結論
ボイド・ゲーミングは、米国各地の地域カジノとオンライン賭博、部族カジノの受託運営で稼ぐ会社だ。筆者の結論は適正圏である。地元の固定客と許認可は価値があるが、巨額の一時売却益を毎年の稼ぎと取り違えてはならない。
2025年の純利益18.4億ドルには、ファンデュエルの持ち分売却で生じた約14億ドルの税引後利益が含まれる。この取引は成功した資本配分だが、10年後に繰り返せない。2026年7~9月の売上は前年を下回り、ラスベガスの観光客向け物件とハワイからの来訪が重い。一方、南部・中西部の常連客、オンラインカジノ、スカイリバーの受託収入は底堅い。
10年後の利益を決めるのは、機械の台数と客の賭け方がどれだけ増え、一台当たりの売上が人件費を超えて伸びるかである。ノーフォークの新施設は数量を押し上げるが、建設に資本が要る。オンラインの売上は大半が費用の精算であり、同じ比率で利益が伸びるわけではない。免許による参入障壁は残っても、顧客の賭け金まで独占できない。
中立では、地域物件の更新と少しの新規開業で2035年の純利益が7億ドル台となり、利益に見合う還元が続く。利益率低下と借金を伴う拡張を見込んだ慎重な側にも相応の重みを与えた。現値で高い安全域があるとは言いにくく、ファンデュエルの売却後に経営が利益をどこへ再投資するかを見届けたい。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、この会社を「カジノの成長株」と呼ぶより、免許に守られた地域の現金回収装置として考える。10年後も人は娯楽を求め、近所のカジノに通うだろう。強みは新しいゲームを独占することではなく、そこに施設を持つ権利と、常連の来店習慣にある。ただし利用客が賭ける額は景気に左右されるため、価格決定力は限定的だ。
株主が受け取れるのは会計上の利益全部ではない。機械や客室を保つ費用と、ノーフォークのような新設投資が必要である。2025年の営業キャッシュフローは厚かったが、設備投資も多く、自由現金収支は約4億ドルだった。ファンデュエルの売却資金で借金を減らせたことは良い判断だが、その資金を高い値段での自社株買いに使い続ければ価値は失われる。
最も厳しく見るのは再投資の収益率である。南部の新施設が初期費用を回収し、地域の既存店を傷めずに客数を増やすなら、借入で建てた意味がある。逆に州が新しい免許を増やして供給過剰になれば、帳簿の利益が増えても投じた資金の価値は低い。
長期保有の条件は、普通の年の利益と自由現金が維持され、還元が借金の積み増しに頼らないことだ。いまの値段には大きな安全域がない。許認可による守りを評価しながらも、観光依存の施設、会員向け販促、規制と借り換えの不確かさを安く見積もるべきではない。
何で稼ぐ会社か
利益の中心は、地元住民が繰り返し通うカジノである。2025年末の直営・連結施設には約2万7,300台のスロットと約600卓のテーブルゲームがあり、飲食や宿泊も併設する。賭け金そのものが売上になるわけではない。機械への投入額から客への払い戻しを引いた勝ち分がゲーミング収入となり、会員の来店回数と賭け金、勝ち分の割合が稼ぎを左右する。
ラスベガス地元客向けは、オーリンズ、アリアンテ、サンコーストなどの物件である。観光客向けの大型リゾートより生活圏に近い場所を押さえ、宿泊を目的としない客を呼ぶ。中心街のカリフォルニア、フリーモント、メインストリート・ステーションはハワイからの旅行客が独特の集客源だ。南部・中西部にはカンザススター、アメリスターやバレーフォージなどがあり、地域ごとの営業免許と立地が収益を守る。
オンラインは二つの顔を持つ。自社のボイド・インタラクティブは米国とカナダでオンラインカジノの顧客・事業者にサービスを売り、ファンデュエルなどには州の免許に基づく市場アクセスを提供する。2025年のオンライン売上約7.1億ドルのうち約5.8億ドルは賭博税などの費用精算で、ほぼ同額の費用が生じる。収益の質を見るには売上総額でなく、利益を生む実質手数料と継続契約を追うべきだ。
スカイリバーはカリフォルニアの部族が所有する施設で、ボイドは経営受託料を受け取る。施設そのものの賭博収入を自社売上に足してはいけない。イリノイ州のラトナーは飲食店などに設置した973台の機械から収益を得る。ノーフォークでは別の部族との契約に基づき開発を担い、連結対象となる事業体を通じて施設収益を取り込む。
優良さと弱いところ
堀、つまり他社が簡単にまねできない強みは、営業免許と生活圏での立地にある。カジノは誰でも開ける商売ではなく、自治体の許可と審査、規模のある設備投資が要る。長年の会員データを使った販促や地域ごとの飲食・イベントも、常連の習慣を支える。2026年7~9月、観光の弱さが目立つなかでも主要な地元客向け施設の残りは売上を伸ばした。
ただし、この堀は全国を覆う独占ではない。客は競合のスロットに乗り換えられ、勝ち分の割合を大きく上げれば遊技量が落ちる。ラスベガスではレッド・ロック・リゾーツが大きな地元客網を持ち、南部・中西部ではペン・エンターテインメント、シーザーズや部族カジノが争う。営業免許は新規参入を減らすが、既存業者との販促競争までは止められない。
2021~2024年はカジノ物件の営業利益率が高まり、株式買い戻しで株数が大幅に減った。一方、2025年の見かけのROE約71%はファンデュエル持ち分売却の影響が大きい。これを増分投資の利回りとは見なさない。ノーフォークの約7.5億ドル投資と既存物件の改装が資本コストを超える利益を生むかが、今後の経営の実力を決める。
