結論
MGM リゾート・インタナショナル(MGM)は、ラスベガス・ストリップの 10 余りのリゾート(ベラージオ・MGM グランド・アリア・マンダレイ・ベイなど)、米国の地域カジノ(デトロイト・メリーランド・スプリングフィールド・ボルゲータなど)、マカオの MGM チャイナ(持分 約 56%)、オンラインの MGM デジタルと BetMGM(持分 50%)を持つ。土地と建物の多くは VICI などから借りており、賃料の費用が年 約 22 億ドルと固定費の中心にある。2025 年は売上 約 175 億ドル、セグメント EBITDAR 約 52 億ドル(ストリップ 29・地域 12・マカオ 12)、帰属純利益は特別項目を含み約 2 億ドルだった。
2026 年 4〜6 月は連結 EBITDA が 6.1 億ドルへ減り(前年 6.5)、ストリップの客室単価は −4%、地域の EBITDAR は −9%、マカオは −15% だった。純利益 2.9 億ドルはテーブルの勝ち越し率の高さと物件売却益に支えられ、これらを除いた 2026 年の帰属純利益は約 5 億ドルと見る。9 月にはピープル・インクの買収提案(時価総額で約 125 億ドル)が取り下げられ、株は 1 割下げた。
バリュー投資の観点では、固定の賃料が売上の物価上昇より遅く上がるため利益が伸びる点が最大の魅力で、同じ構造が不況では利益を一気に消す。中立の 10 年は EBITDAR 約 70 億ドル、帰属純利益 約 12 億ドル、倍率は資本コスト 10.0%(基本 8.0% + quality +2.0%)の利益ベースの正当化 PER(RONIC = k + 1/3 ×(筋書きの ROE − k)。カジノは景気と旅行で振れ、ラスベガスの供給も増えるので堀は弱い。上限 11.9 倍)の 8 割で約 9.5 倍、時価総額は約 113 億ドル(今の 1.5 倍)。悲観とやや悲観に合計 40% を置くと、本質価値は今とほぼ同じ(差 +1%、適正)。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、MGM は「立地と免許が堀、固定の賃料と景気に弱い」事業である。10 年後もストリップは人を集め、コタイのような免許付きの立地は代わりがきかない。ただし、ストリップの EBITDAR は 2025 年に −8%、2026 年 1〜6 月も −2.5% と、物価の上昇に負けている。利益率の低下(36% → 34%)と客室単価の弱さが続くなら、堀は広がっていない。
株主のものになる利益は、純利益に減価償却と非現金の賃料を足し、維持の投資(年 8 億ドル前後)と、マカオの少数株主の持ち分を引くと、2026 年は 5 億ドル台で、帰属純利益 約 5 億ドルとほぼ同じ。一方、賃料は年 1〜2% しか上がらず、売上が物価で 3.5% 伸びれば、その差が全部利益になる。この点が、数字の上では最大の強みである。
資本配分は自社株買いが主で、株数を 2022 年以降に約 4 割減らした。時価総額が 73 億ドルまで下がった今、残りの枠を使えば効く。値段との関係:式の倍率は g 4%・ROE 22%・k 10.0% で上限 11.9 倍、その 8 割の PER 9.5 倍(10 年目の利益)、中立の 10 年で時価総額 約 113 億ドル、還元を足した年率は +9.1% と資本コスト 10% をわずかに下回る。賃料が固定で売上が割れる筋書き(ストリップの不調、マカオの規制)では利益が消えるため、悲観とやや悲観に合計 40% を置いた。安全域は、HK 上場の MGM チャイナの持分だけで約 31 億ドル(2026 年 8 月の時価からの推定)と、時価総額の 4 割強を占める点と、自社株買いの余力にある。
何で稼ぐ会社か
収益の源は、ゲーミング(ストリップとマカオと地域のスロット・テーブル)と、客室・飲食・ショー・会議の非ゲーミング、オンラインの賭けである。ストリップの売上 約 84 億ドルのうち、カジノは 2 割強、客室と飲食・娯楽が残りを占める。
ストリップ(EBITDAR 約 29 億ドル、利益率 約 35%)はベラージオ・MGM グランド・アリア・マンダレイ・ベイ・ルクソール・ニューヨーク・ニューヨーク・パーク MGM・コスモポリタンなどで、客室の稼働率は 93% と高く、単価と来場者数が利益を決める。地域(売上 約 38 億ドル、EBITDAR 約 12 億ドル)は、スロットが主のデトロイト・メリーランド・スプリングフィールド・ボルゲータ(ニュージャージー)・ミシシッピなど。2026 年 4 月にはノースフィールド・パーク(オハイオ)を売却した。
MGM チャイナ(売上 約 45 億ドル、EBITDAR 約 12 億ドル)はコタイの MGM コタイと半島側の MGM マカオで、免許は 2032 年末まで。2026 年 1〜6 月の取り分は 15.9% で、4〜6 月は約 17% に上がった。MGM が持つのは約 56%、残りは外部の株主に流れる。
デジタル(売上 約 6.5 億ドル、損失 約 0.9 億ドル)は欧州のレオベガスなどを含む。BetMGM は英国のエンテインとの 50% の合弁で、連結せず持分利益だけを入れる(4〜6 月の売上 7.1 億ドル、EBITDA 0.74 億ドル)。大阪の統合型リゾートには 4,280 億円を出資し、2030 年開業を目指す。
サイトの数量 × 価格では、ストリップ・地域・マカオを「市場のゲーミング収入(実質)× MGM の取り分」を数量、物価を価格とし、非ゲーミングは rev_factor で売上に換算した。デジタル・BetMGM は市場の売上 × シェア、大阪は成熟後の売上を数量とした。市場の大きさとシェアの一部は推定。
優良さと弱いところ
堀は 4 つ。第 1 は立地と規模:ストリップに 10 余りのリゾートを持ち、会議・会員(MGM リワーズ)・飲食と娯楽の品揃えがある。ストリップの客室の約 7 割を MGM とシーザーズが持つ(業界ノートの推定)。第 2 は免許:マカオの 6 免許の 1 つ(2032 年末まで)で、新規参入は難しい。第 3 は会員データ:MGM リワーズとオンラインの BetMGM をつないで、ラスベガスの客を取り込める。第 4 はマカオでのシェア上昇(1〜6 月 15.9%)。
弱みは明確である。(1)固定の賃料が年 約 22 億ドルあり、客数が減ると利益が急に落ちる。ストリップの EBITDAR 利益率は 2024 年の 36% 前後から、2026 年 1〜6 月は 34%(ホールドの追い風を除くと 33% 前後)に下がった。(2)資本効率:税引き後の営業利益 ÷(自己資本+純金融負債)は 2026 年の見込みで 15% 前後。賃料は費用に入っており、賃借の資産は元手に入らないので見かけは高いが、賃料の固定費が利益のぶれを大きくしている。(3)マカオは取り分が上がっても、ブランド使用料の増加で MGM チャイナのセグメント利益が減った(連結では消える)。(4)デジタルは損失が続き、BetMGM は 4〜6 月の EBITDA が減った。
