oku)からは除いてある。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
プルトグループは同業で最も強い会社の 1 つで、粗利益率 25% はホートンより 4 ポイント、レナーより 9 ポイント高く、金利の買い下げが売上の 10% 台でも利益が残る。受注は +6%、注文建築が 45% に上がり、完成在庫は 1 コミュニティ 1.3 戸と軽く、会社が見通しを据え置いたのは手応えの表れ。初回購入者・買い替え・アクティブ・アダルトの 3 層に分散しているので、金利の悪影響を 1 層に集中して受けない。コミュニティ数は +8% と増えており、今は販売管理費率が重い(10.1%)が、売上が戻れば薄まる。
長期では、住宅不足(300〜400 万戸)と世帯形成で新築は 10 年で 95〜100 万戸に増え、オプション中心の土地で資産が軽いまま利益が伸びる。自社株買いで株数は年 5% 近く減り、利益が伸びなくても 1 株の価値は増える。資本コストを 8.6% とすれば、ならした ROE 15〜17% の優良企業に PER 16〜19 倍が付くのは式の結果で、今の PER 10 倍は景気の山谷への過剰な警戒にすぎない。
慎重な見方
住宅は景気で最も振れる業種で、2007〜09 年に新築は 70% 減り、プルトグループの株価も 60% 下がった。ローン金利は 7% 前後で、買い手の月々の支払いはインセンティブ(売上の約 10%)でようやく成り立つ。補助を外せば数量が減り、続ければ利益率が削られる。利益は 2024 年の 31 億ドルから 2026 年は 18.5 億ドルへ下がっており、粗利益率 28.9% → 約 25%、販売管理費率 9.1% → 10.1% の悪化は、まだ底ではないかもしれない。
競争もきびしい。レナーは販売価格の 12% を値引きして台数を取り、ホートンも量より利益と言いつつ解約率は 20% に上がった。値引き競争が買い替え層まで広がれば、プルトグループの粗利益率 25% の優位は消える。土地と人件費は物価で上がるのに、価格は小さな家への移行で物価に届かず(2026 年は -4%)、利益率は構造的に下がりうる。式の倍率 16〜19 倍は ROE と g が今の水準で続く前提で、景気循環の途中で ROE が 10% まで下がれば倍率は 12 倍に縮む。
どちらに重みを置いたか
事業の質(粗利益率・土地の軽さ・財務の軽さ)では強気の言い分が強いが、足元の競争と手頃さの制約は慎重な見方を支える。10 年は住宅不足が構造的な需要を支え、プルトグループの優位(土地・3 層)は崩れにくいので、楽観・やや楽観を 28% に置き、構造的に負ける悲観は 14% とした。倍率は利益ベース(資本コスト 9.0%、堀が弱いので上限 12.9 倍の 8 割)で式の外では割り引かず、景気の振れは確率と悲観の深さ(稼ぐ力の式の約 9.4 倍)で表した。総合の差は +10% でやや割安。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 172.47 ドル327 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 76.94 ドル146 億ドル)。 今の値に割り戻すと 122.86 ドル233 億ドル、今との差 +2.8%、 期待の年率 +7.6%(資本コスト 9.0%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 318.02 ドル602 億ドル | 76.14 ドル144 億ドル | +229.9% | +12.7% | 31.53 ドル60 億ドル |
| やや楽観 | 20% | 255.45 ドル484 億ドル | 80.36 ドル152 億ドル | +181.1% | +10.9% | 67.16 ドル127 億ドル |
| 中立 | 34% | 188.71 ドル357 億ドル | 85.12 ドル161 億ドル | +129.2% | +8.6% | 93.10 ドル176 億ドル |
| やや悲観 | 24% | 108.98 ドル206 億ドル | 88.81 ドル168 億ドル | +65.5% | +5.2% | 47.47 ドル90 億ドル |