取締役・経営陣の保有比率は2026年初めに約31%で、経営は株主と利害を共有する反面、少数株主が資本配分に異議を唱えにくい面もある。ブランドの強さより、許認可の維持と設備更新の成果を信じる会社である。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の商業カジノは成熟市場だが、娯楽への支出そのものは消えていない。米国ゲーミング協会によれば2025年の従来型カジノ収入は約509億ドル、前年比2%余りの増加だった。ボイドの施設・設置機械のゲーミング収入約26億ドルは全国の約5%に相当する。ただし州ごとに免許制度が違い、この全国比率は個別地域での競争力を示す数字ではない。
ラスベガス地元客市場は2025年におおむね32億ドルで、ボイドの地元客向けゲーミング収入約6.5億ドルは概算で2割となる。レッド・ロックのカジノ収入約13.4億ドルは同じ物差しで4割強に達する。中心街市場は約9.5億ドルで、ボイドの約1.4億ドルはおよそ15%だ。施設の住所と当局の集計区域が完全に一致しないため、いずれも厳密な公表シェアではない。南部・中西部は州ごとの寡占と越境客の取り合いが重なる。
オンラインは別の成長率で動く。2025年の米国オンラインカジノ収入は約107億ドルで前年比3割近く伸びたが、ボイドの売上には税金の立替精算が含まれ、市場シェアの直接比較はできない。ファンデュエル、ドラフトキングス、MGM系のベットMGMは集客規模で勝り、ボイドは免許・提携手数料と自営カジノを組み合わせる立場だ。イリノイ州の設置型端末は約5万台で、ラトナーの千台弱は約2%となる。
今後10年は物価上昇が値段を支える半面、カジノ客の使える現金を圧迫する。地元客向け市場の実質数量は横ばいに近く、許認可地域を広げる企業だけが伸びやすい。景気後退、規制強化、部族カジノの増設とオンラインへの移行を、数量と利益率の両方で警戒する。
資本政策と M&A
資本配分で最も大きな成功は、2018年に得たファンデュエル持ち分5%を2025年7月に約17.6億ドルで売却し、借入返済に充てたことである。ただし株式の売却益は一度だけであり、2025年の純利益18.4億ドルを持続利益として還元余力に使うのは危険だ。10年後の価値には残ったオンライン提携料だけを含める。
成長投資の中心はバージニア州ノーフォークの約7.5億ドルのカジノで、2025年に仮営業を開始し、本施設の開業予定は2027年末だ。ネバダ州ではジョーカーズ・ワイルドの後継として2026年春にケイデンス・クロッシングが開業した。スカイリバーの増設は部族が資金を負担し、ボイドは管理報酬を得る仕組みである。2025年にはサムズ・タウン・チュニカを閉鎖し、シュリーブポートは2026年8月に売却している。会社は2026年の設備投資額を合計6.5~7.0億ドルと見込み、そのうちノーフォークに約3億ドルを充てる計画を開示した。
会社は2025年に配当と自社株買いで8億ドル超を株主へ戻し、2026年7~9月も約1.8億ドルを還元した。同年9月末の買い戻し残枠は3.87億ドルで、配当も継続した。だが10年間の総還元額や利益成長率に確約はない。株式報酬の希薄化と、設備更新・利払いを引いた正味還元だけを株主利益として数える。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
地域カジノの強みは、見かけより大きい。ラスベガスの観光客が減る局面でも地元客は遊びに来ており、2026年7~9月には観光依存の弱い施設群でゲーミング収入が伸びた。営業免許と、住まいから車で行きやすい立地は後から高い費用を払っても簡単に手に入らない。オーリンズやサンコーストの改装が終われば、常連客の滞在時間と飲食消費も戻る。
ノーフォークは2027年末に本施設が完成する見込みで、最初の仮営業所とは機械数もホテルの規模も違う。人口圏に新規供給を取り込めれば、南部・中西部の収益は地域市場の伸び以上に増える。スカイリバーは部族の資本で増設され、ボイドは契約に従って運営料を受け取れる。建物を所有する物件ほど重い投資を求められず、管理利益が増える余地がある。
オンラインでもファンデュエル持ち分の売却は機会を失っただけではない。2038年までの新しい定額の市場アクセス契約によって、変動するスポーツ賭博の勝ち負けに左右されにくい手数料が残る。自社のオンラインカジノと、イリノイ州の端末も伸びる。もし利用者数と一人当たり支出が物価以上に増え、建設の投下資本利益率が資本コストを超えるなら、10年後の純利益は大きく伸びる。
経営には株主への還元実績がある。株数を何年も減らし、利益を現金に変える能力を示した。ノーフォーク完成後に設備投資が通常水準へ戻れば、利益だけでなく自由現金も増え、買い戻しは自らの価値を高める。
慎重な見方
免許は参入を制限するが、カジノ客を囲い込む力は弱い。賭博税と販促費の重さは変わらず、近隣に新施設が建てば、客が移動しても業界全体の賭け金は増えない。ラスベガスで大きいのはレッド・ロック・リゾーツで、地元客向けの集客網と施設改装で先を走る。ボイドが高い投資をして現状を保つだけなら、新規資本の利回りは資本コストを下回る。
2026年7~9月にはオーリンズの観光客依存が露わになり、中心街でもハワイからの旅行が減った。生活費が上がると、地域の常連も賭博に使う額を減らす。2020年には全社売上が大きく落ち、過去の不況では株価も激しく下げた。店舗の人員、借地料、設備保守を急には減らせないので、売上の減少は利益をさらに大きく削る。
オンラインの売上高は税金などの立替精算を大量に含む。伸びた売上をそのまま高い利益率で評価するのは誤りだ。ファンデュエル株式を売却したため、米国スポーツ賭博市場がどれほど膨らんでも、その持ち分価値の上昇はもう得られない。固定料の契約が2038年に終わる後は条件が変わりうる。自社アプリは資金力のあるドラフトキングスやベットMGMに埋もれるおそれがある。
ノーフォークは約7.5億ドルを必要とし、建設費と借入の負担が先に立つ。閉鎖物件や開業後の低収益施設に減損が生じれば、会計上の自己資本も減る。ファンデュエル売却益を差し引いた普通の稼ぎに対して、自社株買いが過大にならないかが最大の懸念だ。