経営は 2022 年以降、自社株買いに資本を向けて株数を約 4 割減らした。一方で、大阪の出資 約 21 億ドル(未払い)と、ストリップの高級帯への投資を抱える。資本配分の質は中程度で、買う規律はあるが、賃料の固定費と大阪の資金負担が筋書きの幅を広げている。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
ストリップは 2025 年に来場者が約 7.5% 減り、客室単価と団体の弱さが続いた。2026 年 1〜7 月は来場者が +0.5%、クラーク郡のゲーミング収入が +2.3% と下げ止まったが、1 月のストリップは −11% で、MGM の 4〜6 月の客室単価は −4%(稼働率は 93% で横ばい)だった。構造として、ホテル料金の高騰と諸経費(リゾート・フィー)への不満、低所得層の来訪減、会議の遅れがある。供給は、ミラージュ跡地のハードロックの新ホテル(会社は 2027 年の開業を目指すと発表)、アスレチックスの球場(2028 年の予定)など。シーザーズは 2026 年 5 月にフェルティッタ・エンターテインメントへの売却を発表し(完了は 2027 年の見込み)、同じ価格競争の相手が新しい資本の下で動く。
地域は、ニューヨーク市に 2025 年 12 月に本格免許を得た 3 件などの新設と、スロットの来店減(4〜6 月のスロットの投入額 −7%)が続く。州税の引き上げの圧力もある。マカオは 2026 年 7 月 −8.4%、9 月は前年比 −1.2% と下げているが、1〜9 月は +3% 台である。MGM は取り分を上げており、MGM コタイがシェア 9.7% と伸びる。ゲーミング補足税の免除は 2027 年末までで、その先は未定。
オンラインは、米国のスポーツ賭博とオンラインカジノが州ごとに広がり、市場は伸びるが、ドラフトキングス・ファンデュエルとの競争、予測市場(カルシなど)との食い合い、州の税の引き上げが利益を削る。BetMGM は 4〜6 月の売上が +3%、EBITDA が −15% で、競合の販促費が重い。競合と照らすと、MGM がうまくいけばストリップの EBITDAR は 10 年後に約 41 億ドル、地域 17、マカオ 22 に伸びる。負ければ、ストリップは 22 億ドル前後、マカオは 9 億ドル前後に下がる。
資本政策と M&A
資本の方針は自社株買いと大阪への出資、そして賃料の維持である。配当は出していない。2026 年 1〜6 月に約 700 万株を 2.5 億ドルで買い、株数は 2025 年末の 2.58 億株から 2026 年 6 月末の 2.52 億株へ減った。残りの枠は約 14 億ドル。株式報酬は年 0.6 億ドル前後で、payout_oku は買戻しから株式報酬を引いた正味で置く。増資は想定しない。
借金は 2026 年 6 月末で元本 61 億ドル(親会社の社債 34 億ドル、MGM チャイナ 23 億ドル、円建て 3 億ドル)、現金 25.5 億ドルで、純金融負債は約 36 億ドル。ほかに運用リースの負債が約 239 億ドルあり、台帳(brief.py)の純負債 295 億ドルはこれを含む。リースの現金支払いは VICI のマスターリース 7.4 億ドル(年 2% の固定上昇)などを含め、2027 年 18.6 億ドル、2030 年 19.5 億ドルと決まっている。
M&A:ピープル・インク(旧 IAC、持分 約 26%)が 2026 年 6 月に現金での買収提案(時価総額で約 125 億ドル、直近の株価への上乗せ 24%)を出し、9 月 24 日に取り下げた。MGM は単独で続ける。ほかに、ノースフィールド・パークの売却、ストリップの高級帯の改装、日本の大阪、MGM チャイナの非ゲーミングの投資約束(約 23 億ドルの 3 割強を実行済み)がある。
2026 年に決算期末後すでに実行した自社株買い 2.6 億ドル(10-Q・2026 年 1〜6 月)は、今の株数(時価総額)に反映済みなので、10 年の還元には数えず、自己資本の起点(21.7 億ドル)からも外した。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
ストリップは、会議と団体が 2027 年にかけて戻り、高級帯の改装(ベラージオ・アリア)で単価を上げられる。4〜6 月の稼働率は 93% と高く、単価の −4% は一時的な弱さである。ストリップの賃料は固定(年 2% の上昇)で、売上が物価並みに伸びれば、利益率 1 ポイントの上昇が EBITDAR 約 1 億ドルを生む。
マカオは取り分が 1〜6 月に 15.9%、4〜6 月に約 17% まで上がり(MGM コタイは前期比 +0.7 ポイント)、ブランド使用料の増加は連結の中で消えるため、親会社の利益は減らない。市場が実質 1.1 倍、取り分が 17% 台になれば、MGM チャイナの EBITDAR は 20 億ドル超になる。BetMGM は 4〜6 月に売上が +3% で、競合の販促費の落ち着きと州の税の安定で、持分利益が増える余地がある。大阪は 2030 年に開業し、2035 年には年 3 億ドル前後の受け取りになる。
自社株買いは年 5 億ドル前後で続き、株数が減る。2025 年の純利益 約 2 億ドルは特別項目を含んで低く、正常化した約 5 億ドルを基準にすると今の PER は 14 倍にすぎない。ピープル・インクが 2026 年 6 月に時価総額 約 125 億ドルで買収を提案した事実は、会社の価値が今の値段より高いと見る大株主がいたことを示す。
慎重な見方
2026 年 4〜6 月のストリップの EBITDAR の伸び(+3%)は、テーブルの勝ち越し率が 29.6%(前年 22.9%)と高かったためで、これを平均に戻すと約 0.8 億ドルを引く必要がある。客室単価は −4% で、1〜6 月の EBITDAR は前年を下回った。ストリップの利益率は 36% から 34% に下がり、人件費(組合との契約)と諸経費への不満が続く。ハードロックの新ホテルとアスレチックスの球場、さらに新しい資本の下のシーザーズが、価格競争を強める。
マカオは 4〜6 月に EBITDAR が −15%、テーブルの投入額が −7% で、ホールドの高さ(27.2%)が利益を支えた。ブランド使用料の増加(0.4 億ドル/四半期)は MGM チャイナの少数株主の利益を減らすが、MGM の連結では消える。ゲーミング補足税の免除が 2027 年末で切れ、更新されなければ利益が減る。免許の更新(2032 年)も条件が厳しくなりうる。
固定の賃料が最大の弱点である。賃料は不況でも減らず、EBITDAR が 4 割減れば、賃料と利払いで利益が消える(2009 年の株価は −98%、2020 年は −64%)。BetMGM とデジタルは、予測市場との競争で、損失か低い利益が続く。大阪の出資は 2030 年まで資金を食う。ピープル・インクの提案が取り下げられ、買収の上乗せは消えた。
どちらに重みを置いたか