| 悲観 | 14% | 40.13 ドル76 億ドル | 32.31 ドル61 億ドル | −39.4% | −4.9% | 10.14 ドル19 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 172.47 ドル327 億ドル | 76.94 ドル146 億ドル | +108.7% | +7.6% | 249.41 ドル472 億ドル |
今の株価時価総額 119.48 ドル226 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.0% を下回るほど割高。
楽観 8% 楽観:住宅不足が解消に向かい、3 層の買い手でシェアを伸ばす 利益 51 億ドル · PER 11.8 倍 · 株価時価総額 318.02 ドル602 億ドル
10 年後(2035 年 12 月期)、新築は年 100 万戸へ増え(年 +3.9%)、プルトグループはシェア 4.6% で引き渡し約 4.6 万戸(2025 年の 1.56 倍)。平均価格は物価並みの 81.1 万ドル(2025 年比 1.41 倍)。初回購入者・買い替え・アクティブ・アダルトの 3 層に分散した販売と、受注後に建てる方式の粗利益率の高さで、住宅の営業利益率は 17%。金融サービスの利益も 3.7 億ドルに増える。営業利益 67 億ドル(今の 2.2 倍)、純利益 51 億ドル、自己資本 302 億ドル(ROE 約 17%)。g 4.5%(市場の実質 1.0% + シェア 0.2% + 価格 3.3%)・ROE 17% の利益ベースの式の 70% が 1÷k を下回るので PER 約 11.6 倍、時価総額 593 億ドル。10 年の還元は 144 億ドル。倍率は正当化 PER 13.1 倍の 9.0 割にあたる 11.8 倍に置いた。
- 住宅(一戸建て・タウンホーム):数量 1,000(米国の新築一戸建て販売(千戸)× プルトグループのシェア)× 価格 3.73(シェア × 1 戸の平均価格(万ドル)。2025 年 57.55 万ドル。中立は 3 年 1.03 倍(2026 年は前年比 -4%)、10 年 1.33 倍)→ 売上 373 億ドル・営業利益 64 億ドル。市場 1000 千戸・シェア 4.6%・平均価格 81.1 万ドル(2025 年比 1.41 倍)、営業利益率 17.0%
- 金融サービス:数量 1,000(米国の新築一戸建て販売(千戸)× プルトグループのシェア(自社ローンの利用に連動))× 価格 6.1%(シェア × 1 戸あたりの金融サービス売上(万ドル。2025 年約 0.095 万ドル))→ 売上 6 億ドル・営業利益 4 億ドル。自社ローンの利用(引き渡し戸数に連動)、営業利益率 60%
倍率:上限の正当化 PER 13.1 倍に対し、11.8 倍(9.0 割)に置いた。中立の 8.0 割に、利益の質がよい分を上乗せした(楽観 +1.0 割)。上限の中身は g 4.0%、RONIC 11.6%(k 9.00% + 残る割合 0.33 ×(事業の ROE − k))、moat は 弱い。式は (1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 16.9%(帳簿の自己資本 ROE(その筋書きの純利益 ÷ 自己資本))。時価総額は、書いた純利益 51 億ドル × 11.8 倍で 602 億ドル。純負債と利払いは純利益に入っているので、借金はさらに引かない。
確率:ロックインの解消・世帯形成・コミュニティ数の増加が重なる筋書き。確率 8%。
やや楽観 20% やや楽観:新築 95 万戸、シェア 4.5% を保ち利益率も高めを維持 利益 44 億ドル · PER 11.1 倍 · 株価時価総額 255.45 ドル484 億ドル
新築は年 95 万戸(年 +3.4%)、シェア 4.5% で引き渡し約 4.3 万戸、平均価格は 79.4 万ドル(2025 年比 1.38 倍)。粗利益率 25.5% と販売管理費率 9.5% で住宅の営業利益率 16%。営業利益 58 億ドル、純利益 44 億ドル、自己資本 266 億ドル(ROE 約 16%)。g 4.2%(市場の実質 0.8% + シェア 0.1% + 価格 3.3%)・ROE 16% で PER 約 11.6 倍(1÷k の床)、時価総額 508 億ドル。10 年の還元は 152 億ドル。倍率は正当化 PER 13.0 倍の 8.5 割にあたる 11.1 倍に置いた。