どちらに重みを置いたか
地域免許と顧客基盤を理由に、事業の消滅まで想定するのは過度である。一方、足元の観光需要の弱さ、オンラインの費用精算、ノーフォークの大型投資は、楽観の確率を高くする材料でもない。中立38%を中心に、楽観側28%より悲観側34%をやや厚くした。2025年の一度きりの売却益を除いても利益は残るが、再投資が成功して初めて大きく増える。確率加重の価値は今の時価総額に近く、判定は適正となる。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 108.11 ドル79 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 38.41 ドル28 億ドル)。 今の値に割り戻すと 70.63 ドル52 億ドル、今との差 −3.0%、 期待の年率 +8.6%(資本コスト 9.0%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 211.61 ドル155 億ドル | 58.87 ドル43 億ドル | +271.4% | +16.6% | 24.34 ドル18 億ドル |
| やや楽観 | 19% | 153.65 ドル112 億ドル | 53.39 ドル39 億ドル | +184.3% | +13.3% | 39.34 ドル29 億ドル |
| 中立 | 38% | 118.04 ドル86 億ドル | 45.18 ドル33 億ドル | +124.1% | +10.1% | 62.02 ドル45 億ドル |
| やや悲観 | 23% | 53.48 ドル39 億ドル | 23.27 ドル17 億ドル | +5.4% | +0.6% | 17.65 ドル13 億ドル |
| 悲観 | 11% | 24.66 ドル18 億ドル | 4.11 ドル3 億ドル | −60.5% | −9.4% | 3.16 ドル2 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 108.11 ドル79 億ドル | 38.41 ドル28 億ドル | +101.2% | +8.6% | 146.52 ドル107 億ドル |
今の株価時価総額 72.83 ドル53 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 9% 楽観:地域独占の隙間を埋め、新施設とネットの利益も育つ 利益 12 億ドル · PER 13.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 211.61 ドル155 億ドル
ネバダの住宅地が広がり、ケイデンス・クロッシングの更新効果が定着する。地元客向けの機械は約1万台、中心街も約2,250台へ増え、台当たり売上は物価を上回る。レッド・ロックに全面的には勝てなくても、自社の地盤で販促費を抑えられる。ハワイからの来訪も戻り、中心街の稼働が回復する。
ノーフォーク本施設が予定どおり完成し、南部・中西部の機械は約2万500台へ増える。州の認可が慎重に運用されるため、新しい施設が既存店から客を奪う割合は小さい。オンラインは営業市場を17地域相当へ広げ、実際に利益を生む手数料が増える。スカイリバーの増設後は部族資本を使った管理料がほぼ倍増し、ラトナーの設置端末も増える。
売上は約83億ドル、営業利益は約22億ドルとなり、純利益は約12億ドルに届く。建設投資を終えた後に資金が浮き、株式報酬を控除した10年間の正味還元は43億ドルへ増える。利益累計は85億ドルで、自己資本は約68億ドルへ育つ。許認可・立地の強みが維持される一方、全国的な独占にはならない。
- ラスベガス地元客向けカジノ:数量 10,000(営業中スロット台数(台))× 価格 0.00(スロット1台当たり年間全部門売上(億ドル))→ 売上 17 億ドル・営業利益 7 億ドル。会社開示の基準期末スロット台数を起点とする実質設備・顧客獲得量。売上に宿泊・飲食を含むため単価は一台当たり全部門の合成単価。
- ラスベガス中心街・ハワイ客:数量 2,250(営業中スロット台数(台))× 価格 0.00(スロット1台当たり年間全部門売上(億ドル))→ 売上 4 億ドル・営業利益 1 億ドル。会社開示の基準期末スロット台数を起点とする実質設備・顧客獲得量。売上に宿泊・飲食を含むため単価は一台当たり全部門の合成単価。
- 米国南部・中西部の地域カジノ:数量 20,500(営業中スロット台数(台))× 価格 0.00(スロット1台当たり年間全部門売上(億ドル))→ 売上 41 億ドル・営業利益 11 億ドル。会社開示の基準期末スロット台数を起点とする実質設備・顧客獲得量。売上に宿泊・飲食を含むため単価は一台当たり全部門の合成単価。
- オンラインカジノ・州への市場アクセス:数量 17.0(年間収益計上した州・準州相当市場数(推計))× 価格 1.13(1州・準州相当市場当たり会計売上(億ドル))→ 売上 19 億ドル・営業利益 2 億ドル。自営と提携の州・地域当量。会計売上の大半が税・費用の精算であり、利益率は低く見ている。
- スカイリバー部族カジノの運営受託:数量 1.0(受託カジノ契約件数(件))× 価格 1.98(1契約当たり年間管理料(億ドル))→ 売上 2 億ドル・営業利益 1 億ドル。部族保有カジノの受託契約は一つ。増設効果は契約単価にのみ含め、自社所有のスロットには加えない。
- イリノイ州の設置型ゲーム端末:数量 1,600(設置ゲーム端末台数(台))× 価格 0.00(1台当たり年間売上(億ドル))→ 売上 1 億ドル・営業利益 1 億ドル。イリノイ州の設置型端末。市場規模と端末シェアは数量に、インフレと顧客の利用額は単価に反映。