ストリップの客室単価の弱さと、4〜6 月のホールドの追い風の分は、慎重な見方のとおりで、中立の筋書きではストリップの価格を物価の 1.41 倍より低い 1.28 倍に抑え、利益率を 31% まで下げた。一方、固定の賃料が年 1〜2% しか上がらない点は事実で、売上が物価並みに伸びる筋書きでは利益が大きく伸びる。この非対称が、楽観の大きな上振れと悲観の深い落ち込みの両方を生む。
10 年の確率は 楽観 5%・やや楽観 18%・中立 37%・やや悲観 26%・悲観 14%。悲観を 14% に厚くしたのは、賃料の固定費、マカオの補足税、予測市場、2009 年の −98% の前例のため。借金の重さと景気連動は quality(+2.0%)で資本コスト 10.0% に入れた。総合の差は +1% で適正。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 41.45 ドル105 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 19.78 ドル50 億ドル)。 今の値に割り戻すと 28.27 ドル72 億ドル、今との差 −4.2%、 期待の年率 +7.6%(資本コスト 10.0%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 5% | 121.68 ドル309 億ドル | 48.15 ドル122 億ドル | +475.7% | +19.1% | 8.49 ドル22 億ドル |
| やや楽観 | 18% | 79.44 ドル202 億ドル | 34.68 ドル88 億ドル | +286.9% | +14.5% | 20.54 ドル52 億ドル |
| 中立 | 37% | 44.60 ドル113 億ドル | 22.40 ドル57 億ドル | +127.1% | +8.5% | 24.79 ドル63 億ドル |
| やや悲観 | 26% | 15.24 ドル39 億ドル | 10.43 ドル27 億ドル | −13.0% | −1.4% | 6.67 ドル17 億ドル |
| 悲観 | 14% | 4.33 ドル11 億ドル | 0.94 ドル2 億ドル | −82.1% | −15.8% | 0.74 ドル2 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 41.45 ドル105 億ドル | 19.78 ドル50 億ドル | +107.6% | +7.6% | 61.24 ドル156 億ドル |
今の株価時価総額 29.50 ドル75 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 10.0% を下回るほど割高。
楽観 5% 楽観:ストリップの価格が物価並みに戻り、マカオと大阪が利益を足す 利益 26 億ドル · PER 12.0 倍 · 株価時価総額 121.68 ドル309 億ドル
2035 年。ストリップ市場は実質 1.08 倍・MGM の取り分 22.4%(今 22.0%)、地域 1.05 倍・18.4%、マカオ市場 1.12 倍・取り分 17.2%(今 15.2%)。価格は物価指数でストリップ 1.36 倍・地域 1.38 倍・マカオ 1.38 倍。EBITDAR はストリップ 41.2・地域 17.2・マカオ 21.6・デジタル 2.6・BetMGM 持分 6.3・大阪 3.3 で合計 92.2 億ドル(今 約 52 億ドル)、賃料・本社費・減価償却の 46.0 億ドルを引いた営業利益 46.2 億ドル、帰属純利益 25.8 億ドル(マカオの少数株主の分 6.0 億ドルを引いた後)。還元は 10 年で 122.3 億ドル。
ストリップは会議の回復・高級帯の改装・コンベンションの拡大で価格が物価に近い 1.36 倍まで戻り、利益率は 33% 弱を保つ。マカオは市場が実質 1.12 倍に伸び、MGM の取り分は 17% 台に定着して、補足税の免除は延長される。大阪は 2030 年に開業し、2035 年に年 3 億ドル余りの受け取りになる。BetMGM は州の増加と利益率の改善で持分利益が 6 億ドルを超え、デジタルも黒字になる。賃料の固定費の差で、営業利益は今の 3.6 倍になる。倍率は正当化 PER 13.3 倍の 9.0 割にあたる 12.0 倍に置いた。
- ラスベガス・ストリップ:数量 21.5(ストリップのゲーミング収入(2025 年のドルで測った実質、億ドル)× MGM の取り分)× 価格 1.36(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor は客室・飲食・娯楽を含めた売上への換算)→ 売上 126 億ドル・営業利益 41 億ドル。ストリップ(実質億ドル)× 取り分、と物価指数
- 米国の地域カジノ:数量 28.0(展開する地域市場のゲーミング収入(実質、億ドル)× MGM の取り分)× 価格 1.38(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor は非ゲーミングを含めた売上への換算)→ 売上 56 億ドル・営業利益 17 億ドル。地域市場(実質億ドル)× 取り分、と物価指数
- MGM チャイナ(マカオ):数量 59.5(マカオ市場のゲーミング収入(実質、億ドル)× MGM チャイナの取り分)× 価格 1.38(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor は非ゲーミングと手数料の差引を含めた売上への換算)→ 売上 79 億ドル・営業利益 22 億ドル。マカオ市場(実質億ドル)× 取り分、と物価指数
- MGM デジタル:数量 20.2(対象市場のオンライン賭博の売上(実質、億ドル)× MGM デジタルのシェア)× 価格 1.28(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor は 1 に近い)→ 売上 26 億ドル・営業利益 3 億ドル。対象市場(実質億ドル)× シェア、と物価指数
- BetMGM(持分 50%):数量 60.5(北米のオンライン賭博(スポーツ賭博・オンラインカジノ)の売上(実質、億ドル)× BetMGM のシェア)× 価格 138.0%(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor 0.5 は持分 50%)→ 売上 42 億ドル・営業利益 6 億ドル。北米のオンライン市場(実質億ドル)× シェア、と物価指数。売上は持分 50% 分
- 大阪 IR(持分 約 40%):数量 35.0(施設の売上(2025 年のドルで測った実質、億ドル。成熟時))× 価格 1.35(物価指数(2025 年 = 1.00。円建ての物価は米国より低いので価格を低めに置く)。rev_factor 0.07 は受け取りの売上に対する割合)→ 売上 3 億ドル・営業利益 3 億ドル。成熟時の施設の売上(実質)× 立ち上がり、と物価指数。営業利益は受け取りの換算