- 住宅(一戸建て・タウンホーム):数量 950(米国の新築一戸建て販売(千戸)× プルトグループのシェア)× 価格 3.57(シェア × 1 戸の平均価格(万ドル)。2025 年 57.55 万ドル。中立は 3 年 1.03 倍(2026 年は前年比 -4%)、10 年 1.33 倍)→ 売上 340 億ドル・営業利益 54 億ドル。市場 950 千戸・シェア 4.5%・平均価格 79.4 万ドル(2025 年比 1.38 倍)、営業利益率 16.0%
- 金融サービス:数量 950(米国の新築一戸建て販売(千戸)× プルトグループのシェア(自社ローンの利用に連動))× 価格 5.9%(シェア × 1 戸あたりの金融サービス売上(万ドル。2025 年約 0.095 万ドル))→ 売上 6 億ドル・営業利益 3 億ドル。自社ローンの利用(引き渡し戸数に連動)、営業利益率 58%
倍率:上限の正当化 PER 13.0 倍に対し、11.1 倍(8.5 割)に置いた。中立の 8.0 割に、利益の質がよい分を上乗せした(やや楽観 +0.5 割)。上限の中身は g 4.0%、RONIC 11.5%(k 9.00% + 残る割合 0.33 ×(事業の ROE − k))、moat は 弱い。式は (1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 16.4%(帳簿の自己資本 ROE(その筋書きの純利益 ÷ 自己資本))。時価総額は、書いた純利益 44 億ドル × 11.1 倍で 484 億ドル。純負債と利払いは純利益に入っているので、借金はさらに引かない。
確率:世帯形成が続き、土地の優位(オプション中心)と買い手の分散が効く筋書き。確率 20%。
中立 34% 中立:新築 90 万戸、ならした営業利益率 14.5% 利益 35 億ドル · PER 10.3 倍 · 株価時価総額 188.71 ドル357 億ドル
新築は年 90 万戸(今の 1.3 倍、年 +2.8%)。プルトグループのシェアは 4.3% で引き渡し約 3.9 万戸(2025 年の 1.3 倍)、平均価格は 76.5 万ドル(2025 年比 1.33 倍。小さな家への移行で物価の 1.41 倍には届かない)。売上は約 301 億ドル(今の 1.7 倍)。粗利益率 24.5% 前後、販売管理費率 9.5% 台で、住宅の営業利益率は景気の山谷をならして 14.5%。営業利益 46 億ドル、純利益 35 億ドル、自己資本 221 億ドル。10 年の還元は 161 億ドル。倍率は正当化 PER 12.9 倍の 8.0 割にあたる 10.3 倍に置いた。
- 住宅(一戸建て・タウンホーム):数量 900(米国の新築一戸建て販売(千戸)× プルトグループのシェア)× 価格 3.29(シェア × 1 戸の平均価格(万ドル)。2025 年 57.55 万ドル。中立は 3 年 1.03 倍(2026 年は前年比 -4%)、10 年 1.33 倍)→ 売上 296 億ドル・営業利益 43 億ドル。市場 900 千戸・シェア 4.3%・平均価格 76.5 万ドル(2025 年比 1.33 倍)、営業利益率 14.5%
- 金融サービス:数量 900(米国の新築一戸建て販売(千戸)× プルトグループのシェア(自社ローンの利用に連動))× 価格 5.4%(シェア × 1 戸あたりの金融サービス売上(万ドル。2025 年約 0.095 万ドル))→ 売上 5 億ドル・営業利益 3 億ドル。自社ローンの利用(引き渡し戸数に連動)、営業利益率 55%
倍率:上限の正当化 PER 12.9 倍に対し、10.3 倍(8.0 割)に置いた。新しく投じる資本の稼ぎは先で薄れるので 8.0 割に置いた。上限の中身は g 4.0%、RONIC 11.2%(k 9.00% + 残る割合 0.33 ×(事業の ROE − k))、moat は 弱い。式は (1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 15.7%(帳簿の自己資本 ROE(その筋書きの純利益 ÷ 自己資本))。時価総額は、書いた純利益 35 億ドル × 10.3 倍で 357 億ドル。純負債と利払いは純利益に入っているので、借金はさらに引かない。