倍率:式の自己資本利益率は2035年のGAAP純利益11.8÷自己資本68.1=17.3%。事業に必要な自己資本を残す前提で、通常の堀の超過収益残存率1/2を適用するとRONIC13.2%、k9.0%、長期g4.0%(市場実質+0.5%、地盤のシェア+0.2%、実現単価+3.3%)となる。来期基準の正当化PERを2035年利益基準に直した上限14.48倍に対し、約90%の13.1倍。営業設備の更新と物件間競争を考慮し上限を使い切らない。GAAP純利益には借入利息と株式報酬を含め、純現金の追加はない。
確率:ノーフォークの予定通りの完成、地元客の支出拡大、オンラインの販路拡大、同時に販促費の抑制がそろう必要がある。免許の堀はあるが、同時達成は容易でなく9%。
やや楽観 19% やや楽観:ノーフォークが軌道に乗り、顧客基盤を維持 利益 9 億ドル · PER 12.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 153.65 ドル112 億ドル
地域のカジノ利用者は横ばいに近いが、ノーフォークの大型施設が新しい商圏を開く。南部・中西部の機械は約1万9,000台へ増え、台当たり収入は物価を少し上回る。カンザススターやアメリスターの改装も寄与し、競合のペンやシーザーズと客を分け合いながら、収益性を守る。
ラスベガス地元客向けは約9,400台に増え、オーリンズの観光客減少が一巡する。中心街はハワイ客の回復が緩やかで、利益率は地元客向けより低いままだ。オンラインは15市場相当へ増えるが、税・費用の精算収入を利益と取り違えず、手数料の増分だけを価値とする。スカイリバーの管理料とラトナーの設置台数も増える。
売上は約72億ドル、営業利益は約17億ドルとなり、純利益は9億ドル台に達する。ノーフォークへの借入を返済しながら、10年間の正味還元は39億ドルとなる。累計利益約70億ドルから還元を引くと、自己資本は約57億ドルとなる。免許の価値は守られるが、値上げだけで成長する会社ではない。
- ラスベガス地元客向けカジノ:数量 9,400(営業中スロット台数(台))× 価格 0.00(スロット1台当たり年間全部門売上(億ドル))→ 売上 15 億ドル・営業利益 6 億ドル。会社開示の基準期末スロット台数を起点とする実質設備・顧客獲得量。売上に宿泊・飲食を含むため単価は一台当たり全部門の合成単価。
- ラスベガス中心街・ハワイ客:数量 2,150(営業中スロット台数(台))× 価格 0.00(スロット1台当たり年間全部門売上(億ドル))→ 売上 3 億ドル・営業利益 1 億ドル。会社開示の基準期末スロット台数を起点とする実質設備・顧客獲得量。売上に宿泊・飲食を含むため単価は一台当たり全部門の合成単価。
- 米国南部・中西部の地域カジノ:数量 19,000(営業中スロット台数(台))× 価格 0.00(スロット1台当たり年間全部門売上(億ドル))→ 売上 36 億ドル・営業利益 9 億ドル。会社開示の基準期末スロット台数を起点とする実質設備・顧客獲得量。売上に宿泊・飲食を含むため単価は一台当たり全部門の合成単価。
- オンラインカジノ・州への市場アクセス:数量 15.0(年間収益計上した州・準州相当市場数(推計))× 価格 1.05(1州・準州相当市場当たり会計売上(億ドル))→ 売上 16 億ドル・営業利益 1 億ドル。自営と提携の州・地域当量。会計売上の大半が税・費用の精算であり、利益率は低く見ている。
- スカイリバー部族カジノの運営受託:数量 1.0(受託カジノ契約件数(件))× 価格 1.76(1契約当たり年間管理料(億ドル))→ 売上 2 億ドル・営業利益 1 億ドル。部族保有カジノの受託契約は一つ。増設効果は契約単価にのみ含め、自社所有のスロットには加えない。
- イリノイ州の設置型ゲーム端末:数量 1,300(設置ゲーム端末台数(台))× 価格 0.00(1台当たり年間売上(億ドル))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。イリノイ州の設置型端末。市場規模と端末シェアは数量に、インフレと顧客の利用額は単価に反映。
倍率:2035年GAAP純利益9.2÷自己資本57.1=ROE16.1%。通常の堀の残存率1/2によりRONIC12.6%、k9.0%。長期g3.8%は地域市場実質+0.3%、シェア+0.2%、価格+3.3%から導く。期末利益基準の正当化PER上限13.92倍に対し約88%の12.2倍。既存店改装と新規施設の実績は評価するが、リース・販促費が残るため満額にしない。利払い・税金・株式報酬込みのGAAP純利益を使い、純現金は上乗せしない。
確率:ノーフォークとスカイリバーの増設は進行中で、地元客の底堅さは確認できる。一方で増収による利益率の上昇には地域競争という壁があり、19%とする。
中立 38% 中立:地域カジノは物価並みに育つが、巨額投資の上積みは限定的 利益 7 億ドル · PER 11.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 118.04 ドル86 億ドル
米国の地域カジノ市場は実質ほぼ横ばいで、客一人が負担できる賭け金には限界がある。地元客向けの機械は約8,800台へ微増するが、レッド・ロックとの競争で台当たり売上は10年で1.37倍にとどまる。中心街はハワイ客の伸び悩みを受け、機械が約1,900台へ減る。物価をすべて客へ転嫁することはできない。
南部・中西部はノーフォークの本施設で台数が増えるが、シュリーブポートの売却と老朽店の整理もある。機械は約1万7,800台となり、地元市場でのシェアは大きく変わらない。オンラインは12市場相当で事業を続け、税金の立替精算部分は低採算のままである。スカイリバーは部族の施設拡張が管理料を押し上げるが、管理契約数は増えない。