倍率:上限の正当化 PER 13.3 倍に対し、12.0 倍(9.0 割)に置いた。中立の 8.0 割に、利益の質がよい分を上乗せした(楽観 +1.0 割)。上限の中身は g 4.0%、RONIC 19.9%(k 10.00% + 残る割合 0.33 ×(事業の ROE − k))、moat は 弱い。式は (1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 39.7%(帳簿の自己資本 ROE(その筋書きの純利益 ÷ 自己資本))。時価総額は、書いた純利益 26 億ドル × 12.0 倍で 309 億ドル。純負債と利払いは純利益に入っているので、借金はさらに引かない。
確率:ストリップの価格が物価並みに戻り、マカオ・大阪・BetMGM が全部効く 10 年。5%。
やや楽観 18% やや楽観:ストリップが緩やかに伸び、マカオと BetMGM も伸びる 利益 19 億ドル · PER 10.9 倍 · 株価時価総額 79.44 ドル202 億ドル
2035 年。ストリップ市場は実質 1.06 倍・MGM の取り分 22.0%(今 22.0%)、地域 1.03 倍・18.1%、マカオ市場 1.08 倍・取り分 16.6%(今 15.2%)。価格は物価指数でストリップ 1.32 倍・地域 1.34 倍・マカオ 1.34 倍。EBITDAR はストリップ 37.6・地域 15.6・マカオ 18.9・デジタル 1.6・BetMGM 持分 4.3・大阪 3.0 で合計 80.9 億ドル(今 約 52 億ドル)、賃料・本社費・減価償却の 45.5 億ドルを引いた営業利益 35.4 億ドル、帰属純利益 18.6 億ドル(マカオの少数株主の分 4.8 億ドルを引いた後)。還元は 10 年で 88.1 億ドル。
ストリップは価格が 1.32 倍と物価の 1.41 倍を少し下回り、利益率は 32%。マカオの取り分は 16.6% で補足税は一部延長。大阪は計画どおり開業。BetMGM の持分利益は 4 億ドル台、デジタルは小さな黒字。自社株買いが年 9〜10 億ドルまで増える。倍率は正当化 PER 12.8 倍の 8.5 割にあたる 10.8 倍に置いた。
- ラスベガス・ストリップ:数量 20.8(ストリップのゲーミング収入(2025 年のドルで測った実質、億ドル)× MGM の取り分)× 価格 1.32(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor は客室・飲食・娯楽を含めた売上への換算)→ 売上 118 億ドル・営業利益 38 億ドル。ストリップ(実質億ドル)× 取り分、と物価指数
- 米国の地域カジノ:数量 27.0(展開する地域市場のゲーミング収入(実質、億ドル)× MGM の取り分)× 価格 1.34(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor は非ゲーミングを含めた売上への換算)→ 売上 53 億ドル・営業利益 16 億ドル。地域市場(実質億ドル)× 取り分、と物価指数
- MGM チャイナ(マカオ):数量 55.4(マカオ市場のゲーミング収入(実質、億ドル)× MGM チャイナの取り分)× 価格 1.34(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor は非ゲーミングと手数料の差引を含めた売上への換算)→ 売上 71 億ドル・営業利益 19 億ドル。マカオ市場(実質億ドル)× 取り分、と物価指数
- MGM デジタル:数量 15.9(対象市場のオンライン賭博の売上(実質、億ドル)× MGM デジタルのシェア)× 価格 1.24(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor は 1 に近い)→ 売上 20 億ドル・営業利益 2 億ドル。対象市場(実質億ドル)× シェア、と物価指数
- BetMGM(持分 50%):数量 50.9(北米のオンライン賭博(スポーツ賭博・オンラインカジノ)の売上(実質、億ドル)× BetMGM のシェア)× 価格 134.0%(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor 0.5 は持分 50%)→ 売上 34 億ドル・営業利益 4 億ドル。北米のオンライン市場(実質億ドル)× シェア、と物価指数。売上は持分 50% 分
- 大阪 IR(持分 約 40%):数量 32.9(施設の売上(2025 年のドルで測った実質、億ドル。成熟時))× 価格 1.32(物価指数(2025 年 = 1.00。円建ての物価は米国より低いので価格を低めに置く)。rev_factor 0.07 は受け取りの売上に対する割合)→ 売上 3 億ドル・営業利益 3 億ドル。成熟時の施設の売上(実質)× 立ち上がり、と物価指数。営業利益は受け取りの換算
倍率:上限の正当化 PER 12.8 倍に対し、10.8 倍(8.5 割)に置いた。中立の 8.0 割に、利益の質がよい分を上乗せした(やや楽観 +0.5 割)。上限の中身は g 4.0%、RONIC 17.1%(k 10.00% + 残る割合 0.33 ×(事業の ROE − k))、moat は 弱い。式は (1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 31.2%(帳簿の自己資本 ROE(その筋書きの純利益 ÷ 自己資本))。時価総額は、書いた純利益 19 億ドル × 10.8 倍で 202 億ドル。純負債と利払いは純利益に入っているので、借金はさらに引かない。
確率:マカオと BetMGM が伸び、ストリップは緩やかに伸びる。18%。
中立 37% 中立:ストリップの価格は物価より低く、固定の賃料の差で利益が伸びる 利益 12 億ドル · PER 9.5 倍 · 株価時価総額 44.60 ドル113 億ドル
2035 年。ストリップ市場は実質 1.05 倍・MGM の取り分 21.5%(今 22.0%)、地域 1.00 倍・17.8%、マカオ市場 1.04 倍・取り分 16.0%(今 15.2%)。価格は物価指数でストリップ 1.28 倍・地域 1.30 倍・マカオ 1.30 倍。EBITDAR はストリップ 34.2・地域 13.7・マカオ 15.7・デジタル 0.8・BetMGM 持分 2.7・大阪 2.7 で合計 69.8 億ドル(今 約 52 億ドル)、賃料・本社費・減価償却の 44.8 億ドルを引いた営業利益 25.0 億ドル、帰属純利益 11.9 億ドル(マカオの少数株主の分 3.4 億ドルを引いた後)。還元は 10 年で 56.9 億ドル。