確率:業界ノートの中立(新築は 10 年で 85〜95 万戸、価格は年 +3%、粗利益率は横ばい)に沿う。ならした利益で見る。
やや悲観 24% やや悲観:新築 80 万戸、競合の値引きで利益率が 11〜12% に 利益 22 億ドル · PER 9.4 倍 · 株価時価総額 108.98 ドル206 億ドル
新築は年 80 万戸(年 +1.6%)、プルトグループのシェアは 4.1% に下がって引き渡し約 3.3 万戸、平均価格は 71.9 万ドル(2025 年比 1.25 倍。物価に届かない)。粗利益率は 22% 台、販売管理費率 10.5% で、住宅の営業利益率は 11.5%。営業利益 29 億ドル、純利益 22 億ドル、自己資本 157 億ドル。10 年の還元は 168 億ドル。倍率は正当化 PER 12.5 倍の 7.5 割にあたる 9.4 倍に置いた。住宅ローン金利が高止まりし、価格が物価に届かない中で、土地の仕入れと在庫を絞って利益率を守る、やや厳しい筋書きである。
- 住宅(一戸建て・タウンホーム):数量 800(米国の新築一戸建て販売(千戸)× プルトグループのシェア)× 価格 2.95(シェア × 1 戸の平均価格(万ドル)。2025 年 57.55 万ドル。中立は 3 年 1.03 倍(2026 年は前年比 -4%)、10 年 1.33 倍)→ 売上 236 億ドル・営業利益 27 億ドル。市場 800 千戸・シェア 4.1%・平均価格 71.9 万ドル(2025 年比 1.25 倍)、営業利益率 11.5%
- 金融サービス:数量 800(米国の新築一戸建て販売(千戸)× プルトグループのシェア(自社ローンの利用に連動))× 価格 4.9%(シェア × 1 戸あたりの金融サービス売上(万ドル。2025 年約 0.095 万ドル))→ 売上 4 億ドル・営業利益 2 億ドル。自社ローンの利用(引き渡し戸数に連動)、営業利益率 48%
倍率:上限の正当化 PER 12.5 倍に対し、9.4 倍(7.5 割)に置いた。中立(8.0 割)より 0.5 割低くした。利益の質が悪い筋書きだからだ。上限の中身は g 4.0%、RONIC 10.7%(k 9.00% + 残る割合 0.33 ×(事業の ROE − k))、moat は 弱い。式は (1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 14.0%(帳簿の自己資本 ROE(その筋書きの純利益 ÷ 自己資本))。時価総額は、書いた純利益 22 億ドル × 9.4 倍で 206 億ドル。純負債と利払いは純利益に入っているので、借金はさらに引かない。
確率:入門向けの DHI・レナーの値引きが買い替え層まで広がり、土地・人件費の上昇を転嫁できない筋書き。確率 24%。
悲観 14% 悲観:構造的に負ける(金利高止まりで新築が停滞、利益率が定着して低下) 利益 8 億ドル · PER 9.4 倍 · 株価時価総額 40.13 ドル76 億ドル
10 年後、住宅ローン金利が高いまま若い世帯の購入力が戻らず、新築は年 62 万戸で停滞する(2025 年より低い)。プルトグループはシェア 3.8% に下がって引き渡し約 2.4 万戸、平均価格は 63.3 万ドル(2025 年比 1.10 倍。物価に大きく届かない)。粗利益率は 20% 前後で定着し、住宅の営業利益率は 6.5%。営業利益 11 億ドル、純利益 8 億ドル、自己資本 158 億ドル。もう優良な住宅建設会社ではなく普通の循環企業として扱われ、時価総額は稼ぐ力の式(純利益 8 億ドル × 9.4 倍)で約 76 億ドル、自己資本 158 億ドルの半分弱にとどまる。10 年の還元は 61.2 億ドル。
- 住宅(一戸建て・タウンホーム):数量 620(米国の新築一戸建て販売(千戸)× プルトグループのシェア)× 価格 2.41(シェア × 1 戸の平均価格(万ドル)。2025 年 57.55 万ドル。中立は 3 年 1.03 倍(2026 年は前年比 -4%)、10 年 1.33 倍)→ 売上 149 億ドル・営業利益 10 億ドル。市場 620 千戸・シェア 3.8%・平均価格 63.3 万ドル(2025 年比 1.10 倍)、営業利益率 6.5%
- 金融サービス:数量 620(米国の新築一戸建て販売(千戸)× プルトグループのシェア(自社ローンの利用に連動))× 価格 4.0%(シェア × 1 戸あたりの金融サービス売上(万ドル。2025 年約 0.095 万ドル))→ 売上 3 億ドル・営業利益 1 億ドル。自社ローンの利用(引き渡し戸数に連動)、営業利益率 40%