売上は約61億ドル、営業利益は約14億ドル、純利益は7億ドル台となる。2026年の普通の利益から徐々に増え、ときどき景気の谷が来るため10年間の累計利益は59億ドルにとどまる。正味還元は33億ドルで、自己資本は約52億ドルとなる。地方免許の堀は残るが、値決め力は並みであり、高い成長率は持ち込まない。
- ラスベガス地元客向けカジノ:数量 8,800(営業中スロット台数(台))× 価格 0.00(スロット1台当たり年間全部門売上(億ドル))→ 売上 13 億ドル・営業利益 5 億ドル。会社開示の基準期末スロット台数を起点とする実質設備・顧客獲得量。売上に宿泊・飲食を含むため単価は一台当たり全部門の合成単価。
- ラスベガス中心街・ハワイ客:数量 1,900(営業中スロット台数(台))× 価格 0.00(スロット1台当たり年間全部門売上(億ドル))→ 売上 3 億ドル・営業利益 1 億ドル。会社開示の基準期末スロット台数を起点とする実質設備・顧客獲得量。売上に宿泊・飲食を含むため単価は一台当たり全部門の合成単価。
- 米国南部・中西部の地域カジノ:数量 17,800(営業中スロット台数(台))× 価格 0.00(スロット1台当たり年間全部門売上(億ドル))→ 売上 31 億ドル・営業利益 8 億ドル。会社開示の基準期末スロット台数を起点とする実質設備・顧客獲得量。売上に宿泊・飲食を含むため単価は一台当たり全部門の合成単価。
- オンラインカジノ・州への市場アクセス:数量 12.0(年間収益計上した州・準州相当市場数(推計))× 価格 0.97(1州・準州相当市場当たり会計売上(億ドル))→ 売上 12 億ドル・営業利益 1 億ドル。自営と提携の州・地域当量。会計売上の大半が税・費用の精算であり、利益率は低く見ている。
- スカイリバー部族カジノの運営受託:数量 1.0(受託カジノ契約件数(件))× 価格 1.58(1契約当たり年間管理料(億ドル))→ 売上 2 億ドル・営業利益 1 億ドル。部族保有カジノの受託契約は一つ。増設効果は契約単価にのみ含め、自社所有のスロットには加えない。
- イリノイ州の設置型ゲーム端末:数量 1,100(設置ゲーム端末台数(台))× 価格 0.00(1台当たり年間売上(億ドル))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。イリノイ州の設置型端末。市場規模と端末シェアは数量に、インフレと顧客の利用額は単価に反映。
倍率:2035年の自己資本はFY2025の26.1+2026~35年GAAP純利益累計59−正味還元33=52.1億。ROEは7.4÷52.1=14.2%、通常の堀の残存率1/2でRONIC11.6%。k9.0%、長期g3.5%は地元カジノ市場実質0%前後、オンラインと新店によるシェア・商品構成+0.3%、価格+3.2%の合計。2035年利益基準の正当化PER上限13.14倍の約87%に当たる11.4倍を採用した。ROEがkを超えるため1÷kの11.11倍を下回らせない。市場の現行倍率は使っていない。GAAP純利益からさらに負債を引かず、純現金加算もしない。
確率:物件ごとの改装、ノーフォーク本施設、オンラインへの移行はいずれも確認可能だが、賭博に使える家計の現金と既存店の競争が制約する。極端な勝敗より38%を厚くする。
やや悲観 23% やや悲観:地域シェアの喪失と借地・投資費用が利益を削る 利益 4 億ドル · PER 8.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 53.48 ドル39 億ドル
地元客の遊技量が目減りし、レッド・ロックの改装や販促に客を取られる。地元客向けの機械は約8,000台へ減り、単価の伸びも物価を下回る。観光頼みの中心街ではハワイ客の回復が鈍く、従業員や宿泊施設を維持する固定費が利益を削る。免許は残っても、価格を上げる力が弱まる。
南部・中西部はノーフォーク開業による新規客を既存店の減少が打ち消す。近隣のペン、シーザーズと部族施設に対抗する販促が増え、営業利益率は20%を割る。オンラインは市場アクセスの地域数を維持するものの、費用精算が増えるだけで利益の増加につながらない。スカイリバーの管理料も想定以下にとどまる。
売上は約48億ドル、営業利益は約8億ドル、純利益は約3.5億ドルとなる。買い戻しを抑え、累計利益42億ドルのうち正味17億ドルだけを還元するため、自己資本は約51億ドルとなる。資本コストに届かないROEは、貯めた利益がそのまま時価に反映されないことを意味する。
- ラスベガス地元客向けカジノ:数量 8,000(営業中スロット台数(台))× 価格 0.00(スロット1台当たり年間全部門売上(億ドル))→ 売上 10 億ドル・営業利益 3 億ドル。会社開示の基準期末スロット台数を起点とする実質設備・顧客獲得量。売上に宿泊・飲食を含むため単価は一台当たり全部門の合成単価。
- ラスベガス中心街・ハワイ客:数量 1,750(営業中スロット台数(台))× 価格 0.00(スロット1台当たり年間全部門売上(億ドル))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。会社開示の基準期末スロット台数を起点とする実質設備・顧客獲得量。売上に宿泊・飲食を含むため単価は一台当たり全部門の合成単価。
- 米国南部・中西部の地域カジノ:数量 16,000(営業中スロット台数(台))× 価格 0.00(スロット1台当たり年間全部門売上(億ドル))→ 売上 25 億ドル・営業利益 5 億ドル。会社開示の基準期末スロット台数を起点とする実質設備・顧客獲得量。売上に宿泊・飲食を含むため単価は一台当たり全部門の合成単価。