ストリップは客室単価が物価に負け続けて価格が 1.28 倍に留まり、利益率は 31% まで下がる(賃料は固定なので、営業利益はそれでも今の 2 倍になる)。マカオは市場が実質 1.04 倍・MGM の取り分は 16.0%、補足税の免除は延長されず、実効税率は 25% に上がる。大阪は 2030 年に開業し、2035 年は成熟の 86% の 2.7 億ドルの受け取り。地域は 28% の利益率で、BetMGM の持分利益は 2.7 億ドル、デジタルは小さな黒字。自社株買いが年 4〜10 億ドルで続き、株数は減る。倍率は正当化 PER 11.9 倍の 8.0 割にあたる 9.5 倍に置いた。
- ラスベガス・ストリップ:数量 20.1(ストリップのゲーミング収入(2025 年のドルで測った実質、億ドル)× MGM の取り分)× 価格 1.28(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor は客室・飲食・娯楽を含めた売上への換算)→ 売上 110 億ドル・営業利益 34 億ドル。ストリップ(実質億ドル)× 取り分、と物価指数
- 米国の地域カジノ:数量 25.8(展開する地域市場のゲーミング収入(実質、億ドル)× MGM の取り分)× 価格 1.30(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor は非ゲーミングを含めた売上への換算)→ 売上 49 億ドル・営業利益 14 億ドル。地域市場(実質億ドル)× 取り分、と物価指数
- MGM チャイナ(マカオ):数量 51.4(マカオ市場のゲーミング収入(実質、億ドル)× MGM チャイナの取り分)× 価格 1.30(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor は非ゲーミングと手数料の差引を含めた売上への換算)→ 売上 64 億ドル・営業利益 16 億ドル。マカオ市場(実質億ドル)× 取り分、と物価指数
- MGM デジタル:数量 12.8(対象市場のオンライン賭博の売上(実質、億ドル)× MGM デジタルのシェア)× 価格 1.20(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor は 1 に近い)→ 売上 16 億ドル・営業利益 1 億ドル。対象市場(実質億ドル)× シェア、と物価指数
- BetMGM(持分 50%):数量 42.1(北米のオンライン賭博(スポーツ賭博・オンラインカジノ)の売上(実質、億ドル)× BetMGM のシェア)× 価格 130.0%(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor 0.5 は持分 50%)→ 売上 27 億ドル・営業利益 3 億ドル。北米のオンライン市場(実質億ドル)× シェア、と物価指数。売上は持分 50% 分
- 大阪 IR(持分 約 40%):数量 30.1(施設の売上(2025 年のドルで測った実質、億ドル。成熟時))× 価格 1.28(物価指数(2025 年 = 1.00。円建ての物価は米国より低いので価格を低めに置く)。rev_factor 0.07 は受け取りの売上に対する割合)→ 売上 3 億ドル・営業利益 3 億ドル。成熟時の施設の売上(実質)× 立ち上がり、と物価指数。営業利益は受け取りの換算
倍率:上限の正当化 PER 11.9 倍に対し、9.5 倍(8.0 割)に置いた。新しく投じる資本の稼ぎは先で薄れるので 8.0 割に置いた。上限の中身は g 4.0%、RONIC 14.0%(k 10.00% + 残る割合 0.33 ×(事業の ROE − k))、moat は 弱い。式は (1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 22.0%(帳簿の自己資本 ROE(その筋書きの純利益 ÷ 自己資本))。時価総額は、書いた純利益 12 億ドル × 9.5 倍で 113 億ドル。純負債と利払いは純利益に入っているので、借金はさらに引かない。
確率:ストリップの価格は物価より低く、マカオは市場が伸びて取り分が上がる。固定の賃料が利益を伸ばす。37%。
やや悲観 26% やや悲観:ストリップの価格と利益率が劣り、マカオの税も上がる 利益 5 億ドル · PER 7.2 倍 · 株価時価総額 15.24 ドル39 億ドル
2035 年。ストリップ市場は実質 1.00 倍・MGM の取り分 20.8%(今 22.0%)、地域 0.97 倍・17.4%、マカオ市場 0.98 倍・取り分 15.2%(今 15.2%)。価格は物価指数でストリップ 1.24 倍・地域 1.28 倍・マカオ 1.28 倍。EBITDAR はストリップ 29.4・地域 12.4・マカオ 13.4・デジタル 0.0・BetMGM 持分 1.5・大阪 2.3 で合計 59.0 億ドル(今 約 52 億ドル)、賃料・本社費・減価償却の 43.2 億ドルを引いた営業利益 15.8 億ドル、帰属純利益 5.4 億ドル(マカオの少数株主の分 2.4 億ドルを引いた後)。還元は 10 年で 26.5 億ドル。
ストリップの来場者は横ばいに留まり、価格が 1.24 倍(物価の 1.41 倍より 12% 低い)で、利益率は 30% まで下がる。マカオは市場が実質 0.98 倍、取り分は今と同じ 15.2%、補足税の免除が切れて実効税率は 26% に上がる。地域は州税とスロットの来店減で利益率が 27%。BetMGM は予測市場に食われて持分利益は 1.5 億ドル、デジタルは損益ゼロ。大阪の受け取りは 2.3 億ドル。固定の賃料と減価償却の分、営業利益は 16 億ドルと今の 約 13 億ドルを少し上回るだけで、帰属純利益は 5 億ドル台に留まる。自社株買いは年 3〜4 億ドル。倍率は正当化 PER 10.2 倍の 7.0 割にあたる 7.2 倍に置いた。
- ラスベガス・ストリップ:数量 18.5(ストリップのゲーミング収入(2025 年のドルで測った実質、億ドル)× MGM の取り分)× 価格 1.24(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor は客室・飲食・娯楽を含めた売上への換算)→ 売上 98 億ドル・営業利益 29 億ドル。ストリップ(実質億ドル)× 取り分、と物価指数
- 米国の地域カジノ:数量 24.5(展開する地域市場のゲーミング収入(実質、億ドル)× MGM の取り分)× 価格 1.28(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor は非ゲーミングを含めた売上への換算)→ 売上 46 億ドル・営業利益 12 億ドル。地域市場(実質億ドル)× 取り分、と物価指数
- MGM チャイナ(マカオ):数量 46.0(マカオ市場のゲーミング収入(実質、億ドル)× MGM チャイナの取り分)× 価格 1.28(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor は非ゲーミングと手数料の差引を含めた売上への換算)→ 売上 56 億ドル・営業利益 13 億ドル。マカオ市場(実質億ドル)× 取り分、と物価指数