倍率:式どおり:g 1.5%(g はこの筋書きの数量と価格から置いた)、ROE 5.1%(帳簿の自己資本 ROE(その筋書きの純利益 ÷ 自己資本))、k 9.00%。(1−g÷RONIC)÷(k−g) の値は来年の利益に対する倍率なので、10 年目の利益には ×(1+g) で 9.4 倍。RONIC = k + 残る割合 0.33 ×(事業の ROE − k)= 7.7%。上限の正当化 PER 11.1 倍の 8.4 割で、上限の内側。10 年目の利益の伸びは年 10% 未満なので 1 段。時価総額は、書いた純利益 8 億ドル × 9.4 倍で 76 億ドル。
確率:景気後退の谷を 1 度以上経たうえ、金利高止まりで新築が 62 万戸で停滞し、土地・人件費を転嫁できず利益率が低位で定着する筋書き。確率 14%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
住宅(一戸建て・タウンホーム)
初回購入者・買い替え・アクティブ・アダルトの 3 層に、プルト・センテックス・デル・ウェブなどのブランドで引き渡す。売上の約 98%。
| 数量米国の新築一戸建て販売(千戸)× プルトグループのシェア | 価格シェア × 1 戸の平均価格(万ドル)。2025 年 57.55 万ドル。中立は 3 年 1.03 倍(2026 年は前年比 -4%)、10 年 1.33 倍 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 680 | 2.50 | 170 | 28 |
| 10 年後 中立 | 900 | 3.29 | 296 | 43 |
取り方:市場は米国の新築一戸建て販売 年 68 万戸(2025 年、Census と業界ノート)。プルトグループの引き渡し 29,572 戸でシェア 4.35%、平均価格 57.55 万ドル(売上 170.2 億ドル ÷ 29,572 戸)。売上 = 市場 × シェア × 平均価格 × 0.1(千戸 × 万ドル → 億ドル)。営業利益は全社 30 億ドルから金融サービスの 1.6 億ドルを引いた値(営業利益率 16.7%)。競合はホートン(約 12〜13%)、レナー(約 12%)、NVR(約 3%)。
金融サービス
自社の住宅ローン(取り込み率 85%)・権原保険。売上の約 2%。
| 数量米国の新築一戸建て販売(千戸)× プルトグループのシェア(自社ローンの利用に連動) | 価格シェア × 1 戸あたりの金融サービス売上(万ドル。2025 年約 0.095 万ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 680 | 4.1% | 3 | 2 |
| 10 年後 中立 | 900 | 5.4% | 5 | 3 |
取り方:2026 年 4〜6 月期の税引前利益 0.37 億ドル(前年 0.43 億ドル)から、売上は年約 3 億ドル、税引前利益は年約 1.6 億ドル(推定)。住宅の戸数と自社ローンの利用率に連動すると置いた。
リスクと懸念
住宅ローン金利が下がらない
市場の金利は 7% 前後、10 年国債は 5% で、前提では下がらない。買い手の月々の支払いは売上の約 10% のインセンティブでようやく成り立ち、外せば数量が減り、続ければ粗利益率が削られる。粗利益率は 2024 年 28.9% → 2026 年 約 25% と下がっている。
景気後退と循環の落ち込み
2007〜09 年は新築が約 70% 減り、プルトグループの株価は 60% 下がった。2020 年 3 月に 50%、2022 年の利上げで 34% 下がった。今回は借入が軽くても、景気後退が来れば引き渡しは 4 割減り、営業利益はほぼゼロまで落ちうる。
入門向けの価格競争が買い替え層へ広がる
レナーは販売価格の約 12% をインセンティブに使って粗利益率 15.8%、ホートンも粗利益率 20.7%・解約率 20%。プルトグループの粗利益率 25% との差が大きく、値引きが買い替え層へ広がれば、台数を守るために粗利益率を下げることになる。
販売管理費とコミュニティ数の拡大