- オンラインカジノ・州への市場アクセス:数量 10.0(年間収益計上した州・準州相当市場数(推計))× 価格 0.80(1州・準州相当市場当たり会計売上(億ドル))→ 売上 8 億ドル・営業利益 0 億ドル。自営と提携の州・地域当量。会計売上の大半が税・費用の精算であり、利益率は低く見ている。
- スカイリバー部族カジノの運営受託:数量 1.0(受託カジノ契約件数(件))× 価格 1.21(1契約当たり年間管理料(億ドル))→ 売上 1 億ドル・営業利益 1 億ドル。部族保有カジノの受託契約は一つ。増設効果は契約単価にのみ含め、自社所有のスロットには加えない。
- イリノイ州の設置型ゲーム端末:数量 850(設置ゲーム端末台数(台))× 価格 0.00(1台当たり年間売上(億ドル))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。イリノイ州の設置型端末。市場規模と端末シェアは数量に、インフレと顧客の利用額は単価に反映。
倍率:2026~35年の自己資本の繰越は26.1+42−17=51.1億ドル、2035年ROEは3.5÷51.1=6.8%でk9.0%を下回る。長期g2.0%は市場実質−1.0%、競合流出−0.5%、価格+3.5%の合計であり、利益の縮みを反映する。ROEがk以下のためPER上限は1÷k=11.11倍。この構造では利益の持続性をさらに割り引き、8.0倍とした。2025年の一時売却益と上積み現金は含めず、mcap=GAAP利益3.5×8.0である。
確率:観光需要の軟化は2026年に既に確認でき、部族カジノと同業の増設、店舗更新費の上昇は確かな逆風。ただし営業免許がすぐ失われるとは考えず23%。
悲観 11% 悲観:構造的な失客と店舗減損で、売れる資産の価値が中心になる 利益 1 億ドル · PBR 0.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 24.66 ドル18 億ドル
地域の新たな免許と部族カジノの増設で、既存店の客を守れなくなる。ラスベガス地元客向けは機械が約7,200台に減り、中心街では観光とハワイ旅行客が細る。南部・中西部はノーフォークの建設費が膨らみ、開業後も周辺店から客を奪うだけとなる。採算の悪い施設を閉めても、残る借地料と施設保守が負担になる。
オンラインでは大手の競争に負け、収益認識市場は8地域相当へ縮む。売上総額の多くが費用精算のため、規模の縮小を利益率の改善で補えない。スカイリバーの運営契約は続いても、管理料の条件が悪化する。もはや地域の中堅優良カジノ会社とは呼べず、新しい投資から十分な利益を得られない。
売上は約33億ドル、営業利益は約3億ドル、純利益は約1億ドルとなる。2026~28年の利益を積み上げた後、2029~31年に設備と免許関連の減損約20億ドルを計上すると想定し、期間の純利益累計は10億ドルまで縮む。正味還元は3億ドルに減り、自己資本は約33億ドルだが、それを額面どおり売却代金とみなさない。現在の売却可能資産を税と清算費用で減額した純額を下値として見る。
- ラスベガス地元客向けカジノ:数量 7,200(営業中スロット台数(台))× 価格 0.00(スロット1台当たり年間全部門売上(億ドル))→ 売上 8 億ドル・営業利益 2 億ドル。会社開示の基準期末スロット台数を起点とする実質設備・顧客獲得量。売上に宿泊・飲食を含むため単価は一台当たり全部門の合成単価。
- ラスベガス中心街・ハワイ客:数量 1,350(営業中スロット台数(台))× 価格 0.00(スロット1台当たり年間全部門売上(億ドル))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。会社開示の基準期末スロット台数を起点とする実質設備・顧客獲得量。売上に宿泊・飲食を含むため単価は一台当たり全部門の合成単価。
- 米国南部・中西部の地域カジノ:数量 12,800(営業中スロット台数(台))× 価格 0.00(スロット1台当たり年間全部門売上(億ドル))→ 売上 18 億ドル・営業利益 2 億ドル。会社開示の基準期末スロット台数を起点とする実質設備・顧客獲得量。売上に宿泊・飲食を含むため単価は一台当たり全部門の合成単価。
- オンラインカジノ・州への市場アクセス:数量 8.0(年間収益計上した州・準州相当市場数(推計))× 価格 0.60(1州・準州相当市場当たり会計売上(億ドル))→ 売上 5 億ドル・営業利益 0 億ドル。自営と提携の州・地域当量。会計売上の大半が税・費用の精算であり、利益率は低く見ている。
- スカイリバー部族カジノの運営受託:数量 1.0(受託カジノ契約件数(件))× 価格 0.79(1契約当たり年間管理料(億ドル))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。部族保有カジノの受託契約は一つ。増設効果は契約単価にのみ含め、自社所有のスロットには加えない。
- イリノイ州の設置型ゲーム端末:数量 650(設置ゲーム端末台数(台))× 価格 0.00(1台当たり年間売上(億ドル))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。イリノイ州の設置型端末。市場規模と端末シェアは数量に、インフレと顧客の利用額は単価に反映。
倍率:稼ぐ力が構造的に劣化するため、2035年に積み上がる自己資本33.1億ドルに倍率を掛けることはしない。FY2025の現在自己資本26.1億ドルのうち、換金が難しいのれん・専用設備や処分税負担を約8.1億ドル減額した残存資産18.0億ドルを悲観の床と推定する。現在自己資本に対するPBR0.69倍=約18.0億ドル。これは過去の株式市場の安値倍率ではなく、税後の売却価値の仮定。今後の減損後も赤字化・破綻寸前ではなく、価値をゼロにしない。