- MGM デジタル:数量 9.0(対象市場のオンライン賭博の売上(実質、億ドル)× MGM デジタルのシェア)× 価格 1.15(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor は 1 に近い)→ 売上 10 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象市場(実質億ドル)× シェア、と物価指数
- BetMGM(持分 50%):数量 33.3(北米のオンライン賭博(スポーツ賭博・オンラインカジノ)の売上(実質、億ドル)× BetMGM のシェア)× 価格 125.0%(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor 0.5 は持分 50%)→ 売上 21 億ドル・営業利益 1 億ドル。北米のオンライン市場(実質億ドル)× シェア、と物価指数。売上は持分 50% 分
- 大阪 IR(持分 約 40%):数量 26.6(施設の売上(2025 年のドルで測った実質、億ドル。成熟時))× 価格 1.24(物価指数(2025 年 = 1.00。円建ての物価は米国より低いので価格を低めに置く)。rev_factor 0.07 は受け取りの売上に対する割合)→ 売上 2 億ドル・営業利益 2 億ドル。成熟時の施設の売上(実質)× 立ち上がり、と物価指数。営業利益は受け取りの換算
倍率:上限の正当化 PER 10.2 倍に対し、7.2 倍(7.0 割)に置いた。中立(8.0 割)より 0.5 割低くした。利益の質が悪い筋書きだからだ。上限の中身は g 4.0%、RONIC 10.3%(k 10.00% + 残る割合 0.33 ×(事業の ROE − k))、moat は 弱い。式は (1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 11.0%(帳簿の自己資本 ROE(その筋書きの純利益 ÷ 自己資本))。時価総額は、書いた純利益 5 億ドル × 7.2 倍で 39 億ドル。純負債と利払いは純利益に入っているので、借金はさらに引かない。
確率:ストリップの価格が劣り、補足税が上がり、デジタルが赤字のまま。景気の山と谷を 1 回ずつ含む。26%。
悲観 14% 悲観:構造的に負ける。価格が物価に負け、固定の賃料が重く、もう優良ではなくなる 利益 −4 億ドル · PBR 0.5 倍 · 株価時価総額 4.33 ドル11 億ドル
2035 年。ストリップ市場は実質 0.93 倍・MGM の取り分 19.7%(今 22.0%)、地域 0.92 倍・16.5%、マカオ市場 0.85 倍・取り分 14.0%(今 15.2%)。価格は物価指数でストリップ 1.14 倍・地域 1.20 倍・マカオ 1.20 倍。EBITDAR はストリップ 22.3・地域 9.8・マカオ 9.1・デジタル -0.5・BetMGM 持分 0.2・大阪 1.2 で合計 42.2 億ドル(今 約 52 億ドル)、賃料・本社費・減価償却の 39.4 億ドルを引いた営業利益 2.8 億ドル、帰属純利益 -3.7 億ドル(マカオの少数株主の分 0.2 億ドルを引いた後)。還元は 10 年で 2.4 億ドル。
ストリップの来場者が 7% 減り、価格が 1.14 倍(物価の 1.41 倍の 8 割)に留まって利益率が 28% に下がる。マカオは市場が実質 0.85 倍・取り分は 14% に下がり、補足税は 27% の実効税率に上がる(免許の更新の条件も厳しくなる)。地域は州税の引き上げと新設の競合で EBITDAR が 10 億ドル弱に落ちる。BetMGM は予測市場とドラフトキングス・ファンデュエルに食われ、デジタルは赤字。賃料は固定で、営業利益は 3 億ドル弱、利払い 6 億ドルの後は帰属純損失 4 億ドル弱になる。もう優良な会社ではなくなり、自己資本は 23 億ドルまで減る。還元の 2 億ドルは 2026 年に済んだ買戻しで、以後は止まり、現金と物件の売却で払う。借入の借り換えは進み、倒産の筋書きではない。
- ラスベガス・ストリップ:数量 16.3(ストリップのゲーミング収入(2025 年のドルで測った実質、億ドル)× MGM の取り分)× 価格 1.14(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor は客室・飲食・娯楽を含めた売上への換算)→ 売上 80 億ドル・営業利益 22 億ドル。ストリップ(実質億ドル)× 取り分、と物価指数
- 米国の地域カジノ:数量 22.0(展開する地域市場のゲーミング収入(実質、億ドル)× MGM の取り分)× 価格 1.20(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor は非ゲーミングを含めた売上への換算)→ 売上 38 億ドル・営業利益 10 億ドル。地域市場(実質億ドル)× 取り分、と物価指数
- MGM チャイナ(マカオ):数量 36.8(マカオ市場のゲーミング収入(実質、億ドル)× MGM チャイナの取り分)× 価格 1.20(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor は非ゲーミングと手数料の差引を含めた売上への換算)→ 売上 42 億ドル・営業利益 9 億ドル。マカオ市場(実質億ドル)× 取り分、と物価指数
- MGM デジタル:数量 5.4(対象市場のオンライン賭博の売上(実質、億ドル)× MGM デジタルのシェア)× 価格 1.05(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor は 1 に近い)→ 売上 6 億ドル・営業利益 0 億ドル。対象市場(実質億ドル)× シェア、と物価指数
- BetMGM(持分 50%):数量 19.6(北米のオンライン賭博(スポーツ賭博・オンラインカジノ)の売上(実質、億ドル)× BetMGM のシェア)× 価格 110.0%(物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor 0.5 は持分 50%)→ 売上 11 億ドル・営業利益 0 億ドル。北米のオンライン市場(実質億ドル)× シェア、と物価指数。売上は持分 50% 分
- 大阪 IR(持分 約 40%):数量 15.0(施設の売上(2025 年のドルで測った実質、億ドル。成熟時))× 価格 1.12(物価指数(2025 年 = 1.00。円建ての物価は米国より低いので価格を低めに置く)。rev_factor 0.07 は受け取りの売上に対する割合)→ 売上 1 億ドル・営業利益 1 億ドル。成熟時の施設の売上(実質)× 立ち上がり、と物価指数。営業利益は受け取りの換算