コミュニティ数は平均 1,074(+8%)と増え、販売管理費率は 9.1% から 10.1% へ上がった。引き渡しが減る局面で固定的な販売費が重く、2026 年の営業利益率は 15% 近くまで下がる。需要が戻らなければ費用がさらに先行する。
土地・人件費・関税の上昇
区画原価と人件費は物価で上がるが、価格は小さな家への移行で物価に届かない(2026 年の平均価格は -4%)。木材・鋼への関税が上がれば建築原価が上がり、転嫁できなければ粗利益率が下がる。移民の受け入れが減れば下請けの人件費が上がり、世帯形成も鈍る。
土地方針と減損
オプションの残額は 97 億ドル、2026 年の土地投資は約 54 億ドル。需要が急に落ちると、保有した土地の減損とオプションの保証金の損失が出る。2007〜09 年は自己資本が 34〜58% 減った。今回はオプション中心で軽いが、70% の目標にはまだ届いていない可能性がある。
自社株買いの質
2026 年は上半期に 6.8 億ドルで株数の 3% を買った。負債比率は 11.2% から 12.3% に上がっており、需要が弱い局面で借入を足して買い戻すと、景気後退時に財務が重くなる。割高な時期に買えば価値を壊し、会社は利益が落ちても買い戻しを続けるかどうかの規律が問われる。
今後の分かれ目
- 住宅ローン金利が下がらない(30 年 7% 前後)まま、受注が前年比マイナスに戻ったら
- やや悲観の確率を上げる。粗利益率は 23% 台へ下がり、営業利益は今より 3 割少ない水準が続く。
- 新築販売が 2007〜09 年のように急に減り(年率 50 万戸割れ)、解約が 30% 超になったら
- 悲観(営業利益が大きく落ち、倍率が縮む)に当たる。ただし借入が軽く、倒産の心配は小さく、株主の損は主に倍率の縮みと減損である。
- ホートン・レナーの値引き競争が収まり、プルトグループの粗利益率が 26% に戻ったら
- 楽観・やや楽観の確率を上げる。住宅の営業利益率は 17% に戻り、ROE は 20% へ近づく。
- 注文建築の比率が 50% を超え、完成在庫が 1 コミュニティ 1 戸台を保ったら
- 在庫リスクと値引きの必要が減る。ならした営業利益率を 15% へ上げて式を引き直してよい。
- プルトグループが大型の買収に動いたら
- 高い値段での買収は価値を壊しやすい。資本配分の評価を下げ、悲観側の確率を上げる。
- 賃貸・区画の需要を増やす住宅政策(供給を増やす法案など)が進み、新築が年 90 万戸へ早く近づいたら
- 中立の 10 年が前倒しされる。やや楽観の確率を上げる。
見ておくもの
- 住宅ローン金利(30 年)と、インセンティブ率(売上の 10.4%)
- 新築販売の年率戸数と在庫月数(Census)
- プルトグループの粗利益率(25.0%)・新規受注・受注残(10,966 戸)・解約率
- ホートン・レナーのインセンティブ率と粗利益率
- 区画原価・建築原価・販売管理費率(10.1%)
- オプション比率(目標 70%)と土地投資額(約 54 億ドル)
- 自社株買いの額と負債比率(12.3%)
倍率と資本コストの決め方
今の PER 9.7 倍・PBR 1.66 倍を見る前に、新築市場(68 万戸)× シェア(4.35%)× 価格で売上を、営業利益率で利益を積み、そのあと ROE・g・k から倍率を決めた。資本コストは基本 8.0% + quality +1.0% の 9.0%(業界ノートの 10.5〜11.5% には寄せていない)。利益ベースの PER は ROE 15.7%・g 4%・k 9.0%・残る割合 1/3 で上限 12.9 倍、その 7〜9 割で倍率を置いた(中立 10.3 倍)。中立の利益はすでに景気の山谷をならした値(営業利益率 14.5%)で、式の外で割り引かない(二重の下げになる)。悲観は事業の純利益 ÷ k に近い稼ぐ力の式(約 9.4 倍)で置いた。過去の PER や今の値には寄せていない。結果は 10 年でやや割安(差 +10%)。景気の山谷を読む難しさから確信度は控えめに置いた。
資本コスト 9.0% = 無リスク金利 5% + β 1.12 × 5%。資本コスト k = 基本 8.0% + quality +1.0% = 9.0%(v2。株価の揺れ(β)は使わない)。住宅は景気と金利で需要が最も大きく振れるので cycle で見た。財務は堅く、堀は弱い。個別のリスクは k に足さず、筋書きの利益率と確率、悲観の深さで表した。extra は 0。