確率:複数地域で免許・客・採算を同時に失うのは少数例だが、過去の不況と2025年の減損は軽視できない。負債と建設投資の回収不振を加味して11%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
ラスベガス地元客向けカジノ
住宅地の近くの7営業施設。スロットを収益規模の代理数量とし、テーブルゲーム、飲食、宿泊の売上も台当たりに含める。
| 数量営業中スロット台数(台) | 価格スロット1台当たり年間全部門売上(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 8,458 | 0.00 | 9 | 4 |
| 10 年後 中立 | 8,800 | 0.00 | 13 | 5 |
取り方:2025年10-Kの各物件の稼働台数を合算すると8,458台。部門別売上はGaming6.54132億、飲食0.92901億、客室0.84977億、その他0.57947億で計8.89957億。台当たりは全業態売上を割った代理単価でありスロットのホールド率そのものではない。セグメント営業利益はAdjusted EBITDAR4.205億から推定減価償却など0.555億を差し引いた分析用値。
ラスベガス中心街・ハワイ客
カリフォルニア、フリーモント、メインストリートの3施設。ハワイからの旅行客と宿泊需要が特徴。
| 数量営業中スロット台数(台) | 価格スロット1台当たり年間全部門売上(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2,051 | 0.00 | 2 | 1 |
| 10 年後 中立 | 1,900 | 0.00 | 3 | 1 |
取り方:2025年10-Kで770+778+503=2,051台。ゲーミング1.44003億、飲食0.45061億、客室0.27526億、その他0.12147億を合計。ハワイ旅行会社の収入も含まれるため、単価はすべてをスロット台数で正規化した代理指標である。EBITDAR0.8045億から約0.17億の設備償却等を配賦して営業利益0.63億。
米国南部・中西部の地域カジノ
地域ごとに規制された州のカジノ・競馬場。バージニア州ノーフォークの新施設をこの数量に織り込む。
| 数量営業中スロット台数(台) | 価格スロット1台当たり年間全部門売上(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 16,758 | 0.00 | 21 | 5 |
| 10 年後 中立 | 17,800 | 0.00 | 31 | 8 |
取り方:2025年10-K各物件のスロット合計は16,758台(2025年末、ノーフォーク仮営業132台を含み、閉鎖済みチュニカを含まない)。ゲーミング17.94435億、飲食1.72284億、客室0.78783億、その他0.71092億。台当たり収入に飲食・宿泊・テーブルを加味する。Adjusted EBITDAR7.7766億からマスターリース家賃約1.14億と償却等約1.44億を配賦し営業利益5.20億を推計。
オンラインカジノ・州への市場アクセス
自営のボイド・インタラクティブ、B2B提供、ファンデュエルほかへの市場アクセス契約。税や諸費用の精算収入を含む。
| 数量年間収益計上した州・準州相当市場数(推計) | 価格1州・準州相当市場当たり会計売上(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 10.0 | 0.71 | 7 | 0 |
| 10 年後 中立 | 12.0 | 0.97 | 12 | 1 |
取り方:2025年の開示で自営オンラインカジノはニュージャージー、ペンシルベニア、オンタリオ。市場アクセスは米国8州で、オハイオは6月までの部分年。重複するペンシルベニアを除き、年度の取引市場を概算10地域とした推計であり、開示契約件数ではない。2025年7.08323億のうち費用精算5.76158億(費用も同額)、実質オンライン収益1.32165億。報告EBITDAR0.6315億から償却等を引き営業利益0.42億と推計。
スカイリバー部族カジノの運営受託
カリフォルニアのウィルトン・ランチェリア所有施設の管理料。所有施設の賭博収入は連結しない。
| 数量受託カジノ契約件数(件) | 価格1契約当たり年間管理料(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1.0 | 0.99 | 1 | 1 |
| 10 年後 中立 | 1.0 | 1.58 | 2 | 1 |
取り方:2025年10-Kの管理料収入は0.98869億で契約はスカイリバー1件。部族所有の2,100台超のスロットは自社売上の数量には数えない。増設の400台と2027年予定のホテルが管理料に寄与する余地がある。管理事業の営業利益0.70億は、Managed & Otherの報告EBITDARと分散型端末を参考にした配賦推計。
イリノイ州の設置型ゲーム端末
飲食店など177か所に設置する端末を管理し、認められた賭博収入の分配を得る事業。
| 数量設置ゲーム端末台数(台) | 価格1台当たり年間売上(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 973 | 0.00 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 1,100 | 0.00 | 1 | 0 |
取り方:2025年10-Kに端末973台・設置先177か所と記載。Managed & Otherの売上1.48378億からスカイリバー管理料0.98869億を差し引いた0.49509億を端末事業とその他の売上の代理とする。法定の州内端末市場は2025年末約5万台、実数ベースの取り分は約2%。営業利益0.20億は配賦推計。
リスクと懸念