倍率:純損失の年に PER は当てられない。稼ぐ力(純利益 ÷ k)は負で値がつかないので、床は売れる資産から負債を引いた残りで置く:MGM チャイナの持分(約 31 億ドル)と大阪の出資・現金はあるが、賃料の債務を含む純負債 292 億ドルに先に回るので、株主の取り分は自己資本 22.8 億ドル(今 24 億ドルから 2026〜35 年の純損失と買戻しで減る)の半分、PBR 0.5 倍(約 11 億ドル)に置いた。市場の値付けには寄せていない。式の ROE −16%・g 2.8% では PER の式が成り立たない(ROE が g に届かない)。EV(純有利子負債を足す)÷ 営業利益では 109 倍で、借金を含めると PER ほど安くはない。借金の重さは quality の debt と悲観の深さに入れた。
確率:10 年のうちに「もう優良ではなくなる」確率として 14%。価格が物価に負け続ける・補足税が切れる・予測市場に食われる・賃料の固定費、のどれかが当たる。2009 年の株価 −98% の前例。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
ラスベガス・ストリップ
ラスベガス・ストリップの MGM のリゾート 10 余り(ベラージオ・MGM グランド・アリア・マンダレイ・ベイなど)。EBITDAR ベース(賃料の前)。
| 数量ストリップのゲーミング収入(2025 年のドルで測った実質、億ドル)× MGM の取り分 | 価格物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor は客室・飲食・娯楽を含めた売上への換算 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 19.6 | 1.00 | 84 | 29 |
| 10 年後 中立 | 20.1 | 1.28 | 110 | 34 |
取り方:ストリップのゲーミング収入 約 89 億ドル(クラーク郡のストリップ。2025 年は横ばい圏)× MGM の取り分 22%(推定。MGM のストリップのカジノ収入 約 20 億ドルから逆算)= 19.6 億ドル。売上 84 億ドル・EBITDAR 29 億ドルは 2025 年通期の開示(EBITDAR は賃料の前)。カジノは売上の 2 割強で、客室・飲食・娯楽が大半なので rev_factor が 4.3 と大きい。
米国の地域カジノ
デトロイト・メリーランド・スプリングフィールド・ボルゲータ・ミシシッピなど。EBITDAR ベース。
| 数量展開する地域市場のゲーミング収入(実質、億ドル)× MGM の取り分 | 価格物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor は非ゲーミングを含めた売上への換算 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 26.1 | 1.00 | 38 | 12 |
| 10 年後 中立 | 25.8 | 1.30 | 49 | 14 |
取り方:MGM の展開する州・都市の合計のゲーミング収入 約 145 億ドル(推定)× MGM の取り分 18%(推定)= 26.1 億ドル。売上 38 億ドル・EBITDAR 12 億ドルは 2025 年通期の開示。ノースフィールド・パークは 2026 年 4 月に売却済みで、2025 年の値には含むが、小さい(賃料 0.5 億ドルが減る)。
MGM チャイナ(マカオ)
コタイの MGM コタイと半島側の MGM マカオ。MGM が約 56% を持つ。EBITDAR ベース(連結で全額を入れ、少数株主の分は純利益の段で引く)。
| 数量マカオ市場のゲーミング収入(実質、億ドル)× MGM チャイナの取り分 | 価格物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor は非ゲーミングと手数料の差引を含めた売上への換算 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 47.0 | 1.00 | 45 | 12 |
| 10 年後 中立 | 51.4 | 1.30 | 64 | 16 |
取り方:マカオ市場の 2025 年のゲーミング収入 約 309 億ドル(業界ノート)× MGM チャイナの取り分 15.2%(推定。2026 年 1〜6 月は 15.9%、4〜6 月は約 17%)= 47.0 億ドル。売上 45 億ドル・EBITDAR 12 億ドルは 2025 年通期の開示。ブランド使用料(親会社へ)はセグメントの費用に入っており連結で消える。
MGM デジタル
オンラインカジノ(レオベガスなど欧州・カナダ)。EBITDAR ベース。BetMGM は別のセグメント。
| 数量対象市場のオンライン賭博の売上(実質、億ドル)× MGM デジタルのシェア | 価格物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor は 1 に近い | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 6.4 | 1.00 | 7 | −1 |
| 10 年後 中立 | 12.8 | 1.20 | 16 | 1 |
取り方:対象市場(欧州・カナダ・メキシコなど MGM デジタルが営業する国)のオンライン賭博の売上 約 280 億ドル(推定)× シェア 2.3% = 6.4 億ドル。売上 6.54 億ドル・損失 0.9 億ドルは 2025 年通期の開示。売上と数量が近いのは、市場の売上 × シェアで置いた推定のため(開示が無い)。オンラインの価格(賭けの手数料・還元)は物価に連れて上がらないので、10 年の価格を物価より低い 1.20 倍にした。
BetMGM(持分 50%)
エンテインとの 50% の合弁。連結せず持分の営業利益だけを入れる。売上は持分 50% 分の見かけ。
| 数量北米のオンライン賭博(スポーツ賭博・オンラインカジノ)の売上(実質、億ドル)× BetMGM のシェア | 価格物価指数(2025 年 = 1.00)。rev_factor 0.5 は持分 50% | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 29.1 | 100.0% | 15 | 1 |
| 10 年後 中立 | 42.1 | 130.0% | 27 | 3 |
取り方:北米のオンライン賭博の売上 約 280 億ドル(推定)× BetMGM のシェア 10.4% = 29.1 億ドル(BetMGM の売上は年 約 29 億ドル。4〜6 月は 7.1 億ドル)。持分の営業利益は 2026 年 4〜6 月 0.23 億ドル、1〜6 月 0.30 億ドルから、2025 年を約 1.0 億ドルと推定(開示は持分の営業利益のみ)。持分 50% を rev_factor 0.5 で売上に換算し、利益率は持分の営業利益 ÷ 持分の売上。
大阪 IR(持分 約 40%)
大阪の統合型リゾート(2030 年開業予定)。MGM の受け取り(持分利益と運営の料金)を営業利益に換算。
| 数量施設の売上(2025 年のドルで測った実質、億ドル。成熟時) | 価格物価指数(2025 年 = 1.00。円建ての物価は米国より低いので価格を低めに置く)。rev_factor 0.07 は受け取りの売上に対する割合 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 0.0 | 1.00 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 30.1 | 1.28 | 3 | 3 |
取り方:開業前のため今は 0。成熟時の売上を 35 億ドル(実質。年間の来場者と客単価から推定)と置き、運営の料金と持分約 40% の持分利益(EBITDA から減価償却と利払いを引いた残りの 4 割)の合計を売上の 7% と推定(約 2.5 億ドル)。開示は無い(推定)。2035 年は開業の 5 年後で成熟の 86%。出資の払い込み(約 21 億ドル)は還元から引いた。
リスクと懸念
固定の賃料が利益を増幅する
賃料の費用は年 約 22 億ドルで、VICI のマスターリースは年 2% の固定上昇、ベラージオの賃借なども不況で減らない。ストリップ・地域の EBITDAR が 4 割減ると、賃料と利払い(年 約 4 億ドル)で純利益が消え、悲観では帰属純損失 4 億ドル弱を置いた。2009 年の株価は −98%、2020 年は −64%。
ストリップの客室単価と来場者の弱さ
ストリップの来場者は 2025 年に約 7.5% 減り、MGM の 4〜6 月の客室単価は −4%、1〜6 月の EBITDAR は前年を下回った。ストリップの利益率は 36%(2024 年)から 34%(2026 年 1〜6 月)に下がった。ハードロックの新ホテル、アスレチックスの球場、シーザーズの新しい資本の下の価格競争で、価格が物価に負け続けるなら、中立でも利益は伸びない。
ホールドの振れ
4〜6 月はストリップのテーブルの勝ち越し率が 29.6%(前年 22.9%)と高く、税引き後で純利益に約 0.6 億ドルを足した。これを除いた 2026 年の帰属純利益は 約 5 億ドルで、公表の調整後の値より低い。ホールドが平均に戻ると利益は想定より小さく出る。
マカオの補足税と免許
ゲーミング補足税の免除は 2027 年末まで(非ゲーミングと配当は課税)で、更新が決まっていない。更新されなければ MGM チャイナの税が上がり、帰属利益が減る。免許は 2032 年末までで、更新の条件が厳しくなる恐れもある。マカオの市場は 4 か月連続で前年割れ(9 月 −1.2%)。
デジタルと BetMGM の競争
MGM デジタルは損失が続き(2025 年 約 0.9 億ドル)、BetMGM は 4〜6 月に売上 +3%、EBITDA −15%。ドラフトキングス・ファンデュエルの規模と、予測市場(カルシなど)の食い合い、州の税の引き上げが利益を削る。持分利益が伸びない筋書きを置いた。
大阪の出資と資本配分
大阪の出資 4,280 億円のうち約 3,360 億円(約 21 億ドル)が未払いで、2030 年の開業まで資金を使う。総事業費が上振れし、開業が遅れるなら、自社株買いの余力が減り、持分利益も遅れる。経営は自社株買いを優先しており、割高の時に買えば価値を壊す。
買収の提案が取り下げられた影響
ピープル・インクの現金での提案は 9 月 24 日に取り下げられ、買収の上乗せは消えた。大株主(約 26%)が将来また動くか、株を売るかが読めず、株価は短期で振れる。本質価値の計算は買収の上乗せを入れていない。
今後の分かれ目
- ストリップの客室単価が 2027 年も前年割れが続く
- ストリップの価格が物価に負け続け、中立の価格 1.28 倍がやや悲観の 1.24 倍に近づく。賃料が固定で、EBITDAR が年 1〜2 億ドル削れるだけで帰属純利益が 3 割減る。
- マカオのゲーミング補足税の免除が 2027 年末で切れ、更新されない
- MGM チャイナの税が上がり、帰属利益が 1 割強減る。取り分の上昇(15.9% → 17%)が相殺するかが分かれ目。
- MGM コタイの取り分が 17% 台で定着する
- マカオの EBITDAR が中立の 16 億ドルを上回り、楽観に近づく。ブランド使用料は連結で消えるため親会社の利益に効く。
- ストリップの会議・団体の予約が 2027 年にかけて戻る
- 稼働率が 93% のまま客室単価が上がり、利益率が 35% に戻る。EBITDAR が 3〜4 億ドル増え、やや楽観以上に寄る。
- 景気後退で来場者が 2 割減る
- 賃料の固定費で EBITDAR が半分になり、悲観の筋書きに入る。自社株買いは止まり、自己資本が減る。MGM チャイナの持分と現金が下値の支えになる。
- ピープル・インクがふたたび買収を提案する、または持分を売る
- 提案が出れば、時価総額の評価が上がる。持分の売却が大きければ短期の需給が悪化するが、本質価値は変わらない。
見ておくもの
- ストリップの客室単価・稼働率・EBITDAR 利益率(四半期)と、LVCVA の来場者・会議の参加者・ゲーミング収入
- マカオの月次ゲーミング収入と MGM チャイナのシェア(15.9% → 17% が定着するか)、ゲーミング補足税の免除の延長
- テーブルの勝ち越し率(ストリップ・マカオ)と調整後の値の差、2026 年 10 月 28 日ごろの決算
- MGM デジタルの損失の縮小と BetMGM の EBITDA、予測市場の規制と州の税の動き
- 自社株買いの額と株数、純金融負債と賃料の支払いの比(賃料の被覆)
- ハードロックの新ホテル・アスレチックスの球場・シーザーズの再編後の価格行動
倍率と資本コストの決め方
倍率は今の株価・PER を見ずに、k 10.0%(基本 8.0% + quality +2.0%)・g 2.8〜4% の利益ベースの正当化 PER(RONIC = k + 1/3 ×(筋書きの ROE − k)。カジノは景気と旅行で振れ、ラスベガスの供給も増えるので堀は弱い)の 7〜10 割で出した(中立 9.5 倍)。g は市場(実質)× シェア × 価格、ROE は帳簿の自己資本 ROE(6〜40%)を使った。ROIC から直した値の方が高く出る筋書きでは、帳簿の値で抑えた。今は正常化した利益で PER 約 14 倍で、時価総額の 4 割強は MGM チャイナの持分にあたる。結果は今とほぼ同じ(差 +1%、適正)で、固定の賃料が物価より遅く上がる前提(賃料の損益は年 1% 前後)に依存する。この前提が崩れる筋書き(価格が物価に負ける、利益率が下がる、補足税)を、悲観とやや悲観に合計 40% 置いた。
資本コスト 10.0% = 無リスク金利 5% + β 4.89 × 5%。資本コスト k = 基本 8.0% + quality +2.0% = 10.0%(v2。株価の揺れ(β)は使わない)。景気連動の強さと借金の重さを quality の cycle・debt で見た。マカオの免許・オンライン賭博の競争・債務の借り換えという個別のリスクは k に足さず、筋書きと確率で表した。事業は傾いておらず、extra は 0。