景気後退と地元客の賭け金縮小
地域カジノは日常の娯楽でも、余暇に回る現金が減れば来店回数と一人当たり投入額が下がる。リーマン期の株価下落は9割超、コロナ期も5割超だった。店の賃金や冷暖房、機械の保守はすぐ減らず、営業利益率が売上以上に落ちる。2026年のオーリンズとハワイ客の弱さは、観光要因が地元客の底堅さを打ち消すことを示した。
地域免許の堀を侵食する既存競合
レッド・ロックはラスベガス地元市場でボイドを上回る規模を持ち、新施設・改装に資本を投じる。南部・中西部でもペン、シーザーズ、部族カジノが同じ客を取り合う。許認可は新規参入者を減らすが、既存店が特典を増やせば来店客の取り合いは激しくなる。勝ち分の割合を高く保つことと、常連客を維持することの両立が難しくなる。
ノーフォークの建設費と投下資本利益率
ノーフォーク本施設は約7.5億ドルの大型事業で、2027年末開業が見込まれる。土地と免許の優位はあっても、周辺から客を移すだけなら地域の賭博総額は増えない。工事の遅延と費用増加があれば、完成までの借入と利払いが先に膨らむ。部族との契約に関わる事業体を連結しているため、少数持分や資金の帰属も見る必要がある。
オンライン売上の費用精算と契約の変化
2025年のオンライン売上約7.1億ドルのうち約5.8億ドルは賭博税などの費用精算で、同額の費用が発生する。報告売上だけを見れば大きく伸びても、付加価値は小さい場合がある。ファンデュエルとは2038年まで州ごとに定額の市場アクセス契約が残るが、期限後の条件は保証されない。ドラフトキングスなどとの資金力の差も大きい。
借り換え、家賃の固定負担と還元の質
2025年の純有利子負債は約23.5億ドルと、時価総額の4割超に相当する。会社はREITへのマスターリース家賃など固定的な支払いを抱え、ASC842でリース負債も計上している。10年国債5%を前提とする世界で借金の借り換え利息は重く、再び不況が来れば自社株買いの余力が急減する。株式報酬による希薄化を引いた正味還元で見る必要がある。
売却益による見かけの高収益とガバナンス
2025年純利益18.4億ドルの大きな部分は保有していたファンデュエル持ち分の売却益であり、営業施設が毎年生む収益ではない。経営陣と取締役の保有は大きく、長期経営に向く一方で少数株主の発言力は限定的になりやすい。資産売却で得た現金が、収益性の低い新店や割高な自社株買いに流れれば、過去の良い資本配分の成果は薄れる。
今後の分かれ目
- ラスベガス地元客向けの既存店売上と台当たりゲーミング収入が4四半期続けて物価を上回ったら
- レッド・ロックとの競争下でも常連客が増えた証拠となる。地元客向け数量と実質単価を見直し、やや楽観の確率を増やす。
- オーリンズと中心街のハワイ関連来訪が2年間減り続けたら
- 観光依存の弱さが一時的な天候要因にとどまらない。中心街の機械当たり売上と営業利益率を下げ、やや悲観を重くする。
- ノーフォーク本施設が2027年末の開業予定を大きく超え、総工費が当初7.5億ドルから20%以上増えたら
- 再投資の利回りを下げ、南部・中西部の成長数量を削る。建設中の金利負担を増やし、買い戻しの予定も抑える。
- オンラインの費用精算を除いた実質手数料と事業利益が2年続けて15%以上伸びたら
- 自営の顧客基盤と州免許の商業価値を積極的に評価する。売上総額ではなく手数料への利益率を引き上げる。
- 純有利子負債とリース負担の合計が増え続け、自社株買いが年間自由現金収支を超えたら
- 持続可能な還元ではないためpayoutの想定を減らし、利払い後のGAAP利益を下げ、慎重な筋書きの確率を増やす。
- スカイリバーの管理料が増設後も伸びず、受託契約の条件が悪化したら
- 部族の設備投資から得る資本効率の高い収益が期待以下となる。管理契約の単価を下げ、強気側の営業利益を修正する。
見ておくもの
- ラスベガス地元客向けの既存店売上、営業利益率、オーリンズを除くゲーミング収入
- レッド・ロックのラスベガス現地物件の増設とボイドの会員当たり来店回数
- 中心街3施設のハワイ発の航空旅客数、客室単価、スロット当たり勝ち分
- ノーフォーク本施設の建設費、開業日、約1500台の新規スロットの稼働実績
- オンライン売上の費用精算と実質手数料の切り分け、2038年までの市場アクセス契約
- スカイリバー増設後の管理料とイリノイのラトナー設置台数
- リース込み純負債、自由現金収支、株式報酬控除後の正味自社株買い
倍率と資本コストの決め方
先に2025年10-Kの地域別施設数・スロット台数と部門別収益を使い、売上を実質数量と単価に分けた。オンラインの税金等の費用精算5.76億ドルは売上にも費用にも計上し、高い利益を与えていない。指定factsの2025年営業利益8.8億ドルは10-KのGAAP営業利益約7.5億ドルより大きく、減損の調整等による定義差に注意した。2025年純利益に含まれるファンデュエル売却益約14億ドルは将来に繰り返さない。米国ASC842のリース負債は既に計上済みであり、家賃の固定性を悲観の利益率に反映した。AIエージェント代替の対象となる人月請負・業務SaaS等のセグメントはなく、オンライン賭博の操作画面はその意味での席課金ソフトではない。倍率はk9%、中立g3.5%、通常の堀とGAAP利益から独立に求め、市場倍率には寄せていない。10年後の時価総額と期間還元を所定の時点で割引いた確率加重価値は約50.2億ドルで、基準時価総額52.4億ドルとの差は約−4.1%。従って適正圏である。
資本コスト 9.0% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。米国基本8.0%に事業の質の+1.0%を加えた9.0%。事業継続の疑義はないので破綻上乗せは0。株価βと市場PERは使わず、個別の工事・規制リスクは利益とシナリオの確率で表す。